特許第6861429号(P6861429)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6861429端末装置、情報処理方法、情報処理システム及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6861429
(24)【登録日】2021年4月1日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】端末装置、情報処理方法、情報処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20210412BHJP
   H04N 21/47 20110101ALI20210412BHJP
【FI】
   G06F13/00 560A
   G06F13/00 550A
   H04N21/47
【請求項の数】11
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-179605(P2016-179605)
(22)【出願日】2016年9月14日
(65)【公開番号】特開2018-45443(P2018-45443A)
(43)【公開日】2018年3月22日
【審査請求日】2019年8月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】516277761
【氏名又は名称】株式会社SPLYZA
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】土井 寛之
(72)【発明者】
【氏名】安東 清文
(72)【発明者】
【氏名】ウォーラー ジョセフ アロン
【審査官】 間野 裕一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−278271(JP,A)
【文献】 特開2010−67080(JP,A)
【文献】 特開2012−186834(JP,A)
【文献】 特開2003−30103(JP,A)
【文献】 特開2009−265771(JP,A)
【文献】 特開2003−288304(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
H04N 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画データを記憶する第1記憶手段と、
投稿記事の集合であるスレッドを記憶する第2記憶手段と、
前記動画データを再生表示し、前記スレッドを表示するスレッド閲覧手段と、を備え、
前記投稿記事は動画データを含まないように構成されており、
前記スレッド閲覧手段は、
前記投稿記事が新規スレッドの作成を指定した第1の投稿記事であり、前記動画データのうちの第1の動画データについての再生指定と、前記第1の動画データの第1のフレームに対応する第1の注記情報の指定とを含む場合、前記第1記憶手段を参照して前記第1の動画データを読み出し、当該第1の投稿記事に対応する第1の領域に、前記第1の注記情報に基づき前記第1のフレームに注記を重畳させて前記第1の動画データを再生表示し、
前記投稿記事が作成済スレッドを指定した第2の投稿記事であり、前記動画データのうちの第2の動画データについての再生指定と、前記第2の動画データの第2のフレームに対応する第2の注記情報の指定とを含む場合、前記第1記憶手段を参照して前記第2の動画データを読み出し、当該第2の投稿記事に対応する、前記第1の領域とは重複しない第2の領域に、前記第2の注記情報に基づき前記第2のフレームに注記を重畳させて前記第2の動画データを再生表示することを特徴とする端末装置。
【請求項2】
動画データを記憶する第1記憶手段と、
投稿記事の集合であるスレッドを記憶する第2記憶手段と、
前記動画データを再生表示し、前記スレッドを表示するスレッド閲覧手段と、を備え、
前記投稿記事は動画データを含まないように構成されており、
前記スレッド閲覧手段は、
前記投稿記事が新規スレッドの作成を指定した第1の投稿記事であり、前記動画データのうちの第1の動画データについての再生指定と、前記第1の動画データの第1のフレームに対応する第1の動画タグ情報の指定とを含む場合、前記第1記憶手段を参照して前記第1の動画データを読み出し、当該第1の投稿記事に対応する第1の領域に、前記第1の動画タグ情報に対応する前記第1のフレームを特定して前記第1の動画データを再生表示し、
前記投稿記事が作成済スレッドを指定した第2の投稿記事であり、前記動画データのうちの第2の動画データについての再生指定と、前記第2の動画データの第2のフレームに対応する第2の動画タグ情報の指定とを含む場合、前記第1記憶手段を参照して前記第2の動画データを読み出し、当該第2の投稿記事に対応する、前記第1の領域とは重複しない第2の領域に、前記第2の動画タグ情報に対応する前記第2のフレームを特定して前記第2の動画データを再生表示することを特徴とする端末装置。
【請求項3】
前記端末装置は、ユーザ情報、ユーザが属するグループの情報、グループで共有する動画データ、及びグループで共有する少なくとも1つの動画データに関するスレッドを管理するデータベースを備える情報処理装置と通信可能に構成されており、
さらに、ユーザからの入力に応じて、前記情報処理装置から、前記ユーザが属するグループに対応する動画データ及びスレッドを受信し、前記第1記憶手段、前記第2記憶手段に格納する格納手段を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の端末装置。
【請求項4】
さらに、ユーザからの入力に応じて、前記ユーザが指定する動画データについて、前記情報処理装置に対して、前記ユーザが属するグループに対応づけて前記データベースに登録することを要求する動画データ登録手段を備えることを特徴とする請求項3記載の端末装置。
