(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマー(a2)並びに架橋剤(b)を含む単量体組成物を、炭素−ヨウ素結合を有する有機ヨウ素化合物(c)及びヨウ化物イオンを含む塩(d)の存在下に重合する工程を有する、吸水性樹脂粒子の製造方法。
ヨウ化物イオンを含む塩(d)がアルカリ金属ヨウ化物塩及びアルカリ土類金属ヨウ化物塩からなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項1又は2に記載の吸水性樹脂粒子の製造方法。
有機ヨウ素化合物(c)の重量が、水溶性ビニルモノマー(a1)及び加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマー(a2)の合計重量に対し、0.0005〜0.1重量%である請求項1〜3のいずれかに記載の吸水性樹脂粒子の製造方法。
ヨウ化物イオンを含む塩(d)の重量が、水溶性ビニルモノマー(a1)及び加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマー(a2)の合計重量に対し、0.0005〜0.1%重量である請求項1〜4のいずれかに記載の吸水性樹脂粒子の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の製造方法は、水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマー(a2)並びに架橋剤(b)を含む単量体組成物を、炭素−ヨウ素結合を有する有機ヨウ素化合物(c)及びヨウ化物イオンを含む塩(d)の存在下に重合する工程を有する。
【0009】
本発明の製造方法において、有機ヨウ素化合物(c)の正確な作用、効果は不明であるが、有機ヨウ素化合物(c)存在下でビニルモノマーをラジカル重合することにより、有機ヨウ素化合物(c)のヨウ素末端がラジカル重合のドーマント種として働き重合体分子量を制御することで、ゲル網目の均一性が向上し、その結果、吸水性樹脂粒子の保水量及びゲル強度が向上するものと推定される。またヨウ化物イオンを含む塩(d)の正確な作用、効果は不明であるが、有機ヨウ素化合物(c)との共存下でビニルモノマーをラジカル重合することにより、有機ヨウ素化合物(c)のヨウ素末端のドーマント作用を促進し、重合体の分子量制御及びゲル網目の均一化効果を高めているものと推定される。
【0010】
本発明の製造方法における水溶性ビニルモノマー(a1)としては特に限定はなく、公知のモノマー、例えば、特許第3648553号公報の0007〜0023段落に開示されている少なくとも1個の水溶性置換基とエチレン性不飽和基とを有するビニルモノマー(例えばアニオン性ビニルモノマー、非イオン性ビニルモノマー及びカチオン性ビニルモノマー)、特開2003−165883号公報の0009〜0024段落に開示されているアニオン性ビニルモノマー、非イオン性ビニルモノマー及びカチオン性ビニルモノマー並びに特開2005−75982号公報の0041〜0051段落に開示されているカルボキシ基、スルホ基、ホスホノ基、水酸基、カルバモイル基、アミノ基及びアンモニオ基からなる群から選ばれる少なくとも1種を有するビニルモノマーが使用できる。
【0011】
加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマー(a2)[以下、加水分解性ビニルモノマー(a2)ともいう。]は特に限定はなく、公知{例えば、特許第3648553号公報の0024〜0025段落に開示されている加水分解により水溶性置換基となる加水分解性置換基を少なくとも1個有するビニルモノマー、特開2005−75982号公報の0052〜0055段落に開示されている少なくとも1個の加水分解性置換基[1,3−オキソ−2−オキサプロピレン(−CO−O−CO−)基、アシル基及びシアノ基等]を有するビニルモノマー}のビニルモノマー等が使用できる。なお、水溶性ビニルモノマーにおける水溶性とは、当業者に周知の概念であるが、数量を用いて表すなら、例えば、溶質が25℃の水100gに少なくとも100g溶解することを意味する。また、加水分解は、当業者に周知の概念であるが、より具体的に表すなら、例えば、水及び必要により触媒(酸又は塩基等)の作用により、加水分解されることを意味する。加水分解性ビニルモノマー(a2)の加水分解は、重合中、重合後及びこれらの両方のいずれで行っても良いが、得られる吸水性樹脂粒子の吸収性能の観点から、重合後が好ましい。
【0012】
これらの内、吸収性能等の観点から、水溶性ビニルモノマー(a1)が好ましい。水溶性ビニルモノマー(a1)としては、好ましいのは上述のアニオン性ビニルモノマー;カルボキシ(塩)基、スルホ(塩)基、アミノ基、カルバモイル基、アンモニオ基又はモノ−、ジ−若しくはトリ−アルキルアンモニオ基を有するビニルモノマー;更に好ましいのはカルボキシ(塩)基又はカルバモイル基を有するビニルモノマー;特に好ましいのは(メタ)アクリル酸(塩)及び(メタ)アクリルアミド;とりわけ好ましいのは(メタ)アクリル酸(塩);最も好ましいのはアクリル酸(塩)である。
【0013】
なお、「カルボキシ(塩)基」は「カルボキシ基」又は「カルボキシレート基」を意味し、「スルホ(塩)基」は「スルホ基」又は「スルホネート基」を意味する。また、(メタ)アクリル酸(塩)はアクリル酸、アクリル酸塩、メタクリル酸又はメタクリル酸塩を意味し、(メタ)アクリルアミドはアクリルアミド又はメタクリルアミドを意味する。また、塩としては、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム及びカリウム等)塩、アルカリ土類金属(マグネシウム及びカルシウム等)塩及びアンモニウム(NH
4)塩等が挙げられる。これらの塩の内、吸収性能等の観点から、アルカリ金属塩及びアンモニウム塩が好ましく、更に好ましいのはアルカリ金属塩、特に好ましいのはナトリウム塩である。
【0014】
水溶性ビニルモノマー(a1)又は加水分解性ビニルモノマー(a2)のいずれかを構成単位とする場合、それぞれ1種を単独で構成単位としてもよく、また、必要により2種以上を構成単位としても良い。また、水溶性ビニルモノマー(a1)及び加水分解性ビニルモノマー(a2)を構成単位とする場合も同様である。また、水溶性ビニルモノマー(a1)及び加水分解性ビニルモノマー(a2)を構成単位とする場合、これらの含有モル比[(a1)/(a2)]は、75/25〜99/1が好ましく、更に好ましくは85/15〜95/5、特に好ましくは90/10〜93/7、最も好ましくは91/9〜92/8である。この範囲内であると、吸収性能が更に良好となる。
【0015】
水溶性ビニルモノマー(a1)及び加水分解性ビニルモノマー(a2)の他に、これらと共重合可能なその他のビニルモノマー(a3)を構成単位とすることができる。その他のビニルモノマー(a3)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0016】
