(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記医療デバイスは、プラスチックアンプル、ゴムストッパ付き薬物バイアル、IV溶液バッグ、IV溶液パウチ、またはプレフィルドシリンジを含む請求項1に記載の方法。
【発明の概要】
【0006】
本発明の態様は、医療デバイスを包装する方法、より詳細には、プレフィルド医療デバイスを包装する方法を対象とする。
【0007】
本発明の第1の態様では、化学的に敏感な医療デバイスを包装および滅菌する方法であって、医療デバイスを提供するステップと、非透過性チャンバおよびガス透過性ヘッダを有するパウチ(pouch:ポーチ)を提供するステップと、医療デバイスをパウチ内に配置するステップと、非透過性チャンバがガス透過性ヘッダを通じて依然としてアクセス可能であるようにガス透過性ヘッダに沿ってパウチを封止するステップと、ガス透過性ヘッダを通じて非透過性チャンバに提供される滅菌剤で医療デバイスを滅菌するステップと、パウチ内で非透過性チャンバ内の医療デバイスを封止するステップと、ガス透過性ヘッダを除去し、医療デバイスが非透過性チャンバ内で包装され、滅菌されるステップとを含む方法が開示される。
【0008】
本発明の1つまたは複数の実施形態では、滅菌剤は、蒸気、熱、二酸化窒素、またはそれらの組合せである。
【0009】
本発明の1つまたは複数の実施形態では、パウチのガス不透過性部分は、1つまたは複数のプラスチック層およびアルミニウム箔の積層物製である。
【0010】
本発明の1つまたは複数の実施形態では、パウチのガス透過性ヘッダは、通気性プラスチックフィルム、紙、または不織布(nonwoven)製である。
【0011】
本発明の1つまたは複数の実施形態では、医療デバイスは、プラスチックアンプル、ゴムストッパ付き薬物バイアル、IV溶液バッグ、IV溶液パウチ、またはプレフィルドシリンジを含む。特定の実施形態では、医療デバイスは、水溶液、治療薬、またはそれらの組合せで充填済みである。非常に特定の実施形態では、水溶液は生理食塩水である。
【0012】
本発明の1つまたは複数の実施形態では、非透過性チャンバおよびガス透過性ヘッダを有するパウチを提供するステップは、フロー包装(flow wrapping)によるものである。
【0013】
さらに別の実施形態では、非透過性チャンバおよびガス透過性ヘッダを有するパウチを提供するステップは、ブリスタ包装(blister packing)によるものである。
【0014】
さらに別の実施形態では、非透過性チャンバおよびガス透過性ヘッダを有するパウチを提供するステップは、3辺(3-sided)または4辺(4-sided)パウチによるものである。
【0015】
本発明の第2の態様では、化学的に敏感な医療デバイスを包装および滅菌する方法であって、別個のガス不透過性区間に取り付けられたガス透過性区間を有する第1のヒートシール可能なフィルムを含む前面パネルを提供するステップであって、前面パネルは、上縁、底縁、および2つの側縁を有する、ステップと、別個のガス不透過性区間に取り付けられたガス透過性区間を有する第2のヒートシール可能なフィルムを含む背面パネルを提供するステップであって、背面パネルは、上縁、底縁、および2つの側縁を有する、ステップと、前面パネルのガス透過性区間を背面パネルのガス透過性区間と位置合わせするステップと、外部のパウチを形成するように、前面パネルの上縁、底縁、および2つの側縁を背面パネルの底縁および2つの側縁に対して封止するステップであって、外部のパウチは、ガス透過性区間およびガス不透過性ヘッダ区間を有する、ステップと、1つまたは複数のプレフィルド医療デバイスをパウチのガス不透過性区間内に配置するステップと、プレフィルド医療デバイスの周りに1つまたは複数の内部3辺(three-sided)個別チャンバを生み出すように、前面パネルのフィルムを1つまたは複数の医療デバイス間で背面パネルのフィルムに対して封止するステップであって、1つまたは複数の3辺個別チャンバのそれぞれは、外部のパウチのガス透過性ヘッダ区間の底部に開口を有し、ガス透過性ヘッダ区間は、開口の上部に配向され、2つ以上の開口に対して平行に配向される、ステップと、外部のパウチに対して滅菌を実施するステップと、プレフィルド医療デバイスの周りに第2の完全に封入されたパウチを形成するように、ガス透過性ヘッダ区間の底部に位置する1つまたは複数の3辺個別チャンバのそれぞれの開口に沿って封止するステップであって、第2の完全に封入されたパウチは、ガス不透過性フィルムだけを有する、ステップと、第2のガス不透過性パウチを分離するために、ガス透過性区間を分離ラインに沿って切断するステップとを含む方法が開示される。
【0016】
