(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記開位置での保持において、前記建屋の外側方向に凸形状となる前記端部同士の上部および下部のそれぞれに、前記建屋外壁面に対して垂直方向で、かつ、先端部が常に前記建屋外壁面を向くように弾性体を設置する
ことを特徴とする請求項7に記載の扉体閉止装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明を実施するための実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、原子力関連施設の建屋1における開口部2の事例を示す図である。
図1において、原子力関連施設の建屋1において、ブローアウトパネル3が開放されたのちの開口部2に対して扉体閉止装置の保持領域が十分に確保できない事例を示す。開口部2に対して、Aの保持領域の候補があるが、Aは開口部2に対して水平方向の大きさが小さいため十分な保持領域が確保できない。また、従来の水平スライド型の扉体閉止装置は、開口部2と扉体の対応関係が1:1であるため、開口部2に隣接した領域に十分な保持領域が確保できない場合には扉体閉止装置が設置できないこととなる。なお、「保持領域」とは、原子力発電所の建屋1などに設けたブローアウトパネル3が開放されたときの開口部2を塞ぐための扉体を保持しておく領域である。
【0012】
本実施形態では、ブローアウトパネル3の開放前の保持状態において、閉止対象となる開口部2よりも水平方向の大きさが小さい保持領域に閉止用の複数の扉体を重ねて保持する保持機構を有する扉体閉止装置を説明する。
【0013】
扉体閉止装置は、建屋1の開口部2を閉止する扉体と、ブローアウトパネル3が密閉状態のときに建屋1の開口部2に重ならない開位置に扉体を保持する保持領域と、開位置から閉位置まで移動可能とするハンガーレールと、ハンガーレールを走行し扉体を吊下げる扉体接続材(アタッチメント)と、扉体を開閉させるための駆動装置などから構成されている。
【0014】
初めに本実施形態で使用するアタッチメントについて説明する。
図2は、第1のアタッチメントAT1および第2のアタッチメントAT2の構成を示す図であり、(a)は第1のアタッチメントAT1の正面図、(b)はZ−Z断面図、(c)は第1のアタッチメントAT1に扉体10を接続した図、(d)は第2のアタッチメントAT2の正面図および側面図である。
図2を参照して、扉体接続材12(
図4参照)として、後記する第1実施形態および第2実施形態で用いられる第1のアタッチメントAT1および第2のアタッチメントAT2について説明する。
【0015】
図2(a)に示す第1のアタッチメントAT1は、U字形状のアタッチメントベースATBを有し、ハンガーレール11を挟持して移動可能とする2つの車輪部13と、環状部材25に接続される接続用金具14と、扉体10の上部に設置される接続部15で構成されている。
【0016】
2つの車輪部13は、アタッチメントベースATBの両サイドの内側面において対向し、同じ高さ位置になるように配置されている。
【0017】
接続用金具14は、
図2(b)に示すZ−Z断面に示すように、平板状の棒に環状部材25のピッチに合わせて歯形を加工したものである。第1のアタッチメントAT1のアタッチメントベースATBの中央部には、奥行き方向に車輪部13と平行に接続用金具14を嵌め込むための溝16が形成されている。この溝16があることで、環状部材25に沿った形で接続用金具14の位置決めをすることができる。また、環状部材25との噛み合い高さを調整可能とするための溝深さとなっており、最適な噛み合い位置で固定される。
【0018】
接続部15は、扉体10と直接または間接材17を介して接続される。
図2(c)に示した接続例では、接続部15は間接材17を介して扉体に接続されている。
【0019】
図2(d)に示す第2のアタッチメントAT2は、第1のアタッチメントAT1から接続用金具14と溝16を取り除いたものであり、環状部材25には接続せずに、ハンガーレール11を挟持して移動可能とする際に用いられる。
【0020】
図2(d)に示す側面図において、L部の寸法は、ハンガーレール11を挟持する2つの車輪部13の位置関係を考慮して定められる。
【0021】
図3は、第3のアタッチメントAT3および第4のアタッチメントAT4の構成を示す図であり、(a)は第3のアタッチメントAT3の正面図、(b−1)はZ−Z断面図、(b−2)は連結部18の構成図、(c)は第3のアタッチメントAT3に扉体10を接続した図、(d)は第4のアタッチメントAT4の正面図および側面図である。
図3を参照して、扉体接続材12(
図13参照)として後記する第3実施形態で用いられる第3のアタッチメントAT3および第4のアタッチメントAT4について説明する。
【0022】
第3のアタッチメントAT3は、第1のアタッチメントAT1の本体底部と接続部との中間位置に連結部18(スラストベアリング)を追加した構成となっている。こうすることにより、
