特許第6861841号(P6861841)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6861841
(24)【登録日】2021年4月1日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】小型導体接続端子
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/48 20060101AFI20210412BHJP
【FI】
   H01R4/48 A
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-553204(P2019-553204)
(86)(22)【出願日】2018年3月28日
(65)【公表番号】特表2020-512668(P2020-512668A)
(43)【公表日】2020年4月23日
(86)【国際出願番号】EP2018057946
(87)【国際公開番号】WO2018178164
(87)【国際公開日】20181004
【審査請求日】2019年11月26日
(31)【優先権主張番号】102017106720.5
(32)【優先日】2017年3月29日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】504019733
【氏名又は名称】フェニックス コンタクト ゲーエムベーハー ウント コムパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】フォルカー・ヤルムート
【審査官】 山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−012294(JP,A)
【文献】 特開2001−307789(JP,A)
【文献】 特開平09−073927(JP,A)
【文献】 特開2014−154556(JP,A)
【文献】 特表2011−528160(JP,A)
【文献】 特開2006−120556(JP,A)
【文献】 特開2017−022100(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0207372(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 4/48
H01R 9/24
H01R 9/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
−導電体(L)の受容のために、導体挿入開口部(11)を通ってアクセス可能である導体受容空間(12)を有するハウジング(10)であって、前記導電体(L)は、導体挿入方向(R)において、前記導体受容空間(12)に挿入可能であるハウジング(10)と、
−前記導体挿入開口部(11)を通って、前記導体受容空間(12)に挿入された導電体(L)の接触のために、前記導体受容空間(12)に配置された電流バー(20)と、
−接触リム(31)及び前記接触リムに曲げ継手(33)を介して接続されたクランプリム(32)を有する、前記ハウジング(10)内に配置されたクランプバネ(30)であって、前記導電体(L)が前記導体受容空間(12)に挿入及び/又は前記導体受容空間(12)から取り出し可能である解放位置と、前記クランプリム(32)が、前記導体受容空間(12)に挿入された前記導電体(L)に、前記電流バー(20)の方向において力を加えているクランプ位置との間で作動可能であるクランプバネ(30)と、
−操作部分(41)と、前記クランプリム(32)に接触可能な押圧部分(42)とを有する作動要素(40)であって、作動要素(40)が、前記導体挿入方向(R)に対して平行に、クランプ位置と解放位置との間で変位可能であると共に、作動要素(40)のクランプ位置から解放位置への移行によって、前記クランプリム(32)に、前記押圧部分(42)を用いて力が加えられ、前記クランプバネ(30)は、前記クランプバネのクランプ位置から解放位置に移行する作動要素(40)と、
を有する導体接続端子(1)において、
前記作動要素(40)が、前記クランプバネ(30)の受容のための受容ポケット(43)を有しており、
前記作動要素(40)が、少なくとも1つのスライドレール(44)を有しており、前記スライドレールは、前記電流バー(20)及び/又は前記ハウジング(10)の摺動縁部(23)に接しており、前記作動要素(40)が、前記作動要素のクランプ位置と解放位置との間で変位する際、前記スライドレール(44)は、前記摺動縁部(23)に沿って摺動することを特徴とする導体接続端子(1)。
【請求項2】
