(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6861859
(24)【登録日】2021年4月1日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】ステアリングシステムを動作させるための方法及びステアリングシステム
(51)【国際特許分類】
B62D 5/04 20060101AFI20210412BHJP
【FI】
B62D5/04
【請求項の数】13
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-571964(P2019-571964)
(86)(22)【出願日】2018年4月26日
(65)【公表番号】特表2020-525343(P2020-525343A)
(43)【公表日】2020年8月27日
(86)【国際出願番号】EP2018060730
(87)【国際公開番号】WO2019007563
(87)【国際公開日】20190110
【審査請求日】2019年12月26日
(31)【優先権主張番号】102017211278.6
(32)【優先日】2017年7月3日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ラファエル ピットナー
【審査官】
飯島 尚郎
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2016/131506(WO,A1)
【文献】
特開2006−111032(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0175192(US,A1)
【文献】
特開2017−039460(JP,A)
【文献】
国際公開第2016/098557(WO,A1)
【文献】
特開平04−255176(JP,A)
【文献】
特開2008−204991(JP,A)
【文献】
特開2010−038374(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリングシステム(10)、特に電気支援式のステアリングシステムを動作させるための方法であって、
当該ステアリングシステム(10)は、
少なくとも1つの侵入する第1の流体を検出するための、少なくとも1つの第1の流体センサユニット(12)と、
少なくとも1つの侵入する第2の流体を検出するための、前記第1の流体センサユニット(12)から空間的に離間されて配置された少なくとも1つの第2の流体センサユニット(14)と、
を含み、
前記第1の流体の検出に対する反応として、少なくとも1つの第1の反応挙動が起動され、
前記第2の流体の検出に対する反応として、前記第1の反応挙動とは少なくとも部分的に異なる少なくとも1つの第2の反応挙動が起動され、
前記第1の反応挙動と前記第2の反応挙動とは、少なくとも反応の種類という点で相互に異なり、
前記第1の流体センサユニット(12)は、水を検出するために設けられており、前記第2の流体センサユニット(14)は、空気湿度を検出するために設けられている、
方法。
【請求項2】
前記第1の反応挙動と前記第2の反応挙動とは、少なくとも反応の速度という点で相互に異なる、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の反応挙動は、時間的により迅速な反応を引き起こし、
前記第2の反応挙動は、前記第1の反応挙動に比較して時間的に緩慢な反応を引き起こす、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記反応挙動のうちの少なくとも1つにおいて現在の運転モードが考慮され、
前記現在の運転モードに応じて前記反応挙動に関連する応答が適合される、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の流体センサユニット(12)及び前記第2の流体センサユニット(14)として、それぞれ異なる構造形式の流体センサユニットが使用される、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の流体センサユニット(12)及び前記第2の流体センサユニット(14)によって、それぞれ異なる凝集状態を有する複数の流体が検出される、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の流体センサユニット(12)及び前記第2の流体センサユニット(14)によって、空間的に相互に離間された複数の領域(16,18)が監視される、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の流体センサユニット(12)によって、ステアリング支援を生成及び/又は提供するための、制御装置(20)及び/又は支援ユニット(22)の少なくとも1つの領域(16)が監視され、
前記第2の流体センサユニット(14)によって、ステアリングギア(24)の少なくとも1つの領域(18)が監視される、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法を実施するための計算ユニット(26)を有する、ステアリングシステム(10)の制御装置(20)。
【請求項10】
ステアリングシステム(10)、特に電気支援式のステアリングシステムであって、
少なくとも1つの侵入する第1の流体を検出するための、少なくとも1つの第1の流体センサユニット(12)と、
少なくとも1つの侵入する第2の流体を検出するための、前記第1の流体センサユニット(12)から空間的に離間されて配置された少なくとも1つの第2の流体センサユニット(14)と、
少なくとも1つの計算ユニット(26)と、
を有し、
