特許第6861451号(P6861451)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6861451殺菌フィルターおよび殺菌フィルターセット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6861451
(24)【登録日】2021年4月1日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】殺菌フィルターおよび殺菌フィルターセット
(51)【国際特許分類】
   B01D 39/14 20060101AFI20210412BHJP
   A61L 9/16 20060101ALI20210412BHJP
   B01D 46/10 20060101ALI20210412BHJP
   D04H 1/4234 20120101ALI20210412BHJP
   D04H 1/4382 20120101ALI20210412BHJP
   F24F 1/0073 20190101ALI20210412BHJP
【FI】
   B01D39/14 G
   A61L9/16 F
   B01D46/10 B
   D04H1/4234
   D04H1/4382
   F24F1/0073
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2020-552431(P2020-552431)
(86)(22)【出願日】2020年6月29日
(86)【国際出願番号】JP2020025513
【審査請求日】2020年9月28日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519185498
【氏名又は名称】株式会社グローバルテックコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100143111
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 秀夫
(74)【代理人】
【識別番号】100189876
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 将晴
(72)【発明者】
【氏名】山元和徳
【審査官】 中村 泰三
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−311111(JP,A)
【文献】 実開昭63−136717(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3125904(JP,U)
【文献】 特開平05−154317(JP,A)
【文献】 実開平02−052034(JP,U)
【文献】 実開昭59−064150(JP,U)
【文献】 特開2011−083549(JP,A)
【文献】 特開2004−114044(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 9/01
A61L 9/16
B01D 39/14
B01D 46/10
D04H 1/4234
D04H 1/4382
F24F 1/0073
F24F 1/035
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気循環機の吸気側の面を覆う殺菌フィルターであって、
前記殺菌フィルターは、殺菌性不織布と滑り止めシート体とからなり、
前記殺菌性不織布が、銅繊維と銅繊維以外の繊維とを有し、銅繊維が銅繊維以外の繊維と絡み合ってなり、
前記銅繊維が、直径15μm以上30μm以下の銅繊維とされ、前記殺菌性不織布に5重量%以上15重量%以下の銅繊維が含まれ、
前記銅繊維以外の繊維が、ポリエステル樹脂製の繊維を含み、前記殺菌性不織布にポリエステル樹脂製の繊維が少なくとも80重量%以上含まれ、
前記滑り止めシート体が、前記面の形状に馴染みやすい柔軟な網目状シート体とされると共に、ポリプロピレンの芯糸の周囲をポリ塩化ビニールで覆った網目状シート体とされ、通気開口率が30%以上50%以下とされ、厚さが1.5mm以上2.5mm以下とされ、
前記殺菌性不織布の周囲が、前記滑り止めシート体の一方の面に縫合されている、
ことを特徴とする殺菌フィルター。
【請求項2】
前記殺菌性不織布が、前記滑り止めシート体の一方の全面を覆い、格子状に交差する方向に所定の間隔で縫合されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の殺菌フィルター。
【請求項3】
前記殺菌性不織布が長尺形状とされ、
