特許第6861939号(P6861939)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社UJackの特許一覧

<>
  • 特許6861939-折畳構造及びコンロ 図000002
  • 特許6861939-折畳構造及びコンロ 図000003
  • 特許6861939-折畳構造及びコンロ 図000004
  • 特許6861939-折畳構造及びコンロ 図000005
  • 特許6861939-折畳構造及びコンロ 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6861939
(24)【登録日】2021年4月2日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】折畳構造及びコンロ
(51)【国際特許分類】
   A47J 37/07 20060101AFI20210412BHJP
【FI】
   A47J37/07
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-233844(P2017-233844)
(22)【出願日】2017年12月5日
(65)【公開番号】特開2019-97992(P2019-97992A)
(43)【公開日】2019年6月24日
【審査請求日】2020年2月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】516238131
【氏名又は名称】株式会社UJack
(74)【代理人】
【識別番号】100174805
【弁理士】
【氏名又は名称】亀山 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】佐藤和樹
【審査官】 中野 裕之
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭51−051937(JP,U)
【文献】 実開昭62−194535(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3098524(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0020482(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 37/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠体と、
部品と、
前記部品が前記枠体の内部空間に位置する内部位置と前記部品が前記枠体の外部に位置する外部位置との間で、切替自在にする切替ユニットと、を備え、
前記切替ユニットは、
前記枠体に設けられ互いに対向するように配された軸対と、
前記軸対をなすそれぞれの回動軸に対して回動自在に設けられる回動部材と、
前記回動部材及び前記部品を連結する連結機構と、を備え、
前記連結機構は、
前記回動部材に形成されたレールと、
前記部品に設けられ前記レールに対してスライド自在なスライド駒と、を備え、
前記レールは前記回動軸から遠ざかるように延び
スライド駒が挿通可能な駒挿通孔は前記レールに形成され、
前記駒挿通孔は、前記回動部材の回動中心側に形成されることを特徴とする折畳構造。
【請求項2】
枠体と、
部品と、
前記部品が前記枠体の内部空間に位置する内部位置と前記部品が前記枠体の外部に位置する外部位置との間で、切替自在にする切替ユニットと、を備え、
前記切替ユニットは、
前記枠体に設けられ互いに対向するように配された軸対と、
前記軸対をなすそれぞれの回動軸に対して回動自在に設けられる回動部材と、
前記回動部材及び前記部品を連結する連結機構と、を備え、
前記連結機構は、
前記回動部材に形成されたレールと、
前記部品に設けられ前記レールに対してスライド自在なスライド駒と、を備え、
前記レールは前記回動軸から遠ざかるように延び
前記部品は、前記枠体に対して第1の外部位置への遷移が可能である一方、前記枠体に対して第2の外部位置への遷移が規制され、
前記第2の外部位置は、前記枠体を基準にして前記第1の外部位置の反対側に位置し、
前記枠体の内部空間のうち前記第1の外部位置側に板部材の収容空間が形成されたことを特徴とする折畳構造。
【請求項3】
前記枠体の内部空間のうち、前記第2の外部位置側には、別部品を収容可能な空間が形成されていることを特徴とすることを特徴とする請求項記載の折畳構造。
【請求項4】
枠体と、
部品と、
前記部品が前記枠体の内部空間に位置する内部位置と前記部品が前記枠体の外部に位置する外部位置との間で、切替自在にする切替ユニットと、を備え、
前記切替ユニットは、
前記枠体に設けられ互いに対向するように配された軸対と、
前記軸対をなすそれぞれの回動軸に対して回動自在に設けられる回動部材と、
前記回動部材及び前記部品を連結する連結機構と、を備え、
前記連結機構は、
前記回動部材に形成されたレールと、
前記部品に設けられ前記レールに対してスライド自在なスライド駒と、を備え、
前記レールは前記回動軸から遠ざかるように延び
前記部品は第1部品と第2部品とを備え、
前記切替ユニットは、
前記第1部品を内部位置及び外部位置との間で切り替える第1切替ユニットと、
前記第2部品を内部位置及び外部位置との間で切り替える第2切替ユニットと、を備え、
前記内部位置にある前記第1部品と前記内部位置にある前記第2部品とは重なっていることを特徴とする折畳構造。
【請求項5】
枠体と、
部品と、
前記部品が前記枠体の内部空間に位置する内部位置と前記部品が前記枠体の外部に位置する外部位置との間で、切替自在にする切替ユニットと、を備え、
前記切替ユニットは、
前記枠体に設けられ互いに対向するように配された軸対と、
前記軸対をなすそれぞれの回動軸に対して回動自在に設けられる回動部材と、
前記回動部材及び前記部品を連結する連結機構と、を備え、
前記連結機構は、
前記回動部材に形成されたレールと、
前記部品に設けられ前記レールに対してスライド自在なスライド駒と、を備え、
前記レールは前記回動軸から遠ざかるように延び
前記部品は第1部品と第2部品とを備え、
前記切替ユニットは、
前記第1部品を内部位置及び外部位置との間で切り替える第1切替ユニットと、
前記第2部品を内部位置及び外部位置との間で切り替える第2切替ユニットと、を備え、