本発明の第3の態様では、化学的に敏感な医療デバイスを包装および滅菌する方法であって、別個のガス不透過性区間に取り付けられたガス透過性区間を有する第1のヒートシール可能なフィルムを含む前面パネルを提供するステップであって、前面パネルは、上縁、底縁、および2つの側縁を有する、ステップと、別個のガス不透過性区間に取り付けられたガス透過性区間を有する第2のヒートシール可能なフィルムを含む背面パネルを提供するステップであって、背面パネルは、上縁、底縁、および2つの側縁を有する、ステップと、前面パネルのガス透過性区間を背面パネルのガス透過性区間と位置合わせするステップと、外部のパウチを形成するように、前面パネルの上縁、底縁、および2つの側縁を背面パネルの底縁および2つの側縁に対して封止するステップであって、外部のパウチは、ガス透過性区間およびガス不透過性ヘッダ区間を有する、ステップと、1つまたは複数のプレフィルド医療デバイスをパウチのガス不透過性区間内に配置するステップと、プレフィルド医療デバイスの周りに1つまたは複数の内部3辺個別チャンバを生み出すように、前面パネルのフィルムを1つまたは複数の医療デバイス間で背面パネルのフィルムに対して封止するステップであって、1つまたは複数の3辺個別チャンバのそれぞれは、外部のパウチのガス透過性ヘッダ区間の底部に開口を有し、ガス透過性ヘッダ区間は、開口の1つの側だけに配向される、ステップと、外部のパウチに対して滅菌を実施するステップと、プレフィルド医療デバイスの周りに第2の完全に封入されたパウチを形成するように、ガス透過性ヘッダ区間の底部に位置する1つまたは複数の3辺個別チャンバのそれぞれの開口に沿って封止するステップであって、第2の完全に封入されたパウチは、ガス不透過性フィルムだけを有する、ステップと、第2のガス不透過性パウチを分離するために、ガス透過性区間を分離ラインに沿って切断するステップとを含む方法が開示される。
【0017】
本発明の第4の態様では、化学的に敏感な医療デバイスを包装および滅菌する方法であって、別個のガス不透過性区間に取り付けられたガス透過性区間を有する第1のヒートシール可能なフィルムを含む前面パネルを提供するステップであって、前面パネルは、上縁、底縁、および2つの側縁を有する、ステップと、別個のガス不透過性区間に取り付けられたガス透過性区間を有する第2のヒートシール可能なフィルムを含む背面パネルを提供するステップであって、背面パネルは、上縁、底縁、および2つの側縁を有する、ステップと、前面パネルのガス透過性区間を背面パネルのガス透過性区間と位置合わせするステップと、外部のパウチを形成するように、前面パネルの上縁、底縁、および2つの側縁を背面パネルの底縁および2つの側縁に対して封止するステップであって、外部のパウチは、ガス透過性区間およびガス不透過性ヘッダ区間を有する、ステップと、1つまたは複数のプレフィルド医療デバイスをパウチのガス不透過性区間内に配置するステップと、プレフィルド医療デバイスの周りに1つまたは複数の内部3辺個別チャンバを生み出すように、前面パネルのフィルムを1つまたは複数の医療デバイス間で背面パネルのフィルムに対して封止するステップであって、1つまたは複数の3辺個別チャンバのそれぞれは、外部のパウチのガス透過性ヘッダ区間の底部に開口を有し、ガス透過性ヘッダ区間は、ガス不透過性区間の間に点在する、ステップと、外部のパウチに対して滅菌を実施するステップと、プレフィルド医療デバイスの周りに第2の完全に封入されたパウチを形成するように、ガス透過性ヘッダ区間の底部に位置する1つまたは複数の3辺個別チャンバのそれぞれの開口に沿って封止するステップであって、第2の完全に封入されたパウチは、ガス不透過性フィルムだけを有する、ステップと、第2のガス不透過性パウチを分離するために、ガス透過性区間を分離ラインに沿って切断するステップとを含む方法が開示される。
【0018】
本発明の第5の態様では、化学的に敏感な医療デバイスを包装および滅菌する方法であって、別個のガス不透過性区間に取り付けられたガス透過性区間を有する第1のヒートシール可能なフィルムを含む前面パネルを提供するステップであって、前面パネルは、上縁、底縁、および2つの側縁を有する、ステップと、別個のガス不透過性区間に取り付けられたガス透過性区間を有する第2のヒートシール可能なフィルムを含む背面パネルを提供するステップであって、背面パネルは、上縁、底縁、および2つの側縁を有する、ステップと、前面パネルのガス透過性区間を背面パネルのガス透過性区間と位置合わせするステップと、外部のパウチを形成するように、前面パネルの上縁、底縁、および2つの側縁を背面パネルの底縁および2つの側縁に対して封止するステップであって、外部のパウチは、ガス透過性区間およびガス不透過性ヘッダ区間を有する、ステップと、1つまたは複数のプレフィルド医療デバイスをパウチのガス不透過性区間内に配置するステップと、プレフィルド医療デバイスの周りに1つまたは複数の内部3辺個別チャンバを生み出すように、前面パネルのフィルムを1つまたは複数の医療デバイス間で背面パネルのフィルムに対して封止するステップであって、1つまたは複数の3辺個別チャンバのそれぞれは、外部のパウチのガス透過性ヘッダ区間の底部に開口を有し、ガス透過性ヘッダ区間は、ガス不透過性区間の上方に配向される、ステップと、外部のパウチに対して滅菌を実施するステップと、プレフィルド医療デバイスの周りに第2の完全に封入されたパウチを形成するように、ガス透過性ヘッダ区間の底部に位置する1つまたは複数の3辺個別チャンバのそれぞれの開口に沿って封止するステップであって、第2の完全に封入されたパウチは、ガス不透過性フィルムだけを有する、ステップと、第2のガス不透過性パウチを分離するために、ガス透過性区間を分離ラインに沿って切断するステップとを含む方法が開示される。