(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
駆動する際に飛散物が発生する懸念がある被試験物を対象とし、当該被試験物を環境試験装置内に設置し、前記被試験物を一定の環境にさらした状態で駆動させて試験を行う環境試験方法において、
前記環境試験装置は、前記被試験物が配置される試験室と、空調機器が内蔵された空調部を有し、
前記試験室には送風導入口と送風排出口があり、前記試験室内の空気が前記送風排出口から排出されて前記空調部に導入され、前記空調部で温度及び/又は湿度が調整された空気が前記送風導入口から前記試験室に戻されて前記試験室内の温度及び/又は湿度が調節されるものであって、前記送風導入口及び前記送風排出口を遮蔽する遮蔽手段が設けられており、
前記遮蔽手段を閉じ、その後に、前記被試験物が駆動されることを特徴とする環境試験方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
被試験物の中には、駆動することによって油脂や水等の液体や固体が飛散するものがある。この様な被試験物を試験室内に設置して駆動すると、飛散物が試験室内に飛び散り、さらには空調部に入り込んでしまう場合がある。
空調部は、一般に熱交換器が内蔵されており、そのフィンに飛散物が付着してしまうと、それを除去することが困難である場合がある。
また空調部内に加熱装置がある場合、油脂等が加熱装置に付着して焼け、異臭や発煙を生じる場合がある。また例えば可燃性のオイルが飛散する場合もある。
いずれにしても飛散物が空調部に入り込むと、相当に厄介な事態となる場合がある。
【0006】
飛散物が空調部に入り込むことを防ぐ方策として、被試験物を駆動する際には、一時的に被試験物を試験室から取り出すことが考えられる。
即ち被試験物を試験室内に配置して所望の環境にさらし、その状態で例えば被試験物を外部から加熱して昇温させ、その後に試験室から被試験物を取り出して被試験物に通電し、駆動する。
【0007】
しかしながらこの方法は、試験室からの被試験物の出し入れが面倒であるという問題がある。
特に被試験物が高温であったり低温である場合には、作業者が火傷や凍傷の危険にさらされる場合がある。
また前記した様に、被試験物を駆動しない状態でも所定の試験を行う様な場合は、試験室内の被試験物に各種のセンサーが取り付けられている場合があり、これらの信号線は、例えば試験室の側壁に設けられた孔から外部に引き出されている。
被試験物を試験室から取り出す際には、前記した信号線の付け外しを行う必要が生じる場合があり、面倒である。
【0008】
そこで本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、飛散物が発生する懸念がある被試験物であっても、試験室内に設置した状態で駆動させることが可能である環境試験装置を提供することを課題とする。
また本発明は、飛散物が発生する懸念があるモータを被試験物とするものであって、試験室内にモータを設置して駆動させることが可能である環境試験方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決するための発明は、被試験物が配置される試験室と、空調機器が内蔵された空調部を有し、前記試験室には送風導入口と送風排出口があり、試験室内の空気が送風排出口から排出されて前記空調部に導入され、前記空調部で温度及び/又は湿度が調整された空気が送風導入口から試験室に戻されて試験室内の温度及び/又は湿度が調節される環境試験装置において、送風導入口及び送風排出口を遮蔽する遮蔽手段が設けられていることを特徴とする環境試験装置である。
関連の発明は、駆動するものを被試験物として試験を行うことが可能な環境試験装置であって、被試験物が配置される試験室と、空調機器が内蔵された空調部と、前記試験室に風を送る送風機を有し、前記試験室には送風導入口と送風排出口があり、前記試験室内の空気が前記送風排出口から排出されて前記空調部に導入され、前記空調部で温度及び/又は湿度が調整された空気が前記送風導入口から前記試験室に戻されて前記試験室内の温度及び/又は湿度が調節される環境試験装置において、前記送風導入口及び前記送風排出口を遮蔽する遮蔽手段が設けられ、前記被試験物を駆動させる際に前記遮蔽手段が閉じられ且つ前記送風機が停止されて試験が行われることを特徴とする環境試験装置である。
