特許第6861674号(P6861674)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6861674ダイオード領域用のゲート電極とコンタクト構造とを含んでいるトレンチ構造を備えた半導体デバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6861674
(24)【登録日】2021年4月1日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】ダイオード領域用のゲート電極とコンタクト構造とを含んでいるトレンチ構造を備えた半導体デバイス
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/78 20060101AFI20210412BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20210412BHJP
   H01L 29/861 20060101ALI20210412BHJP
   H01L 29/868 20060101ALI20210412BHJP
   H01L 29/872 20060101ALI20210412BHJP
   H01L 29/12 20060101ALI20210412BHJP
   H01L 29/739 20060101ALI20210412BHJP
   H01L 29/04 20060101ALI20210412BHJP
   H01L 21/8234 20060101ALI20210412BHJP
   H01L 27/06 20060101ALI20210412BHJP
   H01L 21/28 20060101ALI20210412BHJP
【FI】
   H01L29/78 657D
   H01L29/78 653C
   H01L29/78 652M
   H01L29/78 652J
   H01L29/78 652D
   H01L29/78 652F
   H01L29/78 652Q
   H01L29/78 658A
   H01L29/78 658F
   H01L29/91 C
   H01L29/86 301F
   H01L29/86 301D
   H01L29/91 F
   H01L29/78 652T
   H01L29/91 K
   H01L29/78 655A
   H01L29/04
   H01L29/78 652K
   H01L27/06 102A
   H01L21/28 301B
   H01L21/28 301R
【請求項の数】11
【外国語出願】
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2018-158326(P2018-158326)
(22)【出願日】2018年8月27日
(62)【分割の表示】特願2016-41283(P2016-41283)の分割
【原出願日】2016年3月3日
(65)【公開番号】特開2018-186305(P2018-186305A)
(43)【公開日】2018年11月22日
【審査請求日】2018年8月27日
(31)【優先権主張番号】10 2015 103 072.1
(32)【優先日】2015年3月3日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】599158797
【氏名又は名称】インフィニオン テクノロジーズ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Infineon Technologies AG
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(74)【代理人】
【識別番号】100165940
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 令子
(72)【発明者】
【氏名】トーマス アイヒンガー
(72)【発明者】
【氏名】ロマン エステーヴ
(72)【発明者】
【氏名】デトハート ペータース
(72)【発明者】
【氏名】ローラント ルップ
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ シエミエニエツ
【審査官】 恩田 和彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−007002(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/178262(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/042333(WO,A1)
【文献】 特開2005−057049(JP,A)
【文献】 特開2013−171931(JP,A)
【文献】 特開2012−182463(JP,A)
【文献】 特開2005−101514(JP,A)
【文献】 特開2014−225692(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/78
H01L 21/28
H01L 21/336
H01L 21/8234
H01L 27/06
H01L 29/04
H01L 29/12
H01L 29/739
H01L 29/861
H01L 29/868
H01L 29/872
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスであって、前記半導体デバイスは、
炭化ケイ素から作られ、ボディゾーン(115)、ソースゾーン(110)、2つのダイオード領域(116)およびドリフトゾーン(121)を備える半導体ボディ(100)と、
ゲート構造(150)およびコンタクト構造(315)を備えるトレンチ構造(350)と、
前記トレンチ構造(350)を包囲する格子状のトランジスタメサ部(170)、または、格子状の前記トレンチ構造(350)によって包囲されるトランジスタメサ部(170)と、
を備え、
前記トレンチ構造(350)は、前記半導体ボディ(100)の第1の表面(101)から前記半導体ボディ(100)内に延在し、
前記コンタクト構造(315)は、前記ゲート構造(150)を通って延在し、
前記2つのダイオード領域(116)は、前記トレンチ構造(350)の下に配置され、前記2つのダイオード領域(116)は、前記コンタクト構造(315)に接触し、
前記ソースゾーン(110)および前記ボディゾーン(115)は、前記トレンチ構造(350)の側壁に隣接して配置され、前記ソースゾーン(110)は、前記ボディゾーン(115)に直接隣接し、
前記ソースゾーン(110)および前記ボディゾーン(115)は、トランジスタのチャネル領域の一部を形成し、
前記トレンチ構造(350)の第1の側壁は、{11−20}結晶面に平行であり、
ショットキーダイオード(SD)は、前記コンタクト構造(315)と前記ドリフトゾーン(121)との間、かつ、前記2つのダイオード領域(116)の間に形成され、
前記2つのダイオード領域(116)の各々は、高濃度ドープされたコンタクト部分(116a)および低濃度ドープされた拡張部分(116b)を含む、
半導体デバイス。
【請求項2】
前記トレンチ構造(350)の第2の側壁は、{11−20}結晶面に平行である、
請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記第1の表面(101)は、結晶方向に対して3°〜12°の範囲で傾斜している、
請求項1または2に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記半導体デバイスが前記トレンチ構造(350)を包囲する格子状のトランジスタメサ部(170)を有する場合、平均表面(101x)に平行な前記トレンチ構造(350)の第1の水平方向寸法(w1)は、第2の水平方向寸法(w2)の5倍以下であり、前記第2の水平方向寸法(w2)は、前記平均表面(101x)に平行であり、かつ、第1の水平方向(w1)に直交する、または、前記第1の水平方向寸法(w1)と前記第2の水平方向寸法(w2)との差は、10%以下であり、または、
前記半導体デバイスが格子状の前記トレンチ構造(350)によって包囲されるトランジスタメサ部(170)を有する場合、前記トランジスタメサ部(170)の第1の水平方向寸法(w3)と前記トランジスタメサ部(170)の第2の水平方向寸法(w4)との差は、10%以下である、
請求項1から3のいずれかに記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記コンタクト構造(315)は、前記コンタクト構造(315)の第1の側にある前記ゲート構造(150)の第1のゲート部分(150x)と、前記コンタクト構造(315)の前記第1の側とは反対側の第2の側にある前記ゲート構造(150)の第2のゲート部分(150y)と、の間に挟まれている、
請求項1から4のいずれかに記載の半導体デバイス。
【請求項6】
前記ゲート構造(150)は、前記コンタクト構造(315)を包囲している、
請求項1から5のいずれかに記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記2つのダイオード領域(116)の各々の幅は、前記トレンチ構造(350)の対応する幅より小さい、
請求項1から6のいずれかに記載の半導体デバイス。
【請求項8】
前記半導体ボディ(100)は、アバランシェ調整ゾーン(123)をさらに備え、
前記アバランシェ調整ゾーン(123)は、前記2つのダイオード領域(116)の各々と前記ドリフトゾーン(121)との間に配置され、
前記アバランシェ調整ゾーン(123)は、前記2つのダイオード領域(116)に直接隣接し、
前記アバランシェ調整ゾーン(123)の平均ドーパント濃度は、前記ドリフトゾーン(121)の平均ドーパント濃度の少なくとも2倍である、
請求項1から7のいずれかに記載の半導体デバイス。
【請求項9】
前記ゲート構造(150)は、ゲート電極(155)、ゲート誘電体(151)およびゲート絶縁体(159)を備え、
前記ゲート誘電体(151)は、前記ゲート電極(155)と少なくとも前記ボディゾーン(115)との間に挟まれ、
前記ゲート絶縁体(159)は、前記ゲート電極(155)と前記コンタクト構造(315)との間に挟まれている、
請求項1から8のいずれかに記載の半導体デバイス。
【請求項10】
半導体デバイスであって、前記半導体デバイスは、
