(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記操舵機構が、前記可搬式カートを前後軸に沿って前進方向および後進方向にて操縦することを容易にするために前記1対の車輪が前記シャーシの該前後軸と平行になるような前後操舵モードに該可搬式カートを再構成することを容易にするように構成されている、請求項1記載の可搬式カート。
前記操舵機構が、前記可搬式カートをその中心垂直軸の周りでの回転方向にて操縦することを容易にするために前記1対の車輪が前記シャーシの前後軸に対して角度が付いた状態に向けられるような軸周り回転操舵モードに該可搬式カートを再構成することを容易にするように構成されている、請求項1記載の可搬式カート。
前記操舵機構が、該操舵機構の手動操作に応答して前記1対の車輪を枢動させる、機械的連結システムおよびクランク機構のうちの少なくとも1つを具備し;該手動操作が、該操舵機構のハンドルおよび該可搬式カートの操縦に用いられるハンドグリップのうちの少なくとも1つの操作によって提供される、請求項1記載の可搬式カート。
前記第一車輪機構が、前記シャーシに枢動可能に連結されたスイングアームを含み;スイングアームが、前記ロック機構が係合されたことに応答して該シャーシの前部を下降させることを容易にするように構成されている、請求項1記載の可搬式カート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
詳細な説明
本発明の例示的態様を詳しく図示した添付の図面を参照する前に、本出願は、本説明に記載されまたは図面に図示されている詳細または方法論に限定されるわけではないことが、理解されるべきである。本出願の専門用語は説明を目的としたものであり、限定的とみなされるべきでないことも、また理解されるべきである。
【0011】
本明細書において説明される可搬式手術用カートは、手術用デバイスを操縦するおよび/または別の場所に移すためのいかなる状況で用いられてもよい。本発明の可搬式手術用カートはまた、手術用デバイスを別の場所に移す間(例えば、傾斜路、凹凸のある地面、ドアフレーム上など)および使用している間(例えば、患者の手術中、関節式アームの使用中など)のカートの安定性を補助するための様々な特徴も含んでいてもよい。1つの態様において、可搬式手術用カートは、前進方向、後進方向、旋回方向、横方向、および回転方向のうちの任意の方向にカートを動かすことを容易にする、操舵アセンブリを含む。いくつかの態様において、可搬式手術用カートは、静止時および/または移送中の可搬式手術用カートの安定性を高めるため、凹凸面上で自己調整するように構成されている枢動キャリッジアセンブリを含む。いくつかの態様において、可搬式手術用カートは、可搬式手術用カートの手術用デバイスの精密かつ安定的な使用を可能にするため、静止時の可搬式手術用カートに支持を提供するように構成されているロック機構を含む。
【0012】
図1〜17Bに示す例示的態様において、手術用カート10として示されている可搬式カートは、ボディ20と;シャーシ100と;手術用カート10の前端部12に配置された、車輪操舵アセンブリ200として示されている第一車輪機構と;手術用カート10の後端部14に配置された、枢動キャリッジアセンブリ300として示されている第二車輪機構と;手術用カート10の後端部14に配置された、フロアーロック400として示されているロック機構とを含む。
【0013】
図1〜3および
図10に示されているように、手術用カート10のボディ20はシャーシ100に連結されている。例示的態様において、ボディ20はシャーシ100に取り外し可能に連結されている(例えば留められている(fastened)など)。別の態様においては、ボディ20はシャーシ100に固定されている。例えば、ボディ20およびシャーシ100は、手術用カート10の構築中に、互いに溶接または接着されてもよい。別の実施例において、ボディ20とシャーシ100は、単一の一体構造であってもよい。車輪操舵アセンブリ200は、前輪202として示されている1対の車輪を含み、枢動キャリッジアセンブリ300は、後部キャスタ302として示されている1対のキャスタ車輪を含む。前輪202および後部キャスタ302は手術用カート10の移動を容易にする。例示的態様において、手術用カート10は、手術用ロボット式デバイスを運搬するように構成されている。他の態様においては、カートは、カメラ、コンピュータ、モニタ、および/または、手術手技もしくは医学的モニタリングの間に用いられ得る他の任意のデバイスもしくはコンポーネントを運搬するように構成されている。別の態様においては、カートは、誘導用カートとして用いられるように構成されている。
【0014】
図1〜3および
図10に示されているように、手術用カート10のボディ20は、手術用デバイス30として示されているロボット式デバイスと、計算システム40と、ハンドルアセンブリ50とを含んでいてもよい。いくつかの態様において、手術用カート10は手術用デバイス30を含まない。例えば、手術用カート10は、誘導用カートおよび/またはさらに別の種類のカート(例えば、カメラ、コンピュータ、モニタ、および/または、手術手技もしくは医学的モニタリングの間に用いられ得る他の任意のデバイスもしくはコンポーネントを運搬するように構成されているカートなど)であってもよい。1つの態様において、ボディ20はまた、手術用カート10の操作中に用いられる様々な物(例えば、手術用ツールなど)を保管するように構成されている、様々なコンパートメント(例えば、キャビネット、引き出し、など))も含む。
図1〜3に示されているように、手術用デバイス30は、ボディ20によって画定されるマウント位置22に連結されている(例えば留められているなど)。手術用デバイス30は、任意の好適な機械的または電気機械的構造であってよい。例示的態様において、手術用デバイス30は関節式アームである(例えば、動きの自由度または軸を3つまたはそれ以上有するなど)。計算システム40は、手術用デバイス30を操作および制御するための様々なハードウェアコンポーネントおよびソフトウェアを含んでいてもよい。計算システム40は任意の公知の計算システムであってもよいが、好ましくは、プログラム可能な、プロセッサ式のシステムである。例えば、計算システム40は、マイクロプロセッサ、ハードドライブ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、入力/出力(I/O)回路網、および他の任意の周知のコンピュータコンポーネントであってもよい。計算システム40は、様々な種類の(永久的および取り外し可能な)記憶デバイスと併用されるように適合していてもよく、そのような記憶デバイスとしては例えば、ポータブルドライブ、磁気記憶装置(例えばフロッピーディスクなど)、固体記憶装置(例えばフラッシュメモリカードなど)、光記憶装置(例えばコンパクトディスクなど)、および/またはネットワーク/インターネット記憶装置などがある。
【0015】
計算システム40は、任意の好適な有線または無線通信プロトコル(すなわち物理的インターフェース)を介して、手術用デバイス30と通信可能に連結されていてもよい。物理的インターフェースは任意の公知のインターフェースであってもよく、そのようなインターフェースとしては例えば、有線インターフェース(例えば、シリアル通信、USB、Ethernet、CANバス、および/もしくは他のケーブル通信インターフェース)ならびに/または無線インターフェース(例えば、無線Ethernet、無線シリアル通信、赤外通信、および/もしくは他の無線通信システム)などがある。ソフトウェアインターフェースは、計算システム40が手術用デバイス30と通信してその操作を制御することを可能にしてもよい。1つの態様において、ソフトウェアインターフェースは、計算システム40が手術用デバイス30に対して命令を発することを可能にする、ユーティリティを含む。例えば、計算システム40は、手術用デバイスを特定のモード(例えば、自律モード、触覚(haptic)モード、自由モードなど)に入らせる命令を提供してもよい。計算システム40は、手術用デバイス30が、手術計画、ナビゲーション、画像誘導、および/または触覚誘導に関する様々な機能を行うことを可能にするよう適合していてもよい。例えば、計算システム40は、一般的操作、データの保存と検索、コンピュータ支援手術(CAS)、アプリケーション、触覚的制御、および/または他の任意の好適な機能性に関する、アルゴリズム、プログラム、およびソフトウェアユーティリティを含んでいてもよい。
【0016】
1つの態様において、手術用デバイス30は、手術用ツールを移動させて患者に手技を行う(例えば、整形外科的な関節置換を行う、高速穿子で自律的に骨切りを行うなど)ために計算システム40によって制御される自律的な手術用ロボットシステムとして構成されている。他の態様においては、手術用デバイス30は、手術用ツールを移動させて患者に手技を行うためにユーザーによって操作されるように構成されている触覚的デバイスである。例えば手技中に、計算システム40が、患者の解剖学的構造と、手術用デバイス30の一部(例えば手術用ツールなど)の位置、向き、速度、および/または加速度との関係に基づいて、手術用デバイス30を制御するための制御パラメータを実行してもよい。1つの態様において、手術用デバイス30は、ユーザーによるデバイスの操作に制限を設けるように制御される(例えば、手術用デバイス30を物理的に操作するユーザーの能力を制限するなど)。別の態様においては、手術用デバイス30は、ユーザーに触覚誘導(すなわち、触覚フィードバックおよび/または力覚フィードバック)を提供するように制御される。「触覚」は触れる感覚を指し、触覚学の分野では、触覚フィードバックおよび/または力覚フィードバックをオペレータに提供するヒューマンインタラクティブデバイスに関する研究が行われている。触覚フィードバックは、一般に、例えば振動などの触知的な感覚を含み、一方、力覚フィードバックは、力(例えば動きに対する抵抗など)および/またはトルク(「ねじり(wrench)」としても知られる)の形態によるフィードバックを指す。ねじりは、力、トルク、または力とトルクとの組み合わせの形態によるフィードバックを含み得る。
