【文献】
石油掘削用高強度非磁性ステンレス鋼 DNMシリーズ,電気製鋼,日本,大同特殊鋼株式会社 研究開発本部,2012年7月27日,83巻第1号,75−76
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記合金の組成式が、重量%で、0.03の炭素、0.30のケイ素、15.1のマンガン、15.3のクロム、2.1のモリブデン、2.3のニッケル、0.4の窒素、不可避不純物、および残余鉄を含む、請求項1に記載の非磁性合金鍛造物。
前記合金が、クロム、コバルト、銅、鉄、マンガン、モリブデン、ニッケル、炭素、窒素、タングステン、不可避不純物、および、任意に、微量元素を含むオーステナイト系合金である、請求項1に記載の非磁性合金鍛造物。
前記合金が、アルミニウム、ケイ素、チタン、ホウ素、リン、硫黄、ニオブ、タンタル、ルテニウム、バナジウム、およびジルコニウムのうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項10に記載の非磁性合金鍛造物。
前記合金が、重量%で、最大0.2の炭素、最大20のマンガン、0.1〜1.0のケイ素、14.0〜28.0のクロム、15.0〜38.0のニッケル、2.0〜9.0のモリブデン、0.1〜3.0の銅、0.08〜0.9の窒素、0.1〜5.0のタングステン、0.5〜5.0のコバルト、最大1.0のチタン、最大0.05のホウ素、最大0.05のリン、最大0.05の硫黄、鉄、および不可避不純物を含む、請求項1に記載の非磁性合金鍛造物。
前記合金が、重量%で、最大0.2の炭素、最大20のマンガン、0.1〜1.0のケイ素、14.0〜28.0のクロム、15.0〜38.0のニッケル、2.0〜9.0のモリブデン、0.1〜3.0の銅、0.08〜0.9の窒素、0.1〜5.0のタングステン、0.5〜5.0のコバルト、最大1.0のチタン、最大0.05のホウ素、最大0.05のリン、最大0.05の硫黄、鉄、および不可避不純物からなる、請求項1に記載の非磁性合金鍛造物。
前記合金が、重量%で、最大0.05の炭素、1.0〜9.0のマンガン、0.1〜1.0のケイ素、18.0〜26.0のクロム、19.0〜37.0のニッケル、3.0〜7.0のモリブデン、0.4〜2.5の銅、0.1〜0.55の窒素、0.2〜3.0のタングステン、0.8〜3.5のコバルト、最大0.6のチタン、0.3以下の複合重量%のコロンビウムおよびタンタル、最大0.2のバナジウム、最大0.1のアルミニウム、最大0.05のホウ素、最大0.05のリン、最大0.05の硫黄、鉄、および不可避不純物を含む、請求項1に記載の非磁性合金鍛造物。
前記合金が、重量%で、最大0.05の炭素、1.0〜9.0のマンガン、0.1〜1.0のケイ素、18.0〜26.0のクロム、19.0〜37.0のニッケル、3.0〜7.0のモリブデン、0.4〜2.5の銅、0.1〜0.55の窒素、0.2〜3.0のタングステン、0.8〜3.5のコバルト、最大0.6のチタン、0.3以下の複合重量%のコロンビウムおよびタンタル、最大0.2のバナジウム、最大0.1のアルミニウム、最大0.05のホウ素、最大0.05のリン、最大0.05の硫黄、鉄、および不可避不純物からなる、請求項1に記載の非磁性合金鍛造物。
前記合金が、重量%で、最大0.05の炭素、2.0〜8.0のマンガン、0.1〜0.5のケイ素、19.0〜25.0のクロム、20.0〜35.0のニッケル、3.0〜6.5のモリブデン、0.5〜2.0の銅、0.2〜0.5の窒素、0.3〜2.5のタングステン、1.0〜3.5のコバルト、最大0.6のチタン、0.3以下の複合重量%のコロンビウムおよびタンタル、最大0.2のバナジウム、最大0.1のアルミニウム、最大0.05のホウ素、最大0.05のリン、最大0.05の硫黄、鉄、および不可避不純物を含む、請求項1に記載の非磁性合金鍛造物。
前記合金が、重量%で、最大0.05の炭素、2.0〜8.0のマンガン、0.1〜0.5のケイ素、19.0〜25.0のクロム、20.0〜35.0のニッケル、3.0〜6.5のモリブデン、0.5〜2.0の銅、0.2〜0.5の窒素、0.3〜2.5のタングステン、1.0〜3.5のコバルト、最大0.6のチタン、0.3以下の複合重量%のコロンビウムおよびタンタル、最大0.2のバナジウム、最大0.1のアルミニウム、最大0.05のホウ素、最大0.05のリン、最大0.05の硫黄、鉄、および不可避不純物からなる、請求項1に記載の非磁性合金鍛造物。
前記合金が、重量%で、最大0.2の炭素、最大20のマンガン、0.1〜1.0のケイ素、14.0〜28.0のクロム、15.0〜38.0のニッケル、2.0〜9.0のモリブデン、0.1〜3.0の銅、0.08〜0.9の窒素、0.1〜5.0のタングステン、0.5〜5.0のコバルト、最大1.0のチタン、最大0.05のホウ素、最大0.05のリン、最大0.05の硫黄、鉄、および不可避不純物を含む、請求項22に記載の円筒形の非磁性合金鍛造物。
前記合金が、重量%で、最大0.2の炭素、最大20のマンガン、0.1〜1.0のケイ素、14.0〜28.0のクロム、15.0〜38.0のニッケル、2.0〜9.0のモリブデン、0.1〜3.0の銅、0.08〜0.9の窒素、0.1〜5.0のタングステン、0.5〜5.0のコバルト、最大1.0のチタン、最大0.05のホウ素、最大0.05のリン、最大0.05の硫黄、鉄、および不可避不純物からなる、請求項22に記載の円筒形の非磁性合金鍛造物。
【発明を実施するための形態】
【0018】
読者は、本開示に従う特定の非限定的な実施形態の以下の詳細な説明を考慮することにより、前述の詳細ならびにその他を理解するであろう。
【0019】
本明細書に記載の特定の説明は、開示される実施形態の明確な理解に関連する要素、特徴、および態様のみを例示するために簡略化されている一方で、明確にする目的で、他の要素、特徴、および態様を排除することが理解されよう。当業者は、開示される実施形態の本説明を考慮することにより、他の要素および/または特徴が、開示される実施形態の特定の実施または用途において望ましい場合があることを認識するであろう。しかしながら、そのような他の要素および/または特徴が、開示される実施形態の本説明を考慮することにより、当業者によって容易に確認され実装され得るため、およびしたがってそれらが開示される実施形態の完全な理解に必須ではないため、そのような要素および/または特徴の説明は、本明細書において提供されない。このように、本明細書に記載の説明は、開示される実施形態に関して単に明示的かつ実例的であり、特許請求の範囲だけによって定義される本発明の範囲を限定することを意図しないことが理解されよう。
【0020】
本明細書に列挙される任意の数値範囲は、その中に包含される全ての部分範囲を含むことが意図される。例えば、「1〜10」または「1から10」の範囲は、列挙された最小値1と列挙された最大値10との間(およびこれらを含む)、つまり、1以上の最小値および10以下の最大値を有する、全ての部分範囲を含むことが意図される。本明細書に列挙される任意の最大数値限定は、その中に包含される全てのより低い数値限定を含むことが意図され、本明細書に列挙される任意の最小数値限定は、その中に包含される全てのより高い数値限定を含むことが意図される。したがって、出願人らは、本明細書に明示的に列挙される範囲内に包含される任意の部分範囲を明示的に列挙するために、特許請求の範囲を含む、本開示を修正する権利を留保する。全てのそのような範囲は、任意のそのような部分範囲を明示的に列挙するための修正が、米国特許法第112条第1章、および米国特許法第132条(a)の要件に準拠するように、本明細書において本質的に開示されることが意図される。
【0021】
本明細書において使用される場合、「1つの(one)」、「a」、「an」、および「the」という文法的冠詞は、別段の指示がない限り、「少なくとも1つ」または「1つ以上」を含むことが意図される。したがって、これらの冠詞は、本明細書において、その冠詞の文法的対象のうちの1つまたは複数(すなわち、少なくとも1つ)を指すために使用される。例として、「構成要素」は、1つ以上の構成要素を意味し、したがって、複数の構成要素が企図される可能性があり、説明される実施形態の実装において採用または使用され得る。
【0022】
全ての百分率および比率は、別段の指示がない限り、合金成分の総重量に基づいて計算される。
【0023】