共重合可能なその他のビニルモノマー(a3)としては特に限定はなく、公知(例えば、特許第3648553号公報の0028〜0029段落に開示されている疎水性ビニルモノマー、特開2003−165883号公報の0025段落及び特開2005−75982号公報の0058段落に開示されているビニルモノマー等)の疎水性ビニルモノマー等が使用でき、具体的には例えば下記の(i)〜(iii)のビニルモノマー等が使用できる。
(i)炭素数8〜30の芳香族エチレン性モノマー
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン及びヒドロキシスチレン等のスチレン、並びにビニルナフタレン及びジクロルスチレン等のスチレンのハロゲン置換体等。
(ii)炭素数2〜20の脂肪族エチレン性モノマー
アルケン(エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン及びオクタデセン等);並びにアルカジエン(ブタジエン及びイソプレン等)等。
(iii)炭素数5〜15の脂環式エチレン性モノマー
モノエチレン性不飽和モノマー(ピネン、リモネン及びインデン等);並びにポリエチレン性ビニルモノマー[シクロペンタジエン、ビシクロペンタジエン及びエチリデンノルボルネン等]等。
【0017】
その他のビニルモノマー(a3)単位の含有量(モル%)は、吸収性能等の観点から、水溶性ビニルモノマー(a1)単位及び加水分解性ビニルモノマー(a2)単位の合計モル数に基づいて、0〜5が好ましく、更に好ましくは0〜3、特に好ましくは0〜2、とりわけ好ましくは0〜1.5であり、吸収性能等の観点から、その他のビニルモノマー(a3)単位の含有量が0モル%であることが最も好ましい。
【0018】
架橋剤(b)としては特に限定はなく公知(例えば、特許第3648553号公報の0031〜0034段落に開示されているエチレン性不飽和基を2個以上有する架橋剤、水溶性置換基と反応し得る官能基を少なくとも1個有してかつ少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する架橋剤及び水溶性置換基と反応し得る官能基を少なくとも2個有する架橋剤、特開2003−165883号公報の0028〜0031段落に開示されているエチレン性不飽和基を2個以上有する架橋剤、エチレン性不飽和基と反応性官能基とを有する架橋剤及び反応性置換基を2個以上有する架橋剤、特開2005−75982号公報の0059段落に開示されている架橋性ビニルモノマー並びに特開2005−95759号公報の0015〜0016段落に開示されている架橋性ビニルモノマー)の架橋剤等が使用できる。これらの内、吸収性能等の観点から、エチレン性不飽和基を2個以上有する架橋剤が好ましく、更に好ましいのは、N,N’−メチレンビスアクリルアミド等のビス(メタ)アクリルアミド類;(ポリ)アルキレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール及びソルビトール等の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート;(ポリ)アルキレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール及びソルビトール等の多価アルコールのポリ(メタ)アリルエーテル、テトラアリロキシエタン並びにトリアリルイソシアヌレート等の多価(メタ)アリル化合物であり、最も好ましいのは多価(メタ)アリル化合物である。架橋剤(b)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0019】
架橋剤(b)単位の含有量(モル%)は、水溶性ビニルモノマー(a1)単位及び加水分解性ビニルモノマー(a2)単位、その他のビニルモノマー(a3)単位も用いる場合は(a1)〜(a3)単位の、合計モル数に基づいて、0.001〜5が好ましく、更に好ましくは0.005〜3、特に好ましくは0.01〜1である。この範囲であると、吸収性能が更に良好となる。
【0020】
本発明の製造方法において、炭素−ヨウ素結合を有する有機ヨウ素化合物(c)は、ラジカル重合のドーマント種になり得るものであれば制限はなく、例えばWO2011/016166にドーマント種として記載の有機ヨウ素化合物等を用いることができる。なかでも反応性の観点から、下記一般式(1)で表される有機ヨウ素化合物が好ましい。
これらの有機ヨウ素化合物(c)は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0022】
一般式(1)中、R
1及びR
2はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜7の飽和炭化水素基又は少なくとも1つの非付加重合性二重結合若しくは少なくとも1つの非付加重合性三重結合を有する炭素数1〜7である1価の基であり、R
3は炭素数1〜7のn価の飽和炭化水素基又は少なくとも1つの非付加重合性二重結合若しくは少なくとも1つの非付加重合性三重結合を有する炭素数2〜12であるn価の基であり、ただし、1分子中、R
1〜R
3のうち少なくとも一つは、前記の、対応する、非付加重合性二重結合又は少なくとも1つの非付加重合性三重結合を有する基であり、nは1〜3の整数であり、nが1である場合にR
1及びR
2は互いに結合していてもよい。
本明細書中、非付加重合性二重結合(以下、単に非重合性二重結合ともいう)及び非付加重合性三重結合(以下、単に非重合性三重結合ともいう)とは、不飽和結合のうち、付加重合性不飽和結合(それぞれ、付加重合性炭素−炭素二重結合及び付加重合性炭素−炭素三重結合)を除いた結合であり、非付加重合性二重結合及び非付加重合性三重結合としては、カルボニル基に含まれる炭素−酸素二重結合、ニトリル基に含まれる炭素−窒素三重結合、芳香族炭化水素を構成する炭素−炭素二重結合及び複素芳香族化合物を構成する酸素−窒素二重結合並びに炭素−窒素二重結合等が挙げられ、なかでもカルボニル基に含まれる炭素−酸素二重結合、ニトリル基に含まれる炭素−窒素三重結合及び芳香族炭化水素を構成する炭素−炭素二重結合が好ましい。
【0023】
R
1及びR
2が炭素数1〜7の飽和炭化水素基である場合、炭素数1〜7の飽和炭化水素基としては、炭素数1〜7の直鎖飽和炭化水素基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基及びn−ヘキシル基等)及び炭素数1〜7の分岐飽和炭化水素基(i−プロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、s−ヘキシル基、t−ヘキシル基、ネオヘキシル基、ヘプチル基等)が挙げられる。なかでも溶解性と重合性の観点等から好ましくは炭素数1〜5の直鎖飽和炭化水素基であり、更に好ましくは炭素数1〜3の直鎖飽和炭化水素基である。
【0024】
R
1及びR
