【実施例】
【0093】
タンパク質検出および特性評価は、医薬ならびに臨床研究のための重要なタスクである。例えば、タンパク質検出および特性評価は、細胞中のタンパク質の上方および下方調節、細胞信号伝達中のリン酸化反応、ならびにトランスフェクトタンパク質の発現についての情報を提供することができる。複数の技法が、プレートリーダベースの酵素結合免疫吸着検査法(ELISA)、ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)、およびルミネセンス読み出しを利用するスポットまたはビーズベースの捕捉システムを含む、タンパク質分析のために開発されている。しかしながら、タンパク質の検出および定量化のための分析方法の改良が、疾患機構を理解することに役立つ、より良好なツールを提供するために重要である。
【0094】
いくつかのルミネセンスプローブが、タンパク質の検出および分析を可能にするために開発されている。典型的には、プローブは、次いで、着目タンパク質に選択的に結合する一次または二次抗体に付着させられる。これらのプローブは、別の反応性分子(例えば、基質)またはある他の刺激物(例えば、電流)と接触させられるときに光を生成するであろう、電磁放射線または反応種を用いた励起に応じて光を生成する、蛍光分子であることができる。そのようなプローブは、周知の化学反応を通して、タンパク質、ヌクレオチド、または小分子に付着させられることができるため、万能である。サンプル中のタンパク質の相対量は、タンパク質定量化を行う能力につながる、プローブによって生成される光の量によって判定されることができる。そのようなプローブはまた、低分解能(100〜1000μM)スポットまたはブロットから高分解能(<1μM)細胞内画像化まで、着目タンパク質の空間的場所を判定することも促進する。これらのプローブは、有機染料、無機化合物、蛍光タンパク質、または酵素であることができる。
【0095】
化学発光(CL)は、生化学分析における、または表面結合および空間的に分離されたタンパク質上のタンパク質の検出のための一般的な方法である。後者の実施例は、ウェスタンブロット(WB)分析と称される、膜へのタンパク質の電気泳動転写を用いたドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)の方法である(Towbin et al. (1979) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 76(9):4350−4354、Renart et al. (1979) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 76(7):3116−3120)。電気化学発光(ECL)もまた、特別に設計されたマルチウェルプレート(例えば、Meso Scale Diagnostics, LLCの小会社である、Meso Scale Discovery(Gaithersburg, Md.)製MULTI SPOT
(R)およびMULTI−ARRAY
TMプレートならびにSECTOR
TM器具)内のスポットに結合されたタンパク質を検出するために適用されている。
【0096】
CLおよびECLの利点は、サブピコグラム/ml範囲内の溶液中のタンパク質のための検出の限界を伴う非常に高い感度である。しかしながら、これらのシステムは、一過性の信号を生成し、安定しておらず、検出のために要求される化学反応を生じるために複雑な手順を要求する。それらはまた、非線形システムであり(すなわち、1つのプローブが多くの光子を生成する)、不良な再現性を有するため、タンパク質量の定量化が所望される用途のために好適ではない。最後であるが有意な限界は、複数のCL信号を多重化できないことである。それらの発光は、非常に広く、それは、同一の空間場所からの2つの異なるCL発光を検出する能力を非常に困難にする。
【0097】
蛍光(FL)プローブは、CLの限界のうちのいくつかを克服する。それらは、励起光子と発光光子との間の関係が一般に線形であるため、より良好な定量化のための能力を提供する。それらはまた、他の反応性分子によるプローブへのアクセスを提供する必要性がないため、より万能である。一般に、FLプローブはまた、概して、非反応性化学種であるため、特に光から保護されるときに、より安定している。おそらく、FLプローブの最も重要な利点は、それらが多重化を行う能力を提供することである。FL分子は、広範囲の励起および発光帯を伴う多種多様な形態で現れる。したがって、同一の空間場所における2つ(またはそれを上回る)プローブは、独立して励起させられ、検出チャネルの間に最小限の重複(またはクロストーク)を伴って検出されることができる。同一の空間場所から最大4つの独立したフルオロフォアを検出する能力は、カラー帯域通過フィルタを使用して、定期的に報告される。より高いレベルの多重化が、フローサイトメトリおよびマルチスペクトル画像化を用いて報告されている(Stack et al. (2014) Methods 70(1):46−58、Perfetto et al. (2004) 4(8):648−655)。
【0098】
