(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6861766
(24)【登録日】2021年4月1日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】通信ネットワークにおいて通信装置を動作する方法、通信装置、斯かる通信装置を備えた照明器具
(51)【国際特許分類】
H04W 88/06 20090101AFI20210412BHJP
H04W 84/20 20090101ALI20210412BHJP
【FI】
H04W88/06
H04W84/20
【請求項の数】12
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2019-133733(P2019-133733)
(22)【出願日】2019年7月19日
(62)【分割の表示】特願2016-522532(P2016-522532)の分割
【原出願日】2014年6月27日
(65)【公開番号】特開2020-10339(P2020-10339A)
(43)【公開日】2020年1月16日
【審査請求日】2019年8月16日
(31)【優先権主張番号】13175236.2
(32)【優先日】2013年7月5日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア モルチョン オスカル
【審査官】
三枝 保裕
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−177598(JP,A)
【文献】
特開2007−150509(JP,A)
【文献】
特表2013−524425(JP,A)
【文献】
特表2007−511058(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークにおいて通信するよう構成される送受信機を有する通信装置を動作する方法であって、
(a1)前記通信装置は、第1の通信モードにより、ロールプロファイルの組から選択される選択ロールプロファイルを得るステップであって、前記選択ロールプロファイルは、オペレーションフェーズの前記通信ネットワークにおける該通信装置のロールを規定する、ステップ、
を含む、構成フェーズ、並びに
(b1)前記通信装置は、前記選択ロールプロファイルに依存して前記第1の通信モードにより該通信装置の送受信機が通信できないようにするステップ、及び
(b2)前記通信装置は、第2の通信モードを用いて前記通信ネットワークにおいて通信するステップ、
を含む、オペレーションフェーズ、
を有する方法。
【請求項2】
前記ステップ(b1)は、前記選択ロールプロファイルが端末装置プロファイルである場合、前記送受信機が前記第1の通信モードで通信できないようにするステップを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ステップ(a1)は、前記通信装置がパラメータ値の組を決定するステップ、及び該通信装置の前記選択ロールプロファイルの選択のため該パラメータ値の組をネットワークコントローラに送信するステップを有する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記パラメータ値の組は、識別子、近隣通信装置の識別子、地理位置情報詳細、前記第1の通信モードのリンク品質及び前記第2の通信モードのリンク品質のうちの少なくとも一つを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記構成フェーズは、前記通信ネットワークが構成されるコミッショニングフェーズのため又は少なくとも無線ノードが再構成される更新フェーズのためトリガされる、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の通信モードは、前記第2の通信モードより長距離のものである、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の通信モードは、GPRS、UMTS、CDMA2000及びLTEの通信技術のうちの一つである、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の通信モードは、IEEE 802.15.4又は電力線通信に基づく、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記通信ネットワークは、照明ネットワークである、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
通信ネットワークにおいて通信するよう構成される送受信機を有する通信装置であって、前記送受信機は、構成フェーズにおいて、第1の通信モードにより、ロールプロファイルの組から選択される選択ロールプロファイルを得る、及びオペレーションフェーズにおいて、第2の通信モードを用いて前記通信ネットワークにおいて通信するよう構成され、当該通信装置は、オペレーションフェーズにおいて、前記通信ネットワークにおいて前記選択ロールプロファイルにしたがって作用する、及び該オペレーションフェーズにおいて、前記選択ロールプロファイルに依存して前記第1の通信モードにより前記送受信機が通信できないようにするプロセッサを有する、通信装置。
