特許第6861695号(P6861695)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6861695生産ラインを用いて軸受構成要素を製造する方法、生産ラインおよび生産設備
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6861695
(24)【登録日】2021年4月1日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】生産ラインを用いて軸受構成要素を製造する方法、生産ラインおよび生産設備
(51)【国際特許分類】
   F16C 33/64 20060101AFI20210412BHJP
   B24B 41/06 20120101ALI20210412BHJP
   B24B 19/06 20060101ALI20210412BHJP
   B24B 33/00 20060101ALI20210412BHJP
   F16C 33/58 20060101ALI20210412BHJP
【FI】
   F16C33/64
   B24B41/06 A
   B24B19/06
   B24B33/00
   F16C33/58
【請求項の数】16
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-501964(P2018-501964)
(86)(22)【出願日】2016年8月10日
(65)【公表番号】特表2018-532952(P2018-532952A)
(43)【公表日】2018年11月8日
(86)【国際出願番号】DE2016200365
(87)【国際公開番号】WO2017028855
(87)【国際公開日】20170223
【審査請求日】2019年8月7日
(31)【優先権主張番号】102015215624.9
(32)【優先日】2015年8月17日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】515009952
【氏名又は名称】シェフラー テクノロジーズ アー・ゲー ウント コー. カー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Schaeffler Technologies AG & Co. KG
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルフガング シュナーベル
(72)【発明者】
【氏名】ベノ シュテアツィンガー
(72)【発明者】
【氏名】デトレフ ショルツ
(72)【発明者】
【氏名】マーティン ルッツ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス シュミット
(72)【発明者】
【氏名】アンドレ クックーク
(72)【発明者】
【氏名】ヴェアナー ホイアー
(72)【発明者】
【氏名】クラウス ピヒル
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ゾイボルト
【審査官】 筑波 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−370142(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/121829(WO,A1)
【文献】 特開2002−039194(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/054772(WO,A1)
【文献】 特開2012−061566(JP,A)
【文献】 特表2015−506852(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第103506916(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 33/64
B24B 19/06
B24B 33/00
B24B 41/06
F16C 33/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生産ライン(1,1’,1a,1b)を用いて軸受構成要素を製造する方法であって、
