(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、第2実施形態の説明において、第1実施形態と共通する構成については、同一の符号又は共通の規則性を持って符号を付し、適宜その説明を省略する。
【0016】
図1は、本発明の第1実施形態に係る浴室の床構造10を有する浴室1を示す平面図である。
図2は、第1実施形態に係る浴室の床構造10が備えるフレーム20と、防水パン30を模式的に表したものと、を示す斜視図である。
図3は、第1実施形態に係る浴室の床構造10が備えるフレーム20、保温材50及び支持部材60の斜視図である。
図4は、第1実施形態に係る浴室の床構造10が備えるフレーム20及び支持部材60の斜視図である。
なお
図2では、説明の便宜上、保温材50及び支持部材60の記載を省略している。
【0017】
図1に示すように本実施形態の浴室の床構造10(洗い場2)は、マンションや戸建て住宅の浴室1を構成する。浴室1は、洗い場2と、浴槽3と、カウンター4と、収納棚5と、鏡6と、水栓7と、シャワー部8と、ドア部9と、を有している。
図1に示すように、浴槽3は洗い場2に隣接して設けられ、カウンター4、収納棚5、鏡6、水栓7、シャワー部8及びドア部9は、洗い場2の上部に設けられる。
【0018】
図2〜
図4に示すように、浴室の床構造10は、フレーム20と、防水パン30と、排水トラップ40と、保温材50と、支持部材60と、を備えている。
【0019】
フレーム20は、外周部21と、支持脚部22と、桟部23と、取付部24と、被係合部25と、を備えている。
【0020】
外周部21は、長方形状に形成されており、対向する一対の長辺梁21A,21B及び対向する一対の短辺梁21C,21Dを有している。長辺梁21Aは浴槽3側に位置する。長辺梁21Aの長手方向の中央部には、長辺梁21Aの側面部及び底面部からなる排水トラップ40の取付部24が構成されている。
【0021】
桟部23は、中空状の3つの桟、第1桟23A、第2桟23B及び第3桟23Cを有している。桟部23は外周部21に比べて一段下方に設けられている。これら第1桟23A、第2桟23B及び第3桟23Cの上面に防水パン30が支持される。
【0022】
支持脚部22は、4つの支持脚を有し、それぞれの支持脚に高さ(長さ)調整機構を設けている。本実施形態においては、4つの支持脚を用いて、フレーム20の高さ調整が行われる。これら支持脚部22による外周部21の高さ調整が終わった後は、躯体100上に載置され、それぞれの下端が接着剤等により躯体100に固定される。
【0023】
被係合部25は第2桟23B及び第3桟23Cの上面に形成される開口部である。この被係合部25には、後述する防水パン本体31の裏面35に設けられる係合部37を挿通させた後、所定方向にスライドさせることで、係合部37が係合される。これにより、防水パン30はフレーム20に対して固定される。
【0024】
続いて、防水パン30について説明する。防水パン30は、全体として一枚の板状の防水パン本体31からなる。
【0025】
防水パン本体31の表面には、排水口部32と、収容凹部33と、が形成され、裏面35には、リブ36と(
図5参照)、係合部37と、が設けられる。この防水パン本体31は、洗い場2の領域全体をカバーする。
【0026】
排水口部32は、防水パン本体31の外周近傍に設けられており、表面から裏面35へ連通する貫通形態の円形に形成される。排水口部32は、表面の4つの隅からこの排水口部32に向かって、それぞれ下り勾配で傾斜している。
【0027】
収容凹部33は、排水口部32の周辺を浅く凹ませた形態で形成される。この収容凹部33には、収容凹部33の形状にほぼ整合し、取り外し可能な目皿が収容される。
【0028】
裏面35は、防水パン本体31に作用する負荷がかかる部位である。この負荷に対する剛性を高める手段として、この裏面35には、防水パン本体31に略直角に下方へ突出する後述のリブ36が裏面35の全域に亘って形成されている。
【0029】