【請求項5】
さらに、ユーザからの入力に応じて、前記データベースによって管理される動画データについて、前記情報処理装置に対して、前記ユーザが属するグループに対応するスレッドを前記データベースに作成することを要求するスレッド作成手段を備えることを特徴とする請求項3又は4記載の端末装置。
【請求項6】
さらに、ユーザからの入力に応じて、前記データベースによって管理されるスレッドについて、前記情報処理装置に対して、当該スレッドに新しい投稿記事を追加することを要求する記事投稿手段を備えることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項7】
請求項3乃至6のいずれか1項に記載の端末装置と、前記情報処理装置とを備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項8】
動画データを記憶する第1記憶手段を参照し、前記動画データを再生表示する第1表示工程と、
投稿記事の集合であるスレッドを記憶する第2記憶手段を参照し、前記スレッドを表示する第2表示工程であって、前記投稿記事は前記動画データを含まないように構成される、第2表示工程と、を含み、
前記第1表示工程は、
前記投稿記事が新規スレッドの作成を指定した第1の投稿記事であり、前記動画データのうちの第1の動画データについての再生指定と、前記第1の動画データの第1のフレームに対応する第1の注記情報の指定とを含む場合、前記第1記憶手段を参照して前記第1の動画データを読み出し、当該第1の投稿記事に対応する第1の領域に、前記第1の注記情報に基づき前記第1のフレームに注記を重畳させて前記第1の動画データを再生表示し、
前記投稿記事が作成済スレッドを指定した第2の投稿記事であり、前記動画データのうちの第2の動画データについての再生指定と、前記第2の動画データの第2のフレームに対応する第2の注記情報の指定とを含む場合、前記第1記憶手段を参照して前記第2の動画データを読み出し、当該第2の投稿記事に対応する、前記第1の領域とは重複しない第2の領域に、前記第2の注記情報に基づき前記第2のフレームに注記を重畳させて前記第2の動画データを再生表示することを特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
動画データを記憶する第1記憶手段を参照し、前記動画データを再生表示する第1表示工程と、
投稿記事の集合であるスレッドを記憶する第2記憶手段を参照し、前記スレッドを表示する第2表示工程であって、前記投稿記事は前記動画データを含まないように構成される、第2表示工程と、を含み、
前記第1表示工程は、
前記投稿記事が新規スレッドの作成を指定した第1の投稿記事であり、前記動画データのうちの第1の動画データについての再生指定と、前記第1の動画データの第1のフレームに対応する第1の動画タグ情報の指定とを含む場合、前記第1記憶手段を参照して前記第1の動画データを読み出し、当該第1の投稿記事に対応する第1の領域に、前記第1の動画タグ情報に対応する前記第1のフレームを特定して前記第1の動画データを再生表示し、
前記投稿記事が作成済スレッドを指定した第2の投稿記事であり、前記動画データのうちの第2の動画データについての再生指定と、前記第2の動画データの第2のフレームに対応する第2の動画タグ情報の指定とを含む場合、前記第1記憶手段を参照して前記第2の動画データを読み出し、当該第2の投稿記事に対応する、前記第1の領域とは重複しない第2の領域に、前記第2の動画タグ情報に対応する前記第2のフレームを特定して前記第2の動画データを再生表示することを特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータに情報処理方法を実行させるためのプログラムであって、
動画データを記憶する第1記憶手段を参照し、前記動画データを再生表示する第1命令と、
投稿記事の集合であるスレッドを記憶する第2記憶手段を参照し、前記スレッドを表示する第2命令であって、前記投稿記事は前記動画データを含まないように構成される、第2命令と、を含み、
前記第1命令は、
前記投稿記事が新規スレッドの作成を指定した第1の投稿記事であり、前記動画データのうちの第1の動画データについての再生指定と、前記第1の動画データの第1のフレームに対応する第1の注記情報の指定とを含む場合、前記第1記憶手段を参照して前記第1の動画データを読み出し、当該第1の投稿記事に対応する第1の領域に、前記第1の注記情報に基づき前記第1のフレームに注記を重畳させて前記第1の動画データを再生表示し、
前記投稿記事が作成済スレッドを指定した第2の投稿記事であり、前記動画データのうちの第2の動画データについての再生指定と、前記第2の動画データの第2のフレームに対応する第2の注記情報の指定とを含む場合、前記第1記憶手段を参照して前記第2の動画データを読み出し、当該第2の投稿記事に対応する、前記第1の領域とは重複しない第2の領域に、前記第2の注記情報に基づき前記第2のフレームに注記を重畳させて前記第2の動画データを再生表示する
命令を含むことを特徴とするプログラム。
【請求項11】
コンピュータに情報処理方法を実行させるためのプログラムであって、
動画データを記憶する第1記憶手段を参照し、前記動画データを再生表示する第1命令と、
投稿記事の集合であるスレッドを記憶する第2記憶手段を参照し、前記スレッドを表示する第2命令であって、前記投稿記事は前記動画データを含まないように構成される、第2命令と、を含み、
前記第1命令は、
前記投稿記事が新規スレッドの作成を指定した第1の投稿記事であり、前記動画データのうちの第1の動画データについての再生指定と、前記第1の動画データの第1のフレームに対応する第1の動画タグ情報の指定とを含む場合、前記第1記憶手段を参照して前記第1の動画データを読み出し、当該第1の投稿記事に対応する第1の領域に、前記第1の動画タグ情報に対応する前記第1のフレームを特定して前記第1の動画データを再生表示し、
