(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6861834
(24)【登録日】2021年4月1日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】フラックスフリーCABろう付け用アルミニウム材料
(51)【国際特許分類】
B23K 35/22 20060101AFI20210412BHJP
B23K 35/28 20060101ALI20210412BHJP
C22C 21/00 20060101ALI20210412BHJP
C22C 21/06 20060101ALI20210412BHJP
C22C 21/02 20060101ALI20210412BHJP
B23K 1/00 20060101ALI20210412BHJP
B23K 1/19 20060101ALI20210412BHJP
B23K 31/02 20060101ALI20210412BHJP
【FI】
B23K35/22 310E
B23K35/28 310B
C22C21/00 D
C22C21/00 J
C22C21/00 E
C22C21/06
C22C21/02
B23K1/00 S
B23K1/19 F
B23K31/02 310B
B23K1/00 330A
【請求項の数】21
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-541088(P2019-541088)
(86)(22)【出願日】2018年1月24日
(65)【公表番号】特表2020-507474(P2020-507474A)
(43)【公表日】2020年3月12日
(86)【国際出願番号】US2018015006
(87)【国際公開番号】WO2018140468
(87)【国際公開日】20180802
【審査請求日】2019年7月31日
(31)【優先権主張番号】62/452,090
(32)【優先日】2017年1月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520119242
【氏名又は名称】アーコニック テクノロジーズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】ARCONIC TECHNOLOGIES LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001438
【氏名又は名称】特許業務法人 丸山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バウマン,ステフェン,エフ.
(72)【発明者】
【氏名】ダンズ,マイケル,ピー.
(72)【発明者】
【氏名】サン,ニン
【審査官】
小川 進
(56)【参考文献】
【文献】
特許第6055573(JP,B1)
【文献】
特開2017−018995(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 35/22、35/28
B23K 1/00、1/19
C22C 21/00、21/02、21/06
B23K 31/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラックスフリーCABろう付け用シート材料であって、
3XXX系、1XXX系または6XXX系アルミニウム合金からなるコア層と、
0.25〜1.7重量%のMg、0.3〜0.95重量%のSi、0.09〜0.5重量%のBi、およびアルミニウムからなる中間ライナー層と、
4XXXアルミニウム合金からなるろう付けライナー層と、を含み、前記中間ライナー層が前記コア層と前記ろう付けライナー層との間に配置され、前記コア層、前記中間ライナー層および前記ろう付けライナー層が一緒に結合されて前記シート材料を形成する、シート材料。
【請求項2】
前記中間ライナー層が、最大1.8重量%のMn、最大0.9重量%のCu、最大0.7重量%のFe、最大0.18重量%のTi、最大3.0重量%のZn、最大0.25重量%のCr、および最大0.15重量%のZrをさらに含む、請求項1に記載のシート材料。
【請求項3】
前記ろう付けライナー層がMg≦0.05重量%の組成を有する、請求項1に記載のシート材料。
【請求項4】
前記ろう付けライナー層がBi<0.010重量%の組成を有する、請求項1に記載のシート材料。
【請求項5】
前記コア層が、0.08〜1.1重量%のSi、0.15〜0.7重量%のFe、0.05〜1.0重量%のCu、0.4〜1.8重量%のMn、最大0.5重量%のMg、最大2重量%のZn、最大0.25重量%のCr、および最大0.15重量%のZrを含む、請求項1に記載のシート材料。
【請求項6】
前記ろう付けライナー層が5〜12重量%のSi、最大0.7重量%のFe、最大3%のZn、アルミニウムおよび付随不純物を含む、請求項1に記載のシート材料。
【請求項7】
前記コアが前記シート材料の合計の厚さの60%〜90%を含み、前記中間ライナー層が前記合計の厚さの3%〜20%を含み、前記ろう付けライナー層が前記合計の厚さの3%〜20%を含む、請求項1に記載のシート材料。
【請求項8】
前記中間ライナー層が第一の中間ライナー層であり、前記第一の中間ライナー層の組成と同様な組成を有する第二の中間ライナー層をさらに含み、前記第二の中間ライナー層が前記第一の中間ライナー層の反対側で前記コア上に配置される、請求項1に記載のシート材料。
【請求項9】