前記生産ライン(1,1’,1a,1b)は、少なくとも1つの研削機械(2)と、少なくとも1つのホーニング機械(3)と、少なくとも1つのクリーニングユニット(4)と、搬送ユニット(5)とを有し、各軸受構成要素は、前記搬送ユニット(5)により前記生産ライン(1)を通して搬送され、各軸受構成要素の少なくとも1回の研削加工が、前記少なくとも1つの研削機械(2)により、各軸受構成要素の少なくとも1回のホーニングが、前記少なくとも1つのホーニング機械(3)により、各軸受構成要素の少なくとも1回のクリーニングが、前記少なくとも1つのクリーニングユニット(4)内で実施される、方法において、
前記少なくとも1つの研削機械(2)として立形研削機械(2a)を使用し、前記研削機械(2)、前記ホーニング機械(3)、及び前記クリーニングユニット(4)はコンベヤベルトの形態の前記搬送ユニット(5)によって連結され、各軸受構成要素を一定の水平面(E)上に横たえた状態で生産ライン(1,1’,1a,1b)を通して搬送することを特徴とする、生産ラインを用いて軸受構成要素を製造する方法。
【請求項2】
前記軸受構成要素は、軸受レース(20,30)、特に軸受外レースまたは軸受内レースとして形成され、前記研削加工は、第1の立形研削機械(2a)を用いた前記軸受レース(20,30)の内面研削のステップを含むことを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記軸受レース(20,30)は、軸受内レースとして形成され、前記研削加工は、別の立形研削機械(2a)を用いた前記軸受内レースの外面研削のステップをさらに含むことを特徴とする、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つのホーニング機械(3)を立形ホーニング機械(3a)として形成することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記生産ライン(1,1’,1a,1b)を、少なくとも1つの脱磁ユニット(6)をさらに有して形成し、前記軸受構成要素を、前記研削加工および/または前記ホーニング後、脱磁することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記軸受構成要素を、前記ホーニング後および/または前記脱磁後、前記少なくとも1つのクリーニングユニット(4)内でクリーニングすることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記生産ライン(1,1’,1a,1b)を、少なくとも1つの測定ユニット(7)を有して形成し、前記軸受構成要素を、前記研削加工前および/または前記研削加工後および/または前記ホーニング後、測定することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
前記軸受レース(20,30)は、10〜500mmの範囲、特に15〜460mmの範囲の直径を有することを特徴とする、請求項2、または請求項2を引用する請求項3から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
軸受構成要素、特に軸受レース(20,30)を製造する生産ライン(1,1’,1a,1b)であって、
少なくとも1つの研削機械(2)と、
少なくとも1つのホーニング機械(3)と、
少なくとも1つのクリーニングユニット(4)と、
送ユニット(5)と、
を備え、
前記軸受構成要素は、前記搬送ユニット(5)により前記生産ライン(1,1’,1a,1b)を通して搬送可能であり、搬送時、前記少なくとも1つの研削機械(2)、前記少なくとも1つのホーニング機械(3)および前記少なくとも1つのクリーニングユニット(4)に供給可能である、生産ライン(1,1’,1a,1b)において、
前記少なくとも1つの研削機械(2)は、立形研削機械(2a)であり、前記研削機械(2)、前記ホーニング機械(3)、及び前記クリーニングユニット(4)はコンベヤベルトの形態の前記搬送ユニット(5)によって連結され、各軸受構成要素を一定の水平面(E)上に横たえた状態で生産ライン(1,1’,1a,1b)を通して搬送すべく構成されることを特徴とする生産ライン。