2が少なくとも1つの非重合性二重結合又は少なくとも1つの非重合性三重結合を有する炭素数1〜7である1価の基である場合、好ましい基としてはカルボキシル基(炭素数1、炭素−酸素二重結合)、フェニル基(炭素数6、非重合性炭素−炭素二重結合)、シアノ基(炭素数1、炭素−窒素三重結合)、シアノメチル基(炭素数2、炭素−窒素三重結合)、シアノエチル基(炭素数3、炭素−窒素三重結合)、シアノプロピル基(炭素数4、炭素−窒素三重結合)、シアノブチル基(炭素数5、炭素−窒素三重結合)、シアノペンチル基(炭素数6、炭素−窒素三重結合)、シアノヘキシル基(炭素数7、炭素−窒素三重結合)、カルボキシメチル基(炭素数2、炭素−酸素二重結合)、カルボキシエチル基(炭素数3、炭素−酸素二重結合)、カルボキシプロピル基(炭素数4、炭素−酸素二重結合)、カルボキシブチル基(炭素数5、炭素―酸素二重結合)、カルボキシペンチル基(炭素数6、炭素―酸素二重結合)、カルボキシヘキシル基(炭素数7、炭素―酸素二重結合)、ベンジル基(炭素数7、非重合性炭素−炭素二重結合)、メトキシカルボニル基(炭素数2、炭素−酸素二重結合)、エトキシカルボニル基(炭素数3、炭素−酸素二重結合)、プロピルオキシカルボニル基(炭素数4、炭素−酸素二重結合)、ブチルオキシカルボニル基(炭素数5、炭素−酸素二重結合)、ペンチルオキシカルボニル基(炭素数6、炭素−酸素二重結合)、ヘキシルオキシカルボニル基(炭素数7、炭素−酸素二重結合)、ヒドロキシエトキシカルボニル基(炭素数3、炭素−酸素二重結合)、ヒドロキシプロピルオキシカルボニル基(炭素数4、炭素−酸素二重結合)、ヒドロキシブチルオキシカルボニル基(炭素数5、炭素−酸素二重結合)、ヒドロキシペンチルオキシカルボニル基(炭素数6、炭素−酸素二重結合)及びヒドロキシヘキシルオキシカルボニル基(炭素数7、炭素−酸素二重結合)等が挙げられる。
【0025】
R
3は炭素数1〜7のn価の飽和炭化水素基又は少なくとも1つの非重合性二重結合若しくは少なくとも1つの非重合性三重結合を有する炭素数2〜12であるn価の基であり、nは1〜3の整数である。
【0026】
R
3で表される炭素数1〜7のn価の飽和炭化水素基のうち、炭素数1〜7の1価の飽和炭化水素基としては、炭素数1〜7の直鎖飽和炭化水素基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、ヘプチル基等)及び炭素数1〜7の分岐飽和炭化水素基(i−プロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、s−ヘキシル基、t−ヘキシル基、ネオヘキシル基、イソヘプチル基等)が挙げられる。
R
3で表される炭素数1〜7のn価の飽和炭化水素基のうち、炭素数1〜7の2価の飽和炭化水素基としては、炭素数1〜7の2価の直鎖飽和炭化水素基(メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンテン基、ヘキセン基、ヘプテン基等)及び炭素数1〜7の2価の分岐飽和炭化水素基(イソプロピレン基、イソブチレン基、s−ブチレン基、t−ブチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、t−ペンチレン基、1−メチルブチレン基、イソヘキシレン基、s−ヘキシレン基、t−ヘキシレン基、ネオヘキシレン基、イソヘプチレン基等)が挙げられる。
R
3で表される炭素数1〜7のn価の飽和炭化水素基のうち、炭素数1〜7の3価の飽和炭化水素基としては、メチン基等が挙げられる。
R
3で表される炭素数1〜7のn価の飽和炭化水素基のうち、メチル基、メチレン基、メチン基が好ましく、更に好ましくはメチル基、メチレン基である。
【0027】
R
3が少なくとも1つの非重合性二重結合又は少なくとも1つの非重合性三重結合を有する炭素数2〜12であるn価の基のうち、1価の基としては、R
1及びR
2で例示した基と同じ基が挙げられ、好ましいものも同じである。
R
3が少なくとも1つの非重合性二重結合又は少なくとも1つの非重合性三重結合を有する炭素数2〜12である2価の基である場合、好ましい基としては、ベンゼンジイル基(炭素数6、非重合性炭素−炭素二重結合)、1−メトキシカルボニル−カルボニルオキシエチレンオキシカルボニル基(炭素数6、酸素−酸素二重結合)及びカルボニルオキシエチレンカルボニル基(炭素数4、酸素−酸素二重結合)等が挙げられる。
R
3が少なくとも1つの非重合性二重結合又は少なくとも1つの非重合性三重結合を有する炭素数2〜12である3価の基である場合、好ましいものとしては、ベンゼントリイル基(炭素数6、非重合性炭素−炭素二重結合)及び2−カルボニルオキシ−カルボニルオキシプロピレンカルボニル基(炭素数5、酸素−酸素二重結合)等が挙げられる。
【0028】
nが1である場合にR
1及びR
2は互いに結合していてもよく、R
1及びR
2が互いに結合して形成される環構造を有する基としてこのましいものとしては、γ−ブチロラクトニル基及びフルオレニル基等が挙げられる。なお、R
1及びR
2が互いに結合して環構造を形成する基は、R
1及びR
2が結合した炭素原子を環構造中に含む。
【0029】
一般式(1)で表される有機ヨウ素化合物(c)としては、2−ヨードプロピオニトリル、2−メチル−2−ヨードプロピオニトリル、α−ヨードベンジルシアニド、2−ヨードプロピオン酸アミド、2−ヨード−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メチル−ヨードプロピオン酸メチル、2−メチル−ヨードプロピオン酸プロピル、2−メチル−ヨードプロピオン酸ブチル、2−メチル−ヨードプロピオン酸ペンチル、2−メチル−ヨードプロピオン酸ヒドロキシエチル、2−メチル−2−ヨード−プロピオン酸、2−ヨードプロピオン酸、2−ヨード酢酸、2−ヨード酢酸メチル、2−ヨード酢酸エチル、2−ヨードペンタン酸エチル、2−ヨードペンタン酸メチル、2−ヨードペンタン酸、2−ヨードヘキサン酸、2−ヨードヘプタン酸、2,5−ジヨードアジピン酸ジエチル、2,5−ジヨードアジピン酸、2,6−ジヨード−ヘプタン二酸ジメチル、2,6−ジヨード−ヘプタン二酸、α−ヨード−γ−ブチロラクトン、2−ヨードアセトフェノン、ベンジルヨージド、2−ヨード−2−フェニル酢酸、2−ヨード−2−フェニル酢酸メチル、2−ヨード−2−フェニル酢酸エチル、2−ヨード−2−(4’−メチルフェニル)酢酸エチル、2−ヨード−2−フェニル酢酸−ヒドロキシエチル、2−ヨード−2−(4’−ニトロフェニル)酢酸エチル、4−ニトロベンジルヨージド、(1−ヨードエチル)ベンゼン、ヨードジフェニルメタン、9−ヨード−9H−フルオレン、p−キシリレンジヨージド、1,4−ビス(1’−ヨードエチル)ベンゼン、エチレングリコールビス(2−メチル―2−ヨード―プロピネート)、トリス(2−メチル−ヨードプロピオン酸)グリセロール、1,3,5−トリス(1’−ヨードエチルベンゼン)、エチレングリコールビス(2−ヨード―2フェニルアセテート)等が挙げられ、なかでも吸収性能及びかぶれ抑制の観点から好ましいものとしては、2−メチル−2−ヨードプロピオニトリル、2−ヨード−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メチル−2−ヨード−プロピオン酸、2−ヨード酢酸、2−ヨード酢酸メチル、2,5−ジヨードアジピン酸ジエチル、2,5−ジヨードアジピン酸、エチレングリコールビス(2−メチル―2−ヨード―プロピネート)、エチレングリコールビス(2−ヨード―2フェニルアセテート)が挙げられる。更に好ましくは、2−メチル−2−ヨードプロピオニトリル、2−ヨード−2−メチルプロピオン酸エチルである。特に好ましくは、2−メチル−2−ヨードプロピオニトリルである。