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明のいくつかの例示的な実施形態について述べる前に、本発明は、以下の説明に記載の構成またはプロセスステップの詳細に限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であり、様々なやり方で実践または実施されることが可能である。
【0021】
本開示に使用される用語に関して、以下の定義が提供される。
【0022】
本明細書で使用されるとき、「包装(package)」または「包装(packaging)」という用語は、プラスチックアンプル、ゴムストッパ付き薬物バイアル、IV溶液バッグ、IV溶液パウチ、およびシリンジなど、医療デバイスまたは製品を包む、または保護するために使用される任意の材料を含む。包装は、剛性とすることも可撓性とすることもできる。包装は、それだけには限らないが、医療包装、薬剤包装、およびチャイルドレジスタンス包装を含む。医療および薬剤包装は、ブリスタパック、フローラップ、および3辺または4辺(3 or 4 sided)パウチを含むことができる。
【0023】
本明細書で使用されるとき、「ブリスタ包装」または「ブリスタパック」という用語は、消費財、薬剤、医療デバイスなどのために使用されるいくつかのタイプの予め形成された包装を含む。ブリスタパックの主要構成要素は、形成可能なウェブ、通常、熱成形されたプラスチックから作られるキャビティまたはポケットである。形成可能なウェブ(web)は、剛性とすることも可撓性とすることもできる。キャビティまたはポケットは、ブリスタ包装内に収容される物品を含むために十分大きいものである。応用例に応じて、ブリスタパックは、熱成形可能な材料の裏打ち(backing)と、アルミニウム箔、紙、Tyvek(登録商標:タイベック(ポリエチレン製不織布))、プラスチック、または他の医療グレード材料のふた材(lidding seal)とを有してもよい。ブリスタ包装は、微生物または他の汚染物質からのバリア保護を提供することができ、ある程度のいたずら防止を提供することができる。ブリスタパックは、薬剤製品を、普通なら役に立たないものにするはずの外側の影響から保護し、一方、薬剤製品の製造者が製袋充填機を使用してそれを包装することを可能にする。製袋充填プロセスは、平坦なシートまたはフィルムのロールからブリスタパックを生み出し、医療デバイスまたは薬剤製品で充填することを含む。
【0024】
本明細書で使用されるとき、「フローラップ包装」または「フローラップパック」という用語は、消費財、薬剤、医療デバイスなどのために使用されるいくつかのタイプの予め形成された包装を含む。フローラッピングは、製品をフィルムで包む包装プロセスである。
【0025】
本明細書で使用されるとき、「滅菌」という用語は、有害な、または感染性の病因を弱毒化する、殺す、またはなくするために使用される広範な技法を指す。滅菌処置の例は、たとえば、蒸気滅菌、酸化エチレン滅菌、ガスプラズマ滅菌、オゾン滅菌、過酸化水素滅菌、熱滅菌、二酸化窒素滅菌、またはそれらの組合せを含む。
【0026】
本明細書で使用されるとき、「ガス透過性」という用語は、ガスが材料を通過することを可能にするが、空気伝染性の微生物、バクテリア、ウィルス、およびそれらの混合物が材料を通過することを可能にしない材料を意味することが意図されている。
【0027】
本明細書で使用されるとき、「ガス不透過性」は、ガスが材料を通過することを容易に可能にしない材料を意味することが意図されている。さらに、ガス不透過性材料もまた、空気伝染性の微生物、バクテリア、ウィルス、およびそれらの混合物が材料を通過させることができない。
【0028】
本明細書で使用されるとき、「微生物」という用語は、単細胞の、または細胞生物のコロニー内で生きる微生物または生物を指す。微生物は、非常に多様であり、それだけには限らないがバクテリア、真菌、アーケア、および原虫を含む。
【0029】
本発明の第1の態様では、ヒートシール可能なフィルムを使用し、プレフィルド医療デバイスを包装するための方法が開示され、フィルムは、蒸気、熱、二酸化窒素、またはそれらの組合せを使用する滅菌を可能にする別個のガス不透過性区間に取り付けられたガス透過性区間を含む。製造中、プレフィルド医療デバイスは、フィルムのガス不透過性区間内に配置され、封止を使用し、第1の封入されたパウチを生み出す。ガス透過性区間およびガス不透過性区間を含む第1の封入されたパウチは、オートクレーブ内で蒸気滅菌を受ける。また、1つまたは複数の実施形態では、滅菌は、熱、二酸化窒素、またはそれらの組合せによるものであってもよい。滅菌に続いて、最終封止が実施され、ガス透過性区間がガス不透過性区間から切断および除去され、第2の封入された包装を形成し、プレフィルド医療デバイスは、ガス不透過性フィルムだけからなるパウチ内に完全に封入される。プレフィルド医療デバイスがガス不透過性フィルムだけからなるパウチ内に完全に封入されるので、プレフィルド医療デバイスを含むパウチは、後続のEtO滅菌を、プレフィルド医療デバイスに対する悪影響なしに受けることになるキット内に配置され得る。
