特許第6861455号(P6861455)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6861455
(24)【登録日】2021年4月1日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】米飯供給装置および巻寿司連続製造装置
(51)【国際特許分類】
   A23L 7/10 20160101AFI20210412BHJP
【FI】
   A23L7/10 G
【請求項の数】8
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-4112(P2017-4112)
(22)【出願日】2017年1月13日
(65)【公開番号】特開2018-110563(P2018-110563A)
(43)【公開日】2018年7月19日
【審査請求日】2019年12月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】591094262
【氏名又は名称】鈴茂器工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101971
【弁理士】
【氏名又は名称】大畑 敏朗
(72)【発明者】
【氏名】小根田 育冶
(72)【発明者】
【氏名】篠葉 基弘
(72)【発明者】
【氏名】柳生 悦宏
(72)【発明者】
【氏名】沢田 泰功
(72)【発明者】
【氏名】杉▲崎▼ 健
(72)【発明者】
【氏名】林 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】中沢 和樹
(72)【発明者】
【氏名】加賀谷 自生
(72)【発明者】
【氏名】並木 勝矢
【審査官】 田ノ上 拓自
(56)【参考文献】
【文献】 実開平06−061090(JP,U)
【文献】 特開2015−073526(JP,A)
【文献】 特開2000−210039(JP,A)
【文献】 特開平08−089191(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2014−0137918(KR,A)
【文献】 米国特許第06217311(US,B1)
【文献】 特開2016−202022(JP,A)
【文献】 特開2005−261240(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 7/00−7/104
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
米飯が投入されるホッパと、
前記ホッパの両側にそれぞれ設けられ、当該ホッパから供給された米飯で米飯シートを作成する第1の米飯処理部および第2の米飯処理部と、
前記ホッパ内の前記第1の米飯処理部側の米飯を当該第1の米飯処理部に供給する第1の供給手段と、
前記ホッパ内の前記第2の米飯処理部側の米飯を当該第2の米飯処理部に供給する第2の供給手段と、
前記第1の供給手段上の米飯が所定量以上であるかを検知する第1の検知手段と、
前記第2の供給手段上の米飯が所定量以上であるかを検知する第2の検知手段と、
複数のローラまたは周回動するベルトで構成され、第1の供給手段と第2の供給手段との間の米飯を前記第1の供給手段と前記第2の供給手段とに選択的に搬送する搬送手段と、
前記第1の検知手段および前記第2の検知手段による検知結果から前記搬送手段による米飯の搬送方向を制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、
前記第1の供給手段と前記第2の供給手段との間の米飯を前記第1の供給手段に搬送し、その後は、米飯が所定量以上ではないと検知された方の前記供給手段に搬送するように前記搬送手段を制御する、
ことを特徴とする米飯供給装置。
【請求項2】
前記ホッパに米飯を投入する米飯投入手段をさらに有し、
前記制御手段は、
前記搬送手段で米飯を搬送してもなお当該供給手段上の米飯が所定量以上ではないと検知されたときには、前記ホッパに米飯が投入されるように米飯投入手段を制御する、
ことを特徴とする請求項1記載の米飯供給装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記第1の供給手段と前記第2の供給手段との間の米飯を前記第1の供給手段に搬送するように前記搬送手段を制御する第1の制御を実行し、
前記第1の制御下において、前記第2の供給手段上の米飯が所定量以上ではないと前記第2の検知手段で検知された場合には、前記第1の供給手段と前記第2の供給手段との間の米飯を前記第2の供給手段に搬送するように前記搬送手段を制御する第2の制御を実行し、
前記第1の制御下において、前記第1の供給手段上の米飯が所定量以上ではないと前記第1の検知手段で検知された場合には、前記米飯投入手段により米飯を前記ホッパへ投入する第3の制御を実行した後に前記第1の制御を実行し、
前記第2の制御下において、前記第2の供給手段上の米飯が所定量以上ではないと前記第2の検知手段で検知された場合には、前記米飯投入手段により米飯を前記ホッパへ投入する第4の制御を実行した後に前記第2の制御を実行し、
前記第2の制御下において、前記第1の供給手段上の米飯が所定量以上ではないと前記第1の検知手段で検知された場合には、前記第1の制御を実行する、
ことを特徴とする請求項2記載の米飯供給装置。
【請求項4】
前記第1の検知手段または前記第2の検知手段で米飯が所定量以上ではないと検知されたならばその旨を報知する報知手段をさらに有し、