参照により全体的または部分的に本明細書に組み込まれると言われるあらゆる特許、公開、または他の開示資料は、組み込まれる資料が、既存の定義、声明、または本開示に記載される他の開示資料と矛盾しない範囲内でのみ本明細書に組み込まれる。このように、また必要な範囲で、本明細書に記載される開示は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する資料に優先する。参照により本明細書に組み込まれると言われるが、既存の定義、声明、または本開示に記載される他の開示資料と矛盾するあらゆる資料またはその一部分は、その組み込まれた資料と既存の開示資料との間に矛盾が発生しない範囲内でのみ組み込まれる。
【0024】
本開示は、種々の実施形態の説明を含む。本明細書に記載の全ての実施形態は、例示的、実例的、および非限定的であることが理解されよう。したがって、本発明は、種々の例示的、実例的、および非限定的な実施形態の説明によって限定されない。むしろ、本発明は、本開示において明示的または本質的に説明されるあらゆる特徴を列挙するために修正され得るか、またはそうでなければ、本開示によって明示的または本質的に支持される、特許請求の範囲によってのみ定義される。
【0025】
本明細書で使用される場合、「形成」、「鍛造」、「開放型プレス鍛造」、および「ラジアル鍛造」という用語は、熱機械加工(「TMP」)の形態を指し、本明細書において「熱機械加工」とも称され得る。「熱機械加工」は、例えば、限定されないが、強度の向上等の相乗効果を、靭性を失うことなく得るために制御された熱変形の治療を組み合わせた様々な金属形成プロセスを一般に含むように本明細書に定義される。熱機械加工のこの定義は、例えば、ASM材料工学辞典、J.R.Davis,ed.,ASM International(1992),480頁に帰する意味と一致する。「開放型プレス鍛造」は、本明細書において、材料の流れが機械的または油圧によって完全に制限されておらず、それぞれの型セッションの間にプレスの単一加工ストロークを伴う、型間の金属または金属合金の鍛造として定義される。開放プレス型鍛造のこの定義は、例えば、ASM材料工学辞典、J.R.Davis,ed.,ASM International(1992),298頁および343頁に帰する意味と一致する。「ラジアル鍛造」は、本明細書において、2つ以上の可動アンビルまたは型を使用して、それらの長さに沿って一定直径または可変直径を有する鍛造物を生成するためのプロセスとして定義される。ラジアル鍛造のこの定義は、例えば、ASM材料工学辞典、J.R.Davis,ed.,ASM International(1992),354頁に帰する意味と一致する。冶金分野における当業者は、これらのいくつかの用語の意味を容易に理解するであろう。
【0026】
化学処理、鉱山業、および/または石油ガス用途において使用される従来の合金は、最適レベルの耐腐食性および/または最適レベルの1つ以上の機械的特性が欠如している場合がある。本明細書に記載のように加工された合金の種々の実施形態は、従来法で加工された合金よりも向上した耐腐食性および/または機械的特性を含むが、これらに限定されない特定の利点を有し得る。特定の実施形態は、例えば、耐腐食性の減少なしに、1つ以上の向上した機械的特性を提示し得る。本明細書に記載のように加工された合金の特定の実施形態は、特定の従来法で加工された合金と比較して、向上した衝撃特性、溶接性、耐腐食疲労性、耐摩損性および/または耐水素脆化性を提示し得る。
【0027】
種々の実施形態において、本明細書に記載のように加工された合金は、特定の厳しい用途における使用に適した、強化された耐腐食性および/または有益な機械的特性を提示し得る。いかなる特定の理論に束縛されるものではないが、本明細書に記載のように加工された合金の一部は、例えば、変形からのひずみ硬化への向上した反応に起因して、より高い引張強度を提示し得る一方で、高い耐腐食性を保持すると考えられる。ひずみ硬化または冷間もしくは温間加工は、熱処理に対して一般に良好に反応しない材料を硬化させるために使用され得る。しかしながら、冷間または温間加工された構造の正確な性質は、材料、適用されるひずみ、ひずみ速度、および/または変形の温度に依存し得る。
【0028】
探査および掘削用途のための非磁性材料を製造するための現在の製造基準は、最後の熱機械加工ステップの1つとして、製品に特定量の温間加工を付与することである。「非磁性」という用語は、磁場により影響されないか、またはほんのわずかしか影響されない材料を指す。本明細書に記載のように加工された非磁性合金の特定の非限定的な実施形態は、特定の範囲内の透磁率値(μ
r)によって特徴付けられ得る。種々の非限定的な実施形態において、本開示に従って加工された合金の透磁率値は、1.01未満、1.005未満、および/または1.001未満であり得る。種々の実施形態において、合金はフェライトを実質的に含まない場合がある。
【0029】
本明細書で使用される場合、「温間加工する」および「温間加工」という用語は、再結晶化(動的または静的)が材料中に生じる最低温度より低い温度での鍛造による金属または金属合金の熱機械加工および変形を指す。非限定的な実施形態において、温間加工は、合金の初期溶解温度の3分の1の温度から合金の初期溶解温度の3分の2の温度までの温間加工温度範囲内で達成される。温間加工温度範囲の下限は、開放型プレス鍛造および回転鍛造装置が非磁性合金ワークピースを所望の鍛造温度で変形させる能力に限定されるにすぎないことが認識されるであろう。非限定的な実施形態において、温間加工温度は、再結晶化(動的または静的)が非磁性合金中に生じない最も高い温度までの任意の温度である。この実施形態において、本明細書で使用される場合、温間加工という用語は、室温または周囲温度および周囲温度より低い温度を含む、材料の初期溶解温度の3分の1未満の温度での加工を包含し、含む。非限定的な実施形態において、本明細書で使用される場合、温間加工は、合金の初期溶解温度の3分の1の温度から合金の初期溶解温度の3分の2の温度までの範囲の温度でワークピースを鍛造することを含む。別の非限定的な実施形態において、温間加工温度は、再結晶化(動的または静的)が非磁性合金中に生じない最も高い温度までの任意の温度を含む。この実施形態において、本明細書で使用される場合、温間加工という用語は、室温または周囲温度および周囲温度より低い温度を含む、材料の初期溶解温度の3分の1未満の温度での鍛造を包含し、含む。温間加工ステップは、意図した用途のために十分な合金ワークピースに強度を付与する。現在の製造基準において、合金の温間加工熱機械加工は、ラジアル鍛造炉上で単一ステップで行われる。単一ラジアル鍛造ステップにおいて、ワークピースは、鍛造装置からワークピースを取り外すことなく、また焼鈍処理が単一ステップの鍛造パスに介在することなく、ラジアル鍛造炉上の複数のパスを使用して、初期サイズから最終鍛造サイズに加温加工される。
【0030】
本発明者らは、所望の強度を開発するための高強度非磁性オーステナイト系材料の温間加工ラジアル鍛造中に、ワークピースが、不均一に変形し、および/またはそのワークピースに付与されたひずみの量が、ワークピース断面にわたって均一でない場合が多いことを発見した。不均一な変形は、ワークピースの表面と中心との間の硬度および引張特性の差として観察され得る。硬度、降伏強度、および引張強度は、ワークピースの中心よりもワークピースの表面において大きいことが一般に観察された。これらの差は、ラジアル鍛造中のワークピースの断面の異なる領域で発達したひずみ量の差と一致すると考えられる。温間加工されたラジアル鍛造専用合金ワークピースの表面領域と中心領域との間の機械的特性および硬度の差は、表1に示される試験データに見ることができる。全ての試験試料は、非磁性オーステナイト系ステンレス鋼であり、それぞれのヒートの化学成分は、以下の表2に提供される。表1に列挙された全ての試験試料は、表1に列挙された特性を測定する前に試料に適用された最後の熱機械加工ステップとして、
552℃(1025°F)で温間加工ラジアル鍛造された。
【表1】
【0031】
図1は、金属の熱機械加工をシミュレートする市販の微分有限要素ソフトウェアを使用して調製されたコンピューター生成シミュレーションを示す。具体的に、
図1は、最終加工ステップとしてのラジアル鍛造後のニッケル合金の棒状ワークピースの断面におけるひずみ分布のシミュレーション10を示す。
図1は、単に本方法の非限定的な実施形態を説明するために本明細書に提示され、プレス鍛造および回転鍛造の組み合わせを使用して、温間加工された材料の断面にわたって特定の特性(例えば、硬度および/または機械的特性)を等しくするか、または近似させる。