複数の長尺形状の殺菌性不織布が、その幅と同じ幅の隙間をあけて繰り返し、前記滑り止めシート体の一方の面に配列されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の殺菌フィルター。
【請求項4】
殺菌フィルターセットであって、
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の殺菌フィルターと、浮き上がり抑制手段とからなり、
前記浮き上がり抑制手段が、複数の針体とされ、
前記針体が頭部につまみ部を有し、
空気循環機に前記殺菌フィルターを取付けた状態で、前記殺菌フィルターの四隅部の近傍に、各々の前記針体が異なる傾斜角度で斜めに差し込まれて、空気循環機から前記殺菌フィルターの浮き上がりが抑制される、
ことを特徴とする殺菌フィルターセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気循環機の吸気側に取り付けられる殺菌フィルターおよび殺菌フィルターセットに関する。詳細には、銅繊維と銅繊維以外の繊維とを所定の割合で含んだ殺菌作用を有する殺菌性不織布と、通気性を有する滑り止めシート体とを縫合させ、殺菌性を有する柔軟な平面状体とさせ、様々な形状の空気循環機の吸気側に、容易に取り付けることができる汎用性のある殺菌フィルターおよび殺菌フィルターセットに関する。
【0002】
銅繊維以外の繊維とは、化学繊維、天然繊維に限定されず、無機繊維であってもよい。滑り止めシート体とは、物を載置させた状態で傾けても、物が滑りにくい程度の滑り摩擦抵抗を有するポリ塩化ビニール等の高分子化合物からなるシート体であればよい。縫合とは、ミシン縫いが好適であるが限定されない。
【0003】
金属の銅は、古くから殺菌力を有することが知られている。非特許文献1によれば、1996年に流行したO−157の菌を培養させた寒天に、銅板、黄銅板を触れさせた実験を行い、銅板、黄銅板のまわりでは菌がまったく発育しないという実験結果となったとされている。また、A型インフルエンザウイルスを銅の表面に接触させた実験によれば、1時間後に75%のウイルスが死滅し、6時間後にはウイルスが0.025%まで減少し、著しい不活化の効果が得られたとされている。
【0004】
また、非特許文献2によれば、感染症の原因となる細胞が銅に接触すると数分で死滅することが実験により示されている。具体的にはメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の細胞は、ステンレス板の上では数週間以上も生存するが、銅板の上では約10分経過後に全ての細胞が死滅したことが紹介されている。
【0005】
また、英国の病院において、特定の病棟で、ドアの取手や電気のスイッチなどの備品や什器をすべて銅に取り替えたところ、その病棟の細菌が90%以上減少したことが紹介されている。塩素や過酸化水素などの洗浄剤は即効性があっても効果が持続しにくいが、銅の効果は何か月も継続したとされ、接触する物の表面を銅とすれば、表面が清潔に保たれ、院内感染の減少に寄与するとされ、銅が細菌を死滅させ、減少させる有用な物質であることが紹介されている。
【0006】
特許文献1には、一対のカバー部材の間に、超極細銅繊維を組み込んだ塵埃捕捉用の不織布部材を介挿した殺菌性集塵フィルターの技術が開示されている。特許文献1に記載の技術によれば、従来の塵埃捕捉用布状体と銅ミクロファイバとを個別に配設したフィルターに比べて殺菌効果が高く、薄膜の銅合金を被覆させたフィルターに比べて、劣化されにくく、殺菌寿命も長く、通気性も低下されないとされている。
【0007】
特許文献1には、車両用のクーリングユニットの空気流通経路を横断するようにフィルターが配された実施例が示されている。しかし、不織布部材が一対のカバー部材の間に組込まれる物であるため、いろいろな場所で使用されている形状が異なる空気調和機のフィルターに置き換える又は取り付けることができないため、汎用性がないという課題があった。
【0008】
特許文献2には、空気清浄機能を有する中芯が段ボール形状とされた空気清浄部材の技術が開示されている。特許文献2に記載の技術によれば、中芯をなす不織布の材質は金属繊維等の無機繊維であってもよいとされ、中芯に抗菌作用を付与する抗菌剤としては、有機銅系の抗菌剤、銀や亜鉛等の金属も示されている。
【0009】
しかし、特許文献2に記載のフィルターは、段ボール形状の中芯の少なくとも片面に平面状のライナを接着して構成されている。そのためこの技術に記載のフィルターは、ゆるやかに湾曲させた状態とすることはできず、湾曲した形状とされている空気調和機のフィルターに置き換える又は取り付けることができないため、汎用性がないという課題があった。
【0010】