【請求項10】
前記少なくとも1つのホーニング機械(3)は、立形ホーニング機械(3a)であることを特徴とする、請求項記載の生産ライン。
【請求項11】
前記軸受構成要素を脱磁する少なくとも1つの脱磁ユニット(6)をさらに備えることを特徴とする、請求項または請求項10記載の生産ライン。
【請求項12】
前記軸受構成要素を測定する少なくとも1つの測定ユニット(7)をさらに備えることを特徴とする、請求項9から11までのいずれか1項記載の生産ライン。
【請求項13】
請求項9から12までのいずれか1項記載の少なくとも2つの生産ライン(1,1’,1a,1b)と、少なくとも1つの操作通路(101)とを備え、各操作通路(101)の両側にそれぞれ1つの生産ライン(1a,1b)が配置されており、各生産ライン(1a,1b)の操作ユニットおよび表示ユニットは、互いに向かい合うように配置されている、生産設備(100)。
【請求項14】
前記軸受構成要素は、両生産ライン(1a,1b)を同じ前記水平面(E)上で通る、請求項13記載の生産設備。
【請求項15】
各操作通路(101)は、0.75〜1.5mの範囲の幅を有する、請求項13または請求項14記載の生産設備。
【請求項16】
少なくとも1つの組み立てステーション(9)をさらに備え、前記組み立てステーション(9)は、前記少なくとも2つの生産ライン(1a,1b)に後続して、前記少なくとも2つの生産ライン(1a,1b)に連結されており、前記生産ライン(1a,1b)由来の前記軸受構成要素を有する転がり軸受または滑り軸受(40)を最終組み立てするように構成されている、請求項13から15までのいずれか1項記載の生産設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生産ラインを用いて軸受構成要素を製造する方法であって、生産ラインは、少なくとも1つの研削機械と、少なくとも1つのホーニング機械と、少なくとも1つのクリーニングユニットと、少なくとも1つの搬送ユニットとを有し、各軸受構成要素は、少なくとも1つの搬送ユニットにより生産ラインを通して搬送され、各軸受構成要素の少なくとも1回の研削加工が、少なくとも1つの研削機械により、各軸受構成要素の少なくとも1回のホーニングが、少なくとも1つのホーニング機械により、各軸受構成要素の少なくとも1回のクリーニングが、少なくとも1つのクリーニングユニット内で実施される方法に関する。さらに本発明は、軸受構成要素を製造する生産ラインであって、少なくとも1つの研削機械と、少なくとも1つのホーニング機械と、少なくとも1つのクリーニングユニットと、少なくとも1つの搬送ユニットとを備え、軸受構成要素は、少なくとも1つの搬送ユニットにより生産ラインを通して搬送可能であり、搬送時、少なくとも1つの研削機械、少なくとも1つのホーニング機械および少なくとも1つのクリーニングユニットに供給可能である生産ラインに関する。さらに本発明は、2つのこの種の生産ラインを備える生産設備に関する。
【背景技術】
【0002】
上述の形態の方法および生産ラインは、既に公知であり、例えば軸受レースの形態の軸受構成要素を製造するのに用いられる。その際、生産ライン内の個々のステーション、例えば研削機械、ホーニング機械、クリーニングユニット等は、以下に略して生産ユニットと称する。その際、軸受構成要素は、生産ユニット内で処理され、次の生産ユニットに引き渡される。このとき、搬送ユニットが、例えば軸受構成要素を生産ユニットに供給し、軸受構成要素を生産ユニットに引き渡すこと、かつ/または軸受構成要素を生産ユニットから受け取り、軸受構成要素を搬送し、軸受構成要素を、生産ライン内の後続の生産ユニットに引き渡すことを担う。さらに、生産ユニットを通した軸受構成要素の搬送も、少なくとも1つの搬送ユニットにより実施することができる。これにより、搬送ユニットは、生産ユニットの構成部分であってもよいし、別体のユニットとして形成されていてもよい。一般的には、様々な構造形態のものがあり様々な役割を果たさねばならない生産ユニットが複数、生産ライン内で互いに接続される。このことは、寸法が互いに異なっていて、軸受構成要素のための供給平面および排出平面が互いに異なっていて、さらには軸受構成要素の通走時間が互いに異なっている複数の生産ユニットが、直列に接続されねばならないことを意味する。