(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記プロセッサは、前記ターゲット区間を周波数領域信号に変換し、前記周波数領域信号の周波数成分の内の前記設定値の整数倍の周波数成分を前記ターゲット成分として定義することを特徴とする請求項1に記載の生体信号処理装置。
前記プロセッサは、前記ターゲット成分に対応する信号を第1の数だけ前記ターゲット区間から抽出し、前記非ターゲット成分に対応する信号を前記第1の数と前記設定値に基づいて定義される第2の数だけ前記ターゲット区間から抽出し、
前記第1の数をMとし前記設定値をRとするとき、前記第2の数は、M×(R−1)であることを特徴とする請求項1に記載の生体信号処理装置。
前記プロセッサは、前記第1の数だけ抽出された信号の電力及び前記第2の数だけ抽出された信号の電力を用いて前記品質メトリックを演算することを特徴とする請求項3に記載の生体信号処理装置。
前記プロセッサは、前記品質メトリックの演算に基づいて前記ターゲット区間及び前記設定値の内のいずれか1つ又は両方を変更し、前記変更されたターゲット区間及び設定値の内のいずれか1つ又は両方に基づいて前記品質メトリックと他の品質メトリックを演算して、前記品質メトリック及び前記他の品質メトリックの中から第1最大品質メトリックを決定することを特徴とする請求項1に記載の生体信号処理装置。
前記プロセッサは、前記生体信号と他の生体信号の第2最大品質メトリックを決定して、前記第1最大品質メトリック及び前記第2最大品質メトリックの中から最大値を決定し、前記最大値に対応するターゲット区間をモニタリングされるターゲット生体信号として決定することを特徴とする請求項5に記載の生体信号処理装置。
前記プロセッサは、前記第1最大品質メトリックが閾値以上であるか否かを判断し、前記判断の結果に基づいて、前記第1最大品質メトリックに対応するターゲット区間をモニタリングされるターゲット生体信号として決定することを特徴とする請求項5に記載の生体信号処理装置。
前記プロセッサは、少なくとも1つの第1変更ターゲット区間を取得するために第1ステップサイズだけの前記ターゲット区間を少なくとも一度変更し、前記少なくとも1つの第1変更ターゲット区間に対応する品質メトリックを算出して、前記ターゲット区間及び前記少なくとも1つの第1変更ターゲット区間の中から最大品質メトリックを有するターゲット区間を選択し、
少なくとも1つの第2変更ターゲット区間を取得するために第2ステップサイズだけ前記選択されたターゲット区間を少なくとも一度変更し、前記少なくとも1つの第2変更ターゲット区間に対応する品質メトリックを算出して、前記選択されたターゲット区間及び前記少なくとも1つの第2変更ターゲット区間に対応する品質メトリックに基づいて第1最大品質メトリックを決定することを特徴とする請求項1に記載の生体信号処理装置。
前記プロセッサは、前記ターゲット区間をモニタリングされるターゲット生体信号として決定し、前記ターゲット区間の前記非ターゲット成分に対応する信号の大きさを予め設定された値として定義することを特徴とする請求項1に記載の生体信号処理装置。
前記決定部は、前記取得された複数の代表品質メトリックの内の最大値に対応するターゲット区間を前記モニタリングされるターゲット生体信号として決定することを特徴とする請求項12に記載の生体信号処理装置。
前記品質推定部は、少なくとも1つの第1変更ターゲット区間を取得するために第1ステップサイズだけ前記ターゲット区間を少なくとも一度変更し、前記少なくとも1つの第1変更ターゲット区間に対応する品質メトリックを算出し、前記ターゲット区間及び前記少なくとも1つの第1変更ターゲット区間の中から最大品質メトリックを有するターゲット区間を選択し、
少なくとも1つの第2変更ターゲット区間を取得するために第2ステップサイズだけ前記選択されたターゲット区間を少なくとも一度変更し、前記少なくとも1つの第2変更ターゲット区間に対応する品質メトリックを算出して、前記選択されたターゲット区間及び前記少なくとも1つの第2変更ターゲット区間に対応する品質メトリックに基づいて前記それぞれの生体信号の最大品質メトリックを決定することを特徴とする請求項11に記載の生体信号処理装置。
前記決定部は、前記決定されたターゲット生体信号の非ターゲット成分に対応する信号の大きさを予め設定された値として定義することを特徴とする請求項11に記載の生体信号処理装置。
前記品質メトリック定義部は、前記ターゲット区間を周波数領域信号に変換して、前記周波数領域信号の周波数成分の内の前記設定値の整数倍の周波数成分を前記ターゲット成分として定義することを特徴とする請求項11に記載の生体信号処理装置。
前記品質メトリック定義部は、前記ターゲット成分に対応する信号を第1の数だけ前記ターゲット区間から抽出し、前記非ターゲット成分に対応する信号を前記第1の数と前記設定値に基づいて定義される第2の数だけ前記ターゲット区間から抽出し、
前記第1の数をMとし前記設定値をRとするとき、前記第2の数は、M×(R−1)であることを特徴とする請求項11に記載の生体信号処理装置。
前記品質メトリック定義部は、前記第1の数だけ抽出された信号の電力及び前記第2の数だけ抽出された信号の電力を用いて前記品質メトリックを定義することを特徴とする請求項19に記載の生体信号処理装置。
前記選択されたターゲット区間及び前記少なくとも1つの第2変更ターゲット区間に対して算出された品質メトリックの中から最大品質メトリックを決定するステップをさらに有することを特徴とする請求項24に記載の生体信号処理方法。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明に係る生体信号処理装置及び生体信号処理方法を実施するための形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
【0019】
本実施形態で用いる用語は、単に特定の実施形態を説明するために用いるものであって、実施形態を限定しようとする意図はない。
単数の表現は、文脈上、明白に異なる意味をもたない限り複数の表現を含む。
本明細書において、「含む」又は「有する」などの用語は明細書上に記載した特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものが存在することを示すものであって、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものなどの存在又は付加の可能性を予め排除しないものとして理解しなければならない
【0020】
異なる定義がされない限り、技術的であるか又は科学的な用語を含むここで用いる全ての用語は、本実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に用いられる予め定義された用語は、関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有するものと解釈すべきであって、本明細書で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されることはない。
【0021】
また、図面を参照して説明する際に、図面符号に関係なく同一の構成要素には同一の参照符号を付与し、それに対する重複説明を省略する。本実施形態の説明において関連する公知技術に対する具体的な説明が実施形態の要旨を不要に曖昧にすると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0022】
図1は、生体信号処理の一例を説明するためのグラフである。
ノイズ成分を含む生体信号がフーリェ変換によって周波数領域信号110に変換される場合、相対的に高い周波数成分はノイズ成分であり得、相対的に低い周波数成分は所望する信号(desired signal)であり得る。
【0023】
図1には、所望する信号の周波数帯域に対応する信号ウィンドウ(signal window)120と、ノイズ成分に対応するノイズウィンドウ(noise window)130が示されている。
ここで、信号ウィンドウは、DC成分を含まない。
【0024】
生体信号の品質を推定するために、周波数領域信号110のSN比(signal−to−noise ratio:SNR)を用いることができる。
SN比は、ノイズウィンドウ130に含まれた信号の電力と信号ウィンドウ120に含まれた信号の電力との間の比率に基づいて定義され得る。
SN比に基づいて生体信号の品質を推定する方法の場合、歪曲された生体信号がモニタリング対象になるターゲット生体信号として決定され得る。
以下、
図2を参照しながら説明する。
【0025】
図2A、2Bは、生体信号の一例を説明するためのグラフである。
図2A、2Bを参照すると、
図2A、2Bは互いに異なる生体信号を示す。
図2A、2Bにおいて、細い実線はノイズ成分を含む生体信号を示し、太い一点鎖線はノイズ成分が除去された生体信号を示す。
【0026】