関連の発明は、駆動するものを被試験物として駆動試験を行うことが可能な駆動試験用の環境試験装置であって、前記被試験物が配置される試験室と、空調機器が内蔵された空調部を有し、前記試験室には送風導入口と送風排出口があり、前記試験室内の空気が前記送風排出口から排出されて前記空調部に導入され、前記空調部で温度及び/又は湿度が調整された空気が前記送風導入口から前記試験室に戻されて前記試験室内の温度及び/又は湿度が調節される前記環境試験装置において、前記送風導入口及び前記送風排出口を遮蔽する遮蔽手段が設けられ、前記被試験物を駆動させる際に前記遮蔽手段がすべて閉じられて、前記被試験物が駆動されて前記駆動試験が実行されることを特徴とする環境試験装置である。
関連の発明は、前記送風導入口及び前記送風排出口が前記遮蔽手段によって遮蔽されていることが検知されると、前記空調機器のいずれか又は全てが駆動不能となることを特徴とする
上記の環境試験装置である。
関連の発明は、前記送風導入口及び前記送風排出口が前記遮蔽手段によって遮蔽されていないことが検知されると、前記空調機器のいずれか又は全てが駆動可能となることを特徴とする
上記の環境試験装置である。
関連の発明は、前記試験室は開放部を有し、当該開放部に他の試験補助装置を接続可能であり、前記試験室は、車輪を有し、前記試験補助装置に対して相対移動が可能であり、前記試験補助装置に前記被試験物が取り付けられ、少なくとも前記試験室を前記試験補助装置の近接方向に相対移動させて前記開放部に前記試験補助装置を接続することによって当該開放部が封鎖されて前記試験室が略密閉状態となり、且つ前記被試験物が前記試験室内に配置されることとなることを特徴とする
上記の環境試験装置である。
【0010】
本発明の環境試験装置は、送風導入口及び送風排出口を遮蔽する遮蔽手段を有している。本発明の環境試験装置では、遮蔽手段で送風導入口及び送風排出口を遮蔽することにより、被試験物から発生した飛散物が空調部に入ることを防ぐことができる。
【0011】
試験室は少なくとも一面に開放部を有し、当該開放部に他の試験補助装置を接続可能であり、試験室は、前記試験補助装置に対して相対移動が可能であり、前記試験補助装置に被試験物が取り付けられ、試験室及び試験補助装置の少なくとも一方を近接方向に相対移動させて試験室の開放部に試験補助装置を接続することによって当該開放部が封鎖されて試験室が略密閉状態となり、且つ被試験物が試験室内に配置されることとなることが望ましい。
関連の発明は、前記試験室は開放部を有し、当該開放部に他の試験補助装置を接続可能であり、前記試験室は、前記試験補助装置に対して相対移動が可能であり、前記試験補助装置に前記被試験物が取り付けられ、前記試験室及び前記試験補助装置の少なくとも一方を近接方向に相対移動させて前記開放部に前記試験補助装置を接続することによって当該開放部が封鎖されて前記試験室が略密閉状態となり、且つ前記被試験物が前記試験室内に配置されることとなることを特徴とする
上記の環境試験装置である。
【0012】
関連の発明は、前記試験室外から操作して前記遮蔽手段を動作させ、前記送風導入口及び前記送風排出口を開放する開放状態と、前記送風導入口及び前記送風排出口を遮蔽する遮蔽状態とを切り替えることが可能であることを特徴とする
上記の環境試験装置である。
【0013】
本発明によると、試験室の扉等を開くことなく開放状態と遮蔽状態を切り替えることができる。そのため環境試験の連続性を確保することができる。
【0014】
前記した構成において、前記遮蔽手段が送風導入口及び送風排出口を遮蔽していること、あるいは前記遮蔽手段が送風導入口及び送風排出口を遮蔽していないことを検知する開閉検知手段を有し、開閉検知手段の検知状況によって空調機器のいずれか又は全てが駆動不能又は空調機器のいずれか又は全てが駆動可能となることが望まし
い。
【0015】
断熱槽を有し、当該断熱槽内が仕切られていて前記試験室と前記空調部が形成されている構成であってもよ
い。
【0016】
前記試験室と前記空調部は別個の装置であり、両者の間が送風路で結合されていてもよ
い。
【0017】
環境試験方法に関する発明は、モータを前記被試験物とし、