【0030】
したがって、本発明は、包装の内容物を滅菌するために、そこを通じて蒸気、熱、二酸化窒素、またはそれらの組合せを包装の内部に導入することができる膜を有するシート材料を含む滅菌可能な包装を提供する。また、本発明は、シート材料から形成される滅菌可能な包装、およびそのような滅菌可能な包装を行うプロセスを提供する。したがって、本発明は、半透過性容器をガス不透過性になるように連続的に修正することが可能であり、したがってEtO滅菌対応である包装のための自動化されたプロセスを開示する。
【0031】
1つまたは複数の実施形態では、パウチは、向かい合って配向され、内部空間を有するパウチを画定するように対向する縁に沿って互いに封止されるフィルム材料の2枚の別個のシートから準備することができる。一実施形態では、パウチは、ガス透過性材料とガス不透過性区間を共に含むフィルム材料の第1のシートと、ガス不透過性材料だけを含むフィルム材料の第2のシートとによって準備される。別の実施形態では、フィルム材料の両シートは、ガス透過性材料およびガス不透過性区間を含む。
【0032】
好ましくは、シート材料の内側表面は、熱封止可能な材料を含む。示されている特定の実施形態では、シート材料は、熱封止可能な材料から作られ、パウチの両端は、周知のように圧力および熱または超音波エネルギーを使用してシート材料の接触内部表面間を融着または封止を作り出すことによって封止される。本明細書では「熱封止」と称されるが、この用語は、加熱されたアンビルまたはプラテンで接触表面を加熱することによって形成される封止と、超音波エネルギーの印加など他の方法によって作り出される加熱および溶融との両方に適用されることが意図されていることを理解されたい。
【0033】
1つまたは複数の実施形態では、1つまたは複数の未滅菌のプレフィルド医療デバイスがガス不透過性材料の第1のウェブ上に配置される。次いで、ガス透過性区間を有する材料の第2のウェブが、ガス不透過性材料の第1のウェブの上に配置される。その後、第1の包装が封止される。
【0034】
ガス透過性区間部分は、Tyvek(登録商標)、または紙もしくは可撓性フィルムなど他の医療グレード材料を含むことができる。封止された第1の包装は、滅菌のために蒸気、熱、二酸化窒素、またはそれらの組合せに対して透過性であるが、微生物に対して不透過性である。ガス透過性材料は、Tyvek(登録商標)などの材料から構成されてもよい。Tyvek(登録商標)は、フラッシュ紡糸高密度ポリエチレン繊維(すなわち、スパンボンドオレフィン繊維)からなる合成材料である。この材料は、軽量で強く、引き裂き抵抗があるが、はさみまたはナイフで切ることができる。水蒸気および他のガスは、Tyvek(登録商標)が非常になのでこの材料を通過することができ、しかし同時にこの材料は、液体の水および微生物に対して不透過性である。この材料は、滅菌ガスまたは製品によるこの材料の透過を可能にする範囲で透過性である。
【0035】
本発明では、本質的に任意のガス透過性材料を、その材料が滅菌ガスに対して透過性であり、しかし空気伝染性の微生物、バクテリア、ウィルス、およびそれらの混合物に対して不透過性であることを条件に、使用してもよい。本発明に使用可能な、好適なガス透過性材料は、たとえば、医療グレードの紙、ノンウーブン材料、および他の同様のガス透過性材料を含む。
【0036】
包装の非透過性材料は、EtOガスに対して非透過性である、または実質的に非透過性である機能が維持される限り、いくつかの異なる材料製とすることができる。たとえば、プラスチック、複合材、金属、および他の材料が、この機能を提供することができる。
【0037】
本発明では、ガス不透過性材料として使用され得る好適な材料は、たとえば、それだけには限らないが、ポリマープラスチックフィルム、箔、繊維ウェブなど、これらの材料のうちの1つまたは複数の積層物、またはこれらの材料の組合せを含む。ガス不透過性材料は、単層、または2つ以上の層の積層物であってもよい。
【0038】
ガス不透過性材料は、ガス不透過性材料とガス透過性材料の積層物であることも可能である。そのような積層物の例は、不織布(nonwoven)/フィルム積層物を含む。これらの積層物は、製品の内側への視界を得るために有益となり得る。
【0039】
包装材料は、1つまたは複数のプラスチック層とアルミニウム箔のフィルムの積層物製とすることができる。この組み合わされた包装材料は、片側または両側で材料Tyvekに取り付けられた箔を含む不透過性フィルムであってもよい。
