(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
入射角が45°である光線による前記第2偏光は480nmの波長で反射率が94〜96%、580nmの波長で反射率が92〜94%、680nmの波長で反射率が88〜91%、780nmの波長で反射率が85〜88%であることを特徴とする、請求項1に記載の反射偏光子。
入射角が45°である光線による第1偏光は480〜580nmの波長範囲で可視光線の透過均一度が8%以下であり、580〜780nmの波長範囲で可視光線の透過均一度が5%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の反射偏光子。
入射角が45°である光線による第2偏光の450〜780nmの波長範囲で前記数学式1による反射率の変化率が0.03%/nm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の反射偏光子。
【背景技術】
【0002】
平板ディスプレイ技術は、TV分野においてすでに市場を確保した液晶ディスプレイ(LCD)、プロジェクションディスプレイおよびプラズマディスプレイ(PDP)が主流をなしており、また、電界放出ディスプレイ(FED)と電界発光ディスプレイ(ELD)などが関連技術の向上とともに各特性にかかる分野を占有するものと見込まれる。液晶ディスプレイは、現在ノートパソコン、パーソナルコンピュータのモニター、液晶TV、自動車、航空機などにその使用範囲が拡大しており、平板ディスプレイ市場の85%ほどを占めており、世界的にLCDの需要が急増して現在まで好況を享受している。
【0003】
従来の液晶ディスプレイは、一対の吸光性光学フィルムの間に液晶および電極マトリックスを配置する。液晶ディスプレイにおいて、液晶の部分は両電極に電圧を印加して生成する電場によって液晶の部分を動かすことによって、これに応じて変更する光学状態を有している。このような処理は、情報が入っている「ピクセル」を特定方向の偏光を利用して映像を表示する。このような理由のため、液晶ディスプレイは偏光を誘導する前面光学フィルムおよび背面光学フィルムを含む。
【0004】
このような液晶ディスプレイで用いられる光学フィルムは、バックライトから照射される光の利用効率が必ずしも高いとは言えない。これはバックライトから照射される光のうち50%以上が背面側の光学フィルム(吸収型偏光フィルム)により吸収されるためである。そのため、液晶ディスプレイでのバックライト光の利用効率を高めるために、光学キャビティーと液晶アセンブリーとの間に反射偏光フィルムを設置することもある。
【0005】
前記反射偏光子は光損失に伴う光学的な性能の低下を防止するとともに、スリム化されるディスプレイパネルの厚さに合わせて反射偏光子がスリム化し、製造工程の単純化、製造工程上の不良発生の最小化、生産性および経済性向上の方向に持続的な研究が続けられている。
【0006】
一方、
図1は従来の反射偏光子の光学原理を図示する図面である。具体的には、光学キャビティーから液晶アセンブリーに向かう光のうちP偏光は反射偏光子を通過して液晶アセンブリーに伝達されるようにし、S偏光は反射偏光子から光学キャビティーに反射した後、光学キャビティーの拡散反射面で光の偏光方向が無作為化され状態で反射して再び反射偏光子に伝達され、その結果、S偏光が液晶アセンブリーの偏光器を通過できるP偏光に変換されて反射偏光子を通過した後、液晶アセンブリーに伝達されるようにするのである。
【0007】
前記反射偏光子の入射光に対するS偏光の選択的反射とP偏光の透過作用とは、光学層の伸長処理に伴う各光学層の光学的厚さの設定および光学層の屈折率の変化と、このような屈折率の変化に伴う異方性屈折率を有する光学層と等方性屈折率を有する光学層との間の屈折率の差によって各光学層の界面で行われる。
【0008】
すなわち、反射偏光子に入射する光は、各光学層を経ながらS偏光の反射とP偏光の透過作用を繰り返して最終的には入射偏光のうちP偏光のみが液晶アセンブリーに伝達される。一方、反射したS偏光は前述した通り、光学キャビティーの拡散反射面で偏光状態が無作為化された状態で反射して、再び反射型偏光子に伝達される。これによって、光源から発生した光の損失と共に電力の無駄遣いを減らすことができた。
【0009】
一方、上述した通り光学層の伸長処理が隣接した光学層間に屈折率の差を誘発するが、前記伸長処理は通常的に空間上のX、Y、Z軸のうちのある一軸方向に行われ、伸長処理されていない他の二軸の場合、屈折率はほとんど変化しない。ただし、伸長処理されていない他の二軸の屈折率も必ずしも変化しないとは言えないので、二軸の屈折率の差が0.06以下であれば、通常的に整合とみなし、それ以上に差が出る場合、不整合とみなす。
【0010】
前記のような伸張していない二軸の屈折率の差による不整合の発生は、反射偏光子で透過させなければならない目的とする偏光の透過率を低下させたり、または目的としない偏光の透過率を増加させる恐れがあるという問題点がある。特に、目的とする偏光の透過率の低下が可視光線の波長範囲で全体的に減少することもあるが、従来、研究開発された反射偏光子は、可視光線の波長範囲の中でも特定の波長範囲でのみ目的とする偏光の透過率を減少させたものであり、特定の波長範囲の透過率の減少は透過率が減少していない他の波長範囲の偏光の透過率を相対的に高くさせてしまい、反射偏光子の外観を相対的に透過率が高くなった波長範囲の色で具現させる問題があった。例えば、青色光に該当する450〜500nmの波長範囲での透過率の顕著な減少は、透過率が減少していない黄色(波長範囲570〜590nm)や赤色(610〜700nm)の透過を相対的に増加させることによって、反射偏光子の外観が黄色く見えたり赤く見えるようにする問題点があった。
【0011】
前述した問題点は、特に反射偏光子に対して非法線で入射する光に対しては顕著であり、このような問題点によってディスプレイの色相の調節が非常に難しく、ディスプレイを通じて具現される色感が非常に悪くなる問題点がある。
【0012】
また、特定の波長範囲の光の透過率の減少は、液晶アセンブリーを到達目的とする偏光を減少させることによって輝度の低下などの問題点が発生し得る。
【0013】
具体的には、大韓民国特許公開公報第2000−0029721号による反射偏光子は、前述したような特定の波長範囲の偏光に対する透過率の減少に伴う問題点を解決した一具現例を開示している。しかし、前記一具現例は、600〜700nmの波長帯の目的とする偏光の透過率を顕著に低下させることによって相対的に青色および/または黄色の透過率を増加させて反射偏光子の外観が赤く見えることを防止しているが、このような反射偏光子は外観が赤く見えることだけを防止できるだけであって、外観が青色や黄色で示す可能性は依然として存在しており、特定の色に現われる波長範囲の光透過率の増加はディスプレイの色調節の困難さを依然として解決できない。
【0014】
特に、従来の多層積層型反射偏光子の場合、法線入射光および非法線入射光により透過率/反射率の傾向が可視光線の領域帯で異なって発現することによって、側面からディスプレイを見るときの外観の色が実際に具現しようとする色と異なって発現する問題点があった。
【0015】
更に具体的には、
図1は前記一具現例に係る反射偏光子の60°の入射角に対する偏光(P波)の透過率スペクトルを示したグラフであり、400〜700nmの波長範囲のうち赤色に該当する610〜700nmの透過率を最小40%まで落とすことによって、相対的に赤色の偏光の透過を減らし、他の波長範囲の光の透過を高めて反射偏光子が赤く見えることを防止していることが分かる。しかし、
図1のような波長別透過率スペクトルを示している反射偏光子の外観は、青または黄色の特定の色を帯びるもののように見える可能性があるため、ディスプレイの色調節の困難さは依然として存在する。また、
図1を通じて分かるように、400〜600nmの波長範囲において、透過率は約450nmを除いて80%未満に顕著に低下したことが分かり、このような透過率の低下は、液晶ディスプレイに到達するP偏光の強度を低下させてディスプレイの輝度を顕著に低下させる問題点があり得る。
【0016】
また、液晶ディスプレイに到達させずに反射させなければならないS偏光(
図1のcに該当し、前記cは法線入射時に消光軸に平行な偏光の透過率を示す)を詳しくみると、可視光線の波長領域において一部の波長範囲は反射率が優れているが、それ以外の波長範囲においては反射率が顕著に低下し、波長帯別の反射率において均一でないため、特定の波長帯の場合、輝度が顕著に低下し色変調現象を更に調節し難くする問題点がある。