【請求項11】
請求項10に記載の通信装置を有する照明器具であって、当該照明器具の動作が、前記通信装置が受信するコマンドにより制御される、照明器具。
【請求項12】
請求項10に記載の少なくとも一つの通信装置及びネットワークコントローラを有する通信ネットワーク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置を動作する方法及び通信ネットワークに関する。
【0002】
本発明は、例えば、無線であってもよい、斯かる通信装置を備えた照明器具、並びに照明ネットワークにおける斯かる通信装置のコミッショニング及びオペレーティング方法に関連する。とりわけ、本発明は、屋外照明ネットワークに適用され得る。
【背景技術】
【0003】
通信ネットワーク、例えば、照明ネットワーク等のオートメーションのための無線ネットワークの開発が高まっていて、StarSense Wireless、StarSense Powerline又はCityTouch CTCを含むこの分野における多くの製品が、市街地に又は道路に沿って設置されている。ビジネス上の提案は、照明装置のマネージメントは光熱費を下げることにつながり、また再構成(reconfiguration)、さらには他のサービスを可能にするということである。
【0004】
照明通信ネットワークの場合、コミッショニング又はメンテナンス(ソフトウェア更新、トポロジ更新等)は、通常重要な取組みを表す。これは、屋外照明制御、すなわち、ノード(又は屋外照明コントローラ(Outdoor Lighting Controller (OLC)))がハイウェイ上で5mの高さの街灯柱に配置される装置であり得る、通信プロトコルによる屋外照明装置のマネージメントの場合にいっそう厳しくなる。したがって、手作業でなされる場合、設置及びコミッショニング費用は高い。
【0005】
いくつかのシステムにおいて、各ランプは、通信リンクがIEEE802.15.4に基づく及び通信スタックが例えば6LoWPAN/CoAP又は適切なスタックに基づく大きなメッシュネットワークを形成するOLCにより制御される。ネットワークは、6LoWPANネットワークをインターネットと接続するセグメントコントローラによりバックエンドからマネージされる。斯くして、この解決策では、OLCは、CPU及び802.15.4に基づく通信インタフェースを含む。
【0006】
斯かるシステムにおいて、コミッショニングフェーズ(commissioning phase)又は更新フェーズ(update phase)等の構成フェーズ(configuration phase)中、各ランプは、(時には有線ネットワークでさえによって)インストーラがノード付近に届く必要がある特別なコミッショニングツールとデータを交換する。コミッショニングツールは、各コミッショニングされるノードの位置を決定するためGPSチップセットを有してもよい。
【0007】
他のシステムにおいて、各屋外照明コントローラがGPS及びGPRSモジュールを備えることが提案されている。設置後、各通信装置は、構成情報を交換し、コミッショニングプロセスを実行するためGPRSによりネットワークコントローラに直接接続する。斯かるネットワークは、特定のコミッショニングプロセスを必要としないシンプルなコミッショニング及びシンプルなアセットマネージメントを考えて設計されている。各OLCはGPRS及びGPSモジュールを持つので、OLCは、設置後ただ通信を始めることができ、対応する装置は、自動的にネットワークコントローラに現れ、制御されることができる。
【0008】
斯かる解決策の利点は、設置プロセス及び構成フェーズが、先に述べたシステムよりシンプルなことである。さらに、コミッショニングプロセスは、より安価になる見込みである。なぜなら、インストーラがオンサイトでコミッショニングを実行する必要がないからである。斯かる通信装置は、設置及びマネージメントが容易ではあるが、装置の全生涯中通信装置毎にアクティブなGPRSリンクを必要とする。大きなネットワークのための斯かるリンクは、ネットワークのオペレーションフェーズ上で莫大な管理コストを示す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、ネットワークノードの容易なコミッショニングを可能にする方法を提案することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、斯かるネットワークの管理コストを低いレベルに維持しながら、ネットワークの通信装置の構成フェーズを簡略化する方法及び通信装置を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このため、本発明の第1の態様によれば、通信ネットワークにおいて通信するよう構成される送受信機(transceiver)を有する通信装置を動作する方法であって、
