(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。以下ではすべての図面において同等の要素には同一の符号を付して説明する。
【0010】
図1は、実施形態のエレベーター用情報提供装置20を示す構成図である。
図1に示すエレベーター用情報提供装置20は、エレベーターの乗りかご1内の外国人乗客に対しその乗客が特に理解する言語で情報を迅速に理解できるようにするための装置である。以下、エレベーター用情報提供装置20は情報提供装置20と記載する場合がある。
【0011】
情報提供装置20は、装置本体21と、かご内通話器6と、複数のスピーカー30とを備える。各スピーカー30は、話者特定力増大スピーカーに相当する。また、装置本体21は、演算処理装置(MPU)21aと、エレベーター状態信号取得部22と、記憶部23と、音声発生装置24とを含んでいる。装置本体21は、コンピュータを含んで構成される。演算処理装置21aは、音声出力制御部に相当する。
【0012】
かご内通話器6は、乗りかご1内に取り付けられた操作盤2aに配置されている。乗りかご1内の乗客が操作盤2aに取り付けられたインターホン呼び釦5を操作することで、乗客はかご内通話器6及び外部通話器13を介して、外部の管理者と通話可能である。かご内通話器6に入力された音声は信号に変換された後、情報提供装置20と外部通話器13との切替部14を介して外部通話器13に送信されて、外部の管理者に通話内容が伝達される。後述の情報提供装置20または図示しない別の制御装置が、上記の切替部14をインターホン呼び釦5の操作に応じて切り替える。操作盤2aには、行先階を指示するための行先階呼び釦も取り付けられる。
【0013】
また、かご内通話器6は、装置本体21から出力された信号が表わす音声を出力する機能も有する。
【0014】
図2は、情報提供装置20が備える複数のスピーカー30の取付位置を示す図である。複数のスピーカー30は、装置本体21に接続され、装置本体21から出力された信号が表わす音声を出力する。
図2では、乗りかご1の4つの異なる方向に向いた壁面の上部にそれぞれスピーカー30が取り付けられている。そして、4つのスピーカー30のそれぞれから異なる言語の音声が出力される。一方、全部のスピーカー30から1つ、または2つの異なる言語の音声が出力されてもよい。例えば、2つのスピーカーで日本語の音声が出力され、別の2つのスピーカーで同じ外国語の音声が出力されてもよい。また、スピーカーは4つに限定するものではなく、1つ、または4つ以外の複数個が設けられてもよい。このような複数のスピーカー30が配置されることにより、外国人乗客が、特に理解する母国語での発話者を音声出力の方向の違いで特定しやすくなる。これにより、外国人乗客が情報提供装置20から発せられる情報の理解を行いやすくなる。これについては、後で詳しく説明する。
【0015】
図1に戻って、装置本体21は、切替部14を介して操作盤2aに接続される。装置本体21は、乗りかご1、または、エレベーターの制御盤が設けられた制御室(図示せず)に設置されるが、外部の管理者がいる外部管理室側に設置されてもよい。
【0016】
エレベーター状態信号取得部22は、エレベーター状態を表す信号として、例えば乗りかご1の次の到着階を表す信号、地震監視部からの地震検知信号、火災監視部からの火災検知信号、及びエレベーターの動きに合わせた任意設定で取り出される信号を取得する。なお、エレベーター状態信号取得部22は、エレベーター状態を表す信号として、例えば次の到着階を表す信号、地震検知信号、火災検知信号、及びエレベーターの動きに合わせた任意設定で取り出される信号の一部の信号のみを取得してもよい。また、エレベーター状態信号取得部22は、停電監視部からの停電検知信号を取得してもよい。
【0017】
また、エレベーター状態信号取得部22は、時刻データを表す信号及び外部トリガーによる信号の一方または両方を取得してもよい。
【0018】
記憶部23には、所定の情報に対応する複数の言葉として、日本語及び外国人乗客の母国語としての外国語での情報を表す複数の言葉の集合としての多国語格納データベースが予め記憶されている。
【0019】
図3は、装置本体21における記憶部23に記憶された多国語格納データベースの第1構成部31を示す図である。第1構成部31は、階床情報提供用の多国語格納データベースである。ここで、データ列41bのA1列データは、日本語での言葉が並んだものであり、データ列42bのA2列データは、英語での言葉が並んだものである。データ列43bのAm列データは、m国語の言葉が並んだものである。m国は任意の外国を意味する。また、データ行b2〜bkは、同じ意味の言葉がそれぞれ異なる言語で並んでいる。データ行b2のB2行データは、「短い呼びかけ言葉である第1言葉」として「次は」の意味の言葉が記憶される。データ行b3〜bkのB3〜Bk行データは、「第1言葉より長い本文内容を表す第2言葉」として、「1階です」「2階です」〜「K階です」がそれぞれ記憶される。