前記クランプバネ(30)が、前記作動要素(40)の少なくとも解放位置において、少なくとも部分的に、受容ポケット(43)内に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の導体接続端子(1)。
【請求項3】
前記作動要素(40)のクランプ位置において、少なくとも前記クランプバネ(30)の前記曲げ継手(33)が、前記作動要素(40)の前記受容ポケット(43)内に配置されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の導体接続端子(1)。
【請求項4】
前記作動要素(40)の前記操作部分(41)と、前記クランプバネ(30)の前記曲げ継手(32)とは、互いに対して、前記操作部分(41)から前記曲げ継手(33)への接続線が、前記導体挿入方向(R)に対して平行に延在するように配置されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の導体接続端子(1)。
【請求項5】
前記電流バー(20)が、U字形に形成されており、後壁(21)と、前記後壁(21)に接続された2つの側壁(22)とを有しており、前記側壁(22)の端縁(23)は、摺動縁部(23)として構成されており、前記作動要素(40)の2つのスライドレール(44)は、前記摺動縁部(23)に接していることを特徴とする、請求項に記載の導体接続端子(1)。
【請求項6】
前記作動要素(40)が、前記導体受容空間(12)の方向を向いた導体受容窪み(45)を有していることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の導体接続端子(1)。
【請求項7】
−導電体(L)の受容のために、導体挿入開口部(11)を通ってアクセス可能である導体受容空間(12)を有するハウジング(10)であって、前記導電体(L)は、導体挿入方向(R)において、前記導体受容空間(12)に挿入可能であるハウジング(10)と、
−前記導体挿入開口部(11)を通って、前記導体受容空間(12)に挿入された導電体(L)の接触のために、前記導体受容空間(12)に配置された電流バー(20)と、
−接触リム(31)及び前記接触リムに曲げ継手(33)を介して接続されたクランプリム(32)を有する、前記ハウジング(10)内に配置されたクランプバネ(30)であって、前記導電体(L)が前記導体受容空間(12)に挿入及び/又は前記導体受容空間(12)から取り出し可能である解放位置と、前記クランプリム(32)が、前記導体受容空間(12)に挿入された前記導電体(L)に、前記電流バー(20)の方向において力を加えているクランプ位置との間で作動可能であるクランプバネ(30)と、
−操作部分(41)と、前記クランプリム(32)に接触可能な押圧部分(42)とを有する作動要素(40)であって、作動要素(40)が、前記導体挿入方向(R)に対して平行に、クランプ位置と解放位置との間で変位可能であると共に、作動要素(40)のクランプ位置から解放位置への移行によって、前記クランプリム(32)に、前記押圧部分(42)を用いて力が加えられ、前記クランプバネ(30)は、前記クランプバネのクランプ位置から解放位置に移行する作動要素(40)と、
を有する導体接続端子(1)において、
前記作動要素(40)が、前記クランプバネ(30)の受容のための受容ポケット(43)を有しており、
前記ハウジング(10)が、少なくとも1つの案内溝(13)を有し、前記作動要素(40)は、前記案内溝(13)内に配置された少なくとも1つの案内リブ(46)を有しており、これによって、前記作動要素(40)は、前記案内溝(13)及び前記案内リブ(46)によって誘導されて、前記作動要素のクランプ位置と解放位置との間で変位可能であることを特徴とする、導体接続端子(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導体接続端子に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術からは、導体接続端子が知られており、当該導体接続端子を用いて、導電体が、電気接点と、可逆的に電気的に接続され得る。
【0003】
特許文献1は、絶縁材料ハウジングと、導電体のための少なくとも1つのクランプ点とを有する導体接続端子について記載しており、これらはそれぞれ、絶縁材料ハウジング内の導体挿入開口部と、導体挿入開口部内に誘導される導電体のクランプのために、クランプリムで、導体挿入開口部内に突出したクランプバネとを有しており、少なくとも1つのクランプバネの作動のために、それぞれ作動レバーが設けられており、当該作動レバーは、導体挿入開口部の隣に配置された作動開口部内に変位可能に取り付けられており、作動のためにクランプバネの方向に変位する際に、クランプバネに接するバネ接触部分と、バネ接触部分の反対側の、絶縁材料ハウジングの外面からアクセス可能な作動部分とを有している。