【0017】
例えば整形外科用途において、手術用デバイス30は、骨の準備プロセスにおける外科医の密接な関与を維持しつつ、精密かつ再現性ある骨切除を可能にするために、骨の適切な造形について外科医を支援することによって、骨の準備における不正確性、予測不能性、および非再現性という問題に適用されてもよい。さらに、手術用デバイス30が、骨切り術において外科医を触覚的に誘導するか、またはその手術を自律的に行ってもよく、したがって外科医の技能水準はそれほど重大ではなくなる。その結果、技能および経験の程度が外科医によって様々であっても、正確かつ再現性ある手技を行うことが可能になる。
【0018】
図1〜3に示されているように、手術用カート10は、手術用カート10の後端部14においてボディ20上に配置された表示デバイス42および入力デバイス44を含む。別の態様においては、表示デバイス42および/または入力デバイス44は、他の様式で手術用カート10上に位置決めされているか、または手術用カート10から離れたところにある(例えば、手術室の壁もしくはユーザーの閲覧に適した他の場所にマウントされているなど)。表示デバイス42は計算システム40とユーザーとの間の視覚的インターフェースとして構成されている。表示デバイス42は、計算システム40に通信可能に連結されていてもよく、そして、テキスト、画像、グラフィック、および/または他の視覚的出力を表示するのに適した任意のデバイスであってよい。例えば、表示デバイス42は、標準的な表示画面(例えばLED、LCD、CRT、プラズマなど)、タッチスクリーン、着用式ディスプレイ(例えば眼鏡もしくはゴーグルなどのアイウェア)、投写型ディスプレイ、ヘッドマウント式ディスプレイ、ホログラフィックディスプレイ、および/または他の任意の視覚的出力デバイスを含み得る。表示デバイス42は、医学的手技に有用な任意の情報を表示するために用いられてもよく、そのような情報としては例えば、従来の画像技法を用いて取得された画像データセットから生成された解剖学的構造の画像、グラフィカルモデル(例えば、インプラント、器具、解剖学的構造などのCADモデル)、トラッキングされた物体(例えば、解剖学的構造、ツール、インプラントなど)のグラフィカル表現、デジタル画像もしくはビデオ画像、登録情報、キャリブレーション情報、患者データ、ユーザーデータ、測定データ、ソフトウェアメニュー、選択ボタン、および/または状態情報などがある。入力デバイス44は、手術用カート10のユーザーが、手術用デバイス30および/または手術用カート10の他のコンポーネント(例えば、車輪操舵アセンブリ200、フロアーロック400など)と通信することを可能にし得る。入力デバイス44は計算システム40に通信可能に連結されていてもよく、そして、ユーザーが手術用カート10に入力を提供することを可能にするように構成されている任意のデバイスを含んでいてもよい。例えば入力デバイス44は、非限定的に、キーボード、マウス、トラックボール、タッチスクリーン、タッチパッド、音声認識ハードウェア、ダイアル、スイッチ、ボタン、トラッカブルプローブ(trackable probe)、フットペダル、遠隔制御デバイス、スキャナ、カメラ、マイクロホン、および/またはジョイスティックなどであってもよい。いくつかの態様において、手術用カート10は、手術部位の直接視認を補うかまたは直接視認の代わりとなり、外科医の自然な触覚および身体的器用さを高め、そして、体内の様々な構造のターゲティング、修復、および置換を容易にする。
【0019】
図1〜3および
図10を参照すると、ハンドルアセンブリ50は、手術用カート10の可搬性および操縦性を高め得る。
図1〜3および
図10に示されているように、ハンドルアセンブリ50は手術用カート10の後端部14に位置決めされ、そして図に示されている態様においては、ハンドグリップ52として示されている1対のハンドルと、ハンドレール54とを含む。ハンドグリップ52および/またはハンドレール54は、前進方向、後進方向、横方向(すなわち側方の方向)、および回転方向のうちの少なくとも1つの方向に手術用カート10を操縦することを容易にし得る。別の態様においては、手術用カート10は、ボディ20の周りに位置決めされている追加のハンドルおよび/またはハンドレールを含む。1つの態様において、ハンドルアセンブリ50は、手術用カート10を操縦しやすくするための360°の握り用アクセスを提供するため、手術用カート10の周囲全体にわたっている単一の連続構造を含む。他の態様においては、ハンドルアセンブリ50は、手術用カート10を(例えば横方向、前進方向、後進方向などに)側方から引くまたは押すことを容易にするために、手術用カート10の一方または両方の側部に位置決めされるハンドレールを含む。他の態様においては、ハンドルアセンブリ50は、手術用カート10を前端部12から引くまたは押すことを容易にするために、手術用カート10の前端部12に位置決めされるハンドレールを含む。
【0020】
図1〜3、
図5A〜5B、および
図10〜11に示されているように、シャーシ100は、前部110と、後部120と、中央部130とを含む。例示的態様において、前部110は中央部130を介して後部120に連結されており、単一の連続的なシャーシ100(すなわち一体構造)を作り出している。
図5A〜5Bおよび
図11に示されているように、シャーシ100の前部110および中央部130が内部ボリューム112を画定する。内部ボリューム112は車輪操舵アセンブリ200を受け入れるように構成されており、それにより、車輪操舵アセンブリ200がシャーシ100に連結され得る。シャーシ100の後部120はキャビティ122を画定する。キャビティ122は枢動キャリッジアセンブリ300を受け入れるように構成されており、それにより、枢動キャリッジアセンブリ300がシャーシ100に連結され得る。
【0021】
図4A〜4Dに示されているように、枢動キャリッジアセンブリ300は、枢動キャリッジ310として示されているフレーム部材を含む。枢動キャリッジ310は、キャスタブラケット312として示されている1対のブラケットを含む。キャスタブラケット312は、後部キャスタ302を枢動キャリッジ310に連結するように構成されている。後部キャスタ302は、その最上部から延びている延長部(ステム304として示されている)を含む。キャスタブラケット312は後部キャスタ302のステム304を受け入れるように構成されており、それにより、後部キャスタ302が枢動キャリッジ310に回転可能に連結される。別の態様においては、枢動キャリッジ310が平らなマウント位置を画定し、その平らなマウント位置に留められるように構成されている対応する平らなマウント用プレートを後部キャスタ302が含み、それにより、後部キャスタ302が枢動キャリッジ310に連結される。例示的態様において、後部キャスタ302は、その中心軸(鉛直軸340として示されている)の周りで自由に回転できるように、枢動キャリッジ310に回転可能に連結されている。したがって、手術用カート10の操縦時に、後部キャスタ302は鉛直軸340の周りで自由に回転し得る。いくつかの態様において、後部キャスタ302は、後部キャスタ302の車輪の回転を防ぐ(すなわち、手術用カート10を所定の位置にロックすることを補助する)ため、および/または、後部キャスタ302の回転を所望の方向に固定する(すなわち、鉛直軸340の周りの回転を防ぐ)ための、ブレーキを含む。別の態様においては、後部キャスタ302を単一の方向(例えば前進方向など)に向けるように、鉛直軸340に対する後部キャスタ302の回転が固定される。
【0022】
図4A〜4Dをさらに参照すると、枢動キャリッジアセンブリ300は、キャリッジマウント320などのマウント部を含む。例示的態様において、キャリッジマウント320は、枢動キャリッジアセンブリ300をシャーシ100の後部120に枢動可能に連結するように構成されている。
図4A〜4Dに示されているように、キャリッジマウント320は、マウント表面322として示されている上面と、相互作用表面328として示されている側面とを含む。
図4A〜4Dに示されている例示的態様において、キャリッジマウント320は、開口部325として示されている複数の開口部を画定し、当該複数の開口部は、マウント表面322から延びる対応する複数の留め具(留め具326として示されている)を受け入れるように構成されている。別の態様においては、留め具326は、キャリッジマウント320のマウント表面322に沿って一体型で形成されている。
【0023】
図5A〜5Bに戻ると、シャーシ100の後部120は、マウント用プレート124として示されているプレートを含む。マウント用プレート124は、開口部126として示されている複数の開口部を画定する。シャーシ100への枢動キャリッジアセンブリ300の連結を容易にするために、開口部126は、キャリッジマウント320の留め具326に合うように位置決めされている。例示的態様において、キャリッジマウント320のマウント表面322がマウント用プレート124の底面に接するように、枢動キャリッジアセンブリ300はキャビティ122内に置かれる。1つの態様において、開口部126が留め具326(例えばボルトなど)を受け入れたときに、対応する追加の留め具(例えばナットなど)が必要にならないよう、開口部126にねじ山がつけられている。他の態様においては、留め具326は開口部126を通って延び、対応する留め具(例えばナットなど)を受け入れて、枢動キャリッジアセンブリ300をシャーシ100に連結する。さらに別の態様においては、留め具(例えばナットなど)が、マウント用プレート124に固定(例えば、溶接、接着、一体型で形成など)されており、開口部126と位置合わせして位置決めされており、留め具326を受け入れる。
