(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記フラグを付けること(32)は、前記サーバシステムが、不完全なデータ値のマーカの有無について、前記購入取引関連データ値の組を自動的にスキャンすることを含む、請求項1に記載の方法。
フラグが付けられた前記購入取引関連データ値の組(34)のうちの特定の1つに関して、前記不完全なデータ値のマーカは、対象となる商品説明フィールドタイプについて抽出された商品説明テキストデータ値が不完全であることを示す表示に対応するものである、請求項2に記載の方法。
フラグが付けられた前記購入取引関連データ値の特定の組について、前記決定(44)は、抽出された不完全な前記商品説明テキストデータ値をサーチクエリに少なくとも部分的に含めることを含む、請求項3に記載の方法。
前記抽出(28)は、前記サーバシステムが、小計フィールドタイプの第1の価格データ値と、注文金額フィールドタイプの第2の価格データ値とを自動的に抽出することを含み、
前記決定(44)は、前記サーバシステムが、前記第1の価格データ値及び前記第2の価格データ値に基づいて、それぞれの前記クエリ結果において前記商品関連品目を選択するための上限商品価格及び下限商品価格に対応するクエリ結果選択基準を自動的に決定することを含む、請求項5に記載の方法。
前記選択(52)は、ランク付けされた前記リスト内の前記商品関連品目のいずれもが、ユーザ価格限度に対応する、決定された前記クエリ結果選択基準よりも低い価格を有しないとの判断に応じて、ランク付けされた前記リスト内の前記商品関連品目のうちランクの最も高いものを選択することを含む、請求項6に記載の方法。
前記選択(52)は、前記第2の価格データ値がゼロであるとの判断に応じて、ランク付けされた前記リスト内の前記商品関連品目のうちランクの最も高いものを選択することを含む、請求項6に記載の方法。
前記不完全なデータ値のマーカは、対象となる前記商品説明フィールドタイプについて抽出された前記商品説明テキストにおける省略記号を含む、請求項3に記載の方法。
前記不完全なデータ値のマーカは、対象となる商品説明フィールドタイプについて抽出された前記商品説明テキストにおいて、それぞれの購入取引が、指定されていない1つ以上の他の品目に関係することを示す表示を含む、請求項3に記載の方法。
前記選択(52)は、少なくとも1つの前記クエリ結果選択基準を満たす、ランク付けされた前記リスト内の前記商品関連品目のうち最もランクの高いものを選択することを含む、請求項1に記載の方法。
前記サーバシステムが、フラグが付けられた前記購入取引関連データ値の組のそれぞれが抽出される、それぞれの前記購入取引記録(46、48)に関連付けられた各販売業者を特定するステップを更に含み、それぞれの前記クエリ結果が取得される前記第2のネットワークノードは、前記販売業者に関連付けられたウェブサーバである、請求項1に記載の方法。
前記取得(50)は、前記サーバシステムが、前記販売業者に関連付けられた前記ウェブサーバによって生成されたウェブページのグラフィカル制御要素に前記クエリを自動的に入力することを含み、前記クエリ結果は、前記販売業者に関連付けられた前記ウェブサーバから提供されるウェブページにおいて提供される、請求項14に記載の方法。
フラグが付けられた前記購入取引関連データ値の組のそれぞれについて、前記選択(52)は、選択された前記商品関連データ品目が所定の適時性要件を満たすとの判断に基づくものである、請求項1に記載の方法。
前記記憶は、フラグが付けられた前記購入取引関連データ値の組を回復データストアに記憶することと、完全であると判定された前記購入取引関連データ値の他の組を構造化データとしてデータウェアハウスに記憶することとを含む、請求項1に記載の方法。
前記クエリ結果は、ランク付けされた商品関連品目の前記リストを含むドキュメントから取得され、それぞれのデータ値は、それぞれのクエリ結果ドキュメントから抜粋される、請求項1に記載の方法。
前記抽出(28)は、ネットワークノード間で送られる各電子メッセージ(22)における購入取引記録(46、48)から前記購入取引関連データ値のそれぞれの組を抽出することを含み、前記クエリは、前記電子メッセージ(22)のそれぞれから抽出されて完全であると判定された前記購入取引関連データ値の他の組のそれぞれに対して適用される、請求項19に記載の方法。
前記抽出(28)は、1人以上の販売業者のそれぞれの各サーバシステムによって管理されるユーザアカウント(33)における購入取引記録(46、48)から前記購入取引関連データ値のそれぞれの組を抽出することを含み、前記クエリは、前記ユーザアカウント(33)のそれぞれから抽出される前記購入取引関連データ値の他の組のそれぞれに対して適用される、請求項19に記載の方法。
具現化されたプロセッサ可読プログラムコードを有する少なくとも1つの非一時的なコンピュータ可読媒体(328)であって、前記プロセッサ可読プログラムコードは、ある方法を行うためにプロセッサ(322)により実行されるものであり、
前記方法は、
第1のネットワークノードとの第1のネットワーク接続を通して、購入取引記録(46、48)を検索するステップと、
前記購入取引記録(46、48)から、対象となるそれぞれの購入関連フィールドタイプについての購入取引関連データ値のそれぞれの組を自動的に抽出するステップ(28)と、
自動的に、対象となる1つ以上の前記購入関連フィールドタイプについての1つ以上の不完全なそれぞれの購入関連データ値を含む前記購入取引関連データ値の組(34)のそれぞれにフラグを付け(32)、フラグが付けられた前記購入取引関連データ値の組(34)と、完全であると判定された前記購入取引関連データ値の他の組(31)とをデータ記憶システム(36)に記憶するステップと、
前記データ記憶システム(36)内の、フラグが付けられた前記購入取引関連データ値の組(34)のそれぞれにつき、
前記フラグが付けられた組における1つ以上の抽出されたデータ値に基づいて、クエリと少なくとも1つのクエリ結果選択基準とを決定し(44)、