前記計算ユニット(26)は、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法を実施するために設けられており、
前記第1の流体センサユニット(12)は、水を検出するために設けられており、前記第2の流体センサユニット(14)は、空気湿度を検出するために設けられている、
ステアリングシステム(10)。
【請求項11】
前記第1の流体センサユニット(12)及び前記第2の流体センサユニット(14)は、別個の論理接続部(28,30)を介して前記計算ユニット(26)に接続されている、
請求項10に記載のステアリングシステム(10)。
【請求項12】
前記第1の流体センサユニット(12)及び前記第2の流体センサユニット(14)は、それぞれ異なる凝集状態を有する複数の流体を検出するために、それぞれ異なる構造形式で設けられている、
請求項10又は11に記載のステアリングシステム(10)。
【請求項13】
前記第1の流体センサユニット(12)は、ステアリング支援を生成及び/又は提供するための、前記ステアリングシステム(10)の制御装置(20)及び/又は前記ステアリングシステム(10)の支援ユニット(22)の領域(16)に配置されており、
前記第2の流体センサユニット(14)は、前記ステアリングシステム(10)のステアリングギア(24)の領域(18)に配置されている、
請求項10乃至12のいずれか一項に記載のステアリングシステム(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
従来技術
本発明は、請求項1の上位概念に記載のステアリングシステムを動作させるための方法と、請求項11の上位概念に記載のステアリングシステムとに関する。本発明はさらに、請求項10に記載の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
独国特許出願公開第102006051799号明細書から、ステアリングギアと、ステアリング支援を生成及び/又は提供するための電気的に構成された支援ユニットと、液体の侵入を検出するためのセンサ装置とを有する、電気支援式のステアリングシステムが公知である。このセンサ装置は、主として支援ユニットのサーボモータハウジングへの水の侵入を検出するために設けられており、このセンサ装置によれば、例えば、複数の異なる液体を検出すること、又は、ステアリングシステムの複数の異なる領域における液体を検出することのように、ステアリングシステムに侵入する複数の流体を区別して検出することは不可能である。これによって、水の侵入に対するステアリングシステムの反応挙動は、特に侵入量及び/又は侵入位置に関係なく常に同一のものとなり、状況に応じて適合されたステアリングシステムの反応は、不可能であり、これによって、ステアリングシステムの柔軟性が大幅に制限されることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許出願公開第102006051799号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、特に、柔軟性に関して改善された特性と、特に有利に柔軟な反応挙動とを有する、ステアリングシステムを動作させるための方法と、ステアリングシステムとを提供することである。上記の課題は、請求項1、11及び14に記載の特徴と、請求項10に記載の特徴とによって解決され、その一方で、本発明の有利な実施形態及び発展形態を、従属請求項から得ることができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の開示
本発明は、ステアリングシステム、特に電気支援式のステアリングシステムを動作させるための方法であって、当該ステアリングシステムは、少なくとも1つの侵入する第1の流体、特に第1の異物を検出するための、少なくとも1つの第1の流体センサユニットと、少なくとも1つの侵入する第2の流体、特に第2の異物を検出するための、第1の流体センサユニットから空間的に離間されて配置された少なくとも1つの第2の流体センサユニットとを含む、方法に関する。
【0006】
第1の流体の検出に対する反応として、少なくとも1つの第1の反応挙動が起動され、第2の流体の検出に対する反応として、第1の反応挙動とは少なくとも部分的に異なる少なくとも1つの第2の反応挙動が起動され、特に実行されるようにすることが提案される。本実施形態によれば、特に、有利に高い柔軟性を有する方法を提供することができる。特に、有利にも種々異なるエラー動作に合わせて適合されている、有利に柔軟な反応挙動及び/又は状況に応じた反応挙動を達成することが可能となる。さらに有利には、流体の検出に対する反応として、例えば、ステアリングシステムの完全なスイッチオフ、ステアリングシステムのレベルダウン、所定の運転モードへの変更、及び/又は、単なる注意メッセージ及び/又は警告メッセージの生成のような、種々異なる対策を講じることが可能である。
【0007】
