(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電源供給回路であって、1次整流ユニットと、変調ユニットと、変圧器と、2次整流フィルタリングユニットと、電流フィードバックユニットと、制御ユニットと、を含み、
前記1次整流ユニットは、入力された交流電流を整流して、電圧値が周期的に変化する第1の電圧を出力し、
前記変調ユニットは、前記第1の電圧を変調して第2の電圧を生成し、
前記変圧器は、前記第2の電圧に基づいて第3の電圧を生成し、
前記2次整流フィルタリングユニットは、前記第3の電圧を整流及びフィルタリングして前記電源供給回路の出力電圧と出力電流とを生成し、前記2次整流フィルタリングユニットは液体電解キャパシタを含まず、
前記電流フィードバックユニットは、前記出力電流を受信し、前記出力電流の電流値が予め設定された電流制限値に達した場合、前記変調ユニットにフィードバック信号を送信し、
前記変調ユニットは、前記フィードバック信号に基づいて、前記第1の電圧を変調して第2の電圧を生成するプロセスを実行して、前記出力電流の電流値を前記電流制限値以下に制限し、
前記制御ユニットは、前記交流電流の電圧を判断し、前記交流電流の電圧が第1のタイプの電圧である場合、前記電流フィードバックユニットの電流制限値を第1の電流値に設定し、前記交流電流の電圧が第2のタイプの電圧である場合、前記電流フィードバックユニットの電流制限値を第2の電流値に設定し、前記第1のタイプの電圧の振幅は前記第2のタイプの電圧の振幅より大きく、前記第1の電流値は前記第2の電流値より大きい、
ことを特徴とする電源供給回路。
前記電圧信号変換ユニットは、前記第5の電圧に基づいて前記交流電流の電圧のタイプを判断し、判断された前記交流電流の電圧のタイプに基づいて前記指示信号を生成し、
前記指示信号は、ハイレベルおよびローレベルのうちのいずれかであり、
前記指示信号がハイレベルである場合、前記指示信号は、前記交流電流が第1のタイプの電圧に属することを指示し、前記指示信号がローレベルである場合、前記指示信号は、前記交流電流が第2のタイプの電圧に属することを指示し、または、
前記指示信号がハイレベルである場合、前記指示信号は、前記交流電流が第2のタイプの電圧に属することを指示し、前記指示信号がローレベルである場合、前記指示信号は、前記交流電流が第1のタイプの電圧に属することを指示する、
ことを特徴とする請求項2に記載の電源供給回路。
前記制御ユニットは、さらに、充電対象機器と通信して、前記電源供給回路の出力電力を調整して、前記電源供給回路の出力電圧及び/又は出力電流を前記充電対象機器におけるバッテリが現在位置する充電段階にマッチングさせる、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電源供給回路。
充電対象機器と通信して、前記電源供給回路の出力電力を調整して、前記電源供給回路の出力電圧及び/又は出力電流を前記充電対象機器におけるバッテリが現在位置する充電段階にマッチングさせるステップは、
前記バッテリの定電圧充電段階において、前記充電対象機器と通信して、前記電源供給回路の出力電力を調整して、前記電源供給回路の出力電圧を前記定電圧充電段階に対応する充電電圧にマッチングさせるステップを含む、
ことを特徴とする請求項13に記載の制御方法。
充電対象機器と通信して、前記電源供給回路の出力電力を調整して、前記電源供給回路の出力電圧及び/又は出力電流を前記充電対象機器におけるバッテリが現在位置する充電段階にマッチングさせるステップは、
前記バッテリの定電流充電段階において、前記充電対象機器と通信して、前記電源供給回路の出力電力を調整して、前記電源供給回路の出力電流を前記定電流充電段階に対応する充電電流にマッチングさせるステップを含む、
ことを特徴とする請求項13または14に記載の制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0009】
従来の電源供給回路の1次側には、1次整流ユニットが設けられているほか、1次フィルタリングユニットも設けられている。1次フィルタリングユニットは、一般的に1つまたは複数の液体電解キャパシタを含む。液体電解キャパシタは、静電容量が大きく、フィルタリング能力が強いという特徴を有する。当該液体電解キャパシタの存在によって、電源供給回路の出力を定直流電力にすることができる。しかしながら、液体電解キャパシタは、寿命が短く、破裂しやすいなどの特性を有するため、電源供給回路の使用寿命が短く、安全でない。また、定直流電力で充電対象機器におけるバッテリを充電することは、バッテリの分極およびリチウム析出現象を引き起こし、当該バッテリの寿命を短縮する可能性がある。
【0010】
電源供給回路の使用寿命および安全性を向上させ、充電中のバッテリの分極およびリチウム析出現象を低減するために、本発明の実施例は、1次側の液体電解キャパシタを除去した電源供給回路を提供する。当該電源供給回路は、充電対象機器におけるバッテリの充電に使用することができる。本発明に係る充電対象機器は、「通信端末」(または「端末」と略する)のような携帯端末であってもよく、有線回路(例えば、公衆交換電話網(publicswitchedtelephonenetwork、PSTN)、デジタル加入者線(digitalsubscriberline、DSL)、デジタルケーブル、直接ケーブル接続、及び/又は他のデータ接続/ネットワークを介し)を介して接続するか、及び/又は(例えば、セルラーネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク(wirelesslocalareanetwork、WLAN)、ハンドヘルドデジタルビデオ放送(digitalvideobroadcastinghandheld、DVB−H)ネットワークのデジタルTVネットワーク、衛星ネットワーク、振幅変調−周波数変調(amplitude modulation−frequency modulation、AM−FM)ブロードキャストトランスミッタ、及び/又は他の通信端末の)無線インターフィスを介して通信信号を受信/送信するように構成される装置を含むが、これらに限定されない。無線インターフィスを介して通信するように構成される通信端末は、「無線通信端末」、「無線端末」及び/又は「移動端末」と呼ばれてもよい。例として、移動端末は、衛星またはセルラー電話と、セルラー無線電話およびデータ処理、ファックスおよびデータ通信能力を組み合わせ得るパーソナルコミュニケーションシステム(personalcommunicationsystem、PCS)端末と、無線電話、ポケットベル、インターネット/イントラネットアクセス、Webブラウザ、メモ、カレンダー及び/又は全地球測位システム(globalpositioningsystem、GPS)レシーバーを含むパーソナルデジタルアシスタント (PersonalDigitalAssistant、PDA)と、通常のラップトップレシーバー及び/又はハンドヘルドレシーバまたは無線電話レシーバを含む他の電子装置を含むが、これらに限定されない。
【0011】
図1に示すように、本発明の一実施例により提供される電源供給回路10は、1次整流ユニット11と、変調ユニット12と、変圧器13と、2次整流フィルタリングユニット14と、電流フィードバックユニット15と、を含むことができる。電源供給回路10の各構成要素について、以下にそれぞれ詳しく説明する。
【0012】
1次整流ユニット11は、入力された交流電流を整流して、電圧値が周期的に変化する第1の電圧を出力する。ある場合には、入力された交流電流(AC)は、商用電源と呼ばれてもよい。入力された交流電流は、例えば、220Vの交流電流であってもよく、110Vの交流電流であってもよく、本発明の実施例は、これについて具体的に限定しない。
【0013】
第1の電圧の電圧波形は、周期的に変化する波形である。
図2に示すように、当該第1の電圧的波形は、脈動波形であってもよく、または、饅頭形波と呼ばれてもよい。
【0014】
本発明の実施例は、1次整流ユニット11の形態について具体的に限定しない。1次整流ユニット11は、4つのダイオードによって構成されるフルブリッジ整流回路を採用してもよく、ハーフブリッジ整流回路のような他の形態の整流回路を採用してもよい。
【0015】
変調ユニット12は、第1の電圧を変調して第2の電圧を生成することができる。いくつかの場合、変調ユニット12は、チョッパーユニットまたはチョッパーと呼ばれてもよい。または、いくつかの場合、変調ユニット12は、波カットユニットまたは波カット器と呼ばれてもよい。本発明の実施例は、変調ユニット12の作動方式について具体的に限定しない。一例として、変調ユニット12は、パルス振幅変調(pulsewidthmodulation、PWM)の方式で第1の電圧を変調してもよく、周波数変調の方式で第1の電圧を変調してもよい。
【0016】
なお、従来技術において、1次整流ユニット11によって出力された電圧(本発明の実施例の第1の電圧に対応)は、まず1次フィルタリングユニット(1つまたは複数の液体電解キャパシタを含む)によってフィルタリングされて定直流電力を形成する必要がある。当該定直流電力の電圧波形は、通常直線であり、即ち、
