(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6861320
(24)【登録日】2021年3月31日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】オペレーティングシステムのインストール
(51)【国際特許分類】
G06F 8/61 20180101AFI20210412BHJP
G06F 3/06 20060101ALI20210412BHJP
G06F 13/10 20060101ALI20210412BHJP
【FI】
G06F8/61
G06F3/06 540
G06F13/10 340A
G06F3/06 301Z
【請求項の数】16
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-504237(P2020-504237)
(86)(22)【出願日】2018年7月26日
(65)【公表番号】特表2020-530924(P2020-530924A)
(43)【公表日】2020年10月29日
(86)【国際出願番号】CN2018097220
(87)【国際公開番号】WO2019020074
(87)【国際公開日】20190131
【審査請求日】2020年1月27日
(31)【優先権主張番号】201710630915.4
(32)【優先日】2017年7月28日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518359959
【氏名又は名称】新華三信息技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】NEW H3C INFORMATION TECHNOLOGIES CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】狄 亜 慧
(72)【発明者】
【氏名】石 峰
(72)【発明者】
【氏名】郎 立 娜
【審査官】
石川 亮
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2010/0274877(US,A1)
【文献】
特開2003−186557(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 8/61
G06F 3/06
G06F 13/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オペレーティングシステムをインストールするための方法であって、
仮システムにおいて、対象独立ディスクの冗長アレイ(RAID)をユーザが指定する操作に応じて、オペレーティングシステムをインストールするための前記対象RAIDと前記対象RAIDの一意識別子とを特定することと、
前記仮システムにおいて、RAIDの一意識別子とマウントポイントとの対応関係を取得し、前記対象RAIDの一意識別子に対応するマウントポイントを前記対応関係から見つけることと、
前記仮システムにおいて、見つけられたマウントポイントのうち、オペレーティングシステムをインストールするための対象パーティションを特定し、前記対象パーティションに識別子を付加することと、
前記インストールすべきオペレーティングシステムのブートシステムにおいて、前記対象パーティションの識別子に基づいてインストールパーティションと前記インストールパーティションの所在するインストールディスクとを特定し、前記インストールすべきオペレーティングシステムを前記インストールディスクの前記インストールパーティション内にインストールすることと、を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記インストールすべきオペレーティングシステムを前記インストールディスクの前記インストールパーティション内にインストールすることは、
自動応答ファイルにおいて前記対象パーティションを前記インストールパーティションとして配置することと、
前記自動応答ファイルにおいて前記インストールパーティションの所在するRAIDを前記インストールディスクとして配置することと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記対象パーティションに識別子を付加することは、
前記対象パーティション内にシンボリックファイルを置くことを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記対象パーティションの識別子に基づいてインストールパーティションと前記インストールパーティションの所在するインストールディスクとを特定することは、
前記シンボリックファイルを含むパーティションを前記インストールパーティションとして見つけることと、
前記インストールパーティションの所在するRAIDを前記インストールディスクとして特定することと、を含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記対象パーティションに識別子を付加することは、
前記対象パーティションにシンボリック名称を設定することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記対象パーティションの識別子に基づいてインストールパーティションと前記インストールパーティションの所在するインストールディスクとを特定することは、
