【文献】
KONG J et al.,P25 RESCUE OF MOTOR NEURONS IN ALS BY TARGETING THE BNIP3 CELL DEATH PATHWAY,Amyotrophic Lateral Sclerosis,2009年,P78-79
【文献】
JOHANSON ROBERT E.,UNIVERSAL BEHAVIOR OF THE NORMALIZED PHOTOCONDUCTIVITY AT LOW TEMPERATURES IN AMORPHOUS SEMICONDUCTO,Journal of Non-crystalline Solids,1989年,114,274-276
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
CNSニューロンが、知覚ニューロン、運動ニューロン、皮質ニューロン、錘体ニューロン、小脳ニューロン、海馬ニューロンおよび中脳神経ニューロンからなる群から選択される、請求項1〜3の何れかに記載の医薬。
ネクロスタチンがネクロスタチン−1、ネクロスタチン−2、ネクロスタチン−3、ネクロスタチン−4、ネクロスタチン−5およびネクロスタチン−7またはこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1〜4の何れかに記載の医薬。
ネクロスタチンが
式I:
【化1】
〔式中、
XはOまたはSであり;
R
1は水素、C
1−C
6アルキル、C
1−C
6アルコキシルまたはハロゲンであり;そして
R
2は水素またはC
1−C
6アルキルである。〕
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、エステルもしくはプロドラッグ;
式I−A:
【化2】
〔式中、R
1はH、アルキル、アルコキシルまたはハロゲンであり、R
2はHまたはアルキルである。〕
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、エステルもしくはプロドラッグ;
式I−B:
【化3】
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、エステルもしくはプロドラッグ;
式I−C:
【化4】
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、エステルもしくはプロドラッグ;
式I−D:
【化5】
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩;
式I−E:
【化6】
〔式中、R
1はH、アルキル、アルコキシルまたはハロゲンであり、R
2はHまたはアルキルである。〕
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、エステルもしくはプロドラッグ;
式II:
【化7】
〔式中、
Xは−CH
2−、−C(H)(R
14)−、−C(=S)−、−C(=NH)−または−C(O)−であり;
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9およびR
10はそれぞれ独立して水素、アシル、アセチル、アルキル、ハロゲン、アミノ、C
1−C
6アルコキシル、ニトロ、−C(O)R
12、−C(S)R
12、−C(O)OR
12、−C(O)NR
12R
13、−C(S)NR
12R
13または−S(O
2)R
12であり;
R
11は水素、アシル、アセチル、アルキルまたはアシルアミノであり;
R
12およびR
13はそれぞれ独立して水素、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたアラルキルまたは随意に置換されたヘテロアラルキルであり;
R
14はアシル、アセチル、アルキル、ハロゲン、アミノ、アシルアミノ、ニトロ、−SR
11、−N(R
11)
2または−OR
11であり;
(a)によって示される結合は、一重結合または二重結合であり得;そして
(b)によって示される結合は、一重結合または二重結合であり得る。〕
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、エステルもしくはプロドラッグ;
式II−A:
【化8】
〔式中、
R
1、R
2、R
5、R
6、R
7およびR
10はそれぞれ独立して水素、アルキル、ハロゲン、アミノまたはメトキシルであり;そして
R
3、R
4、R
8およびR
9はC
1−C
6アルコキシルである。〕
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩;
式III:
【化9】
〔式中、
Zは−CH
2−、−CH
2CH
2−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O
2)−または−N(R
7)−であり;
R
1、R
3およびR
5はそれぞれ、各場合について、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、C
1−C
6アルキル、C
1−C
6アルコキシル、C
1−C
6アルコキシ−C
1−C
6アルキル、C
1−C
6アルカノイル、C
1−C
6アルキルスルフィニル、C
1−C
6アルキルスルフィニル−C
1−C
6アルキル、C
1−C
6アルキルスルホニル、C
1−C
6アルキルスルホニル−C
1−C
6アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアラルキルであり;
R
2およびR
4はC
1−C
6アルコキシルであり;
R
6は−C(O)R
8、−C(S)R
8、−C(O)OR
8、−C(O)NR
8R
9、−C(S)NR
8R
9、−C(NH)R
8または−S(O
2)R
8であり;
R
7はアルキル、アラルキルまたはヘテロアラルキルであり;
R
8およびR
9はそれぞれ独立して水素、C
1−C
6アルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはヘテロアラルキルであり;そして
nはそれぞれ、各場合について、0、1または2である。〕
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、エステルもしくはプロドラッグ;
式IV:
【化10】
〔式中、
【化11】
であり;
R
2およびR
3はそれぞれ、各場合について、水素またはメチルであり;
R
4はそれぞれ、各場合について、独立してハロゲン、水素、C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニルまたはC
2−C
4アルキニルであり;
R
5はC
1−C
4アルキルであり;
R
6は水素、ハロゲンまたは−CNであり;
R
7は水素またはC
1−C
4アルキルであり;
R
8はC
1−C
6アルキルでありまたはR
8は存在する場合R
9と一緒になって炭素環を形成し;
R
9は水素またはC
1−C
6アルキルであるまたはR
9はR
8と一緒になって炭素環を形成し;
R
10は水素またはC
1−C
6アルキルであり;
Aはフェニレンまたは5〜6員ヘテロアリーレンであり;
XはNまたは−C(R
9)−であり;
YはNまたは−C(R
10)−であり;
ZはSまたはOであり;そして
mおよびnはそれぞれ独立して1、2または3である。〕
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、エステルもしくはプロドラッグ;
式V:
【化12】
〔式中、
Aは飽和または不飽和5〜6員炭素環であり;
Xは結合またはC
1−C
4アルキレンであり;
R
1はC
1−C
6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−C
6アルコキシル、−N(R
4)
2、−C(O)R
4、CO
2R
4またはC(O)N(R
4)
2であり;
R
2は、
【化13】
であり;
R
3は−C
1−C
6アルキレン−CN、−CN、C
1−C
6アルキルまたはC
2−C
6アルケニルであり;
R
4はそれぞれ、各場合について、独立して水素、C
1−C
6アルキル、アリールまたはアラルキルであり;
R
5はそれぞれ、各場合について、独立してC
1−C
6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−C
6アルコキシル、−N(R
4)
2、−C(O)R
4、CO
2R
4またはC(O)N(R
4)
2であり;
Bは5〜6員ヘテロ環状環または炭素環であり;そして
nおよびpはそれぞれ独立して0、1または2である。〕
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、エステルもしくはプロドラッグ;
式V−A:
【化14】
〔式中、
R
1はC
1−C
6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−C
6アルコキシルまたは−N(R
4)
2であり;
R
2は、
【化15】
であり;
R
3は−C
1−C
6アルキレン−CNであり;
R
4はそれぞれ、各場合について、独立して水素、C
1−C
6アルキル、アリールまたはアラルキルであり;
R
5はそれぞれ、各場合について、独立してC
1−C
6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−C
6アルコキシル、−N(R
4)
2、−C(O)R
4、CO
2R
4またはC(O)N(R
4)
2であり;
Bは5〜6員ヘテロ環状環または炭素環であり;そして
nおよびpはそれぞれ独立して0、1または2である。〕
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、エステルもしくはプロドラッグ;
式VII:
【化16】
〔式中、
R
1、R
2およびR
3はそれぞれ独立して水素またはC
1−C
4アルキルであり;
R
4は、
【化17】
であり;
R
5およびR
6はそれぞれ、各場合について、ハロゲン、C
1−C
6アルキル、ヒドロキシル、C
1−C
6アルコキシル、−N(R
7)
2、−NO
2、−S−C
1−C
6アルキル、−S−アリール、−SO
2−C
1−C
6アルキル、−SO
2−アリール、−C(O)R
7、−CO
2R
7、−C(O)N(R
7)
2、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;
R
7はそれぞれ、各場合について、独立して水素、C
1−C
6アルキル、アリールまたはアラルキルであり;または同じ窒素原子に結合したR
7が2つ存在する場合、結合している窒素原子と共に3〜7員ヘテロ環状環を形成し;
Aは5〜6員ヘテロ環状環であり;そして
pは0、1または2である。〕
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、エステルもしくはプロドラッグ;
式VIII:
【化18】
〔式中、
各X
1、X
2、X
3、X
4、X
5およびX
6は、独立して、NまたはCR
X1から選択され;
各Y
1、Y
2およびY
3は、独立して、O、S、NR
Y1またはCR
Y2R
Y3から選択され;
各Z
1およびZ
2は、独立して、O、SまたはNR
Zlから選択され;
各R
Y1およびR
Z1は、独立して、H、随意に置換されたC
1−6アルキル、随意に置換されたC
2−6アルケニル、随意に置換されたC
2−6アルキニル、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロアリール、−C(=O)R
5A、−C(=O)OR
5Aまたは−C(=O)NR
5AR
6Aから選択され;
各R
X1、R
Y2およびR
Y3は、独立して、H、ハロゲン、CN、NC、NO
2、N
3、OR
3、SR
3、NR
3R
4、−C(=O)R
5A、−C(=O)OR
5A、−C(=O)NR
5AR
6A、−S(=O)R
5A、−S(=O)
2R
5A、−S(=O)
2OR
5A、−S(=O)
2NR
5AR
6A、随意に置換されたC
1−6アルキル、随意に置換されたC
2−6アルケニル、随意に置換されたC
2−6アルキニル、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたアリールまたは随意に置換されたヘテロアリールから選択され;
各R
1、R
2、R
5A、R
5B、R
6AおよびR
6BはH、随意に置換されたC
1−6アルキル、随意に置換されたC
2−6アルケニル、随意に置換されたC
2−6アルキニル、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたアリールまたは随意に置換されたヘテロアリールから選択され;またはR
5AおよびR
6AまたはR
5BおよびR
6Bの組み合わせによってヘテロシクリルが形成され;そして
各R
3およびR
4はH、随意に置換されたC
1−6アルキル、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロアリール、−C(=O)R
5B、−C(=S)R
5B、−C(=NR
6B)R
5B、−C(=O)OR
5B、−C(=O)NR
5BR
6B、−S(=O)R
5B、−S(=O)
2R
5B、−S(=O)
2OR
5Bまたは−S(=O)
2NR
5BR
6Bから選択される。〕
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、エステルもしくはプロドラッグ;および
式IX:
【化19】
〔式中、
X
1およびX
2は、独立して、NまたはCR
4であり;
X
3はO、S、NR
5または−(CR
5)
2から選択され;
YはC(O)またはCH
2から選択され;そして
Zは(CR
6R
7)
nであり;
R
1はH、ハロゲン、随意に置換されたC
1−6アルキルまたは随意に置換されたC
1−6シクロアルキルまたは随意に置換されたアリールから選択され;
R
2はHまたは随意に置換されたC
1−6アルキルから選択され;
R
3は随意に置換されたアリールであり;
各R
4はH、ハロゲン、カルボキサミド、ニトロ、シアノ、随意に置換されたC
1−6アルキルまたは随意に置換されたアリールから選択され;
R
5はH、ハロゲン、随意に置換されたC
1−6アルキルまたは随意に置換されたアリールから選択され;
各R
6およびR
7は、独立してH、随意に置換されたC
1−6アルキルまたはアリールから選択され;そして
nは0、1、2または3である。〕
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、エステルもしくはプロドラッグ
からなる群から選択される、請求項1〜5の何れかに記載の医薬。
CNSニューロンにおける軸索再生促進により、対象における糖尿病性神経障害の処置に使用するための、ネクロスタチン、汎カスパーゼ阻害剤および薬学的に受容可能なキャリアを含む組成物であって、
対象のCNSニューロンを該組成物中の有効量の前記ネクロスタチンおよび有効量の前記汎カスパーゼ阻害剤に曝すことにより、CNSニューロンの軸索再生が促進されるものである、組成物。
ネクロスタチンがネクロスタチン−1、ネクロスタチン−2、ネクロスタチン−3、ネクロスタチン−4、ネクロスタチン−5およびネクロスタチン−7またはこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項14に記載の組成物。
ネクロスタチンが
式I:
【化20】
〔式中、
XはOまたはSであり;
R
1は水素、C
1−C
6アルキル、C
1−C
6アルコキシルまたはハロゲンであり;そして
R
2は水素またはC
1−C
6アルキルである。〕
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、エステルもしくはプロドラッグ;
式I−A:
【化21】
〔式中、
R
1はH、アルキル、アルコキシルまたはハロゲンであり、R
2はHまたはアルキルである。〕
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、エステルもしくはプロドラッグ;
式I−B:
【化22】
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、エステルもしくはプロドラッグ;
式I−C:
【化23】
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、エステルもしくはプロドラッグ;
式I−D:
【化24】
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩;
式I−E:
【化25】
〔式中、
R
1はH、アルキル、アルコキシルまたはハロゲンであり、R
2はHまたはアルキルである。〕
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、エステルもしくはプロドラッグ;
式II:
【化26】
〔式中、
Xは−CH
2−、−C(H)(R
14)−、−C(=S)−、−C(=NH)−または−C(O)−であり;
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9およびR
10はそれぞれ独立して水素、アシル、アセチル、アルキル、ハロゲン、アミノ、C
1−C
6アルコキシル、ニトロ、−C(O)R
12、−C(S)R
12、−C(O)OR
12、−C(O)NR
12R
13、−C(S)NR
12R
13または−S(O
2)R
12であり;
R
11は水素、アシル、アセチル、アルキルまたはアシルアミノであり;
R
12およびR
13はそれぞれ独立して水素、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたアラルキルまたは随意に置換されたヘテロアラルキルであり;
R
14はアシル、アセチル、アルキル、ハロゲン、アミノ、アシルアミノ、ニトロ、−SR
11、−N(R
11)
2または−OR
11であり;
(a)によって示される結合は、一重結合または二重結合であり得;そして
(b)によって示される結合は、一重結合または二重結合であり得る。〕
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、エステルもしくはプロドラッグ;
式II−A:
【化27】
〔式中、
R
1、R
2、R
5、R
6、R
7およびR
10はそれぞれ独立して水素、アルキル、ハロゲン、アミノまたはメトキシルであり;そして
R
3、R
4、R
8およびR
9はC
1−C
6アルコキシルである。〕
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩;
式III:
【化28】
〔式中、
Zは−CH
2−、−CH
2CH
2−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O
2)−または−N(R
7)−であり;
R
1、R
3およびR
5はそれぞれ、各場合について、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、C
1−C
6アルキル、C
1−C
6アルコキシル、C
1−C
6アルコキシ−C
1−C
6アルキル、C
1−C
6アルカノイル、C
1−C
6アルキルスルフィニル、C
1−C
6アルキルスルフィニル−C
1−C
6アルキル、C
1−C
6アルキルスルホニル、C
1−C
6アルキルスルホニル−C
1−C
6アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアラルキルであり;
R
2およびR
4はC
1−C
6アルコキシルであり;
R
6は−C(O)R
8、−C(S)R
8、−C(O)OR
8、−C(O)NR
8R
9、−C(S)NR
8R
9、−C(NH)R
8または−S(O
2)R
8であり;
R
7はアルキル、アラルキルまたはヘテロアラルキルであり;
R
8およびR
9はそれぞれ独立して水素、C
1−C
6アルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはヘテロアラルキルであり;そして
nはそれぞれ、各場合について、0、1または2である。〕
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、エステルもしくはプロドラッグ;
式IV:
【化29】
〔式中、
【化30】
であり;
R
2およびR
3はそれぞれ、各場合について、水素またはメチルであり;
R
4はそれぞれ、各場合について、独立してハロゲン、水素、C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニルまたはC
2−C
4アルキニルであり;
R
5はC
1−C
4アルキルであり;
R
6は水素、ハロゲンまたは−CNであり;
R
7は水素またはC
1−C
4アルキルであり;
R
8はC
1−C
6アルキルでありまたはR
8は存在する場合R
9と一緒になって炭素環を形成し;
R
9は水素またはC
1−C
6アルキルであるまたはR
9はR
8と一緒になって炭素環を形成し;
R
10は水素またはC
1−C
6アルキルである;
Aはフェニレンまたは5〜6員ヘテロアリーレンであり;
XはNまたは−C(R
9)−であり;
YはNまたは−C(R
10)−であり;
ZはSまたはOであり;そして
mおよびnはそれぞれ独立して1、2または3である。〕
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、エステルもしくはプロドラッグ;
式V:
【化31】
〔式中、
Aは飽和または不飽和5〜6員炭素環であり;
Xは結合またはC
1−C
4アルキレンであり;
R
1はC
1−C
6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−C
6アルコキシル、−N(R
4)
2、−C(O)R
4、CO
2R
4またはC(O)N(R
4)
2であり;
R
2は、
【化32】
であり;
R
3は−C
1−C
6アルキレン−CN、−CN、C
1−C
6アルキルまたはC
2−C
6アルケニルであり;
R
4はそれぞれ、各場合について、独立して水素、C
1−C
6アルキル、アリールまたはアラルキルであり;
R
5はそれぞれ、各場合について、独立してC
1−C
6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−C
6アルコキシル、−N(R
4)
2、−C(O)R
4、CO
2R
4またはC(O)N(R
4)
2であり;
Bは5〜6員ヘテロ環状環または炭素環であり;そして
nおよびpはそれぞれ独立して0、1または2である。〕