図3に示すような変調前の電圧波形である。次に、変調ユニットは、当該定電圧を変調(チョッパー)して、
図3に示すような変調された電圧を形成し、
図3から分かるように、変調ユニットの処理を経て、一定の電圧信号は、振幅値が等しい多数の小方波パルス信号に変調される。これに対し、本発明の実施例により提供される電源供給回路は、1次フィルタリングに使用される液体電解キャパシタを除去しており、1次整流して出力された、電圧値が周期的に変化する第1の電圧を変調する。第1の電圧的波形が
図2に示すような波形であることを例とし、変調によって取得された第2の電圧の波形は、
図4を参照することができる。
図4から分かるように、第2の電圧は、同様に多数の小パルス信号を含むが、これらのパルス信号の振幅値が等しくなく、周期的に変化する。
図4中の破線は、第2の電圧を構成するパルス信号の包絡線である。
図2を比較して分かるように、第2の電圧を構成するパルス信号の包絡線は、第1の電圧の波形とほぼ同じである。
【0017】
変圧器13は、第2の電圧に基づいて第3の電圧を生成することができる。言い換えると、変圧器13は、第2の電圧を変圧器の1次巻線から2次巻線にカップリングして第3の電圧を取得することができる。例えば、変圧器13は、第2の電圧に対して変圧に関する操作を行って第3の電圧を取得することができる。変圧器13は、通常の変圧器であってもよく、作動周波数が50KHz〜2MHzである高周波数変圧器であってもよい。変圧器13は、1次巻線と2次巻線とを含む。変圧器13内の1次巻線および2次巻線の形態、1次巻線および2次巻線と電源供給回路10における他のユニットとの接続方式は、電源供給回路10に採用されるスイッチング電源類に関係する。例えば、電源供給回路10は、フライバック式スイッチング電源に基づく電源供給回路であってもよく、フォワード式スイッチング電源に基づく電源供給回路であってもよく、プッシュプル式スイッチング電源に基づく電源供給回路であってもよい。電源供給回路の基づくスイッチング電源類が異なると、変圧器13の1次巻線、2次巻線の具体的な形態や接続方式も異なり、本発明の実施例は、これについて具体的に限定しない。
図1に示すのは、変圧器13の可能な一接続方式に過ぎない。
【0018】
2次整流フィルタリングユニット14は、2次整流ユニットと2次フィルタリングユニットとを含むことができる。本発明の実施例は、2次整流ユニットの整流方式について具体的に限定しない。一例として、2次整流ユニット14は、同期整流器(synchronousrectifier、SR)チップで、変圧器の2次巻線によって誘起された電圧(または電流)を同期整流することができる。他の一例として、2次整流ユニットは、ダイオードで2次整流する。2次フィルタリングユニットは、2次整流された電圧を2次フィルタリングすることができる。2次フィルタリングユニットは、1つまたは複数の固体キャパシタを含んでもよく、または固体キャパシタと通常のキャパシタ(例えば、セラミックスキャパシタ)との組み合わせを含んでもよい。
【0019】
上記の記載から分かるように、本発明の実施例により提供される電源供給回路10は、1次側の液体電解キャパシタが除去されており、これにより、電源供給回路の体積が小さくなり、電源供給回路の使用寿命および安全性が向上する。
【0020】
電流フィードバックユニット15は、電源供給回路10の出力電流を受信し、当該出力電流の電流値が予め設定された電流制限値に達した場合、変調ユニットにフィードバック信号を送信することができる。
【0021】
変調ユニット12は、当該フィードバック信号に基づいて、第1の電圧を変調して第2の電圧を生成するプロセスを実行して、出力電流の電流値を電流制限値以下に制限することができる。
【0022】
以下に、変調ユニット12がPWMコントローラによる変調ユニットであることを例とし、変調ユニット12が第1電圧を変調して第2電圧を生成するプロセスを説明する。電源供給回路10が最初に作動しているとき、電源供給回路10の出力電流は小さい。この場合、変調ユニット12は、PWM制御信号のデューティ比を絶えずに増加させる方式で第1の電圧を変調して第2の電圧を生成することにより、電源供給回路10が単位時間内で、入力された交流電流からより多くのエネルギーを抽出することができ、電源供給回路10の出力電流は絶えずに大きくなる。変調ユニット12は、電源供給回路10の出力電流が電流フィードバックユニット15に対応する電流制限値に達した場合、電流フィードバックユニット15より送信されたフィードバック信号を受信することができる。このとき、変調ユニット12は、変化しないようにPWM制御信号のデューティ比を制御する方式で第1の電圧を変調して第2の電圧を生成することにより、電源供給回路10の出力電流が当該電流制限値を超えないようにすることができる。
【0023】
一例として、電流フィードバックユニット15は、電流サンプリングユニットとオペアンプとを含むことができる。電流サンプリングユニットは、電源供給回路10の出力電流をサンプリングし、電源供給回路10の出力電流に対応するサンプリング電圧をオペアンプの(-)入力端に伝達するために使用される。電流フィードバックユニット15の正入力における電圧は基準電圧である。基準電圧の電圧値の大きさは、電流フィードバックユニット15の電流制限値の大きさを決定する。従って、電流フィードバックユニット15の(+)入力端子の電圧を調整することにより、電流フィードバックユニット15の電流制限値を調整することができる。
【0024】
電流フィードバックユニット15は、変調ユニット12に直接接続されてもよく、またはフォトカプラを介して変調ユニット12に間接的に接続されてもよく、これは本発明のこの実施形態において特に限定されない。電流フィードバックユニット15がフォトカプラを介して変調ユニット12に間接的に接続されている場合、電流フィードバックユニット15から変調ユニットに送られるフィードバック信号は、フォトカプラを介して光電変換する必要がある。
【0025】
本発明の実施例により提供される電源供給回路10は、1次側の電解キャパシタが除去されており、2次整流フィルタリングユニット14におけるキャパシタ(例えば、固体キャパシタ)は、直流電力出力能力が弱く、過負荷になる(過負荷時の電源供給回路10の出力電流が大幅に増加する)という現象が発生しやすい。従って、過負荷現象を回避するために、電流フィードバックユニット15は、電源供給回路10の出力電流をリアルタイムにモニタリングすることにより、出力電流の電流値を常に設定された電流制限値以下に制限する必要がある。
【0026】
第1の整流ユニットが受信した、入力された交流電流(商用電力)の電圧のタイプは、例えば220Vの交流電流であってもよく、110Vの交流電流であってもよい。交流電流の電圧が高いほど、電源供給回路10が単位時間内で、交流電流から抽出することができるエネルギーが高くなり、電源供給回路10の直流能力もそれに応じて高くなる。従って、電源供給回路10は、充電対象機器を定直流で充電する過程において、交流電流の電圧タイプに応じて電流フィードバックユニット15に対応する電流制限値を設定することができる。
【0027】
具体的には、電源供給回路10は、制御ユニット16をさらに含むことができる。制御ユニット16は、例えば、マイクロコントロールユニット(micro-controlunit、MCU)であってもよい。当該制御ユニット16は、電源供給回路10における他のユニットに制御信号を送信する方式で電源供給回路10における他のユニットを制御することができる。制御ユニット16は、交流電流の電圧を判断することができる。交流電流の電圧が第1のタイプの電圧である場合、制御ユニット16は、電流フィードバックユニット15の電流制限値を第1の電流値に設定することができ、交流電流の電圧が第2のタイプの電圧である場合、制御ユニット16は、電流フィードバックユニット15の電流制限値を第2の電流値に設定することができる。第1のタイプの電圧の大きさ(または有効値)は第2のタイプの電圧の大きさ(または有効値)より大きく、且つ第1の電流値は第2の電流値より大きい。言い換えると、交流電流の振幅(有効値)が大きいほど、電源供給回路10の直流出力能力が強く、この場合、本発明の実施例では、制御ユニット16が電流フィードバックユニット15に高い電流制限値を配置することにより、電源供給回路10は、より広い電流範囲で動作することできる。交流電流の振幅(有効値)が小さいほど、電源供給回路10の直流出力能力が弱く、この場合、本発明の実施例では、制御ユニット16が電流フィードバックユニット15に低い電流制限値を配置することにより、充電プロセスの安全性を確保する。
【0028】
制御ユニット16の電流フィードバックユニット15の電流制限値を調整する方式は、複数であってもよい。例えば、制御ユニット16は、電流フィードバックユニット15におけるオペアンプの(+)入力端に接続することができ、制御ユニット16は、当該(+)入力端により受信される基準電圧を調整することによって電流フィードバックユニット15の電流制限値を調整することができる。