上記の環境試験装置を使用して行われる環境試験方法であって、前記被試験物を前記試験室内に配置し、前記送風導入口及び前記送風排出口を開放した状態で前記空調機器を運転して前記試験室内の環境を所望の環境とし、前記被試験物を前記試験室の環境に馴染ませ、その後に、前記遮蔽手段によって前記送風導入口及び前記送風排出口を遮蔽して前記モータを駆動することを特徴とする。
請求項
1に記載の発明は、駆動する際に飛散物が発生する懸念がある被試験物を対象とし、当該被試験物を環境試験装置内に設置し、前記被試験物を一定の環境にさらした状態で駆動させて試験を行う環境試験方法において、前記環境試験装置は、前記被試験物が配置される試験室と、空調機器が内蔵された空調部を有し、前記試験室には送風導入口と送風排出口があり、前記試験室内の空気が前記送風排出口から排出されて前記空調部に導入され、前記空調部で温度及び/又は湿度が調整された空気が前記送風導入口から前記試験室に戻されて前記試験室内の温度及び/又は湿度が調節されるものであって、前記送風導入口及び前記送風排出口を遮蔽する遮蔽手段が設けられており、前記遮蔽手段を閉じ、その後に、前記被試験物が駆動されることを特徴とする環境試験方法である。
【0018】
本発明によると、仮にモータから何らかの物が飛散したとしても、遮蔽手段によって飛散物が空調部に侵入することが阻止される。
【発明の効果】
【0019】
本発明の環境試験装置によると、飛散物が発生する懸念がある被試験物であっても、試験室内に設置した状態で駆動させることができる。
また本発明の環境試験方法では、試験室内にモータを設置して駆動させることが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下さらに本発明の実施形態について説明する。
本実施形態の環境試験装置1は、
図1、
図2に示すように試験補助装置100と組み合わされて使用される。
最初に本実施形態の環境試験装置1の基本構造について説明する。本実施形態の環境試験装置1は、
図2の様に断熱槽3と、空調機能を発揮する空調機器10を有している。
即ち本実施形態の環境試験装置1は、
図2に示すように断熱壁2によって覆われた断熱槽3を有している。
断熱槽3の内部には、仕切り壁7があり、仕切り壁7によって断熱槽3内が試験室5と空調空間(空調部)15に区切られている。
試験室5は、被試験物を設置する空間である。試験室5は断熱槽3の内壁と仕切り壁7によって
5面が囲まれた空間である。
本実施形態では、
図1、
図2の様に試験室5の正面側が大きく開いていて開口20が形成されている。
【0022】
環境試験装置1の空調空間15には、空調機器10が内蔵されている。空調機器10は、冷却器6、加熱装置17、加湿装置8及び送風機11によって構成されている。
冷却器6は、図示しない冷却装置の蒸発器であり、内部に相変化する冷媒が流通するものである。
冷却装置は、圧縮機、凝縮器、膨張手段及び冷却器(蒸発器)6が環状に接続されたものであり、冷媒を圧縮し、凝縮し、膨張させて蒸発させ、冷却器(蒸発器)6の表面温度を低下させることができるものである。
加熱装置17は、公知の電気ヒータである。
加湿装置8は、蒸気を放出するものである。
【0023】
空調空間15は、試験室5と環状に連通する空調通風路を構成するものであり、空調機器10(送風機11を含む)が内蔵されている。
【0024】
仕切り壁7は、上下に開口が設けられている。仕切り壁7の上部側の開口は、空調空間15から試験室5内に空気を導入するものであり、送風導入口16として機能する。
下部側の開口は、試験室5から空調空間15に空気を送り出すものであり送風排出口18として機能する。
即ち空調空間15は、断熱槽3の一部に形成され、送風導入口16及び送風排出口18の2箇所で試験室5と連通している。
【0025】
そのため送風機11を起動すると、試験室5内の空気が送風排出口18から空調空間15内に導入される。そして空調空間15が通風状態となり、空調機器10に空気が接触して熱交換や湿度調整がなされ、送風導入口16から試験室5内に調整後の空気が吹き出される。
また空調空間15の送風導入口16の近傍に、温度センサー12と湿度センサー13が設けられている。
環境試験装置1を使用する際には、送風機11を運転して空調空間15内を通風状態とし、温度センサー12及び湿度センサー13の検出値が、設定環境の温度及び湿度に近づく様に空調機器10を制御する。
その結果、試験室5内に所望の環境が創出される。
【0026】
次に本実施形態の特徴的構成について説明する。
