(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1測定電極は、前記ストリップが長手方向に延長される方向に対して、斜めに延長されることを特徴とする請求項1に記載のカリウムイオン測定のためのストリップ構造体。
前記第2測定電極は、前記ストリップが長手方向に延長される方向に対して、斜めに延長されることを特徴とする請求項4に記載のカリウムイオン測定のためのストリップ構造体。
帯状に延長される電極であり、一側は、前記カリウムイオン選択的透過膜の外側に配置され、他側は、前記ストリップの表面に配置される基準電極をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のカリウムイオン測定のためのストリップ構造体。
前記第1測定電極と前記カリウムイオン選択的透過膜との間は、電解物質で充填されることを特徴とする請求項1に記載のカリウムイオン測定のためのストリップ構造体。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、カリウムイオン測定のためのストリップ構造体に係り、カリウムイオン選択的透過膜と測定電極とを含むストリップを使用することにより、体内のカリウムイオンを短時間に簡単に測定することができるカリウムイオン測定のためのストリップ構造体に関する。以下、添付された図面を参照し、本発明の望ましい実施形態について詳細に説明する。
【0021】
本発明の実施形態で使用することができる溶液10は、血液または尿でもある。ただし、それらに限定されるものではなく、溶液10は、カリウムが含まれる特定溶液でもある。
【0022】
図1は、基準電極と測定電極とを介して、カリウムイオンの濃度を測定する方法を示す図面である。
図1を参照すれば、カリウムイオンを含む溶液10をストリップ110に十分な量だけ落とせば、溶液10は、一定時間の間カリウムイオン選択的透過膜130に入っていき、そのために、カリウムイオンだけが選択的に濾過される。
【0023】
ここで、前記カリウムイオン選択的透過膜130は、測定電極140を覆っているものであり、測定電極140は、カリウムイオンだけが選択的に濾過された溶液10と接触していることになる。基準電極151は、前記カリウムイオン選択的透過膜130近くに位置しているものであり、前記カリウムイオン選択的透過膜130を介して濾過される前の溶液10と接触していることになる。
【0024】
そのように、前記カリウムイオン選択的透過膜130を使用することにより、基準電極151と測定電極140とにおいては、カリウム濃度により、電圧差(ポテンシャル(potential))(V)が異なって示され、それを感知し、溶液10のカリウムイオン濃度を測定することができることになる。
【0025】
図1は、測定電極140と、カリウムイオン選択的透過膜130を含むストリップ110と、基準電極151とを介して、カリウムイオン濃度を測定する方法を概略的に示したものであり、本発明の実施形態によれば、基準電極151は、ストリップ110と別途に分離されている測定装置150(
図5)にも含まれる。また、必要によっては、基準電極151は、ストリップ110に含まれてもよい。以下、本発明の望ましい実施形態について詳細に説明する。
【0026】
図2及び
図3を参照すれば、本発明の実施形態による、カリウムイオン測定のためのストリップ構造体は、ストリップ110、投入口120、カリウムイオン選択的透過膜130、第1測定電極140を含んでもよい。
【0027】
図2を参照すれば、前記ストリップ110には、内部に溶液10を収容することができる内部空間111が形成されており、プレート状でもある。前記ストリップ110は、一回限り使用のストリップが使用され、ポリジメチルシロキサン(PDMS:polydimethylsiloxane)からなってもよい。
【0028】
前記ストリップ110には、溶液10が収容される内部空間111が形成されており、前記内部空間111に、カリウムイオン選択的透過膜130、第1測定電極140が配置される。前記内部空間111に溶液10を落とせば、溶液10は、前記内部空間111に配置されているカリウムイオン選択的透過膜130を透過した後、第1測定電極140と接触することになる。
【0029】
後述するが、前記ストリップ110は、測定装置150に挿し込まれて使用することができるものであり、一回限り使用するものである。前記ストリップ110は、一回限り使用することにより、簡便に、体内のカリウムイオン濃度測定が可能になり、再使用しないことにより、正確度を向上させることができる。
【0030】