【0029】
なお、第1の電流値および第2の電流値は、第1のタイプの交流電流および第2のタイプの交流電流で電源供給回路10によって達成可能な直流出力能力に基づいて算出することができる。本発明の実施例は、これについて限定しない。例えば、システム設計が完了した後、第1のタイプの交流電流および第2のタイプの交流電流で電源供給回路10によって達成可能な直流出力電流を測定することにより、第1の電流値および第2の電流値を算出することができる。
【0030】
本発明の実施例は、制御ユニット16が交流電流の電圧のタイプを判断する方式について特に限定しない。例えば、1次整流ユニット11によって出力される第1の電圧に基づいて交流電流の電圧のタイプ(または大きさ)を判断することができ、または、2次整流フィルタリングユニット14によって受信された第3の電圧に基づいて交流電流の電圧のタイプ(大きさ)を判断することができる。以下に具体的な実施例に組み合わせて、交流電流の電圧のタイプを判断する方法について詳しく説明する。
【0031】
選択可能に、一部の実施例において、
図5に示すように、電源供給回路10は、第1の整流ユニット51と、第1のフィルタリングユニット52と、電圧信号変換ユニット53とをさらに含むことができる。第1整流ユニット51は、第3の電圧を受信し、第3の電圧を整流して第4電圧を取得することができる。第1のフィルタリングユニット52は、第4の電圧を受信し、第4の電圧をフィルタリングして第5の電圧を取得することができる。電圧信号変換ユニット53は、第5の電圧を交流電流の電圧のタイプを指示するための指示信号に変換することができる。制御ユニット16は、指示信号を受信し、指示信号に基づいて交流電流の電圧のタイプを判断することができる。
【0032】
なお、第1の整流ユニット51の整流操作および第1のフィルタリングユニット52のフィルタリング操作を経て最終的に得られた第5の電圧の電圧値は、入力された交流電流の有効値(220Vまたは110V)または振幅に正比例する。一部の実施例において、第5の電圧は、順方向電圧(forward voltage)とも呼ばれてもよい。本発明の実施例は、第5の電圧を用いて交流電流の電圧のタイプを判断することができる。以下にいくつかの具体的な判断方法を示す。
【0033】
一例として、電圧信号変換ユニット53は、第5の電圧をサンプリングすることができる。対応的に、電圧信号変換ユニット53によって出力される指示信号は、第5の電圧のサンプリング電圧であってもよい。
図6を例とし、上記2次整流フィルタリングユニット14は、主に同期整流用SRチップと、スイッチングトランジスタQ1と、ダイオードD1とによって構成される2次同期整流ユニットと、主にキャパシタC2によって構成される2次フィルタリングユニットと、を含むことができる。第1整流ユニット51は、
図6中のダイオードD2によって実現することができ、変圧器13の2次巻線によって出力される第3の電圧を整流して第4の電圧を取得する。第2のフィルタリングユニット52は、
図6中のキャパシタC1によって実現することができ、ダイオードD2によって出力された第4の電圧をフィルタリングして第5の電圧を取得する。電圧信号変換ユニット53は、
図6中の抵抗器R1と抵抗きR2とによって実現することができ、電圧信号をサンプリングしてサンプリング電圧を取得する。当該サンプリング電圧は、第5の電圧の大きさを示すことができる。第5の電圧は交流電流の電圧有効値(または振幅)に正比例するので、当該サンプリング電圧は、交流電流の電圧有効値(または振幅)を示してもよく、さらに交流電流の電圧のタイプを示してもよい。例えば、サンプリング電圧は、入力された交流電流が220Vであるか、それとも交流電流110Vであるかを示すことができる。制御ユニット16は、当該サンプリング電圧を受信し、当該サンプリング電圧に基づいて交流電流の電圧のタイプを推定する。
図6に示すように、制御ユニット16は、例えば、アナログ/デジタル変換器(analog−to−digital converter、ADC)を介して抵抗器R1と抵抗器R2との分圧点に接続してサンプリング電圧を取得することができる。
【0034】
他の例として、電圧信号変換ユニット53は、第5の電圧に基づいて交流電流の電圧のタイプを判断し、判断した交流電流の電圧のタイプに基づいて指示信号を生成する。指示信号は、ハイレベルおよびローレベルのうちのいずれかである。指示信号がハイレベルである場合、指示信号は、交流電流の電圧が第1のタイプの電圧に属することを指示し、指示信号がローレベルである場合、指示信号は、交流電流の電圧が第2のタイプの電圧に属することを指示する。または、指示信号がハイレベルである場合、指示信号は、交流電流の電圧が第2のタイプの電圧に属することを指示し、指示信号がローレベルである場合、指示信号は、交流電流の電圧が第1のタイプの電圧に属することを指示する。
【0035】
本発明の実施例は、第5の電圧に基づいてハイレベルまたはローレベルを生成して、交流電流の電圧タイプを示し、これのようにすることで、制御ユニット16の判断ロジックを簡単にすることができる。
【0036】
以下に
図7に組み合わせて、電圧信号変換ユニット53が第5の電圧をハイレベルまたはローレベルに変換する実現方式を示す。
【0037】
図7に示すように、電圧信号変換ユニット53は、ツェナーダイオードZDと三極管S1とを含む。ツェナーダイオードZDは、交流電流の電圧が第1のタイプの電圧に属する場合、ツェナーダイオードZDと三極管S1とがいずれもオンになり、三極管S1のコレクタはローレベルであり、交流電流の電圧が第2のタイプの電圧に属する場合、ツェナーダイオードZDと三極管S1はいずれもオフになり、三極管S1のコレクタはハイレベルであるように構成される。制御ユニット16は、三極管S1のコレクタに接続され、当該コレクタの電圧信号を交流電流の電圧のタイプを指示する指示信号とすることができる。
【0038】
例えば、入力された交流電流が220Vの交流電流である場合、抵抗器R1と、ツェナーダイオードZDと、抵抗器R2との間の分圧は、ツェナーダイオードZDをオンになり、そして三極管S1のゲートはより高い電圧を受信し、制御三極管S1がオンになり。この場合、三極管S1のコレクタの電圧は、ローレベルであり、交流電流が220Vの交流電流であることを指示する。入力さえた交流電流が110Vの交流電流である場合、抵抗器R1と、ツェナーダイオードZDと、抵抗器R2との分圧により、ツェナーダイオードZDがオフ状態となり、三極管S1のゲートの電圧がローレベルとなり、オフになるように三極管S1が制御される。この場合、三極管S1のコレクタの電圧はハイレベルであり、交流電流が110Vの交流電流であることを指示する。
【0039】
なお、
図7は、電圧信号変換ユニット53の実施形態の例示に過ぎない。実際、当該電圧信号変換ユニット53の機能は、コンパレータなどの他の装置によっても実現可能である。
【0040】
従来技術において、充電対象機器を充電するための電源供給回路が記載されている。当該電源供給回路は、定電圧モードで作動する。定電圧モードで、当該電源供給回路の出力電圧は、ほぼ一定に維持され、例えば、5V、9V、12Vまたは20Vなどに維持される。
【0041】
当該電源供給回路の出力電圧は、バッテリの両端に直接印加するのに適さず、まず充電対象機器における変換回路によって変換されて充電対象機器におけるバッテリの予期充電電圧及び/又は充電電流を得る必要がある。
【0042】
変換回路は、電源供給回路の出力電圧を変換して、バッテリの予期充電電圧及び/又は充電電流の需要を満たすことができる。
【0043】
一例とし、当該変換回路は、充電管理モジュール、例えば、充電集積回路(integratedcircuit、IC)を指してもよく、バッテリの充電中にバッテリの充電電圧及び/又は充電電流を管理するためのものである。当該変換回路は、バッテリの充電電圧及び/又は充電電流の管理を実現するために、電圧フィードバックモジュールの機能を有し、及び/又は、電流フィードバックモジュールの機能を有することができる。
【0044】
例を挙げると、バッテリの充電プロセスは、トリクル充電段階と、定電流充電段階と、定電圧充電段階とのうちの1つまたは複数を含むことができる。トリクル充電段階において、変換回路は電流フィードバックループで、トリクル充電段階でバッテリに流れ込む電流がバッテリの予期充電電流の大きさ(例えば、第1の充電電流)を満すようにすることができる。定電流充電段階において、変換回路は電流フィードバックループで、定電流充電段階でバッテリに流れ込む電流がバッテリの予期充電電流の大きさ(例えば、第1の充電電流より大きくてもよい第2の充電電流)を満たすようにすることができる。定電圧充電段階において、変換回路は、電圧フィードバックループで、定電圧充電段階でバッテリの両端に印加される電圧の大きさがバッテリの予期充電電圧の大きさを満たすようにすることができる。
【0045】
