(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記視覚的インジケータは、前記ニードルの先端部が前記カニューレを越えて遠位に延在しているときに前記ニードルハブ遠位端部によってカバーされており、それは、前記ニードルの前記先端部が前記カニューレの中へ引き抜かれているときに露出されている、請求項4に記載のIVカテーテルシステム。
前記ニードルコンポーネントはフラッシュチャンバを含み、前記サイドグリップは前記フラッシュチャンバの上に形成されている、請求項6に記載のIVカテーテルシステム。
前記カテーテルコンポーネントは前記第1のウイングの反対側方向に延在する第2のウイングをさらに含み、前記第2のウイングは、前記拡張チュービング接合部を組み込むが、前記拡張チュービング接合部を越えて延在していない、請求項8に記載のIVカテーテルシステム。
【発明を実施するための形態】
【0050】
本発明の現在の好適な実施形態は、図面を参照することによって理解され得、図面において、同様の参照数字は、同一の要素又は機能的に同様の要素を示している。本明細書において図に一般的に説明及び図示されているように、本発明のコンポーネントは、多種多様な異なる構成で配置及び設計され得るということが容易に理解されることとなる。したがって、図に表されているような、以下のより詳細な説明は、特許請求されているような本発明の範囲を限定するように意図されているのではなく、単に、本発明の現在の好適な実施形態を表しているに過ぎない。
【0051】
その上、図は、簡単化された図又は部分図を示している可能性があり、図の中の要素の寸法は、誇張されている可能性があり、又は、そうでなければ、明確化のために、比例していない可能性がある。それに加えて、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、文脈がそうでないことを明確に示していなければ、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、端末を参照することは、1つまたはより多くの端末を参照することを含む。それに加えて、要素のリスト(例えば、要素a、b、c)が参照される場合に、そのような参照は、列挙されている要素の任意の1つを単独で含むこと、列挙されている要素のすべてよりも少ない任意の組み合わせを含むこと、及び/又は、列挙されている要素のすべての組み合わせを含むことを意図している。
【0052】
「実質的に」という用語は、記載されている性質、パラメーター、又は値が、正確に実現されることを必要とするのではなく、例えば、公差、測定誤差、測定精度限界、及び、当業者に公知の他の要因を含む、偏差又は変形が、その性質が提供することを意図していた効果を妨げない量で起こり得るということを意味している。
【0053】
本明細書で使用されているように、「近位」、「上部」、「上に」、又は「上向きに」という用語は、デバイスを使用している臨床医に最も近く、患者から最も遠い、デバイスの上の場所を表しており、デバイスは、デバイスがその通常の動作で使用されているときに、患者に接続して使用される。逆に、「遠位」、「下部」、「下に」、又は「下向きに」という用語は、デバイスを使用している臨床医から最も遠く、患者に最も近い、デバイスの上の場所を表しており、デバイスは、デバイスがその通常の動作で使用されているときに、患者に接続して使用される。
【0054】
本明細書で使用されているように、「内に」又は「内向きに」という用語は、通常使用の間にデバイスの内側を向いている、デバイスに対する場所を表している。逆に、本明細書で使用されているように、「外に」又は「外向きに」という用語は、通常使用の間にデバイスの外側を向いている、デバイスに対する場所を表している。
【0055】
図1は、一実施形態によるIVカテーテルシステム100の斜視図である。IVカテーテルシステム100は、注入されることとなる流体の供給部に接続され得る。流体供給部(図示せず)は、血液又は患者に送達されることとなる薬剤のバッグ、IVカテーテルシステム100への流体のフローを調整するドリップチャンバ、及び/又は、IVカテーテルシステム100への流体の供給に関与する他のコンポーネントを含むことができる。IVカテーテルシステム100は、
図1の例示的な実施形態において示されているように、複数のコンポーネントを有することができる。これらのコンポーネントは、カテーテルコンポーネント102、ニードルコンポーネント104、拡張チューブ106、クランプ108、及び/又はルアーロックアダプタ110を含むことができる。
【0056】
カテーテルコンポーネント102は、流体を患者へ搬送するために、患者の中の流体送達場所の中へ挿入され得る。ニードルコンポーネント104は、流体送達場所へのカテーテルコンポーネント102の挿入を促進することができる。拡張チューブ106は、流体をカテーテルコンポーネント102へ搬送することができる。クランプ108は、流体送達を停止又は休止させることが望まれるときに、カテーテルコンポーネント102への流体フローを手動で遮断するために使用され得る。ルアーロックアダプタ110は、例えば、流体供給部の相補的なルアーロック(図示せず)への接続を介して、流体供給部に容易に接続され得る。
【0057】
図1に具現化されているように、IVカテーテルシステム100は、拡張チューブ106がカテーテルコンポーネント102に事前に取り付けられているので、一体化されたIVカテーテルシステムであることが可能である。他の実施形態では、様々なオープン構成の、一体化された構成の、及び/又は、安全に一体化された(safety integrated)構成のIVカテーテルシステムも使用され得る。
【0058】
カテーテルコンポーネント102は様々なコンポーネントを有することが可能であり、それは、カテーテルハブ120、固定プラットフォーム122、拡張チュービング接合部124、及びカニューレ126を含むことができる。カテーテルハブ120は、概ねチューブ状の及び/又は中空の円錐形状の構成を有することが可能であり、また、近位端部130及び遠位端部132を有することができる。カテーテルハブ120はチャンバ134を画定するように形作られ、流体はチャンバ134を通って流れ、流体送達場所に到達する。カテーテルハブ120は、近位端部130においてニードルポート136を有することができる。チャンバ134は隔壁138を含有することが可能であり、隔壁138は、チャンバ134からニードルポート136を通して送達されることとなる血液及び/又は流体のフローを遮断するように設計されている。カニューレ126は、カテーテルハブ120の遠位端部132に固定され得る。
【0059】
固定プラットフォーム122は、概ね平面的な構成を有することが可能であり、概ね平面的な構成は、流体送達が起こるときに、カテーテルコンポーネント102を適切な場所にしっかりと維持するために、固定プラットフォーム122が流体送達場所に近接して患者の皮膚に固定されることを可能にするように設計されている。
図1に具現化されているように、固定プラットフォーム122は、概ね平面的な形状を有する第1のウイング140と、第2のウイング142とを有することが可能であり、第2のウイング142は、また、第1のウイング140と概ね同一平面上にある概ね平面的な形状を有している。第2のウイング142は、第1のウイング140からカテーテルハブ120の反対側に位置決めされ得る。したがって、カテーテルハブ120に対して、第1のウイング140及び第2のウイング142は、カテーテルハブ120から反対側方向に外向きに延在していることが可能である。第1のウイング140及び第2のウイング142は、両方とも、カテーテルハブ120にしっかりと固定され得、また、固定プラットフォーム122に対して垂直の方向に沿って見たときに、概ね三角形の形状をそれぞれ有することができる。代替例では、第1のウイング140及び/又は第2のウイング142は、それに限定されないが、多角形形状、例えば、三角形形状及び長方形形状など、並びに、非多角形形状、例えば、円形、半円形、楕円形、長円形、及び不規則形状などを含む、任意の形状を有することができる。これらの代替的な形状の幾つかの例は、後続の実施形態に示されることとなる。第1のウイング140及び第2のウイング142は、カテーテルハブ120の近位端部130に向けて配向された後縁部144をそれぞれ有することができる。
【0060】
ニードルコンポーネント104は、ニードルハブ150、グリップ152、及びニードル154を有することができる。ニードルハブ150は、カテーテルコンポーネント102のカテーテルハブ120に取り外し可能に連結され得る。グリップ152は、ニードルハブ150から外向きに延在することができる。ニードル154は、カニューレ126の中に除去可能に位置決めされ得、ニードル154が、流体送達場所(例えば、静脈)にアクセスするプロセス、及び、流体を流体送達場所に送達するようにカニューレ126を適正に位置決めするプロセスを促進するようになっている。
【0061】
ニードルハブ150は、近位端部160及び遠位端部162を備えた概ねチューブ状の形状を有することができる。ニードルハブ150は、遠位端部162に位置決めされているボス164を有することができる。ボス164は、カテーテルコンポーネント102のカテーテルハブ120のニードルポート136の中へ挿入可能であり得る。
【0062】
グリップ152は、ニードルハブ150から外向きに延在する概ね平面的な形状を有することができる。グリップ152に対して垂直の方向から見たときに、グリップ152は、長円形及び/又は部分的に楕円形の形状を有することができる。グリップ152、第1のウイング140、及び/又は、第2のウイング142は、グリップ252の上に示されているように、1つまたはより多くのグリップ機構170を有することが可能であり、グリップ機構170は、手でグリップ152を把持及び/又は移動させることを促進する確実なインターフェースを提供することを助けることができる。グリップ152は、前縁部172を有することができる。
【0063】
IVカテーテルシステム100は、挿入構成及び流体送達構成を有することが可能であり、挿入構成では、IVカテーテルシステム100は、カニューレ126を流体送達場所の中に位置決めするために容易に挿入可能になっており、流体送達構成では、カニューレ126を通る流体フローが、相対的に妨げられない。
図1では、IVカテーテルシステム100は、挿入構成になっている。ニードル154は、カニューレ126の中に位置決めされ、組織を突き通すための先の尖った先端部、及び、挿入の間にカニューレ126を支持する比較的に硬い本体部を提供する。ニードルハブ150のボス164は、カテーテルハブ120のニードルポート136の中に位置決めされている。ニードル154は、カテーテルコンポーネント102の隔壁138を通過している。
【0064】
IVカテーテルシステム100は、流体送達場所(例えば、患者の静脈)に近接してカニューレ126の先端部を位置決めすることによって、適切な位置へ挿入され得る。固定プラットフォーム122が、流体送達場所に近接して、患者の皮膚の上に設置され、及び/又は、臨床医の手の中に保持され得る。カテーテルコンポーネント102及びニードルコンポーネント104は、カニューレ126の先端部が周囲の組織を突き通し、流体送達場所を到達するまで、カニューレ126を押圧するように前進させられ得る。望まれる場合には、カテーテルコンポーネント102は、カテーテルコンポーネント102の押圧面を押圧することによって前進させられ得る。「押圧面」は、概して近位に配向されており、したがって、カテーテルコンポーネント102及びニードルコンポーネント104を一緒に遠位に促すために、臨床医の手からの接触を受け入れることができる、表面である。
【0065】
カニューレ126の先端部が流体送達場所に到達すると、IVカテーテルシステム100が、流体送達構成へ移行させられ得る。これは、カテーテルコンポーネント102から近位にニードルコンポーネント104を引き抜くことによって行われ得る。これは、最初に、ボス164がニードルポート136の中から近位に引き抜かれることを引き起こすことができる。また、ニードル154は、カニューレ126から、次いで、隔壁138を含むチャンバ134を通して、近位に引き抜かれ得る。ニードル154は、チャンバ134から外へニードルポート136を通過することが可能であり、したがって、流体送達構成へのIVカテーテルシステム100の運動を完了させる。ここで、流体送達場所への流体フローは、流体が拡張チューブ106を通ってチャンバ134の中へそしてカニューレ126を通って流体送達場所へ流れることを促すことによって達成され得る。
【0066】
IVカテーテルシステム100は、有利には、流体送達場所への挿入が片手で容易に実施されることを促進するように設計され得る。例えば、挿入の間に、臨床医は、一方の手で、例えば、固定プラットフォーム122及びグリップ152をつかむことによって、カテーテルコンポーネント102及びニードルコンポーネント104を保持することができる。次いで、臨床医は、同じ手で、カテーテルコンポーネント102の1つまたはより多くの押圧面(例えば、第1のウイング140及び/又は第2のウイング142の後縁部144)に穏やかな圧力を加えることが可能であり、カニューレ126の先端部が患者の皮膚を突き通して最終的に流体送達場所に到達するように促す。望まれる場合には、1つまたはより多くのロック機構(図示せず)は、挿入構成から流体送達構成へIVカテーテルシステム100を移行させるために臨床医が閾値の力を加えるまで、カテーテルコンポーネント102及びニードルコンポーネント104を一緒に保持するために使用され得る。そのようなロック機構は、ボス164とニードルポート136の間でインターロック機構(図示せず)の形態をとることなどが可能である。
【0067】
IVカテーテルシステム100は、血管の中の適正な設置の視覚的な確認を提供するように設計され得る。例えば、カテーテルハブ120の少なくとも一部分は、チャンバ134の中への視認性を提供するために半透明であってよい。したがって、カニューレ126の先端部が静脈に進入するときに、結果として生じる血液フロー又は「フラッシュ」は、血液がチャンバ134に進入するときに、カテーテルハブ120の外部壁部を通して見ることができ得る。また、拡張チュービング接合部124及び拡張チューブ106は、オプションで、半透明であってよい。幾つかの実施形態では、フラッシュは、拡張チューブ106を通ってルアーロックアダプタ110へ延在することができる。ルアーロックアダプタ110は、血液漏れを実質的に防止する様式で、流体供給部に連結され得る。
【0068】
さらに、IVカテーテルシステム100は、有利には、片手による挿入構成から流体送達構成への移行を促進するように設計され得る。例えば、臨床医は、片手で(それは、IVカテーテルシステム100を流体送達場所の中へ挿入するために使用された同じ手である場合がある)、カテーテルコンポーネント102及びニードルコンポーネント104をつかみ、カテーテルコンポーネント102から近位にニードルコンポーネント104を引き抜くことができる。カテーテルコンポーネント102は、実質的に適切な場所に残されることが可能であり、ニードルコンポーネント104だけがかなり移動するようになっており、IVカテーテルシステム100を挿入構成から流体送達構成へ移行させる。
【0069】
これは、ニードルコンポーネント104の引張り面及びカテーテルコンポーネント102の押圧面を接触させるように手の指を置くことによって、次いで、それらの指によってカテーテルコンポーネント102を遠位に押圧しながら、ニードルコンポーネント104を近位に引っ張り、それがニードルコンポーネント104とともに近位に移動しないように維持することによって行われ得る。例えば、固定プラットフォーム122の後縁部144は、押圧面とし作用することが可能であり、一方、グリップ152の縁部172は引張り面として作用することができる。臨床医は、親指及び/又は1つまたはより多くの他の指によって固定プラットフォーム122の後縁部144を押圧しながら、1つまたはより多くの指をグリップ152の前縁部172の上に置き、近位に引っ張ることができる。したがって、カテーテルコンポーネント102は、カニューレ126の先端部が流体送達場所にある状態で適切な場所に維持され得、一方、流体送達場所への流体送達経路を遮断しないように、ニードルコンポーネント104はカテーテルコンポーネント102から近位に引き抜かれる。
【0070】
引張り面及び押圧面の相対的な位置は、上記に説明されている様式で、片手だけを使った動作を促進することができる。望まれる場合には、ニードルハブ150とカテーテルハブ120のカップリングは、IVカテーテルシステム100が挿入構成になっている状態で、ニードルハブ150がカテーテルハブ120に対して回転可能であるようになっていることが可能である。したがって、臨床医は、前縁部172を引っ張って後縁部144を押圧する前に、前縁部172を引っ張るために最も快適な配向にグリップ152を片手で回転させることができる。
【0071】
隔壁138は、隔壁138を通して近位にニードル154を引き抜くことに対して比較的に低い抵抗を提供するように構成された「低摩擦」又は「低抗力(low drag)」設計を有することが可能であり、それは、IVカテーテルシステム100が挿入構成から流体送達構成へ移行するときに起こる。隔壁138を通してニードル154を引き抜くことに対する抵抗は、十分に低いことが可能であり、臨床医が片手だけでIVカテーテルシステム100を挿入構成から流体送達構成へ比較的に容易に移行させることができるようになっている。幾つかの実施形態では、引き抜くことに対する抵抗は、平均で、約50gf未満とすることができる。
【0072】
図2は、一代替実施形態によるIVカテーテルシステム200の一部分の斜視図である。IVカテーテルシステム200は、
図1のIVカテーテルシステム100のものに概ね対応するコンポーネントを有することができる。
図2は、カテーテルコンポーネント202、ニードルコンポーネント204、及び、カテーテルコンポーネント202に接続されている拡張チューブ206の遠位端部だけを示している。IVカテーテルシステム200は、
図1のIVカテーテルシステム100のものと同様の構成を有することができる。しかし、幾つかのコンポーネントは、代替的な人間工学を提供するように異なって形作られ得る。
【0073】
カテーテルコンポーネント202は、カテーテルハブ220、固定プラットフォーム222、拡張チュービング接合部224、及びカニューレ226を有することができる。カテーテルハブ220は、概ねチューブ状の及び/又は中空の円錐状の形状を有することが可能であり、近位端部230及び遠位端部232を備えている。カテーテルハブ220は、チャンバ234を画定するように形作られた概ね半透明な外部壁部を有することが可能であり、流体は、チャンバ234を通って流れ、カニューレ226を通して流体送達場所に到達する。カテーテルハブ220は、カテーテルハブ220の近位端部230に近接して、ニードルコンポーネント204に接続するニードルポート236を有することができる。また、カテーテルハブ220は、チャンバ234の中に位置決めされている隔壁238を有することができる。隔壁238は、以前に説明されているような「低抗力」隔壁であってよい。
【0074】
固定プラットフォーム222は、流体送達の間に患者の皮膚に取り付けられ、カニューレ226を流体送達場所において適切な場所に維持することができる。固定プラットフォーム222は、第1のウイング240及び第2のウイング242を有することが可能であり、第1のウイング240及び第2のウイング242は、両方とも形状が概ね平面的であってよく、また、カテーテルハブ220に対して反対側方向に延在することができる。第1のウイング240及び第2のウイング242のそれぞれは、固定プラットフォーム222に対して垂直方向から見たときに概ね長方形の形状を有することが可能であり、押圧面として作用することができる後縁部244を備えている。