前記ろう付けライナー層が第一のろう付けライナー層であり、前記コアの遠位で前記第二の中間ライナー層上に配置される第二のろう付けライナー層をさらに含む、請求項8に記載のシート材料。
【請求項10】
前記中間ライナー層の反対側で前記コア上に配置される追加のアルミニウム合金層をさらに含み、前記追加の合金層が、3XXX合金、3XXX+Zn合金、1XXX合金、7XXX合金または4XXX合金の群から選択される少なくとも一つからなる、請求項1に記載のシート材料。
【請求項11】
前記シート材料が、第一の部品へと形成され、アルミニウム合金から作られる第二の部品をさらに含み、前記第一の部品および前記第二の部品が、前記第一の部品のろう付けライナー層から少なくとも部分的に形成される前記ろう付けされた接合部によって一緒に接合される、請求項1に記載のシート材料。
【請求項12】
前記シート材料が、オイルクーラーまたはラジエーターなどの熱交換器の一部である、請求項11に記載のシート材料。
【請求項13】
前記熱交換器が、フラックス残渣のない内部中空を有する、請求項12に記載のシート材料。
【請求項14】
前記中間ライナー層組成中に存在するMgが0.25〜0.95重量%である、請求項1に記載のシート材料。
【請求項15】
前記中間ライナー層組成中に存在するMgが1.0〜1.7重量%である、請求項1に記載のシート材料。
【請求項16】
前記中間ライナー層組成中に存在するSiが0.3〜0.65重量%である、請求項1に記載のシート材料。
【請求項17】
前記中間ライナー層組成中に存在するSiが0.7〜0.95重量%である、請求項1に記載のシート材料。
【請求項18】
前記中間ライナー層組成中に存在するBiが0.09〜0.24重量%である、請求項1に記載のシート材料。
【請求項19】
前記中間ライナー層組成中に存在するBiが0.25〜0.50重量%である、請求項1に記載のシート材料。
【請求項20】
シート材料であって、
3XXX系アルミニウム合金からなるコア層と、
0.25〜1.7重量%のMg、0.3〜0.95重量%のSi、0.09〜0.5重量%のBi、最大1.8重量%のMn、最大0.9重量%のCu、最大0.7重量%のFe、最大0.18重量%のTi、最大3.0重量%のZn、最大0.25重量%のCr、および最大0.15重量%のZr、残部アルミニウムおよび不純物からなる中間ライナー層と、
4XXXアルミニウム合金からなるろう付けライナー層と、から本質的になり、前記中間ライナー層が、前記コア層と前記ろう付けライナー層との間に配置され、前記コア層、前記中間ライナー層および前記ろう付けライナー層が一緒に結合されて前記シート材料を形成する、シート材料。
【請求項21】
ろう付けのための方法であって、
(A)第一のアルミニウム合金材料を提供する工程と、
(B)3XXX系、1XXX系または6XXX系統アルミニウム合金からなるコア層、
0.25〜1.7重量%のMg、0.3〜0.95重量%のSi、0.09〜0.5重量%のBi、アルミニウムからなる中間ライナー層、および
0.05%未満のMg、および0.010%未満のBiを有する4XXXアルミニウム合金からなるろう付けライナー層からなる第二のアルミニウム合金材料を提供する工程であって、前記中間ライナー層が、前記コア層と前記ろう付けライナー層との間に配置され、前記コア層、前記中間ライナー層および前記ろう付けライナー層が一緒に結合されて前記シート材料を形成する、提供する工程と、
(C)前記第一の材料を前記第二の材料と接触させる工程であって、前記第二のシートの前記ろう付けライナー層が前記第一の層に面する、接触させる工程と、
(D)フラックスを用いずに、不活性雰囲気ろう付け炉において前記第一の材料を前記第二の材料にろう付けする工程であって、酸素レベルが1ppm〜約35ppmの範囲のレベルにまで低減された制御された雰囲気下で行われる、ろう付けする工程と、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本出願は、2017年1月30日に出願された「Aluminum Material for Fluxless CAB Brazing」と題された、米国仮特許出願第62/452,090号の優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、シート金属に関し、より具体的には、フラックスを用いない雰囲気制御ろう付け(CAB)による、熱交換器および熱交換器構成要素などの構造の製造における接合作業に使用されるアルミニウム合金から作られるシート金属に関する。
【背景技術】
【0003】
金属のろう付けは周知であり、金属表面がフィラー金属の存在下で密接に近接して加熱され、フィラー金属が溶解して、これが毛細管作用によって隣接部品間の界面に流入し、冷却されると硬化して、金属部品を接合する。アルミニウム部品をうまくろう付けするために、接合される表面およびフィラー金属を、ろう付けプロセスの様々な段階中の酸化から保護する必要がある。真空ろう付けは、ろう付けチャンバーから酸素の大部分を効果的に除去することによって、チャンバーを排気することとの組み合わせによって、およびMgなどの酸素ゲッターの使用によって、部品を酸化から保護する炉接合技術である。今日、主要な炉ろう付け方法は雰囲気制御ろう付け(CAB)であり、部品が、比較的低いO
2含有量で保護不活性ガス雰囲気(窒素など)下でマッフル炉において加熱される。CABろう付けでは、フラックスが、接合する部分から酸素を除去し、その後、清浄な金属表面を、炉雰囲気における残留O