一例として、電源供給回路の出力電圧がバッテリの予期充電電圧より大きい場合、変換回路は、電源供給回路の出力電圧を降圧処理して、降圧変換された充電電圧がバッテリの予期充電電圧の需要を満たすようにすることができる。他の例として、電源供給回路の出力電圧がバッテリの予期充電電圧より小さい場合、変換回路は、電源供給回路の出力電圧を昇圧処理して、昇圧変換された充電電圧をバッテリの予期充電電圧の需要を満たすようにすることができる。
【0046】
他の例として、電源供給回路が5Vの定電圧を出力することを例として、バッテリが1つのバッテリセル(リチウムバッテリのバッテリセルを例とし、1つのバッテリセルの充電終止電圧が4.2Vである)を含む場合、変換回路(例えば、Buck降圧回路)は、電源供給回路の出力電圧を降圧処理して、降圧された充電電圧がバッテリの予期充電電圧の需要を満たすようにすることができる。
【0047】
他の例として、電源供給回路が5Vの定電圧を出力することを例として、電源供給回路が2つ以上のシングルバッテリセルを直列接続したバッテリ(リチウムバッテリのバッテリセルを例とし、1つのバッテリセルの充電終止電圧が4.2Vである)を充電する場合、変換回路(例えば、Boost昇圧回路)は、電源供給回路の出力電圧を昇圧処理して、昇圧された充電電圧がバッテリの予期充電電圧の需要を満たすようにすることができる。
【0048】
変換回路が回路の変換効率の低下に制限されることによって、変換されていない部分の電気エネルギーが熱の形で放散される。この部分の熱は充電対象機器の内部に集まる。充電対象機器の設定スペース及び放熱スペースが小さいことから(例えば、ユーザが使用する移動端末の物理的なサイズがますます薄くなるとともに、移動端末の性能を向上させるために、移動端末内に数多くの電子素子が密に配置されている)、変換回路の設計難度を上げるだけでなく、充電対象機器内に集まっている熱を速やかに除去しにくく、充電対象機器の異常を引き起こす。
【0049】
例えば、変換回路に集まっている熱は、変換回路の付近の電子素子に対して熱干渉を引き起こし、電子素子の作動異常の誘因となるおそれがある。また、例えば、変換回路に集まっている熱は、変換回路及び付近の電子素子の使用寿命を短縮するおそれがある。また、例えば、変換回路に集まっている熱は、バッテリに対して熱干渉を引き起こし、バッテリの充放電異常の誘因となるおそれがある。また、例えば、変換回路に集まっている熱は、充電対象機器の温度上昇を引き起こすおそれがあり、ユーザの充電時の使用体験に影響を及ぼす。また、例えば、変換回路に集まっている熱は、変換回路自身の短絡を引き起こすおそれがあり、電源供給回路の出力電圧をバッテリの両端に直接印加することにより、充電異常を引き起こし、バッテリが長時間に過電圧充電状態であると、バッテリの爆発まで引き起こし、ユーザの安全に危害を与えることになる。
【0050】
本発明の実施例は、電源供給回路10をさらに提供する。当該電源供給回路10における制御ユニット16は、充電対象機器と通信して、電源供給回路10の出力電力を調整して電源供給回路10の出力電圧及び/又は出力電流を充電対象機器におけるバッテリが現在位置する充電段階にマッチングさせることもできる。
【0051】
なお、バッテリの現在の充電段階は、トリクル充電段階と、定電圧充電段階と、定電流充電段階とのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0052】
バッテリの現在の充電段階が定電圧充電段階であることを例とし、前述した充電対象機器と通信して、電源供給回路の出力電力を調整して電源供給回路の出力電圧及び/又は出力電流を充電対象機器におけるバッテリが現在位置する充電段階にマッチングさせることは、バッテリの定電圧充電段階において、充電対象機器と通信して、電源供給回路の出力電力を調整して電源供給回路の出力電圧を定電圧充電段階に対応する充電電圧にマッチングさせることを含むことができる。
【0053】
バッテリの現在の充電段階が定電流充電段階であることを例とし、前述した充電対象機器と通信して、電源供給回路の出力電力を調整して電源供給回路の出力電圧及び/又は出力電流を充電対象機器におけるバッテリが現在位置する充電段階にマッチングさせることは、バッテリの定電流充電段階において、充電対象機器と通信して、電源供給回路の出力電力を調整して電源供給回路の出力電流を定電流充電段階に対応する充電電流にマッチングさせることを含むことができる。
【0054】
本発明の実施例により提供される通信機能を有する電源供給回路10について、以下例を挙げてさらに詳しく説明する。
【0055】
当該電源供給回路10は、バッテリの状態情報を取得することができる。バッテリの状態情報は、バッテリの現在残量情報及び/又は電圧情報を含むことができる。当該電源供給回路10は、取得されたバッテリの状態情報に基づい電源供給回路10自身の出力電圧を調整してバッテリの予期充電電圧及び/又は充電電流の需要を満たすことができ、電源供給回路10により調整して出力した電圧は、バッテリの両端に直接印加してバッテリを充電(以下「直接充電」という)することができる。さらに、バッテリ充電プロセスの定電流充電段階において、電源供給回路10により調整して出力した電圧は、バッテリの両端に直接印加してバッテリを充電することができる。
【0056】
当該電源供給回路10は、バッテリの充電電圧及び/又は充電電流の管理を実現するために、電圧フィードバックモジュールの機能および電流フィードバックモジュールの機能を有することができる。
【0057】
当該電源供給回路10が取得されたバッテリの状態情報に基づいて電源供給回路10自身の出力電圧を調整することは、当該電源供給回路10は、バッテリの状態情報をリアルタイムに取得することができ、毎回取得されたバッテリのリアルタイム状態情報に基づいて電源供給回路10自身の出力電圧を調整してバッテリの予期充電電圧及び/又は充電電流を満たすことを指してもよい。
【0058】
当該電源供給回路10が取得されたバッテリの状態情報に基づい電源供給回路10自身の出力電圧を調整することは、充電中にバッテリ電圧が絶えずに上昇するにつれて、電源供給回路10は、充電中のさまざまな時点のバッテリの現在状態情報を取得することができ、バッテリの現在状態情報に基づいて電源供給回路10自身の出力電圧をリアルタイムに調整してバッテリの予期充電電圧及び/又は充電電流の需要を満たすことを指してもよい。
【0059】
例を挙げると、バッテリの充電プロセスは、トリクル充電段階と、定電流充電段階と、定電圧充電段階とのうちの少なくとも1つを含むことができる。トリクル充電段階において、電源供給回路10は、トリクル充電段階で第1の充電電流を出力してバッテリを充電してバッテリの予期充電電流の需要を満たすことができる(第1の充電電流は定直流電流であってもよい)。定電流充電段階において、電源供給回路10は、電流フィードバックループループで、定電流充電段階にて電源供給回路10によって出力され且つバッテリに流れ込む電流がバッテリの予期充電電流の需要を満たすようにすることができる(例えば、第2の充電電流が脈動波形の電流であってもよく、当該第2の充電電流が第1の充電電流より大きくてもよく、定電流充電段階における脈動波形の電流ピーク値がトリクル充電段階おける定直流電流の大きさより大きくてもよく、定電流充電段階の定電流は、脈動波形の電流ピーク値または平均値がほぼ変化しないままであることを指してもよい)。定電圧充電段階において、電源供給回路10は、電圧フィードバックループで、定電圧充電段階で電源供給回路10から充電対象機器に出力された電圧(即ち、定直流電圧)を一定に保持することができる。
【0060】
例えば、本発明の実施例に係る電源供給回路10は、充電対象機器におけるバッテリの定電流充電段階を制御することができる。他の実施例において、充電対象機器におけるバッテリのトリクル充電段階および定電圧充電段階の制御機能は、本発明の実施例に記載の電源供給回路10と充電対象機器における別途の充電チップとが協力して完成することができる。定電流充電段階と比較して、バッテリがトリクル充電段階および定電圧充電段階で受け取る充電電力は小さく、充電対象機器内部の充電チップの効率変換損失および熱蓄積は、許容できる。
【0061】
なお、本発明の実施例中に記載の定電流充電段階または定電流段階は、電源供給回路10の出力電流が完全に変化しないことを要求することではなく、電源供給回路10の出力電流を制御する充電モードを意味することができる。例えば、電源供給回路10によって出力された脈動波形の電流ピーク値または平均値が、ほぼ変化しないことと、または、あり時間帯にわたってほぼ変化しないこととを広く意味することができる。例えば、実際に、電源供給回路10は、定電流充電段階で通常多段階定電流の方式で充電する。
【0062】
多段階定電流充電(MuLti-stageconstantcurrentcharging)は、N個の定電流段階(Nが2以上の整数である)を有することができる。多段階定電流充電は、所定の充電電流で第1段階の充電を始める。前記多段階定電流充電のN個の定電流段階は、第1の段階から第Nの段階まで順次に実行される。定電流段階のうちの現在の定電流段階から次の定電流段階に入った後、脈動波形の電流ピーク値または平均値が小さくなることができる。バッテリ電圧が充電終止電圧閾値に達した場合、定電流段階のうちの前の充電段階から次の充電段階に入ることになる。2つの隣接する定電流段階間の電流変換プロセスは、漸進的に変化してもよく、または階段式ジャンプ的に変化してもよい。