【0075】
ニードルコンポーネント204は、ニードルハブ250、グリップ252、及びニードル254を有することができる。ニードルハブ250は、近位端部260及び遠位端部262を備えた概ね円筒状の形状を有することができる。また、ニードルハブ250はボス264を有することが可能であり、ボス264は、遠位端部262から突出し、カテーテルハブ220のニードルポート236とインターフェース接続している。
【0076】
グリップ252は、概ね平面的な形状を有することが可能であり、グリップ252に対して垂直方向から見たときに概ね長方形の形状を有している。しかし、グリップ252は、任意の他の適切な形状を有することができる。グリップ252は、前縁部(見ることができない)を有することが可能であり、前縁部は、引張り面としての役割を果たすことができる。グリップ252、第1のウイング240、及び/又は、第2のウイング242は、1つまたはより多くのグリップ機構270を有することが可能であり、1つまたはより多くのグリップ機構270は、手でグリップ152を把持及び/又は移動させることを促進する確実なインターフェースを提供することを助けることができる。
【0077】
挿入構成から流体送達構成へIVカテーテルシステム200を移行させるために、臨床医はグリップ252の前縁部の上に指(例えば、親指以外の手指(finger))を位置決めすることが可能であり、また、第1のウイング240及び/又は第2のウイング242の後縁部244の上に指(例えば、親指以外の手指又は親指)を位置決めすることができる。次いで、臨床医は、矢印290によって示されているように前縁部を近位に引っ張ることが可能であり、また、矢印292によって示されているように第1のウイング240及び/又は第2のウイング242の後縁部244を遠位に押圧することができる。これは、ニードルコンポーネント204がカテーテルコンポーネント202から近位に引き抜かれている間に、カテーテルコンポーネント202が適切な場所に残ることを引き起こすことができる。
【0078】
グリップ252及び第1のウイング240は、互いに対して平行に位置決めされ得、また、互いに極めて接近して位置決めされ得、それらが、挿入構成において、及び、挿入構成から流体送達構成への移行の初期段階の間に、互いに対して当接関係になるようになっている。グリップ252と第1のウイング240の間の所望の相対的な位置決めを維持するために、グリップ252及び/又は第1のウイング240は、第1のウイング240とグリップ252の間の相対的な位置決め及び/又は配向を維持する1つまたはより多くのアライメント機構を有することができる。
【0079】
具体的には、グリップ252は、アライメントリッジ280の形態のアライメント機構を有することが可能であり、アライメントリッジ280は、第1のウイング240に向けて突出していることが可能であり、また、グリップ252に向かう方を向く第1のウイング240の表面の上のトラフ又は他の機構などのような、相補的なアライメント機構(図示せず)の中に受け入れられ得る。アライメントリッジ280及び相補的なアライメント機構は、流体送達構成へのIVカテーテルシステム200の運動の間に、ニードル254をカニューレ226に対して平行に維持することを助けることができる。これは、ニードルコンポーネント204がカテーテルコンポーネント202からスムーズに引き抜かれ得ることを確実にすることを助けることができる。より具体的には、カテーテルコンポーネント202及び/又はニードルコンポーネント204にアンバランスな力を加えることは、ニードルコンポーネント204がカテーテルコンポーネント202に対して回転することを促すことができる。例えば、臨床医が、第1のウイング240の後縁部244を押圧しながら、グリップ252の前縁部を引っ張っている場合には、これは、
図2の視点に関して、ニードルコンポーネント204がカテーテルコンポーネント202に対して時計回りに回転することを促すことができる。
【0080】
アライメントリッジ280及び第1のウイング240の相補的なアライメント機構は、第1のウイング240の相補的なアライメント機構からアライメントリッジ280を取り外すのに十分に、ニードルコンポーネント204がカテーテルコンポーネント202から引き抜かれるまで、そのような相対的な回転が起こらないことを確実にすることを助けることができる。したがって、カテーテルコンポーネント202とニードルコンポーネント204の間の結合及び/又は他の望ましくない相互作用が、挿入構成から流体送達構成への移行の間に回避され得る。
【0081】
図3A及び
図3Bは、それぞれ、別の代替実施形態によるIVカテーテルシステム300の一部分の斜視図及び平面図である。IVカテーテルシステム300は、
図1及び
図2のものに概して対応するコンポーネントを有することができる。
図3A及び
図3Bは、カテーテルコンポーネント302、ニードルコンポーネント304、及び、カテーテルコンポーネント302に接続されている拡張チューブ306の遠位端部だけを図示している。IVカテーテルシステム300は、以前の実施形態のものと同様の構成を有することができる。しかし、幾つかのコンポーネントは、代替的な人間工学を提供するように異なって形作られ得る。
【0082】
以前の実施形態と同様に、カテーテルコンポーネント302は、カテーテルハブ320、固定プラットフォーム322、拡張チュービング接合部324、及びカニューレ326を有することができる。カテーテルハブ320は、概ねチューブ状の及び/又は中空の円錐状の形状を有することが可能であり、近位端部330及び遠位端部332を備えている。カテーテルハブ320は、チャンバ334を画定するように形作られた概ね半透明な外部壁部を有することが可能であり、流体は、チャンバ334を通って流れ、カニューレ326を通して流体送達場所に到達する。カテーテルハブ320は、カテーテルハブ320の近位端部330に近接して、ニードルコンポーネント304に接続するニードルポート336を有することができる。また、カテーテルハブ320は、チャンバ334の中に位置決めされている隔壁338を有することができる。隔壁338は、以前に説明されているような「低抗力」隔壁であってよい。
【0083】
固定プラットフォーム322は、流体送達の間に患者の皮膚に取り付けられ、カニューレ326を流体送達場所において適切な場所に維持することができる。固定プラットフォーム322は、第1のウイング340の形態の単一のウイングだけを有することが可能であり、第1のウイング340は、形状が概ね平面的であってよく、また、固定プラットフォーム322に対して垂直方向から見たときに、概ね台形の形状を有することが可能であり、押圧面として作用することができる後縁部344を備えている。
【0084】
第1のウイング340は、拡張チュービング接合部324と一体化され得、拡張チュービング接合部324が、第1のウイング340の前縁部を画定するようになっている。拡張チュービング接合部324は、前縁部において第1のウイング340の幅に対する拡大を提供することができる。この拡大は、拡張チュービング接合部324が押圧面としての役割を果たすことを可能にすることができる。より具体的には、臨床医は、拡張チュービング接合部324のトレーリング部分(そこで、拡張チュービング接合部324が、第1のウイング340と融合している)を押圧し、カテーテルコンポーネント302を前方へ促すことができる。
【0085】
ニードルコンポーネント304は、ニードルハブ350、グリップ352、及びニードル354を有することができる。ニードルハブ350は、近位端部360及び遠位端部362を備えた概ね円筒状の形状を有することができる。また、ニードルハブ350はボス364を有することが可能であり、ボス364は、遠位端部362から突出し、カテーテルハブ320のニードルポート336とインターフェース接続している。
【0086】
グリップ352は、概ね平面的な形状を有することが可能であり、グリップ352に対して垂直方向から見たときに概ね台形の形状を有している。グリップ352は、前縁部372を有することが可能であり、前縁部372は、引張り面としての役割を果たすことができる。グリップ352及び/又は第1のウイング340は、1つまたはより多くのグリップ機構370を有することが可能であり、1つまたはより多くのグリップ機構370は、手でグリップ152を把持及び/又は移動させることを促進する確実なインターフェースを提供することを助けることができる。
【0087】
挿入構成から流体送達構成へIVカテーテルシステム300を移行させるために、臨床医は、グリップ352の前縁部372の上に、及び/又は、タブ384の前縁部の上に、指(例えば、親指以外の手指)を位置決めすることが可能であり、また、第1のウイング340の後縁部344の上に指(例えば、親指以外の手指又は親指)を位置決めすることができる。次いで、臨床医は、前縁部372及び/又はタブ384の前縁部を近位に引っ張ることが可能であり、また、第1のウイング340の後縁部344を遠位に押圧することができる。これは、ニードルコンポーネント304がカテーテルコンポーネント302から近位に引き抜かれている間に、カテーテルコンポーネント302が適切な場所に残ることを引き起こすことができる。
【0088】
グリップ352及び第1のウイング340は、互いに対して平行に位置決めされ得、また、互いに極めて接近して位置決めされ得、それらが、挿入構成において、及び、挿入構成から流体送達構成への移行の初期段階の間に、互いに対して当接関係になるようになっている。グリップ352と第1のウイング340の間の所望の相対的な位置決めを維持するために、グリップ352及び/又は第1のウイング340は、第1のウイング340とグリップ352の間の相対的な位置決め及び/又は配向を維持する1つまたはより多くのアライメント機構を有することができる。
【0089】
具体的には、グリップ352は、1対のアライメントリッジ380の形態のアライメント機構を有することが可能であり、アライメントリッジ380は、第1のウイング340に向けて突出していることが可能であり、また、第1のウイング340の中に形成されたスロット382の形態の相補的なアライメント機構の中に受け入れられ得る。アライメントリッジ380及びスロット382は、流体送達構成へのIVカテーテルシステム300の運動の間に、ニードルコンポーネント304をカテーテルコンポーネント302に対して平行に維持することを助けることが可能であり、それは、以前の実施形態において説明されているように、流体送達構成への移行を促進することができる。
【0090】
望まれる場合には、第1のウイング340は、半透明であってよく、グリップ352のユーザ可視化、及び、より具体的には、縁部372のユーザ可視化を促進するようになっている。前縁部372に加えて、ニードルコンポーネント304は、タブ384を有することが可能であり、タブ384は、グリップ352が突出している方向と概ね反対側の方向に、ニードルハブ350から外向きに突出している。グリップ352の前縁部372に加えて、及び/又は、グリップ352の前縁部372の代替として、タブ384は、臨床医によって使用され得る引張り面を提供することができる。これは、臨床医が片手でIVカテーテルシステム300を挿入する追加的なオプション、及び/又は、臨床医が片手でIVカテーテルシステム300を挿入構成から流体送達構成へ移行させる追加的なオプションを提供することができる。
【0091】
図4は別の代替実施形態によるIVカテーテルシステム400の平面図である。IVカテーテルシステム400は、
図3A及び
図3BのIVカテーテルシステム300のものと同様のコンポーネントを有することができる。
図4は、カテーテルコンポーネント402、ニードルコンポーネント404、及び、カテーテルコンポーネント402に接続されている拡張チューブ406の遠位端部だけを図示している。IVカテーテルシステム400は、IVカテーテルシステム300のものと同様の構成を有することができる。しかし、幾つかのコンポーネントは、代替的な人間工学を提供するように異なって形作られ得る。
【0092】
以前の実施形態と同様に、カテーテルコンポーネント402は、カテーテルハブ420、固定プラットフォーム422、拡張チュービング接合部424、及びカニューレ426を有することができる。カテーテルハブ420は、概ねチューブ状の及び/又は中空の円錐状の形状を有することが可能であり、近位端部430及び遠位端部432を備えている。カテーテルハブ420は、チャンバ434を画定するように形作られた概ね半透明な外部壁部を有することが可能であり、流体は、チャンバ434を通って流れ、カニューレ426を通して流体送達場所に到達する。カテーテルハブ420は、カテーテルハブ420の近位端部430に近接して、ニードルコンポーネント404に接続するニードルポート436を有することができる。また、カテーテルハブ420は、チャンバ434の中に位置決めされている隔壁438を有することができる。隔壁438は、以前に説明されているような「低抗力」隔壁であってよい。
【0093】
固定プラットフォーム422は、流体送達の間に患者の皮膚に取り付けられ、カニューレ426を流体送達場所において適切な場所に維持することができる。固定プラットフォーム422は、第1のウイング440の形態の単一のウイングだけを有することが可能であり、第1のウイング440は形状が概ね平面的であってよく、また、固定プラットフォーム422に対して垂直方向から見たときに、概ね三角形の形状を有することが可能であり、押圧面として作用することができる後縁部444を備えている。
【0094】
第1のウイング440は、拡張チュービング接合部424と一体化され得、拡張チュービング接合部424が、第1のウイング440の前縁部を画定するようになっている。拡張チュービング接合部424は、前縁部において第1のウイング440の幅に対する拡大を提供することができる。この拡大は、拡張チュービング接合部424が押圧面としての役割を果たすことを可能にすることができる。より具体的には、臨床医は、拡張チュービング接合部424のトレーリング部分(そこで、拡張チュービング接合部424が、第1のウイング440と融合している)を押圧し、カテーテルコンポーネント402を前方へ促すことができる。
【0095】
ニードルコンポーネント404は、ニードルハブ450、グリップ452、及びニードル454を有することができる。ニードルハブ450は、近位端部460及び遠位端部462を備えた概ね円筒状の形状を有することができる。また、ニードルハブ450はボス464を有することが可能であり、ボス464は、遠位端部462から突出し、カテーテルハブ420のニードルポート436とインターフェース接続している。
【0096】
グリップ452は、概ね平面的な形状を有することが可能であり、グリップ452に対して垂直方向から見たときに概ね三角形の形状を有している。グリップ452は、前縁部472を有することが可能であり、前縁部472は、引張り面としての役割を果たすことができる。グリップ452及び/又は第1のウイング440は、1つまたはより多くのグリップ機構470を有することが可能であり、1つまたはより多くのグリップ機構470は、手でグリップ452を把持及び/又は移動させることを促進する確実なインターフェースを提供することを助けることができる。
【0097】
挿入構成から流体送達構成へIVカテーテルシステム400を移行させるために、臨床医は、グリップ452の前縁部472及び/又はタブ484の前縁部の上に指(例えば、親指以外の手指)を位置決めすることが可能であり、また、第1のウイング440の後縁部444の上に指(例えば、親指以外の手指又は親指)を位置決めすることができる。次いで、臨床医は、前縁部472及び/又はタブ484の前縁部を近位に引っ張ることが可能であり、また、第1のウイング440の後縁部444を遠位に押圧することができる。これは、ニードルコンポーネント404がカテーテルコンポーネント402から近位に引き抜かれている間に、カテーテルコンポーネント402が適切な場所に残ることを引き起こすことができる。
【0098】
グリップ452及び第1のウイング440は、互いに対して平行に位置決めされ得、また、互いに極めて接近して位置決めされ得、それらが、挿入構成において、及び、挿入構成から流体送達構成への移行の初期段階の間に、互いに対して当接関係になるようになっている。グリップ452と第1のウイング440の間の所望の相対的な位置決めを維持するために、グリップ452及び/又は第1のウイング440は、第1のウイング440とグリップ452の間の相対的な位置決め及び/又は配向を維持する1つまたはより多くのアライメント機構を有することができる。
【0099】
具体的には、グリップ452は、1対のアライメントリッジ480の形態のアライメント機構を有することが可能であり、アライメントリッジ480は、第1のウイング440に向けて突出していることが可能であり、また、第1のウイング440の中に形成されたスロット482の形態の相補的なアライメント機構の中に受け入れられ得る。アライメントリッジ480及びスロット482は、流体送達構成へのIVカテーテルシステム400の運動の間に、ニードルコンポーネント404をカテーテルコンポーネント402に対して平行に維持することを助けることが可能であり、それは、以前の実施形態において説明されているように、流体送達構成への移行を促進することができる。
【0100】
望まれる場合には、第1のウイング440は、半透明であってよく、グリップ452のユーザ可視化、及び、より具体的には、縁部472のユーザ可視化を促進するようになっている。前縁部472に加えて、ニードルコンポーネント404は、タブ484を有することが可能であり、タブ484は、グリップ452が突出している方向と概ね反対側の方向に、ニードルハブ450から外向きに突出している。グリップ452の前縁部472に加えて、及び/又は、グリップ452の前縁部472の代替として、タブ484は、臨床医によって使用され得る引張り面を提供することができる。これは、臨床医が片手でIVカテーテルシステム400を挿入する追加的なオプション、及び/又は、臨床医が片手でIVカテーテルシステム400を挿入構成から流体送達構成へ移行させる追加的なオプションを提供することができる。
【0101】
図3A及び
図3BのIVカテーテルシステム300と比較することによって、第1のウイング440及びグリップ452は、示されているように、より三角形のスウェプト形状を有することができる。この異なる形状は、グリップ452の前縁部472が異なる角度及び/又は位置で位置決めされることを引き起こすことが可能であり、それは、何人かのユーザに関して片手だけを使った動作を促進することができる。さらに、
図4のIVカテーテルシステム400では、アライメントリッジ480が、相対的に短くなっていることが可能であり、それによって、挿入構成から流体送達構成へのIVカテーテルシステム400の運動に低い摩擦抵抗を提供する。
【0102】
図5は、別の代替実施形態によるIVカテーテルシステム500の斜視図である。IVカテーテルシステム500は、以前の実施形態のIVカテーテルシステムのものと同様のコンポーネントを有することができる。
図5は、カテーテルコンポーネント502、ニードルコンポーネント504、及び、カテーテルコンポーネント502に接続されている拡張チューブ506の遠位端部だけを図示している。
【0103】
