(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6861621
(24)【登録日】2021年4月1日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】ペン針アセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61M 5/46 20060101AFI20210412BHJP
【FI】
A61M5/46
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-241969(P2017-241969)
(22)【出願日】2017年12月18日
(62)【分割の表示】特願2015-550683(P2015-550683)の分割
【原出願日】2013年12月20日
(65)【公開番号】特開2018-99515(P2018-99515A)
(43)【公開日】2018年6月28日
【審査請求日】2018年1月12日
【審判番号】不服2019-14249(P2019-14249/J1)
【審判請求日】2019年10月25日
(31)【優先権主張番号】61/746,109
(32)【優先日】2012年12月26日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/746,108
(32)【優先日】2012年12月26日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/746,103
(32)【優先日】2012年12月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ ベイツ
(72)【発明者】
【氏名】ロバート バニク
(72)【発明者】
【氏名】アビヒジシン エス.ラジ
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア ハー
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ ブリッツォラーラ
(72)【発明者】
【氏名】アミット リメイエ
【合議体】
【審判長】
芦原 康裕
【審判官】
高木 彰
【審判官】
栗山 卓也
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2011/101351(WO,A1)
【文献】
国際公開第2011/034576(WO,A1)
【文献】
国際公開第2012/000554(WO,A1)
【文献】
特表2012−519546(JP,A)
【文献】
特開平8−52213(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/46
A61M 5/34
A61M 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.薬剤ペンの遠位端への取付けのために構成されている再使用可能なアダプタであり、前記薬剤ペンの内部にアクセスする近位針および患者端部針アセンブリと結合する遠位面上のフィッティングを有する、再使用可能なアダプタと、
b.前記アダプタの前記遠位面上の前記フィッティングと結合するために構成されている基部および前記基部の遠位端から延出している患者端部針を有する使い捨て患者端部針アセンブリとを含み、
前記アダプタ上の前記フィッティングはテーパが付けられており、前記針アセンブリには、ロック用突出部が設けられ、前記針アセンブリは前記テーパに対応する部分を有し、前記ロック用突出部は、前記フィッティングの前記アダプタの内部に位置する近位端にロックし、その結果、前記針アセンブリと前記アダプタとの漏出のない係合のために、前記対応する部分は、前記テーパが付けられたフィッティングに係合し、
前記アダプタに弁または隔壁が設けられており、前記薬剤ペンの前記内部からの流体漏出を防止することを特徴とするペン針。
【請求項2】
前記基部と結合し、使用前に前記患者端部針の周囲に滅菌閉鎖物を形成する、前記針アセンブリ上のカップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のペン針。
【請求項3】