これらの有機ヨウ素化合物(c)は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0030】
有機ヨウ素化合物(c)の使用量は、上記モノマー(a1)及び(a2)の、その他のビニルモノマー(a3)を用いる場合は(a1)〜(a3)の、重量に基づいて、好ましくは0.0005〜0.1重量%、更に好ましくは0.005〜0.05重量%である。有機ヨウ素化合物(c)の量が0.0005重量%未満では、重合を十分に制御できずに保水及びゲル強度向上の効果が得られない場合がある。一方、0.1重量%を越えると分子鎖が短くなりすぎるため可溶成分が増える場合があり、また経済性が悪い。
【0031】
本発明の製造方法において、ヨウ化物イオンを含む塩(d)は、例えばWO2013/027419に触媒化合物として記載の非金属塩及び、金属ヨウ化物塩等を用いることができる。
【0032】
ヨウ化物イオンを含む塩(d)の好ましい具体例としては、例えば、非金属原子として窒素を有するものとして、各種イミダゾール塩化合物(例えば、1−メチル−3−メチル−イミダゾリウムヨーダイド(EMIZI)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロマイド(EMIZBr))、各種ピリジン塩化合物(例えば、2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨーダイド(CMPI))、各種4級アミン塩化合物(例えば、テトラブチルアンモニウムヨーダイド(BNI)、テトラブチルアンモニウムトリヨーダイド(BNI3)、テトラブチルアンモニウムブロモジヨーダイド(BNBrI
2))、2種類の非金属元素を含む化合物(例えば、ヘキサフェニルジホスファゼニウムクロリド(PPNCl))およびこれらの誘導体が使用可能である。
非金属元素としてリンを有するものとして、各種ホスホニウム塩化合物(例えば、メチルトリブチルホスホニウムヨーダイド(BMPI)、テトラフェニルホスホニウムヨーダイド(PPI))、およびこれらの誘導体などが挙げられる。
非金属元素として硫黄を有するものとして、トリブチルスルホニウムヨーダイド(BSI)、およびこれらの誘導体などが挙げられる。
非金属元素としてヨウ素を有するものとして、ジフェニルヨードニウムヨーダイド(PII)などが挙げられる。
金属ヨウ化物塩として、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属類;ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属類;アルミニウム等の典型金属類;鉄や銅、亜鉛等の遷移金属類、のヨウ化物塩が挙げられる。
【0033】
これらの内、反応性の観点から金属ヨウ化物塩が好ましく、更に好ましくはアルカリ金属ヨウ化物塩及びアルカリ土類金属ヨウ化物塩、最も好ましくはヨウ化ナトリウム又はヨウ化カリウムである。
これらのヨウ化物イオンを含む塩(d)は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0034】
ヨウ化物イオンを含む塩(d)の使用量は、上記モノマー(a1)及び(a2)の、その他のビニルモノマー(a3)を用いる場合は(a1)〜(a3)の、重量に基づいて、好ましくは0.0005〜0.1重量%、更に好ましくは0.005〜0.05重量%である。ヨウ化物イオンを含む塩(d)の量が0.0005重量%未満では、重合を十分に制御できずに保水及びゲル強度向上の効果が得られない場合がある。一方、0.1重量%を越えると分子鎖が短くなりすぎるため可溶成分が増える場合があり、また経済性が悪い。
【0035】
本発明の製造方法において、水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解性ビニルモノマー(a2)並びに架橋剤(b)を含む単量体組成物を前記の有機ヨウ素化合物(c)及びヨウ化物イオンを含む塩(d)の存在下に重合する工程は、従来知られているいずれの方法でもよく、例えば、水溶液重合(断熱重合、薄膜重合及び噴霧重合法等;特開昭55−133413号公報等)及び逆相懸濁重合(特公昭54−30710号公報、特開昭56−26909号公報及び特開平1−5808号公報等)等]等の公知の重合を前記の有機ヨウ素化合物(c)及びヨウ化物イオンを含む塩(d)の存在下で行うことで実施することが出来る。
【0036】
水溶液重合を行う場合、水と有機溶媒とを含む混合溶媒を使用することができる。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド及びこれらの2種以上の混合物を挙げられる。
水溶液重合を行う場合、有機溶媒の使用量(重量%)は、水の重量を基準として40以下が好ましく、更に好ましくは30以下である。
【0037】
重合方法が懸濁重合法又は逆相懸濁重合法である場合、必要に応じて、従来公知の分散剤又は界面活性剤の存在下に重合を行っても良い。また、逆相懸濁重合法の場合、従来公知のキシレン、ノルマルヘキサン及びノルマルヘプタン等の炭化水素系溶媒を使用して重合を行うことができる。
【0038】
重合方法のうち、有機溶媒等を使用する必要がなく生産コスト面で有利なことから、好ましいのは水溶液重合法であり、保水量が大きく、且つ水可溶性成分量の少ない水性液体吸収性樹脂が得られ、重合時の温度コントロールが不要である点から、水溶液断熱重合法が更に好ましい。
【0039】
重合時の水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解性ビニルモノマー(a2)、その他のビニルモノマー(a3)を用いる場合は(a1)〜(a3)、並びに架橋剤(b)を含む単量体組成物の重量パーセント濃度は重合開始時の重合液の総重量に対して20〜55%が好ましい。この範囲より低い場合には生産性が悪くなる場合があり、高い場合には十分なゲル強度を得ることができない場合がある。
【0040】
前記の単量体組成物の重合において、必要に応じて公知のラジカル開始剤を用いることが出来る。