【0020】
図4は、記憶部23に記憶された多国語格納データベースの第2構成部32を示す図である。第2構成部32は、地震情報提供用の多国語格納データベースである。ここで、データ列41cのA1列データは、日本語での言葉が並んだものであり、データ列42cのA2列データは、英語での言葉が並んだものである。データ列43cのAm列データは、m国語の言葉が並んだものである。また、データ行c2〜c3のC2〜C3行データは、同じ意味の言葉がそれぞれ異なる言語で並んでいる。C2行データは、短い呼びかけ言葉である第1言葉として「地震は」の意味の言葉が記憶される。C3行データは、第1言葉より長い本文内容を表す第2言葉として、「すぐに避難してください」の意味の言葉が記憶される。
【0021】
図5は、記憶部23に記憶された多国語格納データベースの第3構成部33を示す図である。第3構成部33は、火災情報提供用の多国語格納データベースである。ここで、データ列41dのA1列データは、日本語での言葉が並んだものであり、データ列42dのA2列データは、英語での言葉が並んだものである。データ列43dのAm列データは、m国語の言葉が並んだものである。また、データ行d2〜d3のD2〜D3行データは、同じ意味の言葉がそれぞれ異なる言語で並んでいる。D2行データは、短い呼びかけ言葉である第1言葉として「火災です」の意味の言葉が記憶される。D3行データは、第1言葉より長い本文内容を表す第2言葉として、「1階から避難してください」の意味の言葉が記憶される。
【0022】
図6は、記憶部23に記憶された多国語格納データベースの第n構成部34を示す図である。nは4以上の任意の整数である。第n構成部34は、任意情報提供用の多国語格納データベースである。ここで、データ列41nのA1列データは、日本語での言葉が並んだものであり、データ列42nのA2列データは、英語での言葉が並んだものである。データ列43nのAm列データは、m国語の言葉が並んだものである。また、データ行n2〜n3のN2〜N3行データは、同じ意味の言葉がそれぞれ異なる言語で並んでいる。N2行データは、短い呼びかけ言葉である第1言葉として任意の呼びかけ言葉が複数の言語で記憶される。N3行データは、第1言葉より長い本文内容を表す第2言葉が複数の言語で記憶される。第n構成部34は、異なる任意情報提供用として複数があってもよい。
【0023】
図3〜
図6に示したように、情報提供装置20から出力される言葉は、短い呼びかけ言葉である第1言葉と、長い本文内容を表す第2言葉とで分けられ、第1言葉と第2言葉とが時間をあけて出力される。情報提供装置20から出力される言葉は、第1言葉と第2言葉とに分けられて記憶される。これにより、外国人乗客は、第1言葉で特に理解が容易な言語による言葉の脳への刷り込みが行われる。この刷り込みは、多くの言語の同時アナウンスの中からの音声識別、具体的には話者の認識をしやすくするために行う。そして、外国人乗客がその話者に意識を集中した後で長い本文内容を表す第2言葉が聞こえることで、その第2言葉の内容を外国人乗客が理解しやすくなる。
【0024】
図1に戻って、音声発生装置24は、演算処理装置21aにより制御されて、エレベーター状態信号取得部22からの信号に基づいて、記憶部23に記憶されたデータベースから言葉を取得し、それを信号に変換してかご内通話器6及び各スピーカー30に送信する。かご内通話器6及び各スピーカー30は、受け取った信号が表わす言葉を音声として乗客に対し出力する。音声発生装置24、スピーカー30及びかご内通話器6は、音声出力部に相当する。
【0025】
演算処理装置21aは、取得信号に相当するエレベーター状態信号に基づいて、記憶部23に記憶された第1言葉または第2言葉を選択し、選択した言葉に対応する1つ以上の別の言語の別言語言葉としての外国語による第1言葉または第2言葉を取得する。このとき、選択した言葉に対応する別言語言葉は、選択した言葉と同じ意味を表す外国語による言葉である。そして、演算処理装置21aは、選択された言葉と別言語言葉とを略同時、または同時にかご内通話器6及び複数のスピーカー30から出力させるように、音声発生装置24を制御する。
【0026】
図7は、実施形態の情報提供装置20を用いて行う音声出力の基本的動作を示す図である。