(a1)前記通信装置は、第1の通信モードにより、ロールプロファイルの組から選択される選択ロールプロファイルを得るステップであって、前記選択ロールプロファイルは、オペレーションフェーズ(operation phase)の前記通信ネットワークにおける該通信装置のロールを規定する、ステップ、
を含む、構成フェーズ、並びに
(b1)前記通信装置は、前記選択ロールプロファイルに依存して前記第1の通信モードにより該通信装置の送受信機が通信できないようにする又は該送受信機が通信することを維持するステップ、及び
(b2)前記通信装置は、第2の通信モードを用いて前記通信ネットワークにおいて通信するステップ、
を含む、オペレーションフェーズ、
を有する方法が提案される。
【0012】
結果として、第1の通信モードは、通信装置プロファイルが所定のタイプかどうかに依存してコミッショニングフェーズ後いくつかのノードについて非アクティブになる。例えば、通信装置がルータである場合、第1の通信モードは、アクティブのままであって、オペレーションフェーズにおいて用いられてもよいが、他の装置プロファイルについては、この第1の通信モードは、非アクティブとされるか、ましてはスイッチオフされる。
【0013】
さらに、斯かる第1の通信モードは、より多くのエネルギを消費する及び/又は動作時より高価であり得る長距離通信モードであってもよい。例えば、GPRS、UMTS、ましてはLTEの場合、全ての装置がこの通信モードを用いる場合には、通信装置及びネットワークコントローラ間で交換される所要のデータ量は、高い管理コストを示し得る。
【0014】
例えば、本発明の一実施例において、通信装置のロールプロファイルが端末装置プロファイルである場合、送受信機の一部は、第1の通信モードで通信することが防止され得る。例えば、第1の通信モードにしたがって動作する送受信機の一部は、パワーオフされるか、又は論理的に非アクティブにされ得る。この第1の通信モードが課金(subscription)又は登録(registration)に基づく場合、課金を停止するか、登録をログオフすることができるであろう。
【0015】
先の例と組み合わされてもよい、本発明のこの態様の他の変形例は、通信装置のロールプロファイルがルータプロファイルであると決定される場合、送受信機は、第1の通信モードにしたがって送受信機における通信を維持する。送受信機において第1の通信モードを維持することは、該第1の通信モードが過去に用いられなかった場合に該第1の通信モードをイネーブルにすることとも理解されるべきであることを留意されたい。次いで、オペレーションフェーズにおいて、ルータとして、前記通信装置は、第1の通信モードも用いてネットワークにおいて通信する。例えば、ルータは、一方の側では、第2の通信モードにより他の通信装置とリンクされ、他方の側では、第1の通信モードにより(例えばクラウドベースの)ネットワークコントローラとリンクされる。ネットワークコントローラは、ネットワークを構成すること、又はルータプロファイルを持つ通信装置を介してネットワークの他の通信装置に制御コマンドを送信することに携わってもよい。
【0016】
構成フェーズは、ネットワークのコミッショニングプロセスに相当してもよい、ノード、ネットワークの一部、ましては全体的なネットワークの構成が再構成される又は更新される必要がある場合更新プロセスにも相当してもよいことを理解されたい。
【0017】
本発明はまた、通信ネットワークにおいて通信するよう構成される送受信機を有する通信装置であって、前記送受信機は、構成フェーズにおいて、第1の通信モードにより、ロールプロファイルの組から選択される選択ロールプロファイルを得る、及びオペレーションフェーズにおいて、第2の通信モードを用いて前記通信ネットワークにおいて通信するよう構成され、前記通信装置は、オペレーションフェーズにおいて、前記通信ネットワークにおいて前記選択ロールプロファイルにしたがって作用する、及び該オペレーションフェーズにおいて、前記送受信機が前記選択ロールプロファイルに依存して前記第1の通信モードにより前記送受信機が通信できないようにする又は該送受信機が通信することを維持するプロセッサを有する、通信装置に関する。
【0018】
斯くして、この態様の結果、通信装置は、自身の送受信機を、(第1の通信モードが無効にされなかった場合)第1の通信モードを介して直接ネットワークコントローラと通信するため、又はアクティブな第1の通信モードを持つ他の通信装置(該通信装置を介してネットワークコントローラに達することができる)が見つかるまで(ホップバイホップで(hop by hop))ネットワーク内の他の通信装置と通信するため第2の通信モードを介して通信するため用いることができる。
【0019】
本発明のさらに他の態様においては、本発明の上述した態様による通信装置を備え、該通信装置により制御される照明器具、並びに本発明の上述した態様による通信装置及びネットワークコントローラを有するネットワークが提案される。
【0020】
本発明のこれらの及び他の態様は、以下で述べられる実施例を参照してより明らかになり、詳しく述べられるであろう。
【0021】