【0040】
包装の可撓性ウェブは、それだけには限らないがポリエチレンおよびエチル酢酸ビニル(EVA)と共にナイロンベースのフィルムを含む可撓性の熱成形可能なプラスチックなど、プラスチックフィルムを含むことができる。
【0041】
好適な材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロンなどポリマー材料、ならびにそれらの任意の組合せから作ることができる。プラスチックフィルム材料は、たとえば、低密度ポリエチレン(LDPE)フィルム、LDPE/LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)フィルム積層物、LDPE/MDPE(中密度ポリエチレン)フィルム積層物、LDPE/HDPE(高密度ポリエチレン)フィルム積層物、エチレン−ビニルアルコール(EVOH)などを含む。さらに、ポリエチレン/ポリプロピレンの組合せから作られるフィルムもまた使用されてよい。また、箔としても知られる金属コーティングで被覆されたフィルムも使用されてよい。本発明の一実施形態では、本発明で使用されるフィルム材料は、ポリエチレンまたはポリプロピレンフィルムなどポリオレフィンフィルムを含む。フィルムの厚さは、パウチの区画内に含まれる物品がフィルムまたはパウチに穴を開けない、または別の方法でそれらを損なわない十分なEtOガスバリア特性強度をフィルムが有することを条件に、本質的に任意の厚さとすることができる。
【0042】
図1を参照すると、本発明の第1の態様では、プレフィルド医療デバイスを包装するためにヒートシール可能なフィルムを使用する、パウチまたはブリスタ10など医療包装のための方法が開示され、フィルムは、蒸気、熱、二酸化窒素、またはそれらの組合せを使用する滅菌を可能にする別個のガス不透過性区間(30に取り付けられたガス透過性区間20を含む。パウチ10は、前面パネルおよび背面パネルを有し、各パネルは、上縁12、底縁14、2つの側縁16、18を有する。製造中、前面パネルは、前面パネルのそれぞれの上縁12、底縁14、および2つの側縁16、18を背面パネルのそれぞれの上縁12、底縁14、および2つの側縁16、18に対して封止することによって完全に封入された外部のパウチ10を生み出す周辺封止31を有することによって、背面パネルに直接または間接的に接合または接続される。前面パネルおよび背面パネルは、1つまたは複数の医療デバイス40を保持することが可能な区画を画定する。前面パネルまたは背面パネルの少なくとも1つは、ガス透過性ヘッダ区間20を含む部分を有する。プレフィルド医療デバイス40は、フィルムのガス不透過性区間30内に配置され、内部封止32が使用され、プレフィルド医療デバイス40の周りに内部3辺個別チャンバを生み出し、ガス透過性ヘッダ区間20に向かって開口70を残す。したがって、ガス不透過性区間30は、内部封止32によって画定される1つまたは複数の個別チャンバに分割され得る。
【0043】
したがって、包装内部は、ガス不透過性区間30を含む主要ガス不透過性チャンバと、ガス透過性ヘッダ区間20を含むガス透過性チャンバとに分割される。ガス透過性ヘッダ区間20は、所望の滅菌ガスおよび不活性ガスに対するその透過性を含む、本明細書に記載のヘッダの機能面が維持される限り、いくつかの異なる構造実施形態で実装することができる。また、ヘッダは、本発明の滅菌方法に関して本明細書に記載のヘッダと同様に機能するパウチ、アクセスポイント、または他のガス透過性の実装として実装することもできる。ガス透過性ヘッダ区間20は、滅菌の方法を可能にする包装上の任意の場所に配置することができる。
【0044】
本発明と共に使用するための適切な医療デバイス40は、外科用器具、すなわちプラスチックアンプル、ゴムストッパ付き薬物バイアル、IV溶液バッグ、IV溶液パウチ、またはシリンジ、および滅菌が必要な任意の他の医療デバイスまたは器具を含む。さらに、パウチおよび内部3辺個別チャンバは、任意の種類の医療デバイスまたは器具を含むための任意のサイズおよび/または形状で製造することができる。ガス透過性ヘッダ区間およびガス不透過性区間を含む第1の封入されたパウチ10は、オートクレーブ内で蒸気滅菌を受ける。また、1つまたは複数の実施形態では、滅菌は、熱、二酸化窒素、またはそれらの組合せによるものであってもよい。滅菌に続いて、最終封止33がガス透過性ヘッダ区間20の底部に位置する開口70に沿って実施され、第2の封入された包装を形成し、プレフィルド医療デバイスは、ガス不透過性フィルムだけからなるパウチ内に完全に封入される。次いで、分離ライン50に沿って切断することによってガス透過性区間20がガス不透過性区間から切断および除去され、ガス不透過性パウチ80を生み出す。プレフィルド医療デバイスがガス不透過性フィルムだけからなるパウチ80内に完全に封入されるので、プレフィルド医療デバイスを含むパウチは、後続のEtO滅菌を、プレフィルド医療デバイスに対する悪影響なしに受けることになるキット内に配置され得る。
