特許第6861845号(P6861845)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6861845
(24)【登録日】2021年4月1日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】空気調和機の室内機
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/20 20060101AFI20210412BHJP
   F24F 13/10 20060101ALI20210412BHJP
【FI】
   F24F1/0007 401C
   F24F13/10 A
【請求項の数】14
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-557374(P2019-557374)
(86)(22)【出願日】2018年4月27日
(65)【公表番号】特表2020-517887(P2020-517887A)
(43)【公表日】2020年6月18日
(86)【国際出願番号】CN2018084928
(87)【国際公開番号】WO2019024551
(87)【国際公開日】20190207
【審査請求日】2019年10月21日
(31)【優先権主張番号】201710643842.2
(32)【優先日】2017年7月31日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201720948871.5
(32)【優先日】2017年7月31日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517344192
【氏名又は名称】広東美的制冷設備有限公司
【氏名又は名称原語表記】GD MIDEA AIR−CONDITIONING EQUIPMENT CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】朱懋成
(72)【発明者】
【氏名】李勝奇
【審査官】 町田 豊隆
(56)【参考文献】
【文献】 中国実用新案第204786798(CN,U)
【文献】 中国実用新案第206018823(CN,U)
【文献】 中国実用新案第204901976(CN,U)
【文献】 特開2004−101072(JP,A)
【文献】 国際公開第2017/024637(WO,A1)
【文献】 中国特許出願公開第105003965(CN,A)
【文献】 米国特許出願公開第2018/0172288(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第107449038(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/0007
F24F 13/20
F24F 13/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吹出口を有する機体と、
前記吹出口に設けられ、前記吹出口を開閉するための外側導風板と、
前記吹出口に設けられかつ前記外側導風板の内側に位置し、厚さ方向に沿って貫通する複数の散気孔が形成される内側導風板と、を備え、
前記内側導風板における複数の前記散気孔の面積の合計は前記内側導風板の総面積の50%以上であ
前記散気孔は吹出方向に沿って順に接続される第1孔部及び第2孔部を含み、
前記第1孔部の出口の寸法が前記第2孔部の入り口の寸法よりも大きいことによりパーティング面が形成される、
ことを特徴とする空気調和機の室内機。
【請求項2】
前記内側導風板の総面積は、前記吹出口の面積の45%以上である、
ことを特徴とする請求項1に記載の空気調和機の室内機。
【請求項3】
前記内側導風板は、その厚さ方向に沿った投影面積が前記吹出口の総面積の70%以上である、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の空気調和機の室内機。
【請求項4】
前記第1孔部は吹出方向に沿って徐々に収縮し、前記第2孔部は吹出方向に沿って徐々に拡大する、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の空気調和機の室内機。
【請求項5】
前記パーティング面は平面である、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気調和機の室内機。