前記投稿記事が作成済スレッドを指定した第2の投稿記事であり、前記動画データのうちの第2の動画データについての再生指定と、前記第2の動画データの第2のフレームに対応する第2の動画タグ情報の指定とを含む場合、前記第1記憶手段を参照して前記第2の動画データを読み出し、当該第2の投稿記事に対応する、前記第1の領域とは重複しない第2の領域に、前記第2の動画タグ情報に対応する前記第2のフレームを特定して前記第2の動画データを再生表示する
命令を含むことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画に関する投稿記事を取り扱う情報処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザによる投稿記事を管理する電子掲示板システムが知られている。電子掲示板システムは通常、投稿記事の集合であるスレッド単位で管理がなされており、端末装置から電子掲示板システムに投稿記事が送信されると、電子掲示板システムにおいて投稿記事がスレッドに追加される。また端末装置からスレッド閲覧要求が送信されると、電子掲示板システムはスレッドに含まれる投稿記事の情報を端末装置に送信し、端末装置において各投稿記事が閲覧できるようにする。電子掲示版システムには、投稿記事として、テキスト情報であるコメントに加え、写真等の画像を取り扱えるものもある(例えば特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-101114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、動画に関する投稿記事を電子掲示板システムで取り扱う場合、動画データは通常、データサイズが大きいことから、動画データを含む記事のアップロードや、スレッドのダウンロードに長時間を要してしまう可能性がある。その結果、記事の投稿やスレッドの閲覧に関するQoE(quality of experience)が低下してしまうという問題が生じる。
【0005】
したがって、本発明の目的は、動画に関する投稿記事を取り扱う場合に、記事投稿やスレッド閲覧に関するQoEを改善する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の端末装置は、動画データを記憶する第1記憶手段と、投稿記事の集合であるスレッドを記憶する第2記憶手段と、前記動画データを再生表示し、前記スレッドを表示するスレッド閲覧手段と、を備え、前記投稿記事は動画データを含まないように構成されており、前記スレッド閲覧手段は、前記投稿記事が前記動画データの再生指定を含む場合、前記第1記憶手段を参照して前記動画データを読み出し、当該投稿記事に対応する領域に前記動画データを再生表示することを特徴とする。
【0007】
前記投稿記事が、前記動画データの再生指定と、前記動画データの所定フレームに対応する注記情報の指定とを含む場合、前記スレッド閲覧手段は、前記注記情報に基づき前記所定フレームに注記を重畳させて前記動画データを再生表示することが望ましい。
【0008】
前記投稿記事が、前記動画データの再生指定と、前記動画データの所定フレームに対応する動画タグ情報の指定とを含む場合、前記スレッド閲覧手段は、前記動画タグ情報に対応する前記所定フレームを特定して前記動画データを再生表示することが望ましい。
【0009】
前記端末装置は、ユーザ情報、ユーザが属するグループの情報、グループで共有する動画データ、及びグループで共有する少なくとも1つの動画データに関するスレッドを管理するデータベースを備える情報処理装置と通信可能に構成されており、さらに、ユーザからの入力に応じて、前記情報処理装置から、前記ユーザが属するグループに対応する動画データ及びスレッドを受信し、前記第1記憶手段、前記第2記憶手段に格納する格納手段を備えることが望ましい。
【0010】
さらに、ユーザからの入力に応じて、前記ユーザが指定する動画データについて、前記情報処理装置に対して、前記ユーザが属するグループに対応づけて前記データベースに登録することを要求する動画データ登録手段を備えることが望ましい。
【0011】
さらに、ユーザからの入力に応じて、前記データベースによって管理される動画データについて、前記情報処理装置に対して、前記ユーザが属するグループに対応するスレッドを前記データベースに作成することを要求するスレッド作成手段を備えることが望ましい。
【0012】
さらに、ユーザからの入力に応じて、前記データベースによって管理されるスレッドについて、前記情報処理装置に対して、当該スレッドに新しい投稿記事を追加することを要求する記事投稿手段を備えることが望ましい。
【0013】
また、本発明の情報処理システムは、前記端末装置と、前記情報処理装置と、を備えることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の情報処理方法は、動画データを記憶する第1記憶手段を参照し、前記動画データを再生表示する第1表示工程と、投稿記事の集合であるスレッドを記憶する第2記憶手段を参照し、前記スレッドを表示する第2表示工程であって、前記投稿記事は前記動画データを含まないように構成される、第2表示工程と、を含み、前記第2表示工程は、前記投稿記事が前記動画データの再生指定を含む場合、前記投稿記事に対応する領域に前記動画データを再生表示することを特徴とする。
【0015】
また、本発明のプログラムは、コンピュータに情報処理方法を実行させるためのプログラムであって、動画データを記憶する第1記憶手段を参照し、前記動画データを再生表示する第1命令と、投稿記事の集合であるスレッドを記憶する第2記憶手段を参照し、前記スレッドを表示する第2命令であって、前記投稿記事は前記動画データを含まないように構成される、第2命令と、を含み、前記第1命令は、前記投稿記事が前記動画データの再生指定を含む場合、前記投稿記事に対応する領域に前記動画データを再生表示する命令を含むことを特徴とする。