生産ラインを組む際にこのことから生じる問題は、一般に、少なくとも1つの搬送ユニットが、特に、互いに連結された連続する生産ユニット間の高低差の橋渡しをし、軸受構成要素を、後続の生産ユニットのために必要とされる姿勢へと、例えば裏返したり、回転させたり、傾倒させたりなどすることによってもたらすとともに、引き続きすぐには処理できない軸受構成要素のためのバッファを提供するように構成され、使用されることによって解決される。生産ライン内での軸受構成要素のこの取り回しは、手間またはコストを要し、さらには、軸受構成要素が絶えず機械的干渉を被ることを意味する。そのため、軸受構成要素は、例えばグリッパにより把持されたり、ランプ上を転動されたり、シュート上を滑動されたり、リフト装置内で上方に搬送されたりなどすることによって、互いに接触したり衝突したりしてしまう。
【0003】
このような方法では、軸受構成要素の表面品質および寸法安定性または達成可能な公差の面で影響があることが判っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
それゆえ、本発明の課題は、この点について改善された、生産ラインを用いて軸受構成要素を製造する方法を提供することである。さらに、本発明の課題は、寸法安定性の高い軸受構成要素を製造する生産ラインまたは生産設備を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題は、生産ラインを用いて軸受構成要素を製造する方法であって、生産ラインは、少なくとも1つの研削機械と、少なくとも1つのホーニング機械と、少なくとも1つのクリーニングユニットと、少なくとも1つの搬送ユニットとを有し、各軸受構成要素は、少なくとも1つの搬送ユニットにより生産ラインを通して搬送され、各軸受構成要素の少なくとも1回の研削加工が、少なくとも1つの研削機械により、各軸受構成要素の少なくとも1回のホーニングが、少なくとも1つのホーニング機械により、各軸受構成要素の少なくとも1回のクリーニングが、少なくとも1つのクリーニングユニット内で実施される方法において、少なくとも1つの研削機械として立形研削機械を使用し、各軸受構成要素を、一定の一水平面上に横たえた状態で、生産ラインに通すことによって解決される。
【0006】
上記課題は、軸受構成要素、特に軸受レースを製造する生産ラインであって、少なくとも1つの研削機械と、少なくとも1つのホーニング機械と、少なくとも1つのクリーニングユニットと、少なくとも1つの搬送ユニットとを備え、軸受構成要素は、少なくとも1つの搬送ユニットにより生産ラインを通して搬送可能であり、搬送時、少なくとも1つの研削機械、少なくとも1つのホーニング機械および少なくとも1つのクリーニングユニットに供給可能である生産ラインにおいて、少なくとも1つの研削機械は、立形研削機械であり、生産ラインは、軸受構成要素が一定の一水平面上で生産ラインを通るように形成されていることによって解決される。
【0007】
軸受構成要素に作用する機械的干渉の回数が減れば、軸受構成要素の寸法安定性の顕著な改善が達成可能であることが判っている。その際、特に、軸受構成要素を一定の一水平面上で生産ラインを通して搬送することが、得たい寸法安定性と、所望の小さな公差とに関して特に効果的であることが判っている。その際、±10cmまで、特に±5cmまでの軸受構成要素の重心の高さ位置の移動は、なおも一定の一水平面内での搬送と見なされる。ただし、このためには、このような方法も可能にする生産ユニットが使用されねばならない。本発明において、少なくとも1つの研削機械が立形研削機械により提供されることが必要であることが判っている。この種の立形研削機械は、軸受構成要素が一定の一水平面上で生産ラインを通る生産ラインに組み込まれる。軸受構成要素間の接触の減少も達成可能であり、軸受構成要素の寸法安定性および公差にポジティブに作用する。軸受構成要素を一定の水平面上で生産ラインを通して搬送すれば、グリッパ、ランプおよびシュートは、大部分省略可能である。
【0008】
本発明に係る方法による軸受構成要素、例えば軸受レース、転動体、転がり軸受ケージ等を有して製造される転がり軸受は、小さい軸受公差、高い寸法安定性および特に高い動作静粛性を有する。
【0009】
