特許第6861281号(P6861281)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6861281
(24)【登録日】2021年3月31日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】イントロデューサ
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/06 20060101AFI20210412BHJP
   A61B 17/34 20060101ALI20210412BHJP
【FI】
   A61M25/06 550
   A61B17/34
【請求項の数】15
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2019-530712(P2019-530712)
(86)(22)【出願日】2017年12月11日
(65)【公表番号】特表2020-500636(P2020-500636A)
(43)【公表日】2020年1月16日
(86)【国際出願番号】US2017065534
(87)【国際公開番号】WO2018107147
(87)【国際公開日】20180614
【審査請求日】2019年6月27日
(31)【優先権主張番号】62/431,972
(32)【優先日】2016年12月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】フィッテラー、ミミ チン
(72)【発明者】
【氏名】イノ、タカシ エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】エスカローナ、フロリザ キュー.
(72)【発明者】
【氏名】カロメニ、マイケル ピー.
【審査官】 伊藤 孝佑
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2016/0074067(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0236123(US,A1)
【文献】 特開平06−197981(JP,A)
【文献】 米国特許第05256150(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/06
A61B 17/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イントロデューサであって、
ルーメンと、基端領域と、前記基端領域に沿って長手方向に延在する少なくとも1つの折り畳み部分と、を含む内側ライナーと、
長手方向軸を有する拡張可能支持部材であって、拡張可能支持部材の長さに沿って長手方向に延在する複数のリブを含む拡張可能支持部材と、
前記拡張可能支持部材の先端側に配置された背骨部材であって、背骨部材の長さに沿って延在する複数の補強部材を有する背骨部材と、
前記拡張可能支持部材および背骨部材の少なくとも一部に取り付けられたシースと
を含み、
前記拡張可能支持部材は、第1の位置から拡張位置に移行するように設計される、イントロデューサ。
【請求項2】
前記拡張可能支持部材が、前記内側ライナーの少なくとも一部の周りに延在する、請求項1に記載のイントロデューサ。
【請求項3】
前記拡張可能支持部材が、前記内側ライナーと前記シースとの間に位置決めされる、請求項1または2に記載のイントロデューサ。
【請求項4】
前記複数のリブが、前記内側ライナー、前記シースまたは前記内側ライナーおよび前記シースの両方に対して自由に半径方向に拡張する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のイントロデューサ。
【請求項5】
前記少なくとも1つの折り畳み部分が、前記内側ライナーが半径方向に拡張することを可能にする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のイントロデューサ。
【請求項6】
前記少なくとも1つの折り畳み部分が、前記拡張可能支持部材の内面の少なくとも一部に沿って延在する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のイントロデューサ。
【請求項7】
前記シースの少なくとも一部が、前記少なくとも1つの折り畳み部分が半径方向に拡張するときに拡張するように構成される、請求項1〜6のいずれか一項に記載のイントロデューサ。
【請求項8】
前記複数のリブが、第1の組のリブ部材および第2の組のリブ部材を含み、前記第1の組のリブ部材が、前記第2の組のリブ部材と互いに組み合う、請求項1〜7のいずれか一項に記載のイントロデューサ。
【請求項9】
前記拡張可能支持部材が、該拡張可能支持部材の長さに沿って延在する背骨をさらに含み、前記背骨が、前記シースに取り付けられる、請求項8に記載のイントロデューサ。
【請求項10】
前記第1の組のリブ要素が、前記背骨の第1の横向き縁に取り付けられ、前記第2の組のリブ要素が、前記背骨の第2の横向き縁に取り付けられる、請求項9に記載のイントロデューサ。
【請求項11】
イントロデューサであって、
ルーメンと、基端領域と、前記基端領域に沿って延在する少なくとも1つの折り畳み部分と、を含む内側ライナーと、
前記イントロデューサの長手方向軸に沿って延在する背骨を有する拡張可能支持部材と、
前記背骨に取り付けられた第1の組のリブ部材であって、第1の組のリブ部材のそれぞれは、第1の方向において前記背骨から外方に延在する、第1の組のリブ部材と、
前記背骨に取り付けられた第2の組のリブ部材であって、第2の組のリブ部材のそれぞれは、前記第1の方向と異なる第2の方向において、前記背骨から外方に延在する、第2の組のリブ部材と、
前記拡張可能支持部材の先端側に配置された背骨部材であって、背骨部材の長さに沿って延在する複数の補強部材を有する背骨部材と、
前記拡張可能支持部材および背骨部材の少なくとも一部に取り付けられたシースと
を含むイントロデューサ。
【請求項12】
前記第1の組のリブ部材および前記第2の組のリブ部材が、半径方向外方に拡張するように構成される、請求項11に記載のイントロデューサ。
【請求項13】
前記第1の組のリブ部材が、前記第2の組のリブ部材と互いに組み合うように構成される、請求項11または12に記載のイントロデューサ。
【請求項14】
前記第1の組のリブ部材が、前記第2の組のリブ部材と半径方向に位置合わせされる、請求項11〜13のいずれか一項に記載のイントロデューサ。
【請求項15】
前記第1の組のリブ部材および前記第2の組のリブ部材が、前記内側ライナーの少なくとも一部を取り囲む、請求項11〜14のいずれか一項に記載のイントロデューサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、医療機器に関し、より詳細には、経皮的医療処置において使用するように適合されている医療機器に関する。
【背景技術】
【0002】
経皮的医療処置を施すには、患者の血管系を通して比較的大きい医療機器を挿入および/または操作することが必要な場合がある。しかしながら、血管系に医療機器を挿入することは、血管壁に望ましくない力を加えることになる。例えば、医療機器が血管系を通過するとき、1つ以上の血管壁と望ましくない接触が生じ得る。この干渉は、医療機器が石灰化血管または病変血管に誘導されるときに血管を損傷させる原因となり得る。そのため、医療機器の血管への挿入を容易にするためにイントロデューサを使用することがある。さらに、医療機器によって血管壁に加えられた力により生じる血管外傷は、血管にアクセスするために使用されるイントロデューサの寸法をできるだけ小さくすることによって軽減され得る。したがって、挿入形状(insertion profile)を小さくしつつ、必要に応じて(例えば、医療機器がイントロデューサを通過する間)拡張できるイントロデューサを設計することが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、上記した問題を解決することができるイントロデューサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、医療機器のための設計、材料、製造方法および使用の代替形態を提供する。例示的なイントロデューサは、ルーメンと、基端領域と、基端領域に沿って長手方向に延在する少なくとも1つの折り畳み部分とを有する内側ライナーを含む。イントロデューサは、拡張可能支持部材をさらに含み、拡張可能支持部材は、拡張可能支持部材の長さに沿って延在する複数のリブを含む。イントロデューサは、拡張可能支持部材の少なくとも一部分に取り付けられたシースをさらに含み、拡張可能支持部材は、第1の位置から拡張位置に移行するように設計される。
【0005】
上述の例のいずれかの代わりにまたはそれに加えて、拡張可能支持部材は、内側ライナーの少なくとも一部分の周りに延在する。
