(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6861394
(24)【登録日】2021年4月1日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】通信装置、通信方法および集積回路
(51)【国際特許分類】
H04W 72/02 20090101AFI20210412BHJP
H04W 72/06 20090101ALI20210412BHJP
H04W 92/18 20090101ALI20210412BHJP
【FI】
H04W72/02
H04W72/06
H04W92/18
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-230156(P2019-230156)
(22)【出願日】2019年12月20日
(62)【分割の表示】特願2019-6128(P2019-6128)の分割
【原出願日】2014年9月26日
(65)【公開番号】特開2020-43616(P2020-43616A)
(43)【公開日】2020年3月19日
【審査請求日】2019年12月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】316002062
【氏名又は名称】サン パテント トラスト
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン リレイ
(72)【発明者】
【氏名】バス マリック プラティーク
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀俊
(72)【発明者】
【氏名】ローア ヨアキム
(72)【発明者】
【氏名】星野 正幸
【審査官】
▲高▼木 裕子
(56)【参考文献】
【文献】
特許第6646861(JP,B2)
【文献】
Alcatel-Lucent, Alcatel-Lucent Shanghai Bell,Mode Configuration and switching[online], 3GPP TSG-RAN WG2♯86 R2-142584,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_86/Docs/R2-142584.zip>,2014年 5月16日
【文献】
Sony,D2D Resource Allocation Mode Selection and exceptional cases[online], 3GPP TSG-RAN WG2#87 R2-143152,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_87/Docs/R2-143152.zip>,2014年 8月22日
【文献】
Ericsson,Frame Structure for D2D-Enabled LTE Carriers and Resources Configuration[online], 3GPP TSG-RAN WG1#78 R1-143367,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_78/Docs/R1-143367.zip>,2014年 8月22日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のリソースプールから1つのリソースプールを決定する制御回路と、
前記1つのリソースプールを用いてデバイス間(D2D)通信の信号を送信する送信機と、を具備し、
前記複数のリソースプールにおける第1のリソースプールは基地局から個別Radio Resource Control(RRC)シグナリングによって指示され、前記複数のリソースプールにおける第2のリソースプールは前記基地局からシステム情報ブロック(SIB)シグナリングによって指示され、前記複数のリソースプールにおける第3のリソースプールは事前設定され、
RRC_CONNECTEDである第1のステータスにおいて、少なくとも前記第1のリソースプールが存在する場合は前記第1のリソースプールを用い、
RRC_IDLEである第2のステータスにおいて、少なくとも前記第2のリソースプールが存在する場合は前記第2のリソースプールを用いる、
通信装置。
【請求項2】
第1の通信モードで前記D2D通信を行うことが一時的にできないことを検出した場合、前記第2のリソースプールを用いて前記D2D通信が継続され、前記第1の通信モードは前記基地局のスケジューリングに基づいて前記D2D通信を実施する、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記通信装置が第1の通信モードから第2の通信モードに切り替わる場合、前記第2のリソースプールを用いて前記D2D通信が継続され、前記第1の通信モードは前記基地局のスケジューリングに基づいて前記D2D通信を実施し、前記第2の通信モードは前記通信装置自身のスケジューリングに基づいて前記D2D通信を実施する、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
