特許第6861846号(P6861846)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6861846家具部分を移動可能に支持するためのガイドキャリッジ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6861846
(24)【登録日】2021年4月1日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】家具部分を移動可能に支持するためのガイドキャリッジ
(51)【国際特許分類】
   E05D 15/06 20060101AFI20210412BHJP
   E05D 15/26 20060101ALI20210412BHJP
【FI】
   E05D15/06 123
   E05D15/06 119
   E05D15/26
【請求項の数】21
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-559810(P2019-559810)
(86)(22)【出願日】2018年5月4日
(65)【公表番号】特表2020-518743(P2020-518743A)
(43)【公表日】2020年6月25日
(86)【国際出願番号】AT2018000043
(87)【国際公開番号】WO2018204955
(87)【国際公開日】20181115
【審査請求日】2019年10月31日
(31)【優先権主張番号】A50392/2017
(32)【優先日】2017年5月11日
(33)【優先権主張国】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】597140501
【氏名又は名称】ユリウス ブルーム ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Julius Blum GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マティアス ルップ
(72)【発明者】
【氏名】インゴ ガッサー
(72)【発明者】
【氏名】フランツ コールヴァイス
【審査官】 鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】 実開平03−078878(JP,U)
【文献】 特開2010−261301(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05D 15/00−15/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイドレール(6)に沿って家具部分(3b)を移動可能に支持するためのガイドキャリッジ(8)であって、前記ガイドキャリッジ(8)は、回転可能に支持された少なくとも1つのころ(18)を有した滑走機構(12)と、前記ガイドキャリッジ(8)を前記家具部分(3b)に接続するための少なくとも1つの接続部分(14)とを有している、ガイドキャリッジ(8)において、
少なくとも1つの位置決め装置(23,23a)が設けられており、前記位置決め装置によって、前記接続部分(14)は、前記滑走機構(12)に対して相対的に、少なくとも1つの直線方向(H,Xに沿って位置決め可能であり、
前記接続部分(14)は、前記滑走機構(12)に取付け装置(19)を介して取り外し可能に接続可能であって、前記少なくとも1つの位置決め装置(23,23a)は、前記取付け装置(19)とは別個に形成されていて、前記接続部分(14)に配置されていることを特徴とする、家具部分(3b)を移動可能に支持するためのガイドキャリッジ(8)。
【請求項2】
前記接続部分(14)は、前記滑走機構(12)に前記接続部分(14)を懸吊することにより、前記滑走機構(12)に取り外し可能に続可能である、請求項1記載のガイドキャリッジ。
【請求項3】