第2のネットワークノードとの第2のネットワーク接続を通して、前記クエリに基づき、それぞれの購入関連フィールドタイプのデータ値にそれぞれ関連付けられた商品関連品目のランク付けされたリストを含む各クエリ結果ドキュメントを取得し(50)、
少なくとも1つの前記クエリ結果選択基準に基づいて、ランク付けされた前記リスト内の商品関連品目を選択し(52)、
前記クエリ結果ドキュメントの各々から、当該クエリ結果ドキュメントにおける選択された前記商品関連品目に関連付けられている、対象となる1つ以上の前記購入関連フィールドタイプのうちの少なくとも1つの各データ値を抜粋し(54)、
抜粋された少なくとも1つの前記データ値と、それぞれのフラグ付けされた前記組における、抽出された購入関連取引値とを前記データ記憶システムにロード(56)するステップと、
前記データ記憶システム内の購入取引関連データ値に関するビューを示すデータをクライアントネットワークノードに送るステップと
を含む、コンピュータ可読媒体。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の説明においては、同様の要素を特定する際に同様の符号を用いる。また、図面は、例示的な実施形態の主な特徴を図示するためのものである。図面は、実際の実施形態のあらゆる特徴を示すことを目的としたものではなく、描写されている要素の相対的な大きさを示すことを目的としたものでもなく、一定の縮尺で描かれているわけではない。
【0007】
1.用語の定義
「商品(product)」は、購入又は使用の対象となり得る任意の有形又は無形の品物(good)又はサービスである。
【0008】
「購入取引情報」(「購入取引データ」ともいう)は、商品の購入に関連する情報である。購入取引データには、例えば、インボイスのデータ、購入確認データ(「受領データ」ともいう)、商品注文情報(例えば、販売業者名、注文番号、注文日、商品説明、商品名、商品数量、商品価格、消費税、送料、及び注文金額)、及び商品出荷情報(例えば、請求書送付先住所、配送会社、配送先住所、発送予定日、配送予定日、及び追跡番号)が含まれる。
【0009】
「電子メッセージ」は、物理的なネットワークノードの間で送信者から受信者に送られ、非一時的なコンピュータ可読メモリに記憶される永続的なテキストベースの情報記録である。電子メッセージは、構造化メッセージ(例えば、構造化されたタグ要素を含むハイパーテキストマークアップ言語(HTML)メッセージ)又は非構造化メッセージ(例えば、プレーンテキストメッセージ)とすることができる。
【0010】
「コンピュータ」は、コンピュータ可読媒体に一時的に又は恒久的に記憶されたコンピュータ可読命令に従ってデータを処理する任意の機械、デバイス、又は装置である。「コンピュータオペレーティングシステム」は、タスクの動作と、コンピューティングリソース及びハードウェアリソースの共有とを管理及び調整するコンピュータシステムのソフトウェアコンポーネントである。「ソフトウェアアプリケーション」(ソフトウェア、アプリケーション、コンピュータソフトウェア、コンピュータアプリケーション、プログラム、及びコンピュータプログラムともいう)は、コンピュータが解釈及び実行して1以上の特定のタスクを実行することができる一組の命令である。「データファイル」は、ソフトウェアアプリケーションによって用いられるデータを永続的に記憶する情報のブロックである。
【0011】
「コンピュータ可読媒体」(「メモリ」ともいう)という用語は、機械(例えば、コンピュータ)が読み出すことのできる情報(例えば、命令及びデータ)を記憶可能な、有形で非一時的な任意のデバイスを指す。そのような情報を有形なものとして具現化するのに適した記憶デバイスには、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリデバイス等の半導体メモリデバイス、内部ハードディスク及びリムーバブルハードディスク等の磁気ディスク、光磁気ディスク、DVD−ROM/RAM、並びにCD−ROM/RAMを含む全ての形態の物理的な非一時的コンピュータ可読メモリが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0012】
「ネットワークノード」は、通信ネットワーク内の物理的な接点又は接続点である。ネットワークノードの例には、端末、コンピュータ、及びネットワークスイッチが含まれるが、これらに限定されるものではない。「サーバシステム」は、1以上のネットワークノードを有し、情報又はサービスの要求に応答する。「クライアントノード」は、情報又はサービスをサーバシステムに対して要求するネットワークノードである。
【0013】
本明細書において、「含む(include)」という用語は、対象のものを含むがそれに限定されないということを意味し、「含んでいる(including)」という用語は、対象のものを含んでいるがそれに限定されないということを意味する。「基づく」という用語は、対象のものに少なくとも部分的に基づくということを意味する。
【0014】
2.目立たない(unobtrusive)サイドチャネルデータ回復を有する購入取引データ検索システム
A.序論
以下の各論では、電子メッセージに基づいて購入取引情報を取得する改良されたシステム及び方法の例を説明する。これは、販売業者がその顧客に送る電子確認メッセージからの或る重要な商品特有の情報の脱落をもたらす、販売業者の購入取引報告の慣行における変化から生じている実際的な問題を解決するものである。これらの例によれば、購入取引データ検索システムが提供される。この購入取引データ検索システムは、失われた購入取引情報を1以上のサイドチャネルから目立たないように取得し、その情報を電子メッセージから抽出された情報と組み合わせて、別のやり方として従来の手法により可能なものよりも広く様々な購入取引及び販売業者を通じた実用的な情報を提供することができる。
【0015】