前記投入口120は、前記ストリップ110に形成されるものであり、溶液10を、前記ストリップ110の前記内部空間111に投入することができる入口になる。前記投入口120は、前記内部空間111と連通されており、前記投入口120を介して溶液10を投入すれば、前記投入口120を経て、前記内部空間111に溶液10が投入されることになる。
【0031】
前記投入口120は、前記ストリップ110上面において、円形状になる孔(pore)でもあるが、それに限定されるものではなく、前記内部空間111と連通されながら、前記内部空間111に溶液10を投入することができるものであるならば、多様な地点に配置される。後述するが、前記投入口120は、前記ストリップ110側面にも配置され、毛細管現象を利用するために、前記投入口120は、前記内部空間111の厚みより小さな細い管(毛細管)からなってもよい。
【0032】
前記カリウムイオン選択的透過膜130は、前記内部空間111に配置されるものであり、溶液10のカリウムイオンを透過させることができるものである。前記カリウムイオン選択的透過膜130は、カリウムイオンだけを選択的に透過させるものであり、前記投入口120を介して投入された溶液10は、前記内部空間111に投入されながら、前記カリウムイオン選択的透過膜130を通る。
【0033】
前記カリウムイオン選択的透過膜130は、酢酸セルロースを含み、天然高分子由来物質からなってもよい。具体的には、バリノマイシン(Valinomycin)を含む酢酸セルロースが使用される。前述のように、前記ストリップ110は、一回限り使用後に廃棄されるものである。従って、前記カリウムイオン選択的透過膜130は、値段が廉価であり、廃棄されたとき、分解が早い天然物質を使用することが望ましい。
【0034】
図4を参照すれば、前記カリウムイオン選択的透過膜130は、二重透過膜からなってもよい。具体的には、前記カリウムイオン選択的透過膜130は、保護透過膜132と透過膜131とを含んでなってもよい。
【0035】
前記保護透過膜132には、電気放射などの方法を介して孔が形成されており、それを介して、溶液10を濾過することができる。前記保護透過膜132は、前記カリウムイオン選択的透過膜130を保護しながら、カリウムイオンを含む溶液10が集まることができるところになる。
【0036】
前記透過膜131は、イオン輸送能がある物質であるバリノマイシン133を含み、前記バリノマイシン133を介して、前記保護透過膜132にあるカリウムイオンのみを選択的に濾過することができる。すなわち、前記保護透過膜132にあるカリウムを含む溶液10において、カリウムイオンだけが選択的に、前記透過膜131で濾過されるようにしながら、カリウムイオンを分離することができる。前記透過膜131は、PVC透過膜からなってもよく、前記透過膜131は、酢酸セルロース透過膜からなってもよい。
【0037】
前記第1測定電極140は、帯状に延長される電極であり、一側は、前記カリウムイオン選択的透過膜130の内側に配置され、他側は、前記ストリップ110表面に配置される。ここで、前記カリウムイオン選択的透過膜130の内側とは、溶液10が、前記カリウムイオン選択的透過膜130を経て透過された地域を言う。
【0038】
さらに具体的には、
図3を参照すれば、前記内部空間111に設けられている前記カリウムイオン選択的透過膜130を中心に、前記投入口120に向かう方向が外側になり、その反対方向が内側になる。前記第1測定電極140の一側は、前記カリウムイオン選択的透過膜130に内側に配置されながら、カリウムイオンだけが選択的に透過されたところと接触することになる。
【0039】
前記第1測定電極140は、帯状に延長される電極であり、前記第1測定電極140は、前記カリウムイオン選択的透過膜130の内側から、前記ストリップ110表面まで延長される。
図3のように、前記第1測定電極140の他側は、前記ストリップ110の外部(表面)に露出されるように、前記ストリップ110表面に配置されることが望ましい。
【0040】
後述するが、前記ストリップ110は、測定装置150に挿入されながら、前記測定装置150に含まれる基準電極151を利用し、カリウムイオンを測定することができる。前記ストリップ110が、前記測定装置150に挿入されるとき、前記第1測定電極140が、前記測定装置150に接触してこそ、カリウムイオン濃度測定が可能になるので、前記第1測定電極140は、前記ストリップ110の外部に露出されなければならず、そのために、前記第1測定電極140の他側は、前記ストリップ110の表面に配置されることが望ましい。
【0041】