前記シンボリック名称に対応するパーティションを前記インストールパーティションとして見つけることと、
前記インストールパーティションの所在するRAIDを前記インストールディスクとして特定することと、を含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記インストールパーティションは、プライマリパーティションであり、
前記プライマリパーティションの大きさは、指令に応じて配置されることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
オペレーティングシステムをインストールするための装置であって、
仮システムにおいて、対象独立ディスクの冗長アレイ(RAID)をユーザが指定する操作に応じて、オペレーティングシステムをインストールするための前記対象RAIDと前記対象RAIDの一意識別子とを特定するためのRAID特定手段と、
前記仮システムにおいて、RAIDの一意識別子とマウントポイントとの対応関係を取得し、前記対象RAIDの一意識別子に対応するマウントポイントを前記対応関係から見つけるための検索手段と、
前記仮システムにおいて、見つけられたマウントポイントのうち、オペレーティングシステムをインストールするための対象パーティションを特定し、前記対象パーティションに識別子を付加するためのパーティション特定手段と、
前記インストールすべきオペレーティングシステムのブートシステムにおいて、前記対象パーティションの識別子に基づいてインストールパーティションと前記インストールパーティションの所在するインストールディスクとを特定し、前記インストールすべきオペレーティングシステムを前記インストールディスクの前記インストールパーティション内にインストールするためのインストール手段と、を備えることを特徴とする装置。
【請求項9】
前記インストール手段は、
自動応答ファイルにおいて前記対象パーティションを前記インストールパーティションとして配置し、
前記自動応答ファイルにおいて前記インストールパーティションの所在するRAIDを前記インストールディスクとして配置することを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記パーティション特定手段は、前記対象パーティション内にシンボリックファイルを置くことを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記インストール手段は、
前記シンボリックファイルを含むパーティションを前記インストールパーティションとして見つけ、
前記インストールパーティションの所在するRAIDを前記インストールディスクとして特定することを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記パーティション特定手段は、前記対象パーティションにシンボリック名称を設定することを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項13】
前記インストール手段は、
前記シンボリック名称に対応するパーティションを前記インストールパーティションとして見つけ、
前記インストールパーティションの所在するRAIDを前記インストールディスクとして特定することを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記インストールパーティションは、プライマリパーティションであり、
前記プライマリパーティションの大きさは、指令に応じて配置されることを特徴とする請求項8から13の何れか一項に記載の装置。
【請求項15】
オペレーティングシステムをインストールするための装置であって、
機械実行可能な指令が記憶される非一時的機械可読記憶媒体と、
プロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、前記機械実行可能な指令を実行することにより、
仮システムにおいて、対象独立ディスクの冗長アレイ(RAID)をユーザが指定する操作に応じて、オペレーティングシステムをインストールするための前記対象RAIDおよび前記対象RAIDの一意識別子を特定することと、
前記仮システムにおいて、RAIDの一意識別子とマウントポイントとの対応関係を取得し、前記対象RAIDの一意識別子に対応するマウントポイントを前記対応関係から見つけることと、
前記仮システムにおいて、見つけられたマウントポイントのうち、オペレーティングシステムをインストールするための対象パーティションを特定し、前記対象パーティションに識別子を付加することと、
前記インストールすべきオペレーティングシステムのブートシステムにおいて、前記対象パーティションの識別子に基づいてインストールパーティションと前記インストールパーティションの所在するインストールディスクとを特定し、前記インストールすべきオペレーティングシステムを前記インストールディスクの前記インストールパーティション内にインストールすることと、を実施させることを特徴とする装置。
【請求項16】
機械実行可能な指令が記憶される非一時的機械可読記憶媒体であって、
前記機械実行可能な指令が実行されるときに、
仮システムにおいて、対象独立ディスクの冗長アレイ(RAID)をユーザが指定する操作に応じて、オペレーティングシステムをインストールするための前記対象RAIDおよび前記対象RAIDの一意識別子を特定することと、