【0016】
また、本発明のプログラムは、CD−ROM等の光学ディスク、磁気ディスク、半導体メモリなどの各種の記録媒体を通じて、又は通信ネットワークなどを介してダウンロードすることにより、コンピュータにインストール又はロードすることができる。
【0017】
また、本明細書等において、手段とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その手段が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの手段が有する機能が2つ以上の物理的手段により実現されても、2つ以上の手段の機能が1つの物理的手段により実現されてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、動画に関する投稿記事を取り扱う場合に、記事投稿やスレッド閲覧に関するQoEを改善する技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】情報処理システム100の概略構成を示すブロック図である。
図2】情報処理装置1、端末装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3A】情報処理装置1の機能構成を示すブロック図である。
図3B】端末装置2の機能構成を示すブロック図である。
図4A】データベース10のユーザ情報管理テーブルを示す図である。
図4B】データベース10の動画データ管理テーブルを示す図である。
図4C】データベース10のグループ情報管理テーブルを示す図である。
図4D】データベース10のスレッド管理テーブルを示す図である。
図4E】データベース10の投稿記事管理テーブルを示す図である。
図5】コメント記事、動画コメント記事を説明する図である。
図6】動画タグ情報、注記情報を説明する図である。
図7】動画に関する投稿記事を取り扱う枠組みを説明するためのフローチャートである。
図8】動画に関する投稿記事を取り扱う枠組みを説明するためのフローチャートである。
図9】動画に関する投稿記事を取り扱う枠組みを説明するためのフローチャートである。
図10】動画に関する投稿記事を取り扱う枠組みを説明するためのフローチャートである。
図11A】スレッドの表示例を示す図である。
図11B】スレッドの表示例を示す図である。
図12】付加情報編集欄の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1実施形態)
【0021】
以下に本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0022】
図1は、本発明の実施形態である情報処理システム100の概略構成を示すブロック図である。図に示すように、情報処理システム100は、動画に関する投稿記事を管理する情報処理装置1、動画に関する投稿記事を投稿・閲覧することができる1以上の端末装置2等を備えている。情報処理システム100と各端末装置2とは、所定の通信ネットワークN(LAN、インターネット、専用線、パケット通信網、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線、無線の両方を含む)を介して相互に通信可能に構成されている。
【0023】
このような情報処理システム100は、例えば従来のサーバクライアントシステムの技術を用いて構成することができる。この場合、情報処理装置1は、Webサーバ、AP(アプリケーション)サーバ及びデータベースサーバとして機能し、クライアントとして機能する各端末装置2から例えばHTTPプロトコルに従い送信される所定の要求を受け付けると、この所定の要求に応じた処理を行い、その処理結果を各端末装置2に送信することができる。
【0024】
図2は、情報処理装置1、端末装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。図2に示すように、情報処理装置1や端末装置2は、CPU、記憶装置(ROM、RAM、キャッシュメモリ、外部記憶装置、記憶媒体など)、ユーザインタフェース(キーボード、タッチパネル、表示装置、プリンタなど)、通信インタフェース等のハードウェアを備えるコンピュータにより構成することができる。
【0025】
情報処理装置1は、単一のコンピュータにより構成されるものであっても、ネットワーク上に分散した複数のコンピュータにより構成されるものであってもよい。また端末装置2には、一般的なパソコンや携帯端末、スマートフォンを用いることができる。
【0026】
図3Aは、情報処理装置1の機能構成を示すブロック図である。図3Aに示すように、情報処理装置1は、データベース10、通信部11、制御部12等を含むように構成される。これらの各部は、CPUが記憶装置に記憶された所定のプログラムを実行することにより機能的に実現される。
【0027】
データベース10は、ユーザ情報、ユーザが属するグループの情報、グループで共有する動画データ、及びグループで共有する少なくとも1つの動画データに関する投稿記事の集合であるスレッドなどを格納・管理する。
【0028】
データベース10に格納される動画データの形式は限定されないが、例えば、MPEG形式、MP4形式、AVI形式、MOV形式、ASF形式などが考えられる。
【0029】
図4A〜E。図5図6はデータベース10のデータ構造の一例を示す図である。なお本実施形態ではテーブルを用いたデータ構造について説明するが、データベース10のデータ構造はこのようなテーブルに限定されるものではなく、互いに直接的・間接的に対応づけられた情報について一方をキーに他方を検索できるようなデータ構造であれば足りる。