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、エステルもしくはプロドラッグ;
式V−A:
【化33】
〔式中、
R
1はC
1−C
6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−C
6アルコキシルまたは−N(R
4)
2であり;
R
2は、
【化34】
であり;
R
3は−C
1−C
6アルキレン−CNであり;
R
4はそれぞれ、各場合について、独立して水素、C
1−C
6アルキル、アリールまたはアラルキルであり;
R
5はそれぞれ、各場合について、独立してC
1−C
6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−C
6アルコキシル、−N(R
4)
2、−C(O)R
4、CO
2R
4またはC(O)N(R
4)
2であり;
Bは5〜6員ヘテロ環状環または炭素環であり;そして
nおよびpはそれぞれ独立して0、1または2である。〕
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、エステルもしくはプロドラッグ;
式VII:
【化35】
〔式中、
R
1、R
2およびR
3はそれぞれ独立して水素またはC
1−C
4アルキルであり;
R
4は、
【化36】
であり;
R
5およびR
6はそれぞれ、各場合について、ハロゲン、C
1−C
6アルキル、ヒドロキシル、C
1−C
6アルコキシル、−N(R
7)
2、−NO
2、−S−C
1−C
6アルキル、−S−アリール、−SO
2−C
1−C
6アルキル、−SO
2−アリール、−C(O)R
7、−CO
2R
7、−C(O)N(R
7)
2、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;
R
7はそれぞれ、各場合について、独立して水素、C
1−C
6アルキル、アリールまたはアラルキルであり;または同じ窒素原子に結合したR
7が2つ存在する場合、結合している窒素原子と共に3〜7員ヘテロ環状環を形成し;
Aは5〜6員ヘテロ環状環であり;そして
pは0、1または2である。〕
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、エステルもしくはプロドラッグ;
式VIII:
【化37】
〔式中、
各X
1、X
2、X
3、X
4、X
5およびX
6は、独立して、NまたはCR
X1から選択され;
各Y
1、Y
2およびY
3は、独立して、O、S、NR
Y1またはCR
Y2R
Y3から選択され;
各Z
1およびZ
2は、独立して、O、SまたはNR
Zlから選択され;
各R
Y1およびR
Z1は、独立して、H、随意に置換されたC
1−6アルキル、随意に置換されたC
2−6アルケニル、随意に置換されたC
2−6アルキニル、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロアリール、−C(=O)R
5A、−C(=O)OR
5Aまたは−C(=O)NR
5AR
6Aから選択され;
各R
X1、R
Y2およびR
Y3は、独立して、H、ハロゲン、CN、NC、NO
2、N
3、OR
3、SR
3、NR
3R
4、−C(=O)R
5A、−C(=O)OR
5A、−C(=O)NR
5AR
6A、−S(=O)R
5A、−S(=O)
2R
5A、−S(=O)
2OR
5A、−S(=O)
2NR
5AR
6A、随意に置換されたC
1−6アルキル、随意に置換されたC
2−6アルケニル、随意に置換されたC
2−6アルキニル、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたアリールまたは随意に置換されたヘテロアリールから選択され;
各R
1、R
2、R
5A、R
5B、R
6AおよびR
6BはH、随意に置換されたC
1−6アルキル、随意に置換されたC
2−6アルケニル、随意に置換されたC
2−6アルキニル、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたアリールまたは随意に置換されたヘテロアリールから選択され;またはR
5AおよびR
6AまたはR
5BおよびR
6Bの組み合わせによってヘテロシクリルが形成され;そして
各R
3およびR
4はH、随意に置換されたC
1−6アルキル、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロアリール、−C(=O)R
5B、−C(=S)R
5B、−C(=NR
6B)R
5B、−C(=O)OR
5B、−C(=O)NR
5BR
6B、−S(=O)R
5B、−S(=O)
2R
5B、−S(=O)
2OR
5Bまたは−S(=O)
2NR
5BR
6Bから選択される。〕
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、エステルもしくはプロドラッグ;および
式IX:
【化38】
〔式中、
X
1およびX
2は、独立して、NまたはCR
4であり;
X
3はO、S、NR
5または−(CR
5)
2から選択され;
YはC(O)またはCH
2から選択され;そして
Zは(CR
6R
7)
nであり;
R
1はH、ハロゲン、随意に置換されたC
1−6アルキルまたは随意に置換されたC
1−6シクロアルキルまたは随意に置換されたアリールから選択され;
R
2はHまたは随意に置換されたC
1−6アルキルから選択され;
R
3は随意に置換されたアリールであり;
各R
4はH、ハロゲン、カルボキサミド、ニトロ、シアノ、随意に置換されたC
1−6アルキルまたは随意に置換されたアリールから選択され;
R
5はH、ハロゲン、随意に置換されたC
1−6アルキルまたは随意に置換されたアリールから選択され;
各R
6およびR
7は、独立してH、随意に置換されたC
1−6アルキルまたはアリールから選択され;そして
nは0、1、2または3である。〕
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、エステルもしくはプロドラッグ
からなる群から選択される、請求項14〜16の何れかに記載の組成物。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、ネクローシス阻害薬(例えば、RIPキナーゼ阻害薬(例えば、ネクロスタチン(例えば、ネクロスタチン−1)))を用いて、ニューロン生存能の保持と、軸索成長および神経機能の促進とを行うことが可能であるという発見に部分的に基づく。本明細書中に記載される調査によれば、プログラムされたネクローシスは、CNS疾患における重要メカニズムであり得、疾患の症状を挙げると、ニューロン細胞死、軸索変性および/または軸索成長障害がある。その結果、ニューロン生存能の保持および/または軸索再生および/または神経機能の促進により、CNS疾患に関連する認識、運動および知覚機能の消失関連を低減するかまたは逆転させることが可能になり得る。
【0010】
一局面において、本発明は、有効な量のネクローシス阻害薬および有効な量のアポトーシス阻害薬へCNSニューロンを露出させることによって軸索の再生を促進することにより、CNSニューロン内の軸索再生を促進する方法を提供する。CNSニューロンは、ex vivoまたはin vivoであり得る。CNSニューロンを非限定的に挙げると、CNS知覚ニューロン、運動ニューロン、皮質ニューロン、小脳ニューロン、海馬ニューロンおよび中脳神経ニューロンがある。
【0011】
別の局面において、本発明は、CNSニューロンの損傷後の神経機能を促進させる方法を提供する。この方法は、対象者に対して有効な量のネクローシス阻害薬および有効な量のアポトーシス阻害薬を投与して、CNSニューロン機能を促進させることを含む。さらなる局面において、本発明は、CNSニューロンの生存能を保持する方法を提供する。方法は、対象者に対して有効な量のネクローシス阻害薬および有効な量のアポトーシス阻害薬を投与して、CNSニューロン生存能を保存することを含む。ネクローシス阻害薬およびアポトーシス阻害薬の投与後、CNSニューロンは、軸索再生を支持することができる。
【0012】
別の局面において、本発明は、必要としている対象者内のCNS疾患の処置方法を提供する。CNS疾患の症状は、CNSニューロン内の軸索変性である。方法は、対象者に対して有効な量のネクローシス阻害薬および有効な量のアポトーシス阻害薬を投与して、CNS疾患による影響を受けるCNSニューロン中の軸索の再生を促進することを含む。ネクローシス阻害薬およびアポトーシス阻害薬の投与後、例えば軸索再生の兆候として神経機能を測定することができる。また、ネクローシス阻害薬およびアポトーシス阻害薬の投与後、CNSニューロンのニューロン機能が、ネクローシス阻害薬およびアポトーシス阻害薬の投与前のニューロン機能と比較して保持または向上されることが企図される。CNS疾患の例を非限定的に挙げると、脳損傷、脊髄損傷、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS/ルー・ゲーリッグ病)、パーキンソン病、多発性硬化症、糖尿病性神経障害、ポリグルタミン(ポリQ)病、脳卒中、ファール病、メンケス病、ウィルソン病、脳虚血、およびプリオン病がある。例示的実施形態において、CNS疾患は、脳損傷または脊髄損傷である。
【0013】
別の局面において、本発明は、CNSニューロンの損傷後のニューロン機能を促進させる方法を提供する。方法は、CNSニューロン中のRIP−1キナーゼおよび/またはRIP−3キナーゼの産生および/または活性を低減することにより、CNSニューロン機能を促進することを含む。特定の実施形態において、RIP−1キナーゼおよび/またはRIP−3キナーゼの産生または活性の低減は、有効な量のRIPキナーゼ(RIPK)阻害薬(例えば、ネクロスタチン)を投与することにより、達成することができる。RIPキナーゼ阻害薬による処置後、CNSニューロンは、軸索再生を支持することができる。
【0014】
別の局面において、本発明は、CNSニューロン内の軸索再生を支持する方法を提供する。方法は、CNSニューロン中のRIP−1キナーゼおよび/またはRIP−3キナーゼの産生および/または活性を低減することにより、CNSニューロン内の軸索再生を促進することを含む。特定の実施形態において、RIP−1キナーゼおよび/またはRIP−3キナーゼの産生または活性の低減は、有効な量のRIPキナーゼ(RIPK)阻害薬(例えば、ネクロスタチン)の投与により、達成することができる。
【0015】
別の局面において、本発明は、CNSニューロン内の軸索再生の促進のために用いられる組成物を提供する。組成物は、薬学的に受容可能な担体、ネクローシス阻害薬およびアポトーシス阻害薬を含む。
【0016】
上記の方法および組成物のそれぞれにおいて、ネクローシス阻害薬は、RIPキナーゼ阻害薬(例えば、ネクロスタチン)であり得る。上記の方法の特定の実施形態において、ネクロスタチンは、ネクロスタチン−1、ネクロスタチン−2、ネクロスタチン−3、ネクロスタチン−4、ネクレオスタチン−5、ネクロスタチン−7、またはこれらの組み合わせである。特定の実施形態において、ネクロスタチンを投与する場合、約0.05mg〜約2mg、0.1mg〜約1mg、約0.2mg〜約1mgまたは約0.2mg〜約0.8mgのネクロスタチンを投与することができる。
【0017】
特定の実施形態において、汎カスパーゼ阻害薬を投与する場合、約0.05mg〜約1.5mg、約0.15mg〜約1.5mg、約0.2mg〜約1mg、約0.2mg〜約0.8mg、約0.4mg〜約1mg、または約0.5mg〜約0.8mgの汎カスパーゼ阻害薬を投与することができる。例示的な汎カスパーゼ阻害薬は、zVAD、IDN−6556またはこれらの組み合わせを含む。
【0018】
ネクローシス阻害薬(例えば、ネクロスタチン)および/またはアポトーシス阻害薬は、局所的に投与され得る。他の実施形態において、ネクローシス阻害薬(例えば、ネクロスタチン)および/またはアポトーシス阻害薬は、全身的に投与され得る。
【0019】
ネクローシス阻害薬(例えば、ネクロスタチン)および/またはアポトーシス阻害薬は、連続的にまたは同時に投与され得ることが理解される。ネクローシス阻害薬(例えば、ネクロスタチン)およびアポトーシス阻害薬は、同じまたは異なるキャリア中に入れて投与され得る。
【0020】
上記の方法および組成物のそれぞれにおいて、ネクロスタチンは、以下のネクロスタチンの1つ以上から選択され得る。例えば、特定の実施形態において、ネクロスタチンは、式I:
【化1】
[式中、
XはOまたはSであり、
R
1は水素、C
1−C
6アルキル、C
1−C
6アルコキシルまたはハロゲンであり、
R
2は水素またはC
1−C
6アルキルである。]
のNec−1関連化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグであり得る。
【0021】
上記の方法および組成物のそれぞれにおいて、ネクロスタチンは、式I−A:
【化2】
[式中、
R
1はH、アルキル、アルコキシルまたはハロゲンであり、R
2はHまたはアルキルである。]
のNec−1関連化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグ、またはその光学異性体またはラセミ混合物であり得る。
【0022】
上記の方法および組成物のそれぞれにおいて、ネクロスタチンは、式I−B:
【化3】
のNec−1関連化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグであり得る。
【0023】
上記の方法および組成物のそれぞれにおいて、ネクロスタチンは、式I−C:
【化4】
のNec−1関連化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグであり得る。
【0024】
上記の方法および組成物のそれぞれにおいて、ネクロスタチンは、式I−D:
【化5】
のNec−1関連化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグであり得る。
【0025】
上記の方法および組成物のそれぞれにおいて、ネクロスタチンは、式I−E:
【化6】
[式中、
R
1は、H、アルキル、アルコキシル、またはハロゲン(例えば、F、Cl、BrまたはI)であり、
R
2はHまたはアルキルである。]
のNec−1関連化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグであり得る。
【0026】
上記の方法および組成物それぞれにおいて、ネクロスタチンは、式I−F:
【化7】
のNec−1関連化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグであり得る。
【0027】
上記の方法および組成物それぞれにおいて、ネクロスタチンは、式I−G:
【化8】
のNec−1関連化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグであり得る。
【0028】
上記の方法および組成それぞれにおいて、ネクロスタチンは、式II:
【化9】
[式中、
Xは、−CH
2−、−C(H)(R
14)−、−C(=S)−、−C(=NH)−、または−C(O)−であり、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、およびR
10はそれぞれ、水素、アシル、アセチル、アルキル、ハロゲン、アミノ、C
1−C
6アルコキシル、ニトロ、−C(O)R
12、−C(S)R
12、−C(O)OR
12、−C(O)NR
12R
13、−C(S)NR
12R
13、または−S(O
2)R
12を独立的に示し、
R
11は、水素、アシル、アセチル、アルキル、またはアシルアミノであり、
R
12およびR
13はそれぞれ、水素、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたアラルキル、または随意に置換されたヘテロアラルキルを独立的に示し、
R
14は、アシル、アセチル、アルキル、ハロゲン、アミノ、アシルアミノ、ニトロ、−SR
11、−N(R
11)
2または−OR
11であり、
(a)によって示される結合は、一重結合または二重結合であり得、
(b)によって示される結合は、一重結合または二重結合であり得る。]
のNec−2関連化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグであり得る。
【0029】
上記の方法および組成物それぞれにおいて、ネクロスタチンは、式IIA:
【化10】
[式中、
R
1、R
2、R
5、R
6、R
7、およびR
10はそれぞれ、水素、アルキル、ハロゲン、アミノ、またはメトキシルを独立的に示し、
R
3、R
4、R
8、およびR
9は、C
1−C
6アルコキシルである。]
のNec−2関連化合物、またはその薬学的に受容可能な塩であり得る。
【0030】
上記の方法および組成物それぞれにおいて、ネクロスタチンは、式III:
【化11】
[式中、
Zは、−CH
2−、−CH
2CH
2−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O
2)−、または−N(R
7)−であり、
R
1、R
3、およびR
5はそれぞれ、各場合について、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、C
1−C
6アルキル、C
1−C
6アルコキシ、C
1−C
6アルコキシ−C
1−C
6アルキル、C
1−C
6アルカノイル、C
1−C
6アルキルスルフィニル、C
1−C
6アルキルスルフィニル−C
1−C
6アルキル、C
1−C
6アルキルスルホニル、C
1−C
6アルキルスルホニル−C
1−C
6アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアラルキルを独立的に示し、
R
2およびR
4はC
1−C
6アルコキシであり、
R
6は、−C(O)R
8、−C(S)R
8、−C(O)OR
8、−C(O)NR
8R
9、−C(S)NR
8R
9、−C(NH)R
8、または−S(O
2)R
8であり、
R
7は、アルキル、アラルキル、またはヘテロアラルキルであり、
R
8およびR
9はそれぞれ、水素、C
1−C
6アルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、またはヘテロアラルキルを独立的に示し、
nは、各場合について、0、1、または2を独立的に示す。]
のNec−3関連化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグであり得る。
【0031】
上記の方法および組成物それぞれにおいて、ネクロスタチンは、式IV:
【化12】
[式中、
R
1は、
【化13】
であり、
R
2およびR
3はそれぞれ、各場合について、水素またはメチルを独立的に示し、
R
4は、各場合についてハロゲン、水素、C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、またはC
2−C
4アルキニルを独立的に示し、
R
5は、C
1−C
4アルキルであり、
R
6は、水素、ハロゲンまたは−CNであり、
R
7は、水素またはC
1−C
4アルキルであり、
R
8は、C
1−C
6アルキルであるかまたは、存在する場合、R
9と一緒になって炭素環を形成し、
R
9は、水素またはC
1−C
6アルキルであるかあるいはR
8と一緒になって炭素環を形成し、
R
10は、水素またはC
1−C
6アルキルであり、
Aは、フェニレンまたは5−6員ヘテロアリーレンであり、
Xは、Nまたは−C(R
9)−であり、
Yは、Nまたは−C(R
10)−であり、
Zは、SまたはOであり、
mおよびnはそれぞれ、1、2、または3を独立的に示す。]
のNec−4関連化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグであり得る。
【0032】
上記の方法および組成物それぞれにおいて、ネクロスタチンは、式IV−A:
【化14】
のNec−4関連化合物、またはその薬学的に受容可能な塩であり得る。
【0033】
上記の方法および組成物それぞれにおいて、ネクロスタチンは、式V:
【化15】
[式中、
Aは、飽和または不飽和5−6員炭素環であり、
Xは、結合またはC
1−C
4アルキレンであり、
R
1は、C
1−C
6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−C
6アルコキシル、−N(R
4)
2、−C(O)R
4、CO
2R
4、またはC(O)N(R
4)
2であり、
R
2は、
【化16】
であり、
R
3は、−C
1−C
6アルキレン−CN、−CN、C
1−C
6アルキル、またはC
2−C
6アルケニルであり、
R
4は、各場合について、水素、C
1−C
6アルキル、アリール、またはアラルキルを独立的に示し、
R
5は、各場合について、C
1−C
6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−C
6アルコキシル、−N(R
4)
2、−C(O)R
4、CO
2R
4、またはC(O)N(R
4)
2を独立的に示し、
Bは、5−6員ヘテロ環状または炭素環であり、
nおよびpはそれぞれ、0、1、または2を独立的に示す。]
のNec−5関連化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグであり得る。
【0034】
上記の方法および組成物それぞれにおいて、ネクロスタチンは、式V−A:
【化17】
[式中、
R
1は、C
1−C
6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−C
6アルコキシル、または−N(R
4)
2であり、
R
2は、
【化18】
であり、
R
3は、−C
1−C
6アルキレン−CNであり、
R
4は、各場合について、水素、C
1−C
6アルキル、アリール、またはアラルキルを独立的に示し、
R
5は、各場合について、C
1−C
6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−C
6アルコキシル、−N(R
4)
2、−C(O)R
4、CO
2R
4、またはC(O)N(R
4)
2を独立的に示し、
Bは、5−6員ヘテロ環状または炭素環であり、
nおよびpはそれぞれ、0、1、または2を独立的に示す。]
のNec−5関連化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグであり得る。
【0035】
上記の方法および組成物それぞれにおいて、ネクロスタチンは、式VII:
【化19】
[式中、
R
1、R
2、およびR
3はそれぞれ、水素またはC
1−C
4アルキルを独立的に示し、
R