残念ながら、FLプローブは、CLと同一のレベルの感度を実証しておらず、典型的には、より低いダイナミックレンジを有する。FLプローブを用いたより低い感度の理由は、共局在化物質の自己蛍光からの背景または他のプローブからの蛍光の干渉の存在である。異なる技法が、時間分解蛍光(TRF)と呼ばれる、より長い寿命の蛍光プローブを使用して、自己蛍光からの背景を低減させるために開発された(Zuchner et al. (2009) Anal. Chem.. 81(22):9449−9453、Kemper et al. (2001) Electrophoresis. 22(5):881−889、Lim et al. (1997) Anal Biochem. 245(2):184−195、Huhtinen et al. (2005) Anal. Chem. 77(8):2643−2648、Vereb et al. (1998) Biophys J. 74(5):2210−2222)。簡潔に述べると、自己蛍光は、典型的には、自己蛍光信号が次第に消えるまでTRF検出が時間的に遅延されるように、比較的短い寿命(<20ナノ秒)を有する。これは、技術的には時間ゲート検出であるが、一般的には時間分解と呼ばれている(Lakowicz, “Principles of Fluorescence Spectroscopy,” 3rd Edition, Springer−Verlag, New York, 2006)。TRF検出の利益は、文書で十分に立証されており、より高い感度、より低い背景、およびより広いダイナミックレンジを含む(Eliseeva & Bunzli (2010) Chem. Soc. Rev. 39(1):189−227、Bunzli & Piguet (2005) Chem. Soc. Rev. 34(12):1048−1077、Diamandis (1991) Clin. Chem. 37(9):1486−1491)。
【0099】
EuおよびTbに基づく最も頻用されている実体とのランタニド配位錯体に基づいて、TRFプローブを開発して最適化するために、有意な努力が行われている(Kemper et al. (1999) J. Biomol. Screen. 4(6):309−314、Lopez et al. (1993) Clin. Chem. 39(2):196−201、Degorce et al. (2009) Curr. Chem. Genomics. 3:22−32)。これらのプローブは、膜以外に広範囲の用途を有し、組織切片中および生体細胞中のタンパク質の検出のための良好な感度を示している(Su et al. (2005) Anal. Biochem. 347(1):89−93、Gahlaut & Miller (2010) Cytometry A. Dec 2010;77(12):1113−1125)。種々の器具が、特に2次元アレイ用のTRFの測定のために開発されている。ランタニドプローブは、紫外線(UV)励起とともに標準カメラシステムを使用して、画像化されることができるが、報告された感度は、ナノグラムのタンパク質範囲内にすぎない(Kemper et al. (2001) Electrophoresis. 22(5):881−889)。感度の改良は、細断またはパルス状高強度紫外線光源とともに時間ゲートカメラを使用することによって、行われることができる(Gahlaut & Miller (2010) Cytometry A. 77(12):1113−1125)。しかしながら、これは、計装の全体的コストを増加させる。スポット走査システムが、パルス状紫外線レーザおよび時間ゲート光子計数を使用して開発された(Zuchner et al. (2009) Anal. Chem. 81(22):9449−9453)。ドットブロットおよびウェスタンブロットの両方のための優れた感度、ならびに化学発光および蛍光と比較して拡張したダイナミックレンジが、報告された。
【0100】
我々は、TRF染色で標識された膜結合タンパク質の検出および定量化のための能力を実証している。膜は、着目タンパク質に特異的に結合するユーロピウムキレート標識二次抗体またはストレプトアビジンを用いて培養される。ユーロピウム(Eu)は、約1ミリ秒の長い蛍光寿命を有し、検出は、短い寿命の発光の自己蛍光または他の源からの背景を有意に低減させる、50マイクロ秒遅延を伴う時間分解蛍光(TRF)モードで行われる(
図4Aおよび
図4B参照)。
図4Aは、いくつかの実施形態では、WB検出のために特異的に構成されるカートリッジを利用し得る、ScanLater
TMウェスタンブロット検出システム(Molecular Devices, LLC(Sunnyvale, CA))を使用する、TRF検出の方法の一非限定的実施例の概略図である。既存の一次抗体401が、着目タンパク質402に結合する。次いで、Eu標識二次抗体403が、一次抗体401に結合する。次いで、ScanLater
TMシステムが、検出(測定)404に利用される。ScanLater
TMシステム以外の検出システムが利用されてもよいことが理解されるであろう。
図4Bは、TRF検出の原理を図示する概略図である。
図4Bは、時間が励起パルスの開始に対応する0である、時間の関数としてランプ励起パルスおよび蛍光減衰の強度をプロットする。
図4Bはまた、先行励起パルスに対して測定が行われ得る、時間期間も示す。
【0101】
膜は、プレートリーダシステムの中へ置かれ、そこで、WB走査のために最適化されたフラッシュランプベースのTRFカートリッジを用いて走査される。フラッシュランプは、感度を維持しながら、以前に報告されたパルス状紫外線レーザシステムと比較して、システムのコストを削減する(Zuchner et al. (2009), Anal. Chem. 81(22):9449−9453)。本方法は、酵素検出を伴わず、Euキレートが光漂白に耐性を示すため、信号が長い時間期間(数週間から数ヶ月)にわたって安定したままである。これは、膜の反復読取と、より正確な定量化のための既知の標準との帯強度の比較の潜在性とを可能にする。
【0102】
TRF検出は、光子計数を採用する。故に、理論的ダイナミックレンジは、>10