地球温暖化による気象変動の影響もあり、近年感染症が流行しやすくなっている。例えば、2002年から2003年にかけて中国南部から世界32の地域と国にわたり重症急性呼吸器症候群(SARS)の感染が拡がり、2012年には中東地域で中東呼吸器症候群(MERS)が流行した。そして2019年末には新型コロナウイルス(COVID−19)の感染が確認されてから2020年の時点で、世界的大流行の状態となっている。
【0011】
特に、新型コロナウイルス(COVID−19)は感染力が強く、人の咳の飛沫が室内の空気循環により、室内に居る周囲の人にも感染が広がることが知られている。一方、地球温暖化に伴い人が生活する環境においては、冷暖房設備による空気調和が不可欠となっており、空間の大きさや用途に応じて様々な形態の空気循環機が使用されている。住宅、病院等の建物の室内はもちろんのこと、自動車、船舶、航空機等の移動体においても空気調和が必要なことは勿論のことであり、同一空間に感染者がいる可能性がある場合であっても空気調和設備は必要とされている。
【0012】
そこで、本願の発明者は、人が生活する環境において使用中の空気調和設備等の空気循環機に簡単に取付けることができる汎用性のある殺菌フィルターを提供することを課題とした。ここで空気循環機は、冷暖房用又は汚染物質を除去する空気浄化器に限定されず、室内のエアサーキュレータ、扇風機等であってもよい。また、空気循環機が使用される対象は建物に限定されず、船舶、航空機等であってもよく、対象の用途は、居室、病室、倉庫、動物飼育場等であってもよく、限定されないことは勿論のことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開平5−154317号
【特許文献2】特開2003−311111号
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】一般社団法人日本銅センター(http://www.jcda.or.jp/)の出版物「銅の超抗菌性能」http://www.jcda.or.jp/feature/tabid/88/Default.aspx
【非特許文献2】英国サウサンプトン大学「銅のもつ殺菌力の実証実験」https://www.youtube.com/watch?v=XbqzXQXj9-I
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、銅繊維と銅繊維以外の繊維とを所定の割合で含んだ殺菌作用を有する殺菌性不織布と、通気性を有する滑り止めシート体とを縫合させ、殺菌性を有する柔軟な平面状体とさせ、様々な形状の空気循環機の吸気側に、容易に取り付けることができる汎用性のある殺菌フィルターおよび殺菌フィルターセットを提供することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の第1の発明は、空気循環機の吸気側の面を覆う殺菌フィルターであって、前記殺菌フィルターは、殺菌性不織布と滑り止めシート体とからなり、前記殺菌性不織布が、銅繊維と銅繊維以外の繊維とを有し、銅繊維が銅繊維以外の繊維と絡み合ってなり、前記銅繊維が、直径15μm以上30μm以下の銅繊維とされ、前記殺菌性不織布に5重量%以上15重量%以下の銅繊維が含まれ、前記銅繊維以外の繊維が、ポリエステル樹脂製の繊維を含み、前記殺菌性不織布にポリエステル樹脂製の繊維が少なくとも80重量%以上含まれ、前記滑り止めシート体が、前記面の形状に馴染みやすい柔軟な網目状シート体とされると共に、ポリプロピレンの芯糸の周囲をポリ塩化ビニールで覆った網目状シート体とされ、通気開口率が30%以上50%以下とされ、厚さが1.5mm以上2.5mm以下とされ、前記殺菌性不織布の周囲が、前記滑り止めシート体の一方の面に縫合されていることを特徴としている。
【0017】
本発明によれば、銅繊維の直径が30μm以下の極細線であり、殺菌性不織布に5重量%以上の銅繊維がふくまれているため、殺菌フィルターを通過した気体と銅繊維との接触面積が大きく、殺菌効果が得られやすいという効果を奏する。また、殺菌性不織布に、ポリエステル樹脂製の繊維が80重量%以上含まれているため、殺菌性不織布が縮みにくく端部が捲れ上がりにくい。銅繊維以外の繊維に、カーボン繊維、ガラス繊維が含まれていてもよい。
【0018】
網目状シート体は、ポリプロピレンの芯糸の周囲をポリ塩化ビニールで覆った網目状シート体が好適であるが限定されず、天然ゴム、シリコン樹脂、ウレタン樹脂などを材質とする網目状シート体であってもよい。縫合は、ミシン糸等により機械的に縫合させればよい。
【0019】
