(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記上側折曲げ線と幅方向に延在する仮想線との交差角度を30〜60度に設定し、前記下側折曲げ線と幅方向に延在する仮想線との交差角度を30〜60度に設定した請求項1記載の使い捨ておむつ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の構成では、外装体の前身頃シートに被係合部を設けているので使い捨ておむつの外観性が低下する恐れがある。
【0005】
また、特許文献2の構成では、使い捨ておむつの幅方向の両側部から外側に向かってサイドシール部が延出するので使い捨ておむつの外観性が低下する恐れがある。
【0006】
そこで、本発明の課題は、使い捨ておむつの外装体の前身頃シートのサイドシール部の外面に上下方向に分離した係合部を形成して、特に、装着時における外観性に優れ、装着者の体形に合わせて使い捨ておむつのウエスト開口と脚開口のサイズを調整できる使い捨ておむつを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決した手段は次記のとおりである。
第1手段は、内装体と、前記内装体の裏面に外装体を備えた使い捨ておむつにおいて、
前記内装体を、液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、前記表面シートと裏面シートの間の吸収体で形成し、前記外装体を装着者の前身頃に位置する前身頃シートと、装着者の後身頃に位置する後身頃シートで形成し、前記前身頃シートと後身頃シートを不織布で形成し、前記前身頃シートと後身頃シートを幅方向の両側部に形成されたサイドシール部で固定し、前記前身頃シートのサイドシール部の外側面に、上下方向に所定の間隔を隔てて離間した複数の上側係合ピンからなる幅方向に所定の間隔を有して上下方向に延在する上側係合部と複数の下側係合ピンからなる幅方向に所定の間隔を有して上下方向に延在する下側係合部を形成し、前記上側係合部の下側端部を繋いだ上側折曲げ線を幅方向外側に向けて下り傾斜に形成し、前記下側係合部の上側端部を繋いだ下側折曲げ線を幅方向外側に向けて上り傾斜に形成し、前記上側係合ピンを第1上側係合ピンと第2上側係合ピンで形成し、前記第1上側係合ピンの先端部の長手方向を幅方向に沿って形成し、前記第2上側係合ピンの先端部の長手方向を幅方向外側に向けて上り傾斜に形成し、前記第1上側係合ピンと上下方向に隣接する第1上側係合ピンの間に前記第2上側係合ピンを形成し、前記下側係合ピンを第1下側係合ピンと第2下側係合ピンで形成し、前記第1下側係合ピンの先端部の長手方向を幅方向に沿って形成し、前記第2下側係合ピンの先端部の長手方向を幅方向外側に向けて下り傾斜に形成し、前記第1下側係合ピンと上下方向に隣接する第1下側係合ピンの間に前記第2
下側係合ピンを形成したことを特徴とする。
【0008】
第2手段は、第1手段の構成において、前記上側折曲げ線と幅方向に延在する仮想線との交差角度を30〜60度に設定し、前記下側折曲げ線と幅方向に延在する仮想線との交差角度を30〜60度に設定したことを特徴とする。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
第
3手段は、第
1又は2手段の構成において、前記前身頃シートにおけるサイドシール部の内側近傍の上部又は下部の少なくとも一方に上下方向に延在するスリットを設けたことを特徴とする。
【0013】
第
4手段は、第1〜
3のいずれか1項の手段の構成において、前記前身頃シートにおけるサイドシール部の内側近傍に上部から下部に向かって延在するミシン目を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