図3(c)に示すように、環状部材25に接続される連結部18より上側ではアタッチメントの水平方向の向きを変えず、連結部18より下側では接続部15に接続される扉体10が水平方向に旋回できるようになっている。
【0023】
第4のアタッチメントAT4は、第3のアタッチメントAT3から接続用金具14と溝16を取り除いたものであり、環状部材25には接続せずに、ハンガーレール11を挟持して移動可能とする際に用いられる。
【0024】
<<第1実施形態>>
図4は、第1実施形態に係る扉体閉止装置100の2つの扉体10の保持状態を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は建屋外から見た正面図である。
図5は、第1実施形態に係る扉体閉止装置100の2つの扉体10の移動状態を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は建屋外から見た正面図である。すなわち、
図4はブローアウトパネル3の開放前の保持状態、
図5は、ブローアウトパネル3の開放後の移動状態を示す。
【0025】
第1実施形態として、開口部2の領域>保持領域(保持領域の水平方向の大きさが開口部2よりも小さい)で、第1の扉体10aおよび第2の扉体10bが、同一方向にそれぞれ異なる距離を移動するケースを示している。第1実施形態はスプロケット−チェーン方式による移動機構である。
【0026】
ここで、以降に使用する用語を説明する。
開口部2とは、原子力関連施設の建屋1の外壁部に設けられ、ブローアウトパネル3が開放状態のときに建屋1の外側と内側が貫通している箇所を指す。
【0027】
開位置4とは、ブローアウトパネル3が密閉状態において、ブローアウトパネル3に重ならない建屋1の外壁面の近傍位置において、ブローアウトパネル3よりも水平方向の大きさが小さい領域が存在する位置を指す。開位置4において複数の扉体10が重ねて保持される領域を保持領域とする。保持領域における保持状態は後記する制御装置30からの保持指令により行われている。
【0028】
扉体10の移動方向について、閉位置方向とは、開位置4から所定の閉位置5に向かう方向であり、開位置方向とは、所定の閉位置5から開位置4に向かう方向である。複数の扉体10は、それぞれの扉体10の水平方向の大きさが開口部2の大きさよりも小さいものである。
【0029】
駆動装置20は、回転軸21を有し、回転軸21に回動力を付与するものである。駆動力伝達材22は、前記した回動力を水平方向への推力に変換するものである。ハンガーレール11は、開口部2の上部周縁部に設置され、開位置4から、開口部2の開位置側に対向する一端まで延伸し、一つまたは複数の扉体10を吊り下げるものである。扉体接続材12は、扉体の上部に少なくとも一つ以上設置されるとともに、ハンガーレール11を移動可能となるように挟持するものである。
【0030】
所定の閉位置5とは、開位置4で保持されていた複数の扉体10がそれぞれ所定の位置まで移動して、開口部2を全閉するように構成する位置を指す。したがって所定の閉位置5は扉体10ごとにそれぞれ異なっており、
図4において、所定の閉位置5とは、第1の所定の閉位置5a(所定の閉位置1)が第1の扉体10aが全閉時に到達する位置であり、第2の所定の閉位置5b(所定の閉位置2)が第2の扉体10bが全閉時に到達する位置である。
【0031】
第1実施形態では、保持領域において、複数の扉体10である第1の扉体10aおよび第2の扉体10bは、それぞれの両端部が揃った形で建屋外壁面に対して平行に重ねて保持されている。
【0032】
第1の扉体10aに関係するものとしては、第1の駆動力伝達材22aとして、駆動装置20の回転軸21に設置され第1の扉体10aの移動距離に基づいてギア比が決定される第1の駆動用連結材23a、開口部2の開位置側に対向する一端の近傍に配置され、第1の駆動用連結材23aと同じギア比の第1の従動用連結材24a、第1の駆動用連結材23aと第1の従動用連結材24aを環状に連結する第1の環状部材25aを備えている。
【0033】
さらに、第1の扉体10aを吊り下げる第1のハンガーレール11a、第1の扉体10aの上部に少なくとも一つ以上設置されるとともに、第1の扉体10aが第1のハンガーレール11aを移動可能となるように挟持する第1の扉体接続材12aとして第1のアタッチメントAT1が備えられている。第1実施形態では、第1のアタッチメントAT1は第1の扉体10aの上部3箇所(左端部、中央、右端部)に設置されている。
【0034】
第2の扉体10bに関係するものとしては、第2の駆動力伝達材22bとして、駆動装置20の回転軸21に設置され第2の扉体10bの移動距離に基づいてギア比が決定される第2の駆動用連結材23b、開口部2の開位置4側に対向する一端の近傍に配置され、第2の駆動用連結材23bと同じギア比の第2の従動用連結材24b、第2の駆動用連結材23bと第2の従動用連結材24bを環状に連結する第2の環状部材25bを備えている。
【0035】