これに関連して「ステアリングシステム」とは、特に車両の、好ましくは自動車の少なくとも一部、特にサブアセンブリであると理解されるべきである。特に、ステアリングシステムは、少なくとも車両の走行方向に影響を与えるために設けられている。車両は、有利には少なくとも2つの相異なる運転モード、特に、従来及び/又は手動の運転モードと、自律的及び/又は半自律的な運転モードとを含む。さらに、「電気支援式のステアリングシステム」とは、特に、補助電力支援部を有するステアリングシステムであると理解されるべきであり、この補助電力支援部においては、特に少なくとも1つの支援ユニットが、ステアリング支援を生成及び/又は提供するために電気的に構成されており、特に、ステアリング支援を生成するために、好ましくは電気モータとして構成されたモータを含む。特に、ステアリングシステムはさらに、特にステアリングシステムを動作させるための方法を実施するために設けられている少なくとも1つの計算ユニットを含む。ステアリングシステムはさらに、例えば、少なくとも1つのステアリングユニットのような、及び/又は、少なくとも1つのステアリングコラムのような、及び/又は、少なくとも1つのステアリングギアのような、及び/又は、特にステアリング支援を生成及び/又は提供するための、ステアリングギアに作用接続された少なくとも1つの支援ユニットのような、及び/又は、検出された流体に応じて特に音響的、触覚的及び/又は光学的な注意メッセージ及び/又は警告メッセージを出力するための少なくとも1つの出力ユニットのような、さらなるコンポーネント及び/又はアセンブリを含むことができる。「設けられている」とは、特に特別にプログラミングされ、構成され、及び/又は、装備されていることであると理解されるべきである。あるオブジェクトがある特定の機能のために設けられているとは、特に、このオブジェクトがこの特定の機能を、少なくとも1つの使用状態及び/又は動作状態において実現及び/又は実行することであると理解されるべきである。
【0008】
「流体センサユニット」とは、特に、好ましくは所定の凝集状態を有する少なくとも1つの流体、特に気体又は液体を検出するために設けられたユニット、特に計算ユニットに作用接続されたユニットであると理解されるべきである。特に、このために流体センサユニットは、有利には受動センサ及び/又は能動センサとして構成され得る少なくとも1つのセンサ要素を含む。流体センサユニットはさらに、特に、検出された流体と相関する検出信号を提供し、特に無線で、及び/又は、有利には有線接続を介して、計算ユニットに伝送するために設けられている。第1の流体及び/又は第2の流体は、この場合には特に、気体、好ましくは空気湿度、特に相対空気湿度であり得る、又は、液体、好ましくは水、特に、雨水、河川水、及び/又は、例えば道路に由来するような汚染水であり得る。「流体センサユニットが空間的に相互に離間されて配置されている」とは、特に、複数の流体センサユニットが、特に流体技術的に相互に離間されているそれぞれ異なる空間領域に対応付けられていること、及び/又は、特に流体技術的に相互に離間されているそれぞれ異なる空間領域に配置されていることであると理解されるべきである。特に好ましくは、第1の流体センサユニット及び第2の流体センサユニットは、純粋に動作安全性を向上させるための冗長的な流体センサユニットとは異なるものである。
【0009】
さらに、「計算ユニット」とは、特に情報入力部と、情報処理部と、情報出力部とを有する電子ユニットであると理解されるべきである。有利には、計算ユニットはさらに、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つのメモリ、少なくとも1つの入力手段及び/又は出力手段、少なくとも1つのオペレーティングプログラム、少なくとも1つの開ループ制御ルーチン、少なくとも1つの閉ループ制御ルーチン、少なくとも1つの計算ルーチン、少なくとも1つの評価ルーチン、及び/又は、少なくとも1つの起動ルーチンを有する。特に、計算ユニットは、少なくとも、第1の流体センサユニットに、少なくとも1つの第1の反応挙動を対応づけ、第2の流体センサユニットに、第1の反応挙動とは少なくとも部分的に異なる少なくとも1つの第2の反応挙動を対応づけるために設けられており、特に、第1の流体の検出に対する反応として、第1の反応挙動を起動し、第2の流体の検出に対する反応として、第2の反応挙動を起動するために設けられている。好ましくは、計算ユニットはさらに、ステアリングシステムの制御装置に組み込まれている。さらに、「反応挙動」とは、特に計算ユニット及び/又はステアリングシステムの所定の挙動及び/又は所定の反応であると理解されるべきであり、この所定の挙動及び/又は所定の反応は、特にステアリングシステムのエラー挙動を回避するために、及び/又は、車両の乗員に対する危険を回避するために、対応する流体が検出されると起動及び/又は実行される。特に反応挙動を、特に流体の検出の直後に、又は、流体の検出から時間的に遅延して起動及び/又は実行することができる厳密に1つのアクションから構成することができる。しかしながら、これに代えて又はこれに加えて、反応挙動は、有利には、特に同時に、及び/又は、時間的に連続して、例えば定期的な時間間隔で、起動及び/又は実行される複数のアクションを含むこともできる。反応挙動は、特に、例えば、ステアリングシステムの完全なスイッチオフ、ステアリングシステムのレベルダウン、特にステアリングシステムの所定のコンポーネント及び/又はアセンブリのスイッチオフ、及び/又は、低下した出力での動作、現在の運転モードの変更及び/又は終了、及び/又は、特に音響的、触覚的及び/又は光学的な注意メッセージ及び/又は警告メッセージの生成のようなアクションを含むことができる。
【0010】
第1の反応挙動と第2の反応挙動とは、例えば同一のアクションを起動及び/又は実行することができ、反応の速度という点のみにおいて相互に異なることができる。しかしながら、有利には、第1の反応挙動と第2の反応挙動とは、少なくとも反応の種類という点で相互に異なっており、従って、特に、少なくとも起動及び/又は実行されるアクションという点で相互に異なるようにすることが提案され、これによって特に、有利には種々異なる条件に合わせて適合可能なステアリングシステムを提供することが可能となる。
【0011】
さらに、第1の反応挙動と第2の反応挙動とは、少なくとも反応の速度という点で相互に異なっており、従って、特に、少なくとも1つのアクションの起動及び/又は実行までの期間という点で相互に異なるようにすることが提案される。これによって特に、状況に応じて適応された反応挙動を達成することが可能となる。
【0012】
