(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、図中の矢印U、矢印D、矢印F、矢印B、矢印L及び矢印Rで示した方向を、それぞれ上方向、下方向、前方向、後方向、左方向及び右方向と定義して説明を行う。
【0012】
まず、
図1を用いて、本実施形態に係る樹脂成形装置1の構成について説明する。樹脂成形装置1は、半導体チップなどの電子部品を樹脂封止し、樹脂成形品を製造するものである。特に本実施形態では、キャビティ内の樹脂材料を圧縮して成形する圧縮成形方式(コンプレッション方式)を採用した樹脂成形装置1を例示している。なお、本実施形態においては顆粒状の樹脂材料を用いることを想定しているが、樹脂材料としては、顆粒状のものだけでなく、粉末状や液状など任意の形態のものを用いることが可能である。
【0013】
樹脂成形装置1は、構成要素として、基板搬入搬出モジュール10、基板受け渡しモジュール20、成形モジュール30、樹脂供給モジュール40及び制御部50を具備する。各構成要素は、他の構成要素に対して着脱可能かつ交換可能である。
【0014】
基板搬入搬出モジュール10は、電子部品を装着した基板Pを搬入すると共に、電子部品が樹脂封止された基板Pを搬出するものである。本実施形態においては、比較的大型の基板Pを用いることを想定している。例えば、基板Pは、1辺が450mm以上、500mm以上、又は600mm以上の矩形板状に形成される。基板搬入搬出モジュール10は、主として搬入部11、搬出部12、検査部13及びアーム機構14を具備する。
【0015】
搬入部11は、樹脂封止されていない基板Pが配置される部分である。搬出部12は、樹脂封止された基板Pが配置される部分である。搬入部11及び搬出部12は、それぞれ基板Pを複数収容することができる。
【0016】
検査部13は、樹脂封止された基板Pの検査を行う部分である。検査部13は、樹脂封止された基板Pを載置する載置部、基板Pを検査する検査機構(不図示)等を具備する。
【0017】
アーム機構14は、基板Pを移動させるものである。アーム機構14は、基板Pを吸着する吸着ハンド部14a、吸着ハンド部14aが取り付けられるアーム部14b、アーム部14bを適宜回転させたり移動させたりする駆動部14c等を具備する。
【0018】
基板受け渡しモジュール20は、基板搬入搬出モジュール10と後述する成形モジュール30との間で基板Pの受け渡しを行う部分である。基板受け渡しモジュール20は、主としてローダ21及びアンローダ22を具備する。
【0019】
ローダ21は、樹脂封止されていない基板Pをアーム機構14から受け取り、後述する成形モジュール30の成形型31へと搬送するものである。アンローダ22は、樹脂封止された基板Pを後述する成形型31から受け取り、基板搬入搬出モジュール10へと搬送するものである。ローダ21及びアンローダ22は、左右方向に延びるレールLに沿って移動することができる。本実施形態においては、ローダ21とアンローダ22は、一体的に移動するように互いに連結されている。
【0020】
成形モジュール30は、後述する樹脂供給モジュール40から供給される樹脂材料を用いて、基板Pに装着された電子部品を樹脂封止するものである。本実施形態においては、成形モジュール30は2つ並べて配置される。2つの成形モジュール30によって基板Pの樹脂封止を並行して行うことで、樹脂成形品の製造効率を向上させることができる。成形モジュール30は、主として成形型31、型締め機構(不図示)等を具備する。
【0021】
成形型31は、溶融した樹脂材料を用いて、基板Pに対して圧縮成形するものである。成形型31は上下一対の型(上型及び下型)を具備する。下型には、樹脂材料が収容される凹状のキャビティ(不図示)が形成される。また成形型31には、樹脂材料を溶融させるためのヒーター(不図示)が設けられる。
【0022】
樹脂供給モジュール40は、成形モジュール30の成形型31に樹脂材料を供給するものである。樹脂供給モジュール40は、主として樹脂材料供給装置100、小トレイ41、小トレイ搬送機構42、大トレイ43及び大トレイ搬送機構44を具備する。
【0023】
樹脂材料供給装置100は、後述する小トレイ41に樹脂材料を供給するものである。樹脂材料供給装置100は、左右に並ぶように2つ設けられる。2つの樹脂材料供給装置100によって、並行して2つの小トレイ41に樹脂材料を供給することができる。なお、樹脂材料供給装置100の詳細な構成については後述する。
【0024】
小トレイ41は、樹脂材料供給装置100から受け取った樹脂材料を、後述する大トレイ43へと供給するものである。小トレイ41は、上面に樹脂材料を保持することができる。小トレイ41は、平面視における大きさが、後述する大トレイ43の大きさの4分の1程度となるように形成される。
【0025】
小トレイ搬送機構42は、小トレイ41を適宜の位置に搬送するものである。小トレイ搬送機構42は、樹脂材料供給装置100と大トレイ43との間で、小トレイ41を往復させるように搬送することができる。
【0026】
大トレイ43は、小トレイ41から受け取った樹脂材料を、成形モジュール30の成形型31へと供給するものである。大トレイ43は、上面に樹脂材料を保持することができる。大トレイ43は、成形型31のキャビティの平面形状に対応した平面形状(例えば、矩形状)となるように形成される。
【0027】
大トレイ搬送機構44は、大トレイ43を適宜の位置に搬送するものである。大トレイ搬送機構44は、左右方向に延びるレールLに沿って移動することができる。
【0028】
なお、小トレイ41は、本発明に係る供給対象物及び樹脂搬送部材の実施の一形態である。小トレイ41及び大トレイ43の詳細な構成については後述する。
【0029】