第1の位置決め装置(23)と、少なくとも1つの第2の位置決め装置(23a)とが設けられており、前記接続部分(14)は、前記第1の位置決め装置(23)によって高さ方向(H)に沿って前記滑走機構(12)に対して相対的に調節可能であって、前記第2の位置決め装置(23a)によって側方方向(X)に沿って前記滑走機構(12)に対して相対的に調節可能であって、前記第1の位置決め装置(23)と前記少なくとも1つの第2の位置決め装置(23a)とは前記接続部分(14)に配置されている、請求項1または2記載のガイドキャリッジ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの位置決め装置(23,23a)は、前記滑走機構(12)に対して相対的な前記接続部分(14)の位置を受動的に調整可能な調整装置として形成されており、前記接続部分(14)と前記滑走機構(12)との間にはセルフロック式の接続が形成されており、前記接続部分(14)は、前記セルフロック式の接続に抗する力を付与することにより、前記滑走機構(12)に対して相対的に調節可能である、請求項1から3までのいずれか1項記載のガイドキャリッジ。
【請求項5】
前記滑走機構(12)は、持体(13)に結合されており、前記接続部分(14)は少なくとも1つの取付け装置(19)によって前記支持体(13)に接続されている、または接続可能である、請求項1から4までのいずれか1項記載のガイドキャリッジ。
【請求項6】
前記支持体(13)はU字型に形成されている、請求項5記載のガイドキャリッジ。
【請求項7】
前記取付け装置(19)は、前記支持体(13)に配置された少なくとも1つの支持個所(20)を有していて、前記支持個所は、前記接続部分(14)の組付け状態で、前記接続部分(14)の凹部(21)内に係合する、請求項5または6記載のガイドキャリッジ。
【請求項8】
前記少なくとも1つの支持個所(20)は、組付け状態において、前記滑走機構(12)と実質的に同じ高さに配置されている、請求項記載のガイドキャリッジ。
【請求項9】
前記支持体(13)は、高さ方向(H)で互いに離間されて位置する少なくとも2つの支持個所(20,20a)を有しており、前記支持個所は、組付け状態において、前記接続部分(14)の、高さ方向(H)で互いに離間されて位置する2つの凹部(21,21a)にそれぞれ係合する、請求項または記載のガイドキャリッジ。
【請求項10】
前記接続部分(14)は、前記支持個所(20,20a)への前記凹部(21,21a)の懸吊により、前記支持体(13)に接続可能である、請求項記載のガイドキャリッジ。
【請求項11】
前記少なくとも1つの位置決め装置(23)は、可動に支持された少なくとも1つの操作エレメント(27)を有しており、前記接続部分(14)は前記操作エレメント(27)の操作により、高さ方向(H)および/または側方方向(X)に沿って前記滑走機構(12)に対して相対的に調節可能である、請求項1から10までのいずれか1項記載のガイドキャリッジ。
【請求項12】
前記操作エレメント(27)は回転可能に支持されており、前記操作エレメント(27)の回転によりねじ山区分(24)が回転可能である、請求項11記載のガイドキャリッジ。
【請求項13】
前記接続部分(14)は、前記支持体(13)に取り付けるべき支持部分(17)と、前記家具部分(3b)に取り付けるべき少なくとも1つの取付け具部分(15)とを有しており、前記支持部分(17)と前記少なくとも1つの取付け具部分(15)とはヒンジ機構(16)を介して、なくとも1つの軸(22)を中心として互いに旋回可能に接続されている、請求項5からまでのいずれか1項記載のガイドキャリッジ。
【請求項14】
少なくとも1つの前記軸(22)は、組付け状態において鉛直方向に延在している、請求項13記載のガイドキャリッジ。
【請求項15】
前記ヒンジ機構(16)は、旋回可能に支持された少なくとも2つのヒンジレバー(16a,16b)を有している、請求項13または14記載のガイドキャリッジ。
【請求項16】
前記少なくとも1つの取付け具部分(15)は、ベース部分(29)と、前記家具部分(3b)に取り付けるべきスライド部分(28)とを有しており、前記スライド部分(28)は、前記ベース部分(29)に対して相対的に摺動可能に支持されていて、これにより前記スライド部分(28)は方方向(X)に沿って前記ベース部分(29)に対して相対的に位置決め可能である、請求項13または14または15記載のガイドキャリッジ。
【請求項17】
前記スライド部分(28)と前記ベース部分(29)とは摩擦接続的に互いに接続されており、摩擦力に抗する力を加えることにより、前記スライド部分(28)は前記ベース部分(29)に対して相対的に摺動可能である、請求項16記載のガイドキャリッジ。
【請求項18】
前記スライド部分(28)と前記ベース部分(29)とは少なくとも1つのばねエレメント(30)を介して摩擦接続的に互いに接続されている、請求項17記載のガイドキャリッジ。
【請求項19】