図5を参照すれば、本発明の実施形態による、カリウムイオン測定のためのストリップ構造体は、基準電極151を含み、前記ストリップ110が挿入される挿入口152を含む測定装置150をさらに含んでなってもよい。前記測定装置150は、前記ストリップ110と分離されており、前記ストリップ110を、前記測定装置150の前記挿入口152に挿入することにより、カリウムイオンを測定することができる。
【0042】
そのように、前記第1測定電極140を含む前記ストリップ110と、前記基準電極151を含む前記測定装置150とを分離し、前記ストリップ110を一回限りで使用することにより、ユーザが短時間で簡単にカリウムイオンを測定するだけではなく、一般的な家庭でも、簡単に使用することができるという長所がある。ここで、
図2に図示された前記基準電極151は、前記ストリップ110に含まれているもではなく、前記測定装置150に含まれている前記基準電極151を示す。
図2の前記基準電極151は、前記ストリップ110が、前記測定装置150に挿入されたとき、前記基準電極151が配置される位置を示す。
【0043】
図5を参照すれば、前記測定装置150は、前記基準電極151を含むものであり、前記基準電極151には、白金(Pt)や塩化銀(Agcl)が使用される。前記測定装置150の前記挿入口152は、前記測定装置150内部に前記ストリップ110を挿入するための孔であり、前記ストリップ110の形状に対応する形状にもなる。
【0044】
前記挿入口152を介して、前記ストリップ110を前記測定装置150内部に挿入すれば、前記基準電極151は、前記内部空間111に挿入されるが、このとき、前記基準電極151は、前記カリウムイオン選択的透過膜130を中心に外側に配置されることになる。
【0045】
すなわち、前記第1測定電極140は、前記カリウムイオン選択的透過膜130を中心に内側に配置され、前記基準電極151は、前記カリウムイオン選択的透過膜130を中心に外側に配置される。内側にある溶液10は、前記カリウムイオン選択的透過膜130を経たために、内側と外側は、カリウムイオンの濃度差が発生し、該濃度差によって発生する電圧差(V)を、前記基準電極151と前記第1測定電極140とを介して測定することにより、溶液10内のカリウムイオン濃度を測定することができる。
【0046】
本発明の他の実施形態によれば、前記投入口120は、前記ストリップ110の側面にも形成される。
図6及び
図7を参照すれば、前記投入口120は、前記ストリップ110の上面ではない側面にも形成される。前記投入口120は、前記内部空間111の厚みより小さく形成されている毛細管(細管)からなることが望ましく、それを介して毛細管現象を利用することができる。
【0047】
具体的には、前記投入口120に溶液10を投入すれば、毛細管現象により、前記投入口120内部に、溶液10が少ない量でも容易に投入される。前記投入口120は、複数個の前記毛細管からなってもよく、このとき、前記投入口120は、多孔質(複数個の前記毛細管)の孔からなってもよい。
【0048】
本発明の他の実施形態によれば、前記第1測定電極140は、前記ストリップ110が長手方向に延長される方向に対して、斜めにも延長される。前記第1測定電極140は、
図3のように、前記ストリップ110の長手方向と平行方向に延長されるが、
図7のように、前記第1測定電極140は、前記ストリップ110が長手方向に延長される方向に対して、上向き斜めに延長されることが望ましい。ただし、前記ストリップ110の長手方向は、プレート状である前記ストリップ110において、横方向にもなり、縦方向は、幅方向にもなる。
【0049】
そのように、前記第1測定電極140を、前記ストリップ110が長手方向に延長される方向に対して、斜めに延長させることは、前記第1測定電極140上に配置される前記カリウムイオン選択的透過膜130の形成のためである。前記カリウムイオン選択的透過膜130は、前記第1測定電極140上に配置されながら形成されるが、そのとき、前記カリウムイオン選択的透過膜130は、溶液状で、前記第1測定電極140上部に置かれた後、乾燥されて形成される。
【0050】
このとき、前記第1測定電極140が、前記ストリップ110の長手方向と水平した方向だけに配置されていれば、溶液状の前記カリウムイオン選択的透過膜130は、前記第1測定電極140に沿って続けて流れ、所望の位置において、正確に前記カリウムイオン選択的透過膜130を形成することができなくなる。
【0051】
しかし、
図7のように、前記第1測定電極140を、前記ストリップ110が長手方向に延長される方向に対して、斜め上向き延長させれば、前記第1測定電極140を介して、詰まり空間(壁)が形成される。それを介して、溶液状の前記カリウムイオン選択的透過膜130が流れずに乾燥することになり、前記カリウムイオン選択的透過膜130を、所望位置に正確に配置することができる。