図7では、地震情報提供用としての音声出力が日本語、英語、中国語、及び韓国語で行われる場合を示している。まず(1)でエレベーター状態信号に基づいて第1言葉として日本語での「地震です」が選択され、その意味を表す英語、中国語及び韓国語の言葉が選択される。そして、複数の言語による第1言葉の音声出力がスピーカー及びかご内通話器から略同時に開始される。このとき、複数の言語による第1言葉が所定時間、例えば0.25秒ずつずれて出力が開始されてもよい。これにより、複数の言語が同時発生されて、その合成音が打ち消し合って聞き取りにくくなることを抑制できる。このとき、複数の言語による第1言葉は一部で重なってもよい。
【0027】
そして、複数の言語による第1言葉の出力が終了した後、所定時間、例えば0.20秒音声出力が休止され、その後、(2)で第2言葉として日本語での「すぐに避難してください」が選択され、その意味を表す英語、中国語及び韓国語の言葉が選択される。そして、複数の言語による第2言葉の音声出力が、スピーカー及びかご内通話器から同時に開始される。そして、複数の言語による第2言葉の出力が終了した後、所定時間音声出力が休止される。
【0028】
このとき、演算処理装置21aは、(1)で第1言葉を選択し、その第1言葉に対応する日本語による第1言葉と、第1言葉に対応する別の言語の別言語第1言葉とを、かご内通話器またはスピーカーから所定の時間差を持って出力が開始されるように出力させる。
図8の例では、別の言語は、英語、中国語、及び韓国語である。そして、演算処理装置21aは、第1言葉と別言語第1言葉との出力終了後に、第2言葉と、第2言葉に対応する別の言語の別言語第2言葉とを、かご内通話器6及びスピーカー30から同時に出力が開始されるように出力させる。なお、本例の構成では、かご内通話器6及びスピーカー30により音声出力部を構成しているが、音声出力部からかご内通話器が省略されてもよい。
【0029】
このとき、複数のスピーカー30及びかご内通話器6によって異なる言語による音声出力が行われる。人の外耳は、どの方向から音が聞こえてくるかを判別できるので、「カクテルパーティー効果」として、日本人乗客及び外国人乗客によってそれぞれの母国語による「音声の選択的聴取」を行いやすくなる。これにより、外国人を含む多くの乗客が、音声出力による情報の理解を迅速に行いやすくなる。
【0030】
また、複数の言語による音声の出力では、発話者の性別を変更することと、年齢差を大きく付けることとの一方または両方が行われてもよい。例えば、年齢差を40年以上つけて、60歳以上の人と未成年者等の若者とで2つの異なる言語での音声出力がされてもよい。また、発話者を未成年及び成人で分けてもよく、また、45歳以上65歳未満の熟年と呼ばれる人、65歳以上の老人と呼ばれる人、及びそれ以外の人で分けてもよい。また、発話者を声の高低差で分けてもよい。例えば、同じ言葉の発生周波数の平均値、上限、または下限で発話者を分けてもよい。このような構成によれば、「カクテルパーティー効果」として、日本人乗客及び外国人乗客によってそれぞれの母国語による「音声の選択的聴取」を行いやすくなる。これにより、外国人を含む多くの乗客が、音声出力による情報の理解をより効果的に行いやすくなる。
【0031】
図8Aは、実施形態の情報提供装置20を用いて実行する音声出力方法を示すフローチャートである。
図8Bは、
図8Aにおいて、地震発生時の情報を出力するための第1ステップ群を示す図である。
図8Cは、
図8Aにおいて、火災発生時の情報を出力するための第2ステップ群を示す図である。
【0032】
図8A〜
図8Cに示す音声出力方法は、装置本体21の多国語格納データベースに格納されたデータから、エレベーター状態信号に基づいて所定の言葉が選択され、その言葉を表す音声を、音声発生装置を経由してかご内通話器またはスピーカーから出力させる。以下では、日本語及び外国語の言葉のそれぞれを、かご内通話器6及びスピーカー30から出力させる場合を説明する。
図8A〜
図8Cにおいて、実線矢印は演算方向を示し、二点鎖線矢印は演算点を示す。
【0033】
図8A〜
図8Cにおいて情報提供装置20の演算処理装置21aによりフローチャートに示す制御の実行が開始されると、演算点P(1)1からまずP(1)で示す第1ステップ群に移行する。
図8Bに示すように、第1ステップ群では、ステップS10(以下、ステップSはSと記載する。)において、演算処理装置21aはエレベーター状態信号取得部22からの信号を確認する。そして、地震監視部からの管制信号として地震が検知されたことを表す地震検知信号があるか否かが判定される。S10の判定結果が否定、すなわち地震検知信号がないと判定された場合には、