2による酸化から保護するために使用される。現在広く使用されているこうしたフラックスの一つは、Nocolok(登録商標)フラックスである。CABろう付けは、部品上の酸化物を処理するため、および炉内の酸化を制御するために、フラックスに大きく依存するが、CABろう付けにおいてフラックスの使用を回避することが望ましい様々な理由がある。これらには、環境安全衛生(EHS)に関する懸念、およびまたろう付け後の部品上に残るフラックス残渣によって生じる問題を含む。これにより、フラックスフリーCABろう付けプロセスにおいて結合可能な材料を開発する努力が駆り立てられてきた。
【0004】
国際特許出願公開WO2013/180630号(米国特許出願第14/404,093号)は、≦1.0%のSi、0.1〜2.5%のMgを含むアルミニウム合金中間層によって被覆されるアルミニウム合金コア材料を備える、フラックスフリーCABろう付けのためのろう付けシートを記述しており、中間層は、5〜14%のSi、0.01〜1.0%のBi、<0.8%のFe、<6%のZn、<0.1%のSn、<0.1%のIn、<0.3%のCu、≦0.15%のMn、および<0.05%のSrを含むAl−Siろう付け合金によって被覆される。コア材料および中間層材料は、ろう付け合金よりも高い融解温度を有し、例えば、中間層およびコアの溶融点は>615Cであり得る。中間層の厚さは、シートの厚さの2.5%〜25%であり得る。
【0005】
欧州特許第EP1430988B1号は、フラックスを塗布することなく、アルミニウム合金材料から形成される構造の中空部分の内側上にろう付けする方法を記述している。ろう付けは不活性雰囲気下で行われ、中空構造を形成するために使用されるシートは、厚さ「a」ミクロンを有する片側または両側上にAl−Si系ろう付け合金を有するアルミニウム合金コアクラッドを有する。コアはX%のMg(≧0.1%のMg)を含有し、ろう付け合金はY%のMgを含有するが、二つのそれぞれの組成は、(X+Y)≦a/60+0.5およびX>Yの関係を満たしている。形成された中空の外側上のコア層とフィラー層との間拡散防止層を組み込む4層のろう付けシート構造も開示されている。ただし、代替の別のろう付け方法および材料も対象とする。
【発明の概要】
【0006】
開示の主題は、3XXX系、1XXX系または6XXX系アルミニウム合金のコア層と、0.25〜1.7重量%のMg、0.3〜1.1重量%のSi、0.09〜0.5重量%のBi、およびアルミニウムを有する中間ライナー層と、4XXXアルミニウム合金のろう付けライナー層とを含む、フラックスフリーCABろう付けのためのシート材料に関するが、中間ライナー層は、コア層とろう付けライナー層との間に配置され、コア層、中間ライナー層およびろう付けライナー層は、一緒に結合されてシート材料を形成する。
【0007】
別の実施形態では、中間ライナー層は、最大1.8重量%のMn、最大0.9重量%のCu、最大0.7重量%のFe、最大0.18重量%のTi、最大3.0重量%のZn、最大0.25重量%のCr、および最大0.15重量%のZrをさらに含む。
【0008】
別の実施形態では、ろう付けライナー層はMg≦0.05重量%の組成を有する。
【0009】
別の実施形態では、ろう付けライナー層は、Bi<0.010重量%の組成を有する。
【0010】
別の実施形態では、コア層は、0.08〜1.1重量%のSi、0.15〜0.7重量%のFe、0.05〜1.0重量%のCu、0.4〜1.8重量%のMn、最大0.5重量%のMg、最大2重量%のZn、最大0.25重量%のCr、および最大0.15重量%のZrを有する。
【0011】
別の実施形態では、ろう付けライナー層は5〜12重量%のSi、最大0.7重量%のFe、最大3重量%のZn、アルミニウムおよび付随不純物を有する。
【0012】
別の実施形態では、コアはシート材料の合計の厚さの60%〜90%を有し、中間ライナー層は合計の厚さの3%〜20%であり、ろう付けライナー層は合計の厚さの3%〜20%である。
【0013】
別の実施形態では、中間ライナー層は第一の中間ライナー層であり、第一の中間ライナー層と同様な組成を有する第二の中間ライナー層をさらに含み、第二の中間ライナー層は、第一の中間ライナー層の反対側でコア上に配置される。
【0014】
別の実施形態では、ろう付けライナー層は第一のろう付けライナー層であり、コアの遠位で第二の中間ライナー層上に配置される。
【0015】
別の実施形態では、中間ライナー層の反対側でコア上に追加のアルミニウム合金が配置され、追加の合金層は、3XXX合金、3XXX+Zn合金、1XXX合金、7XXX合金または4XXX合金である。
【0016】
別の実施形態では、構造は、アルミニウムから作られる第一の部品と、上述のシート材料から作られる第二の部品と、を含み、第一の部品および第二の部品は、第二の部品のろう付けライナー層から少なくとも部分的に形成されるろう付けされた接合部によって一緒に結合される。
【0017】
別の実施形態では、構造は、オイルクーラーまたはラジエーターなどの熱交換器の一部である。
【0018】
別の実施形態では、熱交換器は、フラックス残渣のない内部中空を有する。
【0019】
別の実施形態では、中間ライナー層組成中に存在するMgは0.25〜0.95重量%である。
【0020】
別の実施形態では、中間ライナー層組成中に存在するMgは1.0〜1.7重量%である。
【0021】
別の実施形態では、中間ライナー層組成中に存在するSiは0.3〜0.65重量%である。
【0022】