4は、
【化20】
であり、
R
5およびR
6はそれぞれ、各場合について、ハロゲン、C
1−C
6アルキル、ヒドロキシル、C
1−C
6アルコキシル、−N(R
7)
2、−NO
2、−S−C
1−C
6アルキル、−S−アリール、−SO
2−C
1−C
6アルキル、−SO
2−アリール、−C(O)R
7、−CO
2R
7、−C(O)N(R
7)
2、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールを独立して表し、
R
7は、各場合について、水素、C
1−C
6アルキル、アリール、またはアラルキルを独立的に示すか、あるいは、同じ窒素原子に結合したR
7が2つ存在する場合、結合している窒素原子と共に3−7員ヘテロ環状環を形成し、
Aは、5−6員ヘテロ環状環であり、
pは、0、1、または2である。]
のNec−7関連化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグであり得る。
【0036】
上記の方法および組成物それぞれにおいて、ネクロスタチンは、式VIII:
【化21】
[式中、
各X
1、X
2、X
3、X
4、X
5、およびX
6は、NまたはCR
X1から独立的に選択され、
各Y
1、Y
2、およびY
3は、O、S、NR
Y1、またはCR
Y2R
Y3から独立的に選択され、
各Z
1およびZ
2は、O、S、またはNR
Zlから独立的に選択され、
各R
Y1およびR
Z1は、H、随意に置換されたC
1−6アルキル、随意に置換されたC
2−6アルケニル、随意に置換されたC
2−6アルキニル、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロアリール、−C(=O)R
5A、−C(=O)OR
5A、または−C(=O)NR
5AR
6Aから独立的に選択され、
各R
X1、R
Y2、およびR
Y3は、H、ハロゲン、CN、NC、NO
2、N
3、OR
3、SR
3、NR
3R
4、−C(=O)R
5A、−C(=O)OR
5A、−C(=O)NR
5AR
6A、−S(=O)R
5A、−S(=O)
2R
5A、−S(=O)
2OR
5A、−S(=O)
2NR
5AR
6A、随意に置換されたC
1−6アルキル、随意に置換されたC
2−6アルケニル、随意に置換されたC
2−6アルキニル、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたアリール、または随意に置換されたヘテロアリールから独立的に選択され、
各R
1、R
2R
5A、R
5B、R
6A、およびR
6Bは、H、随意に置換されたC
1−6アルキル、随意に置換されたC
2−6アルケニル、随意に置換されたC
2−6アルキニル、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたアリール、または随意に置換されたヘテロアリールから独立的に選択され、あるいは、R
5AおよびR
6A、またはR
5BおよびR
6Bの組み合わせによってヘテロシクリルが形成され、
各R
3およびR
4は、H、随意に置換されたC
1−6アルキル、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロアリール、−C(=O)R
5B、−C(=S)R
5B、−C(=NR
6B)R
5B、−C(=O)OR
5B、−C(=O)NR
5BR
6B、−S(=O)R
5B、−S(=O)
2R
5B、−S(=O)
2OR
5B、または−S(=O)
2NR
5BR
6Bから選択される。特定の実施形態において、R
1がHである場合、X
1、X
2、およびX
4はそれぞれCHであり、X
3、X
5、およびX
6はそれぞれNであり、Y
1およびY
3はそれぞれSであり、Y
2はNHであり、Z
1はNHであり、Z
2がOである場合、R
2は4−フルオロフェニルではない。]
のNec−7関連化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグであり得る。
【0037】
上記の方法および組成物それぞれにおいて、ネクロスタチンは、式IX:
【化22】
[式中、
X
1およびX
2は、独立的にNまたはCR
4であり、
X
3は、O、S、NR
5、または−(CR
5)
2から選択され、
Yは、C(O)またはCH
2から選択され、
Zは(CR
6R
7)
nであり、
R
1は、H、ハロゲン、随意に置換されたC
1−6アルキル、または随意に置換されたC
1−6シクロアルキル、または随意に置換されたアリールから選択され、
R
2は、Hまたは随意に置換されたC
1−6アルキルから選択され、
R
3は、随意に置換されたアリールであり、
各R
4は、H、ハロゲン、カルボキシアミド、ニトロ、シアノ、随意に置換されたC
1−6アルキル、または随意に置換されたアリールから選択され、
R
5は、H、ハロゲン、随意に置換されたC
1−6アルキル、または随意に置換されたアリールから選択され、
各R
6およびR
7は、H、随意に置換されたC
1−6アルキル、またはアリールから独立的に選択され、
nは、0、1、2、または3である。]
のNec−4関連化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグであり得る。特定の実施形態において、X
1およびX
2がNであり、X
3がSであり、YがC(O)であり、ZがCH
2であり、R
2がHであり、R
3が2−クロロ−6−フルオロフェニルである場合、R
1はメチルではない。
【0038】
本発明の上記の局面および実施形態は、以下の図面、詳細な説明および請求項を参照すれば、より深く理解され得る。
【0039】
本発明の目的および特徴は、本明細書中に記載される図面を参照すれば、より深く理解され得る。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明は、CNS疾患(例えば、外傷性CNS損傷(例えば、外傷性脳損傷または脊髄損傷)または神経変性疾患(例えば、認知症、脳卒中、アルツハイマー病、パーキンソン病、およびハンチントン病)に罹患した対象者中のニューロン生存能の保持および/または軸索再生および神経機能の促進のための方法に関連する。本明細書中に記載される方法を用いれば、例えば、CNS疾患に関連する認識機能、知覚機能および運動機能の消失を低減することが可能であり得る。
【0042】
本発明は、ネクローシス阻害薬(例えば、RIPK阻害薬(例えば、ネクロスタチン))およびアポトーシス阻害薬(例えば、汎カスパーゼ阻害薬(例えば、ZVADまたはIDN−6556)の組み合わせを用いた場合、網膜神経節細胞(RGC)中の軸索再生が誘発されるという発見に部分的に基づく。網膜神経節細胞(RGC)はCNSニューロンであり、その細胞体は網膜中に存在し、その軸索は、視神経の唯一のニューロン成分を構成する。よって、プログラムされたネクローシスは、CNS疾患中のニューロン細胞死および軸索変性(例えば、脳損傷(例えば、外傷性脳損傷)、脊髄損傷、認知症、脳卒中、アルツハイマー病、パーキンソン病、およびハンチントン病)の重要メカニズムであり得ることが企図される。理論に縛られること無く、
図1に示すように、網膜神経節細胞における細胞死(アポトーシスおよびネクローシス)のための2つの提案される経路があり、RIP−1、セリン/スレオニンキナーゼによって媒介されるようにみえる。RIP1は、Fas関連ドメイン(FADD)およびカスパーゼ8とのシグナル複合体を含むデスを形成し、これにより、カスパーゼ−8および下流カスケードが活性化され、アポトーシスに繋がる。一方、(例えば、カスパーゼ阻害薬(例えば、ZVAD))によってカスパーゼ経路がブロックされた場合、RIP1キナーゼがRIP1−RIP3複合体中において活性化され、RGCネクローシスが促進される。よって、RIPキナーゼは、多様な上流デスシグナルのための共通中間物として機能し、また、その遮断およびカスパーゼ抑制により、有効な神経保護が得られる。
【0043】
本明細書中に記載の方法は、プログラムされた細胞死のネクローシス経路およびアポトーシス経路双方を目的とした治療に向けられる。詳細には、本明細書中に開示される方法により、併用療法が促進される。併用療法において、ネクローシス阻害薬(例えば、ネクロスタチン)(例えば、ネクロスタチン−1またはネクロスタチン−4)を、単独でまたは組み合わせて(連続的にまたは同時に)アポトーシス阻害薬(例えば、汎カスパーゼ阻害薬(例えば、ZVADまたはIDN−6556))と共に投与することができる。特定の実施形態において、驚くべきことに、開示の方法においては、従来から臨床的に許容されると思われる濃度よりも高濃度でネクロスタチンを用いる。ネクロスタチン(例えば、ネクロスタチン−1またはネクロスタチン−4および汎カスパーゼ阻害薬(例えば、ZVADまたはIDN−6556)の組み合わせを用いる場合、CNSニューロン内の軸索再生の促進において優れた効果が得られることが企図される。ネクロスタチンおよび汎カスパーゼ阻害薬の併用療法を行った場合、ニューロン生存能が保持され、CNS損傷後のCNSニューロン中の神経機能が促進されることがさらに企図される。
【0044】
本明細書中に記載されるのは、CNS中のニューロン生存および軸索再生を促進する方法である。軸索成長または軸索変性の障害または不全によって特徴付けられるCNS疾患の原因としては、CNSニューロン損傷(例えば、外傷、外科手術、神経圧迫、神経挫傷、神経切断、神経毒性または他の脳または脊髄に対する身体的損傷)あるいは神経変性CNS病があり得、疾患の症状は、軸索変性(例えば、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS/ルー・ゲーリッグ病)、パーキンソン病、多発性硬化症、糖尿病性神経障害、ポリグルタミン(ポリQ)病および脳卒中、ファール病、メンケス病、ウィルソン病、脳虚血、プリオン病(例えば、クロイツフェルト・ヤコブ病)がある。例示的実施形態において、CNS疾患は、脳損傷(例えば、外傷性脳損傷)または脊髄損傷(例えば、慢性、急性、または外傷性脊髄損傷)である。別の実施形態において、CNS疾患は、対象者の基本的生命維持機能(例えば、呼吸、心拍動および血圧(例えば、脳幹の損傷または脳幹中の動脈瘤)に影響を与える。
【0045】
便宜上、本明細書、例および添付の特許請求の範囲中の特定の用語を本節において収集する。
【0046】
本明細書中において用いられる、「ニューロン」、「ニューロン細胞」または「神経細胞」とは、神経細胞(すなわち、身体の一部から別の部分への神経インパルス伝導を担う細胞)を指す。ほとんどのニューロンは、3つの別個の部分(すなわち、細胞体、体細胞または周核体)からなり、周核体は、核および2種類の細胞質プロセス(すなわち、樹状突起および軸索)を含む。樹状突起は通常は高度分岐しており、細胞体の細胞質の肉厚伸長であり、軸索は通常は、単一の長尺の特殊な肉薄プロセスであり、細胞体からの神経インパルスを離隔方向に別のニューロンまたは筋肉または腺組織へ伝導させる。軸索長さに沿って、「軸索側枝」と呼ばれる側枝が存在し得る。軸索側枝および軸索は、「軸索終末」と呼ばれる多数の微細繊維に分岐することにより、終端し得る。軸索終末の遠位端は、「シナプス終末球」と呼ばれ、神経伝達物質を保存するシナプス小胞を含む。軸索は、多層の白色リン脂質のセグメント化された被覆(髄鞘と呼ばれる)によって包囲され得る。このような被覆を含むこのような軸索は、「有髄」である。
【0047】
本明細書中において用いられる「細胞死」という用語は、例えばアポトーシスまたはネクローシスによる細胞死を意味するものとして理解される。
【0048】
本明細書中において用いられる「アポトーシス」という用語は、カスパーゼに依存する細胞死を意味するものとして理解され、以下の特性の中から任意のものによって特徴付けられる:細胞収縮、核凝縮、DNAフラグメンテーションまたは膜小疱形成。
【0049】
本明細書中において用いられる「アポトーシス阻害薬」という用語は、哺乳類に投与した場合に細胞中のアポトーシス細胞死を低減させる任意の薬剤を意味するものとして理解される。例えば、特定の有用なアポトーシス阻害薬は、内因性または外因性または共通のアポトーシス経路の1つ以上のメンバーの活性を低減または排除することにより、機能することが理解される。さらに、1つ以上のカスパーゼの活性に直接的または間接的に影響する薬剤(例えば、汎カスパーゼ阻害薬)は、アポトーシス阻害薬としてみなされることが理解される。カスパーゼ阻害薬は、アポトーシス経路中の特定のカスパーゼを調節することにより直接影響し得るかまたはアポトーシス経路中に存在する下流カスパーゼを調節することにより間接的に、カスパーゼの活性に影響を与え得ることが理解される。
【0050】
本明細書中において用いられる「汎カスパーゼ阻害薬」という用語は、広域スペクトルカスパーゼ阻害薬を意味するものとして理解される。広域スペクトルカスパーゼ阻害薬は、少なくとも2つの(好適には少なくとも3つの)異なるカスパーゼ(例えば、カスパーゼ−1、カスパーゼ−2、カスパーゼ−3、カスパーゼ−4、カスパーゼ−5、カスパーゼ−6、カスパーゼ−7、カスパーゼ−8、カスパーゼ−9、カスパーゼ−10、カスパーゼ−11、カスパーゼ−12、カスパーゼ−13、および/またはカスパーゼ−14)を抑制する。ZVAD(Z−VADとしても知られる、ベンジルオキシカルボニル−Val−Ala−Asp(OMe)−フルオロメチルケトンおよびカルボベンゾキシ−バリル−アラニル−アスパルチル−[O−メチル]−フルオロメチルケトン)は、例示的な汎カスパーゼ阻害薬であり、R&DSystems(Cat.No.FMK001)およびPromega(Cat.No.G7231)から市販されている。他の利用可能な例示的な汎カスパーゼ阻害薬を挙げると、IDN−6556(「PF−3、491、390」としても知られる)(市販元:Conatus Pharmaceuticals,Inc.(旧社名:Idun Pharmaceuticals,Inc.))、VX−799(Vertex Pharmaceuticals,Inc.)、MX1013(市販元:Maxim Pharmaceuticals,Inc.)、Xyz033mp(市販元:LGChemical,Inc.)があり、これら全てについて、例えば、Linton,S.D.(2005)(Current Topics in Medical Chem.5:1697−1717)中に記載がある。「汎カスパーゼ阻害薬」は、2つ以上の特定のカスパーゼ阻害薬(例えば、合成カスパーゼ阻害薬または内在性カスパーゼ阻害薬)を含むカクテル(例えば、カスパーゼ阻害薬の組み合わせ)であってもよいことが理解される。
【0051】
本明細書中において用いられる「ネクローシス」という用語は、以下の特性のいずれかによって特徴付けられるカスパーゼ依存型細胞死を意味するものとして理解される:細胞および/またはオルガネラ膨化、細胞膜破裂、あるいは血漿、核膜および/またはオルガネラ膜の不連続。本明細書中において用いられる「ネクロプトーシス」および「プログラムされたネクローシス」という用語は、1つの形態のネクローシスを指し、1つの形態のプログラムされたまたは調節されたネクローシスを意味するものとして理解され、特定の実施形態において、ネクロプトーシスは、受容体共役タンパク質(RIP)キナーゼ(例えば、RIP−1キナーゼおよび/またはRIP−3キナーゼ)のセリン/スレオニンキナーゼ活性によって媒介される。
【0052】
本明細書中において用いられる「ネクローシス阻害薬」という用語は、哺乳類に投与された場合に細胞中のネクローシス性細胞死を低減させる薬剤を意味するものとして理解される。例えば、特定のネクローシス阻害薬は、ネクロプトーシスまたはプログラムされたネクローシスを低減または抑制することにより、機能することが理解される。ネクローシス阻害薬は、1つ以上のRIPキナーゼ(例えば、RIP−1キナーゼおよび/またはRIP−3キナーゼ)の産生および/または活性を調節する薬剤であり得る。例えば、RIP−1キナーゼの阻害薬は、RIP−1キナーゼおよび下流RIPキナーゼ(例えば、ネクローシスカスケード中のRIP−3キナーゼ)の活性を調節するものとして理解される。よって、RIP−1キナーゼ阻害薬は、RIP−3キナーゼ活性を調節するものとしても理解される。
【0053】
本明細書中において用いられる「ネクロスタチン」または「nec」という用語は、カスパーゼ依存型細胞死またはネクロプトーシスの阻害薬を意味するものとして理解される。例示的ネクロスタチンを挙げると、ネクロスタチン−1(「Nec−1」)、ネクロスタチン−2(「Nec−2」)、ネクロスタチン−3(「Nec−3」)、ネクロスタチン−4(「Nec−4」)、ネクロスタチン−5(「Nec−5」)およびネクロスタチン−7(「Nec−7」)がある。
【0054】
特定の実施形態において、ネクロスタチンは、式I:
【化23】
[式中、
XはOまたはSであり、;
R
1は、水素、C
1−C
6アルキル、C
1−C
6アルコキシル、またはハロゲンであり、
R
2は、水素またはC
1−C
6アルキルである。]
のNec−1関連化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグである。
【0055】
特定の実施形態において、XはOである。特定の実施形態において、R
1は、水素またはハロゲンである(例えば、塩素)。特定の実施形態において、R
2は、メチルまたはエチルである。特定の他の実施形態において、R
1は水素またはClであり、R
2はメチルである。
【0056】
特定の実施形態において、ネクロスタチンは、以下に示す式I−A:
【化24】
[式中、
R
1は、H、アルキル、アルコキシルまたはハロゲン(例えば、F、Cl、BrまたはI)であり、R
2は、Hまたはアルキルである。]
のNec−1関連化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグ、あるいはその光学異性体またはラセミ混合物である。特定の実施形態において、R
1は、HまたはClである。特定の他の実施形態において、R
2は、メチルまたはエチルである。特定の他の実施形態において、R
1は、HまたはClであり、R
2は、メチルである。
【0057】
特定の他の実施形態において、ネクロスタチンは、以下に示す式I−B:
【化25】
のNec−1関連化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグである。
【0058】
特定の他の実施形態において、ネクロスタチンは、以下に示す式I−C:
【化26】
のNec−1関連化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグである。
【0059】
特定の他の実施形態において、ネクロスタチンは、以下に示す式I−D:
【化27】
のNec−1関連化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグである。
【0060】
特定の他の実施形態において、ネクロスタチンは、以下に示す式I−E:
【化28】
[式中、
R
1は、H、アルキル、アルコキシル、またはハロゲン(例えば、F、Cl、BrまたはI)であり、R
2は、Hまたはアルキルである。]
のNec−1関連化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグである。特定の実施形態において、R
1は、HまたはClである。特定の他の実施形態において、R
2は、メチルまたはエチルである。特定の他の実施形態において、R
1は、HまたはClであり、R
2は、メチルである。
【0061】
特定の他の実施形態において、ネクロスタチンは、以下に示す式I−F:
【化29】
のNec−1関連化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグである。特定の他の実施形態において、ネクロスタチンは、以下に示す式I−G:
【化30】
のNec−1関連化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグである。
【0062】
上記したNec−1関連化合物は、Degterevら(Nature Chemical Biology、(2005)、vol.1、112−119)、Degterevら、(Nature Chemical Biology、(2008)、vol.4、313−321)および国際特許出願公開第WO2007/075772号などの文献中に記載された合成手順に基づいて調製することができる。これらの文献全てを参考のため援用する。
【0063】
特定の実施形態において、ネクロスタチンは、式II:
【化31】
[式中、
Xは、−CH
2−、−C(H)(R
14)−、−C(=S)−、−C(=NH)−、または−C(O)−であり、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、およびR
10はそれぞれ、水素、アシル、アセチル、アルキル、ハロゲン、アミノ、C
1−C
6アルコキシル、ニトロ、−C(O)R
12、−C(S)R
12、−C(O)OR
12、−C(O)NR
12R
13、−C(S)NR
12R
13、または−S(O
2)R
12を独立的に示し、
R
11は、水素、アシル、アセチル、アルキル、またはアシルアミノであり、
R
12およびR
13はそれぞれ、水素、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたアラルキル、または随意に置換されたヘテロアラルキルを独立的に示し、
R
14は、アシル、アセチル、アルキル、ハロゲン、アミノ、アシルアミノ、ニトロ、−SR
11、−N(R
11)
2、または−OR
11であり、
(a)によって示される結合は、一重結合または二重結合であり得、
(b)によって示される結合は、一重結合または二重結合であり得る。]
のNec−2関連化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグである。
【0064】
特定の実施形態において、Xは−C(O)−である。特定の実施形態において、R
1、R
2、R
5、R
6、R
7、およびR
10はそれぞれ、水素、アシル、アルキル、ハロゲンまたはアミノを独立的に示す。特定の実施形態において、R
3、R
4、R
8、およびR
9は、C
1−C
6アルコキシルである。特定の実施形態において、(a)によって示される結合は、二重結合である。(b)によって示される結合は、二重結合である。特定の実施形態において、R
1、R
4、R
5、R
6、R
9およびR
10それぞれが水素であり、R
2、R
3、R
7、およびR
8それぞれがメトキシルである場合、Xは、−C(O)−、−CH
2−または−CH(OH)−ではない。
【0065】
特定の他の実施形態において、ネクロスタチンは、式II−A:
【化32】
[式中、
R
1、R
2、R
5、R
6、R
7、およびR