結果として得られる購入取引情報を集約して、個人に対してはその購入履歴を視覚化及び整理するための強化されたツールを提供するとともに、販売業者及び他の組織に対しては、的を絞った、あまり押し付けがましくない広告戦略及び他のマーケティング戦略を可能とするために、種々の消費者層にわたる改良された販売業者間の購入グラフの情報を提供することができる。これらの改良されたシステム及び方法を用意して、時間をかけて消費者の購入をモニタし、個別の消費者について又は多くの消費者について集約可能な更新された購入履歴情報を取得し、消費者の行動及び組織的なマーケティング戦略をもたらす実用的な情報を提供することができる。例えば、これらの改良されたシステム及び方法は、様々な購入取引情報を実用的なデータにまとめることができる。この実用的なデータは、消費者が自己の以前の購入を整理して自己の購入行動の把握を高めるために消費者が利用できるとともに、販売業者及び他の組織が自己のマーケティングキャンペーンの精度及び投資利益率を向上させるために用いることができる。
【0016】
B.例示的な動作環境
図1に、ネットワーク11を有するネットワーク通信環境10の一例を示す。ネットワーク11は、購入取引データ検索システム12と、商品を販売する1以上の商品売買業者14と、購入された商品を購入者に配送する1以上の商品配送業者16と、メッセージハンドリングサービスを提供する1以上のメッセージ提供者18と、商品情報及びマーケット情報並びにサービスを購入取引データ検索システム12から購入する1以上の購入取引情報利用者20とを相互に接続する。
【0017】
ネットワーク11は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、及びワイドエリアネットワーク(WAN)(例えば、インターネット)のうちの任意のものを含むことができる。ネットワーク11は通常、購入取引データ検索システム12と、1以上の商品販売業者14と、商品配送業者16と、メッセージ提供者18と、購入取引情報利用者20とのネットワークノード間において、多種多様な異なるメディアタイプ(例えば、テキスト、音声、オーディオ、及びビデオ)の伝送をサポートする複数の異なるコンピューティングプラットフォーム及び配信設備を有する。購入取引データ検索システム12と、商品販売業者14と、商品配送業者16と、メッセージ提供者18と、購入取引情報利用者20とのそれぞれは、通常、ネットワークノード(例えば、クライアントコンピュータ又はサーバシステム)を介してネットワーク11に接続する。このネットワークノードは、有形のコンピュータ可読メモリ、プロセッサ、及び(ディスプレイを含み得る)入出力(I/O)ハードウェアを備える。
【0018】
1以上の商品販売業者14は、通常、個人及び会社が、ウェブブラウザ等のネットワーク対応ソフトウェアアプリケーションを用いてネットワーク11を介して商品を直接購入することを可能にする。1以上の商品販売業者14は、個人及び会社が物理的な小売店舗において商品を購入することも可能とすることができる。いずれの場合も、購入取引が完了した後に、商品販売業者14は、商品購入者に関連付けられているメッセージアドレスに電子的な商品購入確認メッセージを送ることができる。この商品購入確認メッセージは、例えば、販売業者名、注文番号、注文日、配送予定日、商品説明、商品名、商品数量、商品価格、消費税、送料、及び注文金額等の商品注文情報を含むことができる。商品販売業者14は、商品配送業者16のうちの1つにより商品を配送してもらうように手配することもできる。購入商品のタイプによっては、商品配送業者16は、商品を購入者に物理的又は電子的に送ることができる。いずれの場合も、商品配送業者16又は商品販売業者14は、購入者に関連付けられているメッセージアドレスに電子的な配送通知メッセージを送ることができる。この電子的な配送通知メッセージは、例えば、商品注文情報、請求書送付先住所、配送会社、配送先住所、出荷予定日、配送予定日、及び追跡番号等の商品出荷情報を含むことができる。
【0019】
一般に、購入者のメッセージアドレスは、電子メッセージを送ることができる任意のタイプのネットワークアドレスとすることができる。そのようなメッセージアドレスの例には、電子メール(eメール)アドレス、テキストメッセージアドレス(例えば、電話番号又はテキストメッセージサービスのユーザ識別子等の送信者識別子)、ソーシャルネットワーキングサービスのユーザ識別子、及びファクシミリの電話番号が含まれる。商品購入に関連する電子メッセージは、通常、購入者のメッセージアドレスに関連付けられたメッセージ提供者18のそれぞれを経て購入者へとルーティングされる。メッセージ提供者18は、通常、購入者の電子メッセージをデータベース内の各メッセージフォルダデータ構造体に保存する。
【0020】
購入取引データ検索システム12は、商品購入者の電子メッセージから購入取引情報を抽出する。幾つかの例では、購入取引データ検索システムは、メッセージ提供者18によって管理される各商品購入者のメッセージフォルダへのアクセス権を商品購入者から取得する。他の例では、商品購入者は、購入取引データ検索システム12が、その商品購入者のローカル通信デバイス(例えば、パーソナルコンピュータ又はモバイルフォン)に保存されているその商品購入者の電子メッセージにアクセスすることを許可する。
【0021】
C.目立たないサイドチャネルデータ回復を有する購入取引データの検索
1.概略
図2に示すように、購入取引データの検索及び提供サービス12は、商品購入者(本明細書では「ユーザ」ともいう)の電子メッセージ22にアクセスする権利を得た後に、商品購入者の電子メッセージアカウントにアクセスし、購入取引に関係する電子メッセージ22のうちの選択されたものを処理する。購入取引データの検索及び提供サービス12は、購入取引情報利用者20へ提供することができる処理済みデータ24を作成する前に、電子メッセージ22を検索して処理する複数のステージを含む。これらのステージには、メッセージ発見ステージ26と、フィールド抽出ステージ28と、欠落データ回復ステージ29と、データ処理ステージ30とが含まれる。幾つかの例では、
図2の電子メッセージ処理方法は、購入取引データの検索及び提供サービス12に関連付けられたサーバシステムによって実行される。
【0022】