【0017】
したがって、反射偏光子に法線入射する光であれ、非法線入射する光であれ、いずれにおいても反射偏光子を透過する偏光が特定の波長範囲に偏らずに均等に透過することによって、特定の色や虹色の光を有する外観を示さず、色の調節がより容易であるとともに、可視光線の波長帯において均一であり、かつ優れた輝度を発現する反射偏光子の開発が切に求められているのが実情である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
上述した通り、従来、研究開発された反射偏光子などは、可視光線の波長範囲の中でも特定の波長範囲において目的とする偏光の透過率を減少させたものであり、特定の波長範囲の透過率の減少は透過率が減少していない他の波長範囲の偏光の透過率を相対的に高くさせてしまい、反射偏光子の外観を相対的に透過率が高くなった波長範囲の色で具現させる問題があった。また、このような問題点は、特に反射偏光子に対して非法線に入射する光に対しては顕著であり、このような問題によってディスプレイの色相の調節が非常に難しく、ディスプレイを通じて具現される色感が非常に悪くなる問題点があった。更に、このような色相の制御不良には、目的とする偏光の波長帯別の透過率の顕著な差だけでなく、波長帯別に目的としない偏光の反射率の顕著な差も色相不良を更に加速化させる問題点があった。ひいては、特定の波長範囲の光の透過率の減少は、液晶アセンブリーを到達目的とする偏光を減少させることによって輝度の低下などの問題点を発生させた。
【0043】
そこで、本発明の第1具現例は、透過軸に平行な第1偏光は透過させ、消光軸に平行な第2偏光は反射させる反射偏光子において、前記第2偏光に対する380〜780nmの波長範囲での反射率は85%以上であり、前記第2偏光の450〜780nmの波長範囲で下記の数学式1による反射率の変化率が0.05%/nm以下であることを特徴とする反射偏光子を提供することによって、前述した問題の解決を模索した。これを通じて、反射偏光子に入射する光線の非法線入射または法線入射にかかわらず、反射偏光子は特定の一軸方向に屈折率の不整合が最小化するため、可視光線の波長範囲内の目的とする偏光の透過率が均一となるに伴い、これによって反射偏光子を透過した光が特定の波長範囲に偏らず、外観が虹色の光でカラフルであり特定の一色を示さないとともに、目的としない偏光の反射率が顕著に大きいことから特定の波長帯に偏らずに可視光線の波長範囲の全体において色の調節が容易であり、色相が顕著に優れ、優秀かつ均一な輝度を発現することができる。
【0044】
まず、本発明に係る第1具現例の反射偏光子についての具体的な説明に先立ち、反射偏光子によって透過する第1偏光と反射する第2偏光について具体的に説明する。
【0045】
空間上のX、YおよびZ軸による反射偏光子の屈折率の実質的な一致または不一致の大きさは、その軸に沿って偏光した光線の散乱の程度に影響を及ぼす。一般に、散乱能は屈折率の不一致の自乗に比例して変化する。したがって、特定の軸による屈折率の不一致の程度がより大きいほど、その軸に沿って偏光した光線が更に強く散乱する。その反対に、特定の軸による不一致が小さい場合、その軸に沿って偏光した光線はより少ない程度に散乱する。ある軸による反射偏光子の等方性物質の屈折率が異方性物質の屈折率と実質的に一致する場合、このような軸に平行な電場に偏光した入射光は散乱されずに反射偏光子を通過する。より具体的には、第1偏光(P波)は、等方性物質と異方性物質の境界に形成される複屈折界面に影響を受けずに透過するが、第2偏光(S波)は等方性物質と異方性物質の境界に形成される複屈折性界面に影響を受けて光の変調が起きる。これを通じて、P波は透過しS波は光の散乱、反射などの光の変調が発生するようになり、その結果、偏光の分離が行われ、第1偏光(P波)は反射偏光子を透過して通常反射偏光子の上部に位置する液晶ディスプレイに到達する。このような原理によって反射偏光子は、一つの偏光は透過させ、他の偏光は反射させるように作用し、透過した偏光は透過軸に平行して偏光し、反射する偏光は消光軸に平行して偏光する。
【0046】
一方、屈折率が異なる2個の層が交互に積層された反射偏光子の場合、入射光の角度すなわち、法線入射から遠くなった角度が増加するほど光が反射偏光子の屈折率が異なる互いに異なる媒質を通過するようになる距離が法線入射の場合に比べて増加し、これに伴い、透過軸に平行して偏光する第1偏光および第2偏光に対する可視光線の波長範囲での透過率が入射光の入射角度によって異なるようになり、特定の入射角で第1偏光および第2偏光は波長別に特定の透過率スペクトルを有するようになる。
【0047】
しかし、入射角が変更されるたびに第1偏光の波長別透過率スペクトルが変化するということは、入射角度により前述した反射偏光子の外観がある特定の色を帯びることや虹色の光を示すことと関連があり、見る角度によって輝度が異なり得るため、このような問題点を解決するためには反射偏光子が入射角にかかわらず、一定の第1偏光の波長別透過率スペクトルを発現し、入射角にかかわらず、一定の第2偏光の波長別反射率スペクトルを発現することが好ましい。
【0048】
また、反射偏光子が特定の入射角による第1偏光の波長別透過率スペクトルにおいて、可視光線の波長範囲で均一な透過率を示したり、スペクトル上で透過率が急激に減少する波長を含んでも前記波長が可視光線よりも波長が小さい領域(紫外線領域)または大きい領域(赤外線領域)に位置する方が非常に好ましく、少なくとも前記波長が可視光線と紫外線が隣接する付近または可視光線と赤外線が隣接する付近に位置する方が好ましい。
【0049】
一方、反射偏光子を通じて反射する第2偏光の反射率が可視光線の波長範囲で均一でない場合、第1偏光が入射光の入射角度にかかわらず、可視光線の波長範囲で均一な透過率を有しても色変調の制御に失敗する可能性がある。これについて具体的に説明すると、通常ディスプレイ用のバックライトユニットは、輝度の向上のために反射偏光子の下部に反射板(またはフィルム)を具備させ、前記反射板は反射偏光子で反射した第2偏光を反射して反射偏光子に再入射させる機能を遂行し、最終的には再入射した第2偏光が反射偏光子を通じて第1偏光に光変調および透過され得るようにする役割を遂行する。万一、可視光線の波長範囲内の特定の波長別に第2偏光の反射率の差が大きい場合、反射偏光子に再入射する第2偏光の光量において差が大きくならざるを得ず、最終的には波長帯別に第2偏光が第1偏光に変調されて反射偏光子を透過する波長帯別の第1偏光の光量の差を誘発させることによって、色変調現象が発生し得る問題がある。
【0050】
その結果、ある一反射偏光子が固有に可視光線の波長範囲で均一な第1偏光の透過率を有するとしても、第2偏光の反射率まで均一でなければ反射偏光子が応用される物品の他の構成によって、最終的には反射偏光子を通じて透過する第1偏光の光量の偏差が顕著となり、これに伴って、色変調が発生する可能性がある。
【0051】
したがって、本発明は、入射角が45°である光線による前記第2偏光に対する380〜780nmの波長範囲での反射率が85%以上であることから非常に高い反射率を有し、最終的には光損失が少ないため輝度が顕著に向上し得る。また、入射角が45°である光線による前記第2偏光の450〜780nmの波長範囲で下記の数学式1による反射率の変化率が0.05%/nm以下であることから可視光線の波長帯で非常に均一な反射率を有し、これは非常に優れた色変調制御を可能にし、これを通じて外観の色がある特定の色に偏って見えないためにディスプレイの色相が顕著に優れて具現され得る。
【0052】
具体的には、
図2は本発明に係る好ましい一具現例による入射角が45°である光線による第1偏光および第2偏光に対する波長別透過率スペクトルを示したものであって、前記
図2において、スペクトル(a)は入射角が45°である光線による偏光率を示したものであり、スペクトル(b)は入射角が45°である光線による第1偏光の透過率を示したもの、スペクトル(c)は入射角が45°である光線による第2偏光の透過率(または反射率)を示したものである。
図2において、入射角が45°である光線による380〜780nmの波長範囲での第2偏光の反射率は約780nm付近で最も低く、この時の反射率が約86%ほどであるので380〜780nmの可視光線の波長領域で第2偏光の反射率は85%以上であり、したがって、光損失を減らして輝度で再補償され得る余地が非常に大きいことが分かる。
【0053】
