【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は本発明に従い、請求項1の特徴を有する方法と、請求項12の特徴を有する補聴システムによって解決される。有利な発展形態は従属請求項に含まれている。方法の観点から列挙する効果及び有利な実施形は同様に補聴システムにも適用可能でありかつその逆も当てはまる。
【0009】
方法は補聴システム、特に冒頭に述べた種類の補聴システムを作動させる働きをする。この補聴システムは第1入力変換器と第2入力変換器と信号処理装置を備えている。その際、方法の実施の過程で、補聴シムテムの周囲又は周辺地域が側方の有効信号源の活動について監視され、従って方法によって、補聴システムの周囲における側方の有効信号源の活動が決定される。
【0010】
これは、第1入力変換器で発生する周囲からの音響信号によって第1入力信号が生成され、第2入力変換器で発生する音響信号によって第2入力信号が生成され、第1入力信号と第2入力信号に基づいて、指向性ノッチフィルタユニットを用いて、ろ波された入力信号が生成され、さらにろ波された入力信号に基づいて及び第1入力信号及び/又は第2入力信号に基づいて、指向性ノッチフィルタユニットによって引き起こされる減衰の度合いが決定され、そしてこの減衰の度合いが基準と対比され、この対比から、補聴システムの周囲における側方の有効信号源の活動の存在又は非存在が推測されることによって行われる。
【0011】
その際、本発明に係る方法は特に、2つの減衰作用を互いに比較するという基本思想に基づいている。その際、両減衰作用の1つは、検査すべき信号、すなわち特に第1入力信号及び/又は第2入力信号の減衰作用を、空間角度範囲の一種のフェードアウトによって示す。この空間角度範囲では、活動的な側方の有効信号源が推測される。この第1減衰作用は、空間角度範囲をフェードアウトすることによって、拡散した背景雑音の一部だけがフェードアウトされるときに発生した第2減衰作用と比較される。第1減衰作用が第2減衰作用よりも著しく大きいと、側方の有効信号源の活動が存在していると見なすことができ、そうでない場合には側方の有効信号源の活動が存在しないと見なすことができる。
【0012】
この場合、一般的に、話し相手、すなわち補聴システムの装着者の方向を見て少なくとも一時的に話す人が、有効信号源と見なされる。このような有効信号源は、補聴システムの装着者が真っ直ぐ前を見ていて有効信号の方を見ていないとき、すなわち有効信号源が補聴システムの装着者の視線方向から離れているか又は横にずれているときに、側方の有効信号源である。補聴システムの装着者の視線方向にある有効信号源は以下において中央の有効信号源と呼ぶ。
【0013】
中央の有効信号源と側方の有効信号源のこのような区別と、側方の有効信号源がいつ活動するか、すなわち側方にずれた話し相手がいつ話すかという確認は、特に、補聴システムの装着者が複数の話し相手と話をし、それによって異なる有効信号源が交代して活動しているときに有利である。このような側方の有効信号源の活動の確認によって例えば、側方の有効信号源が作動しているか否かに応じて、出力信号又は出口信号の生成のために第1及び/又は第2の入力信号の処理を異なるように実施することができる。
【0014】
補聴システムの周囲における側方の有効信号源の活動の存在又は非存在の確認を可能にするために、上述の減衰の度合いが上述の基準と対比される。すなわち、決定された減衰の度合いと基準との間の比較が行われる。これは例えば、減衰の度合いと基準の比を求めることによって行われる。この場合一般的に、比又は比の値が大きいか小さいかだけが決定される。
【0015】
他の実施の形態に相応して、差が求められ、この差又は値がゼロよりも大きいか又は小さいか或いは設定された閾値よりも大きいか又は小さいかが決定される。例えば減衰の度合いと基準の対比の際に、減衰の度合いが基準よりも著しく小さいことが確認されると、側方の有効信号源の活動の存在が決定される。これに対して、減衰の度合いが基準よりも大きいと、側方の有効信号源の活動の非存在が決定される。