【0052】
本発明の他の実施形態による、カリウムイオン測定のためのストリップ構造体は、前記内部空間111に配置され、溶液10の異物を濾過することができる血液フィルタ透過膜170をさらに含み、帯状に延長される電極において一側は、前記血液フィルタ透過膜170内側に配置され、他側は、前記ストリップ110表面に配置される第2測定電極160をさらに含んでもよい。
【0053】
図7を参照すれば、前記血液フィルタ透過膜170は、前記カリウムイオン選択的透過膜130より外側に配置され、前記カリウムイオン選択的透過膜130に溶液10が濾過される前、血液内の白血球、赤血球のように、大きい物質を先にフィルタリングすることができる。
【0054】
溶液10に大きい物質がある場合、前記カリウムイオン選択的透過膜130において、カリウムイオンを選択的に透過させる効率が落ちてしまうという問題がある。前記血液フィルタ透過膜170は、そのような問題を防止するためのことであり、溶液10が前記血液フィルタ透過膜170を先に経ることにより、さらに正確なカリウムイオン濃度を測定することができる。
【0055】
前記血液フィルタ透過膜170が、前記カリウムイオン選択的透過膜130の外側に配置されるということは、前記投入口120と前記カリウムイオン選択的透過膜130との間に前記血液フィルタ透過膜170が配置されるということであり、前記血液フィルタ透過膜170が、前記カリウムイオン選択的透過膜130より前記投入口120に近く配置されることにより、溶液10を先に濾過することができる。
【0056】
前記第2測定電極160は、帯状に延長される電極であり、一側は、前記血液フィルタ透過膜170内側に配置され、他側は、前記ストリップ110表面に配置される。具体的には、前記第2測定電極160は、前記血液フィルタ透過膜170と前記カリウムイオン選択的透過膜130との間に配置されるものであり、前記血液フィルタ透過膜130で溶液10を濾過した後、特定の他物質を測定するためにも設けられる。具体的には、前記血液フィルタ透過膜170を通過することができる物質を測定することができる。
【0057】
前記第2測定電極160を介して、特定の他物質を測定するためには、前記測定装置150が使用され、前記ストリップ110が前記測定装置150に挿入されながら、特定の他物質が測定される。このとき、前記測定装置150には、別途の第2基準電極が含まれる。従って、前記第2測定電極160も、前記第1測定電極140と同様に、前記ストリップ110の外部に露出されなければならず、そのために、前記第2測定電極160の他側は、前記ストリップ110の表面に配置されることが望ましい。
【0058】
図7を参照すれば、前記第2測定電極160は、前記第1測定電極140と同様に、前記ストリップ110が長手方向に延長される方向に対して、斜めに延長されることが望ましい。それは、前記第2測定電極160上に配置される前記血液フィルタ透過膜170形成のためである。
【0059】
前記血液フィルタ透過膜170は、前記第2測定電極160上に配置されながら形成されることができるが、このとき、前記血液フィルタ透過膜170を溶液状で、前記第2測定電極160上部においた後、乾燥させて形成される。このとき、前記第2測定電極160が、前記ストリップ110の長手方向と水平方向だけに配置されていれば、溶液状の前記血液フィルタ透過膜170は、前記第2測定電極160に沿って続けて流れるようになり、所望位置に正確に前記血液フィルタ透過膜170を形成することができない。
【0060】
しかし、
図7のように、前記第2測定電極160を、前記ストリップ110が長手方向に延長される方向に対して、斜め上向き延長させれば、前記第2測定電極160を介して詰まり空間が形成されることになる。それを介して、溶液状の前記血液フィルタ透過膜170が流れずに乾燥され、前記血液フィルタ透過膜170を、所望位置に正確に配置させることになる。
【0061】
本発明の実施形態によれば、前記第2測定電極160は、溶液10において、特定の他物質を測定するときに使用することができ、必要によっては、省略されて使用することができるということは言うまでもない。
【0062】
本発明の実施形態によれば、前記ストリップ110は、前記ストリップ110表面に配置され、前記内部空間111と連通される挿入ホール112を含んでもよい。前記挿入ホール112は、前記ストリップ110が、前記測定装置150に挿入されるとき、前記測定装置150の前記基準電極151が挿入される孔であり、前記基準電極151は、前記挿入ホール112を介して、前記内部空間111に置かれることになる。このとき、前述のように、前記基準電極151は、前記カリウムイオン選択的透過膜150を中心に外側に配置されることができる。