前記仮システムにおいて、RAIDの一意識別子とマウントポイントとの対応関係を取得し、前記対象RAIDの一意識別子に対応するマウントポイントを前記対応関係から見つけることと、
前記仮システムにおいて、見つけられたマウントポイントのうち、オペレーティングシステムをインストールするための対象パーティションを特定し、前記対象パーティションに識別子を付加することと、
前記インストールすべきオペレーティングシステムのブートシステムにおいて、前記対象パーティションの識別子に基づいてインストールパーティションと前記インストールパーティションの所在するインストールディスクとを特定し、前記インストールすべきオペレーティングシステムを前記インストールディスクの前記インストールパーティション内にインストールすることとが実施されることを特徴とする非一時的機械可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互引用]
本願は、出願日が2017年7月28日であり、出願番号が201710630915.4であり、発明名称が「オペレーティングシステムのインストール方法及び装置」である中国特許出願の優先権を主張し、当該出願の全文が引用により本願に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
Linux(登録商標)システムにとって、マウントポイントは、Linuxシステムにおける磁気ディスクファイルシステムの入口ディレクトリ(例えば、sda、sdb等)と理解されてもよい。Windows(登録商標)システムにとって、マウントポイントは、Windowsシステムにおけるディスク(例えば、Disk0、Disk1、Disk2等)と理解されてもよい。
【0003】
LinuxシステムまたはWindowsシステム等のようなオペレーティングシステムをインストールする際には、デフォルト的にオペレーティングシステムを特定のマウントポイントにインストールする。例えば、デフォルト的にLinuxシステムをディスクsdaにインストールし、デフォルト的にWindowsシステムをディスクDisk0にインストールする。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】本発明の一実施例に係るオペレーティングシステムをインストールするための方法の模式的なフローチャートである。
【
図2】本発明に係るRAID UIDを取得する模式図である。
【
図3】本発明に係るRAID UIDとマウントポイントとの対応関係を取得する模式図である。
【
図4】本発明に係るRAIDとパーティションとの関係の模式図である。
【
図5】本発明の一実施例に係るオペレーティングシステムをインストールするための装置の機能モジュールのブロック図である。
【
図6】本発明の一実施例に係る
図5に示す装置のハードウェアのアーキテクチャ図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
ここで、例示的な実施例を詳細に説明する。その例示は、図面に示される。以下の記述は、図面に係る際、別途示さない限り、異なる図面における同じ符号が同じ又は類似する要素を示す。以下の例示的な実施例に記述される実施形態が本発明と一致する全ての実施形態を代表するわけではない。逆に、それらは、単に添付する特許請求の範囲に詳細に記述されるような、本発明の幾つかの態様に一致する装置及び方法の例である。
【0006】
本発明で使用される用語は、単に特定の実施例を記述する目的であり、本発明を制限するためのものではない。本発明及び添付する特許請求の範囲で使用される単数形式の「一種」、「前記」及び「当該」も、文脈から他の意味を明瞭で分かる場合でなければ、複数の形式を含むことを意図する。理解すべきことは、本文で使用される用語「および/または」が、1つまたは複数の関連する列挙項目を含む如何なる或いは全ての可能な組み合わせを指す。
【0007】
理解すべきことは、本発明において第1、第2、第3等という用語を用いて各種の情報を記述するが、これらの情報は、これらの用語に限定されるものではない。これらの用語は、単に同一のタイプの情報同士を区分するために用いられる。例えば、本発明の範囲を逸脱しない限り、第1情報が第2情報と呼称されてもよく、類似的に、第2情報が第1情報と呼称されてもよい。これは、コンテキストに依存する。例えば、ここで使用される言葉「場合」は、「…とき」や「…ときに」あるいは「特定の状況に応じて」として解釈されてもよい。
【0008】
RAID(Redundant Arrays of Independent Disks、独立ディスクの冗長アレイ)は、複数の独立の物理ハードディスクを異なる方式で組み合わせて形成されたハードディスク群である。オペレーティングシステムをインストールするとき、デフォルト的にオペレーティングシステムを特定のマウントポイントにインストールする。RAIDが作成された設備にとって、マウントポイントがどのRAIDに対応するかは、RAID作成の前後順に関係する。例えば、Linuxシステム上のハードディスクsda、Windowsシステム上のハードディスクDisk0は、先に作成された、80GB(単位:ギガバイト)より大きいRAIDに対応する。しかし、オペレーティングシステムをインストールする前にRAIDの削除および新RAIDの作成の操作を行う場合に、マウントポイントに対応するRAIDは、変化する可能性がある。