前記取付け具部分(15)は、高さ方向(H)において互いに離間されて位置する少なくとも2つのスライド部分(28)を有しており、前記スライド部分はそれぞれ、高さ方向(H)において互いに離間されて位置する2つのベース部分(29)に対して相対的に摺動可能に支持されている、請求項16から18までのいずれか1項記載のガイドキャリッジ。
【請求項20】
少なくとも1つのガイドレール(6)と、請求項1から19までのいずれか1項記載の少なくとも1つのガイドキャリッジ(8)とを備えた装置であって、前記ガイドキャリッジ(8)は前記ガイドレール(6)に対して相対的に移動可能に支持されている、装置。
【請求項21】
請求項1から19までのいずれか1項記載のガイドキャリッジをガイドレールに組み付ける方法であって、
第1の組付けステップで、前記滑走機構を、前記接続部分とは別個に独立して、前記ガイドレールに取り付け、
第2の組付けステップで、前記接続部分を、前記滑走機構とは別個に独立して、前記家具部分に取り付け、
第3の組付けステップで、前記家具部分を、前記家具部分に取り付けられた前記接続部分を介して、取付け装置を用いて、前記ガイドレールに取り付けられた前記滑走機構に接続し、
さらなるステップでは、接続部分と滑走機構との接続状態において、前記滑走機構に対して相対的な前記接続部分の位置を、少なくとも1つの位置決め装置によって調節する、
ことを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガイドレールに沿って家具部分を移動可能に支持するためのガイドキャリッジであって、ガイドキャリッジは、回転可能に支持された少なくとも1つのころを有した滑走機構と、ガイドキャリッジを家具部分に接続するための少なくとも1つの接続部分とを有している、ガイドキャリッジに関する。
【0002】
さらに本発明は、少なくとも1つのガイドレールと、上述した形式の少なくとも1つのガイドキャリッジと、を備えた装置に関する。
【0003】
さらに本発明は、ガイドキャリッジをガイドレールに組み付ける方法に関する。
【0004】
このようなガイドキャリッジは、家具部分、例えば扉を、ガイドレールに対して相対的に摺動可能に支持するために使用され、この場合、ガイドキャリッジは、組付け状態で、一方では接続部分を介して家具部分に接続されており、他方では滑走機構を介してガイドレールに沿って可動に支持されている。家具部分の、場合によっては生じる歪みによって、かつ/または家具本体に対して相対的に行われる家具部分の調節によって、このような家具部分の位置変更がガイドキャリッジにも伝達される。このようなことは最終的には、閉鎖位置での扉の傾きにつながる恐れがあり、かつ/または他の家具部分に対して共通の閉鎖平面に配置されないことにつながる恐れがある。
【0005】
本発明の課題は、上述した欠点を回避する冒頭で述べた形式のガイドキャリッジを提供することである。
【0006】
この課題は、本発明によれば、請求項1の特徴により解決される。本発明のさらに好適な構成は、従属請求項に記載されている。
【0007】
本発明によればすなわち、少なくとも1つの位置決め装置が設けられており、位置決め装置によって、接続部分は、滑走機構に対して相対的に、少なくとも1つの直線方向で位置決め可能であるようになっている。
【0008】
位置決め装置によって、家具部分に接続すべき接続部分を組付け状態で、高さ方向で、かつ/または側方方向で、かつ/または奥行き方向で、滑走機構に対して相対的に位置決めすることができる。
【0009】
位置決め装置はこの場合、少なくとも1つの可動に支持された操作エレメントを有していてよく、操作エレメントの操作により、滑走機構に対して相対的に接続部分の位置を能動的に調節可能である。選択的に、または補足的に、位置決め装置は、例えば接続部分と滑走機構との間のセルフロック式の接続によって、滑走機構に対して相対的な接続部分の位置を受動的に補償可能な補償装置として形成されていてよく、接続部分は、セルフロック式の接続に抗する力を付与することにより、滑走機構に対して相対的に調節可能である。これは例えば、摩擦接続的な接続によって行うことができ、したがって、接続部分は、摩擦力を克服した後、滑走機構に対して相対的に調節可能である。すなわち、接続部分は、組み付けられた家具部分に対して(例えば、家具部分を閉鎖位置の方向に押すことにより)力を加えることにより、摩擦力が克服された後、滑走機構に対して相対的に調節することができ、これにより存在するかもしれない家具部分の歪みおよび/または誤差のある位置を修正することができる。