さらに、第1のハンガーレール11aよりも建屋1の外側方向に設置され、第2の扉体10bを吊り下げる第2のハンガーレール11b、第2の扉体10bの上部に少なくとも一つ以上設置されるとともに、第2の扉体10bが第2のハンガーレール11bを移動可能となるように挟持する第2の扉体接続材12bとして第1のアタッチメントAT1が備えられている。第1実施形態では、第1のアタッチメントAT1は第2の扉体10bの上部3箇所(左端部、中央、右端部)に設置されている。第1の扉体10aと第2の扉体10bでは同じ種類の第1のアタッチメントAT1が設置される。
【0036】
制御装置30は、ブローアウトパネル3近傍に設置したセンサから信号を取り込むことでブローアウトパネル3が密閉状態または開放状態の何れであるかを検知し、ブローアウトパネル3が開放状態のときに開位置での保持状態を解除するとともに、駆動装置20に駆動指令を送信して駆動装置20を駆動させ、第1の扉体10aと第2の扉体10bを移動させる。
【0037】
駆動装置20の駆動力は、第1の扉体接続材12aが、第1の駆動力伝達材22aの第1の環状部材25aに接続されることで第1の扉体10aに、および、第2の扉体接続材12bが、第2の駆動力伝達材22bの第2の環状部材25bに接続されることで第2の扉体10bに、それぞれ伝達されている。
【0038】
ブローアウトパネル3が開放状態において、
図5に示すように、第1の扉体10aと第2の扉体10bが、開位置からそれぞれ異なる所定の閉位置まで、連動して同一方向にそれぞれ異なる距離を移動するようになっている。
【0039】
最終的に、第1の扉体10aと第2の扉体10bがそれぞれ異なる所定の閉位置まで移動したとき、第1の扉体10aと第2の扉体10bで開口部2を全閉する。
【0040】
第1実施形態の場合、第1の扉体10aの移動距離L1、第2の扉体10bの移動距離L2としたとき、式(1)となる。
L2=2×L1 ・・・(1)
最終的に1つの開口部2を2つの扉体10(第1の扉体10aと第2の扉体10b)で全閉する。
【0041】
図6は、第1実施形態に係る駆動用連結材および従動用連結材を示す図であり、(a)は全体構成図であり、(b)(c)は、詳細図である。
図6は、第1実施形態において、第1の扉体10aの移動距離を基準とした場合に、第2の扉体10bの移動距離を第1の扉体の移動距離のn倍にする際の、第1の駆動用連結材23aおよび第2の駆動用連結材23bと、第1の従動用連結材24aおよび第2の従動用連結材24bのギア比の決定方法に関する補足説明である。
【0042】
設計思想として、環状部材25(チェーン)は同じピッチのものを用いることを前提としているため、使用される駆動用連結材、従動用連結材は同じギア比のものが使用される。これ以降の全ての実施例においても同様である。
【0043】
第1および第2の駆動用連結材23a,23bが1回転した際に進む移動距離は、
Dp1:第1の駆動用連結材23aおよび第1の従動用連結材24aのピッチ円直径
Dp2:第2の駆動用連結材23bおよび第2の従動用連結材24bのピッチ円直径
Z1:第1の駆動用連結材23aおよび第1の従動用連結材24aの歯数
Z2:第2の駆動用連結材23bおよび第2の従動用連結材24bの歯数、とすると、
式(2)、式(3)となる。
第1の扉体の移動距離=Dp1×π ・・・(2)
第2の扉体の移動距離=Dp2×π ・・・(3)
【0044】
第2の扉体10bの移動距離を、第1の扉体10aの移動距離のn倍にするには、
Dp2=n×Dp1 ・・・(4)
とする必要がある。
さらに、第1および第2の駆動用連結材23a,23bのピッチは同じでなければならないため、
Z2=n×Z1 ・・・(5)
の条件を満たす必要がある。
【0045】
第1実施形態の場合、第1の扉体10aの移動距離L1に対して、第2の扉体10bの移動距離L2は2倍の移動距離となるため、第1の駆動用連結材23aおよび第1の従動用連結材24aに対して、第2の駆動用連結材23bおよび第2の従動用連結材24bは、式(4)、式(5)により、第1の駆動用連結材23aおよび第1の従動用連結材24aに対してギア比が2倍となる。
【0046】
図7は、扉体接続材と環状部材との噛み合い位置を示す図であり、(a)は第1の扉体10aの場合、(b)は第2の扉体10bの場合を示す。
図7は、第1実施形態において、駆動装置20の回転軸21に第1の駆動用連結材23aと第2の駆動用連結材23bを設置した際に、ギア比の違いにより、第1の扉体10aおよび第2の扉体10bにそれぞれ設置された第1の扉体接続材12aと第1の環状部材25a、および、第2の扉体接続材12bと第2の環状部材25bとの噛み合い位置(高さ)の違いを説明するための図である。保持領域の保持状態について、
図7(a)に第1の扉体10a、
図7(b)に第2の扉体10bとして示している。第1の駆動用連結材23aおよび第1の従動用連結材24aと、第2の駆動用連結材23bおよび第2の従動用連結材24bでは、それぞれギア比が異なるために噛み合う位置(高さ)がそれぞれ異なる。その他、第1のハンガーレール11aおよび第2のハンガーレール11bの設置高さ位置、第1の扉体10aと第2の扉体10bの上面高さ位置が同じとなるため、それらを考慮して、