以前の実施形態と同様に、カテーテルコンポーネント502は、カテーテルハブ520、固定プラットフォーム522、拡張チュービング接合部524、及びカニューレ526を有することができる。カテーテルハブ520は、概ねチューブ状の及び/又は中空の円錐状の形状を有することが可能であり、近位端部530及び遠位端部532を備えている。カテーテルハブ520は、チャンバ534を画定するように形作られた概ね半透明な外部壁部を有することが可能であり、流体は、チャンバ534を通って流れ、カニューレ526を通して流体送達場所に到達する。カテーテルハブ520は、カテーテルハブ520の近位端部530に近接して、ニードルコンポーネント504に接続するニードルポート536を有することができる。また、カテーテルハブ520は、チャンバ534の中に位置決めされている隔壁538を有することができる。隔壁538は、以前に説明されているような「低抗力」隔壁であってよい。
【0104】
固定プラットフォーム522は、流体送達の間に患者の皮膚に取り付けられ、カニューレ526を流体送達場所において適切な場所に維持することができる。固定プラットフォーム522は、第1のウイング540及び第2のウイング542を有することが可能であり、第1のウイング540及び第2のウイング542のそれぞれは、形状が概ね平面的であることが可能である。第1のウイング540及び第2のウイング542は、固定プラットフォーム522に対して垂直方向から見たときに、概ね台形の形状を有することが可能であり、押圧面として作用することができる後縁部544を備えている。
【0105】
第1のウイング540は、拡張チュービング接合部524と一体化され得、拡張チュービング接合部524が、第1のウイング540の前縁部を画定するようになっている。拡張チュービング接合部524は、前縁部において第1のウイング540の幅に対する拡大を提供することができる。この拡大は、拡張チュービング接合部524が押圧面としての役割を果たすことを可能にすることができる。より具体的には、臨床医は、拡張チュービング接合部524のトレーリング部分(そこで、拡張チュービング接合部524が、第1のウイング540と融合している)を押圧し、カテーテルコンポーネント502を前方へ促すことができる。
【0106】
第2のウイング542は、カテーテルハブ520に回転可能に連結され得る。したがって、臨床医は、カニューレ526及び/又はニードル554によって画定される軸線の周りに、実質的に任意の配向に第2のウイング542を位置決めすることができる。第2のウイング542は、カテーテルハブ520の周りに比較的に自由に回転することが可能であり、臨床医が、第1のウイング540に対して第2のウイング542を片手で回転させることが可能であり、流体送達場所の中へのIVカテーテルシステム500の挿入の前及び/もしくは間に、並びに/又は、挿入構成から流体送達構成へのIVカテーテルシステム500の運動の前及び/もしくは間に、所望のグリップを得るようになっている。
【0107】
ニードルコンポーネント504は、ニードルハブ550、グリップ552、及びニードル554を有することができる。ニードルハブ550は、近位端部560及び遠位端部562を備えた概ね円筒状の形状を有することができる。また、ニードルハブ550はボス564を有することが可能であり、ボス564は、遠位端部562から突出し、カテーテルハブ520のニードルポート536とインターフェース接続している。
【0108】
グリップ552は、概ね平面的な形状を有することが可能であり、グリップ552に対して垂直方向から見たときに概ね台形の形状を有している。グリップ552は、前縁部572を有することが可能であり、前縁部572は、引張り面としての役割を果たすことができる。グリップ552及び/又は第1のウイング540は、1つまたはより多くのグリップ機構570を有することが可能であり、1つまたはより多くのグリップ機構570は、手でグリップ552を把持及び/又は移動させることを促進する確実なインターフェースを提供することを助けることができる。
【0109】
グリップ552及び第1のウイング540は、互いに対して平行に位置決めされ得、また、互いに極めて接近して位置決めされ得、それらが、挿入構成において、及び、挿入構成から流体送達構成への移行の初期段階の間に、互いに対して当接関係になるようになっている。グリップ552と第1のウイング540の間の所望の相対的な位置決めを維持するために、グリップ552及び/又は第1のウイング540は、第1のウイング540とグリップ552の間の相対的な位置決め及び/又は配向を維持する1つまたはより多くのアライメント機構を有することができる。
【0110】
具体的には、グリップ552は、1対のアライメントリッジ580の形態のアライメント機構を有することが可能であり、アライメントリッジ580は、第1のウイング540に向けて突出していることが可能であり、また、第1のウイング540の中に形成されたスロット582の形態の相補的なアライメント機構の中に受け入れられ得る。アライメントリッジ580及びスロット582は、流体送達構成へのIVカテーテルシステム500の運動の間に、ニードルコンポーネント504をカテーテルコンポーネント502に対して平行に維持することを助けることが可能であり、それは、以前の実施形態において説明されているように、流体送達構成への移行を促進することができる。
【0111】
望まれる場合には、第1のウイング540及び/又は第2のウイング542は、半透明であってよく、グリップ552のユーザ可視化、及び、より具体的には、縁部572のユーザ可視化を促進するようになっている。前縁部572に加えて、ニードルコンポーネント504は、タブ584を有することが可能であり、タブ584は、グリップ552が突出している方向と概ね反対側の方向に、ニードルハブ550から外向きに突出している。グリップ552の前縁部572に加えて、及び/又は、グリップ552の前縁部572の代替として、タブ584は、臨床医によって使用され得る引張り面を提供することができる。これは、臨床医が片手でIVカテーテルシステム500を挿入する追加的なオプション、及び/又は、臨床医が片手でIVカテーテルシステム500を挿入構成から流体送達構成へ移行させる追加的なオプションを提供することができる。
【0112】
挿入構成から流体送達構成へIVカテーテルシステム500を移行させるために、臨床医は、グリップ552の前縁部572及び/又はタブ584の前縁部の上に指(例えば、親指以外の手指)を位置決めすることが可能であり、また、第1のウイング540の後縁部544の上に指(例えば、親指以外の手指又は親指)を位置決めすることができる。次いで、臨床医は、前縁部572及び/又はタブ484の前縁部を近位に引っ張ることが可能であり、また、第1のウイング540の後縁部544を遠位に押圧することができる。これは、ニードルコンポーネント504がカテーテルコンポーネント502から近位に引き抜かれている間に、カテーテルコンポーネント502が適切な場所に残ることを引き起こすことができる。
【0113】
図6は、別の代替実施形態によるIVカテーテルシステム600の斜視図である。IVカテーテルシステム600は、以前の実施形態のIVカテーテルシステムのものと同様のコンポーネントを有することができる。
図6は、カテーテルコンポーネント602、ニードルコンポーネント604、及び、カテーテルコンポーネント602に接続されている拡張チューブ606の遠位端部だけを図示している。
【0114】
以前の実施形態と同様に、カテーテルコンポーネント602は、カテーテルハブ620、固定プラットフォーム622、拡張チュービング接合部624、及びカニューレ626を有することができる。カテーテルハブ620は、概ねチューブ状の及び/又は中空の円錐状の形状を有することが可能であり、近位端部630及び遠位端部632を備えている。カテーテルハブ620は、チャンバ(見ることができない)を画定するように形作られた概ね半透明な外部壁部を有することが可能であり、流体は、チャンバ(見ることができない)を通って流れ、カニューレ626を通して流体送達場所に到達する。カテーテルハブ620は、カテーテルハブ620の近位端部630に近接して、ニードルコンポーネント604に接続するニードルポート636を有することができる。また、カテーテルハブ620は、チャンバの中に位置決めされている隔壁(見ることができない)を有することができる。隔壁は、以前に説明されているような「低抗力」隔壁であってよい。さらに、カテーテルハブ620は、挿入及び/又は注入の間のカニューレ626のよじれを回避することを助けるキンク抵抗機構を有することができる。キンク抵抗機構は、カテーテルハブ620の遠位端部632の上の近位拡張628の形態をとることができる。近位拡張628は、カニューレ626を受け入れることが可能であり、また、近位端部630に対するカニューレ626の接合点において、カニューレ626の曲げに対するいくらかの抵抗を提供し、その場所における曲げ歪みを緩和することが可能であり、それによって、カニューレ626のよじれ又は他の望ましくない曲げを回避することを助ける。
【0115】
固定プラットフォーム622は、流体送達の間に患者の皮膚に取り付けられ、カニューレ626を流体送達場所において適切な場所に維持することができる。固定プラットフォーム622は、第1のウイング640及び第2のウイング642を有することが可能であり、第1のウイング640及び第2のウイング642のそれぞれは、形状が概ね平面的であることが可能である。第1のウイング640及び第2のウイング642は、固定プラットフォーム622に対して垂直方向から見たときに、概ね三角形の形状を有することが可能であり、押圧面として作用することができる後縁部644を備えている。第1のウイング640及び第2のウイング642は、カテーテルハブ620の軸線から外向きに、反対側方向に延在することができる。
【0116】
第2のウイング642は拡張チュービング接合部624と一体化され得、第2のウイング642の後縁部644を拡張チュービング接合部624が通過するようになっている。拡張チュービング接合部624は、後縁部644に近接して第2のウイング642の幅に対する拡大を提供することができる。この拡大は、拡張チュービング接合部624が押圧面としての役割を果たすことを可能にすることができる。さらに、カテーテルコンポーネント602は、押圧面646の形態の押圧機構を有することが可能であり、押圧面646は、近位端部630と遠位端部632の間に、拡張チュービング接合部624とカテーテルハブ620の中間部分との間に延在している。押圧面646は、臨床医が指によって比較的に容易に押圧面646を押圧し、カテーテルコンポーネント602を前方へ促すことを可能にするように選択された寸法を有することができる。押圧面646は、カテーテルコンポーネント602及びニードルコンポーネント604の軸線に対して実質的に垂直に配向され得る。
【0117】
ニードルコンポーネント604は、ニードルハブ650、グリップ652、及びニードル(見ることができない)を有することができる。ニードルハブ650は、近位端部660及び遠位端部662を備えた概ね円筒状の形状を有することができる。また、ニードルハブ650はボス664を有することが可能であり、ボス664は、遠位端部662から突出し、カテーテルハブ620のニードルポート636とインターフェース接続している。
【0118】
グリップ652は、概ね平面的な形状を有することが可能であり、グリップ652に対して垂直方向から見たときに概して不規則な形状を有している。グリップ652は、幅の狭い部分666を有することが可能であり、幅の狭い部分666は、ニードルハブ650から延在し、より大きい部分668に接続しており、より大きい部分668は、IVカテーテルシステム600が挿入構成になっているときに、固定プラットフォーム622の第1のウイング640に対して当接関係にある。グリップ652は、前縁部672を有することが可能であり、前縁部672は、引張り面としての役割を果たすことができる。グリップ652及び/又は第1のウイング640は、1つまたはより多くのグリップ機構(図示せず)を有することが可能であり、1つまたはより多くのグリップ機構は、手でグリップ652を把持及び/又は移動させることを促進する確実なインターフェースを提供することを助けることができる。
【0119】
挿入構成から流体送達構成へIVカテーテルシステム600を移行させるために、臨床医は、グリップ652の前縁部672の上に指(例えば、親指以外の手指)を位置決めすることが可能であり、また、第1のウイング640の後縁部644及び/又は押圧面646の上に指(例えば、親指以外の手指又は親指)を位置決めすることができる。次いで、臨床医は前縁部672を近位に引っ張ることが可能であり、また、後縁部644及び/又は押圧面646を遠位に押圧することができる。これは、ニードルコンポーネント604がカテーテルコンポーネント602から近位に引き抜かれている間に、カテーテルコンポーネント602が適切な場所に残ることを引き起こすことができる。
【0120】
図7は、別の代替実施形態によるIVカテーテルシステム700の斜視図である。IVカテーテルシステム700は、以前の実施形態のIVカテーテルシステムのものと同様のコンポーネントを有することができる。
図7は、カテーテルコンポーネント702、ニードルコンポーネント704、及び、カテーテルコンポーネント702に接続されている拡張チューブ706の遠位端部だけを図示している。
【0121】
以前の実施形態と同様に、カテーテルコンポーネント702は、カテーテルハブ720、固定プラットフォーム722、拡張チュービング接合部724、及びカニューレ726を有することができる。カテーテルハブ720は、概ねチューブ状の及び/又は中空の円錐状の形状を有することが可能であり、近位端部730及び遠位端部732を備えている。カテーテルハブ720は、チャンバ(見ることができない)を画定するように形作られた概ね半透明な外部壁部を有することが可能であり、流体は、チャンバ(見ることができない)を通って流れ、カニューレ726を通して流体送達場所に到達する。カテーテルハブ720は、カテーテルハブ720の近位端部730に近接して、ニードルコンポーネント704に接続するニードルポート736を有することができる。また、カテーテルハブ720は、チャンバの中に位置決めされている隔壁(見ることができない)を有することができる。隔壁は、以前に説明されているような「低抗力」隔壁であってよい。さらに、カテーテルハブ720は、挿入及び/又は注入の間のカニューレ726のよじれを回避することを助けるキンク抵抗機構を有することができる。キンク抵抗機構は、カテーテルハブ720の遠位端部732の上の近位拡張728の形態をとることができる。近位拡張728は、カニューレ726を受け入れることが可能であり、また、近位端部730に対するカニューレ726の接合点において、カニューレ726の曲げに対するいくらかの抵抗を提供し、その場所における曲げ歪みを緩和することが可能であり、それによって、カニューレ726のよじれ又は他の望ましくない曲げを回避することを助ける。
【0122】
固定プラットフォーム722は、流体送達の間に患者の皮膚に取り付けられ、カニューレ726を流体送達場所において適切な場所に維持することができる。固定プラットフォーム722は、第1のウイング740及び第2のウイング742を有することが可能であり、第1のウイング740及び第2のウイング742のそれぞれは、形状が概ね平面的であることが可能である。第1のウイング740及び第2のウイング742は、固定プラットフォーム722に対して垂直方向から見たときに、概ね三角形の形状を有することが可能であり、押圧面として作用することができる後縁部744を備えている。第1のウイング740及び第2のウイング742は、カテーテルハブ720の軸線から外向きに、反対側方向に延在することができる。
【0123】
第2のウイング742は拡張チュービング接合部724と一体化され得、第2のウイング742の後縁部744を拡張チュービング接合部724が通過するようになっている。拡張チュービング接合部724は、後縁部744に近接して第2のウイング742の幅に対する拡大を提供することができる。この拡大は、拡張チュービング接合部724が押圧面としての役割を果たすことを可能にすることができる。さらに、カテーテルコンポーネント702は、押圧面746の形態の押圧機構を有することが可能であり、押圧面746は、近位端部730と遠位端部732の間に、拡張チュービング接合部724とカテーテルハブ720の中間部分との間に延在している。押圧面746は、臨床医が指によって比較的に容易に押圧面746を押圧し、カテーテルコンポーネント702を前方へ促すことを可能にするように選択された寸法を有することができる。押圧面746は、カテーテルコンポーネント702及びニードルコンポーネント704の軸線に対して実質的に垂直に配向され得る。
【0124】
ニードルコンポーネント704は、ニードルハブ750、グリップ752、及びニードル(見ることができない)を有することができる。ニードルハブ750は、近位端部760及び遠位端部762を備えた概ね円筒状の形状を有することができる。また、ニードルハブ750はボス764を有することが可能であり、ボス764は、遠位端部762から突出し、カテーテルハブ720のニードルポート736とインターフェース接続している。
【0125】
グリップ752は、概ね平面的な形状を有することが可能であり、グリップ752に対して垂直方向から見たときに概して不規則な形状を有している。グリップ752は、幅の狭い部分766を有することが可能であり、幅の狭い部分766は、ニードルハブ750から延在し、より大きい部分768に接続しており、より大きい部分768は、IVカテーテルシステム700が挿入構成になっているときに、固定プラットフォーム722の第1のウイング740に対して当接関係にある。グリップ752は、前縁部772を有することが可能であり、前縁部772は、引張り面としての役割を果たすことができる。グリップ752及び/又は第1のウイング740は、1つまたはより多くのグリップ機構(図示せず)を有することが可能であり、1つまたはより多くのグリップ機構は、手でグリップ752を把持及び/又は移動させることを促進する確実なインターフェースを提供することを助けることができる。
【0126】
第1のウイング740及び/又はグリップ752は、1つまたはより多くのロック機構を有することが可能であり、1つまたはより多くのロック機構は、カテーテルコンポーネント702からニードルコンポーネント704を取り外すのに十分な閾値の解除力を臨床医が加えるまで、IVカテーテルシステム700を挿入構成の状態に維持することを助ける。示されているように、ロック機構は、第1のウイング740の上のロックタブ780、及び、グリップ752の上のロックタブ782を含むことができる。挿入構成では、第1のウイング740のロックタブ780は、752のロックタブ782の上に張り出すことが可能である。ロックタブ780及びロックタブ782は、挿入構成ではインターロックされ得、ロックタブ780及びロックタブ782のうちの一方又は両方が、ロックタブ780及びロックタブ782が互いから解除することを許容するように屈曲しなければならないようになっている。
【0127】
挿入構成から流体送達構成へIVカテーテルシステム700を移行させるために、臨床医は、グリップ752の前縁部772の上に指(例えば、親指以外の手指)を位置決めすることが可能であり、また、第1のウイング740の後縁部744及び/又は押圧面746の上に指(例えば、親指以外の手指又は親指)を位置決めすることができる。次いで、臨床医は、前縁部772を近位に引っ張ることが可能であり、また、後縁部744及び/又は押圧面746を遠位に押圧することができる。必要とされる閾値の解除力を加えることは、ロックタブ780からロックタブ782を解除することが可能であり、それによって、ニードルコンポーネント704がカテーテルコンポーネント702に対して近位に移動することを許容する。次いで、カテーテルコンポーネント702は、ニードルコンポーネント704がカテーテルコンポーネント702から近位に引き抜かれている間に、適切な場所に残ることが可能である。