【0024】
図4A〜4Dに戻ると、枢動キャリッジ310は、開口部314として示されている1対の開口部を画定する。開口部314は、キャリッジマウント320の前後軸方向の両端部から延びているロッド(枢動ロッド324として示されている)を受け入れるように構成されており、これにより、キャリッジマウント320と枢動キャリッジ310が枢動可能に連結される。開口部314と枢動ロッド324との相互作用は、前後軸330として示されている前後軸の周りで枢動キャリッジ310が回転することを容易にする。いくつかの態様において、前後軸330の周りの枢動キャリッジ310の回転は、開口部314と枢動ロッド324との間に配置される潤滑剤および/またはベアリングによって補助される。
【0025】
図4A〜4Dに示されているように、枢動キャリッジ310は、キャリッジマウント320の各側部上に配置された1対のプレート(プレート316として示されている)を含む。プレート316は、枢動ギャップ318として示されているキャビティを画定するように、互いに距離を空けられている。枢動ギャップ318は、キャリッジマウント320が枢動キャリッジ310に連結される(例えば、枢動ロッド324を介して回転可能に連結されるなど)ときにキャリッジマウント320を受け入れるように構成されている。例示的態様において、枢動ギャップ318は、キャリッジマウント320に対する枢動キャリッジ310の回転を容易にするようにサイズ決定される。
【0026】
図4A〜4Cに示されているように、枢動キャリッジアセンブリ300は、枢動キャリッジ310の各側部上に位置決めされた、回転止め350として示されている制限部材を含む。他の態様においては、枢動キャリッジアセンブリ300は、枢動キャリッジ310の各側部上に、異なる数(例えば、2つ、3つなど)の回転止め350を含む。
図4A〜4Cに示されているように、回転止め350はプレート316に沿って配される。1つの態様において、回転止め350はプレート316に連結される(例えば、溶接される、接着される、留められるなど)。別の態様においては、回転止め350とプレート316とは、単一の連続構造(例えば一体構造など)を形成する。
【0027】
例示的態様において、回転止め350は、キャリッジマウント320に対する枢動キャリッジ310の回転量を制限するように構成されている。例えば、枢動キャリッジ310が枢動量限界に達した時に(例えば、前後軸330の周りで2°回転するなど)、回転止め350のうちの1つがシャーシ100の後部120の対応する表面(例えばプレートなど)に接触してもよい。例示的態様において、回転止め350は、枢動キャリッジ310が前後軸330の周りで枢動量限界まで回転することを許容するようサイズ決定され、その枢動量限界は、後部キャスタ302のうちの少なくとも1つの±約6ミリメートル(mm)の鉛直方向のずれ(例えば、第一キャスタ302がある距離だけ上方にずれ、第二キャスタ302が同じ距離だけ下方にずれるなど)に対応する。他の態様においては、回転止め350は、枢動キャリッジ310が前後軸330の周りで異なる枢動量限界まで回転する(例えば、1°回転する、3°回転するなど)ことを許容するようにサイズ決定され、その枢動量限界は、後部キャスタ302のうちの少なくとも1つの、±6 mmより小さいまたは大きい(例えば、4 mm、8 mmなど)鉛直方向のずれに対応する。いくつかの態様において、後部キャスタ302は、枢動キャリッジアセンブリ300がもたらす鉛直方向のずれに対する追加的または代替的な鉛直方向のずれを許容するために、ばね部材を含む。
【0028】
別の態様においては、キャリッジマウント320は前後軸330から横方向にずらして置かれている(例えば、一方の後部キャスタ302に寄っているなど)。キャリッジマウント320を横方向にずらして置くと、一方の後部キャスタ302を、他方の後部キャスタ302とは異なる距離だけ鉛直方向にずらすことが容易になる可能性がある(例えば、一方はある方向に第一の距離だけずれてもよく、他方は反対の第二の方向に異なる距離だけずれてもよい、など)。この構成は、手術用カート10によって支持される重量の大部分が、手術用カート10の1つの側に向かって位置している場合に、有利である可能性がある。さらに別の代替態様においては、キャリッジマウント320は省略されて、湾曲ビーム部材をスライド可能に受け入れるように構成されている中央支持構造に置き換えられる。湾曲ビーム部材は、手術用カート10が様々な凹凸面に遭遇して後部キャスタ302に鉛直方向のずれが生じた際に、中央支持部を通ってスライド可能に並進するように構成されていてもよい。また別の代替態様においては、枢動キャリッジアセンブリ300は側方プレートを含み、側方プレートは、側方プレートの各側部上に位置決めされる、対称的に角度のついたスロットを画定する。例示的態様において、対称的に角度のついたスロットは、ピンを受け入れてこれと係合するように構成されている。ピンと、対称的に角度のついたスロットとの係合は、枢動キャリッジアセンブリ300が、対称的に角度のついたスロット間で画定されるその中心軸の周りで回転することを容易にする。
【0029】
別の態様においては、回転止め350が省略され、プレート316が、キャリッジマウント320に対する枢動キャリッジ310の回転量を制限するように構成されている。枢動キャリッジ310の回転は、キャリッジマウント320の相互作用表面328とプレート316との相互作用によって制限されてもよい。例えば、枢動ギャップ318の幅(すなわち、プレート316間の間隔に基づく、プレート316と相互作用表面328との間の距離)が、(例えば、手術用カート10に由来する全荷重が単一の後部キャスタ302を通じて伝えられるより前などに)キャリッジマウント320に対する枢動キャリッジ310の回転量を規定してもよい。例えば、枢動ギャップ318の幅が大きいほど、キャリッジマウント320に対して許容される枢動キャリッジ310の回転量は大きくなる。逆に、枢動ギャップ318の幅が小さいほど、キャリッジマウント320に対して許容される枢動キャリッジ310の回転量は小さくなる。
【0030】
図12Bに示されているように、枢動キャリッジアセンブリ300は、枢動キャリッジ360として示されているフレーム部材を含む(例えば枢動ボギーなど)。枢動キャリッジ360は、ボディ362として示されている主要部を含み、ボディ362は、その各横端部に1つずつ位置決めされた、キャスタブラケット364として示されている1対のブラケットを有する。キャスタブラケット364は後部キャスタ302を枢動キャリッジ360に連結するように構成されている。キャスタブラケット364は後部キャスタ302のステム304を受け入れるように構成されており、それにより、後部キャスタ302が枢動キャリッジ360に回転可能に連結される。別の態様においては、枢動キャリッジ360が平らなマウント位置を画定し、その平らなマウント位置に留められるように構成されている対応する平らなマウント用プレートを後部キャスタ302が含み、それにより、後部キャスタ302が枢動キャリッジ360に連結される。例示的態様において、後部キャスタ302は、その鉛直軸340の周りで自由に回転できるように、枢動キャリッジ360に回転可能に連結されている。したがって、手術用カート10の操縦時に、後部キャスタ302は鉛直軸340の周りで自由に回転し得る。いくつかの態様において、後部キャスタ302は、後部キャスタ302の車輪の回転を防ぐ(すなわち、手術用カート10を所定の位置にロックすることを補助する)ため、および/または、後部キャスタ302の回転を所望の方向に固定する(すなわち、鉛直軸340の周りの回転を防ぐ)ための、ブレーキを含む。別の態様においては、後部キャスタ302を単一の方向(例えば前進方向など)に向けるように、鉛直軸340に対する後部キャスタ302の回転が固定される。
【0031】
図12A〜12Cに示されているように、枢動キャリッジアセンブリ300は、キャリッジマウント370として示されているマウント部を含む。例示的態様において、キャリッジマウント370は、枢動キャリッジアセンブリ300をシャーシ100の後部120に枢動可能に連結するように構成されている。
図12A〜12Cに示されているように、キャリッジマウント370は、ハウジング372として示されているボディを含む。
図12Cに示されているように、キャリッジマウント370のハウジング372は、キャリッジキャビティ374として示されている内部キャビティを画定する。例示的態様において、キャリッジキャビティ374は枢動キャリッジ360を受け入れるように構成されている。
【0032】
図12A〜12Bに示されているように、枢動キャリッジ360は、枢動キャリッジ360のボディ362の前部および後部から延びている、枢動ロッド366として示されているロッドを含む。
図12A〜12Cに示されているように、キャリッジマウント370のハウジング372は、枢動開口部376として示されている1対の開口部を画定する。
図12Aに示されているように、枢動開口部376は、枢動ロッド366を受け入れるように構成されており、これにより、枢動キャリッジ360がキャリッジマウント370に枢動可能に連結される。枢動開口部376と枢動ロッド366との相互作用は、前後軸390として示されている前後軸の周りで枢動キャリッジ360が回転することを容易にする。いくつかの態様において、前後軸390の周りの枢動キャリッジ360の回転は、枢動開口部376と枢動ロッド366との間に配置される潤滑剤および/またはベアリングによって補助される。