第1手段によれば、内装体を、液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、表面シートと裏面シートの間の吸収体で形成し、外装体を装着者の前身頃に位置する前身頃シートと、装着者の後身頃に位置する後身頃シートで形成し、前身頃シートと後身頃シートを不織布で形成し、前身頃シートと後身頃シートを幅方向の両側部に形成されたサイドシール部で固定し、前身頃シートのサイドシール部の外側面に、上下方向に所定の間隔を隔てて離間した複数の上側係合ピンからなる幅方向に所定の間隔を有して上下方向に延在する上側係合部と複数の下側係合ピンからなる幅方向に所定の間隔を有して上下方向に延在する下側係合部を形成し、上側係合部の下側端部を繋いだ上側折曲げ線を幅方向外側に向けて下り傾斜に形成し、下側係合部の上側端部を繋いだ下側折曲げ線を幅方向外側に向けて上り傾斜に形成し、上側係合ピンを第1上側係合ピンと第2上側係合ピンで形成し、第1上側係合ピンの先端部の長手方向を幅方向に沿って形成し、第2上側係合ピンの先端部の長手方向を幅方向外側に向けて上り傾斜に形成し、第1上側係合ピンと上下方向に隣接する第1上側係合ピンの間に第2上側係合ピンを形成し、下側係合ピンを第1下側係合ピンと第2下側係合ピンで形成し、第1下側係合ピンの先端部の長手方向を幅方向に沿って形成し、第2下側係合ピンの先端部の長手方向を幅方向外側に向けて下り傾斜に形成し、第1下側係合ピンと上下方向に隣接する第1下側係合ピンの間に第2
下側係合ピンを形成したので、使い捨ておむつの装着時には、サイドシール部を前身頃シートの幅方向の中心部に向かって折曲げて、上側係合部と下側係合部を介して前身頃シートにサイドシール部を係合することによって使い捨ておむつの外観性を高めることができる。また、使い捨ておむつのサイズが大きい場合には、サイドシール部の上側部を上側折曲げ線を中心として前身頃シートの上下方向の下側部に向かって折曲げ、サイドシール部の下側部を下側折曲げ線を中心として前身頃シートの上下方向の上側部に向かって折曲げて、使い捨ておむつのウエスト開口と脚開口のサイズを小さくして装着者の体形に密着させる装着することができる。
る。
サイドシール部を前身頃シートの幅方向の中心部に向けて折曲げた場合は、上側係合ピンと下側係合ピンを介して前身頃シートにサイドシール部をより確実に係合させることができる。サイドシール部の上側部を上側折曲げ線を中心として前身頃シートの上下方向の下側部に向かって折曲げた場合は、上側係合ピンを介して前身頃シートにサイドシール部をより確実に係合させることができる。さらに、サイドシール部の下側部を下側折曲げ線を中心として前身頃シート22の上下方向の上側部に向かって折曲げた場合は、下側係合ピンを介して前身頃シートにサイドシール部をより確実に係合させることができる。
【0015】
第2手段によれば、第1手段による効果に加えて、上側折曲げ線と幅方向に延在する仮想線との交差角度を30〜60度に設定し、下側折曲げ線と幅方向に延在する仮想線との交差角度を30〜60度に設定したので、使い捨ておむつのウエスト開口と脚開口のサイズを広範囲に調整することができる。
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
第
3手段によれば、第
1又は2手段による効果に加えて、前身頃シートにおけるサイドシール部の内側近傍の上部又は下部の少なくとも一方に上下方向に延在するスリットを設けたので、使い捨ておむつのサイズが大きい場合には、スリットを破断させ、サイドシール部を前身頃シートの中心部に向かって折曲げることによって使い捨ておむつのサイズを広範囲に調整して装着者の体形によりフィットさせることができる。
【0020】
第
4手段によれば、第1〜
3のいずれかに記載の手段による効果に加えて、前身頃シートにおけるサイドシール部の内側近傍に上部から下部に向かって延在するミシン目を設けたので、使い捨ておむつのサイズが大きい場合には、ミシン目を切断してテープタイプの使い捨ておむつとして使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<第1参考形態の使い捨ておむつ>
外装体の外側シートにおけるサイドシール部に係合部を形成した第1参考形態の使い捨ておむつについて説明する。
図1,2に示すように、使い捨ておむつは、前身頃Fと後身頃Bを有する外装体20と、外装体20の装着者の身体面側に位置する内面に固定された内装体10から形成されている。
【0023】
(内装体)
図3〜5に示すように、内装体10は、液透過性の表面シート11と、液不透過性の裏面シート12と、表面シート11と裏面シート12の間に設けられた吸収体13と、吸収体13の幅方向の両側部に設けられた立体ギャザーBSから形成されている。また、平面視における内装体10の形状は、一般的に略長方形形状に形成されている。なお、