前記複数のリソースプールの各々は複数のリソースを含み、前記送信機は前記複数のリソースの1つに配置された前記D2D通信の信号を送信する、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項5】
複数のリソースプールから1つのリソースプールを決定し、
前記1つのリソースプールを用いてデバイス間(D2D)通信の信号を送信し、
前記複数のリソースプールにおける第1のリソースプールは基地局から個別Radio Resource Control(RRC)シグナリングによって指示され、前記複数のリソースプールにおける第2のリソースプールは前記基地局からシステム情報ブロック(SIB)シグナリングによって指示され、前記複数のリソースプールにおける第3のリソースプールは事前設定され、
RRC_CONNECTEDである第1のステータスにおいて、少なくとも前記第1のリソースプールが存在する場合は前記第1のリソースプールを用い、
RRC_IDLEである第2のステータスにおいて、少なくとも前記第2のリソースプールが存在する場合は前記第2のリソースプールを用いる、
通信方法。
【請求項6】
第1の通信モードで前記D2D通信を行うことが一時的にできないことを検出した場合、前記第2のリソースプールを用いて前記D2D通信が継続され、前記第1の通信モードは前記基地局のスケジューリングに基づいて前記D2D通信を実施する、
請求項5に記載の通信方法。
【請求項7】
通信装置が第1の通信モードから第2の通信モードに切り替わる場合、前記第2のリソースプールを用いて前記D2D通信が継続され、前記第1の通信モードは前記基地局のスケジューリングに基づいて前記D2D通信を実施し、前記第2の通信モードは前記通信装置自身のスケジューリングに基づいて前記D2D通信を実施する、
請求項5に記載の通信方法。
【請求項8】
前記複数のリソースプールの各々は複数のリソースを含み、
前記複数のリソースの1つに配置された前記D2D通信の信号を送信する、
請求項5に記載の通信方法。
【請求項9】
複数のリソースプールから1つのリソースプールを決定する処理と、
前記1つのリソースプールを用いてデバイス間(D2D)通信の信号を送信する処理と、を制御し、
前記複数のリソースプールにおける第1のリソースプールは基地局から個別Radio Resource Control(RRC)シグナリングによって指示され、前記複数のリソースプールにおける第2のリソースプールは前記基地局からシステム情報ブロック(SIB)シグナリングによって指示され、前記複数のリソースプールにおける第3のリソースプールは事前設定され、
RRC_CONNECTEDである第1のステータスにおいて、少なくとも前記第1のリソースプールが存在する場合は前記第1のリソースプールを用い、
RRC_IDLEである第2のステータスにおいて、少なくとも前記第2のリソースプールが存在する場合は前記第2のリソースプールを用いる、
集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ワイヤレス通信の分野に関し、詳細には、デバイス間(D2D)ワイヤレス通信の通信装置、通信方法および集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
デバイス間(D2D)ワイヤレス通信は、3GPP(3
rdGeneration Partnership Project) LTE(Long Term Evolution)リリース12における新しいトピックである。D2D通信は、(例えば商用の場合のために)ワイヤレスネットワークカバレージを伴ってまたは(例えば、公共安全のために)ネットワークカバレージを伴わずに起こり得る。
図1に、ワイヤレスネットワークカバレージを伴うおよび伴わない例示的なD2D通信を示す。
図1の左側において、UE101およびUE102はeNB(eノードB)103のワイヤレスネットワークカバレージ内にあるが、それらは互いに直接(すなわち、eNB103を通さずに)通信している。
図1の右側において、UE104およびUE105はどのようなワイヤレスネットワークカバレージ内にもなく、それらは互いに直接通信している。
【0003】
D2D通信機能を有するUE(D2D UE)がワイヤレスネットワークカバレージを伴うとき、すなわち、LTEワイドエリアネットワーク(WAN)内にあるとき、D2D UEは、同時にLTE WANとD2Dを用いて動作することができる。これは、いくつかの無線リソース/サブフレーム内では、D2D UEはLTE WAN信号を送信/受信するが、他の無線リソース/サブフレーム内では、D2D UEはD2D信号を送信/受信することを意味する。現在、リソース割当ての観点から、D2D UEは、D2D通信のために以下の2つのモード(LTE Rel.12を参照)の一方で動作することができる。
モード1:eノードBまたはLTE rel−10リレーノードは、直接データおよび直接制御情報を送信するためにUEによって使用される正確なリソースをスケジュールする。
モード2:UEは、直接データおよび直接制御情報を送信するためにリソースプールからリソースを単独で選択する。
【0004】