前記制御手段は、
前記搬送手段で米飯を搬送してもなお当該供給手段上の米飯が所定量以上ではないと検知されたときには、前記報知手段を動作させる、
ことを特徴とする請求項1記載の米飯供給装置。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記第1の供給手段と前記第2の供給手段との間の米飯を前記第1の供給手段に搬送するように前記搬送手段を制御する第1の制御を実行し、
前記第1の制御下において、前記第2の供給手段上の米飯が所定量以上ではないと前記第2の検知手段で検知された場合には、前記第1の供給手段と前記第2の供給手段との間の米飯を前記第2の供給手段に搬送するように前記搬送手段を制御する第2の制御を実行し、
前記第1の制御下において、前記第1の供給手段上の米飯が所定量以上ではないと前記第1の検知手段で検知された場合には、前記報知手段を動作させる第5の制御を実行し、
前記第5の制御下において、米飯が前記ホッパへ投入されたならば前記第1の制御を実行し、
前記第2の制御下において、前記第2の供給手段上の米飯が所定量以上ではないと前記第2の検知手段で検知された場合には、前記報知手段を動作させる第6の制御を実行し、
前記第6の制御下において、米飯が前記ホッパへ投入されたならば前記第2の制御を実行し、
前記第2の制御下において、前記第1の供給手段上の米飯が所定量以上ではないと前記第1の検知手段で検知された場合には、前記第1の制御を実行する、
ことを特徴とする請求項4記載の米飯供給装置。
【請求項6】
前記ホッパには、当該ホッパに投入される米飯を、前記第1の供給手段上の領域、前記第2の供給手段上の領域および前記搬送手段上の領域で区切る区切り部材が設けられている、
ことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の米飯供給装置。
【請求項7】
一対の搬送コンベアと、
前記第1の供給手段および前記第2の供給手段から供給された米飯で米飯シートを作成して前記一対の搬送コンベアにそれぞれ送り出す前記第1の米飯処理部および前記第2の米飯処理部を備えた請求項1〜6の何れか一項に記載の米飯供給装置と、
前記一対の搬送コンベアに巻材シートをそれぞれ供給する一対の巻材供給手段と、
前記一対の搬送コンベアにおいて巻材シートと米飯シートとの積層物上に具材を供給する一対の具材供給部と、
前記一対の搬送コンベア上において前記一対の具材供給部の搬送下流にそれぞれ設置され、巻材シート、米飯シートおよび具材を巻き締めて巻寿司を成形する一対の成形手段と、
前記一対の成形手段の搬送下流にそれぞれ設置され、前記一対の成形手段によって成形された巻寿司を予め決められた長さに切断する一対の切断手段とを有する、
ことを特徴とする巻寿司連続製造装置。
【請求項8】
前記巻材シートが海苔シートであることを特徴とする請求項7記載の巻寿司連続製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、米飯供給装置および巻寿司連続製造装置に関し、特に、第1の米飯処理部および第2の米飯処理部への米飯の供給技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
海苔巻き等のような巻寿司の需要増大に伴い、当該巻寿司を連続的に自動製造する巻寿司連続製造装置の開発が進められている。このような巻寿司連続製造装置においては、2つの製造ライン(搬送コンベア)を設けて2本の巻寿司を同時に製造可能としたものがある。
【0003】
そして、2つの製造ラインが設けられた巻寿司連続製造装置の米飯供給装置においては、米飯シートを作成してそれぞれの製造ラインに送り出す2つの米飯処理部が設けられている。また、ホッパ内の米飯をこれら2つの米飯処理部に供給するために、当該ホッパ内の下部には、それぞれの米飯処理部に米飯を供給するための2つの供給コンベアが設けられている。
【0004】
なお、2つの製造ラインが設けられた巻寿司連続製造装置については、例えば特許文献1〜3に開示がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭54−23179号公報
【特許文献2】特開平8−103233号公報
【特許文献3】特開2007−104922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、同時に製造される2本の巻寿司の太さが異なっている等により双方の製造ラインにおいて米飯の使用量が違っている場合には、ホッパ内に米飯の片寄りが発生し、一方の製造ラインに対応した側では米飯がなくなっているのに、他方の製造ラインに対応した側では米飯が残っていることがある。
【0007】
このようにホッパ内に米飯の片寄りが発生した場合、一方の製造ラインに対応した側で米飯がなくなったことで、他方の製造ラインに対応した側では米飯が足りているにもかかわらず米飯がホッパに投入されると、結果としてホッパに米飯が過剰投入されてしまうことになる。
【0008】
また、米飯の過剰投入をなくすには、作業者がホッパ内の米飯の量を頻繁に監視して、ホッパ内に米飯の片寄りが発生したならば、ホッパ内の米飯を無くなった側に手作業により移動させなければならなかった。
【0009】