前記針アセンブリは、使用前の前記患者端部針の周囲の前記滅菌閉鎖物の一部として剥取り可能なラベルをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載のペン針。
【請求項4】
前記フィッティングは、前記アダプタのオリフィスを包囲することを特徴とする請求項1に記載のペン針。
【請求項5】
前記アダプタにアダプタキャップが設けられており、前記針アセンブリが存在しない場合に、前記アダプタの前記遠位端上のオリフィスを覆うことを特徴とする請求項1に記載のペン針。
【請求項6】
前記アダプタの前記近位針は、前記アダプタのハブと一体に成形されているプラスチックの非患者端部針であることを特徴とする請求項1に記載のペン針。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペン針をより費用効果が高くかつ使い易くする修正を含む、薬剤ペン(medication pen)などの薬物送達デバイス上に設置され得るペン針に関する。
【背景技術】
【0002】
本願は、その全体が参照により援用されている、2013年12月26日に出願された米国特許仮出願第61/746,108号明細書、2013年12月26日に出願された米国特許仮出願第61/746,109号明細書、2013年12月26日に出願された米国特許仮出願第61/746,103号明細書の利益を主張するものである。
【0003】
ペン針は、自己投与注射剤用の薬剤送達システムにおいて広く使用されている。一般的に使用されるペン針は、針付きハブ(needle-bearing hub)を通って延在する単一のステンレス鋼カニューレを有する。針の非患者端部は薬剤ペンの薬物収納コンパートメント(drug storage compartment)の閉鎖物を突き刺し、一方、針の患者端部は患者の組織内への挿入に適合されている。したがって、従来のペン針では、単一のカニューレが使用されるので、カニューレの両端部が同一の内径および外径を有する。患者の快適さのために好適である可能性があるそのより細いゲージの針が、ペン針が薬剤ペン上に設置された場合に薬剤コンパートメントの隔壁を確実に突き刺さないという点において、問題が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に入手可能なペン針の別の欠点が、それらは、針が最適な侵入深さに到達したというインジケーションを使用者に与えないことである。注入を実施して侵入深さを判定する場合、使用者は主観的な痛覚を頼りにし、それは侵入し過ぎまたは侵入不足という結果になる可能性がある。針が身体に対抗してあまりに強く押された場合に深過ぎる注入が不要な痛みを引き起こす可能性があり、一方、十分に深くない注入が不適切な投薬という結果になる可能性がある。したがって、侵入深さのインジケーションを与えるペン針のニーズがある。
【0005】
先行技術のこれらのかつ他の欠点は、以下の明細書および特許請求の範囲に記載されている本発明により達成される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明者らは、本明細書において、現行製品の一般的な機能特徴を維持すると同時に、低減された材料使用量の、より低コストのペン針を作製する方法を探求した。一態様では、本開示は、ハブと共に一部品に成形されていてもよい、プラスチックの非患者端部カニューレを有するペン針に関する。これは、より大きな直径のカニューレが非患者端部上に使用されて、薬剤カートリッジの隔壁を突き刺す強度をもたらすことができ、一方、注入中の増大された患者の快適さのために、より軽量のゲージのステンレス鋼針が患者端部上に使用されるという利点をもたらす。
【0007】
別の態様では、本発明は、繰り返される使用のために薬剤送達デバイスに取り付けられるアダプタと、一度限りの使用の針とを含む、二部構造を有する針付きハブを有するペン針に向けられている。使い捨て針構成要素の体積は、ハブ全体が使い捨てである従来のペン針と比較されると大幅に低減される。
【0008】
さらに別の態様では、本開示は、いつ完全な注入侵入深さが達成されたか使用者が分かるように、侵入深さの可聴インジケーション、触覚インジケーション、および/または可視インジケーションを与えるペン針に関する。侵入深さインジケーションは、プラスチックの非患者端部カニューレおよび/または2部品ハブを備えた前述のハブ設計と一体にされ得る移動可能なシールドにより、与えられる。
【0009】