公知のラジカル開始剤としては、アゾ化合物[アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシアノ吉草酸及び2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]等]、無機過酸化物(過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム及び過硫酸ナトリウム等)、有機過酸化物[過酸化ベンゾイル、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、コハク酸パーオキサイド及びジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート等]、レドックス触媒(アルカリ金属の亜硫酸塩又は重亜硫酸塩、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸アンモニウム及びアスコルビン酸等の還元剤とアルカリ金属の過硫酸塩、過硫酸アンモニウム、過酸化水素及び有機過酸化物等の酸化剤との組み合わせよりなるもの)、光ラジカル発生剤[2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン−ヒドロキシアルキルフェノン、α−アミノアルキルフェノン等]等があげられる。これらのラジカル開始剤は、単独で使用してもよく、これらの2種以上を併用しても良い。
【0041】
ラジカル開始剤の使用量(重量%)は、水溶性ビニルモノマー(a1)及び加水分解性ビニルモノマー(a2)の、その他のビニルモノマー(a3)を用いる場合は(a1)〜(a3)の、合計重量に基づいて、0.0005〜5が好ましく、更に好ましくは0.001〜2である。
【0042】
水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解性ビニルモノマー(a2)並びに架橋剤(b)を含む単量体組成物を前記の有機ヨウ素化合物(c)及びヨウ化物イオンを含む塩(d)の存在下に重合する際の重合開始温度は、0〜100℃が好ましい。この範囲より低い場合には水溶液が凍結する可能性があり生産が困難であり、高い場合には重合時の温度が高くなり可溶分が増える可能性がある。
【0043】
前記の重合する工程によって、架橋重合体(以下、架橋重合体(A)ともいう)の重合ゲルが得られ、この重合ゲルは、必要に応じて細断することができる。細断後のゲルの大きさ(最長径)は50μm〜10cmが好ましく、更に好ましくは100μm〜2cm、特に好ましくは1mm〜1cmである。この範囲であると、乾燥工程での乾燥性が更に良好となる。
【0044】
細断は、公知の方法で行うことができ、細断装置(例えば、ベックスミル、ラバーチョッパ、ファーマミル、ミンチ機(ミートチョッパー)、衝撃式粉砕機及びロール式粉砕機)等を使用して細断できる。また、必要に応じて、上記のようにして得られる重合ゲルにアルカリを混合して中和することもできる。
アルカリは、公知{特許第3205168号公報等}のものが使用できる。これらのうち、吸水性能の観点から、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムが好ましく、さらに好ましくは水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム、特に好ましくは水酸化ナトリウムである。中和率は、通液性の観点から、20〜100モル%が好ましく、更に好ましくは、50〜80モル%である。中和度が50モル%未満の場合、得られる含水ゲル重合体の粘着性が高くなり、製造時及び使用時の作業性が悪化する場合がある。更に得られる吸水性樹脂の保水量が低下する場合がある。一方、中和度が80%を超える場合、得られた樹脂のpHが高くなり人体の皮膚に対する安全性が懸念される場合がある。
【0045】
本発明の製造方法は、前記の重合ゲルから水及び/又は有機溶剤を留去する工程を含むことが好ましい。水及び/又は有機溶剤を留去する方法としては、80〜400℃の温度の熱風で留去(乾燥)する方法、100〜230℃に加熱されたドラムドライヤー等による薄膜乾燥法、(加熱)減圧乾燥法、凍結乾燥法、赤外線による乾燥法、デカンテーション及び濾過等が適用できる。
【0046】
重合に溶媒(有機溶媒及び水等)を使用する場合、重合後に溶媒を留去することが好ましい。溶媒に有機溶媒を含む場合、留去後の有機溶媒の含有量(重量%)は、架橋重合体(A)の重量に基づいて、0〜10が好ましく、更に好ましくは0〜5、特に好ましくは0〜3、最も好ましくは0〜1である。この範囲であると、吸水性樹脂粒子の吸収性能が更に良好となる。
【0047】
溶媒に水を含む場合、留去後の水分(重量%)は、架橋重合体(A)の重量に基づいて、0〜20が好ましく、更に好ましくは0.5〜10、特に好ましくは1〜9、最も好ましくは2〜8である。この範囲であると、吸収性能が更に良好となる。
【0048】
なお、有機溶媒の含有量及び水分は、例えば、赤外水分測定器[(株)KETT社製JE400等:120±5℃、30分、加熱前の雰囲気湿度50±10%RH、ランプ仕様100V、40W]により加熱したときの測定試料の重量減量から求められるが、この手法及びこの機器に限定されない。
【0049】
本発明の製造方法は、重合ゲルから水及び/又は有機溶剤を留去した後に粉砕する工程を含むことが好ましく、粉砕により好ましく吸水性樹脂粒子が得られる。粉砕する方法については、特に限定はなく、粉砕装置(例えば、ハンマー式粉砕機、衝撃式粉砕機、ロール式粉砕機及びシェット気流式粉砕機、あるいは、実験室規模ではジューサーミキサーも可能)等が使用できる。粉砕による得られる吸水性樹脂粒子は、必要によりふるい分け等により粒度調整できる。
【0050】
必要によりふるい分けした場合の重量平均粒子径(μm)は、100〜800が好ましく、更に好ましくは200〜700、次に好ましくは250〜600、特に好ましくは300〜500、最も好ましくは350〜450である。この範囲であると、吸収性能が更に良好となる。
【0051】
なお、重量平均粒子径は、ロータップ試験篩振とう機及び標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いて、ペリーズ・ケミカル・エンジニアーズ・ハンドブック第6版(マックグローヒル・ブック・カンバニー、1984、21頁)に記載の方法で測定される。すなわち、JIS標準ふるいを、上から1000μm、850μm、710μm、500μm、425μm、355μm、250μm、150μm、125μm、75μm及び45μm、並びに受け皿、の順に組み合わせる。最上段のふるいに測定粒子の約50gを入れ、ロータップ試験篩振とう機で5分間振とうさせる。各ふるい及び受け皿上の測定粒子の重量を秤量し、その合計を100重量%として各ふるい上の粒子の重量分率を求め、この値を対数確率紙[横軸がふるいの目開き(粒子径)、縦軸が重量分率]にプロットした後、各点を結ぶ線を引き、重量分率が50重量%に対応する粒子径を求め、これを重量平均粒子径とする。
【0052】
また、微粒子の含有量は、少ない方が吸収性能が良好となるため、架橋重合体(A)の合計重量に占める106μm以下(好ましくは150μm以下)の微粒子の含有率(重量%)は3以下が好ましく、更に好ましくは1以下である。微粒子の含有量は、上記の重量平均粒子径を求める際に作成するグラフを用いて求めることができる。
【0053】