【0010】
1つの実施例によると、接続部分は滑走機構に取付け装置を介して取り外し可能に、好適には滑走機構に接続部分を懸吊することにより、接続可能であって、少なくとも1つの位置決め装置は、取付け装置とは別個に形成されていて、接続部分に配置されていてよい。すなわちこのような構成により、以下の快適な可能性、すなわち、
第1の組付けステップで、滑走機構を、接続部分とは別個に独立して、ガイドレールに取り付け、
第2の組付けステップで、接続部分を、滑走機構とは別個に独立して、家具部分に取り付け、
第3の組付けステップで、家具部分を、家具部分に取り付けられた接続部分を介して、取付け装置を用いて、ガイドレールに取り付けられた滑走機構に接続し、
さらなるステップで、接続部分と滑走機構との接続状態で、滑走機構に対して相対的な接続部分の位置を、少なくとも1つの位置決め装置によって調節する、
可能性が提供される。
【0011】
1つの別の実施例によれば、第1の位置決め装置と、少なくとも1つの第2の位置決め装置とが設けられており、接続部分は、第1の位置決め装置によって高さ方向で滑走機構に対して相対的に調節可能であって、第2の位置決め装置によって側方方向で滑走機構に対して相対的に調節可能であって、第1の位置決め装置と少なくとも1つの第2の位置決め装置とは接続部分に配置されていてよい。位置決め装置を接続部分に配置することにより、接続部分と滑走機構とが接続された状態で、位置決め装置に対して改善された操作性を得ることができ、これにより、ガイドレールに対して相対的に離れた(例えば低い)位置にいる人が位置決め装置を操作することができる。
【0012】
1つの実施例によれば、滑走機構は、好適にはU字型に形成された支持体を有していてよく、接続部分は少なくとも1つの取付け装置によって支持体に接続されている、または取り外し可能に接続可能である。この場合、接続部分を家具部分に予め取り付けることができ、予め取り付けられた接続部分は例えば、懸吊、挿入、または押込みにより支持体に接続可能である。構造的に簡単な手段では、取付け装置は、支持体に配置された少なくとも1つの支持個所を有していて、この支持個所は、接続部分の組付け状態で、接続部分の対応する凹部内に係合する。機構的に逆であっても勿論よく、この場合、支持個所が接続部分に、対応する凹部が支持体に配置または形成されている。
【0013】
本発明による装置は、少なくとも1つのガイドレールと、上述した形式の少なくとも1つのガイドキャリッジとを有している。
【0014】
本発明のその他の詳細および利点は、以下の図面の説明により明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1a】ガイドシステムによって家具本体に対して相対的に可動に支持されている家具部分を備えた家具の1つの斜視図である。
図1b図1aの家具の別の斜視図である。
図2a】家具の部分領域を示す図である。
図2b】ガイドレールに沿って走行可能に支持されているガイドキャリッジを示す拡大図である。
図3】滑走機構と、滑走機構に取り付けるべき接続部分とを有したガイドキャリッジを示す斜視図である。
図4】ガイドキャリッジを後方から見た斜視図である。
図5】ガイドキャリッジを前方から見た斜視図である。
図6a】取付け具部分が1つの位置にあるガイドキャリッジを示す図である。
図6b】取付け具部分が側方方向で図6aとは異なる位置にあるガイドキャリッジを示す図である。
図7】ガイドキャリッジの分解図である。
【0016】
図1aには、家具1の斜視図が示されており、この家具は、ガイドシステム5によって家具本体2に対して相対的に可動に支持されている家具部分3a,3bおよび4a,4bを有している。ガイドシステム5は、長手方向(L)を有した第1のガイドレール6と、長手方向(L)に対して横方向に、好適には直角に、延在している、家具部分3a,3bを方向(Z)でガイドするための第2のガイドレール11とを含み、家具部分3bに接続されたガイドキャリッジ8は、第1のガイドレール6に沿って、かつ第2のガイドレール11に対して相対的に可動に支持されている。第1のガイドレール6は例えば、家具本体2の上面に載置されていてよく、第1のガイドレール6と第2のガイドレール11とは高さ方向で互いに間隔を置いている、または同じ高さに配置されていてもよい。家具部分3a,3bは、互いに平行な位置で、側方の中空室7a内に挿入することができる。家具部分4bに接続された第2のガイドキャリッジ8aによって、別の両家具部分4a,4bを、第1のガイドレール6に対して相対的に動かすことができ、互いに平行な位置では、第2の側方の中空室7b内へと挿入することができる。家具部分3a,3bおよび4a,4bはそれぞれ家具ヒンジ10によって互いに旋回可能に接続されており、すなわちこれにより家具部分3a,3bおよび4a,4bはそれぞれ、鉛直方向に延在する軸を中心として互いにヒンジ結合されている。