さらに、第1の反応挙動は、特に要件に応じて最大15分、有利には最大5分、好ましくは最大1分、特に好ましくは最大30秒の期間内で、時間的により迅速な反応を引き起こし、第2の反応挙動は、特に要件に応じて少なくとも数時間、少なくとも数日、少なくとも数週間、又は、少なくとも数ヶ月の期間内で、第1の反応挙動に比較して時間的に緩慢な反応を引き起こすようにすることが提案される。このようにして、特に反応挙動を、有利には種々異なる条件及び/又は種々異なる危険度のエラー状態に合わせて適合させることが可能となる。さらに、危険ではないエラー状態においては、例えば運転者に対して自分自身で工場に向かう機会を与えることができ、これによって有利には、快適性を向上させることができ、及び/又は、コストを最小化することができる。
【0013】
本発明のさらなる実施形態においては、反応挙動のうちの少なくとも1つ、特に第1の反応挙動及び/又は第2の反応挙動において、特に、少なくとも1つの従来及び/又は手動の運転モードと、少なくとも1つの自律的及び/又は半自律的な運転モードとが含まれる複数の異なる運転モードのグループから、現在の運転モードが考慮され、現在の運転モードに応じて反応挙動に関連する反応が適合され、従って、特に起動及び/又は実行されるアクションが適合されるようにすることが提案される。従って、有利には、現在の運転モードが従来及び/又は手動の運転モードであるか、又は、自律的及び/又は半自律的な運転モードであるかに応じて、対応する反応挙動に関連するアクション及び/又は反応が異なる。特に好ましくは、少なくとも1つの反応挙動は、現在の運転モードが自律的及び/又は半自律的な運転モードである少なくとも1つの動作状態において、この自律的及び/又は半自律的な運転モードからの離脱をもたらす少なくとも1つのアクションを含む。本実施形態によって有利には、動作安全性を向上させることが可能となる。
【0014】
第1の流体センサユニット及び第2の流体センサユニットとして、それぞれ異なる構造形式の流体センサユニットが使用される場合には、特に高い柔軟性を達成することができ、及び/又は、侵入する流体の特に正確な検出を達成することができる。特に、第1の流体センサユニットと第2の流体センサユニットとは、それぞれ異なる構造形式である。これに関連して「それぞれ異なる構造形式の流体センサユニット」とは、特に、流体センサユニットの機能方式、構造、検出精度、検出方式、及び/又は、検出機構という点で少なくとも部分的に相互に異なっている流体センサユニットであると理解されるべきである。
【0015】
第1の流体センサユニット及び第2の流体センサユニットは、例えば、それぞれ異なる検出精度及び/又はそれぞれ異なる検出機構を有することができ、特に、第1の流体センサユニット及び第2の流体センサユニットを、同一の凝集状態を有する複数の流体を検出するために設けることができる。しかしながら、本発明の好ましい実施形態においては、第1の流体センサユニット及び第2の流体センサユニットによって、それぞれ異なる凝集状態を有する複数の流体が検出されるようにすることが提案される。特に、第1の流体センサユニット及び第2の流体センサユニットは、それぞれ異なる凝集状態を有する複数の流体を検出するために設けられている。好ましくは、第1の流体は、液体、好ましくは水であり、第2の流体は、気体、好ましくは空気湿度、特に相対空気湿度である。特に好ましくは、このために第1の流体センサユニットは、液体センサとして構成された少なくとも1つの第1のセンサ要素を含み、第2の流体センサユニットは、湿度センサとして構成された少なくとも1つの第2のセンサ要素を含む。これによって有利には、それぞれ異なる凝集状態を有する複数の流体を検出することが可能となり、これらの流体に合わせて反応挙動を適合させることが可能となる。
【0016】
好ましくは、さらに、第1の流体センサユニット及び第2の流体センサユニットによって、ステアリングシステムの空間的に相互に離間された複数の領域が監視されるようにすることが提案され、特に、例えば、ギアユニットのギアハウジングの内部空間、支援ユニットの支援ハウジングの内部空間、及び/又は、制御装置の制御ハウジングの内部空間のような、内側に位置する領域が監視され、及び/又は、例えば、ステアリングシステムの電子コンポーネントを接続するためのプラグコネクタ、ステアリングギアの外側に位置するコンポーネント、支援ユニットの外側に位置するコンポーネント、及び/又は、ギアハウジング、支援ハウジング及び/又は制御ハウジングのシーリングユニットのような、外側に位置する領域が監視される。これによって特に、ステアリングシステムの脆弱なコンポーネントを保護することが可能となると共に、ステアリングシステムの外側に位置するコンポーネントの材料の損傷及び/又は錆の形成を監視することが可能となる。
【0017】
特に有利には、第1の流体センサユニットによって、ステアリング支援を生成及び/又は提供するための、制御装置、特に上述した制御装置、及び/又は、支援ユニット、特に上述した支援ユニットの少なくとも1つの領域が監視され、第2の流体センサユニットによって、ステアリングギア、特に上述したステアリングギアの少なくとも1つの領域が監視されるようにすることが提案される。これによって有利には、高い動作安全性を保証することが可能となる。好ましくは、第1の流体センサユニットは、制御装置及び/又は支援ユニットの領域に配置されており、第2の流体センサユニットは、ステアリングギアの領域に配置されている。「あるオブジェクトの領域」とは、特に、このオブジェクトをちょうど完全に包囲する最も小さい想像上の立方体の体積であると理解されるべきである。
【0018】