本発明は、例示として、添付の図面を参照し以下より詳細に述べられる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、オペレーションフェーズにおける本発明の一実施例による通信ネットワークを表すブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施例による通信装置を表すブロック図である。
【
図3】
図3は、構成フェーズにおける本発明の一実施例による通信ネットワークを表すブロック図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施例による通信装置を動作する方法を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、
図1の例における屋外照明無線ネットワーク等の通信ネットワークに関する。
図1は、オペレーションフェーズにおける屋外照明無線ネットワークを示す。
【0024】
ネットワーク100において、複数のランプ101a−jが、道路201−204、例えば、街路又はハイウェイに沿って街灯柱に置かれる。各ランプ101a−jは、対応する通信装置102a−jにより制御される。これら通信装置は、ロールプロファイルの組から選択される異なるロールプロファイルを持ってもよい。このロールプロファイルの組は、予め決められてもよく、各ロールプロファイルは、ネットワーク内の通信装置のロール(role)及び/又は作用(behavior)を規定してもよい。
【0025】
例えば、通信装置102b−f及び102h−iは、この例においては、端末装置である。これは、これら通信装置が、ネットワークから受信される制御コマンドにしたがって動作する従局として作用することを意味してもよい。この例示的なネットワークにおいて、通信装置102b−f及び102h−iはまた、ネットワークの構成に依存して、例えばルーティングスキーム又はブロードキャストスキームにしたがって、他の近隣通信装置に制御メッセージを中継することができてもよい。動作時、これら通信リンク103は、典型的には、例えばIEEE802.15.4に基づく通信モード等の低コスト、低範囲(low range)通信技術でもって確立されてもよい。斯かる通信モードの例は、さらにはIPv6、6LoWPAN及びCoAPに依拠してもよい。
【0026】
他のプロファイルは、例えば、通信装置102a、102g及び102jが、一種のブリッジノード(bridge node)として用いられる、境界ルータプロファイル又はルータプロファイルであってもよい。これは、一方の側では、オペレーションフェーズ中、これら通信装置が、上述したIEEE802.15.4通信モード等の第1の通信モードによりネットワークの他の通信装置と通信できることを意味する。他方の側では、これら通信装置は、例えば、GPRS、UMTS又はLTEに基づく通信モード等の長距離、高速通信技術によりネットワークコントローラ105と通信リンク104を確立することができる。
【0027】
これらロールは、以下説明されるコミッショニングフェーズ中に選択され、規定される。
【0028】
本発明のこの第1の実施例によれば、
図2に示されるように、本発明の第1の実施例による通信装置102は、CPU201又はマイクロコントローラ及び送受信機202を有する屋外照明コントローラである。通信装置102はまた、GPSモジュール203、及び例えば通信装置102のロールプロファイルを含む構成情報を格納するメモリ204を有してもよい。本発明の一例において、通信装置を動作するためのマイクロコントローラ201により用いられるソフトウェアも、このメモリに格納されてもよい。通信装置102は、該通信装置が取り付けられるランプに給電する主電源により、ソーラーパネルにより、又はこの図には表されていない他のエネルギ手段により給電されてもよい。通信装置はまた、複数のアクチュエータ及びセンサ、例えば、照明制御用のDALIインタフェース、照明センサ、温度センサ、又は一般には任意のセンサ又はアクチュエータを有してもよい。
【0029】
送受信機202は、第1の通信モジュール2021、例えば、GPRSモジュール2021、及び第2の通信モジュール2022、例えば、IEEE802.15.4無線機を有してもよい。任意に、送受信機はまた、第1の通信モジュール2021を電源オン/オフすることができる可制御スイッチ2023を有してもよい。この実施例の変形例において、このスイッチ機能は、送受信機202に接続されるマイクロコントローラ201のソフトウェアにより動作されることに留意されたい。他の変形例においては、さらなる通信モジュールが、本発明の実施例で述べられるようなよりフレキシブルで費用効率の高い解決策を可能にするために含められる。
【0030】
本発明の一実施例によれば、通信装置102のロールプロファイルに依存して、第1の送受信モジュール2021は、オペレーションフェーズにおいて非アクティブとされる。この非アクティブ化は、第1の送受信モジュールの電源をオフにすることにより、通信装置102において用いられる電力量を減らすことにより、及び第1の送受信モジュール2021のコンポーネントを増やすことにより実行され得る。他のやり方(代替例又は付加例)は、この第1の通信モードにリンクされるアカウントの解除(unsubscribe)又は登録抹消(unregister)であろう。例えば、GPRSの場合、第1の通信モジュール2021に含まれるSIMカードにリンクされるアカウントが、削除されてもよく、又は保留(put on hold)にされてもよい。