このように、一態様では、本発明は、プラスチックの非患者端部針を有する、注入ペン胴体への取付けに適合されているハブと、ハブに取り付けられている金属の患者端部カニューレとを含む、使い捨てペン針である。
【0010】
実施形態では、本発明による患者端部カニューレが33ゲージ以下であり、非患者端部針は患者端部針より大きなゲージである。しかし、本発明は33ゲージの患者端部針に限定されない。
【0011】
別の態様では、本発明によるペン針は、ペンの内部にアクセスする近位針を有する、薬剤ペンの遠位端への取付けのために構成されている再使用可能なアダプタと、患者端部針アセンブリと結合する遠位面上のフィッティングとを含む2つに分かれているハブを含む。使い捨て患者端部針アセンブリは、アダプタの遠位面上のフィッティングと結合するために構成されている基部と、基部の遠位端から延出している患者端部針とを有する。
【0012】
本発明の本態様による実施形態では、ペン針は、基部と結合しかつ使用前に針の周囲に滅菌閉鎖物を形成しかつ使用後に廃棄の安全なアセンブリを形成する、針アセンブリ上のカバーをさらに含む。
【0013】
本発明の本態様による他の実施形態では、アダプタに弁または隔壁が設けられており、針アセンブリが除去された時に、薬剤ペンの内部からの流体漏出を防止する。あるいは、針アセンブリが存在しない場合にアダプタの遠位端上のオリフィスをアダプタが覆うために、別個のキャップが設けられていてもよい。
【0014】
さらに別の態様では、本発明は、侵入深さの可聴インジケーションおよび/または触覚インジケーションを与えるペン針である。実施形態では、ペン針は、ハブの本体部から遠位方向に延在する中心支柱を有する、薬剤ペンの胴体への取付けに適合されている針付きハブを含む。ハブの本体部は支柱より幅が広い。支柱に、径方向外側に突出している部材と、ハブの本体部に隣接した少なくとも1つの凹部が設けられている。カップ(時には「シールド」と呼ばれる)が、支柱の周囲に径方向に置かれており、穴部を有しており針の通過を可能にしている。カップは、その遠位面上の皮膚接触面と、皮膚接触面から近位方向に延在する側壁とを有する。側壁は、支柱上の外側に突出している部材に係合する、内側に突出している部材を有する。カップは、内側に突出している部材が支柱上の外側に突出している部材の遠位側にある第1の位置から、カップ上の内側に突出している部材がハブの本体部分に隣接した凹部に係合する第2の位置と、移動可能である。第1の位置から第2の位置へのカップの移動が、カップ上の内側に突出している部材とハブの本体部に隣接した凹部との係合から可聴インジケーションおよび/または触覚インジケーションを生成して、針の完全な侵入深さを示す。最適な患者端部針の長さが、薬剤ペンの目的とされている用途のために予め定められている。
【0015】
実施形態では、中心支柱がハブ上に設けられておらず、カップはハブの最も幅の広い部分を覆って受容される。この場合、外側に突出している部材が、ハブの最も幅の広い部分の側面上の径方向外側表面上に設けられており、カップ上の内側に突出している部材に係合してもよい。
【0016】
さらに別の態様では、本発明によるペン針が、最適な侵入深さが達成されたという可視インジケーションを与える。本態様では、カップに少なくとも1つの窓が設けられており、所定の注入深さが達成されたことを使用者が分かるように、第1の位置では窓を通して不可視であるが第2の位置では窓を通して可視であるカラーインジケータ(color indicator)がハブ上に与えられている。
【0017】
可視インジケーションは可聴/触覚インジケーションと組み合わせられてもよく、一般に、侵入深さインジケーションは、前述のプラスチックの非患者端部針および2部品ハブの実施形態と組み合わせられてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態による、プラスチックの非患者端部針を有するペン針の横断面図である。
【
図2】
図1の実施形態によるペン針の等角図である。
【
図3】非患者カニューレを示す、
図1の実施形態によるペン針の等角図である。
【
図4】本発明の別の実施形態による、可聴侵入深さインジケーションカップおよび/または触覚侵入深さインジケーションカップを備えた針付きハブの分解図である。
【
図5】ハブ上に設置されているカップを備えた、
図4のアセンブリの図である。
【
