(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6861574
(24)【登録日】2021年4月1日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】間接排水用継手
(51)【国際特許分類】
E03C 1/12 20060101AFI20210412BHJP
E03C 1/28 20060101ALI20210412BHJP
【FI】
E03C1/12 A
E03C1/28 B
E03C1/12 E
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-94565(P2017-94565)
(22)【出願日】2017年5月11日
(65)【公開番号】特開2018-188922(P2018-188922A)
(43)【公開日】2018年11月29日
【審査請求日】2019年12月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000505
【氏名又は名称】アロン化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135460
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 康利
(74)【代理人】
【識別番号】100084043
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 喜多男
(74)【代理人】
【識別番号】100142240
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 優
(72)【発明者】
【氏名】水野 宏俊
(72)【発明者】
【氏名】佐野 陽和
(72)【発明者】
【氏名】橋詰 稔
【審査官】
家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−275408(JP,A)
【文献】
特開2010−053610(JP,A)
【文献】
特開2014−198978(JP,A)
【文献】
米国特許第04467830(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2005/0188452(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/12− 1/33
F16L 41/00−49/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流から流れてくる排水を、下流側に配された排水管部に向けて間接排水するための間接排水用継手であって、
排水が通過する排水用空間を内部に有する本体部を備えており、
前記本体部は、
上流から流れてくる排水を前記排水用空間内に受け入れる受入部と、
前記排水用空間と前記排水管部とを連通する排出部と、
前記排水用空間と当該本体部の外部とを連通する通水部と、
を備え、
さらに前記本体部の前記排水用空間内の所定位置には、流体逆流防止手段が配置されており、
前記流体逆流防止手段は、排水が内部を流通可能な形状の封止部を備え、
前記封止部は少なくとも、
上流から流れてくる排水が下流に向けて通過する通過状態と、
前記排水管部内の流体が当該本体部よりも上流側へ流出することを阻止する流体逆流阻止状態と
に状態変換し、
前記流体逆流防止手段は、前記本体部に対して脱着可能とされており、
前記本体部には、前記流体逆流防止手段を前記排水用空間内の前記所定位置と外部との間で出し入れ可能とする脱着用開口部が設けられている
ことを特徴とする間接排水用継手。
【請求項2】
前記脱着用開口部には、当該脱着用開口部を開閉する扉部が取り付けられている
請求項1に記載の間接排水用継手。
【請求項3】
前記扉部の外周面には、外側に向かって突出するリブが設けられている
請求項2に記載の間接排水用継手。
【請求項4】
前記扉部は、前記本体部の外周面に沿って摺動自在に取り付けられており、
前記扉部が摺動することによって前記脱着用開口部が開放又は閉鎖される
請求項2又は請求項3に記載の間接排水用継手。
【請求項5】
前記扉部には、前記扉部が前記脱着用開口部を閉鎖した状態で前記排水用空間と前記本体部の外部とを連通する通水部が設けられている
請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の間接排水用継手。
【請求項6】
上流から流れてくる排水を、下流側に配された排水管部に向けて間接排水するための間接排水用継手であって、
排水が通過する排水用空間を内部に有する本体部を備えており、
前記本体部は、
上流から流れてくる排水を前記排水用空間内に受け入れる受入部と、
前記排水用空間と前記排水管部とを連通する排出部と、
前記排水用空間と当該本体部の外部とを連通する通水部と、
を備え、
さらに前記本体部の前記排水用空間内の所定位置には、流体逆流防止手段が配置されており、
前記流体逆流防止手段は、排水が内部を流通可能な形状の封止部を備え、