【0031】
通信装置が構成フェーズ、例えば、コミッショニングフェーズに入る場合、第1の送受信モジュール2021は、ネットワークコントローラ105と直接更新又は構成を実行するためアクティブである。更新フェーズ中、第1の送受信モジュール2021はまた、ネットワークコントローラ105と直接更新又は構成を実行するため再度アクティブにされ得る。
【0032】
例えば、コミッショニング中、
図3に示されるように、通信装置102a−jの第1の通信モジュール(例えば、GPRSモジュール)が、単一のコミッショニングプロセスを実行するため用いられる。(オペレーションフェーズが後続する)斯かるコミッショニングは、一例として
図4のフローチャートを参照して詳述される。
【0033】
本例によれば、プロセスは、ステップS301で始まる。ステップS301において、通信装置102a−jが、給電される、又は対応するランプ101a−jに取り付けられる。デフォルト設定により、通信装置102a−jは、構成フェーズ(CONFIG PHS)であるコミッショニングフェーズに直接入ってもよい。
【0034】
ステップS302において、各通信装置は、第1の物理インタフェース又は通信モード(例えば、GPRS)上で通信リンク104を確立した後、ネットワークコントローラにコミッショニングリクエストを送信する。このコミッショニングリクエストは、対応するセキュリティプロトコル(例えば、DTLS、HIP、IPSec又は他の標準/専用プロトコル)によって相互認証ハンドシェイクを行うことにより実行さてもよい。これは、それぞれの識別子の交換を含む。認証ハンドシェイクが成功した場合、ネットワークコントローラは、通信装置を検証したことになり、通信装置は、ネットワークコントローラを検証したことになる。
【0035】
次いで、このステップS302が成功した場合、通信装置102a−jは、GPSモジュール203から得られるそれぞれの位置及び他の情報を転送することができる。この例の変形例において、通信装置は、GPSデータの代替例又は改善例(refinement)として、GPRS(又はUMTS又はLTE)三辺測量(例えば基地局トライアングルに基づく)に基づいて自身の位置に関する詳細を得る。例えば、この他の情報は、第1の通信リンク品質、近隣の識別子又はカウントを含んでもよい。近隣通信装置についての情報は、例えば、第2の通信モードを用いることにより得られてもよい。
【0036】
上述した情報に基づいて、ネットワークコントローラは、それぞれ対応する位置を持つ通信装置のマップを得る(基本的に、ネットワークコントローラは、市街地に分布する装置のマップを持ち、このマップを得られた通信装置のマップと比較してもよい)。次いで、ステップS303において、ネットワークコントローラは、第2の通信モードに基づく、オペレーションフェーズのためネットワークのデザインを準備する。一例において、IPプロトコル及び802.15.4が用いられ、斯くして、ネットワークは、6LoWPANネットワークの組になってもよい。それゆえ、ネットワークコントローラは、どのようにしてこれら通信装置を異なる6LoWPANネットワークに割り当てるか決定することができる。この決定は、これら通信装置の位置、トポロジ又はノード間のビルディングに基づいてスケーラビリティ又は性能上の理由等に基づくことができる。例えば、
図1においては、3つの6LoWPANサブネットワーク100a、100g及び100jが表されている。
【0037】
ステップS304において、ネットワークコントローラは、どのロールプロファイルがどの通信装置102a−jに割り当てられるかを決定し、次いで、ステップS305において、第1の通信モードにより各通信装置にこの割り当てられたロールを送信してもよい。例えば、
図1に示されるように、通信装置102a、102g及び102jが、対応するサブネットワーク100a、100g及び100jのための境界ルータの機能を果たすことが決定され得る。他の装置102b−f及び101h−iは、端末装置である。この例の分かりやすさのため2つのプロファイルしかリストされていないことに留意されたい。しかしながら、より多くのロールプロファイルが、ネットワークの複雑さ又はトポロジに依存して必要とされてもよい。
【0038】
上記の通り、ステップS305におけるネットワークコントローラは、例えば第1の通信インタフェース(GPRS)上でCTC15.4装置のための802.15.4/6LoWPAN構成パラメータを含むロールプロファイルをプッシュ配信する。例えば、各CTC15.4装置は、自身の802.15.4インタフェースのための構成パラメータを持つメッセージをCityTouchからGPRS上で受信する。
【0039】
典型的にはコミッショニングフェーズを終了する、ステップS306において、構成パラメータの受信により、通信装置は、第2の通信インタフェース(又は第2の通信モード)、例えば、IEEE802.15.4のための自身のロールプロファイルを構成する。