制御部50は、樹脂成形装置1の各モジュールの動作を制御するものである。制御部50によって、基板搬入搬出モジュール10、基板受け渡しモジュール20、成形モジュール30及び樹脂供給モジュール40の動作が制御される。また、制御部50を用いて、各モジュールの動作を任意に変更(調整)することができる。
【0030】
次に、上述の如く構成された樹脂成形装置1の動作(樹脂成形品の成形方法)の概要について説明する。
【0031】
まず、搬入部11に配置された樹脂封止されていない基板Pが、アーム機構14によってローダ21へと搬送される。
【0032】
次に、ローダ21がレールLに沿って移動し、基板Pを一方の成形モジュール30へと搬送する。成形モジュール30に搬送された基板Pは、成形型31の上型に吸着されて保持される。
【0033】
次に、成形型31の下型を覆うように、離型フィルムが配置される。
【0034】
次に、樹脂供給モジュール40から、成形モジュール30の成形型31に樹脂材料が供給される。ここで、樹脂供給モジュール40では、予め樹脂材料供給装置100から供給される樹脂材料が、小トレイ41を介して大トレイ43へと供給されている。小トレイ41は大トレイ43の4分の1程度の大きさとなるように形成されているため、延べ4つの小トレイ41によって、大トレイ43全体に略均一に樹脂材料が供給される。
【0035】
大トレイ搬送機構44がレールLに沿って移動することで、樹脂材料を保持した大トレイ43が成形モジュール30の成形型31まで搬送される。その後、大トレイ43の樹脂材料が成形型31(下型)のキャビティに供給される。大トレイ搬送機構44は、成形型31に樹脂材料を供給した後、樹脂供給モジュール40へと戻る。
【0036】
次に、成形型31のヒーターによって樹脂材料が溶融される。その後、前記型締め機構によって下型と上型が互いに近づけられ(型締めされ)、基板Pの電子部品が樹脂材料に浸漬される。この状態で、樹脂材料に適宜圧力が加えられる。この状態で樹脂材料が硬化することで、電子部品が樹脂封止された基板Pを得ることができる。
【0037】
次に、前記型締め機構によって下型と上型が互いに離される(型開きされる)。また、アンローダ22がレールLに沿って移動し、電子部品が樹脂封止された基板Pを成形型31から受け取る。この際、アンローダ22と共に移動してきたローダ21によって、新たな基板Pを成形型31に配置することができる。その後アンローダ22は、レールLに沿って移動し、基板受け渡しモジュール20へと戻る。
【0038】
次に、アンローダ22に保持された基板Pが、アーム機構14によって検査部13へと搬送される。検査部13において、電子部品が樹脂封止された基板Pの検査が行われる。
【0039】
次に、検査が終了した基板Pが、アーム機構14によって搬出部12へと搬送される。搬出部12に配置された基板Pは、外部へと適宜搬出される。
【0040】
以上のように、基板Pに装着された電子部品を樹脂封止することで、樹脂成形品を製造することができる。なお、上記の動作説明では説明を省略しているが、本実施形態の樹脂成形装置1では、2つ設けられた成形モジュール30によって、基板Pの樹脂封止を並行して行うことができる。具体的には、一方の成形モジュール30によって樹脂封止(樹脂材料の溶融や、基板Pへの押圧等)が行われている際に、もう一方の成形モジュール30に樹脂材料を供給したり、基板Pの樹脂封止を行ったりすることができる。このようにして、樹脂成形品(電子部品が樹脂封止された基板P)を効率よく製造することができる。
【0041】
以下では、
図2から
図8を用いて、樹脂供給モジュール40の樹脂材料供給装置100について具体的に説明する。
【0042】
図2に示すように、樹脂材料供給装置100は、樹脂供給モジュール40の筐体40a内に、左右に2つ並ぶように設けられる。2つの樹脂材料供給装置100は、左右略対称に配置されている点を除いて、互いに概ね同様の構成を備えている。よって以下では、一方(右側)の樹脂材料供給装置100の構成について具体的に説明し、他方(左側)の樹脂材料供給装置100の構成の説明は省略する。
【0043】
図3及び
図4に示すように、樹脂材料供給装置100は、主としてストッカ110、第一振動部120、トラフ130、第二振動部140、重量計150及び分配器160を具備する。なお、
図3及び
図4においては、ストッカ110及びトラフ130に収容されている樹脂材料をハッチングで示している。
【0044】
ストッカ110は、樹脂材料を収容し、後述するトラフ130へと供給するものである。なお、ストッカ110は、本発明に係る樹脂収容部の実施の一形態である。ストッカ110は、主として収容部111及び供給部112を具備する。
【0045】
収容部111は、樹脂材料を収容する部分である。収容部111は、内部に樹脂材料が収容可能となるように中空状に形成される。収容部111の上部には、樹脂材料を内部に供給するための開口部(不図示)が形成されている。収容部111には、適宜のタイミングで樹脂材料が供給(補充)される。
【0046】
供給部112は、収容部111に収容された樹脂材料を後述するトラフ130へと供給する部分である。供給部112は、内部を樹脂材料が移動可能となるように中空状に形成される。供給部112は、収容部111の一側面の下部から、後述する分配器160の上方へと延びるように形成される。供給部112の先端部(左端部)近傍には、供給部112の内部の樹脂材料を下方へと排出するための供給口112aが設けられる。
【0047】
第一振動部120は、ストッカ110から樹脂を排出するためのものである。第一振動部120は、ストッカ110の下部に設けられ、ストッカ110を振動させることができる。第一振動部120は、ストッカ110を振動させることで、収容部111内の樹脂材料を供給部112へと移動させ、供給口112aから下方へと排出させることができる。
【0048】