前記封止部は少なくとも、
上流から流れてくる排水が下流に向けて通過する通過状態と、
前記排水管部内の流体が当該本体部よりも上流側へ流出することを阻止する流体逆流阻止状態と
に状態変換し、
前記本体部は、
前記流体逆流防止手段が前記本体部に取り付けられた状態で、前記流体逆流防止手段を前記所定位置に固定する固定手段を備えている
ことを特徴とする間接排水用継手。
【請求項7】
上流から流れてくる排水を、下流側に配された排水管部に向けて間接排水するための間接排水用継手であって、
排水が通過する排水用空間を内部に有する本体部を備えており、
前記本体部は、
上流から流れてくる排水を前記排水用空間内に受け入れる受入部と、
前記排水用空間と前記排水管部とを連通する排出部と、
前記排水用空間と当該本体部の外部とを連通する通水部と、
を備え、
さらに前記本体部の前記排水用空間内の所定位置には、流体逆流防止手段が配置されており、
前記流体逆流防止手段は、排水が内部を流通可能な形状の封止部を備え、
前記封止部は少なくとも、
上流から流れてくる排水が下流に向けて通過する通過状態と、
前記排水管部内の流体が当該本体部よりも上流側へ流出することを阻止する流体逆流阻止状態と
に状態変換し、
前記本体部に設けられている前記通水部の開口面積の合計の方が、前記封止部内の前記通過状態における流動方向に直交する横断面に沿った排出口の開口面積より大きい
ことを特徴とする間接排水用継手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下流側の排水管から漏出する排水が上流側へ流れて悪影響を及ぼしてしまうことを防止する間接排水用継手に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば給湯器等の機器のドレン排水を排出する排水経路に採用されるものであって、下流側の排水管から排水が逆流して機器に故障等の悪影響を与えてしまうことを防止する間接排水構造は既によく知られている(例えば特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−162947号公報
【特許文献2】特開2016−211166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示されている間接排水用器具や上記特許文献2に開示されている間接排水用継手にあっては、下流側の排水やガス(有害ガス)が上流側へ達してしまい、かかる排水やガスが機器内の部品に接触することによって当該部品が腐食してしまう場合があった。
【0005】
そこで本発明は、下流側の排水管で発生した排水やガスが上流側へ流れて悪影響が生じてしまうことを防止する間接排水用継手を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上流から流れてくる排水を、下流側に配された排水管部に向けて間接排水するための間接排水用継手であって、排水が通過する排水用空間を内部に有する本体部を備えており、前記本体部は、上流から流れてくる排水を前記排水用空間内に受け入れる受入部と、前記排水用空間と前記排水管部とを連通する排出部と、前記排水用空間と当該本体部の外部とを連通する通水部と、を備え、さらに前記本体部の前記排水用空間内の所定位置には、流体逆流防止手段が配置されており、前記流体逆流防止手段は、排水が内部を流通可能な形状の封止部を備え、前記封止部は少なくとも、上流から流れてくる排水が下流に向けて通過する通過状態と、前記排水管部内の流体が当該本体部よりも上流側へ流出することを阻止する流体逆流阻止状態とに状態変換することを特徴とする間接排水用継手である。
【0007】
かかる構成にあっては、前記流体逆流防止手段が流体逆流阻止状態となることによって前記間接排水用継手の本体部よりも上流側に流体(排水やガス)が漏出しないので、例え下流側で有害な流体が発生しても上流側へ悪影響が及ぶことを防止することができる。勿論、前記流体逆流防止手段が通過状態となることによって、前記排水管部に向けて排水を流すことが可能である。なお、仮に下流側の排水管部から排水が逆流したとしても、かかる逆流水は、前記排水用空間から前記通水部を経て本体部の外部へ流出可能であるため、間接排水構造を適切に構築することができる。
【0008】
上記構成にあって、前記上流から前記本体部に流れてくる排水が、前記本体部よりも上流側に配された機器から排出されるドレン排水である構成が提案される。
【0009】
かかる構成にあっては、ドレン排水を排出する前記機器に、下流側の流体が到達してしまうことを防止することができる。勿論、前記流体逆流防止手段が通過状態となることによって、前記排水管部に向けてドレン排水を流すことが可能である。加えて、仮に下流側の排水管部から排水が逆流したとしても、かかる逆流水は、前記通水部を介して前記本体部の外部へ流出するため、機器が損傷するおそれがない。
【0010】
また上記構成とは別に、前記上流から前記本体部に流れてくる排水が、前記本体部よりも上流側に配された雨樋から排出される雨水である構成が提案される。