図1は、ラジアル鍛造したワークピースの中心領域よりもラジアル鍛造したワークピースの表面領域においてかなり大きなひずみがあることを示す。このように、ラジアル鍛造したワークピースにおけるひずみは、ワークピースの断面全体で異なり、ひずみは中央領域よりも表面領域において大きい。
【0032】
本開示の態様は、温間加工開放型プレス鍛造ステップを含むように、最終熱機械ステップとして温間ラジアル鍛造を含む、非磁性合金ワークピースを加工する従来の方法を修正することを対象とする。
図2は、開放型プレス鍛造操作後のニッケル合金ワークピースの断面におけるひずみ分布のコンピューター生成シミュレーション20を示す。開放型プレス鍛造後に生成されたひずみ分布は、一般に、
図1に示されるラジアル鍛造操作後に生成されたひずみ分布の逆である。
図2は、開放型プレス鍛造したワークピースの表面領域よりも開放型プレス鍛造したワークピースの中心領域において一般に大きなひずみがあることを示す。このように、開放型プレス鍛造したワークピースにおけるひずみは、ワークピースの断面全体で異なり、ひずみは表面領域よりも中心領域において大きい。
【0033】
本開示の
図3は、ワークピースの断面にわたるひずみ分布のコンピューター生成シミュレーション30を示し、本開示に従う方法の特定の非限定的な実施形態の態様を説明する。
図3に示されるシミュレーションは、温間開放型プレス鍛造ステップと、温間加工ラジアル鍛造ステップとを含む熱機械加工プロセスによって、ニッケル合金ワークピースの断面に生成されたひずみを示す。
図3から、このプロセスから予測されるひずみの分布は、ワークピースの断面にわたって実質的に均一であることが観察される。したがって、温間加工開放型プレス鍛造ステップと、温間加工ラジアル鍛造ステップとを含むプロセスは、鍛造物品の中心領域および表面領域において一般に同じである鍛造物品を生成することができる。
【0034】
図4を参照し、本開示の態様に従って、非磁性合金ワークピースを加工するための非限定的な方法40は、ワークピースを温間加工温度範囲の温度に加熱する42ことと、ワークピースを開放型プレス鍛造して44、ワークピースの中心領域に所望のひずみを付与することとを含む。非限定的な実施形態において、ワークピースは、0.3インチ/インチ〜1.0インチ/インチの範囲で中心領域に所望のひずみを付与するように開放型プレス鍛造される。別の非限定的な実施形態において、ワークピースは、0.3インチ/インチ〜0.8インチ/インチの範囲で中心領域に所望のひずみを付与するように開放型プレス鍛造される。
【0035】
次に、ワークピースをラジアル鍛造して46、ワークピースの表面領域に所望のひずみを付与する。非限定的な実施形態において、ワークピースは、0.3インチ/インチ〜1.0インチ/インチの範囲で表面領域に所望のひずみを付与するようにラジアル鍛造される。別の非限定的な実施形態において、ワークピースは、0.3インチ/インチ〜0.8インチ/インチの範囲で表面領域に所望のひずみを付与するようにラジアル鍛造される。
【0036】
非限定的な実施形態において、開放型プレス鍛造およびラジアル鍛造の後、中心領域に付与されたひずみおよび表面領域に付与されたひずみはそれぞれ、0.3インチ/インチ〜1.0インチ/インチの範囲内であり、中心領域から表面領域のひずみの差は、0.5インチ/インチ以下である。別の非限定的な実施形態において、開放型プレス鍛造ステップおよびラジアル鍛造ステップの後、中心領域に付与されたひずみおよび表面領域に付与されたひずみがそれぞれ、0.3インチ/インチ〜0.8インチ/インチの範囲内である。通常の熟練した専門家は、所望のそれぞれのひずみを達成するために必要な開放型プレス鍛造およびラジアル鍛造パラメータを知っているか、または容易に決定することができるため、個々の鍛造ステップの操作パラメータは、本明細書で論じる必要はない。
【0037】
特定の非限定的な実施形態において、ワークピースの「表面領域」は、ワークピースの表面と、ワークピースの表面から中心までの距離の約30%の深さまでの間の材料の容積を含む。特定の他の非限定的な実施形態において、ワークピースの「表面領域」は、ワークピースの表面と、ワークピースの表面から中心までの距離の約40%の深さまで、または特定の実施形態では約50%までの間の材料の容積を含む。「表面領域」を特定する目的で特定形状を有するワークピースの「中心」を構成するものについては、当業者には明らかであろう。例えば、細長い円筒状ワークピースは、中心長手方向軸を有し、ワークピースの表面領域は、ワークピースの外周曲面から中心長手方向軸の方向に伸長する。また例えば、ワークピースの長手方向軸に垂直に取られた正方形または長方形の断面を有する細長いワークピースは、4つの別個の周「面」中心長手方向軸を有し、それぞれの面の表面領域は、その面の表面からワークピースに中心軸および対向面の一般的な方向に伸長する。また例えば、スラブ形状のワークピースは、そのワークピース内の中間平面から概して等距離で2つの大きな対向主面を有し、それぞれの主面の表面領域は、その面の表面からワークピースに、中間平面および対向主面に向かって伸長する。
【0038】
特定の非限定的な実施形態において、ワークピースの「中心領域」は、そのワークピースの材料の容積の約70%を構成する、中心に位置している材料の容積を含む。特定の他の非限定的な実施形態において、ワークピースの「中心領域」は、そのワークピースの材料の容積の約60%、または約50%を構成する、中心に位置している材料の容積を含む。
図5は、細長い円筒状の鍛造棒50を正確な縮尺ではなく概略的に示し、切断面は、ワークピースの中心軸に対して90度で取られている。鍛造棒50の直径52が約12インチである本開示の非限定的な実施形態に従って、表面領域56および中心領域58はそれぞれ、断面(およびワークピース)に材料の約50容積%を含み、中心領域の直径は、約4.24インチである。
【0039】
この方法の別の非限定的な実施形態において、開放型プレス鍛造ステップおよびラジアル鍛造ステップの後、ワークピースの表面領域内のひずみは、ワークピースの中心領域内のひずみと実質的に等しい。本明細書で使用される場合、ワークピースの表面領域内のひずみは、領域間のひずみが20%未満、または15%未満、または5%未満だけ異なるとき、ワークピースの中心領域内のひずみと「実質的に等しい」。本開示に従う方法の実施形態における開放型プレス鍛造およびラジアル鍛造の併用は、最終鍛造ワークピースの断面全体にわたって実質的に等しいひずみを有するワークピースを生成することができる。そのような鍛造ワークピースにおけるひずみ分布の結果は、ワークピースが、そのワークピースの断面にわたって、および/またはワークピースの表面領域と中心領域との間で実質的に均一な1つ以上の機械的特性を有し得ることである。本明細書で使用される場合、ワークピースの表面領域内の1つ以上の機械的特性は、領域間の1つ以上の機械的特性が、20%未満、または15%未満、または5%未満だけ異なるとき、ワークピースの中央領域内の1つ以上の特性と「実質的に均一」である。
【0040】
温間加工開放型プレス鍛造ステップ44または温間加工ラジアル鍛造ステップ46が最初に行われるかどうかは、ひずみ分布および後次の機械的特性に重要であるとは考えられない。特定の非限定的な実施形態において、開放型プレス鍛造44ステップは、ラジアル鍛造46ステップに先行する。他の別の非限定的な実施形態において、ラジアル鍛造46ステップは、開放型プレス鍛造44ステップに先行する。開放型プレス鍛造ステップ44およびラジアル鍛造ステップ46からなる複数のサイクルは、最終鍛造物品の断面にわたって所望のひずみ分布および所望の1つ以上の機械的特性を達成するために利用され得る。しかしながら、複数のサイクルは、追加費用を伴う。ワークピースの断面にわたって実質的に等しいひずみ分布を達成するために、ラジアル鍛造ステップおよび開放型プレス鍛造ステップの複数のサイクルを行うことは、一般に不要であると考えられる。
【0041】
本開示に従う方法の特定の非限定的な実施形態において、ワークピースは、第1の鍛造装置、すなわち、ラジアル鍛造炉および開放型プレス鍛造炉の一方から、第2の鍛造装置、すなわち、ラジアル鍛造炉および開放型鍛造炉のもう一方に直接移行され得る。特定の非限定的な実施形態において、第1温間加工鍛造ステップ(すなわち、ラジアル鍛造または開放型プレス鍛造のいずれか)の後、ワークピースは室温に冷却され得、次に第2の温間加工鍛造ステップの前に温間加工温度まで再加熱され得るか、または代替的に、ワークピースは、第1の鍛造装置から、第2の温間加工鍛造ステップの間に再加熱される再加熱炉に直接移行させることができる。
【0042】