【0063】
さらに、電源供給回路10の出力電流が、電流値の周期的に変化する電流(例えば、脈動直流電流)である場合、定電流モードは、周期的に変化する電流のピーク値または平均値を制御する充電モードを指してもよく、即ち、定電流モードに対応する電流を超えないように電源供給回路10の出力電流のピーク値を制御する。また、電源供給回路10の出力電流が交流電流である場合、定電流モードは、交流電流的ピーク値を制限する充電モードを指してもよい。
【0064】
選択可能に、一部の実施例において、電源供給回路10は、第1の充電モードおよび第2の充電モードを適用することができ、電源供給回路10が第2の充電モードでバッテリを充電する速度は、電源供給回路10が第1の充電モードでバッテリを充電する速度より早い。言い換えると、第1の充電モードで作動する電源供給回路と比較して、第2の充電モードで作動する電源供給回路が同一容量のバッテリを満充電するのに必要な時間はより短く。さらに、一部の実施例において、第1の充電モードでは、電源供給回路10は、第2の充電通路を介してバッテリを充電し、第2の充電モードでは、電源供給回路10は、第1の充電通路を介してバッテリを充電する。
【0065】
第1の充電モードは、通常充電モードであってよく、第2の充電モードは、急速充電モードであってもよい。当該通常充電モードは、電源供給回路が相対的に小さい電流値(通常2.5Aより小さい)を出力すること、または相対的に小さい電力で(通常15Wより小さい)充電対象機器におけるバッテリを充電することを意味し、通常充電モードで1つの大容量バッテリ(例えば、3000mAh容量のバッテリ)を完全に満充電するのに通常数時間がかかる必要があるが、急速充電モードでは、電源供給回路は、相対的に大きな電流(通常2.5Aより大きく、例えば、4.5A、5Aまたはさらに高く)を出力することができ、または相対的に大きな電力で(通常15W以上)充電対象機器におけるバッテリを充電することができる。通常充電モードと比較して、電源供給回路が急速充電モードで同一容量のバッテリを完全に満充電するのに必要な充電時間を明らかに短縮することができ、充電速度がより早い。
【0066】
上記の説明に指摘されたように、電源供給回路10の出力電流は、電流値の周期的に変化する波形を有することができる。当該波形は、電源供給回路10が第2の充電モードで作動する出力電流の波形を指してもよい。第1の充電モードでは、電源供給回路10の出力電圧の電圧値は、定電圧値であってもよく、出力電流の波形は、負荷の変化に伴って変化することができる。
【0067】
さらに、充電対象機器は、電源供給回路10(または電源供給回路10における制御ユニット16)と二方向通信して、第2の充電モードでの電源供給回路10の出力(即ち、第2の充電モードで電源供給回路10によって提供される充電電圧及び/又は充電電流を制御)を制御することができる。充電対象機器は、充電インターフィスを含んでもよく、充電対象機器は、充電インターフィスにおけるデータラインを介して電源供給回路10と通信することができる。充電インターフィスがUSBインターフィスであることを例とし、データラインは、USBインターフィス内のD+ライン及び/又はD-ラインであってもよい。または、充電対象機器は、電源供給回路10と無線通信することもできる。
【0068】
本発明の実施例は、電源供給回路10と充電対象機器との通信内容と、充電対象機器が第2の充電モードでの電源供給回路10の出力を制御する方式とについて、具体的に限定しない。例えば、充電対象機器は、電源供給回路10と通信して、充電対象機器におけるバッテリの現在総電圧及び/又は現在総残量をインタラクションし、バッテリの現在総電圧及び/又は現在総残量に基づいて電源供給回路10の出力電圧または出力電流を調整することができる。以下に具体的な実施例に組み合わせて充電対象機器と電源供給回路10との通信内容、および充電対象機器が第2の充電モードでの電源供給回路10の出力を制御する方式について詳しく説明する。
【0069】
本発明の実施例の上記説明は、電源供給回路10と充電対象機器とのマスタースレーブを限定しない。言い換えると、電源供給回路10と充電対象機器とのうちのいずれか一方は、マスター機器側として二方向通信会話を開始することができ、対応的に、他方はスレーブ機器側として、マスター機器側が開始した通信に対して第1の応答或第1の返信を行う。実行可能な一実施形態として、通信プロセスにおいて、電源供給回路10側と充電対象機器側とのアースに対するレベルの大きさを比較することにより、マスター及びスレーブ機器の身分を確認することができる。
【0070】
本発明の実施例は、電源供給回路10と充電対象機器との二方向通信の具体的な実現方式を限定しておらず、すなわち、電源供給回路10と充電対象機器とのうちのいずれか一方は、マスター機器側として通信会話を開始し、対応的に、他方はスレーブ機器側として、マスター機器側が開始した通信会話に対して第1の応答或第1の返信を行い、同時にマスター機器側は、前記スレーブ機器側の第1の応答或第1の返信に対して第2の応答を行うことができれば、マスター及びスレーブ機器の間に1回の充電モードに関するネゴシエーションプロセスが完成されたと判定してもよい。実行可能な一実施形態として、マスター及びスレーブ機器の間に複数回の充電モードのネゴシエーションが完成された後、マスター及びスレーブ機器の間の充電操作を実行することにより、ネゴシエーション後の充電プロセスが安全的に信頼的に実行されることを確保することができる。
【0071】
マスター機器側が前記スレーブ機器側の通信会話に対する第1の応答または第1の返信に応じて第2の応答を行うことができる一方式として、マスター機器側が前記スレーブ機器側の通信会話に対する第1の応答または第1の返信を受信し、受信した前記スレーブ機器の第1の応答または第1の返信に応じて対応的な第2の応答を行うことができる。例として、マスター機器側が所定の時間内で前記スレーブ機器側の通信会話に対する第1の応答または第1の返信を受信すると、マスター機器側が前記スレーブ機器の第1の応答または第1の返信性に応じて対応的な第2の応答を行うことは、具体的に、マスター機器側とスレーブ機器側とが1回の充電モードに関するネゴシエーションを完成し、マスター機器側とスレーブ機器側との間でネゴシエーションの結果に基づいて第1の充電モードまたは第2の充電モードで充電操作を実行する。即ち、電源供給回路10は、ネゴシエーション結果に基づいて第1の充電モードまたは第2の充電モードで作動して充電対象機器を充電する。
【0072】
マスター機器側が前記スレーブ機器側の通信会話に対する第1の応答または第1の返信に応じて第2の応答を行うことができる一方式として、さらに、マスター機器側が所定の時間内で前記スレーブ機器側の通信会話に対する第1の応答または第1の返信を受信していなくても、マスター機器側も前記スレーブ機器の第1の応答または第1の返信に対して、対応的な第2の応答を行うことであってもよい。例として、マスター機器側が所定の時間内で前記スレーブ機器側の通信会話に対する第1の応答または第1の返信を受信していなくても、マスター機器側も前記スレーブ機器側の第1の応答または第1の返信に対して、対応的な第2の応答を行うことは、具体的に、マスター機器側とスレーブ機器側とが1回の充電モードに関するネゴシエーションを完成し、マスター機器側とスレーブ機器側との間で第1の充電モードで充電操作を実行し、即ち、電源供給回路10は、第1の充電モードで作動して充電対象機器を充電することであってもよい。
【0073】
選択可能に、一部の実施例において、充電対象機器は、マスター機器として通信会話を開始し、電源供給回路10はスレーブ機器として、マスター機器が開始した通信会話に対して、第1の応答または第1の返信を行った後に、充電対象機器が電源供給回路10の第1の応答または第1の返信に対して、対応的な第2の応答を行う必要がなく、電源供給回路10と充電対象機器との間に1回の充電モードに関するネゴシエーションのプロセスが完成されたと判定してもよく、電源供給回路10は、ネゴシエーションの結果に基づいて第1の充電モードまたは第2の充電モードで充電対象機器を充電することができる。
【0074】
選択可能に、一部の実施例において、充電対象機器が電源供給回路10と二方向通信して、第2の充電モードでの電源供給回路10の出力を制御するプロセスは、充電対象機器が電源供給回路10と二方向通信して、電源供給回路10と充電対象機器との間の充電モードをネゴシエーションすることを含む。
【0075】
選択可能に、一部の実施例において、充電対象機器が電源供給回路10と二方向通信して、電源供給回路10と充電対象機器との間の充電モードをネゴシエーションすることは、充電対象機器が、電源供給回路10より送信された、充電対象機器が第2の充電モードをオンにするか否かについて問い合わせるための第1の指令を受信することと、充電対象機器が、充電対象機器が第2の充電モードをオンにすることに同意するか否かを指示するための第1の指令の返信指令を電源供給回路10に送信することと、充電対象機器が第2の充電モードをオンにすることに同意した場合、充電対象機器が第1の充電通路を介してバッテリを充電するように電源供給回路10を制御することと、を含む。