【0128】
図8は、別の代替実施形態によるIVカテーテルシステム800の平面図である。IVカテーテルシステム800は、以前の実施形態のIVカテーテルシステムのものと同様のコンポーネントを有することができる。
図8は、カテーテルコンポーネント802、ニードルコンポーネント804、及び、カテーテルコンポーネント702に接続されている拡張チューブ806の遠位端部だけを図示している。
【0129】
以前の実施形態と同様に、カテーテルコンポーネント802は、カテーテルハブ820、拡張チュービング接合部824、及びカニューレ826を有することができる。しかし、カテーテルコンポーネント802は、固定プラットフォームを有していなくてもよい。したがって、固定プラットフォームの存在は随意的である。望まれる場合には、カテーテルハブ820は、その代わりに、患者の皮膚に直接的に固定され、流体送達場所において適切な場所にカニューレ826を維持することができる。
【0130】
カテーテルハブ820は、概ねチューブ状の及び/又は中空の円錐状の形状を有することが可能であり、近位端部830及び遠位端部832を備えている。カテーテルハブ820は、チャンバ834を画定するように形作られた概ね半透明な外部壁部を有することが可能であり、流体は、チャンバ834を通って流れ、カニューレ826を通して流体送達場所に到達する。カテーテルハブ820は、カテーテルハブ820の近位端部830に近接して、ニードルコンポーネント804に接続するニードルポート836を有することができる。また、カテーテルハブ820は、チャンバの中に位置決めされている隔壁838を有することができる。隔壁838は、以前に説明されているような「低抗力」隔壁であってよい。
【0131】
カテーテルコンポーネント802は、押圧面846の形態の押圧機構を有することが可能であり、押圧面846は、近位端部830と遠位端部832の間に、拡張チュービング接合部824とカテーテルハブ820の中間部分との間に延在している。押圧面846は、臨床医が指によって比較的に容易に押圧面846を押圧し、カテーテルコンポーネント802を前方へ促すことを可能にするように選択された寸法を有することができる。押圧面846は、カテーテルコンポーネント802及びニードルコンポーネント804の軸線に対して実質的に垂直に配向され得る。
【0132】
ニードルコンポーネント804は、ニードルハブ850、グリップ852、及びニードル854を有することができる。ニードルハブ850は、近位端部860及び遠位端部862を備えた概ね円筒状の形状を有することができる。また、ニードルハブ850はボス864を有することが可能であり、ボス864は、遠位端部862から突出し、カテーテルハブ820のニードルポート836とインターフェース接続している。
【0133】
グリップ852は、概ね平面的な形状を有することが可能であり、グリップ852に対して垂直方向から見たときに概して不規則な形状を有している。グリップ852は、幅の狭い部分866を有することが可能であり、幅の狭い部分866は、ニードルハブ850から延在し、より大きい部分868に接続しており、より大きい部分868は、IVカテーテルシステム800が挿入構成になっているときに、拡張チュービング接合部824に連結され得る。グリップ852は、前縁部872を有することが可能であり、前縁部872は、引張り面としての役割を果たすことができる。グリップ852は、1つまたはより多くのグリップ機構870を有することが可能であり、1つまたはより多くのグリップ機構870は、手でグリップ852を把持及び/又は移動させることを促進する確実なインターフェースを提供することを助けることができる。
【0134】
さらに、グリップ852は、凹部874を有することが可能であり、凹部874は、IVカテーテルシステム800が挿入構成になっているときに、拡張チュービング接合部824を受け入れる。凹部874は、拡張チュービング接合部824及び押圧面846を受け入れるように形作られ、挿入の間にカテーテルコンポーネント802とニードルコンポーネント804の間のアライメントを維持することができる。拡張チュービング接合部824及び押圧面846を凹部874の中に位置決めすることは、カテーテルコンポーネント802とニードルコンポーネント804の間の相対的な軸線方向の運動を妨げることができる。したがって、IVカテーテルシステム800が、挿入構成から流体送達構成へ移行されるべきときには、ニードルコンポーネント804(ひいては、凹部874を備えたグリップ852)が、カテーテルコンポーネント802に対して回転させられ、拡張チュービング接合部824及び押圧面846を凹部874の中から引き抜くことができる。次いで、カテーテルコンポーネント802に対するニードルコンポーネント804の近位運動は妨げられることができない。しかし、幾つかの実施形態では、ニードルコンポーネント804は、(例えば、拡張チュービング接合部824及び押圧面846のフレキシビリティーに起因して、)拡張チュービング接合部824及び押圧面846を凹部874の中から引き抜くために、カテーテルコンポーネント802に対する回転を必要としない。
【0135】
前縁部872に加えて、ニードルコンポーネント804は、タブ884を有することが可能であり、タブ884は、グリップ852が突出している方向と概ね反対側の方向に、ニードルハブ850から外向きに突出している。グリップ852の前縁部872に加えて、及び/又は、グリップ852の前縁部872の代替として、タブ884は、臨床医によって使用され得る引張り面を提供することができる。これは、臨床医が片手でIVカテーテルシステム800を挿入する追加的なオプション、及び/又は、臨床医が片手でIVカテーテルシステム800を挿入構成から流体送達構成へ移行させる追加的なオプションを提供することができる。
【0136】
挿入構成から流体送達構成へIVカテーテルシステム800を移行させるために、臨床医は、上記に説明されているように、最初に、カテーテルコンポーネント802に対してニードルコンポーネント804を回転させ、拡張チュービング接合部824及び押圧面846を凹部874の中から引き抜くことができる。次いで、臨床医は、グリップ852の前縁部872の上に、及び/又は、タブ884の前縁部の上に、指(例えば、親指以外の手指)を位置決めすることが可能であり、また、押圧面846の上に指(例えば、親指以外の手指又は親指)を位置決めすることができる。次いで、臨床医は、前縁部872及び/又はタブ884を近位に引っ張ることが可能であり、また、押圧面846を遠位に押圧することができる。次いで、カテーテルコンポーネント802は、ニードルコンポーネント804がカテーテルコンポーネント802から近位に引き抜かれている間に、適切な場所に残ることができる。
【0137】
図9A及び
図9Bは、それぞれ、さらに別の代替実施形態によるIVカテーテルシステム900の斜視図及び側面断面図である。IVカテーテルシステム900は、以前の実施形態のIVカテーテルシステムのものと同様のコンポーネントを有することができる。
図9A及び
図9Bは、カテーテルコンポーネント902及びニードルコンポーネント904だけを図示している。IVカテーテルシステム900は、一体化されたシステムというよりもむしろオープンシステムであってよい。したがって、IVカテーテルシステムは、一体化された拡張チューブ又は拡張チュービング接合部を有していなくてもよい。
【0138】
以前の実施形態と同様に、カテーテルコンポーネント902は、カテーテルハブ920、タブ924、及びカニューレ926を有することができる。しかし、IVカテーテルシステム800と同様に、カテーテルコンポーネント902は固定プラットフォームを有していなくてもよい。望まれる場合には、カテーテルハブ920は患者の皮膚に直接的に固定され、流体送達場所において適切な場所にカニューレ926を維持することができる。
【0139】
カテーテルハブ920は、概ねチューブ状の及び/又は中空の円錐状の形状を有することが可能であり、近位端部930及び遠位端部932を備えている。カテーテルハブ920は、チャンバ934を画定するように形作られた概ね半透明な外部壁部を有することが可能であり、流体は、チャンバ934を通って流れ、カニューレ926を通して流体送達場所に到達する。カテーテルハブ920は、カテーテルハブ920の近位端部930に近接して、ニードルコンポーネント904に接続するニードルポート936を有することができる。カテーテルハブ920は、隔壁938を有することが可能であり、隔壁938は、以前に説明されているような「低抗力」隔壁であってよい。
【0140】
代替的な実装形態(図示せず)では、カテーテルハブ920は、隔壁を有していなくてもよい。むしろ、流体は、近位端部930から遠位端部932へ、カテーテルハブ920の本体部を通って流れ、カニューレ926に到達することができる。カニューレ926が流体送達場所に位置決めされ、ニードルコンポーネント804がカテーテルコンポーネント802から引き抜かれた後に、流体供給部が、カテーテルハブ920のニードルポート936に接続され、カテーテルハブ920の近位端部930に注入されることとなる流体を供給することができる。
【0141】
タブ924は、カテーテルハブ920から外向きに延在することが可能であり、また、カテーテルハブ920のユーザ操作を促進するレディーグリッピング(ready gripping)表面を提供することができる。タブ924は、メイン部分940及び隆起した遠位端部942を有することができる。複数のグリップ機構944が、メイン部分940及び遠位端部942の上に位置決めされ得る。タブ924は押圧機構としての役割を果たすことが可能であり、押圧機構は手の指によって容易に押され、IVカテーテルシステム900の挿入、及び/又は、挿入構成から流体送達構成へのIVカテーテルシステム900の運動を促進することができる。ユーザは、メイン部分940の上に、及び/又は、タブ924の隆起した遠位端部942の上に、指を置くことが可能である。さらに、隆起した遠位端部942の形状は、カニューレ926の軸線に対して実質的に垂直に配向された押圧面946を画定することができる。ユーザは、押圧面946に当接して、メイン部分940の上に指を置くことが可能であり、カテーテルコンポーネント902に前方への(すなわち、遠位)圧力を働かせることを促進する。
【0142】
ニードルコンポーネント904は、ニードルハブ950、第1のグリップ952、第2のグリップ953、及びニードル954を有することができる。ニードルハブ950は、近位端部960及び遠位端部962を備えた概ね円筒状の形状を有することができる。また、ニードルハブ950は、ボス964を有することが可能であり、ボス964は、遠位端部962から突出し、カテーテルハブ920のニードルポート936とインターフェース接続している。
【0143】
第1のグリップ952及び第2のグリップ953は、概ね平面的な形状をそれぞれ有することが可能であり、第1のグリップ952及び第2のグリップ953に対して垂直方向から見たときに概して不規則な形状を有している。第1のグリップ952及び第2のグリップ953のそれぞれは、幅の狭い部分966を有することが可能であり、幅の狭い部分966は、ニードルハブ950から延在し、より大きい部分968に接続する。第1のグリップ952及び第2のグリップ953は、前縁部972をそれぞれ有することが可能であり、前縁部972は、引張り面としての役割を果たすことができる。第1のグリップ952及び第2のグリップ953の前縁部972は、第1のグリップ952を第2のグリップ953に接続するようにカテーテルハブ920の遠位端部932の周囲部の周りに延在する、単一の連続的な表面を画定するように協働することができる。第1のグリップ952と第2のグリップ953の間のこの相互接続は、より明確に
図9Bに示されており、それは、挿入の間に、及び/又は、挿入構成から流体送達構成への移行の間に、耐キンク性機構として作用し、及び/又は、ニードルコンポーネント904及びカテーテルコンポーネント902を平行に維持しようとする追加的なサポートを提供することができる。
【0144】
挿入構成から流体送達構成へIVカテーテルシステム900を移行させるために、臨床医は、第1のグリップ952の前縁部972及び/又は第2のグリップ953の前縁部972の上に、指(例えば、親指以外の手指)を位置決めすることが可能であり、また、タブ924の上に(例えば、押圧面946の上に)指(例えば、親指以外の手指又は親指)を位置決めすることができる。次いで、臨床医は、前縁部972を近位に引っ張ることが可能であり、また、押圧面946を遠位に押圧することができる。次いで、カテーテルコンポーネント902は、ニードルコンポーネント904がカテーテルコンポーネント902から近位に引き抜かれている間に、適切な場所に残ることが可能である。
【0145】
図10A、
図10B、及び
図10Cは、さらなる別の代替実施形態によるIVカテーテルシステム1000の斜視図であり、それぞれ、カテーテルコンポーネント1002及びニードルコンポーネント1004が部分的に分離されていること、挿入構成になっていること、及び、カテーテルコンポーネント1002及びニードルコンポーネント1004が部分的に分離されていることを示す図である。IVカテーテルシステム1000は、以前の実施形態のIVカテーテルシステムのものと同様のコンポーネントを有することができる。
図6は、カテーテルコンポーネント1002、ニードルコンポーネント1004、及び、カテーテルコンポーネント1002に接続されている拡張チューブ1006の遠位端部だけを図示している。
【0146】
以前の実施形態と同様に、カテーテルコンポーネント1002は、カテーテルハブ1020、固定プラットフォーム1022、拡張チュービング接合部1024、及びカニューレ1026を有することができる。カテーテルハブ1020は、概ねチューブ状の及び/又は中空の円錐状の形状を有することが可能であり、近位端部1030及び遠位端部1032を備えている。カテーテルハブ1020は、チャンバ1034を画定するように形作られた概ね半透明な外部壁部を有することが可能であり、流体は、チャンバ1034を通って流れ、カニューレ1026を通して流体送達場所に到達する。カテーテルハブ1020は、カテーテルハブ1020の近位端部1030に近接して、ニードルコンポーネント1004に接続するニードルポート1036を有することができる。また、カテーテルハブ1020は、チャンバ1034の中に位置決めされている隔壁1038を有することができる。隔壁は、以前に説明されているような「低抗力」隔壁であってよい。
【0147】
さらに、カテーテルハブ1020は、挿入及び/又は注入の間にカニューレ1026のよじれを回避することを助けるキンク抵抗機構を有することができる。キンク抵抗機構は、カテーテルハブ1020の遠位端部1032の上の近位拡張1028の形態をとることができる。近位拡張1028は、カニューレ1026を受け入れることが可能であり、また、近位端部1030に対するカニューレ1026の接合点において、カニューレ1026の曲げに対するいくらかの抵抗を提供し、その場所における曲げ歪みを緩和することが可能であり、それによって、カニューレ1026のよじれ又は他の望ましくない曲げを回避することを助ける。
【0148】
固定プラットフォーム1022は、流体送達の間に患者の皮膚に取り付けられ、カニューレ1026を流体送達場所において適切な場所に維持することができる。固定プラットフォーム1022は、第1のウイング1040及び第2のウイング1042を有することが可能であり、第1のウイング1040及び第2のウイング1042のそれぞれは、形状が概ね平面的であることが可能である。第1のウイング1040及び第2のウイング1042は、押圧面として作用することができる後縁部1044をそれぞれ有することができる。第1のウイング1040及び第2のウイング1042は、カテーテルハブ1020の軸線から外向きに、反対側方向に延在することができる。第1のウイング1040は、拡張チュービング接合部1024に隣接していることができる。
【0149】
ニードルコンポーネント1004は、ニードルハブ1050、グリップ1052、及びニードル1054を有することができる。ニードルハブ1050は、近位端部1060及び遠位端部1062を備えた概ね円筒状の形状を有することができる。また、ニードルハブ1050は、ボス1064を有することが可能であり、ボス1064は、遠位端部1062から突出し、カテーテルハブ1020のニードルポート1036とインターフェース接続している。近位端部1060と遠位端部1062の間に、ニードルハブ1050は、外向きに突出する複数のリッジ1066を有することができる。ニードルハブ1050は、細長くなっていることが可能であり、ユーザが、ニードルハブ1050の長さに沿って様々な場所のいずれかにおいて、リッジ1066を把持することができるようになっている。リッジ1066、又は、より具体的には、リッジ1066の遠位に向いた表面は、オプションで、引張り面1068として作用することが可能であり、引張り面1068は、挿入構成から流体送達構成へIVカテーテルシステム1000を移行させるためにニードルコンポーネント1004を把持することを促進する。
【0150】
グリップ1052は、概ね平面的な形状を有することが可能であり、グリップ1052に対して垂直方向から見たときに概ね長方形の形状を有している。グリップ1052は、IVカテーテルシステム1000が挿入構成になっているときに、固定プラットフォーム1022の第1のウイング1040に対して当接関係にあることが可能である。グリップ1052は、前縁部1072を有することが可能であり、前縁部1072は、引張り面としての役割を果たすことができる。グリップ1052及び/又は第1のウイング1040は、1つまたはより多くのグリップ機構(図示せず)を有することが可能であり、1つまたはより多くのグリップ機構は、手でグリップ1052を把持及び/又は移動させることを促進する確実なインターフェースを提供することを助けることができる。
【0151】
挿入構成から流体送達構成へIVカテーテルシステム1000を移行させるために、臨床医は、グリップ1052の前縁部1072及び/又は引張り面1068の上に指(例えば、親指以外の手指)を位置決めすることが可能であり、また、第1のウイング1040の後縁部1044及び/又は第2のウイング1042の後縁部1044の上に指(例えば、親指以外の手指又は親指)を位置決めすることができる。次いで、臨床医は、前縁部1072のうちの一方又は両方を近位に引っ張ることが可能であり、また、後縁部1044及び/又は引張り面1068を遠位に押圧することができる。これは、ニードルコンポーネント1004がカテーテルコンポーネント1002から近位に引き抜かれている間に、カテーテルコンポーネント1002が適切な場所に残ることを引き起こすことができる。
【0152】
図11は、一実施形態による、流体を患者に送達するためにIVカテーテルシステムを準備する1つの方法を示すフローチャートダイアグラムである。
図11の方法は、
図1から
図10Cに開示されているIVカテーテルシステムのいずれかによって、又は、本明細書では具体的に示されても説明されてもいない他のIVカテーテルシステム実施形態によって実施され得る。例として、方法は
図1のIVカテーテルシステム100と関連して説明されることとなる。さらに、
図11の方法は、単に例示的なものであり、他の方法も本開示の範囲の中に含まれているIVカテーテルシステム実施形態のいずれかに関連して使用され得る。
【0153】