非限定的な実施形態において、本開示の方法を使用して加工された非磁性合金は、非磁性ステンレス鋼合金である。特定の非限定的な実施形態において、本開示の方法を使用して加工された非磁性合金は、非磁性オーステナイト系ステンレス鋼合金である。特定の非限定的な実施形態において、この方法が非磁性オーステナイト系ステンレス鋼合金を加工することに適用されるとき、ラジアル鍛造ステップおよび開放型プレス鍛造ステップが行われる温度範囲は、
510℃〜621℃(950°F〜1150°F)である。
【0043】
特定の非限定的な実施形態において、ワークピースを温間加工温度に加熱する前に、ワークピースは、温間加工鍛造ステップを促進するために焼鈍または均質化され得る。非限定的な実施形態において、ワークピースが非磁性オーステナイト系ステンレス鋼合金を含むとき、ワークピースは、
1010℃〜1260℃(1850°F〜2300°F)の範囲の温度で焼鈍され、その焼鈍温度で1分〜10時間加熱される。特定の非限定的な実施形態において、ワークピースを温間加工温度に加熱することは、ワークピースを焼鈍温度から温間加工温度に冷却させることを含む。当業者には容易に明らかであるように、熱間加工中に特定のワークピース中に形成し得る有害なシグマ析出物を溶解するために必要な焼鈍時間は、焼鈍温度に依存し、焼鈍温度が高いほど、形成した任意の有害なシグマ析出物を溶解するために必要な時間は短い。当業者は、過度の努力なしに、特定のワークピースに適した焼鈍温度および時間を決定することができるであろう。
【0044】
本開示の方法に従って温間加工鍛造されたワークピースの直径が、およそ5.25インチ以下であるとき、鍛造ワークピースの中心領域内の材料と表面領域内の材料との間のひずみおよび特定の結果として生じる機械的特性に著しい差は観察されない場合があることに留意されたい(表1参照)。本開示に従う特定の非限定的な実施形態において、本方法を使用して加工された鍛造ワークピースは、ほぼ円筒形であり、ほぼ円形の断面を含む。特定の非限定的な実施形態において、本方法を使用して加工された鍛造ワークピースは、ほぼ円筒形であり、5.25インチ以下の直径を有する円形断面を含む。特定の非限定的な実施形態において、本方法を使用して加工された鍛造ワークピースは、ほぼ円筒形であり、本開示に従う温間加工鍛造の後、5.25インチより大きい、または少なくとも7.25インチ、または7.25インチ〜12.0インチの直径を有する円形断面を含む。
【0045】
本開示の別の態様は、非磁性オーステナイト系ステンレス鋼合金ワークピースを加工する方法を対象とし、この方法は、ワークピースを
510℃〜621℃(950°F〜1150°F)の温度範囲の温間加工温度に加熱することと、ワークピースを開放型プレス鍛造して、0.3インチ/インチ〜1.0インチ/インチ、または0.3インチ/インチ〜0.8インチ/インチの最終ひずみをワークピースの中心領域に付与することと、ワークピースをラジアル鍛造して、0.3インチ/インチ〜1.0インチ/インチ、または0.3インチ/インチ〜0.8インチ/インチの最終ひずみをワークピースの表面領域に付与することとを含む。非限定的な実施形態において、ワークピースを開放型プレス鍛造およびラジアル鍛造した後、中心領域および表面領域における最終ひずみの差は、0.5インチ/インチ以下である。他の非限定的な実施形態において、領域間のひずみは、20%未満、または15%未満、または5%未満だけ異なる。この方法の非限定的な実施形態において、開放型プレス鍛造ステップは、ラジアル鍛造ステップに先行する。この方法の他の非限定的な実施形態において、ラジアル鍛造ステップは、開放型プレス鍛造ステップに先行する。
【0046】
本開示に従う非磁性オーステナイト系ステンレス鋼合金ワークピースを加工する方法は、ワークピースを温間加工温度に加熱する前に、ワークピースを焼鈍することをさらに含み得る。非限定的な実施形態において、非磁性オーステナイト系ステンレス鋼合金ワークピースは、
1010℃〜1260℃(1850°F〜2300°F)の温度範囲の焼鈍温度で焼鈍され得、焼鈍時間は、1分〜10時間の範囲内であり得る。さらに別の非限定的な実施形態において、非磁性オーステナイト系ステンレス鋼合金ワークピースを温間加工温度に加熱するステップは、ワークピースを焼鈍温度から温間加工温度に冷却させることを含み得る。
【0047】
上述のように、本開示の方法に従って温間加工鍛造されたワークピースの直径が、例えば、およそ5.25インチ以下であるとき、鍛造ワークピースの中心領域内の材料と表面領域内の材料との間のひずみおよび特定の結果として生じる機械的特性に著しい差は観察されない場合があることに留意されたい。本開示に従う特定の非限定的な実施形態において、本方法を使用して加工された鍛造ワークピースは、ほぼ円筒形の非磁性オーステナイト系ステンレス鋼合金ワークピースであり、ほぼ円形の断面を含む。特定の非限定的な実施形態において、本方法を使用して加工された鍛造ワークピースは、ほぼ円筒形の非磁性オーステナイト系ステンレス鋼合金ワークピースであり、5.25インチ以下の直径を有する円形の断面を含む。特定の非限定的な実施形態において、本方法を使用して加工された鍛造ワークピースは、ほぼ円筒形での非磁性オーステナイト系ステンレス鋼合金ワークピースであり、本開示に従う温間加工鍛造の後、5.25インチより大きい、または少なくとも7.25インチ、または7.25インチ〜12.0インチの直径を有する円形断面を含む。
【0048】
本開示に従うさらに別の態様は、非磁性合金鍛造物を対象とする。非限定的な実施形態において、本開示に従う非磁性合金鍛造物は、5.25インチより大きい直径を有する円形断面を含む。非磁性合金鍛造物の少なくとも1つの機械的特性は、その鍛造物の断面全体にわたって実質的に均一である。非限定的な実施形態において、実質的に均一な機械的特性は、硬度、最大引張強度、降伏強度、伸び率、および面積減少率のうちの1つ以上を含む。
【0049】
本開示の非限定的な実施形態は、鍛造ワークピースの断面にわたって実質的に等しいひずみおよび少なくとも1つの実質的に均一な機械的特性を提供するための方法を対象とし、開放型プレス鍛造と合わせたラジアル鍛造の実施は、この方法によってワークピースの表面領域に付与されたひずみから所望の程度だけ異なるワークピースの中心領域にひずみを付与するために使用され得る。例えば、
図3を参照して、非限定的な実施形態において、開放型プレス鍛造ステップ44およびラジアル鍛造ステップ46の後、表面領域のひずみを、ワークピースの中心領域のひずみよりも意図的に大きくすることができる。この方法によって付与された相対ひずみがこのように異なる、本開示に従う方法は、硬度および/または機械的特性が部品の異なる領域で変化する場合に生じ得る最終部品の機械加工における複雑な事態を最小限にするのに非常に有益であり得る。代替として、非限定的な実施形態において、開放型プレス鍛造ステップ44およびラジアル鍛造ステップ46の後、表面領域のひずみを、ワークピースの中心領域のひずみよりも意図的に少なくすることができる。また、本開示に従う方法の特定の非限定的な実施形態において、開放金型プレス鍛造ステップ44およびラジアル鍛造ステップ46の後、ワークピースは、そのワークピースの表面領域から中心領域へのひずみの勾配を含む。そのような場合、付与されたひずみは、ワークピースの中心からの距離が増加するにつれて増加または減少し得る。ひずみの勾配が最終鍛造ワークピースに付与される、本開示に従う方法は、種々の用途において有利であり得る。
【0050】
種々の非限定的な実施形態において、本開示に従う非磁性合金鍛造は、非磁性ステンレス鋼合金、ニッケル合金、コバルト合金、および鉄合金から選択され得る。特定の非限定的な実施形態において、本開示に従う非磁性合金鍛造物は、非磁性オーステナイト系ステンレス鋼合金を含む。
【0051】
本開示に従う方法によって加工され、鍛造物品に具体化され得る石油ガス産業における探査および生産掘削用途を意図した高強度非磁性オーステナイト系ステンレス鋼の広範な化学成分は、2011年12月20日に出願された同時係属中の米国特許出願第13/331,135号に開示され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0052】
本開示に従う方法によって加工され、鍛造物品に具体化され得る石油ガス産業における探査および発見用途のための高耐腐食性、高強度材料の1つの特定例は、AL−6XN(登録商標)合金(UNS N08367)、Allegheny Technologies Incorporated(Pittsburgh,Pennsylvania USA)から入手可能な鉄基オーステナイト系ステンレス鋼合金である。本開示に従う二段階温間加工鍛造プロセスは、高い強度を材料に付与するために、AL−6XN(登録商標)合金に使用することができる。