5である。実践では、ダイナミックレンジは、高存在量帯上の結合部位の飽和および背景膜への非特異的結合によって限定される。また、化学発光または蛍光検出で起こり得るような高強度光による飽和からのカメラ「ブルーミング」がなく、したがって、本システムは、鮮明な帯域および優れた画質を生じる。本システムは、高い感度、広いダイナミックレンジ、および長期安定性を伴う膜結合タンパク質分析のための無基質環境を提供する。これは、改良された定量化と、参照のため、または器具標準としてサンプルを再走査する能力とを可能にすることによって、現在のシステムに優る利点を提供する。
【0103】
グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)の3倍連続希釈が、SpectraMax
(R)Paradigm
(R)マルチモード検出プラットフォーム(Molecular Devices, LLC(Sunnyvale, CA))によって走査されるようなScanLater
TMのダイナミックレンジを実証するために使用された(
図5A参照)。GSTタンパク質の検出のために、ビオチン標識ウサギ抗GST一次抗体が使用された。ScanLater
TMEu標識ストレプトアビジンが、検出に使用された。ブロットは、洗浄され、乾燥させられ、走査された。本システムは、GSTの量と対比した信号の肯定的反応の4ログ超を伴うGSTのサブピコグラム検出限界を実証した(
図5B参照)。
図5Aは、GST希釈系列の画像であり、
図5Bは、10回の異なるウェスタンブロットの平均にわたる個々の帯域からの積分強度のグラフである。
【0104】
CLおよびFL検出方法の限界は、信号安定性を含む。典型的CL試薬の場合、信号は、5〜20分にわたって安定し、その後、基質が使い尽くされ、帯強度が減少する。FLに関して、有機フルオロフォアは、適切な条件に保たれるときにより安定しているが、光漂白の傾向があり、信号は、励起光への反復暴露後に減衰するであろう。TRF検出は、これらの限界の両方を回避し、改良された安定性能を提供する。長期安定性を示すために、GSTの3倍連続希釈が、57日間にわたって、信号安定性を実証するために使用された。WBが、前述のように調製され、調製の直後(第1日目)、次いで、周囲条件下で暗環境内に貯蔵してから57日後に測定された。
図6は、ScanLater
TMカートリッジとともにSpectraMax
(R)Paradigm
(R)リーダを使用して、経時的なウェスタンブロット結果の安定性を示す、グラフである。2つの走査が、背景にわたる平均帯強度について分析され、結果が、
図6に提示されている。WBの劣化または信号の減少は、貯蔵から57日後には観察されなかった。
【0105】
光漂白の効果を研究するために、トランスフェリンの2倍連続希釈とともに発現されたWBが、反復読取を受けた。
図7は、ウェスタンブロット上の単一の帯域の反復走査後のTRF試薬の光漂白の欠如を示す、グラフである。走査毎に、積分強度(「Int.Density」)を示すバーが、右側にある。250pg帯からの平均強度が、走査毎に測定され、結果が、
図7に示されている。信号強度の系統的減少が観察されず、TRF試薬の光漂白が問題ではなかったことを示す。
【0106】
TRFの多重化が、多少の成功とともに報告されている。EuおよびTbベースのプローブの使用が、2つの異なるタンパク質を検出するために時間分解蛍光共鳴エネルギー移動(TR−FRET)を使用した生化学検定において実証されている(Degorce et al. (2009) Curr. Chem. Genomics. 3:22−32、Bookout et al. (2000) J. Agric. Food Chem. 48(12):5868−5873、Hamy et al. (2001) J. Biomol. Screen. 6(3):179−187)。加えて、EuおよびSm、ならびにEu、Tb、およびSmを用いた多重化の報告も存在している(Bador et al. (1987) Clin. Chem. 33(1):48−51、Heinonen et al. (1997) Clin. Chem. 43(7):1142−1150)。これらのシステムのための分析方式は、励起のための単一のカラー帯域通過フィルタおよび複数の発光帯域通過フィルタとともに、フラッシュランプを使用する。
【0107】
上記で説明される従来技術のこれらのシステムは、ランタニドのうちの1つからの発光が他のランタニドの検出チャネルの中へ漏出するにつれて、クロストークに悩まされる。実践では、良好な分離は、ランタニドスペクトル内の発光ピークの存在量のため、比のうちの1つのみでしか達成されることができない。例えば、EuおよびTbを用いると、Tbチャネル内に最小限のEu信号しかないが、Euチャネルの中へのTbクロストークは、10%も高くあり得る。Euチャネルの中へのSmクロストークがないが、Smチャネルの中への有意な(>10%)Euクロストークがある場合、EuおよびSmが逆転される。これは、これらの方法の有用性を、1つだけの真に敏感なチャネルを有することに限定する一方で、他方は、第2の種からの背景信号によって限定される。Eu、Tb、およびSmドットブロット用のこれらの実施例が、
図8ならびに
図9に示されている。
図8は、ユーロピウム(Eu)およびテルビウム(Tb)ベースのプローブのための検出チャネルの間のクロストーク発光を比較する、ドットブロット結果を示す。
図9は、ユーロピウム(Eu)およびサマリウム(Sm)ベースのプローブのための検出チャネルの間のクロストーク発光を比較する、ドットブロット結果を示す。
【0108】