【0063】
前述の本発明の実施形態による、カリウムイオン測定のためのストリップ構造体は、次のように作動することができる。まず、溶液10を、前記投入口120を介して、前記内部空間111に投入する。前記投入口120は、前記ストリップ110の上面に配置されることもでき、前記ストリップ110の側面に配置されることもできる。
【0064】
前記投入口120は、前記内部空間111の厚みより小さく形成されている毛細管からなることが望ましく、それを介して、少量の溶液10を、毛細管現象を介して、前記内部空間111内部に投入することができる。
【0065】
溶液10が、前記内部空間111に十分な量で投入されれば、一定時間の間、溶液10のカリウムイオンが、前記カリウムイオン選択的透過膜130を通過し、前記カリウムイオン選択的透過膜130を中心に、内側及び外側において、カリウムイオン濃度差が発生する。ここで、該外側は、前記カリウムイオン選択的透過膜130を中心に、前記投入口120に向かう方向であり、該内側は、その反対方向である。
【0066】
その後、前記ストリップ110を、前記測定装置150の前記挿入口152を介して挿入すれば、前記測定装置150の前記基準電極151は、前記カリウムイオン選択的透過膜130を中心に外側に配置される。
【0067】
前記カリウムイオン選択的透過膜130を中心に、内側と外側とにおいて、カリウムイオン濃度差によって電圧差(V)が発生することになるが、前記カリウムイオン選択的透過膜130を中心に、外側に配置される前記基準電極151と、前記カリウムイオン選択的透過膜130を中心に、内側に配置される前記第1測定電極140とがそれを測定し、電圧差(V)を介して、カリウムイオンの濃度を検出することができる。
【0068】
前述の本発明の実施形態による、カリウムイオン測定のためのストリップ構造体は、次のように変形されても使用される。
【0069】
図8及び
図9を参照すれば、前記測定装置150に含まれている基準電極151は、前記ストリップ110に含まれてもよい。すなわち、前記基準電極151は、前記測定装置150に含まれてもよく、前記ストリップ110に含まれてもよく、その両方に含まれてもよい。
【0070】
具体的には、本発明の他の実施形態によれば、
図8及び
図9のように、前記測定装置150に、基準電極151を形成するのではなく、前記ストリップ110に、基準電極151を形成することもできる。前記基準電極151は、帯状に延長される電極であり、一側は、前記カリウムイオン選択的透過膜130の外側にも配置され、他側は、前記ストリップ110表面にも配置される。
【0071】
この場合、前記測定装置150には、前記基準電極151が含まれず、前記測定装置150には、電圧差(ポテンシャル)(V)を測定することができる装置だけが形成される。
【0072】
前記基準電極151の一側は、前記カリウムイオン選択的透過膜130の外側に配置され、最外側にも配置される。もし前記第2測定電極160及び前記血液フィルタ透過膜170を使用するならば、前記基準電極151は、前記第2測定電極160及び前記血液フィルタ透過膜170の外側にも配置される。
【0073】
前記ストリップ110に、前記基準電極151が含まれる場合、前記基準電極151も、前記第1測定電極140及び前記第2測定電極160と同様に、前記ストリップ110の外部に露出されなければならず、そのために、前記基準電極151の他側は、前記ストリップ110の表面に配置されることが望ましい。また、
図8及び
図9を参照すれば、前記基準電極151も、前記ストリップ110が長手方向に延長される方向に対して、斜めに延長されることが望ましい。
【0074】
前記基準電極151は、塩化銀(AgCl)のように、基準電極151で使用される物質を、前記ストリップ110の形態に合うように蒸着させながら形成するものであり、Agフィルム(Ag film)を利用し、前記基準電極151を形成した後、前記ストリップ110を挿入する方法で形成することもできる。
【0075】
図9を参照すれば、本発明の実施形態による、カリウムイオン測定のためのストリップ構造体の前記第1測定電極140と、前記カリウムイオン選択的透過膜130との間には、イオンに解離されて電流を流す電解物質180が充填されてもよい。具体的には、前記電解物質180は、溶液状またはゲル状にもなり、前記電解物質180は、ヒドロゲル(hydrogel)でもある。ここで、前記電解物質180は、ヒドロゲルに限定されるものではなく、イオンに解離されて電流を流す物質であるならば、多様な物質が使用される。
【0076】