また、本発明に係る第1具現例は、入射角が45°である光線による第2偏光の450〜780nmの波長範囲で下記の数学式1による反射率の変化率が0.05%/nm以下、より好ましくは0.03%/nm以下であって、波長別に反射率の差が非常に少なく、これを通じて反射偏光子が特定の色を帯びることや虹色の光を帯びることを防止でき、色変調の制御が向上し、ディスプレイでより優れた色相の具現が可能である。
【0055】
前記λ1は450nmであり、R1はλ1での第2偏光の反射率を示し、前記λ2は780nmであり、R2はλ2での第2偏光の反射率を示す。
【0056】
前記反射偏光子の反射率の変化率とは、所定の可視光線の波長領域、その中でも青色〜赤色に達する波長範囲である450〜780nmで第2偏光の反射率の変化を見定めることができるパラメーターであって、反射率の変化率が小さいほど特定の波長で反射率が顕著に増加し、又は顕著に減少する反射率の変動が少ないため反射偏光子の外観が特定の色を示さないことがあり、第1偏光の波長帯別の透過量を、最終的には高い水準で均一にすることができる。
【0057】
具体的には、
図2は、本発明の好ましい一具現例に係る入射角が45°である光線に対する第1偏光と第2偏光の波長別透過率スペクトルを示したものであって、前記反射率の変化率は
図2の直線lの傾きを意味し、前記直線lの傾きが約0.026%/nmを満足することによって反射率の変化率が非常に小さく、これを通じて波長別第2偏光の反射率の偏差が非常に小さいことが分かり、これを通じて色変調の制御が非常に優れていることが予想できる。
【0058】
また、入射角が45°である光線による第2偏光は、480〜580nmの波長範囲で可視光線の反射均一度が5%以下、より好ましくは3%以下であり得、580〜780nmの波長範囲で可視光線の反射均一度が7%以下であり得るが、これによって、反射率の変動が最小化し、広い波長範囲においても第2偏光の反射率が一定であり得る。
【0059】
前記可視光線の反射均一度とは、可視光線の波長範囲のうち所定の波長範囲で第2偏光の反射率の最大値と最小値の差を意味する。前記可視光線の反射均一度が高いほど所定の可視光線の入射角の波長範囲の透過率が最終的には均一であるので、いずれか一つの色相に偏ることなく非法線に対する反射偏光子の外観を白色に近いように具現することができる。
【0060】
具体的には、
図3は本発明に係る好ましい一具現例による入射角が45°である光線による第1偏光および第2偏光に対する波長別透過率スペクトルを示したものであって、
図3において、480nm(λ1)〜580nm(λ2)の波長範囲での第2偏光の反射率の最小値(R2)は約93%であり、最大値(R1)は約95%であるので、前記波長範囲での第1偏光の可視光線の透過均一度(α)は2%であって、透過均一度が非常に優れている。
【0061】
また、
図3において、580nm(λ2)〜780nm(λ3)の波長範囲での第2偏光の反射率の最小値(R3)は約87%であり、最大値(R2)は約93%であるので、前記波長範囲での第1偏光の可視光線の反射均一度(β)は6%であって透過均一度が非常に優れており、その結果、
図3による反射偏光子は、480〜780nmの波長範囲内の可視光線の第2光線に対する反射均一度が8%であって10%以内であるので、物性が非常に優秀であり得る。
【0062】
また、本発明の好ましい一具現例に係る反射偏光子は、入射角が45°である光線による前記第2偏光は480nmの波長で反射率が94〜96%、580nmの波長で反射率が92〜94%、680nmの波長で反射率が88〜91%、780nmの波長で反射率が85〜88%であり得るが、
図3の反射偏光子を通じてこのような傾向を更によく確認することができる。
図3で前記各波長別の第2偏光の反射率を詳しくみると、480nmから780nmに行くほど反射率が減少するが、反射率が減少する変動比率が小さいことが分かり、これを通じてある特定の波長で第2偏光の反射率の顕著な低下区間を含まず、反射率の変動が小さく、かつ透過率が優れているので、目的とする物性を発現するのに適合することが分かる。
【0063】
一方、本発明の好ましい一具現例によると、入射角が45°である光線による第1偏光は450〜780nmの波長範囲で透過率が72%以上であって、反射偏光子の第1偏光の透過率が高く、優れた輝度が具現され得、より好ましくは前記波長範囲による第1偏光の透過率のうち最低透過率を有する第1偏光の波長と同じ波長での第2偏光の反射率は95%以上であって顕著に高いので、第1偏光の透過率が最小値に対応する第1波長で反射する第2偏光を通じて再補償される第1偏光が顕著に増加する余地が高く、最終的には前記第1波長での輝度が顕著に向上し得る。具体的には、
図4は本発明に係る好ましい一具現例による入射角が45°である光線による第1偏光および第2偏光に対する波長別透過率スペクトルを示したものであって、入射角が45°である光線による第1偏光は、450〜780nmの波長範囲での最小透過率は450nm(λ4)で約76%であるのに対し、前記最小透過率に対応する波長(λ4)での第2偏光の反射率は約96%であって非常に高いので、最終的には損失する光が少なく、可視光線の全波長において均一な第1偏光を透過することができる。
【0064】
また、
図4を参照すると、可視光線の波長領域帯の区間で特定の波長における第1偏光の透過率と第2偏光の反射率の和が一定であり得るが、具体的には、480nmで第1偏光の透過率(約80%)と第2偏光の反射率(約95%)の和は、約175%であり、580nmで第1偏光の透過率(約86%)と第2偏光の反射率(約93%)の和は約179%であり、780nmでの第1偏光の透過率(約90%)と第2偏光の反射率(約87%)の和は約177%であるので、第1偏光の透過率および第2偏光の反射率の和がほぼ同じ水準であり、これを通じて最終的には光補償を受けることによって、透過する可視光線の波長帯で第1偏光の波長別の透過率はほぼ同じとなり得、これを通じていずれか一つの色相に偏ることなく、非法線入射角に対する反射偏光子の外観を白色に近いように更によく具現することができる。
【0065】
また、本発明の好ましい一具現例に係る反射偏光子は、入射角が45°である光線による第1偏光は480〜580nmの波長範囲で可視光線の透過均一度が8%以下であり、580〜780nmの波長範囲で可視光線の透過均一度が5%以下であり得る。
【0066】
前記可視光線の透過均一度とは、可視光線の波長範囲のうち所定の波長範囲で第1偏光の透過率の最大値と最小値との差を意味する。前記可視光線の透過均一度が高いほど所定の可視光線の波長範囲の透過率が均一であるため、いずれか一つの色相に偏ることなく、非法線入射角に対する反射偏光子の外観を白色に近いように具現することができる。
【0067】
具体的には、
図5は本発明に係る好ましい一具現例による入射角が45°である光線による第1偏光および第2偏光に対する波長別透過率スペクトルを示したものであって、
図5において、480nm(λ1)〜580nm(λ2)の波長範囲での第1偏光の透過率の最小値T1は約80%であり、最大値T2は約86%であるので、前記波長範囲での第1偏光の可視光線の透過均一度(γ)は6%であって、透過均一度が非常に優れていることを確認することができる。
【0068】
次いで、本発明に係る第2具現例の反射偏光子について説明する。
【0069】
本発明に係る第2具現例の反射偏光子は、透過軸に平行な第1偏光は透過させ、消光軸に平行な第2偏光は反射させる反射偏光子において、入射角が45°である光線による前記第1偏光に対して450〜780nmの波長範囲で最大透過率および最小透過率の差が20%以下であり得、好ましくは前記最大透過率および最小透過率の差は15%以下であり得る。万一、最大透過率と最小透過率の差が20%を超過する場合、波長別に透過率が異なるため波長別に輝度が異なり得、相対的に強い輝度を示す波長の色が強く表現され得るため、色の制御が目的通りにならないなど、目的とする物性を具現できない問題点があり得る。
【0070】
具体的には、
図2において入射角が45°であるとき、450〜780nmの波長範囲において、最大透過率は波長が780nmであるとき透過率が90%であり、最小透過率は波長が450nmであるとき透過率が76%であるので、最大透過率と最小透過率の差が14%に過ぎず、450〜780nmの波長範囲で透過率が極めて均一であり、前記波長範囲で反射する第2偏光によって補償され得る第1偏光まで考慮した時、第1偏光は前記波長範囲で各波長別に非常に類似した透過率を発現することが予想でき、これを通じてより優れた輝度、色の制御が可能であり得る。
【0071】
次いで、本発明に係る第3具現例の反射偏光子について説明する。
【0072】