図2A、2Bの場合、ノイズ成分を除いた生体信号の平均電力は近似しているが、高い周波数によって不規則に変わるノイズ成分の平均電力は、
図2Aの場合が
図2Bの場合よりさらに高い。
図1によって記述した方法を用いて生体信号の品質が推定される場合、ノイズ成分の平均電力が相対的に小さい
図2Bの生体信号の品質が高く推定され得る。
そのため、
図2Bの生体信号がモニタリング対象になるターゲット生体信号として決定される。
【0027】
生体信号は、周期性(periodicity)を持つ。
安定した状況(例えば、ユーザが動かない場合)において検出された生体信号は、ノイズ成分を含むが、周期性を持つ。
生体信号測定装置がユーザと正確に接触しないなどの特定状況において検出された生体信号は、周期性を持たない場合がある。
図2Bの生体信号は、
図2Aの生体信号の品質より高く推定されたとしても周期性を持たないため、
図2Bの生体信号は、ターゲット生体信号として適合しない。
図2Aの生体信号は、品質が低く推定されるが、ターゲット生体信号として適合する。
そのため、
図1によって記述した方法は、生体信号の品質を推定するのに困難が生じ得る。
【0028】
図3A、3Bは、生体信号処理の他の一例を説明するためのグラフである。
図3A、
図3Bを参照すると、
図3A、
図3Bはノイズ成分が除去された生体信号を示す。
ノイズ成分は、相対的に高い周波数成分であるため、ローパスフィルタ(Low Pass Filter:LPF)を介して除去してもよい。
【0029】
生体信号の品質を推定するために、ノイズ成分を除去した生体信号の変動幅を用いてもよい。
信号強度の変動幅が大きいほど品質が高いと推定され得る。この場合、
図3Aの生体信号より、
図3Bの生体信号の品質が高く推定され得る。
【0030】
しかしながら、上述したように、
図3Bの生体信号は、モニタリング対象になるターゲット生体信号として適合しない(非周期性)。
よって、生体信号の変動幅を用いる方法は生体信号の品質を推定するのに困難が生じ得る。
【0031】
図4〜
図10は、本発明の一実施形態に係る生体信号処理の一例を説明するための図である。
図4には、理想的な生体信号X
R(t)を示す。
【0032】
周期T
p(410)に対応する基本波形g(t)(420)がR回繰り返されると仮定する。
そうすると、X
R(t)は、下記の数式1で表すことができる。
【数1】
【0033】
フーリェ変換によってX
R(t)が周波数領域信号に変換されれば、下記の数式2で表すことができる。
【数2】
【0034】
式2におけるG(f)は、
を示す。
ここで、
に絶対値が適用されれば、隣接するピーク値の間における0が(R−1)個である。以下、
図5を参照しながら説明する。
【0035】
図5を参照すると、
図5は、周波数による
のグラフを示す。ここで、T
pは1である。
【0036】
Rが2の場合、ピーク値(510)とピーク値(511)との間における大きさが0である周波数成分は1個である。
Rが3の場合、ピーク値(521)とピーク値(522)との間における大きさが0である周波数成分は2個であり、Rが4の場合、ピーク値(531)とピーク値(532)との間における大きさが0である周波数成分は3個である。
【0037】
図5によって記述された内容に基づいてX
R(f)は下記の数式3で表すことができる。
【数3】
【0038】
mが整数であり、周波数fが(m/T
p)の場合、X
R(f)=G(f)・Rであり、fが(Rm+1)/(RT
p),(Rm+2)/(RT
p),・・・,(Rm+R−1)/(RT
p)である場合、X
R(f)=0である。
fが(m/T
p)と(m+1)/T
pとの間における周波数の場合、X
R(f)=0である。
【0039】
生体信号センサが検出する生体信号は、デジタル信号やデジタル信号に変換されるものであってもよいため、生体信号の周波数分析のためにDFT(Discrete Fourier Transform)を用いてもよい。
又は、生体信号の周波数分析のためにDFTの演算速度を増加させたFFT(Fast Fourier Transform)を用いてもよい。
生体信号にDFT又はFFTを適用してDFTの結果又はFFTの結果を取得してもよい。
【0040】
X
R(f)からDFTの結果又はFFTの結果を取得してもよい。
より具体的には、CTFT(Continuous−Time Fourier Transform)における周波数領域サンプリング(frequency−domain sampling)値をサンプリング間隔(sampling interval)(サンプリング間隔は、時間領域サンプルの間の間隔を示す)に分けた値を用いて、X
R(f)からDFTの結果又はFFTの結果を取得する。
DFTの結果又はFFTの結果X
R[k]は下記の数式4で表すことができる。
【数4】
【0041】
数式4において、T
sはサンプリング間隔を示し、kは0以上であり、(N−1)以下の整数を示す。
ここで、サンプリング間隔は、サンプルとサンプルとの間の時間間隔又はサンプルとサンプルとの間の距離を示す。
Nは、全体サンプルの数を示し、FFTの大きさ又はFFTの長さを示す。
数式4において、kがRの整数倍でない場合、X
R[k]は0になり、kがRの整数倍である場合、X
R[k]は0にならない。
以下、数式4と関連する一例を
図6Aと
図6Bを参照しながら説明する。
【0042】
図6Aを参照すると、
図6Aは時間領域信号のグラフを示し、
図6Bを参照すると、
図6Bは周波数領域信号を示す。信号610を基本波形とする。
信号(611)は、基本波形が2回繰り返された信号であって波形繰り返し回数は2であり、信号(612)は、基本波形が3回繰り返された信号であって波形繰り返し回数は3である。
【0043】
DFT又はFFTによって、信号(610)〜信号(613)のそれぞれは、信号(620)〜信号(622)のそれぞれに変換され得る。
ここで、信号(620)〜信号(622)の正規化(normalization)のためにDFT又はFFTの結果にR
*F
sが分れてもよい。
F
sは、T
sの逆数であり、サンプリングレート(sampling rate)を示す。
図6A〜
図6Bに示した例において、F
sは250Hzである。
図6Bのグラフの横軸は周波数である。
より詳細には、
図6Bのグラフの横軸は、スケーリング(scaling)されたkのk/(N
*T
s)である。
【0044】
信号(621)において、1番目の周波数成分に対応する信号の大きさは0であり、2番目の周波数成分に対応する信号の大きさは0ではなく、3番目の周波数成分に対応する信号の大きさは0であり、4番目の周波数成分に対応する信号の大きさは0ではない。
信号(611)は、基本波形が2回繰り返された信号であるため、信号(621)の2番目の周波数成分及び4番目の周波数成分に対応する信号が所望する信号である。
【0045】
信号(622)において、1番目及び2番目の周波数成分の信号の大きさは0であり、3番目及び6番目の周波数成分の信号の大きさは0ではない。
信号(612)は、基本波形が3回繰り返された信号であるため、信号(622)の3番目の周波数成分及び6番目の周波数成分に対応する信号が所望する信号である。
【0046】
基本波形がR回繰り返された生体信号が周波数領域信号に変換される場合、Rの整数倍である周波数成分に所望する信号が分布される。
【0047】
以上、理想的な生体信号及び理想的な生体信号の周波数特性に関して説明した。
以下では、ノイズ成分、モーションアーチファクト、又はホワイトノイズ(white noise)などによって歪曲された生体信号及び歪曲された生体信号の周波数特性を説明する。
【0048】
ノイズ成分などが含まれた生体信号は、下記の数式5で表すことができる。
【数5】
【0049】
数式5において、n
r(t−rT
p)は、非繰り返し成分であって、信号の歪曲を考慮した値である。
1番目に表れる波形と2番目に表れる波形は同一ではないが、波形の形は類似する。
数式5のX
R(t)は、非繰り返し成分のため、理想的な周期信号ではないが、周期性を持つ。
数式5のX
R(t)の波形繰り返し回数は、R回である。
1番目の波形と2番目の波形との間の相関度(correlation)又は類似度(similarity)は高くなり得る。
【0050】
数式5の生体信号がサンプリングされ、サンプリングされた信号にDFT又はFFTが適用されれば、周波数領域信号X
R[k]が取得され得る。
X
R[k]は、下記の数式6で表すことができる。
【数6】
【0051】
数式6において、N
r(f)は
として定義し、周波数成分がRの整数倍でない場合、X
R[k]は0ではない。
kによるX
R[k]をグラフに示すと、
図7のようになる。以下、
図7を参照しながら説明する。
【0052】
図7を参照すると、
図7は、kによるX
R[k]のグラフを示す。
理想的な生体信号の波形繰り返し回数がR回の場合、Rの整数倍である周波数成分に対応する信号の大きさは大きく、Rの整数倍でない周波数成分はない。
