【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 http://tdig−stg.gree−apps.net/?mode=doc&act=announce&namespace=announce&page=card_rescue2017032211_30& グリー株式会社が、平成29年3月22日付で、上記のURLを経由しダウンロードできるゲームの、ゲーム内のイベントにおいて、出願に係る発明を公開。
【文献】
ジャンケンバトカード,月刊アプリスタイル,日本,株式会社イースト・プレス,2013年 9月28日,第1巻第10号,第105頁
【文献】
[Unite 2017 Tokyo]『Shadowverse』のカード制作におけるスキル構築の効率化やグラフィック演出の仕組みを紹介,Social Game Info [online],2017年 5月 9日,[2020年9月3日検索],URL,https://gamebiz.jp/?p=184353
【文献】
デュエルバハムート,月刊アプリスタイル,日本,株式会社イースト・プレス,2013年 9月28日,第1巻第10号,第64-65頁
【文献】
遠藤雅伸,ディジタルゲームにおける“AI”の役割,情報処理,日本,一般社団法人情報処理学会,2012年 1月15日,第53巻第2号,第146-147頁
【文献】
ピポサルアカデミ〜ア2 −あいあいサルゲ〜ジャンケンバトル!−解説書,日本,株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント,2005年12月12日,第16-17頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記発生ステップにおいて、前記提示された複数のゲーム媒体に所定のゲーム媒体が含まれ、且つ、前記第2選択ステップにおいて当該所定のゲーム媒体に関連付けられた第2の行動パターンが選択された場合に、前記所定の効果を発生させる、請求項1に記載のプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(ゲームシステムの概要)
図1に示すように、ゲームシステム10は、サーバ装置11と、複数の端末装置12と、を備える。
図1では簡便のため、3つの端末装置12を図示しているが、端末装置12の数は1つ以上であればよい。
【0013】
サーバ装置11は、例えばゲーム運営者が管理する情報処理装置である。端末装置12は、例えば携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、PC(Personal Computer)、又はゲーム装置等の、ユーザによって使用される情報処理装置である。サーバ装置11及び端末装置12は、例えばインターネット等のネットワーク16を介して通信可能に接続される。例えば、サーバ装置11及び端末装置12が協働して、ゲームに関する多様な処理を実行する。
【0014】
(ゲームの概要)
ゲームシステム10で実行されるゲームは、多様なゲームコンテンツを含む。多様なゲームコンテンツのうち少なくとも一部のゲームコンテンツは、ゲーム媒体を用いて実行されてもよい。
【0015】
ゲーム媒体は、ゲームに使用される電子データであり、例えば、カード、アイテム、仮想通貨、チケット、キャラクタ、アバタ、レベル情報、ステータス情報、パラメータ情報(体力値、攻撃力など)、及び能力情報(スキル、アビリティ、呪文、ジョブなど)等、任意の媒体を含む。また、ゲーム媒体は、ユーザによってゲーム内で取得、所有、使用、管理、交換、合成、強化、売却、廃棄、又は贈与等され得る電子データである。ゲーム媒体の利用態様は本明細書で明示されるものに限られない。
【0016】
以下、特に明示した場合を除き、「ユーザが所有するゲーム媒体」とは、所有ゲーム媒体としてユーザを一意に識別可能なユーザIDに関連付けられたゲーム媒体を示す。また、「ゲーム媒体をユーザに付与する」とは、ゲーム媒体を所有ゲーム媒体としてユーザIDに関連付けることを示す。また、「ユーザが所有するゲーム媒体を売却する」とは、ユーザIDと所有ゲーム媒体との関連付けを解消し、かつ、ユーザIDに他のゲーム媒体(例えば、仮想通貨又はアイテム等)を所有ゲーム媒体として関連付けることを示す。
【0017】
ゲームコンテンツは、ゲーム内でユーザがプレイ可能なコンテンツであって、例えばクエスト、ミッション、ミニゲーム、ゲーム媒体の育成、強化、及び合成、ゲーム媒体入手イベント、仮想空間の探索イベント、並びに対戦相手(例えば、他のユーザ、敵キャラクタ、及び敵の建物等)との対戦イベント等を含む。例えば、ゲームコンテンツ毎に設定される1つ以上の条件(ゲーム課題)の達成に成功したと判定された場合、ユーザに対して、例えばゲーム媒体等が報酬として付与されてもよい。ゲーム課題には、例えば敵キャラクタとの対戦に勝利するとの課題、及び仮想空間内のゴール地点まで到達するとの課題等、ゲームコンテンツの内容に応じた任意の課題が採用可能である。また、ゲームコンテンツに設定された1つ以上のゲーム課題のうち、特定の課題(クリア課題)が達成されることを、ゲームコンテンツのクリアともいう。ゲームコンテンツをプレイするユーザがクリア課題の達成に成功した場合、当該ゲームコンテンツのクリアと判定され、当該ゲームコンテンツが終了してもよい。
【0018】