上述の例のいずれかの代わりにまたはそれに加えて、支持部材は、内側ライナーとシースとの間に位置決めされる。
【0006】
上述の例のいずれかの代わりにまたはそれに加えて、複数のリブは、ライナー、シースまたはライナーおよびシースの両方に対して自由に動く。
上述の例のいずれかの代わりにまたはそれに加えて、少なくとも1つの折り畳み部分は、内側ライナーが半径方向に拡張することを可能にする。
【0007】
上述の例のいずれかの代わりにまたはそれに加えて、少なくとも1つの折り畳み部分は、支持部材の内面の少なくとも一部分に沿って延在する。
上述の例のいずれかの代わりにまたはそれに加えて、シースの少なくとも一部分は、少なくとも1つの折り畳み部分が半径方向に拡張するときに拡張するように構成される。
【0008】
上述の例のいずれかの代わりにまたはそれに加えて、複数のリブは、第1の組のリブ部材および第2の組のリブ部材を含み、第1の組のリブ部材は、第2の組のリブ部材と互いに組み合う。
【0009】
上述の例のいずれかの代わりにまたはそれに加えて、支持部材は、支持部材の長さに沿って延在する背骨をさらに含み、背骨は、シースに取り付けられる。
上述の例のいずれかの代わりにまたはそれに加えて、第1の組のリブ要素は、背骨の第1の横向き縁に取り付けられ、第2の組のリブ要素は、背骨の第2の横向き縁に取り付けられる。
【0010】
例示的なイントロデューサは、
ルーメンと、基端領域と、基端領域に沿って延在する少なくとも1つの折り畳み部分とを含む内側ライナーと、
イントロデューサの長手方向軸に沿って延在する背骨を有する拡張可能支持部材と、
背骨に取り付けられた第1の組のリブ部材であって、第1の組のリブ部材のそれぞれは、第1の方向において背骨から外方に延在する、第1の組のリブ部材と、
背骨に取り付けられた第2の組のリブ部材であって、第2の組のリブ部材のそれぞれは、第1の方向と異なる第2の方向において背骨から外方に延在する、第2の組のリブ部材と、
支持部材の少なくとも一部分に取り付けられたシースと
を含む。
【0011】
上述の例のいずれかの代わりにまたはそれに加えて、第1の組のリブ部材および第2の組のリブ部材は、半径方向外方に拡張するように構成される。
上述の例のいずれかの代わりにまたはそれに加えて、第1の組のリブ部材は、第2の組のリブ部材と互いに組み合うように構成される。
【0012】
上述の例のいずれかの代わりにまたはそれに加えて、第1の組のリブ部材は、第2の組のリブ部材と半径方向に位置合わせされる。
上述の例のいずれかの代わりにまたはそれに加えて、第1および第2の組のリブ部材は、内側ライナーの少なくとも一部分を取り囲む。
【0013】
上述の例のいずれかの代わりにまたはそれに加えて、第1および第2の組のリブ部材は、内側ライナーとシースとの間に位置決めされる。
上述の例のいずれかの代わりにまたはそれに加えて、第1および第2の組のリブ部材は、ライナー、シースまたはライナーおよびシースの両方に対して自由に動く。
【0014】
身体管腔を治療するための例示的な方法は、
身体管腔内にイントロデューサを位置決めすることであって、イントロデューサは、
ルーメンと、基端領域と、基端領域に沿って延在する少なくとも1つの折り畳み部分とを含む内側ライナーと、
拡張可能支持部材であって、支持部材の長さに沿って延在する複数のリブを含む拡張可能支持部材と、
支持部材の少なくとも一部分に取り付けられたシースと
を含む、位置決めすることと、
イントロデューサシースを通して治療機器を治療部位まで前進させることと
を含む。
【0015】
上述の例のいずれかの代わりにまたはそれに加えて、イントロデューサシースを通して治療機器を治療部位まで前進させることは、複数のリブの少なくとも一部分を半径方向外方に拡張させることを含む。
【0016】
上述の例のいずれかの代わりにまたはそれに加えて、イントロデューサシースを通して治療機器を治療部位まで前進させることは、内側ライナーの少なくとも1つの折り畳み部分を拡張させることを含む。
【0017】
いくつかの例の上述の要約は、本開示のそれぞれの開示の実施形態または全ての実施例を説明するものではない。以下の図面および詳細な説明は、これらの例をより詳細に例示する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】例示的なイントロデューサの斜視図である。
図2】例示的なリブケージの斜視図である。
図3】例示的なリブケージの斜視図である。
図4】例示的なライナーの斜視図である。
図5】例示的な外側シースの斜視図である。
図6図1の線6−6における例示的なイントロデューサの断面図である。
図7図1の線7−7における例示的なイントロデューサの断面図である。
図8】例示的なイントロデューサの断面図である。
図9】例示的なイントロデューサの断面図である。
図10】例示的な背骨部材の斜視図である。
図11】例示的な背骨部材の斜視図である。
図12】例示的なイントロデューサの斜視図である。
図13】例示的なイントロデューサの側面図である。
図14】チップ部材を含む例示的なイントロデューサの斜視図である。
図15】例示的なリブケージの斜視図である。
図16】例示的なリブケージの斜視図である。
図17】例示的なイントロデューサの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示は、様々な修正形態および代替形態に対応できるものの、その細部は、例として図面に示されかつ詳細に説明される。しかしながら、説明の特定の例に本開示を限定することを意図するものではない。むしろ、本開示の趣旨および範囲内にある全ての修正形態、均等物および代替形態を網羅することが意図される。
【0020】
下記で定義する用語に関し、これらの定義は、特許請求の範囲または本明細書の他の箇所で異なる定義が与えられない限り適用される。
本明細書では、全ての数値は、明白に指示されるか否かに関わらず、用語「約」で修飾されると仮定される。用語「約」は、一般的に、当業者が、列挙した値と均等である(例えば、同じ機能または結果を有する)と考える数字の範囲を指す。多くの場合、用語「約」は、最も近い有効数字に丸められる数を含み得る。
【0021】
端点による数値の範囲の列挙は、その範囲内の全ての数字を含む(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4および5を含む)。
本明細書および添付の特許請求の範囲では、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、内容上明白に他の意味を指示しない限り、複数の指示物を含む。本明細書および添付の特許請求の範囲では、用語「または」は、一般的に、内容上明白に他の意味を指示しない限り、「および/または」を含む意味で用いられる。
【0022】
本明細書において、「実施形態」、「いくつかの例」、「他の例」などへの言及は、説明の実施形態が1つ以上の特定の特徴、構造および/または特性を含み得ることを示すことに留意されたい。しかしながら、そのような言及は、必ずしも全ての例が特定の特徴、構造および/または特性を含むことを意味しない。さらに、特定の特徴、構造および/または特性が一実施形態に関連して説明されるとき、そのような特徴、構造および/または特性は、明白に説明されているか否かに関わらず、明白にそうではないという記載がない限り、他の例に関連して使用され得ることも理解されるべきである。
【0023】
以下の詳細な説明は、図面を参照して読まれるべきであり、図面では、異なる図面において同様の要素に同じ符号が付されている。必ずしも縮尺通りではない図面は、実例を示し、および本開示の範囲を限定するものではない。
【0024】
以下の例は、拡張可能なイントロデューサを含む血管内医療機器を開示しており、イントロデューサは、縮小形状(reduced profile)の拡張されていない構成から拡張構成に拡張するように設計される。
【0025】
図1は、第1の拡張可能部分14と、第2の拡張可能部分12と、ハブ15とを含む例示的な拡張可能なイントロデューサ(例えば、送達シース、アクセスシースなど)10を示す。図1に示すように、第2の拡張可能部分12は、ハブ15と第1の拡張可能部分14との間に位置決めされる。第2の拡張可能部分12の基端領域36は、ハブ15に取り付けられる一方、第2の拡張可能部分12の先端領域37は、第1の拡張可能部分14の基端部分に隣接して位置決めされる。
【0026】
さらに、イントロデューサ10は、ルーメン22と、基端部分24と、先端部分26とを有する長尺状のコンプライアントなライナー(例えば、チューブ状膜など)20をさらに含む。ライナー20は、第1の拡張可能部分14および第2の拡張可能部分12の両方に沿って延在する。イントロデューサ10は、外側シース30も含む。シース30は、第1の拡張可能部分14および第2の拡張可能部分12の両方に沿って延在する(例えば、覆う)。図1に示すように、第2の拡張可能セクション12は、リブケージ31を含む。リブケージ31は、第2の拡張可能部分12の基端領域36から第2の拡張可能部分12の先端領域37まで延在する。さらに、リブケージ31は、第1の組のリブ部材33を含み、これらは、第2の組のリブ部材43に隣接して位置決めされる(例えば、互いに組み合わされる)。さらに、第1の拡張可能セクション14は、背骨部材40を含む。背骨部材40は補強部材38を含む。