【請求項6】
前記散気孔は、入り口の面積が出口の面積以下である、
ことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の空気調和機の室内機。
【請求項7】
前記散気孔のパーティング面と出口端との間隔は、前記散気孔の全長の半分以下である、
ことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の空気調和機の室内機。
【請求項8】
複数の前記散気孔の少なくとも一部は上方から下方に孔径が漸減するか、漸増するか又は変化しないままである、
ことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の空気調和機の室内機。
【請求項9】
複数の前記散気孔の少なくとも一部は所定の直線又は曲線に沿って順に配置される、
ことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の空気調和機の室内機。
【請求項10】
前記散気孔の孔径は2mm〜4mmの範囲内である、
ことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の空気調和機の室内機。
【請求項11】
前記内側導風板が前記吹出方向に垂直である場合、前記散気孔の中心線と水平面との夾角は−10°〜10°の範囲内である、
ことを特徴とする請求項1〜1のいずれか一項に記載の空気調和機の室内機。
【請求項12】
前記内側導風板は、無風感状態と開状態との間で回転可能であり、前記内側導風板が前記開状態である場合、前記吹出口内に延びて前記吹出方向に沿って配置され、前記内側導風板が前記無風感状態である場合、前記機体の外縁の輪郭と面一である、
ことを特徴とする請求項1〜1のいずれか一項に記載の空気調和機の室内機。
【請求項13】
前記内側導風板は、通常のABS、変性ABS、PC及び変性PCのうち少なくとも1種類の材料で製造される、
ことを特徴とする請求項1〜1のいずれか一項に記載の空気調和機の室内機。
【請求項14】
前記散気孔の横断面は、円形、楕円形、三角形又は多角形である、
ことを特徴とする請求項1〜1のいずれか一項に記載の空気調和機の室内機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は家電技術分野に関し、特に空気調和機の室内機に関する。
【背景技術】
【0002】
生活水準の向上に伴い、消費者は消費者製品のユーザーエクスペリエンスをますます重視している。同様に、空気調和機の分野では、冷暖房の機能を達成するだけでなく、人々がより快適に感じるよう図ることが必要となっている。暑い夏には、ユーザーがしばしば空気調和機の冷房機能を利用し、体に冷気が当たると、不快に感じ、高齢者、妊婦、子供などの体の弱い人たちは、冷房病にかかる可能性が高くなる。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、従来の技術に存在する技術的問題の少なくとも1つを解決することを目的とする。したがって、本発明は、無風感効果を達成することができる空気調和機の室内機を提案する。
【0004】
本発明に係る空気調和機の室内機は、吹出口を有する機体と、前記吹出口に設けられ、前記吹出口を開閉するための外側導風板と、前記吹出口に設けられかつ前記外側導風板の内側に位置し、厚さ方向に沿って貫通した複数の散気孔が形成される内側導風板と、を備え、前記内側導風板における複数の前記散気孔の面積の合計は前記内側導風板の総面積の50%以上である。また、前記散気孔は吹出方向に沿って順に接続された第1孔部及び第2孔部を含み、前記第1孔部の出口の寸法が前記第2孔部の入り口の寸法よりも大きいことによりパーティング面が形成される。
【0005】
本発明に係る空気調和機の室内機によれば、内側導風板に複数の散気孔を設け、複数の散気孔の面積の合計を内側導風板の総面積の50%以上にすることにより、吹出口から空気が吹き出されるときに、室内環境の冷暖房効率を保証しながら、風速と風量を効果的に減らすことができる。
【0006】
いくつかの実施例では、前記内側導風板の総面積は前記吹出口の面積の45%以上である。
いくつかの実施例では、前記内側導風板は、その厚さ方向に沿った投影面積が前記吹出口の総面積の70%以上である。
【0008】
いくつかの実施例では、前記第1孔部は吹出方向に沿って徐々に収縮し、前記第2孔部は吹出方向に沿って徐々に拡大する。