【0011】
かかる構成にあっては、前記雨樋に、下流側の流体が到達してしまうことを防止することができる。勿論、前記流体逆流防止手段が通過状態となることによって、前記排水管部に向けて雨水を流すことが可能である。加えて、仮に下流側の排水管部から排水が逆流したとしても、かかる逆流水は、前記通水部を介して前記本体部の外部へ流出するため、雨樋へ逆流するおそれがない。
【0012】
また、前記流体逆流防止手段は、前記本体部に対して脱着可能とされており、前記本体部には、前記流体逆流防止手段を前記排水用空間内の前記所定位置と外部との間で出し入れ可能とする脱着用開口部が設けられている構成が提案される。
【0013】
かかる構成とすることにより、前記流体逆流防止手段を交換したり修理したりすることが可能となるため、当該流体逆流防止手段のメンテナンス作業が容易となる。
【0014】
さらに、前記脱着用開口部には、当該脱着用開口部を開閉する扉部が取り付けられていることが望ましい。
【0015】
かかる構成とすることにより、通常の使用状態においては、前記脱着用開口部を前記扉部で閉鎖してゴミや虫等が前記排水用空間内に進入してしまうことを防止することができる。一方、メンテナンス作業を行うときには、前記脱着用開口部を開放して前記流体逆流防止手段を出し入れすることができる。
【0016】
またさらに、前記扉部の外周面には、外側に向かって突出するリブが設けられている構成が望ましい。
【0017】
かかる構成とすることにより、前記扉部自体の強度を向上させることができる。また、前記扉部を開閉する際に、作業者は前記リブをツマミとして手で摘んで作業することができるため、作業性が向上する利点がある。
【0018】
また、前記扉部は、前記本体部の外周面に沿って摺動自在に取り付けられており、前記扉部が摺動することによって前記脱着用開口部が開放又は閉鎖される構成が提案される。
【0019】
かかる構成とすることにより、前記脱着用開口部を開放又は閉鎖するための開閉構造を簡素化かつコンパクトなものとすることができる。
【0020】
また、前記扉部には、前記扉部が前記脱着用開口部を閉鎖した状態で前記排水用空間と前記本体部の外部とを連通する通水部が設けられている構成が提案される。
【0021】
かかる構成とすることにより、仮に排水が逆流したときに、前記扉部に設けられた通水部からも排水を外部へ流出させることができる。
【0022】
そして、前記本体部は、前記流体逆流防止手段が前記本体部に取り付けられた状態で、前記流体逆流防止手段を前記所定位置に固定する固定手段を備えている構成が提案される。
【0023】
かかる構成とすることにより、万が一排水の逆流が生じた場合でも、前記流体逆流防止手段が所定位置から意図せず外れてしまうといった不具合を防止することができる。
【0024】
さらに、前記本体部に設けられている前記通水部の開口面積の合計の方が、前記封止部内の前記通過状態における流動方向に直交する横断面に沿った開口面積の合計のうち最小のものより大きい構成が提案される。
【0025】
かかる構成とすることにより、万が一排水の逆流が生じた場合でも、逆流した排水の流量に対して前記通水部の開口面積が十分に確保されるため、逆流した排水が前記排水用空間に滞留してしまうといった不具合が生じにくい。
【発明の効果】
【0026】
本発明の間接排水用継手は、流体逆流防止手段を設けることで、間接排水構造を確保しつつ、下流側の流体が上流側へ流れて悪影響を及ぼしてしまうことを積極的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】間接排水用継手の使用状態を示す説明図である。
【
図3】使用状態における間接排水用継手の縦断面図である。
【
図4】本体部を示し、(a)は外観斜視図であり、(b)は正面図であり、(c)は(b)のA−A線断面図である。
【
図5】キャップを示し、(a)は外観斜視図であり、(b)は平面図であり、(c)は(b)のB−B線断面図である。
【
図6】扉部を示し、(a)は外観斜視図であり、(b)は正面図であり、(c)は(b)のC−C線断面図である。
【
図7】トラップを示し、(a)は外観斜視図であり、(b)は平面図であり、(c)は側面図であり、(d)は(b)のD−D線断面図である。
【
図8】弁体の動作概要を示す説明図であり、(a)は流体逆流阻止状態を示し、(b)は通過状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の間接排水用継手が、給湯器のドレン排水を排出する経路に使用された実施例を詳細に説明する。なお、本発明は、下記に示す実施例に限定されることはなく、適宜設計変更が可能である。
【0029】
図1に示すように、間接排水用継手1は、上流側に配された給湯器70と、下流側に配された排水本管75との間に配置されて使用される。具体的に間接排水用継手1には、給湯器70のドレン排水を排出するドレン管部71が接続されていると共に、排水本管75に接続されたます74に連通する排水管部73が接続されている。そして、間接排水用継手1は、上流から流れてくるドレン排水を、排水本管75に向けて間接排水する機能を有する。