【0027】
図1は、第1の拡張可能部分14が第1の外径「D」をさらに有し、第2の拡張可能部分12が外径「D」を有することを示す。場合により、直径Dは、直径Dと等しい。換言すると、イントロデューサ10は、第1の拡張可能部分14および第2の拡張可能部分12の両方に沿って実質的に一定の直径を有する。
【0028】
他の場合、直径Dは、直径Dと異な。例えば、Dは、Dよりも大きい。具体的には、Dは、Dよりも0〜5%大きくてもよく、またはDは、Dよりも5%〜10%大きく、またはDは、Dよりも10%〜20%大きくてもよく、またはDは、Dよりも20%〜50%大きくてもよく、またはDは、Dよりも50%超大きくてもよい。さらに、いくつかの他の例では、直径Dは、Dよりも大きくてもよく。例えば、Dは、Dよりも0〜5%大きく、またはDは、Dよりも5%〜10%大きく、またはDは、Dよりも10%〜20%大きく、またはDは、Dよりも20%〜50%大きくてもよく、またはDは、Dよりも50%超大きくてもよい。
【0029】
さらに、イントロデューサ10は、1つ以上のテーパ付き領域(図示せず)を含む。例えば、テーパ付き領域は、イントロデューサ10の第2の拡張可能部分12および/または第1の拡張可能部分14のいずれかに沿って位置決めされる。いくつかの例では、イントロデューサ10の第1の拡張可能部分14の少なくとも一部分は、実質的に一定の外径を有し、これがテーパ付き部分に移行する。同様に、いくつかの例では、イントロデューサ10の第2の拡張可能部分12の少なくとも一部分は、実質的に一定の外径を有し、これがテーパ付き部分に移行する。しかしながら、これは、限定を意図するものではない。イントロデューサ10のいずれかの部分が任意の数のテーパ、一定直径領域またはこれらの組み合わせを含むことが考慮される。
【0030】
いくつかの例では、ライナー20および/またはシース30の基端部分24は、ハブ15に取り付けられる。さらに、ライナー20は、(第1の拡張可能セクション14)の背骨部材40および/または(第2の拡張可能セクション12の)リブケージ31の内面に沿って延在する。さらに、いくつかの例では、シース30は、背骨部材40および/またはリブケージ31の外面に沿って延在する。例えば、場合により、背骨部材40および/またはリブケージ31は、ライナー20とシース30との間に位置決めされる。
【0031】
さらに、場合により、リブケージ31、シース30および/またはライナー(例えば、リブケージ31、シース30および/またはライナー20の組み合わせ)は、ハブ15に取り付けられる。ハブ15は、内部に止血弁またはシールが配置される。止血弁またはシールは、血液または他の1種または複数の体液がライナー20のルーメン22を通って基端方向に流れることを防止する。少なくともいくつかの例では、ハブ15は、ライナー20のルーメン22と流体連通するポートを含む。
【0032】
上述の通り、図1は、外側シース30、リブケージ31および/または背骨部材(例えば、支持部材)40がライナー20に固定して取り付けられることを示す。下記でより詳細に説明するように、外側シース30、リブケージ31および/または背骨40は、ライナー20の一部分に沿って先端部分26から基端部分24まで配置される(例えば、取り付けられる)。いくつかの例では、外側シース30は、シース30の壁の厚さの少なくとも一部を通って延在する1つ以上のアパーチャ(例えば、開口部)32を含む。図1に示すように、1つ以上のアパーチャ32は、イントロデューサ10の長手方向の中心軸35に沿って互いに位置合わせされる。例えば、図1は、1つ以上のアパーチャ32が第1の拡張可能部分14に沿って位置決めされ、それにより1つ以上のアパーチャ32が第1の拡張可能部分14の長手方向軸35と位置合わせされることを示す。さらに、アパーチャ32は、隣接する補強部材38間に位置決めされる。例えば、図1は、アパーチャ32が2つの補強部材38間に位置決めされることを示す。下記でより詳細に説明するように、イントロデューサ10の先端部分26は、非外傷性チップ部材28を含む。上記の説明は、限定を意図するものではない。むしろ、1つ以上のアパーチャ32がイントロデューサ10の任意の部分に置かれる。
【0033】
さらに、いくつかの例では、リブケージ31の先端部分37は、背骨部材40の基端部に隣接して位置決めされる。図1の詳細な図に示すように、背骨部材40の基端部分は、カラー39を含む。いくつかの例では、1つ以上の支持部材38は、カラー39に取り付けられる。さらに、図1に示すように、カラー39は、リブケージ31の先端部37に当接する。場合により、カラー39は、リブケージ31の先端部37に取り付けられる。さらに他の場合では、カラー39は、リブケージ31の先端部に重なる。例えば、図1には示さないが、カラー39は、リブケージ31の先端部分37の一部の上に出る(例えば、重なる、その周りに延在する、覆うなど)ように位置決めされることが望ましい場合がある。換言すると、カラー39の一部分は、リブケージ31の先端部分37の半径方向外方に位置決めされることが望ましい場合がある。
【0034】
上記は、カラー39がリブケージ31の先端部分37の半径方向外方に位置決めされる例を含むが、リブケージ31の先端部分37は、カラー39の半径方向外方に位置決めされてもよい。
【0035】
図2は、例示的なリブケージ31を示す。図2に示しかつ上述したように、リブケージ31は、第1の組のリブ部材43を含み、これらは、第2の組のリブ部材33に隣接して位置決めされる(例えば、互いに組み合わされる、絡み合わせられるなど)。さらに、図2は、第1の組のリブ部材43および第2の組のリブ部材33の両方が湾曲部分を含むことを示す。さらに、図2は、第1の組のリブ部材43および第2の組のリブ部材33が中心背骨部分45から離れるように延在することをさらに示す。具体的には、第1の組のリブ部材43は、中心背骨部分45から時計回りの方向に離れるように延在する一方、第2の組のリブ部材33は、中心背骨部分45から反時計回りの方向に離れるように延在する。場合により、第1の組のリブ部材43は、中心背骨部材45の第1の横向き縁47から離れる方向に延在し、第2の組のリブ部材33は、中心背骨部材45の第2の横向き縁49から離れる方向に延在する。さらに、第1の組のリブ部材43および第2の組のリブ部材33は、背骨部材45の第1の横向き縁47および第2の横向き縁49から離れる方向に延在し、最終的に互いに向かって湾曲し始めて(begin to curve back toward)互いに組み合う。図2に示すように、第1の組のリブ部材43および第2の組のリブ部材33の両方の湾曲形状は、ルーメン51を形成する。ルーメン51は、図2に「D」として示す直径を有する。下記でより詳細に説明するように、ライナー20は、ルーメン51内に延在する。
【0036】
いくつかの例では、リブケージ31は、非拡張構成(図2に示すものなど)から、図3に示す拡張可能構成に移行する(例えば、半径方向に拡張する)ことができる。具体的には、図2に示すルーメン51の直径(直径Dとして示す)は、より大きい直径(図3において「D」として示す)を画定するように増大する。さらに、図3は、リブケージ31が拡張するとき、第1の組のリブ部材43および第2の組のリブ部材33が互いに半径方向に分離することを示す。例えば、図3は、複数の双頭矢印により、第2の組のリブ部材33からの第1の組のリブ部材43の半径方向の分離を示す。図3に示す双頭矢印の矢先は、第1の組のリブ部材43および第2の組のリブ部材33のそれぞれの端部間の半径方向の分離を表す。
【0037】
図4は、イントロデューサ10の製造の例示的な工程を示す。図4は、ライナー20(図1に関して上述した)が実質的に環状形状を有し、かつルーメン22が少なくとも部分的にその中に延在することを示す。いくつかの例では、ルーメン22は、ライナー20の基端部24からライナー20の先端部26まで延在する。さらに、ルーメン22は、ライナー20の全長にわたって延在する。下記の説明から明らかになるように、本開示の範囲内で他の形状および/または構成が可能であり、本明細書で説明する他の形状または構成は、図面に概略的に示す1つまたは複数の構成において使用され得る。
【0038】
上述の通り、ライナー20は、コンプライアントな長尺状のチューブ状構造を有し、その中を貫通して基端部24から先端部26まで延在するルーメン22を有する。ライナー20は、内面および外面を有する壁を含む。いくつかの例では、壁の厚さは、内面および外面によって画定される。
【0039】