特に単独で実現可能であり、又は、有利には、本発明の上述した態様に追加して実現可能であり、好ましくは上述した態様のうちの少なくとも一部と、有利には少なくとも大部分と、好ましくは全部と組み合わせることが可能である、本発明のさらなる態様によれば、ステアリングシステム、特に電気支援式のステアリングシステムであって、少なくとも1つの侵入する第1の流体、特に第1の異物を検出するための、少なくとも1つの第1の流体センサユニットと、少なくとも1つの侵入する第2の流体、特に第2の異物を検出するための、第1の流体センサユニットから空間的に離間されて配置された少なくとも1つの第2の流体センサユニットと、少なくとも1つの計算ユニットとを有する、ステアリングシステムにおいて、第1の流体センサユニット及び第2の流体センサユニットは、別個の論理接続部を介して計算ユニットに接続されている、ステアリングシステムが提案される。これによって特に、既に上述した利点を達成することが可能となる。特に、ステアリングシステムの対応する実施形態により、有利に高い柔軟性を達成することが可能となる。特に、有利にも種々異なるエラー動作に合わせて適合されている、有利に柔軟な反応挙動、及び/又は、状況に応じた反応挙動を達成することが可能となる。さらに有利には、流体の検出に対する反応として、例えば、ステアリングシステムの完全なスイッチオフ、ステアリングシステムのレベルダウン、所定の運転モードへの変更、及び/又は、単なる注意メッセージ及び/又は警告メッセージの生成のような、種々異なる対策を講じることが可能である。さらに、有利に簡単な制御アルゴリズムを提供することができる。「流体センサユニットが別個の論理接続部を介して計算ユニットに接続されている」とは、特に流体センサユニットが、検出された流体と相関する、好ましくは論理信号として構成された検出信号を、それぞれ別個の論理経路上で計算ユニットに伝送するために設けられており、特に計算ユニットが、それぞれの検出信号に基づいて異なる反応挙動を導出するために設けられていることであると理解されるべきである。さらに、第1の流体センサユニット及び第2の流体センサユニットは、特に有利にはそれぞれ異なる凝集状態を有する複数の流体を検出するために、好ましくはそれぞれ異なる構造形式で設けられている。さらに、好ましくは、第1の流体センサユニットは、ステアリング支援を生成及び/又は提供するための、ステアリングシステムの制御装置、特に上述した制御装置、及び/又は、ステアリングシステムの支援ユニット、特に上述した支援ユニットの領域に配置されており、第2の流体センサユニットは、ステアリングシステムのステアリングギア、特に上述したステアリングギアの領域に配置されている。
【0019】
ステアリングシステムを動作させるための方法と、ステアリングシステムとは、上述した用途及び実施形態に限定されるべきではない。特に、本明細書に記載された機能を実現するための、ステアリングシステムを動作させるための方法と、ステアリングシステムとは、本明細書に記載されている個数とは異なる個数の要素、コンポーネント及びユニットを有することができる。
【0020】
図面
さらなる利点は、以下の図面の説明から明らかになる。図面には本発明の実施例が示されている。図面、明細書及び特許請求の範囲は、多数の特徴の組合せを含む。当業者は、これらの特徴を有利に個々にも考慮し、意味のある他の組合せに統合するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】例示的なステアリングシステムの少なくとも一部の斜視図である。
【
図2】ステアリングシステムの計算ユニットと、2つの流体センサユニットとの概略接続図である。
【
図3】ステアリングシステムを動作させるための方法の例示的なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
実施例の説明
図1は、例示的なステアリングシステム10の少なくとも一部の斜視図を示す。この場合には、ステアリングシステム10は、電気支援式のステアリングシステムとして構成されており、従って、補助電力支援部を有する。ステアリングシステム10はさらに、車両(図示せず)において、特に自動車において使用されるために設けられている。車両は、一例として少なくとも2つの相異なる運転モード、特に、従来及び/又は手動の運転モードと、自律的及び/又は半自律的な運転モードとを含む。ステアリングシステム10は、設置された状態において車両の車輪との作用接続部を有し、車両の走行方向に影響を与えるために設けられている。しかしながら、基本的にはステアリングシステムを、特に液圧式の補助動力支援部を有する液圧支援式のステアリングシステムとして構成することも考えられる。さらに、車両は、厳密に1つの運転モード、特に、従来及び/又は手動の運転モード、又は、自律的及び/又は半自律的な運転モードのいずれかを有していてもよい。
【0023】
ステアリングシステム10は、ステアリングギア24を有する。ステアリングギア24は、公知のラック・アンド・ピニオン型ステアリングギアとして構成されており、この場合には、一例としてボール・ナット型ステアリングギアとして構成されている。
【0024】
ステアリングギア24は、ギアハウジング32を含む。ギアハウジング32は、外側ハウジングとして構成されている。ギアハウジング32は、収容ユニットとして構成されており、特に、ステアリングギア24の動作のために必要となるコンポーネントの少なくとも大部分を収容及び/又は支持するために設けられている。ステアリングギア24はさらに、ギアハウジング32内に配置された少なくとも1つのステアリングピニオン(図示せず)と、ギアハウジング32内に配置され、ステアリングピニオンに機械的に連結された少なくとも1つのラック(図示せず)とを含む。
【0025】