本発明は、上述の技術的背景からなされたものであって、2つの米飯処理部が設置された米飯供給装置におけるホッパ内の米飯の片寄りを緩和することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明の米飯供給装置は、米飯が投入されるホッパと、前記ホッパの両側にそれぞれ設けられ、当該ホッパから供給された米飯で米飯シートを作成する第1の米飯処理部および第2の米飯処理部と、前記ホッパ内の前記第1の米飯処理部側の米飯を当該第1の米飯処理部に供給する第1の供給手段と、前記ホッパ内の前記第2の米飯処理部側の米飯を当該第2の米飯処理部に供給する第2の供給手段と、前記第1の供給手段上の米飯が所定量以上であるかを検知する第1の検知手段と、前記第2の供給手段上の米飯が所定量以上であるかを検知する第2の検知手段と、複数のローラまたは周回動するベルトで構成され、第1の供給手段と第2の供給手段との間の米飯を前記第1の供給手段と前記第2の供給手段とに選択的に搬送する搬送手段と、前記第1の検知手段および前記第2の検知手段による検知結果から前記搬送手段による米飯の搬送方向を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、前記第1の供給手段と前記第2の供給手段との間の米飯を前記第1の供給手段に搬送し、その後は、米飯が所定量以上ではないと検知された方の前記供給手段に搬送するように前記搬送手段を制御する、ことを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、前記ホッパに米飯を投入する米飯投入手段をさらに有し、前記制御手段は、前記搬送手段で米飯を搬送してもなお当該供給手段上の米飯が所定量以上ではないと検知されたときには、前記ホッパに米飯が投入されるように米飯投入手段を制御する、ことを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、上記請求項2に記載の発明において、前記制御手段は、前記第1の供給手段と前記第2の供給手段との間の米飯を前記第1の供給手段に搬送するように前記搬送手段を制御する第1の制御を実行し、前記第1の制御下において、前記第2の供給手段上の米飯が所定量以上ではないと前記第2の検知手段で検知された場合には、前記第1の供給手段と前記第2の供給手段との間の米飯を前記第2の供給手段に搬送するように前記搬送手段を制御する第2の制御を実行し、前記第1の制御下において、前記第1の供給手段上の米飯が所定量以上ではないと前記第1の検知手段で検知された場合には、前記米飯投入手段により米飯を前記ホッパへ投入する第3の制御を実行した後に前記第1の制御を実行し、前記第2の制御下において、前記第2の供給手段上の米飯が所定量以上ではないと前記第2の検知手段で検知された場合には、前記米飯投入手段により米飯を前記ホッパへ投入する第4の制御を実行した後に前記第2の制御を実行し、前記第2の制御下において、前記第1の供給手段上の米飯が所定量以上ではないと前記第1の検知手段で検知された場合には、前記第1の制御を実行する、ことを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、前記第1の検知手段または前記第2の検知手段で米飯が所定量以上ではないと検知されたならばその旨を報知する報知手段をさらに有し、前記制御手段は、前記搬送手段で米飯を搬送してもなお当該供給手段上の米飯が所定量以上ではないと検知されたときには、前記報知手段を動作させる、ことを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の発明は、上記請求項4に記載の発明において、前記制御手段は、前記第1の供給手段と前記第2の供給手段との間の米飯を前記第1の供給手段に搬送するように前記搬送手段を制御する第1の制御を実行し、前記第1の制御下において、前記第2の供給手段上の米飯が所定量以上ではないと前記第2の検知手段で検知された場合には、前記第1の供給手段と前記第2の供給手段との間の米飯を前記第2の供給手段に搬送するように前記搬送手段を制御する第2の制御を実行し、前記第1の制御下において、前記第1の供給手段上の米飯が所定量以上ではないと前記第1の検知手段で検知された場合には、前記報知手段を動作させる第5の制御を実行し、前記第5の制御下において、米飯が前記ホッパへ投入されたならば前記第1の制御を実行し、前記第2の制御下において、前記第2の供給手段上の米飯が所定量以上ではないと前記第2の検知手段で検知された場合には、前記報知手段を動作させる第6の制御を実行し、前記第6の制御下において、米飯が前記ホッパへ投入されたならば前記第2の制御を実行し、前記第2の制御下において、前記第1の供給手段上の米飯が所定量以上ではないと前記第1の検知手段で検知された場合には、前記第1の制御を実行する、ことを特徴とする。
【0015】
請求項6に記載の発明は、上記請求項1〜5の何れか一項に記載の発明において、前記ホッパには、当該ホッパに投入される米飯を、前記第1の供給手段上の領域、前記第2の供給手段上の領域および前記搬送手段上の領域で区切る区切り部材が設けられている、ことを特徴とする。
【0016】
上記課題を解決するため、請求項7に記載の本発明の巻寿司連続製造装置は、一対の搬送コンベアと、前記第1の供給手段および前記第2の供給手段から供給された米飯で米飯シートを作成して前記一対の搬送コンベアにそれぞれ送り出す前記第1の米飯処理部および前記第2の米飯処理部を備えた請求項1〜6の何れか一項に記載の米飯供給装置と、前記一対の搬送コンベアに巻材シートをそれぞれ供給する一対の巻材供給手段と、前記一対の搬送コンベアにおいて巻材シートと米飯シートとの積層物上に具材を供給する一対の具材供給部と、前記一対の搬送コンベア上において前記一対の具材供給部の搬送下流にそれぞれ設置され、巻材シート、米飯シートおよび具材を巻き締めて巻寿司を成形する一対の成形手段と、前記一対の成形手段の搬送下流にそれぞれ設置され、前記一対の成形手段によって成形された巻寿司を予め決められた長さに切断する一対の切断手段とを有する、ことを特徴とする。