いくつかの例では、ライナー20および/またはルーメン22は、ルーメン22および/またはライナー20内から半径方向外向きの力を受けると、送達構成から拡張構成へと半径方向に拡張するように構成される。少なくともいくつかの例では、ライナー20は、実質的にまたは完全にコンプライアントであり、および/またはライナー20は、半径方向の自己バイアスを有しなくてもよい。すなわち、非半径方向内方への自己バイアスおよび/または非半径方向外方への自己バイアスがない。換言すると、ライナー20は、非自立であってもよく、例えばライナー20に加えられる半径方向外向きの力が欠如しているなどのように、独力で半径方向に拡張および/または開放する機構を含まなくてもよい。代わりに、ライナー20は、ルーメン22および/またはライナー20の内径よりも大きい外径を有する機器または物体がルーメン22内に配置されて、ライナー20を拡張構成の方へ半径方向外方に押圧するおよび/または半径方向外方に向けさせるようにする。
【0040】
さらに、ライナー20は、機器、物体などがルーメン22内に配置されていないとき、ライナー自体に加えられてライナー自体を内方に潰す半径方向内向きの力を必要としなくてもよい。換言すると、ライナー20は、独力で開放した状態に保たれなくても、もしくは特定の拡張した大きさに維持しなくてもよく、またはライナー20は、上述の通り非自立であってもよい。同様に、ライナー20は、独力で内方に潰れるように付勢(bias)されなくてもよい。換言すると、ライナー20は、拡張した後、1つまたは複数の周囲組織の形状および/または形態を取り得る。例えば、ライナー20が配置される血管または身体管腔内またはそれらの狭窄部は、ライナー20を半径方向内方に促すが、ライナー20は、独力で内方に自己バイアスされず、例えば、ライナー20は、拡張/開放後にゼロの復帰力を有する。
【0041】
送達構成では、ルーメン22は、ライナー20の壁の内面によって画定される第1の内径を有する。いくつかの例では、本明細書で明らかになるように、第1の内径は、ライナー20および/または拡張可能なイントロデューサ10の長手方向の中心軸35からの第1の内側半径方向範囲および/または距離として定義される。拡張構成では、ルーメン22は、壁の内面によって画定される第2の内径を有する。いくつかの例では、本明細書で明らかになるように、第2の内径は、代わりに、ライナー20および/または拡張可能なイントロデューサ10の長手方向の中心軸35からの第2の内側半径方向範囲および/または距離として定義される。いくつかの例では、第2の内径は、第1の内径よりも大きい。同様に、第2の内側半径方向範囲は、第1の内側半径方向範囲よりも大きい。
【0042】
同様に、ライナー20は、ライナー20の壁の外面によって画定される外径および/または外側半径方向範囲を有する。送達構成では、ライナー20は、壁の外面によって画定される第1の外径および/または第1の外側半径方向範囲を有する。拡張構成では、ライナー20は、壁の外面によって画定される第2の外径および/または第2の外側半径方向範囲を有する。いくつかの例では、第2の外径は、第1の外径よりも大きい。同様に、第2の外側半径方向範囲は、第1の外側半径方向範囲よりも大きい。
【0043】
上述の通り、ライナー20は、送達構成において、ライナーに形成される1つ以上のひだ34を含む。いくつかの例では、1つ以上のひだ34は、2個のひだ、3個のひだ、4個のひだ、5個のひだ、6個のひだ、7個のひだ、8個のひだ、9個のひだ、10個のひだまたは別の所望の数もしくは数量のひだを含む。少なくともいくつかの例では、ライナー20は、外側シース30の半径方向内側に配置される。いくつかの例では、1つ以上のひだ34は、その上に折り返されて、横断面視において例えば波形、S字形状、T字形状および/またはZ字形状をそれぞれ形成する。いくつかの例では、T字形状を形成する1つ以上のひだのそれぞれは、内部に2つ以上の別個の波、S字形状またはZ字形状の副ひだを含み、したがって1つ以上のT字形状のひだのそれぞれを形成する。他の形状および構成も明白に図示しないが考慮される。
【0044】
さらに、いくつかの例では、ライナー20は、ルーメン22が第1の内径および/または第1の内側半径方向範囲から第2の内径および/または第2の内側半径方向範囲において半径方向に拡張できるように構成される。いくつかの例では、ライナー20は、ルーメン22に沿った軸方向の伸張を実質的に防止するように構成される。換言すると、ライナー20は、軸方向、すなわち長手方向に伸張または拡張せずに、ルーメン22がライナー20および/または拡張可能なイントロデューサ10の長手方向の中心軸35から半径方向外方に拡張できるように構成される。いくつかの例では、第2の内径および/または第2の内側半径方向範囲は、第1の外径および/または第1の外側半径方向範囲よりも大きい。ライナー20は、非弾性材から作製され得るため、ライナーは、予め決められた最大の第2の内径および/または第2の内側半径方向範囲まで半径方向外方に拡張するように構成されるが、予め決められた最大の第2の内径および/または第2の内側半径方向範囲を越えて半径方向外方に伸張または拡張しなくてもよい。
【0045】
いくつかの例では、ライナー20の壁の内面は、1つ以上の層またはコーティング、例えば潤滑性コーティング、親水性コーティング、疎水性コーティングもしくは他の好適なコーティングなどを含むか、またはライナー20は、ルーメン22内に配置された潤滑剤を含む。いくつかの例では、拡張可能なイントロデューサ10および/もしくは外側シース30の外面は、1つ以上の層もしくはコーティング、例えば潤滑性コーティング、親水性コーティング、疎水性コーティングもしくは他の好適なコーティングなどを含むか、または拡張可能なイントロデューサ10および/もしくは外側シース30は、その外面に潤滑剤が配置される。
【0046】
さらに、図4は、ライナー20の外面に沿って位置決めされたリブケージ31および背骨部材40の両方を示す。リブケージ31は、ライナー20の外面に沿って延在する第1の組のリブ部材43および第2の組のリブ部材33(上述)を有する。さらに、背骨部材40は、ライナー20の外面に沿って延在する1つ以上の補強部材38を有する。場合により、リブケージ31および/または背骨部材40の両方は、製造プロセス中にライナー20の外面に位置決めされる(例えば、取り付けられる、溶融される、糊付けされる、留められる、接着されるなど)。いくつかの例では、リブケージ31および/または背骨部材40は、外側シース30がライナー20と外側シース30との組み合わせの上側にわたって位置決めされる前にライナー20の外面に位置決めされる。
【0047】
図5は、例示的な外側シース30を示す。いくつかの例では、外側シース30は、ライナー20の外面、リブケージ31および/または背骨40の少なくとも一部分に固定して取り付けられる。さらに、図5は、基端部分53と先端部分55とを含む外側シース30を示す。本明細書で開示する少なくともいくつかの例では、イントロデューサ10は、シース30の先端部分55が第1の拡張可能部分14と位置合わせする(例えば、先端部分55が背骨40の上に出るように延在する)一方、シース30の基端部分53が第2の拡張可能部分12と位置合わせする(例えば、基端部分は、リブケージ31の上に出るように延在し得る)ように製造される。外側シース30は、ライナー20、リブケージ31および/または背骨40の一部分にボンディング、ラミネート、溶融、糊付け、共成形、融解、溶接または他の好適な手段で取り付けられる。いくつかの例では、外側シース30は、ライナー20の外面に永久に取り付けられる。
【0048】
いくつかの例では、外側シース30は、ポリマー材料から形成され、これにより外側シース30の壁の少なくとも一部分を形成する。いくつかの例では、外側シース30は、ライナー20と同じ材料から形成される。いくつかの例では、外側シース30は、ライナー20と異なる材料から形成される。いくつかの例では、外側シース30の一部または全ては、ライナー20の壁の外面に固定して取り付けられる。いくつかの例では、外側シース30全体は、ライナー20の壁の外面、リブケージ31および/または背骨40に固定して取り付けられる。しかしながら、下記でより詳細に説明するように、いくつかの例では、外側シース30は、ライナー20、リブケージ31および/または背骨40の全てまたは一部分への取り付けがなくてもよい。
【0049】
いくつかの例では、外側シース30の少なくとも一部は、第1の構成においてライナー20の外周に連続的に延在する。いくつかの例では、外側シース30の少なくとも一部は、不連続である。下記でより詳細に説明するように、いくつかの例では、外側シース30は、外側シース30の壁の少なくとも一部(または場合によりそれのみ)を効果的に除去する、外側シース30の壁に形成された複数のアパーチャ32(例えば、開口部、切り欠き部、穿孔、ノッチ、孔、アパーチャまたは他の弱化特徴)を含む。図5に示すアパーチャ32は、実質的に六角形であるが、アパーチャ32は任意の形状である。例えば、アパーチャ32は、円形、正方形、矩形、卵形(ovular)、三角形、ダイアモンド形状などである。
【0050】