【0009】
例えば、RAIDを先に作成してRAID_Aと名付けてから、別のRAIDを作成してRAID_Bと名付け、且つRAID_A及びRAID_Bが何れも80Gより大きい場合に、その際のRAID_A及びRAID_Bは、それぞれマウントポイントsda及びsdbに対応し、オペレーティングシステムは、デフォルト的にマウントポイントsdaに対応するRAID_Aにインストールされる。その後、RAID_Aを削除してから、もう1つのRAIDを作成してRAID_Cと名付けた場合に、後で作成されたRAID_Cの順位は、RAID_Bの前にある可能性が存在する。このような場合に、RAID_Cがマウントポイントsdaに対応し、RAID_Bがマウントポイントsdbに対応し、この際、オペレーティングシステムは、デフォルト的にマウントポイントsdaに対応するRAID_Cにインストールされる。このように、マウントポイントがどのRAIDに対応するかは、RAIDの作成の前後順に関係する。したがって、ユーザは、オペレーティングシステムがどのRAIDにインストールされたかを把握しようとするとき、BIOS(Basic Input Output System、基本入力出力システム)を介してRAIDの作成順をチェックする必要がある。この形態は、面倒くさくて管理が不便である。
【0010】
このために、本発明は、オペレーティングシステムをインストールする解決手段を提供する。オペレーティングシステムを指定のRAIDにインストールすることができ、システムディスクに対応するスロット番号を容易に認識する。
【0011】
以下では、本発明に係るオペレーティングシステムをインストールするための方法について記述を行う。
【0012】
本方法は、オペレーティングシステムをインストールする需要があり、且つRAIDを有するコンピュータまたはサーバ(以下では、対象設備と略称してもよい)に適用可能であり、且つ、本方法は、少なくとも以下の3つの場面に適用可能である。
【0013】
一、何のオペレーティングシステムもインストールされていないコンピュータ或いはサーバにオペレーティングシステムをインストールする。
【0014】
二、オペレーティングシステムがインストールされたコンピュータ或いはサーバにオペレーティングシステムをインストールして二重システムを構成する。
【0015】
三、オペレーティングシステムがインストールされたコンピュータ或いはサーバにオペレーティングシステムを再インストールする。
【0016】
何れの場面に適用されても、本方法の操作フローは、類似的である。
図1は、本発明の一実施例に係るオペレーティングシステムをインストールするための方法のフローチャートである。
図1に示すように、当該方法は、ステップ101−ステップ104を含む。ステップ101−ステップ103は、仮システムにおいて実行され、ステップ104は、インストールすべきオペレーティングシステムのブートシステムにおいて実行される。次に、当該方法に含まれる各ステップを説明する。
【0017】
ステップ101では、仮システムにおいて、RAIDをユーザが指定する操作に応じて、オペレーティングシステムをインストールするための対象RAIDおよび前記対象RAIDの一意識別子(Unique Identifier、UID)を特定する。
【0018】
オペレーティングシステムをインストールすべき対象設備は、まず、仮システムを起動してもよい。当該仮システムは、オペレーティングシステムをインストールするためのツールとして考えられてもよく、当該仮システムは、Linuxシステム、Windowsシステム等であってもよい。
【0019】
当該仮システムの下で、対象設備は、自身の外部インターフェースを介してユーザの指示を受信することにより、オペレーティングシステムをどのRAIDにインストールするかを特定する。当該外部インターフェースは、図形インターフェース、コマンドラインインターフェース、ヒューマンマシンインタフェースまたは他の形態のインターフェースであってもよい。
【0020】
その後、対象設備は、当該対象RAIDのUIDを取得してもよい。RAIDのUIDは、RAIDを唯一に認識するためのファームウェア識別子である。RAIDカードでRAIDの機能を実現するとすれば、arcconfコマンドラインを使用して対象RAIDのUIDを取得してもよい。例えば、
図2を参照すると、「arcconf getconfig 1 LD」をコマンドラインインターフェースに入力したときに、第1個のRAIDカードでの論理ディスク情報を取得可する。
図2から分かるように、第1個のRAIDカードは、論理ディスク「RAID 0」を含み、論理ディスクRAID 0のUIDは、「B07459A9」である。
【0021】
ステップ102では、前記仮システムにおいて、RAID UIDとマウントポイントとの対応関係を取得し、前記対象RAIDのUIDに対応するマウントポイントを前記対応関係から見つける。
【0022】
対象設備は、システム命令によって、RAID UIDとマウントポイントとの対応関係を取得してもよい。例を挙げて言うと、当該仮システムがLinuxシステムであるとき、「ls −l /dev/disk/by−id」システム命令によって上記RAID UIDとマウントポイントとの対応関係を取得する。例えば、