10はそれぞれ、水素、アルキル、ハロゲン、アミノ、またはメトキシルを独立的に示し、
R
3、R
4、R
8、およびR
9は、C
1−C
6アルコキシルである。]
のNec−2関連化合物、またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0066】
特定の他の実施形態において、Nec−2関連化合物は、
【化33】
またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0067】
上記したNec−2関連化合物は、例えば国際特許出願公開第WO2007/075772などの文献中に記載された合成手順に基づいて、調製することができる。同文献を参考のため援用する。
【0068】
特定の実施形態において、ネクロスタチンは、式III:
【化34】
[式中、
Zは、−CH
2−、−CH
2CH
2−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O
2)−または−N(R
7)−であり、
R
1、R
3、およびR
5はそれぞれ、各場合について、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、C
1−C
6アルキル、C
1−C
6アルコキシ、C
1−C
6アルコキシ−C
1−C
6アルキル、C
1−C
6アルカノイル、C
1−C
6アルキルスルフィニル、C
1−C
6アルキルスルフィニル−C
1−C
6アルキル、C
1−C
6アルキルスルホニル、C
1−C
6アルキルスルホニル−C
1−C
6アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアラルキルを独立的に示し、
R
2およびR
4は、C
1−C
6アルコキシであり、
R
6は、−C(O)R
8、−C(S)R
8、−C(O)OR
8、−C(O)NR
8R
9、−C(S)NR
8R
9、−C(NH)R
8、または−S(O
2)R
8であり、
R
7は、アルキル、アラルキル、またはヘテロアラルキルであり、
R
8およびR
9はそれぞれ、水素、C
1−C
6アルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、またはヘテロアラルキルを独立的に示し、
nは、各場合について、0、1、または2を独立的に示す。]
のNec−3関連化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグである。
【0069】
特定の実施形態において、Zは、−CH
2−である。特定の実施形態において、R
1、R
3、およびR
5はそれぞれ、各場合について、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、またはC
1−C
6アルキルを独立的に示す。特定の実施形態において、R
2およびR
4は、メトキシである。特定の実施形態において、R
6はC(O)R
8であり、R
8はC
1−C
6アルキルである。特定の実施形態において、R
7はアルキルである。特定の実施形態において、R
8およびR
9はそれぞれ、水素またはC
1−C
6アルキルを独立的に示す。特定の実施形態において、nは0である。
【0070】
特定の実施形態において、Nec−3関連化合物は、
【化35】
またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0071】
特定の他の実施形態において、Nec−3関連化合物は、
【化36】
またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0072】
上記したNec−3関連化合物は、例えばDegterevら(Nature Chemical Biology、(2008)、vol.4,313−321)および国際特許出願公開第WO2007/075772号などの文献中に記載の合成手順に基づいて調製することができる。同文献双方を参考のため援用する。
【0073】
特定の実施形態において、ネクロスタチンは、式IV:
【化37】
[式中、
R
1は、
【化38】
であり、
R
2およびR
3はそれぞれ、各場合について、水素またはメチルを独立的に示し、
R
4は、各場合について、ハロゲン、水素、C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、またはC
2−C
4アルキニルを独立的に示し、
R
5は、C
1−C
4アルキルであり、
R
6は、水素、ハロゲンまたは−CNであり、
R
7は、水素またはC
1−C
4アルキルであり、
R
8は、C
1−C
6アルキルであるかまたは存在する場合、R
9と一緒になって炭素環を形成し、
R
9は、水素またはC
1−C
6アルキルであるかあるいはR
8と一緒になって炭素環を形成し、
R
10は、水素またはC
1−C
6アルキルであり、
Aは、フェニレンまたは5−6員ヘテロアリーレンであり、
Xは、Nまたは−C(R
9)−であり、
Yは、Nまたは−C(R
10)−であり、
Zは、SまたはOであり、
mおよびnはそれぞれ、独立的に1、2、または3を示す。]
のNec−4関連化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグである。
【0074】
特定の実施形態において、R
1は
【化39】
である。特定の他の実施形態において、R
1は
【化40】
である。特定の実施形態において、R
2は水素である。特定の実施形態において、R
3はメチルである。特定の他の実施形態において、R
3は水素である。特定の実施形態において、R
4は、ハロゲンである(例えば、フッ素または塩素)。特定の実施形態において、R
4は、ハロゲンである。特定の実施形態において、R
5は、メチルまたはエチルである。特定の実施形態において、R
6は、−CNである。特定の実施形態において、Aは、フェニレンである。特定の実施形態において、XはNである。特定の実施形態において、YはNである。特定の実施形態において、ZはSである。特定の実施形態において、Aはフェニレンである。特定の実施形態において、R
1は、C
1−C
6アルキル(例えば、メチル)である。特定の実施形態において、mは1である。特定の実施形態において、nは2である。
【0075】
特定の実施形態において、ネクロスタチンは、式IV−A:
【化41】
のNec−4関連化合物、またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0076】
特定の実施形態において、ネクロスタチンは、式IV−B:
【化42】
のNec−4関連化合物、またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0077】
上記したNec−4関連化合物は、例えば、Tengら((2007)Bioorg Med Chem Lett、17:6836−6840)およびTengら((2008)Bioorg Med Chem Lett、18:3219−3223)中などの文献中に記載の合成手順に基づいて調製することができる。本明細書中、同文献双方を参考のため援用する。
【0078】
特定の実施形態において、ネクロスタチンは、式V:
【化43】
[式中、
Aは、飽和または不飽和5−6員炭素環であり、
Xは、結合またはC
1−C
4アルキレンであり、
R
1は、C
1−C
6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−C
6アルコキシル、−N(R
4)
2、−C(O)R
4、CO
2R
4、またはC(O)N(R
4)
2であり、
R
2は、
【化44】
であり、
R
3は、−C
1−C
6アルキレン−CN、−CN、C
1−C
6アルキル、またはC
2−C
6アルケニルであり、
R
4は、それぞれの場合について、水素、C
1−C
6アルキル、アリール、またはアラルキルを独立的に示し、
R
5は、それぞれの場合について、C
1−C
6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−C
6アルコキシル、−N(R
4)
2、−C(O)R
4、CO
2R
4、またはC(O)N(R
4)
2を独立的に示し、
Bは、5−6員ヘテロ環状または炭素環であり、
nおよびpはそれぞれ、0、1、または2を独立的に示す。]
のNec−5関連化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグである。
【0079】
特定の実施形態において、Xは、結合である。特定の実施形態において、Aは、不飽和6−員炭素環である。特定の実施形態において、R
1は、C
1−C
6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、またはC
1−C
6アルコキシルである。特定の実施形態において、R
2は、
【化45】
である(例えば、
【化46】
である)。特定の実施形態において、R
3は、−C
1−C
6アルキレン−CNである(例えば、−CH
2−CN)。特定の実施形態において、R
4は、各場合について、水素またはC
1−C
6アルキルを独立的に示す。特定の実施形態において、R
5は、各場合について、C
1−C
6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、またはC
1−C
6アルコキシルを独立的に示す。特定の実施形態において、Bは、5−6員ヘテロ環状環である。特定の実施形態において、nは0である。特定の実施形態において、pは0である。
【0080】
特定の実施形態において、ネクロスタチンは、式V−A:
【化47】
[式中、
R
1は、C
1−C
6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−C
6アルコキシル、または−N(R
4)
2であり、
R
2は、
【化48】
であり、
R
3は、−C
1−C
6アルキレン−CNであり、
R
4は、各場合について、水素、C
1−C
6アルキル、アリール、またはアラルキルを独立的に示し、
R
5は、各場合について、C
1−C
6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−C
6アルコキシル、−N(R
4)
2、−C(O)R
4、CO
2R
4、またはC(O)N(R
4)
2を独立的に示し、
Bは、5−6員ヘテロ環状または炭素環であり、
nおよびpはそれぞれ、0、1、または2を独立的に示す。]
のNec−5関連化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグである。
【0081】
特定の実施形態において、Nec−5化合物は、
【化49】
またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0082】
上記したNec−5関連化合物は、例えばDegterevら(Nature Chemical Biology、(2008)、vol.4、313−321)および国際特許出願公開第WO2008/045406号などの文献中に記載の合成手順に基づいて調製することができる。同文献双方を参考のため援用する。
【0083】
特定の実施形態において、ネクロスタチンは、式VII:
【化50】
[式中、
R
1、R
2およびR
3はそれぞれ、水素またはC
1−C
4アルキルを独立的に示し、
R
4は、
【化51】
であり;
R
5およびR
6は各場合について、それぞれ、ハロゲン、C
1−C
6アルキル、ヒドロキシル、C
1−C
6アルコキシル、−N(R
7)
2、−NO
2、−S−C
1−C
6アルキル、−S−アリール、−SO
2−C
1−C
6アルキル、−SO
2−アリール、−C(O)R
7、−CO
2R
7、−C(O)N(R
7)
2、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールを独立的に示し、
R
7は、各場合について、水素、C
1−C
6アルキル、アリール、またはアラルキルを独立的に示すか、あるいは、同じ窒素原子に結合したR
7が2つ存在する場合、結合している窒素原子と共に3−7員ヘテロ環状環を形成し、
Aは、5−6員ヘテロ環状環であり、
pは、0、1、または2である。]
のNec−7関連化合物またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグである。
【0084】
特定の実施形態において、R
1は水素である。特定の実施形態において、R
2は水素である。特定の実施形態において、R
3は水素である。特定の実施形態において、R
4は、
【化52】
である。特定の実施形態において、R
5は、ハロゲン、C
1−C
6アルキル、ヒドロキシル、C
1−C
6アルコキシル、または−N(R
7)
2である。特定の他の実施形態において、R
5は、ハロゲン(例えば、フッ素または塩素)である。特定の実施形態において、pは0である。特定の他の実施形態において、R
4は、
【化53】
である(例えば、
【化54】
である)。特定の実施形態において、Nec−7関連化合物は、
【化55】
またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0085】
上記したNec−7関連化合物は、例えば、Zhengら(Bioorg Med Chem Lett、2008、vol.18、4932−4935)などの文献中に記載の合成手順に基づいて調製することができる。本明細書中、同文献を参考のため援用する。
【0086】
特定の実施形態において、ネクロスタチンは、式VIII:
【化56】
[式中、
各X
1、X
2、X
3、X
4、X
5およびX
6は、NまたはCR
X1から独立的に選択され、
各Y
1、Y
2、およびY
3は、O、S、NR
Y1またはCR
Y2R
Y3から独立的に選択され、
各Z
1およびZ
2は、O、SまたはNR
Zlから独立的に選択され、
各R
Y1およびR
Z1は、H、随意に置換されたC
1−6アルキル、随意に置換されたC
2−6アルケニル、随意に置換されたC
2−6アルキニル、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロアリール、−C(=O)R
5A、−C(=O)OR
5A、または−C(=O)NR
5AR
6Aから独立的に選択され、
各R
X1、R
Y2、およびR
Y3は、H、ハロゲン、CN、NC、NO
2、N
3、OR
3、SR
3、NR
3R
4、−C(=O)R
5A、−C(=O)OR
5A、−C(=O)NR
5AR
6A、−S(=O)R
5A、−S(=O)
2R
5A、−S(=O)
2OR
5A、−S(=O)
2NR
5AR
6A、随意に置換されたC
1−6アルキル、随意に置換されたC
2−6アルケニル、随意に置換されたC
2−6アルキニル、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたアリール、または随意に置換されたヘテロアリールから独立的に選択され、
各R
1、R
2R
5A、R
5B、R
6A、およびR
6Bは、H、随意に置換されたC
1−6アルキル、随意に置換されたC
2−6アルケニル、随意に置換されたC
2−6アルキニル、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたアリール、または随意に置換されたヘテロアリールから独立的に選択されるか、あるいは、R
5AおよびR
6A、またはR
5BおよびR
6Bの組み合わせによってヘテロシクリルが形成され、
各R
3およびR
4は、H、随意に置換されたC
1−6アルキル、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロアリール、−C(=O)R
5B、−C(=S)R
5B、−C(=NR
6B)R
5B、−C(=O)OR
5B、−C(=O)NR
5BR
6B、−S(=O)R
5B、−S(=O)
2R
5B、−S(=O)
2OR
5B、または−S(=O)
2NR
5BR
6Bから選択される。特定の実施形態において、R
1がH、X
1、X
2であり、X
4が各CH、X
3、X
5であり、X
6が各N、Y
1であり、Y
3が各Sであり、Y
2がNHであり、Z
1がNHであり、Z
2がOである場合、R
2は4−フルオロフェニルではない]
のNec−7関連化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグである。
【0087】
特定の実施形態において、ネクロスタチンは、式VIII−A:
【化57】
[式中、
X
1、X
2、X
4、X
5、R
1、Y
2、およびR
Z1は、式(VIII)について定義する通りであり、
各R
2A、R
2B、R
2C、R
2D、およびR
2Eは、H、ハロゲン、随意に置換されたC
1−6アルキル、随意に置換されたC
2−6アルケニル、随意に置換されたC
2−6アルキニル、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロアリール、CN、NC、NO
2、N
3、OR
7、SR
7、S(=O)R
12、S(=O)
2R
12、S(=O)OR
12、S(=O)
2OR
12、NR
7R
8、C(=O)R
12、C(=O)OR
12、C(=O)NR
12R
13、C(=S)R
12、C(=S)OR
12、C(=S)NR
12R
13、C(=NR
9)R
12、C(=NR
9)OR
12、またはC(=NR
9)NR
12R
13から独立的に選択されるか、またはR
2AおよびR
2B、R
2BおよびR
2C、R
2CおよびR
2D、または、R
2DおよびR
2Eの組み合わせにより、随意に置換されたシクロアルキルまたは随意に置換されたヘテロシクリルが形成され、
各R
7、R
8、およびR
9は、H、随意に置換されたC
1−6アルキル、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロアリール、S(=O)R
10、S(=O)
2R
10、C(=O)R
10、C(=O)OR
10、C(=O)NR
10R
11、C(=S)R
10、C(=S)OR
10、C(=S)NR
10R
11、C(=NR
14)R
10、C(=NR
14)OR
10、またはC(=NR
14)NR
10R
11から独立的に選択されるか、または、R
7およびR
8の組み合わせにより、随意に置換されたヘテロシクリルが形成され、
各R
10、R
11、R
12、R
13、およびR
14は、H、随意に置換されたC
1−6アルキル、随意に置換されたC
2−6アルケニル、随意に置換されたC
2−6アルキニル、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたアリール、または随意に置換されたヘテロアリールから独立的に選択されるか、またはR
10およびR
11または、R
12およびR
13に組み合わせにより、随意に置換されたヘテロシクリルが形成される。]
のNec−7関連化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグである。
【0088】
特定の実施形態において、各R
2A、R
2B、R
2C、R
2D、およびR
2Eは、H、ハロゲン、C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールから独立的に選択される。
【0089】
特定の実施形態において、ネクロスタチンは、以下から選択されるNec−7関連化合物
【化58】
であるか、または、その薬学的に受容可能な塩である。
【0090】
上記したNec−7関連化合物は、例えば、国際特許出願公開第WO2010/075290などの文献中に記載の合成手順に基づいて調製することができる。同文献を参考のため援用する。
【0091】
特定の実施形態において、ネクロスタチンは、式IX:
【化59】
[式中、
X
1およびX
2は、独立的にNまたはCR
4であり、
X
3は、O、S、NR
5、または−(CR
5)
2から選択され、
Yは、C(O)またはCH
2から選択され、
Zは、(CR
6R
7)
nであり、
R
1は、H、ハロゲン、随意に置換されたC
1−6アルキル、または随意に置換されたC
1−6シクロアルキル、または随意に置換されたアリールから選択され、
R
2は、Hまたは随意に置換されたC
1−6アルキルから選択され、
R
3は、随意に置換されたアリールであり、
各R
4は、H、ハロゲン、カルボキシアミド、ニトロ、シアノ、随意に置換されたC
1−6アルキル、または随意に置換されたアリールから選択され、
R
5は、H、ハロゲン、随意に置換されたC
1−6アルキル、または随意に置換されたアリールから選択され、
各R
6およびR
7は、H、随意に置換されたC
1−6アルキル、またはアリールから独立的に選択され、
nは、0、1、2、または3である。]
のNec−4関連化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグである。特定の実施形態において、X
1およびX
2がNであり、X
3がSであり、YがC(O)であり、ZがCH
2であり、R
2がHであり、R
3が2−クロロ−6−フルオロフェニルである場合、R
1はメチルではない。
【0092】
特定の実施形態において、ネクロスタチンは、式IX−A:
【化60】
[式中、R
1、R
2、R
3、R
6およびR
7は、式(IX)中に定義する通りである。]
のNec−4関連化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグである。
【0093】
特定の実施形態において、ネクロスタチンは、以下から選択されるNec−4関連化合物、
【化61】
【化62】
およびその薬学的に受容可能な塩である。
【0094】
上記したNec−4関連化合物は、例えば米国特許出願公開第2009/0099242号などの文献中に記載の合成手順に基づいて調整することができる。同文献を参考のため援用する。
【0095】
「アルキル」という用語は、当該分野において認識されており、飽和脂肪族基を含む(例えば、直鎖アルキル基、分枝鎖アルキル基、シクロアルキル(脂環式)基、アルキル置換シクロアルキル基、およびシクロアルキル置換アルキル基)。特定の実施形態において、直鎖または分枝鎖アルキルは、主鎖中において約10個以下の炭素原子を有する(例えば、直鎖についてはC
1−C
10、分枝鎖についてはC
3−C
10)、あるいは、5、4、3、2または1個の炭素原子が主鎖中に存在する。同様に、シクロアルキルは、約3〜約10個の炭素原子をその環構造中に有し、あるいは、約5、6または7個の炭素をリング構造中に有する。例示的なアルキル基を挙げると、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、シクロプロピル、およびシクロブチルがある。
【0096】