図8Aの演算点P(1)2に移行する。一方、S10の判定結果が肯定、すなわち地震検知信号があると判定された場合には、S11で
図4の地震情報提供用の多国語格納データベースのA1列C2行データである「地震です」という「短い呼びかけ言葉」として日本語の第1言葉を選択する。そして選択された日本語の第1言葉を、音声発生装置24を経由してかご内通話器6及びスピーカー30から音声として出力させる。
【0034】
次に日本語の第1言葉の音声出力が終了した後、S12で所定の遅延時間T1経過させる。遅延時間T1は例えば0.25秒である。その後、S13で
図4の地震情報提供用の多国語格納データベースのA2列C2行データの第1言葉を選択する。そして、選択されたA2列C2行データの第1言葉をかご内通話器及びスピーカーから音声として出力させる。また、S14で所定の遅延時間T1経過させた後、S15でAm列C2行データの第1言葉をかご内通話器6及びスピーカー30から音声として出力させる。このようにS11からS15では、設定した多言語でのすべての「短い呼びかけ言葉」としての第1言葉を、音声出力開始が遅延時間T1ずれるように、かご内通話器6及びスピーカー30から音声として出力させる。
【0035】
次に、S16で所定の遅延時間T2経過させた後、S17で
図4の地震情報提供用の多国語格納データベースのA1列C3行データである「すぐに避難してください」という日本語の第2言葉、これに対応するA2列C3行データ、Am列C3行データの第2言葉を選択する。遅延時間T2は例えば0.20秒である。そして、選択されたA1列C3行データ、A2列C3行データ、Am列C3行データの第2言葉を、かご内通話器及びスピーカーから音声として同時に音声出力が開始されるように出力させる。そして、S17の処理が終了した後、
図8Aの演算点P(1)2に移行する。
【0036】
これにより、外国人乗客を含む多くの乗客が第1言葉の音声での刷り込み効果で話者を特定しやすくなり、それぞれの母国語の長い本文の第2言葉を聞き分けて、迅速に理解することができる。
【0037】
一方、
図8Aの演算点P(1)2から演算点P(2)1に移行すると、P(2)で示す第2ステップ群に移行する。
図8Cに示すように、第2ステップ群では、S20において、演算処理装置21aはエレベーター状態信号取得部22からの信号を確認する。そして、火災監視部からの管制信号として火災が検知されたことを表す火災検知信号があるか否かが判定される。S20の判定結果が否定、すなわち火災検知信号がないと判定された場合には、
図8Aの演算点P(2)2に移行する。一方、S20の判定結果が肯定、すなわち火災検知信号があると判定された場合には、S21で
図5の火災情報提供用の多国語格納データベースのA1列D2行データである「火災です」という「短い呼びかけ言葉」として日本語の第1言葉を選択する。そして選択された日本語の第1言葉を、音声発生装置を経由してかご内通話器6及びスピーカー30から音声として出力させる。
【0038】
次に日本語の第1言葉の音声出力が終了した後、S22で遅延時間T1経過させる。その後、S23で
図5の火災情報提供用の多国語格納データベースのA2列D2行データの第1言葉を選択する。そして、選択されたA2列D2行データの第1言葉をかご内通話器6及びスピーカー30から音声として出力させる。また、S24で遅延時間T1経過させた後、S25でAm列D2行データの第1言葉をかご内通話器6及びスピーカー30から音声として出力させる。このようにS21からS25では、設定した多言語でのすべての短い第1言葉を、音声出力開始が遅延時間T1ずれるように、かご内通話器6及びスピーカー30から音声として出力させる。
【0039】
次に、S26で遅延時間T2経過させた後、S27で
図5の火災情報提供用の多国語格納データベースのA1列D3行データである「1階から避難してください」という日本語の第2言葉、これに対応するA2列D3行データ、Am列D3行データの第2言葉を選択する。そして、選択されたA1列D3行データ、A2列D3行データ、Am列D3行データの第2言葉を、かご内通話器6及びスピーカー30から音声として同時に音声出力が開始されるように出力させる。そして、S27の処理が終了した後、
図8Aの演算点P(2)2に移行する。
【0040】
この場合も、
図8Bの地震情報提供用の音声を出力させる場合と同様に、外国人乗客を含む多くの乗客が第1言葉で話者を特定しやすくなり、第2言葉を聞き分けて、迅速に理解することができる。
【0041】
次に、