【0040】
・通信装置が端末装置の機能を果たす必要がある場合、該通信装置は、境界ルータに向けて通信する端末装置の機能を果たすため構成パラメータを受け取る。構成パラメータは、6LoWPANネットワークのためのネットワークキー、6LoWPANのためのIPアドレス又は境界ルータのIPアドレスを含むことができる。この場合、第1の通信モードは、スイッチオフされる又は非アクティブにされる。
【0041】
・通信装置が境界ルータの機能を果たす必要がある場合、該通信装置は、境界ルータになる。構成パラメータは、6LoWPANネットワークのためのネットワークキー又はネットワーク内の装置のリストを含むことができる。この場合、第1の通信モードは、ルータとして動作するためアクティブに維持される。
【0042】
特定の実施例において、上述の構成は、ネットワークコントローラがサブネットワークの性能を分析すること及びサブネットワークへのノードのより良い割り当てがより良い性能につながるかどうか、例えば、通信待ち時間又はホップカウントに依存して全てのノードに到達することができるかを分析することを用いる一時的な構成である。ネットワークコントローラが初期の(一時的な)構成は最適でないと見出した場合、ネットワークコントローラは、第2の通信インタフェースのための他のネットワーキングパラメータをプッシュ配信することができる。
【0043】
ひとたび構成がなされると、通信装置は、斯くして、オペレーションフェーズに入る準備が整い、第1の通信インタフェースをスイッチオフすべき通信装置は、該インタフェースをスイッチオフする。いくつかの状況において、第1の通信インタフェースをアクティブに保つことが有用であり得るが、通信のため第2の通信インタフェースしか用いないことを留意されたい。例えば、第1の通信モードの非アクティブ化は、この通信モードによるデータの受信をアクティブに保つ一方、データの送信は防ぐことからなってもよい。
【0044】
この例において、ステップS307においてオペレーションフェーズを開始することに伴い、通信装置102a、102g及び102jは、対応するサブネットワーク100a、100g及び100jの通信装置をネットワークコントローラ105に接続することに携わる。
【0045】
自身のロールに依存して、例えばルータプロファイルを持つ各通信装置は、ネットワークコントローラ105と通信するため第1の通信モードを用いることを継続してもよい(通信装置102a、102g及び102j)。全ての通信装置102a−jはまた、サブネットワーク100a、100g及び100j内の通信装置間で通信するため、ネットワークコントローラにより構成されたIEEE802.15.4インタフェース等の第2の通信モードを用いることを開始(又は例えば近隣通信装置についての情報を得るためコミッショニングフェーズで用いられた場合には再開)してもよい。この場合、ステップS307において、端末装置102b−f及び102h−iは、自身の第1の通信モジュールを非アクティブにしている。これら通信装置は、対応するルータ102a、102g又は102j上で第2の通信モード(例えば、IEEE802.15.4/6LoWPAN)によりネットワークコントローラ105と通信をすることしかできない。
【0046】
通信装置は、ステップS306の終わりにおいて対応する構成データを受信するとできるだけ適宜速やかに第1の通信モードについて自信の送受信機をスイッチオフしてもよいことに留意されたい。なぜなら、これは、コミッショニングフェーズを終了するからである。変形例において、通信装置は、同時に自身の第1通信モジュールを非アクティブにするためステップS307においてオペレーションフェーズ(OPRTN PHS)を開始することを指示する特定の信号を待っている。この解決策は、より複雑でより高価であるように思えるかもしれない。なぜなら、各通信装置において2つの異なる通信モジュールを必要とするからである。しかしながら、事実は、この解決策はより単純であるということである。なぜなら、コミッショニングプロセスが、第1の通信リンク上で自動的であるからである(後段のステップはバックエンドからなされ、より安価である)。この解決策は、過去のネットワークタイプと比較して通信装置及びコミッショニング毎に最適な平均コストを提供することを分析は示している。以下の表は、上記で提案した例の潜在的な通信スタックである。
【表1】
【0047】
このスタックは、IPベースであり、通信装置のマネージメントのためCoAPプロトコルを用いる。CoAPは、レストフルプロトコル(restful protocol)(HTTPの"一種の"ライトバージョン)である。これらスタックは、GPRS及びIEEE802.15.4の上で移送されるネットワークコネクティビティのためIPv6に依拠する。IEEE802.15.4の場合について、IPv6が、ヘッダ等の圧縮のため6LoWPANにより適合される。さらに、DTLS(その使用がCoAPを保護するため必要とされるセキュリティプロトコル)が提供されてもよい。HIP(IPアドレスが何らかの理由(ローミング、IPv4が用いられる場合NAT)により変化してもセキュリティコネクションが安定したままであるように上位レイヤに安定識別子を提供するセキュリティプロトコル)を持つことも可能である。HIPによるセキュリティハンドシェイクはより効率的でもある。両フィーチャとも、DTLSのみに基づく解決策と比較してより低いオーバヘッドにつながる。