いくつかの例では、外側シース30の壁に形成される複数のアパーチャ32は、拡張可能なイントロデューサ10、ライナー20および/または外側シース30の長さに沿って1つ以上の縦線状に配置される。上述の通り、アパーチャ32は、先端部分55に位置決めされ、それにより第1の拡張可能部分14に沿って背骨部材40と位置合わせされる。さらに、複数のアパーチャ32または外側シース30の壁に形成される他の弱化特徴は、長手方向の中心軸35に対して外側シース30の壁を通って横向きにおよび/または横切って延在する。いくつかの例では、外側シースの壁厚は、ライナー20の外周でテーパが付けられて、外側シース30の厚さ減少領域がライナー20の1つ以上のひだ34に隣接して、ひだの半径方向外方にひだと連通して、および/またはひだの上側を直接覆って配置されるようにする。
【0051】
さらに、いくつかの例では、外側シース30に含まれるアパーチャ32は、互いに離間される。例えば、図5は、互いに距離「W」で離間する、外側シース30の先端部26の近くに置かれた隣接するアパーチャ32を示す。同様に、図5は、互いに距離「Z」で離間する、外側シース30の基端部24の近くに置かれた2つの他の隣接するアパーチャ32を示す。いくつかの例では、距離「W」および距離「Z」は等しくできる。換言すると、いくつかの例では、外側シース30に沿って位置決めされたアパーチャ32の全ては、互いに等距離で離間される。しかしながら、他の例では、距離「W」および距「Z」が異なる。換言すると、いくつかの例では、アパーチャ32は、互いの間に可変の間隔を含む。例えば、アパーチャ32間の間隔は、外側シース30の先端部分26から基端部分24まで次第に大きくなる。
【0052】
同様に、図5は、表面領域を有するアパーチャ32を示す。用語「表面領域」が本明細書では使用されるが、本明細書で説明されるような所定のアパーチャ32の「表面領域」は、所定のアパーチャ32の形状によって境界が形成された「領域」と定義される。例えば、図5では、所定のアパーチャ32の表面領域は、個々の六角形によって囲まれる領域と定義される。さらに、図5は、2つの異なる個々のアパーチャ42および44を示す。アパーチャ42は、外側シース30の先端部26の近くに位置決めされる一方、アパーチャ44は、外側シース30の基端部24の近くに位置決めされる。いくつかの例では、外側シース30のアパーチャ32の表面領域は等しくてもよい。図5に示すものなどの、他の例では、アパーチャ32の表面領域は異なる。例えば、アパーチャ42の表面領域は、アパーチャ44の表面領域よりも大きい。さらに、アパーチャ32の領域は、外側シース30に沿って先端部分26から基端部分24に向かって小さくなる。さらに、製造プロセス中、アパーチャ32間のサイズ、形状および/または間隔が変化することが考慮される。例えば、より小さいアパーチャ(例えば、アパーチャ44)は、例えば、イントロデューサ10のテーパ付き部分の上側にわたって外側シース30の基端部分24が引かれかつ/または伸張されるときに拡張する。外側シース30の設計において、アパーチャ32の様々な配置構成、間隔、領域、表面領域および/または位置合わせを用いてもよい。
【0053】
図6は、図1の線6−6における断面図を示す。図6は、拡張されていない構成にあるイントロデューサ10を示す。さらに、図6は、製造後(例えば、例としてシース30の加熱およびリフロー後)のイントロデューサ10の第2の拡張可能セクション12の横断面を示す。
【0054】
図6は、ライナー20の内面に沿って延在する3個の折り畳みセクション34を含むライナー20を示す。図6は、3個の折り畳みセクション34を示すが、ライナー20は、3個よりも多いまたは少ない折り畳みセクション34を含む。例えば、ライナー20は、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個またはそれよりも多い折り畳みセクション34を含む。さらに、図6は、リブケージ31の一部分が取り付け箇所41において外側シース30のチューブ状壁に取り付けられる(例えば、留められる、溶融される、組み込まれる、係合されるなど)ことを示す。換言すると、図6は、いくつかの例では、外側シース30の一部分およびリブケージ31の一部分が一緒に取り付けられるように製造される(例えば、留め/溶融/融解/リフローされる)ことを示す。さらに、リブケージ31の一部分がイントロデューサ10の長手方向軸35に沿ってシース30のチューブ状壁と取り付けられる(例えば、留められる、溶融される、組み込まれるなど)。換言すると、リブケージ31は、イントロデューサ10の長手方向軸35に沿って互いに位置合わせされる一連の取り付け箇所41で外側シース30に取り付けられる。しかしながら、これは、限定を意図するものではない。むしろ、リブケージ31は、外側シース30とリブケージ31との境界面に沿った様々な異なる箇所で外側シース30に取り付けられる。
【0055】
上述の通り、リブケージ31は、1つ以上の第1のリブ部材43を含み、これらは、1つ以上の第2のリブ部材33に隣接して位置決めされる。図6は、イントロデューサ10の長手方向軸に沿って長手方向に延在する背骨部分45(上述)を示す。いくつかの例では、取付点41(上述)は、リブケージ31の背骨部分45に沿って長手方向に位置合わせされる。しかしながら、これは、限定を意図するものではない。いくつかの例では、リブケージ31が外側シース30に取り付けられない。リブケージ31のいずれかの部分(背骨部分45を含む)は、外側シース30の全てまたは一部分と一体である。
【0056】
図6は、背骨部分45からそれぞれ時計回りの方向および反時計回りの方向に離れるように延在する第1のリブ部材43および第2のリブ部材33をさらに示す。図6に示すように、第1のリブ部材43および第2のリブ部材33の両方は、シース部材30の内面に沿って互いに位置決めされる湾曲部分を含み、それにより、第1のリブ部材43の湾曲部分は、背骨部分45から第1の方向(例えば、時計回りの方向)に離れるように延在し、かつ第2のリブ部材33は、背骨部分45から第2の方向(例えば、反時計回りの方向)に離れるように延在する。
【0057】
イントロデューサ10(図1に示す)を構成する例示的な方法論は、図6に示すようなリブケージ31、背骨部分45、外側シース30およびライナー20を構成し、それ続いて外側シース部材がリブケージ31および/またはライナー20の周りで融解する(例えば、リフローする)ように熱を加えることを含む。ライナー20は、外側シース30および/またはリブケージ31のいずれよりも高い融解点を有する材料から構成されるため、ライナーは、外側シース30および/またはリブケージ31を一緒に融解させるのに十分な熱が加えられても融解しない。他の例では、ライナー20は、外側シース30およびリブケージ31を一緒にリフローさせるように熱が加えられる間、融解に抵抗するように設計された非熱可塑性材料から構成される。さらに、ライナー20、外側シース30およびリブケージ31の配置構成は、製造工程を通して様々な構成を含む。例えば、本明細書で考慮される例は、製造プロセス中および/または最終設計でのリブケージ31、ライナー20および/またはシース30の互いに対する異なる位置、アライメント、間隔、サイズ、寸法などを含む。
【0058】
図7は、図1の線7−7における断面図を示す。図6に関して説明したものと同様に、図7は、ライナー20の内面に沿って延在する3個の折り畳みセクション34を含むライナー20を示す(上述の通り、折り畳みセクション34に含まれるライナー20は、第2の拡張可能部分12および第1の拡張可能部分14の両方の長さに広がる)。図7は、3個の折り畳みセクション34を示すが、ライナー20は、3個よりも多いまたは少ない折り畳みセクション34を含む。例えば、ライナー20は、1個、2個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個またはそれよりも多い折り畳みセクション34を含む。
【0059】
さらに、図7は、製造後のイントロデューサ10の横断面を示す。例えば、図7は、背骨40が外側シース30のチューブ状壁に組み込まれることを示す。換言すると、図7は、いくつかの例では、外側シース30および背骨部材40が一体的部材を形成するように製造される(例えば、一緒に融解/リフローされる)ことを示す。折り畳み部材34に関して説明したものと同様に、図7は、3個の支持部材38を含む背骨部材40を示すが、背骨40は、3個よりも多いまたは少ない支持部材38を含む。例えば、背骨40は、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個またはそれよりも多い支持部材38を含む。
【0060】
