(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0048】
本発明は、CoQ10などの水に難溶の活性薬剤の静脈内投与用製剤に関する。
【0049】
本発明の静脈内投与用製剤は、肝臓および心臓などの臓器ならびに腫瘍をはじめとする他の組織への輸送のための、血流への正確な量の活性薬剤(CoQ10など)の送達を可能にする。本発明は、例えば、CoQ10の臨床的および治療上有効かつ有用な静脈内投与用製剤を提供し、該製剤は、一般的な環境温度で安定であり、少なくとも12ヵ月間、分散特性が本質的に変化しない。
【0050】
読みやすさを最適化するため、かつ本明細書中に記載された本発明の理解を高めるために、本明細書中で用いる用語および語句の下記の定義を考慮に入れることが有益であり得る。
【0051】
1. 定義
本明細書の開示に従って、本明細書中で用いる場合、特に明示しない限り、以下の用語は下記の意味を有すると定義される。
【0052】
本明細書中で用いる場合、文脈からそうでないことが明らかでない限り、「a」、「an」および「the」は複数形への参照を含む。
【0053】
本明細書中で用いる場合、「製薬上許容される」成分は、合理的なリスク・ベネフィット比に見合って、過度の有害副作用(毒性、刺激性およびアレルギー反応など)を有さずに、ヒトおよび/または動物での使用に好適なものである。
【0054】
本明細書中で用いる場合、「安全かつ治療上有効な量」との用語は、本明細書に開示された様式で用いる場合、合理的なリスク・ベネフィット比に見合って、過度の有害副作用(毒性、刺激性およびアレルギー反応など)を有さずに、所望の治療応答を得るのに十分な成分の量を意味する。「治療上有効量」とは、所望の治療応答を得るのに有効な本明細書に開示される化合物の量を意味する。例えば、創傷治癒の加速、痛みおよび疲労の軽減である。具体的な安全かつ有効な量または治療上有効量は、治療対象の特定の状態、患者の身体状態、治療対象の哺乳動物または動物の種類、治療の持続期間、併用療法(もしあれば)の性質、ならびに用いる具体的な製剤および化合物またはその誘導体の構造などの因子により変化するであろう。
【0055】
「治療」とは、障害の発症を予防するかまたは病状もしくは症状を変化させることを意図して行なわれる介入である。したがって、「治療」とは、治療的処置と予防(prophylactic、preventive)手段の両方を意味する。治療が必要な被験体としては、既に障害を有する被験体ならびに障害を予防すべき被験体が挙げられる。本明細書中で用いる場合、「改善された」または「治療」とは、標準化された値(例えば、健常患者または個体で得られた値)に近づいている症状を意味し、例えば、標準化された値と50%未満異なる、実施形態では、標準化された値と25%未満異なる、他の実施形態では、標準化された値と10%未満異なる、また他の実施形態では、慣用の統計試験を用いて決定した場合に、症状の存在が標準化された値と有意に異ならないことを意味する。
【0056】
本明細書中で用いる場合、「改善された症状」または「治療された症状」とは、標準化された値に近づいている症状を意味し、例えば、標準化された値から50%未満異なる、実施形態では、標準化された値から25%未満異なる、他の実施形態では、標準化された値から10%未満異なる、また他の実施形態では、慣用の統計試験を用いて決定した場合に、症状の存在が標準化された値と有意に異ならないことを意味する。
【0057】
本明細書中で用いる場合、「オプソニン化」とは、本明細書中に記載された親油性生体活性薬剤が、食細胞による摂取および破壊のためにマーキングされるプロセスを意味する。オプソニン化は、生体活性薬剤へのオプソニンの結合を含む。オプソニンが膜に結合した後、食細胞が活性薬剤に誘引される。オプソニンは、食作用の過程に対する結合増強剤として機能するいずれかの分子である。
【0058】
本明細書中で用いる場合、「オプソニン化低減剤」との用語は、活性薬剤と協働して、オプソニンが食作用の過程に対する結合増強剤として機能する能力を低減させるいずれかの薬剤を意味する。
【0059】
本明細書の開示に従えば、親油性生体活性薬剤(本明細書中では、疎水性生体活性薬剤とも称される場合がある)の投与を改善するための製剤が提供される。本明細書中で用いる場合、「親油性生体活性薬剤」もしくは「疎水性生体活性薬剤」としては、水に不溶であるかまたは実質的に水に不溶である薬剤が挙げられる。具体的には、本明細書中で用いる場合、親油性生体活性薬剤は、約1000部の水に約1部未満の生体活性薬物という水溶解度を有するであろう。
【0060】
本明細書中で用いる場合、「コロイド状」との用語は、細分割の状態を意味し、媒体中に分散された分子または多分子粒子が、少なくとも一方向で、大まかに1nm〜1μmの大きさを有することを表す。
【0061】
本明細書中で用いる場合、「分散液」または「コロイド状分散液」とは、いずれかの性質(例えば、固体、液体または気体)のコロイド粒径の粒子が、異なる組成または状態の連続相に分散している系を意味する。静脈内薬物送達では、連続相は実質的に水であり、分散している粒子は固体(懸濁液)または不混和性液体(エマルジョン)であり得る。
【0062】
本明細書中で用いる場合、「過冷却融液」とは、活性薬剤のバルク物質の融点未満の温度で、コロイド粒子が固体または結晶形態ではなく非晶質状態である、ホモジナイゼーション後の活性薬剤の状態を意味する。
【0063】
本明細書中で用いる場合、「凍結保護剤」(lyoprotectant)とは、凍結乾燥プロセス、その後の保存および再調製中の不安定化条件に対して、分散された活性薬剤を保護する、製薬上許容される賦形剤を意味する。
【0064】
「コロイド粒子」、「分散粒子」、「ナノ分散粒子」、および「コロイド状分散粒子」との用語は、本明細書中ですべて交換可能に用いられ、バルク状態または溶融状態で、ナノ粒子に分散された形態の活性薬剤を意味する。
【0065】
本明細書中で用いる場合、「製剤」との用語は、特に記載しない限り、CoQ10がポロキサマーを含むことを意味する。
【0066】
本発明の方法により治療される対象の「患者」または「被験体」とは、ヒトまたは非ヒト動物、好ましくは哺乳動物を意味し得る。本明細書中に記載された臨床観察はヒト被験体について行なわれたものであり、少なくとも一部の実施形態では、被験体はヒトであることに留意すべきである。
【0067】
「治療上有効量」とは、疾患を治療するために患者に投与する場合に、該疾患に対するそのような治療をもたらすのに十分な化合物の量を意味する。疾患を予防するために投与する場合、該量は、疾患の発症を回避するかまたは遅延させるのに十分である。「治療上有効量」は、化合物、疾患およびその重症度ならびに治療対象の患者の年齢、体重等に依存して変わるであろう。
【0068】
「予防すること」または「予防」とは、疾患または障害を獲得するリスクの低減(すなわち、疾患に対して無防備であるかもしくは罹患しやすいが、該疾患をまだ発症していないかまたはその症状を示していない患者で、疾患の臨床症状のうち少なくとも1つが発症しないようにすること)を意味する。
【0069】
「予防的」治療または「治療的」治療とは、被験組成物のうち1種以上の被験体への投与を意味する。望ましくない状態(例えば、宿主動物の疾患その他の望ましくない状態)の臨床徴候の発現に先立って投与する場合、治療は予防的であり、すなわち、治療が望ましくない状態を発症することから宿主を保護し、望ましくない状態の徴候が現れた後に投与する場合、治療は治療的である(すなわち、既存の望ましくない状態またはそれによる副作用を減少させるか、改善するかまたは維持することを意図している)。
【0070】
「治療効果」との用語は、薬学的に活性な物質により生じる、動物、特に哺乳動物、より詳細にはヒトでの局所性効果または全身性効果を意味する。つまり、この用語は、疾患の診断、療養、緩和、治療もしくは予防での、または動物もしくはヒトでの望ましい身体的もしくは精神的発達および状態の強化での使用を意図するいずれかの物質を意味する。「治療上有効量」との語句は、いずれかの治療に適用可能な合理的なリスク・ベネフィット比で、いくぶんかの所望の局所性または全身性効果をもたらす、物質の量を意味する。一部の実施形態では、化合物の治療上有効量は、その治療指数、溶解度などに依存するであろう。例えば、本発明の方法により見出された一部の化合物は、十分量で投与されて、そのような治療に適用可能な合理的なリスク/ベネフィット比をもたらすことができる。
【0071】
「障害」および「疾患」との用語は、包括的に用いられ、身体のいずれかの部分、器官もしくは系(またはそのいずれかの組み合わせ)の正常構造または機能からの逸脱を意味する。特定の疾患は、生物学的、化学的および物理的変化をはじめとする特徴的な症状および徴候を呈し、多くの場合、限定するものではないが、人口統計学的因子、環境的因子、雇用上の因子、遺伝学的因子および病歴因子をはじめとする様々な他の因子に関連する。一部の特徴的な徴候、症状、および関連因子を種々の方法を通じて定量化して、重要な診断情報を得ることができる。
【0072】
「発現」との用語は、本明細書中では、DNAからポリペプチドが生成されるプロセスを意味するために用いられる。該プロセスは、遺伝子からmRNAへの転写およびこのmRNAからポリペプチドへの翻訳を含む。用いる文脈に応じて、「発現」とは、RNA、タンパク質またはその両方の生成を意味する場合がある。
【0073】
「遺伝子の発現レベル」または「遺伝子発現レベル」との用語は、mRNA、ならびにプレmRNA新生転写産物、転写産物プロセシング中間体、成熟mRNAおよび分解生成物のレベル、または細胞中の遺伝子によりコードされるタンパク質のレベルを意味する。
【0074】
ここで、本発明の好ましい実施形態に詳細に言及する。好ましい実施形態との関連で本発明を説明するが、これは本発明をそれらの好ましい実施形態に限定することを意図しないことが理解されるであろう。逆に、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の精神および範囲に含まれ得る場合、代替物、改変物、および等価物に及ぶことが意図される。
【0075】
本出願中、一連の記載された数値が出現するすべての箇所で、記載された数値のうちのいずれかが数値範囲の上限または下限である場合があることが理解されるべきである。さらに、本発明は、すべてのそのような数値範囲(すなわち、上限数値および下限数値の組み合わせを有する範囲であって、上限および下限のそれぞれについての数値が、本明細書中に記載されたいずれかの数値であり得る範囲)を包含することが理解されるべきである。
【0076】
II. 組成物
本明細書の開示は、癌の治療および予防のためのCoQ10組成物を提供する。本明細書の開示の組成物は、それ自体で、または好適な担体もしくは賦形剤と混合された医薬組成物として、患者に投与することができる。対象となる障害を発症している患者の治療で、有効量のこれらなどの1種以上の薬剤を投与する。治療上有効な用量とは、患者での症状の改善または生存延長をもたらす化合物の量を意味する。
【0077】
多数の様々な生物種に由来する被験体を、本明細書の開示の組成物を用いて治療することができる。そのような動物の非網羅的例示リストは、哺乳動物(マウス、ラット、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、ウマ、ウシ、イヌ、ネコなど)、および霊長類(サル、類人猿、およびヒト)を含む。筋肉疲労、疼痛、創傷などに見舞われることが知られているそれらの動物被験体は、本明細書の開示の使用に対して好適であり得る。特に、外傷、外科手術、関節炎、筋肉疲労、癌などに罹患しているヒト被験体は、本明細書中に開示された本発明の使用に対して好適な動物被験体である。本明細書中に教示された方法を医学または獣医学で公知の他の方法に適合させる(例えば、被験体動物の体重に従って投与される物質の用量を調整する)ことにより、本明細書の開示で用いられる組成物を、他の動物での使用のために容易に最適化することができる。
【0078】
本発明の組成物の好適な投与経路としては、数例を挙げると、静脈内、筋肉内、皮下、髄内注射、ならびにくも膜下腔、直接脳室内、静脈内、腹腔内、鼻内、または眼内注射をはじめとする非経口送達が挙げられる。一実施形態では、本明細書中で提供される組成物は、腫瘍に直接注入することにより投与することができる。一部の実施形態では、本発明の製剤は、静脈内注射または静脈内点滴により投与することができる。一実施形態では、本発明の組成物を、静脈内注射により投与する。一実施形態では、本発明の組成物を、静脈内点滴により投与する。例えば、投与経路が静脈内点滴である場合、IV点適剤が約40mg/mLの濃度で活性薬剤(例えば、CoQ10)を含む実施形態が本明細書中で提供される。組成物をIV点滴により投与する場合、これをリン酸緩衝生理食塩水中に希釈する。一部の実施形態では、例えば、静脈内および腫瘍内、または静脈内および経口(peroral)、または静脈内および経口(oral)、または静脈内および経皮もしくは経粘膜などの1種以上の投与経路を組み合わせることができる。
【0079】
本明細書中に記載された組成物は、いずれかの好適な製剤として被験体に投与することができる。例えば、CoQ10は、非経口送達用(例えば、皮下、静脈内、筋肉内、または腫瘍内注射用)に製剤化することができる。組成物は、単回ボーラス注射、複数回注射で、または持続注入(例えば、静脈内に、または腹膜透析による)により投与することができる。非経口投与のために、組成物は、無菌発熱物質不含剤形に製剤化することができる。本明細書の開示の組成物はまた、細胞が含まれる流体に組成物を単に添加することにより、in vitroで細胞(例えば、細胞またはin vitro培養物中のBcl-2生成物)に投与することもできる。
【0080】
本発明の実施のための、全身性投与に好適な投与剤形へと本明細書中に開示された化合物を製剤化するための製薬上許容される担体の使用は、本明細書の開示の範囲内である。担体の適切な選択および好適な製造実務を用いれば、本明細書の開示の組成物、特に溶液剤として製剤化されたものを、静脈内注射によるなどして非経口的に投与することができる。
【0081】
そのような化合物の毒性および治療効果は、例えば、LD50(集団の50%に対して致死的な用量)およびED50(集団の50%で治療上有効な用量)を決定するための、細胞培養または実験動物での標準的な製剤学の手順により決定することができる。毒性作用と治療効果との用量比が治療指数であり、LD50/ED50比として表すことができる。大きな治療指数を示す化合物が望ましい場合がある。これらの細胞培養アッセイおよび動物研究から得られたデータは、ヒトでの使用のための一定範囲の投与量を製剤化するのに用いることができる。そのような化合物の投与量は、毒性がほとんどないかまたはまったくない、ED50を含む循環濃度の範囲内であり得る。投与量は、用いる投与剤形および用いる投与経路に応じて、この範囲内で変更し得る。
【0082】
本発明での使用に好適な医薬組成物としては、有効成分がその所望の目的を達成するのに有効な量で含有されている組成物が挙げられる。有効量の決定は、特に本明細書中に提供される詳細な開示に照らせば、十分に当業者の能力の範囲内である。有効成分に加えて、これらの医薬組成物は、製薬上用いることができる調製物への活性化合物の加工を容易にする賦形剤および添加剤をはじめとする好適な製薬上許容される担体を含有することができる。静脈内投与用に製剤化された調製物は、コロイド分散状態の溶液剤の形態であり得る。
【0083】
非経口投与用の医薬組成物としては、水溶性形態の活性化合物の水溶液が挙げられる。また、活性化合物の懸濁液を、適切な油性注射用懸濁液剤として調製することができる。好適な親油性溶媒またはビヒクルとしては、脂肪油(ゴマ油など)、もしくは合成脂肪酸エステル(オレイン酸エチルまたはトリグリセリドなど)、またはリポソームが挙げられる。水性注射用懸濁液剤は、懸濁液剤の粘性を高める物質(カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストランなど)を含有することができる。任意により、懸濁液剤はまた、好適な安定化剤、または化合物の可溶性を高めて高濃縮溶液の調製を可能にする薬剤を含有することができる。
【0084】
III. 製剤
本発明は、コエンザイムQ10(CoQ10)などの疎水性活性薬剤を含む、本明細書中に記載した被験体への静脈内投与に好適な治療用製剤を提供する。高圧ホモジナイゼーションを通して、活性薬剤(例えば、CoQ10)粒子を粉砕し、200nm滅菌フィルターを通過するのに十分小さい粒子を生成させる。200nm滅菌フィルターを通過するのに十分小さい粒子は、静脈内に注入することができる。これらの粒子は、血球よりもはるかに小さく、したがって毛細血管に塞栓をもたらさないであろう。例えば、赤血球は6mm×2mmの円盤である。粒子は、分散され、安定化剤に包まれているか、またはこれに囲まれている。いかなる理論に拘泥することも望まないが、安定化剤が疎水性活性薬剤に引き寄せられ、それにより疎水性活性薬剤の分散された粒子が安定化剤により囲まれ、懸濁液またはエマルジョンを形成すると考えられる。懸濁液またはエマルジョン中の分散された粒子は、安定化剤表面と、固体粒子状(懸濁液剤)または不混和性液体(エマルジョン)の疎水性活性薬剤からなるコアとを含む。一部の態様では、分散された粒子は、リポソームの親油性領域に取り込まれている。
【0085】
本明細書中に提供される分散されたコロイド系は、先行技術に対して一定の性能優位性をもたらす。例えば、本発明は、共溶媒を使用せずに、製剤中の薬物の高含有量を可能にする。また、内在性の低密度リポタンパク質担体に依存することなく、比較的再現性のよい血漿中高レベルが達成される。さらに重要なことに、本発明は、疎水性活性薬剤のコロイド粒子の受動的蓄積により、固形腫瘍中の持続的な高い薬物レベルを可能にする。
【0086】
本発明の静脈内投与用製剤は、実質的に、水および分散された固体(懸濁液)または分散された不混和性液体(エマルジョン)の連続相を含む。粒子が大部分活性薬剤(薬物)それ自体から構成される分散されたコロイド系は、系が十分に安定に生成されている場合、多くの場合、連続的溶解系よりも単位体積当たりにより多くの薬物を送達することができる。本発明は、CoQ10などの水に難溶の活性薬剤のコロイド分散液を提供する。
【0087】
機械的デバイス(マイクロフルイダイザーなど)を用いることにより、高圧連続ホモジナゼーションにより粒径を低下させ、噴霧系でコロイド径の液滴を形成させるか、または狭い蛇行性通路にて高速で液流中で粒子をせん断することにより、粒径を低下させる。バルクの粒子自体を切断するために、相当のエネルギーが必要とされる。粒子がより小さくなれば、活性薬剤の界面面積が増大する。界面活性剤を用いて界面エネルギーを減少させ、それにより分散液を安定化する。粒径は、総界面面積および界面エネルギーを決定し、これは安定した系を実現するためには調整されていなければならない。粒径が低下すると、粒子を生成するためにより大きなエネルギーが必要とされ、総表面積が増大するので、界面活性剤はさらに大きな界面エネルギーを調整しなければならない。
【0088】
本明細書中で例示した高圧ホモジナイゼーションを通して、活性薬剤(例えば、CoQ10)の粒径を、200nm未満に低下させた。一部の実施形態では、粒径を、10nm〜200nmまたは10nm〜100nmまたはより好ましくは30nm〜80nmに低下させた。一部の実施形態では、得られるコロイド状活性薬剤(例えば、CoQ10)粒子は、本明細書中に定義した非晶質過冷却状態にある。
【0089】
一部の実施形態では、分散されたCoQ10粒子を凍結乾燥プロセスにより結晶化して、ナノ分散粒子を作製し、この場合、活性薬剤コアが結晶状態にあった(
図1〜3を参照されたい)。偏光光学顕微鏡(PLM)または粉末X線回折(XRDP)を用いて、CoQ10コロイド分散液の結晶化度を確認し、バルクCoQ10のXRDPと比較した(
図4〜13を参照されたい)。
図1に示した剤形Rでは、5.0wt%のCoQ10、3.3wt%のポロキサマーおよび91wt%の水を含む製剤を、20サイクルにわたってマイクロフルイダイザーにかけ、次に凍結乾燥して、
図1の一番左のバイアルに示した粒子を作製した。
図9に示したXRDPは、CoQ10粒子が結晶であったことを実証している。
図1(左から2番目のバイアル)に示した剤形Aでは、3wt%のCoQ10、1.8wt%のリポイドSPC-3および95.2wt%の水を含む製剤を20サイクルにわたってマイクロフルイダイザーにかけ、粒径を低下させた。次に粒子を凍結乾燥し、
図1の左から二番目のバイアルに示した粒子を作製した。以下の
図4に示したXRDPは、CoQ10粒子が結晶であったことを実証している。
図1に示した剤形Oでは、5.0wt%のCoQ10、3.0wt%のDMPCおよび92wt%の水を含む製剤を、20サイクルにわたってマイクロフルイダイザーにかけ、次に凍結乾燥して、
図1の左から3番目のバイアルに示された粒子を作製した。以下の
図7に示したXRDPは、CoQ10粒子が結晶であったことを実証している。
図1に示した剤形Cでは、5.0wt%のCoQ10、3.3wt%のポロキサマーおよび91wt%の水を含む製剤を、20サイクルにわたってマイクロフルイダイザーにかけ、次に凍結乾燥して、
図1の左から4番目のバイアルに示された粒子を作製した。
図5に示したXRDPは、CoQ10粒子が結晶であったことを実証している。
図2に示した剤形Gでは、5.0wt%のCoQ10、3.0wt%のリポイドSPC-3および92wt%の水を含む製剤を、20サイクルにわたってマイクロフルイダイザーにかけ、次に凍結乾燥して、
図2の一番左のバイアルに示された粒子を作製した。以下の
図6に示したXRDPは、CoQ10粒子が結晶であったことを実証している。
図2に示した剤形Qでは、5.0wt%のCoQ10、2.5wt%のDMPC、0.5wt%のデオキシコール酸ナトリウムおよび92wt%の水を含む製剤を、20サイクルにわたってマイクロフルイダイザーにかけ、次に凍結乾燥して、
図2の左から2番目のバイアルに示された粒子を作製した。
図8に示したXRDPは、CoQ10粒子が結晶であったことを実証している。
図2に示した剤形Sでは、7.5wt%のCoQ10、4.5wt%のDMPCおよび88wt%の水を含む製剤を、20サイクルにわたってマイクロフルイダイザーにかけ、次に凍結乾燥して、
図2の左から3番目のバイアルに示された粒子を作製した。
図10に示したXRDPは、CoQ10粒子が結晶であったことを実証している。
図2に示した剤形Tでは、7.5wt%のCoQ10、5.0wt%のポロキサマーおよび87.5wt%の水を含む製剤を、20サイクルにわたってマイクロフルイダイザーにかけ、次に凍結乾燥して、
図2の左から4番目のバイアルに示された粒子を作製した。
図11に示したXRDPは、CoQ10粒子が結晶であったことを実証している。
図3に示した剤形Uでは、7.5wt%のCoQ10、4.0wt%のDMPC、1.0wt%のポロキサマー188および87.5wt%の水を含む製剤を、20サイクルにわたってマイクロフルイダイザーにかけ、次に凍結乾燥して、
図3の一番左のバイアルに示された粒子を作製した。
図12に示したXRDPは、CoQ10粒子が結晶であったことを実証している。
図3に示した剤形Vでは、3.0wt%のCoQ10、1.5wt%のDMPCおよび95.5wt%の水を含む製剤を、20サイクルにわたってマイクロフルイダイザーにかけ、次に凍結乾燥して、
図3の左から2番目のバイアルに示された粒子を作製した。
図13に示したXRDPは、CoQ10粒子が結晶であったことを実証している。
【0090】
粒子を凍結乾燥するステップでは、乾燥器を-35℃に冷却した。各3mLの上記の製剤を5mL血清バイアルに2本ずつ添加した。頂部に血清栓をはめたが、水蒸気が逃げるための隙間を空けた。急速凍結させるために、製剤を-78℃の冷凍庫に1時間入れた。この時間の後、全部を全体として乾燥機の中段に移した。直ちに真空生成を開始した。16時間後、温度を-35℃〜-30℃に調整した。24時間後、温度を-30℃〜-28℃に調整した。2時間後、温度を-28℃〜-26℃に調整した。4時間後、さらに温度を-26℃〜-25℃に調整した。-25℃に達した後、バイアルに栓をして、真空を大気に解放した。バイアルにバンドを装着し、
図1〜3に示した乾燥製品の写真を撮影した。
【0091】