【0004】
特許文献1に記載されている導体接続端子は、比較的大きい外形寸法を有している。導体接続端子の使用領域に応じては、非常に限られた空間のみが利用可能であるので、特許文献1に記載された導体接続端子の構造は、様々な用途又は使用領域にとっては大きすぎる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公開第102008062137号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、小さい外形寸法を有する小型導体端子を供給することにある。本発明の課題は、請求項1の特徴を有する導体接続端子によって解決される。導体接続端子の有利な実施形態は、従属請求項に記載されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
より正確には、本発明の課題は、導電体を受容するための、導体挿入開口部を通じてアクセス可能である導体受容空間を備えたハウジングを有する導体接続端子によって解決され、導体は、導体挿入方向において、導体受容空間に挿入され得る。導体接続端子は、さらに、導体受容空間に配置された、導体挿入開口部を通って導体受容空間に挿入された導電体の接触のための電流バーを有している。さらに、導体接続端子は、接触リム及び接触リムに曲げ継手(Biegegelenk)を通じて接続されたクランプリムを備えた、ハウジング内に配置されたクランプバネを有しており、クランプバネは、導電体が導体受容空間に挿入され得る、及び/又は、導体受容空間から取り出され得る解放位置と、クランプリムが、導体受容空間に挿入された導電体に、電流バーの方向において力を加えるクランプ位置との間で作動可能である。さらに、導体接続端子は、操作部分と、クランプリムと接触可能である押圧部分とを備えた作動要素を有しており、作動要素は、導体挿入方向に対して平行に、クランプ位置と解放位置との間で変位可能であり、作動要素のクランプ位置から解放位置への移行によって、クランプリムに、押圧部分によって力が加えられ、クランプバネは、そのクランプ位置からその解放位置に移行する。本発明に係る導体接続端子は、当該作動要素が、クランプバネを受容するための受容ポケットを有することを特徴としている。
【0008】
本発明に係る導体接続端子は、クランプバネの作動要素の受容ポケットへの受容によって、作動要素とクランプバネとがハウジング内部の空間領域を分割し、これによって、導体接続端子のハウジングと、従って導体接続端子とが、より小さく/より小型な構造を有するように、作動要素に対するクランプバネの位置決めが行われ得るという利点を有している。
【0009】
当該ハウジングは、好ましくは、電気絶縁材料から形成されている。当該ハウジングは、絶縁材料ハウジングとも称される。
【0010】
導電体は、導体挿入方向において、導体挿入開口部を通じて、導体受容空間に差し込まれる/押し込まれることが可能である。
【0011】
電流バーは、少なくとも接触領域内に、導電性を有する領域を有している。好ましくは、電流バーは、例えば金属等の、導電性を有する材料から形成されている。さらに、電流バーは、さらなる電気的接触装置、例えば電気的接触ピン及び/又は電気的接触ソケットと、電気的に/ガルバニックに接続されている。
【0012】
作動要素の操作部分は、操作部とも称され得る。押圧部分は、レバー部分とも称され得る。
【0013】
好ましくは、作動要素の押圧部分は、つねにクランプバネのクランプリムと接触している。従って、作動要素の押圧部分は、クランプバネのクランプリムと、クランプバネの解放位置においても、クランプ位置においても、接触している。
【0014】
作動要素のクランプ位置において、作動要素は、好ましくはハウジングの端面から突出している。作動要素の解放位置において、作動要素は、好ましくはハウジングの端面から突出していない。
【0015】
好ましくは、クランプバネの曲げ継手は、そのクランプ位置から解放位置への移行によって、クランプバネの接触リムとクランプリムとが、その解放位置において、クランプバネのクランプ位置におけるよりも小さい角度を形成するように変形する。
【0016】
作動要素の受容ポケットは、クランプバネ受容ポケットとも称され得る。当該受容ポケットは、作動要素内部のクランプバネ受容空間を画定する。
【0017】
作動要素の受容ポケットは、好ましくは作動要素の2つの側壁と、2つの側壁の間に配置された後壁と、上壁とによって形成されている。
【0018】
好ましくは、導体接続端子は、クランプバネが、少なくとも作動要素の解放位置において、少なくとも部分的に受容ポケット内に配置されているように構成されている。
【0019】
