特許第6861415号(P6861415)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6861415
(24)【登録日】2021年4月1日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】呼気検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/497 20060101AFI20210412BHJP
   G01N 27/12 20060101ALI20210412BHJP
【FI】
   G01N33/497 A
   G01N27/12 B
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-154933(P2017-154933)
(22)【出願日】2017年8月10日
(65)【公開番号】特開2019-32288(P2019-32288A)
(43)【公開日】2019年2月28日
【審査請求日】2020年6月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000112439
【氏名又は名称】フィガロ技研株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086830
【弁理士】
【氏名又は名称】塩入 明
(74)【代理人】
【識別番号】100096046
【弁理士】
【氏名又は名称】塩入 みか
(72)【発明者】
【氏名】瓜田 貴
(72)【発明者】
【氏名】豊田 雅史
(72)【発明者】
【氏名】作田 伸廣
【審査官】 大瀧 真理
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−175665(JP,A)
【文献】 特開2015−007625(JP,A)
【文献】 特表2014−503808(JP,A)
【文献】 特表2015−526732(JP,A)
【文献】 米国特許第6129680(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/497
G01N 27/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスセンサと吹込検出センサとを搭載した基板と、呼気の流路となるパイプとを、ハウジングに収容した呼気検出装置において、
呼気導入用の孔を備え前記パイプに挿入されている突起と、前記基板側に開口して前記吹込検出センサを収容しかつ前記孔に通じるリセスと、前記孔と前記ガスセンサとの間の流路、とを備え、弾性体から成るアタッチメントが設けられ、
ハウジングと基板とにより押圧されることにより、前記アタッチメントが圧縮され、アタッチメントと基板との間が気密にされていることを特徴とする、呼気検出装置。
【請求項2】
ガスセンサを搭載した基板と、呼気の流路となるパイプとを、ハウジングに収容した呼気検出装置において、
呼気導入用の孔を備え前記パイプに挿入されている突起と、前記基板側に開口して前記ガスセンサを収容し前記孔に通じるリセスを備え、かつ弾性体から成るアタッチメントが設けられ、
ハウジングと基板とにより押圧されることにより、前記アタッチメントが圧縮され、アタッチメントと基板との間が気密にされていることを特徴とする、呼気検出装置。
【請求項3】
前記アタッチメントは、前記リセスの開口部を囲むリング状の突起を備えていることを特徴とする、請求項1または2の呼気検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は呼気検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アルコール、アセトン、アセトアルデヒド等を検出する呼気検出装置では、呼気が流れるパイプから、ガスセンサと吹込検出センサへ、2本のパイプを分岐させるものがある(特許文献1:JP60045356B)。ガスセンサは電気化学センサ、金属酸化物半導体センサなどで、呼気中のアルコール、アセトン、アセトアルデヒド等の化学成分を検出する。吹込検出センサは、圧力センサ、流速センサ、サーミスタなどで、呼気が吹き込まれたことを検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】JP60045356B
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