分散液粒径を低下させるステップでは、所望の粒径を得るために、マイクロフルイダイザーに数回通すことがCoQ10混合物に対して望ましい場合がある。75μmの通路を有するF12Y相互作用チャンバーを備えたM110Pマイクロフルイダイザーを1回通過させた後、200nm未満の平均直径の粒子が生成された。20回の通過後、粒子の平均直径は、50nm未満であった(
図14を参照されたい)。製剤は、5gのCoQ10、3gのDMPCおよび92mLの水を含有していた。当業者は、CoQ10、DMPCおよび水の量は所望の治療用途に応じて調整できることを理解するであろう。マイクロフルイダイザーは、25,000PSIの最大圧力で稼働させた。一部の実施形態では、分散安定化剤およびオプソニン化低減剤のうち少なくとも一方を添加することが好ましい。一部の実施形態では、分散安定化剤とオプソニン化低減剤の両方を用いてコロイド粒子を調製する。好ましい分散安定化剤としては、ポリエトキシル化(PEG化とも称される)ヒマシ油(クレモホール(Cremophor)(登録商標)EL)、ポリエトキシル化水添ヒマシ油(クレモホール(登録商標)RH 40)、コハク酸トコフェロールポリエチレングリコール(PEG化ビタミンE、ビタミンE TPGS)、ポリソルベート(Tween(登録商標))、ソルビタン脂肪酸エステル(Span(登録商標))、胆汁酸および胆汁酸塩ならびにDMPCが挙げられ、好ましいオプソニン化低減剤としては、種々の鎖長のポリエチレングリコール、多糖、他のPEG含有コポリマー、ポロキサミンまたはポロキサマー(ポロキサマー188など)が挙げられる。一部の実施形態では、ヘパリンもまた、好適なオプソニン化低減剤を構成する。ポロキサマーは親水性表面をもたらし、投与後の粒子オプソニン化を低減させる。ポロキサマーはまた、粒子表面改質剤としても機能し、嵩高い鎖を添加して立体相互作用によるオプソニン化を低減させる。ポロキサマー188(プルロニック(Pluronic)(登録商標)F68、ルトロール(Lutrol)(登録商標)F68)は、中央ブロックに約28個のPPG単位を有し、末端ブロックに79個のPEG単位を有する。疎水性中央ブロックが分子を粒子に繋ぎ止め、PEG末端ブロックが粒子から延び出す。オプソニン化は、PEG鎖の親水性および鎖の立体(空間充填)作用(すなわち、タンパク質が表面に辿り着けない)の両方により低減される。
【0092】
本明細書中でさらに説明される前記方法を通して、本発明は、被験体に対する静脈内投与に好適な治療用製剤を提供する。治療用製剤は、水溶液を含む。本発明の一部の実施形態では、水溶液は水である。水溶液は、コロイド系の分散媒体もしくはコロイド粒子の非経口投与および送達のための製剤化媒体のいずれかまたは両方として機能し得る。分散媒体としては、水溶液は他の水溶性もしくは水分散性安定化剤、等張剤(グリセロールまたはキシリトールなど)、凍結保護剤(スクロース、グルコース、トレハロース等)、電解質、緩衝剤、抗小胞化剤(antilloculant)(クエン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウムまたはドデシル硫酸ナトリウムなど)または保存料を含有することができる。
【0093】
凍結保護剤は、限定するものではないが、糖、ポリオール(例えば、糖アルコールなど)およびアミノ酸からなる群を含む。好ましい凍結保護剤としては、スクロース、トレハロース、およびグルコースなどの糖が挙げられる。他の好適な糖としては、ラクトース、マンノース、マルトース、ガラクトース、フルクトース、ソルボース、ラフィノース、ノイラミン酸、アミノ糖(グルコサミン、ガラクトサミン、N-メチルグルコサミン(「メグルミン」)など)、ポリオール(マンニトールおよびソルビトールなど)、およびアミノ酸(アルギニンおよびグリシンなど)が挙げられる。
【0094】
製剤化媒体として、水溶液としては、非経口送達用製剤のための適切なpHおよび浸透圧を実現するために、ハンクス液、リンゲル液、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、生理食塩緩衝液もしくは他の好適な塩または組み合わせが挙げられる。水溶液は、溶液の粘性を高める物質(カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストランなど)を含有することができる。
【0095】
本発明の治療用製剤は、疎水性またはそうでなければ水に難溶の活性薬剤を含む。疎水性活性薬剤を水溶液に分散して、コロイド分散液を形成させ、この場合、疎水性活性薬剤のナノ分散粒子は分散安定化剤に覆われるかまたは包まれるかまたは囲まれて、活性薬剤(例えば、CoQ10)粒子のナノ分散液を形成する。ナノ分散された活性薬剤(例えば、CoQ10)粒子は、疎水性活性薬剤から構成されるコアを有し、これが安定化剤で囲まれている。同様に、一部の態様では、安定化剤は親水性部分と親油性部分との両方を有するリン脂質である。リン脂質は、ホモジナイズするとリポソームまたは他のナノ粒子を形成する。一部の態様では、これらのリポソームは二層単膜リポソームであり、他の態様では、リポソームは二層多重膜リポソームである。分散された活性薬剤(例えば、CoQ10)粒子は、リン脂質から形成されるリポソームの二層構造の親油性部分に分散されている。一部の他の態様では、リポソームのコアは、活性薬剤(例えば、CoQ10)粒子のナノ分散液のコアと同様に、疎水性活性薬剤から形成され、外層はリン脂質の二層構造から形成される。一部の実施形態では、コロイド分散液を凍結乾燥プロセスにより処理し、それによりナノ分散液を乾燥粉末に変換する。
【0096】
本発明の一部の実施形態では、疎水性薬剤はコエンザイムQ10(CoQ10)である。コエンザイムQ10(本明細書中、CoQ10とも称される)はまた、ユビキノン、またはユビデカレノンとしても知られる。CoQ10は、本技術分野で広く認められており、国際公開第2005/069916号(その開示全体が参照により本明細書中に組み入れられる)にさらに説明されている。CoQ10は、真核細胞のミトコンドリア電子伝達系に存在する一連のポリプレニル2,3-ジメトキシ-5-メチルベンゾキノン(ユビキノン)の1つである。ヒト細胞は、もっぱらCoQ10のみを生成し、CoQ10は、細胞内およびすべてのヒト細胞のミトコンドリア膜で見出され、エネルギー要求性の高い器官(肝臓および心臓など)で最も高いレベルで見出される。CoQ10の体内プールは、約2グラムであり、そのうちの50%超が内因性であると見積もられている。食餌または生合成からの約0.5グラムのCoQ10が、毎日必要である。CoQ10は、全世界の栄養補助剤市場によりトン単位で製造され、パサデナ(テキサス州)および高砂市(日本)の工場を有するカネカ社から入手することができる。
【0097】
ヒトでのCoQ10の組織分布および酸化還元状態が特徴付けされている。典型的には、エネルギー要求性または代謝活性が高い組織(心臓、腎臓、肝臓および筋肉など)は、比較的高濃度のCoQ10を有する。血漿中のCoQ10の大部分は、還元型ユビキノールとして存在する。組織中のCoQ10のかなりの割合が、ヒドロキノンまたはユビキノールなどの還元型である。例外は、脳および肺である。酸化状態は、組織内の酸化ストレスの増大を反映していると推測される。より具体的には、心臓、腎臓、肝臓、筋肉、腸および血液(血漿)中では、それぞれ約61%、75%、95%、65%、95%および96%のCoQ10が還元型である。
【0098】
CoQ10は非常に親油性が高く、大部分が水に不溶である。その水不溶性、脂質中への限定された溶解性、および比較的大きな分子量によって、経口投与されたCoQ10の吸収効率は低い。Bhagavanら(Free Rad. Res. 40:445-453(2006))は、ラットでは、経口投与されたCoQ10のうち約2〜3%のみしか吸収されなかったこと、およびCoQ10は腸での吸収中または吸収後にユビキノールに還元されることを報告した。Matthewsら(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95:8892-8897 (1998))による研究では、CoQ10の取り込みが、一部の組織では年齢依存的であることが見出された。例えば、若齢ラットでは、血漿、肝臓、および脾臓濃度が投与4日後に上昇したが、心臓および腎臓では上昇が観察されなかった。同様に、1〜2ヵ月齢動物の脳では、経口投与によりCoQ10の濃度は上昇しなかった。しかしながら、12ヵ月齢および24ヵ月齢ラットにCoQ10を投与すると、酸化型および還元型両方で、脳組織でCoQ10の蓄積が生じた。興味深いことに、虚血再灌流傷害後に、若齢ラットではCoQ10生成が刺激されたが、老齢ラットでは刺激されなかった。
【0099】
本発明の一実施形態では、疎水性活性薬剤は、CoQ10、CoQ10の代謝生成物、CoQ10のビルディングブロック、CoQ10の類似体、またはCoQ10の誘導体である。CoQ10の類似体としては、イソプレニルリピートを有しないかまたは少なくとも1個有する類似体が挙げられる。CoQ10は、以下の構造を有する:
【化2】
【0100】
[式中、xは10である]。本発明では、CoQ10は、xが4〜10個のイソプレニル単位のいずれかの個数、または6〜10個のイソプレニル単位のいずれかの個数、または8〜10個のイソプレニル単位もしくは9〜10個のイソプレニル単位のいずれかの個数であるCoQ10の誘導体を含むことができる。CoQ10としては、完全に酸化された型(ユビキノンとしても知られる)、部分的に酸化された型(セミキノンまたはユビセミキノンとしても知られる)、または完全に還元された型(ユビキノールとしても知られる);またはそれらのいずれかの混合物もしくは組み合わせが挙げられる。
【0101】
CoQ10のビルディングブロックとしては、CoQ10のいずれかの構成要素または合成前駆体(好ましくは生物学的に重要な前駆体)が挙げられる。つまり、CoQ10のビルディングブロックとしては、限定するものではないが、フェニルアラニン、チロシン、4-ヒドロキシフェニルピルビン酸、酢酸フェニル、3-メトキシ-4-ヒドロキシマンデル酸エステル、バニリン酸、4-ヒドロキシ安息香酸エステル、メバロン酸、ファルネシル、2,3-ジメトキシ-5-メチル-p-ベンゾキノン、ならびにそれらの対応する酸またはイオンが挙げられる。CoQ10生合成のビルディングブロック(ベンゾキノン環の生合成のための前駆体ならびにイソプレノイドリピートの生合成およびベンゾキノン環へのその結合のための前駆体など)は、標的細胞に個別に投与するかまたは組み合わせて投与して、アポトーシス阻害因子であるBcl-2の発現および/またはアポトーシス促進因子であるカスパーゼ-3の発現を変化させることができることが実験データから示されている。例えば、米国特許出願第12/778,094号およびその中に提供された実施例を参照されたい。
【0102】
CoQ10の代謝生成物としては、CoQ10のいずれかの公知の代謝生成物が挙げられる。Turunen, M. et al. Biochemica et Biophysica Acta 1660: 171-199 (2004)を参照されたい(その全内容が参照により本明細書中に組み入れられる)。主要な代謝生成物は、5〜7原子に短縮した側鎖を有する芳香族環を有することが明らかになっている。そのような代謝生成物を、以下に示す。代謝生成物は、任意により、4位炭素または1位炭素でリン酸化されている場合がある。
【化3】
【0103】
CoQ10の誘導体としては、ある原子が別の原子または原子群と置き換えられていることを除いて、CoQ10と構造的に同一であるいずれかの化合物が挙げられる。
【0104】
本発明のコロイド系に組み込むのに好適な他の疎水性活性薬剤としては、以下の薬剤が挙げられる:麻酔薬(ブタニリカイン、ホモカイン、リドカイン、プリロカイン、テトラカインおよびエトミデートなど);抗生物質(ホスホマイシン、ホスミドマイシンおよびリファペンチンなど);抗高血圧剤(ミノキシジル、ジヒドロエルゴトキシンおよびエンドララジン(endralazine)など);抗低血圧剤(ジヒドロエルゴタミンなど);全身性抗真菌剤(ケトコナゾール、ミコナゾールおよびグリセオフルビンなど);消炎剤(antiphiogistic)(インドメタシン、ジクロフェナク、イブプロフェン、ケトプロフェンおよびピルプロフェン(pirprofen)など);抗ウイルス剤(アシクロビル、ビダラビンおよび免疫グロブリンなど);ACEインヒビター(カプトプリルおよびエナラプリルなど);β遮断薬(プロプラノロール、アテノロール、メトプロロール、ピンドロール、オキシプレノロールおよびラベタロールなど);気管支拡張剤(臭化イプラトロピウムおよびソブレロール(sobrerol);カルシウム拮抗薬(ジルチアゼム、フルナリジン、ベラパミル、ニフェジピン、ニモジピンおよびニトレンジピンなど);強心配糖体(ジギトキシン、ジゴキシン、メチルジゴキシンおよびアセチルジゴキシンなど);セファロスポリン(セフチゾキシム(ceftizoxim)、セファレキシン、セファロチンおよびセフォタキシム(cefotaxim)など);細胞増殖抑制剤(クロルメチン(chlormethin)、シクロホスファミド、クロラムブシル、シタラビン、ビンクリスチン、マイトマイシンC、ドキソルビシン、ブレオマイシン、シスプラチン、タキソール、ペンクロメジン(penclomedine)およびエストラムスチンなど);催眠剤(フルラゼパム、ニトラゼパムおよびロラゼパムなど);向精神薬(オキサゼパム、ジアゼパムおよびブロマゼパムなど);ステロイドホルモン(コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、デキサメタゾン、プロゲステロン、プレグナノロン、テストステロンおよびウンデカン酸テストステロンなど);血管拡張剤(モルシドミン(molsidomin)、ヒドララジンおよびジヒドララジンなど);脳血管拡張剤(ジヒドロエルゴトキシン、シクロニカート(ciclonicat)およびビンカミンなど);ユビキノンおよびその類似体(ユビデカレノンおよびアトバコン(atovaquon)など);親油性ビタミン(ビタミンA、E、D、Kおよびそれらの誘導体など);殺虫剤、除草剤および農薬(アセフェート、シフルトリン、アジンホスホメチル、シペルメトリン(cypermethrin)、フェンクロルホス、ペルメトリン(pelmelthrin)、ピペロナール(piperonal)、テトラメトリンおよびトリフルラリンなど)。一部の他の実施形態では、コロイド系は、mTorインヒビター、EGFr、およびFGF類似体を含む。
【0105】
活性薬剤はコロイド粒子のコアに位置することができ、この場合、コロイド粒子は、マトリックスおよび/もしくは粒子コアを囲む安定化剤層に溶解、可溶化または分散されており、かつ/あるいは活性薬剤をコロイド粒子の表面に吸着させることができる。生物活性物質は、溶解されているかまたは結晶であるかまたは非晶質であるかまたはこれらの状態のいずれかの混合物であり得る。治療用製剤はまた、分散安定化剤およびオプソニン化低減剤のうち少なくとも一方も含む。コロイド粒子は、本明細書中に記載されたリポソームであり得、かつ他の活性薬剤もしくは他の不活性薬剤、または他の疎水性もしくは親水性薬剤を含有することもできる。
【0106】
ホモジナイゼーションプロセスに複数回通すことにより粒径が減少するにつれ、活性薬剤(例えば、CoQ10)バルク物質からナノ粒子への分散により界面エネルギーが増大する。分散安定化剤(例えば、DMPCなど)と活性薬剤(例えば、CoQ10)ナノ粒子との親和性により、分散安定化剤(例えば、DMPC)がナノ粒子を包み込み、活性薬剤(例えば、CoQ10)ナノ分散液が形成される。分散安定化剤は、高い界面エネルギーを調整し、それにより分散した活性薬剤(例えば、CoQ10)粒子の合体を防ぐかまたは減少させることにより、活性薬剤(例えば、CoQ10)ナノ分散液を安定化する。本発明の一部の実施形態では、コロイド分散液によりリポソームを形成させ、この場合、リン脂質安定化剤が疎水性生物活性薬剤または物質の分散された粒子の周囲に二層系を形成する。一部の実施形態では、リポソームは、
図15に示した通りの二層単膜リポソームである。他の実施形態では、リポソームは、
図15に示した通りの二層多重膜リポソームである。一部の実施形態では、疎水性活性薬剤の分散された粒子は、二層の親油性部分の中にある。リポソームが多重膜である一部の他の実施形態では、疎水性活性薬剤は二層の親油性部分の中にある。リポソームが多重膜である一部の他の実施形態では、分散された疎水性活性薬剤がリポソームの二層の親油性部分の中にあり、第2の薬剤が多重膜リポソームの二層部分の間である親水性部分にある。
【0107】
界面活性剤または界面活性剤の混合物の適切な選択により、保存製品が液体界面活性剤中の薬物の濃縮溶液である製剤を作製することができ、点滴液の添加により、界面活性剤により達成される界面エネルギー減少が、系がコロイド系へと乳化されるのに十分になる。分散安定化剤は、ポリエトキシル化(PEG化とも称される)ヒマシ油(クレモホール(Cremophor)(登録商標)EL)、ポリエトキシル化水添ヒマシ油(クレモホール(登録商標)RH 40)、コハク酸トコフェロールポリエチレングリコール(PEG化ビタミンE、ビタミンE TPGS)、ポリソルベート(Tween(登録商標))、ソルビタン脂肪酸エステル(Span(登録商標))、胆汁酸および胆汁酸塩ならびにジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)から選択することができる。分散安定化剤は、サイズの小さな粒子の界面に組織化され、界面エネルギーを減少させて、分散液をさらに安定にする。
【0108】
リン脂質は、CoQ10に対して高い親和性を有し、このことは生物学的膜でのこれら二者の密接な結合により実証される通りである。分散安定化剤は、少なくとも粒径が低下した際に界面緊張を減少させるために製剤中に含められる。コロイド分散液では、ナノ分散粒子は、安定化剤により囲まれた活性薬剤コアを含有する。分散安定化剤は典型的には両親媒性物質、すなわち分子の親水性部分と疎水性部分とを有する物質である。粒子表面では、両親媒性物質は大部分が、分子の疎水性部分がコアに突出し、親水性部分が周囲の分散媒体に突き出る形で配列する。したがって、表面は親水性である。
【0109】
他の好適なリン脂質としては、以下のリン脂質が挙げられる:レシチン、リゾレシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、ホスファチジルセリン、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジン酸、リゾホスファチジルセリン、PEG-ホスファチジルエタノールアミン、PVP-ホスファチジルエタノールアミン、ならびにそれらの組み合わせおよびそれらとの組み合わせ。
【0110】
一実施形態では、分散安定化剤は、レシチン、ポリソルベート80およびオラクタ(olacta)の群より選択される薬剤でない。一実施形態では、分散安定化剤はレシチンでない。一実施形態では、分散安定化剤はポリソルベート80でない。一実施形態では、分散安定化剤はオラクタ(olacta)でない。
【0111】
本発明の製剤は、オプソニン化低減剤をさらに含有することができる。オプソニン化低減剤は、種々の鎖長のポリエチレングリコール、多糖、他のPEG含有コポリマー、ポロキサミンまたはポロキサマー(ポロキサマー188など)から選択することができる。本明細書中で定義した通り、オプソニン化低減剤とは、活性薬剤と共働して、オプソニンが食作用の過程に対する結合増強剤として機能する能力を低減させるいずれかの不活性薬剤を意味する。不活性薬剤は、FDAの不活性成分表(その全体が参照により本明細書中に組み入れられる)に含まれていなければならない。不活性薬剤は、PEG化非イオン性界面活性剤(例えば、ポリソルベート80、ポリエトキシル化ヒマシ油、ならびに脂肪アルコールのPEGエーテルおよび脂肪酸のPEGエステル)を含んではならず、なぜならこれらの物質は、極度の過敏反応を引き起こすことがあるからである。したがって、一実施形態では、オプソニン化低減剤はポリソルベート80でない。一実施形態では、オプソニン化低減剤はポリエトキシル化ヒマシ油でない。一実施形態では、オプソニン化低減剤は脂肪アルコールのPEGエーテルでない。一実施形態では、オプソニン化低減剤は脂肪酸のPEGエステルでない。
【0112】
例えば、10nm超のコロイド径粒子は腎臓によりろ過されず、能動的プロセスにより除去されるかまたは血管内皮細胞間の隙間を通る拡散により浸出するまで、循環するであろう。網内系(RES)または単核食細胞系(MPS)の食細胞が、エンドサイトーシスによりコロイド粒子を捕捉するであろう。これらの細胞としては、肝臓(クッパー細胞)、脾臓、リンパ節(血管周囲マクロファージ)、神経系(ミクログリア)、および骨(破骨細胞)に関連するマクロファージが挙げられる。オプソニン(例えば、免疫グロブリン、補体成分、他の血清タンパク質)の非特異的結合により、粒子が外来性であるとマーキングされる。エンドソームの酵素および酸化反応性環境が、捕捉された粒子を破壊するであろう。
【0113】
コロイド粒子のオプソニン化は、100nm未満の粒径、中性または負の表面電荷、および嵩高い親水性鎖の吸着または結合をはじめとする多数の因子により減少させることができ、それにより長期循環がもたらされる。固形腫瘍に対するコロイド状薬物送達の実用性の重要な要素は、腫瘍の固有の解剖学的特徴および生理学的特徴に起因する。腫瘍の毛細血管ネットワークは、広範な内皮細胞間連結(100〜780nm)を有する複雑なものであり、腫瘍はリンパ排液を有しない。これらの特徴は、腫瘍へのコロイド粒子の受動的標的化をもたらす。粒子は、緩い連結を通って浸出し、腫瘍間質に留まる。
【0114】
粒子に対する生物学的応答を変化させるために、オプソニン化低減剤を製剤に含有させる。本発明は、本明細書中に提示された製剤中にオプソニン化低減剤を含有させることにより、オプソニン化によるコロイド状薬物粒子の除去能力を低減させる方法を提供する。オプソニン化低減剤の含有は、血漿と比較して腫瘍中での高い薬物レベルをもたらす。
【0115】
一実施形態では、本発明の製剤は、ポリソルベート80を含まない。一実施形態では、本発明の製剤は、ポリエトキシル化ヒマシ油を含まない。一実施形態では、本発明の製剤は、脂肪アルコールのPEGエーテルを含まない。一実施形態では、本発明の製剤は、脂肪酸のPEGエステルを含まない。一実施形態では、本発明の製剤は、レシチン、ポリソルベート80およびオラクタ(olacta)の群より選択される薬剤を含まない。一実施形態では、本発明の製剤は、レシチンを含まない。一実施形態では、本発明の製剤は、ポリソルベート80を含まない。一実施形態では、本発明の製剤は、オラクタを含まない。
【0116】
粒径を制御するためには、活性薬剤と不活性薬剤との比率が重要であることが見出されており、本明細書中に開示されている。それぞれの効果に悪影響を与えずに、分散安定化剤およびオプソニン化低減剤の恩恵ならびに粒径の恩恵を受けるために、活性薬剤(例えば、CoQ10)、分散安定化剤(例えば、DMPC)およびオプソニン化低減剤(例えば、ポロキサマー)の比率を調整して、所望の粒径および静脈内投与の際のコロイド分散液に対する所望の生物学的応答に適合させることができる。一部の実施形態では、活性薬剤(例えば、CoQ10)、分散安定化剤(例えば、DMPC)およびオプソニン化低減剤(例えば、ポロキサマー)の体積当たり重量が、それぞれ4%、3%および1.5%となるように製剤を調製する。一部の実施形態では、活性薬剤(例えば、CoQ10)、分散安定化剤(例えば、DMPC)およびオプソニン化低減剤(例えば、ポロキサマー)の体積当たり重量が、それぞれ8%、6%および3.0%となるように製剤を調製する。一部の実施形態では、CoQ10、DMPCおよびポロキサマーの体積当たり重量が、それぞれ4%、3%および1.5%となるように製剤を調製する。一部の他の実施形態では、CoQ10、DMPCおよびポロキサマーの体積当たり重量は、それぞれ8%、6%および3.0%である。
【0117】
疎水性活性薬剤は、分散を促進するために、その融点より高い温度で分散させる。CoQ10は、約48℃の融点を有する。融点は異なる場合があり、例えば、47.5℃〜49.5℃の範囲のいずれかの値(例えば、47.5℃、48.0℃、48.5℃、49.0℃または49.5℃)を含み得ることが本明細書中で考慮される。一部の実施形態では、CoQ10を65℃の水浴中で混合してCoQ10/水混合物を形成させ、これによりCoQ10の分散能力を改善し、粒径を低下させる。