そのように、前記第1測定電極140と前記カリウムイオン選択的透過膜130との間を前記電解物質180で充填すれば、血液内部に存在するカリウムイオンのセンシング正確度を高めることにより、血液内部の存在するカリウムイオンを正確に測定することができるという長所がある。また、
図9を参照すれば、前記第2測定電極160と前記血液フィルタ透過膜170との間にも、イオンに解離され電流を流す電解物質180が充填されてもよい。
【0077】
図10を参照すれば、本発明の実施形態による、カリウムイオン測定のためのストリップ構造体は、次のように変形されて使用することもできる。前記第1測定電極140及び前記基準電極151には、前記ストラップ110の前記投入口120地点において、帯状によってなる前記第1測定電極140及び前記基準電極151の幅より広い表面積を有する第1測定電極接触部140aと基準電極接触部151aとが形成される。
【0078】
前記第1測定電極接触部140aと前記基準電極接触部151aは、金属蒸着方式を介しても形成され、前記第1測定電極接触部140aと前記基準電極接触部151aとが形成されれば、前記投入口120を介して注入される溶液10と、前記第1測定電極140及び前記基準電極151との接触面積を広げることができる。
【0079】
前記第1測定電極接触部140aと前記基準電極接触部151aは、前記溶液10と、前記第1測定電極140及び前記基準電極151との接触面積を広げることができるものであるならば、多様な形状にもなる。
【0080】
例えば、前記第1測定電極接触部140aは、前記投入口120において、円形状にもなり、前記基準電極接触部151aは、眉毛形態にもなる。ただし、前記第1測定電極接触部140aと前記基準電極接触部151aは、それらに限定されるものではなく、前記溶液10と、前記第1測定電極140及び前記基準電極151との接触面積を広げることができるものであるならば、多様な形状にもなる。
【0081】
図10のように、前記第1測定電極140及び前記基準電極151に、前記第1測定電極接触部140a及び前記基準電極接触部151aが形成されている場合、前記第1測定電極140及び前記基準電極151は、層を形成しながら、前記ストラップ110にも配置される。
【0082】
例えば、前記投入口120において、前記基準電極接触部151a、前記第1測定電極接触部140a、前記カリウムイオン選択的透過膜130、前記血液フィルタ透過膜170は、層を形成しながらも配置される。前記投入口120に、前記基準電極接触部151aが配置され、前記基準電極接触部151a下部に、前記血液フィルタ透過膜170が配置される。前記血液フィルタ透過膜170下部には、前記カリウムイオン選択的透過膜130が配置され、前記カリウムイオン選択的透過膜130下部に、前記第1測定電極接触部140aが配置される。
【0083】
すなわち、本発明の他の実施形態によれば、前記第1測定電極140及び前記基準電極151は、層を形成しながら、前記ストラップ110に配置されるとき、前記投入口120においては、前記基準電極接触部151a・前記血液フィルタ透過膜170・前記カリウムイオン選択的透過膜130・前記第1測定電極接触部140aのように層が形成されながらも配置される。
【0084】
それを介して、前記溶液10と、前記第1測定電極140及び前記基準電極151との接触面積を広げながら、前記血液フィルタ透過膜170を介して、血液の異物を濾過することができ、前記基準電極151・前記カリウムイオン選択的透過膜170・前記第1測定電極140を介して、血液のカリウム濃度を測定することができる。
【0085】
前述の本発明の実施形態による、カリウムイオン測定のためのストリップ構造体は、次のような効果がある。
【0086】
従来には、体内のカリウム濃度を測定するためには、病院またはセンターを訪問し、血液検査、心電図検査などを進めなければならなかったために、多くの時間がかかるという問題点があった。しかし、本発明の実施形態による、カリウムイオン測定のためのストリップ構造体は、電圧測定が可能な測定装置150と、一回限り使用のストリップ110とを介して、体内のカリウム濃度を手軽に常時測定することができるという長所がある。
【0087】
さらに具体的には、本発明の実施形態による、カリウムイオン測定のためのストリップ構造体は、第1測定電極140を含むストリップ110と、基準電極151を含む測定装置150とを分離させ、ストリップ110を一回限りで使用することにより、ユーザが、病院またはセンターを訪問せずに、家庭において、手軽にカリウム濃度を測定することができるという長所がある。
【0088】