図6】完全な侵入深さを達成する前の状態にある、
図5のアセンブリの側面図である。
【
図7】完全な侵入深さを達成する前の、
図5のアセンブリの横断面側面図である。
【
図8】完全な侵入深さにおける、
図6のアセンブリの横断面側面図である。
【
図9】本発明の一実施形態によるカップの内側の斜視図である。
【
図10】本発明の別の実施形態による2部品ハブの針アセンブリ構成要素の図である。
【
図11】アダプタカバーを備えた2部品ハブのアダプタ構成要素の図である。
【
図13】2部品ハブアセンブリの分解図である。アダプタ、一度限り使用の針、およびカバーを含む。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書に用いられている「遠位」方向は注入部位の方向にあり、「近位」方向はその反対方向である。「軸」方向は注射器胴体の長手方向軸に沿っているかまたはそれに平行である。カニューレは、一般に、薬剤ペン内に軸方向に配置される。「径方向に」は軸方向に対して垂直な方向である。したがって、「径方向内側」は、一般に、針に近接していることを意味する。添付の図は概略的であり、縮尺通りではない。
【0020】
図1は、プラスチックの非患者端部カニューレ30を備えた使い捨てペン針10の横断面である。プラスチックの非患者端部カニューレ30は、ねじ山42、またはパチンと留まり合う協働する戻り止めと突出部などの、本技術分野で既知の他の取付け手段による薬剤ペン等への取付けに適合されている、ハブ40の一部として成形されていてもよい。針の患者端部は、UV治癒可能接着剤などの接着剤、スピン溶接、またはインサート成形でハブ40に取り付けられることが可能である(注射針に類似した)単一の尖った先端を有する、ステンレス鋼カニューレ20である。あるいは、針は、機械的ロックまたは本技術分野で既知の他の手段でハブに取り付けられることが可能である。
【0021】
非患者端部カニューレは患者の組織を突き刺さないため、それはより大きな内径および外径を有して作製されていてもよく、そのことはその要素をより強くし、かつ非患者端部カニューレが薬剤カートリッジの隔壁を突き刺す、薬剤ペンなどの薬剤送達デバイスの薬剤コンパートメント内への挿入に関してより確実にする。非患者端部針は、患者端部針と同一ゲージであることを必要とされず、実際、針の非患者端部は患者端部より大きいことが好ましい。したがって、より安定した突刺し機構が設けられている。実施形態では、患者端部カニューレは33ゲージ以下であり、非患者端部針はより大きなゲージである。
【0022】
非患者端部針は、プラスチックなどのより低弾性率の素材で作製されている場合にも、外径を増大させることにより十分強く作製されることが可能である。好適なポリプロピレンプラスチック材料の最大座屈荷重に基づく内径および外径の例示的計算が以下に示されている。そのような計算は、本発明を限定していると見なされるべきではない。
【0024】
本発明による非患者端部カニューレの内径は、0.002から0.100インチまで(0.00508から0.254cmまで)の範囲内であることが好ましい。非患者端部プラスチックカニューレの外径は、0.007から0.1000インチまで(0.01778から0.254cmまで)の範囲内であることが好ましい。患者端部針は、尖った斜角部を有するステンレス鋼であることが好ましい。患者端部針は、例えば30ゲージ、31ゲージ、32ゲージ、33ゲージ、またはさらに細い可能性がある。最も好適な実施形態では、患者端部針は非患者端部カニューレと共にインサート成形されている。
【0025】
薬剤ペンと共に使用された場合、流動の部分がより大きな直径を通るので、薬剤流は増大されることが可能であり、より小さい親指ボタン力を可能にし、注入端部カニューレ用の小さいカニューレの使用を可能にする。
【0026】
図2は本発明によるハブ40の外側を示す。従来のペン針と対照的に、カニューレがハブ上の管状構造内に保持され得るように突出している接着剤溜め(adhesive well)が設けられている場合、図示の実施形態による患者端部針は、ハブと共に直接インサート成形されていてもよくかつ突出部材上に取り付けられることが必要とされない非患者端部プラスチックカニューレの内側に受容される。このことは、患者に対向しているハブの面44が平坦でありかつ注入中に遮られないことを可能にする。
【0027】