モード1では、D2D送信のリソースはeNBによって割り当てられるかまたは完全に制御されるが、モード2では、UE自体がD2D送信のためのリソースを選択する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の態様によると、ユーザ機器(UE)によって実行されるデバイス間(D2D)ワイヤレス通信方法であって、モード1動作からモード2動作に切り替わるとき、モード2動作のために割り当てられた送信リソースプールからのリソースを使用することによってD2D送信を続ける、D2Dワイヤレス通信方法が提供される。
【0006】
本開示の第2の態様によると、ユーザ機器(UE)によって実行されるデバイス間(D2D)ワイヤレス通信方法であって、モード2動作のために割り当てられた送信リソースプールからのリソースを使用することによってD2D送信を実行し、前記送信リソースプールは、eノードB(eNB)によって送信される個別無線リソース制御(RRC)シグナリング、eNBによって送信されるシステム情報ブロック(SIB)、他のUEによって送信される物理デバイス間共有チャネル(PD2DSCH)、および/または事前設定によって通知され、前記個別RRCシグナリング、前記SIB、前記PD2DSCHおよび前記事前設定は、前記送信リソースプールを決定するときに優先度において降順である、D2Dワイヤレス通信方法が提供される。
【0007】
本開示の第3の態様によると、ユーザ機器(UE)によって実行されるデバイス間(D2D)ワイヤレス通信方法であって、通知または事前設定されたD2D受信リソースプールのセットにおいてD2D信号を受信し、前記通知されたD2D受信リソースプールは、eノードB(eNB)によって送信される個別無線リソース制御(RRC)シグナリングによって通知された受信リソースプール、eNBによって送信されるシステム情報ブロック(SIB)によって通知された受信リソースプール、および/または他のUEによって送信される物理デバイス間共有チャネル(PD2DSCH)によって通知された受信リソースプールである、D2Dワイヤレス通信方法が提供される。
【0008】
本開示の第4の態様によると、 デバイス間(D2D)ワイヤレス通信のためのユーザ機器(UE)であって、モード1動作からモード2動作に切り替わるとき、モード2動作のために割り当てられたリソースプールからのリソースを使用することによってD2D送信を続けるように構成された動作切替え部を備える、UEが提供される。
【0009】
本開示の第5の態様によると、デバイス間(D2D)ワイヤレス通信のためのユーザ機器(UE)であって、モード2動作のために割り当てられたリソースプールからのリソースを使用することによってD2D送信を実行するように構成された通信部を備え、前記送信リソースプールは、eノードB(eNB)によって送信される個別無線リソース制御(RRC)シグナリング、eNBによって送信されるシステム情報ブロック(SIB)、他のUEによって送信される物理デバイス間共有チャネル(PD2DSCH)、および/または事前設定によって通知され、前記個別RRCシグナリング、前記SIB、前記PD2DSCHおよび前記事前設定は、前記送信リソースプールを決定するときに優先度において降順である、UEが提供される。
【0010】
本開示の第6の態様によると、デバイス間(D2D)ワイヤレス通信のためのユーザ機器(UE)であって、通知または事前設定されたD2D受信リソースプールのセットにおいてD2D信号を受信するように構成された通信部を備え、前記通知されたD2D受信リソースプールは、eノードB(eNB)によって送信される個別無線リソース制御(RRC)シグナリングによって通知された受信リソースプール、eNBによって送信されるシステム情報ブロック(SIB)によって通知された受信リソースプール、および/または他のUEによって送信される物理デバイス間共有チャネル(PD2DSCH)によって通知された受信リソースプールである、UEが提供される。
【0011】
上記は概要であり、したがって、当然、単純化、一般化、および詳細の省略を含む。本明細書に記載の装置および/またはプロセスおよび/または他の主題の、他の態様、特徴、および利点は、本明細書に記載の教示において明らかとされよう。概要は、簡略化された形態で概念の選択を紹介するために提供されており、以下の発明を実施するための形態でさらに説明される。この概要は、特許請求される主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求される主題の範囲を決定する補助として使用されることを意図するものでもない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本開示の上記および他の特徴は、添付の図面と併せて以下の説明および添付の特許請求の範囲からより完全に明らかとされる。これらの図面は、本開示によるいくつかの実施形態のみを示し、したがってその範囲が限定されるものと解釈されるべきではないことを理解して、本開示は、添付の図面の使用によりさらに具体的かつ詳細に説明する。
【
図1】ワイヤレスネットワークカバレージを伴うおよび伴わない例示的なD2D通信を示す図である。
【
図2】本開示の第1の実施形態によるD2Dワイヤレス通信方法200のフローチャートである。
【
図3】別のUEからPD2DSCHを受信するためにモード1動作からモード2動作に切り替わるUEの概略図である。