本実施形態では、送風導入口16及び送風排出口18にそれぞれ遮蔽部材(遮蔽手段)30、31が設けられている。
本実施形態では、送風導入口16は、やや斜め下向きの姿勢となって開口している。送風導入口16には、
図3、
図4の様に、開口32を囲む四角形の枠33がはめ込まれている。枠33の表面側(試験室5側)には、パッキン35が設けられている。
【0027】
遮蔽部材30は、送風導入口16の開口32をすっぽりと覆う面積を有する板である。そして本実施形態では、遮蔽部材30の一辺が、送風導入口16の下辺部に軸止されており、送風導入口16を封止する方向及び開放する方向に揺動する。
さらに遮蔽部材30の揺動軸36は、
図3に示す様に延長され、断熱壁2を通過し、断熱槽3の外側に突出されている。また断熱槽3の外側には小さな外箱27が設けられている。
そして
図1、
図3、
図4に示す様に、揺動軸36は断熱壁2及び外箱27を通過し、断熱槽3の外側に突出されている。さらに揺動軸36の末端には、手動ハンドル37が設けられている。
そのため断熱槽3の外部にある手動ハンドル37を回動させると、試験室5内で遮蔽部材30が揺動し、送風導入口16を封止する遮蔽姿勢と、送風導入口16を開放する開放姿勢をとることができる。
【0028】
また本実施形態では、手動ハンドル37は、アーム部40と、手持ち部41があり、アーム部40には、突出ピン42が設けられている。
突出ピン42は、図示しないバネによって、外箱27に向かって付勢されている。また突出ピン42には、摘まみ45があり、摘まみ45を引くことによって、突出ピン42をアーム部40側に引き寄せることができる。
【0029】
また外箱27には、
図3、
図4、
図5の様に、穴形成部材46、47が設けられている。
穴形成部材46、47には、突出ピン42が係合する穴50、51が形成されている。
本実施形態では、一方の穴形成部材46の穴50は、遮蔽部材30が開放姿勢をとる際に手動ハンドル37の突出ピン42が挿入される位置にある。また他方の穴形成部材47の穴51は、遮蔽部材30が遮蔽姿勢をとる際に手動ハンドル37の突出ピン42が挿入される位置にある。
【0030】
また本実施形態では、
図3の様に外箱27の内部に検知センサー55が設けられている。検知センサー55は、例えば光電センサーや近接センサーである。また本実施形態では、
図3の様に揺動軸36の中間部分に、ドグ部材56がある。ドグ部材56は、揺動軸36と共に回動する。そして遮蔽部材30が開放姿勢となった際に、ドグ部材56が検知センサー55の近傍に至る。
即ち検知センサー55は、遮蔽部材30が送風導入口16から離れて、送風導入口16が全開放状態となったことを検知する。
本実施形態では、電気的なロック回路があり、検知センサー55が遮蔽部材30が開放姿勢となったことを検知したことを条件として、送風機11を含む空調機器10が駆動可能となる。
【0031】
以上、送風導入口16について説明したが、下部の送風排出口18についても同様の構成を有している。
即ち送風排出口18には、開口を囲む四角形の枠がはめ込まれており、枠の表面側には、パッキンが設けられている。
【0032】
遮蔽部材31は、送風排出口18の開口をすっぽりと覆う面積を有する板であり、遮蔽部材31の一辺が、送風排出口18の上辺部に軸止されており、送風排出口18を封止する方向及び開放する方向に揺動する。
さらに遮蔽部材31の揺動軸60は、延長され、断熱壁2を通過し、外箱27の外側に突出されている。
そして
図1に示す様に、揺動軸60は断熱壁2を通過し、断熱槽3の外側に突出されている。さらに揺動軸60の末端には、手動ハンドル61が設けられている。
そのため断熱槽3の外部にある手動ハンドル61を回動させると、試験室5内で遮蔽部材31が揺動し、送風排出口18を封止する遮蔽姿勢と、送風排出口18を開放する開放姿勢をとることができる。
【0033】
また本実施形態では、下部の送風排出口18側についても、アーム部には、突出ピン等があり、外箱27には、
図1の様に、穴形成部材62、63が設けられている。
本実施形態では、一方の穴形成部材62は、遮蔽部材31が開放姿勢をとる際に手動ハンドル61の突出ピンが挿入される位置にある。また他方の穴形成部材63の穴は、遮蔽部材31が遮蔽姿勢をとる際に手動ハンドル61の突出ピンが挿入される位置にある。
また下部の送風排出口18側についても、検知センサー55が設けられており、遮蔽部材31が開放姿勢となったことを検知する。