図3〜5のドッドは、ホットメルト接着剤等により固定させた部位を示している。
【0024】
表面シート11としては、有孔または無孔の不織布や多孔性プラスチックシート等が好ましい。不織布を構成する素材繊維は、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、スパンレース法は柔軟性、ドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法は嵩高でソフトである点で優れている。表面シート11に多数の透孔を形成した場合には、尿等が速やかに吸収されるようになり、ドライタッチ性に優れたものとなる。表面シート11の側部は、裏面シート12と吸収体13の側部を巻込んで吸収体13の外面まで延在している。
【0025】
裏面シート12としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等の液不透過性プラスチックシートが用いられるが、近年はムレ防止の点から透湿性を有するものが好ましい。遮水・透湿性シートは、たとえばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートである。裏面シート12の側部は、折り返されて吸収体13の外面まで延在している。
【0026】
吸収体13としては、公知のもの、例えばパルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本とし、必要に応じて高吸収性ポリマーを混合、固着等してなるものを用いることができる。また、吸収体13は、高吸収性ポリマー等の脱落を防止するために、液透過性のクレープ紙等の包装シート14によって包装されている。
【0027】
平面視における吸収体13の形状は、股間部に括れ部分13Nを有する略砂時計形状に形成されているが、長方形状等に形成することもできる。括れ部分13Nの寸法は、適宜定めることができるが、装着者に使い捨ておむつをフィットさせるために、括れ部分13Nの縦方向の長さを使い捨ておむつの縦方向の長さの20〜50%にして、括れ部分13Nの幅方向の最狭幅を吸収体13の幅方向の幅の40〜60%にするのが好ましい。
【0028】
立体ギャザーBSは、内装体10の幅方向の両側部に形成されている。立体ギャザーBSは、内装体10の外面の側部に固定された固定部と、固定部から内装体10の側部を経て内装体10の内面の側部まで延在する本体部から形成されている。また、本体部の縦方向の前後端部は、内装体10の内面上に固定され、本体部の縦方向の中間部は、内装体10の内面上に固定されず内面に向かって起立する。立体ギャザーBSは、2重の立体ギャザーシート15と縦方向に延在する細長状の立体ギャザー弾性部材16から形成されている。
【0029】
立体ギャザーシート15としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工方法に得られた不織布を用いることができるが、特にはムレを防止するために坪量を抑えて通気性に優れた不織布を用いるのがよい。さらに立体ギャザーシート15については、尿等の透過を防止するとともに、カブレを防止しかつ肌への感触性(ドライ感)を高めるために、シリコン系、パラフィン金属系、アルキルクロミッククロイド系撥水剤等をコーティングした撥水処理不織布を用いるのが好ましい。
【0030】
立体ギャザー弾性部材16としては、通常使用されるスチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等の素材を用いることができる。また、外側から見え難くするために、太さは925dtex以下、伸長率は150〜350%、間隔は10.0mm以下とするのが好ましい。なお、
図4に二点鎖線で示すように、立体ギャザー弾性部材16は、その伸縮力によって立体ギャザーBSを内面に向かって起立させ、糸状の他、所定の幅を有するテープ状のものを用いることもできる。また、本明細書においては、伸長率は、伸張時の長さ/自然長の長さ×100[%]で算出し、自然長の長さを100%としている。
【0031】
(外装体)