リブ36は、裏面35の各辺に沿って、フレーム20側に突出し、格子状に設けられる。リブ36の高さは、周縁部と中央部とで異なる。該周縁部の突出高さと、該中央部の突出高さとの差によって形成される段差は、上記フレーム20の外周部21と、桟部23によって形成される段差と一致する。そのため、防水パン30の周縁部の裏面35の下端が該外周部21の上端に当接すると同時に、該中央部のリブ36の下端は桟部23の上面に当接し、支持される。従って、防水パン本体31はリブ36を介して、桟部23により補強される。
【0030】
係合部37は、防水パン本体31の裏面35に設けられる。係合部37は、第2桟23B及び第3桟の上面に設けられる被係合部25に上方から挿通し、所定方向にスライドさせることで、この被係合部25に係合される。これにより、フレーム20の桟部23と、防水パン本体31の裏面35と、の接触による音鳴りを抑制できる。
【0031】
排水トラップ40は、上面に開口する洗い場用流入口41と、上面に開口する浴槽用流入口42と、浴槽側とは反対方向に開口する流出口43と、この流出口43に接続する排水パイプ44と、を有する。洗い場用流入口41は、後述の防水パン本体31の排水口部32に接続され、浴槽用流入口42は、浴槽3中の排水口3A(
図1参照)に接続される。流出口43は、排水パイプ44に接続され、浴室1内の排水はこの排水パイプ44を経由して、浴室外部へ送られる。
【0032】
フレーム20の内側には、上述の桟部23によって、4つの第1開口部26A、第2開口部26B、第3開口部26C、第4開口部26Dが形成される。これら第1開口部26A〜第4開口部26Dには、
図3に示すようにそれぞれ保温材50が各開口部を覆うように配置される。また、保温材50を裏面52側(
図5参照)から支持する支持部材60がフレーム20と保温材50に跨って配置される。
【0033】
ここで、保温材50は、発泡樹脂からなる板状の保温材であり、上記フレーム20の内側の各開口部に適合する4つの保温材、第1保温材51A、第2保温材51B、第3保温材51C及び第4保温材51Dにより構成される。即ち、各開口部には保温材50が充填されており、これにより、各開口部は保温材50によって塞がれた状態となっている。これら第1保温材51A〜第4保温材51Dは、それぞれ後述する支持部材60の保温材支持部上に載置された状態で、フレーム20の内側に配置される。
【0034】
また、浴室の床構造10の保温性能に鑑み、第1保温材51A〜第4保温材51Dは、各支持部材60により支持された状態において、その上面が桟部23の上面と略同一となるような厚みであることが好ましい。なお、第1保温材51Aの長辺梁21A側中央には、排水トラップ40設置用の切欠き511Aが形成されている。
【0035】
図3及び
図4に示すように、支持部材60は、桟部23に取り付けられる複数の第1支持部材61と、外周部21に取り付けられる複数の第2支持部材62と、によって構成される。本実施形態においては、一つの保温材に対して5つの支持部材60が使用されており、各保温材は5つの支持部材60により支持されている。なお、本実施形態における支持部材60には、金属板を適宣加工することにより形成される。
以下、第1支持部材61及び第2支持部材62の詳細について、
図5〜
図10を参照して説明する。
【0036】
ここで、
図5は、
図3におけるA−A線断面部分に防水パン30を載置した図であり、
図6は、第1実施形態に係る第1支持部材61の斜視図であり、
図7A〜
図7Cは、第1実施形態に係る第1支持部材61の桟部23への取り付けを説明するための図である。
図8は、
図3におけるB−B線断面部分に防水パン30を載置した図であり、
図9は、第1実施形態に係る第2支持部材の斜視図であり、
図10A〜
図10Bは、第1実施形態に係る第2支持部材62の外周部21への取り付けを説明するための図である。
【0037】
図5に示すように第1支持部材61は、桟部23(
図5では第3桟23C)の周囲を囲繞するように設けられる。第1支持部材61は、本体部61Aと、第1引掛け部61Bと、第2引掛け部61Cと、第1保温材支持部61Dと、第2保温材支持部61Eと、粘着テープ61Fと、によって構成される。