上述の通り、場合により、外側シース30は、外側シース30の壁厚を通って少なくとも部分的に延在する1つ以上のアパーチャ32を含む。図7の詳細な図は、外側シース30のチューブ状壁を通って部分的に延在するアパーチャ32の一例を示す。アパーチャ32の減少された壁厚は、厚さ「X」として示される。さらに、アパーチャ32に隣接する外側シース30のチューブ状壁の一部分は、「Y」として示される。アパーチャ32の厚さ「X」は、厚さ「Y」を下回ることが分かる。下記でより詳細に説明するように、減少された壁厚「X」(壁厚「Y」と比較して)は、外側シース30内に優先的な「引裂き点」をもたらす。換言すると、1つまたは複数のアパーチャ32は、イントロデューサ10に沿って延在する穿孔された引裂き線を画定する。
【0061】
さらに、少なくともいくつかの例では、アパーチャ32(例えば、開口部、切り欠き部、穿孔、ノッチ、孔)またはシース30の壁に形成された他の弱化特徴は、ライナー20に形成された1つ以上のひだ34に隣接して、ひだの半径方向外方に、ひだと連通して、および/またはひだの上側を直接覆って位置決めされる。例えば、図7は、ライナー20内で1つ以上のひだ34の上側を直接覆って位置決めされるアパーチャ32を示す。より詳細には、場合により、アパーチャ32は、ひだ34が外側シース30の真下で巻き込み始める、外側シース30に沿った点に位置合わせされる。アパーチャ32がひだ34と位置合わせされる点は、ライナー20が図7に示す構成から拡張構成に移行するとき、ひだ34が最初に分離し始める点である。
【0062】
図6に関して説明したものと同様に、イントロデューサ10を構成するための例示的な方法論は、図8(例示的な製造プロセス中の中間状態/構成にあるイントロデューサ10を示す)に示すように背骨40、外側シース30およびライナー20を構成し、それに続いて外側シース部材30が融解(例えば、リフロー)するように熱を加え、および図7に示すように背骨部材40を封じ込めること(図7は、熱の印加および融解/リフロープロセスの後の図8に示すイントロデューサを示す)を含む。ライナー20は、外側シース30または背骨部材40のいずれよりも高い融解点を有する材料から構成されるため、外側シース30および/または背骨部材40を一緒に融解するのに十分な熱が加えられても、融解しない。他の例では、ライナー20は、外側シース30および背骨40を一緒にリフローさせるように熱が加えられる間、融解に抵抗するように設計された非熱可塑性材料から構成される。さらに、ライナー20、外側シース30および背骨部材40の配置構成は、製造工程を通して様々な構成を含む。例えば、本明細書で考慮される例は、製造プロセス中および/または最終設計での背骨40、ライナー20および/またはシース30の互いに対する異なる位置、アライメント、間隔、サイズ、寸法などを含む。
【0063】
さらに、外側シース30は、その長さに沿って様々な箇所において所定の壁厚を含む。外側シース30の壁厚は、その長さに沿って変化する。例えば、本明細書で考慮されるいくつかの例は、外側シース30の壁を貫通する「孔」と定義されるアパーチャ32を含むが、他の例では、アパーチャ32は、外側シース30の壁の実質的に「より薄い」セクションと定義される。
【0064】
いくつかの例では、外側シース30は、ライナー20が第1の構成から第2の拡張構成に拡張するときに分離するか、裂けるか、または引裂くように構成される。拡張は、ライナー20内から加えられる半径方向外向きの力に起因して生じる。いくつかの例では、外側シース30は、複数のアパーチャ32または外側シース30の壁に形成された他の弱化特徴に沿っておよび/またはそれを貫通して分離するか、裂けるか、孔をあけるか、または引裂くように構成される。換言すると、外側シース30は、外側シース30が不連続であり、かつ/またはより薄い材料で構成される箇所で分離するか、裂けるか、もしくは引裂く。換言すると、ライナー20が拡張構成に向かって半径方向外方に拡張するため、外側シース30は、アパーチャ32に対応する優先的な引裂き点に沿って引裂く。さらに、シース30の拡張は、ルーメン22の拡張に相関す。ルーメン22は、第1の内径および/または第1の内側半径方向範囲から第2の内径および/または第2の内側半径方向範囲に拡張する。
【0065】
上述の通り、複数のアパーチャ32または外側シース30の壁に形成された他の弱化特徴は、ライナー20に形成された1つ以上のひだ34に隣接して、ひだの半径方向外方に、ひだと連通して、および/またはひだの上側を直接覆って位置決めされる。上述の通り、いくつかの例では、複数のアパーチャ32または外側シース30の壁に形成された他の弱化特徴は、拡張可能なイントロデューサ10、ライナー20および/または外側シース30の長さに沿って1つ以上の縦線状に配置される。したがって、いくつかの例では、複数のアパーチャ32または外側シース30の壁に形成された他の弱化特徴は、ライナー20に形成された1つ以上のひだ34および/または2つ以上の副ひだに隣接して、ひだの半径方向外方に、ひだと連通して、および/またはひだの上側を直接覆って1つ以上の縦線状に配置される。いくつかの例では、1つ以上の縦線は、1つ以上のひだ34および/または2つ以上の副ひだに直接対応する。いくつかの例では、ひだおよび/または副ひだよりも多くの縦線がある(すなわち2個のひだが開口部、切り欠き部などの3つ以上の線を備える、3個のひだが開口部、切り欠き部などの4つ以上の線を備えるなど)。いくつかの例では、外側シース30の厚さ減少領域および/または実質的により薄い厚さは、ライナー20の1つ以上のひだ34および/または2つ以上の副ひだに隣接して、ひだの半径方向外方に、ひだと連通して、および/またはひだの上側を直接覆って配置される。
【0066】
図9は、拡張構成にあるイントロデューサ10の第2の拡張可能セクション12の断面図(図1の線6−6における)である。例えば、図9は、図6に示す拡張されていないイントロデューサの拡張構成を示す。換言すると、図6は、医療機器がイントロデューサ10の第2の拡張可能セクション12を通して挿入される前のイントロデューサ10を示すが、図9は、医療機器が第2の拡張可能セクション12を通して挿入された後のイントロデューサ10を示す。
【0067】
図9に示すように、ライナー20は、ライナー20の外面がリブケージ31の第1のリブ部材43および第2のリブ部材33の内面に接触する位置に3個の折り畳みセクション34(図6に示す)が拡張した(例えば、広げられた)位置に拡張する。さらに、ライナー20は、最初にリブケージ31の内面に接触した後も拡張し続け、それによりリブケージ31の第1のリブ部材43および第2のリブ部材33に半径方向外向きの力を加える。
【0068】
しかしながら、図9に示しかつ上述したように、リブケージ31の第1のリブ部材43および第2のリブ部材33は、ライナー20の外方への拡張に適合するように半径方向外方に拡張する(例えば、曲がる)。図9は、(図6と比較して)第1のリブ部材43の端部と第2のリブ部材33の端部との間の距離が長いことを示す。具体的には、いくつかの例では、イントロデューサ10の第2の拡張可能部分12が拡張するとき、ライナー20、リブケージ31およびシース30を互いに対して動く(例えば、摺動する)ように設計することが望ましい場合がある。例えば、リブケージ31の第1のリブ部材43および第2のリブ部材33がライナー20の外面に沿って摺動することが望ましいことがある。さらに、ライナー20およびリブケージ31が拡張しているとき、シース30は、リブケージ31および/またはライナー20の外面に沿って摺動する。さらに、場合により、シース部材30の一部分は、ライナー20および/またはリブケージ31の両方の拡張構成(例えば、直径の増大)に適合するように伸張する。シース30が伸張するとき、その壁厚は、薄くなる。
【0069】
さらに、半径方向外向きの力がもはやシース30、リブケージ31および/またはライナー20に加えられなくなった後、イントロデューサ10は、上述のイントロデューサ10の拡張されていない構成に類似した構成に収縮する。イントロデューサ10が拡張された後、その構成は、その拡張前の構成と異なっていてもよい。例えば、拡張された後、ライナー20の一部分は、リブケージ31の第1のリブ部材43および第2のリブ部材33を越えて延在する。換言すると、ライナー20の一部分は、第1のリブ部材43および/または第2のリブ部材33の外面とシース30の内面との間に位置決めされる。
【0070】
図10は、背骨40の先端部26から背骨40の基端部24まで延在する補強部材38を含む例示的な背骨部材40の斜視図である。図10は、隣接する補強部材38間に画定された開口部46を有する背骨部材40を示す。図10は、3個の補強部材38を有する背骨部材40を示すが、背骨部材40は、3個よりも少ないまたは多い補強部材38を有す。例えば、背骨部材40は、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個またはそれよりも多い補強部材38を有する。さらに、図10は、いくつかの例では、補強部材38の幅が実質的に均一であることを示す。換言すると、補強部材38の幅は、背骨部材40に沿って基端部24から先端部26まで実質的に均一なままである。さらに、図10は、長手方向軸34の周りに実質的に等距離で離間された補強部材38を示す。しかしながら、補強部材38は、長手方向軸34の周りに可変距離で離間される。