図8Aの演算点P(2)2から演算点P(n−X)1に移行すると、P(n−X)で示す第(n−X)ステップ群に移行する。Xは任意の整数である。第(n−X)ステップ群では、演算処理装置21aはエレベーター状態信号取得部22から任意情報提供用の信号を確認する。そして、任意情報提供用の信号があると判定された場合には、記憶部23から選択した第1言葉及び第2言葉のデータを用いて、
図8B、
図8Cの地震情報用、火災情報用の音声を出力させる場合と同様に、音声出力を行う。第(n−X)ステップ群の処理は、次に説明する第nステップ群の処理と同様である。
【0042】
図8Aでは、任意情報提供用の音声出力が(n−2)個ある場合を示している。そして、演算点Pn1に移行すると、第nステップ群に移行し、S30において、演算処理装置21aはエレベーター状態信号取得部22からの任意情報提供用の信号を確認する。そして、任意情報提供用の信号がないと判定された場合には、演算点Pn2に移行する。一方、任意情報提供用の信号があると判定された場合には、S31で
図6の任意情報提供用の多国語格納データベースのA1列N2行データである「短い呼びかけ言葉」として日本語の第1言葉を選択する。そして選択された日本語の第1言葉を、音声発生装置24を経由してかご内通話器6及びスピーカー30から音声として出力させる。
【0043】
次に日本語の第1言葉の音声出力が終了した後、S32で遅延時間T1経過させる。その後、S33で
図6の任意情報提供用の多国語格納データベースのA2列N2行データの第1言葉を選択する。そして、選択されたA2列N2行データの第1言葉をかご内通話器6及びスピーカー30から音声として出力させる。また、S34で遅延時間T1経過させた後、S35でAm列N2行データの第1言葉をかご内通話器6及びスピーカー30から音声として出力させる。
【0044】
次に、S36で遅延時間T2経過させた後、S37で
図6の任意情報提供用の多国語格納データベースのA1列N3行データである日本語の第2言葉、これに対応するA2列N3行データ、Am列N3行データの第2言葉を選択する。そして、選択されたA1列N3行データ、A2列N3行データ、Am列N3行データの第2言葉を、かご内通話器6及びスピーカー30から音声として同時に音声出力が開始されるように出力させる。そして、S37の処理が終了した後、
図8Aの演算点Pn2に移行する。
【0045】
図8Aでは、(n−2)個の任意情報提供用の信号の有無を確認し音声出力する処理のすべてのステップ群は図示しないが、S30からS37の処理と同様である。
【0046】
次いで、演算点Pn2からS40に移行すると、S40からS42でエレベーター状態信号取得部22で取得された行先階を示す信号(k階到着信号)があるか否かが判定される。S40からS42のいずれかで行先階を表すk階到着信号があると判定された場合には、S43に移行する。そして、S43からS48の処理によって、A1列B2行データ、A2列B2行データ、Am列B2行データである「短い呼びかけ言葉」を、それぞれ音声出力させる。このとき、各データの言葉を、それぞれ音声出力開始が遅延時間T1ずれるように音声出力させる。その後、S49の処理で、A1列Bk行データ、A2列Bk行データ、Am列Bk行データである「長い本文内容」を表す言葉を、それぞれ同時に音声出力が開始されるように音声出力させる。S42で判定結果が否定、すなわちすべての階の到着信号がないと判定された場合、及びS49の処理が終了した場合には、再度制御の処理開始と同じ処理を実行するように、処理を繰り返す。S43からS49の処理は、用いる言葉が異なるだけで、S10からS17、S20からS27、S30からS37の処理と同様である。
【0047】
上記の情報提供装置20によれば、多国語を略同時、または同時にアナウンスすることで外国人乗客を含む多くの乗客に短時間で音声出力により情報を提供でき、かつ、多くの乗客がその情報を迅速に理解できる。これにより、例えば外国人乗客に対しエレベーターの昇降情報の入手に時間がかかる不具合を抑制できる。また、乗りかご1内の閉じ込めまたは災害運転動作が発生したときのアナウンスを外国人乗客が確認するまでの間に、外国人乗客が生じる不安感、不快感、及び恐怖感を抑制できる。
【0048】
なお、上記の
図8Aの処理において、情報伝達の緊急度に応じて割り込み処理を実行させることもできる。例えば、
図8AのS40からS49の処理において、地震検知信号または火災検知信号が取得された場合に、「次は」の音声出力後、「K階です」の音声出力前に、「地震です」または「火災です」等の緊急情報を表す言葉が割り込みで音声出力されてもよい。