別の実施形態では、中間ライナー層組成中に存在するSiは0.7〜1.1重量%である。
【0023】
別の実施形態では、中間ライナー層組成中に存在するBiは0.05〜0.20重量%である。
【0024】
別の実施形態では、中間ライナー層組成中に存在するBiは0.25〜0.50重量%である。
【0025】
別の実施形態では、ろう付けのための方法は、第一のアルミニウム合金材料を提供する工程と、3XXX系、1XXX系または6XXX系アルミニウム合金のコア層、0.25〜1.7重量%のMg、0.3〜1.1重量%のSi、0.09〜0.5重量%のBi、アルミニウムを有する中間ライナー層、および0.05重量%未満のMgおよび0.010%未満のBiを有する4XXXアルミニウム合金のろう付けライナー層を有する第二のアルミニウム合金材料を提供する工程と、ここで中間ライナー層はコア層とろう付けライナー層との間に配置され、コア層、中間ライナー層およびろう付けライナー層は結合されてシート材料を形成しており、第一の材料を第二の材料と接触させて、第二のシートのろう付けライナー層を第一のシートに面させる工程と、第一の材料をフラックスを用いずに不活性ろう付け炉において第二の材料にろう付けする工程と、を含む。
【0026】
別の実施形態では、ろう付けの工程は、酸素レベルが1ppm〜約35ppmの範囲のレベルにまで低減された制御された雰囲気下で行われる。
【0027】
別の実施形態では、第一のアルミニウム合金材料は、第二のアルミニウム合金材料と同じ組成を有する。
【0028】
別の実施形態では、シート材料は、3XXX系アルミニウム合金のコア層と、0.25〜1.7重量%のMg、0.3〜1.1重量%のSi、0.09〜0.5重量%のBi、最大1.8重量%のMn、最大0.9重量%のCu、最大0.7重量%のFe、最大0.18重量%のTi、最大3.0重量%のZn、最大0.25重量%のCr、および最大0.15重量%のZr、残部アルミニウムおよび不純物の中間ライナー層と、4XXXアルミニウム合金のろう付けライナー層とを有し、ここで中間ライナー層はコア層とろう付けライナー層との間に配置され、コア層、中間ライナー層およびろう付けライナー層は一緒に結合されてシート材料を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本開示をより完全に理解するために、添付の図面と併せて考慮される例示的な実施形態の以下の詳細な説明を参照する。
【0030】
【
図1】
図1は、本開示の例示的一実施形態によるろう付けされた構造の断面図である。
【
図2】
図2は、
図1の円表示2によって示される拡大断片である。
【
図3】
図3は、本開示の例示的一実施形態によるろう付けされた構造の斜視図である。
【
図4】
図4は、本開示によるシート材料の図である。
【
図5】
図5は、ろう付け前の、本開示による別のシード材料に近接して位置付けられた、本開示によるシート材料の図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
<例示的実施形態の詳細な説明>
図1は、接合部16、18において示されるカップの嵌合レールに沿って形成された円形シームに沿ってろう付けされて内部中空20を有する構造10を形成する、アルミニウム合金などの、シート材料12M、14Mから形成される、浅く描かれた一対の対向するカップ部材12、14を有するろう付けされた構造10の断面図である。
図1は、二つの接合部16、18を示すが、これらは部材12と部材14との間の単一の連続的な接合部の異なる領域である。示される例示的構造10では、シート金属12M、14Mの組成およびゲージが同じとなり得るように、部材12、14は対称であり、形状が類似している。その他の用途では、例えば、管構造をシート金属ヘッダー(図示せず)に接合する場合、ヘッダーのシート金属は異なる構造形状を有し、組成および/またはゲージが異なってもよい。複数のフィン22が、例えば、ろう付けによって対向する部材12、14に取り付けられ、中空部20にわたって延伸する。部材12、14はカップ状の断面であるため、「カップ」と呼ばれることがあり、全体的な構造10は「カップ/カップ構造」と称される。接合部16、18で一緒にろう付けされた部材12、14の周縁フランジ部分12F、14Fは、「レール」と称される場合がある。この特定のサンプル形状を、製品開発中の材料評価のための便利なツールとして使用した。
【0032】
商業用途では、この製品は、例えば、自動車ラジエーターの管として、積層プレートオイルクーラーで、または管状構造として使用され得るチューブプレート構造を生成するために使用される可能性があり得る。試験構造10は、本開示による、シート金属をろう付けすることによって形成され得る構造の非常に単純な一例に過ぎない。各部材12、14のシート金属12M、14Mは、それぞれ二つの表面12S1、12S2および14S1、14S2を有する。図示する構造10において、12S1、14S1は中空20の外部の表面を形成し、12S2、14S2は内部表面を形成しており、12S2と14S2は、互いの、およびフィン22とのろう付け接合部16、18を形成する。そのため、ろう付け接合部を形成することが意図されている表面12S2、14S2は、ろう付けを支持するための特定の組成を有し得る。別の代替では、表面12S1および/または14S1も、隣接した管、外部フィンまたはコレクタタンク(図示せず)などの別の要素にろう付けされることが意図されてもよく、またろう付けに特化されていてもよい。
【0033】