【
図4】モード1動作からモード2動作に切り替わるUEがPD2DSCHとSIBの両方からリソースプール通知を受信する概略図である。
【
図5】本開示の第1の実施形態によるUE500を示すブロック図である。
【
図6】本開示の第2の実施形態によるD2Dワイヤレス通信方法600のフローチャートである。
【
図7】本開示の第2の実施形態によるUE700を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の詳細な説明では、それの一部を形成する添付の図面への参照を行う。図面において、同様のシンボルは、文脈が別段に規定しない限り、一般に同様の構成要素を特定する。本開示の態様は多種多様な異なる構成で配置、使用、合成、設計でき、それらのすべては明示的に企図され、本開示の一部分をなすことが容易に理解されよう。
【0014】
(第1の実施形態)
上記で説明したように、UEはモード1またはモード2でD2D通信を実行することができる。場合によっては、UEは、モード1動作からモード2動作に切り替わる必要があり得る。例えば、モード1で動作しているUEは、UEが一時的にモード1で動作することができないいくつかの例外的な場合、連続的D2D動作を保つためにモード2送信を行う必要があり得る。言い換えれば、モード1動作からモード2動作への切替えは、UEが一時的にモード1で動作することができない例外的な場合によってトリガされ得る。そのような例外的なモード2送信をトリガする候補条件は、例えば以下の通りである。
ProSe−BSRを送った後のある期間内にProSe通信の許可が受信されない、または
ProSe通信についてのリソース要求の開始後のある期間内にProSe−BSRの許可が受信されない。
【0015】
UEがモード1動作からモード2動作に切り替わるとき、UEがどのようなリソースを使用し得るか、およびUEがどのようにモード2動作のリソースを決定するかが、特に例外的な場合では、重要な問題になる。本開示の第1の実施形態では、UEは、モード1動作からモード2動作に切り替わるとき、モード2動作のために割り当てられた送信リソースプールからのリソースを使用することによってD2D送信を続ける。本実施形態では、eNBは、切替えのために特殊なモード2リソースを割り当てず、例えば、例外的なモード2リソースを割り当てず、むしろ、UEは、通常のモード2送信リソースプールからのリソース、すなわち、モード2動作のために割り当てられた送信リソースプールを使用する。
【0016】
特に、第1の実施形態は、
図2に示されているようにUEによって実行されるD2Dワイヤレス通信方法200を提供する。
図2は、本開示の第1の実施形態によるD2Dワイヤレス通信方法200のフローチャートを示す。方法200は、モード1動作からモード2動作に切り替わるとき、モード2動作のために割り当てられた送信リソースプールからのリソースを使用することによってD2D送信を続けるステップ201を含む。
【0017】
第1の実施形態では、UEがモード1からモード2に切り替わるとき、D2D通信を続けるためにモード2動作のために割り当てられた送信リソースプール、すなわち、モード切替えに固有でない通常のモード2送信リソースプールが使用される。切替えのために特殊なリソースは割り当てられず、通常のモード2送信リソースプールが再利用されるので、本開示の実施形態は、ソースを節約し、特殊な切替えリソースを割り当てるためのシグナリングオーバーヘッドを潜在的に節約する。
【0018】
第1の実施形態の一例では、送信リソースプールは、1つまたは複数の他のUEによって送信される物理デバイス間共有チャネル(PD2DSCH)で通知され得る。PD2DSCHは、3GPP RAN1において合意されたD2Dチャネルであり(LTE Rel.12を参照)、カバレージ内UEがOOC UEにいくつかの同期/タイミングおよびリソースプール/電力制御パラメータを転送するために使用される。その意図は、LTE WANトラフィックおよびカバレージ内モード1/2送信を保護することである。本開示では、モード1動作からモード2動作に切り替わるUEは、それがワイヤレスネットワークカバレージ内にあり得るが、モード2動作のための送信リソースプールについての知識を得るために、1つまたは複数の他のUEから送信されたPD2DSCHをも受信することができる。
図3に、別のUEからPD2DSCHを受信するためにモード1動作からモード2動作に切り替わるUEの概略図を示す。
図3において、UE301はモード1動作からモード2に切り替わるUEであり、UE302はPD2DSCHを転送するUEである。UE301はUE302のPD2DSCHカバレージ内にある。したがって、UE301は、UE302から送信されたPD2DSCHを受信できることがわかる。特に、PD2DSCHが複数のUEによって送信された場合、PD2DSCHを受信するためにソフト合成が使用され得る。この例によれば、通常のモード2動作のための送信リソースプールは、追加のシグナリングオーバーヘッド無しでモード1動作からモード2動作に切り替わるUEに通知され得る。
【0019】