【0017】
請求項8に記載の発明は、上記請求項7に記載の発明において、前記巻材シートが海苔シートであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ホッパ内の米飯がほぼ一様に減っていくようになるので、ホッパ内の米飯の片寄りを緩和することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施の形態に係る連続海苔巻き成形機の一例の全体側面図である。
図2図1の連続海苔巻き成形機の平面図である。
図3図1の連続海苔巻き成形機の米飯供給装置の要部斜視図である。
図4図3から供給ホッパの一部を除去して内部構造を示す要部斜視図である。
図5図1の連続海苔巻き成形機における米飯供給装置の制御部を含む要部回路ブロック図である。
図6】米飯供給装置の制御部による米飯供給装置の動作制御を示すフローチャートである。
図7】第1の供給コンベア、第2の供給コンベアおよび搬送ローラの回転方向を示す説明図である。
図8図1の連続海苔巻き成形機における変形例としての米飯供給装置の制御部を含む要部回路ブロック図である。
図9】変形例としての米飯供給装置の制御部による米飯供給装置の動作制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一例としての実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0021】
まず、本実施の形態の連続海苔巻き成形機M1の全体的な構造例について図1および図2を参照して説明する。
【0022】
ここで、図1は本実施の形態に係る連続海苔巻き成形機の一例の全体側面図、図2図1の連続海苔巻き成形機の平面図である。
【0023】
本実施の形態の連続海苔巻き成形機M1は、例えば、複数本の海苔巻き(巻寿司)を連続的に自動製造することが可能な巻寿司連続製造装置であり、米飯供給装置1と、海苔供給部(巻材供給手段)2と、搬送コンベア3と、巻成形部(成形手段)4と、カッタ部(切断手段)5と、操作パネル6とを備えている。
【0024】
図示するように、本実施の形態の連続海苔巻き成形機M1は2つの生産ラインを備えており、前述した海苔供給部2、搬送コンベア3、巻成形部4、カッタ部5、操作パネル6、および後述する米飯供給装置1の縦計量部1cは、それぞれ一対設けられている。
【0025】
そして、本実施の形態の連続海苔巻き成形機M1は、例えば、連巻き時:4000本/時(両ライン稼働時、海苔巻き長さが180mm)、一本巻き時:2800本/時(両ライン稼働時)の高速生産能力を備えている。また、連続海苔巻き成形機M1は、例えば、細巻、中巻、太巻、裏巻、角型または丸型の巻成形が可能な上、サイズや形状の変更に柔軟に対応することが可能になっている。
【0026】
連続海苔巻き成形機M1の米飯供給装置1は、例えば、炊き上がった温かい状態の米飯(酢飯)から設定重量値を目標としたシャリシート(米飯シート)を生成して搬送コンベア3に送り出す装置であり、ライスリフタ(米飯投入手段)1aと、供給ホッパ(ホッパ)1bと、縦計量部(米飯処理部)1cとを備えている。
【0027】
ライスリフタ1aは、例えば、コンテナ(図示せず)に入れられた米飯(酢飯)を米飯供給装置1の上部の供給ホッパ1bまで運び投入する昇降機構部である。供給ホッパ1bは、ライスリフタ1aから投入された米飯を縦計量部1cに供給する供給部である。
【0028】
縦計量部1cは、供給ホッパ1bから供給された米飯から設定重量値を目標としたシャリシートを生成する機構部であり、前段に位置して、供給された米飯を解す解しローラ1c−1a,1c−2a(図3図4)と、後段に位置して、シャリシートを送り出す方向(斜め下方)に沿って図示しない上中下の3段のローラ対(全部で6個のローラ)とを備えている。縦計量部1cの各ローラ対は、独立して駆動制御することが可能になっており、ローラ対間を通過する米飯に対して適正な圧縮を行い均一でふっくらとしたシャリシートを連続して供給(排出)することが可能になっている。
【0029】
連続海苔巻き成形機M1の海苔供給部2(図1参照)は、海苔供給部2のボビン2aに巻回された長尺帯状の海苔シート(巻材シート)を搬送コンベア3に供給する装置である。
【0030】
連続海苔巻き成形機M1の搬送コンベア3は、海苔シートおよびシャリシートの積層物を搬送するコンベアであり、海苔巻き材料(海苔シートおよびシャリシート等)の搬送方向に沿って順に、計量コンベア3aと、トッピングコンベア(具材供給部)3bと、巻成形コンベア(成形手段)3cとを備えている。
【0031】
なお、矢印Acは海苔シートおよびシャリシートの搬送方向(搬送コンベア3のベルト移動方向)を示している。
【0032】
搬送コンベア3の初段の計量コンベア3aは、縦計量部1cから送り出されたシャリシート等の重量を計るとともに、海苔シートとシャリシートとの積層物をトッピングコンベア3bに搬送する無端状のベルトを備えたコンベアである。計量コンベア3aは、縦計量部1cの下方に設置されており、縦計量部1cから供給されたシャリシートは計量コンベア3aのベルト(図1および図2には図示せず)上に直接供給される。この計量コンベア3aには、シャリシートの重量を計るべくロードセル等のような計量器が備えられている。