【0017】
図1bには家具1が示されており、この場合、家具部分3a,3bおよび4a,4bはそれぞれ互いに平行に向けられていて、長手方向(L)に対して横方向の方向(Z)で、側方の中空室7a,7b内に挿入可能である。第1の家具部分3aと第2の家具部分3bとは、互いに離間された複数の家具ヒンジ10を介して互いに連結されており、家具部分3a,3bは、家具部分3a,3bが側方の中空室7a内に挿入可能である平行な位置から、家具部分3a,3bが互いに同一平面の位置をとる、内部の棚9を隠す第2の位置へと移動することができるように支持されている。
【0018】
図2aには家具1の部分領域が示されており、この場合、第2の家具部分3bは、見易さの理由から図示されていない。ガイドレール6は、家具1の上面に配置可能であり、家具部分3bに接続可能なガイドキャリッジ8は、ガイドレール6に沿って走行可能である。
【0019】
図2bには、図2aの円で取り囲まれた領域が拡大図で示されており、ガイドキャリッジ8の構造が詳しくわかる。ガイドキャリッジ8は滑走機構12を含み、この滑走機構は、好適にはU字型に形成された支持体13に接続されている、または接続可能である。滑走機構12は、ガイドレール6に沿って転動可能な(ここには図示されていない)少なくとも1つの回転可能なころ18を含む。U字型の支持体13は、側方方向で、ガイドレール6の、鉛直に延在するウェブ6a上に被せ嵌めることができ、この場合、ウェブ6aは組付け状態で、支持体13のU字型の区分の内側に受容されている。支持体13には、支持部分17が、好適には取り外し可能に、接続されており、支持部分17は、ヒンジ機構16を介して、家具部分3bに取り付けるべきすくなくとも1つの取付け具部分15にヒンジ結合されている。支持部分17、ヒンジ機構16、および取付け具部分15は一緒に、滑走機構12の支持体13に接続可能な接続部分14の構成ユニットを形成している。
【0020】
図3にはガイドキャリッジ8が示されており、ガイドキャリッジ8は、滑走機構12と、支持体13と、この支持体に取り付けるべき接続部分14とを有している。滑走機構12は、少なくとも1つの、好適には複数のころ18を含み、この場合、鉛直方向の回転軸を有する2つ以上のころ18および/または水平方向の回転軸を有する2つ以上のころ18が設けられていてよい。接続部分14は、家具部分3bに予め組み付け可能であり、この場合、予め組み付けられた接続部分14は少なくとも1つの取付け装置19により支持体13に接続可能である。取付け装置19は、支持体13に配置された少なくとも1つの支持個所20を有していてよく、この支持個所は、接続部分14の組付け状態で、接続部分14の対応する凹部21内に係合する。少なくとも1つの支持個所20は、組付け状態で、実質的に滑走機構12と同じ高さに位置しており、これにより、側方の僅かな傾動モーメントが滑走機構12内へと導入される。図示した実施例では、鉛直方向で互いに離間されて位置する2つの取付け装置19,19aが設けられており、これら取付け装置によって、接続部分14は支持体13に取り外し可能に接続可能である。このために、支持体13は、高さ方向で互いに離間されて位置する少なくとも2つの支持個所20,20aを有しており、これら支持個所は組付け状態で、接続部分14の、高さ方向で互いに離間されて位置する2つの凹部21,21aにそれぞれ係合する。すなわち、家具部分3bに予め組付けられた接続部分14は、両凹部21,21aで、支持体13の両支持個所20,20aに懸吊されてよく、これにより、支持体13に対する接続部分14の極めて簡単な(懸吊による)組付けと、(持ち上げによる)取外しとが得られる。接続部分14は、図示した実施例では、(凹部21,21aを介して支持体13の支持個所20,20aに取り付けることができる)1つの支持部分17と、高さ方向で互いに離間されて位置し、家具部分3bに取り付けるべき2つの取付け具部分15,15aと、1つのヒンジ機構16とを有しており、このヒンジ機構により、取付け具部分15,15aは支持部分17に対して相対的に、好適には組付け状態で鉛直方向に延びる軸を中心として旋回可能に、接続されている。