メッセージ発見ステージ26において、購入取引データの検索及び提供システム12は、購入取引に関係する電子メッセージ22のうちの特定のものを識別する。幾つかの例では、ルールベースのフィルタ及び機械学習分類器を、購入取引に関係する電子メッセージを特定するために用いる(例えば、2011年7月19日に出願された米国特許出願第13/185,943号、2012年1月12日に出願された米国特許出願第13/349,287号、2014年10月21日に出願された米国特許出願第14/519,919号、及び2014年10月21日に出願された米国特許出願第14/519,975号に記載の例を参照)。
【0023】
フィールド抽出ステージ28において、購入取引データの検索及び提供サービス12は、電子メッセージ22のうちの特定されたものから購入取引情報を抽出する。こような購入取引情報の例として、販売業者名、注文番号、注文日、商品説明、商品名、商品数量、商品価格、消費税、送料、注文金額、請求書送付先住所、配送会社、送付先住所、出荷予定日、配送予定日、及び追跡番号が含まれる。電子メッセージ22のうちの特定されたものから購入取引情報を抽出するために様々な方法を用いることができる(例えば、2011年7月19日に出願された米国特許出願第13/185,943号、2012年1月12日に出願された米国特許出願第13/349,287号、2014年10月21日に出願された米国特許出願第14/519,919号、及び2014年10月21日に出願された米国特許出願第14/519,975号に記載の例を参照)。
【0024】
欠落データ回復ステージ29においては、購入取引データの検索及び提供サービス12は、抽出された購入取引情報から欠落している情報を特定し、特定された欠落情報の一部又は全ての回復を試みる。これらのプロセスの例の詳細は後述する。
【0025】
データ処理ステージ30において、購入取引データの検索及び提供サービス12は、抽出された購入取引情報と回復された購入取引情報とを組み合わせて、処理済みデータ24を生成する。この処理済みデータは、例えば、集約されたデータと、その集約されたデータに関するビューとを含む。集約されたデータに関する様々なビューを、種々のタイプの購入取引情報利用者20向けに準備することができる。個人ユーザの場合、抽出された購入取引情報は、例えば、そのユーザの購入についての情報を示すように処理される。この情報は、運送中の注文を追跡する情報、購入の詳細にアクセスするための情報、及び集約された購入要約情報を含む。広告主の場合、抽出された購入取引情報は、例えば、消費者の購入履歴に基づいて消費者への的を絞った広告を手助けできるように処理される。マーケット分析者の場合は、抽出された購入取引情報は、例えば、小売業者、カテゴリ、及びデバイスにわたる匿名の品目レベルの購入詳細を提供できるように処理される。
【0026】
2.サイドチャネルデータ回復
多くの販売業者は、その顧客に対し、購入取引情報利用者20が望むタイプの報告を作成するための十分な購入取引情報を含む確認メッセージを送る。その一方で、他の販売業者は購入取引報告の慣行を変更しており、その販売業者が顧客へ送る確認メッセージには、特定の購入取引データフィールドタイプについての完全な購入取引情報がもはや含まれていない(本明細書では、これらのタイプの確認メッセージを「データが限られた注文確認メッセージ」という。)。この情報がなければ、従来の確認メッセージに基づくデータ抽出システムは、消費者が買い物をする全ての販売業者へのアカウントの登録を消費者に求めることなく、更にそれらのアカウントへのアクセスを報告システムに提供することを消費者に求めることなく、販売業者間の完全な購入取引情報を提供するために必要な情報を得ることができない。例えば、多くのタイプの購入取引情報商品を導くには、購入取引情報提供者12は、個別の購入商品を正確に特定(又は少なくともカテゴリ化)し、それらの個別の商品の支払い価格を正確に求めることを可能とする情報を必要とする。しかし、データが限られた注文確認メッセージは、完全な商品説明情報及び個別の商品価格情報の少なくとも一方を含んでおらず、その結果、従来の手法は、購入取引報告を作成するにあたり、データが限られた注文確認メッセージの購入取引情報を用いない。
【0027】
図3に、
図2のプロセスの一例を示す。この例では、データ回復ステージ29が拡張され、欠落している購入取引情報を1以上のサイドチャネルから目立たないように回復して、データが限られた注文確認メッセージに関連するデータ脱落の問題を軽減するプロセスを示す。
【0028】
図3に示しているように、メッセージ発見ステージ26及びフィールド抽出処理ステージ28において、購入取引データの検索及び提供サービス12は、ユーザの電子メッセージのうちの特定されたものから、対象となるそれぞれの購入関連フィールドタイプの購入取引関連データ値の各組を抽出する(
図3のブロック26及び28)。購入取引関連データ値の各組は、通常、関連付けられた購入取引の注文番号によってインデックス付けすることができるそれぞれのデータベースのレコード(あるいは記録)として記憶される。
【0029】
抽出された情報に基づいて、購入取引データの検索及び提供サービス12は、対象となる購入関連フィールドタイプのうちの1つ以上について1つ以上の不完全な購入関連データ値を含む購入取引関連データ値の各組にフラグを付ける(
図3のブロック32)。フラグが付けられたデータ値の組は、通常、データが限られた注文確認メッセージから抽出された購入取引関連データ値の組に対応するものである。幾つかの例では、購入取引データの検索及び提供システム12は、1つ以上の重要な購入関連フィールドタイプ(例えば、商品説明、商品価格、及び商品数量)について不完全な情報を有するか又は情報を有しない、購入取引関連データ値の組にのみフラグを付ける。
【0030】
フラグ付けプロセス(