図1に示されているように、ガス透過性区間20は、開口70の上部にあるよう配向され、2つ以上の開口70に対して平行に延びてもよい。
【0045】
図2を参照すると、本発明の別の実施形態では、プレフィルド医療デバイスを包装するためにヒートシール可能なフィルムを使用する、パウチまたはブリスタなど医療包装のための方法が開示され、フィルムは、蒸気、熱、二酸化窒素、またはそれらの組合せを使用する滅菌を可能にする別個のガス不透過性区間30に取り付けられたガス透過性区間20を含む。製造中、周辺封止31が使用され、完全に封入された外部のパウチ10を生み出す。プレフィルド医療デバイス40は、フィルムのガス不透過性区間30内に配置される。ガス透過性区間およびガス不透過性区間を含む第1の封入されたパウチは、オートクレーブ内で蒸気滅菌を受ける。また、1つまたは複数の実施形態では、滅菌は、熱、二酸化窒素、またはそれらの組合せによるものであってもよい。滅菌に続いて、内部封止32が使用され、ガス不透過性フィルムだけからなるプレフィルド医療デバイス40の周りの個々の封入容器を生み出す。次いで、分離ライン50に沿って切断することによってガス透過性区間20がガス不透過性区間から切断および除去される。プレフィルド医療デバイスがガス不透過性フィルムだけからなる第2のパウチ80内に完全に封入されるので、プレフィルド医療デバイスを含むパウチ80は、後続のEtO滅菌を、プレフィルド医療デバイスに対する悪影響なしに受けることになるキット内に配置され得る。
図2に示されているように、ガス透過性区間20は、開口70の片側だけに配向されてもよい。
【0046】
図3を参照すると、本発明のさらに別の実施形態では、プレフィルド医療デバイスを包装するためにヒートシール可能なフィルムを使用する、パウチなど医療包装のための方法が開示され、フィルムは、蒸気、熱、二酸化窒素、またはそれらの組合せを使用する滅菌を可能にするガス不透過性区間30の間に点在するガス透過性区間20を含む。製造中、周辺封止31が使用され、完全に封入された外部のパウチ10を生み出す。プレフィルド医療デバイス40は、フィルムのガス不透過性区間30内に配置される。ガス透過性区間およびガス不透過性区間を含む第1の封入されたパウチ10は、オートクレーブ内で蒸気滅菌を受ける。また、1つまたは複数の実施形態では、滅菌は、熱、二酸化窒素、またはそれらの組合せによるものであってもよい。滅菌に続いて、内部封止32が使用され、ガス不透過性フィルムだけからなるプレフィルド医療デバイス40の周りの個々の封入容器を生み出す。次いで、分離ライン50に沿って切断することによってガス透過性区間20がガス不透過性区間から切断および除去される。プレフィルド医療デバイス40がガス不透過性フィルムだけからなる第2のパウチ80内に完全に封入されるので、プレフィルド医療デバイスを含むパウチは、後続のEtO滅菌を、プレフィルド医療デバイスに対する悪影響なしに受けることになるキット内に配置され得る。
図3に示されているように、ガス透過性区間20は、ガス不透過性区間30の間に点在し得る。
【0047】
図4を参照すると、本発明のさらに別の実施形態では、プレフィルド医療デバイスを包装するためにヒートシール可能なフィルムを使用する、パウチなど医療包装のための方法が開示され、フィルムは、蒸気、熱、二酸化窒素、またはそれらの組合せを使用する滅菌を可能にする別個のガス不透過性区間30に取り付けられたガス透過性区間20を含む。製造中、周辺封止31が使用され、完全に封入された外部のパウチ10を生み出す。プレフィルド医療デバイス40は、フィルムのガス不透過性区間30内に配置される。ガス透過性区間およびガス不透過性区間を含む第1の封入されたパウチは、オートクレーブ内で蒸気滅菌を受ける。また、1つまたは複数の実施形態では、滅菌は、熱、二酸化窒素、またはそれらの組合せによるものであってもよい。滅菌に続いて、内部封止32が使用され、プレフィルド医療デバイス40がガス不透過性フィルムだけからなるパウチ内に完全に封入されるようにプレフィルド医療デバイス40の周りの個々の封入容器を生み出す。次いで、分離ライン50に沿って切断することによってガス透過性区間20がガス不透過性区間から切断および除去される。プレフィルド医療デバイスがガス不透過性フィルムだけからなるパウチ内に完全に封入されるので、プレフィルド医療デバイスを含むパウチは、後続のEtO滅菌を、プレフィルド医療デバイスに対する悪影響なしに受けることになるキット内に配置され得る。
図4に示されているように、ガス透過性区間20は、ガス不透過性区間30の上方に配向されてもよい。
【0048】
したがって、本発明は、包装の内容物を滅菌するために、そこを通じて蒸気、熱、二酸化窒素、またはそれらの組合せを包装の内部に導入することができるガス透過性膜を有するシート材料を含む滅菌可能な包装を提供する。また、本発明は、シート材料から形成される滅菌可能な包装、およびそのような滅菌可能な包装を行うプロセスを提供する。したがって、本発明は、半透過性容器をガス不透過性になるように修正することが可能であり、したがってEtO滅菌対応である包装のためのプロセスを開示する。