同様に、非繰り返し成分を含む生体信号の波形繰り返し回数がR回の場合、Rの整数倍の周波数成分に対応する信号の大きさは大きく、Rの整数倍でない周波数成分に対応する信号の大きさは小さい。
図7に示した例のように、非繰り返し成分を含む生体信号の波形繰り返し回数が4の場合、4の整数倍である周波数成分に対応する信号の大きさは、4の整数倍でない周波数成分に対応する信号の大きさより大きい。
【0053】
一実施形態によれば、生体信号の品質を推定するために、Rの整数倍の周波数成分及びRの整数倍でない周波数成分に基づいて定義される品質メトリックを用いることができる。
例えば、Rの整数倍の周波数成分に対応する信号の電力(又は信号強度)及びRの整数倍でない周波数成分に対応する信号の電力(又は信号強度)に基づいて品質メトリックが演算されてもよく、品質メトリックに基づいて生体信号の品質が推定されてもよい。
もし、非繰り返し成分を含む生体信号の波形繰り返し回数がR回の場合、Rの整数倍である周波数成分に対応する信号の大きさがRの整数倍でない周波数成分に対応する大きさより大きいため、生体信号の品質メトリックは大きくなる。
周期性を持つ生体信号の品質メトリックは大きくなり、周期性を持たない生体信号の品質メトリックは小さくなる。
【0054】
Rの整数倍に対応する周波数成分をターゲット成分(target component)とし、Rの整数倍に対応しない周波数成分を非ターゲット成分(non−target component)とする。また、ターゲット成分に対応する信号をターゲット成分信号(target component signal)とし、非ターゲット成分に対応する信号を非ターゲット成分信号(non−target component signal)とする。
以下、
図8を参照しながら、品質メトリックの一例を説明する。
【0055】
図8を参照すると、
図8は、本発明の一実施形態に係る生体信号処理の一例を説明するためのグラフであり、品質メトリックの一例を説明するためのグラフを示す。
【0056】
kがRの周波数成分とkが2Rの周波数成分との間には(R−1)個の非ターゲット成分が分布される。
品質メトリックSNR
RS(M,R)は、M個のターゲット成分信号(810)の電力の合計とM
*(R−1)個の非ターゲット成分信号(820)の電力の合計との間の比率として定義してもよい。
この場合、品質メトリックは、下記の数式7で表すことができる。
【数7】
【0057】
数式7によって品質メトリックを算出する場合をグラフに示すと、
図9A〜
図9Cと同一である。
図9A〜
図9Cは、Rが3の場合であって、
図9AはMが1である品質メトリック(SNR
RS(1,3))の場合、
図9BはMが2である品質メトリック(SNR
RS(2,3))の場合、及び
図9CはMが3である品質メトリック(SNR
RS(3,3))の場合を示す。Mはターゲット成分の数を示す。
【0058】
図9Aにおいて、品質メトリックを演算するために、ターゲット成分信号(910)の電力及び非ターゲット成分信号(911)の電力を用いる。
品質メトリックの演算のために用いられる非ターゲット成分は、ターゲット成分の右側に分布した周波数成分である。
【0059】
図9Bにおいて、品質メトリックを演算するために、ターゲット成分信号(921)の電力及び非ターゲット成分信号(922)の電力を用いる。
ターゲット成分の数は2個であり、非ターゲット成分は2個のターゲット成分のそれぞれの右側に分布した周波数成分である。
より具体的には、k=3のターゲット成分を基準成分(reference component)とするとき、k=4及び5の周波数成分を基準成分に対応する非ターゲット成分とすることができ、k=6のターゲット成分を基準成分とするとき、k=7及び8の周波数成分を基準成分に対応する非ターゲット成分とすることができる。
【0060】
図9Cにおいて、品質メトリックを演算するために、ターゲット成分信号(931)の電力及び非ターゲット成分信号(932)の電力を用いる。
ターゲット成分の数は3個であり、非ターゲット成分は3個のターゲット成分のそれぞれの右側に分布した周波数成分である。
品質メトリックは、ターゲット成分信号の電力及びターゲット成分信号の右側に分布された非ターゲット成分信号の電力を用いて演算し得る。
【0061】
図9A〜
図9Cに基づき記載された内容は、例示的な事項に過ぎず、品質メトリックは、
図9A〜
図9Cに基づき記載された内容に限定されない。
以下、
図10を参照しながら、一実施形態に係る品質メトリックの他の一例を説明する。
図10を参照すると、
図10は、本発明の一実施形態に係る品質メトリックの他の一例を説明するためのグラフを示す。
【0062】
図9A〜
図9Cとは違って、品質メトリックの演算に用いられる非ターゲット成分は、ターゲット成分の左側に分布された周波数成分及びターゲット成分の右側に分布された周波数成分である。
図10に示した例において、kがRであるターゲット成分を基準成分とするとき、基準成分の左側に分布された1個の周波数成分及び右側に分布された2個の周波数成分が基準成分に対応する非ターゲット成分である。
同様に、kが2Rであるターゲット成分を基準成分とするとき、(2R−1)の周波数成分、(2R+1)の周波数成分、及び(2R+2)の周波数成分は、基準成分に対応する非ターゲット成分である。
【0063】
図10に基づき記載された品質メトリックの他の一例は、下記の数式8で表すことができる。
【数8】
数式8において、L
left及びL
rightは任意の整数であって、L
left+L
right=R−1である。
【0064】
ターゲット成分信号(1010)の電力及び非ターゲット成分信号(1020)の電力に基づいて品質メトリックが演算され得る。
【0065】
図10に示していないが、品質メトリックの演算のために、非ターゲット成分信号の電力内の最大電力を用いることができる。
また他の一例として、M個のターゲット成分信号の電力の合計及び非ターゲット成分信号の電力内の最大電力に基づいて品質メトリックを演算してもよい。
品質メトリックのまた他の一例は、下記の数式9で表すことができる。
【数9】
【0066】
最大電力を有する非ターゲット成分が識別されて、M
*(R−1)
*最大電力に対しM個のターゲット成分信号の電力の合計が品質メトリックとして演算される。
また、数式9とは異なって、ターゲット成分信号の電力内の最大電力又は最小電力を用いて品質メトリックを演算してもよい。
例えば、非ターゲット成分信号の電力の合計に対しM
*最大電力が品質メトリックとして演算されてもよい。
ここで、最大電力は、ターゲット成分信号の電力内の最大電力である。
また、M
*(R−1)
*最小電力に対しM個のターゲット成分信号の電力の合計が品質メトリックとして演算されてもよい。
ここで、最小電力は、非ターゲット成分信号の電力内の最小電力である。
【0067】
図10に基づき記載された内容は、例示的な事項に過ぎず、品質メトリックは、
図10に基づき記載された内容に限定されない。
【0068】
図11は、本発明の一実施形態に係る生体信号処理装置の概略構成を示すブロック図である。
図11を参照すると、本発明の一実施形態に係る生体信号処理装置1100は、通信インターフェース1110及びプロセッサ1120を含む。
【0069】
通信インターフェース1110は生体信号を受信する。
例えば、通信インターフェース1110はプロセッサ1120の入出力ポートを含んでもよい。
通信インターフェース1110は、バス(図示せず)を介してセンサが検出した生体信号を受信し、プロセッサ1120は、生体信号を通信インターフェース1110から入力する。
【0070】
プロセッサ1120は、生体信号のターゲット区間(target interval)を設定する。
ターゲット区間は、生体信号の品質を推定するのに用いられる品質メトリックを演算するために設定される区間を示す。
また、後述するが、ターゲット区間は、モニタリング対象になるターゲット生体信号である。
プロセッサ1120は、第1時点〜第2時点の間に含まれた生体信号をターゲット区間として設定する。
【0071】
また、生体信号の特性を考慮してターゲット区間を設定してもよい。
例えば、心拍数の正常範囲は60〜100回/1分であり、プロセッサ1120は心拍数の正常範囲を考慮してターゲット区間を設定してもよい。
また、プロセッサ1120は、心拍数の正常範囲だけでなく正常範囲から逸脱する正常でない範囲まで考慮してターゲット区間を設定してもよい。
ここで、正常ではない範囲は予め設定された範囲であってもよい。
【0072】
プロセッサ1120は、ターゲット成分及び非ターゲット成分に基づいてターゲット区間に対応する品質メトリックを演算する。
ターゲット成分は、ターゲット区間の周波数成分の内の設定値に対応する周波数成分を示し、非ターゲット成分は、ターゲット区間の周波数成分の内の設定値に対応しない周波数成分を示す。
【0073】
ターゲット区間が設定される場合、プロセッサ1120はターゲット区間を周波数領域信号に変換する。