【0053】
本開示に従う方法によって加工され、鍛造物品に具体化され得る石油ガス産業における探査および発見用途のための高耐腐食性、高強度材料の別の特定例は、ATI Datalloy 2(登録商標)合金(UNS割り当てなし)、Allegheny Technologies Incorporated(Pittsburgh,Pennsylvania USA)から入手可能な高強度非磁性オーステナイト系ステンレス鋼である。ATI Datalloy 2(登録商標)合金の組成式は、総合金重量に基づく重量%で、0.03炭素、0.30ケイ素、15.1マンガン、15.3クロム、2.1モリブデン、2.3ニッケル、0.4窒素、残余鉄、および不可避不純物である。
【0054】
特定の非限定的な実施形態において、本開示に従う方法によって加工され、鍛造物品に具体化され得る合金は、クロム、コバルト、銅、鉄、マンガン、モリブデン、ニッケル、炭素、窒素、タングステン、および不可避不純物を含むか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなるオーステナイト系合金である。特定の非限定的な実施形態において、オーステナイト系合金は、任意に、アルミニウム、ケイ素、チタン、ホウ素、リン、硫黄、ニオブ、タンタル、ルテニウム、バナジウム、およびジルコニウムのうちの1つ以上を、微量元素または不可避不純物のいずれかとしてさらに含む。
【0055】
また種々の非限定的な実施形態に従って、本開示に従う方法によって加工され、鍛造物品に具体化され得るオーステナイト系合金は、総合金重量に基づく重量%で、最大0.2炭素、最大20マンガン、0.1〜1.0ケイ素、14.0〜28.0クロム、15.0〜38.0ニッケル、2.0〜9.0モリブデン、0.1〜3.0銅、0.08〜0.9窒素、0.1〜5.0タングステン、0.5〜5.0コバルト、最大1.0チタン、最大0.05ホウ素、最大0.05リン、最大0.05硫黄、鉄、および不可避不純物を含むか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなる。
【0056】
さらに、種々の非限定的な実施形態に従って、本開示に従う方法によって加工され、鍛造物品に具体化され得るオーステナイト系合金は、総合金重量に基づく重量%で、最大0.05炭素、1.0〜9.0マンガン、0.1〜1.0ケイ素、18.0〜26.0クロム、19.0〜37.0ニッケル、3.0〜7.0モリブデン、0.4〜2.5銅、0.1〜0.55窒素、0.2〜3.0タングステン、0.8〜3.5コバルト、最大0.6チタン、0.3以下の複合重量%のコロンビウムおよびタンタル、最大0.2バナジウム、最大0.1アルミニウム、最大0.05ホウ素、最大0.05リン、最大0.05硫黄、鉄、および不可避不純物を含むか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなる。
【0057】
また種々の非限定的な実施形態に従って、本開示に従う方法によって加工され、鍛造物品に具体化され得るオーステナイト系合金は、総合金重量に基づく重量%で、最大0.05炭素、2.0〜8.0マンガン、0.1〜0.5ケイ素、19.0〜25.0クロム、20.0〜35.0ニッケル、3.0〜6.5モリブデン、0.5〜2.0銅、0.2〜0.5窒素、0.3〜2.5タングステン、1.0〜3.5コバルト、最大0.6チタン、0.3以下の複合重量%のコロンビウムおよびタンタル、最大0.2バナジウム、最大0.1アルミニウム、最大0.05ホウ素、最大0.05リン、最大0.05硫黄、鉄、および不可避不純物を含み得るか、本質的にそれらからなり得るか、またはそれらからなり得る。
【0058】
種々の非限定的な実施形態において、本開示に従う方法によって加工され、鍛造物品に具体化され得るオーステナイト系合金は、次の重量%範囲のうちのいずれかで炭素を含む:最大2.0、最大0.8、最大0.2、最大0.08、最大0.05、最大0.03、0.005〜2.0、0.01〜2.0、0.01〜1.0、0.01〜0.8、0.01〜0.08、0.01〜0.05、および0.005〜0.01。
【0059】
種々の非限定的な実施形態において、本開示に従う方法によって加工され、鍛造物品に具体化され得るオーステナイト系合金は、次の重量%範囲のうちのいずれかでマンガンを含む:最大20.0、最大10.0、1.0〜20.0、1.0〜10、1.0〜9.0、2.0〜8.0、2.0〜7.0、2.0〜6.0、3.5〜6.5、および4.0〜6.0。
【0060】
種々の非限定的な実施形態において、本開示に従う方法によって加工され、鍛造物品に具体化され得るオーステナイト系合金は、次の重量%範囲のうちのいずれかでケイ素を含む:最大1.0、0.1〜1.0、0.5〜1.0、および0.1〜0.5。
【0061】
種々の非限定的な実施形態において、本開示に従う方法によって加工され、鍛造物品に具体化され得るオーステナイト系合金は、次の重量%範囲のうちのいずれかでクロムを含む:14.0〜28.0、16.0〜25.0、18.0〜26、19.0〜25.0.20.0〜24.0、20.0〜22.0、21.0〜23.0、および17.0〜21.0。
【0062】
種々の非限定的な実施形態において、本開示に従う方法によって加工され、鍛造物品に具体化され得るオーステナイト系合金は、次の重量%範囲のうちのいずれかでニッケルを含む:15.0〜38.0、19.0〜37.0、20.0〜35.0、および21.0〜32.0。
【0063】
種々の非限定的な実施形態において、本開示に従う方法によって加工され、鍛造物品に具体化され得るオーステナイト系合金は、次の重量%範囲のうちのいずれかでモリブデンを含む:2.0〜9.0、3.0〜7.0、3.0〜6.5、5.5〜6.5、および6.0〜6.5。
【0064】
種々の非限定的な実施形態において、本開示に従う方法によって加工され、鍛造物品に具体化され得るオーステナイト系合金は、次の重量%範囲のうちのいずれかで銅を含む:0.1〜3.0、0.4〜2.5、0.5〜2.0、および1.0〜1.5。
【0065】
種々の非限定的な実施形態において、本開示に従う方法によって加工され、鍛造物品に具体化され得るオーステナイト系合金は、次の重量%範囲のうちのいずれかで窒素を含む:0.08〜0.9、0.08〜0.3、0.1〜0.55、0.2〜0.5、および0.2〜0.3。特定の実施形態において、オーステナイト系合金中の窒素含有量は、合金中のその制限された溶解度に対処するため、0.35重量%または0.3重量%に制限され得る。
【0066】
種々の非限定的な実施形態において、本開示に従う方法によって加工され、鍛造物品に具体化され得るオーステナイト系合金は、次の重量%範囲のうちのいずれかでタングステンを含む:0.1〜5.0、0.1〜1.0、0.2〜3.0、0.2〜0.8、および0.3〜2.5。
【0067】
種々の非限定的な実施形態において、本開示に従う方法によって加工され、鍛造物品に具体化され得るオーステナイト系合金は、次の重量%範囲のうちのいずれかでコバルトを含む:最大5.0、0.5〜5.0、0.5〜1.0、0.8〜3.5、1.0〜4.0、1.0〜3.5、および1.0〜3.0。本開示に従う方法によって加工され、鍛造物品に具体化される合金の特定の実施形態において、コバルトは、合金の機械的特性を予想外に向上させた。例えば、合金の特定の実施形態において、コバルトの追加は、最大20%の硬度の増加、最大20%の伸長の増加、および/または向上した耐腐食性を提供し得る。いかなる特定の理論に束縛されるものではないが、鉄をコバルトと取り換えることは、熱間加工後の粒界でより高いレベルのシグマ相を提示する、コバルトを含まない異形と比較して、合金中の有害なシグマ相析出物に対する耐性を向上させ得ると考えられる。
【0068】
種々の非限定的な実施形態において、本開示に従う方法によって加工され、鍛造物品に具体化され得るオーステナイト系合金は、2:1〜5:1、または2:1〜4:1のコバルト/タングステンの重量%比でコバルトおよびタングステンを含む。特定の実施形態において、例えば、コバルト/タングステンの重量%比は、約4:1であり得る。コバルトおよびタングステンの使用は、合金に向上した固溶液強化を付与し得る。
【0069】
種々の非限定的な実施形態において、本開示に従う方法によって加工され、鍛造物品に具体化され得るオーステナイト系合金は、次の重量%のうちのいずれかでチタンを含む:最大1.0、最大0.6、最大0.1、最大0.01、0.005〜1.0、および0.1〜0.6。