図3のブロック32)の幾つかの例では、購入取引データ検索システム12は、1つ以上の重要な購入関連フィールドタイプにおける不完全なデータ値のマーカにつき抽出された購入取引関連データ値の各組を自動的にスキャンする。不完全なデータ値のマーカの例には、商品説明フィールドの抽出された商品説明テキストデータ値が不完全であることを示す表示が含まれる。そのような表示の例には、商品説明フィールド内の抽出された商品説明のテキストに省略記号(例えば、「...」)又は他の記号(例えば、「−」等のダッシュ)が存在することと、それぞれの購入取引が1つ以上の指定されていない他の品目に関係していることを示す表示が商品説明フィールド内に存在する(例えば、商品説明テキストが「他の品目」への明示的な言及を含む)こととが含まれる。
【0031】
幾つかの例では、電子メッセージ22から購入取引関連データ値を抽出することに加えて、購入取引データの検索及び提供サービス12は、ユーザが買い物をする販売業者14が管理するユーザの顧客アカウントに記憶されたユーザの購入履歴記録から購入取引関連データ値の完全な組をも抽出する。これらの例では、購入取引データ検索システム12のユーザは、当該ユーザが買い物をする販売業者14のうちの1以上に関する当該ユーザの顧客アカウントの認証情報(例えば、ユーザ名及びパスワード)を提供して、購入取引データ検索システム12が、販売業者14のそれぞれに関するユーザの顧客アカウントに関連付けて記憶されたユーザの購入履歴記録から購入取引データの完全な組を検索することを可能とする。
【0032】
購入取引データ検索サービス12は、完全であると判定された購入取引関連データ値の抽出された組31と、不完全であるとするフラグが付けられた購入取引関連データ値の抽出された組34とをデータ記憶システム36に記憶する。幾つかの例では、購入取引データ検索システム12は、不完全であるとするフラグが付けられた購入取引関連データ値の組を回復データストアに記憶し、完全であると判定された購入取引関連データ値の他の組を構造化データとしてデータウェアハウスにロードする。回復データストアは、フラグが付けられたデータの組の一時的なリポジトリとしての機能を果たし、データベース又はフラットファイルとして編成することができる。その一方で、データウェアハウスは、様々な分析機能及び報告機能をサポートする購入取引データの中央リポジトリとしての機能を果たす。幾つかの例では、構造化データは、抽出変換ロード(extract-transform-load, ETL)に基づくデータウェアハウジングの手法を用いてデータウェアハウスにロードされる。
【0033】
購入取引データ検索システム12は、1つ以上のサイドチャネルデータ回復プロセスを実行して、回復データストアに記憶された購入取引関連データ値のそれぞれの不完全な組から欠落しているデータを検索する(
図3のブロック38)。
【0034】
ファーストパーティのサイドチャネルデータ回復プロセス37において、購入取引データ検索システム12は、データ記憶システム36に記憶された購入取引関連データ値の完全な組31のそれぞれから、欠落データの一部又は全ての回復を試みる。この点に関して、購入取引データ検索システム12は、購入取引データの完全な組31から欠落データの回復を試みる。購入取引データの完全な組31は、購入取引データ検索システム12が、電子メッセージ22と各販売業者14に関するユーザの顧客アカウントから検索されたユーザの購入履歴記録とから抽出するものである。
【0035】
サードパーティのサイドチャネルデータ回復プロセス37において、購入取引データ検索システム12は、1以上の商品情報サーバ40にて管理されているサードパーティのデータから欠落データの一部又は全ての回復を試みる。幾つかの例では、サードパーティのデータは、商品販売業者14の商品情報サーバ40により管理されている公に利用可能なデータベース(例えば、商品カタログ)、オンラインショッピングアグリゲータ、及び他のオンライン商品情報源を含む。
【0036】
データ処理ステージ30において、購入取引データ検索12は、抽出された購入取引情報と回復された購入取引情報とを組み合わせて、処理済みデータ24を生成する。この処理済みデータは、例えば、集約されたデータと集約されたデータに関するビューとを含む。自動的に、又はクライアントネットワークノード20からの要求に応じて、購入取引データ検索システム12は、処理済みデータ24を、集約されたデータに関する各ビューを表示するクライアントネットワークノード20へ送る。
【0037】
図4に、サイドチャネルデータ回復プロセス42の一例を示す。このプロセスは、データ記憶システム36における購入取引関連データ値のフラグ付けされた組に対して後述する処理ステージを適用することを含む。
【0038】
サイドチャネルデータ回復プロセス42によれば、購入取引データ検索システム12は、フラグ付けされた組内の抽出されたデータ値のうちの1つ以上に基づいて、クエリと少なくとも1つのクエリ結果選択基準とを決定する(
図4、ブロック44)。クエリ及びクエリ結果選択基準の具体的な内容は、通常、フラグ付けされたデータ値の組内の抽出されたデータ値又は回復されることになる欠落情報のうちの1以上、又は抽出されたデータ値情報及び欠落情報の双方に基づいて決定される。
【0039】
幾つかの例は、購入取引記録から抽出された不完全な商品説明に基づいて、購入取引において購入された商品を特定できるように設計される。これらの例では、購入取引データ検索システム12は、購入商品について抽出された、不完全な説明を少なくとも部分的にクエリに組み込む。これらの例のうちの幾つかにおいて、クエリは、関連付けられた購入取引記録から抽出された商品モデル番号、商品特徴情報、販売業者の識別子、及び他の補助的な商品関連情報をも含むことができる。これらの例のうちの幾つかにおいて、クエリ結果選択基準は、抽出された不完全な商品説明に対応する商品について支払われた、抽出された価格(例えば、注文小計価格)を含む。クエリ結果選択基準は適時性要件をも含むことができる。適時性要件は、(例えば、注文日又は確認メッセージの日付によって示されるような)購入取引の日付と同時又はほぼ同時(例えば、指定された週数内又は月数内)であるデータから欠落情報が回復されることを保証するものである。クエリ結果選択基準は、一致する可能性のある商品のリストから特定の商品を選択する1以上のヒューリスティクス(経験則)をも含むことができる。