好ましくは、作動要素の解放位置において、クランプバネの大部分、好ましくは50%より大きい部分、さらに好ましくは60%より大きい部分、さらに好ましくは70%より大きい部分、さらに好ましくは80%より大きい部分、さらに好ましくは90%より大きい部分、及び、さらに好ましくはクランプバネ全体が、作動要素の受容ポケット内に配置されている。
【0020】
さらに好ましくは、導体接続端子は、作動要素のクランプ位置において、少なくともクランプバネの曲げ継手が、作動要素の受容ポケット内に配置されているように構成されている。
【0021】
導体接続端子の対応する構成において、当該導体接続端子は、特に小型な構造を有している。
【0022】
さらに好ましくは、導体接続端子は、作動要素の操作部分とクランプバネの曲げ継手とが、互いに対して、操作部分から曲げ継手への接続線が導体挿入方向に対して平行に延在するように配置されているように構成される。
【0023】
導体接続端子の対応する構成によって、導体接続端子のハウジング内部の設置空間は、特に有利に利用され、それによって、対応して構成された導体接続端子は、特に小型に形成されている。
【0024】
好ましくは、導体接続端子は、作動要素が、電流バー及び/又はハウジングの摺動縁部に接している少なくとも1つのスライドレールを有しているように構成されており、作動要素が、そのクランプ位置と解放位置との間で変位する際には、スライドレールは、摺動縁部に沿って摺動する。
【0025】
導体接続端子の対応する構成によって、作動要素がそのクランプ位置と解放位置との間を移動する際の、作動要素の誘導が実現し、それによって、導体接続端子の確実な機能性が保証されている。
【0026】
さらに好ましくは、導体接続端子は、電流バーがU字に形成され、後壁と後壁に接続された2つの側壁とを有するように構成されており、側壁の端縁が摺動縁部として構成されており、作動要素の2つのスライドレールが、摺動縁部に接している。
【0027】
対応して構成された導体接続端子は、特に小型な構造を有している。なぜなら、摺動縁部の機能が、電流バーによって引き継がれるからである。さらに、電流バーがU字形であることによって、導体接続端子に挿入された導電体の、さらに確実な接触が得られる。
【0028】
後壁は、接触壁及び/又は接触プレートととも称され得る。側壁は、側方プレートとも称され得る。側壁の端縁は、好ましくは互いに対して平行である。
【0029】
好ましくは、導体接続端子は、作動要素が、導体受容空間の方を向いた窪みを有するように構成されている。
【0030】
導体接続端子の対応する構成によって、導体接続端子は、さらに小型な構造を有する。なぜなら、導体受容空間に挿入された導電体と作動要素との間の距離を減少させることができるからである。さらに、導電体の導体受容空間への挿入が、容易に可能になる。なぜなら、導電体は、導体受容空間に挿入される際、作動要素内に設けられた窪みを通っても誘導されるからである。
【0031】
さらに好ましくは、導体接続端子は、ハウジングは少なくとも1つの案内溝を、作動要素は、案内溝に配置された少なくとも1つの案内リブを有しており、これによって、作動要素が、案内溝及び案内リブによって案内されて、そのクランプ位置とその解放位置との間で変位可能であるように構成されている。
【0032】
従って、当該案内溝は、好ましくは導体挿入方向に対して平行な長手方向延在部分を有している。
【0033】
導体接続端子の適切な構成によって、作動要素がそのクランプ位置と解放位置との間を移動する際の、作動要素の誘導が実現し、これによって、導体接続端子の確実な機能が保証されている。
【0034】
本発明のさらなる利点、詳細及び特徴は、以下において言及される実施例から明らかになる。その際、個別に示されているのは以下の図である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】一部が切り取られたハウジングを有する、本発明に係る導体接続端子の空間的描写であり、導体接続端子の作動要素がそのクランプ位置にあることを示す図である。
図2A】導体接続端子の作動要素の空間的描写であり、作動要素の前面から見た図である。
図2B図2Aに示された作動要素の空間的描写であり、作動要素の後面から見た図である。
図2C図2A及び図2Bに示された作動要素の正面図である。
図2D図2Aから図2Cに示された作動要素の側面図である。
図2E図2Dに示された作動要素の側断面図である。
図2F図2Aから図2Eに示された作動要素の上面の上面図である。
図3A】クランプ位置にある、図2Aから図2Fに示された作動要素の側断面図であって、部分的に作動要素の受容ポケットに受容され、そのクランプ位置にあるクランプバネと共に示した図であり、本発明に係る導体接続端子の残りの部材は示されていない図である。
図3B図3Aに示された作動要素を、その解放位置において、大部分が作動要素の受容ポケット内にあり、その解放位置にあるクランプバネと共に示した図である。