【0033】
図11および
図12A〜12Cに示されているように、キャリッジマウント370のハウジング372は、マウント用開口部378として示されている複数の開口部を画定する。
図11に示されているように、マウント用開口部378は、留め具384として示されている複数の留め具(例えばボルトなど)を受け入れるように構成されており、これにより、枢動キャリッジアセンブリ300(例えば枢動キャリッジ360、キャリッジマウント370など)がシャーシ100の後部120に連結される。
【0034】
図12Cに示されているように、枢動キャリッジアセンブリ300は、キャリッジマウント370の前後軸方向の両端部において、ハウジング372のキャリッジキャビティ374内に位置決めされた(例えば、ハウジング372の上部の内面に沿って配されているなど)、回転止め382として示されている制限部材を含む。他の態様においては、枢動キャリッジアセンブリ300は、枢動キャリッジ310の各側部上に位置決めされた、異なる数(例えば、2つ、3つなど)の回転止め382を含む。いくつかの態様において、回転止め382はハウジング372に連結される(例えば、溶接される、接着される、留められるなど)。いくつかの態様において、回転止め382とハウジング372とは、単一の連続構造(例えば一体構造など)を形成する。別の態様においては、回転止め382は、追加的または代替的に、枢動キャリッジ360のボディ362に位置決めおよび/または連結される。
【0035】
例示的態様において、回転止め382は、キャリッジマウント370に対する枢動キャリッジ360の回転量を制限するように位置決めされる。例えば、枢動キャリッジ360が枢動量限界に達した時に(例えば、前後軸390の周りで2°回転するなど)、回転止め382のうちの1つがボディ362の対応する表面(例えば上面など)に接触してもよい。例示的態様において、回転止め382は、枢動キャリッジ360が前後軸390の周りで枢動量限界まで回転することを許容するようサイズ決定され、その枢動量限界は、後部キャスタ302のうちの少なくとも1つの±約6ミリメートル(mm)の鉛直方向のずれ(例えば、第一キャスタ302がある距離だけ上方にずれ、第二キャスタ302が同じ距離だけ下方にずれるなど)に対応する。他の態様においては、回転止め382は、枢動キャリッジ360が前後軸390の周りで異なる枢動量限界まで回転する(例えば、1°回転する、3°回転するなど)ことを許容するようにサイズ決定され、その枢動量限界は、後部キャスタ302のうちの少なくとも1つの、±6 mmより小さいまたは大きい(例えば、4 mm、8 mmなど)鉛直方向のずれに対応する。いくつかの態様において、後部キャスタ302は、枢動キャリッジアセンブリ300がもたらす鉛直方向のずれに対する追加的または代替的な鉛直方向のずれを許容するために、ばね部材を含む。
図12A〜12Cに示されているように、キャリッジマウント370のハウジング372は、ハウジング372の各端部に位置決めされた、開口部380として示されている開口部を画定する。例示的態様において、開口部380は、枢動キャリッジ360が前後軸390の周りで枢動した時(例えば枢動量限界に達した時など)に、キャスタブラケット364および/またはステム304がハウジング372と係合するのを防ぐように位置決めされる。
【0036】
例示的態様において、枢動キャリッジアセンブリ300および前輪202は、運搬中および/または静止時に手術用カート10に準4点支持を提供する。例えば、枢動キャリッジ310および/または枢動キャリッジ360が枢動可能であることにより、手術用カート10は、枢動量限界に達していないときは3輪式カートとして機能し(例えば、全荷重がキャリッジマウント320またはキャリッジマウント370を通じてシャーシ100に伝えられるなど)、枢動量限界に達しているとき(例えば、回転止め350または回転止め382が回転を制限しているときなど)は4輪式カートになるように、構成されている。したがって、前輪202および枢動キャリッジアセンブリ300は、(例えば、従来の4輪式カートなどと比較して)耐揺動性およびキャスタの耐フラッタリング性を高めるための決定的な3点支持(例えば、枢動量に達していないときに3輪式カートとして機能するなど)と、(例えば、従来の3輪式カートと比較して耐転倒性が向上するなど)安定性を高めるための4点支持(例えば、枢動量に達しているときに4輪式カートとして機能するなど)とを、手術用カート10に提供する。
【0037】
例示的態様において、枢動キャリッジアセンブリ300は、凹凸面上(例えば、傾斜路、ドアの敷居上、コード上、エレベーターの乗り込み時など)で移動および/または静止している時に、手術用カート10の自己調整を促して、3点支持を提供する。従来の4点支持式の手術用カートは、凹凸面との遭遇時に傾く可能性があり、すると、より大きな荷重がカートの1つの側に伝えられて、カートの揺動またはキャスタ車輪のフラッタリングのリスクが増大する。例示的態様において、枢動キャリッジ310または枢動キャリッジ360が、それぞれキャリッジマウント320またはキャリッジマウント370に対して回転すること(すなわち自己調整)には、手術用カート10の揺動を防ぐという利点がある。例えば、自己調整によって、手術用カート10に由来する全荷重が後部キャスタ302のうちの1つに伝えられることが防がれ得(例えば、手術用カート10に由来する荷重が、実質的に両方の後部キャスタ302を通じて、凹凸のある地面に伝えられるなど)、このことは、手術用カート10の揺動、ならびに/または、前輪202および後部キャスタ302のうちの1つのフラッタリングを効果的に防ぐ。
【0038】
従来の3点支持式の手術用カート(すなわち3輪式カート)は、転倒のリスクが高い可能性がある。例示的態様において、枢動キャリッジアセンブリ300には、枢動量限界に達しているときに効果的に4点支持を提供して、手術用カート10の転倒を防ぐという利点がある。したがって、枢動キャリッジアセンブリ300は、手術用カート10の揺動ならびに前輪202および後部キャスタ302のフラッタリングを解消し、かつ一方で、転倒に関する様々な規制要件(例えばIECの転倒に関する標準など)を満たしている。
【0039】
次に、
図2〜3、
図5A〜5G、
図10〜11、および
図13を参照すると、フロアーロック400は、手術用カート10を所定の位置で安定化させるように構成されている。フロアーロック400は、作動時(例えば、床面と係合している時など)に、手術用カート10の後端部14および手術用カート10の前端部12のうちの少なくとも一方が横方向および/または前後方向に動くのを防ぐように構成されている。
図2〜3、
図5A〜5G、
図10〜11、および
図13において、フロアーロック400は、手術用カート10のオペレータによって作動される機械的な機構である。別の態様においては、フロアーロック400は、計算システム40から命令(例えば、表示デバイス42または入力デバイス44が受けたオペレータ入力に基づく命令など)を受けたことに応答して、アクチュエータ(例えば電気モータなど)によって作動される、電気機械的な機構である。
【0040】
図5A〜5Fに示されている例示的態様において、フロアーロック400は、(
図5Aおよび
図5Cにおいて)運搬用構成402として示されている脱係合構成と、(
図5Bおよび
図5Eにおいて)機械運転構成(machining configuration)406として示されている係合構成(例えば、手術用カート10が機械運転モード、駐車モード、ブレーキモードなどになっているような構成)との間で選択的に再構成可能である。フロアーロック400は、手術用カート10のオペレータがペダル412を押下することに応答して、運搬用構成402から機械運転構成406へと作動されてもよい。例示的態様において、フロアーロック400は、1回の押下でフロアーロック400を運搬用構成402から機械運転構成406に再構成でき(例えば、ペダル412を1回押下すると約600ポンドのカートが不動化されるなど)、その逆もまたしかりである、ラッチ式のプッシュプッシュ機構として構築される。有利な点として、フロアーロック400は、手術用カート10をフロアーロック400で不動化するうえで、ラチェット機構、ポンプ機構、および/またはアクチュエータ(例えば水圧シリンダ、電気モータなど)の必要性を解消する(例えば、フロアーロック400の作動は、手術用カート10のオペレータなどによって比較的容易に提供されてもよい)。別の態様においては、フロアーロック400は、ペダル412を押下するとフロアーロック400が地面と係合し、そしてペダル412を持ち上げるとフロアーロック400が地面から脱係合するような、プッシュプル機構として構成されている。さらに別の代替態様においては、フロアーロック400は、フロアーロック400を地面と係合させるように構成されている第一レバーと、フロアーロック400を地面から脱係合させるように構成されている第二レバーとを含む。
【0041】
図5A〜5Fに示されているように、フロアーロック400は、ブレーキペダル410として示されている第一部材と、ブレーキ420として示されている第二部材とを含む。ブレーキペダル410は、アーム414として示されている1対のアームに連結されている、ペダル412として示されている作動表面を含む。例示的態様において、ペダル412は折り畳み可能である(例えば、保管のため、邪魔にならないようよけておくためなど)。例えば、ペダル412は、ペダル412を格納位置と操作位置との間で選択的に位置決めすることを容易にする回転止めとともに、アーム414に枢動可能に連結されていてもよい。アーム414は、ペダル412のリミッタを受け入れるように構成されているスロットを画定してもよい。スロットは、リミッタが、そしてしたがってペダル412も、たどることができる動きを規定してもよい。