多様なゲームコンテンツには、シングルプレイ用のゲームコンテンツと、マルチプレイ用のゲームコンテンツと、が含まれてもよい。シングルプレイ用のゲームコンテンツとは、1のユーザが使用する1の端末装置12に対するユーザ操作に基づいて実行されるゲームコンテンツ(例えば、一人用のゲームコンテンツ)である。1の端末装置12が単独で、又は1の端末装置12とサーバ装置11とが協働して、シングルプレイ用のゲームコンテンツを実行する。一方、マルチプレイ用のゲームコンテンツとは、2つ以上のユーザがそれぞれ使用する2つ以上の端末装置12に対するユーザ操作に基づいて実行される、当該2つ以上のユーザに共通のゲームコンテンツ(例えば、複数人用のゲームコンテンツ)である。2つ以上のユーザに共通のゲームコンテンツとは、例えば当該ゲームコンテンツの進行処理及び処理結果等の少なくとも一部が、当該2つ以上のユーザに対して共通して適用されるゲームコンテンツを含んでもよい。2つ以上の端末装置12が協働して、又は2つ以上の端末装置12とサーバ装置11とが協働して、マルチプレイ用のゲームコンテンツを実行する。
【0019】
本実施形態において、ゲームは、ユーザがゲーム媒体を操作して対戦を行うゲームコンテンツを含む。以下、当該ゲームコンテンツを対戦コンテンツともいう。対戦コンテンツに用いられるゲーム媒体は、例えばユーザがゲーム内で所有するキャラクタを含むものとして説明するが、これに限られない。また、対戦相手は、例えばNPC等の敵キャラクタを含むものとして説明するが、これに限られない。例えば、マルチプレイ用のゲームコンテンツにおいて、他のユーザが操作するゲーム媒体が対戦相手に定められてもよい。
【0020】
ここで、ユーザは助っ人キャラクタ(「ヘルパー」、単に「助っ人」とも呼ばれる)を選択してデッキを組むことで、デッキの対戦能力を向上させることが可能であってもよい。デッキを組むとは、ユーザが所有するキャラクタおよび助っ人キャラクタの中から選択したキャラクタで、対戦を行うパーティ(チームまたはグループ)を作ることである。
【0021】
(サーバ装置の構成)
サーバ装置11は、サーバ通信部13と、サーバ記憶部14と、サーバ制御部15と、を備える。
【0022】
サーバ通信部13は、外部装置と無線又は有線によって通信し、情報の送受信を行うインタフェースを含む。サーバ通信部13は、例えば無線LAN(Local Area Network)通信モジュール又は有線LAN通信モジュール等を含んでもよい。サーバ通信部13は、ネットワーク16を介して、端末装置12との間で情報を送受信可能である。
【0023】
サーバ記憶部14は、例えば一次記憶装置及び二次記憶装置を含む。例えばサーバ記憶部14は、半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等を含んでもよい。サーバ記憶部14は、ゲームの提供及び制御に必要な種々の情報及びプログラムを記憶する。サーバ記憶部14に記憶された情報及びプログラムの少なくとも一部が、端末装置12との間で共有及び同期されてもよい。例えばサーバ記憶部14は、1つ以上のユーザに関する情報を記憶する。
【0024】
また、サーバ記憶部14は、敵キャラクタに関する情報を記憶してもよい。敵キャラクタは、対戦において、ユーザが使用するキャラクタの対戦相手として用いられる。敵キャラクタに関する情報は、敵キャラクタの任意の情報を含む。例えば、敵キャラクタに関する情報は、敵キャラクタを一意に識別するID(識別子)、レベル、属性、ヒットポイント、攻撃力および防御力等を含んでもよい。
【0025】
サーバ制御部15は、特定のプログラムを読み込むことにより特定の機能を実現する1つ以上の汎用プロセッサ、及び特定の処理に特化した1つ以上の専用プロセッサのうち、少なくとも一方を含む。サーバ制御部15は、サーバ装置11全体の動作を制御する。
【0026】
サーバ制御部15は、ゲームの処理に必要な種々の情報及びプログラムを、サーバ記憶部14に記憶する。ゲームの処理に必要な情報には、上述したユーザに関する情報及び敵キャラクタに関する情報、並びに対戦の実行に必要な情報等が含まれてもよい。
【0027】
サーバ制御部15は、サーバ通信部13を介して情報の送受信を行う。例えば、サーバ制御部15は、サーバ記憶部14に記憶された情報の少なくとも一部を端末装置12へ送信してもよい。このようにして、サーバ記憶部14に記憶された情報と端末装置12に記憶された情報が共有及び同期される。情報の共有及び同期を行うタイミングは、例えばサーバ記憶部14に新たな情報が記憶されたタイミング、及びサーバ記憶部14に記憶された情報が更新されたタイミングを含み得るが、任意に定められてもよい。
【0028】
サーバ制御部15は、端末装置12と協働して、ゲームの処理を実行する。ゲームの処理には、例えばユーザがゲームシナリオを進行させることでカードを取得する処理と、取得したカードについて交換、売却、合成等を行う処理と、敵キャラクタと対戦する処理と、が含まれてもよい。
【0029】
(端末装置の構成)
図1に示すように、端末装置12は、端末通信部17と、端末記憶部18と、表示部19と、入力部20と、端末制御部21とを備える。
【0030】
端末通信部17は、外部装置と無線又は有線によって通信し、情報の送受信を行うインタフェースを含む。端末通信部17は、例えばLTE(Long Term Evolution)(登録商標)等のモバイル通信規格に対応する無線通信モジュール、無線LAN通信モジュール、又は有線LAN通信モジュール等を含んでもよい。端末通信部17は、ネットワーク16を介して、サーバ装置11との間で情報を送受信可能である。
【0031】
端末記憶部18は、例えば一次記憶装置及び二次記憶装置を含む。例えば端末記憶部18は、半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等を含んでもよい。端末記憶部18は、ゲームの処理に必要な種々の情報及びプログラムを記憶する。例えば端末記憶部18は、上述したユーザに関する情報の一部又は全部を記憶してもよい。これらの情報の一部又は全部は、例えば端末制御部21によってサーバ装置11との間で送受信される。