図3を参照すると、コマンドラインインターフェースに「ls −l /dev/disk/by−id」を入力したときに、複数RAID UIDと複数マウントポイントとの対応関係は示される。
図2及び
図3を組み合わせると、RAID 0のUID「B07459A9」に対応するマウントポイントがハードディスクsdaであることが分かる。
【0023】
ステップ103では、前記仮システムにおいて、見つけられたマウントポイントのうち、オペレーティングシステムをインストールするための対象パーティションを特定し、前記対象パーティションに識別子を付加する。このように、前記対象パーティションは、前記対象RAIDに位置する。
【0024】
対象設備は、マウントポイントを見つけた後、先に当該マウントポイントに対してフォーマット化を行い、その後オペレーティングシステムをインストールするための対象パーティションを当該マウントポイントに作成する。例えば、Linuxシステムでは、mkfs.ntfs /dev/sda命令を用いてマウントポイントsdaをフォーマット化し、且つ、fdisk /dev/sda命令を用いてパーティションを作成する。
【0025】
オペレーティングシステムがインストールされた対象設備にオペレーティングシステムを再インストールする場面において、元オペレーティングシステムの所在するパーティションがちょうど当該見つけられたマウントポイントにあると、対象設備は、当該見つけられたマウントポイントをフォーマット化せずに、直接当該マウントポイントにおける元オペレーティングシステムの所在するパーティションを、新オペレーティングシステムをインストールするための対象パーティションとする。このように、新オペレーティングシステムをインストールし終えた後、元オペレーティングシステムは、使用できるようになる。
【0026】
Linuxシステムにおいて、パーティションは、「/boot」、「/usr/bin」に類似する形態と示されてもよい。Windowsシステムにおいて、パーティションは、一般的に「ディスク」または「ドライブ」、例えば、「Cディスク」、「Dディスク」等と呼称される。パーティションは、一般的にプライマリパーティション、拡張パーティション等のタイプを含んでもよい。上記オペレーティングシステムをインストールするための対象パーティションは、プライマリパーティションであってもよい。オペレーティングシステムをプライマリパーティションにインストールするメリットは、全ブロックのハードディスクの空間を用いてオペレーティングシステムをインストールする必要がなく、指令にしたがってプライマリパーティションの大きさを設定できる。例えば、Windowsシステムにおいて、create partition primary size=30000命令によってパーティションを作成する。当該命令におけるsizeは、パーティションの大きさを示す。
【0027】
オペレーティングシステムをインストールするための対象パーティションに識別子を付加することは、数多くの種類の実現形態があるが、以下に単に二つの例を挙げてみる。
【0028】
方式一では、オペレーティングシステムをインストールするための対象パーティション内にシンボリックファイルを置く。当該シンボリックファイルは、勝手に名付けられた如何なる形態のファイルであってもよく、当該シンボリックファイルが唯一に存在すればよい。例えば、当該シンボリックファイルは、flag.txtである。
【0029】
方式二では、オペレーティングシステムをインストールするための対象パーティションにシンボリック名称を設定する。当該シンボリック名称も、勝手に名付けられた何れの名称であってもよく、当該シンボリック名称が唯一に存在すればよい。
【0030】
本発明では、オペレーティングシステムをインストールするための対象パーティションに識別子を付加する理由は、ステップ101−ステップ103が仮システムにおいて実行されるが、後続のオペレーティングシステムをインストールするステップがインストールすべきオペレーティングシステムのブートシステムの下で実行されることにある。当該仮システムと当該ブートシステムとが異なるタイプである可能性がある。例えば、当該仮システムがLinuxシステムであるが、当該ブートシステムがWindowsシステムのブートシステムである可能性がある。当該仮システムと当該ブートシステムとが異なるタイプであるとき、同じ名称のRAIDが異なるシステム段階において含むハードディスクが異なる可能性がある。
【0031】
例を挙げて言うと、Linuxシステムにおいて、RAID 0がスロット番号0とスロット番号1とでの2つのハードディスクを含むと仮定すれば、Windowsシステムにおいて、RAID 0が他の2つのスロット番号でのハードディスクを含むかもしれない。オペレーティングシステムを最終的にインストールするハードディスクがステップ101で特定された対象RAIDに含まれることを確保するために、対象RAIDに位置する対象パーティションに識別子を付加する。このように、後続のインストール段階では、当該識別子に基づいて当該対象パーティションを容易に認識でき、更に、当該対象パーティションの所在するRAIDを認識できる。
【0032】
しかし、当該仮システムとインストールすべきオペレーティングシステムのブートシステムとが同一のタイプである場合に、ステップS101で特定された対象RAIDが以下のステップS104で特定されるインストールディスクそのものであるため、ステップ103において、オペレーティングシステムをインストールするための対象パーティションに識別子を付加する必要はなくなる。