図5C〜5Fに示されているように、アーム414は、ヒンジ416として示されている留め具を介して、シャーシ100に回転可能に連結されている。
図5A〜5Fに示されているように、ブレーキ420は、ブレーキアーム422として示されているアームと、ブレーキアーム422に連結された、ブレーキパッド424として示されているパッドとを含む。
図5C〜5Fに示されているように、ブレーキアーム422は、ヒンジ426として示されている留め具を介して、シャーシ100に回転可能に連結されている。
図5Bに示されているように、フロアーロック400は、ブレーキアクチュエータ430として示されているアクチュエータを含む。ブレーキアクチュエータ430は、ガスシリンダ、水圧シリンダ、またはコイルばねなどを含み得る。ブレーキアクチュエータ430は、ブレーキペダル410をブレーキ420に連結するように構成されている。
【0042】
図5A〜5Fに示されているように、フロアーロック400は、ラッチ式レバー440として示されている第一レバーと;カムブロック450として示されているガイドブロックと;延長レバー460として示されている第二レバーと;リフト連結機構470として示されている1対の連結機構とをさらに含む。いくつかの態様において、フロアーロック400は、シャーシ100の前端部12に位置決めされた、シャーシ前脚部480として示されている脚部(例えば、1つ、2つ、3つなどの脚部)を含む。
図5C〜5Fに示されているように、ラッチ式レバー440の第一端部は、ヒンジ418として示されている留め具を介して、ブレーキペダル410に枢動可能に連結されており、ラッチ式レバー440の反対側にある第二端部は、カムブロック450によって画定されるスロット(カムトラック452として示されている)内にスライド可能に連結されている。ラッチ式レバー440の反対側にある第二端部はまた、延長レバー460として示されている第二レバーの第一端部にも連結されていてもよい。延長レバー460の反対側にある第二端部は、リフト連結機構470の第一端部に連結されている。リフト連結機構470は、回転連結機構472として示されている第一部材と;ガイド連結機構474として示されている第二連結機構と;シリンダ476として示されている第三連結機構と;ロッド478として示されている第四連結機構とを含む。
図5A〜5Fに示されているように、フロアーロック400は、ブラケット479として示されているブラケットを含む。ブラケット479は、リフト連結機構470の反対側にある第二端部を、手術用カート10のボディ20に連結するように構成されている。例示的態様において、リフト連結機構470は、シャーシ前脚部480が地面600に接触するまでシャーシ100の前部110が低屈(kneel)するよう(すなわち低屈機能)、前輪202を持ち上げることを容易にするように構成されている。別の態様においては、リフト連結機構470は、前輪202がもはや地面600と係合しなくなるようにシャーシ前脚部480がシャーシ100の前部110を持ち上げるようにシャーシ前脚部480が延びるのを容易にするように構成されている。例示的態様において、リフト連結機構470は、気体ばねであるかまたは気体ばねを含む。
【0043】
図5Aおよび
図5Cに示されているように、フロアーロック400は運搬用構成402にて構成されている。ブレーキパッド424とシャーシ前脚部480とは、運搬用構成402において地面600と接触状態にならず、これにより、手術用カート10を自由に運搬および/または操縦することを容易にする。
図5Dに示されているように、アーム414がヒンジ416の周りで下向きに回転して、フロアーロック400を運搬用構成402から中間構成404に再構成するよう、矢印490で示されている下向きの作動力をユーザーがペダル412に印加してもよい。ブレーキペダル410を作動させると、ブレーキパッド424が地面600と係合するよう、ブレーキ420のブレーキアーム422が(例えばブレーキアクチュエータ430を介するなどして)ヒンジ426の周りで回転する。ブレーキペダル410を作動させて中間構成404にすると、さらに、ラッチ式レバー440の反対側にある第二端部が、カムトラック452に沿って第一の回転方向(例えば反時計回りなど)に従動し、これにより、回転連結機構472が回転するよう、延長レバー460が延びて回転連結機構472と係合する。回転連結機構472が回転すると、ロッド478がシリンダ476の中でスライド可能に並進するよう、ガイド連結機構474とロッド478とが(例えば鉛直方向上向きなどに)並進する。例示的態様において、ロッド478の並進は前輪202の鉛直方向のずれに対応し、そのため、シャーシ前脚部480が地面600と係合するまでシャーシ100の前部110が下降する(すなわち低屈する)。別の態様においては、ロッド478の並進はシャーシ前脚部480の鉛直方向のずれに対応し、そのため、前輪202が地面600から脱係合するまでシャーシ100の前部110が上昇する。
【0044】
図5Eに示されているように、ユーザーは、アーム414が矢印492で示されているようにヒンジ416の周りで上向きに回転して、フロアーロック400を機械運転構成406に構成するよう、ペダル412に対する下向きの作動力の印加を止めてもよい。ブレーキペダル410を解放することにより、ラッチ式レバー440が、カムトラック452に沿って、ラッチ式リップ454として示されているリップを周って進む(例えば
図5C〜5Dを参照)。ラッチ式リップ454は、(例えば、オペレータによる外力の印加などを伴わずに)フロアーロック400が機械運転構成406のまま留まるよう、ラッチ式レバー440を所定の位置に保持する。
図5D〜5Eは例示的な目的で分けられているにすぎないことに留意されたい。実際には、手術用カート10のフロアーロック400を運搬用構成402から機械運転構成406に再構成するには、単回の作動動作(例えば、ペダル412を押下し、それから解放するなど)だけでよい。
【0045】
図5Fに示されているように、ユーザーは、アーム414がヒンジ416の周りで下向きに回転して、フロアーロック400を機械運転構成406から脱係合構成408に再構成するよう、矢印494で示されている下向きの作動力をペダル412に印加してもよい。
図5Fに示されているように、機械運転構成406になっている時にペダル412に下向きの力を印加すると、ラッチ式レバー440の反対側にある第二端部がラッチ式リップ454から脱係合する。ラッチ式レバー440の反対側にある第二端部がラッチ式リップ454から脱係合すると、フロアーロックを運搬用構成402に戻すよう、ラッチ式レバー440がカムトラック452に沿って第二の回転方向(例えば時計回りなど)に従動することが可能になる。例えば、ユーザーは、下向きの力を印加した後、ラッチ式レバー440がカムトラック452を周って第二の回転方向に動くよう、ペダル412から力を除去してもよい(例えばペダル412を解放するなど)。このように、ブレーキペダル410がヒンジ416の周りで回転して、
図5Cに示されている構成(すなわち運搬用構成402)に戻り、これにより、ブレーキパッド424が地面600から脱係合するよう、ブレーキ420がヒンジ426の周りで回転する。さらに、延長レバー460が引っ込み、これにより、ロッド478がスライド可能に並進してシリンダ476から出るよう、ガイド連結機構474とロッド478とが鉛直方向下向きに並進する。すると、前輪202が下向きに延びて地面600と係合し、シャーシ前脚部480が地面600から脱係合するようシャーシの前部110を持ち上げる。
【0046】
図11および
図13に示されているように、リフト連結機構470(例えばシリンダ476およびロッド478など)は、コイルオーバー482として示されている懸架要素で置換されてもよい。コイルオーバー482は、ショック484として示されている緩衝器と、ショック484を取り囲む、コイルばね486として示されている弾性部材とを含む。例示的態様において、コイルオーバー482は、シャーシ100の前部110が低屈する際および持ち上がる際に、制御された緩衝を提供するように構成されている。他の態様においては、フロアーロック400は複数(例えば2つ、3つなど)のコイルオーバー482を含む。
【0047】
例示的態様において、ブレーキパッド424と地面600との係合は、手術用カート10の後端部14が(例えば横方向および前後方向などに)動くことを実質的に防ぎ、そしてシャーシ前脚部480と地面600との係合は、手術用カート10の前端部12が(例えば横方向および前後方向などに)動くことを実質的に防ぎ、これにより、(例えば後部キャスタ302および/または前輪202をロックすることなどを伴わずに)手術用カート10の完全な不動性を確立する。いくつかの態様において、ブレーキパッド424および/またはシャーシ前脚部480は、(i)ブレーキパッド424および/またはシャーシ前脚部480と地面600との間の摩擦を増大させること、ならびに(ii)手術用カート10から地面600に伝えられる荷重を減じること(例えば、手術用カート10の安定性を増大させる、手術用デバイス30の精度を高める、など)、のうちの少なくとも1つを実現するため、弾性材料(例えばゴムなど)を含む。例示的態様において、フロアーロック400は、手術用カート10の後部キャスタ302を地面600から離して持ち上げることはない。このことは、(例えば、フロアーロック400で手術用カート10の後端部14を地面600から離して持ち上げることなどに比べて、)手術用カート10を不動化するためフロアーロック400を地面600と係合させるのに必要な力の量を少なくする点で、有利である可能性がある。フロアーロック400はブレーキパッド424を介して地面に力を印加し、これにより、手術用カート10の後端部14が動くのを防ぐ。例示的態様において、シャーシ前脚部480が地面600と係合した時、前輪202がもはや地面600に接触しないよう(例えば、自由に回転する、完全に無荷重になる、など)、前輪202が引っ込むか、かつ/またはシャーシ前脚部480が延びる。