【0032】
表示部19は、例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等の表示デバイスを含む。表示部19は、多様な画面を表示可能である。
【0033】
入力部20は、例えば表示部19と一体的に設けられたタッチパネル等の入力インタフェースを含む。入力部20は、端末装置12に対するユーザ入力を受付可能である。また入力部20は、物理キーを含んでもよいし、マウス等のようなポインティングデバイスをはじめとする任意の入力インタフェースをさらに含んでもよい。
【0034】
端末制御部21は、特定のプログラムを読み込むことにより特定の機能を実現する1つ以上の汎用のプロセッサ、及び特定の処理に特化した1つ以上の専用のプロセッサのうち、少なくとも一方を含む。端末制御部21は、端末装置12全体の動作を制御する。
【0035】
端末制御部21は、端末通信部17を介して情報の送受信を行う。例えば、端末制御部21は、ゲームの処理に必要な情報をサーバ装置11との間で送受信する。例えば、端末制御部21は、サーバ装置11から受信した情報を、端末記憶部18に記憶する。
【0036】
端末制御部21は、ユーザの操作に応じてゲームのアプリケーションを起動する。端末制御部21は、サーバ装置11と協働して、ゲームの処理を実行する。例えば、端末制御部21は、種々の画面を表示部19に表示させる。画面上には、例えばGUI(Graphic User Interface)が表示されてもよい。端末制御部21は、画面に対するユーザ操作を検出可能である。
【0037】
(記憶部に記憶される情報)
図2は、少なくとも3人のユーザを含むユーザに関する情報110を示す。ユーザに関する情報110は、例えばサーバ記憶部14に記憶されて、端末装置12との間で共有及び同期される。ユーザに関する情報110はユーザの種々の情報を含む。本実施形態において、ユーザに関する情報110は、ユーザIDと、所有するカードの情報111(
図3参照)と、を含む。つまり、ユーザに関する情報110は、複数のユーザそれぞれと、所有するカードの情報111と、を関連付けている。
【0038】
ユーザIDは、上述したようにユーザを一意に識別可能な情報である。
【0039】
所有するカードの情報111は、ユーザがゲーム内で所有するカードの種々の情報を含む。カードがユーザに取得された場合、取得されたカードはユーザに関連付けられる。本実施形態において、カードはキャラクタカードである。そのため、所有するカードの情報111はカードに関連付けられたキャラクタの種類および特性に関する情報を含む。ここで、カードはキャラクタカードに限定されるものではない。
【0040】
図3は、所有するカードの情報111の詳細を例示する図である。
図3は、1人のユーザの所有するカードの情報111を示す。所有するカードの情報111は、カードIDと、キャラクタIDと、レベルと、レアリティと、属性と、攻撃力と、防御力と、スキルと、に関するデータを含む。所有するカードの情報111は、これらのデータの全てを含むものに限定されない。また、所有するカードの情報111は、さらに別のデータを含んでもよい。例えば、カードに関連付けられたキャラクタはスキルの発動に応じた値だけ減少するマジックポイントを有しており、マジックポイントの最大値が所有するカードの情報111に含まれていてもよい。
【0041】
カードIDは、ユーザが所有するカードを一意に識別するIDである。
図3の例では、カードIDとして重複しない数字が用いられている。以下、カードIDが1であるカードを、カード1のように表記する。
【0042】
キャラクタIDは、ゲームのキャラクタを一意に識別するIDである。本実施形態において、カードはキャラクタカードであるため、1つのカードIDに1つのキャラクタIDが関連付けられている。
図3の例では、キャラクタIDとして重複しない英文字が用いられている。以下、キャラクタIDがAであるキャラクタを、キャラクタAのように表記する。ここで、1つのキャラクタには複数のカードが対応し得る。
図3の例では、カード1およびカード20は、どちらもキャラクタAのカードである。
【0043】
レベルは、キャラクタの成長度を示す情報である。例えば、レベルの値が大きいほど、キャラクタの成長度が大きい。レベルの値は、例えば攻撃力および防御力の値に影響する。
図3の例では、キャラクタCのレベルは10である。レベルの値は、ユーザがキャラクタを成長させることによって上昇する。
【0044】
レアリティは、カードの希少性の度合いを示す情報である。例えば、レアリティの値が大きいほど、カードの希少性の度合いが高い。レアリティは固定的であってもよい。また、レアリティは、カードに応じて初期値が決まっており、ユーザによるゲームのプレイに応じて変化してもよい。レアリティは、例えば攻撃力および防御力の最大値(最大レベルでの値)に影響する。
図3の例ではレアリティは数字を用いている。例えば、カード1およびカード20はどちらもキャラクタAのカードである。しかし、レアリティが2であるカード1よりもレアリティが4であるカード20の方が希少性の度合いが高い。ここで、別の例として、レアリティはキャラクタに応じて決まってもよい。
【0045】
属性は、キャラクタが有する対戦等に関する特性であって、キャラクタ間の優劣関係を示す情報である。
図3の例では、属性の種類として火、水、風、光等が使用される。例えば、火の属性を有するキャラクタは、風の属性を有するキャラクタからの攻撃に強く、水の属性を有するキャラクタからの攻撃に弱くてもよい。
【0046】