【0038】
図6に示すように本体部61Aは、角筒形状の桟部23の外周に嵌合する形状を有する。具体的には、桟部23の底面に面接触する底面部611と、該底面部611の両端側から立設して桟部23の両側面に面接触する両側面部612と、を含んで構成される。
【0039】
第1引掛け部61Bと第2引掛け部61Cは、それぞれ本体部61Aの両側面部612に連続し、該本体部61Aを介して対向して配置される。より詳しくは、これら引掛け部は、本体部61Aの両側面部612における桟部23の延設方向一端側から立設し、その先端部(下端部)が桟部23の上面に面接触するように内側に直角に屈曲して形成される。これにより、各引掛け部の下面が桟部23の上面に引っかかるようになっている。
【0040】
また、対向して配置される第1引掛け部61Bと第2引掛け部61Cは、互いに所定距離離間して配置されている。即ち、第1引掛け部61Bの先端部613と、第2引掛け部61Cの先端部614の間には所定の間隔が形成されており、該隙間に防水パン本体31のリブ36が配置される。
【0041】
第1保温材支持部61Dと第2保温材支持部61Eは、それぞれ本体部61Aの両側面部612に連続し、該本体部61Aを介して対向して配置される。より詳しくは、これら保温材支持部は、本体部61Aの両側面部612における桟部23の延設方向他端側から外側に直角に屈曲して延びて形成される。これにより、各保温材支持部の上面に保温材50の裏面52が支持されるようになっている。
【0042】
粘着テープ61Fは、桟部23の上面、第1引掛け部61Bの上面及び第2引掛け部61Cの上面に亘って貼り付けられる。これにより、第1支持部材61は、桟部23(
図5では第3桟23C)の所定の位置に取り付け固定される。
【0043】
以上により、第1支持部材61は、桟部23(
図5では第3桟23C)に取り付け固定された状態で、第1保温材支持部61Dにより第1保温材51Aの裏面52Aを支持するとともに、第2保温材支持部61Eにより第3保温材51Cの裏面52Cを支持する。
【0044】
ここで、
図7A〜
図7Cに示すように第1支持部材61は、例えば次のようにして第3桟23Cに取り付けられる。
先ず、板状の金属部材を上述の形状を有する第1支持部材61に成形加工した後、第1引掛け部61Bと第2引掛け部61Cと間の隙間を拡げた状態で、該隙間から第1支持部材61の内側に第3桟23Cを挿通させる。これにより、第1支持部材61が第3桟23Cの外周に嵌合することで、第1支持部材61は第3桟23Cに取り付けられる。
次いで、粘着テープ61Fを、桟部23の上面及び各引掛け部の上面に亘って貼り付ける。これにより、第1支持部材61は第3桟23Cに取り付け固定される。
【0045】
続いて、
図8に示す第2支持部材62は、外周部21(
図8では、短辺梁21D)の外周を囲繞するように設けられる。第2支持部材62は、本体部62Aと、引掛け部62Bと、保温材支持部62Dと、粘着テープ62Fと、によって構成される。
【0046】
図9に示すように本体部62Aは、角筒形状の外周部21の外周に面接触する形状を有する。具体的には、外周部21の底面に面接触する底面部621と、該底面部621の一端側から立設して外周部21の一側面に面接触する側面部622と、を含んで構成される。
【0047】
引掛け部62Bは、本体部62Aの側面部622に連続するとともに、該側面部622を介して、底面部621に対抗して配置される。より詳しくは、引掛け部62Bは、本体部62Aの側面部622における外周部21の延設方向一端側から、その先端部623(下端部)が外周部21の上面に面接触するように内側に直角に屈曲して形成される。これにより、引掛け部62Bの下面が外周部21の上面にひっかかるようになっている。
【0048】
保温材支持部62Dは、本体部62Aに連続して設けられる。より詳しくは、保温材支持部62Dは、本体部62Aの側面部622における外周部21の延設方向他端側から外側に直角に屈曲して延びて形成される。これにより、保温材支持部62Dの上面に保温材50の裏面52が支持されるようになっている。