前記の粉砕する工程を行った後の形状については特に限定はなく、不定形破砕状、リン片状、パール状及び米粒状等が挙げられる。これらの内、紙おむつ用途等での繊維状物とのからみが良く、繊維状物からの脱落の心配がないという観点から、不定形破砕状が好ましい。
【0054】
本発明の製造方法は、架橋重合体(A)又は前記重合ゲルを特開2013−231199等に記載の方法等により必要に応じて疎水性物質で処理してもよい。
【0055】
本発明の製造方法は、架橋重合体(A)を更に表面架橋する工程を有することが好ましい。表面架橋することにより更にゲル強度を向上させることができ、実使用において望ましい保水量と荷重下における吸収量とを満足させることができる。
【0056】
架橋重合体(A)を表面架橋する方法としては、従来公知の方法、例えば、吸水性樹脂を粒子状とした後、表面架橋剤(e)、水及び溶媒の混合溶液を混合し、加熱反応する方法が挙げられる。混合する方法としては、架橋重合体(A)に上記混合溶液を噴霧するか、上記混合溶液に架橋重合体(A)をディッピングする方法等が挙げられ、好ましくは、架橋重合体(A)に上記混合溶液を噴霧して混合する方法である。
【0057】
表面架橋剤(e)としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル及びポリグリセロールポリグリシジルエーテル等のポリグリシジル化合物、グリセリン及びエチレングリコール等の多価アルコール、エチレンカーボネート、ボリアミン並びに多価金属化合物等が挙げられる。これらの内、比較的低い温度で架橋反応を行うことができる点で好ましいのは、ポリグリシジル化合物である。これらの表面架橋剤は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0058】
表面架橋剤(e)の使用量は、架橋前の吸水性樹脂の重量に基づいて、好ましくは0.001〜5重量%、更に好ましくは0.005〜2重量%である。表面架橋剤(e)の使用量が0.001重量%未満の場合は、表面架橋度が不足し、荷重下における吸収量の向上効果が不充分となる場合がある。一方、(e)の使用量が5重量%を超える場合は、表面の架橋度が過度となりすぎて保水量が低下する場合がある。
【0059】
表面架橋時の水の使用量は、架橋前の吸水性樹脂の重量に基づいて、好ましくは0.5〜10重量%、更に好ましくは1〜7重量%である。水の使用量が0.5重量%未満の場合、表面架橋剤(e)の吸水性樹脂粒子内部への浸透度が不充分となり、荷重下における吸収量の向上効果が乏しくなる場合がある。一方、水の使用量が10重量%を越えると、表面架橋剤(e)の内部への浸透が過度となり、荷重下における吸収量の向上は認められるものの、保水量が低下する場合がある。
【0060】
表面架橋時に水と併用して使用される溶媒としては従来公知のものが使用可能であり、表面架橋剤(d)の吸水性樹脂粒子内部への浸透度合い、表面架橋剤(e)の反応性等を考慮し、適宜選択して使用することができるが、好ましくは、メタノール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等の水に溶解しうる親水性有機溶媒である。溶媒は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
溶媒の使用量は、溶媒の種類により適宜調整できるが、表面架橋前の吸水性樹脂の重量に基づいて、好ましくは1〜10重量%である。また、水に対する溶媒の比率についても任意に調整することができるが、好ましくは重量基準で20〜80重量%、更に好ましくは30〜70重量%である。
【0061】
表面架橋を行うには、表面架橋剤(e)と水と溶媒との混合溶液を従来公知の方法で吸水性樹脂粒子と混合し、加熱反応を行う。反応温度は、好ましくは100〜230℃、更に好ましくは120〜180℃である。反応時間は、反応温度により適宜調整することができるが、好ましくは3〜60分、更に好ましくは10〜45分である。表面架橋して得られる粒子状の吸水性樹脂を、最初に用いた表面架橋剤と同種又は異種の表面架橋剤を用いて、更に表面架橋することも可能である。
【0062】
表面架橋の後、必要により篩別して粒度調整する工程を行ってもよい。粒度調整後に得られた粒子の重量平均粒経は、好ましくは100〜600μm、更に好ましくは200〜500μmである。微粒子の含有量は少ない方が好ましく、100μm以下の粒子の含有量は3重量%以下であることが好ましく、150μm以下の粒子の含有量が3重量%以下であることが更に好ましい。
【0063】
本発明の製造方法においては、任意の段階で、防腐剤、防かび剤、抗菌剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、芳香剤、消臭剤、多価金属塩、無機質粉末及び有機質繊維状物等を添加することができ、その量は得られた吸水性樹脂の重量に基づいて、好ましくは5重量%以下である。また、必要により本発明の方法における任意の段階で発泡構造を形成するような処理を行ってもよいし、造粒や成型を行うこともできる。
【0064】
本発明の製造方法で得られる吸水性樹脂粒子の見掛け密度(g/ml)は、0.50〜0.80が好ましく、更に好ましくは0.51〜0.75、特に好ましくは0.52〜0.70である。この範囲であると、吸収性物品の耐カブレ性が更に良好となる。なお、見掛け密度は、たとえば、JIS K7365:1999に準拠して、25℃で測定することができる。
【0065】
本発明の製造方法により得られる吸水性樹脂粒子の生理食塩水に対する保水量は、表面架橋を行わない場合は、好ましくは50g/g以上70g/g以下であり、更に好ましくは53g/g以上67g/g以下である。表面架橋を行った場合には、好ましくは30g/g以上60g/g以下であり、更に好ましくは35g/g以上50g/g以下である。保水量が低いとおむつの吸収量が少なくなり、保水量が高すぎる場合には可溶分が多くなり好ましくない。尚、保水量は後述する方法で測定される。
【0066】
本発明の製造方法により得られる吸水性樹脂粒子の生理食塩水に対する可溶分量は、表面架橋を行わない場合は、好ましくは0〜12%であり、更に好ましくは0〜10%である。表面架橋を行った場合には、好ましくは0〜10%であり、更に好ましくは0〜8%である。この範囲であれば、膨潤ゲルのべとつき感が抑えられる。尚、可溶分量は後述する方法で測定される。
【0067】
本発明の製造方法で得られる吸水性樹脂粒子は、単独で吸収体として用いても良く、他の材料と共に用いて吸収体としても良い。
他の材料としては繊維状物等が挙げられる。繊維状物と共に用いた場合の吸収体の構造及び製造方法等は、公知のもの(特開2003−225565号公報、特開2006−131767号公報及び特開2005−097569号公報等)と同様である。
【0068】
上記繊維状物として好ましいのは、セルロース系繊維、有機系合成繊維及びセルロース系繊維と有機系合成繊維との混合物である。
【0069】
セルロース系繊維としては、例えばフラッフパルプ等の天然繊維、ビスコースレーヨン、アセテート及びキュプラ等のセルロース系化学繊維が挙げられる。このセルロース系天然繊維の原料(針葉樹及び広葉樹等)、製造方法(ケミカルパルプ、セミケミカルパルプ、メカニカルパルプ及びCTMP等)及び漂白方法等は特に限定されない。