【0118】
好ましい実施形態では、活性薬剤(例えば、CoQ10)を、高圧ホモジナイザー(マイクロフルイダイザー)(Microfluidics社から入手可能なものなど)により処理する。CoQ10を含有するプロセス流を高速で相互作用チャンバーに供給し、壁衝突およびキャビテーションにより粒子をせん断する。これらのせん断効果により、マイクロフルイダイザーを繰り返し通した際に粒径が減少する。本発明の粒子は、ナノメートル径範囲での粒径分布を有し、光子相関分光法により測定した場合の平均粒子直径は約200nm未満である。一実施形態では、ナノ分散粒子の平均サイズは、約150nm未満である。一実施形態では、ナノ分散粒子の平均サイズは、約125nm未満である。一実施形態では、ナノ分散粒子の平均サイズは、約100nm未満である。一実施形態では、ナノ分散粒子の平均サイズは、約95nm未満、約90nm未満、約85nm未満、約80nm未満、約75nm未満、約70nm未満、約65nm未満、約60nm未満、約55nm未満、約50nm未満、約45nm未満、約40nm未満、約35nm未満、約30nm未満、または約25nm未満である。一実施形態では、ナノ分散粒子の平均サイズは、約49nm未満、約48nm未満、約47nm未満、約46nm未満、約45nm未満、約44nm未満、約43nm未満、約42nm未満、または約41nm未満である。一実施形態では、ナノ分散粒子の平均サイズは、約45nm未満である。上限または下限としてこれらの値のいずれか1つを有する範囲もまた、本発明の一部分であると意図されることを理解すべきである(例えば、約40nm〜49nm、約25nm〜48nm、または25nm〜47nm)。
【0119】
一部の他の実施形態では、マイクロフルイダイザーを数回通過させることにより、平均粒径を10nm〜200nmまで低下させる。一実施形態では、平均粒径を10nm〜150nmまで低下させる。一実施形態では、平均粒径を10nm〜125nmまで低下させる。他の実施形態では、平均粒径を10nm〜100nmまで低下させる。一部の他の実施形態では、平均粒径を、10nm〜90nm、10nm〜80nm、10nm〜70nm、10nm〜60nm、10nm〜50nm、10nm〜45nm、10nm〜40nm、または10nm〜30nmまで低下させる。一部の好ましい実施形態では、平均粒径を20nm〜80nmまで低下させる。一実施形態では、平均粒径を20nm〜70nmまで低下させる。一実施形態では、平均粒径を20nm〜60nmまで低下させる。一実施形態では、平均粒径を20nm〜50nmまで低下させる。一実施形態では、平均粒径を20nm〜45nmまで低下させる。一実施形態では、平均粒径を30nm〜45nmまで低下させる。一部の他の実施形態では、平均粒径を35nm〜40nmまで低下させる。上限または下限として上記の値のうちいずれか1つを有する追加の範囲もまた、本発明の一部分であると意図されることを理解すべきである(例えば、30nm〜80nm、または30nm〜40nm)。
【0120】
コロイド分散液を、懸濁液の形態、あるいはエマルジョンの形態にすることが好ましい場合がある。本明細書中の別の箇所で定義した通り、懸濁液、またはナノ懸濁液は、連続相および分散された固体を含み、エマルジョンは、分散された不混和性液体を含有する。一部の態様では、エマルジョンは、溶融して連続相に分散され、ナノ粒子を形成している分散された疎水性薬剤を含有する。疎水性活性薬剤がCoQ10である場合、溶融および分散された粒子をさらに分散し、引き続いてホモジナイゼーションプロセスを通すことにより粒径をさらに低下させることができる。固体粒子を含む場合、溶融された疎水性活性薬剤の粒子が小さい程、界面エネルギーが高い。安定化剤(DMPCなど)を用いて、分散された粒子の周りに表面層を形成し、それによりナノ分散CoQ10粒子を生成させることにより、分散された粒子を安定化する。形成される粒子は、200nm未満である。懸濁液は、高エネルギーホモジナイゼーションにより分散されるバルクの疎水性活性薬剤の粒子を含有する。分散液は、疎水性活性薬剤(CoQ10など)のナノ分散液である。CoQ10のナノ分散液は、例えば、安定化剤(DMPCなど)に囲まれたバルクのCoQ10の分散された粒子を含有する。安定化剤が分散されたバルクの疎水性薬剤の周囲に表面層を形成し、CoQ10の分散された粒子がナノ分散粒子のコアを形成する。一部の実施形態では、ナノ分散粒子は、非晶質状態である。一部の他の実施形態では、粒子を凍結乾燥し、CoQ10のナノ分散粒子のCoQ10コアを結晶化させる。
【0121】
本明細書中に記載された製剤は、有効量で被験体に投与することができる。有効量とは、治療される被験体または細胞で、所望の結果をもたらすことが可能な量である。医学および獣医学の技術分野では周知の通り、いずれか1種の動物の投与量は、その特定の動物の大きさ、身体タイプ、年齢、投与対象の特定の化合物、投与時間および投与経路、一般的健康状態、および前投与、同時投与または後投与薬物の作用をはじめとする多数の因子に依存する。製剤の非経口投与のための適切な投与量は、約110〜約300lbの被験体に対して約10〜約500mgのCoQ10であることが予測される。細胞培養で用いる有効量もまた様々であろうが、経験的に(すなわち、種々の濃度を細胞に添加し、所望の結果を最もよくもたらした濃度を選択することにより)容易に決定することができる。適切な濃度は約1〜約250μMであることが予測される。
【0122】
IV. 製剤の調製方法
CoQ10は、バルク相(すなわち、バルク物質)で室温にて固体かつ主に結晶性の物質である。本発明に従ってコロイド粒子の調製のための出発物質として用いる固体バルク物質は、非粒子状または粒子状(例えば、粉末、沈殿物、凝集体、結晶または通常用いられるいずれかの他の固体原材料)であり得る。
【0123】
本発明の製剤の調製では、水に難溶の疎水性活性薬剤(バルク相CoQ10または水に難溶の物質の混合物など)を、疎水性活性薬剤の融点を超える温度の浴中で加熱する。例えば、CoQ10の融点は、約48℃である。本明細書中では、融点は様々であり得、例えば、47.5℃〜49.5℃のいずれかの値を含み得ることが意図される。水からなる浴は、65℃である。室温のバルク形態のCoQ10を65℃の水に添加し、混合して、CoQ10/水混合物を形成させる。一部の実施形態では、CoQ10/水混合物を45分間混合する。一部の他の実施形態では、20〜30分間混合する。次に、DMPC粉末をCoQ10/水混合物(M1)に添加し、混合してCoQ10/水/安定化剤混合物を形成させる。一部の実施形態では、CoQ10/水/安定化剤混合物(M2)を、65℃で25〜45分間混合する。一部の他の実施形態では、CoQ10/水/安定化剤混合物を、65℃で30分間混合する。次に、オプソニン化低減剤を添加し、CoQ10/水/安定化剤/低減剤混合物を形成させる。マイクロフルイダイザーチャンバーを60〜65℃に予熱する。次に、CoQ10/水/安定化剤/低減剤(M3)をマイクロフルイダイザーに繰り返し通して処理し、粒径を200nm未満に低下させる。
【0124】
好適なマイクロフルイダイザーとしてはM110Pが挙げられ、Microfluidics社(MFI社)から入手可能である。M110Pは、75μm通路およびF12Yチャンバーを有する。M3を処理するステップでは、マイクロフルイダイザーは30,000psiの入口圧力を有する。
【0125】
マイクロフルイダイザーに20回通した後、粒径は30nm〜80nmまで、または好ましくは30nm〜75nmまで低下した。
【0126】
種々の種類および量の安定化剤ならびにオプソニン化低減剤を用いて水中で溶融CoQ10原材料を乳化することにより、CoQ10コロイド分散液を調製した。プローブ超音波処理および/または高圧ホモジネーションにより乳化を実現した。好ましくは、高圧ホモジナイゼーションにより乳化を実現する。高圧ホモジネーション系は、より小さな平均粒径およびより狭い粒径分布を示す。ホモジナイゼーション装置、ホモジナイゼーションパラメータ(時間、サイクル、圧力等)および分散液の組成(安定化剤およびオプソニン化低減剤の種類ならびに量、相比率等)などのプロセスパラメータを変えることにより、CoQ10のコロイド分散液の平均粒子直径を相当な範囲で変更することができる。SiekmannおよびWestesenは、コロイド粒子が非晶質状態にある、乳化により作製されたCoQ10のサブミクロンサイズ製剤を記載している(Siekmann, B., and K. Westesen. “Preparation and physicochemical characterization of aqueous dispersions of coenzyme Q10 nanoparticles.” Pharmaceutical Research 12, no. 2 (1995): 201-208、その全体が参照により本明細書中に組み入れられる)。
【0127】
本発明は、SiekmannおよびWestesenにより開示されたものとは異なる方法により調製された疎水性活性薬剤(CoQ10など)のコロイド分散液を提供する。本発明は、CoQ10を乳化してCoQ10のコロイド粒子を生成する方法を提供する。一部の実施形態では、粒子は非晶質状態であるが、他の実施形態では、粒子を凍結乾燥して、コロイド状CoQ10粒子が結晶形態となるようにする。本発明の一部の実施形態では、凍結保護剤を用いて、凍結乾燥の際に粒径を安定させる。本発明でのさらなる重要な差異は、本発明のコロイド粒子のホモジナイゼーションで用いる不活性薬剤を含む。ここで開示される方法は、本明細書中でさらに説明されているように、安定化剤およびオプソニン化低減剤のうち少なくとも1種類を含む。
【0128】
本発明は、疎水性薬剤、安定化剤およびオプソニン化低減剤についての新規の比率をさらに含む。CoQ10に対するホモジナイゼーションプロセスにより、200nm未満(好ましくは約40nm)のサイズを有するコロイド状CoQ10粒子をもたらす比率でポロキサマー(オプソニン化低減剤として)およびDMPC(分散安定化剤として)を含有する非晶質CoQ10コロイド分散液が生成される。好適なDMPCはGenzyme社、Lipoid社、Avanti社、またはNOF社から購入することができ、ポロキサマー188はSpectrum社またはBASF社から購入することができる。
【0129】
コロイド分散液の調製では、CoQ10、DMPCおよびポロキサマー188の体積当たり重量は、それぞれ4%、3%および1.5%として選択した(すなわち、4:3:1.5比率)。一部の他の好適な実施形態では、CoQ10、DMPCおよびポロキサマーの体積当たり重量は、それぞれ8%、6%および3%であった(すなわち、8:6:3比率)。一部の実施形態では、CoQ10濃度は、30mg/mL〜90mg/mLである。一部の他の実施形態では、CoQ10濃度は、4:3:1.5比率に対して約40mg/mL、8:6:3比率に対して約80mg/mLおよび6:3:1比率に対して約60mg/mLである。
【0130】
CoQ10のコロイド分散液は、室温で数週間にわたって安定である。2〜3週間の間、表1および表2に示すように粒径は変化しなかった。「ろ過後」および「繰り返し」と標識された列の比較により、ろ過済み懸濁液の2週間以内の保存は、粒径に顕著に影響しなかったことが示されている。表1はさらに、DMPC/CoQ10比の上昇およびポロキサマー188の添加により、粒径が低下したことを実証している。CoQ10/DMPC/P188 4:3:1.5製剤は、25℃および60%湿度の安定性チャンバーで保存した。Z
avg(粒径)を時間に対して評価した。
【表1】
【表2】
【0131】
4:3:1.5製剤および4:3:0製剤を、生理食塩水で希釈した(希釈係数1.6)。200μLの懸濁液に120μLの生理食塩水を添加した。希釈サンプルおよび未希釈サンプルを、25℃および60%湿度の安定性チャンバーで保存した。24時間、48時間および96時間後に、粒径を評価した。表3は、安定性の結果を示す。時間依存的な粒径増大が、生理食塩水希釈サンプルおよび未希釈サンプルの両方で観察された。「0時間」〜「48時間」で、4:3:0製剤では粒径が5〜8nm増大し、4:3:1.5製剤では10〜11nm増加した。
【表3】
【0132】
一部の実施形態では、本発明の製剤は、約0.001%〜約20%(w/w)のコエンザイムQ10、より好ましくは約0.01%〜約15%、さらにより好ましくは約0.1%〜約10%(w/w)のコエンザイムQ10を含有することができる。一実施形態では、製剤は、約4%(w/w)のコエンザイムQ10を含有する。一実施形態では、製剤は、約8%(w/w)のコエンザイムQ10を含有する。種々の実施形態では、製剤は、約0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%または20%(w/w)のコエンザイムQ10を含有する。CoQ10は、カネカQ10社から、カネカQ10(USPユビデカレノン)として粉末形態で入手することができる(Pasadena, Texas, USA)。本明細書中で例示される方法で用いるCoQ10は、以下の特徴を有する:残留溶媒がUSP467の要件を満たす;含水量が0.0%未満、0.05%未満または0.2%未満である;強熱残分が0.0%未満、0.05%未満または0.2%未満である;重金属含有量が0.002%未満、または0.001%未満である;約98〜100%または99.9%、または99.5%である。
【0133】
一部の実施形態では、本明細書中に提示されるIV製剤は、上記の通りに調製されたナノ懸濁状態でCoQ10を含有する4%無菌水性コロイド分散液である。一部の実施形態では、製剤は、静脈内注射、腹腔内注射、同所性注射、頭蓋内注射、筋肉内注射、皮下注射、髄内注射、ならびにくも膜下腔注射、直接脳室内注射、鼻内注射、または眼内注射をはじめとする非経口投与に好適である。一部の実施形態では、製剤は、それぞれ4:3:1.5の比率でCoQ10、ジミリストイルホスファチジルコリン、およびポロキサマー188を含有し、この比率は、粒子のナノ懸濁状態を安定化するために設計されている。一部の実施形態では、製剤は、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素カリウム、塩化カリウム、塩化ナトリウムおよび注射水を含有するリン酸緩衝生理食塩水を含む。
【0134】
一部の実施形態では、製剤中のCoQ10濃度は、1mg/mL〜150mg/mLである。一実施形態では、製剤中のCoQ10濃度は、5mg/mL〜125mg/mLである。一実施形態では、製剤中のCoQ10濃度は、10mg/mL〜100mg/mLである。一実施形態では、製剤中のCoQ10濃度は、20mg/mL〜90mg/mLである。一実施形態では、製剤中のCoQ10濃度は、30mg/mL〜80mg/mLである。一実施形態では、製剤中のCoQ10濃度は、30mg/mL〜70mg/mLである。一実施形態では、製剤中のCoQ10濃度は、30mg/mL〜60mg/mLである。一実施形態では、製剤中のCoQ10濃度は、30mg/mL〜50mg/mLである。一実施形態では、製剤中のCoQ10濃度は、35mg/mL〜45mg/mLである。上限または下限として上記の値のいずれか1つを有する追加の範囲もまた、本発明の一部分であると意図されることを理解すべきである(例えば、10mg/mL〜50mg/mL、または20mg/mL〜60mg/mL)。
【0135】
一部の実施形態では、製剤中のCoQ10濃度は、約10、15、20、25、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、55、60、65、70、75、80、85、90または95mg/mLである。一実施形態では、製剤中のCoQ10濃度は約50mg/mLである。一実施形態では、製剤中のCoQ10濃度は約60mg/mLである。一実施形態では、製剤中のCoQ10濃度は約30mg/mLである。好ましい実施形態では、製剤中のCoQ10濃度は約40mg/mLである。上限または下限としてこれらの値のいずれか1つを有する範囲もまた、本発明の一部分であると意図されることを理解すべきである(例えば、37mg/mL〜47mg/mL、または31mg/mL〜49mg/mL)。
【0136】
一部の実施形態では、製剤の平均粒径は、約10nm〜200nmである。他の実施形態では、粒径は、約10nm〜100nm、約30nm〜80nmまたは約35nm〜40nmである。一部の実施形態では、製剤の平均粒径は、約10nm〜150nmである。一実施形態では、平均粒径は、約10nm〜125nmである。他の実施形態では、平均粒径は、約10nm〜100nmである。一部の他の実施形態では、平均粒径は、約10nm〜90nm、10nm〜80nm、10nm〜70nm、10nm〜60nm、10nm〜50nm、10nm〜45nm、10nm〜40nm、または10nm〜30nmである。一部の好ましい実施形態では、平均粒径は、約20nm〜80nmである。一実施形態では、平均粒径は、約20nm〜70nmである。一実施形態では、平均粒径は、約20nm〜60nmである。一実施形態では、平均粒径は、約20nm〜50nmである。一実施形態では、平均粒径は、約25nm〜45nmである。一実施形態では、平均粒径は、約30nm〜45nmである。一部の他の好ましい実施形態では、平均粒径は、約35nm〜45nmである。上限または下限として上記の値のいずれか1つを有する追加の範囲もまた、本発明の一部分であると意図されることを理解すべきである(例えば、30nm〜80nm、または10nm〜40nm)。
【0137】
一部の実施形態では、本明細書中に提供されるナノ懸濁コロイド製剤の保存および取扱いのためのキットが提供され、この場合、ナノ懸濁液をバイアル中に詰め、クロロブチルゴム栓およびアルミニウムオーバーキャップで密閉する。
【0138】
V. 腫瘍性障害の治療
本明細書の開示の製剤は、腫瘍性障害の治療に用いることができる。したがって、本発明は、被験体での腫瘍性障害の治療または予防方法を提供し、該方法は、腫瘍性障害を治療または予防するのに十分な量で被験体に本発明の製剤を静脈内投与し、それにより腫瘍性障害を治療または予防するステップを含む。本発明の製剤はまた、腫瘍細胞増殖を阻害するためにも用いることができる。したがって、本発明は、被験体での腫瘍細胞増殖を阻害する方法をさらに提供し、該方法は、被験体に本発明の製剤を静脈内投与して、腫瘍細胞増殖を阻害するステップを含む。一部の実施形態では、被験体は、ヒト被験体である。
【0139】
そのような製剤は、製薬上許容される担体中に、疎水性活性薬剤(例えば、CoQ10)またはその代謝生成物を含有することができる。一部の実施形態では、そのような製剤は、約0.001%〜約20%(w/w)のコエンザイムQ10、より好ましくは約0.01%〜約15%、さらにより好ましくは約0.1%〜約10%(w/w)のコエンザイムQ10を含有することができる。一実施形態では、製剤は、約4%(w/w)のコエンザイムQ10を含有する。一実施形態では、製剤は、約8%(w/w)のコエンザイムQ10を含有する。種々の実施形態では、製剤は、約0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%または20%(w/w)のコエンザイムQ10を含む。本明細書中にも記載した通り、本明細書の開示の組成物は、当業者の視野の範囲内にあるいずれかの投与手段または投与経路による被験体への導入が可能な液体剤形であり得る。例えば、組成物は、限定するものではないが、静脈内、腫瘍内、それらの組み合わせなどをはじめとする投与経路により投与することができる。
【0140】
本発明の一部の実施形態では、ヒトに本発明のコエンザイムQ10製剤を静脈内投与して、治療または予防を生じさせるステップによる、ヒトでの腫瘍性障害を治療または予防する方法が提供され、この場合、約0.5mg/kg〜約10,000mg/kg、約5mg/kg〜約5,000mg/kg、約10mg/kg〜約3,000mg/kgの範囲でコエンザイムQ10の用量をヒトに投与する。一実施形態では、約10mg/kg〜約1,400mg/kgの範囲でコエンザイムQ10を投与する。一実施形態では、約10mg/kg〜約650mg/kgの範囲でコエンザイムQ10を投与する。一実施形態では、約10mg/kg〜約200mg/kgの範囲でコエンザイムQ10を投与する。種々の実施形態では、約2mg/kg、5mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kg、35mg/kg、40mg/kg、45mg/kg、50mg/kg、55mg/kg、60mg/kg、65mg/kg、70mg/kg、75mg/kg、80mg/kg、85mg/kg、90mg/kg、95mg/kg、100mg/kg、110mg/kg、120mg/kg、130mg/kg、140mg/kg、150mg/kg、160mg/kg、170mg/kg、180mg/kg、190mg/kgまたは200mg/kgの用量でコエンザイムQ10を投与する。上限または下限としてこれらの値のいずれか1つを有する範囲もまた、本発明の一部分であると意図されることを理解すべきである(例えば、約50mg/kg〜約200mg/kg、または約650mg/kg〜約1400mg/kg)。一実施形態では、投与される用量は、少なくとも約1mg/kg、少なくとも約5mg/kg、少なくとも約10mg/kg、少なくとも約12.5mg/kg、少なくとも約20mg/kg、少なくとも約25mg/kg、少なくとも約30mg/kg、少なくとも約35mg/kg、少なくとも約40mg/kg、少なくとも約45mg/kg、少なくとも約50mg/kg、少なくとも約55mg/kg、少なくとも約60mg/kg、少なくとも約75mg/kg、少なくとも約100mg/kg、少なくとも約125mg/kg、少なくとも約150mg/kg、少なくとも約175mg/kg、少なくとも約200mg/kg、少なくとも約300mg/kg、または少なくとも約400mg/kgである。
【0141】
一実施形態では、コエンザイムQ10製剤を週1回投与する。一実施形態では、コエンザイムQ10製剤を週3回投与する。別の実施形態では、コエンザイムQ10製剤を週5回投与する。一実施形態では、コエンザイムQ10製剤を1日1回投与する。一部の実施形態では、IV製剤を点滴により投与する場合、投与量を約1時間、2時間、3時間、4時間またはそれ以上にわたって点滴により投与する。一実施形態では、IV製剤を約4時間にわたって点滴により投与する。
【0142】
別の実施形態では、約10mg/kg〜約10,000mg/kgのコエンザイムQ10、約20mg/kg〜約5000mg/kg、約50mg/kg〜約3000mg/kg、約100mg/kg〜約2000mg/kg、約200mg/kg〜約1000mg/kg、または約300mg/kg〜約500mg/kgの投与量でCoQ10 IV製剤の剤形でコエンザイムQ10を投与し、この場合、CoQ10製剤は、約1%〜10%のコエンザイムQ10を含む。一実施形態では、CoQ10製剤は、約4%のコエンザイムQ10を含む。一実施形態では、CoQ10 IV製剤は、約8%のコエンザイムQ10を含む。他の実施形態では、CoQ10 IV製剤は、約1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、5.5%、6%、6.5%、7%、7.5%、8%、8.5%、9%、9.5%または10%のコエンザイムQ10を含む。上限または下限としてこれらの値のいずれか1つを有する範囲もまた、本発明の一部分であると意図されることを理解すべきである。
【0143】