【0049】
粘着テープ62Fは、本体部62Aの側面部622、引掛け部62Bの上面、外周部21の上面の一部から該外周部21の下面の一部及び底面部621の下面に亘り貼り付けられる。これにより、第2支持部材62を外周部21(
図8では、短辺梁21D)の所定の位置に固定できる。
【0050】
ここで、
図10A〜
図10Bに示すように、第2支持部材62は例えば次のようにして短辺梁21Dに取り付けられる。
先ず、板状の金属部材を上述の形状を有する第2支持部材62に成形加工した後、外周部21の内側面側から、第2支持部材62を近接させ、引掛け部62Bと底面部621の間に短辺梁21Dを挟み込む。これにより、第2支持部材62は短辺梁21Dの上面に引っかかった状態になる。
次いで、粘着テープ62Fを、本体部62Aの側面部622から、短辺梁21Dの外側側面を経由して、第2引掛け部62Cの下面に亘り貼りつける。これにより、第2支持部材62は短辺梁21Dに取り付け固定される。
【0051】
なお、本実施形態では、第2支持部材62を粘着テープ62Fにより、固定する例を説明したが、底面部621と先端部623の隙間を先端側に向かうほど狭くなるように形成し、該隙間に外周部21を挟持させるように固定してもよい。
【0052】
以上のようにして、第1支持部材61及び第2支持部材62は、それぞれ
図4に示すように外周部21及び桟部23上に取り付けられる。その後、外周部21と桟部23により形成される第1開口部26A〜第4開口部26Dに、それぞれ第1保温材51A〜第4保温材51Dを載置することにより、第1保温材51A〜第4保温材51Dの裏面側はそれぞれ第1支持部材61及び第2支持部材62に支持される(
図3参照)。
【0053】
そして、フレーム20は、躯体100上に配置された後、保温材50及び支持部材60が配置される。その後、該フレーム20上に防水パン30を載置することにより、本実施形態の浴室の床構造10が製造される。
より詳しくは、防水パン本体31に設けられた係合部37と、フレーム20の被係合部25との位置合わせをしながら、防水パン30を水平方向にスライド移動させることにより、被係合部25と係合部37とが互いに係合し、桟部23の上面に、防水パン本体31のリブ36の下端が支持される。
【0054】
また、フレーム20上に防水パン30が配置された本実施形態に係る浴室の床構造10の断面構造は、
図5及び
図8に示す通りである。これら
図5及び
図8に示すように、防水パン本体31の裏面35側に、保温材50が配置される。
一方で、防水パン本体31のリブ36と、桟部23の間には保温材50は設けられていない。即ち、桟部23の上面は、リブ36の下端面に当接し、防水パン本体31はフレーム20に安定して係合される。
【0055】
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態では、浴室の床構造10を、躯体100上に配置されるフレーム20と、フレーム20上に載置される防水パン30と、防水パン30の裏面35側においてフレームの内側に配置される板状の保温材50と、を備え、保温材50は、フレーム20に配置される支持部材60を介して、裏面側から支持される構成にした。
これにより、保温材50は、フレーム20の内側において、支持部材60上に支持され、該フレーム20上に防水パン30を載置することで、保温材50は防水パン30の裏面35側に配置される。そのため、防水パン30の載置前に、保温材50を容易に取り付け可能である。
更には、防水パン30の載置前に、排水トラップ40をフレーム20に取り付けることが可能であり、施工作業全体の効率が向上する。
【0056】
また、本実施形態では、支持部材60は、保温材50の裏面側に配置され、該裏面を支持する保温材支持部(第1保温材支持部61D、第2保温材支持部61E及び保温材支持部62D)と、フレーム20の表面側に配置され、該表面に引掛けられる引掛け部(第1引掛け部61B、第2引掛け部61C及び引掛け部62B)と、を有する構成にした。