呼気を流すパイプに補助の細いパイプを接続すると、組立上の手間がかかる。そこで呼気が流れるメインのパイプから、ガスセンサあるいは吹込検出センサへ、補助のパイプ無しで、呼気を導入できるようにすることが好ましい。
【0005】
この発明の課題は、呼気を流すパイプからガスセンサあるいは吹込検出センサへの補助のパイプ無しで、呼気を導入でき、かつ組み立てが容易な呼気検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、ガスセンサと吹込検出センサとを搭載した基板と、呼気の流路となるパイプとを、ハウジングに収容した呼気検出装置において、
呼気導入用の孔を備えパイプに挿入されている突起と、基板側に開口して吹込検出センサを収容しかつ前記の孔に通じるリセスと、前記の孔とガスセンサとの間の流路、とを備え、弾性体から成るアタッチメントが設けられ、
ハウジングと基板とにより押圧されることにより、アタッチメントが圧縮され、アタッチメントと基板との間が気密にされていることを特徴とする。
【0007】
またこの発明は、ガスセンサを搭載した基板と、呼気の流路となるパイプとを、ハウジングに収容した呼気検出装置において、
呼気導入用の孔を備え前記パイプに挿入されている突起と、前記基板側に開口して前記ガスセンサを収容しかつ前記孔に通じるリセスを備え、弾性体から成るアタッチメントが設けられ、
ハウジングと基板とにより押圧されることにより、前記アタッチメントが圧縮され、アタッチメントと基板との間が気密にされていることを特徴とする。
【0008】
この発明では、基板上の吹込検出センサあるいはガスセンサをリセスに収容するように弾性のアタッチメントを設ける。このため、呼気のパイプとガスセンサ等をつなぐ補助のパイプが不要になる。この発明では、弾性のアタッチメントは基板とハウジングに挟まれて圧縮され、アタッチメントと基板との隙間から、呼気が漏れることを防止できる。
【0009】
好ましくは、アタッチメントは、リセスの開口部を囲むリング状の突起を備えている。リング状の突起は、基板から働く圧縮力により押されて変形し、リセスと基板との間の気密性がさらに増す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例の呼気検出装置の断面図
図2】実施例での基板とパイプの要部平面図
図3】実施例で、アタッチメントと基板を、パイプ側から示す図
図4】実施例での、アタッチメントの底面図
図5】アタッチメントを、パイプ側からガスセンサ側を見るように示す断面図
図6】アタッチメントを、ガスセンサ側からパイプ側を見るように示す断面図
図7】呼気検出装置のブロック図
図8】第2の実施例のアタッチメントを示す図
図9】変形例のアタッチメントを示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明を実施するための最適実施例を示す。
【実施例】
【0012】
図1図7に、実施例の呼気検出装置2を示す。図1図2は、パイプ8とアタッチメント10等を示す。4はガスセンサで、電気化学式あるいは金属酸化物半導体式等のガスセンサで、ガスセンサ4の種類は任意である。6は圧力センサで、吹込検出センサの例であり、気流センサ、サーミスタなどでも良い。5はソレノイド等から成るポンプで、一定容積の呼気をアタッチメント10を介し、パイプ8からガスセンサ4へ導入する。なおポンプ5を設けず、パイプ8からアタッチメント10を介してガスセンサ4へ、呼気の圧力により導入するようにしても良い。
【0013】
12は基板で、ガスセンサ4、ポンプ5,圧力センサ6,アタッチメント10、及びその他の回路部品を支持する。下ケース14と上ケース16が呼気検出装置2のハウジングを構成し、呼気が流れるパイプ8は例えば下ケース14と上ケース16により支持されている。さらに下ケース14には複数の突起15が設けられ、基板12の底面を支持している。
【0014】
アタッチメント10は非連続多孔の軟質プラスチックなどにより構成されており、弾性があり、呼気をパイプ8からガスセンサ4及び圧力センサ6へ導入する。アタッチメント10の突起17はパイプ8に嵌め合わされ、突起17の先端の孔20,21から呼気を導入する。アタッチメント10は弾性体から成るので、パイプ8内で圧縮され、突起17とパイプ8の間は気密に保たれる。
【0015】