また、従来には、体内のカリウム濃度を測定するために血液検査、心電図検査などを進めなければならなかったために、過程が複雑であり、長時間が必要となったが、本発明の実施形態による、カリウムイオン測定のためのストリップ構造体は、カリウムイオン選択的透過膜130と第1測定電極140とを使用するストリップ110に、溶液10を落とす方法で、簡単に体内のカリウムイオンを測定することができるという長所がある。
【0089】
また、体内のカリウム濃度を測定する装置は、大きくて携帯し難く、家庭で使用し難かったが、本発明の実施形態による、カリウムイオン測定のためのストリップ構造体は、一回限り使用のストリップ110と互換されて電圧を測定することができる測定装置150を小型に作製することにより、手軽に使用することができるという長所がある。
【0090】
それを介して、常時、体内のカリウム濃度を管理しなければならない患者が、手軽に迅速に、家庭でカリウム濃度を測定しながら、カリウム濃度を常時モニタリングすることができるという長所がある。
【0091】
そのように、本発明は、図面に図示された実施形態を参照して説明したが、それらは、例示的なものに過ぎず、当該技術分野において当業者であるならば、それらから多様な変形、及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解するであろう。従って、本発明の真の技術的保護範囲は、添付された特許請求の範囲の技術的思想によって決められるものである。
【0092】
(付記)
(付記1)
カリウムイオンを測定するためのストリップ構造体において、
内部に溶液を収容することができる内部空間が形成されており、プレート状であるストリップと、
前記ストリップに形成され、溶液を前記ストリップの前記内部空間に投入することができる投入口と、
前記内部空間に配置され、溶液のカリウムイオンを透過させることができるカリウムイオン選択的透過膜と、
帯状に延長される電極であり、一側は、前記カリウムイオン選択的透過膜の内側に配置され、他側は、前記ストリップの表面に配置される第1測定電極と、
を含むことを特徴とするカリウムイオン測定のためのストリップ構造体。
【0093】
(付記2)
基準電極を含み、前記ストリップが挿入される挿入口を含む測定装置をさらに含み、
前記測定装置は、前記ストリップと分離されており、前記ストリップを前記測定装置の前記挿入口に挿入することにより、カリウムイオンを測定することができる、
ことを特徴とする付記1に記載のカリウムイオン測定のためのストリップ構造体。
【0094】
(付記3)
前記第1測定電極は、前記ストリップが長手方向に延長される方向に対して、斜めに延長されることを特徴とする付記1に記載のカリウムイオン測定のためのストリップ構造体。
【0095】
(付記4)
前記内部空間に配置され、溶液の異物を濾過することができる血液フィルタ透過膜と、
帯状に延長される電極であり、一側は、前記血液フィルタ透過膜の内側に配置され、他側は、前記ストリップの表面に配置される第2測定電極と、
をさらに含み、
前記血液フィルタ透過膜は、前記投入口と前記カリウムイオン選択的透過膜との間に配置され、
前記第2測定電極の一側は、前記血液フィルタ透過膜と前記カリウムイオン選択的透過膜との間に配置される、
ことを特徴とする付記1に記載のカリウムイオン測定のためのストリップ構造体。
【0096】
(付記5)
前記第2測定電極は、前記ストリップが長手方向に延長される方向に対して、斜めに延長されることを特徴とする付記4に記載のカリウムイオン測定のためのストリップ構造体。
【0097】
(付記6)
前記投入口は、前記内部空間の厚みより小さく形成されている毛細管からなることを特徴とする付記1に記載のカリウムイオン測定のためのストリップ構造体。
【0098】
(付記7)
前記投入口は、複数個の前記毛細管を含んでなることを特徴とする付記6に記載のカリウムイオン測定のためのストリップ構造体。
【0099】
(付記8)
前記カリウムイオン選択的透過膜は、酢酸セルロースを含むことを特徴とする付記1に記載のカリウムイオン測定のためのストリップ構造体。
【0100】
(付記9)
前記ストリップは、前記ストリップの表面に配置され、前記内部空間と連通される挿入ホールを含み、
前記ストリップが前記測定装置に挿入されるとき、前記測定装置の前記基準電極が、前記挿入ホールに挿入されることを特徴とする付記2に記載のカリウムイオン測定のためのストリップ構造体。
【0101】
(付記10)
帯状に延長される電極であり、一側は、前記カリウムイオン選択的透過膜の外側に配置され、他側は、前記ストリップの表面に配置される基準電極をさらに含むことを特徴とする付記1に記載のカリウムイオン測定のためのストリップ構造体。
【0102】
(付記11)
前記第1測定電極と前記カリウムイオン選択的透過膜との間は、電解物質で充填されることを特徴とする付記1に記載のカリウムイオン測定のためのストリップ構造体。