本明細書の他の場所で説明されるように、本発明のある側面は、TRF検出を使用して長い寿命の蛍光染料を多重化する新規の方法に関する。我々は、複数の染色からの検定において信号を分離する能力を増進するために、蛍光発光におけるスペクトルおよび時間差の組み合わせを使用した。いくつかの実施形態では、これは、多重化ウェスタンブロット検出方式においてルテニウム(Ru)およびユーロピウム(Eu)標識の組み合わせを用いた実践に要約されたが、免疫学的検定、タンパク質アレイ、および他の多重化生物学的検定への適用も有する。Ruは、タンパク質、DNA、および他の化合物の検出のための染料として使用されているが、その長い寿命は、より短い寿命の信号を除去する分析システムを作成するために使用されている(Demas et al. (1999) Anal. Chem. 71(23):793A−800A、Berggren et al. (1999) Anal. Biochem. 276(2):129−143、Ullmer et al. (2012) Br. J. Pharmacol. 167(7):1448−1466)。しかしながら、多重化システムにおいて、RuおよびEuまたは他の非常に長い寿命のランタニドを組み合わせることの報告は存在していない。
【0109】
我々が開発した解決策は、1%を下回るまで、より具体的には、0.01%を下回るまで、クロストークを低減させるように、TRF染料の間の時間ドメインおよび波長ドメイン差を両方とも活用する。時間的分離:その半減期が約1マイクロ秒であるRuは、より短い時間積分(2マイクロ秒)で検出され、その半減期が約800マイクロ秒であるEuは、より長い時間積分(1000マイクロ秒)で検出される。スペクトル分離:Ruは、470nmにおいて励起させられ、624nmにおいて検出され、Euは、370nmにおいて励起させられ、616nmにおいて検出される。
【0110】
図10は、ユーロピウム(Eu)およびルテニウム(Ru)ベースのプローブを用いて検出チャネルの間のクロストーク発光を比較する、GST希釈系列のウェスタンブロット結果を示す。これらの走査は、レーザダイオード励起を使用するカートリッジを用いて得られた。
【0111】
図11は、
図10に示されるウェスタンブロット上のレーンを通した平均ライン走査を示す、グラフである。GST Eu−Euカートリッジ用のライン走査は、1101と標識され、GST Eu−Ruカートリッジ用のライン走査は、1102と標識され、GST Ru−Ruカートリッジ用のライン走査は、1103と標識され、GST Ru−Euカートリッジ用のライン走査は、1104と標識される。
【0112】
これらの結果は、SpectraMax
(R)Paradigm
(R)リーダ内の2つの異なるカートリッジを用いて得られたが、SpectraMax
(R)Paradigm
(R)およびSpectraMax
(R)i3マルチモードマイクロプレートリーダ検出プラットフォームシステム(Molecular Devices, LLC(Sunnyvale, CA))の両方で稼働する単一のカートリッジにも拡張されることができる。
【0113】
例示的実施形態
【0114】
本開示される主題に従って提供される例示的実施形態は、以下を含むが、それらに限定されない。
1.多重化蛍光検出のための方法であって、
第1の被分析物に結合された第1の蛍光標識と、第2の被分析物に結合された第2の蛍光標識とを備える、サンプルを提供するステップであって、第1の蛍光標識は、アップコンバーティング蛍光体(UCP)を備え、第2の蛍光標識は、非UCP標識を備える、ステップと、第1の蛍光標識に第1の励起波長における第1の励起光を照射するステップであって、第1の蛍光標識は、第1の発光波長における第1の検出信号を発する、ステップと、第2の蛍光標識に第1の励起波長と異なる第2の励起波長における第2の励起光を照射するステップであって、第2の蛍光標識は、第2の発光波長における第2の検出信号を発する、ステップと、第1の測定時間において第1の検出信号の強度を測定するステップであって、第1の検出信号の強度は、サンプル中の第1の被分析物の量と相関性がある、ステップと、
【0115】
第2の蛍光標識を照射することを中止するステップと、第2の蛍光標識を照射することを中止した後に、第2の測定時間において第2の検出信号の強度を測定するステップであって、第2の検出信号の強度は、サンプル中の第2の被分析物の量と相関性がある、ステップとを含む、方法。
【0116】
2.第1の蛍光標識を照射しながら、第1の検出信号の強度を測定するステップを含む、実施形態1に記載の方法。
【0117】
3.第1の蛍光標識を照射することを中止するステップと、第1の蛍光標識を照射することを中止した後に、第1の検出信号の強度を測定するステップとを含む、実施形態1に記載の方法。
【0118】
4.サンプルは、第3の被分析物に結合された第3の蛍光標識を備え、第3の蛍光標識は、第2の蛍光標識と異なる非UCP標識を備え、本方法はさらに、第3の蛍光標識に第1の励起波長および第2の励起波長と異なる第3の励起波長における第3の励起光を照射するステップであって、第3の蛍光標識は、第3の発光波長における第3の検出信号を発する、ステップと、第3の蛍光標識を照射することを中止するステップと、第3の蛍光標識を照射することを中止した後に、第3の測定時間において第3の検出信号の強度を測定するステップとを含む、前記実施形態のうちのいずれかに記載の方法。
【0119】
5.第1の蛍光標識を照射しながら、第1の検出信号の強度を測定するステップを含む、実施形態4に記載の方法。
【0120】
6.第1の蛍光標識を照射することを中止するステップと、第1の蛍光標識を照射することを中止した後に、第1の検出信号の強度を測定するステップとを含む、実施形態4に記載の方法。
【0121】
7.第2の蛍光標識は、遷移金属キレートを備え、第3の蛍光標識は、ランタニドキレートを備える、実施形態4〜6のいずれかに記載の方法。