図2は、構造10の拡大断片であり、フィラー金属24により、部材12と部材14の間に架かる接合部18が視認できるようになっている。部材12、14がジョイント18の両側で分岐する場合、液体状態のフィラー金属24の自己引力と表面12S2および14S2へのフィラー金属の引力との間の平衡が、フィラー金属を半径RE(中空20の外径)およびRI(中空20の内径)に引き込む。これらの半径は、接合部の有効性の一つの定量化可能な測定値である。接合部品質の別の定量化可能な測定値は、接合部の幅18Wである。以下に説明されるように、部材12、14は、異なる組成を有し、溶解し、フィラー金属24を接合部18に導く表面12S2、14S2上のろう付けライナー層を含む、別個の層を有する、ろう付け前の状態で提供されている。
【0034】
図3は、接合部116、118においてU字形状の中間部材114にろう付けされるエンドプレート110、112を有する構造100を示す。ろう付けされた接合部116、118は、中間部材114の内部表面114I、および外部表面114Eを「濡らす」重点金属116M、118Mを有し、そこ(接合部116および118にて)の終端は、部材110(この図では見えない)および112、すなわち112I、の内部表面で部材110および112と接触する。構造100では、表面112Iおよび110Iは、ろう付けライナーとクラッドされ、これが接合部のためのフィラー金属を提供した。場合によっては、
図4を参照して以下に説明するように、表面114E、114Iおよび中間部材114と接触する部材110の表面のうちの一つ以上に、ろう付けライナーが提供されてもよい。
【0035】
図4は、
図1のカップ構造10または複数の別個の金属構成要素をろう付けすることによって形成される任意のその他の構造などの構造を製造するための材料として使用され得る、そのうちの少なくとも一つが金属シート200から作られる構成要素である、本開示による複数の層210、212、214、216、218を有する金属シート200を示す。シート200は、ろう付けによる構造の製造に適しているため、「ろう付けシート」と呼ばれる場合があり、フルクスフリーCABろう付けに使用され得る。コア210(「C」とも表示される)は通常、3XXX系アルミニウム合金からなる。中間ライナー層212(「IA」とも表示される)は、コア210に結合される。一例では、中間ライナー212は、0.25%〜1.7重量%のMgと、0.3%〜1.1重量%のSiと、0.09%〜0.5重量%のBiと、を有するアルミニウム合金である。中間ライナー212は、最大1.8%のMn、最大0.9%のCu、最大0.7%のFe、最大3%のZn、最大0.18%のTi、最大0.20%のCrをさらに含むことができ、残部はアルミニウムおよび付随不純物である。典型的には5%〜12%のSi、最大0.7%のFeを有する4XXX系合金からなり、残部がアルミニウムおよび他の付随不純物であるろう付けライナー214(「BLA」とも表示される)は、コア210の遠位で中間ライナー212に結合される。最大3%のZnをろう付けライナー214の4XXX系合金に組み込むことができる。コア210、中間ライナー212およびろう付けライナー214は、層のスタックを熱間圧延することで結合され、その後続けて、材料を冷間圧延および熱処理して、0.100mm〜4.0mmの範囲の厚さを有する所望の内部構造およびテンパーを有する最終積層構造をもたらし得るが、コアは60%〜94%の、中間ライナー212は3〜20%の、およびろう付けライナー214は3〜20%の、合計の厚さに対する割合を含む。
【0036】
本開示による代替の実施形態では、中間ライナー、コアおよびろう付けライナーの組成に対して与えられる範囲は、すべての中間値を含む。例えば、0.25%〜1.7重量%のMgと、0.3%〜1.1重量%のSiと、0.09%〜0.5重量%のBiと、残部Alおよび不純物と、を有するアルミニウム合金の中間ライナー組成について、組成の範囲は、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、0.80、0.85、0.90、0.95、1.0、1.05、1.10、1.15、1.20、1.25、1.30、1.35、1.40、1.45、1.50、1.55、1.60、1.65または1.7重量%、または任意の中間値の量のMg、0.3、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、0.80、0.85、0.90、0.95、1.0または1.1重量%または任意の中間値の量のSi、および0.09、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45または0.50重量%または任意の中間値の量のBiを含み得る。
【0037】