本発明に係る第3具現例の反射偏光子は、透過軸に平行な第1偏光は透過させ、消光軸に平行な第2偏光は反射させる反射偏光子において、入射角が90°である光線による前記第1偏光の580nmでの第1透過率(%)と入射角が45°である光線による前記第1偏光の580nmでの第2透過率(%)との差が8%以下であり得る。前記第1透過率と第2透過率の差が8%以下であるということは、反射偏光子に入射する光の角度が変わっても特定の波長範囲(580nm)での透過率の差が8%以下であって、顕著に小さいので、広視野角が非常に広くなり得、入射光の入射角度が変わる場合にも顕著に優れた色の制御および優れた輝度を発現する反射偏光子が具現できる利点がある。前記透過率の差は、好ましくは5%、より好ましくは3%、更に好ましくは1%以内の差であり得る。
【0073】
前記反射偏光子は、好ましくは入射角が90°である光線による前記第1偏光の450nmでの第3透過率(%)と入射角が45°である光線による前記第1偏光の450nmでの第4透過率(%)との差が5%以下を満足することができ、より好ましくは入射角が90°である光線による前記第1偏光の780nmでの第5透過率(%)と入射角が45°である光線による前記第1偏光の780nmでの第6透過率(%)との差が5%以下であり得ることから、450〜780nmの波長領域で特定の波長帯での第1偏光の透過率が入射光線の入射角にかかわらず均一であるため、目的とする物性を具現するのに非常に適合することを確認することができる。
【0074】
一方、本発明に係る色変調などに関する従来技術の問題点およびこれを解決した本発明に係る波長別の第1偏光、第2偏光の透過率、反射率に対する具体的な説明は、本発明の発明者による大韓民国特許出願第2014−0195659号が参照として挿入され得る。
【0075】
一方、前述した本発明の第1具現例〜第3具現例に係る第1偏光の透過率と第2偏光の反射率の条件を満足させ得る
図2の反射偏光子は、好ましくは基材;および前記基材の内部に分散して含まれる複数個の分散体;を含むポリマー分散型反射偏光子であり得、より好ましくは前記分散体がランダムに基材の内部に分散したランダム分散型反射偏光子であり得る。前記分散体は、前記基材と複屈折界面を形成して光変調効果を誘発させなければならないので、前記基材が光学的等方性である場合、分散体は複屈折性を有することができ、その反対に前記基材が光学的に複屈折性を有する場合には分散体は光学的等方性を有することができる。具体的には、前記分散体のx軸方向の屈折率がnX1、y軸方向の屈折率がnY1およびz軸方向の屈折率がnZ1であり、基材の屈折率がnX2、nY2およびnZ2であるとき、nX1とnY1の間の面内複屈折が発生し得る。更に好ましくは、基材と分散体のX、Y、Z軸の屈折率のうち少なくともいずれか一つが異なり得、より好ましくは伸長軸がX軸である場合、Y軸およびZ軸方向に対する屈折率の差が0.05以下であり、X軸方向に対する屈折率の差が0.1以上であり得る。一方、通常的に屈折率の差が0.05以下であると整合と解釈する。
【0076】
一方、前記複数個の分散体は目的とする第1偏光を透過し、目的としない第2偏光を反射させるために、可視光線の波長範囲で適切な光学的厚さを有することができ、適切な範囲内の厚さ偏差を有することができる。前記光学的厚さ(optical thickness)は、n(屈折率)>d(物理的厚さ)を意味する。一方、光の波長と光学的厚さは下記の関係式1により定義される。
【0077】
[関係式1]
λ=4nd、ただし、λは光の波長(nm)、nは屈折率、dは物理的厚さ(nm)
【0078】
したがって、分散体の平均光学的厚さが150nmの場合、関係式1によって600nmの波長の第2偏光を反射させることができ、このような原理で複数個の分散体のそれぞれの光学的厚さを調節する場合、目的とする波長範囲、特に可視光線の波長範囲での第2偏光の反射率を顕著に増加させることができる。
【0079】
これに伴い、前述した
図2のような物性が発現できる反射偏光子は、好ましくは、前記複数個の分散体のうち少なくとも2個は分散体が伸張した方向に断面積が異なり得、これを通じて分散体の断面直径(光学的厚さに該当する)が異なり得るため、光学的厚さに対応する波長の第2偏光を反射させることができ、可視光線の各波長に対応する光学的厚さを有するポリマーを含む場合、可視光線の領域に対応する第2偏光を反射させることができる。
【0080】
一方、本発明の好ましい一具現例に係る反射偏光子は、複数個の分散体が基材の内部に分散しており、前記複数個の分散体は厚さ別に基材の内部でグループまたは層を成さずにランダムに分散していてもよい。
【0081】
具体的には、従来に開示された屈折率が異なる互いに異なる媒質層を交互に積層させた多層反射偏光子の場合、各層の厚さを可視光線の波長範囲が全てカバーできるように、少なくとも300層以上に構成させて製造されるが、媒質が一定の厚さを有する平板状の層である場合、入射光が非法線入射時と法線入射時に前記媒質を通過して移動する距離が変わり、これに伴って、反射軸に平行な第2偏光の制御が容易でないこともあるが、これを解決するために従来の多層反射偏光子は特定の波長領域で反射軸に平行な第2偏光の制御がより容易となるようにするために、多層を厚さ別に2〜4個にグルーピングして積層させて、問題となる特定の波長領域での第1偏光や第2偏光の透過率を制御している。しかし、このような厚さ別の複数個の層がグループ化されて積層され、前記グループが積層される場合、可視光線の全領域の全波長において、第2偏光に対して透過率の制御が均一に一様ではない問題点があり得る。
【0082】
しかし、本発明の好ましい一具現例に係る反射偏光子は、基材の内部に可視光線の波長領域帯をカバーするために、分散体の断面直径が異なるものを複数個具備させるか、前記分散体は断面直径別に基材の内部で何らかの層を成したり、グルーピングされて基材に具備されず、基材の内部に断面直径にかかわらずランダムに分散するため、可視光線の全領域において第2偏光の反射率の制御が非常に優れており、波長別の偏差が小さく、均一であり得る利点がある。
【0083】
前記複数個の分散体の形状は、
図2のような物性が発現できるものであれば特に制限されず、具体的には円形、楕円形などであり得、全分散体の個数は、32インチを基準として基材の厚さが120μmのとき、25,000,000〜80,000,000であり得るが、これに制限されない。
【0084】
前記分散体の形状が円形、楕円形の場合、反射偏光子に入射する光の入射角度が非法線の場合にも光の移動距離が法線の時と比較する時にほとんど差がないため、法線入射、非法線入射にかかわらず、第1偏光および/または第2偏光の波長別透過率スペクトル曲線はほぼ類似し得る利点がある。
【0085】
前記基材と分散体は、通常的に反射偏光子に複屈折界面を形成するように用いられるものであれば制限なく使用することができ、前記基材成分は、好ましくはポリエチレンナフタレート(PEN)、コポリエチレンナフタレート(co−PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリカーボネート(PC)アロイ、ポリスタイレン(PS)、耐熱ポリスタイレン(PS)、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリウレタン(PU)、ポリイミド(PI)、ポリビニルクロライド(PVC)、スタイレンアクリロニトリル混合(SAN)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、フェノール、エポキシ(EP)、尿素(UF)、メラニン(MF)、不飽和ポリエステル(UP)、シリコン(SI)およびシクロオレフィンポリマーを用いることができ、より好ましくはPENであり得る。
【0086】
前記分散体成分は、好ましくはポリエチレンナフタレート(PEN)、コポリエチレンナフタレート(co−PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリカーボネート(PC)アロイ、ポリスタイレン(PS)、耐熱ポリスタイレン(PS)、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリウレタン(PU)、ポリイミド(PI)、ポリビニルクロライド(PVC)、スタイレンアクリロニトリル混合(SAN)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、フェノール、エポキシ(EP)、尿素(UF)、メラニン(MF)、不飽和ポリエステル(UP)、シリコン(SI)およびシクロオレフィンポリマーを単独または混合して用いることができ、より好ましくはジメチル−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ジメチルテレフタレートおよびエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール(CHDM)等の単量体が適切に重合したco−PENであり得る。