「アルコキシル」または「アルコキシ」などの用語は、当該分野において認識されており、そこに結合する酸素ラジカルを含む、上に記したようなアルキル基を指す。代表的なアルコキシル基を挙げると、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、tert−ブトキシなどがある。「エーテル」は、2個の炭化水素であり、酸素によって共有結合される。よって、このアルキルをエーテルにするアルキルの置換基は、アルコキシルであるかまたはアルコキシルに類似する(例えば、−O−アルキル、−O−アルケニル、または−O−アルキニルのうちの1つによって表され得るもの)ものである。「アルキレン」という用語は、アルキル基のジラジカルを指す。例示的なアルキレン基は、−CH
2CH
2−である。
【0097】
「アラルキル」という用語は、アリール基と置換されたアルキル基を指す。
【0098】
「ヘテロアラルキル」という用語は、ヘテロアリール基と置換されたアルキル基を指す。
【0099】
「アルケニル」という用語は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する不飽和直鎖または分岐炭化水素を指す(例えば、2〜12、2〜10または2〜6個の炭素原子の直鎖または分岐基)(本明細書中、それぞれ、C
2−C
12アルケニル、C
2−C
10アルケニル、およびC
2−C
6アルケニルと呼ぶ)。例示的アルケニル基を非限定的に挙げると、ビニル、アリル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ブタジエニル、ペンタジエニル、ヘキサジエニル、2−エチルヘキセニル、2−プロピル−2−ブテニル、4−(2−メチル−3−ブテン)−ペンテニルなどがある。
【0100】
本明細書中において用いられる「アルキニル」という用語は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する不飽和直鎖または分岐炭化水素を指す(例えば、2〜12、2〜8、または2〜6個の炭素原子の直鎖または分岐基)(本明細書中、それぞれC
2−C
12アルキニル、C
2−C
8アルキニル、およびC
2−C
6アルキニルと呼ぶ)。例示的アルキニル基を非限定的に挙げると、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、メチルプロピニル、4−メチル−1−ブチニル、4−プロピル−2−ペンチニル、および4−ブチル−2−ヘキシニルなどがある。
【0101】
「アリール」という用語は、当該分野において認識されており、炭素環式芳香族基を指す。代表的なアリール基を挙げると、フェニル、ナフチル、アンスラセニルなどがある。他に明記しない限り、芳香環は、1つ以上の環位置において、例えば、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、カルボン酸、−C(O)アルキル、−CO
2アルキル、カルボニル、カルボキシル、アルキルチオ、スルホニル、スルホンアミド、スルホンアミド、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、−CF
3、−CNなどと置換され得る。「アリール」という用語はまた、2つ以上の炭素環を有する多環式環系も含み、ここで、2つ以上の炭素が2つの隣接環(これらの環は、「縮合環」である)に共有し、環のうち少なくとも1つは芳香族であり得る(例えば、その他の環状環は、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、および/またはアリールであり得る)。
【0102】
特定の実施形態において、芳香族基は、置換されない(すなわち、非置換である)。
【0103】
「フェニレン」という用語は、ベンゼンの多価ラジカル(例えば、二価ラジカルまたは三価ラジカル)である。例示のため、ベンゼンの二価ラジカルが、以下の式
【化63】
により示される。
【0104】
「ヘテロシクリル」または「ヘテロ環状基」という用語は、当該分野において認識されており、飽和、部分不飽和、または芳香族の3〜10員リング構造あるいは3〜7員環を指し、そのリング構造は、1〜4個のヘテロ原子を含む(例えば、窒素、酸素および硫黄)。ヘテロ環は、単環式、二環式または他の多環式環系であり得る。ヘテロ環は、1つ以上アリール、部分不飽和、または飽和環へ縮合され得る。ヘテロシクリル基を挙げると、例えば、ビオチニル、クロメニル、ジヒドロフリル、ジヒドロインドイル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、ジチアゾリル、ホモピペリジニル、イミダゾリジニル、イソキノリル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オキソラニル、オキサゾリジニル、フェノキサンセニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラニル、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリジン−2−オニル、ピロリニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロキノリル、チアゾリジニル、チオラニル、チオモルホリニル、チオピラニル、キサンセニル、ラクトン、ラクタム(例えば、アゼチジノンおよびアゼチジノン、スルタム、スルトンなどがある。他に明記しない限り、ヘテロ環状環は、1つ以上位置において、置換基(例えば、アルカノイル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミド、アミジノ、アミノ、アリール、アリールアルキル、アジド、カルバメート、炭酸塩、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エステル、エーテル、ホルミル、ハロゲン、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシル、イミノ、ケトン、ニトロ、フォスフェイト、フォスフォナート、フォスフィナート、硫酸塩、硫化物、スルホンアミド、スルホニルおよびチオカルボニル)と随意に置換される。特定の実施形態において、ヘテロシクルシル基は置換されない(すなわち、非置換である)。
【0105】
「ヘテロアリール」という用語は、当該分野において認識されており、少なくとも1つの環ヘテロ原子を含む芳香族基を指す。特定の場合において、ヘテロアリール基は、1、2、3、または4個の環ヘテロ原子を含む。ヘテロアリール基の代表例を挙げると、ピロリル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピラジニルおよびピリミジニルなどがある。他に明記しない限り、ヘテロアリール環は、1つ以上の環位置において、例えば、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、カルボン酸、−C(O)アルキル、−CO
2アルキル、カルボニル、カルボキシル、アルキルチオ、スルホニル、スルホンアミド、スルホンアミド、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロシクリル、アリール、−CF
3、−CNなどと置換され得る。「ヘテロアリール」という用語はまた、2つ以上の環を有する多環式環系も含み、2つ以上の炭素が2つの隣接環(これらの環は、「縮合環」である)に共通する。ここで、環のうち少なくとも1つはヘテロ芳香族であり、例えば、その他の環状環は、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニルおよび/またはアリールであり得る。
【0106】
「ヘテロアリーレン」という用語は、少なくとも1つの環ヘテロ原子を含む多価(例えば、二価または三価)芳香族基を指す。例示的な「ヘテロアリーレン」は、ピリルジニレンであり、ピリジンの多価ラジカルである。例えば、ピリジンの二価ラジカルは、
【化64】
の式によって示される。
【0107】
オルト、メタおよびパラという用語は、当該分野において認識されており、それぞれ、1、2−、1、3−および1、4−二置換ベンゼンを示す。例えば、1、2−ジメチルベンゼンおよびオルト−ジメチルベンゼンは、同義である。
【0108】
「アミン」および「アミノ」という用語は、当該分野において認識されており、非置換アミンおよび置換アミン双方を示し、例えば、以下の一般式
【化65】
[式中、
R
50およびR
51はそれぞれ、水素、アルキル、アルケニル、または−(CH
2)
m−R
61を独立的に示すか;または、
R
50およびR
51は、結合しているN原子と一緒になって、4〜8個の原子を環構造中に有するヘテロ環を完成させ、
R
61は、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロ環または多環であり、
mは、0または1〜8の整数である。]
によって表され得る部分)を示す。特定の実施形態において、R
50およびR
51はそれぞれ、水素またはアルキルを独立的に示す。
【0109】
本明細書中において用いられる「アミド」または「アミド」はそれぞれ、−R
aC(O)N(R
b)−、−R
aC(O)N(R
b)R
c−、−C(O)NR
bR
c、または−C(O)NH
2の形態の基を示し、ここで、R
a、R
bおよびR
cはそれぞれ、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミド、アミノ、アリール、アリールアルキル、カルバメート、シクロアルキル、エステル、エーテル、ホルミル、ハロゲン、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、水素、ヒドロキシル、ケトンおよびニトロから独立的に選択される。アミドは、炭素、窒素、R
b、R
c、またはR
aを通じて別の基へと結合し得る。アミドは、環状でもあり得る(例えばR
bおよびR
c、R
aおよびR
b、またはR
aおよびR
cが結合して、3〜12−員環を形成することができる(例えば、3〜10員環または5〜6員環)。「カルボキシアミド」という用語は、−C(O)NR
bR
cの構造を指す。
【0110】
本明細書中において用いられる「スルホンアミド」または「スルホンアミド」という用語は、構造−N(Rr)−S(O)
2−Rs−または−S(O)
2−N(Rr)Rsを有する基を指す。RrおよびRsは、例えば、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、およびヘテロシクリルであり得る。例示的なスルホンアミドを挙げると、例えば、アルキルスルホンアミド(例えば、Rsは、アルキルである)、アリールスルホンアミド(例えば、Rsは、アリールである)、シクロアルキルスルホンアミド(例えば、Rsは、シクロアルキルである)、およびヘテロシクリルスルホンアミド(例えば、Rsは、ヘテロシクリルである)。
【0111】
本明細書中において用いられる「スルホニル」という用語は、RuSO
2−の構造を有する基を指す。この構造中、Ruは、アルキル、アリール、シクロアルキル、およびヘテロシクリルであり得る(例えば、アルキルスルホニル)。本明細書中において用いられる「アルキルスルホニル」とは、スルホニル基へ結合したアルキル基を指す。
【0112】
【化66】
という記号は、結合点を示す。
【0113】
他に明記しない限り、本明細書中において用いられる、「随意に置換された」という用語は、特定の基が1つ、2つ以上の位置において例えば、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、カルボン酸、−C(O)アルキル、−CO
2アルキル、カルボニル、カルボキシル、アルキルチオ、スルホニル、スルホンアミド、スルホンアミド、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、−CF
3、−CNなどと置換され得ることを意味する。
【0114】
本明細書中において用いられる、「治療的に有効な量」という用語は、軸索再生の促進、ニューロン生存能の保持および/またはCNSニューロン中の神経機能の促進を達成するのに充分な量の活性成分(例えば、ネクロスタチン(例えば、ネクロスタチン−1またはネクロスタチン−4)および/または汎カスパーゼ阻害薬(例えば、ZVADまたはIDN−6556))を意味するものとして理解される。本発明の化合物は、(例えば、軸索再生の促進、ニューロン生存能の保持、神経機能の促進、薬剤を単独で用いる単剤療法と比較した場合の有効性の向上、認識機能の保持または向上、知覚機能の保持または向上ならびに/または運動機能の保持または向上)において有効な量で投与される。認識、知覚、または運動機能の保持を挙げると、これらの機能の安定化および/またはこれらの機能の低下の遅延ことが理解される。
【0115】
本明細書中において用いられる、「薬学的に受容可能な」または「薬理学的に受容可能な」という用語は、副作用、動物またはヒトへ適宜投与した場合にアレルギーまたは他の不都合な反応を生じさせない分子的実体および組成物を意味する。「薬学的に受容可能なキャリア」という用語は、あらゆる全ての溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤などを意味する。薬剤活性物質のためのこのような媒体および薬剤の使用は、当該分野において周知である。任意の従来の媒体または薬剤が活性成分と適合しない場合を除いて、治療用組成物におけるその使用が企図される。補助活性成分を組成物において用いてもよい。
【0116】
本明細書中において開示されるのは、有効な量のネクローシス阻害薬および有効な量のアポトーシス阻害薬へCNSニューロンを露出させることにより、軸索の再生を促進させる、CNSニューロン内の軸索再生を促進する方法である。CNSニューロンは、ex vivoであり得る。例えば、CNSニューロンは、対象者から分離され得、in vitro培養中に維持され得る。あるいは、CNSニューロンは、in vivoで存在し得る。
【0117】
また、CNSニューロンの損傷後の神経機能を促進させる方法が開示される。方法は、対象者に対して有効な量のネクローシス阻害薬および有効な量のアポトーシス阻害薬を投与して、CNSニューロン機能を促進させることを含む。CNSニューロンの生存能を保持する方法がさらに開示される。方法は、対象者に対して有効な量のネクローシス阻害薬および有効な量のアポトーシス阻害薬を投与して、CNSニューロンの生存能を保持することを含む。ネクローシス阻害薬およびアポトーシス阻害薬の投与後、CNSニューロンは、軸索再生を支持することができる。
【0118】
別の局面において、本発明は、必要としている対象者内のCNS疾患の処置方法を提供する。CNS疾患の症状は、CNSニューロン内の軸索変性または損傷である。方法は、対象者に対して有効な量のネクローシス阻害薬および有効な量のアポトーシス阻害薬を投与して、CNS疾患による影響を受けるCNSニューロン中の軸索の再生を促進させることを含む。ネクローシス阻害薬およびアポトーシス阻害薬の投与後、(例えば軸索再生の兆候として)ニューロン機能を測定することができる。また、ネクローシス阻害薬およびアポトーシス阻害薬の投与後、ネクローシス阻害薬およびアポトーシス阻害薬の投与前のニューロン機能と比較してCNSニューロンのニューロン機能が保持されるかまたは向上することが企図される。
【0119】
上記の方法それぞれにおいて、CNS疾患を非限定的に挙げると、脳損傷、脊髄損傷、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS/ルー・ゲーリッグ病)、パーキンソン病、多発性硬化症、糖尿病性神経障害、ポリグルタミン(ポリQ)病気、脳卒中、ファール病、メンケス病、ウィルソン病、脳虚血、プリオン病(例えば、クロイツフェルト・ヤコブ病気)、認知症(例えば、前頭側頭認知症、レビー小体認知症)、大脳皮質基底核変性症、進行性核上まひ、多系統萎縮症、遺伝性痙性対まひ、および脊髄小脳変性症がある。
【0120】
特定の実施形態において、CNS疾患は、対象者の認識能力に影響を与える(例えば、大脳皮質への脳損傷または神経変性CNS疾患(例えば、アルツハイマー病、前頭側頭認知症、レビー小体認知症、大脳皮質基底核変性症、進行性核上まひ、およびプリオン病)。
【0121】
他の実施形態において、CNS疾患は、対象者の動作および/または強さに影響を与える(例えば、脳または脊髄への損傷、あるいは神経変性CNS疾患(例えば、パーキンソン病、前頭側頭認知症、レビー小体認知症、大脳皮質基底核変性症、進行性核上性麻痺、ハンチントン病、多系統萎縮症、筋萎縮性側索硬化症、および遺伝性痙性対麻痺)。
【0122】
さらに別の実施形態において、CNS疾患は、対象者の協調に影響を与える(例えば、小脳に対する脳損傷または神経変性CNS疾患(例えば、脊髄小脳変性症、フリードライヒ運動失調症、およびプリオン病)。
【0123】
別の局面において、本発明は、CNSニューロンの損傷後のニューロン機能を促進させる方法を提供する。方法は、RIP−1キナーゼおよび/またはRIP−3キナーゼの産生および/または活性を低減させることにより、CNSニューロン機能を促進させることを含む。特定の実施形態において、RIP−1キナーゼおよび/またはRIP−3キナーゼの産生または活性の低減は、有効な量のRIPキナーゼ(RIPK)阻害薬(例えば、ネクロスタチン)の投与により、達成することができる。RIPキナーゼ阻害薬による処置後、CNSニューロンは、軸索再生を支持することができる。
【0124】
さらに別の局面において、本発明は、CNSニューロン内の軸索再生を支持する方法を提供する。方法は、CNSニューロン中のRIP−1キナーゼおよび/またはRIP−3キナーゼの産生および/または活性を低減することにより、CNSニューロン内の軸索再生を促進することを含む。特定の実施形態において、RIP−1キナーゼおよび/またはRIP−3キナーゼの産生または活性の低減は、有効な量のRIPキナーゼ(RIPK)阻害薬(例えば、ネクロスタチン)の投与により、達成することができる。
【0125】
上記の方法それぞれにおいて、CNSニューロンを非限定的に挙げると、運動ニューロン、CNS知覚ニューロン、皮質ニューロン、小脳ニューロン、海馬ニューロンおよび中脳神経ニューロンがある。例示的な運動ニューロンを挙げると、例えば、脊髄の運動ニューロン(例えば、体性運動ニューロンおよび内臓/自律運動ニューロン)、および脳幹の運動ニューロンがある。例示的なCNS知覚ニューロンを挙げると、例えば、脊髄および脳幹の二次知覚ニューロンならびに皮質知覚ニューロンがある。例示的な皮質ニューロンを挙げると、錘体細胞(例えば、ベッツ細胞)、マルティノッティ細胞、紡錘状細胞、およびカハル水平細胞、および皮質介在ニューロン(例えば、星(顆粒)細胞、かご細胞、シャンデリア細胞)がある。例示的な海馬ニューロンを挙げると、錘体細胞、海馬介在ニューロン(例えば、かご細胞)および顆粒細胞がある。例示的な小脳ニューロンを挙げると、プルキンエ細胞、小脳介在ニューロン(例えば、かご細胞、ゴルジ細胞)および顆粒細胞がある。
【0126】
他に明記しない限り、最終濃度が約10μMを超える(例えば、約10μM〜約1000μMの範囲内に収まる)ように、ネクロスタチンを投与することができる。本明細書中に記載のように、最終濃度とは、例えば、血液、脳脊髄液、または処置の局所領域(例えば、損傷部位)中の最終濃度を指す。特定の実施形態において、ネクロスタチンの最終濃度が約10μMを超えるような充分な量のネクロスタチンを投与することができる。別の実施形態において、ネクロスタチンの最終濃度が約50μMを超えるだけの充分な量のネクロスタチンを投与することができる。別の実施形態において、ネクロスタチンの最終濃度が約100μMを超えるように、ネクロスタチンを投与することができる。例えば、ネクロスタチンは、ネクロスタチンの最終濃度が約10μM〜約1000μM、50μM〜約1000μM、80μM〜約1000μM、約100μM〜約1000μM、約150μM〜約1000μM、約200μM〜約800μM、または約200μM〜約600μMの範囲内に収まるように、投与され得る。特定の実施形態において、ネクロスタチンは、ネクロスタチンの最終濃度が約400μMの量となるような充分な量で投与される。
【0127】
アポトーシス阻害薬(例えば、汎カスパーゼ阻害薬)は、阻害薬の最終濃度が約3μMを超える(例えば、約3μM〜約500μMの範囲内となる)ように、投与することができる。特定の実施形態において、ネクロスタチンを、最終濃度が約3μMを超えるだけの充分な量で投与することができる。別の実施形態において、ネクロスタチンは、ネクロスタチンの最終濃度が約30μMを超えるだけの充分な量で、投与することができる。さらなる実施形態において、ネクロスタチンは、ネクロスタチンの最終濃度が約50μMを超えるだけの充分な量で投与することができる。さらなる実施形態において、ネクロスタチンは、ネクロスタチンの最終濃度が約100μMを超えるだけの充分な量で投与することができる。例えば、アポトーシス阻害薬は、阻害薬の最終濃度が約3μM〜約500μM、約80μM〜約500μM、100μM〜約500μM、125μM〜約500μM、150μM〜約500μMまたは約200μM〜約400μMの量となるような充分な量で投与することができる。特定の実施形態において、アポトーシス阻害薬(例えば、汎カスパーゼ阻害薬)は、阻害薬の最終濃度が約300μMの量となるだけの充分な量で投与される。
【0128】
特定の実施形態において、約0.025mg〜約4mg、約0.035mg〜約2mg、約0.05mg〜約2mg、約0.1mg〜約2mg、約0.2mg〜約1mg、または約0.2mg〜約0.8mgのネクローシス阻害薬(例えば、ネクロスタチン)を投与することができる。特定の他の実施形態において、約0.05mg〜約2mg、約0.2mg〜約2mg、約0.05mg〜約1.5mg、約0.15mg〜約1.5mg、約0.4mg〜約1mg、または約0.5mg〜約0.8mgのアポトーシス阻害薬(例えば、汎カスパーゼ阻害薬(例えば、ZVAD)を投与することができる。
【0129】
1つ以上のネクローシス阻害薬、1つ以上のアポトーシス阻害薬、または1つ以上のネクローシス阻害薬および1つ以上のアポトーシス阻害薬は、生存能の保持ならびに/あるいは罹患CNSニューロンの軸索再生および/または神経機能の促進を達成するのに充分な量で投与することができることが理解される。
【0130】