図4】本発明に係る導体接続端子に挿入された、クランプバネをその解放位置の方向に作動させる導電体の側断面図であり、クランプバネは大部分が、その解放位置にある作動要素の受容ポケットに配置されていることを示す図であり、導体接続端子の残りの部材は示されていない図である。
図5図4に示された導体接続端子の一部の側断面図であり、作動要素が、再びさらに、その解放位置の方向において、導体接続端子のハウジングに押し込まれていることを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下の説明において、同じ参照符号は、同じ部材又は同じ特徴を指しているので、1つの部材に関して1つの図面を用いて行われた説明は、他の図面に関しても有効であり、これによって、説明の繰り返しが回避される。さらに、一実施形態に関連して記載された各特徴を、他の実施形態において個別に用いることも可能である。
【0037】
図1は、本発明に係る導体接続端子1の空間的描写である。導体接続端子1は、ハウジング10を有しており、当該ハウジングは、図1においては、部分的に切り取られた形で示されている。電気絶縁材料から形成されているか、又は、少なくとも電気絶縁材料を有しているハウジング10は、導体挿入開口部11を有しており、当該導体挿入開口部を通って、ハウジング10の導体受容空間12がアクセス可能である。図4に示されているが、残りの図面には示されていない導電体Lは、導電体Lが、導体挿入方向Rにおいて、導体受容空間12に挿入又は押し込まれることによって、導体挿入開口部11を通って、導体受容空間12に挿入可能である。
【0038】
導体接続端子1は、さらに、導体受容空間12に配置された電流バー20を有しており、当該電流バーは、導体挿入開口部11を通って導体受容空間12に挿入された導電体Lの接触のために形成されている。図示された実施例では、電流バー20はU字形に形成されており、後壁21と、後壁21に接続された2つの側壁22とを有している。電流バー20は、例えば鋼板等の、導電性を有する材料から形成されている。これに加えて、電流バー20は、さらなる電気的接触装置と、例えば電気的接触ピン及び/又は電気的接触ソケットと電気的に接続されており、これらのさらなる電気的接触装置は、図面に示されていない。
【0039】
ハウジング10には、さらに、クランプバネ30が配置されている。図1では、クランプバネ30は視認できないが、図3A図3B及び図4では、作動要素40と共に、側断面図において示されている。クランプバネ30は、接触リム31とクランプリム32とを有しており、接触リム31は、曲げ継手33を介して、クランプリム32に接続されている。クランプバネ30は、図3B及び図4に示された解放位置と、図3Aに示されたクランプ位置との間で作動可能である。クランプバネ30の解放位置において、導電体Lは、導体受容空間12内に挿入され得る、及び/又は、導体受容空間12から取り出され得る。クランプバネ30のクランプ位置において、クランプリム20は、導体受容空間12に挿入された導電体Lに対して、電流バー20の方向において、より正確には、電流バー20の後壁21の方向において、力を加えている。クランプリム32は、クランプバネ30のクランプ位置において、その解放位置におけるよりも、電流バー20の後壁21の方向に突出している。
【0040】
図3A及び図3Bから明らかであるのは、クランプバネ30の曲げ継手33が、図3Aに示されたクランプバネのクランプ位置から、図3Bに示された解放位置に移行することによって変形し、クランプバネ30の接触リム31とクランプリム32とが、その解放位置において、クランプバネ30のクランプ位置におけるよりも小さい角度を互いに形成しているということである。
【0041】
導体接続端子1はさらに、作動要素40を有しており、当該作動要素は、操作部分41と押圧部分42とを有している。図3A図3B及び図4から明らかであるように、押圧部分42は、クランプリム32と接触している。レバー要素40又はレバー40とも称され得る作動要素40は、ハウジング10内で変位可能に配置されている。その際、作動要素40の変位は、導体挿入方向Rに対して平行に、作動要素40のクランプ位置と、作動要素40の解放位置との間において行われる。その際、作動要素40の、図3Aに示されたクランプ位置から図3Bに示された解放位置への移行によって、クランプバネ30のクランプリム32には、押圧部分42を用いて力が加えられ、その結果、クランプバネ30は、そのクランプ位置から解放位置へと移行する。
【0042】
図1からは、作動要素40のクランプ位置において、当該作動要素が、ハウジング10の端面から突出していることが認められる。作動要素40の解放位置において、当該作動要素は、好ましくは、ハウジング10の端面から突出していない。