ステアリングギア24はさらに、車両の少なくとも2つの車輪、特に2つの前輪との作用接続部を有する。ステアリングギア24は、車輪の旋回運動及び/又は回転運動を引き起こすために設けられている。ステアリングギア24は、ステアリング入力を、車輪のステアリング運動に変換するために設けられている。しかしながら、基本的にはステアリングギアを、ウォーム型ステアリングギア及び/又はスクリュースピンドル型ステアリングギアとして構成することもできる。
【0026】
ステアリングシステム10はさらに、特に少なくとも1つのタイロッド36を有する少なくとも1つのステアリングリンケージ34を含む。この場合には、ステアリングシステム10は、車両の各側にそれぞれ1つの対応するステアリングリンケージ34を含み、このステアリングリンケージ34は、ステアリングギア24、特にラックを、車輪のうちの1つに機械的に連結する。しかしながら、基本的にはステアリングリンケージを省略すること、及び/又は、ステアリングリンケージをステアリングギアに組み込むことも考えられる。
【0027】
ステアリングシステム10はさらに、特に少なくとも1つのベローズ40を有する少なくとも1つのシーリングユニット38を含む。この場合には、ステアリングシステム10は、車両の各側にそれぞれ1つのシーリングユニット38を含み、このシーリングユニット38は、ギアハウジング32とステアリングリンケージ34とを相互に流体技術的にシーリングする。しかしながら、基本的には他の異なる方式でシーリングユニットを構成すること、例えばベローズを省略することも考えられる。
【0028】
ステアリングシステム10はさらに、ステアリング支援を生成及び/又は提供するための公知の支援ユニット22を含む。支援ユニット22は、電気的に構成されている。支援ユニット22は、ステアリングギア24との作用接続部を有する。
【0029】
支援ユニット22は、支援ハウジング42を含む。支援ハウジング42は、外側ハウジングとして構成されている。この場合には、支援ハウジング42は、複数の部分から構成されており、少なくとも1つのモータハウジング44と、接続ハウジング46とを含む。支援ハウジング42は、収容ユニットとして構成されており、特に、支援ユニット22の動作のために必要となるコンポーネントの少なくとも大部分を収容及び/又は支持するために設けられている。
【0030】
支援ユニット22はさらに、この場合には特に電気モータとして構成されているモータ(図示せず)を含む。モータは、モータハウジング44内に配置されている。モータは、ステアリング支援を生成するために設けられている。支援ユニット22はさらに、接続ハウジング46内に配置され、ラックに結合されたボールねじ機構(図示せず)を含むと共に、接続ハウジング46内に配置され、モータとボールねじ機構との間で動力を伝達するベルトを含む。
【0031】
支援ユニット22は、特にベルト及びボールねじ機構を介してステアリングギア24に支援トルクを導入するために設けられている。支援ユニット22は、特に運転者によって入力される手動のステアリングトルクを支持するために設けられている。しかしながら、これに代えて支援ユニットを、少なくとも部分的に液圧式に構成することもできる。支援ユニットはさらに、特にボールねじ機構を有するベルトの代わりに、例えば、特に追加的な駆動ピニオンを含むこともできる。支援ユニットをさらに、ステアリングコラムに支援トルクを導入するために設けることもできる。支援ハウジングはさらに、厳密に1つのハウジング部分、特にモータハウジング又は接続ハウジングを含むこともできる。さらに、支援ハウジングをギアハウジングと一体的に構成すること、又は、支援ハウジングを完全に省略することも考えられる。
【0032】
ステアリングシステム10はさらに、制御装置20を有する。制御装置20は、制御ハウジング48を含む。制御ハウジング48は、外側ハウジングとして構成されている。制御ハウジング48は、収容ユニットとして構成されており、特に、制御装置20の動作のために必要となるコンポーネントの少なくとも大部分を収容及び/又は支持するために設けられている。この場合には、制御ハウジング48は、支援ハウジング42に直接的に結合されている。制御装置20と支援ユニット22とが1つの共通のアセンブリ、いわゆる「パワーパック」を形成する。
【0033】
制御装置20はさらに、計算ユニット26を含む。計算ユニット26は、制御ハウジング48内に配置されている。計算ユニット26は、電子的に構成されている。計算ユニット26は、例えばマイクロプロセッサの形態の少なくとも1つのプロセッサ(図示せず)と、少なくとも1つのメモリ(図示せず)とを含む。計算ユニット26はさらに、メモリに格納された少なくとも1つのオペレーティングプログラムを含み、このオペレーティングプログラムは、少なくとも1つの計算ルーチンと、少なくとも1つの制御ルーチンと、少なくとも1つの評価ルーチンと、少なくとも1つの起動ルーチンとを含む。
【0034】
ステアリングシステム10はさらに、例えば、好ましくはステアリングホイールとして構成された少なくとも1つのステアリングユニットのような、及び/又は、特にステアリングギアに結合された少なくとも1つのステアリングコラムのような、さらなるコンポーネント及び/又はアセンブリを含むことができる。
【0035】
本発明によれば、ステアリングシステム10はさらに、少なくとも2つの流体センサユニット12,14を含む。流体センサユニット12,14は、空間的に相互に離間されて配置されている。流体センサユニット12,14は、空間的に相互に離間された複数の領域16,18を監視するために設けられている。従って、動作中に流体センサユニット12,14によって、空間的に相互に離間された複数の領域16,18が監視される。流体センサユニット12,14はさらに、それぞれ異なる構造形式である。この場合には、流体センサユニット12,14は、それぞれ異なる凝集状態を有する複数の流体を検出するために設けられている。従って、動作中に流体センサユニット12,14によって、それぞれ異なる凝集状態を有する複数の流体が検出される。しかしながら、これに代えてステアリングシステムは、少なくとも3つ及び/又は少なくとも4つの空間的に相互に離間されて配置された流体センサユニットを含むこともできる。