【0016】
その際好ましくは、減衰係数又は対数の減衰量が減衰の度合いとして決定される。この場合、減衰係数又は対数の減衰量は一般的に時間に依存する。基準が減衰係数又は対数の減衰量を示すとさらに有利である。この場合、この減衰係数又は対数の減衰量も一般的に時間に依存する。それによって、2つの減衰係数又は対数の2つの減衰量を互いに比較すると有利である。
【0017】
この場合、減衰の度合いの決定のために先ず最初に、上記のろ波された入力信号が発生させられる。そのために、指向性ノッチフィルタユニットが使用される。ろ波された入力信号は好ましくは少なくとも良好な近似において、変化する指向特性を有する補聴システムの1つの入力信号又は複数の入力信号に一致する。この場合、指向特性は、有効信号源の潜在的な活動が決定される所定の空間範囲又は空間角度範囲がほぼフェードアウトされるように形成されている。それによって、この空間角度範囲からの音響信号の部分はほぼ考慮されない。
【0018】
そのために、有効信号源の潜在的な活動を補聴システムに関してどの方向に移すべきであるかが決定され、そしてろ波された入力信号を発生するために、対応する方向又は関連する角度位置の周りの設定された角度範囲又は短く角度範囲、例えば10°の角度範囲がフェードアウトされる。しかし、中央の角度位置の周りの範囲、すなわち真っ直ぐ前を見ているときの補聴システムの装着者の視線方向の周りの範囲は、有効信号源の潜在的な活動を決定する際に取り除かれるか又は考慮されない。有効信号源の潜在的な活動の決定は例えば、空間角度範囲における信号レベルの設定閾値を上回るときに行われる。その際、基準角度位置、すなわち角度位置0°が必ずしも上記の中央角度位置に、すなわち真っ直ぐ前を見ているときの装着者の視線方向に定められていないので有利である。
【0019】
指向性ノッチフィルタユニットは少なくとも基本原理(適応特別ノッチビームフォーミング)に関して公知であると見なされる。その際、2つのタイプがあることがきわめて重要である。第1タイプの場合には、いわゆる「両耳最小分散無ひずみ応答ビームフォーミング(MVDR)」方法が使用される。第2タイプの場合には、いわゆる「両耳直線条件付き最小分散ビームフォーミング(LCNV)」方法が利用される。第1タイプは例えば非特許文献1に詳しく記載されている。好ましい第2タイプは例えば非特許文献2に詳しく記載されている。
【0020】
さらに、方法の有利な変形実施形では、基準が例えば基準値の形で簡単に設定されないで、第1入力信号及び/又は第2入力信号に基づいて妨害雑音のスペクトル出力密度を求めることによって決定されるか或いはこの妨害雑音についてのスペクトル出力密度から導き出された値を求めることによって決定される。本願においては、人から発生する背景雑音が妨害雑音として見なされると有利である。この人は補聴システムの装着者と話しておらず、例えば他の人と話している。従って、妨害雑音は、例えばカフェテリア又はオープンスペースにおけるいわゆる背景おしゃべりを含んでいる。このような背景雑音又は妨害雑音は一般的に拡散した妨害雑音として、すなわち所定の位置の源に一義的に割り当てることができずかつ補聴システムの装着者の方に直接向いていない妨害雑音として発生する。
【0021】
妨害雑音のこのようなスペクトル出力密度を決定するための有利な方法が非特許文献3に詳しく記載されている。代替的な方法は例えば非特許文献4に記載されている。
【0022】
妨害雑音のスペクトル出力密度から導き出した値が、妨害雑音の実際の出力、妨害雑音の実際の出力値又は妨害雑音の実際の出力平均値であると有利である。これは、一般的に設定された時間及び通常は設定された周波数帯域にわたる、第1入力信号及び/又は第2入力信号から導き出すことができる妨害雑音の出力の代わりである。
【0023】