【0030】
図4Aは、ユーザ情報を管理するテーブル(ユーザ情報管理テーブル)の例を示す。図に示すように、ユーザ情報管理テーブルでは、ユーザの識別情報(以下、IDと呼ぶ)に対応づけて、ユーザ情報(例えば、ユーザ名、ログイン時のパスワード等)、ユーザが属するグループのIDリストなどが管理される。識別情報(ID)は、数字、文字、記号等の組み合わせとすることが考えられるが、これに限定されず、対象を識別できる情報(例えば、名称など)であれば足りる(以下、同様)。
【0031】
図4Bは、動画データを管理するテーブル(動画データ管理テーブル)の例を示す。図に示すように、動画データ管理テーブルでは、動画データのIDに対応づけて、動画データ関連情報(例えば、動画名、作成者名、作成日時等)、動画データなどが管理される。
【0032】
図4Cは、グループ情報を管理するテーブル(グループ情報管理テーブル)を示す。図に示すように、グループ情報管理テーブルでは、グループのIDに対応づけて、グループ情報(例えば、グループ名等)、グループで共有される動画データのIDリスト、グループで共有されるスレッドのIDリストなどが管理される。
【0033】
図4Dは、スレッドを管理するテーブル(スレッド管理テーブル)の例を示す。図に示すように、スレッド管理テーブルでは、スレッドのIDに対応づけて、スレッド情報(例えば、スレッド名等)、主投稿記事のID、投稿記事のIDリストなどが管理される。ここで、主投稿記事とは、スレッドを作成する際に投稿された投稿記事である。なお、本実施形態では、スレッドに1つの主投稿記事を対応づけて管理しているが、複数の主投稿記事を対応づけたり、主投稿記事、投稿記事を区別せずに全て投稿記事として取り扱うように管理したりしてもよい。
【0034】
図4Eは、投稿記事を管理するテーブル(投稿記事管理テーブル)の例を示す。図に示すように、投稿記事管理テーブルでは、投稿記事のIDに対応づけて、投稿記事などが管理される。
【0035】
本実施形態の投稿記事には、コメント記事、動画コメント記事の2種類が存在する。図5に各投稿記事のデータ構造の例を示す。コメント記事、動画コメント記事は、例えばレコード名、レコード形式、レコード内の種別を示す情報などによって区別できるように構成される。
【0036】
コメント記事は、記事を投稿したユーザのユーザID、コメントデータなどを含むことができる。また、動画コメント記事は、記事を投稿したユーザのID、コメントデータ、再生指定対象の動画データのIDを含むことができ、さらに任意で、再生指定対象の動画データに含まれるシーン(フレーム)に対する付加情報のIDリストを含むことができる。動画コメント記事は動画データのIDを含む一方、動画データ自体は含まないように構成されるため、従来のような動画データを含む投稿記事に比べて、短時間で情報処理装置1との間で送受信を完了することができる。
【0037】
本実施形態の付加情報には、動画タグ情報、注記情報の2種類が存在する。図6に各付加情報を管理するテーブル(付加情報管理テーブル)の例を示す。
【0038】
動画タグ情報の管理テーブルでは、付加情報IDとしての動画タグIDに対応づけて、動画タグを付加するフレームの情報、付加する動画タグ(例えば、「アタック」、「要検討」等)などの付加情報が管理される。
【0039】
注記情報の管理テーブルでは、付加情報IDとしての注記IDに対応づけて、注記を付加するフレームの情報、注記を付加するフレームの画像上の位置情報(例えば、座標情報)、位置情報で特定される位置に描画される注記(例えば、「○」等のオープンパス図形データ、矢印等のクローズパス図形データ、スタンプ等の絵柄データ、テキストデータ、それらの組み合わせ)などの付加情報が管理される。
【0040】
通信部11は、通信ネットワークNを介して端末装置2に対して情報を入出力可能に構成されており、例えばPPPドライバ、TCP/IPドライバ等の通信モジュールを備えている。
【0041】
制御部12は、情報処理装置1全体の動作を制御するとともに、ログイン処理、データベース10の更新処理などを実行する(図3A参照)。データベース10の更新処理は、後述する処理のほか、新規ユーザ登録処理、新規グループ登録処理、ユーザのグループ加入処理などを含む。
【0042】
図3Bは、端末装置2の機能構成を示すブロック図である。図3Bに示すように、端末装置2は、通信部21、制御部22などを含むように構成される。これらの各部は、CPUが記憶装置に記憶された所定のプログラムを実行することにより機能的に実現される。
【0043】
通信部21は、通信ネットワークNを介して情報処理装置1に対して情報を入出力可能に構成されており、例えばPPPドライバ、TCP/IPドライバ等の通信モジュールを備えている。
【0044】
制御部22は、端末装置2全体の動作を制御するとともに、記憶装置に記憶される動画関連SNSプログラム(以下、動画アプリと呼ぶ)を実行可能に構成される。
【0045】
動画アプリは、実行された場合に、端末装置2が備える動画処理機能などと協働し、動画データなどを記憶する第1記憶手段、投稿記事の集合であるスレッドなどを記憶する第2記憶手段、動画データやスレッドなどを第1記憶手段、第2記憶手段に格納する格納手段、動画データ登録手段、スレッド閲覧手段、スレッド作成手段、記事投稿手段などの機能手段を実現するための命令を含む(図3B参照)。
【0046】
以下、図7図10に示すフローチャートに基づいて、情報処理システム100によって実現される動画に関する投稿記事を取り扱う枠組みについて説明する。なお、各工程は処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更して又は並列に実行することができる。
【0047】