例えば、通信インターフェース1110から入力された生体信号は、サンプリングされた生体信号であってもよいため、プロセッサ1120は、通信インターフェース1110から入力された生体信号にDFT又はFFTを適用する。
【0074】
プロセッサ1120は、周波数領域信号の周波数成分の内の設定値の整数倍である周波数成分をターゲット成分として定義する。
また、プロセッサ1120は、設定値の整数倍でない周波数成分を非ターゲット成分として定義する。
プロセッサ1120は、ターゲット成分信号を第1の数だけ抽出してもよく、非ターゲット成分信号を第1の数と設定値に基づいて定義される第2の数だけ抽出してもよい。
ここで、第1の数をMとして、設定値をRとするとき、第2の数はM
*(R−1)である。
【0075】
プロセッサ1120は、第1の数だけ抽出された信号の電力及び第2の数だけ抽出された信号の電力を用いて品質メトリックを演算し、品質メトリックは、下記の数式10又は数式11で表される。
【数10】
【数11】
【0076】
数式11の分母において、
は、特定ターゲット成分信号の左側に分布された非ターゲット成分信号の電力を示し、
は、特定ターゲット成分信号の右側に分布された非ターゲット成分信号の電力を示す。
【0077】
また、プロセッサ1120は、非ターゲット成分信号の電力内の最大電力及びターゲット成分信号の電力を用いて品質メトリックを演算することができ、品質メトリックは下記の数式12で表すことができる。
【数12】
【0078】
品質メトリックの演算に基づいてプロセッサ1120は、ターゲット区間及び設定値の内のいずれか1つ又は両方を変更する。
ターゲット区間を変更するために、プロセッサ1120は、ターゲット区間を拡張することができる。
ターゲット区間の拡張は、新しいターゲット区間の設定を示す。
プロセッサ1120は、ターゲット区間と時間的に区分される新しいターゲット区間を設定することができる。
また、設定値を変更するために、プロセッサ1120は、設定値を増加させるか、又は減少させることができる。
プロセッサ1120は、ターゲット区間を変更せずに、設定値Rを変更してもよい。
【0079】
プロセッサ1120は、ターゲット区間及び設定値の内のいずれか1つ又は両方の変更に基づいて品質メトリックと他の品質メトリックを演算することができる。
プロセッサ1120は、変更されたターゲット区間に対応する品質メトリックを演算してもよい。
また、プロセッサ1120は、変更された設定値を用いて他の品質メトリックを演算してもよい。
プロセッサ1120は、R=2である時のSNR
RS(M,R)を演算することができ、R=3である時のSNR
RS(M,R)を演算することができる。
また、プロセッサ1120は、M及びRを変更させて品質メトリックと他の品質メトリックを演算することができる。
また、プロセッサ1120は、設定値及びターゲット区間を変更させて品質メトリックと他の品質メトリックを演算してもよい。
前述した他の品質メトリックの演算は、例示的な事項に過ぎず、他の品質メトリックの演算は、前述した事項に限定されない。
【0080】
プロセッサ1120は、品質メトリックに基づいて生体信号の品質を推定する。
プロセッサ1120は、品質メトリック及び他の品質メトリックに基づいて第1最大品質メトリックを決定する。
第1最大品質メトリックは、品質メトリック及び他の品質メトリックの中で最大値を示す。
プロセッサ1120は、第1最大品質メトリックをメモリに格納する。
また、プロセッサ1120は、第1最大品質メトリックに対応するターゲット区間の識別情報、例えば、ターゲット区間の開始サンプルのインデックス及び終了サンプルのインデックスをメモリに格納する。
【0081】
一実施形態において、プロセッサ1120には、生体信号(以下、第1生体信号)と他の生体信号(以下、第2生体信号)が入力される。
第2生体信号は、第1生体信号と検出チャネルが異なる。
また、第2生体信号は、第1生体信号と異なる時間に検出された生体信号であってもよい。
第2生体信号の検出チャネル及び/又は第2生体信号が検出された時間区間は、第1生体信号の検出チャネル及び/又は第1生体信号が検出された時間区間と異なる。
プロセッサ1120は、第1生体信号の品質を推定する方式と同様に第2生体信号の品質を推定することができ、第1生体信号の品質及び第2生体信号の品質に基づいてモニタリング対象になるターゲット生体信号を決定することができる。
【0082】
例えば、プロセッサ1120は、第2生体信号の複数の品質メトリックを演算することができ、複数の品質メトリックの中から第2最大品質メトリックを決定することができる。
第2最大品質メトリックは、複数の品質メトリックの中で最大値を示す。
第2最大品質メトリックが決定された場合、プロセッサ1120は、第2最大品質メトリック及び第1最大品質メトリックの中から最大値を決定する。
プロセッサ1120は、最大値に対応するターゲット区間をモニタリング対象になるターゲット生体信号として決定することができる。
【0083】
他の一例として、プロセッサ1120は、第1最大品質メトリックが閾値以上か否かを判断することができる。
第1最大品質メトリックが閾値以上である場合、プロセッサ1120は、第1最大品質メトリックに対応するターゲット区間をモニタリング対象になるターゲット生体信号として決定する。
モニタリング対象になるターゲット生体信号が決定された場合、プロセッサ1120は、第2最大品質メトリックの取得過程を中断してもよい。
この場合、プロセッサ1120は、第2最大品質メトリックの取得過程の中断を指示(instruction)する制御信号を生成する。
【0084】
第1最大品質メトリックが閾値未満の場合、プロセッサ1120は、第2最大品質メトリックが閾値以上か否かを判断することができる。
ここで、第2最大品質メトリックが閾値未満の場合、プロセッサ1120は、また他の生体信号の最大品質メトリックと閾値を比較してモニタリング対象になるターゲット生体信号を決定する。
検出された複数の生体信号のそれぞれの最大品質メトリックが閾値未満の場合、プロセッサ1120は、生体信号の検出を指示する制御信号を生成する。
制御信号に基づいて複数の生体信号が検出される。
【0085】
また、一実施形態において、プロセッサ1120は、モニタリング対象として決定されたターゲット生体信号の非ターゲット成分信号の大きさを予め設定された値として定義してもよい。
例えば、プロセッサ1120は、決定された生体信号の非ターゲット成分を持たないように非ターゲット成分信号の大きさを0と定義することができる。
決定された生体信号は、周波数領域信号であるため、プロセッサ1120は、決定された生体信号を時間領域信号に変換する。
例えば、プロセッサ1120は、決定された生体信号にIFFTを適用して時間領域信号に変換する。非ターゲット成分信号の大きさが0と定義された場合、時間領域信号は、ノイズ成分などが除去された信号である。
【0086】
モニタリング対象に決定されたターゲット生体信号は、通信モジュールによって外部装置に送信される。
通信モジュールは、生体信号処理装置1100に含まれ得る。又は、通信モジュールは、生体信号処理装置1100と物理的に区別される装置として、生体信号処理装置1100の外部に位置してもよい。
生体信号処理装置1100は、モニタリング対象に決定された生体信号が外部装置に送信されるように通信モジュールを制御する。
【0087】
通信モジュールがサポートする通信方式は、例えば、WLAN(Wireless LAN)、WiFi(Wireless Fidelity)Direct、DLNA(登録商標)(Digital Living Network Alliance)、Wibro(Wireless broadband)、Wimax(登録商標)(World Interoperability for Microwave Access)、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)、Bluetooth(登録商標)、RFID(Radio Frequency Identification)、赤外線通信(Infrared Data Association;IrDA)、UWB(Ultra Wideband)、ZigBee(登録商標)、又はNFC(Near Field Communication)などであってもよい。
外部装置に送信された生体信号は、モニタリングされ、モニタリングによってユーザのヘルス情報が取得される。
【0088】
図1〜
図10に基づき記載された事項は、
図11に基づき記載された事項に適用される。
【0089】
図12〜
図14は、本発明の一実施形態に係る品質メトリックの演算過程を説明するための図である。
図12を参照すると、生体信号(1210)が示されている。生体信号(1210)が本発明の一実施形態に係る生体信号処理装置に入力される。
生体信号処理装置に入力された生体信号(1210)は、サンプリングレートに基づいてサンプリングされた信号であって、ADC(Analog Digital Converter)を通過する信号である。