前記滑り止めシート体が、ポリプロピレンの芯糸の周囲をポリ塩化ビニールで覆った網目状シート体とされ、通気開口率が30%以上50%以下とされ、厚さが1.5mm以上2.5mm以下とされていると好適である。
【0020】
滑り止めシート体の厚さが約2mmであるため、空気調和機の湾曲された形状のフィルターに重ねるように載せた場合でも、空気調和機のフィルターの形状に馴染みやすく、滑りにくく、ずれにくいという有利な効果を奏する。また、通気開口率が約40%とされているため、通気抵抗が小さく、空気流通を妨げにくい。

【0021】
第1の発明によれば、殺菌性不織布の周囲が滑り止めシート体に縫合され一体にされているため、殺菌性不織布の端部が捲れあがりにくく、空気循環機の吸気側の一方の全面に、その形状に沿わせて馴染みよく取り付けることができる。
【0022】
なお、殺菌性不織布と網目状をなす滑り止めシート体とは、ミシン糸等により縫合させ、接着剤を使わないで一体にされているため、網目の孔が塞がれず、空気流通が阻害されないだけでなく、空気循環の際に揮発性有機化合物を発生させない。また、繊維の表面に有機銅を付着加工したフィルターに比して、銅自体を繊維としてフィルターの素材としているため、耐用性が長いという効果も奏する。
【0023】
本発明の第2の発明は、第1の発明の殺菌フィルターにおいて、前記殺菌性不織布が、前記滑り止めシート体の一方の全面を覆い、格子状に交差する方向に所定の間隔で縫合されていることを特徴としている。第2の発明において、直線状に切断する場合には、縫合間隔は約8cm以下であればよく、円形形状に切り出す場合には、縫合間隔は約5cm以下とすればよいが限定されない。第3の発明によれば、殺菌フィルターが格子状に縫合されているため、任意の形状に切断させた状態でも、切断端部の殺菌性不織布が捲れあがりにくいという有利な効果を奏する。
【0024】
本発明の第3の発明は、第1又は第2の発明の殺菌フィルターにおいて、前記殺菌性不織布が長尺形状とされ、複数の長尺形状の殺菌性不織布が、その幅と同じ幅の隙間をあけて繰り返し、前記滑り止めシート体の一方の面に配列されていることを特徴としている。
【0025】
第3の発明によれば、通気の負荷を軽減できるため、動力が小さい空気循環機にも適用できるという効果を奏する。また第4の発明の殺菌性不織布を一対にし、一方の殺菌性不織布を一幅分ずらして、他方の殺菌性不織布の隙間に合わせて向かい合わせ、重ね合わせる。そうすると、全面に殺菌性不織布が配され、滑り止めシート体に挟まれた殺菌フィルターとすることもできる。殺菌フィルターの両面に滑り止めシート体が配されるため、例えばエアサーキュレータの背面に取り付け、外側から周囲をゴムバンドで係止するようにすれば、殺菌フィルターは、エアサーキュレータの背面からもずれにくく、ゴムバンドも外れにくいという効果を奏する。
【0026】
本発明の第4の発明は、殺菌フィルターセットであって、第1から第3の発明の殺菌フィルターと、浮き上がり抑制手段とからなり、前記浮き上がり抑制手段が、複数の針体とされ、前記針体が頭部につまみ部を有し、空気循環機に前記殺菌フィルターを取付けた状態で、前記殺菌フィルターの四隅部の近傍に、各々の前記針体が異なる傾斜角度で斜めに差し込まれて、空気循環機から前記殺菌フィルターの浮き上がりが抑制されることを特徴としている。
【0027】
第4の発明によれば、例えば、クルーザ船などの移動体に設置された空気調和機の吸気側に載置させた殺菌フィルターが浮き上がることがなく、外れにくいという有利な効果を奏する。針体の頭部につまみ部が備えられているため、殺菌フィルターを取り外して掃除する際にも、針体を引き抜くことが容易であると共に針体を紛失しにくい。
【発明の効果】
【0028】
・本発明の第1の発明によれば、滑り止めシート体の厚さが約2mmであるため、湾曲された空気調和機のフィルターに重ねるように載せた場合でも、空気調和機のフィルターの形状に馴染みやすく、滑りにくく、ずれにくいという有利な効果を奏する。また、通気開口率が約40%とされているため、通気抵抗が小さく、空気循環機の負荷となりにくい。また、殺菌性不織布の端部が捲れあがりにくく、空気循環機の吸気側の全面に、その形状に沿わせて馴染みよく取り付けることができると共に、網目の孔が塞がれず、空気流通が阻害されないだけでなく、空気循環の際に揮発性有機化合物を発生させず、耐用性が長いという有利な効果を奏する。また、銅繊維の直径が30μm以下の極細線であり、殺菌性不織布に5重量%以上の銅繊維がふくまれているため、殺菌フィルターを通過した気体と銅繊維との接触面積が大きく、殺菌効果が得られやすいという効果を奏する。
【0029】
・本発明の第2の発明によれば、殺菌フィルターが格子状に縫合されているため、任意の形状に切断させた状態でも、切断端部の殺菌性不織布が捲れあがりにくいという有利な効果を奏する。