【0009】
いくつかの実施例では、前記パーティング面は平面である。
いくつかの実施例では、前記散気孔は、入り口の面積が出口の面積以下である。
いくつかの実施例では、前記散気孔のパーティング面と出口端との間隔は前記散気孔の全長の半分以下である。
【0010】
いくつかの実施例では、複数の前記散気孔の少なくとも一部は上方から下方に向孔径が漸減するか、漸増するか又は変化しないままである。
いくつかの実施例では、複数の前記散気孔の少なくとも一部は所定の直線又は曲線に沿って順に配置される。
【0011】
いくつかの実施例では、前記散気孔の孔径は2mm〜4mmの範囲内である。
いくつかの実施例では、前記内側導風板が前記吹出方向に垂直である場合、前記散気孔の中心線と水平面との夾角は−10°〜10°の範囲内である。
【0012】
いくつかの実施例では、前記内側導風板は、無風感状態と開状態との間で回転可能であり、前記内側導風板が前記開状態である場合、前記吹出口内に延びて前記吹出方向に沿って配置され、前記内側導風板が前記無風感状態である場合、前記機体の外縁の輪郭と面一である。
【0013】
いくつかの実施例では、前記内側導風板は通常のABS、変性ABS、PC及び変性PCのうち少なくとも1種類の材料で製造される。
いくつかの実施例では、前記散気孔の横断面は円形、楕円形、三角形又は多角形である。
【0014】
本発明の追加の態様及び利点は、以下の説明において部分的に提供され、一部が以下の説明から明らかになるか、又は本発明の実践から分かる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は本発明の実施例に係る空気調和機の室内機の概略図であり、外側導風板が吹出口を開放し、かつ内側導風板が無風感状態にある。
図2図2図1に示す空気調和機の室内機の別の角度の概略図である。
図3図3は図の線A−Aに沿った断面図である。
図4図4図3の円で囲まれたBの拡大図である。
図5図5図4の円で囲まれたCの拡大図である。
図6図6図3の円で囲まれたBの拡大図であり、矢印は吹出方向を指している。
図7図7は本発明の実施例に係る空気調和機の室内機の概略図であり、外側導風板が吹出口を閉じている。
図8図8図7に示す空気調和機の室内機の断面図である。
図9図9図8の円で囲まれたDの拡大図である。
図10図10は本発明の実施例に係る空気調和機の室内機の概略図であり、外側導風板が吹出口を開放し、かつ内側導風板が開状態にある。
図11図11図10に示された空気調和機の室内機の断面図である。
図12図12図11の円で囲まれたEの拡大図である。
図13図13図2に示す空気調和機の室内機の概略図である。
図14図14図13の円で囲まれたFの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施例を詳細に説明し、前記実施例の例は、図面に示され、図面を通じて同じ又は類似した符号は、同じ又は類似した素子、或いは、同じ又は類似した機能を有する素子を示す。以下、図面を参照しながら説明する実施例は、例示的なものであり、本発明を解釈することを意図するが、本発明を制限するものとして理解すべきではない。
【0017】
以下、図1図14を参照して本発明の実施例に係る空気調和機の室内機100を説明する。空気調和機の室内機100は、室外機とともに空気調和機として組み立てられて、室内環境温度を調節する。空気調和機はセパレート型壁掛け式空気調和機であってもよく、空気調和機は冷房専用又は冷暖房機であってもよく、本発明の説明において、冷暖房機の空気調和機を例として説明し、空気調和機の室内機100は無風感モード、冷房風感モード及び暖房風感モードを含む。
【0018】
図1図3に示すように、本発明の実施例に係る空気調和機の室内機100は、機体1、外側導風板2及び内側導風板3を含む。機体1内には空気調和機の室内機100のすべてのデバイスが取り付けられ、機体1は一方では、内部デバイスを支持及び保護する役割を果たし、他方では、一定の装飾効果もある。
【0019】
機体1は底板、メインフレーム及びパネルを含み、メインフレームが底板に設けられ、メインフレームの前側が開放され、パネルがメインフレームの前側に設けられ、パネルの下端とメインフレームとの間に吹出口11が画定されている。具体的には、メインフレームは底板に回転可能又は取り外し可能に設けられてもよく、パネルはメインフレームに回転可能又は取り外し可能に設けられてもよい。機体1内には空気を流通させるための吹出フレームが設けられており、空気調和機の室内機100は機体1内に設けられる熱交換器、ファン、電気制御ボックスなどの素子をさらに備えることが理解できる。