攻撃力および防御力は、ゲーム内の対戦等で参照される、各カードに関連付けられたキャラクタの強さを示す情報である。攻撃力は、例えばキャラクタの攻撃によって対戦相手に与えるダメージ量に影響する。攻撃力の値が大きくなるほど、対戦相手に与えるダメージ量が大きくなる。したがって、キャラクタの攻撃力が大きいほど、ゲームコンテンツのクリアに有利である。
【0047】
また、防御力は、例えばキャラクタが対戦相手からの攻撃によって受けるダメージ量に影響する。防御力の値が大きくなるほど、対戦相手から受けるダメージ量が小さくなる。
したがって、キャラクタの防御力が大きいほど、ゲームコンテンツのクリアに有利である。ここで、
図3の攻撃力および防御力の数値は一例である。攻撃力と防御力とは独立したパラメータであって、それぞれが独立に設定され得る。
【0048】
スキルは、カードに関連付けられたキャラクタが有する対戦等で使用される能力である。スキルが実行される(発動される)と、例えば通常の攻撃または防御と異なる特殊な効果が生じる。本実施形態において、スキルはカード毎に設定されている。ここで、スキルは全カードに設定されなくてもよい。つまり、スキルのないカードが存在してもよい。
【0049】
本実施形態において、敵キャラクタ30との対戦で一つのカードに関連付けられたキャラクタが選択されて、スキル発動条件が満たされると、そのキャラクタに関連付けられたスキルが発動する。例えば、カード1のキャラクタAが対戦画面に表示されると「透視」のスキルが発動する。透視のスキルによって、ユーザは、次の対戦において敵キャラクタ30の行動パターンが見えるようになる。また、例えば、カード2のキャラクタBが対戦で敗北すると「絶対防御」のスキルが発動する。絶対防御のスキルによって、次の対戦では、敵キャラクタ30からの攻撃によるダメージを無効化することができる。また、例えば、カード3のキャラクタCが対戦で勝利すると「マヒ」のスキルが発動する。マヒのスキルによって、続くいくつかの対戦で、敵キャラクタ30の行動パターンが今回の対戦と同じになる(敵キャラクタ30の行動パターンが変更されない)。また、例えば、カード20のキャラクタAが対戦画面に表示されると「回復」のスキルが発動する。回復のスキルによって、ユーザのパラメータの値が直ちに回復する(例えばユーザのヒットポイントの値が所定量だけ上昇する)。
【0050】
図4は対戦を行うゲームコンテンツの画面(以下「対戦画面」という)を例示する図である。このゲームコンテンツは敵キャラクタ30と対戦するものである。このゲームコンテンツは、例えばゲームのシナリオとは別に用意された期間限定のイベントであってもよい。別の例として、このゲームコンテンツは、ゲームのシナリオに組み込まれていてもよい。対戦画面は、ユーザが操作する端末装置12の表示部19に表示される。
【0051】
本実施形態において、対戦を行うゲームコンテンツはターン制で進行する。1ターンの対戦において、ユーザ側の行動選択、対戦相手(敵キャラクタ30)側の行動選択および勝敗判定が実行される。1ターンの対戦で勝敗が決定すると、ユーザおよび対戦相手の少なくとも一方のパラメータの値が変動する。本実施形態において、ユーザのパラメータは
図4のゲージ46で示されるヒットポイントである。また、本実施形態において、対戦相手のパラメータは
図4のゲージ36で示される敵キャラクタ30のヒットポイントである。ユーザと対戦相手とは、お互いに相手からの攻撃を受けると、ヒットポイントの値がダメージ量だけ減少する。また、ユーザと対戦相手とは、回復動作によって、ヒットポイントの値を回復量だけ増加させることができる。いずれかのヒットポイントがゼロになると、敗者(ユーザまたは対戦相手)が確定して、ゲームコンテンツは終了する。
【0052】
図4に示すように、対戦画面は、対戦相手側の領域193と、ユーザ側の領域194と、で構成される。
図4の例では、対戦相手側の領域193は、表示部19の上部に表示される。対戦相手側の領域193には、例えば敵キャラクタ30、敵キャラクタ30のHPを示すゲージ36、第1の行動パターン37および行動回数38が表示されている。
【0053】
敵キャラクタ30は対戦相手のキャラクタである。本実施形態において、敵キャラクタ30はノンプレイヤキャラクタである。別の例として、敵キャラクタ30は、他のユーザが所有するカードに関連付けられたキャラクタであってもよい。
【0054】
ゲージ36は敵キャラクタ30のヒットポイントを示す。
図4の例では、敵キャラクタ30の現在のヒットポイントの値である7000と、ヒットポイントの最大値である10000と、がゲージ36の近くに表示されている。ゲージ36で黒く表示されている部分が、敵キャラクタ30のヒットポイントの残量(
図4の例では7000)を示す。敵キャラクタ30のヒットポイントがゼロになると、対戦相手が敗者となって(ユーザが勝者となって)ゲームコンテンツは終了する。
【0055】
第1の行動パターン37は、ゲームコンテンツの対戦相手の複数の行動パターンである。本実施形態において、第1の行動パターン37は、敵キャラクタ30が取り得る複数の攻撃パターンである。具体的には、敵キャラクタ30は、複数の攻撃パターンとしてジャンケンのグー、チョキ、パーを有する。1ターンの対戦における対戦相手の行動として、端末装置12は、第1の行動パターン37のうちの一つ(グー、チョキまたはパー)を選択する。以下において、ジャンケンのグー、チョキ、パーを用いて複数の行動パターンを説明するが、これは一つの具体例に過ぎない。一般に、ゲームにおいて敵キャラクタおよび味方のキャラクタがとり得る行動として、攻撃、特殊攻撃(いわゆるスキル、呪文、アビリティまたは必殺技等)、防御、アイテムの使用、移動等がある。また、攻撃は、例えば強攻撃、中攻撃といった攻撃力の異なるもの、および、斬攻撃、突攻撃といった性質の異なるもの、を含み得る。ジャンケンのグー、チョキ、パーは、複数の種類が存在する攻撃のうちの一つの種類である。