【0076】
選択可能に、一部の実施例において、充電対象機器が電源供給回路10と二方向通信して、第2の充電モードでの電源供給回路10の出力を制御するプロセスは、充電対象機器が電源供給回路10と二方向通信して、第2の充電モードでの電源供給回路10から出力された充電対象機器を充電するための充電電圧を決定することを含む。
【0077】
選択可能に、一部の実施例において、充電対象機器が電源供給回路10と二方向通信して、第2の充電モードでの電源供給回路10から出力された充電対象機器を充電するための充電電圧を決定することは、充電対象機器が、電源供給回路10より送信された、電源供給回路10の出力電圧と充電対象機器のバッテリの現在総電圧とがマッチングしているか否かについて問い合わせるための第2の指令を受信することと、充電対象機器が、電源供給回路10の出力電圧とバッテリの現在総電圧とがマッチングしている、高めであるまたは低めであることを指示するための第2の指令の返信指令を電源供給回路10に送信することと、を含む。これに代えて、第2の指令が、電源供給回路10の現在出力電圧を第2の充電モードでの電源供給回路10から出力された充電対象機器を充電するための充電電圧とするのが適切であるか否かについて問い合わせることができ、第2の指令の返信指令が、現在電源供給回路10の出力電圧がマッチングしている、高めであるまたは低めであることを指示することができる。
【0078】
電源供給回路10の現在出力電圧とバッテリの現在総電圧とがマッチングするとこと、または電源供給回路10の現在出力電圧が第2の充電モードでの電源供給回路10から出力された充電対象機器を充電するための充電電圧として適切であることは、電源供給回路10の現在出力電圧とバッテリの現在総電圧との差の値が所定の範囲内にある(通常数百mvのレベルである)ことを指してもよい。現在出力電圧は、バッテリの現在総電圧より高めであることは、電源供給回路10の出力電圧とバッテリの現在総電圧との差の値が所定の範囲より高いことを含む。現在出力電圧がバッテリ現在総電圧より低めであることは、電源供給回路10の出力電圧とバッテリの現在総電圧との差の値が所定の範囲より低いことを含む。
【0079】
選択可能に、一部の実施例において、充電対象機器が電源供給回路10と二方向通信して、第2の充電モードでの電源供給回路10の出力を制御するプロセスは、充電対象機器が電源供給回路10と二方向通信して、第2の充電モードでの電源供給回路10から出力された充電対象機器を充電するための充電電流を決定することを含むことができる。
【0080】
選択可能に、一部の実施例において、充電対象機器が電源供給回路10と二方向通信して、第2の充電モードでの電源供給回路10から出力された、充電対象機器を充電するための充電電流を決定することは、充電対象機器が、前記電源供給回路10より送信された、充電対象機器の現在サポートする最大充電電流を問い合わせるための第3の指令を受信することと、充電対象機器が、充電対象機器の現在サポートする最大充電電流を指示するための第3の指令の返信指令を電源供給回路10に送信して、電源供給回路10が充電対象機器の現在サポートする最大充電電流に基づいて、第2の充電モードでの電源供給回路10から出力された充電対象機器を充電するための充電電流を決定するようにすることと、を含むことができる。
【0081】
充電対象機器の現在サポートする最大充電電流は、充電対象機器のバッテリの容量、バッテリセル体系などに基づいて取得されてもよく、または所定値であってもよい。
【0082】
なお、充電対象機器が充電対象機器の現在サポートする最大充電電流に基づいて、第2の充電モードでの電源供給回路10から出力された充電対象機器を充電するための充電電流を決定する方式は複数ある。例えば、電源供給回路10は、充電対象機器の現在サポートする最大充電電流を第2の充電モードでの電源供給回路10から出力された充電対象機器を充電するための充電電流として決定することができるし、充電対象機器の現在サポートする最大充電電流及び自身の電流出力能力等の要因を総合的に考慮した上で、第2の充電モードでの電源供給回路10から出力された充電対象機器を充電するための充電電流を決定することもできる。
【0083】
選択可能に、一部の実施例において、充電対象機器が電源供給回路10と二方向通信して、第2の充電モードでの電源供給回路10の出力を制御するプロセスは、第2の充電モードで充電するプロセスにおいて、充電対象機器が電源供給回路10と二方向通信して、電源供給回路10の出力電流を調整することを含むことができる。
【0084】
一部の実施例において、充電対象機器が電源供給回路10と二方向通信して、電源供給回路10の出力電流を調整することは、充電対象機器が、電源供給回路10より送信された、バッテリの現在総電圧を問い合わせるための第4の指令を受信することと、充電対象機器が、バッテリの現在総電圧を指示するための第4の指令の返信指令を電源供給回路10に送信して、電源供給回路10がバッテリの現在総電圧に基づいて電源供給回路10の出力電流を調整するようにすることと、を含むことができる。
【0085】
選択可能に、一部の実施例において、充電対象機器が電源供給回路10と二方向通信して、第2の充電モードで電源供給回路10の出力を制御するプロセスは、充電対象機器が電源供給回路10と二方向通信して、充電インターフィスが接触不良であるか否かを決定する。
【0086】
一部の実施例において、充電対象機器が電源供給回路10と二方向通信して、充電インターフィスが接触不良であるか否かを決定することは、充電対象機器が、電源供給回路10より送信された、充電対象機器のバッテリの現在総電圧を問い合わせるための第4の指令を受信することと、充電対象機器が、充電対象機器のバッテリの現在電圧を指示するための第4の指令の返信指令を電源供給回路10に送信して、電源供給回路10が電源供給回路10の出力電圧と充電対象機器のバッテリの現在電圧とに基づいて、充電インターフィスが接触不良であるか否かを決定することと、を含むことができる。例えば、電源供給回路10は、電源供給回路10の出力電圧と充電対象機器の現在電圧との電圧差が所定の電圧閾値より大きいと決定することは、このとき電圧差で電源供給回路10によって出力された現在電流値を割ることで取得された抵抗が所定の抵抗閾値より大きいことを示し、即ち、充電インターフィスが接触不良であると決定することができる。
【0087】
選択可能に、一部の実施例において、充電インターフィス接触不良は、充電対象機器によって決定することもできる。例えば、充電対象機器が、電源供給回路10の出力電圧を問い合わせるための第6の指令を電源供給回路10に送信し、充電対象機器が、電源供給回路10によって送信された、電源供給回路10の出力電圧を指示するための第6の指令の返信指令を受信し、充電対象機器がバッテリの現在電圧と電源供給回路10の出力電圧とに基づいて、充電インターフィスが接触不良であるか否かを決定する。充電対象機器が、充電インターフィスが接触不良であると決定した後、充電対象機器は、充電インターフィスが接触不良であることを指示するための第5の指令を電源供給回路10に送信する。電源供給回路10は、第5の指令を受信した後、第2の充電モードを終了することができる。
【0088】
電源供給回路10と充電対象機器との間の通信プロセスついて、さらに
図8を参照しながら以下詳しく説明する。なお、
図8の例は、当業者が本発明の実施例を理解することに役立つものに過ぎず、本発明の実施例を例示された具体的数値または具体的な場面に限定するものではない。明らかに、当業者は、示された
図8の例に基づいて各種の等価の修正または変更を行うことができ、これらの修正または変更も本発明の実施例の範囲内に入る。
【0089】
図8に示すように、電源供給回路10と充電対象機器との間の通信プロセス(または急速充電通信プロセスという)は、以下の5つの段階を含むことができる。
【0090】
段階1
充電対象機器が電源提供装置に接続された後に、充電対象機器がデータケーブルD+、D-を介して電源供給回路10類を検出することができる。電源供給回路10がアダプタなどの充電のみに使用される電源供給回路10であると検出された場合、充電対象機器が受け入れる電流は、所定の電流閾値I2(例えば、1Aであってもよい)より大きくてもよい。電源供給回路10が所定の持続時間(例えば、連続的なT1時間であってもよい)内での電源供給回路10の出力電流がI2以上であることを検出した場合、電源供給回路10は、充電対象機器が電源供給機器類を認識することを既に完成したと判定してもよい。次に、電源供給回路10が充電対象機器とのネゴシエーションのプロセスを開始し、充電対象機器に指令1(上記第1の指令に対応する)を送信して、電源供給回路10が第2の充電モードで充電対象機器を充電することに同意するか否かについて充電対象機器に問い合わせる。