図4で示した接続用金具14の高さ位置、および、側面L部の寸法を定めて適用している。
【0047】
本実施形態の扉体閉止装置100は、建屋1の開口部2を閉止しているブローアウトパネル3が開放されたときに生じる開口部2を閉止する扉体閉止装置である。扉体閉止装置100は、開口部2を閉止する複数の扉体10を有し、ブローアウトパネル3が密閉状態において、ブローアウトパネル3に重ならない建屋1の外壁面の近傍位置でブローアウトパネル3よりも水平方向の大きさが小さい領域である開位置4に複数の扉体10を重ねて保持し、ブローアウトパネル3が開放状態において、複数の扉体10が開位置4からそれぞれ異なる所定の閉位置5まで移動したとき、複数の扉体10で開口部2を全閉する。これにより、開口部2に対して十分な扉体10の保持領域が確保できない場合に、開口部2を扉体10により適切に閉止することができる。
【0048】
扉体閉止装置100は、回転軸21を有し、回転軸21に回動力を付与する駆動装置20と、回動力を水平方向への推力に変換する駆動力伝達材22と、開口部2の上部周縁部に設置され、開位置4から、開口部2の開位置側に対向する一端まで延伸し、一つまたは複数の扉体10を吊り下げるハンガーレール11と、扉体10の上部に少なくとも一つ以上設置されるとともに、ハンガーレール11を移動可能となるように挟持する扉体接続材12と、を備え、扉体接続材12が駆動力伝達材22に接続されて、扉体10が水平方向に移動する。これにより、扉体を適切に移動することができる。
【0049】
扉体閉止装置100は、制御装置30を備え、制御装置30は、ブローアウトパネル3が密閉状態か開放状態かを検知し、密閉状態のときに開位置4において複数の扉体10を保持状態にし、ブローアウトパネル3が開放状態において、保持状態を解除するとともに、駆動装置20に駆動指令を送信して駆動装置20を駆動させ扉体10を移動させることができる。
【0050】
扉体閉止装置100は、複数の扉体10である第1の扉体10aおよび第2の扉体10bと、駆動装置20の回転軸21に接続される第1の駆動力伝達材22aおよび第2の駆動力伝達材22bと、第1の扉体10aを吊り下げる第1のハンガーレール11aおよび第1のハンガーレール11aよりも建屋1の外側方向に設置され第2の扉体10bを吊り下げる第2のハンガーレール11bと、第1の扉体10aに設置され第1の駆動力伝達材22aに接続される第1の扉体接続材12aおよび第2の扉体10bに設置され第2の駆動力伝達材22bに接続される第2の扉体接続材12bと、を備え、ブローアウトパネル3が開放状態において、第1の扉体10aおよび第2の扉体10bが同一方向に移動する。これにより、複数の扉体10で開口部2を適切に閉じることができる。
【0051】
それぞれの扉体10(第1の扉体10a、第2の扉体10b)は、水平方向の大きさが開口部2の大きさよりも小さく、開位置において、複数の扉体10は、建屋1の外壁面に対して平行な向きに保持される。これにより、複数の扉体10を保持領域にコンパクトに収納することができる。
【0052】
<<第2実施形態>>
図8は、第2実施形態に係る扉体閉止装置の2つの扉体の保持状態を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は建屋外から見た正面図である。
図9は、第2実施形態に係る扉体閉止装置の2つの扉体の移動状態を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は建屋外から見た正面図である。
【0053】
図8および
図9は、第2実施形態として、開口部2の領域>保持領域(保持領域の水平方向の大きさが開口部2よりも小さい)で、複数の扉体10である第3の扉体10cが第4の扉体10dを係合させた状態で同一方向に移動させる、第1実施形態とは異なるケースを示している。第2実施形態は、スプロケット−チェーン方式による移動機構である。
【0054】
図8において、所定の閉位置5とは、第3の所定の閉位置5c(所定の閉位置3)が第3の扉体10cが全閉時に到達する位置であり、第4の所定の閉位置5d(所定の閉位置4)が第4の扉体10dが全閉時に到達する位置である。
【0055】
第2実施形態では、保持状態において、
図8に示すように鉤の手19があるため第3の扉体10cと第4の扉体10dの両端部は揃わない形で建屋外壁面に対して平行に重ねて保持されている。
【0056】
第3の扉体10cに関係するものとしては、第3の駆動力伝達材22cとして、駆動装置20の回転軸21に設置され第3の扉体10cの移動距離に基づいてギア比が決定される第3の駆動用連結材23c、開口部2の開位置側に対向する一端の近傍に配置され、第3の駆動用連結材23cと同じギア比の第3の従動用連結材24c、第3の駆動用連結材23cと第3の従動用連結材24cを環状に連結する第3の環状部材25cを備えている。
【0057】