【0090】
生体信号処理装置は、ターゲット区間を設定する。
生体信号処理装置は、N
min個のサンプルをターゲット区間(1220)に設定する。
T
sは、サンプリング間隔(sampling interval)であって、サンプリングレートの逆数である。
ターゲット区間(1220)の時間の長さは、N
min*T
sである。
生体信号処理装置は、「N
min−point FFT」によってターゲット区間(1220)を周波数領域信号に変換する。
【0091】
生体信号処理装置は、周波数領域信号の周波数成分の内のターゲット成分及び非ターゲット成分に基づいてターゲット区間(1220)に対応する品質メトリック(1221)を演算する。
品質メトリック(1221)が演算された場合、生体信号処理装置は、ターゲット区間(1220)を変更することができる。
生体信号処理装置は、ターゲット区間(1220)のサンプル数をN
delta分増加させてもよく、これによってターゲット区間(1230)が設定され得る。
ターゲット区間1230の時間の長さは(N
min+N
delta)
*T
sである。
【0092】
ターゲット区間(1230)が設定された場合、生体信号処理装置は、ターゲット区間(1230)に対応する品質メトリック(1231)を演算する。
生体信号処理装置は、品質メトリック(1221)と品質メトリック(1231)とを比較する。
生体信号処理装置は、品質メトリック(1221)及び品質メトリック(1231)の中からより大きい品質メトリックを選択する。
ここで、品質メトリック(1231)が品質メトリック(1221)よりも大きいと仮定する。
【0093】
品質メトリック(1231)の選択に基づいて、生体信号処理装置は、ターゲット区間(1230)のサンプル数をN
delta分増加させてターゲット区間(1240)を設定し、ターゲット区間(1240)に対応する品質メトリック(1241)を演算する。
生体信号処理装置は、品質メトリック(1231)と品質メトリック(1241)を比較してもよく、品質メトリック1241及び品質メトリック1231の中からより大きい品質メトリックを選択してもよい。
ここで、品質メトリック(1241)が品質メトリック(1231)よりも大きいと仮定する。
【0094】
品質メトリック1241の選択に基づいて、生体信号処理装置は、N
max個のサンプルをターゲット区間(1250)に設定し、ターゲット区間(1250)に対応する品質メトリック(1251)を演算する。
生体信号処理装置は、品質メトリック(1241)と品質メトリック(1251)を比較してもよく、品質メトリック1241及び品質メトリック1251の中からより大きい品質メトリックを選択してもよい。
ここで、品質メトリック(1241)が品質メトリック(1251)よりも大きいと仮定する。
【0095】
生体信号(1210)の処理によって、品質メトリック(1241)及びターゲット区間(1240)が取得される。
図12に基づき記載された方式を用いて、生体信号処理装置は、複数の生体信号を処理することができ、複数の生体信号のそれぞれの最大品質メトリックを取得することができる。
【0096】
N
min及びN
maxは、生体信号の特性に基づいて予め設定される。
例えば、N
min及びN
maxは、心拍数の正常範囲に基づいて設定される。
また、N
min及びN
maxは、心拍数の正常範囲だけでなく正常範囲を逸脱する正常でない範囲まで考慮して設定された値であってもよい。ここで、正常でない範囲は、システムに与えられた値である。
【0097】
ターゲット区間(1220、1230、1240、1250)の波形に基づいて品質メトリック(1221、1231、1241、1251)の中から最大値が識別される。
品質メトリックの設定値をRとするとき、生体信号の波形繰り返し回数がR回であれば、生体信号の品質メトリックは大きい。
図12に示した例において、R=3とすると、品質メトリック(1241)が最大である。
ターゲット区間(1240)の波形繰り返し回数が3であるため、品質メトリック(1241)が最大である。
生体信号の波形繰り返し回数と品質メトリックとの間の関係は、以下の、
図13で説明する。
【0098】
周波数領域で分析する場合、ターゲット区間(1240)の周波数成分の内のRの整数倍である3番目の周波数成分及び6番目の周波数成分に対応する信号の大きさは大きく、Rの整数倍でない周波数成分に対応する信号の大きさが小さいため、品質メトリック(1241)が最も大きい。
これは、数式10〜数式12に係る品質メトリックの特性に基づいたものである。
以下、周波数領域信号を示した
図13を参照しながら、説明する。
【0099】
図13を参照すると、
図13にはターゲット区間(1310)〜ターゲット区間(1330)のそれぞれに対応する周波数領域信号(1311)〜周波数領域信号(1331)を示す。
図13に示した例において、M=2及びR=3と仮定する。
【数13】
【0100】
数式13によって、ターゲット区間(1310)に対応する品質メトリックは、「−1.18dB」であり、ターゲット区間(1320)に対応する品質メトリックは、「20.41dB」であり、ターゲット区間(1330)に対応する品質メトリックは、「−2.88dB」である。
【0101】
周波数領域信号(1311)〜周波数領域信号(1331)において、グラフの折れるポイントに対応する周波数は、周波数成分を示す。
R=3であるため、周波数領域信号(1311)における3番目の周波数成分及び6番目の周波数成分は、ターゲット成分である。
周波数領域信号(1311)の場合、ターゲット成分信号(1312)は、非ターゲット成分信号(1313)と区別されない。
周波数領域で分析する場合、所望する信号は、周波数領域信号(1311)によって識別されない。
同様に、周波数領域信号(1331)の場合、ターゲット成分信号(1332)は、非ターゲット成分信号(1333)と区別されない。
【0102】
周波数領域信号(1321)の場合、ターゲット成分信号(1322)は、非ターゲット成分信号(1323)と区別される。
3番目の周波数成分信号及び6番目の周波数成分信号(1322)の大きさは、他の周波数成分信号(1323)の大きさより大きい。
そのため、ターゲット区間(1320)に対応する品質メトリックは、他の品質メトリックに比べて大きい。
所望する信号は、ターゲット成分によって識別され得る。
周波数領域で分析する場合、所望する信号は、周波数領域信号(1321)によって識別され得る。
【0103】
一実施形態において、ターゲット区間(1310)が拡張されてターゲット区間(1320)に近接するほど品質メトリックは増加し、ターゲット区間(1320)が拡張されてターゲット区間(1330)に近接するほど品質メトリックは減少する。
ターゲット区間(1310)とターゲット区間(1320)との間のターゲット区間の周波数領域信号は、周波数領域信号(1311)より周波数領域信号(1321)に近接することができるため、ターゲット区間(1310)とターゲット区間(1320)との間のターゲット区間に対応する品質メトリックは、ターゲット区間(1310)に対応する品質メトリックより大きい。
これと同様に、ターゲット区間(1320)とターゲット区間(1330)との間のターゲット区間に対応する品質メトリックは、ターゲット区間(1330)に対応する品質メトリックより大きい。
【0104】
また、ターゲット区間(1310)〜ターゲット区間(1330)の波形発生回数は、品質メトリックに関連している。
図13に示した例において、ターゲット区間(1310)の波形繰り返し回数は3回未満であり、ターゲット区間(1320)の波形繰り返し回数は3回である。
また、ターゲット区間(1330)の波形繰り返し回数は3回を超過する。
ターゲット区間(1320)の拡張によってターゲット区間(1330)の波形繰り返し回数は3回を超過する。
ターゲット区間(1320)の波形繰り返し回数がRと一致する場合、ターゲット区間(1320)に対応する品質メトリックは、ターゲット区間(1310)及びターゲット区間(1330)に対応する品質メトリックより大きい。
波形繰り返し回数がRと一致する場合、ターゲット成分信号の強度が非ターゲット成分の信号より大きいため、品質メトリックが大きい。
【0105】
同様に、
図12に示した例において、品質メトリック(1241)に対応するターゲット区間(1240)の波形繰り返し回数は3回であり、他のターゲット区間の波形発生回数は3回未満であるか3回を超過する。
ターゲット区間(1240)の波形繰り返し回数とRは一致するため、品質メトリック(1241)が他の品質メトリックに比べて大きい。
【0106】
従って、一実施形態において、波形が周期的に繰り返しながら設定値と一致する波形繰り返し回数を有するターゲット区間(1320)を探すためにターゲット区間(1310)を拡張してもよい。
図12〜
図13に基づき記載された事項は、
図10に基づき記載された事項に適用され得る。