【0056】
行動回数38は、第1の行動パターン37のそれぞれと関連付けられている。
図4の例では、行動回数38はある条件(第1の条件)の下での選択可能回数である。第1の条件は所定の期間内であること(例えば5分間以内等)でもよい。所定の期間は、ゲームコンテンツにおけるターン数に基づいて経過したか否かが判定されてもよい。所定の期間は例えば12ターンであって、12ターン目の対戦が終了すると所定の期間が経過したと判定されてもよい。
図4の例では、敵キャラクタ30の攻撃パターンとして、グー、チョキ、パーはそれぞれ1回、10回、1回選択され得る。このことは、敵キャラクタ30がチョキで攻撃してくる可能性が高いことを意味する。
【0057】
また、ユーザ側の領域194は、表示部19の下部に表示される。ユーザ側の領域194には、例えばアイコン41、ユーザ側のヒットポイントを示すゲージ46、第2の行動パターン47が表示されている。
【0058】
第2の行動パターン47は、ユーザが選択可能な複数の行動パターンである。本実施形態において、第2の行動パターン47は、第1の行動パターン37と同じ複数の攻撃パターンであって、具体的にはジャンケンのグー、チョキ、パーを有する。1ターンの対戦において、ユーザは、第2の行動パターン47のうちの一つ(グー、チョキまたはパー)を選択する。ここで、第2の行動パターン47は第1の行動パターン37と同じでなくてもよい。例えば、第2の行動パターン47は、1ターンの対戦を実行しない行動パターン(スキップ、逃げる等)を更に含んでもよい。
【0059】
アイコン41はユーザが所有するカード、および、カードに関連付けられたキャラクタを示す。アイコン41が示すカード(および、カードに関連付けられたキャラクタ)は、第2の行動パターン47のそれぞれと関連付けられている。
図4の例では、グー、チョキ、パーは、それぞれキャラクタCのカード、キャラクタBのカード、キャラクタAのカードが関連付けられている。ここで、
図4の例では、第2の行動パターン47のグーは、カード3のキャラクタC(
図3参照)に関連付けられているとする。
【0060】
ここで、本実施形態では、第2の行動パターン47のそれぞれと1つのカード(およびカードに関連付けられたキャラクタ)とが関連付けられている。別の例として、第2の行動パターン47の1つに、1つ以上のカードが関連づけられていてもよい。例えば、グー、チョキおよびパーの少なくとも1つに、複数のカードが関連付けられていてもよい。また、本実施形態では、第2の行動パターン47とユーザが所有するカードとの関連付けはランダムに実行される。別の例として、第2の行動パターン47とユーザが所有するカードとの関連付けは、特定のパターン(例えば属性、レアリティまたはレベル等で定められた順番)に従って実行されてもよい。さらに別の例として、ゲームの戦略性が向上するように、ユーザが一部または全部の関連付けを指定可能であってもよい。
【0061】
ゲージ46はユーザ側のヒットポイントを示す。
図4の例では、ユーザの現在のヒットポイントの値である5000と、ヒットポイントの最大値である10000と、がゲージ46の近くに表示されている。ゲージ46で黒く表示されている部分が、ユーザ側のヒットポイントの残量(
図4の例では5000)を示す。ユーザ側のヒットポイントがゼロになると、ユーザが敗者となってゲームコンテンツは終了する。
【0062】
図5は、対戦の結果および効果を表示する画面を例示する。
図5の画面は、
図4に続いて表示される。上記のように、ユーザは第2の行動パターン47のうちの一つを選択する。
図4の例では、敵キャラクタ30のチョキの行動回数38が他よりも多いことから、ユーザは自身の攻撃としてグーを選択している。ユーザが第2の行動パターン47のうちの一つを選択するのと同時に(または、時間差をもって)、端末装置12は、第1の行動パターン37のうちの一つ(グー、チョキまたはパー)を選択する。
図5の例では、端末装置12は、敵キャラクタ30の行動(攻撃)としてチョキを選択している。
【0063】
図5に示すように、ユーザによって選択された第2の行動パターン47のうちの一つであるグーの拡大表示47aと、端末装置12が選択した第1の行動パターン37のうちの一つであるチョキの拡大表示37aと、が表示部19に表示される。そして、端末装置12は、ユーザによって選択された第2の行動パターン47のうちの一つ(
図5の例ではチョキ)と、選択した第1の行動パターン37のうちの一つ(
図5の例ではグー)とに応じて、1つのターンにおける勝敗(引き分けを含む)を決定し、ユーザおよび対戦相手の少なくとも一方のパラメータの値を変動させる。本実施形態において、1つのターンの勝敗はジャンケンのルールに従って決定する。また、本実施形態において、パラメータはヒットポイントであって、ゲージ36、ゲージ46および数値によって表示される。ここで、別の例として、ジャンケン以外のルールが用いられてもよい。例えば、第2の行動パターン47のうちの一つと、第1の行動パターン37のうちの一つと、に応じて、相互にパラメータの値に影響を与えたり、一方だけに影響を与えたり、互いに影響を与えなかったりと影響の度合いが変化してもよい。
【0064】
ユーザが対戦相手に勝てば、敵キャラクタ30のヒットポイントを減らすことができる。また、ユーザと対戦相手とがあいこ(引き分け)であれば、ユーザおよび対戦相手のヒットポイントがともに減少する。また、ユーザが対戦相手に負ければ、自身のヒットポイントが減少する。
図5の例で、ユーザは対戦相手に勝ったため、メッセージ34に記載のとおり、敵キャラクタ30に3000のダメージを与える。端末装置12は、敵キャラクタ30のヒットポイントを7000(
図4参照)から4000に減少させて、表示部19に表示する。