炭化ケイ素から作られ、ボディゾーン(115)、ソースゾーン(110)、2つのダイオード領域(116)、ドリフトゾーン(121)および電流拡散ゾーン(122)を備える半導体ボディ(100)と、
ゲート構造(150)およびコンタクト構造(315)を備えるトレンチ構造(350)と、
前記トレンチ構造(350)を包囲する格子状のトランジスタメサ部(170)、または、格子状の前記トレンチ構造(350)によって包囲されるトランジスタメサ部(170)と、
を備え、
前記トレンチ構造(350)は、前記半導体ボディ(100)の第1の表面(101)から前記半導体ボディ(100)内に延在し、
前記コンタクト構造(315)は、前記ゲート構造(150)を通って延在し、
前記2つのダイオード領域(116)は、前記トレンチ構造(350)の下に配置され、前記2つのダイオード領域(116)は、前記コンタクト構造(315)に接触し、
前記ソースゾーン(110)および前記ボディゾーン(115)は、前記トレンチ構造(350)の側壁に隣接して配置され、前記ソースゾーン(110)は、前記ボディゾーン(115)に直接隣接し、
前記ソースゾーン(110)および前記ボディゾーン(115)は、トランジスタのチャネル領域の一部を形成し、
前記電流拡散ゾーン(122)は、前記ボディゾーン(115)と前記ドリフトゾーン(121)との間に配置され、前記ボディゾーン(115)に直接隣接し、
ショットキーダイオード(SD)は、前記コンタクト構造(315)と前記ドリフトゾーン(121)との間、かつ、前記2つのダイオード領域(116)の間に形成され、
前記2つのダイオード領域(116)の各々は、高濃度ドープされたコンタクト部分(116a)および低濃度ドープされた拡張部分(116b)を含む、
半導体デバイス。
【請求項11】
前記電流拡散ゾーン(122)は、前記トレンチ構造(350)の間および前記トレンチ構造(350)の下側に延在する、
請求項10に記載の半導体デバイス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
電力半導体スイッチは、高い定格電流において数百ボルトの阻止電圧に耐える。一般的に、電力半導体スイッチを通る負荷電流は、半導体ボディの2つの主平面間を垂直な方向で流れる。負荷電流をコントロールするゲート電極をトレンチ構造として形成してもよく、このトレンチ構造は、これら2つの主平面のうちの1つの主平面から半導体ボディ内に延在する。高い電界ブレークダウン強度を有する半導体材料において、遮蔽領域は、阻止状態における半導体ボディ内の強い電界に対してゲート誘電体を遮蔽する。この遮蔽領域が、電力半導体スイッチの逆バイアス状態において、電流経路を開放するボディ・ダイオードとして作用してもよい。
【0002】
高い阻止能力と逆導通ボディ・ダイオードとを有する電力半導体スイッチ等の半導体デバイスの特性を改善することが望まれている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の課題は、独立請求項に記載されている構成要件によって解決される。従属請求項には、別の実施形態が記載されている。
【0004】
1つの実施形態では、半導体デバイスは複数のトレンチ構造を含んでいる。これらのトレンチ構造は、第1の表面から半導体ボディ内へ延在する。これらのトレンチ構造はそれぞれ、ゲート構造とコンタクト構造とを有している。このコンタクト構造は、ゲート構造を通って延在する。トランジスタメサ部は、トレンチ構造間にある。各トランジスタメサ部は、ボディゾーンを含んでいる。このボディゾーンは、ドリフト構造との第1のpn接合部と、ソースゾーンとの第2のpn接合部とを含んでいる。ダイオード領域は直接的に、複数のコンタクト構造のうちの1つと隣接し、ドリフト構造を有する第3のpn接合部をそれぞれ形成する。
【0005】
別の実施形態では、半導体デバイスは、第1の表面から半導体ボディ内へ延在する1つまたは複数のトレンチ構造を含む。これらのトレンチ構造は、ゲート構造とコンタクト構造とをそれぞれ含む。このコンタクト構造は、ゲート構造を通って延在する。半導体デバイスは、さらに、トレンチ構造間にトランジスタメサ部を含む。ここで各トランジスタメサ部はボディゾーンを含み、このボディゾーンは、ドリフト構造との第1のpn接合部と、ソースゾーンとの第2のpn接合部とを形成する。1つまたは複数のダイオード領域はそれぞれ、ドリフト構造との第3のpn接合部を形成し、コンタクト構造の1つと直接的に隣接する。この場合には、隣接するトランジスタメサ部間の全ての直接的な接続線路は、コンタクト構造の1つと交差する。
【0006】
さらなる実施形態では、半導体デバイスを製造する方法は、表側から半導体基板内へ延在するトレンチを形成することを含む。ここで各トレンチは、ダイオード領域まで延在する。このダイオード領域は、半導体基板内に形成されている。ここで、トレンチ間のトランジスタメサ部において、ボディゾーンは、ドリフト構造との第1のpn接合部とソースゾーンとの第2のpn接合部とを形成する。この方法はさらに、トレンチの向かい合っている側壁に沿ってそれぞれ延在している複数のゲート部分を形成することと、これらのゲート部分の間のトレンチ内にコンタクト構造を形成することとを含む。ここで、このコンタクト構造は直接的に、ダイオード領域と隣接している。
【0007】
当業者は、以降の詳細な説明を読み、添付図面を見ることで、付加的な特徴と利点とを理解するだろう。
【0008】
添付図面は、本発明をさらに理解するために添付されており、本明細書に含まれており、本明細書の一部を成す。図面は、本発明の実施形態を示し、説明とともに、本発明の原理を説明するために用いられる。本発明の他の実施形態および意図する利点は、以下の詳細な説明を参照することによってより良く理解することによって、容易に読み取れるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A】ゲート構造と、ゲート構造を通って延在するコンタクト構造とを含むトレンチ構造に関係する実施形態に即した半導体デバイスの一部分の概略的な水平方向断面図
図1B】線B−Bに沿った、図1Aに示された半導体デバイス部分の概略的な垂直方向断面図
図2A】メサトレンチコンタクト構造、電流拡散ゾーンおよびアバランシェ調整ゾーンに関する実施形態に即した半導体デバイスの一部分の概略的な水平方向断面図
図2B】線B−Bに沿った、図2Aの半導体デバイス部分の概略的な垂直方向断面図
図3A】インプラントされたボディコンタクトゾーンおよび統合されたピンショットキーダイオードとして形成されたボディ・ダイオードに関する実施形態に即した半導体デバイスの一部分の概略的な水平方向断面図
図3B】線B−Bに沿った、図3Aの半導体デバイス部分の概略的な垂直方向断面図
図4A】空乏化可能なnチャネルダイオードとして形成されたボディ・ダイオードに関する実施形態に即した半導体デバイスの一部の概略的な水平方向断面図
図4B図4Aの半導体デバイス部分の概略的な垂直方向断面図
図5A】ストリップ状のトレンチ構造に関する実施形態に即した半導体デバイスの一部分の概略的な水平方向断面図
図5B】ドット状のトレンチ構造に関する実施形態に即した半導体デバイスの一部分の概略的な水平方向断面図
図5C】格子を形成するトレンチ構造に関する実施形態に即した半導体デバイスの一部分の概略的な水平方向断面図
図6A】別の実施形態に即した、内部で、コンタクト構造がゲート構造を通って延在しているトレンチ構造を含んでいる半導体デバイスを製造する方法を表すための、ベース基板の一部分の概略的な垂直方向断面図
図6B図6Aのベース基板上にエピタキシャル成長させることによって得られた半導体基板の一部分を示す図
図6C】第1のマスクを用いて、ダイオード領域のコンタクト部分を形成した後の、図6Bの半導体基板部分を示す図
図6D】第1のマスクの第1の副層に窪みを設けた後の、図6Cの半導体基板部分を示す図
図6E】窪みが設けられた第1の副層を第2のマスクとして用いて、ダイオード領域の延長部分を形成した後の、図6Dの半導体基板部分を示す図
図6F】第3のマスクを用いて、ダイオード領域を露出させるトレンチと、トレンチの垂直方向突出部内にアバランシェ調整ゾーンをそれぞれ形成した後の、図6Eの半導体基板部分を示す図
図6G】第4のマスクを用いて、トレンチ間のトランジスタメサ部内にコンタクト溝を形成した後の、図6Fの半導体基板部分を示す図
図6H】コンタクト溝およびトレンチの内面に貼られているゲートコンダクタ層を析出した後の、図6Gの半導体基板部分を示す図
図6I】析出されたゲートコンダクタ層に異方性に窪みを設け、ゲートコンダクタ層の残りの部分を覆う第5のマスクをトレンチ内に形成し、コンタクト溝内でゲートコンダクタ層の残りの部分を露出させた後の、図6Hの半導体基板部分を示す図
図6J】コンタクト溝内のゲートコンダクタ層の残りの部分を除去し、層間誘導体層を析出した後の、図6Iの半導体基板部分の概略的な横断面図
図6K】第6のマスクを用いて、トレンチ内の層間誘導体層内に開口部を設けた後の、図6Jの半導体基板部分の概略的な横断面図
図6L】第7のマスクを用いて、コンタクト溝内の層間誘導体層内に開口部を設けた後の、図6Kの半導体基板部分を示す図
図6M】コンタクト溝とトレンチ内にコンタクト層を形成した後の、図6Lの半導体基板部分を示す図
図6N】表側に第1の負荷電極を形成し、裏側に第2の負荷電極を形成した後の、図6Mの半導体基板部分を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以降の詳細な説明では、本願の一部を成し、本発明が実行される特定の実施形態を説明する目的で示された添付図面が参照される。本発明の範囲を逸脱しない限り、他の実施形態が使用されてもよく、さらに、構造的または論理的な変更が行われてもよい。例えば、さらに別の実施形態を得るために、1つの実施形態に対して図示または説明された特徴を、他の実施形態において、または、他の実施形態と組み合わせて使用することができる。本発明は、上記の修正および変更を含み得る。特定の用語を用いて実施例を説明するが、これらの用語は、添付の請求項の範囲を制限するものではない。図面は縮尺通りではなく、単に説明のためのものにすぎない。明瞭にするために、そうでないことが記載されていない限り、同じ要素または類似する要素には、異なる図面において、対応する参照符号が付けられている。
【0011】