【0020】
具体的には、機体1には吹出口11が設けられ、外側導風板2は吹出口11に設けられ、外側導風板2は吹出口11を開閉し、例えば、外側導風板2は吹出口11の縁部に枢動可能に接続され、外側導風板2を回転させることにより、吹出口11の開閉を達成する。外側導風板2が吹出口11を開放した場合、空気調和機の室内機100の内部空間は室内空間と連通し、空気の流れは吹出口11から室内に吹き込まれ、この時、外側導風板2は吹き出された空気の流れをガイドし、外側導風板2が吹出口11を閉じた場合、外側導風板2は機体1の外縁輪郭と面一であって、吹出口11を閉じ、この時、空気調和機の室内機100の内部空間は室内空間と連通しない。
【0021】
無論、空気調和機の室内機100の運転中において、外側導風板2もその回転軸の周りに回転して風を送ることが理解できる。
内側導風板3は吹出口11に設けられ、かつ内側導風板3は外側導風板2の内側に位置し、好ましくは、内側導風板3は吹出口11に回転可能に設けられ、内側導風板3が一定角度に回転するとき、内側導風板3は吹き出された空気をガイドし、吹出角度を調整する。無論、空気調和機の室内機100の運転中において、内側導風板3もその回転軸の周りを回転して風を送ることが理解できる。
【0022】
さらに、内側導風板3には、内側導風板3の厚さ方向に沿って内側導風板3を貫通した散気孔31が形成されている。必要に応じて、散気孔31の横断面は円形、楕円形、三角形又は多角形である。
【0023】
有利なことに、内側導風板3は無風感状態(例えば、図4に示す内側導風板の状態)と開状態(例えば、図11に示す内側導風板3の状態)との間で回転可能である。図11に示すように、内側導風板3が開状態にあるとき、内側導風板3は吹出口11内に延びて吹出方向に沿って配置され、(即ち内側導風板3は吹出方向にほぼ平行である)、この時、外側導風板2を回転させて吹出口11を開放し、空気の流れを直接吹出口11から吹き出し、この時、空気調和機の室内機100は風感モードであり、即ち熱風又は冷風を直接吹き出して、室内温度を調節する。この時、外側導風板2及び内側導風板3はいずれも空気の流れの方向をガイドし、冷房又は暖房効果を向上させる。
【0024】
図4及び図6に示すように、内側導風板3が無風感状態にある場合、内側導風板3は機体1の外縁輪郭と面一であり、(内側導風板3は吹出方向にほぼ垂直である)、この時、外側導風板2を回転させて吹出口11を開放すると、空気を内側導風板3における散気孔31から吹き出し、この時、空気調和機の室内機100が無風感モードである。その過程で、内側導風板3は吹き出された空気に対して一定の遮断効果を果たし、空気の流れを散気孔31のみから吹き出し、それにより、風速及び風量を低減させ、無風感効果を達成する。冷気が体に直接当たって冷房病にかかることを効果的に回避し、ユーザーエクスペリエンスを向上させる。
【0025】
また、内側導風板3における複数の散気孔31の面積の合計は内側導風板3の総面積の50%以上である。したがって、風速と風量を低減することを前提に、室内環境の冷暖房効率を保証することが可能である。
本発明の実施例に係る空気調和機の室内機100は、内側導風板3に複数の散気孔31を設けて、複数の散気孔31の面積の合計を内側導風板3の総面積の50%以上にすることにより、散気孔31から空気を吹き出す場合、風速と風量を低減するとともに、室内環境の冷暖房効率を保証することができる。
【0026】
ここで、内側導風板の総面積が小さすぎると、吹出口11の風速及び風量の低減効果が低いため、好ましくは、本発明の一実施例では、内側導風板3の総面積は吹出口11の面積の45%以上である。したがって、内側導風板が吹出方向に垂直な場合、吹出風速と風量を効果的に低減し、無風感効果を達成することができる。例えば、内側導風板3の総面積は吹出口11の面積の55%、65%又は75%などより大きくてもよい。
なお、内側導風板3の総面積は内側導風板3における散気孔31の面積を含む。
【0027】
本発明のいくつかの実施例では、内側導風板3は、その厚さ方向に沿った投影面積が吹出口11の総面積の70%以上である。したがって、内側導風板3は吹出口11の吹出風量及び吹出風速を効果的に遮断し、無風感効果を達成し、ユーザーエクスペリエンスを向上させる。例えば、内側導風板3は、その厚さ方向に沿った投影面積が吹出口11の総面積の80%、85%又は90%などであってもよい。