端末装置2(動画アプリ)は、ユーザからの入力に基づき、情報処理装置1に通信ネットワークNを介してアクセスする(S100)。
【0048】
情報処理装置1は、端末装置2からのアクセスに対し、ログイン処理を実行する(S101)。ログイン処理は、ユーザが、予め登録された正規のユーザであるかどうかを判断(認証)する処理である。例えば、ユーザIDとユーザが選択したパスワードとを対応させてデータベース10のユーザ情報管理テーブルに記憶しておく。そして、ログイン処理時にユーザよりユーザID及びパスワードを受け付け、受け付けた内容と記憶内容とが一致する場合に正規のユーザとして認証する。
【0049】
情報処理装置1は、ログイン処理において正規のユーザとして認証できた場合、認証成功の通知を端末装置2に送信する(S102)。なお、認証失敗した場合はその旨、端末装置2に通知し、ユーザID等の再入力を促すようにすればよい。
【0050】
端末装置2は、情報処理装置1から認証成功の情報を受信した場合、端末装置2の表示装置にメニュー画面を表示し、ユーザからの入力を待機する(S103)。
【0051】
(動画データ登録)
【0052】
端末装置2は、ユーザからメニュー画面を介して、グループを指定した動画データ登録の指示を受け付けた場合、動画受付画面を表示し、ユーザからの動画データの指定を待機する(S104)。
【0053】
端末装置2は、ユーザから動画受付画面を介して動画データの指定を受け付けた場合、指定された動画データを端末装置2の記憶装置から読み出し、前記読み出した動画データ、動画関連情報、ユーザが指定したグループのIDとともに動画データ登録要求を情報処理装置1に送信する(S105)。
【0054】
情報処理装置1は、端末装置2から動画データ、動画関連情報、グループIDとともに動画データ登録要求を受信した場合、新規の動画データIDを生成し、かかる新規の動画データIDを前記受信した動画データに割り当てて、前記受信した動画関連情報とともに動画データ管理テーブルに登録する。
【0055】
また、ユーザ情報管理テーブルを参照して、当該ユーザが指定されたグループに属しているか否かをチェックし、属している場合は、グループ情報管理テーブルを参照して、前記受信したグループIDに対応する動画IDリストに前記割り当てた動画データIDを追加する。情報処理装置1は、一連のデータベース10の更新が完了したら、登録完了を端末装置2に通知する(S106)。なお、ユーザが指定されたグループに属していない場合は、例えばその旨、端末装置2に通知する(以下、同様)。
【0056】
端末装置2は、情報処理装置1から登録完了の通知を受信した場合、S103に戻る。
【0057】
(スレッド作成)
【0058】
端末装置2は、ユーザからメニュー画面を介して、グループを指定したスレッド作成の指示を受け付けた場合、ユーザが指定したグループのIDとともに動画リスト要求を情報処理装置1に送信する(S107)。
【0059】
情報処理装置1は、端末装置2からグループIDとともに動画リスト要求を受信した場合、ユーザ情報管理テーブルを参照して、当該ユーザが指定されたグループに属しているか否かをチェックし、属している場合は、グループ情報管理テーブルを参照して、前記受信したグループIDに対応する動画データのIDリストを取得し、動画データ管理テーブルを参照して、前記取得した動画IDリストに対応する動画名等のリスト情報を取得し、端末装置2に送信する(S108)。
【0060】
端末装置2は、情報処理装置1から動画名等のリスト情報を受信した場合、リスト情報を反映させた動画名一覧欄、コメント入力欄、付加情報編集欄などを含む(又は各欄を表示させることができる)動画編集画面を表示し、ユーザからの入力を待機する(S109)。
【0061】
端末装置2は、ユーザから動画編集画面を介して、動画データの指定及びコメントデータを受け付けた場合、ユーザID、指定された動画データのID、コメントデータに基づき主投稿記事(動画コメント記事)を作成し、スレッド情報、スレッド作成要求とともに情報処理装置1に送信する(S110)。
【0062】
この際に、付加情報編集欄を介してユーザから動画データに対する付加情報(動画タグ情報や注記情報)を受け付けている場合は、当該付加情報も併せて情報処理装置1に送信する。
【0063】
ユーザは、付加情報編集欄において動画データの再生表示や停止を行い、動画を停止させた状態(すなわち、所定のフレームを特定した状態)でソフトウェアキーボードやタッチパネル等のユーザインタフェースを利用することで、そのフレームに対応する動画タグを入力したり、そのフレームに対応する画面上の特定の位置に図形やテキスト等の注記を入力(描画)したりすることができる。図12に付加情報編集欄において動画を停止させて注記や動画タグを入力した場合の表示例を示す。このような動画データの再生表示中に動画タグや注記を入力する技術は、従来の動画編集技術を用いて実現できる。なお、この段階では投稿記事ID、注記ID、動画タグIDはまだ割り当てられていないため、情報処理装置1に送信される主投稿記事、付加情報はそれらのIDを含まない。
【0064】
情報処理装置1は、端末装置2から主投稿記事、スレッド情報とともにスレッド作成要求を受信した場合、新規の投稿記事IDを生成し、かかる新規の投稿記事IDを主投稿記事に割り当てて投稿記事管理テーブルに登録する。また、付加情報を併せて受信している場合は、新規の付加情報IDを生成し、かかる新規の付加情報IDを付加情報に割り当てて付加情報管理テーブルに登録するとともに、その付加情報IDを投稿記事管理テーブルの主投稿記事に対応する付加情報IDリストに追加する。
【0065】