・本発明の第3の発明によれば、通気の負荷を軽減できるため、動力が小さい空気循環機にも適用できるという効果を奏する。
・本発明の第4の発明によれば、例えば、クルーザ船などの移動体に設置された空気調和機の吸気側に載置させた殺菌フィルターが浮き上がることがなく、外れにくいという有利な効果を奏する。針体の頭部につまみ部が備えられているため、殺菌フィルターを取り外して掃除する際にも、針体を引き抜くことが容易であると共に針体を紛失しにくい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】殺菌フィルターの構成の説明図(実施例1)。
図2】殺菌フィルターを任意の形状に加工する例の説明図(実施例1)。
図3】殺菌フィルターの構成の説明図(実施例2)。
図4】殺菌フィルターを壁面設置型の空気調和設備に取り付けた例の説明図(実施例3)。
図5】殺菌フィルターを天井埋込型の空気調和設備に取り付けた例の説明図(実施例3)。
図6】殺菌フィルターをエアサーキュレータに取り付けた例の説明図(実施例4)。
【発明を実施するための形態】
【0031】
銅繊維と銅繊維以外の繊維とを所定の割合で含んだ殺菌性不織布と、滑り止めシート体をなす柔軟な網目状シート体とを縫合させ殺菌フィルターとさせた。殺菌性不織布と滑り止めシート体とがいずれも柔軟であるため、空気循環機の吸気側の面が平坦でない場合でも取り付けられる汎用性の高い殺菌フィルターとされる。殺菌フィルターを格子状に縫合させておくと、任意の形状に切断させた場合であっても、殺菌性不織布の端部が捲れあがりにくく、より汎用性を高くできる。
【実施例1】
【0032】
実施例1においては、殺菌性不織布と滑り止めシート体とが縫合されてなる殺菌フィルター1を、図1及び図2を参照して説明する。図1(A)図は、殺菌性不織布と滑り止めシート体を説明する斜視図を示している。図1(B)図は、滑り止めシート体の他の例の図1(A)図の破線部分の一部拡大図である。図1(C)図は、殺菌フィルターを説明する斜視図を示している。図1(D)図は、図1(C)図のA−A位置の一部拡大断面図を示している。図1(A)図及び図1(B)図においては、理解を容易にするため、滑り止めシート体の通気開口部を着色し、芯糸の一部のみを破線で示している。図2の各図は、殺菌フィルターを切断して使用する例を示している。
【0033】
同一の大きさの殺菌性不織布10と滑り止めシート体20とが縫合され、殺菌フィルター1とされる(図1(A)図,図1(C)図参照)。殺菌性不織布10は、滑り止めシート体20の一方の面全体を覆い、ミシン糸30により殺菌性不織布10の周囲11,11・・・が縫合されると共に、内側12が格子状をなすように交差する方向に所定の間隔をあけて縫合されている。縫合の間隔が狭いと自由な形状に湾曲させにくくなるため5cm以上が好適であり、縫合の間隔が広いと切断した際に端部が捲れ上がりやすくなるため8cm以下が好適であるが、限定されない。
【0034】
殺菌性不織布10は、銅繊維と、主としてポリエステル樹脂製の繊維とが絡み合ってなり、銅繊維が8重量%の割合で含有されると共に、殺菌性不織布全体に略均一に分散されている。銅繊維の直径は30μm以下とされた極細の金属繊維糸とした。銅繊維以外の92重量%が収縮されにくいポリエステル樹脂製の繊維とされることにより、空気循環機の吸気側の面の形状にあわせて任意の形状に切断させた際に、殺菌性不織布の端部が捲れあがりにくい。
【0035】
殺菌性不織布10の組成は、銅繊維が少なくとも5重量%、ポリエステル樹脂製の繊維が少なくとも80重量%含まれていればよく、例えば、銅繊維が13.2重量%、ポリエステル樹脂製の繊維が81.4重量%、ポリウレタン樹脂製の繊維が5.4重量%からなる殺菌性不織布であってもよい。この場合には、ポリウレタン樹脂製の繊維が柔軟であることから、殺菌性不織布をより柔軟にさせることができる。
【0036】
殺菌性不織布の製造方法は限定されず、乾式法、湿式法に限定されないが、ポリエステル樹脂繊維の一部を熱で溶かして繊維をからませた状態とするとよい。ポリエステル繊維以外の繊維としては、ポリウレタン樹脂繊維、ポリプロピレン樹脂繊維等の熱可塑性樹脂とすると好適であるが、ガラス繊維、カーボン繊維、レーヨン等の天然繊維が配合されてもよい。
【0037】
殺菌性不織布は、銅が極細の銅繊維とされ、不織布に均一に分散されているため、殺菌性不織布に含まれる銅の重量割合が同一であっても、銅の表面積を大きくさせることができる。これにより、ウイルスが含まれる飛沫の粒子が空気と共に殺菌性不織布を通過される際に、ウイルスを殺菌性能のある銅に接触させやすく、効率的に殺菌作用を発揮させることができる。
【0038】