これにより、支持部材60はフレーム20の表面に引掛け部を引っかけるのみで、フレーム20の内側に保温材50の各支持部を設けることができる。その結果、保温材50を容易に取り付け可能であり、浴室の床構造の施工作業を効率的なものにできる。
【0057】
また、本実施形態では、フレーム20は、外周部21と、該外周部21の内側に配置される桟部23と、を有し、保温材50は、桟部23によってフレーム20の内側に形成される開口部(第1開口部26A〜第4開口部26D)を覆うように配置される構成にした。
これにより、従来の技術では、フレーム20と防水パン30の当接部分を避け、保温材を取り付ける場合、各保温材を、各開口部の面積よりも小さくして設けなければ、防水パン30のリブ36に適切に取り付けることができなかったのに対し、本実施形態の各保温材は、各開口部の内側面に設けた各保温材支持部上に支持される。そのため、各保温材は各開口部の内側いっぱいにまで、保温材を設けることで、各保温材と、各開口部のとの隙間を低減させ、保温性能が向上する。
また、防水パン30の面積が大きく、防水パン30を補強するためフレーム20に桟部23を設ける必要が生じた場合であっても、外周部21には第1支持部材61を取り付け、桟部23には第2支持部材62を取り付けできる。そのため、各開口部に保温材50を容易に設置できる。その結果、浴室の床構造の施工作業全体の効率が向上する。
【0058】
また、本実施形態では、支持部材60を、フレーム20に取り付け固定される構成にした。
これにより、支持部材60は、フレーム20に排水トラップ40を配置した後であっても、該フレーム20に取り付け可能である。その結果、浴室の床構造10の施工作業全体の効率が向上する。
【0059】
[変形例]
図11及び
図12は、第1実施形態に係る第1支持部材61の変形例の支持部材63を示す斜視図及び正面図である。これら
図11及び
図12に示すように、本実施形態に係る変形例の支持部材63は、底面部631の中央付近から、下方に延びる折り曲げ部63Gを備える以外は、第1支持部材61と同一の構成である。
【0060】
図11及び
図12に示すように、本実施形態に係る変形例の支持部材63では、折り曲げ部63Gが底面部631の中央部から下方に向かって直角に屈曲して形成されるとともに、一枚板を折り返した構造で形成される。そして、変形例の支持部材63は、折り曲げ部63Gの下端部635(折り返し箇所)を、第1引掛け部63Bの先端部633と第2引掛け部63Cの先端部634とを離間させる際の支点として利用できる。これにより、第1引掛け部63Bと第2引掛け部63Cの隙間を容易に広げることが可能である。
【0061】
本実施形態に係る変形例の支持部材63は、本体部63Aの底面部631の中央に、折り曲げ部63Gを設けるとともに、該折り曲げ部63Gの下端部635を支点として、第1引掛け部63Bと第2引掛け部63Cの間隔を調整可能とした。
これにより、変形例の支持部材63は上述の第1支持部材61に比べ、桟部23への支持部材の取り付け、取り外しが容易に行える。そのため、施工現場において施工作業施工性が向上する。
【0062】
[第2実施形態]
図13は、本発明の第2実施形態に係る保温材50及び第3支持部材64の斜視図である。この
図13に示すように、本実施形態に係る第3支持部材64は、保温材50(
図13では、第4保温材51D)の周囲を囲繞するように取り付け固定される。ここで、第3支持部材64は、第1引掛け部64Bと、第2引掛け部64Cと、保温材支持部64Hと、粘着テープ64Fと、第1取り付け部64Iと、第2取り付け部64Jと、によって構成される。
【0063】
保温材支持部64Hは、角筒形状の保温材50の外周に嵌合する形状を有する。より詳しくは、保温材50の底面に面接触する底面部641と、該底面部641の両端側から立設して、保温材50の両側面に面接触する両側面部642と、を含んで構成される。
【0064】