用語、有する(having)、含有する(containing)、含む(including)、包含する(comprising)等は非限定的であり、これらの用語は、記載された構造、要素または特徴が存在することを示しているが、付加的な要素または特徴を除外するものではない。不定冠詞、1つの(a、an)および定冠詞、前記の(the)は、そうでないことが文脈に明記されていない限り、複数形も単数形も含み得る。
【0012】
用語「電気的に接続されている(electrically connected)」は、電気的に接続されている要素間の持続的な低オーム接続、例えば関係する要素間の直接的な接触、または、金属ドープされた半導体および/または高濃度ドープされた半導体を介した低オーム接続を表している。用語「電気的に結合されている(electrically coupled)」は、信号伝送に適した1つまたは複数の介在要素が、電気的に結合されている要素間に設けられ得ることを含んでいる。これらの要素は例えば、第1の状態で低オーム接続を一時的に提供し、第2の状態で高オーム電気分離を一時的に提供するようにコントロール可能な要素である。
【0013】
図は、ドーピング型「n」または「p」の隣に、「−」または「+」を示すことによって、相対的なドープ濃度を表している。例えば「n」は、「n」ドーピング領域のドープ濃度よりも低いドープ濃度を意味しており、「n」ドーピング領域は、「n」ドーピング領域のドープ濃度よりも高いドープ濃度を有している。同じ相対的なドープ濃度のドーピング領域が、同じ、絶対的なドープ濃度を有していなければならないわけではない。例えば、2つの異なる「n」ドーピング領域が、同じ絶対的なドープ濃度を有していても、異なる絶対的なドープ濃度を有していてもよい。
【0014】
図1Aおよび1Bは、トランジスタセルTCを含む半導体デバイス500に関連する。半導体デバイス500は例えば、IGFET(insulated gate field effect transistor 絶縁ゲート型電界効果トランジスタ)、例えば、通常の意味において、金属ゲートを有するFETも非金属ゲートを有するFETも含むMOSFET(metal oxide semiconductor FET 金属酸化物半導体FET)であっても、または、IGBT(insulated gate bipolar transistor 絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)であっても、または、MCD(MOS controlled diode MOS制御型ダイオード)であってもよく、または、これらを含んでいてもよい。
【0015】
半導体デバイス500は、結晶半導体材料から成る半導体ボディ100をベースにしている。結晶半導体材料は、例えばケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、シリコンゲルマニウム(SiGe)またはAIII半導体である。1つの実施形態では、半導体材料は六方晶格子を有している。これは例えば、窒化ガリウム(GaN)等の六方晶格子を有する炭化ケイ素(SiC)またはAIII半導体である。1つの実施形態では、結晶半導体材料は、4Hポリタイプの炭化ケイ素(4H−SiC)である。
【0016】
表側で、半導体ボディ100は第1の表面101を有している。この第1の表面101は平面であっても、複数の共面平面部分を有していてもよい。ここでは平面の第1の表面101または複数の共面平面部分は主結晶面と一致していても、軸外し角ないしはオフ角α分だけ主結晶面に対して傾斜していてもよい。ここでαは、少なくとも3°であり、最大で12°であり、例えば約4°であり得る。他の実施形態では、第1の表面101は、複数の互いにずらされた平行な表面部分を含むことがある。ここでこれらの互いにずらされた表面部分は、平均表面101xに対して傾斜して配置されている。この平均表面は、最小二乗平均面によって得られる。第1の表面部分に対して傾斜している第2の表面部分101bが、互いにずらされた複数の第1の表面部分101aを接続してもよい。裏側では、対向する第2の表面102は、平面の第1の表面101に対して平行に、または、第1の表面101の複数の共面平面部分に対して平行に、または、平均表面101xに対して平行にまたは傾斜して延在してよく、または、第1の表面101上の複数の表面部分に対して平行な、互いにずらされた、複数の平行な表面部分を含んでいてもよい。
【0017】
表側の第1の表面101と、裏側の第2の表面102との間の距離は、半導体デバイス500の仕様である定格阻止電圧に関係している。一般的に、半導体ボディ100は、第1の垂直方向部分を含んでいる。これは、阻止状態において印加される電界に適応されている。ここで、第1の垂直方向部分の厚さは定格阻止電圧に依存しており、電界ブレークダウン強度を規定する。他方で、別の垂直方向部分の厚さ、例えば、基板部分の厚さは、定格阻止電圧に関係していない。
【0018】
第1の表面101と第2の表面102との間の半導体ボディ100の総体的な厚さは、数百nmから数百μmの範囲にある。第1の表面101に対する垂線は垂直方向を定め、第1の表面101に対して平行な方向が水平方向である。
【0019】
トランジスタセルTCが、トレンチ構造350に沿って形成されていてもよい。ここでこのトレンチ構造350は、第1の表面101から、半導体ボディ100内のトレンチ底面TBPまで延在する。トレンチ構造350が垂直方向に延在する長さは、例えば、0.5μmから2μmの範囲であってよい。トレンチ構造350が、長手方向軸が第1の水平方向に沿って延在するストリップを形成してもよい。他の実施形態では、トレンチ構造350は、両水平方向寸法が同じ規模内にあるドット形状であってもよい。例えば、ドット形状トレンチ構造350の第1の水平方向寸法と、第1の水平方向寸法に対して垂直な第2の水平方向寸法との差は5%を超えない。別の実施形態では、複数のトレンチ構造350が格子を形成してもよい。これらのトレンチ構造350は、相互に等間隔に配置されており、規則的なパターンを形成し得る。この場合には、これらのトレンチ構造350のピッチ(中央から中央までの距離)は、1μm〜10μmまでの範囲、例えば2μm〜5μmまでの範囲にあってよい。
【0020】
各トレンチ構造350は、ゲート構造150とコンタクト構造315とを含む。コンタクト構造は、ゲート構造150を通って、少なくともトレンチ底面TBPまで達する。ここで、コンタクト構造315は、コンタクト構造315の両側の2つのゲート部分150xと150yとに、ゲート構造150を仕切る。ゲート部分150xと150yは、近似的に、トレンチ構造350の長手方向中心軸に関して対称であってよい。
【0021】
各ゲート部分150x、150yは、導電性ゲート電極155の一部を含む。ここでこの導電性ゲート電極155は、高濃度にドーピングされた多結晶シリコン層または金属含有層を含み得る、または、高濃度にドーピングされた多結晶シリコン層または金属含有層から成り得る。各ゲート部分150x、150yは、さらに、ゲート誘電体151の一部を含む。これは、ゲート電極155を、半導体ボディ100から分離する。ゲート誘電体151は、窒化アルミニウムAlN、酸化ハフニウムHfO、または、半導体誘電体を含み得る、または、これらから成り得る。半導体誘電体は例えば、熱によって成長された、または、析出された半導体酸化物、例えばシリコン酸化物、半導体窒化物、例えば析出された、または、熱によって成長したシリコン窒化物、半導体酸窒化物、例えば、シリコン酸窒化物、または、これらのあらゆる組み合わせである。ゲート誘電体151は、1.5Vから6Vまでの範囲のトランジスタセルTCの閾値電圧に合うように形成され得る。
【0022】
各ゲート部分150x、150yは、さらに、ゲート絶縁体159を含む。ゲート絶縁体159は直接的に、トレンチ構造150の中心に向かって配向されている側面に沿ってゲート電極155と隣接する。ゲート絶縁体159は、ゲート誘電体151よりも厚くてもよく、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物から成る1つまたは複数誘電体層、ドーピングされたまたはドーピングされていないケイ酸塩ガラスから成る、または、これを含む。これは例えば、BSG(ホウケイ酸ガラス)、PSG(リンケイ酸ガラス)またはBPSG(ホウリンケイ酸ガラス)である。
【0023】
コンタクト構造315は、2つのゲート部分150x、150yによって挟まれており、少なくとも平均表面101xから底面TBPまで延在する。さらに、コンタクト構造315が、高濃度ドープされた半導体部分および/または1つまたは複数の金属層から成っていても、または、高濃度ドープされた半導体部分および/または1つまたは複数の金属層を含んでいてもよい。1つの実施形態では、コンタクト構造315は、界面内張を含んでいてもよい。ここでこの界面内張は、タンタル(Ta)およびチタン(Ti)、例えば窒化タンタル(TaN)または窒化チタン(TiN)層のうちの少なくとも1つ、並びにタングステン(W)を含有する充填部分を含有する。コンタクト構造315はさらに、低オーム接続層を含み得る。これは直接的に、半導体ボディ100と隣接し、例えば、主に半導体ボディ100との界面箇所に形成されたケイ化物層である。
【0024】
隣り合うトレンチ構造350間の半導体ボディ100のメサ部分は、トランジスタメサ部170を形成する。ここでこのトランジスタメサ部170は、トランジスタセルTCの半導体部分を含んでいる。
【0025】
トランジスタメサ部170は、複数のソースゾーン110を含んでいる。これらのソースゾーン100は表側に向けて配向されており、第1の表面101と直接的に隣接してもよい。これらのソースゾーン110は、直接的に、該当するトランジスタメサ部170の両側で、2つの隣り合うトレンチ構造350に接していてよい。例えば、各トランジスタメサ部170は、2つのソースゾーン110を含んでいる。これらのソースゾーン110の各々は、隣り合っているトレンチ構造350の1つに直接的に接しており、コンタクト構造またはドーピングされた領域によって相互に分けられている。
【0026】
トランジスタメサ部170は、さらに、複数のボディゾーン115を含んでいる。これらのボディゾーン115は、ソースゾーン110をドリフト構造120から隔てる。ボディゾーン115は、ドリフト構造120との第1のpn接合部pn1を形成し、ソースゾーン110との第2のpn接合部pn2を形成する。各ボディゾーン115は、該当するトランジスタメサ部170に隣接する複数のトレンチ構造のうちの1つのトレンチ構造350から、対向する他のトレンチ構造350まで延在する。第1のpn接合部pn1は、該当するトランジスタメサ部170を挟んでいる2つのトレンチ構造350の間にあるトランジスタメサ部170の幅全体にわたって延在してよい。