その際、軸受構成要素として、特に軸受レース、特に軸受外レースまたは軸受内レースが形成され、研削加工は、第1の立形研削機械を用いた軸受レースの内面研削のステップを含む。軸受レースが、軸受内レースとして形成される場合、研削加工は、好ましくは、別の立形研削機械を用いた軸受内レースの外面研削のステップをさらに含む。その際、製造過程において、特に、軸受内レースにおいて、まず、外面研削による加工(軸受内レースの軌道の研削に相当)を行い、続いて内面研削による加工(軸受内レースの孔の研削に相当)を行う加工手順も可能であるし、まず、内面研削による加工を行い、続いて外面研削による加工を行う加工手順も可能である。その点において、第1の立形研削機械および別の立形研削機械の順番は、生産ライン内で任意に選択可能である。
【0010】
本方法または本生産ラインの好ましい一構成では、少なくとも1つのホーニング機械は、立形ホーニング機械として形成されている。このような立形ホーニング機械は、立形研削機械を備える生産ライン内に理想的な形で組み込まれ、同じく軸受構成要素を一定の一水平面上で生産ラインを通して搬送することを可能にする。立形研削機械と立形ホーニング機械との間の接続は、好ましくはコンベヤベルトの形態の搬送ユニットを介して形成される。代替的に、ホーニング機械内に組み込まれた搬送ユニットと、立形研削機械内に組み込まれた別の搬送ユニットとが、これらの生産ユニットを接続するために使用されてもよい。
【0011】
好ましくは、本方法で使用される生産ラインは、少なくとも1つの脱磁ユニットをさらに有して形成され、軸受構成要素は、研削加工および/またはホーニング後、脱磁される。したがって生産ラインは、好ましくは、軸受構成要素を脱磁する少なくとも1つの脱磁ユニットをさらに有する。脱磁ステップは、加工された軸受構成要素を徹底的にクリーニングし、付着した金属の粒子または切り屑を取り除くことを可能にする。
【0012】
軸受構成要素は、好ましくはホーニング後および/または脱磁後、少なくとも1つのクリーニングユニット内でクリーニングされる。これは、軸受構成要素を清浄化するために用いられ、このとき、付着した金属の粒子または切り屑、潤滑油、切削剤、汚れ等の除去が実施される。その際、クリーニングユニットは、好ましくは、洗浄ユニットおよび/またはガス噴射クリーニング設備を有する。
【0013】
本方法で使用される生産ラインは、特に、少なくとも1つの測定ユニットを有して形成され、軸受構成要素は、研削加工前および/または研削加工後および/またはホーニング後、測定される。したがって生産ラインは、好ましくは、軸受構成要素を測定する少なくとも1つの測定ユニットをさらに有する。この種の測定ユニット、特に立形研削機械の下流に配置される測定ユニットは、後続の生産ユニットのパラメータへの制御介入と、特に高い寸法安定性の達成とを可能にする。
【0014】
生産ライン内で使用される生産ユニットの順番は、決まったものではなく、必要に応じて選択可能である。そのため、特に下記の順序で生産ユニットは存在し得るが、これらは例にすぎない:
a)第1の立形研削機械−少なくとも1つの別の立形研削機械−立形ホーニング機械−測定ユニット−脱磁ユニット−クリーニングユニット
b)第1の立形研削機械−少なくとも1つの別の立形研削機械−測定ユニット−立形ホーニング機械−測定ユニット−別の立形ホーニング機械−脱磁ユニット−クリーニングユニット
c)クリーニングユニット−立形研削機械−立形ホーニング機械−クリーニングユニット−測定ユニット−脱磁ユニット−クリーニングユニット。
【0015】
多数の別の有意義な順序が、上述の生産ユニットの使用下で可能であり、生産ユニット間の引き渡しは、別体のかつ/または生産ユニット内に組み込まれた単数または複数の搬送ユニットを介して実施可能である。
【0016】
軸受レースの形態の軸受構成要素は、好ましくは、10〜500mmの範囲、特に15〜460mmの範囲の直径を有して製造される。
【0017】
本発明に係る方法および本発明に係る生産ラインには、別の生産ユニットが含まれていてもよい。別の生産ユニットの例は、好ましくは、以下のユニットの少なくとも1つである:フライス機械、旋削機械、ラップ機械、ボール機械、パンチユニット、プレスユニット、熱処理ユニット、乾燥ユニット、自動式の供給ユニットおよび/または少なくとも1つの自動式の包装ユニット、自動式の測定ユニットおよび制御ユニット。