【0048】
次に
図5Gを参照すると、フロアーロック400が機械運転構成406になっている時、フロアーロック400、キャリッジマウント320、および/またはキャリッジマウント370が、シャーシ前脚部480とともに、手術用カート10に3点支持構造500を提供する。手術用デバイス30の使用中(例えば、手術用デバイス30が動いている時、手技に用いられている時、機械運転している時など)に、手術用カート10の最適な安定性が実現されるのは、手術用カート10の質量が運動学的に3点で支持され、そして、質量中心がその3点で画定される領域の概ね重心に位置している時である。例示的態様において、手術用カート10は、各シャーシ前脚部480、キャリッジマウント320、キャリッジマウント370、および/またはブレーキ420のブレーキパッド424を含む3点支持構造500によって支持される。また、手術用カート10の質量中心510は、3点支持構造500によって画定される領域の重心の実質的に近くにある。したがって、手術用カート10は、フロアーロック400が機械運転構成406になっている時は3点の安定性を有し(すなわち、機械運転のため静止している時の安定性が増す)、そして、フロアーロック400が運搬用構成402になっている時は、(例えば前輪202および枢動キャリッジアセンブリ300などに由来する)準4点の安定性を有する(すなわち、移動時の安定性が増し、運搬中の揺動、フラッタリング、および転倒を防ぐ)。例示的態様において、シャーシ100は、操作中(例えば機械運転中など)に手術用デバイス30から手術用カート10を通じて荷重が伝えられる際のたわみを最小にするため、比較的剛性であり、これにより手術用デバイス30の精度をさらに高める。
【0049】
別の態様においては、延長レバー460、リフト連結機構470、コイルオーバー482、および/またはシャーシ前脚部480が省略される。その別の態様においては、フロアーロック400が機械運転構成406になっている時、キャリッジマウント320、キャリッジマウント370、および/またはフロアーロック400が、前輪202とともに、手術用カート10に3点支持構造502を提供する(例えば、手術用カート10のいかなる部分も上昇または下降せず、シャーシ100の前部110が低屈しない、など)。フロアーロック400の係合によって、(i)前輪202がその時の位置でロックされてもよく、または、(ii)前輪202が所望の位置(例えば、前後位置、横位置など)に枢動および/もしくはロックされてもよい。1つの態様において、フロアーロック400を作動させると、前輪202が前後方向(すなわち前向き)に向けられるおよび/またはロックされる。前輪202を(
図5A〜5Bに示されているように)前後方向に配置することにより、前端部12の横方向の動きを防ぎ、これにより手術用カート10の完全な不動性を確立してもよい。別の態様においては、フロアーロック400を作動させると、前輪202が横方向(すなわち横向き)に向けられるおよび/またはロックされる。前輪202を横方向に配置することにより、手術用カート10の前端部12の前後方向の動きをさらに防いでもよい。他の態様においては、フロアーロック400の係合は、前輪202をロックすることも、前輪202を所望の位置に配置することもしない(例えば、前輪202が手動で所望の位置に枢動されてもよい、前輪202が手動でロックされてもよい、など)。いくつかの態様において、前輪202は、前輪202の回転を固定するように位置決めされたブレーキ機構を含む。さらに別の代替態様においては、手術用カート10は、手術用カート10の前端部12を不動化するため手術用カート10の前端部12に位置決めされた、1つまたは複数のフロアーロック400を含む。さらなる別の態様においては、手術用カート10をシャーシ後脚部の上に降ろすことができるよう(例えば、シャーシ前脚部480とシャーシ後脚部とが手術用カート10を不動化する、前輪202とシャーシ後脚部とが手術用カート10を不動化する、など)、シャーシ100は、1つまたは複数のシャーシ後脚部を含む。
【0050】
次に
図5A〜5B、
図6〜9B、
図11、および
図13〜17Bを参照すると、車輪操舵アセンブリ200は、手術用カート10を複数の操舵モード(例えば、前後操舵モード、軸周り回転(自転)操舵モード、横操舵モードなど)において操縦することを容易にするように構成されている。
図5A〜5B、
図6、
図7A、
図8A、
図9A、
図11、
図13〜14B、
図15B、
図16B、および
図17Bに示されているように、車輪操舵アセンブリ200は、操舵スイングアーム210として示されている操舵フレーム部材を含む。
図6〜7A、
図8A、
図9A、
図11、
図13〜14B、
図15B、
図16B、および
図17Bに示されているように、操舵スイングアーム210は、操舵プレート212として示されているプレートと;操舵プレート212の周囲を囲んで延びている、壁214として示されている壁と;壁214に連結された、車輪ブラケット216として示されている1対のブラケットとを含む。車輪ブラケット216は、前輪202を操舵スイングアーム210に連結するように構成されている。
図7Bに示されているように、シャーシ100の前部110は、車輪ブラケット216が車輪開口部116から延びるように位置決めされた、車輪開口部116として示されている開口部を画定する。したがって、前輪202をシャーシ100の外側に位置決めすることが可能である。
【0051】
図6〜7A、
図8A、および
図9Aに示されているように、操舵スイングアーム210は、操舵アセンブリマウント218として示されている1対のマウントを含む。
図5A〜5Bに示されているように、操舵アセンブリマウント218は、内部ボリューム112の中で車輪操舵アセンブリ200をシャーシ100に連結するように構成されている。例示的態様において、シャーシ100の中央部130は、操舵アセンブリマウント218によって画定される開口部に対応する開口部一式を画定する。その対応する開口部は、操舵スイングアーム210をシャーシ100に取り外し可能に連結する留め具(例えばナットおよびボルトなど)を受け入れる。例示的態様において、操舵アセンブリマウント218は、操舵スイングアーム210をシャーシ100に枢動可能に連結し、これにより、シャーシ100の前部110が低屈する際の(例えば、フロアーロック400が係合した時などの)操舵スイングアーム210の回転を容易にする。
【0052】
図11、
図13〜14B、
図15B、
図16B、および
図17Bに示されているように、操舵スイングアーム210は、そこから横に延びている、操舵アセンブリ枢動軸219として示されている1対の枢動軸を含む。
図11に示されているように、シャーシ100の中央部130は、操舵アセンブリ枢動軸219を受け入れるように位置決めされた1対のマウント(連結器132として示されている)を画定する。これにより、操舵アセンブリ枢動軸219は、内部ボリューム112の中で車輪操舵アセンブリ200をシャーシ100に連結するように構成されている。例示的態様において、操舵アセンブリ枢動軸219は、操舵スイングアーム210をシャーシ100に枢動可能に連結し、これにより、シャーシ100の前部110が低屈する際の(例えば、フロアーロック400が係合した時などの)操舵スイングアーム210の回転を容易にする。
【0053】
図6〜7A、
図8A、
図9A、
図11、および
図13に示されているように、車輪操舵アセンブリ200は、操舵機構240として示されている操舵機構を含む。例示的態様において、操舵機構240は、手術用カート10のオペレータによる手動操作に応答して前輪202を操舵する、手動操作式の機械的連結機構および/またはクランクシステムとして構成されている。例示的態様において、操舵機構240の機械的連結機構および/またはクランクシステムにより、ベルト、ギア、スプロケット、および/または調整機構の必要性がなくなり、これにより、コストが低下ししメンテナンスも最少になる。別の態様においては、操舵機構240は、計算システム40から命令(例えば、表示デバイス42または入力デバイス44が受けたオペレータ入力に基づく命令など)を受けたことに応答して、アクチュエータ(例えば電気モータなど)によって作動される、電気機械的連結システムである。別の代替態様においては、前輪202および/または後部キャスタ302の各々が、計算システム40から命令を受けたことに応答して前輪202および後部キャスタ302の各々を独立に操舵するように位置決めされたアクチュエータ(例えば電気モータなど)を含む。いくつかの態様において、前輪202および後部キャスタ302のうちの少なくとも1つに回転エネルギーを提供することによって手術用カート10を推進するよう、電気モータが適合される。
【0054】
図5A〜5B、
図6〜7A、
図8A、および
図9Aに示されているように、操舵機構240はハンドル242を含む。ハンドル242は、操舵機構240を複数の操舵モードに再構成するため、てこ作用を効かせるためのレバーを手術用カート10のオペレータに提供するように構成されている。
図5A〜5Bおよび
図6に示されているように、ハンドル242は、回転軸241として示されている軸を規定するシャフト244に連結される。例えば、ハンドル242を、矢印243で示されているように回転軸241の周りで回すことによって、操舵機構240が所望の操舵モードに再構成され得る。
【0055】
図5A〜5B、
図6、および