【0043】
図3A図3B及び図4から明らかであるように、作動要素40の操作部分41と、クランプバネ30の曲げ継手33とは、互いに対して、操作部分41から曲げ継手43への接続線が、導体挿入方向Rに対して平行に延在するように配置されている。従って、作動要素40の変位は、挿入方向Rに対して平行に行われる。
【0044】
作動要素40は、クランプバネ30を受容するための受容ポケット43を有している。クランプバネ受容ポケット43とも称されるべき受容ポケット43は、クランプバネ受容空間43を画定しており、当該クランプバネ受容空間内部に、クランプバネ30が、少なくとも部分的に受容され得る。特に図2Bから明らかであるように、図示されている実施例では、受容ポケット43は、作動要素40の2つの側壁と、当該側壁の間に配置された後壁と、上壁とによって形成されている。
【0045】
図3Aから明らかであるように、作動要素40のクランプ位置において、及び、従ってクランプバネ30のクランプ位置において、クランプバネ30の曲げ継手33は、受容ポケット43内に受容又は配置されている。作動要素40を、図3Bに示した解放位置に移行させる、又は、押し下げることによって、クランプバネ30はさらに、受容ポケット43内に受容され、これによって、作動要素40の解放位置において、及び、従って、当該解放位置と結びついたクランプバネ30の解放位置において、クランプバネ30の大部分が、受容ポケット43内に受容又は配置されている。
【0046】
図5から明らかであるように、作動要素40を、その解放位置の方向において、図5には示されていないハウジング10にさらに押し込むことによって、クランプバネ30の曲げ継手33はさらに、操作部分41の方向に、及び、部分的に、操作部分41の下側に配置された作動要素40の開口部内に位置決めされる。作動要素30の対応する構成によって、導体接続端子1全体が、非常に小型な構造を有する。
【0047】
図示された実施例では、作動要素40は、2つのスライドレール44を有しており、当該スライドレールはそれぞれ、電流バー20の摺動縁部23に接している。その際、電流バー20の側壁22の端縁23は、摺動縁部23として構成されている。作動要素40がクランプ位置と解放位置との間で変位する際、スライドレール44は、摺動縁部23に沿って摺動し、これによって、作動要素40は、電流バー20を通るように誘導される。
【0048】
ハウジング10はさらに、2つの案内溝13を有しており、当該案内溝内にはそれぞれ、作動要素40の案内リブ46が変位可能に配置されている。従って、作動要素40は、案内溝13及び案内リブ46によって、そのクランプ位置と解放位置との間で誘導されて変位可能である。
【0049】
さらに、作動要素40は、2つの保持面47を有しており、当該保持面は、作動要素40がハウジング10から落下することを防止する。このために、好ましくは、図示されていない閉鎖カバーがさらに、ハウジング10に載置され、当該閉鎖カバーは、作動要素40がハウジング10から滑りそうになるや否や、保持面47が、閉鎖カバーに配置された保持装置(例えばさらなる保持面又は保持突起)に接することによって、作動要素40の落下を防止する。
【0050】
図面から明らかであるように、作動要素40はさらに、導体受容空間12の方向を向いた導体受容窪み45を有している。導体受容窪み45を設けることによって、導体接続端子1全体が、より小型になる。なぜなら、導体受容空間12内に挿入された導電体Lと作動要素40との間の距離を小さくすることができるからである。さらに、導電体Lを導体受容空間12に挿入することが、容易に可能になる。なぜなら、導電体Lが、導体受容空間12に挿入される際に、作動要素40内に設けられた導体受容窪み45を通るようにも誘導されるからである。
【符号の説明】
【0051】
1 導体接続端子
10 (導体接続端子の)ハウジング
11 (ハウジングの)導体挿入開口部
12 (ハウジングの)導体受容空間
13 (ハウジングの)案内溝
20 電流バー
21 (電流バーの)後壁
22 (電流バーの)側壁
23 (電流バーの)摺動縁部/(側壁の)端縁
30 クランプバネ
31 (クランプバネの)接触リム
32 (クランプバネの)クランプリム
33 (クランプバネの)曲げ継手
40 作動要素
41 (作動要素の)操作部分
42 (作動要素の)押圧部分
43 (作動要素の)受容ポケット/クランプバネ受容ポケット/クランプバネ受容空間
44 (作動要素の)スライドレール
45 (作動要素の)導体受容窪み/窪み
46 (作動要素の)案内リブ
47 (作動要素の)保持面
L 導電体
R 導体挿入方向
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3A
図3B
図4
図5