【0091】
電源供給回路10が充電対象機器によって送信された指令1の返信指令を受信し、且つ指令1の返信指令において、充電対象機器により電源供給回路10が第2の充電モードで充電対象機器を充電することに同意しないことを指示する場合、電源供給回路10は、電源供給回路10の出力電流を再度検出する。電源供給回路10の出力電流が所定の持続時間内(例えば、連続的なT1時間であってもよい)で依然としてI2以上である場合、電源供給回路10は、充電対象機器に指令1を再度送信して、電源供給回路10が第2の充電モードで充電対象機器を充電することに同意するか否かについて充電対象機器に問い合わせる。充電対象機器が、電源供給回路10が第2の充電モードで充電対象機器を充電することに同意するまで、または電源供給回路10の出力電流がI2以上である条件を満たさなくなるまで、電源供給回路10は、段階1の上記ステップを繰り返す。
【0092】
充電対象機器が、電源供給回路10が第2の充電モードで充電対象機器を充電することに同意した後、通信プロセスは段階2に入る。
【0093】
段階2
電源供給回路10は、充電対象機器に指令2(上記第2の指令に対応する)を送信して、電源供給回路10の出力電圧(現在出力電圧)と充電対象機器におけるバッテリの現在電圧とがマッチングしているか否かについて問い合わせる。
【0094】
充電対象機器は、電源供給回路10に指令2の返信指令を送信して、電源供給回路10の出力電圧と充電対象機器のバッテリの現在電圧とがマッチングしていること、高めであるまたは低めであることを指示する。指令2の返信指令が、電源供給回路10の出力電圧が高めであるまたは低めであることを指示する場合、電源供給回路10は、電源供給回路10の出力電圧を低くまたは高く調整することができ、充電対象機器に指令2を再度送信して、電源供給回路10の出力電圧とバッテリの現在電圧とがマッチングしているか否かについて再度問い合わせる。充電対象機器が電源供給回路10の出力電圧と充電対象機器のバッテリの現在電圧(とがマッチングしていることを決定するまで段階2の上記ステップを繰り返し、そして段階3に入る。電源供給回路10の出力電圧を調整する方式が複数あってもよい。例えば、電源供給回路10の出力電圧に低くから高くまで複数の電圧グレードを設定することができ、電圧グレードが高いほど、電源供給回路10の出力電圧が大きいことを示す。指令2の返信指令が、電源供給回路10の出力電圧が高めであることを指示する場合、電源供給回路10の出力電圧の電圧グレードを現在電圧グレードから1グレード低く調整することができ、指令2の返信指令が、電源供給回路10の出力電圧が低くめであることを指示する場合、電源供給回路10の出力電圧の電圧グレードを現在電圧グレードから1グレード高く調整することができる。
【0095】
段階3
電源供給回路10は、充電対象機器に指令3(上記第3の指令に対応する)を送信して、充電対象機器の現在サポートする最大充電電流を問い合わせる。充電対象機器は、電源供給回路10に指令3の返信指令を送信して、充電対象機器の現在サポートする最大充電電流を指示し、そして段階4に入る。
【0096】
段階4
電源供給回路10は、充電対象機器の現在サポートする最大充電電流に基づいて、第2の充電モードでの電源供給回路10によって出力された充電対象機器を充電するための充電電流を決定する。その後、定電流充電段階である段階5に入る。
【0097】
段階5
定電流充電段階に入った後、電源供給回路10は一定の時間ごとに充電対象機器に指令4(上記第4の指令に対応する)を送信して、充電対象機器のバッテリの現在電圧を問い合わせることができる。充電対象機器は電源供給回路10に指令4の返信指令を送信して、バッテリの現在電圧をフィードバックすることができる。電源供給回路10は、バッテリの現在電圧に基づいて、充電インターフィスの接触が良好であるか否かと、電源供給回路10の出力電流を低減する必要があるか否かと、を判断することができる。電源供給回路10が、充電インターフィスの接触が不良であると判断した場合、充電対象機器に指令5(上記第5の指令に対応する)を送信し、電源供給回路10は、第2の充電モードを終了して、リセットして再度に段階1に入ることができる。
【0098】
選択可能に、一部の実施例において、段階2において、充電対象機器が、電源供給回路10が第2の充電モードで充電対象機器を充電することに同意した時点から、電源供給回路10が電源供給回路10の出力電圧を適切な充電電圧に調整した時点までかかる時間を一定の範囲に制御することができる。当該時間が所定の範囲を超えた場合、電源供給回路10または充電対象機器は、通信プロセスが異常であると判定し、リセットして再度に段階1に入ることができる。
【0099】
選択可能に、一部の実施例において、段階2において、電源供給回路10の出力電圧が充電対象機器バッテリの現在電圧よりΔV(ΔVを200〜500mVとしてもよい)高い場合、充電対象機器は電源供給回路10に指令2の返信指令を送信して、電源供給回路10の出力電圧と充電対象機器のバッテリの電圧とがマッチングしていることを指示することができる。
【0100】
選択可能に、一部の実施例において、段階4において、電源供給回路10の出力電流の調整速度が一定の範囲に制御することができる。このようにすることで、調整速度が速すぎることによる充電プロセスの異常の発生を避けることができる。
【0101】
選択可能に、一部の実施例において、段階5において、電源供給回路10の出力電流の変動幅は、5%以内に制御することができる。
【0102】
選択可能に、一部の実施例において、段階5において、電源供給回路10は充電回路の通路抵抗をリアルタイムにモニターリングすることができる。具体的には、電源供給回路10は、電源供給回路10の出力電圧と出力電流と、充電対象機器によってフィードバックされたバッテリの現在電圧とに基づいて、充電通路の抵抗をモニターリングすることができる。「充電通路の抵抗」>「充電対象機器の通路抵抗+充電ケーブルの抵抗」の場合、充電インターフィスが接触不良であると判定することができ、電源供給回路10は第2の充電モードで充電対象機器を充電することを停止する。
【0103】
選択可能に、一部の実施例において、電源供給回路10が、第2の充電モードで充電対象機器を充電することを開始した後、電源供給回路10と充電対象機器との通信時間間隔は、一定の範囲に制御することができるため、通信間隔が短すぎることによる通信プロセスの異常の発生を避けることができる。
【0104】
選択可能に、一部の実施例において、充電プロセスの停止(または電源供給回路10の第2の充電モードで充電対象機器を充電するプロセスの停止)は、回復可能な停止と回復不可能な停止とに分けることができる。
【0105】
例えば、充電対象機器のバッテリが満充電されたことまたは充電インターフィスが接触不良であることが検出された場合、充電プロセスが停止され、充電通信プロセスがリセットされ、充電プロセスが再度に段階1に入る。その後、充電対象機器が、電源供給回路10が第2の充電モードで充電対象機器を充電することに同意しない場合、通信プロセスが段階2に入らない。この場合の充電プロセスの停止は、回復不可能な停止と見なされてもよい。
【0106】
また、例えば、電源供給回路10と充電対象機器との間に通信異常が現れた場合、充電プロセスが停止され、充電通信プロセスがリセットされ、充電プロセスが再度に段階1に入る。段階1の要求が満たされた後、充電プロセスを回復させるために、充電対象機器は、電源供給回路10が第2の充電モードで充電対象機器を充電することに同意する。この場合の充電プロセスの停止は、回復可能な停止と見なされてもよい。
【0107】
また、例えば、充電対象機器がバッテリに異常が現れたことを検出した場合、充電プロセスが停止され、リセットされて再度に段階1を入る。その後、充電対象機器が、電源供給回路10が第2の充電モードで充電対象機器を充電することに同意しない。バッテリが正常に回復し、また段階1の要求を満たした後、充電対象機器は、電源供給回路10が第2の充電モードで充電対象機器を充電することに同意する。この場合の急速充電プロセスの停止は、回復可能な停止と見なされてもよい。
【0108】
上記の
図8に示す通信ステップまたは操作は、例示するものに過ぎない。例えば、段階1において、充電対象機器が電源供給回路10に接続された後、充電対象機器と電源供給回路10とのハンドシェーク通信は、充電対象機器によって開始されてもよい。即ち、充電対象機器は指令1を送信して、第2の充電モードをオンにするか否かについて電源供給回路10に問い合わせる。充電対象機器が、電源供給回路10の返信指令を受信した場合、電源供給回路10は、第2の充電モードで充電対象機器のバッテリを充電することを開始し、ここで、前記電源供給回路10の返信指令が、電源供給回路10が、電源供給回路10が第2の充電モードで充電対象機器を充電することに同意することを指示するためのものである。
【0109】