本実施形態では、電気的なロック回路があり、検知センサーが遮蔽部材31が開放姿勢となったことを検知したことを条件として、送風機11を含む空調機器10が駆動可能となる。
【0034】
次に、試験補助装置100について説明する。
試験補助装置100は、正面に当接板70があり、当該当接板70には開口21が設けられている。試験補助装置100には被試験物たるモータ71が支持されている。モータ71は、当接板70の開口21から突出している。
ここで被試験物たるモータ71は、例えば自動車の走行動力を発生させるモータである。
試験補助装置100の内部には、モータ71に給電する給電機器や各種のセンサーが内蔵されている。
【0035】
次に、環境試験装置1と試験補助装置100の位置関係について説明する。
環境試験装置1は、下部に車輪72が取り付けられ、床面に敷設されたレール73に載置されている。
従って、環境試験装置1の試験室5は、一定の高さに保持された状態で、レール73に沿って直線移動する。
一方、試験補助装置100は床面に固定されており、一定の高さに保持されている。ここで試験室5の断熱槽3の外郭正面は、試験補助装置100の当接板70と同じ高さにあって、且つ当接板70は試験室5の開口20の端面に対して平行姿勢である。また試験補助装置100に取り付けられたモータ71の高さは、当接板70に形成された開口21の高さと一致する。
【0036】
次に、本実施形態の環境試験装置1の機能を、環境試験の手順に沿って説明する。
環境試験の準備段階として、
図6の様に、環境試験装置1を試験補助装置100に接合し、被試験物たるモータ71を試験室5内に配置する。
具体的には、環境試験装置1を手動又は動力によって、レール73に沿って直線移動させ、相対的に試験補助装置100に近づけて、試験室5の断熱槽3の開口20の端面を試験補助装置100の当接板70と面接触させる。そして図示しないロック機構によって、試験室5を試験補助装置100に固定する。
その結果、試験室5の開口20が、試験補助装置100の当接板70によって封鎖され、試験室5内が略密閉空間となる。
また被試験物たるモータ71が試験室5内に入り込んだ状態となる。
【0037】
この状態で、試験室5の外から手動ハンドル37、61を回転し、試験室5内で遮蔽部材30、31を回動して、
図6の様に試験室5内の遮蔽部材30、31を開放姿勢とし、送風導入口16と送風排出口18を共に開いて空調空間15と試験室5とを環状に連通させる。
また送風導入口16と送風排出口18が開放状態となったことが検知センサー55で検知され、送風機11を含む空調機器10の電気的なロックが解除され、空調機器10が駆動可能な状態となる。
そしてこの状態が整った後、空調機器10を駆動する。
【0038】
その結果、送風機11が起動して試験室5内の空気が送風排出口18から空調空間15内に導入される。そして
図6の様に空調空間15が通風状態となり、空調機器10に空気が接触して熱交換や湿度調整がなされ、送風導入口16から試験室5内に調整後の空気が吹き出される。温度センサー12と湿度センサー13の検知信号がフィードバックされて試験室5内が所望の環境となる。
【0039】
被試験物たるモータ71は、試験室5内にあり、試験室5の環境にさらされる。そして所定の時間の間、その環境に馴染ませる。
多くの場合、この間に、モータ71に取り付けられた図示しない各種センサーから、何らかの情報が得られる。
そして一定の時間が経過し、モータ71の温度が試験室5内の温度と略等しくなると、駆動試験準備に移行される。
【0040】
具体的には、
図7の様に、空調機器10を停止する。そして試験室5の外から手動ハンドル37、61を回転し、試験室5内で遮蔽部材30、31を回動して、
図7の様に遮蔽姿勢とし、送風導入口16と送風排出口18を共に閉塞して空調空間15と試験室5との間を遮蔽する。
そしてこの状態が整った後、
図8の様にモータ71を駆動する。
【0041】
モータ71が駆動されると、
図8の様に、モータから潤滑油や冷却水が飛散する場合がある。しかしながら、送風導入口16と送風排出口18の開口32、43が、共に遮蔽部材30、31で塞がれており、且つ送風機11は停止しているから、飛散した液体は、試験室5内に止まり、空調空間(空調部)15に入ることが防止される。そのため、飛散物が冷却器6、加熱装置17に付着することが防止され、空調空間(空調部)15は、清廉な状態が維持される。そのため、飛散物が焼けたり、異臭を発生させることが抑制される。