【0065】
ここで、スキルが発動されて特別な効果が生じてもよい。特別な効果は、例えば相手の行動が一意に固定されることである。このとき、一意に固定される行動は、直前に選択された行動、ユーザの指定した行動、またはランダムに決定される行動等であってもよい。
【0066】
図5の例において、ユーザによって選択されたグー(第2の行動パターン47のうちの一つ)は、カード3のキャラクタC(
図3参照)に関連付けられている。カード3のキャラクタCは「マヒ」のスキルを備える。ここで、「マヒ」のスキル発動条件(第2の条件)は、カード3のキャラクタCが対戦で勝利することである。
図5の例では、第2の条件が満たされている。そのため、メッセージ34に記載されているように、「マヒ」が発動されて、その効果が生じる。「マヒ」の効果は、端末装置12が選択する第1の行動パターン37のうちの一つ(グー、チョキまたはパー)を、直前のターンの対戦において選択したものと同じにすることである。
図5の例では、少なくとも次のターンの対戦で、対戦相手の行動として、端末装置12が今回と同じチョキを選択する。「マヒ」の効果は、続く1ターンの対戦だけで生じてもよいし、続く複数のターンで継続してもよい。また、「マヒ」の効果が生じている場合に、行動回数38がブルブル震えるように表示されたり、光ったり、点滅したりといった、通常とは異なる態様で表示されてもよい。
【0067】
また、端末装置12は、選択した第1の行動パターン37に関連付けられた行動回数38を更新する。
図5の例では、端末装置12は、敵キャラクタ30の行動(攻撃)としてチョキを選択したため、チョキの行動回数38を10回(
図4参照)から9回に更新している。すなわち、端末装置12は、選択した第1の行動パターン37の一つに関連付けられた行動回数38を1つ減らして、行動回数38を更新する。そして、
図5のように、端末装置12は、第1の行動パターン37を更新された行動回数38とともにユーザに示す。
【0068】
本実施形態において、第1の行動パターン37のそれぞれに関連付けられた行動回数38は0回以上であり得る。例えばグーの行動回数38が0回と表示されることもある。このとき、ユーザは対戦相手の行動としてグーが選択されないことを把握できるため、このゲームコンテンツでの勝率を高められる。例えばユーザは、第1の行動パターン37のいずれかに関連付けられた行動回数38が0回となるように、上記の「マヒ」のスキル等を適切なタイミングで発動させることができる。このゲームコンテンツにおいては、ユーザは勝率を高めるように第2の行動パターン47のうちの一つを選択することが可能であり、ゲームの戦略性が向上する。
【0069】
ここで、別の例として、端末装置12は、第3の条件が満たされた場合に行動回数38を増減させなくてもよい。ここで、第3の条件は、選択した第1の行動パターン37の一つに関連付けられた行動回数38が所定の数(例えば1)であることでもよい。つまり、第1の行動パターン37のいずれかに関連付けられた行動回数38が0回となることが回避されてもよい。
図5のような場合に、端末装置12は、選択した第1の行動パターン37がグーまたはパーである場合に、これらに関連付けられた行動回数38を0回にすることなく、1回のままにする。この例では、常に第1の行動パターン37の全てが選択される可能性があるので、ゲームコンテンツにおける対戦の緊張感が持続する。
【0070】
図6は、敵キャラクタの行動回数38が変更された画面を例示する図である。ここで、行動回数38の変更とは、行動回数38の全体的な変化(例えば初期化を含む)を意味する。つまり、行動回数38の変更は、上記の選択した第1の行動パターン37の一つに関連付けられた行動回数38が1つ減ること(行動回数38の更新、例えば
図4から
図5への行動回数38の変化)とは異なる。
【0071】
行動回数38の変更は、ゲームコンテンツにおいて所定の条件が満たされた場合に実行される。本実施形態において、所定の条件は行動回数38の全てが下限値(例えば0回)になることである。ここで、行動回数38の変更が実行される所定の条件は、これに限定されるものではない。別の例として、所定の条件は、ゲージ36で示される敵キャラクタ30のヒットポイントがある値(例えば1000)になることでもよい。別の例として、所定の条件は、ゲームコンテンツの開始から所定の時間(例えば10分)、または、所定のターン数(例えば12ターン)が経過したことであってもよい。
【0072】
行動回数38の変更が実行されると、行動回数38は初期値に戻ってもよい。例えば、敵キャラクタ30の攻撃パターンとしてグー、チョキ、パーがそれぞれ1回、10回、1回選択され得る状態が初期値であるとする(
図4参照)。このとき、行動回数38の全てが下限値になると、グー、チョキ、パーの行動回数38がそれぞれ1回、10回、1回にリセットされてもよい。
【0073】
ここで、本実施形態において、行動回数38の変更後の値は、初期値とは別の値の組み合わせ(
図6の例では、グー、チョキ、パーがそれぞれ4回)になり得る。
図6の例では、グー、チョキ、パーの行動回数38は同じ値(4回)であるため、
図4の例と比較しても数値の偏りが小さくなっている。そのため、ユーザは次に選択される第1の行動パターン37を予想しにくい。つまり、ゲームコンテンツをクリアする(敵キャラクタ30を倒す)難易度が上がっている。本実施形態においては、ゲームコンテンツの進行に応じて、行動回数38の変更を用いた難易度の調整が行われる。例えば、行動回数38の変更の実行回数が増えるにつれて、グー、チョキ、パーの行動回数38の偏りが小さくなるように調整されてもよい。このとき、ゲームコンテンツでの対戦が長引くほど、難易度が上がってクリアが難しくなる。逆に、行動回数38の変更の実行回数が増えるにつれて、グー、チョキ、パーの行動回数38の偏りが大きくなるように調整されてもよい。このとき、ユーザは、あきらめずにゲームコンテンツを続けることによって難易度を下げることができる。また、行動回数38の変更を実行する際のユーザのパラメータ(例えばゲージ46で示されるユーザ側のヒットポイント)に応じて、難易度(すなわち行動回数38の偏り)が調整されてもよい。