また、例えば、段階5の後に、定電圧充電段階をさらに含むことができる。具体的には、段階5において、充電対象機器は、電源供給回路10にバッテリの現在電圧をフィードバックすることができる。バッテリの現在電圧が定電圧充電の電圧閾値に達した場合、充電段階は定電流充電段階から定電圧充電段階に入る。定電圧充電段階において、充電電流が次第に減少していく。電流がある閾値まで低下した場合、充電対象機器のバッテリが既に満充電されたことを示し、充電プロセスの全体が停止する。
【0110】
本発明の実施例は、電源供給機器をさらに提供し、
図9に示すように、当該電源供給機器900は、上記のいずれかの実施例により提供される電源供給回路10を含むことができる。当該電源供給機器900は、例えばアダプタまたは移動電源(powerbank)など充電のみに使用される機器であってもよく、電源およびデータサービスを提供できるパソコンなどの他の機器であってもよい。
【0111】
以上に、
図1〜
図9を参照して本発明の実施例により提供される電源供給回路および電源供給機器を詳しく説明した。本発明の実施例により提供される電源供給回路の制御方法について、
図10を参照しながら以下詳しく説明する。当該電源供給回路は、上記のいずれかの実施例に記載の電源供給回路10であってもよく、電源供給回路に関連する説明は、上記の記載を参照することができ、ここでは重複する説明を適当に省略する。
【0112】
当該電源供給回路は、1次整流ユニットと、変調ユニットと、変圧器と、2次整流フィルタリングユニットと、電流フィードバックユニットと、制御ユニットと、を含むことができる。
1次整流ユニットは、入力された交流電流を整流して、電圧値が周期的に変化する第1の電圧を出力することができる。
変調ユニットは、第1の電圧を変調して第2の電圧を生成することができる。
変圧器は、第2の電圧に基づいて第3の電圧を生成することができる。
2次整流フィルタリングユニットは、第3の電圧を整流及びフィルタリングして電源供給回路の出力電流を生成することができる。
電流フィードバックユニットは、出力電流を受信し、出力電流の電流値が予め設定された電流制限値に達した場合、変調ユニットにフィードバック信号を送信することができる。
変調ユニットは、さらに、フィードバック信号に基づいて、第1の電圧を変調して第2の電圧を生成するプロセスを実行して、出力電流の電流値を電流制限値以下に制限することができる。
【0113】
図10の方法は、
電源供給回路における制御ユニットは、交流電流の電圧を判断するステップ1010と、
交流電流の電圧が第1のタイプの電圧である場合、電流フィードバックユニットの電流制限値を第1の電流値に設定するステップ1020と、
交流電流の電圧が第2のタイプの電圧である場合、電流フィードバックユニットの電流制限値を第2の電流値に設定するステップ1030と、を含む。
第1のタイプの電圧の振幅は第2のタイプの電圧の振幅より大きく、第1の電流値は第2の電流値より大きい。
【0114】
選択可能に、一部の実施例において、
図11の方法は、制御ユニットが、充電対象機器と通信して、電源供給回路の出力電力を調整して、電源供給回路の出力電圧及び/又は出力電流を充電対象機器におけるバッテリが現在位置する充電段階にマッチングさせるステップをさらに含むことができる。
【0115】
選択可能に、一部の実施例において、電源供給回路がバッテリを充電する段階は、トリクル充電段階と、定電圧充電段階と、定電流充電段階とのうちの少なくとも1つを含む。
【0116】
選択可能に、一部の実施例において、充電対象機器と通信して、電源供給回路の出力電力を調整して、電源供給回路の出力電圧及び/又は出力電流を充電対象機器におけるバッテリが現在位置する充電段階にマッチングさせるステップは、バッテリの定電圧充電段階において、充電対象機器と通信して、電源供給回路の出力電力を調整して、電源供給回路の出力電圧を定電圧充電段階に対応する充電電圧にマッチングさせるステップを含むことができる。
【0117】
選択可能に、一部の実施例において、充電対象機器と通信して、電源供給回路の出力電力を調整して、電源供給回路の出力電圧及び/又は出力電流を充電対象機器におけるバッテリが現在位置する充電段階にマッチングさせるステップは、バッテリの定電流充電段階において、充電対象機器と通信して、電源供給回路の出力電力を調整して、電源供給回路の出力電流を定電流充電段階に対応する充電電流にマッチングさせるステップを含むことができる。
【0118】
上記の実施例において、全体的にまたは部分的にソフトウェア、ハードウェア、ファームウェアまたは他の任意の組み合わせによって実現されてもよい。ソフトウェアで実現されるとき、全体的にまたは部分的に、1つまたは複数のコンピュータ命令を含むコンピュータプログラム製品の形態で実施されてもよい。前記コンピュータプログラム命令がコンピュータにロードされ実行されると、本発明の実施例に記載のプロセスまたは機能は、全体的にまたは部分的に生成される。前記コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、または他のプログラマブル可能な装置であってもよい。前記コンピュータ命令は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納することができるし、または1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体から他のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に転送することもできる。例えば、前記コンピュータ命令は、1つのウェブサイト、コンピュータ、サーバ、またはデータセンタから有線(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、デジタル加入者線(digitaL subscriber Line、DSL))または無線(例えば、赤外線、無線、マイクロ波など)を介して、他のウェブサイト、コンピュータ、サーバ、またはデータセンタに転送することができる。前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、コンピュータによってアクセスすることができる任意の利用可能な媒体、または1つまたは複数の利用可能な媒体を含むサーバ、データセンタなどのデータ記憶装置であってもよい。前記利用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、磁気テープ)、光学媒体(デジタルビデオディスク(digital video disc、DVD))、または半導体媒体(例えば、ソリッドステートディスク(solid state disk、SSD))などであってもよい。
【0119】
当業者は、以下のことを意識することができる。本発明に開示されている実施例に組み合わせて説明された各例のユニット及アルゴリズムステップは、電子ハードウェア、またはコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアとの組み合わせにより実現することができる。これらの機能がハードウェア、それともソフトウェアの方式によって実行されるのかは、技術案の特定応用及び設計拘束条件によるものである。当業者は、各特定の応用に対して、説明された機能をさまざまな方法で実現することができ、このような実現は、本発明の範囲を超えたと考えるべきでない。
【0120】
本発明によって提供されるいくつかの実施例において、開示されているシステムと、装置と、方法とは、他の方式によって実現することができる。例えば、上記装置の実施例は、概略的なものに過ぎない。例えば、前記ユニットの区分は、ロジック機能の区分に過ぎない。実際に実現する時に、他の区分方式を有することができる。例えば、複数のユニットまたはコンポーネントは、組み合わせたり、または他のシステムに集積することができ、または一部の特徴を無視することができ、または実行しないことができる。一方、示されたまたは論議された相互間のカップリングまたは直接カップリングまたは通信接続は、一部のインターフィスを介して、装置またはユニットの間接カップリングまたは通信接続であっても良く、電気的、機械的または他の形式であってもよい。
【0121】
分離部品として説明された前記ユニットは、物理的に分離していてもよく、物理的に分離していなくてもよい。ユニットとして示された部品は、物理的なユニットであってもよく、物理的なユニットでなくてもよい。即ち、一つの場所に位置されてもよく、または複数のネットワークユニットに分布されてもよい。必要に応じて、そのうちの一部または全部のユニットを選択して本実施例の技術案の目的を実現することができる。
【0122】
また、本発明の各実施例においての各機能ユニットは、一つの処理ユニットに集積されてもよいが、各ユニットが独立した物理的存在であっても良く、二つ以上のユニットが一つのユニットに集積されてもよい。
【0123】
以上の記載は、本発明の実施形態に過ぎず、本発明の保護範囲はこれに限定されない。当分野に詳しい全ての当業者が本発明に開示された技術範囲内で容易に想到する変化または取り替えは、本発明の保護範囲に含まれるべきである。従って、本発明の保護範囲はその特許請求の範囲に準ずるべきである。