【0049】
図1〜
図4に示されているように、透過性区間および封止の場所、サイズ、および形状は、変わり得る。
【0050】
1つまたは複数の実施形態では、ガス透過性区間20は、包装の内部と周囲環境の間で連通をもたらすシート材料内の開口から形成されるガス透過性膜内に組み込まれ得る。ガス透過性膜は、フィルムシート材料上に配置されるガス透過性区間20を含む。ガス透過性膜は、フィルムシート材料に重なる周縁を有してもよい。ガス透過性区間20は、フィルムシート材料の内側表面または外側表面に接合されてもよい。ガス透過性膜は、ヒートシールでフィルムシート材料に接合されてもよい。
【0051】
ガス透過性膜は、シート材料、したがってパウチに配置され、その結果、ガス不透過性区間30から離隔される。
【0052】
ガス透過性膜のサイズおよび場所は特定の構成に限定されないこと、また位置およびサイズは、最終ユーザの特定の要件を満たすように選択することができることを理解されたい。さらに、ガス透過性膜の位置およびサイズは、滅菌プロセスを最適化するように選択することができる。図では、シート材料は、概して矩形の形状を有する単一のガス透過性膜を有するものとして示されている。しかし、本発明は、特定の数、形状、またはサイズのガス透過性膜に限定されないこと、またシート材料は、様々な形状およびサイズの複数のガス透過性膜を含むことができることを理解されたい。
【0053】
1つまたは複数の実施形態では、包装のタイプは、ブリスタ、フローラップ、3辺または4辺封止(3 or 4 sided seal)パウチであってよい。
【0054】
1つまたは複数の実施形態では、本発明は、自動化された製造のためにブリスタ包装機器またはフローラップ包装機器上で適用することができる。
【0055】
1つまたは複数の実施形態では、ガス透過性区間20のための材料は、オートクレーブプロセスに耐えることができる紙またはTyvekであってよい。
【0056】
本発明の一態様によれば、乾燥剤、酸化防止剤、脱酸素剤、酸素バリア、またはそれらの組合せを、パウチが封止される前にガス不透過性チャンバ30の1つまたは複数の個別チャンバに追加してもよい。
【0057】
1つまたは複数の実施形態では、外部封止31および内部封止32の閉鎖および封止は、ヒートシール、機械的係合、接着係合などの適用によることができる。さらに、本発明は封止の場所および本明細書に示され記載されている特定の構成に関して限定されないことを、当業者なら理解するであろう。封止は、ガス透過性エリア(たとえば、ヘッダ)を含むチャンバを密封し、次いで、包装パウチの滅菌済み内容物がその無菌環境内で維持されるように包装パウチの非透過性材料を後から密封するという機能を封止が提供する限り、いくつかの異なる実装で構成および配置され得る。
【0058】
ガス不透過性パウチ80は、「ピギーバック」として使用され、外科的処置で使用され得る他の物品を含むキット内にパックされ得る。ガス不透過性パウチ80内に配置される医療デバイスまたは物品は、1つまたは他の理由で酸化エチレンのガスによって滅菌されてはならず、無菌包装内で出荷されるようなものである。その後、ガス不透過性パウチ80は、テープなどを用いて第1の包装に取り付けられ得る第2の包装と一緒にされ得る。それにより、所望の外科的処置に必要とされる使い捨ての物品すべてが単一のユニットに集められる。必要な場合、ガス不透過性パウチ80を含む組み合わされた包装は、後続の酸化エチレンガス滅菌にかけられてもよい。主要ガス不透過性チャンバ80の酸化エチレンのガスに対する不透過性により、これらの包装の内容物は、後続の滅菌ステップによって影響を受けないことになる。
【0059】
一実施形態によれば、本発明は、自動高速フィルムラッピングシステムで実施され得る。高速フィルムラッピングシステムは、フィードコンベヤ、フィルム送り出しユニット、ラッピングステーション、サイドシールアセンブリ、エンドシーラ、コンベヤ、および熱収縮トンネルを含み得る。フィルム内に包まれることになる医療デバイスは、フィードコンベヤを介してシステムに進入し得る。システムは、医療デバイスを可撓性プラスチックフィルム内に包み、医療デバイスの移動は、システムを通して供給方向に本質的に連続である。コンベヤは、フィルム送り出しユニット内のフィルムロールからのフィルムが各医療デバイスを取り囲む、離隔され概して位置合わせされたパターンで、医療デバイスをラッピングステーションに送り出し得る。各医療デバイスを覆うフィルムはサイドまたはエンドシールアセンブリによって、上記のように外部封止31および内部封止32で封止され、医療デバイスをフィルムで封入する。ガス透過性区間20の縁部のフィルムは、切断ヘッドまたは切断デバイスによって切り離され除去され得る。隣接する医療デバイス間のフィルムは、エンドシーラにて封止され切り離され、医療デバイスの個々に封止された包装を作り出す。
【0060】