【0107】
図14を参照すると、
図14には生体信号(1410)のグラフを示す。
生体信号処理装置は、ターゲット区間(1420)を設定し、ターゲット区間(1420)に対応する第1品質メトリックを演算する。
【0108】
生体信号処理装置は、ターゲット区間(1420)を第1ステップサイズだけ拡張させる。
例えば、生体信号処理装置は、ターゲット区間(1420)のサンプル数を第1ステップサイズだけ増加させることができる。
ターゲット区間(1420)が拡張されてターゲット区間(1421)が設定され得る。
生体信号処理装置は、ターゲット区間(1421)に対応する第2品質メトリックを演算してもよく、第1品質メトリックを第2品質メトリックと比較してもよい。
生体信号処理装置は、ターゲット区間(1421)を第1ステップサイズだけ拡張してもよい。
ターゲット区間(1421)が拡張されてターゲット区間(1422)が設定され得る。
生体信号処理装置は、ターゲット区間(1422)に対応する第3品質メトリックを演算し得る。
第1品質メトリック、第2品質メトリック、及び第3品質メトリックの中で第2品質メトリックが最も大きいと仮定する。
【0109】
一実施形態において、生体信号処理装置は、第1ステップサイズを用いてターゲット区間を変更し、第1ステップサイズが用いられた複数の第1変更ターゲット区間の内のいずれか1つを選択する。
生体信号処理装置は、選択するために品質メトリックを用いる。
図14に示した例において、生体信号処理装置は、ターゲット区間(1420、1421、1422)の中から最大値に対応するターゲット区間(1421)を選択する。
【0110】
生体信号処理装置は、第2ステップサイズを用いて選択された変更ターゲット区間を変更する。
第2ステップサイズは、第1ステップサイズより小さくてもよい。
図14に示した例において、生体信号処理装置は、ターゲット区間(1421)を第2ステップサイズだけ拡張したり縮小たりする。
ターゲット区間(1421)が第2ステップサイズだけ縮小する場合、ターゲット区間(1430)が設定され、ターゲット区間(1421)が第2ステップサイズだけ拡張する場合、ターゲット区間(1431)が設定される。
ターゲット区間(1421、1430、1431)のそれぞれに対応する品質メトリックの中から最大値が最大品質メトリックと決定される。
【0111】
一実施形態において、生体信号処理装置は、第1ステップサイズだけターゲット区間を変更させて生体信号を処理し、処理結果に基づいて演算された品質メトリックの方向性を確認する。
生体信号処理装置は、品質メトリックが増加するか、又は減少するかを判断する。
図14に示した例において、第1品質メトリックは、第2品質メトリックより小さく、第2品質メトリックは、第3品質メトリックより大きい。
ターゲット区間(1420)がターゲット区間(1421)に拡張するほど品質メトリックは大きくなり、ターゲット区間(1421)がターゲット区間(1422)に拡張するほど品質メトリックは小さくなる。
そのため、最大品質メトリックに対応するターゲット区間は、ターゲット区間(1421)より大きくなったり、ターゲット区間(1421)と同一になったり、ターゲット区間(1422)より小さくなったりする。
生体信号処理装置は、ターゲット区間(1421)を第2ステップサイズだけ拡張させ、拡張されたターゲット区間に対応する品質メトリックを演算することができる。
図1〜
図13に基づき記載された事項は、
図14に基づき記載された事項に適用することができるため、詳細な説明は省略する。
【0112】
図15は、本発明の一実施形態に係る生体信号処理装置の他の一例の概略構成を示すブロック図である。
図15を参照すると、生体信号処理装置1500は、品質メトリック定義部(quality metric definer)1510、品質推定部1520、及び決定部1530を含む。
【0113】
品質メトリック定義部1510は、生体信号のターゲット区間のターゲット成分及び非ターゲット成分に基づいて品質メトリックを定義する。
ターゲット成分は、設定値に対応するターゲット区間の周波数成分を示し、非ターゲット成分は、設定値に対応しないターゲット区間の周波数成分を示す。
【0114】
品質メトリック定義部1510は、ターゲット区間を周波数領域信号に変換し、周波数領域信号の周波数成分の内の設定値の整数倍の周波数成分をターゲット成分として定義する。
また、品質メトリック定義部1510は、ターゲット成分信号を第1の数だけ抽出してもよく、非ターゲット成分信号を第2の数だけ抽出してもよい。
ここで、第2の数は、第1の数及び設定値に基づいて定義される。
また、品質メトリック定義部1510は、第1の数だけ抽出されたターゲット成分信号の電力及び第2の数だけ抽出された非ターゲット成分信号の電力を用いて品質メトリックを定義する。
【0115】
品質推定部1520は、品質メトリックに基づいて複数の生体信号の品質を推定する。
例えば、品質推定部1520は、複数の生体信号のそれぞれの代表品質メトリックを取得して複数の生体信号の品質を推定する。
以下、複数の生体信号の内の個別生体信号(individual biosignal)の品質を推定することを説明する。
品質推定部1520は、個別生体信号のターゲット区間及び設定値の内のいずれか1つ又は両方を変更して複数の品質メトリックを取得することができる。
品質推定部1520は、複数の品質メトリックに基づいて最大品質メトリックを取得してもよく、最大品質メトリックを代表品質メトリックと決定してもよい。
また、品質推定部1520は、代表品質メトリックに対応するターゲット区間をメモリに格納する。
このような方式で、品質推定部1520は、他の生体信号の代表品質メトリックを決定し、代表品質メトリックに対応するターゲット区間をメモリに格納する。
【0116】
決定部1530は、複数の生体信号の品質に基づいてモニタリング対象になるターゲット生体信号を決定する。
例えば、決定部1530は、複数の代表品質メトリックの内の最大値に対応するターゲット区間をモニタリング対象になるターゲット生体信号と決定する。
他の一例として、決定部1530は、個別生体信号の代表品質メトリックが閾値以上であるか否かを判断し、判断結果に基づいて代表品質メトリックに対応するターゲット区間をモニタリング対象になるターゲット生体信号と決定する。
【0117】
決定部1530は、決定された生体信号の非ターゲット成分信号の大きさを予め設定された値として定義してもよい。
例えば、非ターゲット成分信号の大きさが0と設定され、それによって、決定された生体信号のノイズ成分などは除去され得る。
【0118】
決定部1530は、決定された生体信号の周期情報を取得する。
以下、
図16を参照しながら説明する。一方、
図1〜
図14に基づき記載された事項は、
図15に基づき記載された事項に適用することができるため、詳細な説明は省略する。
【0119】
図16は、本発明の一実施形態に係る複数の生体信号の中からモニタリング対象になるターゲット生体信号を決定することを説明するための図である。
N
trial回検出された生体信号が、N
channel個の検出チャネルを介して生体信号処理装置で伝達されると仮定する。
モニタリング対象になるターゲット生体信号を決定するために、生体信号処理装置は、N
channel*N
trialの生体信号を処理する。
【0120】
図16を参照すると、
図16には複数の生体信号(1611、1621、1631、1641、1651)を示す。
ここで、複数の生体信号(1611、1621、1631、1641、1651)の検出チャネルは同一であり、検出された時間区間は異なる。
生体信号処理装置は、互いに異なる時間区間(1610、1620、1630、1640、1650)において検出された生体信号を処理し、処理に基づいてモニタリング対象になるターゲット生体信号を決定する。
【0121】
図16に示したSN比が最大品質メトリック(1613、1623、1633、1643、1653)であるとき、ターゲット区間(1612、1622、1632、1642、1652)は、最大品質メトリック(1613、1623、1633、1643、1653)に対応するターゲット区間である。
ここで、設定値を3として品質メトリックが演算されたと仮定する。
【0122】
生体信号処理装置は、最大品質メトリック(1613、1623、1633、1643、1653)の中から最大値を選択する。
図16に示した例において、最大品質メトリック(1643)が最も大きいため、生体信号処理装置は、最大品質メトリック(1643)に対応するターゲット区間(1642)をモニタリング対象になるターゲット生体信号と決定する。
【0123】
上記にて説明したように、ターゲット区間(1642)の波形繰り返し回数は設定値と一致し、他のターゲット区間の波形繰り返し回数は設定値と一致しない。
複数の生体信号の中からモニタリング対象と決定された生体信号の波形繰り返し回数は設定値と一致する。
生体信号処理装置は、ターゲット区間(1642)の時間の長さを設定値に分けてターゲット区間(1642)の周期情報を取得する。