【0033】
対象パーティションに識別子を付加した後、当該識別子名称及びタイプをファイルに記録してブートパーティションに保存してもよい。ブートパーティションは、各種のブートファイル(例えば、後述する自動応答ファイル)を保存するパーティションである。
【0034】
また、オペレーティングシステムをインストールするための対象パーティションが特定された後、対象設備は、更に、自動応答ファイルにおいて当該対象パーティションをインストールパーティションとして配置してもよい。自動応答ファイルは、オペレーティングシステムの全自動インストールを実施するために用いられるファイルであり、ユーザパスワード等の配置データを更に含む。なお、仮システムとインストールすべきオペレーティングシステムとが異なるタイプである可能性もあるため、その時点で応答ファイルにおいてどのRAIDをインストールディスクとして配置するかを暫定的に実施しない。
【0035】
上記ステップを実行した後、且つステップ104を実行する前に、オペレーティングシステムをインストールすべき対象設備は、現在の仮システムから退出し、シャットダウンして再起動した後で、インストールすべきオペレーティングシステムのブートシステムへアクセスする。これにより、以下のステップ104を実行する。
【0036】
ステップ104では、インストールすべきオペレーティングシステムのブートシステムに、前記対象パーティションの識別子に基づいてインストールパーティションと前記インストールパーティションの所在するインストールディスクとを特定し、前記インストールすべきオペレーティングシステムを前記インストールディスクの前記インストールパーティション内にインストールする。
【0037】
ある形態において、オペレーティングシステムをインストールするための対象パーティションをシンボリックファイルによってマークするとすれば、ステップ104において、対象設備は、各パーティションをトラバースし、当該シンボリックファイルを含む対象パーティションを見つけ、当該対象パーティションの所在するRAIDをインストールディスクとして特定する。
【0038】
例えば、
図4を参照すると、シンボリックファイルがパーティションDに存在することを走査によって発見したとすれば、当該パーティションDをインストールパーティションとして特定する。「select disk 2」命令によってディスクDisk 2にパーティションDが存在することを発見し、これにより、当該パーティションDの所在する番号が2であるRAIDをインストールディスクとして特定する。
【0039】
なお、仮システムとインストールすべきオペレーティングシステムとが異なるタイプである可能性があるため、ここで特定されたインストールパーティションの所在するRAIDとステップ101で特定された対象RAIDの名称とが異なる可能性がある。しかし、両者が含むハードディスクは、同じである。
【0040】
その後、対象設備は、自動応答ファイルにおいて、当該シンボリックファイルを含む対象パーティションをインストールパーティションとして配置し、当該インストールパーティションの所在するRAIDをインストールディスクとして配置する。自動応答ファイルの配置が完了された後、当該自動応答ファイルを動作させることにより、オペレーティングシステムを自動応答ファイルで指示されるインストールディスクのインストールパーティションにインストールしてもよい。インストールの完了後、当該シンボリックファイルを削除することも選択可能である。
【0041】
別の形態では、オペレーティングシステムをインストールするための対象パーティションをシンボリック名称によってマークするとすれば、ステップ104において、対象設備は、各パーティションをトラバースし、当該シンボリック名称に対応する対象パーティションを見つけ、当該対象パーティションの所在するRAIDをインストールディスクとして特定する。その後、対象設備は、自動応答ファイルにおいて当該シンボリック名称に対応する対象パーティションをインストールパーティションとして配置し、当該インストールパーティションの所在するRAIDをインストールディスクとして配置する。自動応答ファイルの配置が完了された後、当該自動応答ファイルを動作させることにより、オペレーティングシステムを自動応答ファイルで指示されるインストールディスクのインストールパーティションにインストールしてもよい。
【0042】
これで、
図1に示すフローは完了する。
図1に示すフローから分かるように、本発明では、オペレーティングシステムは、ユーザが選定したRAIDにインストールされることができる。このように、ユーザは、オペレーティングシステムがインストールされたシステムハードディスク(以下では、システムディスクと略称されてもよい)を容易に管理することができる。例えば、システムディスクの具体的な位置が分かった後、システムを再インストールする際に、オペレーティングシステムをオペレーティングシステムがインストールされていないデータハードディスク(以下では、データディスクと略称されてもよい)にインストールすることは回避できる。また、本発明では、ユーザは、オペレーティングシステムの所在するパーティションの大きさを好きなだけ設定可能であるため、ハードディスクの空間を合理的に利用することができる。