【0071】
図11は、別の例示的な背骨部材48を示す。図11の背骨部材48は、図10に示す背骨部材40と同様である。しかしながら、図11の背骨部材48は、背骨部材48の長さに沿って可変幅を有する1つ以上の補強部材38を含む。例えば、図11は、一箇所で幅「A」を、かつ異なる箇所で異なる幅「B」を有する例示的な補強部材38を示す。図11に示すように、いくつかの例では、幅「B」は、幅「A」を実質的に下回る。他の例では、幅「B」は、幅「A」を実質的に上回る。さらに、1つ以上の補強部材38の幅は、背骨部材48に沿って任意の方向にテーパが付けられる。図11に示すように、補強部材38の幅は、幅「A」から幅「B」までテーパが付けられ、それにより、幅「B」は、イントロデューサ10の先端領域26の少なくとも一部分において実質的に一定のままである。さらに、本明細書で説明するいずれの例示的な背骨部材も、その長さに沿った様々な箇所に所定の壁厚を含む。本明細書で説明するいずれの背骨部材の壁厚も、その長さに沿って変化し得る。
【0072】
図10および図11は、カラー部分82を含む背骨部材40および48を示す。カラー82は、製造プロセス中に用いられ、かつ背骨部材40および48の先端部26および/または基端部24に位置決めされてもまたはされなくてもよい。場合により、カラー82は、製造プロセス中に除去される。
【0073】
場合により、イントロデューサ10の製造は、1つ以上の半径方向に延在するバンプ(例えば、隆起部分、リッジなど)を有するイントロデューサ10を生じる。隆起部分は、イントロデューサ10の外面から半径方向に離れるように延在する。例えば、1つ以上の隆起部分は、外側シース30の外面から半径方向に離れるように延在する。例えば、いくつかの例では、隆起部分は、ライナー20の折り畳み部分34と実質的に位置合わせする(例えば、その上方に位置決めされる)。
【0074】
場合により、1つ以上の製造工程(例えば、チップ部材の追加)を実施する前に隆起部分の少なくとも一部分を除去することが望ましい。図12は、1つ以上の製造工程を実施する前に除去されるライナー20の例示的なセクションを示す。例えば、図12は、1つ以上の製造工程を実施する前に、材料を除去するために切断、削り、研磨、削り出しなどが実施される線70を示す。任意の好適な方法を用いてライナー20の一部を除去することができる。
【0075】
いくつかの例では、ライナー20から除去される材料は、1つ以上の折り畳みセクション34の一部分を含む。例えば、図12は、折り畳みセクション34の一部分を除去した切れ目を表する線70を示す。さらに、図12は、補強部材38を示す。補強部材38は、その先端部から材料が除去される。例えば、1つ以上の補強部材38は、テーパ付きの、斜面にされたまたは面取りされた先端部を含む。
【0076】
さらに、いくつかの例では、ライナー20、シース30および/または背骨40の先端部は、追加的な製造工程(例えば、チップ部材を追加すること)を実施する前に材料が均一に除去される。図13は、ライナー20の端部の側面図を示し、これは、外側シース30および/または補強部材38を含んでもまたは含まなくてもよい。例えば、参照符号76は、ライナー20、外側シース30、背骨40またはそれらの任意の組み合わせを画定する。さらに、参照符号74は、ライナー20の背骨部材または折り畳みセクション34を画定する。
【0077】
図13に示すように、例示的な部材76の先端部26は、例示的な部材76の外周に丸み、面取り部および/または斜面を含む。この斜面、面取り部および/または丸みは、追加的な製造工程を実施する前に例示的な部材76の先端部から除去された材料を表す。さらに、いくつかの例では、上述のライナー/背骨20/40は、製造プロセス中にその先端部に適用される斜面、面取り部および/または丸みを有する。
【0078】
いくつかの例では、本明細書で開示される例のいずれかの先端部にチップ部材を追加することが望ましいことがある。図14は、先端領域26に沿って配置された例示的なチップ部材56を示す。チップ部材56は、低デュロメータ硬さ材料を用いて設計される。場合により、より低いデュロメータ硬さ材料は、チップ部材56に様々な医療機器がチップ部材56を通って前進させられるときに半径方向外方に拡張し(例えば、曲がり)、かつ半径方向に収縮する能力を提供する。さらに、チップ部材56は、テーパを含む。図14に示すように、チップ部材56は、外側シース30に接触する第1の直径から、イントロデューサ10の先端部における第2の直径までテーパが付けられる。限定を意図するものではないが、いくつかの例では、チップ部材56の形状は、団子鼻に類似する。さらに、チップ部材56は、放射線不透過性物質を含む。放射線不透過性物質は、医療処置中、臨床医によってチップ部材を可視化できるようにする。さらに、図14は、チップ部材56の適用前に除去されたひだ34の部分54を示す(図12に関して説明したように)。場合により、部分54は、チップ部材56の適用前に切り落とされたひだ34の部分に対応する。いくつかの例では、チップ部材56は、1つ以上の優先的な引裂き領域80を含む。引裂き領域80は、チップ部材56が半径方向に拡張すると優先的に引裂くスリット、刻み目、削り、溝などと定義される。
【0079】
図15は、別の例示的なリブケージ131を示す。図15に示すように、リブケージ131は、第1の組のリブ部材143を含み、これらは、第2の組のリブ部材133に隣接して位置決めされる。さらに、図15は、第1の組のリブ部材143および第2の組のリブ部材133の両方が湾曲部分を含むことを示す。さらに、図15は、第1の組のリブ部材143および第2の組のリブ部材133が中心背骨部分145から離れるように延在することをさらに示す。具体的には、第1の組のリブ部材143は、中心背骨部分145から時計回りの方向に離れるように延在する一方、第2の組のリブ部材133は、中心背骨部分145から反時計回りの方向に離れるように延在する。場合により、第1の組のリブ部材143は、中心背骨部材145の第1の横向き縁147から離れるように延在し、第2の組のリブ部材133は、中心背骨部材145の第2の横向き縁149から離れるように延在する。さらに、第1の組のリブ部材143および第2の組のリブ部材133は、背骨部材145の第1の横向き縁147および第2の横向き縁149から離れるように延在するが、それらは、最終的に互いの方に戻るように曲がり始める。しかしながら、図2で説明するリブ部材とは対照的に、図15の第1の組のリブ部材143および第2の組のリブ部材133は、互いに組み合わされなくてもよい。むしろ、第1の組のリブ部材143の各端部は、第2の組のリブ部材133の各端部と半径方向に位置合わせする。換言すると、第1の組のリブ部材143の端部は、第2の組のリブ部材133の端部を越えて延在しなくてもよい(例えば、互いに組み合わされなくてもよい)。さらに、図15は、第1の組のリブ部材143および第2の組のリブ部材133の両方の湾曲形状がルーメン151を形成することを示す。本明細書で説明するように、ライナー20は、ルーメン151内に延在する。
【0080】
図16は、別の例示的なリブケージ231を示す。図16に示すように、リブケージ231は、第1の組のリブ部材243を含み、これらは、第2の組のリブ部材233に隣接して位置決めされる。さらに、図16は、第1の組のリブ部材243および第2の組のリブ部材233の両方が1つ以上の湾曲部分を含むことを示す。さらに、図16は、第1の組のリブ部材243が第2の組のリブ部材233から長手方向にオフセットされることを示す。さらに、図16は、第1の組のリブ部材243および第2の組のリブ部材233が中心背骨部分245から離れるように延在することをさらに示す。図16は、第1の組のリブ部材243および第2の組のリブ部材233の両方の湾曲形状がルーメン251を形成することを示す。
【0081】
図17は、別の例示的なイントロデューサ310を示す。イントロデューサ310は、形態および機能が上述のイントロデューサ10と同様である。例えば、イントロデューサ310は、拡張可能部分312を含む。拡張可能部分312の基端部分は、ハブ315に結合される。
【0082】
さらに、イントロデューサ310は、ルーメン322を有する長尺状のコンプライアントなライナー(図示せず)をさらに含む。ライナーは、拡張可能部分312に沿って延在する。イントロデューサ310は、外側シース330も含む。シース330は、拡張可能部分312に沿って延在する(例えば、覆う)。図17に示すように、拡張可能セクション312は、リブケージ331を含む。リブケージ331は、第1の組のリブ部材343を含み、これらは、第2の組のリブ部材333に隣接して位置決めされる。リブ部材333および343は、形態および機能が上述の他のリブ部材のいずれかと同様である。
【0083】