トラフ130は、樹脂材料を収容し、小トレイ41へと供給するものである。なお、トラフ130は、本発明に係る樹脂供給部の実施の一形態である。
図3に示すように、トラフ130は、ストッカ110の下方において、左右に2つ並ぶように(平面視において、ストッカ110の供給口112aを挟んで左右対称な位置に)配置される。トラフ130は、主として収容部131及び供給部132を具備する。
【0049】
収容部131は、樹脂材料を収容する部分である。収容部131は、内部に樹脂材料が収容可能となるように中空状に形成される。収容部131の上部には、樹脂材料を内部に供給するための開口部(不図示)が形成されている。
【0050】
供給部132は、収容部131に収容された樹脂材料を小トレイ41へと供給する部分である。供給部132は、内部を樹脂材料が移動可能となるように中空状に形成される。供給部132は、収容部131の一側面の下部から、一方向(後方)へと延びるように形成される。供給部132の先端部(後端部)近傍には、供給部132の内部の樹脂材料を下方へと排出するための供給口132aが設けられる。
【0051】
なお、2つのトラフ130は、1つの小トレイ41に対して同時に樹脂材料を供給することができるように、互いにある程度近接した位置に配置される。具体的には、2つのトラフ130(特に、供給口132a)は、左右方向の間隔が、小トレイ41の左右幅の約2分の1となるように配置される。
【0052】
図4に示す第二振動部140は、トラフ130から樹脂を排出するためのものである。第二振動部140は、トラフ130の下部に設けられ、トラフ130を振動させることができる。第二振動部140は、トラフ130を振動させることで、収容部131内の樹脂材料を供給部132へと移動させ、供給口132aから下方へと排出させることができる。
【0053】
重量計150は、トラフ130に収容されている樹脂材料の重量を測定するためのものである。重量計150は、第二振動部140の下部に設けられ、トラフ130及び第二振動部140の重量を測定することができる。トラフ130及び第二振動部140の重量は既知であるため、重量計150の測定値からトラフ130及び第二振動部140の重量を差し引くことで、トラフ130に収容されている樹脂材料の重量を測定することができる。
【0054】
第二振動部140及び重量計150は、2つのトラフ130それぞれに設けられる。
【0055】
図3から
図5に示す分配器160は、ストッカ110から供給される樹脂材料を、2つのトラフ130に分配するためのものである。分配器160は、ストッカ110の供給口112aの下方に配置される。分配器160は、主として筐体161、案内部162、切替部材163、及びアクチュエータ164を具備する。
【0056】
筐体161は、後述する案内部162及び切替部材163を収容するものである。筐体161は、略直方体状に形成される。筐体161は、内部に案内部162及び切替部材163が収容可能となるように中空状に形成される。筐体161の上面には、上方(ストッカ110)から供給される樹脂材料が筐体161の内部へと流入するための上部開口部161aが形成される。筐体161の底面には、筐体161の内部の樹脂材料が下方(トラフ130)へと流出するための底部開口部161bが形成される。
【0057】
図5に示す案内部162は、筐体161に供給された樹脂材料を、2つのトラフ130へと案内する部分である。案内部162は、正面視において左右対称な台形状(等脚台形状)に形成される。案内部162は、上面から右下方に向かって傾斜する第一案内面162aと、上面から左下方に向かって傾斜する第二案内面162bと、を具備する。案内部162は、筐体161の下部の左右中央部に設けられる。案内部162によって底部開口部161bの左右中央部が塞がれ、底部開口部161bは左右に分けられる。
【0058】
切替部材163は、筐体161に供給された樹脂材料の供給方向を切り替える部分である。切替部材163は、主として案内板163a及び揺動軸163bを具備する。
【0059】
案内板163aは、樹脂材料を所定の方向へと案内する部材である。案内板163aは、筐体161の前後幅と略同一の前後幅を有する板状に形成される。
【0060】
揺動軸163bは、案内板163aの揺動中心となる部材である。揺動軸163bは、長手方向を前後に向けて配置される。揺動軸163bは、案内板163aの底面の左右中央部に固定される。
【0061】
切替部材163は、案内部162の上方に配置される。具体的には、切替部材163は、案内部162の上面を上方から覆うように配置される。このように配置することで、案内部162の上面(水平な面)に塵挨(樹脂材料の粉末等)が堆積するのを防止することができる。
【0062】
図3及び
図4に示すアクチュエータ164は、切替部材163を揺動させるための駆動源である。アクチュエータ164としては、出力軸を任意の角度に回転させることが可能なサーボモータ等を用いることができる。アクチュエータ164は、筐体161の前面に固定される。アクチュエータ164は、切替部材163の揺動軸163bに連結される。アクチュエータ164は、揺動軸163bを任意の角度だけ回転させることで、案内板163aの傾斜角度を任意に変更することができる。
【0063】
具体的には、アクチュエータ164は、揺動軸163bを正面視時計回りに適宜の角度だけ回転させることで、案内板163aを、左上方から右下方に向かって傾斜するような姿勢(右下がりの姿勢)に切り替えることができる(
図5(a)参照)。この状態では、上部開口部161aから筐体161内へと供給された樹脂材料は、案内板163aの上を右下方へと滑り落ち、案内部162の第一案内面162aへと案内される。第一案内面162aへと案内された樹脂材料は、さらに第一案内面162aの上を右下方へと滑り落ち、底部開口部161bの右端部から下方へと排出される。底部開口部161bの右端部から排出された樹脂材料は、右側のトラフ130(