【0027】
ソースゾーン110もボディゾーン115も、表側で第1の負荷電極310に電気的に接続されている。ボディゾーン115は、ゲート誘電体151を通じて、ゲート電極155と容量結合されている。ボディゾーン115が垂直方向に延在する長さは、半導体デバイス500のチャネル長さに相当し、0.2μm〜1.5μmの間の範囲にあってよい。
【0028】
ドリフト構造120との第3のpn接合部pn3を形成するダイオード領域116は、トレンチ底面TBPと第2の表面102との間の、トレンチ構造350の垂直方向突出部内にある。ダイオード領域116の幅は、横断面において、トレンチ構造350の対応する幅よりも小さくてよい。ダイオード領域116は、直接的に、コンタクト構造315に接している。コンタクト構造315とダイオード領域116とはオーム接続を形成し、電気的に接続されている。ダイオード領域116は、水平方向に沿って、トランジスタメサ部170から間隔を有していてもよい。隣り合うダイオード領域116の対向するエッジ間の間隔は、例えば、2μm〜3μmの間の範囲であってよい。
【0029】
各ダイオード領域116は直接的に、コンタクト構造315のうちの1つと隣接しており、部分的または完全に、各コンタクト構造315と、垂直方向突出部において重畳している。半導体デバイス500がドット形状またはストリップ形状のトレンチ構造350を含んでいる場合には、ドリフト構造120の部分は、水平方向において、隣り合うダイオード領域116を隔てる。トレンチ構造350が格子形状の場合には、隣り合うトランジスタメサ部170の全ての対の間の全ての直接的な接続線は、間にある、1つのコンタクト構造315と交差する。
【0030】
両方のケースにおいて、ダイオード領域116の水平方向横断面エリアの形状は、各トレンチ構造350の水平方向横断面エリアに類似していてよい、または、少なくとも、ダイオード領域116の外郭の形状は、各トレンチ構造350の外郭に類似していてよい。ここで、統一したスケーリングによって一方が他方から得られる場合、2つの対象物の形状は類似している。
【0031】
ドリフト構造120は裏側に向かって配向されており、直接的に第2の表面102と隣接してもよいし、オーミックコンタクトまたは別のpn接合部を通じて、第2の負荷電極320と電気的に接続または結合されていてもよい。ドリフト構造120は、低濃度ドープされたドリフトゾーン121を含み得る。これは、第1のpn接合部pn1および第3のpn接合部pn3を形成し得る。またドリフト構造120はこれと並んで、ドリフトゾーン121と第2の表面102との間に、高濃度ドープされたコンタクト層129を含み得る。ドリフトゾーン121における正味ドーパント濃度は、半導体ボディ100が炭化ケイ素から形成されている場合には、1E14cm−3から3E16cm−3までの範囲にあってよい。コンタクト層129は、例えばソーイングによって、結晶インゴットから得られた基板部分に相当し得る。また、第1の表面101と基板部分との間の半導体ボディ100の部分は、エピタキシャルに基板部分上に成長されてよい。
【0032】
少なくとも、第2の表面102に沿って、コンタクト層129内のドーパント濃度は、第2の負荷電極320とのオーミックコンタクトを保証するのに十分な程度に高い。第2の負荷電極320は直接的に第2の表面102に隣接する。半導体デバイス500が半導体ダイオードまたはIGFETである場合には、コンタクト層129は、ドリフトゾーン121と同じ導電型を有する。半導体デバイス500がIGBTである場合には、コンタクト層129は、ドリフトゾーン121と相補的な導電型を有する、または、相補的な導電型のゾーンを含む。
【0033】
第1の負荷電極310および第2の負荷電極320の各々は、主成分として、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、またはアルミニウムまたは銅の合金、例えばAlSi、AlCuまたはAlSiCuから成り得る、または、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、またはアルミニウムまたは銅の合金、例えばAlSi、AlCuまたはAlSiCuを含有し得る。他の実施形態では、第1の負荷電極310、320の少なくとも一方は、主成分として、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、バナジウム(V)、銀(Ag)、金(Au)、スズ(Sn)、白金(Pt)、モリブデン(Mo)および/またはパラジウム(Pd)を含有し得る。第1の負荷電極310および第2の負荷電極320のうちの一方または両方は、2つ以上の副層を含み得る。ここで各副層は、Ni、Ti、V、Ag、Au、W、Sn、PtおよびPdのうちの1つまたは複数を主成分として含有し得る。これは例えば、ケイ化物、窒化物および/または合金である。
【0034】
第1の負荷電極310は、第1の負荷端子L1を形成してもよい、または、第1の負荷端子L1に電気的に接続または結合されていてもよい。ここでこの第1の負荷端子L1は、MCDのアノード端子、IGFETのソース端子またはIGBTのエミッタ端子であってよい。第2の負荷電極320は、第2の負荷端子L2を形成してもよい、または、第2の負荷端子L2と電気的に接続または結合されていてもよい。この第2の負荷端子L2は、MCDのカソード端子、IGFETのドレイン端子、または、IGBTのコレクタ端子であってもよい。
【0035】
半導体デバイス500がMCDである場合には、ゲート電極155は、第1の負荷電極310に電気的に接続されていてよい、または、半導体デバイス500がIGFETまたはIGBTである場合には、ゲート電極155は、表側に形成されているゲートパッドに電気的に接続されていてよい。この場合には、ゲートパッドはゲート端子Gを形成してもよい、または、ゲート端子Gに電気的に接続されてもよい、または、ゲート端子Gに電気的に結合されてもよい。
【0036】
1つの実施形態では、トランジスタセルTCは、p型ドープされたボディゾーン115と、n型ドープされたソースゾーン110と、p型ドープされたダイオード領域116と、n型ドープされたドリフトゾーン121とを有するnチャネルFETセルである。他の実施形態では、トランジスタセルTCは、n型ドープされたボディゾーン115と、p型ドープされたソースゾーン110とを有するpチャネルFETセルである。ここでこのダイオード領域116は、n型ドープされており、ドリフトゾーン121はp型ドープされている。
【0037】
ゲート電極155における電位が、半導体デバイス500の閾値電圧を超えている、または、下回っている場合には、ボディゾーン115における少数電荷キャリアが、反転チャネルを形成する。これは、ソースゾーン110をドリフト構造120と接続する。これによって、半導体デバイス500がオン状態になる。オン状態で、負荷電流は、半導体ボディ100を、近似的に、第1の負荷電極310と第2の負荷電極320との間で垂直方向に沿って流れる。
【0038】
ダイオード領域116とドリフトゾーン121との間の第3のpn接合部pn3は、ボディ・ダイオードを形成する。このボディ・ダイオードは、半導体デバイス500が第2の負荷電極320と第1の負荷電極310との間に印加されている負の電圧によって逆バイアスされている場合、または、アバランシェ状態にある場合に、導電性である。例えば、誘導負荷をスイッチングするアプリケーションにおいて、ボディ・ダイオードの特徴が、使用可能である。これは例えばハーフブリッジ回路、フルブリッジ回路、モードが切り替えられる電源、または、調理プレートをコントロールする回路における場合である。
【0039】
阻止状態では、水平方向に沿ってトレンチ構造350の下方にあるダイオード領域116の垂直縁部から延在する空乏ゾーンは、ゲート誘電体151のアクティブ部分の垂直方向突出部にあるドリフト構造120の部分を空にし、第2の負荷電極320に加えられる阻止電圧に対して、ゲート誘電体151のアクティブ部分を遮蔽する。このようにして、ダイオード領域116は、ゲート誘電体151にわたる電界強度を低減する。従って、デバイスの信頼性が増大し、DIBL(drain-induced barrier lowering ドレイン誘起障壁低下)が低減する。
【0040】
オン状態では、ボディゾーン115内の少数電荷キャリアは、各トランジスタメサ部170の両側で、2つの反転チャネルを形成する。従って、各トランジスタメサ部170において、2つの反転チャネルによって、ソースゾーン110とドリフト構造120との間でボディゾーン150を通って、単極性電流が流れる。反転チャネルの形成にトランジスタメサ部の側壁を1つしか使用しない設計と比べると、全体的なアクティブチャネル領域が増大され、結果として、オン状態抵抗が低減される。
【0041】
さらに、コンタクト構造315は、直接的に、かつ、垂直に、ダイオード領域116を第1の負荷電極310に接続し、これによって、ボディ・ダイオードの順抵抗が低くなり、水平方向の電圧低下が生じなくなる。
【0042】
結果として、ダイオード領域116は、ボディ・ダイオードを形成する。このボディ・ダイオードは、直接的な垂直方向接触無く、長い水平方向部分を含んでいるボディ・ダイオードよりも迅速にスイッチングを行う。
【0043】
図2Aおよび2Bの半導体デバイス500は、図1Aから1Bの半導体デバイス500に基づいたnチャネル炭化ケイ素IGFETである。ここでは、第1の負荷電極310は、ソース端子Sを形成する、または、ソース端子Sと電気的に接続されている、または、結合されている。第2の負荷電極320は、ドレイン端子Dを形成する、または、ドレイン端子Dと電気的に接続されている。
【0044】
図2Aでは、基本<0001>結晶方向は、図平面上の垂線に対して僅かに傾斜していてよい。<1−100>結晶方向は、トレンチ構造350に対して平行に延在し得る、かつ、オフ角αだけ、図平面に対して僅かに傾斜可能である。トランジスタメサ部170の垂直側壁は、(11−20)および(−1−120)結晶面等の{11−20}結晶面であってよい。
【0045】
図2Bでは、<0001>結晶方向は、オフ角αだけ図平面に対して傾斜されており、<1−100>結晶方向は、オフ角αだけ、図平面上の垂線に対して傾斜されている。
【0046】