方法は、ステップ1120によって開始1110することが可能であり、ステップ1120において、カテーテルシステムが準備される。この準備は、様々なコンポーネント(例えば、例として、
図1のカテーテルコンポーネント102、ニードルコンポーネント104、拡張チューブ106、クランプ108、及び/又は、ルアーロックアダプタ110など)を一緒に接続することを含むことができる。さらに、これは、カテーテルコンポーネント102を患者に固定するために必要とされる任意の接着剤を準備すること、IVカテーテルシステム100に接続されることとなる流体供給源のコンポーネントを準備すること、及び/又は同様のことを含むことができる。
【0154】
ステップ1130において、IVカテーテルシステム100が、片手でつかまれ得る。これは、上記に説明されているように、ニードルコンポーネント104の引張り面及びカテーテルコンポーネント102の押圧面に接触するように、手の指を置くことを必要とし得る。特に、引張り面及び押圧面としての役割を果たす表面は、利用される特定の実施形態に応じて変化することが可能である。さらに、カテーテル挿入は、主に押圧することを必要とし得る。したがって、臨床医は、この段階において引張り面と接触することを選ぶのではなく、IVカテーテルシステム100が流体送達構成へ移行されるべきときに、それらに接触することを選ぶことができる。
【0155】
ステップ1140において、IVカテーテルシステム100は、カニューレ126を患者の中へ挿入するように操作され得る。これは、オプションで、片手で行われ得る。挿入は、カニューレ126の先端部が流体送達場所に到達するまで継続することができる。挿入は、押圧面、並びに/又は、カテーテルコンポーネント102及び/又はニードルコンポーネント104の他の表面を押圧することによって実施され得る。
【0156】
ステップ1150において、IVカテーテルシステム100は、挿入構成から流体送達構成へ移行させられる。臨床医がニードルコンポーネント104の引張り面に未だ接触していない場合には、臨床医は、ここで、手の1つまたはより多くの指によってこれを行うことができる。オプションで、IVカテーテルシステム100を挿入するために使用される同じ手が、IVカテーテルシステム100を流体送達構成へ移行させるために、独占的に(すなわち、他方の手の支援なしに)使用され得る。臨床医は、カテーテルコンポーネント102を適切な場所に維持するために押圧面を押圧しながら、引張り面を近位に引っ張ることができる。したがって、カテーテルコンポーネント102は、カニューレ126の先端部が流体送達場所にある状態で適切な場所に維持され得、一方、流体送達場所への流体送達経路を遮断しないように、ニードルコンポーネント104は、カテーテルコンポーネント102から近位に引き抜かれる。
【0157】
これは、オプションで、片手で達成され得る。したがって、他方の手は、IVカテーテルシステム100の挿入及び/又は流体送達構成への移行の間に、他のタスクを実施するために使用され得る。例えば、臨床医は、患者の腕(又は、流体送達場所が位置付けされる他の身体のパーツ)を保持するために、IVカテーテルシステム100との相互接続のために他のコンポーネントを準備するために、任意の必要な血液検査材料を準備するために、及び/又は、同様の準備をするために、他方の手を使用することができる。
【0158】
次いで、方法は終了1190することができる。IVカテーテルシステム100が流体送達構成になっている状態で、流体供給源が、次いで、流体を患者に送達するためにカテーテルコンポーネント102に接続され得る。
【0159】
IVカテーテルシステムは、本開示の範囲の中で多種多様な代替的な構成を有することができる。補足的な実施形態が、
図12Aから
図15Dを参照して、簡潔に示されて説明されることとなる。
【0160】
図12A及び
図12Bは、さらに別の代替実施形態によるIVカテーテルシステム1200の斜視図であり、それぞれ、完全に組み立てられた状態になっていること、及び、分解された状態になっていることを示す図である。IVカテーテルシステム1200は、以前の実施形態のIVカテーテルシステムのものと同様のコンポーネントを有することができる。
図12Aは、カテーテルコンポーネント1202、ニードルコンポーネント1204、拡張チュービング1206、クランプ1208、及びルアーロックアダプタ1210を図示している。カテーテルコンポーネント1202、ニードルコンポーネント1204、及び拡張チュービング1206だけが、
図12Bに図示されている。IVカテーテルシステム1200は、以前の実施形態の幾つかと同様に、一体化されたシステムであることが可能である。したがって、拡張チュービング1206は、カテーテルコンポーネント1202に事前に取り付けられ得る。IVカテーテルシステム1200の幾つかのコンポーネントは、以前の実施形態のものと同様であってよく、したがって、明示的には説明されないこととなる。むしろ、これらのコンポーネントの構成及び動作の理解は、以前に説明された図面の説明を参照することによって得られる。
【0161】
示されているように、カテーテルコンポーネント1202は、第1のウイング1240及び第2のウイング1242を備えた固定プラットフォーム1222を有することができる。第1のウイング1240は、拡張チュービング接合部1224と一体化され得、拡張チュービング接合部1224は、拡張チュービング1206をカテーテルコンポーネント1202に接続する。第2のウイング1242は、挿入構成の状態で、ニードルコンポーネント1204のグリップ1252の上に重ねられ、グリップ1242及び第2のウイング1242の遠位端部同士が、実質的に同じ概ね楕円形の形状を有するようになっている。
【0162】
固定プラットフォーム1222は、オプションで、「軟質」であってよく、すなわち、患者の皮膚に容易に適合する比較的に柔軟な材料から形成され得る。幾つかの実施形態では、固定プラットフォーム1222は、軟質プラスチック、シリコーンゴムなどのようなエラストマ、及び/又は、同様のものなどから形成され得る。固定プラットフォーム1222及びグリップ1252は、1つまたはより多くのグリップ機構1270を有することが可能であり、1つまたはより多くのグリップ機構1270は、手による固定プラットフォーム1222及び/又はグリップ1252の把持及び/又は操作を促進する。
【0163】
さらに、固定プラットフォーム1222及び/又はグリップ1252は、オプションで、挿入構成から流体送達構成へのIVカテーテルシステム1200の運動をさらに促進する機構を有することができる。具体的には、第2のウイング1242は、押圧機構として作用することができる遠位リッジ1280を有することができる。指が遠位リッジ1280の近位側に容易に接触し、第2のウイング1242に遠位圧力を加えることができるように、遠位リッジ1280は位置決めされ得る。グリップ1252は、グリップ1252の外部縁部に位置決めされている周辺リッジ1282を有することができる。周辺リッジ1282は、引張り機構として作用することができる。指が周辺リッジ1282の頂上部及び/又は遠位側に容易に接触し、グリップ1252に近位圧力を加えることができるように、周辺リッジ1282は位置決めされ得る。周辺リッジ1282は、オプションで、IVカテーテルシステム1200が挿入構成になっているときに、第2のウイング1242の最も外側の縁部のちょうど外側に位置決めされ得、第2のウイング1242がグリップ1252の上に重ねられるように位置決めされているときでも、周辺リッジ1282が指によって接触され得るようになっている。
【0164】
追加的又は代替的に、固定プラットフォーム1222及び/又はグリップ1252は、挿入構成から流体送達構成への移行を促進する1つまたはより多くの摩擦低減機構を有することができる。そのような摩擦低減機構は、オプションで、グリップ1252と第2のウイング1242の間の摩擦のレベルを低減させることが可能であり、グリップ1252及び第2のウイング1242が、互いを越えてより容易にスライドすることができるようになっている。1つのそのような摩擦低減機構は、第2のウイング1242の上の中央リッジ1284であってよく、中央リッジ1284は、グリップ1252に向けて突出していることが可能である。中央リッジ1284は、挿入構成においてグリップ1252に当接し、グリップ1252と接触している第2のウイング1242の表面積を低減させることが可能であり、それによって、グリップ1252と第2のウイング1242の間のスライド運動に対する摩擦抵抗を低減させる。したがって、中央リッジ1284は、挿入構成から流体送達構成へIVカテーテルシステム1200を移行させるために必要とされる力を低減させることが可能であり、それによって、この移行を片手だけでより達成し易くする。
【0165】
図13A及び
図13Bは、さらに別の代替実施形態によるIVカテーテルシステム1300の斜視図であり、それぞれ、オープン状態になっていること、及び、コンパクト化された状態になっていることを示す図である。臨床医は、オープン状態において、又は、コンパクト化された状態において、IVカテーテルシステムを挿入するための、及び/又は、IVカテーテルシステムを流体送達構成へ移行させるための、フレキシビリティーを有することができる。一方の状態又は両方の状態は、片手の指によるIVカテーテルシステム1300の操作を促進することができる。IVカテーテルシステム1300は、以前の実施形態のIVカテーテルシステムのものと同様のコンポーネントを有することができる。
図13A及び
図13Bは、カテーテルコンポーネント1302、ニードルコンポーネント1304、及び拡張チュービング1306を図示している。IVカテーテルシステム1300は、以前の実施形態の幾つかと同様に、一体化されたシステムであることが可能である。したがって、拡張チュービング1306は、カテーテルコンポーネント1302に事前に取り付けられ得る。IVカテーテルシステム1300の幾つかのコンポーネントは、以前の実施形態のものと同様であってよく、したがって、明示的には説明されないこととなる。むしろ、これらのコンポーネントの構成及び動作の理解は、以前に説明された図面の説明を参照することによって得られる。
【0166】
示されているように、カテーテルコンポーネント1302は、第1のウイング1340を備えているが第2のウイングを備えていない、固定プラットフォーム1322を有することができる。第1のウイング1340は、拡張チュービング接合部1324と一体化され得、拡張チュービング接合部1324は、拡張チュービング1306をカテーテルコンポーネント1302に接続する。
図13Bに示されているコンパクト化された状態において、第1のウイング1340は、ニードルコンポーネント1304のグリップ1352の上に重ねられ、グリップ1352及び第1のウイング1340の遠位端部同士が、実質的に同じ概ね楕円形の形状を有するようになっている。
図13Aのオープン状態において、第1のウイング1340及びグリップ1352は、概ね反対側方向に延在しており、概ね対称的なプロファイルを提供することができる。
【0167】
固定プラットフォーム1322は、オプションで、「軟質」であってよく、すなわち、患者の皮膚に容易に適合する比較的に柔軟な材料から形成され得る。幾つかの実施形態では、固定プラットフォーム1322は、軟質プラスチック、シリコーンゴムなどのようなエラストマ、及び/又は、同様のものから形成され得る。固定プラットフォーム1322及びグリップ1352は、1つまたはより多くのグリップ機構1370を有することが可能であり、1つまたはより多くのグリップ機構1370は、手による固定プラットフォーム1322及び/又はグリップ1352の把持及び/又は操作を促進する。
【0168】
さらに、固定プラットフォーム1322及び/又はグリップ1352は、挿入構成から流体送達構成への移行を促進する1つまたはより多くの摩擦低減機構を有することができる。そのような摩擦低減機構は、オプションで、グリップ1352と第1のウイング1340の間の摩擦のレベルを低減させることが可能であり、グリップ1252及び第1のウイング1340が、コンパクト化された状態において、互いを越えてより容易にスライドすることができるようになっている。1つのそのような摩擦低減機構は、グリップ1352の上の中央リッジ1384であってよく、中央リッジ1384は、コンパクト化された状態において、第1のウイング1340に向けて突出していることが可能である。中央リッジ1384は、挿入構成の状態において、第1のウイング1340に当接し、コンパクト化された状態において、第1のウイング1340と接触しているグリップ1352の表面積を低減させることが可能であり、それによって、グリップ1352と第1のウイング1340の間のスライド運動に対する摩擦抵抗を低減させる。したがって、中央リッジ1384は、挿入構成から流体送達構成へIVカテーテルシステム1300を移行させるために必要とされる力を低減させることが可能であり、それによって、閉じた構成になっているときに、この移行を片手だけでより達成し易くする。
【0169】
図14A、
図14B、
図14C、及び
図14Dは、それぞれ、さらに別の代替実施形態によるIVカテーテルシステム1400の斜視図であり、それぞれ、コンパクト化された状態で挿入構成になっていること、カテーテルコンポーネント1402が孤立した状態になっていること、オープン状態で挿入構成になっていること、及び、フラッシュコンポーネント1412が分解された状態になっていることを示す図である。IVカテーテルシステム1400は、以前の実施形態のIVカテーテルシステムのものと同様のコンポーネントを有することができる。
図14Aは、カテーテルコンポーネント1402、ニードルコンポーネント1404、拡張チュービング1406、及びフラッシュコンポーネント1412を図示している。IVカテーテルシステム1400は、以前の実施形態の幾つかと同様に、一体化されたシステムであることが可能である。したがって、拡張チュービング1406は、カテーテルコンポーネント1402に事前に取り付けられ得る。IVカテーテルシステム1400の幾つかのコンポーネントは、以前の実施形態のものと同様であってよく、したがって、明示的には説明されないこととなる。むしろ、これらのコンポーネントの構成及び動作の理解は、以前に説明された図面の説明を参照することによって得られる。
【0170】
示されているように、カテーテルコンポーネント1402は、第1のウイング1440及び第2のウイング1442を備えた固定プラットフォーム1422を有することができる。第1のウイング1440は、拡張チュービング接合部1424と一体化され得、拡張チュービング接合部1424は、拡張チュービング1406をカテーテルコンポーネント1402に接続する。第2のウイング1442は、挿入構成において、ニードルコンポーネント1404のグリップ1452の上に重ねられ、グリップ1442及び第2のウイング1442の遠位端部同士が、グリップ1452が第2のウイング1442よりもわずかに大きくなり得るということを除いて、実質的に同じ概ね楕円形の形状を有するようになっている。したがって、グリップ1452は、第2のウイング1442のプロファイルを越えて延在することができる。
【0171】
固定プラットフォーム1422は、オプションで、「軟質」であってよく、すなわち、患者の皮膚に容易に適合する比較的に柔軟な材料から形成され得る。幾つかの実施形態では、固定プラットフォーム1422は、軟質プラスチック、シリコーンゴムなどのようなエラストマ、及び/又は同様のものなどから形成され得る。固定プラットフォーム1422及びグリップ1452は、1つまたはより多くのグリップ機構1470を有することが可能であり、1つまたはより多くのグリップ機構1470は、手による固定プラットフォーム1422及び/又はグリップ1452の把持及び/又は操作を促進する。
【0172】
さらに、固定プラットフォーム1422及び/又はグリップ1452は、オプションで、挿入構成から流体送達構成へのIVカテーテルシステム1400の運動をさらに促進する機構を有することができる。具体的には、拡張チュービング接合部1424は、押圧機構として作用することができる陥凹部1480を有することができる。指が、拡張チュービング接合部1424、ひいては、第1のウイング1440に容易に接触し、第1のウイング1440に遠位圧力を加えることができるように、陥凹部1480は位置決めされ得る。第2のウイング1442は、ステップダウン1482を有することが可能であり、ステップダウン1482において、第2のウイング1442は、第2のウイング1442の遠位端部に向かうより大きい厚さから、第2のウイング1442の近位端部に向かうより小さい厚さへ移動する。したがって、ステップダウン1482は、押圧機構として作用することもできる近位に配向された表面を提供することができる。臨床医は、第2のウイング1442の近位に配向された表面の上に指を置き、第2のウイング1442に遠位圧力を働かせることを促進することができる。
【0173】
グリップ1452は、グリップ1452の近位縁部に位置決めされている近位リッジ1483を有することができる。近位リッジ1483は、引張り機構として作用することができる。指が近位リッジ1483の頂上部及び/又は遠位側に容易に接触し、グリップ1452に近位圧力を加えることができるように、近位リッジ1483は位置決めされ得る。近位リッジ1483は、オプションで、IVカテーテルシステム1400が挿入構成になっているときに、第2のウイング1442の近位縁部のちょうど近位側に位置決めされ得、第2のウイング1442がグリップ1452の上に重ねられるように位置決めされているときでも、近位リッジ1483が指によって接触され得るようになっている。
【0174】
追加的又は代替的に、固定プラットフォーム1422及び/又はグリップ1452は、挿入構成から流体送達構成への移行を促進する1つまたはより多くの摩擦低減機構を有することができる。そのような摩擦低減機構は、オプションで、グリップ1452と第2のウイング1442の間の摩擦のレベルを低減させることが可能であり、グリップ1452及び第2のウイング1442が、互いを越えてより容易にスライドすることができるようになっている。1つのそのような摩擦低減機構は、グリップ1452の上の一連の中央バンプ1484であってよく、一連の中央バンプ1484は、第2のウイング1442に向けて突出していることが可能である。中央バンプ1484は、挿入構成において第2のウイング1442に当接し、グリップ1452と接触している第2のウイング1442の表面積を低減させることが可能であり、それによって、グリップ1452と第2のウイング1442の間のスライド運動に対する摩擦抵抗を低減させる。したがって、中央バンプ1484は、挿入構成から流体送達構成へIVカテーテルシステム1400を移行させるために必要とされる力を低減させることが可能であり、それによって、この移行を片手だけでより達成し易くする。
【0175】
図14Cに示されているように、中央バンプ1484は、オプションで、グリップ1452に面する第2のウイング1442の表面の中に形成された中央トラフ1485と整合させられ得る。中央トラフ1485は、中央バンプ1484を受け入れることができる。したがって、中央バンプ1484及び中央トラフ1485は、アライメント機構として作用することが可能であり、第2のウイング1442とグリップ1452の間のアライメントを維持し、それによって、そうでなければカテーテルコンポーネント1402とニードルコンポーネント1404の間のミスアライメントによって引き起こされ得る、結合の可能性、又は、流体送達構成への移行に対する他の抵抗の可能性を低減させる。
【0176】