図3参照)へと供給される。なお、以下では説明の便宜上、この切替部材163の姿勢を「右側供給姿勢」と称する。
【0064】
またアクチュエータ164は、揺動軸163bを正面視反時計回りに適宜の角度だけ回転させることで、案内板163aを、右上方から左下方に向かって傾斜するような姿勢(左下がりの姿勢)に切り替えることができる(
図5(b)参照)。この状態では、上部開口部161aから筐体161内へと供給された樹脂材料は、案内板163aの上を左下方へと滑り落ち、案内部162の第二案内面162bへと案内される。第二案内面162bへと案内された樹脂材料は、さらに第二案内面162bの上を左下方へと滑り落ち、底部開口部161bの左端部から下方へと排出される。底部開口部161bの左端部から排出された樹脂材料は、左側のトラフ130(
図3参照)へと供給される。なお、以下では説明の便宜上、この切替部材163の姿勢を「左側供給姿勢」と称する。
【0065】
次に、
図6及び
図7を用いて、樹脂材料供給装置100から受け取った樹脂材料を、成形モジュール30へと供給する小トレイ41及び大トレイ43について具体的に説明する。なお、
図6及び
図7は、各部材の構成を説明するための模式的な図であり、図示した各部材の相対的な位置関係は実際の位置関係と異なるものである。また、
図6及び
図7以外の図では、小トレイ41の形状を簡略化して図示している。
【0066】
小トレイ41は、主として樹脂保持部41a及びシャッター41bを具備する。
【0067】
樹脂保持部41aは、樹脂材料を保持する部分である。樹脂保持部41aは、平面視略正方形の板状に形成される。樹脂保持部41aには、左右に延びるスリット41cが、前後に複数並ぶように形成されている。
【0068】
シャッター41bは、樹脂保持部41aのスリット41cを下方から閉塞可能な部分である。シャッター41bは、平面視略正方形の板状に形成される。シャッター41bには、樹脂保持部41aのスリット41cと対応するように、スリット41dが形成されている。すなわち、シャッター41bのスリット41dは、左右に延びるように、かつ前後に複数並ぶように形成されている。またシャッター41bのスリット41dの前後の間隔は、樹脂保持部41aのスリット41cの前後の間隔と同一となるように形成されている。シャッター41bは、樹脂保持部41aのすぐ下方に配置される。シャッター41bは、図示せぬ移動機構によって、樹脂保持部41aに対して前後に相対的に移動することができる。
【0069】
図6に示すように、シャッター41bのスリット41dが、樹脂保持部41aのスリット41cと上下に対向していない場合、樹脂保持部41aのスリット41cは、シャッター41bによって下方から閉塞される。この状態では、小トレイ41の上面(具体的には、樹脂保持部41aのスリット41c内)に樹脂材料を保持することができる。また、シャッター41bを移動させ、樹脂保持部41aのスリット41cとシャッター41bのスリット41dを対向させることで、樹脂保持部41aのスリット41c内に保持された樹脂材料を下方へと排出することができる。小トレイ41から排出された樹脂材料は、後述する大トレイ43の収容部43bへと供給される。
【0070】
大トレイ43は、主として枠部材43a及び収容部43bを具備する。
【0071】
枠部材43aは、収容部43bを支持する部材である。枠部材43aは、平面視略正方形の枠状に形成される。すなわち枠部材43aは、平面視において、略中央部が開口するように形成されている。
【0072】
収容部43bは、樹脂材料を収容する部分である。収容部43bは、略円柱状に形成される。収容部43bは、長手方向を左右に向けて、枠部材43aの内側(開口部分)に配置される。収容部43bの左右両端部は、枠部材43aに対して回動可能に支持される。収容部43bの側面には、樹脂材料を収容可能な溝43cが形成される。溝43cは、収容部43bの長手方向に沿って延びるように形成される。収容部43bは、前後に複数並ぶように設けられる。隣接する収容部43b同士の前後の間隔(ピッチ)は、小トレイ41のスリット41cの前後の間隔(ピッチ)と同一となるように形成されている。収容部43bは、図示せぬ駆動機構によって、枠部材43aに対して任意の角度に回動することができる。
【0073】
図6に示すように、収容部43bの溝43cが上方を向いている場合、溝43cの内部に樹脂材料を収容することができる。また、収容部43bを回動させ、溝43cを下方に向けることで、溝43c内に収容された樹脂材料を下方へと排出することができる。
【0074】
ここで、小トレイ41のスリット41cの左右の長さは、大トレイ43の収容部43b(溝43c)の左右の長さの約半分となるように形成されている。また、小トレイ41のスリット41cの個数は、大トレイ43の収容部43bの個数の半数となるように形成されている。このように、小トレイ41の平面視における大きさは、大トレイ43の大きさの4分の1程度となるように形成されている。このため、小トレイ41を用いて大トレイ43の収容部43b全体に樹脂材料を供給するためには、延べ4つの小トレイ41を用いる必要がある。
【0075】
次に、上述の如く構成された樹脂材料供給装置100の動作(ストッカ110からトラフ130を介して小トレイ41へと樹脂材料を供給するための動作)について説明する。
【0076】
重量計150によってトラフ130に収容されている樹脂材料の重量が所定値を下回ったことが検出された場合、制御部50によって第一振動部120及び分配器160の動作が制御され、トラフ130に対して樹脂材料が供給される。
【0077】
例えば、
図3に示す2つのトラフ130に収容されている樹脂材料の重量が、どちらも所定値を下回った場合、アクチュエータ164が制御され、切替部材163の姿勢が右側供給姿勢又は左側供給姿勢のいずれか一方(例えば、