第1の表面101は、平坦であってよく、かつ、オフ角αだけ<1−100>結晶方向に対して傾斜されていてよい、または、<1−100>結晶方向に対して平行な、複数の、互いにずらされた表面部分を含んでいてよい。トレンチ構造350は、ストリップであってよい。ここで、第1の表面101が互いにずれされている場合には、トレンチ構造は、第1の表面101における、互いにずらされた表面部分の間に形成された段差と直交に交差する。トレンチ構造350は、相互に等間隔にスペースが開けられていてもよく、また、統一された幅を有していてもよく、また、トランジスタセル領域の一方の側から対向する側まで延在してもよい。
【0047】
メサコンタクト構造317は、第1の表面101から、トランジスタメサ部170内へ延在し得る。図示された実施形態では、メサコンタクト構造317は、第2のpn接合部pn2と第1の表面101との間の距離よりも長い垂直方向延在を有しているが、第1のpn接合部pn1と第1の表面101との間の距離よりも短い垂直方向延在を有している。
【0048】
トレンチ構造350のコンタクト構造315は、少なくともトレンチ構造350と第2の表面102との間のトレンチ構造350の垂直方向突出部に形成されているダイオード領域116に直接的に接する。このダイオード領域116は、ドリフト構造120との、第3のpn接合部pn3を形成する。ここで、第3のpn接合部pn3は、統合されたボディ・ダイオードを形成する。ダイオード領域116の一部は、トランジスタメサ部170の垂直方向突出部と重畳する。ダイオード領域116と、ダイオード領域116からドリフト構造120内へと延在する空乏領域は、半導体デバイス500の阻止状態において、第2の負荷電極320の高電位から、ゲート誘電体151のアクティブ部分を遮蔽する。ダイオード領域116は、高濃度ドープされたコンタクト部分116aを含み得る。このコンタクト部分は、コンタクト構造315と、低濃度ドープされた拡張部分116bとに直接的に隣接する。この低濃度ドープされた拡張部分116bは、ドリフト構造120との界面を形成する。コンタクトと拡張部分116a、116bとの間のドーパント濃度の差は、少なくとも2倍、例えば、少なくとも1倍であってよい。
【0049】
ドリフト構造120は、電流拡散ゾーン122を含み得る。この電流拡散ゾーンは直接的に、ボディゾーン115に接していて良い。電流拡散ゾーン122は、隣り合うダイオード領域116の間に延在し得る。電流拡散ゾーン122とドリフトゾーン121との間の単極性のホモ接合部と第1の表面101との距離は、ダイオード領域116とドリフトゾーン121との間に形成された第3のpn接合部pn3の場合と比べて、短い、等しい、または、長くてよい。電流拡散ゾーン122における平均的なドーパント濃度は、ドリフトゾーン121における平均ドーパント濃度の少なくとも2倍高く、例えば10倍高い。電流拡散ゾーン122の部分は、ダイオード領域116の垂直方向突出部と重畳していてよく、隣り合うダイオード領域116の間に延在してもよい。電流拡散ゾーンの低い水平方向抵抗は、水平方向に沿って、単極性の電荷キャリアフローをドリフト構造120において拡散させる。
【0050】
メサコンタクト構造317は、トランジスタメサ部170の水平方向部分を、間にあるメサコンタクト構造317の両側において2つの部分に分けることができる。ここで各部分は、トランジスタセルTCの半導体部分を含み得る。メサコンタクト構造317の垂直方向延在は、トレンチ構造350の垂直方向延在より短くてよい。従って、メサコンタクト構造317が、ボディゾーン115を完全に区切ることはない。ボディゾーン115の導電型の、高濃度にドープされたコンタクト領域115aが、メサコンタクト構造317の垂直方向突出部内に形成されてよく、これによって、該当するボディゾーン115は、メサコンタクト構造317を通って、第1の負荷電極310と電気的に接続される。メサコンタクト構造317は、コンタクト構造315と同様に、コンタクト層301を含み得る、このコンタクト層310は、金属シリサイドから形成される。
【0051】
層間絶縁体210は、第1の電極310とゲート電極155との間に挟まれ、誘電性に、第1の負荷電極310をゲート電極155から絶縁する。層間絶縁体210は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、ドーピングされたまたはドーピングされていないケイ酸塩ガラス、例えばBSG(ホウケイ酸ガラス)、PSG(リンケイ酸ガラス)またはBPSG(ホウリンケイ酸ガラス)から成る1つまたは複数の絶縁層を含み得る。
【0052】
電流拡散ゾーン122に対して付加的にまたは択一的に、ドリフト構造120はアバランシェ調整ゾーン123を含み得る。これは、第3のpn接合部pn3の少なくとも一部を形成する。アバランシェ調整ゾーン123は、トレンチ構造350の垂直方向突出部内に形成され、ダイオード領域116よりも長い、水平方向延在を有し得る。アバランシェ調整ゾーン123における平均ドーパント濃度は、ドリフトゾーン121におけるドーパント濃度よりも少なくとも2倍、例えば5倍、または少なくとも10倍高い。アバランシェ調整ゾーン123が存在することによって、エピタキシャル層の厚さおよびドーパント濃度の変化の影響が低減される。
【0053】
付加的に、アバランシェ調整ゾーン123は、局部的に、複数のトランジスタセルTCを含むトランジスタセル領域内のブレークダウン電圧を低くし、アバランシェブレークダウンがトランジスタセルゾーン内で開始することを保証する。アバランシェブレークダウンがトランジスタセル領域内で始まる場合、アバランシェ電流は、トランジスタセル領域全体にわたって拡散する。他方で、エッジまたは終端領域においてトリガされたアバランシェブレークダウンは典型的にトランジスタセル領域を包囲し、トランジスタセルを含まず、半導体ボディ100のより小さい部分だけに影響を与え、結果として、高い、部分的な加熱を生じさせてしまう。アバランシェブレークダウンをトランジスタセル領域内に固定することによって、アバランシェ調整ゾーン123は、アバランシェ耐性を改善する。
【0054】
図3Aから3Bの半導体デバイス500は、nチャネルSiC−FETであり、図2Aから2BのSiC−FETとは、ボディゾーン115との接触に関して、および、ボディ・ダイオードのタイプに関して異なる。さらなる詳細に関しては、従前の図の説明を参照されたい。
【0055】
半導体デバイス100内に延在するメサコンタクト構造の代わりに、図3Aおよび3BのSiC−FETは、平面的なメサコンタクト構造317を含む。これは、第1の表面101からトランジスタメサ部170へと延在するインプラントされたボディコンタクトゾーン115xと同じである。ボディコンタクトゾーン115xの垂直方向の延在は、ソースゾーン110の垂直方向の延在を上回る。平面的なメサコンタクト構造317によって、2つのフォトリソグラフィパターニングプロセスが省かれ、プロセスの複雑さが低減される。例えば、メサコンタクト内のゲート電極155の材料のスペーサーの除去を省いてよい。
【0056】
トレンチ構造350のコンタクト構造315は直接的に、ダイオード領域116とドリフトゾーン121両方に隣接していてよい。ここで、コンタクト構造315とダイオード領域116との間の界面はオーミックコンタクトであり、コンタクト構造315とドリフトゾーン121との間の界面はショットキーコンタクトを形成する。ダイオード領域116とドリフトゾーン121との間の第3のpn接合部pn3は、PNダイオードD1またはPINダイオードD1を形成する。コンタクト構造315とドリフトゾーン121との間のショットキーコンタクトは、このPNダイオードD1またはPINダイオードD1と平行するショットキーダイオードSDを形成する。結果として生じるMPS(merged pin Schottky)ダイオードは、ショットキーダイオードの低い順方向電圧低下を、PNダイオードまたはPINダイオードの高い耐サージ性能と組み合わせる。
【0057】
図4Aから4Bの半導体デバイス500は、図2Aから2Bの半導体デバイス、および、図3Aから3Bの半導体デバイスと、結晶格子の配向の点において異なるnチャネルSiC−FETである。図4Aでは、基本<0001>結晶方向は、図平面の垂線に対して僅かに傾斜していてよい。<11−20>結晶方向は、トレンチ構造350に対して平行に延在し、オフ角αだけ、図平面に対して僅かに傾斜していてよい。トランジスタメサ部170の垂直方向の側壁は、{1−100}結晶面であり得る。
【0058】
図4では、<0001>結晶方向は、オフ角αだけ、図平面に対して傾斜しており、<11−20>結晶方向は、図平面上の垂線に対してオフ角αだけ傾斜している。
【0059】
この結果、各トランジスタメサ部170の側壁のうちの片方は(1−100)結晶面であり、他方は(−1100)結晶面である。両方の側壁は同じ表面プロパティを有しているので、両方のトレンチ側壁は電荷キャリア移動性に関して等しい。両方の側壁に沿って、電流密度は同じであり、全体的な電流分布は一層均一である。トレンチ構造350の角は、ゲート誘電体151の信頼性を向上させるための丸められていてもよい。
【0060】
図3Aから3Bに示されているショットキーコンタクトの代わりに、トランジスタセルTCのボディ・ダイオードは、ショットキーダイオードの順方向電圧と比肩可能な順方向電圧を有するnチャネルダイオードCDを含む。このチャネルダイオードCDは、n型のダイオードコンタクトゾーン126を含む。これは直接的にコンタクト構造315およびn型またはn型マイクロチャネル125と隣接する。これは、n型のダイオードコンタクトゾーン126をドリフトゾーン121と接続する。ここでこのn型マイクロチャネル125は、ダイオード領域116によって包囲されている。これは、PNダイオードD1またはPINダイオードD1を形成する。マイクロチャネル125の幅は、最大で1000nmであり、従って、ダイオード領域116との界面からマイクロチャネル125内へ延在する空乏領域は、完全に、マイクロチャネル125を空乏化する。これは、電圧が印加されていない場合、または、正のドレイン電圧が印加されており、これによって、十分な負のドレイン電圧が加えられている場合に、nマイクロチャネル125がPNダイオードD1またはPINダイオードD1を短絡する場合である。
【0061】
図5Aは、ストリップ形状のトレンチ構造350を有している実施形態に関する。これは、ストリップ形状のトランジスタメサ部170によって隔てられている。トレンチ構造350と交差している、例えばトレンチ構造350に対して直交に延在している終端トレンチ360が、トレンチ構造150を接続していてよい。終端トレンチ360におけるゲート電極155の部分は、ゲートパッドを形成してもよく、または、ゲートパッドと電気的に接続されていてよい。終端部分において、トレンチ構造150は、ゲート絶縁体159の幅の広い部分を含み得る。隣り合うダイオード領域116は、水平方向において相互に隔てられており、各ダイオード領域116は、1つのコンタクト構造315に割り当てられている。