【0070】
有機系合成繊維としては、例えばポリプロピレン系繊維、ポリエチレン系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリエステル系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリウレタン系繊維及び熱融着性複合繊維(融点の異なる上記繊維の少なくとも2種を鞘芯型、偏芯型、並列型等に複合化された繊維、上記繊維の少なくとも2種をブレンドした繊維及び上記繊維の表層を改質した繊維等)が挙げられる。
【0071】
これらの繊維状物の内で好ましいのは、セルロース系天然繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリエチレン系繊維、ポリエステル系繊維、熱融着性複合繊維及びこれらの混合繊維であり、更に好ましいのは、得られた吸収体の吸水後の形状保持性に優れるという点で、フラッフパルプ、熱融着性複合繊維及びこれらの混合繊維である。
【0072】
上記繊維状物の長さ、太さについては特に限定されず、長さは1〜200mm、太さは0.1〜100デニールの範囲であれば好適に使用することができる。形状についても繊維状であれば特に限定されず、細い円筒状、スプリットヤーン状、ステープル状、フィラメント状及びウェブ状等が例示される。
【0073】
前記の吸水性樹脂粒子を、繊維状物と共に吸収体とする場合、吸水性樹脂粒子と繊維の重量比率(吸水性樹脂粒子の重量/繊維の重量)は40/60〜90/10が好ましく、更に好ましくは70/30〜80/20である。
【0074】
前記の吸水性樹脂粒子を含む吸収体は、吸収性物品として用いることができる。吸収性物品としては、紙おむつや生理用ナプキン等の衛生用品のみならず、後述する各種水性液体の吸収や保持剤用途、ゲル化剤用途等の各種用途に使用されるものとして適用可能である。吸収性物品の製造方法等は、公知のもの(特開2003−225565号公報、特開2006−131767号公報及び特開2005−097569号公報等に記載のもの)と同様である。
【実施例】
【0075】
以下、実施例及び比較例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、部は重量部、%は重量%を示す。なお、吸水性樹脂粒子の生理食塩水に対する保水量、荷重下吸収量及び可溶分量は以下の方法により測定した。
【0076】
<保水量の測定方法>
目開き63μm(JIS Z8801−1:2006)のナイロン網で作製したティーバッグ(縦20cm、横10cm)に測定試料1.00gを入れ、生理食塩水(食塩濃度0.9%)1,000ml中に無撹拌下、1時間浸漬した後引き上げて、15分間吊るして水切りした。その後、ティーバッグごと、遠心分離器にいれ、150Gで90秒間遠心脱水して余剰の生理食塩水を取り除き、ティーバックを含めた重量(h1)を測定し次式から保水量を求めた。(h2)は、測定試料の無い場合について上記と同様の操作により計測したティーバックの重量である。なお、使用した生理食塩水及び測定雰囲気の温度は25℃±2℃であった。
保水量(g/g)=(h1)−(h2)
【0077】
<荷重下吸収量の測定方法>
目開き63μm(JIS Z8801−1:2006)のナイロン網を底面に貼った円筒型プラスチックチューブ(内径:25mm、高さ:34mm)内に、30メッシュふるいと60メッシュふるいを用いて250〜500μmの範囲にふるい分けした測定試料0.16gを秤量し、円筒型プラスチックチューブを垂直にしてナイロン網上に測定試料がほぼ均一厚さになるように整えた後、この測定試料の上に分銅(重量:210.6g、外径:24.5mm、)を乗せた。この円筒型プラスチックチューブ全体の重量(M1)を計量した後、生理食塩水(食塩濃度0.9%)60mlの入ったシャーレ(直径:12cm)の中に測定試料及び分銅の入った円筒型プラスチックチューブを垂直に立ててナイロン網側を下面にして浸し、60分静置した。60分後に、円筒型プラスチックチューブをシャーレから引き上げ、これを斜めに傾けて底部に付着した水を一箇所に集めて水滴として垂らすことで余分な水を除去した後、測定試料及び分銅の入った円筒型プラスチックチューブ全体の重量(M2)を計量し、次式から加圧下吸収量を求めた。なお、使用した生理食塩水及び測定雰囲気の温度は25℃±2℃であった。
荷重下吸収量(g/g)={(M2)−(M1)}/0.16
【0078】
<可溶分量の測定方法>
300mLビーカーに生理食塩水(食塩濃度0.9%)200mLと測定試料1.20gを入れ、マグネティックスターラーで150rpmに攪拌下、3時間攪拌した。その後、ADVANTEC社製定性濾紙(No.2)を用いて濾過した。濾液40mlを生理食塩水(食塩濃度0.9%)10mlで希釈し、測定溶液とする。この測定溶液を、まず、1/50NのKOH水溶液でpH10まで滴定を行い(滴定に用いた液量をW1(mL)とする)、次いで1/10NのHCl水溶液でpH2.7まで滴定する(滴定に用いた液量をW2(mL)とする)。また空試験として生理食塩水50mLを1/50NのKOH水溶液でpH10まで滴定を行い(滴定に用いた液量をW3(mL)とする)、次いで1/20NのHCl水溶液でpH2.7まで滴定する(滴定に用いた液量をW4(mL)とする)。なお、使用した生理食塩水及び測定雰囲気の温度は25℃±2℃であった。可溶分量は、吸水性樹脂に対する生理食塩水抽出成分の重量%であり、抽出成分が全てポリアクリル酸(塩)であると仮定した数値として次式から求めた。
可溶分量(%)=3.92×(W2−W4)−0.183×(W1−W3)
【0079】
<実施例1>
アクリル酸300部、架橋剤としてのペンタエリスリトールトリアリルエーテル(ダイソー製)0.83部(アクリル酸のモル数に対して0.078モル%)、2−メチル−2−ヨードプロピオニトリル(TCI製)0.03部及びイオン交換水690部を混合してモノマー水溶液を調製し、この混合液を断熱重合可能な重合槽に投入した。溶液中に窒素ガスを導入することにより、溶液中の溶存酸素量を0.2ppm以下とし、溶液温度を5℃とした。この重合溶液に、1%過酸化水素水溶液1.2部、2%アスコルビン酸水溶液2.3部、3%ヨウ化ナトリウム水溶液0.7部及び2%の2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]水溶液4.5部を添加・混合した。重合開始を示す温度上昇が確認されてから約1時間後に90℃でほぼ平衡に達し、更に5時間熟成して含水ゲル状重合体を得た。
この含水ゲル状重合体を、ミートチョッパーを用いて小片に砕断しながら、49%のNaOH水溶液247部を添加し、重合体中のカルボキシル基の約72モル%をナトリウム塩とした。この中和された含水ゲルを、通気熱風乾燥機(井上金属製)を用い、供給風温150℃、風速1.5m/秒の条件下で含水率が3%となるまで通気乾燥した。乾燥体をジューサーミキサー(Oster社製OSTERIZER BLENDER)にて粉砕した後、ふるい分けして、目開き710〜150μmの粒子径範囲に調整して、吸水性樹脂粒子(A1−1)を得た。