図6の例では、ユーザ側のヒットポイントは上限値(10000)に近い9000である。このように、ユーザ側のヒットポイントの値が十分大きい場合に、ゲームコンテンツの難易度を上げてもよい(行動回数38の偏りが小さくなるように調整してもよい)。逆に、ユーザ側のヒットポイントの値が小さい場合(例えば最大値の20%未満の場合)に、行動回数38の偏りを大きくしてもよい。ここで、敵キャラクタ30の行動パターンの表示は、偶然性(ランダム性)を低下させることが可能であるが、難易度を著しく低下させる懸念があった。上記のような行動回数38の変更による難易度の調整は、偶然性を低下させつつも、ゲーム性をさらに向上させることができる。
【0074】
(フローチャート)
図7は、端末装置12が実行する、対戦を行うゲームコンテンツに関する制御方法を示すフローチャートである。
【0075】
まず、端末装置12は、第1の行動パターン37を、行動回数38と関連付けて端末記憶部18に記憶する(ステップS1)。本実施形態において、行動回数38との関連付けは第1の行動パターン37のそれぞれについて実行される。また、行動回数38は、第1の条件の下での回数である。つまり、行動回数38は、所定の期間内(例えば5分間以内、続く12ターン以内等)における回数で記憶される。ここで、上記の行動回数38の変更によって回数が変化する場合には、端末装置12は、第1の行動パターン37を、変化後を含む複数の行動回数38と関連付けて端末記憶部18に記憶してもよい。また、記憶される行動回数38は、敵キャラクタ30に応じて異なっていてもよい。例えば、強い(倒すことが難しい)敵キャラクタ30の場合には、第1の行動パターン37のそれぞれの回数の偏りが小さい(ユーザが敵キャラクタ30の行動パターンを予測し難い)行動回数38が設定されてもよい。また、例えば、弱い(倒すことが簡単な)敵キャラクタ30の場合には、第1の行動パターン37のそれぞれの回数の偏りが大きい(ユーザが敵キャラクタ30の行動パターンを予測し易い)行動回数38が設定されてもよい。
【0076】
端末装置12は、第1の行動パターン37を行動回数38とともにユーザに示す(ステップS2)。行動回数38は、例えば
図4〜
図6の表示画面例のようにユーザに示される。ユーザは、表示される行動回数38に基づいて、敵キャラクタ30の次の行動パターンを推測できる。ここで、ステップS2における行動回数38は、ステップS1で端末記憶部18に記憶された値(同じ値)が用いられてもよい。また、ステップS2における行動回数38は、ステップS1で端末記憶部18に記憶された値をコピーして生成された値(別の値)が用いられてもよい。つまり、ステップS1で端末記憶部18に記憶された値は、行動回数38の初期値として読み出されるが、ステップS2における行動回数38とは異なる値(データ)であってもよい。
【0077】
端末装置12は、ユーザに、第2の行動パターン47のうちの一つを選択させる(ステップS3)。上記のように、第2の行動パターン47のそれぞれ(例えばグー、チョキ、パー)には、ユーザが所有するゲーム媒体(例えばキャラクタカード、または、カードのキャラクタ等)が関連付けられている。ユーザは第2の行動パターン47のうちの一つを選択したときに、関連付けられているゲーム媒体が有するスキルを発動できる場合がある。スキルには、例えば敵キャラクタ30の次の行動パターンを決定するもの、または、予測可能にするものが含まれる。ユーザは、このようなスキルを伴う第2の行動パターン47を適切なタイミングで選択することによって、対戦を行うゲームコンテンツの勝率を高めることが可能である。特に、敵キャラクタ30の第1の行動パターン37が行動回数38とともに表示される本ゲームコンテンツにおいては、ユーザはスキルの発動によって実質的に敵キャラクタ30の行動パターンを決定することも可能である(例えば「マヒ」のスキル)。そのため、ランダムに敵キャラクタ30の行動パターンを決定するゲーム等と比較して、本ゲームコンテンツにおいては戦略性が大きく向上している。
【0078】
端末装置12は、対戦相手(敵キャラクタ30)の行動として、第1の行動パターン37のうちの一つを選択する(ステップS4)。端末装置12は、第1の行動パターン37のそれぞれに関連付けられた行動回数38の制限の下で選択される。
【0079】
端末装置12は、選択した第1の行動パターン37(例えばチョキ)に対応付けられた行動回数38を更新する(ステップS5)。ここで、更新される行動回数38は、ステップS2において第1の行動パターン37とともにユーザに示される。上記のように、行動回数38は、1つのターンの対戦が実行されると1つずつ減る(行動回数38の変更が実行される場合、または、第3の条件が満たされて増減させない設定がされている場合、を除く)。
【0080】
端末装置12は、選択された第2の行動パターン47のうちの一つと、選択した第1の行動パターン37のうちの一つと、の組み合わせに応じて、ユーザおよび対戦相手の少なくとも一方のパラメータの値を変動させる(ステップS6、変動ステップ)。上記の例では、勝敗に応じて、ユーザおよび対戦相手の少なくとも一方のヒットポイントが変化する。
【0081】
端末装置12は、ゲームコンテンツが終了していない場合に(ステップS7のNo)、ステップS2に戻る。そして、端末装置12は、第1の行動パターン37を更新された行動回数38とともにユーザに示す。端末装置12は、ゲームコンテンツが終了した場合に(ステップS7のYes)、一連の処理を終了する。