本実施例においては、銅繊維の直径を約30μmの極細とさせたが、これに限定されない。例えば、銅繊維の直径をより細くし15μmとさせれば、殺菌性不織布に銅繊維をより均一に分散させることができ、ウイルスが銅繊維に付着されやすくなり、殺菌機能を向上させることができる。なお、殺菌性不織布が柔軟な状態とされれば、銅繊維の直径を30μmよりも太くさせてもよい。
【0039】
滑り止めシート体20は、格子状に配列されたポリプロピレンの芯糸21の周囲を、滑り止めをなすポリ塩化ビニールで覆って網目状シート体とされている(図1(A)図,図1(D)図参照)。網目状シート体は、平面視において略正方形形状の滑り止め部22,22・・・と、通気開口23,23・・・とが交互に配列されて、通気開口率が約40%とされている。
【0040】
網目状シート体の厚さは、空気循環機の吸気側の面の形状に馴染みやすいように約2mmの厚さとすると好適である。滑り止めシート体20が、柔軟であると共に摩擦力が高いポリ塩化ビニール樹脂からなることにより、殺菌性不織布10と滑り止めシート体20とをミシン糸30で縫合させることが容易である。
【0041】
滑り止めシート体20の材質を、柔軟な素材とさせると共に、通気開口率を高くさせ、かつ、滑り止めシート体の厚さを薄くさせたことにより、滑り止めシート体が空気循環機の吸気側の面の形状に馴染みやすい。滑り止めシート体の材質、通気開口率、夫々の滑り止め部の形状等は、例示であってこれに限定されず、例えば材質がウレタン樹脂等であってもよい。
【0042】
また、芯糸は等間隔で配置される格子状に限定されず、二方向に伸びる芯糸24,25の一方の芯糸24,24,24・・・が、狭い間隔と広い間隔とが交互に繰り返された格子状であってもよい(図1(B)図参照)。滑り止め部26は、芯糸24,25を覆って、ポリ塩化ビニールの一部が膨らんだ状態とされ、膨らんだ部分が滑り止め対象に接して滑らない状態とされる。
【0043】
次に、殺菌フィルター1を任意の形状に加工する例を、図2の各図を参照して説明する。図2(A)図は、細長く伸びる殺菌フィルター1を切断し、長さを調整させる例を示している。図2(B)図は、殺菌フィルター1を円形形状に切断させる例を示している。図2(C)図は、二枚の殺菌フィルター1,1をステープラ用つづり針40により継ぎ合わせる例を示している。
【0044】
殺菌フィルター1は、柔軟であるため、鋏で任意の形状に切断することができ、また周囲11だけでなく内側12も格子状に縫合されているため切断端部13の殺菌性不織布が捲れ上がりにくい(図2(A)図参照)。そのため、空気循環機の種類・形状に限定されず、吸気側の面の形状・大きさに合わせた殺菌フィルターとさせることができる。ミシン糸30の格子の間隔を狭くさせておくと、円形形状に切り出して加工させる場合に適している(図2(B)図参照)。例えば、格子状とされた縫合の間隔を約5cmとさせれば、円形形状に切り出しても殺菌性不織布と網目状シート体の夫々の切断端部14が、分れて捲れあがりにくく好適である。
【0045】
空気循環機の吸気面が大きい場合には、複数の殺菌フィルター1,1を継ぎ合わせてもよい(図2(C)図参照)。殺菌フィルターは、縫合により継ぎ合わされてもよいが、二枚の殺菌フィルターの端部15,15を重ねて、ステープラ用のつづり針40を適宜の間隔で打ち込んで簡易に継ぎ合わせても、殺菌効果が妨げられない。
【実施例2】
【0046】
実施例2においては、複数の長尺形状の殺菌性不織布が隙間をあけて配列されている殺菌フィルター2の例を、図3を参照して説明する。図3(A)図は、殺菌フィルターの平面図を示している。図3(B)図は、一対の殺菌フィルターを重ね合わせている状態を説明する説明図を示している。実施例2においては、実施例1と相違する構成のみを説明し、共通する構成については同一の符号を付して説明を省略している。
【0047】
殺菌フィルター2は、複数の長尺形状の殺菌性不織布50,50・・・が、その幅と同じ幅の隙間51,51をあけて繰り返し、滑り止めシート体20の一方の面に配列されている。殺菌フィルター2は、殺菌性不織布の周囲のみを滑り止めシート体と縫合させているが、内側を格子状に縫合させてもよい。
【0048】
殺菌フィルター2には、通気面の約1/2に殺菌性不織布5を備えさせ、通気抵抗が小さくされている。送風能力が低い小さな空気循環機には、殺菌フィルター2を一重にして空気循環機の吸気側に取り付けるようにすれば、空気の流通が確保される。実施例2の殺菌フィルター2は、送風能力が小さい空気循環機で殺菌効果を作用させるに好適である。
【0049】