図14Cは、オープン状態を図示しており、オープン状態では、固定プラットフォーム1422に対して実質的に垂直にグリップ1452を位置決めする様式で、ニードルコンポーネント1404が、カテーテルコンポーネント1402に対して回転させられている。この状態では、IVカテーテルシステム1400は、カニューレを流体送達場所の中へ挿入するために、及び/又は、IVカテーテルシステム1400を流体送達構成へ移行させるために、代替的な人間工学を提供することができる。この状態では、中央バンプ1484は、中央トラフ1485の中に位置決めされていなくてもよい。しかし、コンパクト化された状態にIVカテーテルシステム1400を位置決めするために、ニードルコンポーネント1404及びカテーテルコンポーネント1402が再び互いに対して回転させられるときに、中央バンプ1484は、中央トラフ1485に進入することが可能であり、ニードルコンポーネント1404がカテーテルコンポーネント1402に対して回転させられている間の適正なアライメントを確実にする。
【0177】
フラッシュコンポーネント1412は、カテーテルコンポーネント1402のカニューレの適正な設置を示すことができる。カニューレが血管を突き通すときに、結果として生じる血液フローは、カテーテルコンポーネント1402の中へ入り、ニードルコンポーネント1404を通って、フラッシュコンポーネント1412に到達することが可能であり、フラッシュコンポーネント1412は、ニードルコンポーネント1404の近位端部に固定され得る。血液は、フラッシュコンポーネント1412のフラッシュチャンバ1414に進入することが可能であり、フラッシュチャンバ1414は、フラッシュコンポーネント1412の透明な壁部を通してユーザに見えるようになっている。また、フラッシュコンポーネント1412は、ベント1416を有することが可能であり、ベント1416は、血液が進入するときのIVカテーテルシステム1400の中に任意の空気の退出を許容し、血液がフラッシュコンポーネント1412を充填することができることを確実にする。
【0178】
図15A、
図15B、
図15C、及び
図15Dは、さらに別の代替実施形態によるIVカテーテルシステム1500の斜視図であり、それぞれ、コンパクト化された状態で挿入構成になっていること、カテーテルコンポーネント1502及びニードルコンポーネント1504が孤立した状態になっていること、オープン状態で挿入構成になっていること、及び、フラッシュコンポーネント1512が分解された状態になっていることを示す。IVカテーテルシステム1500は、以前の実施形態のIVカテーテルシステムのものと同様のコンポーネントを有することができる。
図15Aは、カテーテルコンポーネント1502、ニードルコンポーネント1504、拡張チュービング1506、及びフラッシュコンポーネント1512を示している。IVカテーテルシステム1500は、以前の実施形態の幾つかと同様に、一体化されたシステムであることが可能である。したがって、拡張チュービング1506は、カテーテルコンポーネント1502に事前に取り付けられ得る。IVカテーテルシステム1500の幾つかのコンポーネントは、以前の実施形態のものと同様であってよく、したがって、明示的には説明されないこととなる。むしろ、これらのコンポーネントの構成及び動作の理解は、以前に説明された図面の説明を参照することによって得られる。
【0179】
示されているように、カテーテルコンポーネント1502は、第1のウイング1540及び第2のウイング1542を備えた固定プラットフォーム1522を有することができる。第1のウイング1540は、拡張チュービング接合部1524と一体化され得、拡張チュービング接合部1524は、拡張チュービング1506をカテーテルコンポーネント1502に接続する。第2のウイング1542は、挿入構成において、ニードルコンポーネント1504のグリップ1552の上に重ねられ、グリップ1542及び第2のウイング1542の遠位端部同士が、グリップ1552が第2のウイング1542よりもわずかに大きくなり得るということを除いて、実質的に同じ概ね楕円形の形状を有するようになっている。したがって、グリップ1552は、第2のウイング1542のプロファイルを越えて延在することができる。
【0180】
固定プラットフォーム1522は、オプションで、「軟質」であってよく、すなわち、患者の皮膚に容易に適合する比較的に柔軟な材料から形成され得る。幾つかの実施形態では、固定プラットフォーム1522は、軟質プラスチック、シリコーンゴムなどのようなエラストマ、及び/又は同様のものなどから形成され得る。固定プラットフォーム1522及びグリップ1552は、1つまたはより多くのグリップ機構1570を有することが可能であり、1つまたはより多くのグリップ機構1570は、手による固定プラットフォーム1522及び/又はグリップ1552の把持及び/又は操作を促進する。
【0181】
さらに、固定プラットフォーム1522及び/又はグリップ1552は、オプションで、挿入構成から流体送達構成へのIVカテーテルシステム1500の運動をさらに促進する機構を有することができる。具体的には、拡張チュービング接合部1524は、押圧機構として作用することができる陥凹部1580を有することができる。指が、拡張チュービング接合部1524、ひいては、第1のウイング1540に容易に接触し、第1のウイング1540に遠位圧力を加えることができるように、陥凹部1580は位置決めされ得る。第2のウイング1542は、ステップダウン1582を有することが可能であり、ステップダウン1582において、第2のウイング1542は、第2のウイング1542の遠位端部に向かうより大きい厚さから、第2のウイング1542の近位端部に向かうより小さい厚さへ移動する。したがって、ステップダウン1582は、押圧機構として作用することもできる近位に配向された表面を提供することができる。臨床医は、第2のウイング1542の近位に配向された表面の上に指を置き、第2のウイング1542に遠位圧力を働かせることを促進することができる。ステップダウンリッジ1588が、ステップダウン1582に近接して位置決めされ、ステップダウン1582によって提供される近位に面した表面の寸法を広げることが可能であり、それによって、押圧機構としてのステップダウン1582の使用を促進する。
【0182】
グリップ1552は、グリップ1552の外側縁部に位置決めされている周辺リッジ1583を有することができる。周辺リッジ1583は、引張り機構として作用することができる。指が周辺リッジ1583の頂上部及び/又は遠位側に容易に接触し、グリップ1552に近位圧力を加えることができるように、周辺リッジ1583は位置決めされ得る。周辺リッジ1583は、オプションで、IVカテーテルシステム1500が挿入構成になっているときに、第2のウイング1542の外側縁部の外向きに位置決めされ得、第2のウイング1542がグリップ1552の上に重ねられるように位置決めされているときでも、周辺リッジ1583が指によって接触され得るようになっている。周辺リッジ1583は、グリップ1552の遠位凹部1586の境界線を画定することが可能であり、挿入構成において、第2のウイング1542が遠位凹部1586の中に存在していることが可能である。
【0183】
さらに、グリップ1552は、近位凹部1584を有することができる。また、近位凹部1584を取り囲んで画定するグリップ1552の隆起した縁部が、引張り機構として作用することができる。臨床医は、これらの縁部のいずれかの上に手の指を置き、グリップ1552に近位圧力を働かせることができる。
【0184】
追加的又は代替的に、固定プラットフォーム1522及び/又はグリップ1552は、挿入構成から流体送達構成への移行を促進する1つまたはより多くの摩擦低減機構を有することができる。そのような摩擦低減機構は、オプションで、グリップ1552と第2のウイング1542の間の摩擦のレベルを低減させることが可能であり、グリップ1552及び第2のウイング1542が、互いを越えてより容易にスライドすることができるようになっている。1つのそのような摩擦低減機構は、第2のウイング1542の上の中央リッジ1592であってよく、中央リッジ1592は、グリップ1552に向けて突出していることが可能である。中央リッジ1592は、挿入構成においてグリップ1552に当接し、グリップ1552と接触している第2のウイング1542の表面積を低減させることが可能であり、それによって、グリップ1552と第2のウイング1542の間のスライド運動に対する摩擦抵抗を低減させる。したがって、中央リッジ1592は、挿入構成から流体送達構成へIVカテーテルシステム1500を移行させるために必要とされる力を低減させることが可能であり、それによって、この移行を片手だけでより達成し易くする。
【0185】
図15Cに示されているように、中央リッジ1590は、オプションで、第2のウイング1542に面するグリップ1552の表面の中に形成された中央トラフ1592と整合させられ得る。中央トラフ1592は、中央リッジ1590を受け入れることができる。したがって、中央リッジ1590及び中央トラフ1592は、アライメント機構として作用することが可能であり、第2のウイング1542とグリップ1552の間のアライメントを維持し、それによって、そうでなければカテーテルコンポーネント1502とニードルコンポーネント1504の間のミスアライメントによって引き起こされ得る、結合の可能性、又は、流体送達構成への移行に対する他の抵抗の可能性を低減させる。
【0186】
図15Cは、オープン状態を図示しており、オープン状態では、固定プラットフォーム1522に対して実質的に垂直にグリップ1552を位置決めする様式で、ニードルコンポーネント1504が、カテーテルコンポーネント1502に対して回転させられている。この状態では、IVカテーテルシステム1500は、カニューレを流体送達場所の中へ挿入するために、及び/又は、IVカテーテルシステム1500を流体送達構成へ移行させるために、代替的な人間工学を提供することができる。この状態では、中央リッジ1590は、中央トラフ1592の中に位置決めされていなくてもよい。しかし、コンパクト化された状態にIVカテーテルシステム1500を位置決めするために、ニードルコンポーネント1504及びカテーテルコンポーネント1502が再び互いに対して回転させられるときに、中央リッジ1590は、中央トラフ1592に進入することが可能であり、ニードルコンポーネント1504がカテーテルコンポーネント1502に対して回転させられている間の適正なアライメントを確実にする。
【0187】
フラッシュコンポーネント1512は、カテーテルコンポーネント1502のカニューレの適正な設置を示すことができる。カニューレが血管を突き通すときに、結果として生じる血液フローは、カテーテルコンポーネント1502の中へ入り、ニードルコンポーネント1504を通って、フラッシュコンポーネント1512に到達することが可能であり、フラッシュコンポーネント1512は、ニードルコンポーネント1504の近位端部に固定され得る。血液は、フラッシュコンポーネント1512のフラッシュチャンバ1514に進入することが可能であり、フラッシュチャンバ1514は、フラッシュコンポーネント1512の透明な壁部を通してユーザに見えるようになっている。
【0188】
本発明の様々な実施形態(図示せず)は、安全メカニズムをさらに含み、安全メカニズムは、カテーテルコンポーネントからのニードルコンポーネントの除去及び分離に続いて、イントロデューサーニードルの先の尖った遠位先端部を固定するように構成されている。安全メカニズムは、当技術分野において知られている任意の適合可能なデバイスを含むことができる。幾つかの場合、安全メカニズムは、ニードルの上のフェルール、ノッチ、クリンプ、又はバンプなどのような、ニードル機構と相互作用するように構成されている。ニードルの中に形成されたクリンプ又はバンプは、安全メカニズムを活性化させるために使用され得るわずかに真円ではない構成を生じさせる。幾つかの場合、安全メカニズムは、アーム又はレバーを含み、アーム又はレバーは、メカニズムの中にニードル先端部を捕獲し、安全な廃棄の前に先端部が出現することを防止するように作動させられる。
【0189】
安全メカニズムは、ニードルの本体部に取り付けられており、その長さに沿ってスライドすることができる。幾つかの場合、安全メカニズムの初期位置又は組み立て位置は、カテーテル挿入の前に、ニードルコンポーネントのベース又は近位端部に近接して位置付けされている。幾つかの構成に関して、安全メカニズムの組み立て位置は、ニードルハブの近位端部とカテーテルハブ又は固定プラットフォームの近位端部との間にあり、安全メカニズムは、カテーテルハブ又は固定プラットフォームと重なっていない。幾つかの場合、安全メカニズムの一部分は、カテーテルハブの中に位置決めされており、安全メカニズムの残りのものは、カテーテルハブの外部、例えば、ニードルハブの中などに位置決めされている。幾つかの実施形態では、カテーテルハブ又は固定プラットフォームの一部分は、ハウジングを提供するように近位に延在させられており、ハウジングの中に、安全メカニズムの少なくとも一部分が収容されている。幾つかの場合、安全メカニズム全体が、カテーテル挿入の前に、カテーテルハブ又は固定プラットフォームのハウジングの中に収容されている。
【0190】
幾つかの実施形態では、安全メカニズムの組み立て位置は、安全メカニズムの遠位端部とニードルコンポーネントのグリップの遠位端部との間に、カテーテルハブの近位端部を位置決めする。幾つかの場合、安全メカニズムの組み立て位置は、安全メカニズムの遠位端部とニードルコンポーネントのグリップの近位端部との間に、カテーテルハブの近位端部を位置決めする。幾つかの場合、安全メカニズムの一部分は、ニードルコンポーネントのグリップの一部分と重なっている。幾つかの実施形態では、カテーテルハブ及びグリップのうちの少なくとも1つの少なくともいくらかの部分が、安全メカニズムの少なくともいくらかの部分と重なっている。幾つかの実施形態では、カテーテルハブ又はグリップのいずれの部分も、安全メカニズムの任意の部分と重なっていない。
【0191】
幾つかの実施形態では、解消可能な機械的な接続が、安全メカニズムとIVカテーテルシステムの少なくとも1つの他のコンポーネントの間に設けられている。幾つかの実施形態では、安全メカニズムの遠位端部は、カテーテルハブの近位端部に選択的に連結されている。一実施形態では、安全メカニズムは、カテーテルハブの近位端部に内部でインターロック接続している。一実施形態では、安全メカニズムは、カテーテルハブの近位端部に外部でインターロック接続している。幾つかの実施形態では、安全メカニズムの遠位端部は、固定プラットフォームの近位端部に選択的に連結されている。幾つかの実施形態では、安全メカニズムの表面は、カテーテルハブ、血液制御弁、拡張チューブ、及び固定プラットフォームのうちの少なくとも1つの少なくとも1つの表面に選択的に連結されている。幾つかの場合、機械的な接続は、安全メカニズムの中にニードル先端部を固定すると解消される。
【0192】
図16、
図17、
図18A、
図18B、
図19A、及び
図19Bは、上記に説明されているIVカテーテルシステムの多くに対して行われ得る様々な修正を示している。例示目的のために、これらの修正は、
図14A及び
図14Bに示されているIVカテーテルシステム1400に関連して説明されることとなる。しかし、これらの修正は、本明細書で説明されている他のIVカテーテルシステムに対して等しく行われ得る。
【0193】
図16は、IVカテーテルシステム1600を図示しており、IVカテーテルシステム1600は、第1のウイング1440がカテーテルコンポーネント1402と拡張チュービング接合部1424の間だけに延在しているということを除いて、IVカテーテルシステム1400と同じ様式で構成されている。換言すれば、
図16では、第1のウイング1440は、拡張チュービング接合部1424を越えて外向きに延在してはいない。そのような実施形態では、第1のウイング1440は、カテーテルコンポーネント1402と拡張チュービング接合部1424の間に延在し、拡張チュービング接合部1424に対する補強を提供することが可能であり、それによって、挿入の間に把持表面として拡張チュービング接合部1424を使用することを促進する。上記に示されているように、説明されている他の実施形態の多くにおいても、拡張チュービング接合部を越えて延在している第1のウイングの部分が除去され得る。
【0194】
図17は、IVカテーテルシステム1700を図示しており、IVカテーテルシステム1700は、フラッシュコンポーネント1412がサイドベントを含むということを除いて、IVカテーテルシステム1400と同じ様式で構成されている。とりわけ、
図17に示されているように、フラッシュコンポーネント1412は、上記に説明されている(及び、
図14において1416のラベルを付されている)ような近位ベント1416aを含むことができる。追加的に、フラッシュコンポーネント1412は、フラッシュコンポーネント1412の側壁部を通して形成されている1つまたはより多くのサイドベント1416bを含むことができる。これらのサイドベントは、ベント膜1701の近位に位置決めされ得、また、空気のための代替的な又は追加的なベント経路を、それがフラッシュチャンバ1412を出て行くときに提供することができる。
【0195】
臨床医がIVカテーテルシステムを挿入するときに、彼らは、自分の親指を近位ベント1416aの上に置くことが可能であり、それによって、ベントを通る空気フローを遮断し、フラッシュコンポーネント1412の中への血液のフローを最小化する。したがって、IVカテーテルシステム1700は、サイドベント1416bを含むことが可能であり、サイドベント1416bは、近位ベント1416aが遮断され得る場合に、空気フローのための代替的な経路を提供することとなる。サイドベント1416bは、任意の適切な様式で形作られ得る。幾つかの実施形態では、フラッシュコンポーネント1412は、適当に寸法決めされたサイドベントを収容するように細長くなっていることが可能である。また、フラッシュコンポーネントも用いる他の上述のIVカテーテルシステムのいずれも、サイドベントを備えて構成され得る。幾つかの実施形態では、近位ベント1416aの一部分が、サイドベント1416bを形成するように、フラッシュコンポーネント1412の側壁部の上に延在している。したがって、ユーザの親指は、サイドベント1416bの上に位置付けされている近位ベントの部分に接触又は遮断することなく、及び、それによって、サイドベント1416bを形成することなく、フラッシュコンポーネント1412の近位端部の上に位置付けされている近位ベント1416aの部分を遮断することができる。
【0196】
図18A及び
図18Bは、それぞれ、IVカテーテルシステム1800の斜視図及び側面図を図示しり、IVカテーテルシステム1800は、カテーテルコンポーネント1402が近位端部に視覚的インジケータ1801を含むということを除いて、IVカテーテルシステム1400と同じ様式で構成されている。視覚的インジケータ1801は、カテーテルコンポーネント1402の上に位置決めされており、それが、カテーテルの挿入の前にニードルコンポーネント1404によってカバーされることとなるようになっている。挿入プロセスの間に、ニードルコンポーネント1404はカテーテルコンポーネント1402に対してわずかに引き抜かれ得、それは、ニードルの先端部がカテーテルの中へ引き抜かれるか又はカテーテルの中で「フード付き」になっているということを結果として生じさせることとなる。ニードルがこのフード付きの位置になっているときの、カテーテルコンポーネント1402及びニードルコンポーネント1404の相対的な位置が、
図18Aに示されている。
【0197】