【0040】
幾つかの例は、購入取引記録から抽出された不完全な商品説明及び1つ以上の価格データ値に基づいて、購入取引において購入された商品と、その商品に支払われた価格とを特定できるように設計される。これらの例では、購入取引データ検索システム12は、購入商品について抽出された不完全な説明をクエリに組み込む。これらの例のうちの幾つかにおいては、クエリは、関連付けられた購入取引記録から抽出された商品モデル番号、商品特徴情報、販売業者の識別子、及び他の補助的な商品関連情報をも含むことができる。これらの例のうちの幾つかにおいて、クエリ結果選択基準は、次に述べるもののうちの1つ以上を含む。すなわち、類似する商品説明のリストを絞るために1つ以上の抽出された価格データ値から導びかれる価格制約と、(例えば、注文日又は確認メッセージの日付によって示されるような)購入取引の日付と同時又はほぼ同時(例えば、指定された週数内又は月数内)であるデータから欠落情報が回復されることを保証する適時性要件と、一致する可能性のある商品のリストから特定の商品を選択する1以上のヒューリスティクス(経験則)とのうちの1つ以上を含む。
【0041】
幾つかの例では、購入取引データ検索システム12は、小計フィールドタイプの第1の価格データ値と、注文金額フィールドタイプの第2の価格データ値とに基づいて、場合によってはそれぞれの購入取引記録から抽出された1つ以上の品目数量データ値にも基づいて、それぞれのクエリ結果における商品関連品目を選択するための上限商品価格及び下限商品価格を自動的に決定する。
【0042】
これらの例のうちの幾つかでは、上限価格は、抽出された注文総額値に設定される。
【0043】
注文小計価格値が0よりも大きい例では、下限価格は、注文小計価格値を、それぞれの購入取引記録から抽出された1つ以上の品目数量データ値の一次関数に応じた倍率によってスケーリングを行うことにより導かれる。幾つかの例では、この倍率は、式(1)によって与えられる。
【数1】
ただし、変数a及びbは、経験的に求められる定数である。
【0044】
注文小計価格値が0であるような例では、下限価格は、注文総額値を、それぞれの購入取引記録から抽出された1つ以上の品目数量データ値の一次関数に応じた倍率によってスケーリングを行うことにより導かれる。幾つかの例では、この倍率は、式(1)によって与えられる。ただし、経験的に求められる定数a及びbのうちの一方又は双方は、注文小計価格値が0よりも大きい上述の例において用いられる値と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0045】
図5A及び
図5Bに、例示的な購入取引記録46、48を示す。これに基づいて、購入取引データ検索システム12は、それぞれのクエリ語及びそれぞれのクエリ結果選択基準を生成する。
【0046】
図5Aは、単一品目の購入取引記録46の一例を示している。この購入取引記録は、購入商品の部分的な説明(すなわち、「Lemon Star Premium xPhone」)と、購入商品の数量(「1」であることが暗に示されている)と、購入商品の価格(すなわち、$19.99)とを提供するものである。この例では、購入商品の説明が不完全であるために、購入取引データ検索システム12が購入商品を直接的に特定することができない。この場合、購入取引データ検索システム12は、購入商品について抽出された部分的な説明を含むクエリを生成するとともに、抽出された購入商品価格を上限価格として含むクエリ結果選択基準を生成する。
【0047】
図5Bは、複数品目の購入取引記録48の一例を示している。この購入取引記録は、リストされている第1の購入商品の数量(「1」であることが暗に示されている)及び部分的な商品説明(すなわち、「13oz Crichton Sport」)と、購入された「他の品目」の数量(すなわち、「4」)と、税抜きの品目の総額(すなわち、$31.23)と、注文金額(すなわち、$31.23)とを提供するものである。この例では、購入取引データ検索システム12は、リストされている第1の購入商品を直接的に特定することができず、購入された「他の品目」のいずれも直接的に特定することができず、購入商品のいずれについても支払われた価格を直接的に求めることができない。この場合、購入取引データ検索システム12は、リストされている第1の購入商品について抽出された部分的な説明を含むクエリを生成するとともに、抽出された注文金額(すなわち、$31.23)を上限価格として含み、かつ式(1)により定められる倍率による注文小計価格値(すなわち、$31.23)のスケーリングにより導かれる下限価格を含むクエリ結果選択基準を生成する。
【0048】
図4に戻ると、クエリに基づいて、購入取引データ検索システム12は、1つ以上の商品関連品目のそれぞれのリストを含むそれぞれのクエリ結果。これらの商品関連品目のそれぞれは、それぞれの購入関連フィールドタイプのデータ値に関連付けられている(
図4、ブロック50)。クエリ結果は、少なくとも1つのドキュメントの形態でサーバから取得することができる。このドキュメントは、構造化されている場合もあれば(例えば、HTMLフォーマットのウェブページ)、構造化されていない場合もある(例えば、プレーンテキストのドキュメント)。幾つかの例では、商品関連品目のリストは、1以上のファクター(例えば、販売数量、売上ランク、商品ビュー、商品レビュー、商品の新しさ、及び転換率)によってランク付けされる。
【0049】
幾つかの例では、購入取引データ検索システム12は、クエリをデータベースサーチエンジンに送る。このデータベースサーチエンジンは、データ記憶システム36に関連付けられており、クエリ内の対応するデータ値に類似するデータ値を含むデータ記憶システム36に記憶された購入取引関連データ値の完全な組31のそれぞれのレコードをサーチする。幾つかの例では、サーチは、適時性要件を満たすレコードに限られている。クエリの送信に応じて、データベースサーチエンジンは、クエリ語に類似する1つ以上のデータ値を有する商品関連品目のランク付けされたリスト(すなわち、クエリ結果)を返す。リストは、1つ以上のファクターに基づいてランク付けすることができる。これらの因子には、クエリ語との一致度、商品の評判、及び適時性要件を満たす程度が含まれる。幾つかの例では、商品の評判は、データ記憶システム36及び他の情報源(例えば、1つ以上のオンライン商取引会社)のうちの1つ以上から得られた購入取引データの分析により求められる。幾つかの例では、リスト内の商品関連品目は、サーチの対象である購入取引の注文日に対するそれらのそれぞれの注文日の近接度に基づいてランク付けされる。