【0122】
8.第2の蛍光標識は、ルテニウム(Ru(II))、オスミウム(Os(II))、およびレニウム(Re(I))の遷移金属キレートから成る群から選択される、遷移金属キレートを備え、第3の蛍光標識は、サマリウム(Sm(III))、ジスプロシウム(Dy(III))、ユーロピウム(Eu(III))、およびテルビウム(Tb(III))のランタニドキレートから成る群から選択される、ランタニドキレートを備える、実施形態4〜6のいずれかに記載の方法。
【0123】
9.第1の励起波長は、近赤外範囲内であり、第1の発光波長は、可視範囲内であり、第2の励起波長および第3の励起波長のうちの少なくとも1つは、紫外線範囲内である、実施形態4〜8のいずれかに記載の方法。
【0124】
10.第1の蛍光標識のUCPは、第1の蛍光発光寿命を有し、第2の蛍光標識は、第2の蛍光発光寿命を有し、第3の蛍光標識は、第3の蛍光発光寿命を有し、第1の蛍光発光寿命は、第2の蛍光発光寿命および第3の蛍光発光寿命と異なる、実施形態4〜9のいずれかに記載の方法。
【0125】
11.第1の蛍光標識のUCPは、第1の蛍光発光寿命を有し、第2の蛍光標識は、第2の蛍光発光寿命を有し、第3の蛍光標識は、第3の蛍光発光寿命を有し、第2の蛍光発光寿命は、少なくとも5倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、少なくとも500倍、および少なくとも1000倍から成る群から選択される倍数だけ第3の蛍光発光寿命より長い、実施形態4〜9のいずれかに記載の方法。
【0126】
12.第1の蛍光標識のUCPは、第1の蛍光発光寿命を有し、第2の蛍光標識は、第2の蛍光発光寿命を有し、第2の蛍光発光寿命および第3の発光寿命のうちの少なくとも1つが0.1マイクロ秒〜10マイクロ秒の範囲内であること、ならびに第2の蛍光発光寿命および第3の発光寿命のうちの少なくとも1つが100マイクロ秒〜1ミリ秒の範囲内であることのうちの少なくとも1つを含む、実施形態4〜9のいずれかに記載の方法。
【0127】
13.第2の蛍光標識および第3の蛍光標識のうちの少なくとも1つは、20nmを上回るストークスシフト、100nmを上回るストークスシフト、250nmを上回るストークスシフト、および約250nm〜約350nmの範囲内のストークスシフトから成る群から選択される、ストークスシフトを有する、実施形態4〜12のいずれかに記載の方法。
【0128】
14.第2の発光波長は、第1の発光波長と異なる、実施形態4〜13のいずれかに記載の方法。
【0129】
15.第2の測定時間は、第1の測定時間と異なる、実施形態4〜14のいずれかに記載の方法。
【0130】
16.第3の発光波長は、第1の発光波長および第2の発光波長と異なる、実施形態4〜15のいずれかに記載の方法。
【0131】
17.第3の測定時間は、第1の測定時間および第2の測定時間と異なる、実施形態4〜16のいずれかに記載の方法。
【0132】
18.サンプルを提供するステップは、サンプルを、第1の被分析物に特異的に結合する第1の抗体と、第2の被分析物に特異的に結合する第2の抗体と、第3の被分析物に特異的に結合する第3の抗体と、第1の抗体に特異的に結合する第1の蛍光抗体複合体であって、第1の蛍光抗体複合体は、第1の蛍光標識を備える、第1の蛍光抗体複合体と、第2の抗体に特異的に結合する第2の蛍光抗体複合体であって、第2の蛍光抗体複合体は、第2の蛍光標識を備える、第2の蛍光抗体複合体と、第3の抗体に特異的に結合する第3の蛍光抗体複合体であって、第3の蛍光抗体複合体は、第3の蛍光標識を備える、第3の蛍光抗体複合体と接触させるステップと、抗体および抗体複合体が免疫複合体を形成することを可能にするための十分な条件下で、かつ十分な時間にわたって、サンプルを培養するステップとを含む、前記実施形態のいずれかに記載の方法。
【0133】
19.サンプルを提供するステップは、サンプルを、第1の被分析物に特異的に結合する第1の抗体と、第2の被分析物に特異的に結合する第2の抗体と、第3の被分析物に特異的に結合する第3の抗体と接触させるステップを含み、第1の蛍光標識、第2の蛍光標識、および第3の蛍光標識のうちの少なくとも1つは、個別の第1の抗体、第2の抗体、または第3の抗体に直接付着させられる、実施形態4〜17のいずれかに記載の方法。
【0134】
20.第1の被分析物、第2の被分析物、および第3の被分析物は、タンパク質または膜結合タンパク質を備える、前記実施形態のいずれかに記載の方法。
【0135】
21.第1の被分析物、第2の被分析物、および第3の被分析物のうちの少なくとも1つは、基準タンパク質であり、第1の被分析物、第2の被分析物、および第3の被分析物のうちの少なくとも1つの他方は、未知のタンパク質であり、未知のタンパク質から取得される検出信号を基準タンパク質から取得される検出信号に正規化するステップをさらに含む、前記実施形態のいずれかに記載の方法。
【0136】
22.第1の被分析物、第2の被分析物、および第3の被分析物のうちの少なくとも1つは、未修飾タンパク質であり、第1の被分析物、第2の被分析物、および第3の被分析物のうちの少なくとも1つの他方は、タンパク質の修飾またはリン酸化バージョンであり、未修飾タンパク質およびタンパク質の修飾またはリン酸化バージョンから取得される検出信号の測定された強度に基づいて、未修飾タンパク質に対するタンパク質の修飾またはリン酸化バージョンの比を計算するステップをさらに含む、前記実施形態のいずれかに記載の方法。
【0137】
23.共通発光フィルタを通して、第1の検出信号、第2の検出信号、および第3の検出信号のうちの少なくとも2つを指向するステップを含む、前記実施形態のいずれかに記載の方法。