本明細書中で用いる場合、「腫瘍性障害」とは、ヒトで見られるすべてのタイプの癌または新生物または悪性腫瘍を意味し、そのようなものとしては、限定するものではないが、以下の障害が挙げられる:白血病、リンパ腫、黒色腫、癌腫(carcinoma)および肉腫。本明細書中で用いる場合、「腫瘍性障害」、「癌」、「新生物」および「腫瘍」との用語もしくは言葉遣いは、交換可能に用いられ、かつ単数形または複数形のいずれかで、宿主生物に対して病的になる悪性形質転換を生じた細胞を意味する。原発癌細胞(すなわち、悪性形質転換の場所近くから取得された細胞)は、十分に確立された技術(特に、組織学検査)により、非癌性細胞と容易に区別することができる。本明細書中で用いる場合、癌細胞の定義は、原発癌細胞のみならず、癌幹細胞ならびに癌前駆細胞または癌細胞先祖に由来するいずれかの細胞を含む。これには、転移した癌細胞、ならびに癌細胞由来のin vitro培養物および細胞株が含まれる。通常は固形腫瘍として出現する癌のタイプに関して、「臨床的に検出可能」な腫瘍とは、腫瘍体積に基づいて(例えば、CATスキャン、MRイメージング、X線、超音波または触診などの手順により)検出可能であるもの(例えば、CATスキャン、MRイメージング、X線、超音波または触診などの手順により)、および/または患者から取得可能なサンプル中の1種以上の癌特異的抗原の発現により検出可能なものである。
【0144】
「肉腫」との用語は、概して、胎児性結合組織様の物質で構成される腫瘍を意味し、一般的には線維状または均一な物質に埋め込まれた密に詰まった細胞により成る。IV製剤でのCoQ10のコロイド分散液を用いて治療することができる肉腫の例としては、例えば、以下のものが挙げられる:軟骨肉腫、線維肉腫、リンパ肉腫、黒色肉腫、粘液肉腫、骨肉腫、アベメシー肉腫(Abemethy’s sarcoma)、脂肪肉腫(adipose sarcoma)、脂肪肉腫(liposarcoma)、歯槽軟部肉腫(alveolar soft part sarcoma)、エナメル芽細胞肉腫(ameloblastic sarcoma)、ブドウ状肉腫、緑色腫肉腫(chloroma sarcoma)、絨毛膜肉腫(chorio carcinoma)、胎児性肉腫、ウィルムス腫瘍肉腫、子宮内膜肉腫、間質肉腫、ユーイング肉腫、筋膜肉腫(fascial sarcoma)、線維芽細胞肉腫(fibroblastic sarcoma)、巨細胞肉腫、顆粒球性肉腫、ホジキン肉腫、特発性多発性色素性出血性肉腫、B細胞の免疫芽球性肉腫、リンパ腫、T細胞の免疫芽球性肉腫、イエンセン肉腫、カポジ肉腫、クッパー細胞肉腫、血管肉腫、白血病肉腫(leukosarcoma)、悪性間葉腫肉腫、傍骨性肉腫(parosteal sarcoma)、網状赤血球肉腫(reticulocytic sarcoma)、ラウス肉腫、漿液嚢胞性肉腫(serocystic sarcoma)、滑膜肉腫、および毛細管拡張性肉腫(telangiectaltic sarcoma)。
【0145】
「黒色腫」との用語は、皮膚および他の器官の色素細胞系から生じた腫瘍を意味するものと理解される。IV製剤でのCoQ10のコロイド分散液を用いて治療することができる黒色腫の例としては、例えば、以下のものが挙げられる:末端性黒子性黒色腫、メラニン欠乏性黒色腫、良性若年性黒色腫、クラウドマン黒色腫(Cloudman's melanoma)、S91黒色腫、ハーディング・パッセー黒色腫、若年性黒色腫、悪性黒子型黒色腫、悪性黒色腫、結節型黒色腫、爪下黒色腫(subungal melanoma)、および表在拡大型黒色腫。
【0146】
「癌腫」(carcinoma)との用語は、周囲組織に浸潤しやすく、転移を生じやすい、上皮細胞から構成される悪性新生物を意味する。IV製剤でのCoQ10のコロイド分散液を用いて治療することができる癌腫の例としては、例えば、以下のものが挙げられる:細葉細胞癌、腺房細癌、腺嚢癌腫、腺様嚢胞癌、腺腫様癌(carcinoma adenomatosum)、副腎皮質癌、肺胞上皮癌、肺胞細胞癌、基底細胞癌、基底細胞癌(carcinoma basocellulare)、類基底細胞癌、基底有棘細胞癌、気管支肺胞癌(bronchioalveolar carcinoma)、細気管支癌、気管支癌、脳状癌腫(cerebriform carcinoma)、胆管細胞癌、絨毛膜癌、膠様癌、面皰癌(comedo carcinoma)、子宮体癌(corpus carcinoma)、篩状癌、鎧状癌、皮膚癌、円柱上皮癌(cylindrical carcinoma)、円柱細胞癌、腺管癌、硬性癌(carcinoma durum)、胎児性癌、脳様癌(encephaloid carcinoma)、類表皮癌(epiermoid carcinoma)、腺様上皮癌(carcinoma epitheliale adenoides)、外向発育癌(exophytic carcinoma)、潰瘍癌(carcinoma ex ulcere)、線維性癌(carcinoma fibrosum)、膠様癌(gelatiniform carcinoma、gelatinous carcinoma)、巨細胞癌(giant cell carcinoma、carcinoma gigantocellulare)、腺癌、顆粒膜細胞癌、毛母体癌、血様癌(hematoid carcinoma)、肝細胞癌、ヒュルトレ細胞癌、硝子様癌(hyaline carcinoma)、副腎様癌(hypemephroid carcinoma)、小児胎児性癌(infantile embryonal carcinoma)、上皮内癌、表皮内癌、上皮内癌、Krompecher癌、Kulchitzky細胞癌、大細胞癌、レンズ状癌(lenticular carcinoma、carcinoma lenticulare)、脂肪性癌(lipomatous carcinoma)、リンパ上皮癌、髄様癌(carcinoma medullare、medullary carcinoma)、黒色癌(melanotic carcinoma)、軟性癌(carcinoma molle)、メルケル細胞癌、粘液性癌(mucinous carcinoma)、粘液腺癌(carcinoma muciparum)、粘液細胞癌(carcinoma mucocellulare)、粘液性類表皮癌、粘液癌(carcinoma mucosum)、粘液性癌(mucous carcinoma)、粘液腫様癌、上咽頭癌、燕麦細胞癌、骨化性癌(carcinoma ossificans)、類骨癌(osteoid carcinoma)、乳頭癌、門脈周囲癌、前浸潤癌、有棘細胞癌、粥状癌(pultaceous carcinoma)、腎臓の腎細胞癌、予備細胞癌、シュナイダー癌、スキルス癌、陰嚢癌、印環細胞癌、単純癌、小細胞癌、ソラノイド癌(solanoid carcinoma)、球状細胞癌、紡錘細胞癌、海綿状癌、扁平上皮癌、扁平上皮細胞癌、ストリング癌(string carcinoma)、毛細管拡張性癌(carcioma telangiectaticum)、毛細血管拡張症様癌(carcinoma telangiectodes)、移行上皮癌、結節癌(carcinoma tuberosum)、結節性癌(tuberous carcinoma)、いぼ状癌および絨毛状癌。
【0147】
癌を治療するために用いる場合、製剤は、製薬上許容される担体に含ませることができ、単独療法として、所与の適用に対する少なくとも1種の他の化学療法剤との組み合わせで、放射線療法との組み合わせで、腫瘍を根治除去する外科的介入に続いて、癌に対する他の代替的かつ/または補足的に許容される治療との組み合わせなどで、腫瘍形成領域に治療上有効量で投与することができる。一部の実施形態では、本明細書の開示はまた、本明細書の開示の組成物を患者の腫瘍形成領域に投与することにより、突然変異型/不活性化型p53タンパク質を再活性化する方法も提供する。
【0148】
本明細書の開示はまた、本明細書の開示の組成物を患者の腫瘍形成領域に投与することによる、腫瘍形成にかかわるタンパク質を変化させる方法も提供する。本明細書の開示の組成物により変化する可能性があるそのようなタンパク質としては、限定するものではないが、以下のタンパク質が挙げられる:Bcl-2タンパク質;Baxタンパク質;Bidタンパク質;Bimタンパク質;Badタンパク質;Bakタンパク質;mcl-1タンパク質;Bcl-xlタンパク質;Bcl-xsタンパク質;Bcl-wタンパク質;Bikタンパク質;Bokタンパク質;BimLタンパク質;Alタンパク質;Hrkタンパク質;Bikタンパク質;BNIP3タンパク質;BIkタンパク質;Noxaタンパク質;Pumaタンパク質;VEGFタンパク質;FGF-l/FGF-2タンパク質;Hif-αタンパク質;アンギオスタチンタンパク質;TGF-βタンパク質;smadタンパク質;cdk(サイクリン依存性キナーゼ); PI3K/akt複合体。他の実施形態では、本明細書の開示の組成物を用いて、癌細胞での正常なアポトーシス状態を調節し、かつ/または回復させることができる。ミトコンドリア機能不全およびアポトーシスの脱調節は、癌および神経変性などの多くの疾患に関係している。呼吸鎖(RC)機能不全は、遺伝的モデルとしてミトコンドリアDNA突然変異を用いて実証されたように、アポトーシスに関与している場合がある。一部の突然変異はRC全体を除去するが、他の突然変異は特定の複合体を標的としており、これらは電子束を減少させるかまたは完全に除去し、呼吸およびアデノシン三リン酸(ATP)合成の障害を引き起こす。これらの類似性にかかわらず、アポトーシス刺激に対する応答の顕著な差異が現れている。RCを欠失した細胞は、ミトコンドリアおよび小胞体(ER)ストレス誘導性アポトーシスの両方に対して保護されている。RCを有するが電子束を生成できない細胞はミトコンドリア性アポトーシスに対して保護されているが、ERストレスに対する感度が増大している。最後に、電子束の部分的な減少を有する細胞は、両方の条件下でのアポトーシスが増大している。RCは、ATP生成とは独立でありかつアポトーシス応答がミトコンドリア機能状態と環境刺激との相互作用の結果であるという文脈依存的様式でアポトーシスを調節する。
【0149】
アポトーシスの実行および腫瘍原性因子同士のコミュニケーションはまた、膜の脱分極に際して開くミトコンドリア膜孔を通して放出される因子(シトクロムC、Endo G、またはAIFなど)によっても調節する。癌細胞はまた、酸素の存在下で過剰な乳酸塩を生成する(好気的解糖)。この現象は、以下の2種類の因子の産物であることが現在明らかになっている:より解糖的な胎児の代謝への復帰およびミトコンドリアでの反応性酸素分子種(ROS)生成を増大させる酸化的リン酸化(OXPHOS)。Ras-PI3K-Aktシグナル伝達経路の変化は、ヘキソキナーゼIIの誘導およびミトコンドリアのポーリンへのその結合を引き起こすことができ、これはミトコンドリアATPをグルコースリン酸化および解糖の駆動に向かわせる。さらに、ミトコンドリア遺伝子突然変異(生殖細胞または体細胞)によるOXPHOSの部分的阻害は、電子伝達鎖を介した電子束を減少させることができ、ミトコンドリアROS生成を増加させる。増加したROSは核のプロトオンコジーンに突然変異を起こし(イニシエーション)、核での複製を生じさせ(プロモーション)、これが癌をもたらす。したがって、ヘキソキナーゼIIおよびミトコンドリアROSは、癌治療法に対する有用な代替的標的であり得る。代謝流束は癌に関連しているので、腫瘍形成状態では障害されており、解糖状態にシフトしている。癌細胞の生存率は、グルコース代謝および低い酸素レベルに強く依存する。ミトコンドリア活性が休眠と思われるほどに弱まることは、さらに混乱させる。クエン酸回路(TCA)から電子を受け取る複合体1-IVに通常関連する酸化的リン酸化は、実質的に遮断される。フリーラジカルの量および乳酸脱水素酵素活性では顕著な増大が生じる。したがって、癌細胞は、(1)酸素減少(低酸素状態);(2)フリーラジカル形成の増大;(3)アポトーシス(細胞死)脱調節;(4)グルコース代謝への依存;(5)血管形成の増加;および(6)免疫認識の変化(自己調節状態が開始する)の状態にある。
【0150】
一般的に、本明細書中に記載されたCoQ10 IV製剤は、いずれかの新生物を予防的または治療的に治療するために用いることができる。特定の実施形態では、固形腫瘍を治療するために製剤を用いる。本発明の種々の実施形態では、以下の器官の癌の治療または予防のためにCoQ10を用いる:脳、中枢神経系、頭頸部、前立腺、乳房、精巣、膵臓、肝臓、結腸、膀胱、尿道、胆嚢、肺、非小細胞肺、黒色腫、中皮腫、子宮、頸部(cervix)、卵巣、肉腫、骨、胃および髄芽腫。一実施形態では、本明細書中に記載されたCoQ10 IV製剤は、例えば、特定の器官(例えば、肺、肝臓または中枢神経系など)に存在、移動または転移する緑色白血病(例えば、原発緑色白血病または二次的もしくは転移性緑色白血病)を治療するために用いることができる。
【0151】
しかしながら、本発明のCoQ10 IV製剤を用いた治療は、上記のタイプの癌に限定されない。本発明のCoQ10 IV製剤を用いた治療の可能性がある癌の例としては、限定するものではないが、例えば、以下の癌が挙げられる:ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、神経芽細胞腫、乳癌、卵巣癌、肺癌、横紋筋肉腫、原発性血小板血症、原発性マクログロブリン血症、小細胞肺癌、原発性脳腫瘍、胃癌、大腸癌、悪性膵臓インスリノーマ(malignant pancreatic insulanoma)、悪性カルチノイド、膀胱癌、前癌性皮膚病変、精巣癌、リンパ腫、甲状腺癌、神経芽細胞腫、食道癌、泌尿生殖器癌、悪性高カルシウム血症、子宮頸癌、子宮内膜癌、副腎皮質癌および前立腺癌。一実施形態では、本明細書中に記載されたCoQ10 IV製剤は、種々のタイプの皮膚癌(例えば、扁平上皮癌または基底細胞癌)、膵臓癌、乳癌、前立腺癌、肝臓癌、もしくは骨癌を治療または予防するために用いることができる。一実施形態では、限定するものではないが、扁平上皮癌(例えば、SCCIS(上皮内)およびより進行性の高い扁平上皮癌)、基底細胞癌(表層性、結節性および浸潤性基底細胞癌を含む)、黒色腫、および光線性角化症をはじめとする皮膚腫瘍性障害の治療のためにCoQ10を用いる。一実施形態では、CoQ10を用いて治療することができる腫瘍性障害または癌は、黒色腫でない。一実施形態では、腫瘍性障害は、メルケル細胞癌(MCC)である。
【0152】
一部の実施形態では、CoQ10が癌細胞に対して有し得る作用は、部分的には、癌細胞により示される代謝流束および酸化流(oxdative flux)のさまざまな状態に依存する場合がある。CoQ10を用いて、腫瘍形成性細胞の解糖依存性の変換および乳酸塩利用の増大を中断させかつ/または妨げることができる。癌状態に関連するので、腫瘍微小環境の解糖流および酸化流のこの妨害は、癌細胞の発達を低下させる様式でアポトーシスおよび血管形成に影響を与えることができる。一部の実施形態では、CoQ10と解糖流因子および酸化流因子との相互作用は、癌細胞でのその回復的アポトーシス作用を示すCoQ10の能力を強化する場合があり、創薬および薬物開発に対する有望な薬物標的をもたらす。本明細書の開示はCoQ10およびその代謝生成物に焦点を当てているが、CoQ10の代わりにまたはCoQ10と共に投与することができる、CoQ10に関連する他の化合物としては、限定するものではないが、以下の化合物が挙げられる:ベンゾキノン、イソプレノイド、ファルネソール、酢酸ファルネシル、ピロリン酸ファルネシル、1-フェニルアラニン、d-フェニルアラニン、dl-フェニルアラニン、l-チロシン、d-チロシン、dl-チロシン、4-ヒドロキシフェニルピルベート、4-ヒドロキシフェニルラクテート、4-ヒドロキシシンナメート、チロシンまたはフェニルアラニンのジペプチドおよびトリペプチド、3,4-ジヒドロキシマンデレート、3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニルグリコール、3-メトキシ-4-ヒドロキシマンデレート、バニリン酸、酢酸フェニル、ピリドキシン、S-アデノシルメチオニン、パンテノール、メバロン酸、イソペンチルピロリン酸、フェニルブチレート、4-ヒドロキシ-ベンゾエート、デカプレニルピロリン酸、β-ヒドロキシブチレート、3-ヒドロキシ-3-メチル-グルタレート、アセチルカルニチン、アセトアセチルカルニチン、アセチルグリシン、アセトアセチルグリシン、カルニチン、酢酸、ピルビン酸、3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリルカルニチン、セリン、アラニン、システイン、グリシン、トレオニン、ヒドロキシプロリン、リジン、イソロイシン、およびロイシンのすべての異性体、さらに炭素数C4〜C8の脂肪酸(酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、およびステアリン酸)、カルニチンおよびグリシンの塩(例えば、パルミトイルカルニチンおよびパルミトイルグリシン)、ならびに4-ヒドロキシ-安息香酸ポリプレニル転移酵素、これらの化合物のいずれかの塩、ならびにいずれかのその組み合わせなど。
【0153】
一実施形態では、本明細書中に記載されたCoQ10のコロイド分散液のIV投与は、腫瘍サイズを減少させ、腫瘍増殖を阻害し、かつ/または腫瘍に侵された被験体の生存期間を延長する。したがって、本発明はまた、ヒトまたは他の動物で腫瘍を治療する方法に関し、該方法は、有効な無毒の量のCoQ10をそのようなヒトまたは動物に静脈内投与するステップによる。当業者であれば、日常的な実験操作によって、悪性腫瘍を治療する目的のためのCoQ10の有効かつ無毒な量とはいかなるものであるかを決定することができるであろう。例えば、CoQ10の治療上活性な量は、疾患ステージ(例えば、ステージIとステージIV)、被験体の年齢、性別、医学的合併症(例えば、免疫抑制状態または疾患)および体重、ならびに被験体で所望の応答を引き起こすCoQ10の能力などの因子に従って変わり得る。投与レジメンを調整して、最適な治療応答をもたらすことができる。例えば、数回に分割した用量を1日1回投与することができ、または治療状況の要求により示される通りに、用量を比例して減少させることができる。
【0154】
本発明はまた、別の態様では、ヒトでの進行性腫瘍性障害を治療または予防する方法を提供する。これらの方法は、治療上有効な用量でヒトにコエンザイムQ10を静脈内投与して、進行性腫瘍性障害の治療または予防を生じさせるステップを含む。一実施形態では、これらの方法は、進行性が低いかもしくは進行性でない腫瘍性障害に対して使用または選択される投与レジメンと比較して少ない、選択された投与量で、ヒトにコエンザイムQ10を静脈内投与して、進行性腫瘍性障害の治療または予防を生じさせるステップを含む。一部の実施形態では、進行性腫瘍性障害としては、以下の疾患が挙げられる:膵臓癌、肝細胞癌、ユーイング肉腫、転移性乳癌、転移性黒色腫、脳腫瘍(星状細胞腫、膠芽細胞腫)、神経内分泌癌、大腸癌、肝臓癌、肺癌、骨肉腫、アンドロゲン非依存性膵臓癌、卵巣癌および非ホジキンリンパ腫。
【0155】
関連する態様では、本発明は、ヒトでの非進行性腫瘍性障害を治療または予防する方法を提供する。これらの方法は、治療上有効な用量でヒトにCoQ10を静脈内投与して、非進行性腫瘍性障害の予防または治療を生じさせるステップを含む。一実施形態では、これらの方法は、進行性腫瘍性障害に対して使用または選択される投与レジメンと比較して多い、選択された投与量で、ヒトにコエンザイムQ10を投与して、非進行性腫瘍性障害の治療または予防を生じさせるステップを含む。一部の実施形態では、非進行性腫瘍性障害には、非転移性乳癌、アンドロゲン依存性前立腺癌、小細胞肺癌および急性リンパ性白血病が含まれる。
【0156】
本発明の一部の実施形態では、腫瘍性障害の治療または予防は、CoQ10と、以下のタンパク質からなる群より選択されるタンパク質との相互作用を介して生じる:HNF4-α、Bcl-xl、Bcl-xS、BNIP-2、Bcl-2、Birc6、Bcl-2-L11 (Bim)、XIAP、BRAF、Bax、c-Jun、Bmf、PUMA、cMyc、トランスアルドラーゼ1、COQ1、COQ3、COQ6、プレニルトランスフェラーゼ、4-ヒドロベンゾエート、好中球細胞質因子2、一酸化窒素シンターゼ2A、スーパーオキシドジスムターゼ2、VDAC、Baxチャネル、ANT、チトクロムc、複合体1、複合体II、複合体III、複合体IV、Foxo 3a、DJ-1、IDH-1、Cpt1CおよびCamキナーゼII。一部の実施形態では、腫瘍性障害は、白血病、リンパ腫、黒色腫、癌腫(carcinoma)または肉腫からなる群より選択される。
【0157】
本発明の一部の実施形態では、腫瘍性障害は、白血病、リンパ腫、黒色腫、癌腫および肉腫からなる群より選択される。
【0158】
本発明の一部の実施形態では、本発明はさらに、外科手術、放射線照射、ホルモン療法、抗体療法、増殖因子を用いた療法、サイトカイン、および化学療法のうちいずれか1種またはそれらの組み合わせを含む治療レジメンを含む。
【0159】
得られるCoQ10ナノ粒子はまた、他の親油性薬物のための担体系として機能する。例えば、ビタミンAおよびK3を、その中に組み入れることができる。
【0160】
VI. 併用療法
一部の実施形態では、本発明の製剤(例えば、CoQ10 IV製剤)を、少なくとも1種の他の治療剤との併用療法で用いることができる。CoQ10および/またはその医薬製剤ならびに他の治療剤は、相加的に、またはより好ましくは、相乗的に作用し得る。一実施形態では、CoQ10および/またはその製剤を、別の治療剤の投与と同時に投与する。別の実施形態では、化合物および/またはその医薬製剤を、別の治療剤の投与の前またはそれに続いて投与する。一実施形態では、CoQ10と追加の治療剤とは、相乗的に作用する。一実施形態では、CoQ10と追加の治療剤とは、相加的に作用する。
【0161】
一実施形態では、本発明の治療方法は、1種以上の追加の薬剤(例えば、1種以上の治療剤)の投与をさらに含む。例えば、一実施形態では、本発明の治療方法での使用のための追加の薬剤は、化学療法剤である。
【0162】
化学療法剤は、一般的に、例えば、以下のクラスをはじめとする様々なクラスに属する:1. トポイソメラーゼII阻害剤(細胞毒性抗生物質)(アントラサイクリン/アントラセンジオン(例えば、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシンおよびネモルビシン)、アントラキノン(例えば、ミトキサントロンおよびロソキサントロン)およびポドフィロトキシン(例えば、エトポシドおよびテニポシド)など);2. 微小管形成に影響を及ぼす薬剤(分裂阻害剤)(植物アルカノイド(例えば、生物学的に活性かつ毒性である、植物由来のアルカリ性含窒素分子のファミリーに属する化合物)(例えば、タキサン(例えば、パクリタキセルおよびドセタキセル)およびビンカアルカロイド(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、およびビノレルビン))、ならびにポドフィロトキシンの誘導体など);3. アルキル化剤(ナイトロジェンマスタード、エチレンイミン化合物、スルホン酸アルキルおよびアルキル化作用を有する他の化合物(ニトロソ尿素、ダカルバジン、シクロホスファミド、イホスファミドおよびメルファランなど)など);4. 代謝拮抗剤(ヌクレオシド阻害剤)(例えば、葉酸塩(例えば、葉酸)、フルオロピリミジン(fiuropyrimidine)、プリンまたはピリミジンアナログ(5-フルオロウラシル、カペシタビン、ゲムシタビン、メトトレキサートおよびエダトレキサートなど));5. トポイソメラーゼI阻害剤(トポテカン、イリノテカン、および9-ニトロカンプトテシン、ならびにカンプトテシン誘導体など);ならびに6. 白金化合物/錯体(シスプラチン、オキサリプラチン、およびカルボプラチンなど)。本発明の方法での使用のための例示的な化学療法剤としては、限定するものではないが、以下の薬剤が挙げられる:アミホスチン(エチオール(ethyol))、シスプラチン、ダカルバジン(DTIC)、ダクチノマイシン、メクロレタミン(ナイトロジェンマスタード)、ストレプトゾシン、シクロホスファミド、カルムスチン(carrnustine)(BCNU)、ロムスチン(CCNU)、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、ドキソルビシンリポ(ドキシル)、ゲムシタビン(ジェムザール)、ダウノルビシン、ダウノルビシンリポ(ダウノキソーム)、プロカルバジン、マイトマイシン、シタラビン、エトポシド、メトトレキサート、5-フルオロウラシル(5-FU)、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ブレオマイシン、パクリタキセル(タキソール)、ドセタキセル(タキソテール)、アルデスロイキン、アスパラギナーゼ、ブスルファン、カルボプラチン、クラドリビン、カンプトテシン、CPT-I1、10-ヒドロキシ-7-エチル-カンプトテシン(SN38)、ダカルバジン、S-Iカペシタビン、フトラフール(ftorafur)、5’デオキシフルオロウリジン、UFT、エニルラシル(eniluracil)、デオキシシチジン、5-アザシトシン、5-アザデオキシシトシン、アロプリノール、2-クロロアデノシン、トリメトレキサート、アミノプテリン、メチレン-10-デアザアミノプテリン(MDAM)、オキサプラチン、ピコプラチン、テトラプラチン、サトラプラチン、白金-DACH、オルマプラチン、CI-973、JM-216、およびそれらの類似体、エピルビシン、リン酸エトポシド、9-アミノカンプトテシン、10,11-メチレンジオキシカンプトテシン、カレニテシン、9-ニトロカンプトテシン、TAS 103、ビンデシン、L-フェニルアラニンマスタード、イホスファミドメホスファミド、ペルホスファミド、トロホスファミド、カルムスチン、セムスチン、エポチロンA〜E、トムデックス(tomudex)、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、アムサクリン、リン酸エトポシド、カレニテシン(karenitecin)、アシクロビル、バラシクロビル、ガンシクロビル、アマンタジン、リマンタジン、ラミブジン、ジドブジン、ベバシズマブ、トラスツヅマブ、リツキシマブ、5-フルオロウラシル、カペシタビン、ペントスタチン、トリメトレキサート、クラドリビン、フロクスウリジン、フルダラビン、ヒドロキシ尿素、イホスファミド、イダルビシン、メスナ、イリノテカン、ミトキサントロン、トポテカン、ロイプロリド、メゲストロール、メルファラン、メルカプトプリン、プリカマイシン、ミトタン、ペガスパルガーゼ、ペントスタチン、ピポブロマン、プリカマイシン、ストレプトゾシン、タモキシフェン、テニポシド、テストラクトン、チオグアニン、チオテパ、ウラシルマスタード、ビノレルビン、クロラムブシル、シスプラチン、ドキソルビシン、パクリタキセル(タキソール)、ブレオマイシン、mTor、上皮増殖因子受容体(EGFR)および線維芽細胞増殖因子(FGF)ならびに特定の腫瘍または癌のケアの適切な標準に基づいて当業者に容易に明らかになるそれらの組み合わせ。