他の例では、送信リソースプールは、eNBによって送信される個別RRCシグナリング、eNBによって送信されるSIB、または事前設定によっても通知され得る。特に、時々、モード1動作からモード2動作に切り替わるUEは、2つ以上のリソースプール通知を取得することが可能である。この場合、一例によれば、個別RRCシグナリング、SIB、PD2DSCHおよび事前設定は、送信リソースプールを決定するときに優先度において降順である。言い換えれば、個別RRCシグナリングの優先度はSIBよりも高く、SIBの優先度はPD2DSCHよりも高く、PD2DSCHの優先度は事前設定よりも高い。結論として、この例では、送信リソースプールは、eNBによって送信される個別RRCシグナリング、eNBによって送信されるSIB、他のUEによって送信されるPD2DSCH、および/または事前設定によって通知されることが可能であり、個別RRCシグナリング、SIB、PD2DSCHおよび事前設定は、送信リソースプールを決定するときに優先度において降順である。
図4に、モード1動作からモード2動作に切り替わるUE401がPD2DSCHとSIBの両方からリソースプール通知を受信する概略図を示す。この場合、UE401は、SIBの優先度がPD2DSCHよりも高いので、SIBで通知されたリソースプールを選択することになる。それに応じて、受信側において、どのような受信UEも、通知または事前設定されたD2D受信リソースプールのセット(union)においてD2D信号を受信することができる。通知されたD2D受信リソースプールは、eNBによって送信されるRRCシグナリングによって通知された受信リソースプール、eNBによって送信されるSIBによって通知された受信リソースプール、および/または他のUEによって送信されるPD2DSCHによって通知された受信リソースプールであり得る。ここでは、D2D受信リソースプールは、D2D信号を受信するためのリソースプールを指す。ただ1つの受信リソースプールが通知または事前設定された場合、それのセットはその1つの受信リソースプール自体であることに留意されたい。
【0020】
第1の実施形態では、D2Dワイヤレス通信のためのUEも提供される。
図5は、本開示の第1の実施形態によるUE500を示すブロック図である。UE500は動作切替え部501を備える。動作切替え部501は、モード1動作からモード2動作に切り替わるとき、モード2動作のために割り当てられた送信リソースプールからのリソースを使用することによってD2D送信を続ける。
【0021】
本開示によるUE500は、場合によっては、様々なデータを処理し、UE500中のそれぞれの構成部の動作を制御するように関係するプログラムを実行するためのCPU(Central Processing Unit)510、CPU510が様々なプロセスおよび制御を実行するために必要とされる様々なプログラムを記憶するためのROM(Read Only Memory)513、CPU510によるプロセスおよび制御の手順において一時的に生成された中間データを記憶するためのRAM(Random Access Memory)515、および/または様々なプログラム、データを記憶するための記憶部517などを含み得る。上記の動作切替え部501、CPU510、ROM513、RAM515および/または記憶部517などは、データおよび/またはコマンドバス520を介して相互接続され、互いの間で信号を転送し得る。
【0022】
上記で説明したそれぞれの構成部は本開示の範囲を限定するものではない。本開示の一実装形態によれば、上記の動作切替え部501の機能はハードウェアによって実装でき、上記のCPU510、ROM513、RAM515および/または記憶部517は不要であり得る。代替的に、上記の動作切替え部501の機能は、上記のCPU510、ROM513、RAM515および/または記憶部517などと組み合わせて機能ソフトウェアによっても実装され得る。
【0023】
(第2の実施形態)
本開示の第2の実施形態では、第1の実施形態において述べたモード2リソース選択に関する優先度ルールは、いかなるモード2動作にも拡張でき、それは、モード1からモード2への切替えに限定されず、特に、第1の実施形態において述べた例外的な場合に限定されない。
【0024】
特に、第2の実施形態は、
図6に示されているようにUEによって実行されるD2Dワイヤレス通信方法600を提供する。
図6は、本開示の第2の実施形態によるD2Dワイヤレス通信方法600のフローチャートを示す。方法600は、モード2動作のために割り当てられた送信リソースプールからのリソースを使用することによってD2D送信を実行するステップ601を含む。第2の実施形態では、送信リソースプールは、eノードB(eNB)によって送信される個別RRCシグナリング、eNBによって送信されるシステム情報ブロック(SIB)、他のUEによって送信される物理デバイス間共有チャネル(PD2DSCH)、および/または事前設定によって通知され、個別RRCシグナリング、SIB、PD2DSCHおよび事前設定は、送信リソースプールを決定するときに優先度において降順である。第1の実施形態における関連の説明は第2の実施形態にも適用でき、ここで繰り返し説明しないことに留意されたい。
【0025】