【0087】
また、前記ポリマー分散型反射偏光子は、基材と分散体との間に複屈折界面を形成するために、少なくとも一方向に延びたものであり得る。
【0088】
一方、より好ましくは前記複数個の分散体は基材の内部にランダムに分散したものであり得る。これを通じて、
図2の物性が発現し得る反射偏光子の具現がより容易であり得、従来の反射偏光子と比べて光漏れ、輝線が見えるなどの問題点まで相殺させた反射偏光子を具現することができる。
【0089】
また、
図2のような物性を発現することによって本発明が解決しようとする優れた物性を達成するために、より有利となり得るランダム分散型反射偏光子について具体的に説明すると、前記ランダム分散型反射偏光子は、基材および前記基材の内部に含まれて外部から照射される第1偏光を透過させて第2偏光を反射させるための複数個の分散体を含み、複数個の分散体は前記基材と少なくとも一軸方向に屈折率が異なり、前記基材の内部に含まれた複数個の分散体のうち80%以上が長さ方向の垂直断面を基準として長軸の長さに対する短軸の長さの縦横比が1/2以下であり、前記縦横比が1/2以下である分散体は断面積に応じて少なくとも3個のグループに含まれ、前記グループのうち第1グループの分散体の断面積は0.2〜2.0μm
2であり、第2グループの分散体の断面積は2.0μm
2超過〜5.0μm
2以下であり、第3グループの分散体の断面積は5.0μm
2超過〜10.0μm
2以下であり、前記第1グループ〜第3グループの分散体はランダムに配列されたランダム分散型反射偏光子であり得る。このような反射偏光子の場合、前述した優れた物性の達成により有利となり得る。
【0090】
また、前記ランダム分散型反射偏光子は、前述した基材および前記基材の内部に含まれ、前述した好ましい一具現例に係る分散体条件を満足する複数個の分散体を含む反射偏光子をコア層とし、前記コア層の少なくとも一面に形成された一体化したスキン層を含む構造であり得、前記スキン層を更に具備することを通じてコア層の保護、反射偏光子の信頼性の向上に寄与することができる。
【0091】
スキン層を含まない一具現例とスキン層を含む他の一具現例に係る反射偏光子とは、その用途上において差があり得、ディスプレイなどの各種汎用の液晶表示装置にはスキン層を含む反射偏光子を用いることが好適であり得、携帯用液晶表示装置、例えば携帯用電子機器、スマート電子機器、スマートフォンの場合、スリム化した反射偏光子が要求されるためスキン層を含まない反射偏光子を用いた方が好適であり得るが、これに制限されるものではない。
【0092】
具体的には、
図6は前記ランダム分散型反射偏光子の断面図であって、基材211の内部に複数個の分散体212〜217がランダムに分散して配列されたコア層210および前記コア層の少なくとも一面に一体に形成されたスキン層220を示す。
【0093】
まず、前記コア層210について説明すると、前記コア層は前記基材の内部に含まれた複数個の分散体のうち80%以上は長さ方向の垂直断面を基準として長軸の長さに対する短軸の長さの縦横比が1/2以下でなければならず、より好ましくは90%以上が前記縦横比値が1/2以下を満足することができる。
【0094】
具体的には、
図7は本発明の好ましい一具現例に用いられる分散体の長さ方向の垂直断面であって、長軸の長さをaとし、短軸の長さをbとした時、長軸の長さaと短軸の長さbの相対的な長さの比(縦横比)が1/2以下でなければならない。換言すると、長軸の長さaが2であるとき、短軸の長さbはその1/2である1よりも小さいか同じでなければならないのである。万一、長軸の長さに対する短軸の長さの比が1/2より大きい分散体が全分散体の個数のうち20%以上で含まれる場合には、所望する光学物性を達成し難い。
【0095】
前記縦横比が1/2以下である分散体は、断面積が異なる3個以上のグループを含む。具体的には、
図6で断面積が最も小さい第1グループの分散体202、203と断面積が中間の大きさを有する第2グループの分散体204、205および断面積が最も大きい第3グループ206、207の分散体を全て含めてランダムに分散する。この場合、第1グループの断面積は0.2〜2.0μm
2であり、第2グループの断面積は2.0μm
2超過〜5.0μm
2以下であり、第3グループの断面積は5.0μm
2超過〜10.0μm
2以下であり、第1グループの分散体、第2グループの分散体および第3グループの分散体はランダムに配列される。万一、第1〜第3グループの分散体のうちいずれか一グループの分散体を含まない場合には、所望する光学物性を達成し難い。
【0096】
この場合、好ましくは前記縦横比が1/2以下である分散体のうち第3グループの分散体の個数は10%以上であり得る。万一、10%未満であると、光学的な物性の向上が不十分となり得る。より好ましくは、前記縦横比が1/2以下である分散体のうち第1グループに該当する分散体の個数は30〜50%を満足し、第3グループに該当する分散体の個数が10〜30%であり得、これを通じて光学物性を向上させることができる。
【0097】
一方、より好ましくは第1グループの分散体の個数/第3グループの分散体の個数が3〜5の値を有する場合、光学物性の最大化に非常に有利となり得る。
【0098】
好ましくは、前記縦横比が1/2以下である分散体のうち第2グループに該当する分散体の個数は25〜45%を満足することができる。また、前記第1〜第3分散体の断面積の範囲から外れる分散体が前記縦横比が1/2以下である分散体に残量として含まれ得る。これを通じて従来の分散型反射偏光子に比べて輝線が見える現象が改善され、かつ広視野角が広く、光損失を最小化しつつ、輝度の向上を最大化することができる。
【0099】
図8は本発明の好ましい一具現例に含まれる反射偏光子の斜視図であって、コア層210の基材201の内部に複数個のランダム分散体208が長さ方向に伸張しており、スキン層220はコア層210の上部および/または下部に形成され得る。この場合、前記ランダム分散体208はそれぞれ多様な方向に伸張され得るが、好ましくはある一方向に平行に伸張するのが有利であり、より好ましくは外部の光源から照射される光に垂直な方向に伸長体間に平行に伸張することが光変調効果を最大化するのに効果的である。
【0100】
本発明の好ましい一具現例によると、基材の内部に含まれる分散体(第1成分)と基材(第2成分)との間に複屈折界面が形成され得る。具体的には、基材の内部に分散体を含む反射偏光フィルムにおいて、基材と分散体との間の空間上のX、YおよびZ軸による屈折率の実質的な一致または不一致の大きさは、その軸に沿って偏光した光線の散乱の程度に影響を及ぼす。一般に、散乱能は屈折率の不一致の自乗に比例して変化する。したがって、特定の軸による屈折率の不一致の程度がより大きいほど、その軸に沿って偏光した光線が更に強く散乱する。その反対に、特定の軸による不一致が小さい場合、その軸に沿って偏光した光線はより小さい程度に散乱する。ある軸に沿って基材の屈折率が分散体の屈折率と実質的に一致する場合、このような軸に平行な電場に偏光した入射光は分散体の部分の大きさ、形および密度にかかわらず散乱されずに分散体を通過するはずである。また、その軸による屈折率が実質的に一致する場合、光線は実質的に散乱せずに物体を通じて通過する。より具体的には、第1偏光(P波)は基材と分散体の境界に形成される複屈折界面に影響を受けずに透過するが、第2偏光(S波)は基材と分散体との間の境界に形成される複屈折性界面に影響を受けて光の変調が起きる。これを通じてP波は透過しS波は光の散乱、反射などの光の変調が発生し、その結果、偏光の分離が行われるのである。
【0101】
したがって、前記基材と分散体は複屈折界面を形成しなければ光変調効果を誘発することができないので、前記基材が光学的等方性である場合、分散体は複屈折性を有することができ、その反対に前記基材が光学的に複屈折性を有する場合には分散体は光学的等方性を有することができる。具体的には、前記分散体のx軸方向の屈折率がnX1、y軸方向の屈折率がnY1およびz軸方向の屈折率がnZ1であり、基材の屈折率がnX2、nY2およびnZ2であるとき、nX1とnY1との間の面内複屈折が発生する可能性がある。更に好ましくは、基材と分散体のX、Y、Z軸の屈折率のうち少なくともいずれか一つが異なり得、より好ましくは伸長軸がX軸である場合、Y軸およびZ軸方向に対する屈折率の差が0.05以下であり、X軸方向に対する屈折率の差が0.1以上であり得る。一方、通常的に屈折率の差が0.05以下であると整合と解釈する。