【0070】
種々の非限定的な実施形態において、本開示に従う方法によって加工され、鍛造物品に具体化され得るオーステナイト系合金は、次の重量%のうちのいずれかでジルコニウムを含む:最大1.0、最大0.6、最大0.1、最大0.01、0.005〜1.0、および0.1〜0.6。
【0071】
種々の非限定的な実施形態において、本開示に従う方法によって加工され、鍛造物品に具体化され得るオーステナイト系合金は、次の重量%のうちのいずれかでニオブおよび/またはタンタルを含む:最大1.0、最大0.5、最大0.3、0.01〜1.0、0.01〜0.5、0.01〜0.1、および0.1〜0.5。
【0072】
種々の非限定的な実施形態において、本開示に従う方法によって加工され、鍛造物品に具体化され得るオーステナイト系合金は、次の範囲のいずれかでコロンビウムおよびタンタルの複合重量%を含む:最大1.0、最大0.5、最大0.3、0.01〜1.0、0.01〜0.5、0.01〜0.1、および0.1〜0.5。
【0073】
種々の非限定的な実施形態において、本開示に従う方法によって加工され、鍛造物品に具体化され得るオーステナイト系合金は、次の重量%のうちのいずれかでバナジウムを含む:最大1.0、最大0.5、最大0.2、0.01〜1.0、0.01〜0.5、0.05〜0.2、および0.1〜0.5。
【0074】
種々の非限定的な実施形態において、本開示に従う方法によって加工され、鍛造物品に具体化され得るオーステナイト系合金は、次の重量%範囲のうちのいずれかでアルミニウムを含む:最大1.0、最大0.5、最大0.1、最大0.01、0.01〜1.0、0.1〜0.5、および0.05〜0.1。
【0075】
種々の非限定的な実施形態において、本開示に従う方法によって加工され、鍛造物品に具体化され得るオーステナイト系合金は、次の重量%範囲のうちのいずれかでホウ素を含む:最大0.05、最大0.01、最大0.008、最大0.001、最大0.0005。
【0076】
種々の非限定的な実施形態において、本開示に従う方法によって加工され、鍛造物品に具体化され得るオーステナイト系合金は、次の重量%範囲のうちのいずれかでリンを含む:最大0.05、最大0.025、最大0.01、および最大0.005。
【0077】
種々の非限定的な実施形態において、本開示に従う方法によって加工され、鍛造物品に具体化され得るオーステナイト系合金は、次の重量%範囲のうちのいずれかで硫黄を含む:最大0.05、最大0.025、最大0.01、および最大0.005。
【0078】
種々の非限定的な実施形態において、本開示に従う方法によって加工され、鍛造物品に具体化され得るオーステナイト系合金のバランスは、鉄および不可避不純物を含み得るか、本質的にそれらからなり得るか、またはそれらからなり得る。種々の非限定的な実施形態において、種々の非限定的な実施形態において、本開示に従う方法によって加工され、鍛造物品に具体化され得るオーステナイト系合金は、次の重量%範囲のうちのいずれかで鉄を含む:最大60、最大50、20〜60、20〜50、20〜45、35〜45、30〜50、40〜60、40〜50、40〜45、および50〜60。
【0079】
種々の非限定的な実施形態において、本開示に従う方法によって加工されるオーステナイト系合金は、1つ以上の微量元素を含む。本明細書で使用される場合、「微量元素」とは、原料の成分および/または採用された溶解方法の結果として合金中に存在し得、合金の重要な特性に著しく悪影響を与えない濃度で存在する元素を指し、それらの特性は、本明細書において概説される。微量元素は、例えば、チタン、ジルコニウム、コロンビウム(ニオブ)、タンタル、バナジウム、アルミニウム、およびホウ素のうちの1つ以上を、本明細書に記載の濃度のうちのいずれかで含み得る。特定の非限定的な実施形態において、微量元素は、本開示に従う合金中に存在しない場合がある。当該技術分野において既知のように、合金を生成する際、微量元素は、典型的に、特定の出発材料の選定および/または特定の加工技術の使用により、大部分がまたは完全に排除され得る。種々の非限定的な実施形態において、本開示に従う方法によって加工され、鍛造物品に具体化され得るオーステナイト系合金は、次の重量%範囲のうちのいずれかで微量元素の総濃度を含む:最大5.0、最大1.0、最大0.5、最大0.1、0.1〜5.0、0.1〜1.0、および0.1〜0.5。
【0080】
種々の非限定的な実施形態において、本開示に従う方法によって加工され、鍛造物品に具体化され得るオーステナイト系合金は、次の重量%範囲のうちのいずれかで不可避不純物の総濃度を含む:最大5.0、最大1.0、最大0.5、最大0.1、0.1〜5.0、0.1〜1.0、および0.1〜0.5。本明細書で一般に使用される場合、「不可避不純物」という用語は、少量の濃度で合金中に存在する元素を意味する。そのような元素は、ビスマス、カルシウム、セリウム、ランタン、鉛、酸素、リン、ルテニウム、銀、セレン、硫黄、テルル、錫、およびジルコニウムのうちの1つ以上を含み得る。種々の非限定的な実施形態において、本開示に従う方法によって加工され、鍛造物品に具体化され得る合金中の個々の不可避不純物は、次の最大重量%を超えない:0.0005ビスマス、0.1カルシウム、0.1セリウム、0.1ランタン、0.001鉛、0.01錫、0.01酸素、0.5ルテニウム、0.0005銀、0.0005セレン、および0.0005テルル。種々の非限定的な実施形態において、本開示に従う方法によって加工され、鍛造物品に具体化され得る合金、合金中に存在するセリウム、ランタン、およびカルシウムの複合重量%は(存在する場合)、最大0.1であり得る。種々の非限定的な実施形態において、合金中に存在するセリウムおよび/またはランタンの複合重量%は、最大0.1であり得る。本開示に従う方法によって加工され、鍛造物品に具体化され得る合金中の不可避不純物として提示され得る他の元素は、本開示を考慮することにより当業者には明らかであろう。種々の非限定的な実施形態において、本開示に従う方法によって加工され、鍛造物品に具体化され得るオーステナイト系合金は、次の重量%範囲のうちのいずれかで微量元素および不可避不純物の総濃度を含む:最大10.0、最大5.0、最大1.0、最大0.5、最大0.1、0.1〜10.0、0.1〜5.0、0.1〜1.0、および0.1〜0.5。
【0081】
種々の非限定的な実施形態において、本開示に従う方法によって加工され、鍛造物品に具体化され得る合金は、非磁性であり得る。この特徴は、例えば、特定の石油およびガスドリルストリング構成要素の用途を含む、非磁性特性が重要である用途における合金の使用を促進し得る。本明細書に記載の方法によって加工され、鍛造物品に具体化され得るオーステナイト系合金の特定の非限定的な実施形態は、特定の範囲内の透磁率値(μ
r)によって特徴付けられ得る。種々の非限定的な実施形態において、透磁率値は、1.01未満、1.005未満、および/または1.001未満である。種々の実施形態において、合金はフェライトを実質的に含まない場合がある。
【0082】
種々の非限定的な実施形態において、本開示に従う方法によって加工され、鍛造物品に具体化され得る合金は、特定の範囲内の耐孔食性指数(PREN)によって特徴付けられ得る。理解されているように、PRENは、塩化物を含有する環境における合金の予測される耐孔食性に対する相対値に起因する。一般に、より高いPRENを有する合金は、より低いPRENを有する合金よりも良好な耐腐食性を有することが予測される。1つの特定のPREN計算は、次の式を使用してPREN
16値を提供し、式中、%は、総合金重量に基づく重量%である。
PREN
16=%Cr+3.3(%Mo)+16(%N)+1.65(%W)
種々の非限定的な実施形態において、本開示に従う方法によって加工され、鍛造物品に具体化され得る合金は、次の範囲のうちのいずれかのPREN
16値を有し得る:最大60、最大58、30超、40超、45超、48超、30〜60、30〜58、30〜50、40〜60、40〜58、40〜50、および48〜51。いかなる特定の理論に束縛されるものではないが、より高いPREN
16値は、合金が、例えば、腐食性の高い環境、高温環境、および低温環境のような環境において、十分な耐腐食性を提示する可能性がより高いことを示し得ると考えられる。強力に腐食性の環境は、例えば、化学加工装置、およびドリルストリングが石油およびガスの掘削用途にさらされている下げ孔環境において存在し得る。強力に腐食性の環境は、極端な温度とともに、合金を、例えば、アルカリ化合物、酸性化塩化物溶液、酸性化硫化物溶液、過酸化物、および/またはCO