【0028】
本発明のいくつかの実施例では、図4図6に示すように、散気孔31は第1孔部311及び第2孔部312を含んでもよく、第1孔部311及び第2孔部312は吹出方向(例えば、図6に示す矢印の指し方向)に沿って順に接続され、第1孔部311の出口の寸法は第2孔部312の入り口の寸法よりも大きく、その結果、第1孔部311と第2孔部312との接続位置にパーティング面313が形成される。パーティング面313は散気孔31内の空気の流れの風速及び風量をさらに低減し、無風感効果をさらに達成する。また、パーティング面313を設けることにより、散気孔31を成形しやすく、構造を簡素化する。
【0029】
さらに、図5に示すように、第1孔部311は吹出方向に沿って徐々に収縮し、かつ第2孔部312は吹出方向に沿って徐々に拡大する。言い換えれば、吹出方向において、第1孔部311の孔径は漸減し、第2孔部312の孔径は漸増し、したがって、第1孔部311では、空気の流れの風量を徐々に低減可能であり、第2孔部312では、空気の流れの速度を徐々に低減させ、無風感効果を達成する。
【0030】
必要に応じて、図5を参照して、パーティング面313は平面であってもよい。このように、構造を簡素化でき、製造しやすいとともに、風量と風速を低減する効果が得られた。
いくつかの実施例では、散気孔31は入り口の面積が出口の面積以下であり、即ち、散気孔31は入り口の面積が出口の面積に等しくてもよく、散気孔31は入り口の面積が出口の面積よりも小さくてもよい。したがって、散気孔31の出口風速を入り口風速以下にし、散気孔31の出口風速を入り口風速よりも小さくして、風量及び風速を低減させ、吹出際の無風感を達成することができる。
【0031】
無論、本発明はこれによって限定されるものではなく、散気孔31の入り口の面積を出口の面積よりも大きくしてもよく、出口の空気量を減らすこともできる。
いくつかの実施例では、散気孔31のパーティング面313と出口端との間隔は、散気孔31の全長の半分以下である。これにより、無風感効果をさらに達成する。
【0032】
いくつかの実施例では、図13及び図14に示すように、複数の散気孔31の少なくとも一部は上方から下方に孔径が漸減するか、漸増するか又は変化しないままである。つまり、上方から下方に内側導風板3における複数の散気孔31の少なくとも一部の孔径が漸減してもよく、上方から下方に内側導風板3における複数の散気孔31の少なくとも一部の孔径が漸増してもよく、上方から下方に内側導風板3における複数の散気孔31の少なくとも一部の孔径が同じであってもよく、即ち、変化しないままである。これにより、内側導風板3の異なる位置の孔径を、異なる吹出要件に応じて設定することができ、適用性を向上させる。
【0033】
いくつかの実施例では、複数の散気孔31の少なくとも一部は所定の直線に沿って順に配置されてもよく、複数の散気孔31の少なくとも一部は所定の曲線に沿って順に配置されてもよい。これにより、要求に応じて散気孔31の位置を合理的に配置するとともに、外観を美しくすることができる。
例えば、内側導風板3には長さ方向(例えば、図13に示す左右方向)に沿って間隔をあけて配置された複数列の散気孔群が設けられ、各列の散気孔群は上下方向に間隔をあけて配置された複数の散気孔31を含む。隣接する2列の散気孔群における複数の散気孔31は上下方向に千鳥状に配置されている。また、隣接する2列の散気孔群における複数の散気孔31も左右に合わせて配置されてもよい。
【0034】
散気孔31の孔径のサイズを変えると、風速と風量を変えることができ、これは無風感効果を達成することに有益である。したがって、いくつかの実施例では、散気孔31の孔径が2mm〜4mmの範囲内であり、冷暖房効率を保証しながら、風速と風量を効果的に減らすことができる。
【0035】
いくつかの実施例では、図6に示すように、内側導風板3が吹出方向に垂直である場合、散気孔31の中心線と水平面との夾角は−10°〜10°の範囲内である。好ましくは、内側導風板3が吹出方向に垂直である場合、散気孔31の中心線と水平面との夾角は-5°〜5°の範囲内である。好ましくは、内側導風板3が吹出方向に垂直である場合、散気孔31の中心線は、水平面にほぼ平行である。これにより、気流を実質的に水平方向に吹き出すことができ、空気の流れが人体に直接当たることを防ぎ、ユーザーエクスペリエンスを向上させる。