本開示によるさらなる代替の実施形態では、さらに、最大1.8%のMn、最大0.9%のCu、最大0.7%のFe、最大3%のZn、最大0.18%のTi、最大0.20%のCrを含み、残部がアルミニウムと付随不純物である中間ライナー212について、これらの組成範囲は、0.0、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7または1.8重量%または任意の中間値の量のMn、0.0、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8または0.9重量%または任意の中間値の量のCu、0.0、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6または0.7重量%または任意の中間値の量のFe、0.0、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5または3.0重量%または任意の中間値の量のZn、0.0、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.10、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17または0.18重量%または任意の中間値の量のTiおよび0.0、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.10、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19または0.20重量%または任意の中間値の量のCrを含み得る。
【0038】
本発明によるさらなる例示的な代替の実施形態では、典型的に5%〜12%のSi、最大0.7%のFe、最大3.0重量%のZnを有する4XXX系合金からなり、残部がアルミニウムと他の付随不純物であるろう付けライナー214は、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0、10.5、11.0、11.5または12.0重量%または任意の中間値の量のSi、0.0、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6または0.7重量%または任意の中間値の量のFe、および0.0、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5または3.0重量%または任意の中間値の量のZnを含み得る。
【0039】
上述のように、シート200などのろう付けシートは、片側または両側上の隣接した構造にろう付けされると予想され得る。シート200は、任意の中間ライナー層216およびろう付けライナー層218を点線で示して「IB」および「BLB」と表示して、これらの層の性質が任意であることを示しており、これらは、シートをこれらの任意の層を有する側上でろう付けするよう意図する場合に提供され得る。コア210および層212(IA)、214(BLA)は、シート200の「A側」と称することができ、コア210および層216(IB)、218(BLB)はシート200の「B側」を形成する。あるいは、任意の層IBおよびBLBは、ろう付けの後に、耐食性などの特定の性能属性を付与するよう設計された別のアルミニウム合金層と置き換えられてもよい。例えば、それらは、別の3XXX層、3XXX+Zn層、1XXX層、7XXX層または4XXX層と置き換えることができる。
【0040】
図5は、互いに近接して位置付けされた二つのろう付けシート340、342を示しており、それぞれのA側は、ろう付けの前に、界面Iにおいて互いに面している。低周囲酸素レベルを有し、加熱されるCAB炉内に配置されると、シート340、342の対向するろうライナー層BLAが溶解して結合し、界面Iにおいて結合を形成するが、結合は、凝固の際にシート340、342を構造350へと結び付ける。場合によっては、シート340、342は、他方のシート、例えば342のB側に面する一方のシート、例えば340のA側で配向されてもよい。さらに場合によっては、B側のろう付けライナー層218(
図4)および/またはB側の中間ライナー層216がシート340、342の片方または両方上に存在しなくてもよく、その結果、ろう付け前に、一方のシートのろう付けライナー214がB側の中間ライナー層216または他方のシートのコア層210の隣に位置付けらる。さらなる代替として、B側を有する、またはB側を有さない、一方のシート、例えば340のA側は、シート200(
図4)の層構造および/または組成を有さない別の金属構造に近接して位置付けられて、これにろう付けされてもよい。すなわち、本出願に開示されるシート材料200のA側またはB側(存在するば場合)は、本開示において定義されるA側またはB側(存在する場合)のいずれか上のシート材料200の他方の部分に、または本明細書に記載しない他の材料にろう付けされ得る。
【0041】
コア層210は、最も典型的には3XXX系アルミニウム合金である。コア合金の組成は、特に限定的ではない。広範な3XXXコア合金が可能である。3XXXコア合金の許容可能な組成は、0.08〜1.1重量%のSi、0.15〜0.7重量%のFe、0.05〜1.0重量%のCu、0.4%〜1.8重量%のMn、最大0.5重量%のMg、最大2重量%のZn、最大0.25重量%のCr、最大0.15重量%のZrを含む。中間ライナーに関して上述したように、コアの代替の実施形態の組成量は、各要素の組成範囲にわたって漸増的に変化する場合がある。この構造において他のコア合金が有効であり得ることに留意されたい。強度が重要でない場合には、1XXX合金を使用することができる。高強度を必要とする一部の用途については、6XXX合金がコア合金として利用され得る。
【0042】