2にさらし得る。
【0083】
種々の非限定的な実施形態において、本開示に従う方法によって加工され、鍛造物品に具体化され得るオーステナイト系合金は、特定の範囲内の折出値(CP)を回避するための感度係数によって特徴付けられ得る。CP値の概念は、例えば、「Austenitic Stainless Steel Having High Properties」という表題の米国特許第5,494,636号に記載されている。一般に、CP値は、合金中の金属間相の析出速度の相対指標である。CP値は、次の式を使用して計算することができ、式中、%は、総合金重量に基づく重量%である。
CP=20(%Cr)+0.3(%Ni)+30(%Mo)+5(%W)+10(%Mn)+50(%C)−200(%N)
いかなる特定の理論に束縛されるものではないが、710未満のCP値を有する合金は、溶接中の金属間相からのHAZ(熱影響域)の感受性化の最小化を助ける、有益なオーステナイト安定度を提示すると考えられる。種々の非限定的な実施形態において、本開示に従う方法によって加工され、鍛造物品に具体化され得るオーステナイト系合金は、次の範囲のいずれかでCPを有し得る:最大800、最大750、750未満、最大710、710未満、最大680、および660〜750。
【0084】
種々の非限定的な実施形態において、本開示に従う方法によって加工され、鍛造物品に具体化され得るオーステナイト系合金は、特定の範囲内の臨界孔食温度(CPT)および/または臨界隙間腐食発生温度(CCCT)によって特徴付けられ得る。特定の用途において、CPTおよびCCCT値は、合金の耐腐食性を、合金のPREN値よりも正確に示し得る。CPTおよびCCCTは、ASTM G48−11、表題「Standard Test Methods for Pitting and Crevice Corrosion Resistance of Stainless Steels and Related Alloys by Use of Ferric Chloride Solution」に従って測定され得る。種々の非限定的な実施形態において、本開示に従う方法によって加工され、鍛造物品に具体化され得るオーステナイト系合金は、少なくとも45℃、またはより好ましくは少なくとも50℃のCPTを有し、少なくとも25℃、またはより好ましくは少なくとも30℃のCCCTを有する。
【0085】
種々の非限定的な実施形態において、本開示に従う方法によって加工され、鍛造物品に具体化され得るオーステナイト系合金は、特定の範囲内の塩化物応力腐食割れ耐性(SCC)値によって特徴付けられ得る。SCC値の外面は、例えば、A.J.Sedricks,Corrosion of Stainless Steels(J.Wiley and Sons 1979)に説明されている。種々の非限定的な実施形態において、本開示に従う合金のSCC値は、次のうちの1つ以上に従う特定の用途のために決定され得る:ASTM G30−97(2009)、表題「Standard Practice for Making and Using U−Bend Stress−Corrosion Test Specimens」;ASTM G36−94(2006)、表題「Standard Practice for Evaluating Stress−Corrosion−Cracking Resistance of Metals and Alloys in a Boiling Magnesium Chloride Solution」;ASTM G39−99(2011)、「Standard Practice for Preparation and Use of Bent−Beam Stress−Corrosion Test Specimens」;ASTM G49−85(2011)、「Standard Practice for Preparation and Use of Direct Tension Stress−Corrosion Test Specimens」;およびASTM G123−00(2011)、「Standard Test Method for Evaluating Stress−Corrosion Cracking of Stainless Alloys with Different Nickel Content In Boiling Acidified Sodium Chloride Solution」。種々の非限定的な実施形態において、本開示に従う方法によって加工され、鍛造物品に具体化され得るオーステナイト系合金のSCC値は、合金が、ASTM G123−00(2011)に基づく評価に準じて、沸騰する酸性化塩化ナトリウム溶液に1000時間、許容されない応力腐食割れを経験することなく、適切に耐え得ることを示すために十分に高い。
【0086】
以下の実施例は、本発明の範囲を制限することなく、特定の非限定的な実施形態をさらに説明することを意図する。当業者は、以下の実施例の変形が、特許請求の範囲によってのみ定義される本発明の範囲内で可能であることを理解するであろう。
実施例1
【0087】
図6は、非磁性オーステナイト系鋼剛性を加工するための本開示に従う方法62(
図6の右側)および比較方法60(
図6の左側)の態様を概略的に示す。20インチの直径を有し、以下の表2に示されるヒート番号49FJ−1,2の化学的性質を有するエレクトロスラグ再溶解(ESR)インゴット64を調製した。
【表2】
【0088】
ESRインゴット64を、
1218℃(2225°F)で48時間均質化し、続いてインゴットをラジアル鍛造機上で直径約14インチのワークピース66に分解した。直径14インチのワークピース66を、第1のワークピース68および第2のワークピース70に切り分け、次のように加工した。
【0089】
直径14インチの第2のワークピース70の試料を、本開示に従う方法の実施形態に従って加工した。第2のワークピース70の試料を、
1218℃(2225°F)で6〜12時間再加熱し、長い端部74を有するステップシャフト72を含む直径9.84インチの棒にラジアル鍛造し、次に水焼き入れした。ステップシャフト72は、開放型プレス鍛造の間、ワークピースマニピュレーターによって把持することができるサイズを有する、それぞれの鍛造物72、74上に端部領域を提供するために、このラジアル鍛造操作中に生成した。直径9.84インチの鍛造物72、74の試料を、
1177℃(2150°F)で1〜2時間焼鈍し、室温に冷却した。直径9.84インチの鍛造物72、74の試料を、
552℃(1025°F)に10〜24時間再加熱し、続いて開放型プレス鍛造して鍛造物76を生成した。鍛造物76は、ステップシャフト鍛造物であり、それぞれの鍛造物76の大部分は、約8.7インチの直径を有する。開放型プレス鍛造に続いて、鍛造物を空気冷却した。鍛造物76の試料を、
552℃(1025°F)で3〜9時間再加熱し、約7.25インチの直径を有する棒78にラジアル鍛造した。試験試料は、棒の遠位端の間の棒78の中央部において、棒78の表面領域および中心領域から採取し、機械的特性および硬度について評価した。
【0090】
直径14インチの第1のワークピース68の試料を、本発明により包含されていない比較方法によって加工した。第1のワークピース68の試料を、
1218℃(2225°F)で6〜12時間再加熱し、直径9.84インチのワークピース80にラジアル鍛造して、水焼き入れした。直径9.84インチの鍛造物80を、
1177℃(2150°F)で1〜2時間焼鈍し、室温に冷却した。焼鈍および冷却した9.84インチの鍛造物80を、
552℃(1025°F)または
579℃(1075°F)で10〜24時間再加熱し、直径約7.25インチの鍛造物82にラジアル鍛造した。機械的特性評価および硬度評価のための試験試料の表面領域および中心領域は、それぞれの鍛造物82の遠位端の間のそれぞれの鍛造物82の中央から採取した。
【0091】
他のインゴットヒートの加工は、温間加工の程度を除いて、上述のヒート番号49FJ−1,2に対するものと同様であった。他のヒートに使用される温間加工の変形率および種類は、表3に示される。表3はまた、直径7.25インチの鍛造物82にわたる硬度プロファイルを、直径7.25インチの鍛造物78のそれと比較する。上述のように、鍛造物82は、最終加工ステップとして、
552℃(1025°F)または
579℃(1075°F)の温度で温間加工ラジアル鍛造のみを受けた。対照的に、鍛造物78は、