妨害雑音の実際の出力値は例えば、設定された第1時間インターバルの間、例えば約10msの第1時間インターバルの間及び設定された周波数帯域の間決定される。その際、設定された周波数帯域が人の話しに指向していると合目的である。この場合、約80Hzから約12kHzまでの人の話しの周波数スペクトル全体を必ずしもカバーする必要はない。若干の場合その代わりに、約100Hzから約500Hzまでの周波数を含む周波数帯域が設定される。約125Hzから約4kHzまでの周波数帯域を考慮すると有利である。
【0024】
設定された第2時間インターバル、例えば約100msの第2時間インターバルの間隔をおいて、妨害雑音の実際の出力値を決定するとさらに有利であり、そして一般的には決定された妨害雑音の実際の各出力値が設定された第2時間インターバルの時間の間変わらず有効であるので、これから、設定された周波数スペクトルにわたる妨害雑音の実際の出力の時間的な経過を導き出すことができ、好ましくは導き出される。
【0025】
他の有利なやり方では、考慮される周波数成分が重みづけされ、例えば重みづけされた平均値が決定される。これは特に、約125Hzから約4kHzまでの周波数帯域にわたって周波数成分に基づいて行われる。
【0026】
有利な発展形態ではさらに、指向性ノッチフィルタユニットを用いて、少なくとも1つの補正パラメータについてパラメータ値が決定されるか或いは特に指向性ノッチフィルタユニットの形成によって、少なくとも1つの補正パラメータについて適当なパラメータ値が設定される。少なくとも1つの補正パラメータ又は複数の補正パラメータは特に、指向性ノッチフィルタユニットの適応フィルタ係数である。その際、補正パラメータの数は通常は使用チャンネル又は入力信号の数に一致する。
【0027】
妨害雑音のスペクトル出力密度に基づいて或いはそれから導き出される値に基づいて及び少なくとも1つの補正パラメータのパラメータ値によって或いは複数の補正パラメータの複数のパラメータ値によって、妨害雑音の修正されたスペクトル出力密度又は修正された導き出し値が決定されるとさらに有利である。すなわち、例えば設定された周波数スペクトルにわたる妨害雑音の実際の出力の時間的な経過から出発して、設定された周波数スペクトルにわたる妨害雑音の修正された実際の出力の時間的な経過が決定されると有利である。
【0028】
例えば、妨害雑音の決定されたスペクトル出力密度Sと補正パラメータP1、P2について考える。この補正パラメータは指向性ノッチフィルタユニットの適応フィルタ係数を示す。特に、パラメータ値P1、P2は指向性ノッチフィルタユニットのノッチの空間的な位置によって変化する。この場合、妨害雑音S
*の修正されたスペクトル出力密度が例えば次の関係式から求められる。
【0029】
S
*=(|P1|
∧2+|P2|
∧2)S
【0030】
例えば先ず最初に、設定された周波数スペクトルにわたる妨害雑音の実際の出力の時間的な経過が、第1入力信号及び/又は第2入力信号から導き出される。修正された導き出し値、すなわち妨害雑音の修正された実際の出力を決定するために、妨害雑音の出力がすべての空間方向で常に均一に分布し、これが拡散した背景雑音の場合に予想されると仮定される。この場合、少なくとも1つの補正パラメータのための1つのパラメータ値又は複数の補正パラメータのための複数のパラメータ値は、例えば指向性ノッチフィルタユニットによって減衰の度合いを決定するためにフェードアウトされる空間範囲の幅又は大きさを表す。最後に、この情報によって、妨害雑音の実際の出力から、妨害雑論の修正された実際の出力が導き出される。この出力は、指向性ノッチフィルタユニットによる空間範囲のフェードアウトによってフェードアウトされる、妨害雑音の実際出力の一部である。
【0031】