特に、RRC_CONNECTEDステータスを有するモード2UEには、通知された個別RRCシグナリング>通知されたSIB>通知されたPD2DSCH>事前設定、という優先度ルールが適用され得る。RRC_IDLEステータスを有するモード2UEには、通知されたSIB>通知されたPD2DSCH>事前設定、という優先度ルールが適用され得る。LTE WANセルに近く、PD2DSCH情報を受信することができるOOC UEには、通知されたPD2DSCH>事前設定、という優先度ルールが適用され得る。
【0026】
第2の実施形態では、D2Dワイヤレス通信のためのUEも提供される。
図7は、本開示の第2の実施形態によるUE700を示すブロック図である。UE700は通信部701を備える。通信部701は、モード2動作のために割り当てられた送信リソースプールからのリソースを使用することによってD2D送信を実行するように構成でき、送信リソースプールは、eノードB(eNB)によって送信される個別RRCシグナリング、eNBによって送信されるシステム情報ブロック(SIB)、他のUEによって送信される物理デバイス間共有チャネル(PD2DSCH)、および/または事前設定によって通知され、個別RRCシグナリング、SIB、PD2DSCHおよび事前設定は、送信リソースプールを決定するときに優先度において降順である。
【0027】
本開示によるUE700は、場合によっては、様々なデータを処理し、UE700中のそれぞれの構成部の動作を制御するように関係するプログラムを実行するためのCPU(Central Processing Unit)710、CPU710が様々なプロセスおよび制御を実行するために必要とされる様々なプログラムを記憶するためのROM(Read Only Memory)713、CPU710によるプロセスおよび制御の手順において一時的に生成された中間データを記憶するためのRAM(Random Access Memory)715、および/または様々なプログラム、データを記憶するための記憶部717などを含み得る。上記の通信部701、CPU710、ROM713、RAM715および/または記憶部717などは、データおよび/またはコマンドバス720を介して相互接続され、互いの間で信号を転送し得る。
【0028】
上記で説明したそれぞれのユニットは本開示の範囲を限定するものではない。本開示の一実装形態によれば、上記の通信部701の機能はハードウェアによって実装でき、上記のCPU710、ROM713、RAM715および/または記憶部717は不要であり得る。代替的に、上記の通信部701の機能は、上記のCPU710、ROM713、RAM715および/または記憶部717などと組み合わせて機能ソフトウェアによっても実装され得る。
【0029】
それに応じて、受信側において、ユーザ機器(UE)と対応するUEとによって実行されるデバイス間(D2D)ワイヤレス通信方法が提供される。通信方法は、通知または事前設定されたD2D受信リソースプールのセットにおいてD2D信号を受信するステップを含む。UEは、通知または事前設定されたD2D受信リソースプールのセットにおいてD2D信号を受信するように構成された通信部を備える。ここで、通知されたD2D受信リソースプールは、eノードB(eNB)によって送信される個別無線リソース制御(RRC)シグナリングによって通知された受信リソースプール、eNBによって送信されるシステム情報ブロック(SIB)によって通知された受信リソースプール、および/または他のUEによって送信される物理デバイス間共有チャネル(PD2DSCH)によって通知された受信リソースプールである。通信方法600とUE700とに関する上記の説明は、文脈が別段に示さない限り、ここでも適用され得ることに留意されたい。
【0030】
本発明は、ソフトウェア、ハードウェア、またはハードウェアと協働するソフトウェアによって実現され得る。上記で説明した各実施形態の説明において使用される各機能ブロックは、集積回路としてLSIによって実現され得る。それらは個々にチップとして形成でき、あるいは1つのチップは、機能ブロックの一部または全部を含むように形成され得る。ここでのLSIは、集積の程度の差異に応じて、IC、システムLSI、超LSI、または極超LSIと呼ばれることがある。ただし、集積回路を実装する技法はLSIに限定されず、専用回路または汎用プロセッサを使用することによって実現され得る。さらに、LSIの製造後にプログラムされ得るFPGA(Field Programmable Gate Array)、またはLSI内に配設された回路セルの接続および設定が再構成され得る再構成可能プロセッサが使用され得る。さらに、各機能ブロックの計算は、例えば、DSPまたはCPUを含む、計算手段を使用することによって実行でき、各機能の処理ステップは、実行用のプログラムとして記録媒体上に記録され得る。さらに、半導体技術または他の派生技術の進歩に応じてLSIの代わりとなる集積回路を実装するための技術が現れるとき、機能ブロックはそのような技術を使用することによって組み込まれ得ることが明らかである。
【0031】
本発明は、本発明の内容および範囲から逸脱することなく、本明細書で提示した説明および既知の技術に基づいて当業者によって様々に変更または修正されることが意図され、そのような変更および適用例は、保護されるべきことが主張される範囲内に入ることに留意されたい。さらに、本発明の内容から逸脱しない範囲において、上記で説明した実施形態の構成要素は任意に組み合わされ得る。