また、新規のスレッドIDを生成し、かかる新規のスレッドIDに対応づけて、主投稿記事に割り当てた投稿記事ID(主投稿記事ID)、前記受信したスレッド情報をスレッド管理テーブルに登録する。また、グループ情報管理テーブルを参照して、S108で受信したグループIDに対応するスレッドIDリストに、前記生成したスレッドIDを追加する。情報処理装置1は、一連のデータベース10の更新が完了したら、スレッド作成完了を端末装置2に通知する(S111)。
【0066】
端末装置2は、情報処理装置1からスレッド作成完了の通知を受信した場合、S103に戻る。
【0067】
(スレッド閲覧)
【0068】
端末装置2は、ユーザからメニュー画面を介して、グループを指定したスレッド閲覧の指示を受け付けた場合、ユーザが指定したグループのIDとともにスレッド一覧要求を情報処理装置1に送信する(S112)。
【0069】
情報処理装置1は、端末装置2からグループIDとともにスレッド一覧要求を受信した場合、ユーザ情報管理テーブルを参照して、当該ユーザが指定されたグループに属しているか否かをチェックし、属している場合は、グループ情報管理テーブルを参照して、前記受信したグループIDに対応するスレッドのIDリストを取得し、前記取得したスレッドIDリストに基づいて対応するスレッド名等のリスト情報を取得し、端末装置2に送信する(S113)。
【0070】
端末装置2は、情報処理装置1からスレッド名等のリスト情報を受信した場合、リスト情報を反映させたスレッド名一覧欄などを含むスレッド選択画面を表示し、ユーザからの入力を待機する(S114)。
【0071】
端末装置2は、ユーザからスレッド選択画面を介してスレッドの選択を受け付けた場合、選択されたスレッドのIDを、情報処理装置1に送信する(S115)。
【0072】
情報処理装置1は、端末装置2からスレッドIDを受信した場合、スレッド情報管理テーブルを参照して、当該スレッドIDに対応する主投稿記事のID、投稿記事のIDを特定し、投稿記事管理テーブル、動画データ管理テーブル、付加情報管理テーブルを参照して、前記特定した主投稿記事や投稿記事のIDに基づき、各投稿記事の集合であるスレッドと、主投稿記事や動画コメント記事に対応する動画データや付加情報とを取得し、端末装置2に送信する(S116)。
【0073】
端末装置2は、情報処理装置1からスレッド等を受信した場合、主投稿記事や動画コメント記事に対応する動画データ、動画データに関する付加情報を、それぞれのIDに対応づけて第1記憶手段に格納し、スレッドを第2記憶手段に格納する。また、表示装置にスレッドを表示し(第2表示工程)、新規投稿記事の入力を待機する(S117)。待機中にスレッド閲覧終了が指示された場合は例えばS103に戻る。
【0074】
端末装置2は、スレッドを表示する場合、スレッド表示領域と投稿操作領域とを表示することができる。スレッド表示領域では、最初に主投稿記事を表示し、続いて投稿された順に各投稿記事を表示することができる。投稿操作領域は、動画データの指定や付加情報の入力を行う動画編集画面に移行する動画指定ボタン、コメントデータを入力するためのコメント入力欄、記事を投稿する(情報処理装置1に送信する)ための投稿ボタンなどを含んで構成することができる。
【0075】
図11A図11Bにスレッドの表示例を示す。図11Aは、主投稿記事が表示されている状態の表示例を示し、図11Bは、コメント記事と動画コメント記事とが表示されている状態の表示例を示す。同図に示すように、スレッド表示領域に全ての投稿記事を表示できない場合は、スレッド表示領域にスクロールバーを表示し、ユーザのスクロールバーの操作に応じて第2記憶手段から表示対象となる投稿記事を読み出して表示することができる。
【0076】
端末装置2は、スレッドを表示する場合、第1記憶手段を参照して主投稿記事に対応する動画データを読み出し、スレッド表示領域内の主投稿記事に対応する領域(例えば、主投稿記事のコメントデータ表示領域に隣接する領域)、又はスレッド表示領域外の主投稿記事に対応する領域(例えば、スレッド表示領域とは別に動画データ再生領域を設ける場合は、その動画データ再生領域内に設定した主投稿記事に対応する領域)に、主投稿記事に対応する動画データの再生表示を行う(第1表示工程)(図11A参照)。この場合、端末装置2は、ユーザからの入力に応じて再生表示を開始しても良いし、所定の条件に従って自動的に再生表示を開始しても良い。
【0077】
端末装置2は、投稿記事が動画コメント記事である場合、動画データの再生指定を含む投稿記事であると判断し、第1記憶手段を参照して動画コメント記事に対応する動画データを読み出し、スレッド表示領域内の投稿記事に対応する領域(例えば、投稿記事のコメントデータ表示領域に隣接する領域)、又はスレッド表示領域外の投稿記事に対応する領域(例えば、スレッド表示領域とは別に動画データ再生領域を設ける場合は、その動画データ再生領域内に設定した、表示中の各投稿記事に対応する領域)に、動画コメント記事に対応する動画データの再生表示を行う(第1表示工程)(図11B参照)。この場合、端末装置2は、ユーザからの入力に応じて再生表示を開始しても良いし、所定の条件に従って自動的に再生表示を開始しても良い。
【0078】
動画コメント記事が注記IDリストを含む場合、端末装置2は、注記情報の指定を含む投稿記事であると判断し、第1記憶手段を参照して注記IDリストに対応する注記情報を読み出し、当該注記情報に基づいて、対応する注記が、対応するフレームの対応する位置に重畳された動画データを再生表示することができる。このような動画データに注記を重畳して再生する技術は、従来の動画編集・再生技術を用いて実現できる。
【0079】
また動画コメント記事が動画タグIDリストを含む場合、端末装置2は、動画タグ情報の指定を含む投稿記事であると判断し、第1記憶手段を参照して動画タグIDリストに対応する動画タグ情報を読み出し、当該動画タグ情報に基づいて、動画データ内の、ユーザから受け付けた動画タグに対応するフレームを特定し、前記特定したフレームを静止状態で再生表示したり、前記特定したフレームから動画データの再生表示を開始したりすることができる。このような動画タグに対応するフレームの特定や、特定したフレームに応じて再生表示する技術は、従来の動画編集・再生技術を用いて実現できる。