さらに、第3の扉体10cを吊り下げる第3のハンガーレール11c、第3の扉体10cの上部に少なくとも一つ以上設置されるとともに、第3の扉体10cが第3のハンガーレール11cを移動可能となるように挟持する第3の扉体接続材12cとして第1のアタッチメントAT1が備えられている。第2実施形態では、第1のアタッチメントAT1は第3の扉体10cの上部3箇所(左端部、中央、右端部)に設置されている。
【0058】
第4の扉体10dに関係するものとしては、第3のハンガーレール11cよりも建屋の外側方向に設置され、第4の扉体10dを吊り下げる第4のハンガーレール11d、第4の扉体10dの上部に少なくとも一つ以上設置されるとともに、第4の扉体10dが第4のハンガーレール11dを移動可能となるように挟持する第4の扉体接続材12dとして第2のアタッチメントAT2が備えられている。第2実施形態では、第2のアタッチメントAT2は第4の扉体10dの上部3箇所(左端部、中央、右端部)に設置されている。
【0059】
制御装置30は、ブローアウトパネル3近傍に設置したセンサから信号を取り込むことでブローアウトパネル3が密閉状態または開放状態の何れかであるかを検知し、ブローアウトパネル3が開放状態のときに開位置における保持状態を解除するとともに、駆動装置20に駆動指令を送信して駆動装置20を駆動させ、第3の扉体10cのみを移動する。
【0060】
駆動装置20の駆動力は、第3の扉体接続材12cが、第3の駆動力伝達材22cの第3の環状部材25cに接続されることで第3の扉体10cに伝達されている。
【0061】
ブローアウトパネル3が開放状態において、第3の扉体10cが第4の扉体10dと係合する所定の位置まで移動した後、第3の扉体10cと第4の扉体10dが、開位置4から所定の閉位置5まで、水平方向に鉤の手連結構造により係合された状態で、同一方向に移動するようになっている。
【0062】
最終的に、第3の扉体10cと第4の扉体10dがそれぞれ異なる所定の閉位置5まで移動したとき、第3の扉体10cと第4の扉体10dで開口部2を全閉する。
【0063】
図10は、扉体10が閉位置への移動時の鉤の手連結を示す図である。
図11は、扉体が開位置への移動時の鉤の手連結を示す図である。
図10および
図11は、第2実施形態の第3の扉体10cと第4の扉体10dの開閉動作と、第3の扉体10cと第4の扉体10dの構造的特徴を示したものである。
図10に、(1)開位置4から所定の閉位置5への移動時、
図11に、(2)所定の閉位置5から開位置4への移動時の状態をそれぞれ示している。
【0064】
(1)開位置4から所定の閉位置5への移動時は、第3の扉体10cが第4の扉体10dと係合する所定の位置まで移動した後、第3の扉体10cの鉤の手19(後端部)と第4の扉体10dの鉤の手19(先端部)が係合された状態で所定の閉位置方向に移動する。
【0065】
(2)所定の閉位置5から開位置4への移動時も、同様に第3の扉体10cが第4の扉体10dと係合する所定の位置まで移動した後、第3の扉体10cの鉤の手19(先端部)が第4の扉体10dの鉤の手19(先端部)と係合された状態で開位置方向に移動する。
【0066】
図12は、扉体10の鉤の手の構造を示す図であり、(a)(b)は第3の扉体10cであり、(c)(d)は第4の扉体10dである。
図12を参照して、第3の扉体10cと第4の扉体10dの構造的特徴を説明する。
【0067】
第1実施形態と異なる点は、所定の閉位置5の方向の端部を先端部、先端部に対向する一端である後端部の2カ所において、建屋1の外側方向に凸形状となるように第3の扉体10cの高さ方向全長に渡って鉤の手19が形成されている。同様に、第4の扉体10cの先端部1カ所において、建屋1の内側方向に凸形状となるように第4の扉体10dの高さ方向全長に渡って鉤の手19が形成されていることである。これにより、第3の扉体10cを移動する際、第3の扉体10cと第4の扉体10dが水平方向に鉤の手連結構造により係合された状態となるため、第4の扉体10d用の駆動装置20を必要とせずに、第3の扉体10cの水平方向への推進力を利用して、第3の扉体10cおよび第4の扉体10dを移動させることができる。
【0068】
また、第2実施形態において、第3の扉体10cには、第3の扉体接続材12cとして第1のアタッチメントAT1が設置され、第4の扉体10dには、第4の扉体接続材12dとして第2のアタッチメントAT2が設置されているが、第3の扉体10cと第4の扉体10dで設置するアタッチメントの種類が異なるのは、第3の環状部材25cとの接続の有無による。
【0069】
第2実施形態に係る扉体閉止装置100は、複数の扉体10である、所定の閉位置方向の端部である先端部および先端部に対向する一端の後端部の2カ所において、建屋の外側方向に凸形状となるように高さ方向全長に鉤の手が形成された第3の扉体10c、および、先端部の1カ所において、建屋の内側方向に凸形状となるように鉤の手が形成された第4の扉体10dと、駆動装置20と、駆動装置20の回転軸21に接続される第3の駆動力伝達材22cと、第3の扉体10cを吊り下げる第3のハンガーレール11cおよび第3のハンガーレール11cよりも建屋1の外側方向に設置され第4の扉体10dを吊り下げる第4のハンガーレール11dと、第3の扉体10cに設置され第3の駆動力伝達材22cに接続される第3の扉体接続材12cおよび第4の扉体10dに設置される第4の扉体接続材12dと、を備える。ブローアウトパネル3が開放状態において、第3の扉体10cが第4の扉体10dと係合する所定の位置まで移動した後、第3の扉体10cと第4の扉体10dが鉤の手連結構造により係合された状態で同一方向に移動する。これにより、開口部2に対して十分な扉体10の保持領域が確保できない場合に、開口部2を扉体10により適切に閉止することができる。