また飛散物は、試験室5内に止まるので、清掃作業が容易である。
【0042】
なお上記した試験を繰り返す場合は、試験室5内に飛散物が霧状に放散されてる場合があるので、遮蔽部材30、31を一定時間の間、閉じた状態を保ち、その後に空調機器10を再起動することが望ましい。
【0043】
以上説明した実施形態では、共通の断熱槽3内に、試験室5と、空調空間(空調部)15が設けられていたが、
図9に示す環境試験装置80の様に、両者が別個の装置であってもよい。
図9に示す環境試験装置80では、試験室5を構成する断熱槽81と、空調空間(空調部)15を構成する断熱筐体82が物理的に別個の装置である。
試験室5を構成する断熱槽81には、正面側に大きな開口20が設けられている。また断熱槽81の奥壁には、送風導入口16として機能する開口と、送風排出口18として機能する開口が設けられている。
そして送風導入口16及び送風排出口18の試験室5側には、遮蔽部材30、31が設けられている。
【0044】
空調空間15を構成する断熱筐体82内には、空調機器10が内蔵されている。
空調空間15と試験室5は、ダクト83によって環状に結合され、両者の間を空気が循環する。
【0045】
以上説明した実施形態では、送風導入口16に遮蔽部材30が設けられ、送風排出口18には遮蔽部材31が設けられており、両者は独立して開閉される。
これに対して、二つの遮蔽部材30、31が連動するものであってもよい。
また上記した実施形態では、遮蔽部材30、31は、板状であって揺動するものであったが、本発明は、この構成に限定されるものではない。また遮蔽部材30、31は、送風導入口16及び送風排出口18の近傍にあって、その開口を直接的に封鎖するものであったが、本発明は、この構成に限定されるものではない。
【0046】
例えば、
図10に示す環境試験装置85の様に、直線移動する移動仕切り板86を遮蔽部材とし、移動仕切り板(遮蔽手段)86を試験室5内に挿入して、試験室5内を前後に仕切り、実質的に送風導入口16と送風排出口18を遮蔽するものであってもよい。
また
図11に示す環境試験装置87の様に、ロール状に巻かれたシート(遮蔽手段)88等を設け、
図11(b)の様にロールからシート88を繰り出して、実質的に送風導入口16と送風排出口18を遮蔽するものであってもよい。
さらには、
図12に示す環境試験装置90の様に、横引きカーテン状の遮蔽手段91を採用するものであってもよい。
【0047】
上記した各実施形態では、遮蔽部材(遮蔽手段)30、31を人力で動作させたが、モータ等の動力を利用したものであってもよい。
上記した各実施形態では、検知センサー55は、遮蔽部材30、31が開放状態となったことを検知するものであったが、逆に遮蔽状態となったことを検知させるものであってもよい。
例えば遮蔽部材30、31が遮蔽状態となっていれば、送風機11が駆動しない回路とすることも推奨される。
【0048】
以上説明した最初の実施形態では、送風導入口16等に枠33がはめ込まれ、さらに枠33にパッキン35が設けられている。この構成によると、飛散物が空調空間15に入り込むことを略完璧に阻止することができる。
しかしながら、本発明はこの構成に限定されるものはなく、パッキン35の有無は任意である。
例えば遮蔽部材30、31が遮蔽状態である場合に、送風機11を停止する回路を採用するならば、パッキン35が無くとも飛散物が空調空間15に入り込むことは稀であると言える。むしろパッキン35があると、清掃が困難となる場合もある。
【0049】
また被試験物の状況によって、遮蔽部材30、31が自動的に動作する機能を付加することも推奨される。例えば、被試験物たるモータ71を試験室5内に置き、試験室5の環境に馴染ませている際に、被試験物に何らかの不具合があった場合に、遮蔽部材30、31を自動的に遮蔽状態とする。一例を挙げれば、センサーがモータの潤滑油系統や冷却系統が破壊されたことを検知した様な場合に、遮蔽部材30、31を遮蔽状態とする。
あるいは、遮蔽部材30、31を開放状態にして被試験物を動作させ、被試験物に異常が発生したことをセンサーが検知すると、直ちに遮蔽部材30、31を遮蔽状態とし、飛散物が空調空間(空調部)15に入ることを阻止する。