図1,2に示すように、外装体20は、装着者の腹側に対向する前身頃Fに位置する前身頃シート22と背側に対向する後身頃Bに位置する後身頃シート23で形成され、前身頃シート22と後身頃シート23の幅方向の両側部はヒートシールによって溶着固定されサイドシール部21を形成する。また、前身頃シート22と後身頃シート23は、一体的に形成されている。これにより、
図6に示すように、装着者の胴を通すためのウエスト開口と脚を通すための左右一対の脚開口が形成されている。なお、前身頃シート22と後身頃シート23は、脚開口部Lにおいて縦方向に分離して形成することもできる。
【0032】
外装体20は、サイドシール部21を有する縦方向の前後領域である胴周り部Tと、前後の胴周り部Tを連結する脚開口部Lから形成されている。また、胴周り部Tは、概念的にウエスト開口に位置するウエスト部Wと、ウエスト部Wよりも脚開口部L側に位置するエスト下方部Uから形成されている。
【0033】
図7に示すように、外側体20の前身頃シート22におけるサイドシール部21の外面、すなわち、外側体20の前身頃シート22におけるヒートシールによって溶着固定されサイドシール部21の外面には、複数の上側係合ピン46からなる幅方向に所定の間隔を有して上下方向に延在する上側係合部30Aと、複数の下側係合ピン47からなる幅方向に所定の間隔を有して上下方向に延在する下側係合部30Bが形成されている。
【0034】
上側係合部30Aの下側部と下側係合部30Bの上側部は、上下方向に所定の間隔を隔てて離間して形成され、サイドシール部21における上側係合部30Aの下側部と下側係合部30Bの上側部の間には、係合ピン45は形成されておらずヒートシール部31のみが形成されている。なお、上側係合ピン46と下側係合ピン47を総称して係合ピン45と言う。
【0035】
これにより、
図8に示すように、使い捨ておむつの装着時には、サイドシール部21を前身頃シート22の幅方向の中心部に向かって折曲げて、前身頃シート22にサイドシール部21を係合部30で係合することによって使い捨ておむつの外観性を高めることができる。すなわち、使い捨ておむつの幅方向の両側に延在するサイドシール部21を前身頃シート22に固定して、使い捨ておむつの幅方向の両側に延在するサイドシール部21をなくすことによって使い捨ておむつの外観性を高めることができる。また、使い捨ておむつのサイズが大きい場合には、サイドシール部21を前身頃シート22の中心部に向かって折曲げることによって使い捨ておむつのウエスト開口と脚開口のサイズを小さくしてフィット性を高めることができる。なお、上側係合部30Aと下側係合部30Bを総称して係合部30と言う。
【0036】
上側係合部30Aの下側部は、幅方向の外側に向けて下り傾斜に形成され、上側係合部30Aの下側端部を繋いだ上側折曲げ線A1と幅方向の延在する仮想線Aの交差角度θ1は30〜50度に形成されている。なお、交差角度θ1が30度未満の場合は、サイドシール部21の上側部を前身頃シート22の幅方向の中心部に向かって折曲げる、いわゆるクロス止めの効果が低下する。一方、交差角度θ1が60度超の場合は、サイズ調整範囲を所定以上に確保することができなくなる。
【0037】
下側係合部30Bの上側部は、幅方向の外側に向けて上り傾斜に形成され、下側係合部30Bの上側端部を繋いだ上側折曲げ線A2と幅方向の延在する仮想線Aの交差角度θ2は30〜50度に形成されている。なお、交差角度θ2は30度未満の場合は、サイドシール部21の上側部を前身頃シート22の幅方向の中心部に向かって折曲げる、いわゆるクロス止めの効果が低下する。一方、交差角度θ1が60度超の場合は、サイズ調整範囲を所定以上に確保することができなくなる。
【0038】
これにより、
図9に示すように、使い捨ておむつのサイズが大きい場合には、サイドシール部21の上側部を上側折曲げ線A1を中心として前身頃シート22の上下方向の下側部に向かって折曲げることによって使い捨ておむつのウエスト開口と脚開口のサイズを効率良く調整することができ、その調整範囲を大きくすることができる。なお、サイドシール部21の下側部を下側折曲げ線A2を中心として前身頃シート22の上下方向の上側部に向かって折曲げることもできる。また、使用された使い捨ておむつを廃棄する場合には、使い捨ておむつの股間部を前身頃シート22の上下方向の中心部に向かって折曲げて、その外側からサイドシール部21の上側部を上側折曲げ線A1を中心として前身頃シート22の幅方向の上下方向の下側部に向かって折曲げることによって、使用された使い捨ておむつをコンパクトに折曲げることができる。