【0062】
図5Bは、格子を形成し、トレンチ構造350を包囲しているトランジスタメサ部170を有する実施形態に関している。ここでこれらのトレンチ構造350は、格子の網目の形態に形成されている。トレンチ構造350は、第1の水平方向延在部分w1を有するドット形状であってよく、この第1の水平方向延在部分は、第1の水平方向寸法w1に対して直交する第2の水平方向寸法w2の最大で5倍、例えば最大で2倍の長さを有する。トレンチ構造350の水平方向横断面は、角が丸められた、または、丸められていない長方形、または、卵形または楕円形であってよい。
【0063】
1つの実施形態では、第1および第2の水平方向寸法w1、w2は等しい、または、10%を超えない程度に相違している。トレンチ構造350の水平方向横断面領域は、正多角形であり、例えば正方形、六角形または八角形であり、または、円形であってよい。ゲート電極155の材料は、トランジスタメサ部170を覆う層を形成し得る。ここで、この層は、コンタクト構造315およびメサコンタクト構造317のための、絶縁された開口部を含む。他の実施形態では、トランジスタセルTC内のゲート電極155が、コンタクトビアを介して配線層に電気的に接続されていてもよい。
【0064】
図5Cでは、トレンチ構造350は、格子の網目を形成するトランジスタメサ部170とともに格子を形成する。
【0065】
トランジスタメサ部170の第1の水平方向寸法w3は、第1の水平方向寸法w3に対して直交する第2の水平方向寸法w4の最大で5倍、例えば最大で2倍の長さを有し得る。トランジスタメサ部170の水平方向横断面領域は、角が丸められている、または、丸められていない長方形、または、楕円形または卵形である。1つの実施形態では、第1の水平方向寸法w3と第2の水平方向寸法w4とは、10%を超えない程度に相違している、または、等しい。ここで、トランジスタメサ部170の水平方向横断面領域は正多角形であり、例えば正方形、六角形または八角形であり、または、円形である。隣り合っているトランジスタメサ部170の全ての対の間の直接的な接続線は、間にあるコンタクト構造315と交差する。
【0066】
図6Aから6Nは、トレンチゲート構造を通って延在し、かつ、ダイオード領域と直接的に隣接するコンタクト構造を有する半導体デバイスを製造する方法に関する。
【0067】
図6Aは、ベース基板100zを示す。これは、単結晶半導体材料、例えばSi、SiC、Ge、SiGeまたはGaNから成り得る、または、単結晶半導体材料、例えばSi、SiC、Ge、SiGeまたはGaNを含み得る。ベース基板100zは、本来のままであっても、高濃度にnドープされたまたは高濃度にpドープされた基板であってもよい。これは、例えば結晶インゴットをカッティングすること、または、ソーイングすることによって得られる。図示された実施形態では、ベース基板100zは高濃度にnドープされている。
【0068】
ベース基板100zの動作表面101zは平面であり、かつ、主結晶面に対して平行であってよい。1つの実施形態では、この動作表面101zは、第1の型の結晶面である、複数の、長い平坦な第1の表面部分と、複数の、短い急勾配の第2の表面部分とを有する互いにずらされた表面である。ここでこの第2の表面部分は、0度を上回る角度、例えば約90度で、第1の表面部分に対して傾斜されており、第1の表面部分を接続している。4H−SiCのベース基板100zに関する1つの実施形態では、第1の表面部分は、(0001)結晶面であって良い。
【0069】
互いにずらされた動作表面101zは、結晶インゴットを、六方晶格子に基づいて、カッティングまたはソーイングすることによって得られる。ここでオフ角αは、主結晶方向、例えば<1−100>結晶方向に関して、0を上回る。切断面と<1−100>結晶方向との間のオフ角αは、2〜12°の間の範囲にある任意の角度であって良く、例えば、3〜8°の範囲にある。1つの実施形態では、このオフ角αは約4°である。切断面は、主表面と一致し得る、または、主表面に対して平行であり得る。ここでこの主表面は、最小二乗平均面であって良い。この最小二乗平均面は、全ての第1の表面が同じ領域を有している場合、第1の表面部分および第2の表面部分と、段差の半分の高さで交差する。
【0070】
エピタキシャル層100yが、ベース基板100zの動作表面101z上にエピタキシャルに成長される。ここで、このエピタキシャル層100yの結晶格子は、レジストリーにおいて、ベース基板100zの結晶格子に関連して成長する。六方晶格子を有する半導体材料、例えば、4H−SiCの場合には、互いにずらされた動作表面101zによって、ステップコントロールされたエピタキシーが得られる。このエピタキシーの間に、ケイ素と炭素原子とが、互いにずらされた動作表面101zに衝突し、段差に沿って、規則正しい結晶成長を開始する。
【0071】
図6Bは、エピタキシャル層100yとベース基板100zとを含んでいる半導体部分100aを示している。エピタキシャル層100yはその場でドープされてよく、ベース基板100zと同じ導電型を有していてよい。エピタキシャル層100yにおける平均ドーパント濃度は、半導体基板100aが4H−SiC基板である場合には、1E14cm−3〜3E16cm−3の範囲にあってよい。半導体部分100aの頂上面101aは、エピタキシャル層100yによって形成され、平面状であっても、また、半導体部分100aが4H−SiC基板である場合には互いにずらされていてもよい。頂上面101aに対向する、ベース基板100zの露出された表面は、底面102aを形成する。
【0072】
第1のマスク構造が、頂上面101a上に堆積され、フォトリソグラフィによってパターニングされて、第1のマスク410を形成する。エピタキシャル層100yの導電型と反対の導電型のドーパントがインプラントされ、ここで、第1のマスク410は、インプラントマスクとして作用する。インプラントによって、頂上面101aに対して距離d1を空けて、ダイオード領域のコンタクト部分116aが形成される。
【0073】
図6Cは、半導体部分100aと第1のマスク410とを含んでいる半導体基板500aを示している。ここでこの第1のマスク410は、1つの単独層を含んでいても、積層体を含んでいてもよい。図示の実施形態では、第1のマスク410は、頂上面101a上に析出された第1のマスク材料から成る第1の副層411と、第1の副層411上に析出された第2のマスク材料から成る第2の副層412とを含んでいる。第1のマスク材料と第2のマスク材料とは、それらのエッチングプロパティにおいて異なっている。従って、第1のマスク材料は、第2のマスク材料と比べて、より速い速度で、等方性にエッチングされ得る。1つの実施形態では、第1の副層411はシリコン酸化物の層であってよく、第2の副層412は多結晶シリコン、例えば、炭素またはシリコン窒化物の層であってよい。
【0074】
第1のマスク410内の開口部415は、規則的なピッチで配置されたストリップであってよい、または、同じ規模の2つの直交する水平方向寸法を有するドット状であってよい、または、格子を形成してよい。コンタクト部分116aは、開口部415の垂直方向突出部において、頂上面101aに対して距離d1を空けて形成される。
【0075】
第1の副層411には、等方性に窪みが形成され得る。ここでこの窪みは、第2の副層412に関して選択的である。別の実施形態では、第2の副層412が省かれ、第1のマスク410は第1の副層411から成る。ここでこの第1の副層は、窪みを設ける間、覆われずに、等方性に窪みが設けられる。
【0076】
図6Dは、窪みが設けられた第1の副層411xと、窪みが設けられていない第2の副層412とを示している。ここのこの第2の副層412は、窪みが設けられた第1の副層411xを覆う。
【0077】
第2の副層412が除去され、窪みが設けられた第1の副層411が、第2のマスク420を形成してよい。第2のマスク420を用いることで、更なるドーパントがインプラントされ、第2のマスク420における開口部425の垂直方向突出部において、ダイオード領域の拡張部分116bが形成される。
【0078】
図6Eは、高濃度にドープされたコンタクト部分116aと、より低い濃度でドープされた拡張部分116bとをそれぞれを含んでいるダイオード領域116を示している。拡張部分116bは、コンタクト部分116aから水平方向に延在し、さらに、底面102aの方向へと延在している。
【0079】
第3のマスク430が形成されており、例えば、シリコン酸化物層を形成する。これは、第2のマスク420を除去すること、第3のマスク層を堆積すること、およびフォトリソグラフィによってこの第3のマスク層をパターニングすること、または、さらに、第2のマスク420に等方性に窪みを設けることによって行われる。第3のマスク430内の開口部435は、ダイオード領域116の垂直方向突出部内に形成される。エッチングマスクとして第3のマスク430を用いて、トレンチ350aは、頂上面101aから、少なくともダイオードゾーン116までエッチングされる。トレンチ350aの水平方向の幅が、ダイオード領域116の、対応する水平方向の幅を上回っていてよい。トレンチエッチングの前または後に、第3のマスク430をインプラントマスクとして使用することによって、エピタキシャル層100yの導電型のドーパントが、ダイオード領域116と底面102aとの間のトレンチ350aの垂直方向突出部において、アバランシェ調整ゾーン123を形成するためにインプラントされ得る。
【0080】
図6Fは、ダイオード領域116に直接的に隣接し、トレンチ350aの垂直方向突出部内に形成されているアバランシェ調整ゾーン123を示している。ここでこのトレンチ350aは、頂上面101aからダイオード領域116まで延在する。トレンチ350aが垂直方向に延在する長さは、第1の距離d1と等しい、または、第1の距離d1を上回る。
【0081】