【0048】
ステップS308に表されているように、例えば、ひとたびネットワークのオペレーションがテストされると、該ネットワークは、再構成(RECONFIG PHS)されてもよい。ネットワークコントローラは、上述した実施例の変形例において以下のうちの一つ又はその他を実行することができる。
【0049】
− ネットワークの性能が良くない場合、新しい構成が、第2の通信モードを介して通信装置に向けてプッシュ配信され得る。新しい構成は、第1の通信モードの特定のアクティブ化コマンドの第2の通信モードを介した送信後各個別の通信装置の第1の通信リンクにより送られても良い。斯かる新しい構成により、通信装置は、自身のロールを再び変更する(端末装置又は境界ルータになる)ことができる。また、性能が非常に良好であることが起こり得、この場合、サブネットワークが拡張され得る又はルータの数がネットワークのロバスト性に悪影響を及ぼすことなく減らされてもよい。例えば、ネットワークコントローラは、多数の小さなサブネットワークを持つことを決定したかもしれないが、性能が期待よりも良好であるため、サブネットワークはより大きくなり、境界ルータの数は減らされ得る。
【0050】
上述した実施例の変形例において、オペレーションテストは、第1の通信モードがノードにおいて非アクティブにされる前に実行される。斯くして、全て問題ない場合に、ネットワークコントローラは、このステージにおいてのみ端末装置の機能を果たす通信装置に"第1通信モード(例えばGPRS)非アクティブ化コマンド"を送信してもよい。このコマンドは、これら通信装置のGPRSリンクを非アクティブにする。これを行う理由は、GPRSリンク上の自動コミッショニング後の管理費コストを減らすことにある。
【0051】
第1の通信リンクが非アクティブにされた装置が再びアクティブにされる必要があることも起こり得る。この場合、ネットワークコントローラマネジメントシステムはまた、第2の通信モード上で当該装置にアクティブ化コマンドを送ってもよい。
【0052】
本発明は、照明ネットワークに適用できるのみならず、ホームオートメーションネットワーク、スマートメータネットワーク、センサネットワーク等任意のタイプのネットワークにも適用可能である。
【0053】
上記例において、ネットワークは無線ネットワークであり、通信装置は無線装置であるが、本発明は、有線ネットワークにも適用可能であることに留意されたい。とりわけ、第2の通信モードが有線であることが可能である。例えば、電力線通信、又は(通信装置を給電するために用いられ得る)Ethernetが可能である。
【0054】
開示された実施例に対する他のバリエーションが、図面、開示及び添付の特許請求の範囲の研究から、特許請求の範囲の発明を実践する当業者によって理解され、実施され得るであろう。請求項において、"有する"という用語は他の要素又はステップを除外するものではなく、単数表記は複数を除外するものではない。単一のプロセッサ又は他のユニットが請求項に記載された幾つかのアイテムの機能を実現してもよい。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されるという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有効に用いられ得ないことを示すものではない。
【0055】
上記の記載は、本発明のある実施形態を詳細に説明している。しかしながら、本願明細書においてどんなに詳細に説明したとしても、本発明は多くの方法において実施されてもよく、それゆえ開示された実施形態に限定されないことに留意されたい。本発明のある特徴又は態様を記載する特定の用語の使用は、当該用語が、その用語が関連する本発明の任意の特徴又は態様の特有の特性を含むものに限定されるとここで再定義されることを意味するものであってはならないと留意されるべきである。
【0056】
単一のユニット又は装置が請求項に記載された幾つかのアイテムの機能を実現してもよい。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されるという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有効に用いられ得ないことを示すものではない。
【0057】
種々の実施例によるネットワークシステムのコンポーネントの記載されたオペレーションは、コンピュータプログラムによるプログラムコードとして及び/又は専用ハードウェアとして実現され得る。コンピュータプログラムは、他のハードウェアと一緒に又は一部として供給される光学記憶媒体又は固体媒体等の適切な媒体に記憶/で頒布されてもよいが、インターネット又は他の有線若しくは無線通信システムを介する等他のフォームで頒布されてもよい。