【0138】
24.UCPは、反ストークスシフトを呈する、ランタニドをドープした、または遷移金属をドープした無機化合物を備える、前記実施形態のいずれかに記載の方法。
【0139】
25.無機化合物は、エルビウム(Er
3+)、ツリウム(Tm
3+)、ホルミウム(Ho
3+)、プラセオジム(Pr
3+)、ネオジム(Nd
3+)、ジスプロシウム(Dy
3+)、イッテルビウム(Yb
3+)、サマリウム(Sm
3+)、および前述のうちの2つまたはそれを上回るものの組み合わせから成る群から選択される、ドーパントイオンを備える、実施形態24に記載の方法。
【0140】
26.無機化合物は、ハロゲン化物、酸化物、および酸硫化物から成る群から選択される、実施形態24または25に記載の方法。
【0141】
27.第2の蛍光標識は、遷移金属キレートまたはランタニドキレートを備える、前記実施形態のいずれかに記載の方法。
【0142】
28.第2の蛍光標識は、ルテニウム(Ru(II))、オスミウム(Os(II))、およびレニウム(Re(I))の遷移金属キレートから成る群から選択される、遷移金属キレートを備える、前記実施形態のいずれかに記載の方法。
【0143】
29.第2の蛍光標識は、サマリウム(Sm(III))、ジスプロシウム(Dy(III))、ユーロピウム(Eu(III))、およびテルビウム(Tb(III))のランタニドキレートから成る群から選択される、ランタニドキレートを備える、前記実施形態のいずれかに記載の方法。
【0144】
30.第1の励起波長は、近赤外範囲内であり、第1の発光波長は、可視範囲内である、前記実施形態のいずれかに記載の方法。
【0145】
31.第2の励起波長は、紫外線範囲内であり、第2の発光波長は、第2の励起波長よりも長い、前記実施形態のいずれかに記載の方法。
【0146】
32.第1の蛍光標識のUCPは、第1の蛍光発光寿命を有し、第2の蛍光標識は、第2の蛍光発光寿命を有し、第1の蛍光発光寿命は、第2の蛍光発光寿命と異なる、前記実施形態のいずれかに記載の方法。
【0147】
33.第1の蛍光標識のUCPは、第1の蛍光発光寿命を有し、第2の蛍光標識は、第2の蛍光発光寿命を有し、第2の蛍光発光寿命が0.1マイクロ秒〜10マイクロ秒の範囲内であることと、第2の蛍光発光寿命が100マイクロ秒〜1ミリ秒の範囲内であることとのうちの少なくとも1つを含む、前記実施形態のいずれかに記載の方法。
【0148】
34.第2の蛍光標識は、20nmを上回るストークスシフト、100nmを上回るストークスシフト、250nmを上回るストークスシフト、および約250nm〜約350nmの範囲内のストークスシフトから成る群から選択される、ストークスシフトを有する、前記実施形態のいずれかに記載の方法。
【0149】
35.第2の発光波長は、第1の発光波長と異なる、前記実施形態のいずれかに記載の方法。
【0150】
36.第2の測定時間は、第1の測定時間と異なる、前記実施形態のいずれかに記載の方法。
【0151】
37.サンプルを提供するステップは、サンプルを、第1の被分析物に特異的に結合する第1の抗体と、第2の被分析物に特異的に結合する第2の抗体と、第1の抗体に特異的に結合する第1の蛍光抗体複合体であって、第1の蛍光抗体複合体は、第1の蛍光標識を備える、第1の蛍光抗体複合体と、第2の抗体に特異的に結合する第2の蛍光抗体複合体であって、第2の蛍光抗体複合体は、第2の蛍光標識を備える、第2の蛍光抗体複合体と接触させるステップと、抗体および抗体複合体が免疫複合体を形成することを可能にするための十分な条件下で、かつ十分な時間にわたって、サンプルを培養するステップとを含む、前記実施形態のいずれかに記載の方法。
【0152】
38.サンプルを提供するステップは、サンプルを、第1の被分析物に特異的に結合する第1の抗体と、第2の被分析物に特異的に結合する第2の抗体と接触させるステップを含み、第1の蛍光標識は、第1の抗体に直接付着させられる、または第2の蛍光標識は、第2の抗体に直接付着させられる、または前述の両方である、実施形態1〜36のいずれかに記載の方法。
【0153】
39.第1の被分析物および第2の被分析物は、タンパク質または膜結合タンパク質を備える、前記実施形態のいずれかに記載の方法。
【0154】
40.第1の被分析物および第2の被分析物のうちの一方は、基準タンパク質であり、第1の被分析物および第2の被分析物のうちの他方は、未知のタンパク質であり、第2の検出信号を第1の検出信号に正規化するステップ、または第1の検出信号を第2の検出信号に正規化するステップをさらに含む、前記実施形態のいずれかに記載の方法。
【0155】
41.第1の被分析物および第2の被分析物のうちの一方は、未修飾タンパク質であり、第1の被分析物および第2の被分析物のうちの他方は、タンパク質の修飾またはリン酸化バージョンであり、第1の検出信号および第2の検出信号の測定された強度に基づいて、未修飾タンパク質に対するタンパク質の修飾またはリン酸化バージョンの比を計算するステップをさらに含む、前記実施形態のいずれかに記載の方法。
【0156】
42.共通発光フィルタを通して、または異なる発光フィルタを通して、第1の検出信号および第2の検出信号を指向するステップを含む、前記実施形態のいずれかに記載の方法。
【0157】
43.第1の蛍光標識を照射するステップおよび第2の蛍光標識を照射するステップは、同時に、または連続的に行われる、前記実施形態のいずれかに記載の方法。
【0158】
44.サンプルを提供するステップは、複数のサンプルを提供するステップを含み、各サンプル上で、第1の蛍光標識を照射するステップ、第2の蛍光標識を照射するステップ、第1の検出信号の強度を測定するステップ、および第2の検出信号の強度を測定するステップを行うことによって、各サンプル上で多重化蛍光検出を行うステップをさらに含む、前記実施形態のいずれかに記載の方法。