【0033】
搬送コンベア3の中段のトッピングコンベア3bは、計量コンベア3aから搬送された海苔シートとシャリシートとの積層物上に、例えば、卵、蒲鉾、納豆、胡瓜等のような具材を載せる具材供給部であるとともに、その具材を載せた積層物を巻成形コンベア3cに搬送する無端状のベルトを備えたコンベアである。具材の供給は、例えば、トッピングコンベア3bに沿って並んだ複数の作業者によって手作業で実施される。なお、トッピングコンベア3bのベルトB2(図1参照)の上方に具材供給装置を設置し、手作業とともに、または手作業に代えて、具材を供給しても良い。
【0034】
搬送コンベア3の後段の巻成形コンベア3cは、トッピングコンベア3bから搬送された海苔シート、シャリシートおよび具材で構成される海苔巻材料を、巻成形コンベア3cのベルトB3を徐々に円筒状に巻き込むことによって巻き締めながら巻成形部4に搬送するとともに、さらに巻成形部4で成形された円柱状の連続状の海苔巻きをカッタ部5に搬送する無端状のベルトを備えたコンベアである。
【0035】
連続海苔巻き成形機M1の巻成形部4は、海苔シート、シャリシートおよび具材で構成される海苔巻材料から連続状の海苔巻きを成形する装置である。上記した巻成形コンベア3cは、巻成形部4の一部を構成している。
【0036】
連続海苔巻き成形機M1のカッタ部5は、巻成形部4で成形された連続状の海苔巻きを回転カッタ刃によって予め決められた長さに正確に素早く美しく切断する装置である。
【0037】
連続海苔巻き成形機M1の操作パネル6は、連続海苔巻き成形機M1の運転を操作するための入力装置である。操作パネル6は、例えば、タッチ式の液晶画面を備えており、連続海苔巻き成形機M1の電源を投入すると操作パネル6の液晶画面が点灯してメニュー画面が表示されるようになっている。
【0038】
次に、連続海苔巻き成形機M1の米飯供給装置1について、図3および図4を参照して説明する。
【0039】
ここで、図3図1の連続海苔巻き成形機の米飯供給装置の要部斜視図、図4図3から供給ホッパの一部を除去して内部構造を示す要部斜視図である。
【0040】
図3および図4に示すように、連続海苔巻き成形機M1の米飯供給装置1は、米飯が投入される前述の供給ホッパ1bと、供給ホッパ1bに投入された米飯で米飯シートを作成して搬送コンベア3に送り出す縦計量部1cとを備えている。前述のように、縦計量部1cは一対設けられており、具体的には、第1の縦計量部(第1の米飯処理部)1c−1および第2の縦計量部(第2の米飯処理部)1c−2である。なお、図3および図4では、第1の縦計量部1c−1の一部を構成する解しローラ1c−1aおよび第2の縦計量部1c−2の一部を構成する解しローラ1c−2aが表されているが、それぞれの下方に設けられた3段のローラ対については図示が省略されている。
【0041】
解しローラ1c−1aおよび解しローラ1c−2aは、それぞれ供給ホッパ1bの相互に対向する幅方向端部に設けられており、これら解しローラ1c−1aおよび解しローラ1c−2aの真上には、ライスリフタ1aから供給ホッパ1bに投入された米飯が後述する第1の供給コンベア(第1の供給手段)1d−1および第2の供給コンベア(第2の供給手段)1d−2の上に落下するように案内するガイド板1fが、供給ホッパ1b内に向けて下方に傾斜して設けられている。
【0042】
ここで、供給ホッパ1bの底面には、供給ホッパ1b内における解しローラ1c−1a側の米飯を第1の縦計量部1c−1に供給する第1の供給コンベア1d−1と、供給ホッパ1b内における解しローラ1c−2a側の米飯を第2の縦計量部1c−2に供給する第2の供給コンベア1d−2とが設けられている。
【0043】
また、第1の供給コンベア1d−1と第2の供給コンベア1d−2との間には、これらの供給コンベア1d−1,1d−2の間にある米飯を第1の供給コンベア1d−1と第2の供給コンベア1d−2とに選択的に搬送する搬送ローラ(搬送手段)1eが設けられている。本実施の形態において、搬送ローラ1eは、回転軸が相互に平行になって近接配置された4本のローラで構成されている。但し、搬送ローラ1eではなく、周回動するベルトによるコンベア式であってもよい。
【0044】
さらに、米飯供給装置1には、第1の供給コンベア1d−1上の米飯が所定量以上であるかを検知する第1のセンサ(第1の検知手段)1g−1と、第2の供給コンベア1d−2上の米飯が所定量以上であるかを検知する第2のセンサ(第2の検知手段)1g−2とが設けられている。
【0045】
そして、後述する制御部Cは、第1のセンサ1g−1および第2のセンサ1g−2による検知結果から、搬送ローラ1eの回転方向を、当該搬送ローラ1e上の米飯が第1の供給コンベア1d−1に搬送される方向あるいは第2の供給コンベア1d−2に搬送される方向の何れかの方向に制御する。なお、本願において、第1の供給コンベア1d−1上または第2の供給コンベア1d−2上において「米飯が所定量以上であるか」とは、これらのコンベア上に米飯があるか、あるいは、これらのコンベア上に決められた量以上の米飯があるか、の何れかを意味する。したがって、「米飯が所定量以上ではない」ということは、前者の意味の場合には、コンベア上に米飯がないということになり、後者の意味の場合には、コンベア上の米飯が決められた量を下回っているということになる。
【0046】