生体信号処理装置は、周期情報を用いてユーザのヘルス情報を推定するか、又は周期情報を外部モニタリング装置に送信する。
【0124】
一実施形態において、生体信号処理装置は、モニタリング対象と決定された生体信号の波形パターンに基づいてユーザを認証する。
例えば、生体信号処理装置は、ターゲット区間(1642)の波形パターンと予め格納された波形パターンとを比較し、比較した結果、波形パターンと予め格納された波形パターンが一致するか又は近似する場合、ユーザを認証する。
図1〜
図15に基づき記載された事項は、
図16に基づき記載された事項に適用することができるため、詳細な説明は省略する。
【0125】
図17は、本発明の一実施形態に係る生体信号処理装置のさらに他の一例の概略構成を示すブロック図である。
図17を参照すると、生体信号処理装置1700は、検出部1710、品質推定部1720、品質比較部1730、及び生体信号選択部1740を含む。
【0126】
検出部1710は生体信号を検出する。
例えば、検出部1710は、PPGセンサを含み、ユーザのPPG信号を検出する。
検出部1710は、複数の時間の間、複数の検出チャネルを介してユーザの生体信号を検出する。
N
channel個の検出チャネルがユーザの身体と接触し、それぞれのチャネルを介して生体信号がN
trial回検出される。
この場合、検出部1710は、N
channel*N
trialの生体信号を検出する。
検出部1710は、N
channel*N
trialの生体信号の内の第1生体信号を品質推定部1720に伝達する。
【0127】
品質推定部1720は、第1生体信号の品質を推定する。
品質推定部1720は、ターゲット区間設定部(target interval setter)1721、周波数領域信号変換部1722、品質メトリック演算部(quality metric calculator)1723、及び最大品質メトリック更新部(maximum quality metric updater)1724を含む。
【0128】
ターゲット区間設定部1721は、第1生体信号のターゲット区間を設定する。
例えば、ターゲット区間設定部1721は、第1生体信号の第1時点から第2時点の間に含まれた生体信号をターゲット区間に設定する。
簡潔に述べると、ターゲット区間設定部1721は、1番目のサンプルからN
min番目のサンプルまでをターゲット区間と設定する。
ここで、N
minは、予め設定された値である。また、ターゲット区間設定部1721は、n番目のサンプルからN
min番目のサンプルまでをターゲット区間と設定する。
ここで、nは、N
minより小さい。前述したターゲット区間の設定は、例示的な事項に過ぎず、ターゲット区間の設定は、前述した例に限定されない。
【0129】
周波数領域信号変換部1722は、ターゲット区間を周波数領域信号に変換する。
例えば、周波数領域信号変換部1722は、FFT又はDFTによってターゲット区間を周波数領域信号に変換する。
また、周波数領域信号変換部1722は、周波数領域信号の大きさ及び/又は周波数をスケーリングしてもよい。
【0130】
品質メトリック演算部1723は、周波数領域信号の品質メトリックを演算する。
周波数領域信号の内の設定値に対応する周波数成分をターゲット成分とし、周波数領域信号の内の設定値に対応しない周波数成分を非ターゲット成分とするとき、品質メトリック演算部1723は、ターゲット成分及び非ターゲット成分に基づいて周波数領域信号の品質メトリックを演算する。
【0131】
最大品質メトリック更新部1724は、第1生体信号の最大品質メトリックを更新する。
現在、内側ループ(Inner−Loop)1725によって演算された品質メトリックを第1品質メトリックとする。
最大品質メトリック更新部1724は、内側ループ1725によって事前に演算された前の品質メトリック(previous quality metric)と第1品質メトリックとを比較して、前の品質メトリック及び第1品質メトリックの中からより大きい値を判定する。
ここで、第1品質メトリックがより大きいとする。
第1品質メトリックがより大きい値であると確認された場合、最大品質メトリック更新部1724は、ターゲット区間設定部1721にフィードバック信号を伝達する。
【0132】
ターゲット区間設定部1721は、フィードバック信号に基づいて第1生体信号のターゲット区間を更新する。
前述した例において、ターゲット区間は、1番目のサンプルからN
min番目のサンプルであるため、ターゲット区間設定部1721は、ターゲット区間を1番目のサンプルからN
min+N
delta番目のサンプルまでに更新する。
【0133】
周波数領域信号変換部1722は、更新されたターゲット区間を周波数領域信号に変換し、品質メトリック演算部1723は、更新されたターゲット区間に対応する品質メトリックを演算する。
更新されたターゲット区間に対応する品質メトリックを第2品質メトリックとするとき、最大品質メトリック更新部1724は、第1品質メトリックと第2品質メトリックとを比較して、より大きい値を判定する。
第2品質メトリックが第1品質メトリックより大きい場合、第1生体信号の最大品質メトリックが更新される。
【0134】
フィードバック信号がターゲット区間設定部1721に伝達される場合、ターゲット区間の1番目のサンプルからN
max番目のサンプルまで更新され、1番目のサンプルからN
max番目のサンプルまでのターゲット区間に対応する品質メトリックが演算されて最大品質メトリックが更新される。
ここで、N
maxは予め設定された値である。
【0135】
内側ループ1725に基づいて、ターゲット区間設定部1721、周波数領域信号変換部1722、品質メトリック演算部1723、及び最大品質メトリック更新部1724の動作が繰り返される。
繰り返しに基づいて、品質推定部1720は、第1生体信号の最大品質メトリックを決定し、最大品質メトリックに対応するターゲット区間をメモリに格納する。
品質推定部1720は、第1生体信号の最大品質メトリックを品質比較部1730に伝達する。
ここで、第1生体信号の最大品質メトリックを第1最大品質メトリックとする。
【0136】
例えば、品質比較部1730は、第1最大品質メトリックを外側ループ(Outer−Loop)1731によって事前に入力された前の最大品質メトリック(previous maximum quality metric)と比較してより大きい値を判断する。
ここで、第1最大品質メトリックが前の最大品質メトリックよりもさらに大きいと仮定する。
第1最大品質メトリックがより大きい値であると確認された場合、品質比較部1730は、フィードバック信号を生成し、フィードバック信号を生体信号検出部1710に伝達する。
【0137】
他の一例として、品質比較部1730は、第1最大品質メトリックを閾値と比較し、第1最大品質メトリックが閾値以上である場合、外側ループ1731を終了して、第1最大品質メトリックを生体信号選択部1740に伝達する。
第1最大品質メトリックが閾値より小さい場合、品質比較部1730は、フィードバック信号を生成して、フィードバック信号を生体信号検出部1710に伝達する。
【0138】
生体信号検出部1710は、検出されたN
channel*N
trial個の生体信号の内の第2生体信号を品質推定部1720に伝達する。
内側ループ1725に基づいて、品質推定部1720は、第2生体信号の最大品質メトリックを決定し、最大品質メトリックに対応するターゲット区間をメモリに格納する。
品質推定部1720は、第2生体信号の最大品質メトリックを品質比較部1730に伝達する。
ここで、第2生体信号の最大品質メトリックを第2最大品質メトリック(the second maximum quality metric)とする。
品質比較部1730は、第1最大品質メトリックと第2最大品質メトリックとを比較してより大きい値を判定する。
第2最大品質メトリックが、より大きい値であると確認された場合、外側ループ1731が繰り返される。
【0139】
外側ループ1731がN
channel*N
trial回繰り返される場合、N
channel*N
trial個の生体信号のそれぞれの最大品質メトリックが決定され、それぞれの最大品質メトリックに対応するターゲット区間がメモリに格納される。
外側ループ1731の繰り返しが終了する場合、N
channel*N
trial個の最大品質メトリックの中から最大値が生体信号選択部1740に伝達される。
前述した他の一例において、N
channel*N
trial個の生体信号のそれぞれの最大品質メトリックが閾値より小さい場合、品質比較部1710は、生体信号の検出を指示するフィードバック信号を生成して検出部1710に伝達し、検出部1710は生体信号を検出する。
【0140】
生体信号選択部1740は、最大値に対応するターゲット区間をモニタリング対象になるターゲット生体信号と決定する。
図1〜
図16に基づき記載された事項は、