特定の実施形態において、ネクローシス阻害薬は、ネクロスタチンである(例えば、ネクロスタチン−1、ネクロスタチン−2、ネクロスタチン−4、ネクロスタチン−5、およびネクロスタチン−7)。これらのネクローシス阻害薬のうち1つ以上は、以下に羅列するアポトーシス阻害薬のうちの1つ以上(例えば、IDN−6556)と共に投与することができる。さらに、式I、I−A、I−B、I−C、I−D、I−E、I−F、I−G、II、II−A、III、IV、IV−A、IV−B、V、V−A、VII、VIII、VIII−A、IXまたはIX−Aによって示されるネクロスタチンのうち1つ以上を(以下に羅列するアポトーシス阻害薬のうち1つ以上(例えば、IDN−6556またはIDN−6734)と共に)投与することができることが企図される。
【0131】
特定の実施形態において、ネクローシス阻害薬は、RIP−1キナーゼおよび/またはRIP−3キナーゼの産生および/または活性を低下させる。本明細書中に開示されるようなRIPキナーゼ阻害薬(例えば、RIP−1キナーゼおよび/またはRIP−3キナーゼ阻害薬)は、RNAをさらに含み得る(例えば、小型抑制RNA(siRNA)および短ヘアピンRNA(shRNA))。siRNAおよびshRNAの設計および合成の方法は、当該分野において周知である。例示的なRIP−1キナーゼ阻害薬を挙げると、例えば、Kaiserら((2008)Journal of Immunology181:6427−6434)中に開示のようなRIP−1キナーゼを標的とするpSIREN−RIP−1shRNAコンストラクトがある。例示的なRIP−3キナーゼ阻害薬を挙げると、例えば、sc−61482−SHおよびsc−135170(市販元:Santa Cruz Biotechnology)がある。別の例において、本明細書中に開示のようなRIPキナーゼ阻害薬(例えば、RIP−1キナーゼおよび/またはRIP−3キナーゼ阻害薬)は、アポトーシス阻害タンパク質(IAP)、その活性フラグメントおよびこれをコードする核酸を含み得る。IAPは、RIP−1キナーゼのためのE3リガーゼとして機能することにより、RIP−1キナーゼを抑制することは公知である(例えば、Vanlangenakkerら(2010)を参照)。
【0132】
特定の実施形態において、1つ以上のアポトーシス阻害薬は、汎カスパーゼ阻害薬を含み得る。汎カスパーゼ阻害薬は、ZVAD(すなわち、Z−Val−Ala−Asp(OMe)−CH
2F
*)、IDN−6556(市販元:Conatus Pharmaceuticals(すなわち、(3−{2−[(2−tert−ブチル−フェニルアミノオキサリル)−アミノ]−プロピオニルアミノ}−4−オキソ−5−(2、3、5、6−テトラフルオロ−フェノキシ)−ペンタン酸)(3−{2−[(2−tert−ブチル−フェニルアミノオキサリル)−アミノ]−プロピオニルアミノ}−4−オキソ−5−(2、3、5、6−テトラフルオロ−フェノキシ)−ペンタン酸)、IDN−6734(市販元:Conatus Pharmaceuticals)、VX−799(市販元:Vertex Pharmaceuticals)、MX1013およびMX2060誘導体(市販元:Maxim Pharmaceuticals)、M−920(市販元:Merck−Frosst)、小分子化合物(市販元:Gemin X Pharmaceuticals)、RGDペプチド(Merck−FrostおよびMaxim Pharmaceutical)または他の任意の公知の汎カスパーゼ阻害薬であり得る。
【0133】
あるいは、汎カスパーゼ阻害薬は、2つ以上の特定のカスパーゼ阻害薬(例えば、合成カスパーゼ阻害薬)(例えば、カスパーゼ1阻害薬、カスパーゼ2阻害薬、カスパーゼ3阻害薬、カスパーゼ4阻害薬、カスパーゼ5阻害薬、カスパーゼ6阻害薬、カスパーゼ7阻害薬、カスパーゼ8阻害薬、およびカスパーゼ9阻害薬)をカスパーゼ阻害薬のカクテルであり得る。汎カスパーゼ阻害薬のうち1つ以上は、1つ以上のネクロスタチン(例えば、ネクロステイン−1および/またはネクロスタチン−4)と組み合わせて用いることができることが企図される。
【0134】
例示的な合成カスパーゼ1阻害薬を挙げると、例えば、Ac−N−Me−Tyr−Val−Ala−Asp−アルデヒド(SEQIDNO:7)、Ac−Trp−Glu−His−Asp−アルデヒド(SEQIDNO:8)、Ac−Tyr−N−Me−Val−Ala−N−Me−Asp−アルデヒド(SEQIDNO:9)、Ac−Tyr−Val−Ala−Asp−アルデヒド(SEQIDNO:10)、Ac−Tyr−Val−Ala−Asp−クロロメチルケトン(SEQIDNO:11)、Ac−Tyr−Val−Ala−Asp−2、6−ジメチルベンゾイルオキシメチルケトン(SEQIDNO:12)、Ac−Tyr−Val−Ala−Asp(OtBu)−アルデヒド−ジメチルアセトール(SEQIDNO:13)、Ac−Tyr−Val−Lys−Asp−アルデヒド(SEQIDNO:14)、Ac−Tyr−Val−Lys(ビオチニル)−Asp−2、6−ジメチルベンゾイルオキシメチルケトン(SEQIDNO:15)、ビオチニル−Tyr−Val−Ala−Asp−クロロメチルケトン(SEQIDNO:16)、Boc−Asp(OBzl)−クロロメチルケトン、エトキシカルボニル−Ala−Tyr−Val−Ala−Asp−アルデヒド(擬酸)(SEQIDNO:17)、Z−Asp−2、6−ジクロロベンゾイルオキシメチルケトン、Z−Asp(OlBu)−ブロモメチルケトン、Z−Tyr−Val−Ala−Asp−クロロメチルケトン(SEQIDNO:18)、Z−Tyr−Val−Ala−DL−Asp−フルオロメチリケトン(SEQIDNO:19)、Z−Val−Ala−DL−Asp−フルオロメチルケトン、およびZ−Val−Ala−DL−Asp(OMe)−フルオロメチルケトンがあり、これらは全て、Bachem Bioscience Inc.,PAから入手可能である。他の例示的なカスパーゼ1阻害薬を挙げると、例えば、Z−Val−Ala−Asp−フルオロメチルケトン、ビオチン−X−Val−Ala−Asp−フルオロメチルケトン、Ac−Val−Ala−Asp−アルデヒド、Boc−Asp−フルオロメチルケトン、Ac−Ala−Ala−Val−Ala−Leu−Leu−Pro−Ala−Val−Leu−Leu−Ala−Leu−Leu−Pro−Tyr−Val−Ala−Asp−アルデヒド(SEQIDNO:1)、ビオチン−Tyr−Val−Ala−Asp−フルオロアシルオキシメチルケトン(SEQIDNO:20)、Ac−Tyr−Val−Ala−Asp−アシルオキシメチルケトン(SEQIDNO:21)、Z−Asp−CH2−DCB、およびZ−Tyr−Val−Ala−Asp−フルオロメチルケトン(SEQIDNO:22)があり、これらは全て、Calbiochem、IDN−11104(市販元:Conatus Pharmaceuticals)から市販されており、VX−740およびVX−756(市販元:Vertex Pharmaceuticals)から市販されている。
【0135】
例示的な合成カスパーゼ2阻害薬を挙げると、例えば、Ac−Val−Asp−Val−Ala−Asp−アルデヒド(SEQIDNO:23)(市販元:Bachem Bioscience Inc.,PA)およびZ−Val−Asp−Val−Ala−Asp−フルオロメチルケトン(SEQIDNO:24)(市販元:Calbiochem,CA)がある。
【0136】
例示的な合成カスパーゼ3前駆プロテアーゼ阻害薬を挙げると、例えば、Ac−Glu−Ser−Met−Asp−アルデヒド(擬酸)(SEQIDNO:25)およびAc−Ile−Glu−Thr−Asp−アルデヒド(擬酸)(SEQIDNO:26)(市販元:Bachem Bioscience Inc.,PA)がある。例示的な合成カスパーゼ3阻害薬を挙げると、例えば、Ac−Asp−Glu−Val−Asp−アルデヒド(SEQIDNO:27)、Ac−Asp−Met−Gln−Asp−アルデヒド(SEQIDNO:28)、ビオチニル−Asp−Glu−Val−Asp−アルデヒド(SEQIDNO:29)、Z−Asp−Glu−Val−Asp−クロロメチルケトン(SEQIDNO:30)、Z−Asp(OMe)−Glu(OMe)−Val−DL−Asp(OMe)−フルオロメチルケトン(SEQIDNO:31)およびZ−Val−Ala−DL−Asp(OMe)−フルオロメチルケトン(市販元:Bachem Bioscience Inc.,PA)がある。他の例示的なカスパーゼ3阻害薬を挙げると、例えば、Ac−Ala−Ala−Val−Ala−Leu−Leu−Pro−Ala−Val−Leu−Leu−Ala−Leu−Leu−Ala−Pro−Asp−Glu−Val−Asp−アルデヒド(SEQIDNO:2)、ビオチン−X−Asp−Glu−Val−Asp−フルオロメチルケトン(SEQIDNO:32)、Ac−Asp−Glu−Val−Asp−クロロメチルケトン(SEQIDNO:33)があり、これらは全て、Calbiochemから市販されている。別の例示的なカスパーゼ3阻害薬を挙げると、カスパーゼ3阻害薬であるN−ベンジルオキシカルボナル−Asp(OMe)−Glu(OMe)−Val−Asp(Ome)−フルオロメチルケトン(z−Asp−Glu−Val−Asp−fmk)(SEQIDNO:34)(市販元:Enzyme Systems Products)がある。さらなる例示的なカスパーゼ3阻害薬を挙げると、M−826およびM−791(市販元:Merck−Frosst、Immunocasp−3、Ad−G/iCasp3)およびPEF−F8−CP3がある。
【0137】
例示的な合成カスパーゼ4阻害薬を挙げると、例えば、Ac−Leu−Glu−Val−Asp−アルデヒド(SEQIDNO:35)およびZ−Tyr−Val−Ala−DL−Asp−フルオロメチルケトン(SEQIDNO:36)(市販元:Bachem Bioscience Inc.,PA)およびAc−Ala−Ala−Val−Ala−Leu−Leu−Pro−Ala−Val−Leu−Leu−Ala−Leu−Leu−Ala−Pro−Leu−Glu−Val−Pro−アルデヒド(SEQIDNO:3)(市販元:Calbiochem,CA)がある。
【0138】
例示的な合成カスパーゼ5阻害薬を挙げると、例えば、Z−Trp−His−Glu−Asp−フルオロメチルケトン(SEQIDNO:37)(市販元:Calbiochem,CA)、ならびにAc−Trp−Glu−His−Asp−アルデヒド(SEQIDNO:38)およびZ−Trp−Glu(O−Me)−His−Asp(O−Me)フルオロメチルケトン(SEQIDNO:39)(市販元:Sigma Aldrich,ドイツ)がある。
【0139】
例示的な合成カスパーゼ6阻害薬を挙げると、例えば、Ac−Val−Glu−Ile−Asp−アルデヒド(SEQIDNO:40)、Z−Val−Glu−Ile−Asp−フルオロメチルケトン(SEQIDNO:41)、およびAc−Ala−Ala−Val−Ala−Leu−Leu−Pro−Ala−Val−Leu−Leu−Ala−Leu−Leu−Ala−Pro−Val−Glu−Ile−Asp−アルデヒド(SEQIDNO:4)(市販元:Calbiochem)がある。別の例示的なカスパーゼ6阻害薬を挙げると、Immunocasp−6がある。
【0140】
例示的な合成カスパーゼ7阻害薬を挙げると、例えば、Z−Asp(OMe)−Gln−Met−Asp(OMe)フルオロメチルケトン(SEQIDNO:42)、Ac−Asp−Glu−Val−Asp−アルデヒド(SEQIDNO:43)、ビオチン−Asp−Glu−Val−Asp−フルオロメチルケトン(SEQIDNO:44)、Z−Asp−Glu−Val−Asp−フルオロメチルケトン(SEQIDNO:45)、Ac−Ala−Ala−Val−Ala−Leu−Leu−Pro−Ala−Val−Leu−Leu−Ala−Leu−Leu−Ala−Pro−Asp−Glu−Val−Asp−アルデヒド(SEQIDNO:2)(市販元:Sigma Aldrich、ドイツ)がある。
【0141】
例示的な合成カスパーゼ8阻害薬を挙げると、例えば、Ac−Asp−Glu−Val−Asp−アルデヒド(SEQIDNO:46)、Ac−Ile−Glu−Pro−Asp−アルデヒド(SEQIDNO:47)、Ac−Ile−Glu−Thr−Asp−アルデヒド(SEQIDNO:48)、Ac−Trp−Glu−His−Asp−アルデヒド(SEQIDNO:49)およびBoc−Ala−Glu−Val−Asp−アルデヒド(SEQIDNO:50)(市販元:Bachem Bioscience Inc.,PA)がある。他の例示的なカスパーゼ8阻害薬を挙げると、例えば、Ac−Ala−Ala−Val−Ala−Leu−Leu−Pro−Ala−Val−Leu−Leu−Ala−Leu−Leu−Ala−Pro−Ile−Glu−Thr−Asp−アルデヒド(SEQIDNO:5)およびZ−Ile−Glu−Thr−Asp−フルオロメチルケトン(SEQIDNO:51)(市販元:Calbiochem,CA)がある。
【0142】
例示的な合成カスパーゼ9阻害薬を挙げると、例えば、Ac−Asp−Glu−Val−Asp−アルデヒド(SEQIDNO:52)、Ac−Leu−Glu−His−Asp−アルデヒド(SEQIDNO:53)、およびAc−Leu−Glu−His−Asp−クロロメチルケトン(SEQIDNO:54)(市販元:Bachem Bioscience Inc.,PA)がある。他の例示的なカスパーゼ9阻害薬を挙げると、例えば、Z−Leu−Glu−His−Asp−フルオロメチルケトン(SEQIDNO:55)およびAc−Ala−Ala−Val−Ala−Leu−Leu−Pro−Ala−Val−Leu−Leu−Ala−Leu−Leu−Ala−Pro−Leu−Glu−His−Asp−アルデヒド(SEQIDNO:6)(市販元:Calbiochem,CA)がある。別の例示的なカスパーゼ9阻害薬を挙げると、FKBP12/カスパーゼ−9融合タンパク質がある。
【0143】
汎カスパーゼ阻害薬は、内在性カスパーゼ阻害薬であってもよいし、あるいは、内在性カスパーゼ阻害薬および1つ以上の合成カスパーゼ阻害薬の組み合わせであってもよい。例えば、1つの有用なクラスの内在性カスパーゼ阻害薬を挙げると、アポトーシス阻害タンパク質(IAP)として知られるタンパク質がある(Deverauxら、(1998)EMBOJ.17(8):2215−2223)(生物活性フラグメントおよびそのアナログを含む)。1つの例示的IAPを挙げると、アポトーシスタンパク質のX連鎖阻害薬(XIAP)があり、カスパーゼ−3、カスパーゼ−7およびカスパーゼ−9の直接的かつ選択的阻害薬であることが知られている。別の例示的IAPを挙げると、スルビビンがある(米国特許No.6,245,523号、Papapetropoulosら、(2000)J.Biol.Chem.275:9102−9105)(生物活性フラグメントおよびそのアナログを含む)。スルビビンは、カスパーゼ−3およびカスパーゼ−7の活性を抑制することが報告されている。
【0144】
特定の実施形態において、1つ以上のアポトーシス阻害薬は、アポトーシス阻害タンパク質(IAP)およびSMAC(Second Mitochondria−derived activator of caspases)を標的とし得る。IAPおよびSMACを標的とする例示的なアポトーシス阻害薬を挙げると、例えば、BIR3拮抗薬(市販元:Idun Pharmaceuticals)、キャップドトリペプチドXIAP拮抗薬(Abbot Laboratories)、TWX024、ポリフェニル尿素誘導体、SMAC−模倣化合物、エンベリン、XIAPアンチセンスおよびRNAiコンストラクト、AEG35156/GEM(登録商標)640(市販元:Aegera Therapeutics)、HIV−Tat−およびポリアルギニン共役SMACペプチド、および非ペプチド小分子SMAC模倣剤がある。IAPおよびSMACを標的とするアポトーシス阻害薬のうち1つ以上は、1つ以上のネクロスタチン(例えば、ネクロステイン−1および/またはネクロスタチン−4)と組み合わせて用いることが可能であることが企図される。
【0145】
特定の実施形態において、1つ以上のアポトーシス阻害薬は、TNF関連アポトーシス含有リガンド(TRAIL)受容体を標的とし得る。TRAIL受容体を標的とする例示的なアポトーシス阻害薬を挙げると、例えば、HGS−ETR1、HGS−ETR2、およびHGS−TR2J(市販元:Human Genome Sciences)およびPRO1762(市販元:Amgen)がある。TRAIL受容体を標的とするアポトーシス阻害薬のうち1つ以上を、1つ以上のネクロスタチン(例えば、ネクロステイン−1および/またはネクロスタチン−4)と組み合わせて用いることができることが企図される。
【0146】
特定の実施形態において、1つ以上のアポトーシス阻害薬は、CD95/Fasを標的とし得る。CD95/FASを標的とする例示的なアポトーシス阻害薬を挙げると、例えば、CD95−Fc(市販元:ApoGenixGmbH)がある。CD95/Fasを標的とするアポトーシス阻害薬のうち1つ以上は、1つ以上のネクロスタチン(例えば、ネクロステイン−1および/またはネクロスタチン−4)と組み合わせて用いることができることが企図される。
【0147】
特定の実施形態において、1つ以上のアポトーシス阻害薬は、抗FasL因子であり得る。例示的抗FasL因子を挙げると、例えば、抗FasL中和抗体(例えば、Pharmingen(SanDiego、CA)から入手可能なもの)、FasLと結合して、同種受容体との結合を回避または低減するペプチドおよび核酸(例えば、抗FasLアプタマー)、Fas受容体に選択的に結合する特定の抗体およびその抗原結合フラグメントおよびペプチド、FasLまたはFas受容体の産生を最終的に低減または排除するRNAiのためのアンチセンスヌクレオチドおよび二本鎖RNA、可溶性Fas、可溶性FasL、デコイ受容体−3(DcR3)およびそのアナログ使用、マトリクスメタロプロテアーゼ(MMP)、血管作用腸内ペプチド(VIP)、下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド(PACAP)、ホルスコリン、ベナゼプリルおよびバルサルタンの併用、非ペプチド性コルチコトロピン放出ホルモン受容体1型(CRH−R1)特定の拮抗薬、ミモシン、欠損Fas−FasL複合体を生成するペプチド、血小板活性化因子(PAF)およびエンドセリン−1(ET−1)がある。これらの抗FasL因子は、FasL活性の直接的または間接的拮抗薬として作用し得る。
【0148】
特定の実施形態において、1つ以上のアポトーシス阻害薬は、腫瘍ネクローシス因子(TNF)を標的とし得る。TNFを標的とする例示的なアポトーシス阻害薬を挙げると、例えば、組み換えTNF−α、アダリムマブ(市販元:Abbott)、インフリキシマブ(市販元:Centocor Ortho Biotech Inc.)、エタネルセプト(Amgen)、CDP571(市販元:Celltech)、およびISIS104838(TNF−アルファに対する2′−O−メトキシエチルアンチセンス構造)(市販元:ISIS Pharmaceuticals)がある。TNFを標的とするアポトーシス阻害薬のうち1つ以上を、1つ以上のネクロスタチン(例えば、ネクロステイン−1および/またはネクロスタチン−4)と組み合わせて用いることができる。
【0149】
特定の実施形態において、1つ以上のアポトーシス阻害薬は、スルビビンを標的とし得る。スルビビンを標的とする例示的なアポトーシス阻害薬を挙げると、例えば、LY2181308(市販元:ISIS Pharmaceuticals)およびAd−スルビビンT34Aがある。スルビビンを標的とするアポトーシス阻害薬のうち1つ以上を、1つ以上のネクロスタチン(例えば、ネクロステイン−1および/またはネクロスタチン−4)と組み合わせて用いることができることが企図される。
【0150】
特定の実施形態において、1つ以上のアポトーシス阻害薬は、Bcl−2タンパク質を標的とし得る。Bcl−2タンパク質を標的とする例示的なアポトーシス阻害薬を挙げると、例えば、Bcl−2ブロッカー(市販元:Idun PharmaceuticalsおよびAbbotLaboratories)、Gx01シリーズの化合物(市販元:Gemin X Pharmaceuticals)、Bcl−2小分子拮抗薬、Tetrocarcin−A誘導体(市販元:Kyowa Hakko KogyoCo.)、ケレリトリン、アンチマイシンA誘導体、HA14−1、Bcl−2のBH3に結合する合成化合物、ジェナセンス(市販元:Sanofi−Aventis)、ISIS22783(市販元:ISISPharmaceuticals)、二重特異性Bcl−2/Bcl−XLアンチセンス、Bax、Bak、BidまたはBadからのBH3ペプチド、SAHBおよびBH3Iがある。Bcl−2タンパク質を標的とするアポトーシス阻害薬のうち1つ以上は、1つ以上のネクロスタチン(例えば、ネクロステイン−1および/またはネクロスタチン−4)と組み合わせて用いることができることが企図される。
【0151】
特定の実施形態において、1つ以上のアポトーシス阻害薬は、p53を標的とし得る。p53を標的とする例示的なアポトーシス阻害薬を挙げると、例えば、INGN201(市販元:Invitrogen Therapeutics)、SCH58500(市販元:Schering−Plough、ONYX−015(市販元:Onyx pharmaceuticals)、C末端p53ペプチド、CDB3、アミホスチン、CP31398(市販元:Pfizer)、Prima−1、HPFE6−結合ペプチドアプタマー、ナトリン(市販元:Roche)、カルコン、小型ペプチド化合物およびピフィスリン−αがある。p53を標的とするアポトーシス阻害薬のうち1つ以上は、1つ以上のネクロスタチン(例えば、ネクロステイン−1および/またはネクロスタチン−4)と組み合わせて用いることができることが企図される。
【0152】
特定の実施形態において、1つ以上のネクロスタチン(例えば、ネクロスタチン−1および/またはネクロスタチン−4)を、汎カスパーゼ阻害薬と組み合わせて用いることができる。例えば、一実施形態において、ネクロステイン−1および/またはネクロスタチン−4を、ZVAD(市販元:R&DSystems(Cat.No.FMK001)およびPromega(Cat.No.G7231)と組み合わせて用いることができる。別の実施形態において、ネクロステイン−1および/またはネクロスタチン−4を、IDN−6556(市販元:Conatus Pharmaceuticals)と組み合わせて用いることができる。さらに別の実施形態において、ネクロステイン−1および/またはネクロスタチン−4を、IDN−6734(市販元:Conatus Pharmaceuticals)と組み合わせて用いることができる。
【0153】
特定の実施形態において、1つ以上のネクロスタチン(例えば、ネクロスタチン−1および/またはネクロスタチン−4)をTNF阻害薬と組み合わせて用いることができることが企図される。例えば、一実施形態において、ネクロステイン−1および/またはネクロスタチン−4を、アダリムマブ(市販元:Abbot Laboratories)と組み合わせて用いることができる。別の実施形態において、ネクロステイン−1および/またはネクロスタチン−4を、エタネルセプト(市販元:Amgen,Inc)と組み合わせて用いることができる。さらに別の実施形態において、ネクロステイン−1および/またはネクロスタチン−4を、インフィキシマブ(infiximab)(市販元:Centocor Ortho Biotech,Inc)と組み合わせて用いることができる。