【0039】
図7に示すように、上側係合部30Aを形成する上側係合ピン46は、幅方向と上下方向に所定の間隔を隔てて形成され、上側係合ピン46の先端部の長手方向が幅方向に平行に形成されている。また、下側係合部30Bを形成する下側係合ピン47は、幅方向と上下方向に所定の間隔を隔てて形成され、下側係合ピン47の先端部の長手方向が幅方向に平行に形成されている。これにより、サイドシール部21を前身頃シート22の幅方向の中心部に向けて折曲げた場合は、サイドシール部21を係合部30を介して前身頃シート22に確実に係合させることができる。
【0040】
図3〜5に示すように、前身頃シート22と後身頃シート23は、それぞれ内側シート20Aと外側シート20Bから形成され、内側シート20Aと外側シート20Bの間、外側シート20Bにおけるウエスト開口部で内面側に折り返した折り返し部20Cの間には、弾性部材24〜28が設けられている。また、平面視において外装体20の幅方向の両側部には、脚開口を形成する凹状の脚周りライン29に沿って切断されて略砂時計形状に形成されている。なお、内側シート20Aと外側シート20Bとしては、表面シート11と同様に不織布で形成するのが好ましい。
【0041】
前身頃シート22と後身頃シート23のウエスト部Wには、縦方向に所定の間隔を隔てて幅方向に延在する複数の細長状のウエスト部弾性部材24が設けられ、ウエスト下方部Uには、縦方向に所定の間隔を隔てて幅方向に延在する複数の細長状のウエスト下方部弾性部材25が設けられている。また、前身頃シート22と後身頃シート23の脚開口部Lには、幅方向に所定の間隔を隔てて脚周りライン29に沿って延在する複数の細長状の脚開口部弾性部材27が設けられ、前身頃シート22には、幅方向に所定の間隔を隔ててサイドシール部21から脚周りライン29に沿って延在する複数の細長状の湾曲弾性部材28が設けられ、後身頃シート23には、幅方向に所定の間隔を隔ててサイドシール部21から脚周りライン29に沿って延在する複数の細長状の湾曲弾性部材26が設けられている。
【0042】
成人用の使い捨ておむつの場合、ウエスト部弾性部材24の伸長率は160〜320%、ウエスト下方部弾性部材25と脚開口部弾性部材27の伸長率は160〜320%、湾曲弾性部材26,28の伸長率は230〜320%にすることが好ましい。これにより、外装体20を装着者に密着させることができる。
【0043】
図1等に示すように、前身頃シート22の内面上には、内装体10の縦方向の前部を覆って、排泄物の前部からの漏れ出しを防止する不織布から形成された前押えシート18が設けられ、後身頃シート23の内面上には、内装体10の縦方向の後部を覆って、排泄物の後部からの漏れ出しを防止する不織布から形成された後押えシート19が設けられている。なお、前押えシート18は、前身頃シート22の折り返し部20Cの後部から内装体10の前端部と重なる位置まで延在し、後押えシート19は、後身頃シート23の折り返し部20Cの前部から内装体10の後端部と重なる位置まで延在している。
【0044】
次に、他の形態について説明する。なお、第1参考形態の使い捨ておむつと同一部材については同一符号を付して説明を省略する。
【0045】
<第2参考形態の使い捨ておむつ>
図10に示すように、第2参考形態の使い捨ておむつの係合部30は、第1参考形態と同一形態である。第2参考形態の使い捨ておむつは、前身頃シート22におけるサイドシール部21の内側の近傍、すなわちサイドシール部21の側端部から0〜10mmの部位に、上端部から下側に向かって延在する上側スリット32Aと、下端部から上側に向かって延在する下側スリット32Bが設けられている。これにより、使い捨ておむつのサイズが大きい場合には、上側スリット32Aと下側スリット32Bを切断してサイドシール部21を前身頃シート22の中心部に向かって折曲げることによって使い捨ておむつのウエスト開口と脚開口のサイズを効率良く調整することができ、その調整範囲を大きくすることができる。なお、上側スリット32Aと下側スリット32Bのどちらか一方のみを設けることもできる。
【0046】
<第3参考形態の使い捨ておむつ>