図3は、いくつかの実施形態ではハブと共に1つの部品で成形されている非患者カニューレを示す。現在入手可能な設計と同様に、非患者端部カニューレは、ハブ40の開いた近位端を巡っている縁部により形成されている平面を越えて突出していないことが好ましい。
【0028】
図4は本発明の別の実施形態によるアセンブリ400の分解図であり、そこでは、ペン針が、注入深さが達成されたという可聴インジケーションおよび/または触覚インジケーションを与える。この図では、ハブ40に、ハブ40の本体部から遠位方向に延在する中心支柱42が設けられている。図示の実施形態では、支柱42の径方向内側でハブから突出している接着剤溜め48内に針20が設置されている。針20は軸方向姿勢で固定されている。支柱
42と接着剤溜め48との間に間隙を設ける必要はなく、これらは平坦な、患者に対向している表面と共に形成され得る。
【0029】
図示の実施形態では、支柱42に、支柱42の周囲に平行なリングを形成している、径方向に突出している部材32、34の対が設けられている。各リングに、針の患者端部から離れて径方向に傾いている傾斜面が設けられて、後述される、支柱42を覆うカップ50の係合を容易にしてもよい。突出部34は、突出部34の近位側にありかつハブ40のより幅の広い本体部に隣接した凹部36を画定している。
【0030】
図5は支柱上で受容されているカップを示す。針20がカップ50の穴部52を貫通して突出している。
図5に示されているカップ50の位置は、ハブ40に対してカップ50により達成され得る最深近位位置である。これは、皮膚接触面56が患者の皮膚に接触しかつ針が最適な注入深さにある場合、完全な注入深さにおいて達成される位置である。最適な患者端部針の長さは、薬剤送達デバイスの目的とされている用途、薬剤ペンの場合には通常は皮内注入または皮下注入、に関して予め定められている。
【0031】
カップ50は、皮膚接触面56から離れて近位方向に延在する側壁を有する。側壁は支柱42の周囲で受容される。
図7の横断面図に示されている通り、カップの側壁の近位端上で内側に突出している部材58が、
図7に示されている第1の位置では突出部34の遠位端に係合しており、
図8に示されている第2の位置では突出部の近位側にある凹部36に係合している。好適な実施形態では、内側に突出している部材が、カップ50の内面を巡るリングを形成している。支柱およびカップ上の径方向内側部材および径方向外側部材の他の実施形態が、本発明の範囲内である。例えば、ねじ状チャネルがハブ上に設けられていてもよく、カップ上の突出部が、ハブ上にねじ山様のチャネルにより形成されているねじ経路を辿り、一方、皮膚接触面56は近位方向に押される。最適な侵入深さが達成された場合、カップ上の突出部は、フックのようにハブの凹部に係合する。本技術分野で既知の他の機構が、カップが近位方向に動かされた場合、可聴感覚および/または触感覚を与えるのに使用されてもよい。例えば、カップの内面上の1または複数の突出部と係合している、ハブの外面上に設けられている1または複数のスロットが、前述されているリングの許容可能な同等物であると考えられる。
【0032】
注入前にカップが容易に除去されずかつ完全な注入深さが達成された後に遠位方向に移動しないように、カップはハブに係合することが好ましい。
図7の位置では、例えば、注入前に、カップ50は締まり嵌めで突出部32と34との間に保持されていてもよい。内側に突出している部材58が凹部36内に受容されると、
図7の位置から
図8の位置への移動は可聴インジケーションおよび/または触覚インジケーションを伴う。患者が針を挿入すると、組織は皮膚接触面56と接触し、それを下方へ押し進める。このことが、カップに、リング形状の突出部を越えて支柱を滑り下らせる。支柱上の外側に突出している部材34とカップ上の内側に突出している部材とは、抵抗を克服するのにある量の力が必要とされるような大きさに作製されている。一般に、カップの近位方向移動に対する抵抗を克服するために、一般に、少なくとも約2psi、好ましくは約5psiより大きい圧力が加えられなければならない。当業者によって理解されるように、この係合から可聴のパチンという音を生じることは、カップにある量の弾性を必要とする。
【0033】
本発明の実施形態によれば、デバイスは、完全な注入深さが達成されたというかつペン針が使用されたという可視インジケーションを与える。