【0082】
以上述べたように、本実施形態に係る情報処理装置(例えば端末装置12)は、対戦を行うゲームコンテンツを含むゲームの処理を実行する。情報処理装置は、ゲームコンテンツの対戦相手の複数の行動パターンである第1の行動パターン37のそれぞれを、第1の条件の下での行動回数38と関連付けて記憶する記憶部(例えば端末記憶部18)と、制御部(例えば端末制御部21)と、を備える。制御部は、第1の行動パターン37を行動回数38とともにユーザに示す。制御部は、ユーザに、第2の行動パターン47のうちの一つを選択させるユーザ行動制御(ユーザ行動ステップ)を行う。制御部は、対戦相手(例えば敵キャラクタ30)の行動として、第1の行動パターン37のうちの一つを選択する対戦相手行動制御(対戦相手行動ステップ)を行う。制御部は、対戦相手行動制御において選択した第1の行動パターン37に関連付けられた行動回数38を更新する。制御部は、ユーザ行動制御において選択された第2の行動パターン47のうちの一つと、対戦相手行動制御において選択した第1の行動パターン37のうちの一つと、の組み合わせに応じて、ユーザおよび対戦相手の少なくとも一方のパラメータ(例えばヒットポイント)の値を変動させる。制御部は、第1の行動パターン37を更新された行動回数38とともにユーザに示す。
【0083】
本実施形態に係る情報処理装置は、対戦を行うゲームコンテンツにおいて、ユーザが第2の行動パターン47を適切なタイミングで選択することによって、例えば勝率を高めることを可能にする。敵キャラクタ30の第1の行動パターン37が行動回数38とともに表示される本ゲームコンテンツにおいて、ユーザは実質的に敵キャラクタ30の行動パターンを決定することも可能になる。そのため、ランダムに敵キャラクタ30の行動パターンを決定するゲーム等と比較して、本ゲームコンテンツにおいては戦略性が大きく向上している。また、ユーザに対して、敵キャラクタの行動パターンが明示的に表示されるため、各ユーザで敵キャラクタの行動パターンのバラつきが生じず、公平性が担保される。また、その情報がユーザに開示されているため、ユーザは公平性を明確に認識することができる。
【0084】
本開示を諸図面および実施形態に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形および修正を行うことが容易であることに注意されたい。したがって、これらの変形および修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段またはステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0085】
(変形例等)
上記の実施形態において、行動回数38は数値(例えば10回)で示されていた(
図4参照)。ここで、行動回数38は特定の画像(例えば丸、多角形または星等の画像)の表示数で示されてもよい。例えば、第1の行動パターン37のグーに関連付けられて丸の画像が10個表示される場合に、グーの選択可能回数が10回であることを意味してもよい。また、行動回数38は特別な回を含んでもよい。このとき、特別な回に対応する画像(例えば星の画像)は、その他の通常の回に対応する画像(例えば丸の画像)と異なっていてもよい。そして、特別な回に対応する第1の行動パターン37が選択されると、行動回数38の変更(例えば初期化)が実行されてもよい。このことによって、行動回数38の変更に偶然の要素が加わり、ゲームコンテンツにおける興趣性が向上する。
【0086】
また、上記の実施形態において、ゲーム画面の一部をサーバ装置11が生成したデータに基づいて端末装置12の表示部19に表示させるウェブ表示とし、ゲーム画面の一部を、端末装置12にインストールされているネイティブアプリによって表示させるネイティブ表示としてもよい。このように、上述した実施形態におけるゲームは、端末装置12およびサーバ装置11のそれぞれが処理の一部を担うハイブリッドゲームとすることもできる。
【0087】
また、サーバ装置11および端末装置12は、ゲームに関する多様な処理を協働して実行してもよい。例えば、サーバ装置11および端末装置12が、一連の処理を分担して実行してもよい。また、例えば、サーバ装置11および端末装置12それぞれが同一の処理を実行してもよい。当該同一の処理について、サーバ装置11と端末装置12との間で処理結果が一致する場合、サーバ装置11および端末装置12は、当該処理を完了してもよい。サーバ装置11と端末装置12との間で処理結果が一致しない場合、サーバ装置11および端末装置12は、一方(例えばサーバ装置11)の処理結果が正しいとして当該処理を完了してもよい。また、別の例として、サーバ装置11と端末装置12との間で処理結果が一致しない場合、サーバ装置11および端末装置12は、当該同一の処理の実行前にプロセスを巻き戻してもよい。かかる構成によれば、例えばサーバ装置11および端末装置12の間の通信品質が一時的に低下した場合であっても、直ちに処理が中断される蓋然性が低下する。また、端末装置12において、例えばパラメータの書き換え等の不正処理が行われた場合であっても、当該不正処理を排除できる蓋然性が向上する。
【0088】
また、端末装置12またはサーバ装置11として機能させるために、例えばコンピュータ、携帯電話等を好適に用いることができる。端末装置12またはサーバ装置11は上記の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、アクセス可能な記憶部に格納し、CPUによって当該プログラムを読み出して実行させることによって実現可能である。