【0070】
<<第3実施形態>>
図13は、第3実施形態に係る扉体閉止装置100の2種類の扉体10の保持状態を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は建屋外から見た正面図である。
図14は、第3実施形態に係る扉体閉止装置100の2種類の扉体10の移動状態を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は建屋外から見た正面図である。
【0071】
第3実施形態は、開口部2の領域>保持領域(保持領域の水平方向の大きさが開口部2よりも小さい)で、保持領域において、建屋外壁面に対して垂直に折りたたまれた複数の扉体10を移動させるケースを示している。第3実施形態はスプロケット−チェーン方式による移動機構である。
【0072】
図13において、所定の閉位置とは、所定の閉位置5(1)が閉位置方向に進行する先頭に位置する第5の扉体10eが全閉時に到達する位置であり、所定の閉位置6(3)が閉位置方向に進行する最後尾に位置する第6の扉体10fが全閉時に到達する位置である。
【0073】
第3実施形態では、複数の扉体10である第5の扉体10eと第6の扉体10fが3枚ずつ存在するケースを示している。第5の扉体10eと第6の扉体10fが水平方向に交互に並んで配置され、第5の扉体10eと第6の扉体10fのそれぞれの端部同士が少なくとも一つ以上のヒンジによるヒンジ連結構造により連結されている。第5の扉体10eと第6の扉体10fは、保持領域において建屋外壁面に対して垂直に重ねて保持されている。
【0074】
第5の扉体10eに関係するものとしては、第5の駆動力伝達材22eとして、駆動装置20の回転軸21に設置され、所定の閉位置に最も近い第5の扉体10eの移動距離に基づいてギア比が決定される第5の駆動用連結材23e、開口部2の開位置側に対向する一端の近傍に配置され、第5の駆動用連結材23eと同じギア比の第5の従動用連結材24e、第5の駆動用連結材23eと第5の従動用連結材24eを環状に連結する第5の環状部材25eを備えている。
【0075】
さらに、全ての第5の扉体10eを吊り下げる第5のハンガーレール11e、所定の閉位置に最も近い第5の扉体10eの上部に少なくとも一つ以上設置されるとともに、所定の閉位置に最も近い第5の扉体10eが第5のハンガーレール11eを移動可能となるように挟持する第5の扉体接続材12eとして第3のアタッチメントAT3、所定の閉位置に最も近い第5の扉体10e以外の上部に少なくとも一つ以上設置されるとともに、所定の閉位置に最も近い第5の扉体10e以外の第5の扉体10eが第5のハンガーレール11eを移動可能となるように挟持する第6の扉体接続材12fとして第4のアタッチメントAT4が備えられている。第3実施形態では、第3のアタッチメントAT3は所定の閉位置に最も近い第5の扉体10eの上部1カ所、第4のアタッチメントAT4はそれ以外の第5の扉体10eの上部1カ所にそれぞれ設置されている。
【0076】
図3に示す第3のアタッチメントAT3および第4のアタッチメントAT4は、連結部18(
図3参照)があることにより、連結部18から上側では第5のハンガーレール11eの長さ方向と同じ向きとなり、連結部18から下側では建屋外壁面に対して垂直に重なった状態で保持領域にて保持される。その際、第3のアタッチメントAT3と第4のアタッチメントAT4、および、第4のアタッチメントAT4同士は物理的に干渉しないように設置される。
【0077】
制御装置30は、ブローアウトパネル3近傍に設置したセンサから信号を取り込むことでブローアウトパネル3が密閉状態または開放状態の何れかであるかを検知し、ブローアウトパネル3が開放状態のときに保持状態を解除するとともに、駆動装置20に駆動指令を送信して駆動装置20を駆動させ、所定の閉位置に最も近い第5の扉体10eのみを移動させる。
【0078】
張力付与装置40は、保持領域近傍に設置され、張力付与装置40に最も近い扉体10の一端と張力付与装置40が接続されており、全ての扉体10が開位置から所定の閉位置まで移動して開口部2を全閉した後、開口部2の開位置側に対向する一端側で所定の閉位置に最も近い第5の扉体10eを固定した後、全ての第5の扉体10eおよび第6の扉体10fに対して開位置方向に張力を付与する。張力制御機能は前述の制御装置30の機能に含める。
【0079】
駆動装置20の駆動力は、第5の扉体接続材12eが、第5の駆動力伝達材22eの第5の環状部材25eに接続されることで所定の閉位置に最も近い第5の扉体10eに伝達されている。