【0036】
流体センサユニット12,14のうちの第1の流体センサユニット12は、第1の領域16に、特に支援ユニット22の領域に配置されている。この場合には、第1の流体センサユニット12は、一例としてモータハウジング44内に配置されている。第1の流体センサユニット12は、第1の領域16を監視するために設けられている。第1の流体センサユニット12は、侵入する第1の流体、特に第1の異物を検出するために設けられている。この場合には、第1の流体センサユニット12は、特に支援ユニット22及び特にモータハウジング44に侵入する流体、特に侵入する水を検出するために設けられている。第1の流体センサユニット12は、ステアリングシステム10及び/又は車両の全動作時間及び/又は全寿命中に、第1の流体を検出するために設けられている。第1の流体センサユニット12はさらに、検出された第1の流体と相関する第1の検出信号を提供するために設けられている。
【0037】
このために第1の流体センサユニット12は、少なくとも1つの第1のセンサ要素50を含む。この場合には、第1の流体センサユニット12は、液体センサとして構成された厳密に1つの第1のセンサ要素50を含む。
【0038】
しかしながら、これに代えて又はこれに加えて、第1の流体センサユニット又はさらなる流体センサユニットを、例えばモータシャフト出力側及び/又はベルトプーリの領域のような、支援ユニットの接続ハウジング内に配置することもでき、及び/又は、制御装置の制御ハウジング内に配置することもでき、及び/又は、例えば制御装置のプラグコネクタのいわゆるウォーターピンの領域のような、ステアリングシステムの電子コンポーネントを接続するためのプラグコネクタの領域に配置することもできる。最後のケースにおいては、有利には、ケーブルハーネスを介して流入する及び/又は吸引される液体を検出することができる。第1の流体センサユニットはさらに、例えば少なくとも2つ又は少なくとも3つの第1のセンサ要素のように、複数の第1のセンサ要素を含むこともできる。第1の流体はさらに、冷却液及び/又は油等でもあり得る。
【0039】
流体センサユニット12,14のうちの第2の流体センサユニット14は、第2の領域18に、特にステアリングギア24の領域に配置されている。この場合には、第2の流体センサユニット14は、一例としてギアハウジング32内に配置されている。第2の流体センサユニット14は、第2の領域18を監視するために設けられている。第2の流体センサユニット14は、侵入する第2の流体、特に第2の異物を検出するために設けられている。この場合には、第2の流体センサユニット14は、特にギアハウジング32の内部に侵入する気体、特に相対空気湿度を検出するために設けられている。第2の流体センサユニット14は、ステアリングシステム10及び/又は車両の全動作時間及び/又は全寿命中に、第2の流体を検出するために設けられている。第2の流体センサユニット14はさらに、検出された第2の流体と相関する第2の検出信号を提供するために設けられている。
【0040】
このために第2の流体センサユニット14は、少なくとも1つの第2のセンサ要素52を含む。この場合には、第2の流体センサユニット14は、湿度センサとして構成された厳密に1つの第2のセンサ要素52を含む。
【0041】
しかしながら、これに代えて又はこれに加えて、第2の流体センサユニット又はさらなる流体センサユニットを、例えばモータシャフト出力側及び/又はベルトプーリの領域のような、支援ユニットの接続ハウジング内に配置することもでき、及び/又は、制御装置の制御ハウジング内に配置することもでき、及び/又は、ステアリングシステムのステアリングピニオン及び/又は加圧部品の領域に配置することもできる。第2の流体センサユニットはさらに、例えば少なくとも2つ又は少なくとも3つの第2のセンサ要素のように、複数の第2のセンサ要素を含むこともできる。第2の流体はさらに、排気ガス及び/又は燃焼ガス、例えば過熱したケーブルの燃料ガス等でもあり得る。
【0042】
流体センサユニット12,14の検出信号を評価するために、流体センサユニット12,14は、計算ユニット26とのそれぞれ1つの作用接続部を有する(特に
図2を参照)。この場合には、第1の流体センサユニット12及び第2の流体センサユニット14は、別個の論理接続部28,30を介して計算ユニット26に接続されている。流体センサユニット12,14は、検出された流体と相関する、論理信号として構成された対応する検出信号を、それぞれ別個の論理経路上で計算ユニット26に伝送するために設けられており、これによって計算ユニット26は、複数の検出信号を区別して、流体センサユニット12,14のうちの1つに一義的に対応付けすることが可能となる。しかしながら、これに代えて第1の流体センサユニット及び第2の流体センサユニットを、単一の接続経路を介して、及び/又は、無線で、計算ユニットに接続することもできる。この場合には、例えば、第1の流体センサユニット及び/又は第2の流体センサユニットを、それぞれの検出信号を対応して符号化するために設けることが考えられ、これによって計算ユニットは、複数の流体センサユニットをそれぞれの符号に基づいて一義的に識別することが可能となる。
【0043】
計算ユニット26はさらに、この場合には、本発明によれば、第1の流体の検出に対する反応として、少なくとも1つの第1の反応挙動を起動し、第2の流体の検出に対する反応として、第1の反応挙動とは少なくとも部分的に異なる少なくとも1つの第2の反応挙動を起動するために設けられており、これによって特に、有利に柔軟な反応挙動及び/又は状況に応じた反応挙動を達成することが可能となる。基本的に、計算ユニット26が、対応する反応挙動の実行に関する決定を自身で下すこと、及び/又は、対応する反応挙動の実行を自身で引き受けることが考えられる。しかしながら、好ましくは計算ユニット26が、車両の中央の他の制御装置(図示せず)と接続部を有し、この他の制御装置が、対応する反応挙動の実行に関する決定を下して、対応する反応挙動の実行を実施する。