【0018】
少なくとも2つの本発明に係る生産ラインと、少なくとも1つの操作通路とを備え、各操作通路の両側にそれぞれ1つの生産ラインが配置されており、各生産ラインの操作ユニットおよび表示ユニットは、互いに向かい合うように配置されている生産設備は、実証されている。
【0019】
生産設備が、軸受内レースを生産する第1の生産ラインと、軸受外レースを生産する第2の生産ラインとを備える場合、各生産ラインの端部において、それぞれ1つの軸受内レースと軸受外レースとが直接引き合わされ、次いで完全な転がり軸受または滑り軸受の組み立てを実施することができる。
【0020】
特に軸受構成要素は、生産設備の両生産ラインを同じ水平面E上で通る。このことは、異なる生産ラインから出た加工し終えた軸受構成要素を上述のように引き合わせることを容易にする。
【0021】
生産設備内では、各操作通路が0.75〜1.5mの範囲の幅を有しているとき、実証されている。
【0022】
特に生産設備が、少なくとも1つの組み立てステーションをさらに備え、組み立てステーションが、少なくとも2つの生産ラインに後続して、これら少なくとも2つの生産ラインに連結されており、生産ライン由来の軸受構成要素を有する転がり軸受または滑り軸受を最終組み立てするように構成されていると、有利である。生産された軸受構成要素の中間貯蔵は省略され、ひいては、例えば中間貯蔵部またはバッファにおいて必要な機械的干渉、例えば完成した軸受構成要素同士の接触によって、生産された軸受構成要素の寸法安定性が再び損なわれる危険もなくなる。
【0023】
図1ないし6は、本発明に係る方法ならびに本発明に係る生産ラインおよび生産設備を例示するものである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】生産ラインの正面図である。
図2】立形研削機械の部分概略図である。
図3】立形研削機械の研削装置内での軸受構成要素の加工を示す図である。
図4】搬送ユニットを有する生産ユニットを示す図である。
図5図4に示した生産ユニットが3つ連結された別の生産ラインを示す図である。
図6】2つの生産ラインを備える生産設備を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、軸受構成要素、特に軸受レース20を製造する生産ライン1を正面図で示しており、生産ライン1は、研削機械2、ホーニング機械3、クリーニングユニット4および搬送ユニット5を備える。さらに、ホーニング機械3とクリーニングユニット4との間には、測定ユニット7および脱磁ユニット6が存在している。軸受構成要素は、搬送ユニット5により生産ライン1を通して搬送され、搬送時、相前後して研削機械2、ホーニング機械3、測定ユニット7、脱磁ユニット6およびクリーニングユニット4に供給される。本発明では、研削機械2は、立形研削機械2aとして形成されている。ホーニング機械3は、本実施の形態では、立形ホーニング機械3aとして形成されている。さらに、生産ライン1は、軸受構成要素が、一定の一水平面E上に横たわった状態で、生産ライン1を通るように形成されている。搬送ユニット5は、コンベヤベルトとして構成されており、互いに直接接続されて、加工すべき軸受構成要素を水平面E内で生産ライン1を通して搬送すべく構成されている。このとき、生産ライン1内では、生産ユニット内に組み込まれた搬送ユニット5および/または別体の搬送ユニット5が使用されてもよい。
【0026】
以下に説明する図2ないし6において、同じ符号は同じ要素を指している。
【0027】
図2は、例示的な立形研削機械2aの部分概略図であり、立形研削機械2aは、複数の工具軸B1,C1,W1,X1,Z1と、1つの工具スピンドル8と、軸受構成要素をフレキシブルに研削加工する2つの研削スピンドルとを有する。
【0028】
図3は、軸受レース20の形態の軸受構成要素を立形研削機械2a内で研削装置2a’を用いて加工する様子を平面図で示している。軸受レース20は、搬送ユニット5上に横たわった状態で矢印方向に搬送され、図示しないスライダを介して研削装置2a’に横たわった状態で供給され、研削装置2a’により横たわった姿勢で研削される。研削プロセスの終了後、研削済みの軸受レース20’は、横たわった状態で搬送ユニット5に引き渡され、横たわった状態でさらに搬送される。研削加工の経過中、軸受レース20,20’の回転または傾倒は、行われない。