【0102】
また、前記コア層の厚さは20〜350μmであることが好ましく、より好ましくは50〜250μmであり得るが、これに制限されず、具体的な用途およびスキン層を含むか否か、スキン層の厚さに応じてコア層の厚さは異なって設計され得る。また、全分散体の個数は32インチを基準として基材の厚さが120μmであるとき、25,000,000〜80,000,000個であり得るが、これに制限されない。
【0103】
次いで、コア層の少なくとも一面に含まれ得るスキン層220について説明すると、前記スキン層の成分は通常的に用いられる成分を用いることができ、通常的に反射偏光フィルムで用いられるものであれば制限なく用いられ得るが、好ましくはポリエチレンナフタレート(PEN)、コポリエチレンナフタレート(co−PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリカーボネート(PC)アロイ、ポリスタイレン(PS)、耐熱ポリスタイレン(PS)、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリウレタン(PU)、ポリイミド(PI)、ポリビニルクロライド(PVC)、スタイレンアクリロニトリル混合(SAN)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、フェノール、エポキシ(EP)、尿素(UF)、メラニン(MF)、不飽和ポリエステル(UP)、シリコン(SI)およびシクロオレフィンポリマーを単独または混合して使うことができ、より好ましくはジメチル−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ジメチルテレフタレートおよびエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール(CHDM)等の単量体が適切に重合したco−PENであり得る。
【0104】
前記スキン層の厚さは30〜500μmであり得るが、これに制限されない。
【0105】
一方、スキン層が形成される場合、コア層210とスキン層220との間にも一体に形成される。その結果、接着層による光学物性の低下を防止できるだけでなく、限定された厚さにより多くの層を付加することができるため、光学物性を顕著に改善させることができる。更に、スキン層はコア層とともに製造された後延伸工程が遂行されるので、従来のコア層の延伸後に未延伸スキン層を接着させる時とは異なり、本発明のスキン層は少なくとも一軸方向に延伸され得る。これを通じて、未延伸スキン層に比べて表面硬度が向上して耐スクラッチ性が改善され、耐熱性が向上され得る。
【0106】
一方、本発明に係る光学的特性を優れて達成するのに有利なランダム分散型反射偏光子は、同一出願人による大韓民国特許出願第2013−0169215号および大韓民国特許出願第2013−0169217号が参照として挿入され得る。
【0107】
前記のような分散体が基材内にランダムに分散している反射偏光子は、後述される製造方法を通じて製造され得る。ただし、これに制限されるものではない。まず、前記基材成分と分散体成分を個別的に独立した押出部に供給することができ、この場合、押出部は2個以上で構成され得る。また、ポリマーが混じらないように別途の供給路および分配口を含む一つの押出部に供給することもまた本発明に含まれる。前記押出部は押出機であり得、これは固体相で供給されたポリマーを液相に転換させ得るように加熱手段などを更に含むことができる。
【0108】
基材成分の内部に分散体成分が配列され得るように、ポリマーの流れ性に差があるように粘度に差があるように設計し、好ましくは基材成分の流れ性が分散体成分の流れ性よりもよくなるようにする。その後、基材成分と分散体成分がミキシングゾーンとメッシュフィルタゾーンを通過しながら基材内に分散体成分が粘性の差を通じてランダムに配列された反射偏光子を製造することができる。
【0109】
その後、前記製造された反射偏光子の少なくとも一面にスキン層を含ませる場合、前記反射偏光子の少なくとも一面を押出部から移送されたスキン層成分を合わせる。好ましくは前記スキン層成分は前記反射偏光子の両面に全て合わさり得る。両面にスキン層が合わされる場合、前記スキン層の材質および厚さは互いに同一または異なり得る。
【0110】
その後、基材の内部に含まれた分散体成分がランダムに配列されるように流れ制御部で広がりを誘導する。具体的には、
図9は、本発明に適用され得る好ましい流れ制御部の一種であるコートハンガーダイの断面図であり、
図10は
図9の側面図である。これを通じて、基材広がりの程度を適切に調節して分散体成分の断面積の大きさおよび配列をランダムに調節することができる。
図9において、流路を通じて移送されたスキン層が合わされた基材がコートハンガーダイで左右に広く広がるので、内部に含まれた分散体成分も左右に広く広がるようになる。
【0111】
本発明の好ましい一具現例によると、流れ制御部で移送された広がりが誘導された反射偏光子を冷却および平滑化する段階、前記平滑化段階を経た反射偏光子を延伸する段階;および前記延伸された反射偏光子を熱固定する段階を更に含むことができる。
【0112】
まず、流れ制御部から移送された反射偏光子を冷却および平滑化する段階として、通常の反射偏光子の製造で使われていた冷却してこれを固形化し、その後キャスティングロール工程等を通じて平滑化段階を遂行することができる。
【0113】
その後、前記平滑化段階を経た反射偏光子を延伸する工程を経る。
【0114】
前記延伸は通常の反射偏光子の延伸工程を通じて遂行され得、これを通じて基材成分と分散体成分との間の屈折率の差を誘発することによって界面で光変調現象を誘発することができ、前記広がり誘導された第1成分(分散体成分)は延伸を通じて縦横比が更に減少するようになる。このために、好ましくは、延伸工程は一軸延伸または二軸延伸を遂行することができ、より好ましくは一軸延伸を遂行することができる。一軸延伸の場合の延伸方向は第1成分の長さ方向に延伸を遂行することができる。また、延伸比は3〜12倍であり得る。一方、等方性材料を複屈折性に変化させる方法は通常的に知られているものであり、例えば適切な温度条件下で延伸させる場合、分散体の分子が配向して材料が複屈折性となり得る。
【0115】
次いで、前記延伸された反射偏光子を熱固定する段階を経て最終的に反射偏光子を製造することができる。前記熱固定は通常の方法を通じて熱固定され得、好ましくは180〜200℃で0.1〜3分の間IRヒーターを通じて遂行され得る。
【0116】
以上で詳述した本発明に係る物性を満足する反射偏光子は、光源アセンブリーやこれを含む液晶表示装置などに採用され、光効率を増進させるのに使用され得る。光源アセンブリーはランプが下部に位置する直下型光源アセンブリー、ランプがサイドに位置するエッジ型光源アセンブリー等に分類されるが、本発明の具現例に係る反射偏光子はいずれの光源アセンブリーにも採用可能である。また、液晶パネルの下側に配置されるバックライト(back light)アセンブリーや液晶パネルの上側に配置されるフロントライト(front light)アセンブリーにも適用可能である。以下では多様な適用例の一例として、反射偏光子がエッジ型光源アセンブリーを含む液晶表示装置に適用された場合を例示する。
【0117】
図11は、本発明の好ましい一具現例に係る液晶表示装置の断面図であって、液晶表示装置2700は、バックライトユニット2400、および液晶パネルアセンブリー2500を含む。
【0118】
バックライトユニット2400は、出射した光の光学的特性を変調する反射偏光子2111を含み、この時、前記バックライトユニットに含まれるその他の構成および前記その他の構成と反射偏光子2111の位置関係は目的によって異なり得るため、本発明で特に限定しない。
【0119】
ただし、本発明の好ましい一具現例によると、
図9のように光源2410、光源2410から出射した光をガイドする導光板2415、導光板2415の下側に配置された反射フィルム2320、および導光板2415の上側に配置される反射偏光子2111で構成および配置され得る。
【0120】