【0030】
以下、間接排水用継手1の構成について説明する。
図2,3に示すように、間接排水用継手1は、軸線方向をほぼ上下方向とした円筒形状の本体部10を備えている。
【0031】
また、本体部10内には、
図3,4に示すように、排水が通過する排水用空間15が形成されている。そしてさらに、本体部10の上端部には排水用空間15に連通する上側開口部11が形成されていると共に、下端部には排水用空間15に連通する下側開口部12が形成されている。
【0032】
なお、上側開口部11には、
図5に示すような蓋形状のキャップ30が取り付けられている。そして、
図3に示すようにキャップ30の中央に形成された円筒形状のドレン管案内筒部31内に、給湯器70のドレン管部71の下流側端部が差し入れられ、さらにドレン管部71の下端が、ドレン管案内筒部31の下端部に形成されたストッパー部32に突き当てられた状態で相互が固定されている。ところで、ドレン管案内筒部31の内周面には、当該ドレン管案内筒部31の中心軸線に向かって突出したガイド凸部33が、複数(4カ所)設けられている。かかる構成とすることにより、ドレン管案内筒部31に対してドレン管部71を挿脱する際の摩擦抵抗が抑えられて作業性が向上する。なお、本体部10の上側開口部11により、本発明にかかる受入部が構成される。
【0033】
これに対し、本体部10の下側開口部12には、
図3に示すように排水管部73の上流側端部が接続されている。なお、本体部10の下側開口部12により、本発明にかかる排出部が構成される。
【0034】
また、
図4に示すように、本体部10の側周面には、排水用空間15と外部とを連通する長孔形状の通水部16が複数設けられている。また、本体部10の側周面には、通水部16よりも大きな開口面積を有する脱着用開口部13が一つ設けられている。
【0035】
さらに、本体部10の脱着用開口部13には、脱着用開口部13を開放又は閉鎖する扉部40が配設されている。さらに詳述すると、扉部40は、
図6に示すように、本体部10の形状に対応した横断面がほぼC形状をなす湾曲部材からなり、脱着用開口部13を閉鎖可能とする寸法を有している。また、扉部40の外周面には、外側に向かって突出するリブ41が左右方向に沿って形成されている。また、扉部40にも、本体部10と同様に、長孔形状の扉部用通水部(通水部)46が貫通状に複数設けられている。
【0036】
そして、扉部40は、脱着用開口部13に対して左右方向に摺動自在に取り付けられており、通常時には、
図2に示すように脱着用開口部13を被覆した状態となり、メンテナンス時には本体部10の外周面に沿って摺動して
図4(a)に示すような脱着用開口部13を開放した状態となる。
【0037】
また、
図3に示すように、本体部10における排水用空間15内の下端部であって、通水部16よりも下側の位置には、流体逆流防止手段であるトラップ50が脱着自在に取り付けられている。
【0038】
さらに詳述すると、トラップ50は、
図7に示すように、円筒形状のトラップ本体部51を備えている。また、トラップ本体部51の上端部には、等間隔に配置された複数の凹部52,52と、複数の凹部52,52の間に配置された複数の切欠き状ガイド部53とが形成されている。
【0039】
また、トラップ本体部51の上部には、径方向に架け渡された橋状のツマミ部55が設けられている。さらに、トラップ本体部51の外周面には、ゴム材料からなるOリング57が装着されている。
【0040】
さらに、トラップ本体部51の下端部には、ゴム材料からなる弁体60が取り付けられている。弁体60は、排水が内部を流通可能であって、下側に向かう程縮径した弾性変形可能な弁構造を有しており、下端部に形成された排出口62(
図8参照)は、通常時において対向する一対の平板状の口縁部61,61が互いに密着することで閉鎖された状態となっている。なお、前記弁体60により、本発明にかかる封止部が構成されている。
【0041】
一方、トラップ50が固定される排水用空間15における所定位置においては、
図3,4に示すように本体部10の内周面から内向きに突出したトラップ固定用凸部18が設けられている。なお、トラップ固定用凸部18により、本発明かかる固定手段が構成されている。
【0042】
かかる構成にあって、トラップ50を本体部10の排水用空間15に取り付ける際には、本体部10のトラップ固定用凸部18とトラップ50の凹部52との位置を合わせた上でトラップ50を排水用空間15の下部に押し込み、その後、本体部10のトラップ固定用凸部18がトラップ50の切欠き状ガイド部53の端部に当接するまで、ツマミ部55を摘みながらトラップ50を一方向に回動させる。これにより、トラップ50と本体部10との間にOリング57が介在した状態で、トラップ50が本体部10に対して水密状に固定される。なお、これまでに述べた逆の手順に沿ってトラップ50を本体部10から取り外すことが可能である。
【0043】
次に、間接排水用継手1の動作態様について説明する。
上記のように間接排水用継手1が本体部10に固定された状態において、ドレン排水が流れない通常時は、