【0050】
幾つかの例では、購入取引データ検索システム12は、1つ以上のデータベースサーチエンジンにクエリを送る。このデータベースサーチエンジンは、それぞれのサードパーティデータベース(例えば、商品販売業者のサーバ40又は他のオンラインでの商品情報発行者が発行する、公に利用可能な商品カタログ)に関連付けられていて、クエリ内の対応するデータ値に類似するデータ値を有する商品関連品目をサーチする。幾つかの例では、購入取引データ検索システム12は、フラグが付けられたデータの組に関連付けられた販売業者を特定し、特定された販売業者に関連付けられているデータベースサーチエンジンにクエリを送る。幾つかの例では、データベースサーチエンジンはウェブサーバ上で実行され、購入取引データ検索システム12は、ウェブサーバによって生成されたウェブページのグラフィカル制御要素にクエリを自動的に入力する。このクエリに応じて、データベースサーチエンジンは、クエリの語に類似した1つ以上のデータ値を有する商品関連品目のランク付けされたリストを含むクエリ結果ドキュメント(例えば、ウェブページ)を返す。このリストは、クエリ語との一致度、商品の評判、及び適時性要件を満たす程度を含む1つ以上のファクターに基づいてランク付けすることができる。幾つかの例では、データベースサーチエンジンは、商品の評判によって商品関連品目リストを自動的にランク付けする。
【0051】
幾つかの例では、購入取引データ検索システム12は、1以上のデータベースサーチエンジンから得られた複数のサーチ結果を組み合わせて、単一のクエリ結果リストを生成する。
【0052】
幾つかの例では、購入取引データ検索システム12は、クエリ結果ドキュメントを、サーチ結果を分析する前に自動的にパースする。これらの例のうちの幾つかでは、購入取引データ検索システム12は、クエリ結果ドキュメントのフォーマットに合った1つ以上の自動化ウェブスクレイピング処理を用いてそのクエリ結果ドキュメントをパースし、クエリ結果ドキュメント内の1つ以上の品目について意味的にラベル付けされたデータ値のそれぞれの組を含む、パースされた結果リストを取得する。
【0053】
図4に戻ると、購入取引データ検索システム12は、少なくとも1つのクエリ結果選択基準に基づいて、ランク付けされたリスト内の商品関連品目を選択する(
図4、ブロック52)。上述したように、クエリ結果選択基準は、1つ以上の価格制約(例えば、上限価格及び下限価格)、適時性要件、及び1つ以上のヒューリスティクスを含むものとすることができる。これらの基準は、欠落情報を回復するための、ランク付けされたリスト内の特定の商品関連品目を選択するためのルールの組を生成するために用いられる。
【0054】
以下に、品目選択ルールの例を示す。これらのルールを用いて、抽出された部分的な商品説明と、ランク付けされた品目リスト内の1つ以上の商品説明との間に正確な文字列一致が存在する特定の商品関連品目が、ランク付けされた品目のリストから選択される。
●部分的な商品説明との正確な文字列一致を含む品目が1つしか存在しない場合は、その品目を選択する。
●正確な文字列一致を含む品目が複数存在する場合は、以下の選択ルールのうち、最初に満たされるものを適用する。
○上限価格と下限価格との間にある品目価格を有する、リスト内の最初の品目を選択する
○上限価格よりも低い品目価格を有する、リスト内の最初の品目を選択する
○上限価格よりも価格が低い品目がリストにない場合は、リスト内の最初の品目を選択する
○関連付けられた取引記録における注文金額が$0.00である場合は、リスト内の最初の品目を選択する
【0055】
ランク付けされたリスト内の商品関連品目を選択した後に、購入取引データ検索システム12は、クエリ結果ドキュメント内の選択された商品関連品目に関連付けられた1つ以上の、対象となる購入関連フィールドタイプのうちの少なくとも1つについて各データ値を各クエリ結果から抜粋する(
図4、ブロック54)。このプロセスにおいて、購入取引データ検索システム12は、ランク付けされたリストから直接的に、又はランク付けされたリストをパースしたものから間接的に、少なくとも1つのデータ値を抜粋することができる。
【0056】
購入取引データ検索システム12は、抜粋された少なくとも1つのデータ値と、フラグ付けされたそれぞれの組内の抽出された購入関連取引の値とを、構造化データとしてデータウェアハウスにロードする(
図4、ブロック56)。幾つかの例では、このプロセスは、抽出変換ロード(ETL)に基づくデータウェアハウジング手法を用いて実行される。
【0057】
上述したように、部分的な商品説明は、単一品目の、データが限られた注文確認メッセージ(
図5A参照)において提供され、また、複数の商品のうちの最初の商品についての部分的な商品説明は、複数品目の、データが限られた注文確認メッセージにおいて提供される。上述したサイドチャネルデータ回復プロセスは、部分的な商品説明と抽出された価格選択基準とに基づいて、欠落した商品説明情報と欠落した価格情報とを正しく回復する高い可能性を有する。単一品目の注文に対応する商品と複数品目の注文において最初にリストされている商品とは、オンライン購入取引において購入される商品のかなり大きな割合を示すものである。その結果、上述したサイドチャネルデータ回復プロセスにより、従来のメッセージベースのデータ抽出手法に比べて、データが限られた注文購入取引確認メッセージから求めることのできる実用的なデータの量が大幅に増加する。
【0058】
D.集約された購入取引データに関するビュー