【0163】
別の実施形態では、本発明の併用療法での使用のための追加の薬剤は、生物学的薬剤である。
【0164】
生物学的薬剤(生物製剤(biologies)とも称される)とは、生物系(例えば、生物、細胞、または組み換え系)の生成物である。そのような生物学的薬剤の例としては、核酸分子(例えば、アンチセンス核酸分子)、インターフェロン、インターロイキン、コロニー刺激因子、抗体(例えば、モノクローナル抗体)、抗血管新生剤およびサイトカインが挙げられる。例示的な生物学的薬剤は、下記でより詳細に議論されており、一般的に、例えば以下のクラスをはじめとする様々なクラスに属する:1. ホルモン、ホルモン類似体、およびホルモン複合体(例えば、エストロゲンおよびエストロゲン類似体、プロゲステロン、プロゲステロン類似体およびプロゲスチン、アンドロゲン、副腎皮質ステロイド、抗エストロゲン、抗アンドロゲン、抗テストステロン、副腎ステロイド阻害剤、および抗黄体化ホルモン(anti-leuteinizing hormone);ならびに2. 酵素、タンパク質、ペプチド、ポリクローナルおよび/またはモノクローナル抗体(インターロイキン、インターフェロン、コロニー刺激因子など)。
【0165】
一実施形態では、生物製剤はインターフェロンである。インターフェロン(IFN)は、身体内で天然に存在する生物学的薬剤のタイプである。インターフェロンはまた、製造所でも製造され、生物療法で癌患者に投与される。インターフェロンは、癌患者の免疫系が癌細胞に対して作用する様式を改善することが示されている。
【0166】
インターフェロンは、癌細胞に直接的に作用してその増殖を遅らせることができ、または、癌細胞をより正常な挙動を示す細胞へと変化させることができる。一部のインターフェロンはまた、ナチュラルキラー(NK)細胞、T細胞、およびマクロファージを刺激することもでき、これらの細胞は癌細胞に対抗するのを助ける血流中の白血球のタイプである。
【0167】
一実施形態では、生物製剤はインターロイキンである。インターロイキン(IL)は、多くの免疫細胞の増殖および活性を刺激する。インターロイキンは、身体内で天然に存在するタンパク質(サイトカインおよびケモカイン)であるが、製造所でも製造することができる。
【0168】
一部のインターロイキンは、癌細胞を破壊するために機能するリンパ球などの免疫細胞の増殖および活性を刺激する。
【0169】
別の実施形態では、生物製剤はコロニー刺激因子である。
【0170】
コロニー刺激因子(CSF)は、骨髄中の幹細胞を活発化して、より多くの血液細胞を生成させるために、患者に投与されるタンパク質である。特に癌が存在する場合には、身体は、新規の白血球、赤血球、および血小板を絶え間なく必要とする。CSFは、免疫系を強化するのを助けるために、化学療法と並行して投与される。癌患者が化学療法を受けている場合、骨髄が新規の血球を生成する能力が抑えられ、患者をさらに感染症に罹りやすくする。免疫系の一部分は血球なしでは機能することができず、したがって、コロニー刺激因子が骨髄幹細胞を活発化して、白血球、血小板、および赤血球を生成させる。
【0171】
適正な細胞生成によって、他の癌治療は、患者がさらに高用量の化学療法を安全に受けることを可能にし続けることができる。
【0172】
別の実施形態では、生物製剤は抗体である。抗体(例えば、モノクローナル抗体)とは、癌細胞に結合する物質で、製造所で製造される。
【0173】
癌破壊物質が身体内に導入された場合、これらの物質は抗体を探し出し、癌細胞を殺す。モノクローナル抗体剤は、健康な細胞は破壊しない。モノクローナル抗体は、様々なメカニズムを介してその治療効果を達成する。モノクローナル抗体は、アポトーシスまたはプログラムされた細胞死をもたらすことに直接的な作用を有することができる。モノクローナル抗体は、成長因子受容体をブロックして、腫瘍細胞の増殖を効果的に停止させることができる。モノクローナル抗体を発現する細胞では、抗イディオタイプ抗体形成を引き起こすことができる。
【0174】
本発明の併用治療で用いることができる抗体の例としては、限定するものではないが、セツキシマブ、トシツモマブ、リツキシマブ、およびイブリツモマブなどの抗CD20抗体が挙げられる。抗HER2抗体もまた、癌の治療のために環境影響因子との組み合わせで用いることができる。一実施形態では、抗HER2抗体はトラスツズマブ(ハーセプチン)である。癌の治療のために環境影響因子との組み合わせで用いることができる抗体の他の例としては、抗CD52抗体(例えば、アレムツズマブ)、抗CD22抗体(例えば、エプラツズマブ)、および抗CD33抗体(例えば、ゲムツズマブ・オゾガマイシン)が挙げられる。抗VEGF抗体もまた、癌の治療のために環境影響因子との組み合わせで用いることができる。一実施形態では、抗VEGF抗体はベバシズマブである。他の実施形態では、生物学的薬剤は、抗EGFR抗体である抗体である(例えば、セツキシマブ)。別の例は、抗糖タンパク質17-1A抗体であるエドレコロマブである。多数の他の抗腫瘍抗体が当技術分野で公知であり、本発明に包含されることが当業者により理解されるであろう。
【0175】
別の実施形態では、生物製剤はサイトカインである。サイトカイン療法は、タンパク質(サイトカイン)を用いて被験体の免疫系がその癌性細胞を認識し、かつ破壊するのを助ける。サイトカインは、免疫系により身体内で天然に生成されるが、製造所で製造することもできる。この療法は、進行型黒色腫に用いられ、補助療法(主要な癌治療の後またはそれに加えて施される療法)と共に用いられる。サイトカイン療法は、身体のすべての部分に到達し、癌細胞を殺し、かつ腫瘍が増殖するのを防ぐ。
【0176】
別の実施形態では、生物製剤は融合タンパク質である。例えば、組み換えヒトApo2L/TRAIL(Genentech社)を、併用療法で用いることができる。Apo2/TRAILは、初めての二重プロアポトーシス受容体アゴニストであり、アポトーシス(プログラムされた細胞死)の調節に関与するプロアポトーシス受容体であるDR4およびDR5の両方を活性化するように設計されている。
【0177】
一実施形態では、生物製剤はアンチセンス核酸分子である。
【0178】
本明細書中で用いる場合、「アンチセンス」核酸は、タンパク質をコードする「センス」核酸に相補的な(例えば、二本鎖cDNA分子のコード鎖に相補的な、mRNA配列に相補的な、または遺伝子のコード鎖に相補的な)核酸配列を含む。したがって、アンチセンス核酸は、センス核酸と水素結合を形成することができる。
【0179】
一実施形態では、生物学的薬剤は、例えば、血管新生を促進する分子(例えば、bFGF、VEGFおよびEGFR)のsiRNA分子である。一実施形態では、血管新生を阻害する生物学的薬剤は、RNAiを介する。RNA干渉(RNAi)は、転写後遺伝子特異的サイレンシング技術であり、二本鎖RNA(dsRNA)を用いて、該dsRNAと同じ配列を含むメッセンジャーRNA(mRNA)を分解する(Sharp, P.A. and Zamore, P.D. 287, 2431-2432 (2000); Zamore, P.D., et al. Cell 101, 25-33 (2000). Tuschl, T. et al. Genes Dev. 13, 3191-3197 (1999); Cottrell TR, and Doering TL. 2003. Trends Microbiol. 11:37-43; Bushman F.2003. MoI Therapy. 7:9-10; McManus MT and Sharp PA. 2002. Nat Rev Genet. 3.737-47)。内在性リボヌクレアーゼが、長いdsRNAを、小分子干渉RNAまたはsiRNAと称されるより短いRNA(例えば、21または22ヌクレオチド長RNA)に切断した際に、プロセスが生じる。次に、該短いRNAセグメントが、標的mRNAの分解を媒介する。RNAi合成用のキットは、例えば、New England Biolabs社またはAmbion社から市販されている。一実施形態では、アンチセンスRNAでの使用のための1種以上の化学物質を、RNAiを媒介する分子に用いることができる。
【0180】
細胞内の特定のタンパク質の発現をダウンレギュレーションするためのアンチセンス核酸の使用は、当技術分野で周知である(例えば、Weintraub, H. et al., Antisense RNA as a molecular tool for genetic analysis, Reviews - Trends in Genetics, Vol. 1(1) 1986; Askari, F.K. and McDonnell, W.M. (1996) N. Eng. J. Med. 334:316- 318; Bennett, M.R. and Schwartz, S.M. (1995) Circulation 92:1981-1993; Mercola, D. and Cohen, J.S. (1995) Cancer Gene Ther. 2:47-59; Rossi, JJ. (1995) Br. Med. Bull. 51.217-225; Wagner, R.W. (1994) Nature 372:333-335を参照されたい)。アンチセンス核酸分子は、別の核酸分子(例えば、mRNA配列)のコード鎖に相補的なヌクレオチド配列を含み、したがって、他の核酸分子のコード鎖と水素結合を形成することができる。mRNAの配列に相補的なアンチセンス配列は、mRNAのコード領域、mRNAの5’もしくは3’非翻訳領域またはコード領域をつなぐ領域および非翻訳領域(例えば、5’非翻訳領域とコード領域との連結部)に見出される配列に相補的であり得る。さらに、アンチセンス核酸は、mRNAをコードする遺伝子の調節領域(例えば、転写開始配列または調節エレメント)に配列相補的であり得る。好ましくは、アンチセンス核酸は、コード鎖の開始コドンに先行するかもしくはそれに架かる領域またはmRNAの3’非翻訳領域内の領域に相補的となるように設計する。
【0181】
血管新生を促進する分子のコード鎖配列を考えると、本発明のアンチセンス核酸は、ワトソン・クリックの塩基対形成の規則に従って設計することができる。アンチセンス核酸分子はmRNAのコード領域全体に相補的であり得るが、より好ましくはmRNAのコード領域または非コード領域の一部分のみに対してアンチセンスであるオリゴヌクレオチドである。例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、mRNAの翻訳開始部位の周囲の領域に相補的であり得る。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、例えば、約5、10、15、20、25、30、35、40、45または50ヌクレオチド長であり得る。
【0182】
本発明のアンチセンス核酸は、当技術分野で公知の手順を用いて、化学合成および酵素的ライゲーション反応を用いて構築することができる。例えば、アンチセンス核酸(例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド)は、天然に存在するヌクレオチド、または分子の生物学的安定性を増大させるためもしくはアンチセンス核酸とセンス核酸との間で形成される二本鎖の物理的安定性を増大させるために設計された、様々に修飾されたヌクレオチド(例えば、ホスホロチオエート誘導体およびアクリジン置換ヌクレオチドを用いることができる)を用いて化学合成することができる。アンチセンス核酸を生成するために用いることができる修飾ヌクレオチドの例としては、以下のヌクレオチドが挙げられる:5-フルオロウラシル、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4-アセチルシトシン、5-(カルボキシヒドロキシルメチル)ウラシル、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウリジン、5-カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、β-D-ガラクトシルキューオシン、イノシン、N6-イソペンテニルアデニン、1-メチルグアニン、1-メチルイノシン、2,2-ジメチルグアニン、2-メチルアデニン、2-メチルグアニン、3-メチルシトシン、5-メチルシトシン、N6-アデニン、7-メチルグアニン、5-メチルアミノメチルウラシル、5-メトキシアミノメチル-2-チオウラシル、β-D-マンノシルキューオシン、5'-メトキシカルボキシメチルウラシル、5-メトキシウラシル、2-メチルチオ-N6-イソペンテニルアデニン、ウラシル-5-オキシ酢酸(v)、ワイブトキソシン(wybutoxosine)、シュードウラシル、キューオシン、2-チオシトシン、5-メチル-2-チオウラシル、2-チオウラシル、4-チオウラシル、5-メチルウラシル、ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル-5-オキシ酢酸(v)、5-メチル-2-チオウラシル、3-(3-アミノ-3-N-2-カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)w、および2,6-ジアミノプリン。細胞内での発現を阻害するために、1種以上のアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いることができる。あるいは、核酸がアンチセンス方向にサブクローニングされている発現ベクター(すなわち、挿入された核酸から転写されるRNAが、対象となる標的核酸に対してアンチセンス方向であろう。以下の項でさらに説明している)を用いて、アンチセンス核酸を生物学的に生成することができる。
【0183】
また別の実施形態では、本発明のアンチセンス核酸分子は、アノマー核酸分子である。a-アノマー核酸分子は、相補的RNAと特異的二本鎖ハイブリッドを形成し、この場合、通常のa単位とは異なり、鎖同士は互いに平行に走る(Gaultier et al. (1987) Nucleic Acids. Res. 15:6625-6641)。アンチセンス核酸分子はまた、2’-o-メチルリボヌクレオチド(Inoue et al. (1987) Nucleic Acids Res. 15:6131-6148)またはキメラRNA-DNAアナログ(Inoue et al. (1987) FEBS Lett. 215:327-330)も含むことができる。
【0184】
別の実施形態では、本発明のアンチセンス核酸は、RNAiを媒介する化合物である。RNA干渉性物質としては、限定するものではないが、標的遺伝子またはゲノム配列に対して相同であるRNA分子を含む核酸分子(「小分子干渉RNA」(siRNA)、「小分子ヘアピン」または「小分子ヘアピンRNA」(shRNA))、およびRNA干渉(RNAi)により標的遺伝子の発現を妨げるかまたは阻害する小分子が挙げられる。RNA干渉は、転写後遺伝子特異的サイレンシング技術であり、二本鎖RNA(dsRNA)を用いて、該dsRNAと同じ配列を含むメッセンジャーRNA(mRNA)を分解する(Sharp, P.A. and Zamore, P.D. 287, 2431-2432 (2000); Zamore, P.D., et al. Cell 101, 25-33 (2000). Tuschl, T. et al. Genes Dev. 13, 3191-3197 (1999))。内在性リボヌクレアーゼが、長いdsRNAを、小分子干渉RNAまたはsiRNAと称されるより短いRNA(例えば、21または22ヌクレオチド長RNA)に切断した際に、プロセスが生じる。次に、該短いRNAセグメントが、標的mRNAの分解を媒介する。RNAi合成用のキットは、例えば、New England Biolabs社およびAmbion社から市販されている。一実施形態では、アンチセンスRNAでの使用のための1種以上の上記化学物質を用いることができる。
【0185】
例えば、血管新生を阻害する分子をコードする核酸分子を、被験体の細胞内でのコードされたタンパク質の発現に好適な剤形で被験体に導入することができ、本発明の方法で用いることができる。血管新生を阻害する例示的な分子としては、限定するものではないが、TSP-I、TSP-2、IFN-g、IFN-a、アンジオスタチン、エンドスタチン、タムスタチン(tumastatin)、カンスタチン、VEGI、PEDF、バソヒビン(vasohibin)、およびプロラクチンの16kDa断片である2-メトキシエストラジオールが挙げられる(概説として、Kerbel (2004) J. Clin Invest 114:884を参照されたい)。
【0186】
例えば、標準的な分子生物学的技術を用いて、全長または部分的cDNA配列を組み換え発現ベクターにクローニングし、該ベクターを細胞にトランスフェクションする。cDNAは、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いた増幅により、または適切なcDNAライブラリをスクリーニングすることにより、取得することができる。標準的PCR法によるcDNAの増幅を可能にするPCRプライマーを設計するために、または標準的ハイブリダイゼーション法を用いてcDNAライブラリをスクリーニングするのに用いることができるハイブリダイゼーションプローブの設計のために、cDNAのヌクレオチド配列を用いることができる。cDNAの単離または増幅に続いて、DNA断片を好適な発現ベクターに導入することができる。
【0187】
本発明の方法での使用のための例示的な生物学的薬剤としては、限定するものではないが、以下の薬剤が挙げられる:ゲフィチニブ(イレッサ)、アナストラゾール、ジエチルスチルベストロール(diethylstilbesterol)、エストラジオール、プレマリン、ラロキシフェン、プロゲステロン、ノルエチノドレル(norethynodrel)、エチステロン(esthisterone)、ジメチステロン(dimesthisterone)、酢酸メゲストロール、酢酸メドロキシプロゲステロン、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、ノルエチステロン、メチルテストステロン、テストステロン、デキサメタゾン、プレドニゾン、コルチゾール、ソルメドロール、タモキシフェン、フルベストラント、トレミフェン、アミノグルテチミド(aminoglutethimide)、テストラクトン、ドロロキシフェン、アナストロゾール、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド、ゴセレリン、フルタミド、ロイプロリド、トリプトレリン、アミノグルテチミド、ミトタン、ゴセレリン、セツキシマブ、エルロチニブ、イマチニブ、トシツモマブ、アレムツズマブ、トラスツズマブ、ゲムツズマブ、リツキシマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、ベバシズマブ、デニロイキン・ディフティトックス、ダクリズマブ、インターフェロンα、インターフェロンβ、抗4-lBB、抗4-lBBL、抗CD40、抗CD154、抗OX40、抗OX40L、抗CD28、抗CD80、抗CD86、抗CD70、抗CD27、抗HVEM、抗LIGHT、抗GITR、抗GITRL、抗CTLA-4、可溶性OX40L、可溶性4-IBBL、可溶性CD154、可溶性GITRL、可溶性LIGHT、可溶性CD70、可溶性CD80、可溶性CD86、可溶性CTLA4-Ig、GVAX(登録商標)、および特定の腫瘍または癌に対するケアの適切な標準に基づいて当業者に容易に明らかになるそれらの組み合わせ。薬剤の可溶性形態は、例えば、Ig-Fc領域と薬剤を機能的に連結することにより、例えば、融合タンパク質として作製することができる。
【0188】
2種類以上の追加の薬剤(例えば、1、2、3、4、5種類)を、本発明のCoQ10製剤と組み合わせて投与することができることに留意すべきである。例えば、一実施形態では、2種類の化学療法剤を、CoQ10と組み合わせて投与することができる。別の実施形態では、化学療法剤、生物学的薬剤、およびCoQ10を投与する。
【0189】
様々な形態の生物学的薬剤を用いることができる。それらとしては、限定するものではなく、プロ型分子(proform molecule)、非荷電分子、分子複合体、塩、エーテル、エステル、アミドなどの、腫瘍に埋め込まれるか、注入されるかまたはその他の方法で挿入された場合に生物学的に活性化される形態が挙げられる。
【0190】
本発明は、以下の実施例によりさらに理解されるであろう。しかしながら、具体的な実験の詳細は単に例示的なものであり、その後に続く特許請求の範囲により定義される、本明細書中に記載される本発明を限定することを意味するものではないことを、当業者は容易に理解するであろう。本明細書の全体にわたって引用されたいかなる特許、特許出願、特許出願公開および引用文献は、その全体が参照により本明細書中に組み入れられる。
【実施例】
【0191】
以下の実施例は、CoQ10のコロイド分散液の調製のための例示的な製剤を提供する。
【0192】
実施例1 - 製剤CoQ10/DMPC/P188(4:3:0 - SOP4.1)
(a) 4gのCoQ10を65℃の水93mLに添加し、10分間混合してCoQ10/水混合物(M1)を形成させる;(b) 3gのDMPC(粉末)をM1に添加し、65℃にて10分間超混合し、CoQ10/水/DMPC混合物(M2)を形成させる;(c) 高せん断ミキサー(7,000rpm、65℃)を、2分間M2にかける;(d)マイクロフルイダイザーチャンバーを65℃に予熱する;(e) M2を65℃、28,000PSIにてマイクロフルイダイザーで処理する。
【0193】
実施例2 - 製剤CoQ10/DMPC/P188(4:2:0 - SOP4.2)
(a) 4gのCoQ10を65℃の水94mLに添加し、10分間混合して混合物M1を形成させる;(b) 3gのDMPC(粉末)をM1に添加し、65℃にて10分間超混合し、混合物M2を形成させる;(c)高せん断ミキサー(8,000rpm)を、65℃にて2分間M2にかける;(d)マイクロフルイダイザー処理チャンバーを65℃に予熱する;(e) M2を65℃、30,000PSIにて予熱したマイクロフルイダイザーで処理する。