次いで、包まれた医療デバイスは、製品の周りのフィルムを収縮するために収縮または熱トンネルを通って搬送され得る。フィルム送り出しユニット、ラッピングステーション、エンドシーラ、および収縮トンネルは、システムの一部として本明細書に記載されているが、これら、および他の構成要素の特定のモデルまたは実施形態は、本発明の範囲から逸脱することなしに、当業者によって知られているように容易に変わる、または変更され得る。
【0061】
別の実施形態によれば、本発明は、自動高速ブリスタパックシステムで実施され得る。一実施形態では、ブリスタパックの熱成形ベースウェブは、より厚いガス不透過性プラスチック製であり、潰れることができず、したがって堅いバッキングを形成する。別の実施形態では、ブリスタパックの熱成形ベースウェブは、堅いバッキングを形成するガス透過性の上部部分を有するガス不透過性プラスチック製である。ふた材フィルムは、剥がして開くことができる剥離開封機能を提供する。医療ブリスタパックのふた材フィルムは、滅菌を可能にするように多孔質であってよい。医療ブリスタパックは、しばしば、ガスに対して透過性であるが微生物に対して透過性でないTyvek(登録商標)または同様の医療グレード材料製である。ふた材フィルムは、医療グレードの紙または完全に非透過性のフィルム製とすることもできる。
【0062】
ブリスタパックは、熱成形または冷間成形を介して生み出すことができる。熱成形の場合、プラスチックフィルムまたはシートがリールから解かれ、ブリスタライン上の予備加熱ステーションを通って案内される。予備加熱プレートの温度は、プラスチックが軟化し曲げやすくなるようなものである。次いで、暖かいプラスチックは成形ステーションに到達し、ここで大きな圧力により、ネガの型内にブリスタキャビティが形成される。型は、プラスチックが再び硬くなり、型から取り出されたときその形状を維持するように冷却される。
【0063】
冷間成形の場合、アルミニウムベースの積層フィルムがスタンプにより型内に単純にプレスされる。アルミニウムは細長くなり、形成された形状を維持する。アルミニウムの使用は、水および酸素に対して完全なバリアをもたらす。
【0064】
医療ブリスタパックの熱成形可能なバッキングは、一般に、可撓性の熱成形可能なプラスチックフィルムから構成される。このフィルムは、しばしば多層である。主要構成要素は、通例、ナイロン約15〜30%の層であり、一方、残りの層は、それだけには限らないがポリエチレンを含む物質を含むことができる。シーラント層は、とりわけエチル酢酸ビニル(EVA)を含むことができる。
【0065】
1つまたは複数の実施形態では、医療ブリスタパックのふた材フィルムは、ガス不透過性材料から作ることができる。別の実施形態では、医療ブリスタパックのふた材フィルムは、滅菌のためのガスに対して透過性であるが微生物に対して不透過性であるプラスチック、アルミニウム、または医療グレードの紙から作ることができる。最も一般的には、Tyvek(登録商標)が医療ブリスタパックのふた材材料として使用される。
【0066】
ブリスタパックは、それだけには限らないがヒートシールおよびコールドシールを含む様々なやり方で封止することができる。ふた材材料には、ヒートシールコーティングを適用することができ、次いで、ふた材は、コーティングを活性化する熱を使用してバッキングに対して封止される。また、ブリスタパックは、感圧性の折り重ねブリスタカードと透明ブリスタの組合せを使用するコールドシールプロセスを使用して封止することもでき、ブリスタは、熱を使用することなしに圧力下で張り合わされる2枚のボード間に捕らえられる。さらに、ブリスタパックは、封止を行うためにフィルムの複数の層を適正に配向することによって封止することができる。
【0067】
1つまたは複数の実施形態では、ガス透過性ヘッダ区間およびガス不透過性区間を含むブリスタパックは、オートクレーブ内で蒸気滅菌を受ける。また、1つまたは複数の実施形態では、滅菌は、熱、二酸化窒素、またはそれらの組合せによるものであってもよい。滅菌に続いて、分離ラインに沿って切断することによってバッキングのガス透過性区間がガス不透過性区間から切断および除去され、ガス不透過性パウチを生み出す。ガス不透過性のふた材材料がバッキングに対して封止され、ガス不透過性ブリスタパックを生み出す。医療デバイス、たとえばプレフィルドシリンジ、プラスチックアンプル、ゴムストッパ付き薬物バイアル、IV溶液バッグ、IV溶液パウチなどがガス不透過性フィルムだけからなるパウチ内に完全に封入されるので、プレフィルドシリンジを含むパウチは、後続のEtO滅菌を、プレフィルドシリンジに対する悪影響なしに受けることになるキット内に配置され得る。
【0068】
本明細書において本発明について特定の実施形態を参照して述べたが、これらの実施形態は、本発明の原理および応用例を例示するものにすぎないことを理解されたい。したがって、これらの例示的な実施形態に対して多数の修正がなされ得ること、および開示されている本発明の精神および範囲から逸脱することなしに他の構成が導出され得ることを理解されたい。