第1引掛け部64B及び第2引掛け部64Cは、それぞれ保温材支持部64Hの両側面部642に連続して設けられる。より詳しくは、第1引掛け部64Bは、保温材支持部64Hの両側面部642における保温材50の延設方向一端側から立設し、その先端部が外周部21の上面に面接触するように外側に直角に屈曲して形成される。
また、第2引掛け部64Cは、保温材支持部64Hの両側面部642における保温材50の延設方向他端側から、その先端部が桟部23の上面に面接触するように外側に直角に屈曲して形成される。これにより、第1引掛け部64Bの下面が外周部21の上面に引っかかり、また第2引掛け部64Cの下面が桟部23の上面に引っかかるようになっている。
【0065】
第1取り付け部64Iと、第2取り付け部64Jは、保温材支持部64Hの底面部641を介して対向して設けられる。より詳しくは、これら取り付け部は、保温材支持部64Hの底面部641における保温材50の延設方向一端側から立設し、その先端部が保温材50の上面に面接触するように内側に直角に屈曲して形成される。これにより、各取り付け部の下面が保温材50の上面に当接するようになっている。
【0066】
図13に示すように、本実施形態に係る第3支持部材64は、保温材50(
図13では第4保温材51D)に取り付け固定されるものであり、該第3支持部材64を介して、保温材50をフレーム20上に支持させることができる。
なお、本実施形態に係る第3支持部材64では、外周部21及び桟部23に、第1引掛け部64B及び第2引掛け部64Cを引っかける場合を説明したが、本発明はこれに限らない。例えば、外周部21及び外周部21に第3支持部材64を引掛ける場合や、桟部23及び桟部23に第3支持部材64を引掛ける場合は、第1引掛け部64B及び第2引掛け部64Cの先端の位置を、それぞれ調整する。
【0067】
本実施形態では、支持部材60を、保温材50の一部に取り付けられる構成とした。
これにより、第3支持部材64を取り付けた保温材50を、フレーム20上に容易に支持させることができる。その結果、浴室の床構造の施工作業を効率的なものにできる。
【0068】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
上記実施形態では、支持部材60を金属で成形した例で説明したが、別段これに限られず、支持部材60を樹脂により成形してもよい。
また上記実施形態では、1つの保温材を5つの支持部材60で支持したが、別段これに限られず、保温材を十分支持できる範囲内で支持部材の数を変更可能である。
【0069】
[第3実施形態]
図14は、第3実施形態に係る浴室の床構造における
図3のA−A線に対応する箇所での断面図であり、
図15は、第3実施形態に係る浴室の床構造における
図3のB−B線に対応する箇所での断面図である。
本実施形態では、
図14に示すように桟部23の下方に直接、第1支持部65を設けた点、及び
図15に示すように外周部21に直接、第2支持部66を設けた点で上述の各実施形態とは相違する。
【0070】
第1支持部65は、第1保温材支持部65Dと第2保温材支持部65Eから構成される。該第1支持部65は、桟部23(
図14では、第3桟23C)の両側面部231Cの下端に連続して設けられる。
【0071】
第1保温材支持部65Dと第2保温材支持部65Eは、桟部23における該桟部23の延設方向他端側から外側に直角に屈曲して延びて形成される。これにより、各保温材支持部の上面に保温材50の裏面52が支持されるようになっている。
【0072】
第2支持部66は、保温材支持部66Dにより構成される。ここで、第2支持部66は、外周部21(
図15では、短辺梁21D)の底面部211Dに連続して設けられる。
【0073】
保温材支持部66Dは、外周部21の底面部211Dにおける外周部21の延設方向他端側から保温材50側に延びて形成される。これにより、保温材支持部66Dの上面に保温材50の裏面52が支持されるようになっている。
【0074】
本実施形態では、第1支持部65及び第2支持部66は、それぞれフレーム20と一体に形成される構成とした。
これにより、フレーム20上に直接、保温材50を支持させることができる。その結果、浴室の床構造の施工作業の効率を向上できる。