臨床医が患者の静脈の中へニードルを挿入すると、臨床医は、カテーテルをさらに挿入する前に、フード付きの位置へニードル先端部を引き抜くこととなることが多い。カテーテルコンポーネント1402は、ニードル先端部がフード付きの位置になっているときを臨床医に知らせる手段として、視覚的インジケータ1801を含むことができる。換言すれば、初期の挿入プロセスの間に、ニードルコンポーネント1404は、(例えば、
図14Aに示されているものと同様に)視覚的インジケータ1801の上に位置決めされることとなる。次いで、臨床医がニードルコンポーネント1404をカテーテルコンポーネント1402から後方へスライドさせるとき、視覚的インジケータ1801が、
図18Aに示されているように明らかにされることとなり、それによって、ニードル先端部がフード付きの位置に到達したときを臨床医に知らせる。
【0198】
幾つかの場合、視覚的インジケータ1801は、カテーテルコンポーネント1402がニードルアダプタから所望の距離だけ除去又は引き抜かれたときに、視覚的インジケータ1801を明らかにするように選択された位置において、カテーテルコンポーネント1402の上に位置付けされている。例えば、幾つかの実施形態では、ニードル先端部は、カテーテルコンポーネント1402がニードルアダプタから2mmの距離だけ除去されるときに、カテーテルの中でフード付きになっている。したがって、幾つかの実施形態では、視覚的インジケータ1801は、カテーテルコンポーネント1402がニードルアダプタの遠位端部又は開口部の中に完全に着座させられるときに、おおよそ2mmの距離においてニードルアダプタの中に位置決めされている。
【0199】
図18Bは、孤立したIVカテーテルシステム1800のカテーテルコンポーネント1402の側面図を提供している。示されているように、視覚的インジケータ1801は、カテーテルコンポーネント1402の近位端部の近くに位置決めされている。上記に示されているように、視覚的インジケータ1801の正確な位置は、どのようにニードルコンポーネント1404及びカテーテルコンポーネント1402が重なっているかということに依存することとなる。とりわけ、視覚的インジケータ1801は、ニードル先端部がフード付きの位置に到達すると、しかし、ニードルコンポーネント1404がカテーテルコンポーネント1402から切り離される前に、それが露出されるようになるように位置決めされ得る。幾つかの場合、露出は、おおよそ2mmの並進移動の後に起こる。このように、臨床医は、ニードルコンポーネント1404をカテーテルコンポーネント1402から容易に分離し、2つのコンポーネントの間に十分なカップリングを依然として維持しながらフード付きの位置に到達し、カテーテルのさらなる挿入を促進することができる。
【0200】
視覚的インジケータ1801と同様の視覚的インジケータが、上述のIVカテーテルシステムのいずれかに追加され、ニードルがフード付きの位置に到達したときの指示を提供することができる。また、幾つかの実施形態では、視覚的インジケータの代わりに、又は、視覚的インジケータに加えて、触覚的インジケータが用いられ得る。例えば、ニードルコンポーネント1404及び/又はカテーテルコンポーネント1402は、ニードルがフード付きの位置に到達したときの触覚的指示を提供する1つまたはより多くの機構(例えば、リッジ又は溝部)を含むことができる。
【0201】
図19A及び
図19Bは、それぞれ、IVカテーテルシステム1900の斜視図及び側面図を図示しており、IVカテーテルシステム1900は、カテーテルコンポーネント1402及びニードルコンポーネント1404が様々なタイプの挿入グリップ技法を促進するように構成されているということを除いて、IVカテーテルシステム1400と同様の様式で構成されている。
図19Aに示されているように、フラッシュコンポーネント1412は、
図14Aに示されているフラッシュコンポーネントと比較して、細長くなっている。追加的に、フラッシュコンポーネント1412は、サイドグリップ1902を含み、サイドグリップ1902は、フラッシュコンポーネント1412の両側に形成された機構を構成しており、それは、親指と中指の間にフラッシュコンポーネント1412を把持することを促進する。例えば、サイドグリップ1902は、平坦化された表面及び/又は他のタイプの把持機構、例えば、リッジなどを含むことができる。
【0202】
図19Bに最良に見られるように、カテーテルコンポーネント1402は押圧タブ1901を含むことが可能であり、押圧タブ1901はカテーテルコンポーネント1402の上部表面から上向きに延在している。押圧タブ1901は、親指と中指の間にサイドグリップ1902を把持しながら臨床医の人差し指が押圧することができる表面としての役割を果たすことができる。臨床医の人差し指の平均長さに対応する距離に押圧タブ1901がサイドグリップ1902から間隔を置いて配置されるように、フラッシュコンポーネント1412の長さが構成され得る。また、フラッシュコンポーネント1412の追加的な長さは、より長い期間にわたってフラッシュが可視化されることを可能とすることができる。また、フラッシュコンポーネントをニードルコンポーネントの中に組み込む、本明細書で説明されている他のIVカテーテルシステムは、
図19A及び
図19Bに示されているのと同様の様式で、サイドグリップ及び押圧タブを含むように構成され得る。
【0203】
図20は、IVカテーテルシステム2000を図示しており、IVカテーテルシステム2000は、IVカテーテルシステム1400と同様の様式で構成されているが、複数の追加的な機構を備えている。IVカテーテルシステム1400と同様に、IVカテーテルシステム2000は、固定プラットフォーム1422を有するカテーテルコンポーネント、拡張チュービング、及び、フラッシュコンポーネント1412を組み込むニードルコンポーネントを含む。また、
図20に示されているように、IVカテーテルシステム2000は、軟質の一体型押圧タブ2001、押圧タブ切り欠き部2002、及び、一体化されたストレインリリーフ2003を含む。
【0204】
押圧タブ2001は、固定プラットフォーム1422と同じ材料から一体的に成形され得る。例えば、押圧タブ2001は、ベース2001aを含むことが可能であり、ベース2001aは、カテーテルアダプタの近位端部の上部に、及び、カテーテルアダプタの近位端部に向けて位置決めされている。ベース2001aは、チャネル2001bを接続することによって、固定プラットフォーム1422に接続され得、チャネル2001bは、カテーテルアダプタの両側において、ベース2001aから下向きに延在している。チャネル2001bを接続することは、ベース2001aを補強することが可能であり、また、成形プロセスを促進することができる。複数のリッジ2001cが、ベース2001aから上向きに延在していることが可能であり、また、ニードルを挿入する間に、及び/又は、ニードルコンポーネントをカテーテルコンポーネントから分離するときに、例えば、カテーテル挿入の間にニードルをフード付きの状態にするときなどに、臨床医が押圧することができる表面として機能することができる。幾つかの実施形態では、テクスチャー及び/又はインデントが、リッジ2001cの代わりに、又は、リッジ2001cと併用して用いられ得る。
【0205】
切り欠き部2002が、ニードルコンポーネントの遠位端部の上部表面の中に形成され得、切り欠き部2002がベース2001aと実質的に整合することとなるようになっている。したがって、切り欠き部2002は、臨床医が自分の親指以外の手指又は親指を置いてより容易に押圧タブ2001に対して遠位力を加えることができる領域を生成させる。
【0206】
また、ストレインリリーフ2003は、固定プラットフォーム1422と同じ材料から一体的に成形され得る。ストレインリリーフ2003を成形することを促進するために、接続チャネル2003aが、固定プラットフォーム1422とストレインリリーフ2003の間に形成され得る。
【0207】
押圧タブ2001及びストレインリリーフ2003が接続チャネルを含むものとして示されているが、これらの機構のそれぞれは、幾つかの実施形態では固定プラットフォーム1422から分離して等しく成形され得る(すなわち、接続チャネルなしで成形される)。また、押圧タブ2001、切り欠き部2002、及びストレインリリーフ2003のそれぞれは、本明細書で説明されている他のIVカテーテルシステムのいずれかの上に含まれ得る。
【0208】
幾つかの実施形態では、IVカテーテルシステム2000は回転防止機構を含むことができる。例えば
図21に示されているように、この回転防止機構は、カテーテルコンポーネントの近位端部に形成された突出部2010と、カテーテルコンポーネントがその中に挿入されるニードルコンポーネントの部分の中に形成された対応する突出部2011とから構成され得る。突出部2010及び2011は、ウイングが固定プラットフォームから離れるように下向きに回転させられることを防止するように、互いに対して位置決めされ得る。
【0209】
例えば
図21に示されている配向を参照すると、突出部2011は、ウイングが固定プラットフォームの真下に配向されるときに突出部2010に接触するように構成され得、ウイングがカテーテルコンポーネントに対して反時計回り方向にさらに回転されることができないようになっている。このように、ウイングは、下向きに垂れ下がることを防止され得る。しかし、同時に、ウイングは、異なるグリップ技法に容易に対処するように、依然として時計回り方向に回転することができることとなる。また、この回転防止機構は、本明細書で説明されているIVカテーテルシステムの他の実施形態のいずれかの中に含まれ得る。
【0210】
この時点までは、説明されているIVカテーテルシステムのそれぞれは、クローズドシステムであった(すなわち、拡張チュービングを含むシステム)。しかし、上述の機構の多くが、オープンIVカテーテルシステム(すなわち、拡張チュービングを含まないシステム)の上に等しく実装され得るということが留意される。
図22A及び
図22Bは、オープンIVカテーテルシステム2200の例を図示しており、オープンIVカテーテルシステム2200は、その他の点では、IVカテーテルシステム2000と実質的に同じである。示されているように、IVカテーテルシステム2200は、カテーテルコンポーネント1402aを含み、カテーテルコンポーネント1402aは、拡張チュービングを組み込んでいない。それはオープンシステムであるので、カテーテルコンポーネント1402aは、ニードルコンポーネントが除去されると、血管内アクセスを提供するように構成され得る。例えば、カテーテルコンポーネント1402aは、単回使用であるか複数回使用(図示せず)であるかにかかわらず、内部の血液制御機構を含むことが可能であり、また、ネジ山付きのルアー接続2202を含むことが可能であり、それによって、他のデバイスがカテーテルコンポーネントに連結されることを可能にする。あるいは、カテーテルコンポーネント1402aは、血液制御機構を含まなくてもよい。
【0211】
IVカテーテルシステム2200は、経路画定構造体2800を含むフラッシュチャンバ1412を含むものとして示されている。オープンであるか又はクローズドであるかにかかわらず、上述のIVカテーテルシステムのいずれかは、フラッシュチャンバの中に経路画定構造体2800を用い、適正なカテーテル設置の可視化を強化することができる。より具体的には、経路画定構造体は、より制御されたレートで血液がフラッシュチャンバを通って流れることを引き起こし、それは、カテーテルが血管系の中に適正に位置決めされているときを特定することを促進する。
【0212】
図23は、孤立した経路画定構造体2800を図示している。経路画定構造体2800は、遠位部分2800a及び近位部分2800bを含む。幾つかの実施形態では、近位部分2800bは、フラッシュコンポーネント1412の近位端部の内側寸法に実質的にマッチする外側寸法を有することが可能であり、流体密封のシールが2つのコンポーネントの間に形成されるようになっている。近位部分2800bは、通気溝部2802を含むことが可能であり、通気溝部2802は、空気(しかし、流体ではない)がフラッシュコンポーネント1412の中から逃げることを可能にするように寸法決めされている。換言すれば、近位部分2800bは、ベントプラグとして機能することができる。
【0213】
遠位部分2800aは、近位部分2800bの外側寸法と比較して、低減された外側寸法を有することができる。また、遠位部分2800aの外側寸法に対するフラッシュコンポーネント1412のチャンバ3210bの内側寸法(
図24Aを参照)は、フラッシュコンポーネント1412の上部だけに沿って、空間又はチャネルが遠位部分2800aとチャンバ3210bの内側壁部の間に存在することとなるように構成され得る。例えば、
図24Aに示されているように、経路画定構造体2800がチャンバ3210bの中へ挿入されている状態で、チャネルが経路画定構造体2800の上方に存在することとなる。しかし、経路画定構造体2800の残りの部分の周りにおいて、遠位部分2800aの外側表面は、チャンバ3210bの内側壁部に接触していることが可能である。このように、血液/流体は、遠位部分2800aの外側表面に沿ってチャネルの中だけを流れることが許容されることとなる。このチャネルはフラッシュコンポーネント1412の上部に沿って形成されており、それは、挿入の間に臨床医に向けて配向されることとなるので、臨床医は、血液フローのレートを可視化することができることとなる。
【0214】
血液がニードル3202aの近位端部からこのチャネルの中へ流れることを可能にするために、
図24Aに最良に示されているように、開口部2801が遠位部分2800aの遠位端部2800a1の中に形成され得る。開口部2801は中央部分2801aを含むことが可能であり、中央部分2801aは、遠位部分2800aの中へ、次いで開口部2801の残りの部分の中へさらに延在している。ニードル3202aの近位端部(又は、少なくとも近位開口部)は、この中央部分2801aの中に位置決めされ得る。複数の漏出チャネル2801a1が、開口部2801の内側表面の周りに対称的に間隔を置いて配置され得、また、遠位端部2800a1から中央部分2801aへ延在することができる。漏出チャネル2801a1のいずれかは流体経路としての役割を果たすことが可能であり、その流体経路によって、ニードル3202aの近位端部から逃げる血液が、経路画定構造体2800の上方に形成されたチャネルに向けて中央部分2801aから流れることができる。
【0215】
漏出チャネル2801a1は、開口部2801の周りに対称的に間隔を置いて配置され得、それにより、経路画定構造体2800が任意の配向でチャンバ3210bの中へ挿入されることを可能にする。換言すれば、経路画定構造体2800の配向にかかわらず、少なくとも1つの漏出チャネル2801a1は、上向きの配向で位置決めされることとなり、チャネルと交差することとなり、それにより、チャネルへの経路を提供する。
図24Aに示されているように、チャンバ3210bの内側表面は、チャネルがチャンバ3210bの上部において遠位端部2800a1を包み込むこととなるように形作られ得る(すなわち、ギャップは、遠位端部2800a1の上部部分とチャンバ3210bの内側表面との間に存在することとなる)。したがって、
図24Bの中の矢印によって表されているように、血液は、ニードル3202aから開口部3202a1を介して中央部分2801aの中へ流れることができる。次いで、血液は漏出チャネル2801a1のそれぞれの中へ流れることができるが、他の漏出チャネルが位置決めされている場所において遠位端部2800a1がチャンバ3210bの内側壁部と接触していることに起因して、流体経路は、上向きに配向されている漏出チャネルとの間にだけ提供されることとなる。したがって、血液が、中央部分2801a及び漏出チャネル2801a1を充填するとき、それは、最終的に遠位端部2800a1の上部部分の周りに流れ、次いでチャネルの中を近位に流れることとなる。
【0216】
ニードル3202aを固定するために、及び、開口部3202a1が中央部分2801aの中に位置決めされたままになることを確実にするために、様々な技法を用い得る。例えば、
図24Cでは、ニードル3202aは、近位部分3202a2を有するものとして示されており、近位部分3202a2は、開口部3202a1を超えて中央部分2801aの近位壁部を通って近位に延在している。この実施形態では、経路画定構造体2800は、中央部分2801aの反対側に近位チャンバ2810を含み、近位チャンバ2810の中に、ニードル3202aの近位部分3202a2が位置決めされている。近位部分3202a2は、中央部分2801aと近位チャンバ2810の間の通路を通してそれが遠位に引き抜かれることを防止するように、カールさせられるか又はその他の方法で変更させられ得る。また、幾つかの実施形態では、接着剤ポッティング(adhesive potting)が、近位部分3202a2の周りで近位チャンバ2810の中に堆積され、近位部分3202a2をさらに固定することができる。そのような実施形態では、接着剤ポッティングは、血液が近位チャンバ2810の中へ流れることを防止するために通路を追加的にシールすることができる。あるいは、通路は、近位部分3202a2が単独で近位チャンバ2810の中への流体フローを遮断するように寸法決めされ得る。
【0217】
図24Dは、ニードル3202aを適切な位置に固定するための代替実施形態を図示している。示されているように、ニードル3202aはバンプ付きのエリア3202a3を含むことが可能であり、バンプ付きのエリア3202a3は、ニードル3202aがニードル保持部分3202cを通して引き抜かれることを防止するのに十分な外側寸法を有している。バンプ付きのエリア3202a3は、開口部3202a1が中央部分2801aの中に位置決めされたままとなるように、開口部3202a1に対して位置決めされ得る。幾つかの実施形態では、ニードル保持部分3202cは凹んだセクションを含むことが可能であり、凹んだセクションの中へバンプ付きのエリア3202a3が位置決めされ得、エリア3202aが近位方向又は遠位方向に移動することをさらに防止する。
【0218】
幾つかの実施形態では、ニードル3202aは、血液がニードルを通って流れることとなるレートを低減させるように修正され得る。例えば、
図24Eでは、ニードル3202aは、その近位端部に向けてクリンプ3202a4を有するものとして示されている。クリンプ3202a4は、ニードル3202aの内側の寸法を低減させ、それによって、血液が中央部分2801aの中へ流れることとなるレートを遅くする。中央部分2801aの中への血液フローのレートを低減させることは、同様に、経路画定構造体2800の上方に形成されたチャネルに沿った血液フローのレートを低減させることとなり、それによって、ニードル3202aが患者の中に適正に位置決めされたときを識別することを促進する。
【0219】
図25A及び
図25Bは、経路画定構造体2800と同様の様式で機能することができる経路画定構造体2900の別の実施形態を図示している。とりわけ、経路画定構造体2900は、フラッシュコンポーネント1412の上部に形成された可視化チャネルに沿って血液が流れることを引き起こすように構成され得る。
【0220】