図5(a)に示す右側供給姿勢)に切り替えられる。
【0078】
この状態で第一振動部120が作動され、ストッカ110の供給口112aから樹脂材料が排出される。この樹脂材料は、上部開口部161aを介して分配器160の筐体161内へと供給される。さらにこの樹脂材料は、案内板163a及び案内部162(第一案内面162a)によって案内され、右側のトラフ130へと供給される。
【0079】
重量計150によって、右側のトラフ130に収容されている樹脂材料の重量が所定値を上回ったことが検出されると、第一振動部120が停止され、ストッカ110から分配器160への樹脂材料の供給が停止される。その後、アクチュエータ164が制御され、切替部材163の姿勢が右側供給姿勢又は左側供給姿勢のいずれか他方(例えば、
図5(b)に示す左側供給姿勢)に切り替えられる。なお、制御の簡略化のため、第一振動部120を作動させたまま(停止させることなく)、切替部材163の姿勢を切り替えてもよい。
【0080】
この状態で再び第一振動部120が作動され、ストッカ110の供給口112aから樹脂材料が排出される。この樹脂材料は、上部開口部161aを介して分配器160の筐体161内へと供給される。さらにこの樹脂材料は、案内板163a及び案内部162(第二案内面162b)によって案内され、左側のトラフ130へと供給される。
【0081】
重量計150によって、左側のトラフ130に収容されている樹脂材料の重量が所定値を上回ったことが検出されると、第一振動部120が停止され、ストッカ110から分配器160への樹脂材料の供給が停止される。
【0082】
このように、トラフ130に収容されている樹脂材料の重量が所定値を下回ると、ストッカ110内に収容された樹脂材料が自動的にトラフ130へと供給される。これによって、トラフ130内には所定値以上の重量の樹脂材料が常時収容されることになる。
【0083】
なお、上記説明では、2つのトラフ130に収容されている樹脂材料の重量が、どちらも所定値を下回った場合を想定して説明を行ったが、いずれか一方のトラフ130に収容されている樹脂材料の重量のみが所定値を下回った場合にも、そのトラフ130に対して概ね同様に樹脂材料を供給することができる。
【0084】
すなわち、右側のトラフ130に収容されている樹脂材料の重量が所定値を下回った場合には、切替部材163の姿勢が右側供給姿勢(
図5(a)参照)に切り替えられた状態で、ストッカ110から分配器160へと樹脂材料が供給される。また、左側のトラフ130に収容されている樹脂材料の重量が所定値を下回った場合には、切替部材163の姿勢が左側供給姿勢(
図5(b)参照)に切り替えられた状態で、ストッカ110から分配器160へと樹脂材料が供給される。
【0085】
上述のようにして左右のトラフ130に収容された樹脂材料は、適宜のタイミングで小トレイ41へと供給される。以下、具体的に説明する。
【0086】
図8(a)に示すように、小トレイ41に樹脂材料を供給する場合、小トレイ搬送機構42(
図1参照)によって、樹脂材料が供給される前の小トレイ41が2つのトラフ130の下方へと移動される。この際、2つのトラフ130の供給口132aが、所定の開始位置Sの真上に位置するように、小トレイ41の位置が調節される。
【0087】
次に、第二振動部140が作動され、2つのトラフ130の供給口132aのそれぞれから小トレイ41へと樹脂材料が供給される。トラフ130から小トレイ41へと供給される樹脂材料の流速(単位時間あたりの供給重量)は概ね一定となるように、第二振動部140の動作が制御される。
【0088】
また第二振動部140の作動と同時に、小トレイ41の水平方向への移動が開始される。具体的には、小トレイ搬送機構42によって、小トレイ41が前後及び左右へ適宜移動される。小トレイ搬送機構42は、2つのトラフ130の供給口132aが、小トレイ41の半分(前半分)の領域を通過するように小トレイ41を移動させる。また小トレイ搬送機構42は、2つのトラフ130の供給口132aが、最終的に開始位置Sの真上に戻るように、小トレイ41を移動させる。
図8(a)には、2つのトラフ130の、小トレイ41に対する相対的な移動軌跡の一例を示している。
【0089】
2つのトラフ130の供給口132aが、開始位置Sの真上に戻ると、第二振動部140が停止され、トラフ130から小トレイ41への樹脂材料の供給が停止される。
【0090】
このようにして、小トレイ41の半分(前半分)の領域に、樹脂材料が供給される(
図8(b)参照)。
図8では、樹脂材料が供給された領域を網掛けで示している。なお、トラフ130による1回の樹脂材料の供給(第二振動部140が作動されてから停止されるまでの樹脂材料の供給)によって、小トレイ41へと供給される樹脂材料の重量は、予め設定された目標値(目標供給量)となるように制御されている。具体的には、第二振動部140及び小トレイ搬送機構42の動作を適宜制御することで、目標供給量の樹脂材料が小トレイ41へと供給される。
【0091】
次に、小トレイ搬送機構42によって小トレイ41の前後の向き反転され(
図8(c)参照)、小トレイ41の樹脂材料が供給されていない残り半分の領域に、2つのトラフ130から樹脂材料が供給される(
図8(d)参照)。この場合も、
図8(a)に示したような移動軌跡に沿って小トレイ41を移動させながら、トラフ130から小トレイ41へと樹脂材料が供給される。このようにして、1つの小トレイ41に対して樹脂材料を供給する場合、小トレイ41の前後の向きを反転させ、2回に分けて樹脂材料が供給される。
【0092】
本実施形態では、複数(2つ)のトラフ130を用いて1つの小トレイ41へと樹脂材料を供給する構成とすることによって、小トレイ41への樹脂材料の供給時間を短縮することができる。