さらに、有利な変形方法では、基準を決定するために、妨害雑音のスペクトル出力密度又は妨害雑音の修正されたスペクトル出力密度が、スペクトル全体出力密度と対比される。この場合、スペクトル全体出力密度は第1入力信号及び/又は第2入力信号に基づいて決定される。その代わりに、基準を決定するために、妨害雑音のスペクトル出力密度から導き出された値、妨害雑音の導き出された修正値又は妨害雑音の修正されたスペクトル出力密度から導き出された値が、スペクトル全体出力密度から導き出された値と対比される。スペクトル全体出力密度の場合、第1入力信号及び/又は第2出力信号から全体出力が簡単に考慮されるので有利である。
【0032】
変形実施形では、基準は例えば、実際の全体出力が妨害雑音の修正された実際の上記出力だけ低減される場合について、実際の全体出力の減衰を示す。その際、実際の全体出力は妨害雑音の実際の出力と同様な方法で決定される。すなわち、同じ時間インターバルと同じ周波数帯域が設定されるがしかし、全体出力がほぼ第1入力信号及び/又は第2出力信号から考慮される。すなわち、スペクトル全体出力密度が基礎となっている。基準又は実際の基準は、実際の減衰係数又は実際の対数の減衰量を示す。
【0033】
さらに、減衰の度合いを決定するために、ろ波された入力信号のスペクトル出力密度を決定し、スペクトル全体出力密度、特に上記のスペクトル全体出力密度と対比することが望ましい。このスペクトル全体出力密度は第1入力信号に基づいて及び/又は第2入力信号に基づいて決定される。
【0034】
さらに、減衰の度合いを決定する場合にも、導き出された値で、すなわち特に実際の出力で作動すると有利である。従って、減衰の度合いを決定するために、ろ波された入力信号の実際の出力を、特に上記の実際の全体出力に一致する実際の全体出力と対比すると有利である。その際、比較できるようにするために、例えば妨害雑音の実際の出力の場合と同じ時間インターバル及び同じ周波数帯域が設定される。この場合、減衰の度合い又は実際の減衰の度合いは実際の減衰係数又は対数の実際の減衰量を示す。
【0035】
減衰の度合いと基準がそれぞれ実際の減衰係数又は実際の対数の減衰量を示すと、減衰の度合いと基準は、例えば差を求めることにより、互いに簡単に比較及び対比することができる。そのために、例えば減衰の度合い又は実際の減衰の度合いと基準又は実際の基準が比較ユニットに供給される。その際、比較ユニットが2つの値を有する二進決定信号を出力すると有利である。この場合、一方の値は側方の有効信号源の活動の存在を表し、他方の値は側方の有効信号源の活動の非存在を表す。
【0036】
有利な発展形態では、比較ユニットのためにさらに、オフセット値が設定される。このオフセット値によって決定閾値がずらされる。これにより、減衰の度合いと基準の間のどれ位の差から、比較ユニットの出力信号を変えるかを定めると有利である。すなわち、例えば減衰の度合いが基準よりもどの位大きいか又はどの位小さいかを定めると有利である。それによって、側方の有効信号源の活動の存在を決定することができる。その際一般的に、オフセット値の変化によって、感度とエラーの起こりやすさとの間の妥協点が、感度の方へ又はエラーの起こりやすさの方へずらされる。
【0037】
既に説明したように、上記の方法によって或いは本発明に係る方法の上記の部分によって、補聴システムの周囲が側方の有効信号源の活動に基づいて監視される。その際、監視は側方の有効信号源の活動の存在の確認を可能にし、これは有利な発展形態では、補聴システムの制御のために及び特に補助機能の活動化又はスタートのために使用される。この場合、補聴システムの周囲において側方の有効信号源の活動が決定されるときに、補助機能が活動化され、その結果実施されると有利である。活動確認が一種のトリガとして機能すると有利である。補聴システムの周囲において側方の有効信号源の活動が決定されるときに常に、トリガは補助機能のスタートを行う。
【0038】
その際、有利な変形実施形に相応して、補助機能により、実際の補聴状況に依存して、適切な補聴プログラムが選択されるか或いは側方の有効信号源の活動の存在が確認されるか又は非存在が確認されるかに応じて、2つの補聴プログラムの間で簡単に切換えられる。すなわち、例えば側方の有効信号源の活動の非存在が決定される場合には、聴取システムが第1補聴プログラムによって作動し、そして側方の有効信号源の活動の存在が決定される場合には、聴取システムが第2補聴プログラムによって作動する。