図17に基づき記載された事項に適用することができるため、詳細な説明は省略する。
【0141】
図18は、本発明の一実施形態に係る生体信号処理方法の一例を説明するためのフローチャートである。
図18に基づき記載、説明される生体信号処理方法は、生体信号処理装置によって行われる。
【0142】
生体信号処理装置は、生体信号を受信する(ステップS1810)。
生体信号処理装置はセンサから生体信号を受信する。
生体信号処理装置は、生体信号のターゲット区間を設定する(ステップS1820)。
生体信号処理装置は、ターゲット成分及び非ターゲット成分に基づいてターゲット区間に対応する品質メトリックを演算する(ステップS1830)。
ここで、ターゲット成分は、設定値に対応するターゲット区間の周波数成分を示し、非ターゲット成分は、設定値に対応しないターゲット区間の周波数成分を示す。
生体信号処理装置は、品質メトリックに基づいて生体信号の品質を推定する(ステップS1840)。
図1〜
図17に基づき記載された事項は、
図18に基づき記載された事項に適用することができるため、詳細な説明は省略する。
【0143】
図19は、本発明の一実施形態に係る生体信号処理方法の他の一例を説明するためのフローチャートである。
図19に基づき記載、説明される生体信号処理方法は、生体信号処理装置によって行われる。
【0144】
生体信号処理装置は、個別生体信号のターゲット区間のターゲット成分及び非ターゲット成分に基づいてターゲット区間に対応する品質メトリックを定義する(ステップS1910)。
生体信号処理装置は、品質メトリックに基づいて複数の生体信号の品質を推定する(ステップS1920)。
生体信号処理装置は、複数の生体信号の品質に基づいてモニタリング対象になるターゲット生体信号を決定する(ステップS1930)。
図1〜
図17に基づき記載された事項は、
図19に基づき記載された事項に適用することができるため、詳細な説明は省略する。
【0145】
図20は、本発明の一実施形態に係る生体信号処理装置を含む端末の概要を示す図である。
図20を参照すると、端末2000は、検出部2010を含む。
検出部2010は、複数のセンサを含み、ユーザの様々な生体信号を検出する。
【0146】
例えば、検出部2010は、PPG信号、体温、生体インピーダンス(bio impedance)などの生体信号を検出し得る。
検出部2010は、複数の検出チャネルを用いて生体信号を検出することができる。
また、検出部2010は、複数の時間区間において生体信号を検出することができる。
例えば、検出チャネルがNであり、複数の時間区間がMであるとき、検出部2010が検出する生体信号の数はN
*M個である。
【0147】
図20に示した例において、検出部は、ユーザの指先の生体信号を検出する。
これとは異なって、検出部は、端末2000の他の部分、例えば、端末2000の裏面、側面などに位置し、ユーザの指でない他の身体と接触して生体信号を検出することもできる。
【0148】
検出部2010が検出する複数の生体信号は、端末2000に含まれた生体信号処理装置に伝達される。
生体信号処理装置に伝達される複数の生体信号は互いに異なる生体信号でない同一種類の生体信号である。
生体信号処理装置は、複数の生体信号のそれぞれを処理する。
より具体的には、生体信号処理装置は、第1生体信号の複数の品質メトリックの中から第1最大品質メトリックを選択し、生体信号処理装置は、第2生体信号の複数の品質メトリックの中から第2最大品質メトリックを選択する。
第1生体信号及び第2生体信号は、同一種類の生体信号である。
生体信号処理装置は、第1最大品質メトリック及び第2最大品質メトリックの中から最大値を選択し、最大値に対応するターゲット区間をモニタリング対象になるターゲット生体信号と決定する。
【0149】
端末2000は、モニタリング対象になるターゲット生体信号を用いてユーザのヘルス情報を取得することもできる。
例えば、ユーザの心拍数などのヘルス情報を取得する。
また、端末2000は、モニタリング対象になるターゲット生体信号を外部モニタリング装置に送信することもできる。
本発明の一実施形態に係る生体信号処理によって、優れた品質を有する生体信号は、ユーザのヘルスモニタリングのために好適に用いられる。
図1〜
図19に基づき記載された事項は、
図20に基づき記載された事項に適用することができるため、詳細な説明は省略する。
【0150】
図21は、本発明の一実施形態に係る生体信号処理装置を含むウェアラブルデバイスの概要を示す図である。
図21を参照すると、ウェアラブルデバイス2100は、検出部(図示せず)を含む。
図21に示したウェアラブルデバイス2100は、腕時計型であるが、ウェアラブルデバイス2100は、
図21に示した腕時計型に限定されない。
【0151】
ウェアラブルデバイス2100は、検出部を介してユーザの生体信号を検出する。
検出部は、ユーザの手首の互いに異なる物理的位置と接触して、互いに異なる物理的位置で生体信号を検出することができる。
例えば、検出部は、3個〜6個の互いに異なる物理的位置で生体信号を検出することができる。
ウェアラブルデバイス2100に含まれた生体信号処理装置は、生体信号を処理する。
【0152】
ウェアラブルデバイス2100がユーザと不安定に接触するか、又はウェアラブルデバイス2100を着用したユーザの動きが多い場合でも、ウェアラブルデバイス2100は、歪曲された生体信号を検出して処理することができる。
例えば、ウェアラブルデバイス2100は、
図2Bに示した生体信号を検出して処理することができる。
歪曲された生体信号がユーザのヘルスモニタリングのために用いられる場合、誤った結果が導き出す可能性があるのを本発明の生体信号処理装置は防ぐ。
【0153】
図20の端末のように、ウェアラブルデバイス2100は、複数の生体信号を処理して複数の生体信号の中から優れた品質を有する生体信号を抽出する。
生体信号処理装置は、複数の検出チャネル及び/又は複数の時間帯で検出された生体信号を用いるため、不安定な環境などによって歪曲された生体信号は、ヘルスモニタリングに用いず、安定した環境で検出された生体信号がヘルスモニタリングに用いられる。
また、本発明に係る生体信号処理方法は、複数の生体信号から品質が良い生体信号を選択するため、不安定な環境又は移動環境に強靭である。
【0154】
また、
図21に示していないが、本発明の一実施形態に係る生体信号処理装置は、ユーザの身体に取り付けるセンサに含まれてもよい。
センサ、ウェアラブルデバイス2100、及びユーザの端末は、無線ボディエリアネットワーク(Wireless Body Area Network、WBAN)を形成してもよい。
【0155】
センサ及び/又はウェアラブルデバイス2100は、複数の生体信号を検出し、複数の生体信号から品質が最も良い生体信号を選択する。
センサ及び/又はウェアラブルデバイス2100は、選択された生体信号を端末に送信する。
端末は、選択された生体信号をインターネット等を介して外部モニタリング装置に送信するか、又は選択された生体信号を分析してユーザのヘルス情報を取得する。
図1〜
図19に基づき記載された事項は、
図21に基づき記載された事項に適用することができるため、詳細な説明は省略する。
【0156】
本実施形態による生体信号処理方法は、多様なコンピュータ手段を介して実施されるプログラム命令の形態で具現され、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録される。
記録媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独又は組み合わせを含む。
記録媒体及びプログラム命令は、本発明の目的のために特別に設計して構成されたものでもよく、コンピュータソフトウェア分野の技術を有する当業者にとって公知のものであり使用可能なものであってもよい。
【0157】
コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例としては、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク及び磁気テープのような磁気媒体、CD−ROM、DVDのような光記録媒体、フロプティカルディスクのような磁気−光媒体、及びROM、RAM、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令を保存して実行するように特別に構成されたハードウェア装置を含む。
プログラム命令の例としては、コンパイラによって生成されるような機械語コードだけでなく、インタプリタなどを用いてコンピュータによって実行される高級言語コードを含む。
ハードウェア装置は、本発明の動作を実行するために1つ以上のソフトウェアモジュールとして作動するように構成してもよく、その逆も同様である。
【0158】
尚、本発明は、上述の実施形態に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。