経路画定構造体2900は、遠位部分2900a及び近位部分2900bを含むことができる。近位部分2900bは、通気溝部2902を含むことが可能であり、通気溝部2902は、フラッシュコンポーネント1412の近位端部から空気(しかし、血液ではない)をベントするように機能する。経路画定構造体2800の遠位部分2800aとは異なり、経路画定構造体2900の遠位部分2900aは、フラッシュコンポーネント1412の中の任意の位置に配向されるようには構成されていない。その代わりに、遠位部分2900aは、特定の配向のために構成されている可視化チャネル2903及び様々なアライメントリブ2904を含むことができる。チャンバ3210bの内側表面は、可視化チャネル2903が上向きに面する状態に経路画定構造体2900が配向されることとなるような様式で、アライメントリブ2904を収容するように構成され得る。例えば、チャンバ3210bは、縦方向の溝部又はタブを含むことが可能であり、縦方向の溝部又はタブは、アライメントリブ2904とインターフェース接続し、正しい配向での経路画定構造体2900の挿入を必要とし、また、回転を防止する。
【0221】
経路画定構造体2900の遠位部分2900aは、開口部2901を有する遠位端部2900a1を含み得る。漏出チャネル2901aは、開口部2901と可視化チャネル2903の間に延在することができる。上記に説明されているのと同様の様式で、血液は、
図25Cの中の矢印によって表されているように、開口部3202a1から開口部2901の中へ流れ、漏出チャネル2901aを通って可視化チャネル2903の中へ流れることができる。この実施形態では示されていないが、
図24C〜
図24Eに示されているニードル3202aの様々な構成が、また、経路画定構造体2900と併用して用いられ得る。
【0222】
図26は、フラッシュコンポーネント1412の実施形態を図示しており、そこでは、近位部分2900bの代わりに、ベントプラグ3000が用いられている。また、示されていないが、ベントプラグ3000は、近位部分2800bの代わりに等しく用いられ得る。
図26に示されているように、ベントプラグ3000は、経路画定構造体2900から分離しており、経路画定構造体2900の近位に位置決めされている。ベントプラグ3000は、主に、空気をベントするが流体を遮断するように機能することができる。しかし、幾つかの実施形態では、ベントプラグ3000は、また、経路画定構造体2800/2900を適切な場所に固定するように構成され得る。例えば、フラッシュコンポーネント1412は、突出部3010を含むことが可能であり、突出部3010は、ベントプラグ3000がチャンバ3210bの中へ挿入されるときに、ベントプラグ3000の近位に位置決めされている。突出部3010は、ベントプラグ3000、ひいては、経路画定構造体2800/2900がチャンバ3210bの中を近位に移動することを防止することができる。
【0223】
図27A〜
図27Cは、経路画定構造体2800又は2900がチャンバ3210bの中に固定され得る異なる方式をそれぞれ表している。
図27Aでは、開口部2901は、圧入インターフェースが形成されるように、ニードル保持部分3202cの外側寸法に密接に対応する内側寸法を有するものとして示されている。開口部2801は、等しくこのように構成され得る。あるいは、開口部2801/2901は、ニードル保持部分3202cの上に成形され得る。
【0224】
図27B及び
図27Cでは、経路画定構造体2800/2900は、近位部分2800b/2900bとチャンバ3210bの内側表面との間のインターフェースを使用して、チャンバ3210bの中に保持され得る。
図27Bでは、チャンバ3210bは、傾斜したリテンションバンプ3101を含むことができる。バンプ3101の傾斜は、遠位に面するレッジ部が形成することを引き起こすことが可能であり、近位部分2800b又は2900bの近位端部がそのレッジ部に接触する。この傾斜付けは、経路画定構造体2800又は2900を挿入することを促進するが、それが後に引き抜かれることを防止する。
【0225】
図27Cは、近位部分2800b又は2900bがリテンションリブ3102aを含む例を図示しており、リテンションリブ3102aは、チャンバ3210bの内側表面の上に形成されたリテンショントレンチ3102bの中へ挿入される。組み立ての間に、経路画定構造体2800又は2900は、リテンションリブ3102aがリテンショントレンチ3102bの中へ挿入されるまで、チャンバ3210bの中へ挿入され得る。このポイントにおいて、リテンションリブ3102aは、経路画定構造体が近位に引き抜かれることを防止することとなる。
【0226】
幾つかの実施形態では、多孔性の材料が、経路画定構造体によって生成されるチャネルの中で用いられ得る。例えば、
図28Aでは、多孔性の材料3200が、可視化チャネル2903の中に製作され、また、通気溝部2902を含む近位部分2900bの一部分を通って延在している。多孔性の材料3200は、容易に可視化されることとなるレートで血液を毛管作用で運びながら、空気をベントするように機能することができる。あるいは、多孔性の材料3200は、
図28Bに示されているように、近位部分2900bの一部分の中だけに位置決めされ得る。
【0227】
図29及び
図30は、それぞれ、経路画定構造体2800又は2900のいずれかを用いる実施形態に対して行われ得る追加的な変形例を示している。
図29では、開口部2901は、より大きい深さを有するように示されている。このより大きい深さによって、血液がチャネルを通って流れることとなる前に、より大きい流体体積が必要とされることとなる。したがって、開口部2801又は2901の深さは、適正な静脈確認の視覚的なフィードバックが提供されることとなるときを全体的に制御するように選択され得る。
図30では、シーリングキャップ3400が、フラッシュコンポーネント1412の近位開口部の上に位置決めされている。シーリングキャップ3400は、除去されるまで空気のフローを遮断することができる。したがって、シーリングキャップ3400は、拡張チューブが生理食塩水によって事前にプライミングされる状況において用いられ、生理食塩水がフラッシュコンポーネント1412の中へ近位に流れることを防止することができる。より具体的には、シーリングキャップ3400が適切な場所にある状態で、生理食塩水は、ニードル3202aの中を遠位に流れることだけが許容されることとなる。ニードルの挿入後、シーリングキャップ3400は除去され、上記に説明されている様式でフラッシュコンポーネント1412が用いられることを可能にすることができる。
【0228】
本発明の様々な実施形態は、安全メカニズムをさらに含み、安全メカニズムは、カテーテルアダプタからのニードルハブの除去及び分離に続いて、イントロデューサーニードルの先の尖った遠位先端部を固定するように構成されている。安全メカニズムは、当技術分野において知られている任意の適合可能なデバイスを含むことができる。幾つかの場合、安全メカニズムは、カニューレの上のフェルール、ノッチ、クリンプ、又はバンプなどのような、ニードル機構と相互作用するように構成されている。カニューレの中に形成されたクリンプ又はバンプは、安全メカニズムを活性化させるために使用され得るわずかに真円ではない構成を生じさせる。幾つかの場合、安全メカニズムは、アーム又はレバーを含み、アーム又はレバーは、メカニズムの中にニードル先端部を捕獲し、安全な廃棄の前に先端部が出現することを防止するように作動させられる。
【0229】
安全メカニズムは、ニードルの本体部に取り付けられており、その長さに沿ってスライドすることができる。幾つかの場合、安全メカニズムの初期位置又は組み立て位置は、カテーテル挿入の前に、カテーテルアダプタのベース又は近位端部に近接して位置付けされている。幾つかの構成に関して、安全メカニズムの組み立て位置は、ニードルハブの近位端部とカテーテルアダプタ又は安定化プラットフォームの近位端部との間にあり、安全メカニズムは、カテーテルアダプタ又は安定化プラットフォームと重なっていない。幾つかの場合、安全メカニズムの一部分は、カテーテルアダプタの中に位置決めされており、安全メカニズムの残りのものは、カテーテルアダプタの外部、例えば、ニードルハブの中などに位置決めされている。幾つかの実施形態では、カテーテルアダプタ又は安定化プラットフォームの一部分は、ハウジングを提供するように近位に延在させられており、ハウジングの中に、安全メカニズムの少なくとも一部分が収容されている。幾つかの場合、安全メカニズム全体が、カテーテル挿入の前に、カテーテルアダプタ又は安定化プラットフォームのハウジングの中に収容されている。
【0230】
幾つかの実施形態では、安全メカニズムの組み立て位置は、安全メカニズムの遠位端部とニードルハブのパドルグリップの遠位端部との間に、カテーテルアダプタの近位端部を位置決めする。幾つかの場合、安全メカニズムの組み立て位置は、安全メカニズムの遠位端部とニードルハブのパドルグリップの近位端部との間に、カテーテルアダプタの近位端部を位置決めする。幾つかの場合、安全メカニズムの一部分は、ニードルハブのパドルグリップの一部分と重なっている。幾つかの実施形態では、カテーテルアダプタ及びパドルグリップのうちの少なくとも1つの少なくともいくらかの部分が、安全メカニズムの少なくともいくらかの部分と重なっている。幾つかの実施形態では、カテーテルアダプタ又はパドルグリップのいずれの部分も、安全メカニズムの任意の部分と重なっていない。
【0231】
幾つかの実施形態では、解消可能な機械的な接続が安全メカニズムとアクセスデバイスの少なくとも1つの他のコンポーネントの間に設けられている。幾つかの実施形態では、安全メカニズムの遠位端部はカテーテルアダプタの近位端部に選択的に連結されている。一実施形態では、安全メカニズムはカテーテルアダプタの近位端部に内部でインターロック接続している。一実施形態では、安全メカニズムはカテーテルアダプタの近位端部に外部でインターロック接続している。幾つかの実施形態では、安全メカニズムの遠位端部は安定化プラットフォームの近位端部に選択的に連結されている。幾つかの実施形態では、安全メカニズムの表面は、カテーテルアダプタ、血液制御弁、拡張チューブ、及び安定化プラットフォームのうちの少なくとも1つの少なくとも1つの表面に選択的に連結されている。幾つかの場合、機械的な接続は安全メカニズムの中にニードル先端部を固定すると解消される。
【0232】
幾つかの実施形態では、特定のカテーテルデバイス、例えば、
図1〜
図30のいずれかのカテーテルデバイスなどは、ニードル安全メカニズムを含むことができる。安全メカニズムは、ニードルが特定のカテーテルデバイスのカテーテルから引き抜かれているときに、イントロデューサーニードルの先の尖った遠位先端部を固定するように構成されている任意の安全メカニズムを含むことが可能であり、偶発的な針刺しを防止する。
【0233】
安全メカニズムは、任意の数の方式で、特定のカテーテルデバイスと連結され得る。幾つかの実施形態では、安全メカニズムは、内部インターロックを含むことが可能であり、内部インターロックにおいて、安全メカニズムは、カテーテルアダプタの内部表面と連結されている。カップリングは、スレッディング、フィッティング、スナッピング、コネクティング、アタッチング、ファスニング、クリッピング、フッキング、又は、カップリングの任意の他の適切な手段を含むことができる。内部インターロックを含む安全メカニズムの非限定的な例は、2009年3月2日に出願された「BI-DIRECTIONAL CANNULA FEATURE CAPTURE MECHANISM」と題された特許文献1;2013年7月11日に出願された「BI-DIRECTIONAL CANNULA FEATURE CAPTURE MECHANISM」と題された特許文献2;2016年3月28日に出願された「CANNULA CAPTURE MECHANISM」と題された特許文献3に提供されており、それらのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。幾つかの実施形態では、安全メカニズムは、カテーテルアダプタの中に配設されているクリップを含むことが可能であり、その非限定的な例は、1998年6月12日に出願された「SPRING CLIP SAFETY IV CATHETER」と題された特許文献4に提供されており、それは、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0234】
幾つかの実施形態では、安全メカニズムは、外部インターロックを含むことが可能であり、外部インターロックにおいて、安全メカニズムは、カテーテルアダプタの外部表面と連結されている。幾つかの実施形態では、安全メカニズムは、カテーテルアダプタの外部表面、並びに、ニードルハブの内部表面及び/又は外部表面と連結され得る。カップリングは、スレッディング、フィッティング、スナッピング、コネクティング、アタッチング、ファスニング、クリッピング、フッキング、又は、カップリングの任意の他の適切な手段を含むことができる。外部インターロックを含む安全メカニズムの非限定的な例は、2014年6月4日に出願された「PORTED IV CATHETER HAVING EXTERNAL NEEDLE SHIELD AND INTERNAL BLOOD CONTROL SEPTUM」と題された特許文献5に提供されており、それは、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。幾つかの実施形態では、安全メカニズムは、V−クリップ又は同様のクリップを含むことができる。V−クリップの非限定的な例は、2014年6月4日に出願された「PORTED IV CATHETER HAVING EXTERNAL NEEDLE SHIELD AND INTERNAL BLOOD CONTROL SEPTUM」と題された特許文献6に提供されており、それは、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。V−クリップは、カテーテルアダプタの一部分を選択的に保持することができる。
【0235】
幾つかの実施形態では、解消可能な機械的な接続は、安全メカニズムとIVカテーテルシステムの少なくとも1つの他のコンポーネントの間に設けられている。幾つかの場合、機械的な接続は、安全メカニズムの中にニードルの遠位先端部を固定すると解消される。幾つかの実施形態では、安全メカニズムの表面は、以下のもの、すなわち、カテーテルアダプタ、血液制御弁、拡張チューブ、及び、1つまたはより多くのパドルグリップのうちの1つまたは複数に選択的に連結されている。
【0236】
幾つかの実施形態では、安全メカニズムは、安全バレルを含むことが可能であり、安全バレルは、ばね荷重式であることが可能である。例えば、安全バレルは、BD(商標)Insyte(登録商標)Autoguard(商標)BCシールドされた保護IVカテーテルと同様に、ばね荷重式であることが可能である。幾つかの実施形態では、安全メカニズムは、パッシブに及び/又はアクティブに活性化させられ得る。幾つかの実施形態では、安全メカニズムは、ニードルの上のフェルール、ノッチ、クリンプ、又はバンプなどのような、ニードル機構と相互作用するように構成され得る。幾つかの実施形態では、安全メカニズムは、アーム又はレバーを含むことが可能であり、アーム又はレバーは、安全メカニズムの中に遠位先端部を捕獲し、安全な廃棄の前に先端部が出現することを防止するように作動させられ得る。幾つかの実施形態では、安全メカニズムは、ニードルの本体部に取り付けられ、また、その長さに沿ってスライドすることもできる。
【0237】
幾つかの実施形態では、カテーテル挿入前の組み立て位置において、安全メカニズムはカテーテルアダプタとニードルハブの間に配設され得る。幾つかの実施形態では、カテーテルアダプタ及びニードルハブは、カテーテル挿入前の組み立て位置において、安全メカニズムの少なくとも一部分によって間隔を離して配置され得る。幾つかの実施形態では、カテーテル挿入前の組み立て位置において、カテーテルアダプタの近位端部は、安全メカニズムの遠位端部と、例えば、パドルグリップなどのようなニードルハブのグリップの遠位端部との間に配設され得る。幾つかの実施形態では、カテーテル挿入前の組み立て位置において、カテーテルアダプタ本体部の近位端部は、安全メカニズムの遠位端部とニードルハブのグリップの近位端部との間に配設され得る。幾つかの実施形態では、安全メカニズムの一部分は、ニードルハブのグリップの一部分と重なっていることが可能である。幾つかの実施形態では、カテーテルアダプタ及びグリップの少なくとも1つの少なくとも一部分は、安全メカニズムの少なくともいくらかの部分と重なっている。幾つかの実施形態では、カテーテルアダプタ本体部又はグリップのいずれの部分も、安全メカニズムの任意の部分と重なっていない。
【0238】
1つまたはより多くのウイングを備えたカテーテルコンポーネントを含むIVカテーテルシステムの上述の実施形態のいずれかにおいて、ウイングは、それがカテーテルコンポーネントの長手方向の長さに沿って画定される軸線の周りに枢動することができるような様式で形成され得る。例えば、
図14Aを参照すると、第2のウイング1442は、可撓性の材料から形成され得、及び/又は、(例えば、カテーテルハブの長さに沿って薄くなった部分を備えたウイングを形成することによって)ヒンジを備えて構成され得、ヒンジは、ウイングが長手方向軸線の周りに上向きに及び下向きに枢動することを可能にする。このタイプの枢動の1つの利益は、それが、挿入の間に第2のウイング1442が患者の皮膚から離れるように上向きに角度を付けられることを可能にするということである。この上向きに角度が付くということは、臨床医の親指以外の手指又は親指を第2のウイング1442の下に収容することとなり、それによって、より浅い角度の挿入を促進する。次いで、可撓性のある及び/又は枢動可能なウイングは、患者の皮膚への固定のために平坦な位置へ下向きに移動させられ得る。特許文献6(それは、2015年10月28日に出願されており、参照により本明細書に組み込まれている)は、IVカテーテルシステムの上述の実施形態の多くとともに使用するのに適切であることとなる角度で、ウイングが枢動させられることを可能にする複数の技法を開示している。
【0239】
上述の実施形態のいずれかにおいて、固定プラットフォームのコンポーネントは、射出成形又は他のプロセスによって、同じ材料から形成され得る。この材料は、エラストマ材料又は他の低デュロメータ材料であってよく、それは、患者の皮膚、及び/又は、流体送達の間にカテーテルコンポーネントを適切な場所に維持するために使用される包帯に対して比較的に穏やかである。例えば、本発明の幾つかの実施形態は、おおよそ30 Shore Aからおおよそ90 Shore Dのデュロメータ硬度を有する低デュロメータ材料を含む。幾つかの実施形態では、低デュロメータ材料は、おおよそ50 Shore Aからおおよそ90 Shore Dのデュロメータ硬度を含む。幾つかの実施形態では、固定プラットフォームのコンポーネントは、熱可塑性のエラストマ(TPE)などから形成され得る。
【0240】
また、上述の実施形態のいずれかにおいて、ニードルコンポーネントのグリップ及び/又は他の要素は、透き通った又は白い材料から形成され得、一方、固定プラットフォームのコンポーネントの幾つか又はすべては、カテーテルのゲージに特有の色(例えば、緑、ピンク、青、黄、紫など)で形成され得る。色の対比は、例えば、カテーテルのフーディング(hooding)を含む、患者の静脈の中へのカテーテルシステムの挿入の間に互いから分離されているカテーテルシステムのパーツの、臨床医による識別を促進することができる。
【0241】
本発明は、本明細書で広く説明されているような、及び、以降で特許請求されているような、その構造、方法、又は、他の必須の性質から逸脱することなく、他の特定の形態で具現化され得る。説明されている実施形態は、すべての観点において、単なる例示目的として考慮されるべきであり、制限的なものとして考慮されるべきではない。したがって、本発明の範囲は、先述の説明によってというよりも、添付の特許請求の範囲によって示されている。特許請求の範囲の均等性の意味及び範囲の中に入るすべての変化は、それらの範囲内に包含されるべきである。