フラックスフリーろう付けを促進するのに役立つ中間ライナー層212、216は、溶融フィラー金属を通してシートの表面に拡散し、表面における酸化アルミニウムを低減し得るMgを含有する。中間ライナー合金のMg含有量は、0.25重量%〜1.7重量%である。Mgが0.25重量%未満である場合には、ろう付けを促進するのに十分なMgはないが、Mgが1.7%を超える場合には、追加の利点が認識されない。Siはまた、それらの固相線温度を制御するのを助けるため、中間ライナー212、216の重要な成分である。中間ライナー212、216のSi含有量は、0.3重量%〜1.1重量%である。ビスマスもまた、フィラー金属の濡れ性を促進するのを助ける、中間ライナーの重要な成分である。Biが約0.09重量%未満の場合には、ろう付けへの影響は大きくないが、Biが約0.5重量%を超える場合には、追加の利点が認識されない。ろう付け後の強度を増大させる、または腐食耐性を向上させるために、その他の元素を中間ライナー合金に組み込んでもよい。これらの元素は、最大1.8重量%のMn、最大0.9重量%のCu、最大0.7重量%のFe、最大0.18重量%のTi、最大3重量%のZn、最大0.25重量%のCr、および最大0.15重量%のZrを含む。中間ライナーの厚さは、最終合成物の厚さの3%〜20%の範囲であり得る。
【0043】
ろう付けフィラー金属は、非意図的にMgまたはBiが添加された、AA4343、AA4045、AA4047などの典型的なCABろう付け合金である。最終のろう付けされた製品に対して腐食防止を提供するために、最大3重量%のZnがろう付けライナーに組み込まれてもよい。ろう付けライナーの厚さは、最終合成物の厚さの3%〜約20%の範囲であり得る。
【0044】
本開示は、例えば、Mg(マグネシウム)、O(酸素)、Si(シリコン)、Al(アルミニウム)、Bi(ビスマス)、Fe(鉄)、Zn(亜鉛)、In(インジウム)、Cu(銅)、Mn(マンガン)、Sr(ストロンチウム)、Ti(チタニウム)、Zr(ジルコニウム)など、元素周期表に現れる元素に対する標準的な略語を利用する。
【0045】
図は、本明細書の一部を構成し、本開示の例示的な実施形態を含み、様々な対象物およびその特徴を例示する。加えて、図に示される任意の測定値、仕様等は、例示的であり、限定的ではないことを意図する。したがって、本明細書に開示される特定の構造的および機能的詳細は、限定として解釈されるべきではなく、本発明を様々に用いることを当業者に教示するための単に代表的な根拠として解釈されるべきである。
【0046】
開示された利点および改良点の中で、本発明の他の目的および利点は、添付図面と共に以下の説明から明らかになるであろう。本発明の詳細な実施形態は、本明細書に開示されている。しかしながら、開示された実施形態は、様々な形態で具現化され得る本発明を単に例示するものであることを理解されたい。更に、本発明の様々な実施形態に関連して得られる各実施例は例示的であり、限定的ではないことが意図される。
【0047】
明細書および特許請求の範囲全体を通して、以下の用語は、文脈から判断して明らかに他の意味に解釈すべき場合を除いて、本明細書に明示的に関連する意味を取る。本明細書で使用する句「一実施形態では」および「いくつかの実施形態では」は、必ずしも同じ実施形態を指さないが、それを指す場合もある。更に、本明細書で使用する句「別の実施形態では」および「いくつかの別の実施形態では」は、必ずしも異なる実施形態を指さないが、それを指す場合もある。したがって、下記に説明するように、本発明の様々な実施形態を、本発明の主題の範囲と趣旨から逸脱することなく、容易に組み合わせてもよい。
【0048】
加えて、本明細書で使用される場合、「または」という用語は包括的な「または」であり、文脈から判断して明らかに他の意味に解釈すべき場合を除き、「および/または」と同等である。「に基づく」という用語は排他的ではなく、文脈から判断して明らかに他の意味に解釈すべき場合を除き、記述されていない追加的な要因に基づくことができる。加えて、本明細書を通して、「a」、「an」、および「the」の意味は複数の参照を含む。「中に(in)」の意味は、「中に(in)」および「上に(on)」を含む。
【0049】
<実施例と試験結果>
ろう付けを促進するための、上述のシート材料200の効果を確認するために、試験を行った。フラックスフリーCABろう付けの有効性を測定するために、二つの室内試験を行った。第一は、カップ/カップろう付け試験であり、浅いカップ形状へとスタンピングされた二つのシート材料構造が、CABろう付けにおいて一緒にろう付けされる。一般的に使用されるろう付け炉は、臨界ろう付け温度範囲(577℃〜600℃)を通して、マッフル環境において約50ppmのO
2を有する。
図1は、典型的なカップ/カップろう付けされたサンプル構造10の断面を示す。接合部16、18(実際は連続的な周縁接合部)の品質を評価するために、これらのサンプルの周縁レール/レール接合部を5つまたは6つの異なる位置に区分し、フィレット内径(RI)、フィレット外径(RE)および接合部幅(
図2参照)を含む、ろう付けされた接合部の様々なパラメータを測定した。さらに、ベア3003フィン22とカップの内部表面12S2、14S2との間の内部接合部の品質を定量評価した。
【0050】
第二の試験は、ベア3003シートの
図3のUベントセクション114を試験材料の二つの部分110、112にフラックスフリーろう付けすることを含む。
図3は、代表的なろう付けされた試験片構造100を示す。このろう付けは、制御された量の酸素(O
2)を窒素(N
2)雰囲気に導入することができる石英炉で行われる。接合部の品質を、目視検査によって定量化し、可能性のある接合部の全長に対する良好な接合部の長さの量を測定する。「より良好な品質」またはより有効な材料とは、「低い品質の」材料よりも、高いO
2汚染レベルで許容可能な接合部を生成することができるものと仮定する。
【0051】