図8(a)に示すように、トラップ50における弁体60の口縁部61,61が互いに密着して排出口62が閉鎖された流体逆流阻止状態αとなる。かかる状態では、
図3に示すように排水本管75内の流体(排水やガス)は、トラップ50よりも上流側へ流出することが阻止されている。したがって、当該ガスが給湯器70内に漏出してしまって機器が損傷する、といったことがない。
【0044】
一方、給湯器70からドレン排水が流出し、弁体60内に所定量のドレン排水が蓄積されると、当該ドレン排水の重量によって弁体60が弾性変形して
図8(b)に示すような口縁部61,61が互いに離開した形状となり、排出口62が開口した通過状態βとなる。かかる状態では、弁体60内のドレン排水が適切に下流側へ排出される。なお、弁体60内に蓄積したドレン排水が適切に排出されると、当該弁体60は元の形状に復帰して再び流体逆流阻止状態αとなる。
【0045】
なお、仮に排水管部73から排水が間接排水用継手1へ逆流したとしても、かかる逆流水は、排水用空間15から通水部16,24を経て本体部10の外部へ流出可能であるため、間接排水構造が適切に構築されている。
【0046】
ここで、本体部10における通水部16,46の開口面積の合計は、通過状態βにおけるドレン排水の流動方向に直交する横断面に沿った開口面積の合計のうち最小のもの(本実施例では排出口62の開口面積)よりも大きくなるように定められている。かかる構成とすることにより、万が一、排水本管75内の排水が逆流したとしても、その流量に対して通水部16,46の開口面積が十分に確保されることになるため、排水用空間15内に逆流した排水が滞留してしまうことがない。ところで、通水部16,46の開口面積の合計は、下側開口部12の開口面積よりも小さくするようにしてもよいし、又は通水部16,46の開口面積の合計と、下側開口部12の開口面積とを等しくするようにしてもよい。
【0047】
なお、トラップ50は、本体部10に対して脱着可能であるため、脱着用開口部13を介してトラップ50を出し入れして交換したり修理したりすることができる。
【0048】
また、脱着用開口部13を扉部40で閉鎖した場合には、脱着用開口部13からゴミや虫等が排水用空間15に進入してしまうことを防止できる。なお、扉部40にはリブ41が形成されているため、扉部40の強度は十分に確保される。また、リブ41はツマミとして利用可能である。
【0049】
さらに、扉部40は本体部10の外周面に沿って摺動する開閉構造としたため、簡素でコンパクトな構造となる。
【0050】
また、本体部10には、トラップ50を固定する固定構造が設けられているため、万が一排水が逆流した際にも、トラップ50が意図せず本体部10から外れてしまうことがない。
【0051】
なお、各部の寸法形状は適宜自由に選択可能である。
【0052】
また、トラップ50は、排水用空間15内であって、通水部16よりも上側の位置に取り付けられる構成であってもよい。かかる構成においても、排水本管75内の流体が給湯器70内に漏出してしまうことを防止できる。
【0053】
また、トラップ50は、上述した脱着可能な固定構造を有するものに代えて、本体部10と一体化された固定構造を有するものであってもよい。かかる構成が採用された場合には、脱着用開口部13が設けられてない構成が採用されてもよい。
【0054】
また、トラップ50は、上述した弾性材料からなる弁体60に代えて、他の構造を有するものであってもよい。例えば、フロート(浮き部材)を用いた構成でもよい。
【0055】
また、上述の実施例にあっては、キャップ30を用いてドレン管部71と本体部10とを固定した構成であるが、例えばキャップ30を用いずに、ドレン管部71が単に本体部10の排水用空間15内に差し入れられていたり、排水用空間15の上方に配置されていたりする構成でも構わない。また、これらのような構成以外の構造が用いられても勿論よい。
【0056】
また、扉部40の開閉構造は、上述した構成に代えて、ヒンジ構造を用いた開閉構造であってもよい。さらに、扉部40の取付構造が、着脱自在な構造であってもよい。また、扉部40に、扉部用通水部46が形成されていない構成であってもよい。また、扉部40を備えない構造も本発明に含まれる。
【0057】
また、間接排水用継手1は、上述した使用形態に代えて、雨樋を流れる雨水を排出する経路に使用されてもよい。例えば、間接排水用継手1の上側開口部11に、上流側に配された雨樋の下端部が接続され、下側開口部12に、下流側に配された雨水本管に連通した排水管部が接続される構成が提案される。かかる構成の間接排水用継手1は、上流から流れてくる雨水を、雨水本管に向けて間接排水する機能を有する。
【符号の説明】
【0058】
1 間接排水用継手
10 本体部
11 上側開口部(受入部)
12 下側開口部(排出部)
13 脱着用開口部
15 排水用空間
16 通水部
18 トラップ固定用凸部(固定手段)
40 扉部
41 リブ
46 扉部用通水部
50 トラップ(流体逆流防止手段)
60 弁体(封止部)
70 給湯器(機器)
75 排水管部
α 流体逆流阻止状態
β 通過状態