【0159】
45.各サンプル上で多重化蛍光検出を行うステップは、個別のサンプルを、第1の励起光および第2の励起光を生成するために構成される光源、ならびに第1の検出信号および第2の検出信号を測定するために構成される光検出器と光学的に整合させるステップを含む、実施形態44に記載の方法。
【0160】
46.個別のサンプルを光源および光検出器と光学的に整合させるステップは、個別のサンプルをカートリッジと光学的に整合させるステップを含み、カートリッジは、カートリッジが光学的および/または電気的に蛍光検出装置と通信するように、蛍光検出装置の装置筐体の中に除去可能に設置され、カートリッジは、光源から整合したサンプルまでの光学経路を画定する励起光学部、または整合したサンプルから光検出器までの光学経路を画定する発光光学部、または前述の両方を封入し、光源は、カートリッジの中または装置筐体の中に配置され、光検出器は、カートリッジの中または装置筐体の中に配置される、実施形態45に記載の方法。
【0161】
47.サンプルは、それぞれ、マルチウェルプレートの別個のウェルまたは膜の別個のブロットの中に配置される、実施形態44〜46のいずれかに記載の方法。
【0162】
48.少なくとも、前記実施形態のうちのいずれかの方法の照射するステップおよび測定するステップを行うために構成される、蛍光検出装置であって、第1の励起光および第2の励起光を生成するために構成される光源と、第1の検出信号および第2の検出信号を測定するために構成される光検出器とを備える、蛍光検出装置。
【0163】
49.光源が、第1の励起光を生成するために構成される第1の光源と、第2の励起光を生成するために構成される第2の光源とを備えることと、光検出器が、第1の検出信号を測定するために構成される第1の光検出器と、第2の検出信号を測定するために構成される第2の光検出器とを備えることとのうちの少なくとも1つを含む、実施形態48に記載の蛍光検出装置。
【0164】
50.第3の励起光を生成するために構成される第3の光源と、第3の検出信号を測定するために構成される第3の光検出器とをさらに備える、実施形態49に記載の蛍光検出装置。
【0165】
51.サンプルを支持するために構成されるサンプル支持体であって、前記サンプルは、第1の被分析物に結合された第1の蛍光標識と、第2の被分析物に結合された第2の蛍光標識とを備え、第1の蛍光標識は、アップコンバーティング蛍光体(UCP)を備え、第2の蛍光標識は、非UCP標識を備える、サンプル支持体と、第1の励起波長における第1の励起光および第1の励起波長と異なる第2の励起波長における第2の励起光を生成するために構成される、光源と、第1の励起光による励起に応答して第1の発光波長においてサンプルから発せられる第1の検出信号、および第2の励起光による励起に応答して第2の発光波長においてサンプルから発せられる第2の検出信号を測定するために構成される、光検出器と、所定の励起時間において、かつ所定の持続時間にわたって、第1の励起光および第2の励起光をそれぞれ生成するように光源を制御し、第1の測定時間において第1の検出信号を測定するように、かつ第2の測定時間において第2の検出信号を測定するように、光検出器を制御するために構成される、コンピューティングデバイスとを備える、蛍光検出装置。
【0166】
52.コンピューティングデバイスは、第1の検出信号および第2の検出信号の測定に対応する電気出力を光検出器から受信し、測定をサンプル中の第1の被分析物の量およびサンプル中の第2の被分析物の量と相関させるために構成される、実施形態51に記載の蛍光検出装置。
【0167】
53.コンピューティングデバイスは、第2の励起光を生成することを中止するように光源を制御し、第2の励起光を生成することを中止した後に、第2の検出信号を測定するように光検出器を制御するために構成される、実施形態51に記載の蛍光検出装置。
【0168】
54.サンプルは、第3の被分析物に結合される第3の蛍光標識であって、第2の蛍光標識と異なる非UCP標識を備える、第3の蛍光標識を備え、光源は、第1の励起波長および第2の励起波長と異なる第3の励起波長において第3の励起光を生成するために構成され、光検出器は、第3の発光波長において第3の検出信号を測定するために構成され、コンピューティングデバイスは、所定の励起時間において、かつ所定の持続時間にわたって、第3の励起光を生成するように光源を制御し、第3の測定時間において第3の検出信号を測定するように光検出器を制御するために構成される、実施形態48〜53のいずれかに記載の蛍光検出装置。
【0169】
55.コンピューティングデバイスは、第3の励起光を生成することを中止するように光源を制御し、第3の励起光を生成することを中止した後に、第1の測定時間および第2の測定時間と異なる第3の測定時間において第3の検出信号を測定するように光検出器を制御するために構成される、実施形態54に記載の蛍光検出装置。
【0170】
56.装置筐体と、装置筐体の中に除去可能に設置されるカートリッジと、光源からサンプルまでの光学経路を画定するために構成される励起光学部と、サンプルから光検出器までの光学経路を画定するために構成される発光光学部とを備え、光源は、カートリッジの中または装置筐体の中に配置され、光検出器は、カートリッジの中または装置筐体の中に配置され、コンピューティングデバイスは、装置筐体の中に配置される、実施形態48〜55のいずれかに記載の蛍光検出装置。
【0171】
57.励起光学部および発光光学部のうちの少なくとも1つは、カートリッジの中に配置される、実施形態56に記載の蛍光検出装置。
【0172】