552℃(1025°F)での温間開放型プレス鍛造ステップに続いて、
552℃(1025°F)での温間ラジアル鍛造ステップを使用して加工した。
【表3】
【0092】
表3から、表面から中心部への硬度差は、本発明の試料よりも比較試料に対して著しく大きいことが明らかである。これらの結果は、本発明のプレス鍛造および回転鍛造プロセスのモデリングから
図3に示される結果と一致している。プレス鍛造プロセスは、主にワークピースの中心領域に変形を付与し、回転鍛造操作は、主に表面に変形を付与する。硬度は、これらの材料の変形量の指標であるため、プレス鍛造および回転鍛造の組み合わせは、表面から中心まで比較的均一な量の変形を有する棒を提供することを示す。表3から、比較例のヒート01FM−1は、プレス鍛造によって温間加工されただけだが、より小さい直径5.25インチに温間プレス鍛造されたこともわかる。ヒート01FM−1の結果は、より小さい直径のワークピース上のプレス鍛造によって提供される変形量が、比較的均一な断面硬度プロファイルをもたらし得ることを実証する。
【0093】
上記の表1は、表3に開示された硬度値を有する比較ヒートの室温引張特性を示す。表4は、プレス鍛造のみによって温間加工された比較試料、およびプレス鍛造に続いてラジアル鍛造によって温間加工された本発明の試料に対する、ヒート番号49−FJ−4の室温引張特性の直接比較を提供する。
【表4】
【0094】
比較試料の表面における降伏強度および最大引張強度は、中心よりも大きい。しかしながら、本開示に従い加工された材料(発明試料)の最大引張強度および降伏強度は、ビレットの中心およびビレットの表面における強度が、実質的に均一であることを示すだけでなく、発明試料が、比較試料よりも大幅に強いことも示す。
【0095】
本説明は、本発明の明確な理解に関連する本発明の態様を示すことが理解されるであろう。当業者に明らかであり、したがって、本発明のより良い理解を容易にしないであろう特定の態様は、本説明を簡略化するために提示されていない。本発明の限られた数の実施形態のみが、必然的に本明細書に記載されているが、当業者は、前述の説明を考慮することにより、本発明の多くの修正および変形が用いられ得ることを認識するであろう。本発明の全てのそのような変形および修正は、前述の説明および添付の特許請求の範囲に含まれることが意図される。
[発明の態様]
[1]非磁性合金ワークピースを加工する方法であって、
前記ワークピースを温間加工温度に加熱することと、
前記ワークピースを開放型プレス鍛造して、前記ワークピースの中心領域に所望のひずみを付与することと、
前記ワークピースをラジアル鍛造して、前記ワークピースの表面領域に所望のひずみを付与することと、を含む、方法。
[2]前記開放型プレス鍛造ステップおよび前記ラジアル鍛造ステップの後、前記中心領
域に付与された前記ひずみおよび前記表面領域に付与された前記ひずみがそれぞれ、0.3インチ/インチ〜1.0インチ/インチの範囲内であり、
前記中心領域から前記表面領域のひずみの差が、0.5インチ/インチ以下である、[1]に記載の方法。
[3]前記開放型プレス鍛造ステップおよび前記ラジアル鍛造ステップの後、前記中心領域に付与された前記ひずみおよび前記表面領域に付与された前記ひずみがそれぞれ、0.3インチ/インチ〜0.8インチ/インチの範囲内である、[1]に記載の方法。
[4]前記開放型プレス鍛造ステップおよび前記ラジアル鍛造ステップの後、前記表面領域に付与された前記ひずみが、前記中心領域に付与された前記ひずみと実質的に等しい、[1]に記載の方法。
[5]前記開放型プレス鍛造ステップが、前記ラジアル鍛造ステップに先行する、[1]に記載の方法。
[6]前記ラジアル鍛造ステップが、前記開放型プレス鍛造ステップに先行する、[1]に記載の方法。
[7]前記温間加工温度が、前記非磁性合金の初期溶解温度の3分の1の温度から前記非磁性合金の初期溶解温度の3分の2の温度までの範囲内である、[1]に記載の方法。
[8]前記温間加工温度が、再結晶化(動的または静的)が前記非磁性合金中に生じる最高温度までの任意の温度を含む、[1]に記載の方法。
[9]前記非磁性合金が、非磁性ステンレス鋼合金、ニッケル合金、コバルト合金、および鉄合金のうちの1つを含む、[1]に記載の方法。
[10]前記非磁性合金が、非磁性オーステナイト系ステンレス鋼合金を含む、[1]に記載の方法。
[11]前記温間加工温度が、
510℃〜621℃(950°F〜1150°F)である、[10]に記載の方法。
[12]前記ワークピースを前記温間加工温度に加熱する前に、前記ワークピースを焼鈍することをさらに含む、[1]に記載の方法。
[13]前記ワークピースが、非磁性ステンレス鋼合金を含み、前記ワークピースを焼鈍することが、前記ワークピースを
1010℃〜1260℃(1850°F〜2300°F)で1分〜10時間加熱することを含む、[12]に記載の方法。
[14]前記ワークピースを前記温間加工温度に前記加熱することが、前記ワークピースを焼鈍温度から前記温間加工温度に冷却させることをさらに含む、[12]に記載の方法。
[15]前記ワークピースが、円形断面を含む、[1]に記載の方法。
[16]前記ワークピースの前記円形断面が、5.25インチより大きい直径を有する、[15]に記載の方法。
[17]前記ワークピースの前記円形断面が、7.25インチ以上の直径を有する、[15]に記載の方法。
[18]前記ワークピースの前記円形断面が、7.25インチ〜12.0インチの範囲の直径を有する、[15]に記載の方法。
[19]非磁性オーステナイト系ステンレス鋼合金ワークピースを加工する方法であって、
前記ワークピースを
510℃〜621℃(950°F〜1150°F)の範囲の温間加工温度に加熱することと、
前記ワークピースを開放型プレス鍛造して、前記ワークピースの中心領域に0.3インチ/インチ〜1.0インチ/インチの最終ひずみを付与することと、
前記ワークピースをラジアル鍛造して、前記ワークピースの表面領域に0.3インチ/インチ〜1.0インチ/インチの最終ひずみを付与することと、を含み、
前記中心領域から前記表面領域のひずみの差が、0.5インチ/インチ以下である、方法。
[20]前記ワークピースを開放型プレス鍛造することが、前記ワークピースの中心領域に0.3インチ/インチ〜0.8インチ/インチの最終ひずみを付与し、
前記ワークピースをラジアル鍛造することが、前記ワークピースの表面領域に0.3インチ/インチ〜0.8インチ/インチの最終ひずみを付与する、[19]に記載の方法。
[21]前記開放型プレス鍛造ステップが、前記ラジアル鍛造ステップに先行する、[19]に記載の方法。
[22]前記ラジアル鍛造ステップが、前記開放型プレス鍛造ステップに先行する、[19]に記載の方法。
[23]前記ワークピースを前記温間加工温度に加熱する前に、前記ワークピースを焼鈍することをさらに含む、[19]に記載の方法。
[24]前記ワークピースを焼鈍することが、前記ワークピースを
1010℃〜1260℃(1850°F〜2300°F)で1分〜10時間加熱することを含む、[23]に記載の方法。
[25]前記ワークピースを前記温間加工温度に前記加熱することが、前記ワークピースを前記焼鈍温度から前記温間加工温度に冷却させることをさらに含む、[23]に記載の方法。
[26]前記ワークピースが、円形断面を含む、[19]に記載の方法。
[27]前記ワークピースの前記円形断面が、5.25インチより大きい直径を有する、[26]に記載の方法。
[28]前記ワークピースの前記円形断面が、7.25インチ以上の直径を有する、[26]に記載の方法。
[29]前記ワークピースの前記円形断面が、7.25インチ〜12.0インチの範囲の直径を有する、[26]に記載の方法。
[30]非磁性合金鍛造物であって、
5.25インチより大きい直径を有する円形断面と、
前記鍛造物の断面にわたって実質的に均一な少なくとも1つの機械的特性と、を備える、非磁性合金鍛造物。
[31]前記非磁性合金鍛造物が、非磁性ステンレス鋼合金、ニッケル合金、コバルト合金、および鉄合金のうちの1つを含む、[30]に記載の非磁性合金鍛造物。
[32]前記非磁性合金鍛造物が、非磁性オーステナイト系ステンレス鋼合金を含む、[30]に記載の非磁性合金鍛造物。
[33]前記実質的に均一な機械的特性が、最大引張強度、降伏強度、伸び率、および面積減少率のうちの1つである、[30]に記載の非磁性合金鍛造物。
[34]前記円形断面の直径が、7.25インチ以上である、[30]に記載の非磁性合金鍛造物。
[35]前記円形断面の前記直径が、7.25インチ〜12インチの範囲内である、[34]に記載の非磁性合金鍛造物。