一部の試験について以下に記載するが、これらは、本発明の材料のろう付け属性を例示している。以下の表1は、この作業で使用されるコアおよび中間ライナー合金の組成を列挙している。すべての場合におけるろう付けライナーは、アルミニウム協会のTeal Sheetsに記載された組成制限を有するAA4045である。
【0053】
<試験1>
一組の試験では、様々な実験室で製造した実験用材料をろう付け性能について評価した。材料はすべて、ろう付け前のO−テンパーであり、表2に記載されている。ろう付けライナーおよび中間ライナーのクラッド比が、シートの厚さの割合として括弧内に示されている。
【0055】
カップ/カップサンプルを、上記の材料のそれぞれを使用してCAB炉でろう付けした。第一の二つの材料カップ/カップサンプルを、フラックスを用いて、およびフラックスを用いずに、ろう付けした。表3は、材料のそれぞれに対して測定された平均フィレット寸法を示す。
【0057】
表3から、標準的なCABろう付け(フラックス有り)において、R
IおよびR
Eはほぼ同等であり、両方とも大きなフィレット半径であり、この形状サンプルの接合部幅は3000〜3500ミクロンの範囲内である。これらのフィレット寸法は、フラックスを使用することなく近づけたい「ターゲット」を表す。フラックスを用いないと、Mgフリー材料13−242−2および14−157−3は、接合部形成を支持しない。材料15−128−2では、Mg、SiおよびBiがコアとろう付けライナーとの間の中間ライナー内に組み込まれ、内部フィン/カップの接合部は良好、R
Iは良好であり、R
Eおよびフィレット幅は、フラックス付接合部よりもなおも小さいが、中間ライナーを有さない材料より良好である。
【0058】
<試験2>
第二の試験を、表4に列挙する実験室で製造したOテンパー材料を用いて行った。これらのうちの四つは非対称複合材料である。
【0060】
全ての場合において、非対称な材料からカップをスタンピングおよびろう付けする際、A側に対してA側を、またはB側に対してB側をろう付けした。カップ/カップろう付け試験の結果を表5に示す。
【0062】
表5から、Biを有さない中間ライナーを組み込んだ材料(14−120−3)が、著しく小さなフィレット半径および長さを示すが、フィラー金属の高いクラッド比を有することがわかる。全てMg、SiおよびBiを中間ライナーに組み込むその他の材料は、良好なフィレットを製造した。
【0063】
<試験3>
第三の試験を、表6に列挙する、実験室で製造したOテンパー材料を用いて行った。
【0065】
これらの材料を、別のN
2雰囲気における様々なO
2レベルを有する石英炉においてベア3003Uベンドストリップにろう付けした。接合部の品質を評価し、定量化した。結果を表7に示す。空欄は、その材料/雰囲気の組み合わせに対しては行われなかったことを示す。
【0067】
品質%評価は、形成された良好な接合部の%を示す。評価は二つの部分を有する。パートAは20%を占め、単純に、3003Uベンドおよびろう付けシート片との間の接合部の長さによって決定される。接合部の可能性のある長さは80mmであるため、Uベントとシートとの間にギャップがない場合、パートAのスコアは20%である。パートBは80%を占め、接合部に沿ったフィレット半径に集中している。これは単に、可能性のあるフィレット半径の長さ(160mm)で割った良好なフィレット半径の長さの比である。このため、上部片および下部片がUベンドにろう付けされ、良好なフィレット半径の長さが130mmである場合、スコアは(80/80)*20%+(130/160)*80%=85%である。表7のデータは、不活性雰囲気下で低〜中程度のO
2含有量でフラックスを用いず、良好な接合部形成を促進することにおける、コアとろう付けライナーとの間に位置付けられるAl−Mg−Si−Bi中間ライナーの利点を明確に示している。
【0068】
本開示によるシート材料は、熱交換器製造者が、自身の顧客、特に自動車OEMの要求を満たすために高レベルな内部清浄性を有するろう付けされた熱交換器を製造することを可能にし得る。真空ろう付けは、非常に清浄な内部ユニットを生成する一つの方法であるが、全ての熱交換器製造業者が真空ろう付け設備を有するわけではない。大多数がCABろう付け炉を有し、操作および管理が容易であるために、CABろう付け炉を使用することを好む。しかしながら、CABろう付け炉で一般的に使用されるフラックスは、ろう付け後に熱交換器を通して存在する残渣をもたらす。許容可能と考えられるフラックス残渣のレベルは、多くの量産熱交換器において低減されている。したがって、フラックスを必要とすることなく、不活性雰囲気下でろう付けし得る材料を有することが望ましい。フラックスの除去はまた、フラックス作業の除去によるコスト節約およびろう付け炉領域の清浄性の向上を示し、ろう付けマッフル、ベルトおよび治具の保守時間を低減する。本開示によるシート材料はまた、フラックスが吸入可能な微粒子材料としての健康上の懸念を表しうるため、EHS問題の減少をもたらし得る。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例示的なものにすぎず、限定的なものではなく、多くの変更が当業者には明らかになり得ることを理解されたい。更になお、様々な工程を任意の所望の順序で実行することができる(および任意の所望の工程を追加することができ、および/または任意の所望の工程を除くことができる)。そのような変形及び変更の全ては、特許請求の範囲内に含まれることが意図される。