この時、光源2410は導光板2415の両サイドに配置される。光源2410は例えば、LED(Light Eimitting Diode)、CCFL(Cold Cathode Fluorescent Lamp)、HCFL(Hot Cathode Fluorescent Lamp)、EEFL(External Electrode Fluorescent Lamp)等が使用され得る。他の実施例において、光源2410は導光板2415の一側にのみ配置されてもよい。
【0121】
導光板2415は光源2410から出射した光を内部全反射を通じて移動させてから導光板2415の下面に形成された散乱パターン等を通じて上側に出射させる。導光板2415の下には反射フィルム2420が配置されて、導光板2415から下へ出射した光を上部に反射する。
【0122】
導光板2415の上部には反射偏光子2111が配置される。反射偏光子2111については前記にて詳細に説明したので、重複説明を省略する。反射偏光子2111の上または下には他の光学シートが更に配置されてもよい。例えば、入射した円偏光を一部反射する液晶フィルム、円偏光の光を線偏光に変換させる位相差フィルムおよび/または保護フィルムを更に設置することができる。
【0123】
また、光源2410、導光板2415、反射フィルム2420および反射偏光子2111はボトムシャシー2440により収納され得る。
【0124】
液晶パネルアセンブリー2500は、第1表示板2511、第2表示板2512およびその間に介在された液晶層(図示されず)を含み、第1表示板2511および第2表示板2512の表面にそれぞれ付着した偏光板(図示されず)を更に含むことができる。
【0125】
液晶表示装置2700は液晶パネルアセンブリー2500の縁を覆い、液晶パネルアセンブリー2500およびバックライトユニット2400の側面を包み込むトップシャシー2600を更に含むことができる。
【0126】
一方、具体的には、
図12は本発明の好ましい一具現例に係る反射偏光子を採用した液晶表示装置の一例であって、フレーム3270上に反射板3280が挿入され、前記反射板3280の上面に冷陰極蛍光ランプ3290が位置する。前記冷陰極蛍光ランプ3290の上面に光学フィルム3320が位置し、前記光学フィルム3320は拡散板3321、反射偏光子3322および吸収偏光フィルム3323の順に積層され得るが、前記光学フィルムに含まれる構成および各構成間の積層順は目的によって変更され得、一部の構成要素が省略されたり複数個で備えられ得る。更に、位相差フィルム(図示されず)等も液晶表示装置内の適切な位置に挿入され得る。一方、前記光学フィルム3320の上面に液晶表示パネル3310がモールドフレーム3300に差し込まれて位置することができる。
【0127】
光の経路を中心に詳しくみると、冷陰極蛍光ランプ3290から照射された光が光学フィルム3320のうち拡散板3321に到達する。前記拡散板3321を通じて伝達された光は、光の進行方向を光学フィルム3320に対して垂直に進行させるために反射偏光子3322を通過しながら光変調が発生するようになる。具体的には、P波は反射偏光子を損失することなく透過するが、S波の場合、光変調(反射、散乱、屈折など)が発生して再び冷陰極蛍光ランプ3290の裏面である反射板3280により反射し、その光の性質がP波またはS波にランダムに変わった後、再び反射偏光子3322を通過するようになるのである。その後、吸収偏光フィルム3323を通った後、液晶表示パネル3310に到達するようになる。一方、前記冷陰極蛍光ランプ3290はLEDに代替され得る。
【0128】
以上で説明した具現例は、本発明の一具現例に係る反射偏光子が適用されることによって複数の光変調特性を効果的に示すことができ、輝度が改善され得、光漏れ、輝線が発生せず、異物が外観に示現する外観不良を防止できるとともに液晶表示装置が用いられる高温多湿な環境においても反射偏光子の信頼性を担保し得る利点がある。また、それぞれ機能を有するマイクロパターン層、集光層が反射偏光子に一体化されることによって、光源アセンブリーの厚さを減らすことができ、組立工程を単純化させることができ、このような光源アセンブリーを含む液晶表示装置の画質が改善され得る。
【0129】
一方、本発明では反射偏光子の用途を液晶ディスプレイを中心に説明したが、これに限定されず、プロジェクションディスプレイ、プラズマディスプレイ、電界放出ディスプレイおよび電界発光ディスプレイなどの平板ディスプレイ技術に広く使用され得る。
【0130】
発明の実施形態
下記の実施例を通じて本発明を更に具体的に説明するが、下記の実施例は本発明の範囲を制限するものではなく、これは本発明の理解の一助とするためのものと解釈されるべきである。
【0131】
<実施例1>
分散体成分として屈折率が1.65であるポリエチレンナフタレート(PEN)と、基材成分としてポリカーボネート60重量%にテレフタレートとエチルグリコールとシクロヘキサンジメタノール1:2モル比で重合反応したポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(poly cyclohexylene dimethylene terephthalate、PCTG)を38重量%およびリン酸塩が含まれた熱安定剤2重量%を含んだ原料をそれぞれ第1押出部および第2押出部に投入した。スキン層成分としてポリカーボネート60重量%にテレフタレートとエチルグリコールとシクロヘキサンジメタノール1:2モル比で重合反応したポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(poly cyclohexylene dimethylene terephthalate、PCTG)を38重量%およびリン酸塩が含まれた熱安定剤2重量%を第3押出部に投入した。
【0132】
基材成分は押出温度を280℃、分散体成分の押出温度は245℃にし、Cap.Rheometerを確認してI.V.調整を通じてポリマーの流れを補正し、Filteration Mixerが適用された流路を通過して基材の内部に分散体がランダム分散するように誘導したものであり、その後、基材層成分の両面にスキン層成分を合わせた。ポリマーを流速および圧力勾配を補正する
図9、10のコートハンガーダイで広がりを誘導した。具体的には、ダイの入口の幅は200mmであり、厚さは10mmであり、ダイ出口の幅は1,260mmであり、厚さは2.5mmであり、流速は1.0m/minであった。その後、冷却およびキャスティングロールで平滑化工程を遂行しMD方向に6倍延伸した。引き続き、180℃で2分の間ヒーターチャンバーを通じて熱固定を遂行して厚さが120μmである(Skin層含めて厚さは300μm)、
図7のような断面構造を有するランダム分散型反射偏光子を製造した。製造された反射偏光子のポリエチレンナフタレート(PEN)成分の屈折率は(nx:1.88、ny:1.58、nz:1.58)であり、ポリカーボネート60重量%にテレフタレートとエチルグリコールとシクロヘキサンジメタノール1:2モル比で重合反応したポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(poly cyclohexylene dimethylene terephthalate、PCTG)を38重量%およびリン酸塩が含まれた熱安定剤2重量%の屈折率は1.58であり、前記複数個の分散体は下記の表1のような条件を満足した。
【0134】
<比較例1>
板状ポリマー分散反射偏光子を
図13のように工程を遂行した。具体的には、第1成分として屈折率が1.65であるPENと、第2成分としてジメチルテレフタレートとジメチル−2,6−ナフタレンジカルボキシレートが6:4のモル比で混合された物質をエチレングリコール(EG)と1:2のモル比で反応させた屈折率が1.64であるco−PENおよびスキン層成分としてポリカーボネート90重量%およびポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(poly cyclohexylene dimethylene terephthalate、PCTG)が10重量%で重合された屈折率が1.58であるポリカーボネートアロイをそれぞれ第1押出部220、第2押出部221および第3押出部222に投入した。第1成分と第2成分の押出温度は295℃にし、Cap.Rheometerを確認してI.V.調整を通じてポリマーの流れを補正し、スキン層は280℃の温度水準で押出工程を遂行した。前記第1成分を第1加圧手段(230、川崎社ギアーポンプ)で移送し、第2成分も第2加圧手段(231、川崎社ギアーポンプ)で移送した。第1加圧手段の吐出量はそれぞれ順に8.9kg/hであり、第2加圧手段の吐出量は8.9kg/hである。