【0154】
特定の実施形態において、1つ以上のネクロスタチン(例えば、ネクロスタチン−1および/またはネクロスタチン−4)をp53アゴニストと組み合わせて用いことができることが企図される。例えば、一実施形態において、ネクロステイン−1および/またはネクロスタチン−4を、INGN201(市販元:Invitrogen Therapeutics)と組み合わせて用いることができる。別の実施形態において、ネクロステイン−1および/またはネクロスタチン−4を、ナトリン(例えば、ナトリン−3(市販元:Cayman Chemical(Cat.No.10004372))と組み合わせて用いることができる。別の実施形態において、ネクロステイン−1および/またはネクロスタチン−4を、CP31398(市販元:Tocris Bioscience(Cat.No.3023)と組み合わせて用いることができる。
【0155】
特定の実施形態において、1つ以上のネクロスタチン(例えば、ネクロスタチン−1および/またはネクロスタチン−4)を抗FasL因子と組み合わせて用いることができることが企図される。例えば、一実施形態において、ネクロステイン−1および/またはネクロスタチン−4を抗FasL中和抗体(市販元:Pharmingen(San Diego、CA)と組み合わせて用いることができる。
【0156】
理論に縛られること無く、
図1に示すように、選択された特定のアポトーシス阻害薬に応じて、アポトーシス阻害薬がアポトーシスおよびネクローシス性経路双方を調節することができ、選択された特定のネクローシス阻害薬に応じて、ネクローシス阻害薬がネクローシス性およびアポトーシス経路双方を調節することができる。例えば、RIP−1阻害薬は、ネクローシス性およびアポトーシス細胞死双方を抑制することができ、よって、本明細書中に記載のCNS疾患対象者中においてCNSニューロンの生存能の保持および軸索再生の促進をしうる。
【0157】
本明細書中において記載のように、開示の方法は、CNSニューロンの軸索再生を促進する。さらに、開示の方法は、ニューロン生存能の保持および/またはCNSニューロンの損傷後の神経機能の促進を可能にする。当該分野において確立されている機能試験(例えば、磁気共鳴映像法(MRI)ならびに対象者の認識機能、運動機能および知覚機能の評価を伴う試験)により、軸索再生および神経機能の評価を監視することができる。
【0158】
例えば、フランケル分類システム、American Spinal Injury Association(ASIA)分類システム、Yale分類システム、運動インデックススケール、改訂バーセル指数、Basso、Beattie and Bresnahan(BBB)スケールなどに従った向上により、脊髄損傷の罹患患者中における軸索再生を測定することができる。運動スキルおよび知覚スキル、1つ以上の頭蓋神経の機能、聴覚および言語能力、視覚、協調およびバランス、精神状態、および気分および挙動の変化などの能力を評価する神経学的診察により、ニューロン損傷からの回復を監視することもできる。例えば、アイテム(例えば、音叉、閃光、反射ハンマー、検眼鏡、および針)を用いて、運動機能および知覚機能を評価することができる。別の例において、誘発電位(誘発反応とも呼ばれる)を用いて、(知覚機能の評価として機能する)治癒、接触または視覚によって生成される脳への電気信号を測定することができる。さらなる例において、神経コンピューター断層撮影、(神経CT走査とも知られる)を行って、脳損傷からの回復を監視することができる。
【0159】
別の例において、脳卒中患者中の軸索再生をNIH脳卒中スケール(NIHSS)によって測定することができる。NIHSSは、標準的な神経学的診察であり、脳機能のうちいくつかの局面(例えば、意識、視覚、感覚、動作、言語能力および言葉)を測定し、脳卒中患者中にみられる神経障害を記述することを意図する。他の機能試験は、例えば、(セルフケアおよび運動性を測定する)バーセルインデックス(BI)に基づき得る。BIは、自力での排泄、食事、ベッドから椅子への移動、移動、入浴などのタスクを行う対象者の能力を評価する。機能試験は、改訂ランキンスケール(mRS)も含み得る。改訂ランキンスケール(mRS)は、脳卒中患者の日常生活の障害または依存度の程度の測定に一般的に用いられる。
【0160】
任意の適切な投与経路を用いることができる。例えば、ネクローシス阻害薬およびアポトーシス阻害薬は、損傷部位に直接投与してもよいし、あるいは、(例えば、経口経路または非経口経路によって)全身的に投与してもよい。非経口経路を挙げると、例えば、静脈内、動脈内、頭蓋内、眼窩内、眼、脳室内、髄腔内(例えば、脳脊髄液中)、嚢内、筋肉内、皮内、皮下、経鼻および腹腔内経路がある。投与を局所的に行うことにより、全身投与時に発生し得る副作用(例えば、全身毒性)の発生可能性を低減または排除することができることが企図される。
【0161】
ネクローシス阻害薬およびアポトーシス阻害薬は、対象者に同時にまたは連続的に投与することができる。ネクローシス阻害薬およびアポトーシス阻害薬を同時に投与する場合、両者を同じ薬学的に受容可能なキャリア中に入れて投与することができ、あるいは、これら2つの薬剤を別個の医薬担体中に溶解または分散させた後に同時に投与してもよいことが理解される。あるいは、これらの薬剤を別個の剤形で提供し、連続的に投与してもよい。例えば、いくつかの実施形態において、ネクロスタチンを投与した後、汎カスパーゼ阻害薬を投与することができる。他の例において、汎カスパーゼ阻害薬を投与した後、ネクロスタチンが投与され得る。加えて、いくつかの実施形態において、単一の活性薬剤により、ネクローシスおよびアポトーシス双方を抑制することができる。
【0162】
投与は、定期的ボーラス投与(例えば、静脈内)として行ってもよいし、あるいは、内部容器または外部容器(例えば、静脈内バッグ)からの連続点滴として行ってもよい。ネクローシス阻害薬および/またはアポトーシス阻害薬は、例えば懸下された薬剤放出送達装置からの連続的放出により、局所的に投与され得る。
【0163】
ネクローシス阻害薬および/またはアポトーシス阻害薬は、薬学的に受容可能なキャリア中に可溶化され得る。1つまたは双方の阻害薬を薬学的に受容可能なキャリアまたは賦形剤中に入れて投与してもよく、これにより、受容者の電解液および/または体積バランスへの投与による悪影響が無くなる。キャリアは、例えば、生理食塩水または他の緩衝系を含み得る。例示的実施形態において、ネクロスタチン、汎カスパーゼ阻害薬あるいはネクロスタチンおよび汎カスパーゼ阻害薬双方をPBS中に可溶化するかまたは超音波処理により別の水性緩衝液中に可溶化することができる。あるいは、従来の溶媒または可溶化システム(例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメトキシエタン(DME)、ジメチルホルムアミド(DMF)、シクロデキストラン、ミセル、リポソーム、リポソーム剤、ならびに疎水性薬剤の可溶化および投与を支持する当該分野において公知の他の溶媒を用いて、一方または双方の薬剤を可溶化することもできる。
【0164】
他の実施形態において、ネクローシス阻害薬および/またはアポトーシス阻害薬をリポソームまたはミクロスフェア中において可溶化することができる。リポソームおよび/またはミクロスフェア中における薬剤または薬剤の組み合わせの送達方法は、当該分野において周知である。
【0165】
加えて、一方または双方の阻害薬の長期間の放出が可能となるように、ネクローシス阻害薬および/またはアポトーシス阻害薬を製剤することができる。放出製剤は、生分解性材料または包含活性薬剤を放出する材料のマトリックスを含み得る。活性薬剤は、放出製剤中において均質的にまたは不均一に分散され得る。本発明の実行において、多様な放出製剤が有用であり得るが、適切なシステムの選択は、特定の投薬計画において必要な放出速度によって異なる。非分解性放出製剤および分解性放出製剤双方を用いることができる。適切な放出製剤を挙げると、ポリマーおよびポリマーマトリクス、非ポリマーマトリクス、または無機および有機賦形剤および希釈剤(例を非限定的に挙げると、炭酸カルシウムおよび糖類(例えば、トレハロース)がある。放出製剤は、天然のものであってもよいし、あるいは合成のものであってもよい。しかし、特定の状況下において、合成放出製剤が好適である。なぜならば、合成放出製剤は一般的には、より信頼性が高く、より再現可能性が高く、かつ放出プロファイルを良好に規定できるからである。材料の拡散または分解を通じて異なる分子量を有する阻害薬を放出できるように、放出製剤材料を選択することができる。
【0166】
代表的な合成生分解性ポリマーを挙げると、例えば、ポリアミド(例えば、ポリ(アミノ酸)およびポリ(ペプチド)、ポリエステル(例えば、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(乳−co−グリコール酸)、およびポリ(カプロラクトン)。ポリ(無水物)、ポリオルトエステル;ポリ炭酸塩、およびその化学誘導体(置換、化学基の付加(例えば、アルキル、アルキレン、水酸化、酸化)、および当業者によって通常行われる他の修飾)、コポリマーおよびその混合物がる。代表的な合成非分解性ポリマーを挙げると、例えば、ポリエーテル(例えば、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(エチレングリコール)、およびポリ(テトラメチレン酸化物)、ビニルポリマー−ポリアクリル酸およびポリメタクリル酸(例えば、メチル、エチル、他のアルキル、ヒドロキシエチルメタクリル酸、アクリル酸およびメタクリル酸、および他の(例えば、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、およびポリ(ビニルアセテート);ポリ(ウレタン)、セルロースおよびその誘導体(例えば、アルキル、ヒドロキシアルキル、エーテル、エステル、ニトロセルロース、および多様なセルロースアセテート)、ポリシロキサン、およびその任意の化学誘導体(置換、化学基(例えば、アルキル、アルキレン)の付加、水酸化、酸化、および当業者によって一般的に行われる他の修飾)、コポリマーおよびその混合物がある。
【0167】
処置は、所望なだけ長期または短期で行うことができる。例えば、例えば1日あたり1回〜4回以上、1週間あたり1回〜4回以上、1ヶ月あたり1回〜4回以上の計画で、処置を投与することができる。適切な処置期間としては、例えば、少なくとも1日、少なくとも約1週間、少なくとも約2週間、少なくとも約1ヶ月、少なくとも約6ヶ月、少なくとも約1年または無期限がある。
【0168】
本記載全体において、組成物が特定の成分を有するかまたは含むものとして記載される場合あるいはプロセスが特定のプロセス工程を有するかまたは含むものとして記載される場合、本発明の組成物は、記載の成分から本質的になるか、または記載の成分からなり、また、本発明のプロセスは、記載の処理工程から本質的になるか、または記載の処理工程からなることが企図される。さらに、工程の順序または特定の行為を行う順序は、本発明が動作可能である限り重要ではないことが理解される。さらに、2つ以上の工程または行為を同時に行ってもよい。
【実施例】
【0169】
本発明について、以下の実施例によってさらに説明する。以下の実施例は、ひとえに例示目的のために示すものであり、本発明の範囲または内容をいかようにも限定するものとして解釈されるべきではない。
【0170】
本明細書中に記載の例において、全ての動物実験は、Association for Research in Vision and Ophthalmology statement for the Use of Animals Ophthalmic and Vision Researchに基づいて行い、手順については、Animal Care Committee of the Massachusetts Eye and Ear Infirmaryによる承認を得た。野生型C57BL/6マウスを、Charles River Laboratories(Wilmington、MA)から購入した。マウスに標準的な研究用エサを給餌し、空調の効いた室内において、12時間の明るい環境/12時間の暗い環境のサイクルにおいて、水へ自由にアクセスできるようにした。他に明記しない限り、これらの動物を塩酸ケタミン(30mg/kg;Ketalar、Parke−Davis、Morris Plains、NJ)および塩酸キシラジン(5mg/kg;ロムパン、Harver−Lockhart、Morris Plains、NJ)で麻酔した後、全ての実験的操作を行った。
【0171】
以下の試薬を用いた:ZVAD(Alexis、Plymouth MeetingPA)、IDN−6556(TetraLogics Pharmaceuticalsによるご支給)、および式I−CのNec−1化合物(Dr.J.Yuan(Harvard Medical School(Boston、MA))から供与)。
【0172】
硝子体内注射を、以下のように行った。概要を述べると、33ゲージ針(Hamilton、Reno、NV)の先端を、強膜を通じて硝子体内空間中に注意深く挿入して、眼圧を低下させた。その後、針を引き抜き、化合物をロードし、強膜を通じて接線方向に硝子体内空間中に再度挿入して、セルフシーリング型の創傷トンネルを生じさせた。注射後、脈絡膜の出血が無いことを確認した。損傷後の一定時期において、ナトリウムペントバルビタールの過剰投与によりマウスを屠殺し、眼球除去した。
【0173】
ApopTag Fluorescein In Situ Apotosis Detection Kit(S7110;Chemicon International、Temecula、CA)を用いることにより、TUNELおよびTUNEL(+)細胞の定量化を上記したように行った(Nakazawaら、2007)。
【0174】
開示の全ての値を、平均±SDとして表した。2つの群間の統計的有意差の分析を、Mann−WhitneyU試験により行った。複数群の比較をANOVAによって行った後、テューキークレーマー調節を行った。P<0.05の場合に、差が有意であるとみなした。
【0175】
実施例1:RGC生存および軸索再生の促進におけるネクローシス阻害薬および汎カスパーゼ阻害薬の有効性
成熟した中枢神経系内のほとんどの経路と同様に、視神経も、損傷を受けた後に再生することは不可能であるため、外傷性神経損傷または変性疾患(例えば、生涯の失明を伴う緑内障)の原因となる。網膜神経節細胞(RGC)の内因性成長状態を向上させることにより、この状況を少なくとも部分的に覆すことができる。この例において、視神経挫滅のマウスモデルを用いて、RGC生存および軸索再生の促進におけるネクローシス阻害薬および汎カスパーゼ阻害薬の有効性について調査する。
【0176】
A.ネクローシス阻害薬およびカスパーゼ阻害薬の併用による、視神経挫滅モデル中のRGC生存の促進
マウスに対し、視神経挫滅手術を行った。詳細には、ケタミン(60〜80mg/kg:Phoenix Pharmaceuticals,St.Joseph,MO)およびキシラジン(10〜15mg/kg:Bayer、Shawnee Mission、KA)の腹腔内注射により、動物を麻酔した。その後、動物を定位装置内に配置し、右眼窩上方の皮膚に1〜1.5cmの切開を行った。顕微鏡照明下、涙腺および外眼筋を切除して、視神経を3〜4mmだけ露出させた。長軸に沿って神経上膜を切開し、角度付きジュウェラー鑷子(Dumont#5)によって眼の下側の神経を2mmだけ10秒間挫滅させて、眼動脈の損傷を回避した。網膜の血管完全性を眼底検査によって評価しつつ、挫滅部位の欠損を視認することにより、神経損傷を確認した。網膜の血管完全性に疑問がある例は、調査対象から外した。
【0177】
外科手術後、マウスを処置のために4つの群に分けた:賦形剤群、ZVAD群(300μM;損傷後0日目、3日目および7日目)、Nec−1群(4mM;損傷後0日目、3日目および7日目)、およびZVAD+Nec−1群(それぞれ300μMおよび4mMを損傷後0日目、3日目および7日目)。損傷直後に、各群に対し、硝子体内注射(3μl)を各化合物と共に付加した。対照群として、1つのマウス群に対しザイモサン(12.5μg/μl)を注射し、軸索再生を刺激することが知られているイースト細胞壁の調製を行った。
【0178】
注射後14日経過後、抗Brn3a抗体を染色することにより、RGC数を測定した。詳細には、眼球除去を行い、マウス網膜の組織切片からRGC消失を定量化した。カメラ(NikonE800)を用いて、事前指定領域の画像を8個、2mmだけ視神経から蛍光灯照明下において取得(2点/切片x4切片/各眼、n=8)した。NIH ImageJソフトウェアを用いて、Brn3a陽性細胞をカウントした。
【0179】
図2から分かるように、ZVADおよびNec−1の組み合わせは、RGCデスを大幅に回避し、ザイモサン単独(p<0.05)による処置の場合と比較して、視神経挫滅損傷後のRGC生存を促進した。ZVADおよびNec−1の併用処置のRGC生存への効果は、0日目(p<0.05)において単一処置を行った場合と比較して、損傷後0日目、3日目および7日目の処置においてより顕著であった。
【0180】
B.ネクローシス阻害薬とカスパーゼ阻害薬の併用による軸索再生の促進
ネクローシス阻害薬および汎カスパーゼ阻害薬の軸索再生促進における有効性を調査するため、8週齢のマウスに対し、上記したような視神経挫滅外科手術を行った。その後、損傷マウスを4つの処置群に分けた:賦形剤群、ZVAD群(300μM;損傷後0日目、3日目および7日目において付与)、Nec−1群(4mM;損傷後0日目、3日目および7日目において付与)、ZVAD+Nec−1群(300μMおよび4mMそれぞれを0日目に1回付与)、およびZVAD+Nec−1群(300μMおよび4mMそれぞれを損傷後0日目、3日目および7日目に付与)。
【0181】
視神経の長手方向断面を入手し、損傷部位から事前指定距離における軸索数をカウントすることにより、軸索再生を評価した。詳細には、視神経損傷後14日が経過したマウスを屠殺し、生理食塩水および4%パラホルムアルデヒド(PFA)で灌流した。視神経および眼を解体し、PFA中に後固定した。神経に10%スクロースおよび30%スクロースをこの順で含浸させ、OCTTissue Tek Medium(Sakura Finetek)中に埋設し、凍結させ、長手方向面において14μmだけ切断し、コーティングされたスライド上にマウントした。βIIIチューブリンに対するヒツジ抗体の染色の後に蛍光標識二次抗体を染色することにより、軸索の再生を視認化した。損傷部位から事前指定距離において、症例毎に少なくとも8個の長手方向断面中の軸索を手動カウントした。多様な距離における軸索再生数を、上記したように決定した(Leonら、(2000)J Neurosci20:4615−4626)。生存細胞数を決定するために、抗Brn3a抗体による染色を用いた。
【0182】
図3A〜
図3Eは、視神経挫滅損傷後の視神経の長手方向断面を示す。これらの切片を、(軸索繊維をマークする)βIIIチューブリンに対する抗体によって染色する。各写真において、矢印は、視神経損傷部位を示し、損傷部位を超えて左から右へ開始する染色は、軸索再生(例えば、損傷部位から神経中への軸索再生)を示す。賦形剤対照群によって処置されたマウスにおいては、軸索染色が無いことから分かるように、顕著な軸索再生はみられなかった(
図3A)。Nec−1またはZVADを単独で用いた処置の場合、軸索再生に対する効果は最小であった(
図3Bおよび
図3C)。これとは対照的に、ZVAD+Nec−1の併用処置の場合、軸索染色の向上(
図3Dおよび
図3E;各図下の水平基準線によって示される領域を参照)から分かるように、軸索伸長が顕著に向上した。さらに、
図3Dおよび
図3Eに示すように、ZVADおよびNec−1の併用処置の軸索再生に対する効果は、処置を損傷後0日目、3日目および7日目に行った場合と、0日目に単一処置を行った場合とを比較したときにより顕著であった。これらの結果から分かるように、ZVADおよびNec−1の併用処置を用いれば、視神経損傷後のRGC消失が向上するだけでなく、損傷後の軸索再生が促進される。
【0183】
実施例2:運動ニューロン再生のラットモデルにおける、ネクローシス阻害薬および汎カスパーゼ阻害薬の有効性
運動軸索再生の特異性は、ラット大腿神経中において調査することができる。近位方向において、神経切断および縫合部分において、皮枝および筋枝双方に貢献する軸索は、神経全体において混ざっている。これらの軸索の再生時において、軸索は、遠位神経断端内の近隣の運動および知覚シュワン細胞管へ等しくアクセスを有する。その結果、軸索レベルにおける要素の「選択」が確実になる。遠位方向において、再生の特異性を評価する際、軸索を終末皮枝および筋枝に分離する。運動軸索は通常は筋枝内にみられるため、皮枝の任意の運動神経再支配は、経路探索の失敗を示す。西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)を1つの遠位大腿分岐へ付加しかつフルオロゴールド(FG)を他方へ同時に付加することにより、軸索再生の特異性を評価した。運動軸索再生は3週目においてランダムであるが、その後、筋肉への正確な投射数は、劇的に増加する。多数のニューロンが初期において双方のトレーサーを含むため、側枝が皮枝および筋枝双方へ投射する。これらの二重標識ニューロンの数は、経時的に低下する。そのため、運動軸索側枝は皮枝から除去され、その結果、二重標識ニューロンが犠牲となる結果、筋肉への正しい投射数が増加する。このようにして、特定の相互作用が、運動軸索の再生と、筋肉および/または筋肉神経との間において発生する。
【0184】
ネクローシス阻害薬および汎カスパーゼ阻害薬の運動軸索再生の向上における有効性を評価するために、ラットを以下の4つの処置群に分けた:賦形剤群、ZVAD群、Nec−1群、およびZVAD+Nec−1群。Alzet浸透圧ポンプを用いて、これらの薬剤を修復部位上に少なくとも2週間ポンピングした。ポンプ出口を神経修復に隣接する筋肉へ縫合し、神経創傷部がネクローシス阻害薬およびアポトーシス阻害薬で連続的に浸漬されるようにした。遠位大腿皮枝および筋枝の神経再支配は、上記したようなトレーサーによって定量化することができる。
【0185】
3週間後、筋肉へ正確に投射しかつ皮膚へ不正確に投射している運動ニューロン数を評価することにより、運動再生を評価した。ZVAD+Nec−1によって処置されたマウスの場合、対照群と比較して、正確な投射の平均数が増加し、皮膚への不正確な投射の平均数が低減していることが企図される。