図6Eの第2のマスク420を除去し、第3のマスク430を形成する前、または、図6Cの第1のマスク410を形成する前、または、トランジスタセル領域内でマスクされていない第3のマスク430を除去した後、数回のインプラントを実行してよい。トランジスタセル領域に関してマスクされてないインプラントは、直接的に、頂上面101aと接するnドープされたソース領域110と、第2のソースゾーン110との第2のpn接合部pn2と、nドープされたドリフト構造120との第1のpn接合部pn1とを形成するpドープされたボディゾーン115と隣接する。これは、少なくとも、図6Bのベース基板100zから形成されたコンタクト層129と、図6Bのエピタキシャル層100yの元来のその場でのドーピングを有するエピタキシャル層100yの部分から形成されたドリフトゾーン121とを含む。1つの実施形態では、さらなるインプラントは、電流拡散ゾーン122を形成し得る。これは、ドリフト構造120内にあり、ボディゾーン115とドリフトゾーン121との間に挟まれている。ここで、電流拡散ゾーン122における平均ドーパント濃度は、ドリフトゾーン121内の平均ドーパント濃度よりも、少なくとも2倍高い。
【0082】
図6Fは、トランジスタメサ部170内に完全に形成されているソースゾーン110とボディゾーン115とを示している。ここでこれらは、隣り合うトレンチ350aの間の半導体部分100aの一部である。
【0083】
第3のマスク430が除去され、第4のマスク440が形成され得る。これは例えば第4のマスク層を析出し、この第4のマスク層をフォトリソグラフィによってパターニングすることによって形成される。ここで、第4のマスク440内の開口部445は、隣り合う2つのトレンチ350aからそれぞれ間隔を空けて配置されたトランジスタメサ部170の一部を露出させる。他の実施形態では、第4のマスク440が、自己アライメント様式で形成されてもよい。これは例えば、図6Fの第3のマスク430を除去する前に、第3のマスク430内の開口部435とトレンチ350aを任意の材料で充填すること、および、第3のマスク430を、この任意の材料に対して選択的に除去すること、および、露出された、この任意の材料の垂直方向側壁部分に沿ってスペーサーを形成することによって行われる。
【0084】
第4のマスク440をエッチングマスクとして用いることによって、コンタクト溝370aが、トランジスタメサ部170内にエッチングされ得る。第4のマスクをインプラントマスクとして用いることによって、ボディゾーン115の導電型のドーパントが、コンタクト溝370aの底面を通じてインプラントされ、ボディゾーン115の高濃度にドーピングされたコンタクト部分115aまたは頂上面101aからボディゾーン115へと延在するインプラントされたボディコンタクトゾーンが形成される。第4のマスク440の材料は、例えば、シリコン酸化物であってよい。
【0085】
図6Gは、第1の表面101aから、少なくともボディゾーン115まで延在するコンタクト溝370aと、コンタクト溝370aの底面に沿った、高濃度にドープされたコンタクト部分115aとを示している。
【0086】
第4のマスク440が除去され、高温アニールが、インプラントされたドーパントを活性化してもよい。ゲート誘電体層151aが、露出された半導体材料を熱処理することによって、誘電材料の1つまたは複数の層を堆積することによって、または、熱成長と析出を組み合わせることによって形成され得る。ゲートコンダクタ材料が、ゲート誘電層151a上に堆積される。ここでこのゲートコンダクタ材料は、相似するゲートコンダクタ層155aとして堆積される。
【0087】
図6Hは、コンタクト溝370aおよびトレンチ350aに内張りされているゲート誘電層151aを示している。ゲート誘電層151aの材料は、半導体誘電物を含み得る。これは例えばシリコン酸化物またはシリコン窒化物またはそれらの組み合わせである。相似するゲートコンダクタ層155aは、このゲート誘電層151aを、統一された厚さで被覆する。ゲートコンダクタ層115aは、高濃度ドープされた多結晶シリコン層および/または金属含有層から成る、または、これを含んでいてよい。
【0088】
図6Hに示されているように、相似するゲートコンダクタ層155aを異方性にエッチングすることによって、ゲートコンダクタ層155aから、ゲート電極155が、スペーサー構造として形成される。このスペーサー構造は、トレンチ350aの垂直方向側壁に沿って延在する。
【0089】
第5のマスク450は、マスク材料を堆積することによって、および、コンタクト溝370a内に図6Mのゲートコンダクタ層のスペーサー状の残部155qを露出させる開口部を形成するために、堆積されたマスク材料をフォトリソグラフィによってパターニングすることによって形成され得る。ここでこのマスク材料は、ゲートコンダクタ層155aおよびゲート誘電層151aの材料に対して選択的にエッチング可能であり、例えばフォトレジストまたは炭素層である。
【0090】
図6Iは、ゲート誘電層の残部155qを示している。残部155qは、スペーサーとして、コンタクト溝370aの垂直方向側壁に沿って延在している。第5のマスク層450内の開口部455は、コンタクト溝370aを露出させる。さらに、図6Hのゲートコンダクタ層155aの残部は、トレンチ150aの垂直方向側壁に沿って形成され、第5のマスク450によって覆われているスペーサー部分とともに、ゲート電極155を形成する。
【0091】
第5のマスク450をエッチングマスクとして用いることによって、コンタクト溝370a内のゲートコンダクタ層の残部155qが除去される。これは例えば、ゲート誘電層151aの材料に関して選択的であるウェットエッチング手段によって行われる。第5のマスク450が除去され、層間誘電層210aが析出され得る。1つの実施形態では、層間誘電層210aは、コンタクト溝370aとトレンチ350aとを完全に埋める。
【0092】
図6Jは、層間誘電層210aを示している。これはコンタクト溝370aとトレンチ350aとを満たす。層間誘電層210aは、ケイ酸塩ガラス、例えば、リンケイ酸ガラス(PSG)、ホウケイ酸ガラス(BSG)または、ホウリンケイ酸ガラス(BPSG)から成り得る、または、これらを含み得る。1つの実施形態では、層間誘電層210aは、析出された酸化物層を含み得る。これは例えば、先駆物材料であるオルトケイ酸テトラエチル(TEOS)をベースにしたシリコン酸化物層である。
【0093】
第6のマスク460は、第6のマスク層を堆積し、この第6のマスク層をフォトリソグラフィによってパターニングして、トレンチ350aの中央部分の垂直方向突出部内に開口部465を形成することによって形成され得る。第6のマスク460をエッチングマスクとして使用することによって、コンタクト開口部355aが、層間誘電層210aおよびゲート誘電層151a内へエッチングされる。ここで、コンタクト開口部355aは、層間誘電層210aとゲート誘電層151aとを通って、トレンチ350aの底面まで延在する。
【0094】
図6Kは、例えば、フォトレジストから形成され得る第6のマスク460を示す。コンタクト開口部355aは、ゲート電極155のスペーサー部分から間隔が空けられている。コンタクト開口部355aとゲート電極155のスペーサー部分との間の層間誘電層210aの部分は、ゲート絶縁体159を形成する。
【0095】
第6のマスク460が除去され、第7のマスク470が、コンタクト開口部355aを満たすマスク材料を堆積することによって形成される。第7のマスク470内の開口部475は、コンタクト溝370aの垂直方向突出部内に形成される。第7のマスク470をエッチングマスクとしてとして用いることによって、コンタクト溝370aの垂直方向突出部内のおよびコンタクト溝370aの垂直方向突出部における層間誘電層210aとゲート誘電層151aの部分が除去される。この除去は、第7のマスク470をある程度アンダーカットする異方性成分を含み得る。例えば、層間誘電層210aのパターニングは、ドライエッチングと、ドライエッチングの後に続く、ウェットエッチングとを含み得る。
【0096】
図6Lは、ゲート絶縁体159と、層間誘電体210とを示す。これは、図6Jの層間誘電層210aから、第6のマスク460および第7のマスク470をエッチングマスクとして使用することによって出現する。図6Jのゲート誘電層151aの残りの部分は、ゲート誘電体151を形成する。これは、ゲート電極155と、半導体部分100aとを隔てる。
【0097】
第7のマスク470は除去され、コンタクト層がトレンチ350aの底部およびコンタクト溝370a内に形成され得る。例えば、ケイ化物を形成する金属を含有する金属層が堆積される。加熱処理によって半導体基板500aが加熱され、これによって、堆積された金属が、半導体部分100aの材料と反応する。しかし、これは、層間誘電体210とは反応しない。例えばコンタクト金属は、半導体部分100aとの界面に沿って第1のケイ化物を形成する。金属層の未反応残部が除去される。これは例えば、ウエットクリーニングステップによって行われ、ここでは、層間誘電体210上に析出された金属層の部分が除去され得る。その後、さらなる加熱処理によって、この第1のケイ化物から、低オームかつ安定した第2のケイ化物が形成され得る。
【0098】
図6Mは完全にシリサイド化されたコンタクト層301を示している。このコンタクト層は、コンタクト溝370aの側壁および底面に内張りされている。図6Mはさらに、トレンチ350aの底面での、ダイオード領域116の露出された部分を示している。コンタクト層301は、コンタクト溝370aに直接的に隣接している、頂上面101a上の部分を含み得る。
【0099】
第1の負荷電極310が表側に形成され、第2の負荷電極320が裏側に形成され得る。
【0100】
図6Nは、第1の負荷電極310を示している。第1の負荷電極は、1つの層であっても、異なる材料から成る2つ以上の副層を含んでいる積層体であってもよい。コンタクト溝370aに形成されたメサコンタクト構造317は、第1の負荷電極310をソースゾーン110およびボディゾーン115と電気的に接続する。コンタクト構造315は、第1の負荷電極310を、埋められたダイオード領域116と電気的に接続する。第1の負荷電極310に対して付加的に、ゲートパッドが、第1の負荷電極310と同じ材料から形成されてもよい。
【0101】
裏側で、第2の負荷電極320は、直接的に底面102aと隣接し、コンタクト層129とオーミックコンタクトを形成する。例えば、ソーイングまたはカッティングによって、半導体基板500aから、同一の半導体デバイスのために複数の半導体ダイが得られる。
【0102】
本明細書において特定の実施形態を示し、説明したが、当業者には、本発明の範囲を逸脱しない限り、種々の択一的なおよび/または等価の実施形態が、示され、説明されたこれらの特定の実施形態の代わりになり得ることが自明である。本明細書は、本願で扱われた特定の実施形態のあらゆる改造またはバリエーションをカバーするものであると解釈される。従って、本発明は、特許請求の範囲および特許請求の範囲に同等のものによってのみ制限されるものと解釈される。