図13に示されているように、シャフト244は、ハンドル242から、位置合わせケース(indexing case)246として示されている位置合わせ部材まで延びている。他の態様においては、シャフト244は、ハンドグリップ52のうちの1つから位置合わせケース246まで延びている。
図5A〜5Bに示されているように、位置合わせケース246は(例えば留め具を介するなどして)シャーシ100に連結されている。
図6〜7A、
図8A、
図9A、および
図13に示されているように、位置合わせケース246は、シャフト244に回転可能に連結されそして位置合わせケース246内に配置された、回転連結機構248として示されている第一の連結機構部材を含む。回転連結機構248は、保持脚247として示されている延長部を含む。保持脚247は、回転連結機構248が第一の方向(例えば時計回りなど)に回転することを制限し、かつ一方で、回転連結機構248が反対の第二の方向(例えば半時計回りなど)に回転することを許容するよう、位置合わせケース246に隣接するように構成されている。回転連結機構248はまた、指示くぼみ(indicator indentation)249として示されている複数のくぼみも画定する。各指示くぼみ249は、手術用カート10の操舵モードに関連したハンドル242の向きに対応していてもよい。例えば、第一の指示くぼみ249が前後操舵モードと関連していてもよく、第二の指示くぼみ249が軸周り回転操舵モードと関連していてもよく、そして第三の指示くぼみ249が横方向操舵モードと関連していてもよい。例示的態様において、回転連結機構248が回転する際に、あらかじめ設定された操舵モードに係合したというフィードバック(例えば触覚フィードバックなど)をオペレータに提供するため、指示くぼみ249が、位置合わせケース246内に位置決めされた可動部材(例えば、インデクサ、ばね荷重式ボールベアリングなど)と相互作用する。指示くぼみ249はまた、操舵機構240を、(例えば、指示くぼみ249と可動部材との相互作用を介するなどして)あらかじめ設定された操舵モードのうちの1つに保つことを容易にしてもよい。
【0056】
図6〜7A、
図8A、
図9A、および
図13に示されているように、回転連結機構248は、接続連結機構250として示されている第二連結機構部材の第一端部に連結される。
図6〜7A、
図8A、および
図9Aに示されているように、接続連結機構250の反対側にある第二端部は、伝達ブロック252として示されている伝達部材に連結される。接続連結機構250は、ハンドル242から回転連結機構248によって提供される回転の入力を伝達ブロック252に伝えるように構成されている。
図7A、
図8A、および
図9Aに示されているように、伝達ブロック252は、中間連結機構256として示されている1対の第三連結機構の第一端部に連結される。したがって、伝達ブロック252は接続連結機構250を中間連結機構256に連結する。
図6〜7A、
図8A、および
図9Aに示されているように、伝達ブロック252は、線形スライド254として示されているスライド部材にスライド可能に連結される。したがって、伝達ブロック252は、ハンドル242からの回転の入力を、線形スライド254に沿った線形の並進に変換する。
【0057】
図7A、
図8A、および
図9Aに示されているように、各中間連結機構256の反対側にある第二端部は、回転連結機構258として示されている第四連結機構の第一端部と、駆動連結機構260として示されている第五連結機構の第一端部とに連結される。
図6〜7A、
図8A、および
図9Aに示されているように、回転連結機構258の反対側にある第二端部は操舵プレート212に回転可能に連結される。したがって、回転連結機構258は、回転連結機構258の反対側にある第二端部と操舵プレート212との接続点の周りで回転する。
図7A、
図8A、および
図9Aに示されているように、(例えばハンドル242の操作などによって)伝達ブロック252が線形スライド254に沿って再位置決めされる際に、中間連結機構256には回転および並進の両方が生じ、一方、回転連結機構258には回転のみが生じる。したがって、中間連結機構256の動きは、伝達ブロック252の線形運動と回転連結機構258の回転運動とによって規定される。
【0058】
図7A、
図8A、および
図9Aに示されているように、駆動連結機構260の反対側にある第二端部は、車輪連結機構262として示されている第六連結機構の第一端部に連結される。車輪連結機構262の反対側にある第二端部は前輪202に連結される。ハンドル242が操作されると、駆動連結機構260が回転および並進し、これにより、駆動連結機構260の反対側にある第二端部が車輪開口部116を通って延びる。車輪開口部116から外に向かうその延びは、車輪連結機構262を、(
図6において)車輪軸(wheel axis)220として示されている鉛直軸の周りで回転させる。したがって、車輪連結機構262の回転は、前輪202を車輪軸220の周りで回転させる。
【0059】
図13〜14B、
図15B、
図16B、および
図17Bに示されているように、接続連結機構250の反対側にある第二端部は、クランク機構700として示されているクランク機構に連結される。
図14A〜14B、
図15B、
図16B、および
図17Bに示されているように、クランク機構700は、カム710として示されている回転同期要素と、ロータ720として示されている回転要素と、アーム730として示されている1対の連結機構と、車輪継手740として示されている1対の枢動継手とを含む。例示的態様において、ロータ720は、操舵スイングアーム210の操舵プレート212に(例えば回転ベアリングなどによって)回転可能に連結される。例示的態様において、カム710がロータ720と共に回転するように、カム710はロータ720に回転固定されている。
【0060】
図14B、
図15B、
図16B、および
図17Bに示されているように、カム710は、接続連結機構インターフェース712として示されている第一インターフェースと、第一アーム接続インターフェース714として示されている第二インターフェースと、第二アーム接続インターフェース716として示されている第三インターフェースとを画定する。接続連結機構250の反対側にある第二端部は接続連結機構インターフェース712に連結し、第一アーム730の第一端部は第一アーム接続インターフェース714に連結し、そして第二アーム730の第一端部は第二アーム接続インターフェース716に連結する。
図14A〜14Bに示されているように、第一アーム730の第一端部と第二アーム730の第一端部とがカム710とロータ720との間に位置決めされるよう、カム710はロータ720から離されている。
図14B、
図15B、
図16B、および
図17Bに示されているように、第一アーム730の反対側にある第二端部は第一車輪継手740に連結され、第二アーム730の反対側にある第二端部は第二車輪継手740に連結される。
図15B、
図16B、および
図17Bに示されているように、車輪継手740は車輪ブラケット216に枢動可能に連結される。したがって、車輪継手740の回転は、車輪心棒(wheel axle)203とひいては前輪202とを、車輪軸220の周りで回転させる(
図13を参照)。
【0061】
図15B、
図16B、および
図17Bに示されているように、(例えば、ハンドル242、ハンドグリップ52の回転などによって生じる)接続連結機構250の動きは、カム710およびロータ720を(例えばそれらの中心軸の周りなどで)回転させる。そのような回転は、アーム730を、(例えば車輪開口部116を通るなどして)横方向外向きに延びるよう駆動してもよく、これにより、車輪ブラケット216の中で車輪継手740を駆動して回転させ、様々な位置における前輪202の枢動を容易にしてもよい。例示的態様において、クランク機構700(例えばロータ720、カム710など)は、手術用カート10の縦中心線に対して横方向にずらして置かれている(例えば、1つの側に向かって横方向に偏っているなど)。例示的態様において、第一車輪継手740と第二車輪継手740とは異なる特性(例えば、形状、寸法、構成など)を有する。例示的態様において、カム710は非対称の形状を有する。クランク機構700が横方向にずらして置かれていること、カム710が非対称であること、および/または車輪継手740の特性が異なっていることにより、前輪202の同期が維持される(例えば、前輪202が互いに異なる速度では枢動しない、前輪202の角度回転が同期される、など)。
【0062】
例示的態様において、ハンドル242および/またはハンドグリップ52の動きは、ハンドル242および/またはハンドグリップ52の回転と前輪202の回転との1:1の比で対応する(すなわち、ハンドル242および/またはハンドグリップ52の回転量が、前輪202の回転量に直接対応する)。例えば、ハンドル242および/またはハンドグリップ52が45°回るのは、前輪202が45°回るのに対応する。他の態様においては、ハンドル242および/またはハンドグリップ52の回転量は、前輪202の回転量に直接は対応しない(例えば、比が1:2、比が2:1、比が1:3、比が3:1など)。例示的態様において、操舵機構240は、前輪202にかかる外部荷重を、ハンドル242および/またはハンドグリップ52から切り離す。別の態様においては、操舵機構240は後部キャスタ302を操舵し、前輪202は自由に回転する。別の代替態様においては、操舵機構240は、前輪202および後部キャスタ302のうちの少なくとも1つを操舵する。さらに別の代替態様においては、前輪202および後部キャスタ302のうちの少なくとも1つは、操舵および自由回転のいずれも可能である(すなわち、操舵機構240を、前輪202および/または後部キャスタ302から選択的に脱係合することができる)。