孔20につながるリセス18が設けられ、リセス18はアタッチメント10の底部で基板12に接触する。そして基板12上の圧力センサ6は、リセス18内に収容されている。孔21につながるように孔19が設けられ、孔19にガスセンサ4のガス導入部が挿入されている。実施例では孔19の中心は孔21の中心よりも高い位置にあり、孔19,21の接続部に、アタッチメント10の底部からリセス22が伸びている。
【0016】
リセス18は孔20に接続され、リセス22は孔21に接続されている。アタッチメント10は弾性体から成るので、上ケース16と基板12とにより圧縮され、リセス18,22と基板12との間から呼気が逃げることを防止する。呼気の洩れを更に完全に防止するため、好ましくは、アタッチメント10の底部でリセス18,22の周囲にリング状の突起24を設ける。なお突起24は設けなくても良い。
【0017】
実施例では2個の孔20,21と、2個のリセス18,22を設けたが、これらを一体にし、1個の孔と1個のリセスでも良い。またリセス22を設けるのは、孔21と孔19とで中心の高さが異なるためで、リセス22は設けなくても良い。
【0018】
アタッチメント10は、基板12と上ケース16とに挟まれ、図1での上下方向に加圧されている。このためリセス18,22と基板12の隙間が気密に保たれ、実施例ではリング状の突起24が圧力で変形することにより、気密性がさらに増す。
【0019】
実施例の作用を説明する。パイプ8を呼気が流れると、孔20につながっているリセス18内の圧力が低下し、圧力センサ6により呼気が吹き込まれたことを検出する。圧力センサ6の代わりに気流センサを用いる場合、リセス18から例えばガスセンサ4側への出口を設けて、気流センサの周囲に呼気の流れを形成する。
【0020】
孔21から導入された呼気は、孔19を経て、ガスセンサ4内へ吸引され、アルコール、アセトン、アセトアルデヒド等の呼気成分が検出される。
【0021】
実施例では、パイプ8とガスセンサ4及び圧力センサ6を、補助的なパイプで接続する必要がない。そしてアタッチメント10は基板12と上ケース16に押されて、リセス18,22が基板12に密着する。パイプ8に、弾性体から成るアタッチメント10の突起17を挿入すると、パイプ8と突起17との間も気密に保たれる。
【0022】
図7に、呼気検出装置2の構成を示し、マイクロコンピュータ等のコンピュータ30は、圧力センサ6からの信号により、呼気が吹き込まれたことを検出し、ポンプ5を動作させる。次いでガスセンサ4は呼気中のアルコール、アセトン、アセトアルデヒド等を検出し、コンピュータ30はガスセンサ4の信号をアルコール等の濃度に換算し、表示部31に表示すると共に、通信部32から外部へ出力する。
【0023】
図8は第2の実施例のアタッチメント40を示し、突起44には1個の孔45が設けられ、孔45に連通する1個のリセス46が設けられている。なおリセス46の開口部(基板12側の開口)は、図5図6と同様、リング状の突起で囲まれている。リセス45にガスセンサ42が収容され、ガスセンサ42はガス導入孔43から自然拡散により呼気を導入し、ポンプ5は設けない。またガスセンサ42の信号の時間的変化等により、呼気の吹き込みを検出し、吹込検出センサは設けない。
【0024】
図8の実施例では、ガスセンサ42がアタッチメント40内に収容され、2個の孔20,21を1個の孔45に統合し、2個のリセス18,22が1個のリセス46に統合する。他の点では図1図7の実施例と同様で、同じ符号は同じものを表す。図8の実施例でも、リセス46の縁からの呼気の洩れを防止でき、ガスセンサ42とパイプ8を接続する補助のパイプが不要になる。
【0025】
図9は変形例のアタッチメント50を示し、突起52に実施例と同様に2個の孔20,21が設けられている。実施例とは異なり、孔21はパイプ8とは反対側のガスセンサ56側まで貫通し、突起54がガスセンサ56のガス導入孔に挿入され、孔21は突起54の先端まで続いている。他の点では図1図7の実施例と同様で、同じ符号は同じものを表す。
【符号の説明】
【0026】
2 呼気検出装置
4 ガスセンサ
5 ポンプ
6 圧力センサ(吹込検出センサ)
8 パイプ
10 アタッチメント
12 基板
14 下ケース
15 突起
16 上ケース
17 突起
18,22 リセス
19 孔
20,21 孔
24 突起
30 コンピュータ
31 表示部
32 通信部
40 アタッチメント
42 ガスセンサ
43 ガス導入孔
44 突起
45 孔
46 リセス
50 アタッチメント
52 突起
54 突起
56 ガスセンサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9