また、殺菌フィルター2,2を一対にし、一方の殺菌フィルター2を殺菌性不織布50の一幅分ずらして、他方の殺菌フィルターの隙間51に合わせて重ね合わせてもよい(図3(B)図参照)。そうすると、全面に殺菌性不織布50,50・・・が配され、滑り止めシート体20,20に両側から挟まれた殺菌フィルターとすることができる。そうすると吸気側の面の形状がゆるやかな湾曲面をなしている空気循環機に殺菌フィルター2を取り付けても、周囲を係止させるゴムバンド・紐等が吸気側の面から滑りにくく、より簡単に殺菌フィルター2を取り付けることができる。
【実施例3】
【0050】
実施例3においては、殺菌フィルターセット3を、図4及び図5を参照して説明する。図4の各図は、殺菌フィルターセット3を、壁面設置型の空気調和機に取り付ける例を示している。図4(A)図は斜視図を示し、図4(B)図は、図4(A)図のA−A位置の断面による説明図を示している。図4(C)図は、図4(B)図において一点鎖線の範囲の一部拡大図を示している。
【0051】
図5の各図は、殺菌フィルターセット3を、天井埋込型の空気調和機に取り付ける例を断面により説明する説明図を示している。図5(A)図は、殺菌フィルターセットを取付ける状態を示し、図5(B)図は、殺菌フィルターセットを取付けて空気を循環させている状態を示している。
【0052】
壁面設置型の空気調和機100は、天面に吸気側開口部101を覆う集塵フィルター102を備えている。空気調和機100は天面に吸気側開口部101を有し、下方に温度調整させた空気を送り出す送風側開口103を有し、天面に沿ってゆるやかに湾曲される集塵フィルター102が装着されている。そして、吸気側開口部101と送風側開口部103との間に、冷媒管と並行に配列された放熱フィンとからなる熱交換器(図示を省略している)と、シロッコファン104とが配置されている。
【0053】
集塵フィルター102は薄い網体とされ、空気調和機の天面から前方にゆるやかに湾曲されて、本体部105と化粧パネル106との隙間107の略中間位置まで垂れ下げられている。また、空気調和機は、集塵フィルターの内面側に沿って摺動される掃除用ブラシ108を有している。集塵フィルター102の塵を除去させる清掃運転の際には、掃除用ブラシ108が集塵フィルターの内面側に沿って回転されながら摺動され(図4(B)図矢印参照)、付着された塵を掃き出している。
【0054】
殺菌フィルターセット3は、殺菌フィルター1と浮き上がり抑制手段をなす複数の針体60とされる。針体60は、頭部につまみ部61(図4(C)図参照)を有している。つまみ部61は、つまみやすい大きさとされ、着色されていると好適である。針62の長さは、殺菌性不織布10と、滑り止めシート体20と、集塵フィルター102とを斜めに貫通し、先端が集塵フィルターに僅かに貫通する長さであればよい(図4(C)図参照)。針体60が、厚さのある滑り止めシート体20を斜めに貫通した状態とされているため、空気調和機の清掃運転の際に、掃除用ブラシ108が集塵フィルター102の内面側に沿って回転されながら摺動されても、針体が引き抜け落ちることがない。
【0055】
殺菌フィルターセット3は、殺菌フィルター1の前方の長辺端部を本体部105と化粧パネル106との隙間107に差し込ませるようにして、殺菌フィルター1全体が集塵フィルター102を覆うように重ねられ、殺菌フィルター1の天面部の前方部と後方部の両側二か所の四隅部に、異なる角度で殺菌フィルター1と集塵フィルター102とを貫通させるように、夫々の針体60,60,60,60が斜めに差し込まれて取り付けられるとよい。
【0056】
前方部の針体60を、先端を前方から後方に向けて斜めに差し込ませ、後方部の針体60を、先端を後方から前方に向けて斜めに差し込ませておくと、クルーザ船などの移動体に設置された空気調和機が上下に揺れても、殺菌フィルターが空気調和機の吸気側から浮き上がらず又は滑りにくく外れないため好適である。
【0057】
次に、殺菌フィルターセット3を天井埋設型の空気調和機200に取り付ける例を、図5を参照して簡単に説明する。天井埋設型の空気調和機200は、吸気側開口部201が下面の中央部に配置され、吸気側開口部201を取り囲むように、周囲に細幅の送風側開口部202が配置されている(図5(B)図参照)。吸気側開口部201の上方に、シロッコファン203が配置され、シロッコファンを取り囲むように熱交換器204が配置されている。
【0058】
シロッコファン203が旋回されると、空気調和機の中央部の吸気側開口部201から室内の空気が吸い込まれ、熱交換器204で温度調整された空気が、空気調和機の周辺の送風側開口部202から室内に吹出される。また、格子状の吸気側開口蓋205を、一辺を軸として下方に回動させて、吸気側開口部201を開放させることができる。集塵フィルター206は吸気側開口蓋205の内部に装着されており、吸気側開口部201を開放させた状態で清掃される。
【0059】