なお、本実施の形態では、第1のセンサ1g−1および第2のセンサ1g−2は米飯の量を光学的に検知するセンサであるが、例えば第1の供給コンベア1d−1および第2の供給コンベア1d−2にロードセルのような重量センサを取り付けて米飯の量を検知するようにしてもよい。つまり、米飯の量を検知するセンサの種類は、特に限定されるものではない。
【0047】
供給ホッパ1bには、ライスリフタ1aから投入される米飯を、第1の供給コンベア1d−1上の領域、第2の供給コンベア1d−2上の領域および搬送ローラ1e上の領域で区切る2本のロッド(区切り部材)1hが設けられている。これにより、ライスリフタ1aからの米飯は、2本のロッド1hにより大きく3つに分断されて、第1の供給コンベア1d−1上、第2の供給コンベア1d−2上、および搬送ローラ1e上に落下供給されるので、後述する米飯の搬送方向の制御がより正確に行われることになる。なお、ロッド1hは必須のものではなく、省略することもできる。
【0048】
次に、制御部Cについて図5を参照して説明する。ここで、図5図1の連続海苔巻き成形機における米飯供給装置の制御部を含む要部回路ブロック図である。
【0049】
制御部Cは、連続海苔巻き成形機M1の全体の動作を制御する制御部であり、CPU(Central Processing Unit)10と、ROM(Read Only Memory)11と、RAM(Random Access Memory)12と、搬送ローラ用の駆動制御回路13と、第1のセンサ用回路14と、第2のセンサ用回路15と、ライスリフタ用の駆動制御回路16と、内部インタフェース17とを有しており、これらはバスラインBSを通じて相互に電気的に接続されている。
【0050】
CPU10は、制御プログラムの実行、数値演算、情報処理および機器制御等を実施する中央処理装置であり、内部インタフェース17を通じて操作パネル6と電気的に接続されている。ROM11は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable ROM)からなり、このROM11には米飯供給装置1の動作を制御するためのソフトウェア(制御プログラム)が格納されている。RAM12は、CPU10が動作する上で必要な各種データを記録するとともに、操作パネル6からのデータを一時的に格納する。そして、CPU10は、ROM11内の制御プログラムおよびRAM12のデータに従って、駆動制御回路13,16等の動作を制御する。
【0051】
搬送ローラ用の駆動制御回路13は、CPU10からの指示に従って、上記した搬送ローラ1eを回転させるための回転モータ1e−Mの回転動作(回転方向)を制御する回路である。すなわち、制御部Cは、第1のセンサ1g−1および第2のセンサ1g−2における第1の供給コンベア1d−1上および第2の供給コンベア1d−2上の米飯量の検知結果に応じて回転モータ1e−Mの回転方向を制御する。
【0052】
第1のセンサ用回路14および第2のセンサ用回路15は、CPU10の制御下において、上記した第1のセンサ1g−1および第2のセンサ1g−2によってそれぞれ検出された検出信号(電気信号)を受け取り、デジタルデータに変換してCPU10に送信する回路である。
【0053】
ライスリフタ用の駆動制御回路16は、CPU10からの指示に従ってライスリフタ用の駆動機器1a−Dを動作させ、ライスリフタ1a内の米飯を供給ホッパ1bに投入するように動作を制御する回路である。
【0054】
なお、制御部Cは連続海苔巻き成形機全体の動作を制御していることから、これら以外の構成要素の動作をも制御しているが、本願では、次に説明する供給ホッパ1b内の米飯の流れに係わる構成要素以外についての説明は省略している。
【0055】
さて、図1および図2に示した連続海苔巻き成形機M1の電源を投入すると、操作パネル6の液晶画面が点灯してメニュー画面が表示されるので、作業者は、操作パネル6を通じて海苔シートの幅(太巻、中巻、細巻等)、海苔巻きのカット寸法、スピードおよび各種モード等の情報を入力する。なお、ここでは、2つの生産ラインを同時駆動して、2本の海苔巻きを併行生産するものとする。
【0056】
続いて、操作パネル6の表示画面中の動作開始ボタンをタッチして連続海苔巻き成形機M1の動作を開始すると、米飯供給装置1、海苔供給部2、搬送コンベア3、巻成形部4およびカッタ部5が駆動を開始する。
【0057】
すなわち、米飯供給装置1においては、炊き上がった温かい状態の米飯(酢飯)がライスリフタ1aによって連続海苔巻き成形機M1の上部の供給ホッパ1bに運ばれて投入される。供給ホッパ1bに投入された米飯は、供給ホッパ1b内の第1の供給コンベア1d−1上および第2の供給コンベア1d−2によって解しローラ1c−1aおよび解しローラ1c−2aへと送られ、ここで解されてから下方の縦計量部1cに送られ、3段のローラ対間を通過することで板状のシャリシートに成形されて計量コンベア3a上の海苔シート上に載せられる。
【0058】
この海苔シートとシャリシートとの積層物は、計量コンベア3aからトッピングコンベア3bに送られ、作業者の手作業によりシャリシート上に、例えば、卵、蒲鉾、納豆、胡瓜等のような各種の具材が載せられた後、巻成形コンベア3cに送られる。
【0059】
この巻成形コンベア3cに送られた海苔シート、シャリシートおよび具材の積層物は巻成形コンベア3cで巻成形コンベア3cのベルトB3が徐々に円筒状に巻き込まれることで巻き締められて巻成形部4に送られ、そこで成形処理が施されることで連続状の海苔巻きが成形される。この連続状の海苔巻きは、巻成形コンベア3cでカッタ部5に搬送され、カッタ部5の回転カッタ刃によって予め決められた長さに切断され、海苔巻きが自動製造される。
【0060】