【0080】
ブローアウトパネル3が開放状態において、所定の閉位置に最も近い第5の扉体10eを除く全ての扉体10が、開位置4から所定の閉位置まで、同一方向に所定の閉位置に最も近い第5の扉体10eに追従して移動するようになっている。移動時においては張力付与装置40の張力は緩めておく。
【0081】
最終的に、全ての第5の扉体10eと第6の扉体10fがそれぞれ異なる所定の閉位置まで移動したとき、全ての第5の扉体10eと第6の扉体10fで開口部2を全閉する。
【0082】
図15は、第3実施形態に係る扉体閉止装置の2種類の扉体の全閉状態を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は建屋外から見た正面図である。
図16は、
図15に示すY部の弾性体41の役割を説明する図である。
【0083】
図15は、開口部2が全ての第5の扉体10eと第6の扉体10fにより全閉された状態を示している。
図13で示した保持領域での保持状態おいて、第5の扉体10eと第6の扉体10fの端部同士のうち、建屋1の外側方向に凸形状となる第5の扉体10eと第6の扉体10fの端部同士の上部および下部のそれぞれに、建屋外壁面に対して垂直方向で、かつ、先端部が常に建屋外壁面側を向くように弾性体41(バネ)が配置されている。弾性体41の効果については後記する。
【0084】
図17は、全閉状態の各扉体の接続状態を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)はA−A断面図、(c)はB−B断面図、(d)はC−C断面図である。
図18は、全閉状態から保持状態への状態変化を示す図であり、(a)はB−B断面図であり、(b)はC−C断面図である。
【0085】
図17および
図18は、第5の扉体10eと第6の扉体10fの連結状態、および、全閉状態から保持状態への状態変化を説明する図である。
図17(a)に示すように、第5の扉体10eと第6の扉体10fは水平方向に隣接して交互に配置され、第5の扉体10eと第6の扉体10fのそれぞれの端部同士は少なくとも一つ以上のヒンジによるヒンジ連結構造により連結されており、保持状態において前述した建屋の外側方向に凸形状となる端部同士の上部と下部のそれぞれに、先端部が常に建屋外壁面を向くように弾性体41(バネ)が設置されている。
【0086】
さらに、
図17(b)において、前記した弾性体41の隣接部には、保持状態において、弾性体41が隣接する第5の扉体10eと第6の扉体10fのそれぞれに、弾性体41が自然長の状態で収納できるように弾性体収納部45(切り欠き)が設けられている。
【0087】
また、
図17(c)、
図17(d)において、全閉状態において隣接する第5の扉体10eと第6の扉体10fのそれぞれの端部同士がインロー構造となっている。
図18(a)、
図18(b)には、全閉状態から保持状態への状態変化を示している。
【0088】
なお、インロー構造は、凹凸になった状態の部品同士が噛み合う様を「インロー」と表現する。
【0089】
図19は、A−A断面図での保持状態から全閉状態に至る過程における弾性体41の動作を示す図であり、(a)は扉体の保持状態、(b)(c)は扉体の移動状態、(d)は扉体の全閉状態である。
図20は、A−A断面図での張力を緩めた際の弾性体41の動作を示す図であり、(a)は、張力が緩んだ状態、(b)は弾性体41が自然長の状態に戻ろうとする状態、(c)は扉体が保持状態時の弾性体41の状態である。
【0090】
図19および
図20は、
図17のA−A断面に示す弾性体41が、保持状態から全閉状態に至る過程における弾性体の動作、および、張力を緩めた際の弾性体41の動作について説明する図である。
図19では、
図19(a)側に保持状態、
図19(d)に全閉状態、その中間に保持状態から全閉状態に至る過程を示している。保持状態において、弾性体41は弾性体台座42に取り付けられている。弾性体台座42には、第5の扉体10eおよび第6の扉体10fのそれぞれと連結できるように、2カ所の貫通穴が設けられている。
【0091】
第5の扉体10eには、弾性体台座42と連結できるように固定側連結部43が形成されており、固定側連結部43には貫通穴が設けられ、弾性体台座42を挟むようにして貫通穴にピンを通すことで第5の扉体10eと弾性体台座42が連結される。
【0092】
一方、第6の扉体10fには、弾性体台座42と連結できるようにスライド側連結部44が形成されており、スライド側連結部44には、第6の扉体10fがスライド可能なように長孔が設けられ、弾性体台座42を挟むようにして貫通穴にピンを通すことで第6の扉体10fと弾性体台座42が連結される。このようにして、弾性体41は建屋外壁面に対して垂直方向で、かつ、先端部が常に建屋外壁面を向くように保持される。
【0093】
保持状態から全閉状態への過程において、第5の扉体10eはピンを中心に回転し、第6の扉体10fは長孔をスライドしながらピンを中心に回転する。
【0094】