【0103】
以下は、親出願(特願2016−41283号)の出願当初請求項である。
[請求項1]
複数のトレンチ構造(350)と複数のトランジスタメサ部(170)と複数のダイオード領域(116)とを有する半導体デバイスであって、
前記トレンチ構造(350)はそれぞれ、第1の表面(101)から半導体ボディ(100)内へ延在し、かつ、ゲート構造(150)と、前記ゲート構造(150)を通って延在するコンタクト構造(315)と、を含んでおり、
前記トランジスタメサ部(170)は、前記複数のトレンチ構造(350)の間に設けられており、各トランジスタメサ部(170)は、ボディゾーン(115)を含んでおり、前記ボディゾーン(115)は、ドリフト構造(120)とともに第1のpn接合部(pn1)を形成し、かつ、ソースゾーン(110)とともに第2のpn接合部(pn2)を形成し、
前記ダイオード領域(116)はそれぞれ、直接的に、前記複数のコンタクト構造(315)のうちの1つと隣接し、かつ、前記ドリフト構造(120)とともに第3のpn接合部(pn3)を形成し、前記ドリフト構造(120)は、ドリフトゾーン(121)と電流拡散ゾーン(122)とを含んでおり、前記電流拡散ゾーン(122)は、前記第2のpn接合部(pn2)を形成し、前記電流拡散ゾーン(122)における平均ドーパント濃度は、前記ドリフトゾーン(121)における平均ドーパント濃度の少なくとも2倍である、
ことを特徴とする半導体デバイス。
[請求項2]
前記トレンチ構造(350)は、ストリップ状である、
請求項1記載の半導体デバイス。
[請求項3]
平均表面(101x)に対して平行な前記トレンチ構造(350)の第1の水平方向寸法は最大で、第2の水平方向寸法の5倍であり、前記第2の水平方向寸法は、前記平均表面(101x)に対して平行であり、かつ、第1の水平方向に直交している、
請求項1記載の半導体デバイス。
[請求項4]
前記第1の水平方向寸法と前記第2の水平方向寸法との差は、10%以下である、
請求項3記載の半導体デバイス。
[請求項5]
前記コンタクト構造(315)は、前記コンタクト構造(315)の第1の側にある、前記ゲート構造(150)の第1のゲート部分(150x)と、前記コンタクト構造(315)の、前記第1の側とは反対側の第2の側にある、前記ゲート構造(150)の第2のゲート部分(150y)と、の間に挟まれている、
請求項1から4のいずれか記載の半導体デバイス。
[請求項6]
前記ゲート構造(150)は、前記コンタクト構造(315)を包囲している、
請求項1から5のいずれか記載の半導体デバイス。
[請求項7]
前記ダイオード領域(116)の幅は、前記トレンチ構造(350)の、対応する幅よりも狭い、
請求項1から6のいずれか記載の半導体デバイス。
[請求項8]
前記ドリフト構造(120)は、ドリフトゾーン(121)とアバランシェ調整ゾーン(123)とを含んでおり、
前記アバランシェ調整ゾーン(123)は、前記第3のpn接合部(pn3)を形成し、前記アバランシェ調整ゾーン(123)の平均ドーパント濃度は、前記ドリフトゾーン(121)の平均ドーパント濃度の少なくとも2倍である、
請求項1から7のいずれか記載の半導体デバイス。
[請求項9]
メサコンタクト構造(317)は、前記第1の表面(101)から前記トランジスタメサ部(170)内へ延在し、かつ、前記ソースゾーン(110)および前記ボディゾーン(115)と直接的に隣接している、
請求項1から8のいずれか記載の半導体デバイス。
[請求項10]
さらに、ボディコンタクトゾーン(115x)を有しており、前記ボディコンタクトゾーン(115x)は、前記第1の表面(101)から前記トランジスタメサ部(170)内へ延在し、かつ、前記ボディゾーン(115)と単極性のホモ接合部を形成する、
請求項1から8のいずれか記載の半導体デバイス。
[請求項11]
さらに、前記コンタクト構造(315)と前記ドリフト構造(120)との間に形成されたショットキーダイオード(SD)を有している、
請求項1から10のいずれか記載の半導体デバイス。
[請求項12]
さらに、チャネルダイオード(CD)を有しており、前記チャネルダイオード(CD)は、前記コンタクト構造(315)によって形成された第1の電極と、前記ドリフト構造(120)によって形成された第2の電極と、を有しており、
前記チャネルダイオード(CD)は、チャネル領域(125)を含んでおり、
前記チャネル領域(125)は、前記コンタクト構造(315)、前記ドリフト構造(120)、および、前記ダイオード領域(116)に直接的に隣接しており、かつ、前記ドリフト構造(120)と前記ダイオード領域(116)との間に電位が印加されていない場合に、完全に空乏化されるように構成されている、
請求項1から10のいずれか記載の半導体デバイス。
[請求項13]
前記半導体ボディ(100)の材料は、炭化ケイ素である、
請求項1から12のいずれか記載の半導体デバイス。
[請求項14]
前記半導体ボディ(100)の材料は、六方晶格子を有している、
請求項1から13のいずれか記載の半導体デバイス。
[請求項15]
前記トランジスタメサ部の側壁は、前記六方晶格子の主結晶面である、
請求項14記載の半導体デバイス。
[請求項16]
前記トランジスタメサ部の側壁は、{11−20}または{1−100}結晶面である、
請求項14記載の半導体デバイス。
[請求項17]
前記ゲート構造(150)は、ゲート電極(155)と、前記ゲート電極(155)および少なくとも前記ボディゾーン(115)によって挟まれているゲート誘電体(151)と、前記ゲート電極(155)および前記コンタクト構造(315)によって挟まれているゲート絶縁体(159)と、を含んでいる、
請求項1から16のいずれか記載の半導体デバイス。
[請求項18]
前記ドリフト構造(120)の部分は、前記第1の表面(101)に対して平行している面において、隣り合っているダイオード領域(116)を隔てている、
請求項1から17のいずれか記載の半導体デバイス。
[請求項19]
1つまたは複数のトレンチ構造(350)と、複数のトランジスタメサ部(170)と、1つまたは複数のダイオード領域(116)と、を有する半導体デバイスであって、
前記トレンチ構造(350)はそれぞれ、第1の表面(101)から半導体ボディ(100)内へ延在し、かつ、ゲート構造(150)と、前記ゲート構造(150)を通って延在するコンタクト構造(315)と、を含んでおり、
前記トランジスタメサ部(170)は、前記複数のトレンチ構造(350)の間に設けられており、各トランジスタメサ部(170)は、ボディゾーン(115)を含んでおり、前記ボディゾーン(115)は、ドリフト構造(120)とともに第1のpn接合部(pn1)を形成し、かつ、ソースゾーン(110)とともに第2のpn接合部(pn2)を形成し、
1つまたは複数のダイオード領域(116)はそれぞれ、前記ドリフト構造(120)とともに第3のpn接合部(pn3)を形成し、かつ、前記複数のコンタクト構造(315)のうちの1つと直接的に隣接し、
隣り合っているトランジスタメサ部(170)間の全ての直接的な接続線は、前記コンタクト構造(315)の1つと交差し、
前記ドリフト構造(120)は、ドリフトゾーン(121)と電流拡散ゾーン(122)とを含んでおり、
前記電流拡散ゾーン(122)は、前記第2のpn接合部(pn2)を形成し、前記電流拡散ゾーン(122)における平均ドーパント濃度は、前記ドリフトゾーン(121)における平均ドーパント濃度の少なくとも2倍である、
ことを特徴とする半導体デバイス。
[請求項20]
複数のトレンチ構造(350)と複数のトランジスタメサ部(170)と複数のダイオード領域(116)とを有する半導体デバイスであって、
前記トレンチ構造(350)はそれぞれ、第1の表面(101)から半導体ボディ(100)内へ延在し、かつ、ゲート構造(150)と、前記ゲート構造(150)を通って延在するコンタクト構造(315)と、を含んでおり、
前記トランジスタメサ部(170)は、前記複数のトレンチ構造(350)の間に設けられており、各トランジスタメサ部(170)は、ボディゾーン(115)を含んでおり、前記ボディゾーン(115)は、ドリフト構造(120)とともに第1のpn接合部(pn1)を形成し、かつ、ソースゾーン(110)とともに第2のpn接合部(pn2)を形成し、
前記ダイオード領域(116)はそれぞれ、直接的に、前記複数のコンタクト構造(315)のうちの1つと隣接し、かつ、前記ドリフト構造(120)とともに第3のpn接合部(pn3)を形成し、
前記トランジスタメサ部(170)の側壁は、{11−20}または{1−100}結晶面である、
ことを特徴とする半導体デバイス。
[請求項21]
半導体デバイスの製造方法であって、
前記製造方法は、
複数のトレンチ(350a)を形成することと、複数のゲート部分(150x、150y)を形成することと、複数のコンタクト構造(315)を形成することと、を含んでおり、
前記トレンチ(350a)は、表側から半導体基板(500a)内へ延在し、各トレンチ(350a)は、前記半導体基板(500a)内に形成されたダイオード領域(116)まで延在し、前記複数のトレンチ(350a)の間に設けられているトランジスタメサ部(170)において、ボディゾーン(115)は、ドリフト構造(120)とともに第1のpn接合部(pn1)を形成し、ソースゾーン(110)とともに第2のpn接合部(pn2)を形成し、前記トランジスタメサ部(170)の側壁は{11−20}または{1−100}結晶面であり、
前記ゲート部分(150x、150y)はそれぞれ、前記トレンチ(350a)の、向かい合っている側壁に沿って延在しており、
前記コンタクト構造(315)を前記複数のゲート部分(150x、150y)の間のトレンチ(350a)内に形成し、前記コンタクト構造(315)は、直接的に前記ダイオード領域(116)と隣接している、
ことを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
[請求項22]
前記ゲート部分(150x、150y)を形成することは、前記トレンチ(350a)に内張りされる相似するゲートコンダクタ層(155a)を堆積することと、前記トレンチ(350a)の側壁に沿って、スペーサー状のゲート電極部分を形成するために、相似する前記ゲートコンダクタ層(155a)の水平方向部分を異方性エッチングによって除去することを含んでいる、
請求項21記載の方法。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図6H
図6I
図6J
図6K
図6L
図6M
図6N