図11に示すように、第3参考形態の使い捨ておむつの係合部30は、第1参考形態と同一形態である。第3参考形態の使い捨ておむつは、前身頃シート22におけるサイドシール部21の内側の近傍、すなわちサイドシール部21の側端部から0〜10mmの部位に、上端部から下端部に向かって延在するミシン目33が設けられている。これにより、使い捨ておむつのサイズが大きい場合には、ミシン目33を切断してテープタイプの使い捨ておむつとして使用することができる。
【0047】
<第4参考形態の使い捨ておむつ>
図12に示すように、第4参考形態の使い捨ておむつの係合部30は、係合ピン45の形成を除いては第1参考形態と同一形態である。第4参考形態の上側係合部30Aを形成する上側係合ピン46は、幅方向と上下方向に所定の間隔を隔てて形成され、上側係合ピン46の先端部の長手方向が幅方向の外側に向かって上り傾斜に形成されている。また、下側係合部30Bを形成する下側係合ピン47は、幅方向と上下方向に所定の間隔を隔てて形成され、下側係合ピン47の先端部の長手方向が幅方向の外側に向かって下り傾斜に形成されている。これにより、使い捨ておむつのサイズが大きい場合には、サイドシール部21の上側部を上側折曲げ線A1を中心として前身頃シート22の上下方向の下側部に向かって折曲げた場合は、サイドシール部21を上側係合部30Aを介して前身頃シート22に確実に係合させることができ、サイドシール部21の下側部を下側折曲げ線A2を中心として前身頃シート22の上下方向の上側部に向かって折曲げた場合は、サイドシール部21を下側係合部30Bを介して前身頃シート22に確実に係合させることができる。
【0048】
<実施形態の使い捨ておむつ>
図13に示すように、実施形態の使い捨ておむつの係合部30は、係合ピン45の形成を除いては第1参考形態と同一形態である。実施形態の上側係合部30Aを形成する第1上側係合ピン46Aは、幅方向と上下方向に所定の間隔を隔てて形成され、第1上側係合ピン46Aの先端部の長手方向が幅方向に平行に形成されている。また、第1上側係合ピン46Aの上下方向の間には、幅方向に所定の間隔を隔てて、第2上側係合ピン46Bの先端部の長手方向が幅方向の外側に向かって上り傾斜に形成された第2上側係合ピン46Bが形成されている。実施形態の下側係合部30Aを形成する第1下側係合ピン47Aは、幅方向と上下方向に所定の間隔を隔てて形成され、第1下側係合ピン47Aの先端部の長手方向が幅方向に平行に形成されている。また、第1下側係合ピン47Aの上下方向の間には、幅方向に所定の間隔を隔てて、第2下側係合ピン47Bの先端部の長手方向が幅方向の外側に向かって下り傾斜に形成された第2下側係合ピン47Bが形成されている。
【0049】
これにより、使い捨ておむつの装着時には、サイドシール部21を前身頃シート22の幅方向の中心部に向かって折曲げて、前身頃シート22に係合部30を介してサイドシール部21を確実に係合することができる。また、使い捨ておむつのサイズが大きい場合には、サイドシール部21の上側部を上側折曲げ線A1を中心として前身頃シート22の幅方向の中心部に向かって折曲げた場合は、サイドシール部21を上側係合部30Aを介して前身頃シート22に確実に係合させることができ、サイドシール部21の下側部を下側折曲げ線A2を中心として前身頃シート22の幅方向の中心部に向かって折曲げた場合は、サイドシール部21を下側係合部30Bを介して前身頃シート22に確実に係合させることができる。
【0050】
<第5参考形態の使い捨ておむつ>
図14に示すように、第5参考形態の使い捨ておむつの外側体20の前身頃シート22におけるサイドシール部21の外面には、複数の係合ピン45からなる幅方向に所定の間隔を有して上下方向に延在する係合部30が形成されている。また、幅方向の外側に向けて下り傾斜に形成される第1分断部34Aと、幅方向の外側に向けて上り傾斜に形成される第2分断部34Bによって区画されている。なお、第1分断部34Aと幅方向の延在する仮想線Aの交差角度θ1は30〜60度に形成し、第2分断部34Bと幅方向の延在する仮想線Aの交差角度θ2は30〜60度に形成されている。なお、第1分断部34Aと第2分断部34B総称して分断部34と言う。
【0051】