全閉状態において、開口部2の開位置側に対向する一端側で所定の閉位置に最も近い第5の扉体10eを閂等により固定し、固定後に全ての扉体に対して張力付与装置40で開位置方向に張力を付与する。こうすると、前記したそれぞれの弾性体41は、対面となる開口部2の上部および下部の建屋外壁面に押し付けられ、それぞれの弾性体41には押出力が作用する。
【0095】
図20には、張力付与装置40の張力を緩めた際の弾性体41の動作を示している。張力を緩めると弾性体41は縮んだ状態から自然長に戻ろうとするため、その力を利用してそれぞれに扉体10の端部同士を一定方向(建屋外側方向に凸形状)に折り曲げることができる。
【0096】
第3実施形態の扉体閉止装置100は、複数の扉体である第5の扉体10eと第6の扉体10fが、水平方向に隣接して交互に配置され、それぞれの端部同士が少なくとも一つ以上のヒンジによるヒンジ連結構造で連結されている。扉体閉止装置100は、駆動装置20と、駆動装置20の回転軸21に接続される第5の駆動力伝達材22eと、全ての第5の扉体10eを吊り下げる第5のハンガーレール11eと、所定の閉位置に最も近い第5の扉体10eに設置され第5の駆動力伝達材22eに接続される第5の扉体接続材12eおよび所定の閉位置に最も近い第5の扉体10e以外の第5の扉体に設置される第6の扉体接続材12fと、を備え、ブローアウトパネル3が開放状態において、所定の閉位置に最も近い第5の扉体10eを除く全ての扉体が、所定の閉位置に最も近い第5の扉体10eに追従して同一方向に移動する。これにより、開口部2に対して十分な扉体10の保持領域が確保できない場合に、開口部2を扉体10により適切に閉止することができる。
【0097】
開口部2を全閉するとき、それぞれの端部同士がインロー構造になる。これにより、扉体10を適切に閉止できる。
【0098】
開位置での保持において、建屋1の外側方向に凸形状となる端部同士の上部および下部のそれぞれに、建屋外壁面に対して垂直方向で、かつ、先端部が常に建屋外壁面を向くように弾性体41を設置するとよい。
【0099】
扉体閉止装置100は、張力付与装置40を備え、張力付与装置40は、開口部2を全閉した後、開口部2の開位置側に対向する一端側に所定の閉位置に最も近い第5の扉体10eを固定した後、全ての扉体10に対して開位置方向に張力を付与し、それぞれの弾性体41に押出力を作用させるとよい。
【0100】
それぞれの扉体10は水平方向の大きさが開口部2の大きさよりも小さく、開位置において、複数の扉体は建屋1の外壁面に対して垂直の向きに保持されることができる。
【0101】
<気密機構>
扉体閉止装置100の気密機構について、第1実施形態を例に説明する。
図21は、第1実施形態に係る扉体閉止装置の2つの扉体の保持状態におけるシール材を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は建屋外から見た正面図である。
図22は、第1実施形態に係る扉体閉止装置の2つの扉体の閉止状態におけるシール材を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は建屋外から見た正面図である。
【0102】
第1実施形態では、ブローアウトパネル3の開放前の保持状態において、閉止対象となる開口部2よりも水平方向の大きさが小さい保持領域に閉止用の複数の扉体10を重ねて保持する保持機構を有する扉体閉止装置100について説明した。ここでは、複数の扉体10の閉止状態における気密機構について説明する。
【0103】
図21に示すように、開口部2の外周からの漏洩に対して、開口部2の外周に第1のシール材51が建屋側に設けられている。第1のシール材51は建屋外壁から扉体閉止位置の距離に合わせて設置する。第1のシール材51の厚みは、第1の扉体10aと第2の扉体10bの、建屋壁面の鉛直方向の間隙の分だけ、図の左側だけ厚くなっている。
【0104】
また、第1の扉体10aと第2の扉体10b間の漏洩に対して、扉体の間に第2のシール材52を設ける。第2のシール材52は第1の扉体10a側に設けられている。
【0105】
図22を参照すると、第1のシール材51により、開口部2の外周からの漏洩に対して気密を保持できることがわかる。また、第2のシール材52により、第1の扉体10aと第2の扉体10b間の漏洩に対して気密を保持できることがわかる。
【0106】
図21、
図22では、第1実施形態の気密機構を説明したが、第2実施形態、第3実施形態についても同様に気密機構を実現できる。
【解決手段】扉体閉止装置100は、建屋の開口部2を閉止しているブローアウトパネルが開放されたときに生じる開口部2を閉止する扉体閉止装置であって、開口部2を閉止する複数の扉体10を有し、ブローアウトパネルが密閉状態において、ブローアウトパネルに重ならない建屋の外壁面の近傍位置でブローアウトパネルよりも水平方向の大きさが小さい領域である開位置に複数の扉体10を重ねて保持し、ブローアウトパネルが開放状態において、複数の扉体10が開位置からそれぞれ異なる所定の閉位置まで移動したとき、複数の扉体10で開口部2を全閉する。