以上の構成を有する米飯供給装置1における供給ホッパ1b内の米飯の流れについて、図6および図7を参照して説明する。
【0061】
ここで、図6は制御部による米飯供給装置の動作制御を示すフローチャート、図7は第1の供給コンベア、第2の供給コンベアおよび搬送ローラの回転方向を示す説明図である。
【0062】
連続海苔巻き成形機M1の動作開始により、第1の供給コンベア1d−1は自らの上に載った米飯を解しローラ1c−1aに供給する方向へ回転を開始し、第2の供給コンベア1d−2は自らの上に載った米飯を解しローラ1c−2aに供給する方向へ回転を開始する。また、第1のセンサ1g−1は第1の供給コンベア1d−1上の米飯が所定量以上であるか否かの検知を開始し、第2のセンサ1g−2は第2の供給コンベア1d−2上の米飯が所定量以上であるか否かの検知を開始する。
【0063】
この動作開始時において、制御部Cは、第1の制御として、搬送ローラ1e上の米飯、つまり第1の供給コンベア1d−1と第2の供給コンベア1d−2との間にある米飯が第1の供給コンベア1d−1に送られる方向に搬送ローラ1eを回転させる(ステップS1)。このときの第1の供給コンベア1d−1、第2の供給コンベア1d−2および搬送ローラ1eの回転方向を図7(a)に示す。
【0064】
このような状態において、第2のセンサ1g−2により第2の供給コンベア1d−2上の米飯が所定量以上であるか否かが検知され(ステップS2)、さらに第1のセンサ1g−1により第1の供給コンベア1d−1上の米飯が所定量以上であるか否かが検知される(ステップS3)。
【0065】
そして、ステップS2において、第2の供給コンベア1d−2上の米飯が所定量以上ではないと検知された場合には、第2の制御として、第1の供給コンベア1d−1と第2の供給コンベア1d−2との間に位置する搬送ローラ1e上の米飯が第2の供給コンベア1d−2に送られる方向に搬送ローラ1eを回転させる(ステップS4)。このときの第1の供給コンベア1d−1、第2の供給コンベア1d−2および搬送ローラ1eの回転方向を図7(b)に示す。
【0066】
また、ステップS3において、第1の供給コンベア1d−1上の米飯が所定量以上ではないと検知された場合、これは、搬送ローラ1eで米飯を第1の供給コンベア1d−1に送ってもなお米飯が不足しているということであるから、供給ホッパ1b内の米飯が全体的に少なくなっていることになる。そこで、この場合には、第3の制御として、ライスリフタ用の駆動機器1a−Dを用いて米飯を供給ホッパ1bに投入し(ステップS5)、その後に前述したステップS1(第1の制御)に戻る。
【0067】
なお、ステップS2において第2の供給コンベア1d−2上の米飯が所定量以上であると検知され、続いてステップS3において第1の供給コンベア1d−1上の米飯が所定量以上であると検知された場合には、そのままステップS1に戻る。
【0068】
さて、前述した第2の制御下において、第2のセンサ1g−2により第2の供給コンベア1d−2上の米飯が所定量以上であるか否かが検知され(ステップS6)、さらに第1のセンサ1g−1により第1の供給コンベア1d−1上の米飯が所定量以上であるか否かが検知される(ステップS7)。
【0069】
そして、ステップS6において、第2の供給コンベア1d−2上の米飯が所定量以上ではないと検知された場合、これは、搬送ローラ1eで米飯を第2の供給コンベア1d−2に送ってもなお米飯が不足しているということであるから、供給ホッパ1b内の米飯が全体的に少なくなっていることになる。そこで、この場合には、第4の制御として、ライスリフタ用の駆動機器1a−Dを用いて米飯を供給ホッパ1bに投入し(ステップS8)、その後に前述したステップS4(第2の制御)に戻る。
【0070】
また、ステップS7において、第1の供給コンベア1d−1上の米飯が所定量以上ではないと検知された場合には、前述した第1の制御に戻って、第1の供給コンベア1d−1と第2の供給コンベア1d−2との間の米飯を第1の供給コンベア1d−1に搬送するように搬送ローラ1eの回転方向を制御する。
【0071】
ステップS6において第2の供給コンベア1d−2上の米飯が所定量以上であると検知され、続いてステップS7において第1の供給コンベア1d−1上の米飯が所定量以上であると検知された場合には、そのままステップS4に戻る。
【0072】
以上説明したように、第1の縦計量部1c−1および第2の縦計量部で米飯の処理を行う本実施の形態の米飯供給装置1において、米飯を第1の縦計量部1c−1に供給する第1の供給コンベア1d−1と米飯を第2の縦計量部1c−2に供給する第2の供給コンベア1d−2との間にある米飯を、これらの供給コンベア1d−1,1d−2に選択的に搬送する搬送ローラ1eを設けている。
【0073】
そして、動作開始時には、搬送ローラ1e上の米飯である第1の供給コンベア1d−1と第2の供給コンベア1d−2との間の米飯を第1の供給コンベア1d−1に搬送するように搬送ローラ1eを回転させ、その後は、米飯が所定量以上ではないと検知された方の供給コンベア(第1の供給コンベア1d−1または第2の供給コンベア1d−2)に米飯を搬送するように搬送ローラ1eを回転させている。さらに、搬送ローラ1eで米飯を搬送してもなお米飯が所定量以上ではないと検知されたときには、米飯を供給ホッパ1bに投入している。
【0074】
これにより、供給ホッパ1b内の米飯がほぼ一様に減っていくようになるので、供給ホッパ1b内の米飯の片寄りを緩和することが可能になる。
【0075】