【0080】
<実施例2>
実施例1において、3%ヨウ化ナトリウム水溶液0.7部を3%ヨウ化カリウム水溶液1.2部に変更する以外は、実施例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂粒子(A1−2)を得た。
【0081】
<実施例3>
実施例1において、3%ヨウ化ナトリウム水溶液0.7部を3%ヨウ化セシウム水溶液3.0部に変更する以外は、実施例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂粒子(A1−3)を得た。
【0082】
<実施例4>
実施例1において、3%ヨウ化ナトリウム水溶液0.7部を3%ヨウ化カルシウム水溶液4.0部に変更する以外は、実施例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂粒子(A1−4)を得た。
【0083】
<実施例5>
実施例1において、2−メチル−2−ヨードプロピオニトリル(TCI製)0.03部を2−ヨード−2−メチルプロピオン酸エチル(TCI製)0.03部に変更する以外は、実施例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂粒子(A1−5)を得た。
【0084】
<実施例6>
吸水性樹脂(A1−1)100部を攪拌(ホソカワミクロン製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm)しながら、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.09部、水3.4部及びプロピレングリコール1.4部からなる溶液を噴霧して添加して混合し、140℃で45分加熱して表面架橋を行い、吸水性樹脂粒子(A2−1)を得た。
【0085】
<実施例7>
吸水性樹脂(A1−2)100部を攪拌(ホソカワミクロン製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm)しながら、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.02部、水0.5部及びプロピレングリコール0.4部からなる溶液を噴霧して添加して混合し、140℃で45分加熱して表面架橋を行い、吸水性樹脂粒子(A2−2)を得た。
【0086】
<実施例8>
吸水性樹脂(A1−3)100部を攪拌(ホソカワミクロン製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm)しながら、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.06部、水1.1部及びプロピレングリコール0.8部からなる溶液を噴霧して添加して混合し、140℃で45分加熱して表面架橋を行い、吸水性樹脂粒子(A2−3)を得た。
【0087】
<実施例9>
吸水性樹脂(A1−4)100部を攪拌(ホソカワミクロン製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm)しながら、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.05部、水1.0部及びプロピレングリコール0.8部からなる溶液を噴霧して添加して混合し、140℃で45分加熱して表面架橋を行い、吸水性樹脂粒子(A2−4)を得た。
【0088】
<実施例10>
吸水性樹脂(A1−5)100部を攪拌(ホソカワミクロン製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm)しながら、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.09部、水4.6部及びプロピレングリコール1.4部からなる溶液を噴霧して添加して混合し、140℃で45分加熱して表面架橋を行い、吸水性樹脂粒子(A2−5)を得た。
【0089】
<比較例1>
実施例1において、2−ヨード−2−メチルプロピオニトリルおよび3%ヨウ化ナトリウム水溶液を用いなかった以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較用の吸水性樹脂粒子(R1−1)を得た。
【0090】
<比較例2>
実施例1において、2−ヨード−2−メチルプロピオニトリルおよび3%ヨウ化ナトリウム水溶液を用いず、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル0.83部を0.58部(アクリル酸のモル数に対して0.054モル%)に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較用の吸水性樹脂粒子(R1−2)を得た。
【0091】
<比較例3>
実施例1において、2−ヨード−2−メチルプロピオニトリルの代わりに次亜リン酸ナトリウム一水和物0.23部を使用し、3%ヨウ化ナトリウム水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較用の吸水性樹脂粒子(R1−3)を得た。
【0092】
<比較例4>
吸水性樹脂(A1−1)に代えて比較用の吸水性樹脂粒子(R1−1)を使用する以外は実施例5と同様にして、比較用の吸水性樹脂粒子(R2−1)を得た。
【0093】
<比較例5>
吸水性樹脂(A1−1)に代えて比較用の吸水性樹脂粒子(R1−2)を使用する以外は実施例5と同様にして、比較用の吸水性樹脂粒子(R2−2)を得た。
【0094】
<比較例6>
吸水性樹脂(A1−2)に代えて比較用の吸水性樹脂粒子(R1−2)を使用する以外は実施例6と同様にして、比較用の吸水性樹脂粒子(R2−3)を得た。
【0095】
得られた吸水性樹脂粒子(A1−1)〜(A1−4)及び比較用の吸水性樹脂粒子(R1−1)〜(R1−3)の保水量、可溶分量の評価結果を表1に示した。
また、得られた吸水性樹脂粒子(A2−1)〜(A2−4)及び比較用の吸水性樹脂粒子(R2−1)〜(R2−3)の保水量、荷重下吸収量、可溶分量の評価結果を表2に示した。
【0096】
【表1】
【0097】
【表2】
【0098】
表1及び表2の結果から、本発明の製造方法で得られる吸水性樹脂粒子は、比較例の吸水性樹脂粒子に比べて、保水量が高いにも関わらず可溶分量が少ないことがわかる。例えば、比較例3は、保水量が高いにも関わらず本発明の吸水性樹脂粒子に比べて可溶分量が多いことを示し、比較例1は、可溶分量が少ないものの、保水量が低い。比較例2は、架橋剤の使用量を減らして保水量を高める従来手法に相当するが、0005段落で言及したとおり可溶分量が増えている。また、表2の結果から、比較例の吸水性樹脂に比べて本発明の吸水性樹脂粒子は、同等以上の保水量を有しながら荷重下吸収量が向上しつつ、可溶分量が減少しており、吸収性能が飛躍的に向上していることが分かる。