【0036】
いくつかの実施例では、内側導風板3は通常のABS(アクリロニトリル-スチレン-ブタジエン共重合体)、変性ABS、PC(ポリカーボネート)、及び変性PCのうち少なくとも1種類の材料で作られている。
【0037】
いくつかの実施例では、外側導風板2は通常のABS(アクリロニトリル-スチレン-ブタジエン共重合体)、変性ABS、PC(ポリカーボネート)、及び変性PCのうち少なくとも1種類の材料で作られている。
【0038】
以下、本発明の実施例に係る空気調和機の室内機100の動作過程について説明する。
本発明の実施例に係る空気調和機の室内機100は無風感モード、冷房風感モード及び暖房風感モードを有し、空気調和機の室内機100が動作するとき、
空気調和機の室内機100を起動して、吹出モードを選択し、
無風感モードを選択する場合、外側導風板2は吹出口11を開放し、内側導風板3は吹出方向にほぼ垂直な位置まで回転し、このとき、機体1内の風は複数の散気孔31から吹き出され、風速が低下し、無風感効果が得られる。そして、外側導風板2は、吹出口11の吹出範囲内に回転して、風向を変えることができる。
【0039】
冷房風感モード又は暖房風感モードを選択する場合、外側導風板2は吹出口11を開放し、内側導風板3は吹出方向にほぼ垂直な位置まで回転する。
【0040】
本発明の説明において、「中心」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「トップ部」「底部」、「内側」、「外側」、「軸方向」、「半径方向」、「円周方向」などの用語で示される方位又は位置関係は、図面に示される方位又は位置関係に基づくものであり、本発明の説明及び説明の簡単化のために過ぎず、示される装置又は要素が特定方位を有したり、特定方位で構成又は操作されたりすることを指示又は示唆するものではなく、よって、本発明に対する限定としては理解されない。
【0041】
また、「第1」、「第2」という用語は説明のみを目的として使用されており、相対的な重要性を指示又は示唆するか、又は示された技術的特徴の数を暗黙的に示すと解釈されるものではない。したがって、「第1」及び「第2」により限定される特徴は、1つ以上のこの特徴を明示的に、あるいは黙示的に有してもよい。本発明の説明において、「複数」は、特に明記しない限り2つ又は2つ以上と意味する。
【0042】
本発明において、明確に指定又は限定しない限り、「取り付け」、「連結」、「接続」、「固定」などの用語は、広義で理解すべきであり、例えば、固定接続してもよく、取り外し可能に接続してもよく、又は一体になってもよく、機械的、電気的又は通信的に接続してもよく、直接接続してもよく、中間媒体を介した間接的に接続してもよく、2つの要素の内部が連通してもよく、又は2つの要素間の相互作用であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記用語の本発明における具体的な意味を理解し得る。
【0043】
本明細書の説明においては、参照用語「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体的な例」、又は「いくつかの例」などの説明は、該実施例又は例を参照しながら説明した特定の性質、構造、材料又は特徴が、本発明の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味している。本明細書において、上記用語の模式的な表現は、同じ実施例又は例に、必ずしも言及しているというわけではない。また、説明した特定の性質、構造、材料又は特徴は任意の1つ又は複数の実施例又は例において、適切な方法で組み合わせてもよい。さらに、互いに矛盾しない場合、当業者は、本明細書に記載された異なる実施例又は例、並びに異なる実施例又は例の特徴を、結合させるか組み合わせてもよい。
【0044】
以上、本発明の実施例を例示して説明したが、当業者であれば、本発明の原理及び趣旨から逸脱せずに、これらの実施例に対して様々な変更、修正、置換や変形を行うことができ、本発明の範囲が、特許請求の範囲及びその均等物によって定義されると理解されたい。
【符号の説明】
【0045】
100 空気調和機の室内機
1 機体
11 吹出口
2 外側導風板
3 内側導風板
31 散気孔
311 第1孔部
312 第2孔部
313 パーティング面
図1
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