【0021】
図4にはガイドキャリッジ8が示されており、この場合、接続部分14は、凹部21,21aを介して支持体13の両支持個所20,20aに接続されている。接続部分14は、支持体13に対して相対的に接続部分14を持ち上げることにより簡単な取外しを行うことができ、この場合、付加的な固定手段を解除する必要はない。
【0022】
図5には、ガイドキャリッジ8が斜視図で示されており、家具部分3bに取り付けるべき取付け具部分15,15aを備えた支持部分17が、支持体13に組み付けられている。位置決め装置23により、接続部分14の取付け具部分15,15aは、滑走機構12に対して相対的に、少なくとも1つの直線方向に沿って、この場合は高さ方向(H)に沿って位置決め可能である。位置決め装置23は、図示の構成では、ねじ山区分24を含み、このねじ山区分は、支持ブロック25に螺合する。ねじ山区分24は回転可能に、しかしながら軸方向では摺動不能に支持部分17に配置されている。操作エレメント27(例えば工具受容部を含む)の操作により、ねじ山区分24を回転させることができ、この場合、支持ブロック25(ひいては取付け具部分15,15a)は高さ方向(H)で調節可能となっている。支持ブロック25を直線的にガイドするために、ねじ山区分24に対して平行に延在するガイドロッド26が設けられていて、このガイドロッドに沿って、支持ブロック25は、ねじ山区分24の回転運動の際に自由に摺動可能であるように支持されている。位置決め装置23によって、家具部分3bは組付け状態で高さ方向(H)において別の家具部分3aに対して相対的に調節可能である。
【0023】
図6aにはガイドキャリッジ8の後方から見た斜視図が示されており、この場合、別の位置決め装置23aが設けられていて、この別の位置決め装置によって、取付け具部分15,15aに接続すべき家具部分3bを、側方方向(X)に沿って他方の家具部分3aに対して位置決め可能である。取付け具部分15,15aはそれぞれ、家具部分3bに取り付けるべきスライド部分28を有しており、このスライド部分28はそれぞれ側方方向(X)に沿って、ベース部分29に対して相対的に直線的に摺動可能に支持されている。スライド部分28とベース部分29とはそれぞれ互いに摩擦接続的に接続されており、摩擦力に抗する力を加えることにより、スライド部分28はベース部分29に対して相対的に摺動可能である。両取付け具部分15,15aを旋回可能に支持するためのヒンジ機構16も示されており、このヒンジ機構16は、旋回可能に支持された少なくとも2つのヒンジレバー16a,16bを有している。
【0024】
図6bにはガイドキャリッジ8が示されており、この場合、スライド部分28は、家具部分3bに力を加えることにより、側方方向(X)に沿って、ベース部分29に対して相対的に摺動され、このことは、図6aと図6bを直接比較することにより明らかである。
【0025】
図7には、ガイドキャリッジ8が分解図で示されている。支持体13には、少なくとも1つのころ18を備えた滑走機構12が配置または形成されており、接続部分14の支持部分17は、取付け装置19,19aを介して、凹部21,21aでもって支持体13の支持個所20,20aに取り付けることができる。支持部分17には、支持ブロック25が可動に支持されており、支持ブロック25は、操作エレメント27の回転により、支持部分17に対して相対的に高さ方向(H)で摺動可能に支持されており、支持ブロック25はガイドロッド26に沿ってガイドされている。支持ブロック25には、ヒンジ機構16の両ヒンジレバー16a,16bが旋回可能に接続されており、ヒンジレバー16bは保持体31に接続することができる。保持体31には、取付け具部分15,15aの両ベース部分29が支持プレート32を介してねじ33によって取り付けられている。取付け具部分15,15aのスライド部分28は、それぞれ摩擦接続的にベース部分29に接続されている。具体的な実施例では、ベース部分29とスライド部分28との間には、ばねエレメント30によって摩擦接続的な接続が形成されている。ばねエレメント30はそれぞれ、ベース部分29とスライド部分28との間に摩擦力を生成する予荷重をかけられた板ばねとして形成されている。ばねエレメント30は、この場合、ベース部分29の上面と、スライド部分28の曲げ出されたウェブ28aとの間で機能する。
図1a
図1b
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6a
図6b
図7