【0029】
図4は、生産ライン1用の好ましい生産ユニット10を3次元図で示している。このような生産ユニット10は、研削機械2、ホーニング機械3、クリーニングユニット4、測定ユニット7または脱磁ユニット6であり得る。生産ユニット10は、コンベヤベルトの形態の組み込まれた搬送ユニット5を有し、搬送ユニット5上では、軸受構成要素、ここでは軸受レース20を、一水平面E上に横たわった状態で生産ユニット10を通して搬送することができる。
【0030】
図5は、別の生産ライン1’を示しており、この生産ライン1’は、立形研削機械2a、立形ホーニング機械3aおよびクリーニングユニット4の形態の、図4に示した生産ユニット10を3つ連結したものを備える。この別の生産ライン1’は、コンベヤベルトの形態の搬送ユニット5を備え、搬送ユニット5上では、軸受構成要素が一水平面E上に横たわった状態で生産ライン1’を通して搬送することができる。
【0031】
図6は、生産設備100の概略平面図であり、この生産設備100は、2つの生産ライン1a,1bを備える。両生産ライン1a,1bは、1つの操作通路101に沿って左右に配置されている。このとき、両生産ライン1a,1bの操作ユニットおよび表示ユニットは、互いに向かい合うように配置されている。操作通路101内にいる人は、同時に両生産ライン1a,1bを見ることができ、場合によっては両生産ライン1a,1bの制御に介入することができる。さらに図6には、例として、軸受レース20,30の形態の加工すべき軸受構成要素を示してある。軸受構成要素は、矢印方向でそれぞれの生産ライン1a,1bを通して搬送される。本実施の形態では、各生産ライン1a,1b内に、例えば立形研削機械2a、立形ホーニング機械3a、脱磁ユニット6およびクリーニングユニット4が、互いに連結されている。これらの機械またはユニットには、軸受レース20,30が搬送ユニット5により、相前後して加工または処理のために供給される。
【0032】
その際、任意の多数の生産ユニットが互いに連結されていてもよく、異なる生産ユニットおよび/または同じ生産ユニットが、個々の生産ラインに存在していてもよい。複数の立形研削機械および/または立形ホーニング機械が並列に配置され、個々の、場合によってはより高速で作業する後続の生産ユニットに接続されていてもよい。また、操作通路から操作可能な両生産ラインが、構成部材の搬送方向で見て同じに形成されている必要もなければ、両生産ラインにより加工される軸受構成要素が、同じまたは類似である必要もない。
【0033】
複数の操作通路が存在している場合、これらの操作通路は、好ましくは平行に方向付けられており、例えば図6に示した生産設備が2つ、隣り合って配置されている。この場合、生産ユニットの、操作通路101から背離した側は、それぞれ、好ましくは、平行した別の操作通路に割り当てられた生産ユニットの、この別の操作通路から背離した側に隣接することになる。
【0034】
両生産ライン1a,1bの下流には、組み立てユニット9が存在しており、組み立てユニット9には、加工し終えた軸受レース20,30が供給される。組み立てユニット9内では、軸受レース20,30の組み立てが実施され、完成した転がり軸受または滑り軸受40が形成される。その際、軸受内レース、軸受外レース、転がり軸受ケージおよび転動体の形態の軸受構成要素用のそれぞれ1つの生産ラインが存在していてもよく、これらすべては、少なくとも1つの後続の組み立てユニット9に連結されており、これにより、組み立てユニット9内で、これらの軸受構成要素から、転がり軸受または滑り軸受40を完全に組み立て、完成させることができる。
【符号の説明】
【0035】
1,1’,1a,1b 生産ライン
2 研削機械
2a 立形研削機械
2a’ 立形研削機械の研削装置
3 ホーニング機械
3a 立形ホーニング機械
4 クリーニングユニット
5 搬送ユニット
6 脱磁ユニット
7 測定ユニット
8 工具スピンドル
9 組み立てユニット
10 生産ユニット
20,30 軸受レース
20’ 研削済みの軸受レース
40 転がり軸受または滑り軸受
100 生産設備
101 操作通路
B1,C1,X1,W1,Z1 工具軸
E 水平面
図1
図2
図3
図4
図5
図6