【0093】
なお、本実施形態のように、トラフ130を複数用いるのではなく、1つのトラフ130を用いて小トレイ41への樹脂材料の供給時間を短縮する場合、トラフ130から小トレイ41へと供給される樹脂材料の流速を増加させる方法も考えられる。しかしながら、このためにはトラフ130の大型化が必要になる場合があり、好ましくない。またこれに伴って、樹脂材料の供給量の制御の精度(例えば、重量計150の測定精度や、トラフ130による樹脂材料の流速の精度)が低下するおそれがある点でも好ましくない。これに対して本実施形態では、複数のトラフ130を用いることで、それぞれのトラフ130の大型化や、樹脂材料の供給量の制御の精度の低下を抑制している。
【0094】
さらに本実施形態では、樹脂供給モジュール40に、2つの樹脂材料供給装置100を設けている(
図1及び
図2参照)。これによって、2つの小トレイ41に対して並行して樹脂材料を供給することができるため、大トレイ43及び成形型31への樹脂材料の供給時間を短縮することができ、ひいては樹脂成形装置1による樹脂成形品の製造の効率化を図ることができる。
【0095】
上述のようにして小トレイ41に供給された樹脂材料は、大トレイ43を介して成形型31のキャビティへと供給される。以下、具体的に説明する。
【0096】
樹脂材料を保持した小トレイ41は、小トレイ搬送機構42によって大トレイ43の上方へと移動される(
図6参照)。その後、小トレイ41のシャッター41bを樹脂保持部41aに対して相対的に移動させることで、樹脂保持部41aのスリット41cが開放され、小トレイ41から大トレイ43へと樹脂材料が供給される。大トレイ43へと供給された樹脂材料は、収容部43bの溝43c内に収容される。
【0097】
ここで、前述のように、小トレイ41は大トレイ43の大きさの4分の1程度に形成されている。このため、
図7に示すように、平面視において、大トレイ43を4等分した4つの領域(
図7の二点鎖線参照)それぞれに対して小トレイ41からの樹脂材料が供給される。すなわち、大トレイ43には、延べ4つの小トレイ41から樹脂材料が供給される。
【0098】
樹脂材料を収容した大トレイ43は、大トレイ搬送機構44によって成形モジュール30の成形型31の上方まで搬送される。その後、大トレイ43の収容部43bが上下反転され、大トレイ43から成形型31のキャビティへと樹脂材料が供給される。
【0099】
この際、大トレイ43と成形型31のキャビティの間には、
図6に示すような拡散板31aが配置される。拡散板31aには複数の貫通孔が設けられる。また、拡散板31aは図示せぬ駆動機構によって振動することができる。大トレイ43から落下した樹脂材料は、振動する拡散板31aによって拡散される。これによって、成形型31のキャビティ内の樹脂材料の均一化を図ることができる。
【0100】
次に、上述の如く構成された樹脂材料供給装置100による樹脂供給量の精度の向上を図るための制御の一例について説明する。
【0101】
上述の如く、本実施形態において、樹脂材料供給装置100は、2つのトラフ130を用いて1つの小トレイ41に樹脂材料を供給するものである(
図8参照)。また樹脂成形装置1は2つの樹脂材料供給装置100を備えるものである(
図2参照)。すなわち、本実施形態に係る樹脂成形装置1は、4つのトラフ130を用いて、2つの小トレイ41に同時に樹脂材料を供給することができる。
【0102】
また、本実施形態において、大トレイ43には、延べ4つの小トレイ41から樹脂材料が供給される(
図7参照)。また、樹脂材料供給装置100は、2回に分けて小トレイ41へと樹脂材料を供給するものである(
図8参照)。
【0103】
これらをまとめると、
図9に示すように、本実施形態においては、1つの大トレイ43に樹脂材料を供給する場合、4つのトラフ130(
図9においては、4つのトラフ130を区別するために、トラフ(1)〜(4)と表記している)は樹脂材料を小トレイ41へとそれぞれ4回供給することになる。
【0104】
このように、複数のトラフ130を用いて複数回の樹脂材料の供給を行うと、樹脂材料の供給量の誤差が累積し、大トレイ43に供給される樹脂材料の総供給量が、目標値(目標総供給量)と大きく異なってしまう可能性がある。そこで本実施形態では、樹脂材料の総供給量の誤差を小さく抑えるための制御を行うことを想定している。以下、
図9を用いて、この制御の具体例について説明する。なお、
図9で示した数値は本制御を説明するために便宜上設定した値であり、実際に本制御を行う際の値を限定するものではない。
【0105】
図9には、トラフ130から小トレイ41へと供給される樹脂材料の重量の目標値と、実際に供給された樹脂材料の重量の一例を示している。具体的には、
図9には、目標値として、各トラフ130の1回目から4回目までの樹脂材料の供給における目標供給量と、4つのトラフ130による4回の樹脂供給によって供給される樹脂材料の目標総重量(1つの大トレイ43に供給すべき樹脂材料の重量の目標値)を示している。また、各目標値の下の欄に、実際の樹脂材料の供給量を示している。
【0106】
図9に示した例では、4つのトラフ130による4回の樹脂材料の供給によって、合計160.0gの樹脂材料を供給することを目標としている。
【0107】
樹脂材料供給装置100によって樹脂材料を供給する場合、まず小トレイ41へと供給する樹脂材料の目標値(目標供給量)が設定される。1回あたりの樹脂材料の供給の目標値は、目標総供給量(160.0g)を、トラフ130による樹脂供給の延べ回数で除することで決定される。本例では、4つのトラフ130が各4回樹脂材料を供給するため、トラフ130による樹脂材料の延べ回数は16回となる。従って、各トラフ130の1回あたりの目標供給量は、10.0gとなる。
【0108】