図14のような海島型押出口金を利用して海島型複合類を製造した。具体的には海島型押出口金のうち第4口金分配板T4の島成分レイヤーの個数は400個であり、島成分供給路の口金ホールの直径は0.17mmであり、島成分供給路の個数はそれぞれ25000個であった。第6口金分配板の吐出口の直径は15mm×15mmであった。3層構造のフィードブロックで前記第3押出部からスキン層成分が流路を通じて流れ込んで前記海島型複合類(コア層ポリマー)の上下面にスキン層を形成した。海島型複合類の縦横比が1/30295となるように前記スキン層が形成されたコア層ポリマーを流速および圧力勾配を補正する
図9、10のコートハンガーダイで広がりを誘導した。具体的には、ダイの入口の幅は200mmであり、厚さは20mmであり、ダイの出口の幅は960mmであり、厚さは2.4mmであり、流速は1m/minであった。その後、冷却およびキャスティングロールで平滑化工程を遂行してMD方向に6倍延伸した。その結果、第1成分は長さ方向の断面の長軸の長さは変化がなかったものの、短軸の長さが減少した。その後、180℃で2分の間IRヒーターを通じて熱固定を遂行して
図15のようなポリマーが分散した反射偏光フィルムを製造した。製造された反射偏光フィルムの第1成分の屈折率は(nx:1.88、ny:1.64、nz:1.64)であり、第2成分の屈折率は1.64であった。重合体の縦横比は略1/180000であり、層数は400レイヤーであり、短軸の長さ(厚さ方向)は84nm、長軸の長さ15.5mm、平均光学的厚さは138nmであった。この時、製造された反射偏光子のコア層の厚さは59μmであり、スキン層の厚さは上下面の和が170.5μmであった。
【0135】
<比較例2>
第1成分として屈折率が1.65であるPENと、第2成分としてジメチルテレフタレートとジメチル−2,6−ナフタレンジカルボキシレートが6:4のモル比で混合された物質をエチレングリコール(EG)と1:2のモル比で反応させた屈折率が1.64であるco−PENおよびスキン層成分としてポリカーボネート90重量%およびポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(poly cyclohexylene dimethylene terephthalate、PCTG)が10重量%で重合された屈折率が1.58であるポリカーボネートアロイをそれぞれ第1押出部、第2押出部および第3押出部に投入した。第1成分と第2成分の押出温度は295℃にし、Cap.Rheometerを確認してI.V.調整を通じてポリマーの流れを補正し、スキン層は280℃の温度水準で押出工程を遂行した。
【0136】
図16、17のスリット型押出口金4個を利用して平均光学的厚さが異なる4個の複合類を製造した。具体的には、第1押出部で移送された第1成分を4個のスリット型押出口金に分配し、第2押出部で移送された第2成分を4個のスリット型押出口金に移送した。一つのスリット型押出口金は300レイヤーで構成され、
図15の第5口金分配板の底面の第1スリット型押出口金のスリットの厚さは0.26mm、第2スリット型押出口金のスリット厚さは0.21mm、第3スリット型押出口金のスリット厚さは0.17mm、第4スリット型押出口金のスリット厚さは0.30mmであり、第6口金分配板の吐出口の直径は15mm×15mmであった。前記4個のスリット型押出口金を通じて吐出された4個の多層複合類および別途の流路を通じて移送されたスキン層成分がコレクションブロックで合わせ単一コア層およびコア層の両面に一体に形成されたスキン層に合わせた。前記スキン層が形成されたコア層ポリマーを流速および圧力勾配を補正する
図9、10のコートハンガーダイで広がりを誘導した。具体的には、ダイの入口の幅は200mmであり、厚さは20mmであり、ダイの出口の幅は960mmであり、厚さは2.4mmであり、流速は1m/minであった。その後、冷却およびキャスティングロールで平滑化工程を遂行してMD方向に6倍延伸した。引き続き、180℃で2分の間IRヒーターを通じて熱固定を遂行して
図18のような多層反射型偏光子を製造した。製造された反射型偏光子の第1成分の屈折率は(nx:1.88、ny:1.64、nz:1.64)であり、第2成分の屈折率は1.64であった。Aグループは300層(150繰り返し単位)であり、繰り返し単位の厚さは168nmであり、平均光学的厚さは275.5nmであり、光学的厚さの偏差は20%前後であった。Bグループは300層(150繰り返し単位)であり、繰り返し単位の厚さは138nmであり、平均光学的厚さは226.3nmであり、光学的厚さの偏差は20%前後であった。Cグループは300層(150繰り返し単位)であり、繰り返し単位の厚さは110nmであり、平均光学的厚さ180.4nmであり、光学的厚さの偏差は20%前後であった。Dグループは300層(150繰り返し単位)であり、繰り返し単位の厚さは200nmであり、平均光学的厚さ328nmであり、光学的厚さの偏差は20%前後であった。製造された多層反射型偏光子のコア層の厚さは92.4μm、スキン層の厚さはそれぞれ153.8μmであって、全体の厚さが400μmとなるようにした。
【0137】
<実験例1>
前記実施例および比較例を通じて製造された反射偏光子について、次のような物性を評価してその結果を表1に示した。
【0138】
1.45°非法線入射および90°法線入射による第1偏光および第2偏光の透過率の測定
透過率の測定のために偏光度測定機(Jasco V7100)を利用したものであり、具体的には試料セルを入射光に対して45°および90°となるように装置に装着した後、波長別に第1偏光、第2偏光の透過率、偏光度を測定した。
【0139】
また、実施例1に対する45°入射角での第1偏光および第2偏光に対する波長別透過率を
図2に示した。
【0140】
2.相対輝度
前記製造された反射偏光子の輝度を測定するために下記のように遂行した。反射フィルム、導光板、拡散板、反射偏光子が備えられた32’’直下型バックライトユニットの上にパネルを組み立てた後、トップコン社のBM−7測定機を利用して9つの地点の輝度を測定して平均値を示した。
【0141】
相対輝度は、実施例1の複合反射偏光フィルムの輝度を100(基準)とした時、他の実施例および比較例の輝度の相対値を示したものである。
【0142】
3.外観の色相
相対輝度の測定のために製造されたパネルで反射偏光子の外観を肉眼で観察して、特定の色または虹色の光を示さない場合は0、特定の色を示す場合はその程度に応じて1〜5で示した。
【0144】
具体的には、前記表2を通じて確認できるように、比較例2のような光学的に等方性である成分と異方性である成分が交互に積層された多層型反射偏光子は、45°非法線入射光による第1偏光が380〜780nmの波長範囲での透過率のうち最大透過率は98%であるが最大透過率と最小透過率の差が顕著であり、第2偏光の最大反射率は99.88%であったが、第2偏光の反射率の変動率が0.15%/nmに達したので変動が非常に激しいことが分かり、特に、最大反射率は440nmで99.88%に達するものの、最小反射率は405nmで15.37%に過ぎないため最大反射率と最小反射率の差が顕著であり、反射率の変動が実際には非常に大きいため色変調の外観の評価においても第2偏光と関連した反射軸の制御が不良であって赤く示され、輝度も実施例1より悪いことを確認することができる。また、法線入射光(90°)と非法線入射光(45°)に対する透過率や反射率の傾向が顕著に変わることが確認できる。
【0145】
これに反して、実施例1は輝度も可視光領域である450nm〜780nmで76%以上の透過率を示し、第2偏光の反射率も非常に高いので、比較例より優位であることが確認できる。また、実施例1は法線入射光(90°)と非法線入射光(45°)に対する透過率の差が殆どなく、反射率も差がほとんどないため均一な透過率と反射率が発現可能であることが分かり、これを通じて安定した色の制御が可能であることが確認できる。
【0146】
また、比較例1は45°非法線入射光による第1偏光の380〜780nmの波長範囲での透過率のうち最大透過率と最小透過率の差が比較例2より小さいが、実施例1よりは顕著に大きいため、反射軸の制御が不良であって、外観が橙色を示したものであり、第2偏光の場合にも最大反射率と最小反射率の車が実施例1より顕著であるため実施例1より輝度も顕著に低下したことが確認できる。また、法線入射光(90°)と非法線入射光(45°)に対する透過率や反射率の傾向が顕著に変わることが確認できる。