58.サンプル支持体は、マルチウェルプレートまたはマルチブロット膜を備える、またはそれを支持するために構成される、実施形態48〜57のいずれかに記載の蛍光検出装置。
【0173】
本明細書に説明されるプロセス、サブプロセス、およびプロセスステップのうちの1つまたはそれを上回るものが、1つまたはそれを上回る電子またはデジタル制御型デバイス上で、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、または前述のうちの2つまたはそれを上回るものの組み合わせによって、行われ得ることが理解されるであろう。ソフトウェアは、例えば、
図2で概略的に描写されるコンピューティングデバイス236等の好適な電子処理構成要素またはシステム内のソフトウェアメモリ(図示せず)の中に常駐してもよい。ソフトウェアメモリは、論理機能(すなわち、デジタル回路またはソースコード等のデジタル形態で、またはアナログ電気、音声、またはビデオ信号等のアナログソース等のアナログ形態で実装され得る「論理」)を実装するための実行可能命令の順序付けられたリストを含んでもよい。命令は、例えば、1つまたはそれを上回るマイクロプロセッサ、汎用プロセッサ、プロセッサの組み合わせ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、または特定用途向け集積回路(ASIC)を含む、処理モジュール内で実行されてもよい。さらに、概略図は、アーキテクチャまたは機能の物理的レイアウトによって限定されない物理的(ハードウェアおよび/またはソフトウェア)実装を有する、機能の論理的分割を説明する。本明細書に説明されるシステムの実施例は、種々の構成で実装され、単一のハードウェア/ソフトウェアユニット内または別個のハードウェア/ソフトウェアユニット内のハードウェア/ソフトウェア構成要素として動作してもよい。
【0174】
実行可能命令は、電子システムの処理モジュール(例えば、
図2のコンピューティングデバイス236)によって実行されると、命令を実行するように電子システムに指図する、その中に記憶された命令を有する、コンピュータプログラム製品として実装されてもよい。コンピュータプログラム製品は、命令実行システム、装置、またはデバイスから命令を選択的にフェッチし、命令を実行し得る、電子コンピュータベースのシステム、プロセッサ含有システム、または他のシステム等の命令実行システム、装置、またはデバイスによって使用するための、またはそれらと関連する、任意の非一過性のコンピュータ可読記憶媒体で選択的に具現化されてもよい。本開示と関連して、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスによって使用するための、またはそれらと関連する、プログラムを記憶し得る、任意の非一過性の手段である。非一過性のコンピュータ可読記憶媒体は、選択的に、例えば、電子、磁気、光学、電磁、赤外線、または半導体システム、装置、またはデバイスであってもよい。非一過性のコンピュータ可読媒体のより具体的な実施例の非包括的リストは、1つまたはそれを上回るワイヤ(電子)を有する電気接続、携帯用コンピュータディスケット(磁気)、ランダムアクセスメモリ(電子)、読取専用メモリ(電子)、例えば、フラッシュメモリ(電子)等の消去可能プログラマブル読取専用メモリ、例えば、CD−ROM、CD−R、CD−RW(光学)等のコンパクトディスクメモリ、およびデジタル多用途ディスクメモリ、すなわち、DVD(光学)を含む。プログラムが、例えば、紙または他の媒体の光学走査を介して電子的に捕捉され、次いで、必要であれば、好適な様式でコンパイル、解釈、または別様に処理され、次いで、コンピュータメモリまたはマシンメモリに記憶されることができるため、非一過性のコンピュータ可読記憶媒体は、プログラムが印刷される紙または別の好適な媒体でさえあり得ることに留意されたい。
【0175】
また、本明細書で使用されるような「信号通信する」という用語は、2つまたはそれを上回るシステム、デバイス、構成要素、モジュール、またはサブモジュールが、あるタイプの信号経路を経由して進行する信号を介して相互と通信することが可能であることも理解されるであろう。信号は、第1および第2のシステム、デバイス、構成要素、モジュール、またはサブモジュールの間の信号経路に沿って、第1のシステム、デバイス、構成要素、モジュール、またはサブモジュールから、第2のシステム、デバイス、構成要素、モジュール、またはサブモジュールに情報、電力、またはエネルギーを通信し得る、通信、電力、データ、またはエネルギー信号であってもよい。信号経路は、物理、電気、磁気、電磁、電気化学、光学、有線、または無線接続を含んでもよい。信号経路はまた、第1および第2のシステム、デバイス、構成要素、モジュール、またはサブモジュールの間に、付加的システム、デバイス、構成要素、モジュール、またはサブモジュールを含んでもよい。
【0176】
より一般的に、「通信する」および「と...連通する」という用語(例えば、第1の構成要素が、第2の構成要素と「通信する」または「連通する」)は、2つまたはそれを上回る構成要素または要素の間の構造、機能、機械、電気、信号、光学、磁気、電磁、イオン、または流体関係を示すために、本明細書で使用される。したがって、1つの構成要素が第2の構成要素と通信すると言われる事実は、付加的構成要素が、第1および第2の構成要素の間に存在し得る、および/またはそれらと動作可能に関連付けられ得る、または係合され得る可能性を除外することを意図していない。
本発明の種々の側面または詳細は、本発明の範囲から逸脱することなく変更され得ることが理解されるであろう。さらに、前述の説明は、限定の目的ではなく、例証の目的のためにすぎず、本発明は、請求項によって定義される。