なお、以下に説明する米飯供給装置1を含めて、本発明において、制御部Cは、第1の供給コンベア1d−1と第2の供給コンベア1d−2との間の米飯を第1の供給コンベア1d−1に搬送しておき、その後は、米飯が所定量以上ではないと検知された方の供給コンベア1d−1,1d−2に搬送するように搬送ローラ1eの回転方向を制御するようになっていれば足り、米飯を供給ホッパ1bに投入することに係わる制御は実行されなくてもよい。
【0076】
さて、以上の説明における米飯供給装置1では、米飯を供給ホッパ1bに投入するライスリフタ1aが設けられているが、本実施の形態の変形例である米飯供給装置1として、ライスリフタ1aを設けることなく、作業者の手によって米飯を供給ホッパ1bに投入するようにしてもよい。
【0077】
このような米飯供給装置1では、前述した第1のセンサ1g−1または第2のセンサ1g−2で米飯が所定量以上ではないと検知されたならばその旨を音(ブザーなど)や光(点滅や点灯するランプ・回転灯など)などで報知する図示しないアラーム(報知手段)が設けられている。また、前述したライスリフタ用の駆動制御回路16およびライスリフタ用の駆動機器1a−Dに替えて、変形例としての米飯供給装置の制御部を含む要部回路ブロック図である図8に示すように、アラーム用の駆動制御回路18およびアラーム用の駆動機器19が設けられている。
【0078】
そして、作業者の手によって米飯を供給ホッパ1bに投入する米飯供給装置1における動作制御は図9に示すようになっている。
【0079】
ここで、図9は変形例としての米飯供給装置の制御部による米飯供給装置の動作制御を示すフローチャートである。なお、以下においては、図6のフローチャートとの相違点だけを抽出して説明する。
【0080】
ステップS3において、第1の供給コンベア1d−1上の米飯が所定量以上ではないと第1のセンサ1g−1により検知された場合には、第5の制御として、アラームを動作させる(ステップS9)。これにより、アラームの発する音や光で、作業者に対して、供給ホッパ1bに米飯を投入することが促されることになる。そして、作業者により米飯が供給ホッパ1bに投入されたかどうかが判断され(ステップS10)、投入されたならばステップS1(第1の制御)に戻る。
【0081】
また、ステップS6において、第2の供給コンベア1d−2上の米飯が所定量以上ではないと検知された場合には、第6の制御として、アラームを動作させる(ステップS11)。そして、作業者により米飯が供給ホッパ1bに投入されたかどうかが判断され(ステップS12)、投入されたならばステップS4(第2の制御)に戻る。
【0082】
さて、以上の説明における米飯供給装置1では、制御部Cは搬送ローラの回転方向に係わる制御(詳しくは、第1の供給コンベア1d−1と第2の供給コンベア1d−2との間の米飯を第1の供給コンベア1d−1に搬送しておき、その後は、米飯が所定量以上ではないと検知された方の供給コンベア1d−1,1d−2に搬送するような搬送ローラ1eの回転方向の制御)と、米飯を供給ホッパ1bに投入することに係わる制御とが実行されるようになっているが、本発明は、搬送ローラ1eの回転方向に係わる制御で足り、米飯を供給ホッパ1bに投入することに係わる制御は実行されなくてもよい。
【0083】
具体的には、ライスリフタ1aが設けられている米飯供給装置1では、搬送ローラ1eで米飯を搬送してもなお供給コンベア1d−1または供給コンベア1d−2上の米飯が所定量以上ではないと検知されたときには、供給ホッパ1bに米飯が投入されるようにライスリフタ1aを制御することは、行われなくてもよい。また、アラームが設けられている米飯供給装置1では、搬送ローラ1eで米飯を搬送してもなお供給コンベア1d−1または供給コンベア1d−2上の米飯が所定量以上ではないと検知されたときにはアラームを動作させるように制御することは、行われなくてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0084】
以上の説明では、本発明の米飯供給装置を備えた巻寿司連続製造装置を連続海苔巻き成形機に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく種々適用することができ、例えば、具材を巻き込む種々の食品の製造に適用することができる。
【符号の説明】
【0085】
1 米飯供給装置
1a ライスリフタ(米飯投入手段)
1a−D ライスリフタ用の駆動機器
1b 供給ホッパ(ホッパ)
1c 縦計量部(米飯処理部)
1c−1 第1の縦計量部(第1の米飯処理部)
1c−2 第2の縦計量部(第2の米飯処理部)
1c−1a,1c−2a 解しローラ
1d−1 第1の供給コンベア(第1の供給手段)
1d−2 第2の供給コンベア(第2の供給手段)
1e 搬送ローラ(搬送手段)
1e−M 搬送ローラ用の回転モータ
1f ガイド板
1g−1 第1のセンサ(第1の検知手段)
1g−2 第2のセンサ(第2の検知手段)
1h ロッド(区切り部材)
2 海苔供給部
2a ボビン
3 搬送コンベア
3a 計量コンベア
3b トッピングコンベア
3c 巻成形コンベア
4 巻成形部
5 カッタ部
6 操作パネル
13 搬送ローラ用の駆動制御回路
14 第1のセンサ用回路
15 第2のセンサ用回路
16 ライスリフタ用の駆動制御回路
17 内部インタフェース
18 アラーム用の駆動制御回路
19 アラーム用の駆動機器
BS バスライン
C 制御部(制御手段)
M1 連続海苔巻き成形機(巻寿司連続製造装置)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9