【0044】
この場合には特に水の侵入の検出に後続する第1の反応挙動と、この場合には特にステアリングシステム10内、特にギアハウジング32内の相対空気湿度と相関する第2の反応挙動とは、少なくとも反応の種類という点で相互に異なる。
【0045】
第1の反応挙動と第2の反応挙動とはさらに、少なくとも反応の速度という点で相互に異なる。第1の反応挙動は、特に要件に応じて30秒乃至60秒の間の第1の期間内で、時間的に比較的に迅速な反応を引き起こし、これによって特に、支援ユニット22及び制御装置20を機能損傷から保護することができる。その一方で、第2の反応挙動は、特に、相対空気湿度の値及び/又は高さに応じて、特に、数日、数週間又は数ヶ月の第2の期間内で、第1の反応挙動に比較して時間的に緩慢な反応を引き起こす。
【0046】
この場合にはさらに、少なくとも第1の反応挙動において現在の運転モードが考慮され、この現在の運転モードに基づいて、反応挙動に関連する反応が適合される。有利には、現在の運転モードが自律的及び/又は半自律的な運転モードである少なくとも1つの動作状態において、この自律的及び/又は半自律的な運転モードからの離脱をもたらす少なくとも1つのアクションが実施される。
【0047】
特に30秒乃至60秒の間の所定の第1の期間内に実行される典型的な第1の反応挙動は、例えば、ステアリングシステム10の完全なスイッチオフ、ステアリングシステム10のレベルダウン、支援ユニット22及び/又は制御装置20の「保存・停止」の開始及びその後のスイッチオフ、及び/又は、少なくとも現在の運転モードが自律的及び/又は半自律的な運転モードに相当する動作状態の場合には、現在の運転モードの終了であり得る。最後のケースにおいては、運転者は、有利には30秒乃至60秒の間の第1の期間内に、車両のステアリングを引き継ぐように要求され得る。
【0048】
特に、数日、数週間又は数ヶ月の所定の第2の期間内に実行される典型的な第2の反応挙動は、例えば、注意メッセージ及び/又は警告メッセージの生成、自律的及び/又は半自律的な運転モードの使用の禁止、及び/又は、始動過程時のステアリングシステム10のブロックであり得る。第2の反応挙動を起動するために、好ましくは、ステアリングシステム10の動作時間及び/又はステアリングシステム10の全寿命にわたって相対空気湿度の値が、例えばステアリングシステム10が動作していない時間における空気湿度に関する平均推定値を用いて累積及び/又は積分され、そして、規定された制限値及び/又は規定可能な制限値と比較され、制限値を上回った場合に、第2の反応挙動が起動される。
【0049】
図3は、ステアリングシステム10を動作させるためのそのような方法の例示的なフローチャートを示し、この際、計算ユニット26は、本方法を実施するために設けられており、このために特に、対応するプログラムコード手段を有するコンピュータプログラムを有する。
【0050】
方法ステップ60においては、第1の流体センサユニット12によって、侵入する第1の流体、特に水が検出され、及び/又は、第2の流体センサユニット14によって、侵入する第2の流体、特に相対空気湿度が検出される。第1の流体センサユニット12及び第2の流体センサユニット14は、ステアリングシステム10及び/又は車両の全動作時間及び/又は全寿命中に、対応する流体を検出するために設けられている。第1の流体センサユニット12は、検出された第1の流体に応じて第1の検出信号を提供する。第2の流体センサユニット14は、検出された第2の流体に応じて第2の検出信号を提供する。第1の検出信号及び第2の検出信号は、この場合には論理信号である。
【0051】
後続する方法ステップ62においては、検出信号が評価され、この際には、複数の事例を区別することが可能である。
【0052】
流体センサユニット12,14によって流体が検出されない場合、及び/又は、流体センサユニット12,14によって検出信号が提供されない場合には、反応挙動も起動されない。
【0053】
第1の流体センサユニット12によって第1の流体のみが検出された場合、及び/又は、第1の検出信号のみが提供された場合には、第1の反応挙動、特に迅速な反応が起動される。
【0054】
第2の流体センサユニット14によって第2の流体のみが検出された場合、及び/又は、第2の検出信号のみが提供された場合には、第2の反応挙動、特に緩慢な反応が起動される。
【0055】
第1の流体センサユニット12及び第2の流体センサユニット14によって流体が検出された場合、及び/又は、第1の検出信号及び第2の検出信号が提供された場合には、第1の反応挙動、特に迅速な反応が起動される。
【0056】
後続する方法ステップ64においては、現在の運転モードが検出される。少なくとも第1の反応挙動の場合には、現在の運転モードに応じて第1の反応挙動に関連する反応が適合される。
【0057】
後続する方法ステップ66においては、第1の反応挙動又は第2の反応挙動と、ひいては特に対応する反応挙動に関連するアクションとが実行される。
【0058】
図3の例示的なフローチャートは、ステアリングシステム10を動作させるための方法を特に単なる一例として説明したものである。特に、個々の方法ステップ及び/又は方法ステップのシーケンスを変更することが可能である。例えば、現在の運転モードの検出と、ひいては特に方法ステップ64とを省略することが可能である。さらに、現在の運転モードの検出を、流体の検出よりも時間的に前に実施することが考えられる。