【0043】
本発明に係る方法は、上述された。以下では、本発明に係る装置を記述する。
図5を参照すると、
図5は、本発明に係るオペレーティングシステムをインストールするための装置の機能モジュールのブロック図であり、以下の手段を含む。
【0044】
RAID特定手段501は、仮システムにおいて、RAIDを指定するための操作に応じて、オペレーティングシステムをインストールするための対象RAIDおよび前記対象RAIDの一意識別子を特定する。
【0045】
検索手段502は、前記仮システムにおいて、RAIDの一意識別子とマウントポイントとの対応関係を取得し、前記対象RAIDの一意識別子に対応するマウントポイントを前記対応関係から見つける。
【0046】
パーティション特定手段503は、前記仮システムにおいて、見つけられたマウントポイントのうち、オペレーティングシステムをインストールするための対象パーティションを特定し、前記対象パーティションに識別子を付加する。
【0047】
インストール手段504は、インストールすべきオペレーティングシステムのブートシステムにおいて、前記対象パーティションの識別子に基づいてインストールパーティションと前記インストールパーティションの所在するインストールディスクとを特定し、前記インストールすべきオペレーティングシステムを前記インストールディスクの前記インストールパーティション内にインストールする。
【0048】
1種の実施形態では、前記インストール手段504は、更に、自動応答ファイルにおいて前記対象パーティションをインストールパーティションとして配置し、且つ、自動応答ファイルにおいて前記インストールパーティションの所在するRAIDをインストールディスクとして配置する。
【0049】
なお、前記インストール手段504は、異なる段階においてインストールパーティション及びインストールディスクを配置してもよい。例えば、仮システムとインストールすべきオペレーティングシステムのブートシステムとが異なるタイプである場面に、前記インストール手段504は、仮システムの中で自動応答ファイルにおいて前記対象パーティションをインストールパーティションとして配置し、インストールすべきオペレーティングシステムのブートシステムの中で自動応答ファイルにおいて前記インストールパーティションの所在するRAIDをインストールディスクとして配置する。
【0050】
1種の実施形態では、前記パーティション特定手段503は、前記対象パーティション内にシンボリックファイルを置くことで、前記対象パーティションをマークする。このような場合に、前記インストール手段504は、各パーティションをトラバースし、前記シンボリックファイルを含むパーティションをインストールパーティションとして見つけ、且つ前記インストールパーティションの所在するRAIDをインストールディスクとして特定する。
【0051】
1種の実施形態では、前記パーティション特定手段503は、前記インストールパーティションにシンボリック名称を設定することで、前記インストールパーティションをマークする。このような場合に、前記インストール手段504は、各パーティションをトラバースし、前記シンボリック名称に対応するパーティションをインストールパーティションとして見つけ、且つ、前記インストールパーティションの所在するRAIDをインストールディスクとして特定する。
【0052】
1種の実施形態では、前記インストール手段504は、インストールすべきオペレーティングシステムを前記自動応答ファイルによって指示されるインストールディスクのインストールパーティションにインストールする。
【0053】
1種の実施形態では、前記オペレーティングシステムをインストールするための対象パーティションは、プライマリパーティションであり、前記プライマリパーティションの大きさは、指令に応じて配置される。
【0054】
これで、
図5に示す装置の記述は完了する。
それ相応に、本発明は、
図5に示す装置のハードウェア構造を更に提供する。
図6を参照すると、
図6は、本発明に係る
図5に示す装置のハードウェア構造の模式図であり、当該装置は、外部インターフェース601、プロセッサ602、機械可読記憶媒体603及びバス604を備える。外部インターフェース601、プロセッサ602と機械可読記憶媒体603は、バス604を介して互いに通信できる。
【0055】
外部インターフェース601は、指令(例えば、オペレーティングシステムをどのRAIDにインストールするかを指定するための指令等)を受信する。プロセッサ602は、1つのCPUであってもよく、機械可読記憶媒体603は、不揮発性メモリ(non−volatile memory)であってもよく、且つ、機械可読記憶媒体603には、オペレーティングシステムをインストールするための機械実行可能な指令が記憶されている。プロセッサ602は、
図1に示すフローを参照すると、機械可読記憶媒体603に記憶された機械実行可能な指令を実行することにより、上記オペレーティングシステムをインストールする方法を実施する。
【0056】
これで、
図6に示す装置のハードウェア構造の記述は完了する。
上述したのは、本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明を制限するためのものではない。本発明の精神及び原則内でなされた如何なる変更、均等物による置換、改良等も、本発明の保護範囲内に含まれる。