イントロデューサ10(上述)とは対照的に、イントロデューサ310は、第1の拡張可能セクション14(図1参照)に関して説明した要素がなくてもよい。より正確に言えば、リブケージ331、ライナーおよびシース330は、イントロデューサ310の全長に延在する。さらに、リブケージ331、ライナー320およびシース330は、図6に示すように構成される(イントロデューサ310の全長に沿って)。しかしながら、リブケージ331は、第1の拡張されていない構成から、イントロデューサ10の第2の拡張可能セクション12に関して上述したような拡張構成に移行する。例えば、イントロデューサ310は、図6に図示して説明した拡張されていない構成から、図9に図示して説明した拡張構成に移行する。図17は、第1の組のリブ部材343および第2の組のリブ部材333の両方の湾曲形状がルーメン322を形成することを示す。
【0084】
いくつかの例では、例示的な拡張可能なイントロデューサ10(または本明細書で説明する他のイントロデューサおよびその構成要素)は、ガイドワイヤ(図示せず)の周りに配置されるかまたはその上側にわたって挿入されるが、ガイドワイヤは必須ではない。いくつかの例では、拡張可能なイントロデューサ10および/またはライナー20は、基端非拡張可能セクションおよび先端拡張可能セクションを含む。基端非拡張可能セクションを有する例では、基端非拡張可能セクションは、医療機器の通過を受け入れるのに十分な内径または内側範囲を有するが、先端拡張可能セクションは、弛緩状態において、医療機器の最大の外径または外側範囲を下回る内径または半径方向範囲を有する。拡張可能なイントロデューサ10および/またはライナー20は、本明細書で説明する技術または構造のいずれかを使用して形成される。
【0085】
イントロデューサ10(または本明細書で説明する他のイントロデューサおよびその構成要素)の使用方法は、血管もしくは身体管腔にイントロデューサ10を挿入すること、および/またはその内部で対象の標的部位もしくは領域まで誘導することを含む。いくつかの実施形態では、血管または身体管腔は、内部に形成された部分的または全体的な閉塞または閉鎖を含む可能性がある。イントロデューサ10は、内部に部分的または全体的な閉塞を含まない血管または身体管腔内で使用されることが重要である。
【0086】
イントロデューサ10(または本明細書で説明する他のイントロデューサおよびその構成要素)を対象の標的部位または領域まで誘導した後、長尺状の拡張器がライナー20のルーメン22内に挿入され、かつイントロデューサ10、ライナー20および/または外側シース30の先端部26に向かって先端方向に前進されられる。拡張器がライナー20のルーメン22に到達し、遭遇し、かつ/または係合するとき、拡張器は、ルーメン22内からライナー20および/または外側シース30の壁に半径方向外向きの力を加える。最初に、半径方向の力は、拡張器が第2の拡張可能セクション12を通って前進するときにライナー20、リブケージ31およびシース30を拡張させる。さらに、半径方向外向きの力は、拡張器が第1の拡張可能セクション14内でライナー20のルーメン22を通って先端方向に前進されるとき、外側シース30を、複数の開口部、切り欠き部、穿孔、ノッチ、孔、アパーチャまたは外側シース30の壁に形成された他の弱化特徴に沿っておよび/またはそれを貫通してさらに分離させるか、裂けさせるか、または引裂かせる。外側シース30が分離するか、裂けるか、または引裂くとき、ライナー20の1つ以上のひだ34は、広がることができ、およびルーメン22の内径を大きくする。部分的または全体的な閉塞を有する血管または身体管腔では、拡張器が閉塞部を通って前進され、および/または外側シース30が閉塞部内で開放/拡張されるとき、閉塞物質を半径方向外方に動かす拡張器の剛性により、血管または身体管腔が変形または膨張される。標的部位に隣接して適切に位置決めされると、イントロデューサ10は、追加的な医療機器のためのアクセス経路として用いられる。
【0087】
いくつかの例では、イントロデューサ10(または本明細書で説明する他のイントロデューサおよびその構成要素)は、例えば、金属、金属合金、ポリマー、セラミック、金属−ポリマー複合材などの材料または他の好適な材料から作製される。好適な材料のいくつかの例は、金属材料、例えばステンレス鋼(例えば、304vステンレス鋼または316Lステンレス鋼)、ニッケル−チタン合金(例えば、超弾性または線形弾性ニチノールなどのニチノール)、ニッケル−クロム合金、ニッケル−クロム−鉄合金、コバルト合金、ニッケル、チタン、白金または代わりにポリマー材料、例えば高性能ポリマーまたは他の好適な材料などを含む。用語ニチノールは、米国海軍武器研究所(NOL:United States Naval Ordnance Laboratory)において、最初にこの材料の形状記憶挙動を観察した研究者のグループによって造り出された。用語ニチノールは、ニッケル(Ni)の化学記号、チタン(Ti)の化学記号および米国海軍武器研究所(NOL)を特定する頭字語を含む頭字語である。
【0088】
いくつかの例では、イントロデューサ10(または本明細書で説明する他のイントロデューサおよびその構成要素)は、例えば、ポリマー材料、セラミック、金属、金属合金、金属−ポリマー複合材などの材料から作製される。好適なポリマーの例は、ポリウレタン、ポリエーテル−エステル、例えばDSMエンジニアリングプラスチックス(DSM Engineering Plastics)から入手可能なアーニテル(ARNITEL)(登録商標)、ポリエステル、例えばデュポン(DuPont)から入手可能なハイトレル(HYTREL)(登録商標)、直鎖低密度ポリエチレン、例えばレクセル(REXELL)(登録商標)、ポリアミド、例えばバイエル(Bayer)から入手可能なデュレタン(DURETHAN)(登録商標)またはエルフ・アトケム(Elf Atochem)から入手可能なクリスタミド(CRISTAMID)(登録商標)、エラストマーポリアミド、ブロックポリアミド/エーテル、ポリエーテルブロックアミド、例えば商品名ペバックス(PEBAX)(登録商標)下で入手可能なPEBA、シリコーン、ポリエチレン、マーレックス(Marlex)高密度ポリエチレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)およびポリエーテルイミド(PEI)、単独でまたは他の材料とブレンドした液晶ポリマー(LCP)を含む。いくつかの例では、好適なポリマー材料は、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%またはそれを上回る降伏歪を有する。いくつかの例では、シース、膜および/または複数の起伏は、低摩擦係数を有する材料から作製される。いくつかの例では、シース、膜および/または複数の起伏は、フルオロポリマー、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)またはフッ素化エチレンプロピレン(FEP)から形成される。
【0089】
イントロデューサ10(または本明細書で説明する他のイントロデューサおよびその構成要素)の複数の部分は、放射線不透過性物質で作製されるか、それでドープされるか、その層を含むか、またはそうでなければ放射線不透過性物質を含む。放射線不透過性物質は、医療処置中、蛍光透視法スクリーン上またはX線などの別の画像化技術で比較的明視画像を生じることができる材料である。この比較的明視画像は、機器の使用者が機器の箇所を決定する際に役立つ。例えば、上述の要素の1つ以上(すなわちシース、膜、医療機器など)は、放射線不透過性物質を含むかまたは放射線不透過性物質から形成される。好適な材料は、限定されるものではないが、次炭酸ビスマス、ヨウ素、金、白金、パラジウム、タンタル、タングステンまたはタングステン合金などを含む。
【0090】
上記の説明は、患者の血管系内での経皮的医療処置に焦点を当てたが、本開示による他の例または方法は、患者の解剖学的構造の他の部分での使用に適合および構成され得ることが理解されるべきである。例えば、本開示に従う機器および方法は、消化管または胃腸管、例えば口、喉、小腸および大腸、結腸、直腸などでの使用に適合され得る。別の例では、機器および方法は、呼吸道、例えば口、鼻、喉、気道、鼻孔、肺内などで使用するために適合および構成され得る。同様に、経皮的展開に関して本明細書で説明する機器および方法は、必要に応じて他のタイプの外科処置で使用され得る。例えば、いくつかの例では、機器は、非経皮的処置において展開され得る。本開示による機器および方法は、解剖学的構造内での他の使用にも適合および構成され得る。
【0091】
本開示は、多くの点で説明にすぎないことが理解されるべきである。本開示の範囲を逸脱することなく、詳細において、特に形状、寸法、および工程の構成の点で変更形態がなされ得る。本開示の範囲は、当然ながら、添付の特許請求の範囲において示される文言で定義される。
図1
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