【0194】
実施例3 - 製剤CoQ10/DMPC/P188(4:3:1 - SOP4.3)
(a) 4gのCoQ10を65℃の水92mLに添加し、10分間混合して混合物M1を形成させる;(b) 3gのDMPC(粉末)をM1に添加し、65℃にて10分間超混合し、混合物M2を形成させる;(c)高せん断ミキサー(8,000rpm)を、65℃にて2分間M2にかける;(d) 1gのP188(粉末)をM2に添加し、65℃にて10分間超混合して、混合物M3を形成させる;(e)次に、M3を高せん断ミキサー(8,000rpm)にかける;(f)マイクロフルイダイザーチャンバーを65℃に予熱する;(g)続いて、M3を65℃、30,000PSIにてマイクロフルイダイザーで処理する。
【0195】
実施例4 - 製剤CoQ10/DMPC/P188(4:2:1 - SOP4.4)
(a) 4gのCoQ10を65℃の水93mLに添加し、10分間混合して混合物M1を形成させる;(b) 2gのDMPC(粉末)をM1に添加し、65℃にて10分間超混合する;(c)高せん断ミキサー(8,000rpm)を、65℃にて2分間M2にかける;(d)次に、1gのP188(粉末)をせん断したM2混合物に添加し、65℃にて10分間超混合して、混合物M3を形成させる;(e)マイクロフルイダイザーを65℃に予熱する;(f)続いて、M3を65℃、30,000PSIにてマイクロフルイダイザーで処理する。
【0196】
実施例5 - 製剤CoQ10/DMPC/P188(4:3:1 - SOP4.4)
(a) 4gのCoQ10を65℃の水92mLに添加し、10分間混合して混合物M1を形成させる;(b)次に、3gのDMPC(粉末)をM1に添加し、65℃にて10分間超混合し、混合物M2を形成させる;(c)高せん断ミキサー(8,000rpm)を、65℃にて2分間M2にかける;(d) 1gのP188(粉末)をせん断したM2混合物に添加し、65℃にて10分間超混合して、混合物M3を形成させる;次に、マイクロフルイダイザー処理チャンバーを65℃に予熱する;続いて、混合物M3を65℃、30,000PSIにてマイクロフルイダイザーで処理する。
【0197】
実施例6 - 製剤CoQ10/DMPC/P188(4:1:0 - SOP4.4)
(a) 4gのCoQ10を65℃の水95mLに添加し、10分間混合して混合物M1を形成させる;(b) 1gのDMPC(粉末)をM1に添加し、10分間混合して混合物M2を形成させる;(c)高せん断ミキサー(8,000rpm)を、65℃にて2分間M2にかける;(c)マイクロフルイダイザー処理チャンバーを65℃に予熱する;(d)せん断したM2混合物を、65℃、30,000PSIにてマイクロフルイダイザーで処理する。
【0198】
実施例7 - 製剤CoQ10/DMPC/P188(4:1:1 - SOP4.4)
(a) 4gのCoQ10を65℃の水94mLに添加し、10分間混合して混合物M1を形成させる;(b) 1gのDMPC(粉末)をM1に添加し、10分間混合して混合物M2を形成させる;(c)高せん断ミキサー(8,000rpm)を、65℃にて2分間M2にかける;(d) 1gのP188(粉末)をせん断したM2混合物に添加し、65℃にて10分間超混合して、混合物M3を形成させる;(e)マイクロフルイダイザー処理チャンバーを65℃に予熱する;(f) M3混合物を65℃、30,000PSIにてマイクロフルイダイザーで処理する。
【0199】
実施例8 - 製剤CoQ10/DMPC/P188(4:3:0.5 - SOP4.4)
(a) 4gのCoQ10を65℃の水92mLに添加し、10分間混合して混合物M1を形成させる;(b) 3gのDMPC(粉末)をM1に添加し、10分間混合して混合物M2を形成させる;(c)高せん断ミキサー(8,000rpm)を、65℃にて2分間M2にかける;(d) 0.5gのP188(粉末)をせん断したM2混合物に添加し、65℃にて10分間超混合して、混合物M3を形成させる;(e)マイクロフルイダイザー処理チャンバーを65℃に予熱する;(f) M3混合物を65℃、30,000PSIにてマイクロフルイダイザーで処理する。
【0200】
実施例9 - 製剤CoQ10/DMPC/P188(4:3:1.5 - SOP4.4)
(a) 4gのCoQ10を65℃の水91.5mLに添加し、10分間混合して混合物M1を形成させる;(b) 3gのDMPC(粉末)をM1に添加し、10分間混合して混合物M2を形成させる;(c)高せん断ミキサー(8,000rpm)を、65℃にて2分間M2にかける;(d) 1.5gのP188(粉末)をせん断したM2混合物に添加し、65℃にて10分間超混合して、混合物M3を形成させる;(e)マイクロフルイダイザー処理チャンバーを65℃に予熱する;(f) M3混合物を65℃、30,000PSIにてマイクロフルイダイザーで処理する。
【0201】
実施例10 - 製剤CoQ10/DMPC/P188(4:2:1.5 - SOP4.4):
(a) 4gのCoQ10を65℃の水92mLに添加し、10分間混合して混合物M1を形成させる;(b) 2gのDMPC(粉末)をM1に添加し、10分間混合して混合物M2を形成させる;(c)高せん断ミキサー(8,000rpm)を、65℃にて2分間M2にかける;(d) 1.5gのP188(粉末)をせん断したM2混合物に添加し、65℃にて10分間超混合して、混合物M3を形成させる;(e)マイクロフルイダイザー処理チャンバーを65℃に予熱する;(f) M3混合物を65℃、30,000PSIにてマイクロフルイダイザーで処理する。
【0202】
図17から見て取れるように、製剤4:3:0 - SOP4.1混合物の処理により18回通過後に約50nmの粒径が得られ;製剤4:2:0 - SOP4.2は18回通過後に約60nmの粒径をもたらし;製剤4:1:0 - SOP4.4は18回通過後に約80nmの粒径をもたらした。
【0203】
混合物へのポロキサマー188(P188)の添加により、
図18に示した通り、製剤4:1:1 - SOP4.4が12回通過後に約80nmの粒径をもたらし;製剤4:2:1 - SOP4.4は12回通過後に約50nmの粒径をもたらし;製剤4:3:1 - SOP4.4は12回通過後に約40nmの粒径をもたらすこをが示される。したがって、DMPC/CoQ10比およびDMPC/P188比は、粒径の決定において決定的な因子である。いかなる特定の理論にも拘泥することを望まないが、P188がDMPC層を軟化させ、より小型の粒子の初期の形成を促進すると考えられる。
【0204】
一部の実施形態では、4:3および4:2のCoQ10/DMPC比は、P188の量を変えて調整した。
図19に示した通り、CoQ10/DMPC比が4:3である場合、最終的な粒径に対して、P188濃度の有意な影響はなかった。
【0205】
同様に、
図20で見られる通り、CoQ10/DMPC 4:2比に対するP188濃度の変更は、粒径に重要な影響を有しなかった。
【0206】
以下の実施例は、本明細書中に提供されたCoQ10のコロイド分散液のCoQ10 IV製剤の投与に関する使用および方法を明示する例示的実施例を提供する。
【0207】
実施例11 - コエンザイムQ10のpKの測定
39頭の雌SCID.CB17マウス(4〜6週齢)を、試験投与前3〜5日間順化させた。39頭のマウスを、投与日の前に測定した平均体重に基づいて各3頭の13群に分けた。第0日に、第1〜6群に、ポロキサマーを含まない本明細書中に記載された製剤(製剤1)の単回用量を投与した。第1〜6群に、製剤1のIV注射により100mg/kgを投与し、投与後2時間、4時間、8時間、12時間、24時間および36時間で、血漿および組織(脾臓、肝臓、膵臓、肺および脳)サンプルを採取した。第0日に、第7〜12群に、ポロキサマーを含む本明細書中に記載されたCoQ10製剤(製剤2)の単回用量を投与した。第7〜12群に、製剤2のIV注射により100mg/kgを投与し、投与後2時間、4時間、8時間、12時間、24時間および36時間で、血漿および組織(脾臓、肝臓、膵臓、肺および脳)サンプルを採取した。第13群には治療を施さなかった。
【0208】
LC/MS/MSを用いて、マウス血漿、肝臓、肺、脾臓、膵臓および脳でのCoQ10レベルを定量するために、生物学的アッセイを行なった。CoQ10は、IV投与36時間までで、マウス血漿について1〜600μg/mL、マウス組織について0.25〜100μg/mLで定量された。
図22および23は、血漿中のCoQ10製剤1の濃度プロファイルを示す。
図24および25は、血漿中のCoQ10製剤2の濃度プロファイルを示す。
図26および27は、それぞれ、製剤1および2についての肝臓濃度を示す。
図28および29は、それぞれ、製剤1および2についての肺濃度を示す。
図30および31は、それぞれ、製剤1および2についての脾臓濃度を示す。
図32および33は、それぞれ、製剤1および2についての膵臓濃度を示す。
図34および35は、それぞれ、製剤1および2についての脳濃度を示す。
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【0209】
本研究の結果は、製剤2(ポロキサマーを含む)と比較して、製剤1(ポロキサマーを含まない)について肝臓および脾臓でのコエンザイムQ10の蓄積がより多いことを示している。これらの結果は、ポロキサマーの非存在下での肝臓および脾臓による血液からのコエンザイムQ10のクリアランスがより多いこと、ならびにポロキサマーの存在下でのこれらの臓器による血液からのコエンザイムQ10のクリアランスがより小さいことを示唆し、オプソニン低減化剤としてのコエンザイムQ10製剤中のポロキサマーの役割と整合する。
【0210】
実施例12 - 肝臓癌に対するCoQ10 IV製剤の効果
肝臓腫瘍細胞の増殖を阻害する本発明のコエンザイムQ10製剤の能力を、動物モデルで検討した。24頭のFischer 344ラットに、悪性緑色腫の肝臓クローンを腹腔内注射した。次に、ラットを、各6頭の群に無作為化した。第1群は対照として機能し、3週間にわたって、月曜日、水曜日および金曜日に0.5mLのリン酸緩衝生理食塩水で処置した。第II群には、IP注射により、20mgのコエンザイムQ10の無菌ナノ分散液を投与した。この製剤は、PBS中に、重量当たり4%のコエンザイムQ10、3%のDMPC、および1.5%のポロキサマー188を含有していた。製剤は、3週間にわたって、月曜日、水曜日および金曜日に0.5mLの体積でIP注射により投与した。第III群には、35mg/kgのシクロホスファミドを1回投与した。第IV群には、3週間にわたって、月曜日、水曜日および金曜日に0.5mLで20mgの4:3:1.5 CoQ10製剤を投与した。さらに、第IV群には、35mg/kgのシクロホスファミドを1回投与した。
【0211】
対照群のすべての動物は、移植後第20日までに肝臓転移により死亡した。無菌4:3:1.5 CoQ10 IVナノ分散液製剤で治療した群(第II群)では、ラットのうち50%が生存し、無病のままであった。他の50%は、38日間以上生存した。化学療法のみで治療した群(第III群)では、1頭のラットは無病のままであったが、他の3頭のラットは第34日まで生存した。4:3:1.5 CoQ10 IV製剤および化学療法を施した群(第IV群)では、6頭のうち5頭のラットが無病のままであり、1頭は第38日まで生存した。
【0212】
4:3:1.5 CoQ10 IV製剤は、よりよい安全性プロフィールを示した。体重増加および行動から明らかなように、CoQ10を投与された動物では、副作用は観察されなかった。4:3:1.5 CoQ10 IV製剤単独では、化学療法単独よりも、単剤として顕著な有効性が示された。さらに、4:3:1.5 CoQ10 IV製剤を化学療法と組み合わせて用いた場合、生存率に対する効果は相乗的であり、83%の生存率をもたらした。
図35に、これらの結果を示す。
【0213】
結論として、CoQ10製剤により、化学療法と比較して改善された安全性、肝臓癌の治療での顕著な治療活性が示され、これは化学療法単独よりも有効であり、かつ肝臓癌の治療での化学療法との相乗的な治療活性が示された。
【0214】
実施例13 - 肝臓腫瘍に対するCoQ10 IV製剤の1日1回投与の有効性
7日齢Fischer 344ラットの群(n=30/群)に、悪性緑色腫の肝臓クローンを腹腔内注射した。最初の6時間後に、動物に20日間、腹腔内注射により1日1回、以下の治療を施した:非治療、生理食塩水対照、ビヒクル対照(DMPCおよびポロキサマー188、PBS中)、または4:3:1.5 CoQ10 IV製剤(0.5、2、5、10、25および50mg/kg/日)。死亡率は以下の通りであった:非治療対照および生理食塩水対照で30/30(第29日まで);0.5mg/kg/日で29/30(第29日まで);2mg/kg/日で27または28/30(第44日まで);5mg/kg/日で24/30(第55日まで);10mg/kg/日で21/30(第46日まで);25mg/kg/日で15/30(第46日まで);および50mg/kg/日で13/30(第53日まで)。生存率における用量に関連した上昇に加えて、4:3:1.5 CoQ10 IV製剤は、死亡が始まる日を延長し(すなわち、非処理対照および生理食塩水対照について概ね第15日に対して、2、5、10、25および50mg/kg/用量ではそれぞれ概ね第25日、第38日、第36日、第40日および第45日)、死亡率曲線の勾配を低下させた。
【0215】
実施例14 - 肺腫瘍に対するCoQ10 IV製剤の効果
肺腫瘍細胞の増殖を阻害する本発明のコエンザイムQ10製剤の能力を、動物モデルで検討した。24頭のFischer 344ラットに、悪性緑色腫の肺クローンを腹腔内注射した。次に、ラットを、各6頭の群に無作為化した。第1群は対照として機能し、3週間にわたって、月曜日、水曜日および金曜日に0.5mLのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で処置した。第II群には、20mgの4:3:1.5 CoQ10 IV製剤を投与し、この製剤は、4:3:1.5製剤中に40mg/mLの濃度で無菌ナノ分散液中にコエンザイムQ10を含有していた。製剤は、3週間にわたって、月曜日、水曜日および金曜日に0.5mLの体積でIP注射により投与した。第III群には、35mg/kgのシクロホスファミドをIP注射により1回投与した。第IV群には、20mgの4:3:1.5 CoQ10 IV製剤(第II群に用いたのと同じ製剤)を投与し、これは、3週間にわたって、月曜日、水曜日および金曜日に0.5mLの体積でIP注射した。さらに、第IV群には、35mg/kgのシクロホスファミドを1回投与した。
【0216】
対照群のすべての動物は、移植後第21日までに肺転移により死亡した。4:3:1.5 CoQ10 IV製剤で治療した群(第II群)では、ラットのうち50%が生存し、無病のままであった。他の50%は、40日間以上生存した。化学療法のみで治療した群(第III群)では、1頭のラットは無病のままであったが、4頭のラットは第35日まで生存した。1頭のラットは、対照範囲内に死亡し、したがって非応答とみなした。4:3:1.5 CoQ10 IV製剤および化学療法の併用治療を施した群では、6頭のうち6頭のラットが無病のままであった。
【0217】
4:3:1.5 CoQ10 IV製剤は、よりよい安全性プロフィールを示した。体重増加および行動から明らかなように、CoQ10を投与された動物では、副作用は観察されなかった。4:3:1.5 CoQ10 IV製剤単独では、化学療法単独よりも、単剤として顕著かつ大きな有効性が示された。4:3:1.5 CoQ10 IV製剤を化学療法と組み合わせて用いた場合、治療活性は相乗的であり、100%の生存率をもたらした。
図36に、これらの結果を示す。
【0218】
結論として、4:3:1.5 CoQ10製剤により、化学療法と比較して改善された安全性、肺癌の治療での化学療法単独よりも顕著かつ大きな治療活性が示され、肺癌の治療での化学療法との相乗的な治療活性が示された。
【0219】
実施例15 - CoQ10 IV製剤によるin vitroでの細胞のアポトーシスの誘導
3種類のアポトーシスアッセイ:(1)酸素消費速度(OCR)、(2)カスパーゼ3活性アッセイ、および(3)カスパーゼ3についてのウエスタンブロッティングアッセイを用いて、癌細胞に対するCoQ10 IV製剤の効果を確認した。
【0220】
酸素消費速度アッセイのために、Seahorse社の装置を用いて、細胞株での酸素消費速度を測定した。カスパーゼ3活性は、市販のキットを製造業者の説明書に従って用いて、比色法を用いて測定した。アポトーシスの指標としてのカスパーゼ3の発現の増加は、カスパーゼ3タンパク質の検出に特異的な抗体を用いてウエスタンブロッティング分析により測定した。
【0221】
OCRを測定値として用いて、2種類のCoQ10 IV製剤の効果を検討した。第1の製剤(ポロキサマーなし)は、4%のCoQ10;3%のDMPC;および93%の水を含有していた。第2の製剤(ポロキサマーを含む)は、4%のCoQ10;3%のDMPC;1.5%のポロキサマーP188;および91.5%の水を含有していた。OCRに対する2種類の製剤の効果は、各細胞株について、非処理「培地のみ」対照と比較して、処理の開始後6時間で評価した。50μMおよび100μMのCoQ10の最終濃度を、両方の製剤について用いた。
【0222】
図25〜28に示した通り、本研究の結果により、非常に癌性または転移性が高い細胞株が4:3:1.5 CoQ10 IV製剤処理に特に感受性であることが示されている。試験した細胞株の大多数が、4:3:1.5 CoQ10 IV製剤処理に感受性であるOCR値を有していた。CoQ10 IV製剤は、HepG2細胞(50および100μM)、MCF-7細胞(100μM)、PC-3細胞(50および100μM)およびPaCa2細胞(50および100μM)でOCRを減少させた。非転移性細胞株LnCapおよびHDFaなどの正常細胞株は、CoQ10 IV製剤に感受性でなかった。
【0223】
上記で用いたのと同じ2種類のCoQ10 IV製剤(第1の製剤は4%のCoQ10;3%のDMPC;および93%の水を含有し、第2の製剤は4%のCoQ10;3%のDMPC;1.5%のポロキサマーP188;および91.5%の水を含有していた)を用いた処理後の種々の細胞株で、カスパーゼ3レベルを測定した。具体的には、PC-3、HepG2、MCF-7、HDFaおよびMIAPACA2細胞を、CoQ10 IV製剤を用いて処理し、処理の24時間後に回収した。これらの細胞の全細胞ペレットを、ウエスタンブロットに用いた。10μgのタンパク質と同等のサンプル体積を、Lamelliローディングダイ(LDS)および水を用いて調製し、下記で詳述する通り、2枚の10レーンゲルで4〜12%Bis-Tris Novel NuPAGEゲル上で電気泳動した(1レーン当たり15μLをロード)。
【0224】
ゲル1(
図29および30)について、レーン1は培地のみで処理したMCF-7細胞由来のサンプルを含み、レーン2はポロキサマーを含まないCoQ10製剤を用いて処理したMCF-7細胞由来のサンプルを含み、レーン3はポロキサマーを含むCoQ10製剤を用いて処理したMCF-7細胞由来のサンプルを含み、レーン4は培地のみで処理したHDFa細胞由来のサンプルを含み、レーン5はポロキサマーを含まないCoQ10製剤を用いて処理したHDFa細胞由来のサンプルを含み、レーン6はポロキサマーを含むCoQ10製剤を用いて処理したHDFa細胞由来のサンプルを含み、レーン7は培地のみで処理したPaca2細胞由来のサンプルを含み、レーン8はポロキサマーを含まないCoQ10製剤を用いて処理したPaca2細胞由来のサンプルを含み、レーン9はポロキサマーを含むCoQ10製剤を用いて処理したPaca2細胞由来のサンプルを含み、レーン10は標準タンパク質サイズマーカーを含む。
【0225】
ゲル2(
図31および32)について、レーン1はタンパク質マーカーを含み、レーン2は培地のみで処理したPC3細胞由来のサンプルを含み、レーン3はポロキサマーを含まないCoQ10製剤を用いて処理したPC3細胞由来のサンプルを含み、レーン4はポロキサマーを含むCoQ10製剤を用いて処理したPC3細胞由来のサンプルを含み、レーン5は培地のみで処理したHepG2細胞由来のサンプルを含み、レーン6はポロキサマーを含まないCoQ10製剤を用いて処理したHepG2細胞由来のサンプルを含み、レーン7はポロキサマーを含むCoQ10製剤を用いて処理したHepG2細胞由来のサンプルを含み、レーン8はブランクであり、レーン9および10は両方ともタンパク質サイズマーカーを含む。
【0226】
200Vの電圧でNOVEX Xcell Surelockシステムを用いて、1×MOPSバッファーを用いて50分間、ゲルを電気泳動した。次に、35Vの電圧で、NOVEX Xcell Surelockウェットトランスファープロトコールを用いて1時間、ゲルをトランスファーした。Simply Blue Safestain(Invitrogen社、LC6065)を用いて5時間、ブロットを染色した。
【0227】
上記のサンプル中のカスパーゼ3およびβアクチンのレベルを測定するために、ウエスタンブロット分析を行なった。カスパーゼ3の検出のために、トランスファー後、各ブロットを2枚のWhatmanろ紙にはさみ、15〜20分間乾燥させた。ブロットを、メタノールで5秒間賦活化し、水で5分間洗浄し、TBSTで15分間洗浄した。ブロットを、室温にてTBS-T中の5%ブロッキング試薬を用いて1時間ブロッキングし、続いてTBS-Tで3回洗浄し(1×15分;2×それぞれ5分)、振盪しながら4℃で一晩インキュベートすることにより、5%BSA中(1:200希釈)のカスパーゼ3に対する一次抗体(Santacruz sc7272)を用いてプローブ付けした。
【0228】
カスパーゼ3に対する一次抗体との一晩のインキュベーション後、ブロットをTBS-Tで3回洗浄し(1×15分;2×それぞれ5分)、室温にて振盪しながら1時間、二次抗体(抗マウス;1:10,000希釈)を用いてプローブ付けした。ブロットをTBS-Tで3回洗浄し(1×15分;2×それぞれ5分)、ECF試薬と共に5分間インキュベートし、続いて各ブロットを5100 Fujiレーザースキャナー(25μM解像度、16bit、緑色レーザー、400Vおよび500V)を用いてスキャンした。
【0229】
サンプル中のアクチンを検出するために、メタノールと共に30分間インキュベートし、続いてTBS-Tを用いて10分間、2回洗浄し、次に50℃にてストリップバッファーと共に30分間インキュベートし、その後、各30分間、100mL超のTBS-Tで2回洗浄することにより、カスパーゼ3のブロットをストリッピングした。ブロットをレーザースキャナーでスキャンして、完全なストリッピングを確認した。ブロットを、メタノールで5秒間賦活化し、水で5分間洗浄し、TBSTで15分間洗浄した。ブロットを、室温にてTBS-T中の5%ブロッキング試薬を用いて1時間ブロッキングし、続いてTBS-Tで3回洗浄し(1×15分;2×それぞれ5分)、振盪しながら室温で1時間インキュベートすることにより、5%BSA中のアクチンに対する一次抗体(Sigma # A5316 clone AC 74)(1:5000希釈)を用いてプローブ付けした。
【0230】
アクチンに対する一次抗体とのインキュベーション後、メンブレンをTBS-Tで3回洗浄し(1×15分;2×それぞれ5分)、室温にて振盪しながら1時間、二次抗体(抗マウス;1:10,000希釈)を用いてプローブ付けした。ブロットをTBS-Tで3回洗浄し(1×15分;2×それぞれ5分)、ECF試薬と共に5分間インキュベートし、続いて各ブロットを5100 Fujiレーザースキャナー(25μM解像度、16bit、緑色レーザー、400Vおよび500V)を用いてスキャンした。
【0231】
ゲル1に対する最後のウエスタンブロットを、
図29(カスパーゼ3)および
図26(アクチン)に示し、ゲル2についてのブロットを
図31(カスパーゼ3)および
図32(アクチン)に示す。カスパーゼ3のレベルを定量化し、アクチンに対して標準化して、得られたデータを
図33〜36に示す。
【0232】
本研究の結果により、処理後24時間で、ポロキサマーを含むCoQ10製剤を用いて処理したPC3細胞(
図33)およびMiaPACA2細胞(