【0063】
図7A〜7Bおよび
図15A〜15Bに示されている例示的態様において、手術用カート10は、前後操舵モード270として示されている第一の操舵モードにて構成されている。
図7A〜7Bに示されているように、操舵機構240のハンドル242は、前後操舵モード270に対応する第一の位置(前後位置272として示されている)に方向付けられる。
図15Aに示されているように、ハンドグリップ52は、前後位置72として示されている第一の位置に方向付けられる。ハンドル242が前後位置272に方向付けられている間、および/または、ハンドグリップ52が前後位置72に方向付けられている間、前輪202は、手術用カート10の前後軸と平行になるよう向きを調整(例えば、前向きに調整など)される。したがって、オペレータは手術用カート10を、矢印274によって示されているように前進方向または逆方向などの従来の方式で操縦することができる。また、前後操舵モード270にある間、後部キャスタ302は(例えば鉛直軸340の周りなどで)自由に回転できるので、手術用カート10は前方または後方に動きながら向きを変える(旋回する)こともできる。
【0064】
図8A〜8Bおよび
図16A〜16Bに示されている例示的態様において、手術用カート10は、軸周り回転操舵モード280として示されている第二の操舵モードにて構成されている。
図8A〜8Bに示されているように、操舵機構240のハンドル242は、軸周り回転操舵モード280に対応する第二の位置(軸周り回転位置282として示されている)に方向付けられる(例えば、ハンドル242が前後位置272から約45°回されるなど)。
図16Aに示されているように、ハンドグリップ52は、軸周り回転操舵モード280に対応する第二の位置(軸周り回転位置82として示されている)に方向付けられる(例えば、ハンドグリップ52が前後位置72から約45°回されるなど)。ハンドル242が軸周り回転位置282に方向付けられている間、および/または、ハンドグリップ52が軸周り回転位置82に方向付けられている間、前輪202は(例えば、手術用カート10の前後軸に対して約45°の角度でなど)手術用カート10に向かって内側に向きを変え、シャーシ100の前部110によって画定される凹部(凹部114として示されている)に入る。したがって、オペレータは手術用カート10を、矢印284によって示されているように手術用カート10の中心軸286の周りで回転する方向に操縦することができる。
図8A〜8Bおよび
図16Aに示されているように、軸周り回転操舵モード280にある間に手術用カート10を操縦すると、それにしたがって後部キャスタ302が回転し、半径ゼロでの旋回が容易になる(すなわち、手術用カート10が所定の位置において中心軸286の周りで回転できる)。
【0065】
図9A〜9Bおよび
図17A〜17Bに示されている例示的態様において、手術用カート10は、横操舵モード290として示されている第三の操舵モードにて構成されている。
図9A〜9Bに示されているように、操舵機構240のハンドル242は、横操舵モード290に対応する第三の位置(横位置292として示されている)に方向付けられる(例えば、ハンドル242が前後位置272から約90°回されるなど)。
図17Aに示されているように、ハンドグリップ52は、横操舵モード290に対応する第三の位置(横位置92として示されている)に方向付けられる(例えば、ハンドグリップ52が前後位置72から約90°回されるなど)。ハンドル242が横位置292に方向付けられている間、および/または、ハンドグリップ52が横位置92に方向付けられている間、前輪202は(例えば、手術用カート10の前後軸に対して90°の角度でなど)手術用カート10の前後軸に対して垂直になるように向きを変えて完全に凹部114に入る。したがって、オペレータは手術用カート10を、矢印294によって示されているように横方向に操縦することができる。
図9A〜9Bおよび
図17Aに示されているように、横操舵モード290にある間に手術用カート10を操縦すると、それにしたがって後部キャスタ302が回転し、手術用カート10を横方向に動かすことが容易になる。手術用カート10を横方向に操縦することは、手術用カート10を(例えば前後操舵モード270にある間などに)動かして手術室に入れた後に、手術用カート10を手術台の隣に位置決めするのに有用である可能性がある。前輪が固定されている従来の手術用カートではこれが困難である。カートをバックさせ、枢動させ、そして戻さなければならない。時には、位置が正しくなるまで、これを複数回繰り返さなくてはならない。このため、しばしば、カートを前端部から扱う必要が生じるが、前端部は手術室の無菌野に入っている場合もあり、理想的ではない。本開示の手術用カート10は、手術室の非無菌野において、手術用カート10の後端部14から、手術台のそばで横方向に並進させることが容易となる。さらに、制御された横方向の並進が行えるよう、枢動キャリッジアセンブリ300が、前輪202の荷重を均等にすることを容易にする。
【0066】
再度
図7B、
図8B、および
図9Bを参照すると、別の態様においては、操舵機構240のハンドル242が省略され、そしてハンドグリップ52のうちの1つが、(
図15A、
図16A、および
図17Aに関連して上述したように)手術用カート10を様々な操舵モードの間で再構成するため、操舵機構240に機械的に連結されている。別の代替態様においては、ハンドグリップ52の各々が、前輪202の回転を独立に制御する(例えば、右のハンドグリップ52が右の前輪202の枢動を制御し、左のハンドグリップ52が左の前輪202の枢動を制御し、1つは時計回りに回転し、他方は反時計回りに回転する、など)。
【0067】
図10、
図15A、
図16A、および
図17Aに示されているように、(例えば前輪202の回転を制御するなどの)ハンドグリップ52は、ロックボタン56として示されている押しボタンを含む。いくつかの態様において、ロックボタン56は、前輪202の回転位置をロックすることを容易にするように構成されている(例えば、ハンドグリップ52および前輪202の故意でない回転を防ぐためなど)。いくつかの態様において、ロックボタン56は、前輪202の回転位置をロック解除することを容易にするように構成されている(例えば、前輪202に対する車輪ロックが、バイアスがかけられてロック位置に入るなど)。いくつかの態様において、前輪202の位置は、1つまたは複数の位置において(例えば、ハンドグリップ52が前後位置72に方向付けられているときなど)、自動的にロックされる。
図15Aに示されているように、ハンドグリップ52は、手術用カート10の前後軸に対して角度が付けられている(例えば、手術用カート10の前後軸に対して15°の角度が付けられており、これにより、手術用カート10を押す時の人間工学的な感覚をより良好にするなど)。
【0068】
本明細書における操舵機構240は、前輪202を、前後位置272と、軸周り回転位置282と、横位置292との間で選択的に操舵することを容易にするように構成されているものとして詳しく説明されている。しかし、理解されるべき点として、前輪202は、前後位置272と横位置292との間の任意の位置において選択的に枢動および/またはロックされてもよい(例えば、前輪202が、手術用カート10の前後軸に対して0〜90°の任意の角度に位置決めおよび/またはロックされてもよい)。
【0069】
「または/もしくは」という用語は(排他的な意味ではなく)包含的な意味で用いられ、したがって、例えば要素のリストを接続するために用いられた場合、「または/もしくは」という用語は、リスト内の要素のうちの1つ、いくつか、または全部を意味する。「X、Y、およびZのうちの少なくとも1つ」という句などの接続的な言葉は、特に断りがない限り、一般的に用いられるように文脈とともに理解され、そのアイテム、用語などが、Xか、Yか、Zか、XおよびYか、XおよびZか、YおよびZか、または、X、Y、およびZか(すなわちX、Y、およびZの任意の組み合わせ)のいずれであってもよいことを意味する。したがって、そのような接続的な言葉は、特に断りがない限り、特定の態様に、少なくとも1つのXと、少なくとも1つのYと、少なくとも1つのZとの各々が存在していなければならないということを、含意するようには概して意図されていない。
【0070】
様々な例示的態様に示されているシステムおよび方法の構成および配置は、例示的なものにすぎない。本開示には少しの態様のみを詳しく説明したが、多数の改変が可能である(例えば、様々な要素のサイズ、寸法、構造、形状、および割合;パラメータの値;取り付け方法;材料の使用;色;向きなどのバリエーションなど)。例えば、一体型で形成されているものとして示されているいくつかの要素が複数の部品または要素から構築されていてもよく、要素の位置が反転またはその他変更されていてもよく、そして、不連続な要素または位置の、性質または数が、変化または変更されてもよい。したがって、そのような改変はすべて、本開示の範囲内に含まれることが意図されている。任意のプロセスまたは方法の段階の順序が、別の態様に基づいて変更または並び替えされてもよい。また、2つまたはそれ以上の段階が同時または部分的に同時に行われてもよい。そのようなバリエーションは、選択されるソフトウェアおよびハードウェアシステムを含む様々な要素、ならびに設計者の選択によって異なるものと考えられる。そのようなバリエーションは全て、本開示の範囲内である。同様に、様々な接続の段階、処理の段階、比較の段階、および決定の段階を実現するため、ルールベースの論理および他の論理を伴う標準的なプログラミング技術によって、ソフトウェアの実施形態が実現されてもよい。例示的態様の設計、動作条件、および配置に対する、その他の置換、改変、変更、および省略も、本開示の範囲から逸脱することなく行われ得る。