殺菌フィルターセット3の取付け手順は、吸気側開口蓋205を下方に傾斜させた状態で、滑り止めシート体20が集塵フィルター206に沿って重ねられる。集塵フィルターが傾斜されていても、滑り止めシート体の摩擦力により殺菌フィルター1が滑り落ちず、殺菌フィルターが容易に重ねられる。そして、針体60を四隅部に異なる傾斜角度で差し込むだけで、殺菌フィルターを取り付けることができる。殺菌フィルター1は集塵フィルター206の内側に配置されるため、外部に殺菌フィルターが表れず、空気調和機200の美観を損なうこともない。
【実施例4】
【0060】
実施例4においては、小型のエアサーキュレータ300に殺菌フィルター1を取り付ける例を、図6を参照して説明する。図6(A)図は、殺菌フィルターの取付け手順を示し、図6(B)図は、殺菌フィルターを取付けた状態を示している。
【0061】
小型のエアサーキュレータ300は、背面の中央が平坦部301とされ、その周囲がゆるやかに湾曲された略円錐台形状の側面302とされ、これらが吸気側開口部303とされている。エアサーキュレータに取り付ける殺菌フィルター1は、予め円形形状に切断させておけばよい(図2(B)図,図6(A)図参照)。
【0062】
円形形状の殺菌フィルター1の中央部16(図6(A)図破線参照)を、前記平坦部301にあてがって、その周囲の外縁部17を前記円錐台形状の側面302に沿わせて窄めてあてがって、その周囲にゴムバンド310を嵌め係止させる(図6(B)図参照)。滑り止めシート体の面を吸気側開口部303に接しさせ、ゴムバンド310で殺菌性不織布10を外側から嵌め係止させると(図1(A)図参照)、エアサーキュレータから殺菌フィルター1が滑りにくく外れにくい。殺菌フィルターの内外を反転させて嵌めてもよいことは勿論のことである。
【0063】
また、背面が略半球形状をなすように滑らかに湾曲されている形状のエアサーキュレータに取り付ける場合には、内面側を殺菌性不織布とさせた殺菌フィルター2(図3参照)を2枚重ね、両面の滑り止めシート体が、内側はエアサーキュレータに接し、外側はゴムバンド全体に接しさせるようにするとより好適である。
【0064】
(その他)
・本実施例においては、殺菌フィルターを鋏で直線状に切断させる例、円形形状に切断させる例等を説明したが、加工の態様はこれに限定されない。空気循環機によって、吸気口側の面・集塵フィルターの外面の形状は様々な形態があり、吸気口側に突起部を有するものもある。その場合には、突起部を避けるように殺菌フィルターの一部を切り欠いて空気循環機の吸気側に取付ければよいことは勿論のことである。
・本発明の殺菌フィルターは、殺菌作用以外に、黴発生防止作用、消臭作用も有することは勿論のことである。
・今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の技術的範囲は、上記した説明に限られず特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0065】
1,2…殺菌フィルター、3…殺菌フィルターセット、
10…殺菌性不織布、20…滑り止めシート体、30…ミシン糸、
11…周囲、12…内側、13,14…切断端部、
15…端部、16…中央部、17…外縁部、
21,24,25…芯糸、22,26…滑り止め部、23…通気開口、
40…ステープラ用つづり針、
50…殺菌性不織布、51…隙間、
60…針体、61…つまみ部、
100…空気調和機、101…吸気側開口部、102…集塵フィルター、
103…送風側開口部、104…シロッコファン、105…本体部、
106…化粧パネル、107…隙間、108…掃除用ブラシ、
200…空気調和機、201…吸気側開口部、202…送風側開口部、
203…シロッコファン、204…熱交換器、205…吸気側開口蓋、
206…集塵フィルター、
300…エアサーキュレータ、301…平坦部、302…側面、
303…吸気側開口部、310…ゴムバンド
【要約】
【課題】様々な形態の空気循環機に容易に取り付けられる汎用性のある殺菌フィルターを提供すること。
【解決手段】銅繊維と銅繊維以外の繊維とを所定の割合で含んだ殺菌性不織布と、滑り止めシート体をなす柔軟な網目状シート体とを縫合させ殺菌フィルターとさせた。殺菌性不織布と滑り止めシート体とがいずれも柔軟であることにより、空気循環機の吸気側の面が平坦でない場合でも取り付けられる汎用性の高い殺菌フィルターとされる。殺菌フィルターを格子状に縫合させると、前記面の形状に合わせて任意の形状に切断させた場合であっても、殺菌性不織布の端部が捲れあがりにくく、より汎用性を高くすることができる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6