抽出された購入取引情報は、多種多様な有用かつ有形の現実世界の用途において用いることができる。例えば、個人ユーザの場合、抽出された購入取引情報は、例えば、運送中の注文を追跡するための情報、購入の詳細にアクセスするための情報、及び集められた購入のサマリ情報を含むユーザの購入についての情報を示すために処理される。広告主の場合、抽出された購入取引情報は、例えば、消費者向けの広告をその消費者の購入履歴に基づいて支援するために処理される。マーケット分析者の場合、抽出された購入取引情報は、例えば、小売業者、カテゴリ、及びデバイスにわたる匿名の品目レベルの購入詳細を提供できるように処理される。
【0059】
図6に、特定の消費者(すなわち消費者A)の一組の購入取引情報を表すグラフィカルユーザインタフェース62の一例を示す。この例では、消費者Aが購入した商品群の購入取引情報が、消費者Aの購入履歴を提供できるように、商品ごとに注文日が新しい順に示されている。購入取引情報は、注文日、品目説明、価格、販売業者、及びステータスを含む。この購入取引情報を示すことにより、消費者Aは、支払った価格及び配送ステータス等の、購入履歴における商品についての情報を容易に得ることができる。このように、消費者Aは、購入した物、購入した場所及び到着時期を、購入取引情報が含まれた最初の電子メッセージ(例えば、eメールメッセージ)を見直す必要なく、容易に得ることができる。
【0060】
集められた購入取引情報の他の例示的なアプリケーションは、例えば、米国特許出願公開第20130024924号及び米国特許出願公開第20130024525号に記載されている。
【0061】
E.例示的なコンピュータ装置
コンピュータ装置は、本明細書に記載の方法の機能を実行するための改良された処理システムを提供できるように合わせてプログラムされる。
【0062】
図7に、コンピュータシステム320によって実施されるコンピュータ装置の例示的な実施形態を示す。コンピュータシステム320は、処理ユニット322と、システムメモリ324と、処理ユニット322をコンピュータシステム320内の様々な構成要素に接続するシステムバス326とを備えている。処理ユニット322は、1つ以上のデータプロセッサを含むことができ、それらのデータプロセッサのそれぞれは、様々な市販のコンピュータプロセッサのうちの任意の1つの形態とすることができる。システムメモリ324は、通常、ソフトウェアアプリケーションに利用可能なアドレスを定めるソフトウェアアプリケーションアドレス空間に関連付けられた1つ以上のコンピュータ可読媒体を含む。システムメモリ324は、コンピュータシステム320の起動ルーチンを含む基本入出力システム(BIOS)を記憶する読み出し専用メモリ(ROM)と、ランダムアクセスメモリ(RAM)とを備えることができる。システムバス326は、メモリバス、周辺バス又はローカルバスとすることができ、PCI、VESA、Microchannel(マイクロチャネル)、ISA、及びEISAを含む様々なバスプロトコルのうちの任意のものと互換性を有するものとすることができる。コンピュータシステム320は、永続的記憶メモリ328(例えば、ハードドライブ、フロッピードライブ、CDROMドライブ、磁気テープドライブ、フラッシュメモリデバイス、及びデジタルビデオディスク)をも備えている。この永続的記憶メモリは、システムバス326に接続され、データ、データ構造体及びコンピュータ実行可能命令のための不揮発性記憶装置又は永続的記憶装置を提供する1つ以上のコンピュータ可読媒体ディスクを含む。
【0063】
ユーザは、1つ以上の入力デバイス330(例えば、1つ以上のキーボード、コンピュータマウス、マイクロフォン、カメラ、ジョイスティック、物理運動センサ、及びタッチパッド)を用いて、コンピュータシステム320とインタラクトする(例えば、コマンド又はデータを入力する)ことができる。情報は、ディスプレイモニタ332にてユーザに提示されるグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を通じて示すことができる。ディスプレイモニタ332は、ディスプレイコントローラ334によって制御される。コンピュータシステム320は、他の入出力ハードウェア(例えば、スピーカ及びプリンタ等の周辺出力デバイス)をも備えることができる。コンピュータシステム320は、ネットワークアダプタ336(「ネットワークインタフェースカード」又はNICともいう)を通じて、他のネットワークノードに接続する。
【0064】
複数のプログラムモジュールをシステムメモリ324に記憶することができる。これらのプログラムモジュールには、アプリケーションプログラミングインタフェース338(API)、オペレーティングシステム(OS)340(例えば、米国ワシントン州レドモンドのMicrosoft Corporation社から入手できるWindows(登録商標)オペレーティングシステム)、購入取引データ検索システム12の機能のうちの1つ以上を実行できるようにコンピュータシステム320をプログラムする1つ以上のソフトウェアアプリケーションを含むソフトウェアアプリケーション341、ドライバ342(例えばGUIドライバ)、ネットワーク・トランスポート・プロトコル344、及びデータ346(例えば、入力データ、出力データ、プログラムデータ、レジストリ、及び構成設定)が含まれる。
【0065】
幾つかの実施形態では、購入取引データの検索及び提供サービス12、商品販売業者14、商品配送業者16、及びメッセージ提供者18(
図1参照)の各々から提供されるサービスは、コンピュータ装置320に対応する1つ以上のサーバネットワークノードを有する各サーバシステムによって少なくとも部分的に実行される。
【0066】
3.結論
本明細書に記載の実施形態によれば、購入取引情報を複数の情報源から目立たないように検索し、その情報を組み合わせて、従来の手法により利用可能なものよりも広い様々な異なる購入取引及び販売業者にわたる実用的な情報を提供する、改良されたシステム、方法及びコンピュータ可読媒体が提供される。
【0067】
他の実施形態は、特許請求の範囲に含まれる。