これにより、使い捨ておむつの装着時には、サイドシール部21を前身頃シート22の幅方向の中心部に向かって折曲げて、前身頃シート22に係合部30を介してサイドシール部21を確実に係合することができる。また、使い捨ておむつのサイズが大きい場合は、サイドシール部21の上側部をいずれかの第1分断部34Aを中心として前身頃シート22の幅方向の中心部に向かって折曲げた場合は、サイドシール部21を係合部30を介して前身頃シート22に確実に係合させることができ、サイドシール部21の下側部をいずれかの第2分断部34Bを中心として前身頃シート22の幅方向の中心部に向かって折曲げた場合は、サイドシール部21を係合部30を介して前身頃シート22に確実に係合させることができる。
【0052】
<第6参考形態の使い捨ておむつ>
図15に示すように、第6参考形態の使い捨ておむつの係合部30は、分断部34の形成を除いては第1参考形態と同一形態である。第6参考形態の上側係合部30Aは、上下方向に所定の間隔を隔てて幅方向の外側に向けて下り傾斜に形成された第1分断部34Aによって上下方向に分断されて形成されている。また、第6参考形態の下側係合部30Bは、上下方向に所定の間隔を隔てて幅方向の外側に向けて上り傾斜に形成された第2分断部34Bによって上下方向に分断されて形成されている。これにより、使い捨ておむつのサイズが大きい場合は、サイドシール部21の上側部をいずれかの第1分断部34Aを中心として前身頃シート22の幅方向の中心部に向かって折曲げることができ、使い捨ておむつのウエスト開口のサイズを効率良く調整することができる。また、サイドシール部21の下側部をいずれかの第2分断部34Bを中心として前身頃シート22の幅方向の中心部に向かって折曲げることができ、使い捨ておむつの脚開口のサイズを効率良く調整することができる。
【0053】
<第7参考形態の使い捨ておむつ>
図16に示すように、第7参考形態の使い捨ておむつの係合部30は、分断部34の形成を除いては第1参考形態と同一形態である。第7参考形態の上側係合部30Aは、上側係合部30Aの幅方向の中心部に上下方向に延在する第1分断部34Aによって幅方向に分断されて形成されている。また、第7参考形態の下側係合部30Bは、下側係合部30Bの幅方向の中心部に上下方向に延在する第2分断部34Bによって幅方向に分断されて形成されている。これにより、使い捨ておむつの装着時には、サイドシール部21を前身頃シート22の幅方向の中心部に向かって容易に折曲げることができる。
【0054】
<第8参考形態の使い捨ておむつ>
図17に示すように、第8参考形態の使い捨ておむつは、サイドシール部21の幅方向の外側にそれぞれファスニング部35が設けられ、ファスニング部35の前身頃側の外面には、複数の係合ピン45からなる矩形状の係合部30が形成されている。
【0055】
使い捨ておむつの幅方向の右側には、上下方向に所定の間隔を隔てて2個のファスニング部35Aが設けられ、使い捨ておむつの幅方向の左側には、上下方向に所定の間隔を隔てて2個のファスニング部35Bが設けられている。上下方向において上側のファスニング部35Aの下側部と下側のファスニング部35Aの上側部の間に、上側のファスニング部35Bが位置し、下側のファスニング部35Aの下側部の下側に下側のファスニング部35Bが位置して設けられている。
【0056】
これにより、使い捨ておむつの装着時には、サイドシール部21の内側を中心としてファスニング部35を前身頃シート22の幅方向の中心部に向かって折曲げて、前身頃シート22に係合部30を介してファスニング部35を係合することによって使い捨ておむつの外観性を高めることができる。
【0057】
次に、前身頃シート22のサイドシール部21の外面に係合部30を形成する方法について説明する。
【0058】
図18に示すように、超音波加工装置40は、サイドシール部21の下側に配置されサイドシール部21に超音波振動を伝動する超音波振動装置41と、超音波振動装置41の上側に配置された外周面に係合ピン45の溝が刻印されたアンビルローラ42から構成されている。サイドシール部21の外面をアンビルローラ42の外周面に当接させながら一定の速度でMD方向に移送する。これにより、サイドシール部21に位置する前身頃シート22と後身頃シート23を固定すると共に前身頃シート22の外面に、
図19(a)に図示する鋸形状や、
図19(b)に図示するT形状の係合ピン45を形成することができる。