【0080】
(記事投稿)
【0081】
端末装置2は、ユーザから投稿記事の作成指示を受け付けた場合(例えば、投稿操作領域においてコメント入力があった場合)、投稿記事を作成し、情報処理装置1に送信する(S118)。投稿記事を作成する際に、ユーザが動画指定ボタンを押下した場合、端末装置2は、S109で説明したような動画名一覧欄、付加情報編集欄を含む編集画面を表示し、ユーザから動画データの指定や付加情報の入力を受け付けることができる。この場合、ユーザは、主投稿記事に対応する動画データを指定しても良いし、主投稿記事に対応する動画データと異なる動画データをしても良い。
【0082】
端末装置2は、投稿記事の入力として、動画データを指定せずにコメントが入力された場合は、コメント記事を作成する。また、動画データを指定してコメントが入力された場合は、動画コメント記事を作成する。
【0083】
端末装置2は、動画コメント記事を作成する際に、付加情報編集欄を介してユーザから動画データに対する付加情報の入力を受け付けた場合は、当該付加情報も併せて情報処理装置1に送信する。ユーザは、付加情報編集欄において動画データの再生表示や停止を行い、動画を停止させた状態(すなわち、所定のフレームを特定した状態)でソフトウェアキーボードやタッチパネル等のユーザインタフェースを利用することで、そのフレームに対応する動画タグを入力したり、そのフレームに対応する画面上の特定の位置に図形やテキスト等の注記を入力(描画)したりすることができる。なお、この段階では投稿記事ID、注記ID、動画タグIDはまだ割り当てられていないため、情報処理装置1に送信される投稿記事、付加情報はそれらのIDを含まない。
【0084】
情報処理装置1は、端末装置2から投稿記事を受信した場合、新規の投稿記事IDを生成し、かかる新規の投稿記事IDを投稿記事に割り当てて投稿記事管理テーブルに登録する。また、付加情報を併せて受信している場合は、新規の付加情報IDを生成し、かかる新規の付加情報IDを付加情報に割り当てて付加情報管理テーブルに登録するとともに、その付加情報IDを投稿記事管理テーブルの前記受信した投稿記事に対応する付加情報IDリストに追加する。
【0085】
また、スレッド情報管理テーブルを参照して、S116で端末装置2に送信したスレッドに対応する投稿記事IDリストに前記割り当てた投稿記事IDを追加する。情報処理装置1は、一連のデータベース10の更新が完了したら、更新したスレッドの情報を端末装置2に送信する(S119)。
【0086】
端末装置2は、更新したスレッドの情報を受信した場合、スレッドの表示を更新し、ユーザからの入力を待機すべく、例えばS117に戻る。
【0087】
このように本実施形態の枠組みによれば、動画データに関する投稿記事は、動画データのIDや付加情報のIDを含む一方、動画データやその付加情報については含まないように構成されるため、従来のような動画データや付加情報を含む投稿記事を取り扱う場合に比べて、短時間で記事の投稿やスレッドの取得を完了することが可能となり、記事投稿やスレッド閲覧に関する高いQoEを実現することができる。
【0088】
また、本実施形態の枠組みによれば、動画データに関する投稿記事を表示する際に、スレッド表示領域内などの投稿記事に対応する領域に、動画データを再生表示するため、ユーザは、動画データを含む投稿記事が表示されているかのように違和感なくスレッドを閲覧することができる。
【0089】
また、本実施形態の枠組みによれば、動画データ、スレッド、投稿記事、付加情報が、グループIDに直接又は間接的に対応づけて管理されるため、例えばスポーツのチームをグループとして登録することで、練習中や試合などの動画について、チームメンバーで動画データ、スレッド、投稿記事、付加情報を共有することが可能となる。これにより、例えば他のメンバーが指定した動画データや、他のメンバーが作成した動画タグ、注記を参照しながらコメントすることが容易となり、チームメンバー間での密度の高いコミュニケーションを実現することができる。
【0090】
[その他の実施形態]
【0091】
本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。
【0092】
例えば、上記実施形態では、動画データを指定して動画コメント記事を投稿する形態について説明しているが、動画データだけでなく、その動画データに関してデータベース10に登録されている付加情報も併せて指定し、動画コメント記事を投稿できるように構成してもよい。この場合、指定した付加情報をベースに編集した付加情報を含むように動画コメント記事を作成したり、指定した付加情報や新たに作成した付加情報などの複数の付加情報を含むように動画コメント記事を作成したりすることが考えられる。
【0093】
また例えば、上記実施形態では、グループに対応づけて動画データ、スレッド、付加情報を取り扱う形態について説明しているが、グループに階層を設けて、サブグループに対応づけて動画データ、スレッド、付加情報を取り扱う構成としてもよい。例えば学校の運動部をグループとして登録した場合、「1年生基礎練習」、「オフェンス部屋」、「ディフェンス部屋」といった一部の部員から構成されるサブグループを設定し、動画データについてはグループに対応づけて管理する一方、スレッドや付加情報はサブグループに対応づけて管理することが考えられる。
【符号の説明】
【0094】
100:情報処理システム、N:ネットワーク、1:情報処理装置、2:端末装置、10:データベース、11、21:通信部、12、22:制御部
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12