図34)で、標準化したカスパーゼ3タンパク質レベルの増大が観察されたことが示される。処理後24時間のHepG2細胞での非標準化カスパーゼ3タンパク質のレベルを、
図35に示す(これらのサンプルについてはアクチンが取得されなかったため)。HepG2の低い方のバンドでの増大は、高い方のバンドについてPACA2細胞(
図34)およびPC-3細胞(
図33)で観察されたのと非常に似通っている。HDFa細胞では低い方のバンドのみが検出され、このバンドの強度はCoQ10処理により減少し(
図36)、これはHepG2で高い方のバンドについて見られたパターン(
図35)と同様であった。まとめると、CoQ10を用いた処理に続いて、少なくともPACA2細胞およびPC-3細胞で、またHepG2細胞でももっともらしく、カスパーゼ3タンパク質レベルの上昇が観察され、このことはこれらの細胞でのアポトーシスの誘導を示唆した。正常細胞では、CoQ10 IV製剤に対する曝露に続いて、アポトーシスの誘導は観察されなかった。
【0233】
実施例16 - 膵臓癌腫細胞株に対するCoQ10 IV製剤の効果
膵臓細胞株であるMiaPACA2細胞を、NSGマウスに対して用いた。飼育されていた無菌環境でマウスを麻酔した。動物が外科的水準の麻酔状態に達したら、マウスを横たえて、腹部を触診した。膵臓は、胃の後ろで、胃と脾臓(両方とも触診可能な臓器である)の間に位置していた。その後、胃の後ろの領域に届くように動物を優しく取り扱うことにより、10×1065個の細胞を膵臓に注入した。これらの手順のすべてをバイオセーフティキャビネットにて無菌環境下で行ない、日和見感染を回避するために、動物を厳重な無菌環境下で飼育した。細胞の注入後、動物を毎日よく観察した。次に、動物を、異なる用量のCoQ10 IV製剤を投与される8群に無作為化した。第1群は未処置であり;第2群には生理食塩水のみを投与し;第3群には賦形剤対照を投与し;第4群には0.5mg/kgの本明細書中に記載した4:3:1.5 CoQ10 IV製剤を投与し;第5群には5mg/kgの本明細書中に記載した4:3:1.5 CoQ10 IV製剤を投与し;第6群には10mg/kgの本明細書中に記載した4:3:1.5 CoQ10 IV製剤を投与し;第7群には25mg/kgの本明細書中に記載した4:3:1.5 CoQ10 IV製剤を投与し;第8群には50mg/kgの本明細書中に記載した4:3:1.5 CoQ10 IV製剤を投与した。製剤は、28日間まで、1日おきに週3回の投与で、尾静脈から静脈内投与した。結果のまとめを、下記のグラフに示す(
図49〜56)。
【0234】
未処置対照群および生理食塩水治療対照群のすべての動物は、第21日までに死亡した。賦形剤治療動物は、第36日までに死亡した。CoQ10 IV製剤を用いた治療後に、用量に関連した死亡率の改善が記録された。0.5、5および10mg/kg/用量の投与量は、それぞれ、第31日、第41日および第56日までに完全な死亡率をもたらした。25および50mg/kg/用量では、完全な死亡率は観察されず、11頭中3頭の動物が生存した。5mg/kg/用量以上で生存率が有意に上昇し、これらの用量では健康状態が改善した。さらに、25および50mg/kg/用量では、生存動物のうちそれぞれ3頭および4頭が腫瘍を有していた。50mg/kgでのCoQ10 IV製剤とドキソルビシンとの同時投与は、生存率(ドキソルビシン群で30頭のうち0頭の生存と比較して、60日で30頭中25頭の動物が生存していた)ならびに腫瘍を有しない動物の数(CoQ10 IV製剤では25/30頭)での顕著な改善をもたらした。
【0235】
実施例17 - CoQ10 IV製剤と化学療法補助剤との併用療法
強力な化学療法剤であるドキソルビシンは、げっ歯類では、それ自体を腹腔内投与した場合に致死性である。CoQ10 IV製剤を、ドキソルビシンと組み合わせて投与した。
図45および46に示したグラフから見て取れる通り、ドキソルビシンを4:3:1.5 CoQ10 IV製剤との組み合わせで投与した場合、単独で投与した場合のドキソルビシンと比較して、げっ歯類の生存率が顕著に上昇した。
【0236】
図58で見られる通り、CoQ10 IVは相加的であるだけでなく、ドキソルビシンの毒性に対して保護的でもある。死亡率は統計学的に非常に有意に低く、第41日から始まる数頭の死亡のみであった。とはいえ、30頭のうち25頭の動物が第60日まで生存し続け、かつ癌を有さず、6頭の動物が第60日に小さな腫瘍を示していた。これらの知見は、投与したコエンザイムQ10製剤は、強力な補助効果を発揮したことを実証している。
【0237】
実施例18 - 乳癌に対するCoQ10の効果
別のin vitro研究では、2種類の乳癌細胞株(MCF-7およびSk-BR3)でのBcl-2ファミリーの種々のメンバー(bcl-2、bcl-xl、bid、bad、bak、mcl-1、bim、およびbax)、p53、およびカスパーゼ4、8、12に対するCoQ10(50および100μM)の効果を評価した。Bcl-2タンパク質ファミリーは、癌治療に対する抵抗性の取得への主要な寄与因子として関連づけられている。CoQ10は、アポトーシス促進メンバーおよびBH3サブファミリーメンバー(bid、bad、bax、bim、およびbak)のタンパク質発現をアップレギュレートし、アポトーシスを増加させ(カスパーゼ3、6および9の活性化により測定した場合)、正常乳房組織に対するいかなる有害作用も示さずに、乳癌でのアポトーシス可能性を回復させた。
【0238】
実施例19 - CoQ10 IV製剤の吸収/薬物動態
2種類のCoQ10 IV製剤のうち1種類の100mg/kgの静脈内投与後に、CoQ10 IV製剤の薬物動態を決定した(表16〜18)。製剤1はポロキサマー188を含有していなかったが、製剤2はポロキサマー188を含有していた。各製剤群には18頭の雌マウスがおり、投与後2、4、8、12、24および36時間でのサンプル採取のために、3頭のマウスを屠殺した。2種類の製剤に対して、血漿プロフィールには明らかな差異はなかった。約38時間のt
1/2値を測定した。3頭の未処置マウスの群では、測定可能な血漿濃度のCoQ10 IV製剤は検出されなかった。
【0239】
Sprague DawleyラットでのCoQ10 IV製剤についての薬物動態パラメータを、2回の毒性試験に対するトキシコキネティクス評価で測定した。Charles River研究番号第20000711号は、引き続く7日間の治療相を含む上昇用量研究であった。上昇用量相でのトキシコキネティクス評価(表18)のために、9頭の雄ラットおよび9頭の雌ラットの群に、100、250、750および1,000mg/kg CoQ10 IV製剤を単回ボーラス静脈内注入として投与した。複数用量相(表19)のために、9頭の雄ラットおよび9頭の雌ラットの群に、250または500mg/kg CoQ10 IV製剤をボーラス静脈内注入として、3日毎に7日間投与した。上昇用量相の間および複数用量相の第7日に、投与前、投与後5分および15分、ならびに1、4および24時間に、3頭の雄および3頭の雌のサブグループからサンプルを採取した。100、250または500mg/kgを投与された動物については、濃度のうちの多くが1mg/mL超であり、750または1,000mg/kgを投与された動物についてはほんのわずかが10mg/mL超であり、残りのサンプルの多くが1mg/mLであった。血漿プロフィールは、静脈内投与に典型的なものではなかった。C
maxおよびAUC
0-tは概ね用量と共に増大したが、例外があり、また静脈内投与で予想される明白な直線的用量依存性はなかった。t
1/2の推定値は0.8〜10.0時間であり、性別または用量に対する明らかな依存性はなかった。
【表16】
【表17】
【表18】
【表19】
【0240】
第2のラット毒性試験(Charles River研究番号第20000328号)では、CoQ10を、4週間にわたって週3回、1.0mL/分の速度で短時間静脈内注入として投与した。トキシコキネティクス評価のために、9頭の雄ラットおよび9頭の雌ラットの3群に、62.5、125、および250mg/kg CoQ10 IV製剤を投与した(表20)。第1日および第26日に、投与前、投与後5分および15分、ならびに1、4、24および48時間に、3頭の雄および3頭の雌のサブグループからサンプルを採取した。C
maxにより測定したCoQ10 IV製剤に対するピーク全身曝露、およびAUC
0-tにより測定した合計曝露は、用量の増大と共に上昇した。C
maxの増大は、用量と直線の関係に近く、AUC
0-tの増大は、用量比例数よりも若干大きかった。第1日と第26日の間に、C
maxおよびAUC
0-tは減少した。T
maxは、最初の2回のサンプル採取時間である0.083または0.25時間で生じた。t
1/2の小さな用量依存的増大が見られた可能性がある。明らかな性差はなかった。
【表20】
【0241】
ビーグル犬でのCoQ10 IV製剤についての薬物動態パラメータは、2回の毒性試験に対するトキシコキネティクス評価で決定した。Charles River研究番号第20000713号は、引き続く5〜7日間の治療相を含む上昇用量研究であった。試験の上昇用量相(表16〜18)では、2頭の雄イヌおよび2頭の雌イヌの1群に、単回ボーラス静脈内注入として、250mg/kgのCoQ10 IV製剤を投与した。研究の複数用量相(表19)では、2頭の雄イヌおよび2頭の雌イヌの1群に、ボーラス静脈内注入として、第1日、第3日および第5日に、125mg/kgのCoQ10 IV製剤を投与した。第5日の雄イヌについて、CoQ10 IV製剤の量は正確でなく、雄イヌには第7日に再投与した。上昇用量相の第1日ならびに複数用量相の第1日および第5日(雌)または第7日(雄)の投与後5および15分、ならびに1、4、および24時間に、血漿サンプルを採取した。C
maxおよびAUC
0-24により測定した曝露は、250mg/kgについて125mg/kgについてよりも約2倍高かった。250mg/kg(5.94〜8.16時間)では、125mg/kg(2.07〜4.87時間)よりも半減期が長い可能性がある。別の日の投与の間、雄イヌに対する第1日および第7日ならびに雌イヌに対して第1日および第5日について、パラメータは同様であった。薬物動態パラメータのいずれについても、一貫した性差はなかった。
【0242】
第2のイヌ毒性試験(Charles River研究番号第20000334号)では、CoQ10 IV製剤を、4週間にわたって週3回、5.0mL/分の速度で短時間静脈内注入として投与した。5頭の雄イヌおよび5頭の雌イヌの4群に、ビヒクル、31.25、62.5または125mg/kg CoQ10 IV製剤を投与した(表20)。第1日および第26日に、投与前、投与後5、15および30分、ならびに1、2、4、8および24時間に、血漿サンプルを採取した。C
max、AUC
0-t、およびAUC
0-∞は、両方のサンプル採取日で、両方の性別について用量と共に増大した。C
maxの増大は、第1日では用量に対する比例値よりも大きかったが、第26日には用量比例値に近かった。AUC
0-tの増大は、第1日および第26日の両方で用量に対する比例値よりも大きかったが、非直線性の程度は、第26日の方が小さかった。第1日と第26日の間で、低用量群および中程度用量群についての平均C
maxおよびAUC
0-tのわずかまたは小さな変化があり、このことは、比較的低用量の2群について、曝露にほとんど差がなかったことを示唆する。高用量群では、第1日と第26日の間で、平均C
maxおよびAUC
0-tの両方で減少が見られた。0.5時間のT
max値を有する1頭の高用量雌イヌを除いて、すべての他のT
max値は、最初または2回目のサンプル採取時間に生じた。両方の日の低用量群および中程度用量群ならびに第26日の高用量動物について、平均t
1/2値は1.91〜3.62時間であった。第1日の高用量雄イヌおよび雌イヌについて、平均t
1/2値は、それぞれ3.92時間および4.14時間であった。薬物動態パラメータのいずれについても、明らかな性差はなかった。
【0243】
亜成体マカクザルを用いて、非GLP 4週毒性試験を実施した(Mannheimer Foundation研究第2010-01号)。4頭のマカクザルの群に、4週間にわたって週3回、静脈内注射により、ビヒクル、31.25、62.5、または125mg/kgのCoQ10を投与した。トキシコキネティクス解析のための血漿サンプルを、投与前、ならびに投与の第1日の投与後0.25、1、6、24および48時間に採取した。第7日、第14日、第21日および第29日には、投与前サンプルは採取したが、投与後サンプルは採取しなかった。予備的結果は、用量を増加させるとC
maxおよびAUC
0-tが増大したことを示す。C
maxの増大は、直接的な用量比例値よりも若干大きかった。AUC
0-tの増大は、直接的な用量比例値よりも明らかにかなり大きかったが、非直線性はサンプル取得スケジュールを部分的に反映している可能性がある。1時間のT
maxを有する1頭の動物を除いて、T
maxは最初のサンプル採取時間(0.25時間)に生じた。6時間と24時間の間にサンプル採取時間がないので、t
1/2について確実な結論を導き出すことはできなかった。
【0244】
ラット、イヌおよびマカクザルでの4週毒性試験により、用量に伴うC
maxおよびAUC
0-tの増大が示された。一部の増大については非直線性が観察されたが、他の増大については直線性が観察された。両方の性別の動物を含むラットおよびイヌ試験では、薬物動態での明白な性差は明らかにならなかった。
【0245】
製剤1または2での100mg/kgのCoQ10の単回投与後に、マウスから、肝臓、肺、脾臓、膵臓および脳のサンプルを採取した(表21〜23)。肝臓、肺、脾臓および膵臓のサンプルは、投与後2、4、8、12、24および36時間で採取した。脳のサンプルは、投与後12、24および36時間で採取した。すべての組織サンプルを、治療していないマウスからも採取した。未治療マウス由来のサンプルのいずれも、測定可能なCoQ10濃度を有していなかった。投与後サンプルの結果は、製剤1および製剤2について同様であった。組織サンプルの結果により、肝臓および脾臓によるCoQ10 IV製剤の高率の取り込み、肺による中程度の取り込み、ならびに膵臓による非常にわずかな取り込みがあったことが示唆された。脳についての非常に限定されたデータにより、少なくとも12〜36時間で、血漿濃度と同程度の脳レベルの可能性が示唆された。
【表21】
【表22】
【表23】
【0246】
Charles River研究番号第20000328号では、0、62.5、125または250mg/kg/用量のCoQ10 IV製剤の4週間、週3回の静脈内投与の終了後約72時間で、ラットから、肝臓、肺、膵臓、および脳のサンプルを採取した(表21〜23)。対照群由来の組織のいずれでも、測定可能な濃度のCoQ10 IV製剤は見られなかった。投与後72時間では、肝臓での高濃度が見られ、これは概ね直線的に用量依存的であった。肺および膵臓での濃度は、肝臓よりも低かった。高用量雄ラットのうち2頭のみが、脳での検出可能な濃度のCoQ10 IV製剤を有し;他のすべてのラットは検出可能な濃度を有しなかった。組織濃度には明らかな性差はなかった。
【0247】
Charles River研究番号第20000334号では、0、31.25、62.5、または125mg/kg/用量のCoQ10の4週間、週3回の静脈内投与の終了後約72時間で、イヌから、肝臓、肺、膵臓、および脳のサンプルを採取した(表21〜23)。対照群由来の肺、膵臓または脳サンプルでは、検出可能な濃度のCoQ10 IV製剤は見られなかった。対照群の2頭の雄イヌは、肝臓サンプルで低レベルのCoQ10 IV製剤を有し、これは低レベルの内在性CoQ10 IV製剤を示唆する。投与後72時間では、CoQ10 IV製剤治療イヌ由来の肝臓サンプルでは、高い濃度が見られた。平均濃度は、概ね直線的に用量依存的であった。肺での濃度は、肝臓での濃度の1%未満であった。膵臓または脳サンプルのいずれも、検出可能な濃度を有しなかった。組織濃度には明らかな性差はなかった。
【0248】
図47には、雄/雌ラットおよびイヌに対する用量との関連でのCoQ10 IV製剤の平均肝臓濃度を示す。この図から、用量依存性はラットおよびイヌについて同様であり、いずれの動物種についても明らかな性差はないことが示される。
【0249】
ラットおよびイヌでの4週間毒性試験では、用量に伴うC
maxおよびAUC
0-tの上昇が示された。一部の上昇では非直線性が観察されたが、他の上昇では直線性が観察された。両方の性別を含むラット試験およびイヌ試験で、薬物動態に明白な性差は明らかにならなかった。
【0250】
マウスでの組織分布研究の結果から、肝臓および脾臓による高率の取り込み、肺による中程度の取り込み、および膵臓による非常にわずかな取り込みが示された。マウス脳についての非常に限定されたデータから、少なくとも12〜36時間で、血漿濃度と同程度の脳レベルの可能性が示唆された。ラットおよびマウスでの分布の既発表研究は、大まかには、マウスでのCoQ10 IV製剤の研究からの限定されたデータと一致する。
【0251】
4週間の治療期間の最終投与後72時間で採取した剖検サンプルは、肝臓での高濃度のCoQ10 IV製剤、肺での比較的低い濃度、膵臓での低い(ラット)かまたは測定不可能な(イヌ)濃度、および両方の動物種の脳での測定不可能なレベルを示した。平均肝臓濃度の用量依存性は、ラットおよびイヌで同様であった。組織濃度には明らかな性差はなかった。
【0252】
実施例20 - ラットでのCoQ10 IV製剤の単回投与毒性試験
ラットでの単回投与毒性試験で、Sprague-Dawleyラット(n=3頭/性別/群)に、100、250、750mg/kg(45.9mg/mL製剤を用いて)、ならびに750および1000mg/kg(80mg/mL製剤を用いて)で尾静脈からCoQ10製剤の単回IV注射を投与した(Charles River研究番号第20000711;表24)。投与後3日間、動物を観察した。追加の1群(3頭/性別)には、ビヒクルのみ(3%DMPCおよび1.5%ポロキサマー188)を投与した。追加の9頭/性別/群を同様に治療し、トキシコキネティクス試験のために用いた。評価したパラメータには、死亡率および治療に対する反応、精密検査、体重、摂餌量、血液学および臨床化学的パラメータ、総合的病状、ならびに臓器重量が含まれた。750mg/kg(45.9mg/mL)を除くすべての群の動物から、限定された数の組織(心臓、腎臓、肝臓、肺、膵臓、変色皮膚サンプル、リンパ節)に対して組織病理学検査を行なった。各投与の後に、トキシコキネティクスを評価した。
【表24】
【0253】
100および250mg/kg(45.9mg/mL製剤を用いて)で治療した動物は、単回投与後に明らかな被験物質に関連した効果を示さず、血液学データは概ね特徴がなかった。750および1000mg/kgの用量(80mg/mL製剤を用いた)は、死亡をもたらした(750mg/kgで各性別の2頭の動物および1000mg/kgで2頭の雌動物)。45.9mg/mL製剤を用いて750mg/kgを投与された1頭の雌動物も死亡した。これらの動物は、投与日には正常に見えたが、次の日には死亡した状態で見つかるか、切迫屠殺された。
【0254】
体重および摂餌量には一貫した影響はなかった。臨床化学データもまた、特筆すべきものでなかった。
【0255】
750および1000mg/kgでの剖検からの知見により、胸腔中の体液および変色肝が示され;100および250mg/kgではリンパ節の変色が認められた。死亡した750および100mg/kgで治療された動物からの組織病理学的評価により、胸腔内体液、注入部位病変および組織変色が明らかになった。750mg/kgで死亡した2頭の雄動物で腎糸球体でのフィブリン沈着が見られたが、1000mg/kgで死亡した2頭の雌動物では見られなかった。両方の用量で死亡した動物で、肺でのフィブリン沈着が見られた。750mg/kgで死亡した1頭の動物で、肝臓壊死が見られた。注入部位での血管炎症を除いて、これら2種類の用量での生存動物では、組織は概ね正常であった。ビヒクル処置動物の評価は、腎臓での好酸性結晶(1頭の雌動物)、肺での肺胞上皮過形成(1頭の雌動物)および膵臓のわずかな炎症(1頭の雌動物)を除いて、概ね特筆すべきものでなかった。これらの変化は、偶発的なものである可能性が高い。
【0256】
実施例21 - イヌでのCoQ10 IV製剤の単回投与毒性試験
ビーグル犬(n=1または2頭/性別)に、250および125mg/kgでの緩徐ボーラスIV注入として、注射用無菌CoQ10ナノ分散液の単回用量を投与した(Charles River Laboratories研究番号20000713;表24)。250mg/kg(6%DMPCおよび3%ポロキサマー188を含有するビヒクルを用いた)で観察された観測有意毒性を受けて、ビヒクルの影響の可能性を評価するために、追加のイヌの群を、ビヒクル(6%DMPCおよび3%ポロキサマー)、「完全」ビヒクル(3%DMPCおよび1.5%ポロキサマー188)、またはPBS/ポロキサマー(PBS中のDMPCの好適な製剤は調製できなかった)を用いて治療した。250mg/kg用量およびビヒクルに対する初期注入速度は、45.9mg/mLのCoQ10濃度の製剤に基づいて、5.44mL/kgとした。125mg/kgに対する注入速度は、35.6mg/mLのCoQ10濃度の製剤に基づいて、3.51mL/kgとした。評価したパラメータには、死亡率および治療に対する反応、精密検査、体重、摂餌量、血液学および生化学パラメータ、総合的病状、ならびに臓器重量および限定された組織病理学パラメータ(250mg/kg、ビヒクル、および完全ビヒクルを投与されたイヌ由来の心臓、腎臓、肝臓、肺、膵臓、変色皮膚)が含まれた。各投与後に、トキシコキネティクスを決定した。
【0257】
250mg/kgを投与された2頭の雄および2頭の雌は、顕著な有害臨床徴候により、第2日に切迫屠殺した。ビヒクルの考えられる役割を評価するために、1頭/性別の別の群にビヒクルを投与した。観察された応答は、250mg/kgで治療した動物で見られたのと同じ(切迫安楽死を含む)であり、このことは、この用量のビヒクルが、認められた効果のすべてではないが一部の原因であったことが示唆された。別の雄および雌動物に5.44mL/kgの同じ速度で完全ビヒクルを投与した場合に、このことが確認された。別の雄および雌イヌへのPBSおよびポロキサマー188の投与はそのような作用をもたらさず、このことから、高濃度の賦形剤を含むビヒクル製剤中のDMPCが、この作用を引き起こしている成分であることが示唆された。1頭/性別の第5群では、3.51mL/kgの減少させた投与体積を用いて、125mg/kgで薬物製剤を投与した。影響は嘔吐および軟便に限定され、動物は生存した。
【0258】
体重、摂餌量、臨床病理(溶血)、腎臓、消化管、胆嚢、および膀胱での総合的病状変化、ならびに腎臓および肝臓での溶血に整合する顕微鏡的変化は、250mg/kg、ビヒクルおよび完全ビヒクルを投与した動物のみで認められた。PBS/ポロキサマー188または125mg/kgを投与したイヌでは、知見は認められなかった。
【0259】
トキシコキネティクスデータにより、125mg/kg/用量と比較して250mg/kg/用量でのC
maxおよびAUCの用量比例的上昇および半減期の若干の延長が示された。
【0260】
実施例22 - ラットでのCoQ10 IV製剤の反復投与毒性試験
ラットでの1週間反復投与試験では、5頭のラット/性別の2群に、合計3用量にわたって、3日毎に250mg/kgおよび500mg/kgを投与した(Charles River Labortories研究番号20000711;表25)。評価したパラメータには、死亡率および治療に対する反応、精密検査、体重ならびに総合的病状(動物が死亡した際)が含まれた。組織病理学検査は、これらの動物には行なわなかった。治療の最終日にトキシコキネティクスを評価した。250mg/kg用量では、有害臨床徴候は見られなかった。500mg/kg/用量では、4頭の動物が死亡したかまたは瀕死状態で屠殺され;2頭の雄が第2日に死亡して見つかり、1頭の雌が第3日に切迫安楽死され(低体温および活動性低下の臨床徴候)、1頭の雌が第6日に死亡して見つかった。500mg/kg/用量での生存動物は、有害臨床徴候を示さなかった。両方の用量の動物が、第4日まで体重を概ね維持するか(雄動物)または増やし(雌動物)、その後、若干体重が減少した。血液学的データにより、500mg/kg/日での網状赤血球および種々の白血球タイプの増加が示された。両方の用量の一部の動物で、若干の多染性および赤血球不同が見られた。治療期間(3用量)の終了時には、500mg/kg/用量を投与した動物でALT、AST、GGTおよび尿素窒素についての値の上昇ならびに総タンパク質、アルブミンおよびグロブリンの減少が認められた。剖検では、リンパ節変色、皮膚の皮下層の変色および肝臓蒼白、ならびに注入部位病変が観察された。250mg/kg/用量の動物と比較して、胸腺、副睾丸、前立腺、精嚢、卵巣および子宮、ならびに雌動物での肝臓重量の増加が認められた。組織病理学検査は行なわなかった。