【0039】
さらに、方法変形が有利である。この方法変形では、信号処理装置を用いて、信号処理のための少なくとも1つのパラメータの少なくとも1つのパラメータ値に依存して、出力信号が生成され、この出力信号に従って補助機能によって、実際の補聴状況への少なくとも1つのパラメータ値の適合が行われる。その際、例えば少なくとも1つのパラメータ値に基づいて、いわゆるビームフォーミングが行われ、少なくとも1つのパラメータ値の適合によって一般的には補聴システムの指向特性が適合させられる。
【0040】
さらに、方法変形が有利である。この方法変形の場合、補助機能を用いて、補聴システムに対する側方有効信号源の相対的な場所又は相対的な位置が決定される。この相対的な場所又は位置は特に、真っ直ぐ前を見ているときの補聴システムの装着者の視線方向に関連して、側方有効信号源を置くべき方向を示す。有利な発展形態では、相対的な場所又は相対的な位置が1回決定されるだけでなく、その代わりに側方有効信号源の相対的な場所又は相対的な位置が、可能であれば連続時間で追求される。
【0041】
上記の本発明に係る方法は、既に説明したように、例えば補聴システムを作動するために役立ち、従って補聴システムのためのものである。本発明に係る補聴システムは、上記の方法を実施するために、少なくとも1つの作動モードに適応し、そして第1入力変換器と第2入力変換器と信号処理装置を備えている。補聴システムの作動中、第1入力変換器によって第1入力信号が生成され、第2入力変換器によって第2入力信号が生成される。第1入力信号及び/又は第2入力信号は補聴システムの変形実施形に応じて、ここに記載した本発明に係る方法を実施するためにのみ利用されるものではない。その代わりに、両入力信号、すなわち第1入力信号と第2入力信号は一般的に、必要に応じて1つの入力信号又は両入力信号を平行して複数の信号処理プロセスに供給することができるように準備される。
【0042】
この信号処理のための上述の原理は、アナログ信号が存在し、アナログ信号処理が行われるかどうかに依存して或いはデジタル信号が存在し、デジタル信号処理が行われるかどうかに依存して実現可能である。すなわち、上述の第1入力信号及び上述の第2入力信号は、本発明に係る方法の変形実施形に応じて又は本発明に係る方法の実現に応じて、アナログ信号であるか又はデジタル信号である。しかし、信号処理の場合、デジタル信号であると有利であり、デジタル信号処理であると有利である。このデジタル信号処理は例えば、信号処理装置の特に一部であるマイクロプロセッサによって行われる。方法の上記の部分ステップは通常のごとく、論理要素又は仮想要素によって実施又は実現される。
【0043】
アナログ信号処理が行われるか又はデジタル信号処理が行われるかに関係なく、側方有効信号源の活動の変更、すなわち活動のスタート又は終了と、補聴システムによる変更の検出との間の時間的な遅延が約100msよりも小さくなるように、補聴システムが形成されていると有利である。
【0044】
補聴システムがさらに、第1補聴器と第2補聴器を備えていると合目的である。その際、第1入力変換器が第1補聴器の一部であり、第2入力変換器が第2補聴器の一部であると有利である。その代わりに、第1入力変換器と第2入力変換器が第1補聴器の一部であってもよい。
【0045】
若干の変形実施形では、補聴システムはさらに、第1入力変換器と第2入力変換器に加えて、1つ又は複数の他の入力変換器を備え、この他の変換器によって、第1入力信号と第2入力信号に加えて他の入力信号が生成される。この他の入力信号が、基準及び/又は減衰の度合いを決定するために付加的に使用されると有利である。その際例えば、補聴システムの近接検出器が他の入力変換器として及び他の入力信号を生成するために使用される。
【0046】
次に、概略的な図に基づいて本発明の実施の形態を詳しく説明する。