図6に示されている通り、遠位端の方にカップの外周を巡って窓54が設けられている。第1の位置では窓を通して不可視の、ハブ支柱上のカラーインジケータ帯(color indicator band)が、第2の位置では可視になる。従来のペン針は、ペン針が使用されたというインジケーションを与えない。本発明によるシステムは、使用者順守を向上させることが期待される。
【0034】
図10から
図13までは本発明による別の実施形態を示し、従来のハブは2部品アセンブリと交換されている。本発明の本実施形態によれば、
図10に示されている通り、使い捨て患者端部針アセンブリ100に、基部26と結合して針の周囲に滅菌閉鎖物をもたらすカップ110が設けられている。本発明の針アセンブリがより小さいことを除いて、現行の設計および従来の設計による使い捨てペン針ハブに設けられている「涙滴状ラベル(teardrop label)」に類似した、剥取り可能な滅菌ラベルが、使い捨てペン針アセンブリに与えられていてもよい。あるいは、カップ110の端部を覆うプラスチックの蓋が使用されていてもよい。
【0035】
図11および
図13は、ねじ山70または薬剤ペンなどの薬剤送達デバイスに連結するための他の手段が設けられている
アダプタ111のアダプタ
本体120を示す。アダプタ
111は、薬剤ペンの内部にアクセスする近位非患者端部針112を含む。実施形態では、非患者端部カニューレ112はプラスチックであり、前述のアダプタ
111と1つの部品で成形されており、アセンブリに必要とされる斜角付きステンレス鋼部品の数を減少させてもよい。薬剤ペンにアダプタ
111を取り付けることが、薬剤ペンカートリッジの隔壁を突き刺す。アダプタ
111の遠位側または患者側は、針アセンブリと結合するフィッティング128を含む。実施形態では、再使用可能なアダプタ
111は、10から30回までの使用のために薬剤ペン上に保持されることが意図されており、薬剤ペンカートリッジの使用パターンに酷似している。したがって、アダプタ
111と針アセンブリとはパッケージングされていてもよく、所望に応じて別個に販売されてもよい。
【0036】
実施形態では、フィッティング128に、アダプタ111のカスタムテーパ包囲オリフィス(custom taper surrounding orifice)134が設けられており、アダプタ111と針アセンブリ100との間に流体連結をもたらしてもよい。この装置は、原理的に、注射器における小型ルアーロックフィッティングに類似している。針アセンブリに、例えばアダプタフィッティング128と結合するロック用突出部126が設けられていてもよい。オリフィス134に、針が除去された後に設置されて漏出を防ぐアダプタキャップ140が設けられていてもよい。あるいは、弁または隔壁がアダプタ内に組み込まれていて、漏出を防いでもよい。
【0037】
本発明によるペン針アセンブリの第1の利点は、使い捨て構成要素の大きさの縮小である。現在市場に出回っている市販のペン針は、およそ0.15in
3(0.381cm
3)の外体積を有する。使い捨て針アセンブリは、少なくとも3分の1、好ましくは2分の1、最も好ましくは3分の2、この体積を減少させるであろう。このように、現在好適な実施形態では、本発明による針アセンブリおよびカップの体積は、0.10in
3(0.254cm
3)くらい少ない、さらには0.05in
3(0.127cm
3)くらい少ないことが期待される。2部品ハブを使用するコスト節約は、低減されたパッケージングおよび低減された材料コストにおいて実現される。さらに、消費者は、注入を終えると、患者端部針のみを廃棄し、廃棄される鋭利なものの量を低減する。
【0038】
上述の実施形態の全てにおいて、本発明によるペン針の部品は、患者端部針を除いて、射出成形プラスチックであることが好ましい。上記2部品ハブにおいて記載されている部品は、現行のペン針設計より75%未満の、好ましくは約50%少ない体積のプラスチックを用いて製造され得る。
【0039】
好適な実施形態の上記記載は本発明に関して限定的であると見なされるべきではなく、それは以下の特許請求の範囲により定められる。上述の記載は、当業者に、記載されている実施形態の変形形態を実践する十分な情報をもたらすはずである。1つの実施形態または1つの独立請求項に関連して記載されている特徴が、本発明の範囲から逸脱することなく、別の開示されている実施形態または別の独立請求項に関連して使用されてもよい。