次に、実際に1回目の樹脂材料の供給が行われる。
図9に示す例では、第1回目標供給量(10.0g)に従ってトラフ130から小トレイ41へと樹脂材料を供給した結果、トラフ(1)とトラフ(2)で目標供給量に対して誤差が生じている(第1回供給量参照)。
【0109】
そこで、第2回目標供給量は、1回目の樹脂材料の供給で生じた誤差を打ち消すような値に補正される。例えば、トラフ(1)による1回目の樹脂材料の供給では、+0.1gの誤差が生じている。そこで、第2回目標供給量として、最初に算出された目標供給量(10.0g)から0.1gを減算した値(すなわち、9.9g)が設定される。2回目の樹脂材料の供給によって第2回目標供給量(9.9g)の樹脂材料を供給できれば、1回目と2回目の供給量の平均が10.0gとなる。すなわち、1回目の樹脂材料の供給で生じた誤差を打ち消すことができる。
【0110】
図9では、トラフ(2)についても、第2回目標供給量が10.2gに補正された例を示している。
【0111】
次に、実際に2回目の樹脂材料の供給が行われる。
図9に示すように、第2回目標供給量に従ってトラフ130から小トレイ41へと樹脂材料を供給した結果、トラフ(1)とトラフ(2)で目標供給量に対して誤差が生じている(第2回供給量参照)。
【0112】
そこで、第3回目標供給量は、第2回目標供給量と同様に、2回目の樹脂材料の供給で生じた誤差を打ち消すような値に補正される。例えば、トラフ(1)による2回目の樹脂材料の供給では、+0.2gの誤差が生じている。そこで、第3回目標供給量として、最初に算出された目標供給量(10.0g)から0.2gを減算した値(すなわち、9.8g)が設定される。3回目の樹脂材料の供給によって第3回目標供給量(9.8g)の樹脂材料を供給できれば、1回目から3回目までの供給量の平均が10.0gとなる。すなわち、1回目及び2回目の樹脂材料の供給で生じた誤差を打ち消すことができる。
【0113】
図9では、トラフ(2)についても、第3回目標供給量が10.2gに補正された例を示している。また、4回目の樹脂材料の供給についても、2回目及び3回目と同様に、適宜目標供給量の補正が行われる。
【0114】
このように、2回目以降の各回の樹脂材料の供給の際に、各トラフ130による樹脂材料の目標供給量を補正する制御(以下、この制御を「各回補正制御」と称する)を行うことで、目標総供給量に対する誤差を小さく抑えることができる。
【0115】
さらに本実施形態では、最後(4回目)の樹脂材料の供給において、いずれかのトラフ130(
図9の例では、トラフ(4))を用いて、さらに誤差を小さく抑える制御を行っている。
【0116】
すなわち、上述のように各回補正制御を行ったとしても、実際の供給量には誤差が生じる可能性がある。そこで、最後(4回目)の樹脂材料の供給を行う場合、少なくとも1つのトラフ130(本例では、トラフ(4))による樹脂材料の供給量を調節し、誤差を打ち消す制御を行っている。
【0117】
具体的には、最後(4回目)の樹脂材料の供給を行う場合、トラフ(4)による樹脂材料の供給の完了を、その他のトラフ(1)〜(3)による樹脂材料の供給の完了よりも遅らせる。そして、トラフ(1)〜(3)による実際の樹脂材料の供給量を把握した上で、1回目〜4回目までの樹脂材料の総供給量が、目標総供給量(160.0g)となるように、トラフ(4)による樹脂材料の供給量が調節される。
図9の例では、目標供給量(10.0g)が設定されているのにもかかわらず、トラフ(4)による4回目の樹脂材料の供給量が、10.4gに調節された例を示している。
【0118】
このように、最後(4回目)の樹脂材料の供給を行う際に、少なくとも1つのトラフ130による樹脂材料の供給量を調節する制御(以下、この制御を「最終補正制御」と称する)を行うことで、目標総供給量に対する誤差を小さく抑えることができる。
【0119】
なお、
図9の例では、2つの制御(各回補正制御と最終補正制御)によって誤差を抑える例を示したが、いずれか一方の制御だけを行っても良い。また、誤差が許容できる程度に十分小さい場合には、必ずしも各回補正制御及び最終補正制御を行わなくてもよい。
【0120】
以上の如く、本実施形態に係る樹脂材料供給装置100は、
樹脂材料を収容する樹脂収容部(ストッカ110)と、
樹脂材料を一の供給対象物(小トレイ41)に供給する複数の樹脂供給部(トラフ130)と、
前記樹脂収容部から供給された樹脂材料を複数の前記樹脂供給部に分配する分配器160と、
を備えるものである。
【0121】
このように構成することにより、樹脂材料の供給時間を短縮することができる。すなわち、複数のトラフ130によって小トレイ41へと樹脂材料を供給することができるため、小トレイ41への樹脂材料の供給時間を短縮することができる。また、単一のトラフ130を用いる場合に比べて、トラフ130を大型化したり、トラフ130単体の樹脂材料の流速を増加させる必要がないため、樹脂材料の供給量の精度の低下を防止することもできる。
【0122】
また、前記分配器160は、複数の前記樹脂供給部から択一的に選択された前記樹脂供給部に樹脂材料を供給するものである。
【0123】
このように構成することにより、樹脂供給部(トラフ130)へ供給される樹脂材料の量を管理し易くすることができる。すなわち、複数のトラフ130にまとめて樹脂材料を供給するのではなく、個別に樹脂材料を供給することで、各トラフ130に適した量の樹脂材料を供給することができる。
【0124】
また、前記分配器160は、前記樹脂収容部から供給された樹脂材料の供給方向を切り替える切替部材163を備えるものである。
【0125】
このように構成することにより、簡素な構成で樹脂材料の分配を行うことができる。
【0126】
また、前記分配器160は、前記切替部材163の傾きを切り替えるアクチュエータ164をさらに備えるものである。