【0186】
実施例3:椎骨が損傷したラットモデルにおける、ネクローシス阻害薬および汎カスパーゼ阻害薬の有効性
2ヶ月齢のSprague−Dawleyラット(200〜220g)を用いた。外科手術を行う14日前から、動物に対し、運動機能測定のためのBasso、BeattieおよびBresnahan(BBB)試験およびグリッド歩行試験に備えた歩行訓練を施した。外科手術の3日前、これらの動物に対し、挙動および動作機能について基本的評価をおこなった。
【0187】
25mg/mlのケタミンおよび1.3mg/mlのロムパンの2kg/mlの混合物でラットを麻酔し、L2腹側椎弓切除を行った。感染症を回避するため、これらの動物に対し、抗生セファレキシン(5mg/100g体重/日)を筋肉注射した。各ラットの第2の腰椎を開口し、超小型骨鉗子を用いて左弓椎骨の外部内に小型の穴(1mm
2)を穿孔することにより、脊髄損傷を生じさせた。刃ホルダの刃を穴に挿入し、硬膜を介して右弓椎骨の外部を切開し、これにより、脊柱の腹部に外傷性損傷を生じさせた。損傷を受けた脊髄神経部の背部筋を外科用クリップによって縫合および連結した。外科手術後、対照群の自律膀胱が完全に回復するまで、ラットを体温維持のために高温のおがくず上に配置し、腹部領域の下側部分に対する毎日の3〜4回マッサージを7日間行って、膀胱内容物を排出させた。
【0188】
損傷後、ラットを以下の4つの処置群に分けた:賦形剤群、ZVAD群(損傷後0日目、3日目および7日目に付与)、Nec−1群(損傷後0日目、3日目および7日目において付与)、およびZVAD+Nec−1群(損傷後0日目、3日目および7日目において付与)。
【0189】
外科手術後30日経過後、ラットに対し、オープンフィールドにおける歩行能力機能および運動機能を測定する機能試験(例えば、BBB試験またはグリッド歩行試験)を施した。ラットに対し、当該分野において公知の試験(例えば、フットプリント分析、電気生理学的分析、および組織学的分析)をさらに行って、運動機能の回復をさらに評価した。賦形剤あるいはZVADまたはNec−1のみで処置したラットと比較した場合、ZVAD+Nec−1で処置したラットの方が、運動機能の大幅な向上がみられることが企図される。
【0190】
参考文献の援用
本明細書中に引用される特許文書および科学文献それぞれの開示内容全体を、あらゆる目的のために参考のために援用する。
【0191】
均等物
本発明は、その本質的な特性から逸脱することなく、他の特定の形態で具現化することができる。その上記の実施形態は、本明細書中に記載の本発明を限定するものとしてではなく、例示的なものとしてみなされるべきである。本発明の範囲は、上記の記載ではなく添付の特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲の意味および均等範囲内に収まる全ての変更は、その中に包含されるものである。
【0192】
さらに、本願発明は次の態様を含む。
1. CNSニューロン内の軸索再生を促進する方法であって、
前記CNSニューロンを有効な量のネクローシス阻害薬および有効な量のアポトーシス阻害薬へ露出させることにより、前記軸索の再生を促進させることを含む、方法。
2. 前記ニューロンがex vivoである、項1記載の方法。
3. 前記ニューロンがin vivoである、項1記載の方法。
4. 中枢神経系(CNS)ニューロンへの損傷後にニューロン機能を促進する方法であって、
必要とする対象者に対し、有効な量のネクローシス阻害薬および有効な量のアポトーシス阻害薬を投与して、CNSニューロン機能を促進させることを含む、方法。
5. CNSニューロンの生存能を保持する方法であって、前記方法は、
必要とする対象者に対し、有効な量のネクローシス阻害薬および有効な量のアポトーシス阻害薬を投与することにより、前記CNSニューロンの生存能を保持すること
を含む、方法。
6. 前記ネクローシス阻害薬および前記アポトーシス阻害薬による処置の後、前記CNSニューロンが軸索再生を支持することができる、項4または5記載の方法。
7. 必要としている対象者におけるCNS疾患を処置する方法であって、前記CNS疾患の症状は、CNSニューロン内の軸索変性であり、
前記対象者に対し、有効な量のネクローシス阻害薬および有効な量のアポトーシス阻害薬を投与することにより、前記CNS疾患による影響を受けたCNSニューロン中の軸索再生を促進させること
を含む、方法。
8. ネクローシス阻害薬およびアポトーシス阻害薬の投与後、前記対象者におけるニューロン機能を測定することをさらに含む、項5または7記載の方法。
9. 前記ニューロン機能が、前記ニューロン内の軸索再生を示す、項8記載の方法。
10. 前記ネクローシス阻害薬および前記アポトーシス阻害薬の投与後、前記CNSニューロンのニューロン機能が、前記ネクローシス阻害薬および前記アポトーシス阻害薬の投与前の前記ニューロン機能と比較して、保持されるかまたは向上する、項5、7または8のいずれか1つに記載の方法。
11. 前記CNSニューロンが、知覚ニューロン、運動ニューロン、皮質ニューロン、錘体ニューロン、小脳ニューロン、海馬ニューロンおよび中脳神経ニューロンからなる群から選択される、項1〜10のいずれか1つに記載の方法。
12. CNSニューロンの損傷後のニューロン機能を促進する方法であって、
前記CNSニューロン中のRIP−1キナーゼおよび/またはRIP−3キナーゼの産生および/または活性を低減することにより、CNSニューロン機能を促進すること
を含む、方法。
13. 前記RIP−1キナーゼおよび/または前記RIP−3キナーゼの前記産生および/または活性の低減が、有効な量のRIPキナーゼ阻害薬の投与によって達成される、項12記載の方法。
14. 前記RIPキナーゼ阻害薬による処置後、前記CNSニューロンは、軸索再生を支持することができる、項13の方法。
15. CNSニューロン内の軸索再生を促進する方法であって、前記方法は、
前記CNSニューロン中のRIP−1キナーゼおよび/またはRIP−3キナーゼの産生および/または活性を低減することにより、CNSニューロン内の軸索再生を促進させること
を含む、方法。
16. 前記RIP−1キナーゼおよび/または前記RIP−3キナーゼの産生および/または活性の低減が、有効な量のRIPキナーゼ阻害薬の投与によって達成される、項15記載の方法。
17. 前記ネクローシス阻害薬がネクロスタチンである、項1〜11のうちいずれか1つに記載の方法。
18. 前記RIPキナーゼ阻害薬がネクロスタチンである、項14または16記載の方法。
19. 前記ネクロスタチンが、ネクロスタチン−1、ネクロスタチン−2、ネクロスタチン−3、ネクロスタチン−4、ネクロスタチン−5およびネクロスタチン−7またはこれらの組み合わせからなる群から選択される、項17または18記載の方法。
20. 約0.05mg〜約2mgのネクロスタチンが投与される、項17〜19のいずれか1つに記載の方法。
21. 前記アポトーシス阻害薬が汎カスパーゼ阻害薬である、項1〜11のいずれか1つに記載の方法。
22. 前記汎カスパーゼ阻害薬が、zVAD、IDN−6556またはこれらの組み合わせである、項21記載の方法。
23. 約0.15mg〜約1.5mgの前記汎カスパーゼ阻害薬が投与される、項21または22記載の方法。
24. 前記ネクロスタチン、前記アポトーシス阻害薬、または前記ネクロスタチンおよび前記アポトーシス阻害薬の両方が局所的に投与される、項17〜23のいずれか1つに記載の方法。
25. 前記ネクロスタチン、前記アポトーシス阻害薬または前記ネクロスタチンおよび前記アポトーシス阻害薬の両方が全身に投与される、項17〜23のいずれか1つに記載の方法。
26. 前記ネクロスタチン、前記アポトーシス阻害薬、または前記ネクロスタチンおよび前記アポトーシス阻害薬の両方が連続的にまたは同時に投与される、項17〜25のいずれか1つに記載の方法。
27. 前記ネクロスタチンは、式I:
【化67】
[式中、
XはOまたはSであり、
R
1は、水素、C
1−C
6アルキル、C
1−C
6アルコキシルまたはハロゲンであり、
R
2は、水素またはC
1−C
6アルキルである。]
の化合物であるか、またはその薬学的に受容可能な塩、エステル、またはプロドラッグである、
項17〜26のいずれか1つに記載の方法。
28. 前記ネクロスタチンは、式I−A:
【化68】
[式中、
R
1は、H、アルキル、アルコキシルまたはハロゲンであり、
R
2は、Hまたはアルキルである。]
の化合物であるか、またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグである、
項17〜26のいずれか1つに記載の方法。
29. 前記ネクロスタチンは、式I−B:
【化69】
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグ、式I−C:
【化70】
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグ、および式I−D:
【化71】
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩からなる群から選択される化合物である、項17〜26のいずれか1つに記載の方法。
30. 前記ネクロスタチンが、式I−E:
【化72】
[式中、
R
1は、H、アルキル、アルコキシルまたはハロゲンであり、
R
2は、Hまたはアルキルである。]
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグである、
項17〜26のいずれか1つに記載の方法。
31. 前記ネクロスタチンが、式II:
【化73】
[式中、
Xは、−CH
2−、−C(H)(R
14)−、−C(=S)−、−C(=NH)−または−C(O)−であり、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9およびR
10はそれぞれ、水素、アシル、アセチル、アルキル、ハロゲン、アミノ、C
1−C
6アルコキシル、ニトロ、−C(O)R
12、−C(S)R
12、−C(O)OR
12、−C(O)NR
12R
13、−C(S)NR
12R
13、またはS(O
2)R
12を独立的に示し、
R
11は、水素、アシル、アセチル、アルキルまたはアシルアミノであり、
R
12およびR
13はそれぞれ、水素、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたアラルキルまたは随意に置換されたヘテロアラルキルを独立的に示し、
R
14は、アシル、アセチル、アルキル、ハロゲン、アミノ、アシルアミノ、ニトロ、−SR
11、−N(R
11)
2または−OR
11であり、
(a)によって示される結合は、一重結合または二重結合であり得、
(b)によって示される結合は、一重結合または二重結合であり得る。]
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグである、
項17〜26のいずれか1つに記載の方法。
32. 前記ネクロスタチンが、式II−A:
【化74】
[式中、
R
1、R
2、R
5、R
6、R
7およびR
10はそれぞれ、水素、アルキル、ハロゲン、アミノまたはメトキシルを独立的に示し;
R
3、R
4、R
8およびR
9はC
1−C
6アルコキシルである。]
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩である、
項17〜26のいずれか1つに記載の方法。
33. 前記ネクロスタチンが、式III:
【化75】
[式中、
Zは、−CH
2−、−CH
2CH
2−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O
2)−または−N(R
7)−であり、
R
1、R
3およびR
5はそれぞれ、各場合について、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、C
1−C
6アルキル、C
1−C
6アルコキシ、C
1−C
6アルコキシ−C
1−C
6アルキル、C
1−C
6アルカノイル、C
1−C
6アルキルスルフィニル、C
1−C
6アルキルスルフィニル−C
1−C
6アルキル、C
1−C
6アルキルスルホニル、C
1−C
6アルキルスルホニル−C
1−C
6アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアラルキルを独立的に示し、
R
2およびR
4はC
1−C
6アルコキシであり、
R
6は、−C(O)R
8、−C(S)R
8、−C(O)OR
8、−C(O)NR
8R
9、−C(S)NR
8R
9、−C(NH)R
8または−S(O
2)R
8であり、
R
7は、アルキル、アラルキルまたはヘテロアラルキルであり、
R
8およびR
9はそれぞれ、水素、C
1−C
6アルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはヘテロアラルキルを独立的に示し、
nは、各場合について、0、1または2を独立的に示す。]
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグである、
項17〜26のいずれか1つに記載の方法。
34. 前記ネクロスタチンが、式IV:
【化76】
[式中、
R
1は
【化77】
であり、
R
2およびR
3はそれぞれ、各場合について水素またはメチルを独立的に示し、
R
4は、各場合について、ハロゲン、水素、C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニルまたはC
2−C
4アルキニルを独立的に示し、
R
5はC
1−C
4アルキルであり、
R
6は、水素、ハロゲンまたは−CNであり、
R
7は、水素またはC
1−C
4アルキルであり、
R
8は、C
1−C
6アルキルであるかまたは存在する場合R
9と一緒になって炭素環を形成し、
R
9は、水素またはC
1−C
6アルキルであるか、またはR
8と一緒になって炭素環を形成し、
R
10は、水素またはC
1−C
6アルキルであり、
Aは、フェニレンまたは5−6員ヘテロアリーレンであり、
XはNまたは−C(R
9)−であり、
YはNまたは−C(R
10)−であり、
ZはSまたはOであり、
mおよびnはそれぞれ、1、2または3を独立的に示す。]
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグである、項17〜26のうちいずれか1つに記載の方法。
35. 前記ネクロスタチンが、式V:
【化78】
[式中、
Aは、飽和5−6員炭素環または不飽和5−6員炭素環であり、
Xは、結合またはC
1−C
4アルキレンであり、
R
1は、C
1−C
6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−C
6アルコキシル、−N(R
4)
2、−C(O)R
4、CO
2R
4またはC(O)N(R
4)
2であり、
R
2は、
【化79】
であり、
R
3は、−C
1−C
6アルキレン−CN、CN、C
1−C
6アルキルまたはC
2−C
6アルケニルであり、
R
4は、各場合について水素、C
1−C
6アルキル、アリールまたはアラルキルを独立的に示し、
R
5は、各場合についてC
1−C
6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−C
6アルコキシル、−N(R
4)
2、−C(O)R
4、CO
2R
4またはC(O)N(R
4)
2を独立的に示し、
Bは、5−6員ヘテロ環状または炭素環であり、
nおよびpはそれぞれ、0、1または2を独立的に示す。]
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグである、
項17〜26のいずれか1つに記載の方法。
36. 前記ネクロスタチンが、式V−A:
【化80】
[式中、
R
1は、C
1−C
6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−C
6アルコキシルまたは−N(R
4)
2であり、
R
2は
【化81】
であり、
R
3は−C
1−C
6アルキレン−CNであり、
R
4は、各場合について、水素、C
1−C
6アルキル、アリールまたはアラルキルを独立的に示し、
R
5は、各場合について、C
1−C
6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1−C
6アルコキシル、−N(R
4)
2、−C(O)R
4、CO
2R
4またはC(O)N(R
4)
2を独立的に示し、
Bは、5−6員ヘテロ環状または炭素環であり、
nおよびpはそれぞれ、0、1または2を独立的に示す。]
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグである、
項17〜26のいずれか1つに記載の方法。
37. 前記ネクロスタチンが、式VII:
【化82】
[式中、
R
1、R
2およびR
3はそれぞれ、水素またはC
1−C
4アルキルを独立的に示し、
R
4は
【化83】
であり、
R
5およびR
6はそれぞれ、各場合について、ハロゲン、C
1−C
6アルキル、ヒドロキシル、C
1−C
6アルコキシル、−N(R
7)
2、−NO
2、−S−C
1−C
6アルキル、−S−アリール、−SO
2−C
1−C
6アルキル、−SO
2−アリール、−C(O)R
7、−CO
2R
7、−C(O)N(R
7)
2、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールを独立的に示し、
R
7は、各場合について、水素、C
1−C
6アルキル、アリール、またはアラルキルを独立的に示すか、あるいは、同じ窒素原子に結合したR
7が2つ存在する場合、結合している前記窒素原子と共に3−7員ヘテロ環状環を形成し、
Aは5−6員ヘテロ環状環であり、
Pは0、1または2である。]
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグである、
項17〜26のいずれか1つに記載の方法。
38. 前記ネクロスタチンが式VIII:
【化84】
[式中、
各X
1、X
2、X
3、X
4、X
5およびX
6は、NまたはCR
X1から独立的に選択され、
各Y
1、Y
2およびY
3は、O、S、NR
Y1またはCR
Y2R
Y3から独立的に選択され、
各Z
1およびZ
2は、O、SまたはNR
Zlから独立的に選択され、
各R
Y1およびR
Z1は、H、随意に置換されたC
1−6アルキル、随意に置換されたC
2−6アルケニル、随意に置換されたC
2−6アルキニル、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロアリール、−C(=O)R
5A、−C(=O)OR
5A、または−C(=O)NR
5AR
6Aから独立的に選択され、
各R
X1、R
Y2、およびR
Y3は、H、ハロゲン、CN、NC、NO
2、N
3、OR
3、SR
3、NR
3R
4、−C(=O)R
5A、−C(=O)OR
5A、−C(=O)NR
5AR
6A、−S(=O)R
5A、−S(=O)
2R
5A、−S(=O)
2OR
5A、−S(=O)
2NR
5AR
6A、随意に置換されたC
1−6アルキル、随意に置換されたC
2−6アルケニル、随意に置換されたC
2−6アルキニル、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたアリール、または随意に置換されたヘテロアリールから独立的に選択され、
各R
1、R
2、R
5A、R
5B、R
6A、およびR
6Bは、H、随意に置換されたC
1−6アルキル、随意に置換されたC
2−6アルケニル、随意に置換されたC
2−6アルキニル、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたアリール、または随意に置換されたヘテロアリールから独立的に選択され、あるいは、R
5AおよびR
6A、またはR
5BおよびR
6Bの組み合わせによってヘテロシクリルが形成され、
各R
3およびR
4は、H、随意に置換されたC
1−6アルキル、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロアリール、−C(=O)R
5B、−C(=S)R
5B、−C(=NR
6B)R
5B、−C(=O)OR
5B、−C(=O)NR
5BR
6B、−S(=O)R
5B、−S(=O)
2R
5B、−S(=O)
2OR
5B、または−S(=O)
2NR
5BR
6Bから選択される。]
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグである、
項17〜26のいずれか1つに記載の方法。
39. 前記ネクロスタチンが、式IX:
【化85】
[式中、
X
1およびX
2は、独立的にNまたはCR
4であり、
X
3は、O、S、NR
5、または−(CR
5)
2から選択され、
Yは、C(O)またはCH
2から選択され、
Zは(CR
6R
7)
nであり、
R
1は、H、ハロゲン、随意に置換されたC
1−6アルキル、または随意に置換されたC
1−6シクロアルキル、または随意に置換されたアリールから選択され、
R
2は、Hまたは随意に置換されたC
1−6アルキルから選択され、
R
3は、随意に置換されたアリールであり、
各R
4は、H、ハロゲン、カルボキシアミド、ニトロ、シアノ、随意に置換されたC
1−6アルキル、または随意に置換されたアリールから選択され、
R
5は、H、ハロゲン、随意に置換されたC
1−6アルキル、または随意に置換されたアリールから選択され、
各R
6およびR
7は、H、随意に置換されたC
1−6アルキル、またはアリールから独立的に選択され、
nは、0、1、2または3である。]
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグである、
項17〜26のいずれか1つに記載の方法。
40. CNSニューロンにおける軸索再生の促進のために用いられる組成物であって、薬学的に受容可能な担体、ネクローシス阻害薬およびアポトーシス阻害薬を含む、組成物。
41. 前記ネクローシス阻害薬がネクロスタチンであり、ネクロスタチン−1、ネクロスタチン−2、ネクロスタチン−3、ネクロスタチン−4、ネクロスタチン−5、およびネクロスタチン−7、またはこれらの組み合わせからなる群から選択される、項40記載の組成物。
42. 前記ネクロスタチンが、ネクロスタチン−1の(R)エナンチオマーである、項40または41記載の組成物。
43. 前記アポトーシス阻害薬が汎カスパーゼ阻害薬である、項40〜42のいずれか1つに記載の組成物。
44. 前記汎カスパーゼ阻害薬が、ZVAD、IDN−6556ならびにZVADおよびIDN−6556の組み合わせからなる群から選択される、項43に記載の組成物。