【0261】
トキシコキネティクスデータにより、全般的に、CoQ10の血漿濃度、C
maxおよびAUC
0-t値が、用量の増大に伴い増加したことが示された。これらの結果に基づいて、確定試験では、高用量として250mg/kg/用量を選択した。
【表25】
【0262】
実施例23 - ラットでのCoQ10 IV製剤の4週間反復投与毒性試験
若年成体Sprague Dawleyラット(n=10頭/性別/群)の4群に、週3回のIV注射により、ビヒクル(ポロキサマー188およびDMPC含有PBS)または0、62.5、125および250mg/kgの用量で被験物質を投与した(Charles River Labortories研究番号20000328;表26)。追加の5頭のラット/性別を各群に含め、2週間の回復期間の間、治療後に維持した。CoQ10の40mg/mLの目標濃度を含む被験物質の単一バッチ(#0494-02-021)が、本試験での使用のために提供された。62.5、125および250mg/kgの用量は、それぞれ、1.56、3.13および6.25mL/kgの投与体積を用いて実現した。ビヒクルは、高用量群と同じ投与体積で投与した。さらに、9頭の動物/性別の3群をトキシコキネティクス(TK)動物として用い、主試験群と同じ様式で被験物質を投与した。評価したパラメータには、症状観察(cageside observation)、臨床観察(clinical observation)、体重、摂餌量、眼科検査、臨床病理学評価(血液学、凝固試験、臨床化学、および尿検査)、総合的病状、および臓器重量が含まれた。組織病理学検査は、治療期間の終了時に屠殺された動物由来の対照群および高用量群のすべての組織について、ならびに低用量群および中用量群の動物由来の骨髄、腎臓、肝臓、下顎リンパ節および腸間膜リンパ節ならびに脾臓について行なった。回復屠殺からの動物の検査は、全体的病変を示した組織に限定され、肝臓およびリンパ節が含められた。被験物質の血漿濃度の測定のための血液サンプルは、第1日および第28日(最終投与後)の投与後5、15および60分ならびに4、24および48時間で、3頭のTK動物/性別/用量群のコホートから採取した。
【表26】
【0263】
すべての動物が、最終的な安楽死まで生存した。臨床所見、眼科パラメータ、血液学パラメータ、または尿検査パラメータに対する被験物質に関連した有害作用は観察されなかった。高用量で治療した動物について、体重増加の減少および摂餌量の減少が観察され、中程度の用量ではそれよりも少ない程度で観察された。非治療期間の終了時に、いくぶんかの回復が見られた。
【0264】
血液学データの評価により、赤血球パラメータの若干の一貫しない減少が明らかになり、これは主に高用量雄動物に限定されていた。網状赤血球は意味のある影響を受けなかった。活性化部分トロンボプラスチン時間は、高用量動物でいくぶんか長く、回復期間を通して持続する場合が多かった。総白血球カウントの上昇(好中球、好酸球またはリンパ球の増加に反映されてもいる)は、最高用量のみで見られた。臨床化学データにより、治療期間の終了時に、高用量雄動物に関して、AST、ALT、GGTおよびコレステロールについての増大した値が明らかになり、これは回復期間の終了時にはさらに明白となった。雌動物に関しては、増大は回復期の終了時にのみ見られた。
【0265】
剖検(最終的および回復)での、被験物質に関連した総合的変化には、62.5mg/kg/用量以上での肝臓の蒼白変色および複数のリンパ節の変色/肥大、125mg/kg/用量以上での脾臓の肥大、ならびに250mg/kg/用量での副腎蒼白、卵巣蒼白、および皮下皮膚変色が含まれた。脾臓および肝臓重量は、最終的剖検および回復剖検で、250mg/kg/用量で増加していた。
【0266】
第29日での計画的終了での被験物質に関連した組織病理学的知見には、副腎皮質のわずか〜軽度の細胞質空胞形成(250mg/kg/用量)、雄の胸骨の骨髄でのわずか〜軽度の過形成(≧125mg/kg/用量)、注入部位の軽度〜著明な単核細胞浸潤(250mg/kg/用量)、わずか〜軽度の肝細胞細胞質空胞形成(≧62.5mg/kg/用量)、肝臓のわずか〜中等度の組織球浸潤(≧62.5mg/kg/用量)、複数のリンパ節のわずか〜中等度の組織球浸潤(≧62.5mg/kg/用量)、雌の卵巣の軽度〜中等度の組織球浸潤(250mg/kg/用量の雌)、雌の真皮および/または皮下組織の軽度〜中等度の組織球浸潤(≧125mg/kg/用量)、ならびに雄(≧125mg/kg/用量)および雌(≧62.5mg/kg/用量)での脾臓のわずか〜中等度の組織球浸潤が含まれた。回復動物では、主試験動物で観察されたのと同様の被験物質関連病変が認められ;これらの変化の重症度は用量応答に従った。知見には、以下の変化が含まれた:≧62.5mg/kg/用量での副腎皮質のわずか〜著明な空胞形成(雄および雌)、≧125mg/kg/用量でのわずか〜中等度の巣状または多巣性肝臓壊死(雄および雌)、≧62.5mg/kg/用量での肝臓のわずか〜中等度の組織球浸潤および空胞形成(雄および雌)、≧62.5mg/kg/用量でのリンパ節のわずか〜中等度の組織球浸潤(雄および雌)、≧62.5mg/kg/用量での脾臓のわずか〜著明な組織球浸潤(雄および雌)、ならびに≧62.5mg/kg/用量での卵巣のわずか〜中等度の組織球浸潤(雌)。数種類の臓器/組織では、特に125および250mg/kg/用量で、回復動物で見られた変化の重症度が、最終的剖検でのものよりも明白であり、そのような臓器/組織には、副腎、肝臓、および追加のリンパ節(腸骨、腎臓、膵臓、頸部、膝窩、縦隔、および/または上腕)が含まれた。
【0267】
トキシコキネティクス解析により、C
maxおよびAUCが、用量比例または用量比例様式よりも大きく増大したことが明らかになった。第26日での値は、第1日の値と比較して顕著に低い。目立った性差はなかった。関連するデータの表形式表示を、以下に示す(表27)。
【表27】
【0268】
イヌでの1週間毒性試験では、2頭のイヌ/性別の1群に、合計3用量にわたって3日毎に125mg/kgを投与した(CHarles River Laboratories研究番号第20000713号、表25)。評価されたパラメータには、死亡率および治療に対する反応、精密検査、体重、摂餌量、心臓病学パラメータ、血液学および臨床化学パラメータ、臓器重量および総合的病状が含まれた。これらの動物に対しては、組織病理学検査は行なわなかった。トキシコキネティクスは、治療の最終日に評価した。
【0269】
治療期間の終了時での赤血球量および形態のわずかな減少を除いて、評価したパラメータのいずれについても、125mg/kg/用量では有害作用は見られなかった。
【0270】
トキシコキネティクスデータにより、CoQ10 IV製剤の血漿濃度、ならびにC
max、AUC
0-24およびAUC
0-∞の平均値は、投与された第1および第3の用量の間で同等であったことが示された。
【0271】
これらの結果に基づいて、125mg/kg/用量を、確定イヌ試験での高用量として選択した。
【0272】
イヌでの4週間反復投与試験では、4群のビーグル犬(n=3頭/性別/群)に、ビヒクルならびに31.25、62.5および125mg/kgの用量でCoQ10 IV製剤を含有する薬物製剤を、4週間にわたって毎日、IV注射により投与した(Charles River Laboratories研究番号第20000334号;表28)。追加の2頭のイヌ/性別を各群に含め、治療後の2週間の回復のために維持した。40mg/mLの単一被験物質濃度を、本試験での使用のために提供した。31.25、62.5および125mg/kgの用量は、それぞれ、0.78、1.56および3.13mL/kgの投与体積を用いて実現した。評価したパラメータには、症状観察(cageside observation)、臨床観察(clinical observation)、体重、摂餌量、眼科検査、心電図、臨床病理学検査、総合的病状、臓器重量、および組織病理学検査が含まれた。CoQ10 IV製剤の血漿濃度の測定のための血液サンプルは、投与前、ならびに第1日および第26日の投与後5、15、30および60分ならびに2、4、8および24時間で採取した。
【表28】
【0273】
すべての動物が、治療相の終了まで生存した。1頭の高用量雌イヌ(125mg/kg/日)を、回復相の第2週中に瀕死状態で屠殺した。死ぬ前の徴候としては、摂餌量の減少、体重減少、肝臓酵素の上昇、および剖検での肝臓外見の蒼白が含まれたが、この動物での組織の組織病理学評価の後に、決定的死因は決定されなかった。
【0274】
すべての他の動物では、臨床観察、体重、摂餌量、眼科検査および心電図検査、臨床病理学検査、顕微鏡検査、ならびに臓器重量パラメータでは、被験物質に関連した有害知見は観察されなかった。治療期間の終了時に、ビヒクルおよび高用量治療動物について、網状赤血球カウントの増加が認められ、これは回復期間の終了時には雄動物でしか持続していなかった。製剤化ビヒクルとの関連性は見いだせない。剖検では、顕微鏡観察は、中程度〜高用量群での肝臓の蒼白外見に限定され、この所見は回復剖検でも認められた。組織病理学検査では、肝臓以外のいずれの組織でも、形態学的変化は見られなかった。ビヒクル治療群を含めたすべての群で、肝細胞グリコーゲン沈着が明らかになった。これらの動物の肝臓では、有害変化は認められなかった。回復期間後には、これらの顕微鏡的変化は中程度〜高用量動物に限定された。
【0275】
トキシコキネティクス評価により、C
maxおよびAUCの増加(用量比例よりも大きい場合が多かった)を含んで、用量の増加に伴って曝露が増大したことが明らかになった。顕著な性差はなく、第26日での高用量動物についての値の減少を除いて、ほとんどの場合で曝露パラメータは第1日と第26日とで同様であった。関連するパラメータの表形式のまとめを以下に示す(表29)。
【表29】
【0276】
IX. 関連参照文献
本出願中で引用したすべての刊行物および特許文献は、それぞれの刊行物または特許文献がそうであると個別に記載されているのと同程度に、すべての目的のために関連部分が参照により組み入れられる。本明細書中の様々な参照文献の引用により、本出願人は、特定の参照文献がその開示に対して「先行技術」であることを認めるものではない。本明細書の開示を、その詳細な説明との関連で説明してきたが、上記の説明は、添付の特許請求の範囲により定義される本明細書の開示の範囲を例示するものであり、これを限定するものではないことが理解されるべきである。他の態様、利点、および改変が、以下の特許請求の範囲およびその等価物の範囲内に入る。
【0277】
すべての図面は、例示のために提供され、限定のために提供されるのではない。具体例を提供してきたが、説明は例示的なものであり、制限的なものではない。上述の実施形態のいずれかの1以上の特徴を、本明細書の開示の中のいずれかの他の実施形態の1以上の特徴と、いずれかの様式で組み合わせることができる。さらに、本明細書の開示の多数の変形が、本明細書の開示を振り返れば、当業者には明らかになるであろう。
【0278】
等価物
当業者は、慣用の試行錯誤以上のものを用いずに、本明細書中に記載された本発明の具体的実施形態の多数の等価物を認識するか、または解明することができるであろう。そのような等価物は、以下の特許請求の範囲に包含されると意図される。
(付記)
(付記1)
以下の成分:
水溶液;
分散されて粒子のコロイド状ナノ分散液を形成する疎水性活性薬剤;ならびに
分散安定化剤およびオプソニン化低減剤のうちいずれか1種類
を含む被験体への静脈内投与に好適な治療用製剤であって、活性薬剤のコロイド状ナノ分散液が、200nm未満の平均サイズを有するナノ分散粒子に分散されている、上記製剤。
(付記2)
分散安定化剤が、PEG化ヒマシ油、クレモホールEL、クレモホールRH 40、PEG化ビタミンE、ビタミンE TPGS、およびジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)からなる群より選択される、付記1に記載の製剤。
(付記3)
分散安定化剤がDMPCである、付記2に記載の製剤。
(付記4)
オプソニン化低減剤が、ポロキサマーおよびポロキサミンからなる群より選択される、付記1に記載の製剤。
(付記5)
オプソニン化低減剤がポロキサマー188である、付記4に記載の製剤。
(付記6)
疎水性活性薬剤がコエンザイムQ10(CoQ10)である、付記1に記載の製剤。
(付記7)
疎水性活性薬剤がCoQ10であり、オプソニン化低減剤がポロキサマー188であり、分散安定化剤がDMPCである、付記1〜6のいずれか1つに記載の製剤。
(付記8)
コロイド状ナノ分散液が懸濁液である、付記1に記載の製剤。
(付記9)
コロイド状ナノ分散液がエマルジョンである、付記1に記載の製剤。
(付記10)
コロイド状ナノ分散液の活性薬剤が結晶形態である、付記1に記載の製剤。
(付記11)
コロイド状ナノ分散液の活性薬剤が過冷却融液形態である、付記1に記載の製剤。
(付記12)
それぞれ4%、3%および1.5%のCoQ10、DMPCおよびポロキサマー188の体積当たり重量を有する、付記7に記載の製剤。
(付記13)
それぞれ8%、6%および3%のCoQ10、DMPCおよびポロキサマー188の体積当たり重量を有する、付記7に記載の製剤。
(付記14)
ナノ分散粒子の平均サイズが約10nm〜約200nmである、付記1に記載の製剤。
(付記15)
ナノ分散粒子の平均サイズが約10nm〜約100nmである、付記1に記載の製剤。
(付記16)
ナノ分散粒子の平均サイズが約30nm〜約80nmである、付記1に記載の製剤。
(付記17)
ナノ分散粒子の平均サイズが約35nm〜約40nmである、付記1に記載の製剤。
(付記18)
ナノ分散粒子の平均サイズが約45nm未満である、付記1に記載の製剤。
(付記19)
以下の成分:
水溶液;
分散されて粒子のコロイド状ナノ分散液を形成する疎水性活性薬剤;ならびに
分散安定化剤およびオプソニン化低減剤のうちいずれか1種類
を含む被験体への静脈内投与に好適な治療用製剤であって、活性薬剤のコロイド状ナノ分散液が、200nm未満のサイズを有するリポソームに分散されている、上記製剤。
(付記20)
リポソームが単膜である、付記19に記載の製剤。
(付記21)
リポソームが、二層の間の水性空間および該二層内の親油性空間を有する二層多重膜リポソームである、付記19に記載の製剤。
(付記22)
疎水性活性薬剤が、二層の親油性空間内に封入されている、付記21に記載の製剤。
(付記23)
多重膜リポソームが、二層の間の水性空間に封入された親水性薬剤をさらに含む、付記21に記載の製剤。
(付記24)
以下の成分:
水溶液;
分散されて粒子のコロイド状ナノ分散液を形成する疎水性活性薬剤;ならびに
DMPCおよびオプソニン化低減剤
を含む被験体への静脈内投与に好適な治療用製剤。
(付記25)
オプソニン化低減剤が、ポロキサマーおよびポロキサミンからなる群より選択される、付記24に記載の製剤。
(付記26)
オプソニン化低減剤がポロキサマー188である、付記24に記載の製剤。
(付記27)
疎水性活性薬剤がコエンザイムQ10(CoQ10)である、付記24に記載の製剤。
(付記28)
疎水性活性薬剤がコエンザイムQ10(CoQ10)であり、オプソニン化低減剤がポロキサマー188である、付記24に記載の製剤。
(付記29)
それぞれ4%、3%および1.5%のCoQ10、DMPCおよびポロキサマー188の体積当たり重量を有する、付記28に記載の製剤。
(付記30)
それぞれ8%、6%および3%のCoQ10、DMPCおよびポロキサマー188の体積当たり重量を有する、付記28に記載の製剤。
(付記31)
コロイド状ナノ分散液が懸濁液である、付記24に記載の製剤。
(付記32)
コロイド状ナノ分散液がエマルジョンである、付記24に記載の製剤。
(付記33)
コロイド状ナノ分散液の活性薬剤が結晶形態である、付記24に記載の製剤。
(付記34)
コロイド状ナノ分散液の活性薬剤が過冷却融液形態である、付記24に記載の製剤。
(付記35)
以下の成分:
水溶液;
分散されて粒子のコロイド状ナノ分散液を形成する疎水性活性薬剤;および
DMPC
を含む被験体への静脈内投与に好適な治療用製剤であって、活性薬剤のコロイド状ナノ分散液が、200nm未満の平均サイズを有するナノ分散粒子に分散されている、上記製剤。
(付記36)
疎水性活性薬剤がコエンザイムQ10(CoQ10)である、付記35に記載の製剤。
(付記37)
コロイド状ナノ分散液が懸濁液である、付記35に記載の製剤。
(付記38)
コロイド状ナノ分散液がエマルジョンである、付記35に記載の製剤。
(付記39)
コロイド状ナノ分散液の活性薬剤が結晶形態である、付記35に記載の製剤。
(付記40)
コロイド状ナノ分散液の活性薬剤が過冷却融液形態である、付記35に記載の製剤。
(付記41)
それぞれ4%および3%のCoQ10およびDMPCの体積当たり重量を有する、付記36に記載の製剤。
(付記42)
それぞれ8%および6%のCoQ10およびDMPCの体積当たり重量を有する、付記36に記載の製剤。
(付記43)
ナノ分散粒子の平均サイズが約10nm〜約200nmである、付記35に記載の製剤。
(付記44)
ナノ分散粒子の平均サイズが約10nm〜約100nmである、付記35に記載の製剤。
(付記45)
ナノ分散粒子の平均サイズが約30nm〜約80nmである、付記35に記載の製剤。
(付記46)
ナノ分散粒子の平均サイズが約35nm〜約40nmである、付記35に記載の製剤。
(付記47)
ナノ分散粒子の平均サイズが約45nm未満である、付記35に記載の製剤。
(付記48)
以下の成分:
水溶液;
分散されて粒子のコロイド状ナノ分散液を形成するCoQ10;
PEG化ヒマシ油、クレモホールEL、クレモホールRH 40、PEG化ビタミンE、ビタミンE TPGS、およびジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)からなる群より選択される分散安定化剤;ならびに
ポロキサマーおよびポロキサミンからなる群より選択されるオプソニン化低減剤
を含む被験体への静脈内投与に好適な治療用組成物であって、CoQ10のコロイド状ナノ分散液が、10nm〜100nmの平均サイズを有するナノ分散粒子に分散されている、上記製剤。
(付記49)
以下の成分:
水溶液;
分散されて粒子のコロイド状ナノ分散液を形成するCoQ10;
DMPC;および
ポロキサマー188
を含む被験体への静脈内投与に好適な治療用組成物であって、CoQ10のコロイド状ナノ分散液が、30nm〜80nmの平均サイズを有するナノ分散粒子に分散されている、上記製剤。
(付記50)
付記1に記載の治療用製剤の調製方法であって、
疎水性活性薬剤を65℃水浴に添加し、混合して、疎水性活性薬剤/水混合物を形成させるステップ;
疎水性活性薬剤/水混合物に分散安定化剤を添加し、65℃で混合して、疎水性活性薬剤/水/安定化剤混合物を形成させるステップ;
オプソニン化低減剤を添加して、疎水性活性薬剤/水/安定化剤/低減剤混合物を形成させるステップ;
マイクロフルイダイザーを65℃に予熱するステップ;および
65℃にてマイクロフルイダイザーで疎水性活性薬剤/水/安定化剤/低減剤混合物を混合することにより処理して、200nm未満の平均粒径を有する疎水性活性薬剤コロイド状ナノ分散液を形成させるステップ
によって、高圧ホモジナイゼーションにより疎水性活性薬剤を分散させることを含む、上記方法。
(付記51)
付記50に記載の方法により調製された付記1に記載の治療用製剤。
(付記52)
分散安定化剤が、PEG化ヒマシ油、クレモホールEL、クレモホールRH 40、PEG化ビタミンE、ビタミンE TPGS、およびジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)からなる群より選択される、付記50に記載の方法。
(付記53)
分散安定化剤がDMPCである、付記52に記載の方法。
(付記54)
オプソニン化低減剤が、ポロキサマーおよびポロキサミンからなる群より選択される、付記50に記載の方法。
(付記55)
オプソニン化低減剤がポロキサマー188である、付記54に記載の方法。
(付記56)
オプソニン化低減剤がポロキサマー188であり、分散安定化剤がDMPCである、付記50に記載の方法。
(付記57)
疎水性活性薬剤がCoQ10である、付記50に記載の方法。
(付記58)
疎水性活性薬剤がCoQ10であり、オプソニン化低減剤がポロキサマー188であり、分散安定化剤がDMPCである、付記50に記載の方法。
(付記59)
コロイド状ナノ分散液のCoQ10が過冷却融液の形態である、付記57または58に記載の方法。
(付記60)
製剤が、それぞれ4%、3%および1.5%のCoQ10、DMPCおよびポロキサマー188の体積当たり重量を有する、付記58に記載の方法。
(付記61)
製剤が、それぞれ8%、6%および3%のCoQ10、DMPCおよびポロキサマー188の体積当たり重量を有する、付記58に記載の方法。
(付記62)
10nm〜100nmの平均粒径を有する疎水性活性薬剤コロイド状ナノ分散液が形成される、付記50に記載の方法。
(付記63)
35nm〜40nmの平均粒径を有する疎水性活性薬剤コロイド状ナノ分散液が形成される、付記50に記載の方法。
(付記64)
約45nm未満の平均粒径を有する疎水性活性薬剤コロイド状ナノ分散液が形成される、付記50に記載の方法。
(付記65)
コロイド状ナノ分散液を凍結乾燥して、CoQ10コロイド状ナノ分散粒子を結晶化させるステップをさらに含む、付記50に記載の方法。
(付記66)
凍結保護剤を添加するステップをさらに含む、付記65に記載の方法。
(付記67)
凍結保護剤が糖質栄養素である、付記66に記載の方法。
(付記68)
糖質栄養素が、ラクトース、マンノース、マルトース、ガラクトース、フルクトース、ソルボース、ラフィノース、ノイラミン酸、グルコサミン、ガラクトサミン、N-メチルグルコサミン、マンニトール、ソルビトール、アルギニン、グリシンおよびスクロースからなる群より選択される、付記67に記載の方法。
(付記69)
被験体での腫瘍性障害を治療または予防する方法であって、付記1〜49のいずれか1つに記載の治療用製剤を被験体に静脈内投与して、腫瘍性障害の治療または予防を生じさせるステップを含む、上記方法。
(付記70)
静脈内投与が、被験体における治療対象の腫瘍性障害に対する有効性をもたらすために選択された用量で行われる、付記69に記載の方法。
(付記71)
腫瘍性障害が、進行性または転移性腫瘍性障害である、付記69に記載の方法。
(付記72)
進行性または転移性腫瘍性障害が、膵臓癌、肝細胞癌、ユーイング肉腫、転移性乳癌、転移性黒色腫、脳腫瘍(星状細胞腫、膠芽細胞腫)、神経内分泌癌、大腸癌、肺癌、骨肉腫、アンドロゲン非依存性前立腺癌、卵巣癌および非ホジキンリンパ腫からなる群より選択される、付記71に記載の方法。
(付記73)
腫瘍性障害が非進行性腫瘍性障害である、付記69に記載の方法。
(付記74)
非進行性腫瘍性障害が、非転移性乳癌、アンドロゲン依存性前立腺癌、小細胞肺癌および急性リンパ性白血病からなる群より選択される、付記73に記載の方法。
(付記75)
製剤が、約4%のコエンザイムQ10、3%のDMPCおよび1.5%のポロキサマー188を含む、付記69に記載の方法。
(付記76)
被験体での腫瘍細胞増殖を阻害する方法であって、付記1〜49のいずれか1つに記載の治療用製剤を被験体に静脈内投与して、腫瘍細胞増殖を阻害するステップを含む、上記方法。
(付記77)
静脈内投与が、被験体において腫瘍細胞増殖の阻害での有効性をもたらすために選択された用量で行われる、付記76に記載の方法。
(付記78)
製剤が、約4%のコエンザイムQ10、3%のDMPCおよび1.5%のポロキサマー188を含む、付記76に記載の方法。