【0127】
このように構成することにより、樹脂材料の供給方向の切り替えを容易に行うことができる。
【0128】
また、前記分配器160は、樹脂材料を前記樹脂供給部(トラフ130)へと案内する案内部162を備えるものである。
【0129】
このように構成することにより、樹脂材料を樹脂供給部へと円滑に供給することができる。特に本実施形態では、2つの斜面(第一案内面162a及び第二案内面162b)を用いて、自重により落下する樹脂材料を2つの樹脂供給部(トラフ130)へと案内することができるため、簡素な構成で樹脂材料をトラフ130へと案内することができる。
【0130】
また、前記供給対象物は、樹脂材料を搬送する樹脂搬送部材(小トレイ41)である。
【0131】
このように構成することにより、樹脂材料の搬送時間を短縮することができる。
【0132】
また、本実施形態に係る樹脂成形装置1は、上記樹脂材料供給装置100を備えるものである。
【0133】
このように構成することにより、樹脂材料の供給時間を短縮することができる。また、これに伴って、樹脂成形品の製造を効率的に行うことができる。
【0134】
また、樹脂成形装置1は、上記樹脂材料供給装置100を複数備えるものである。
【0135】
このように構成することにより、樹脂材料の供給時間をさらに短縮することができる。また、これに伴って、樹脂成形品の製造を効率的に行うことができる。
【0136】
また、本実施形態に係る樹脂成形品の製造方法は、上記樹脂成形装置1を用いて樹脂成形品を製造するものである。
【0137】
このように構成することにより、樹脂材料の供給時間を短縮することができる。また、これに伴って、樹脂成形品の製造を効率的に行うことができる。
【0138】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の技術的思想の範囲内で適宜の変更が可能である。
【0139】
例えば、本実施形態においては、コンプレッション方式の樹脂成形装置1を例示したが、本発明はこれに限るものではなく、他の方式(例えば、溶融した樹脂をキャビティ内に移送して硬化させるトランスファ方式等)を採用することも可能である。
【0140】
また、本実施形態の樹脂成形装置1に用いた構成要素(基板搬入搬出モジュール10等)は一例であり、適宜着脱や交換することが可能である。例えば、基板搬入搬出モジュール10を設けずに、基板Pの搬入搬出を作業者が手動で行うことも可能である。
【0141】
また、本実施形態においては、矩形板状の基板Pを例示したが、本発明はこれに限るものではなく、その他種々の形状(例えば、円形板状等)の基板Pを用いることが可能である。
【0142】
また、本実施形態においては、樹脂材料供給装置100が樹脂材料を供給する対象(供給対象物)として、樹脂材料を搬送する小トレイ41を例示したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、供給対象物は、樹脂材料を搬送するその他の樹脂搬送部材(例えば、大トレイ43等)であってもよい。また、供給対象物は、樹脂搬送部材に限るものではない。例えば、供給対象物は、成形型31のキャビティや、その他の部材、容器等であってもよい。
【0143】
また、本実施形態において示した小トレイ41及び大トレイ43の構成は一例であり、樹脂材料を搬送することが可能な適宜の構成に変更することが可能である。
【0144】
また、本実施形態においては、分配器160のアクチュエータ164としてサーボモータを例に挙げたが、本発明はこれに限るものではなく、その他種々のアクチュエータを用いることが可能である。例えば、アクチュエータ164として、エアシリンダ等を用いてもよい。
【0145】
また、本実施形態においては、アクチュエータ164を用いて切替部材163を動作させる例を示したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、アクチュエータ164を用いずに、手動で切替部材163を動作させることも可能である。
【0146】
また、本実施形態においては、板状の切替部材163(案内板163a)を例示したが、本発明はこれに限るものではなく、種々の形状の切替部材163を用いることが可能である。すなわち、切替部材163は樹脂材料の供給方向を切り替えることができるものであればよく、例えば、適宜の立体的形状(多角形状)を有する部材を用いることも可能である。
【0147】
また、本実施形態においては、分配器160は、択一的に選択されたトラフ130に樹脂材料を供給するものとしたが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、分配器160は、複数のトラフ130に対して同時に(並行して)樹脂材料を供給するものであってもよい。
【0148】
また、本実施形態においては、2つのトラフ130(樹脂供給部)を備える樹脂材料供給装置100を例示したが、本発明はこれに限るものではなく、3つ以上のトラフ130を備えていてもよい。
【0149】
また、本実施形態に係る樹脂成形装置1は、2つの樹脂材料供給装置100を備えるものとしたが、本発明はこれに限るものではなく、1つ、又は3つ以上の樹脂材料供給装置100を備えるものであってもよい。
【0150】
また、本実施形態では、単一の制御部50によって各モジュールの動作が制御されるものとしたが、本発明はこれに限るものではなく、制御部50を複数設けることも可能である。例えば、制御部50をモジュールごとや装置ごとに設け、各モジュール等の動作を互いに連動させながら個別に制御することも可能である。
【解決手段】樹脂材料を収容する樹脂収容部と、樹脂材料を一の供給対象物に供給する複数の樹脂供給部と、前記樹脂収容部から供給された樹脂材料を複数の前記樹脂供給部に分配する分配器と、を備える樹脂材料供給装置。