前記第1切替ユニットが備える第1軸対がなす回動軸は、前記第2切替ユニットが備える第2軸対がなす回動軸に対して交差することを特徴とする折畳構造。
【請求項6】
前記外部位置にある前記第1部品は、前記外部位置にある前記第2部品よりも上方に位置し、
前記第1部品は、コンロの火床であることを特徴とする請求項4または5記載の折畳構造。
【請求項7】
請求項4ないしのうちいずれか1項の折畳構造を備えたことを特徴とするコンロ。
【請求項8】
請求項1ないしのうちいずれか1項の折畳構造を備え、
前記部品は火床であることを特徴とするコンロ。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折畳構造及びコンロに関する。
【背景技術】
【0002】
バーベキュー等で屋外での調理に利用される折り畳みコンロが知られている。従来のコンロは、燃焼室に配された火床に固形燃料(炭等)を置き、その上に載置された調理具(焼き網、鉄板や容器等)を用いて食材を加熱していた(例えば、特許文献1〜2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3014381号公報
【特許文献2】特開平11−146836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、収容状態から使用状態への切り替えや、使用状態から収容状態への切り替えのために、組立をしなければならず、使い勝手の悪かった。
【0005】
本発明は、斯かる実情に鑑み、収容状態及び使用状態への切替を容易に行うことができる折畳構造及びこの折畳構造を持つコンロを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の折畳構造は、枠体と、部品と、前記部品が前記枠体の内部空間に位置する内部位置と前記部品が前記枠体の外部に位置する外部位置との間で、切替自在にする切替ユニットと、を備え、前記切替ユニットは、前記枠体に設けられ互いに対向するように配された軸対と、前記軸対をなすそれぞれの回動軸に対して回動自在に設けられる回動部材と、前記回動部材及び前記部品を連結する連結機構と、を備え、前記連結機構は、前記回動部材に形成されたレールと、前記部品に設けられ前記レールに対してスライド自在なスライド駒と、を備え、前記レールは前記回動軸から遠ざかるように延び、スライド駒が挿通可能な駒挿通孔は前記レールに形成され、前記駒挿通孔は、前記回動部材の回動中心側に形成されることを特徴とする。また、本発明の折畳構造は、枠体と、部品と、前記部品が前記枠体の内部空間に位置する内部位置と前記部品が前記枠体の外部に位置する外部位置との間で、切替自在にする切替ユニットと、を備え、前記切替ユニットは、前記枠体に設けられ互いに対向するように配された軸対と、前記軸対をなすそれぞれの回動軸に対して回動自在に設けられる回動部材と、前記回動部材及び前記部品を連結する連結機構と、を備え、前記連結機構は、前記回動部材に形成されたレールと、前記部品に設けられ前記レールに対してスライド自在なスライド駒と、を備え、前記レールは前記回動軸から遠ざかるように延び、前記部品は、前記枠体に対して第1の外部位置への遷移が可能である一方、前記枠体に対して第2の外部位置への遷移が規制され、前記第2の外部位置は、前記枠体を基準にして前記第1の外部位置の反対側に位置し、前記枠体の内部空間のうち前記第1の外部位置側に板部材の収容空間が形成されたことを特徴とする。
【0007】
本発明の折畳構造は、枠体と、部品と、前記部品が前記枠体の内部空間に位置する内部位置と前記部品が前記枠体の外部に位置する外部位置との間で、切替自在にする切替ユニットと、を備え、前記切替ユニットは、前記枠体に設けられ互いに対向するように配された軸対と、前記軸対をなすそれぞれの回動軸に対して回動自在に設けられる回動部材と、前記回動部材及び前記部品を連結する連結機構と、を備え、前記連結機構は、前記回動部材に形成されたレールと、前記部品に設けられ前記レールに対してスライド自在なスライド駒と、を備え、前記レールは前記回動軸から遠ざかるように延び、前記部品は第1部品と第2部品とを備え、前記切替ユニットは、前記第1部品を内部位置及び外部位置との間で切り替える第1切替ユニットと、前記第2部品を内部位置及び外部位置との間で切り替える第2切替ユニットと、を備え、前記内部位置にある前記第1部品と前記内部位置にある前記第2部品とは重なっていることを特徴とする。また、本発明の折畳構造は、枠体と、部品と、前記部品が前記枠体の内部空間に位置する内部位置と前記部品が前記枠体の外部に位置する外部位置との間で、切替自在にする切替ユニットと、を備え、前記切替ユニットは、前記枠体に設けられ互いに対向するように配された軸対と、前記軸対をなすそれぞれの回動軸に対して回動自在に設けられる回動部材と、前記回動部材及び前記部品を連結する連結機構と、を備え、前記連結機構は、前記回動部材に形成されたレールと、前記部品に設けられ前記レールに対してスライド自在なスライド駒と、を備え、前記レールは前記回動軸から遠ざかるように延び、前記部品は第1部品と第2部品とを備え、前記切替ユニットは、前記第1部品を内部位置及び外部位置との間で切り替える第1切替ユニットと、前記第2部品を内部位置及び外部位置との間で切り替える第2切替ユニットと、を備え、前記第1切替ユニットが備える第1軸対がなす回動軸は、前記第2切替ユニットが備える第2軸対がなす回動軸に対して交差することを特徴とする。
【0008】
本発明のコンロは、上記の折畳構造を備え、前記部品は火床であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、収容状態及び使用状態への切替を容易に行うことができる折畳構造及びこの折畳構造を持つコンロを提供を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】コンロの概要を示す斜視図である。
図2】枠体の表面が上方を向く収容状態のコンロの斜視図である。
図3】枠体の裏面が上方を向く収容状態のコンロの斜視図である。
図4】コンロのX−Z平面における断面図である。
図5】コンロのY−Z平面における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1〜2に示すように、コンロ2は、矩形状の枠体10と、枠体10に対して着脱自在な焼き網20と、板状であり火床30(第1部品)と、板状の熱遮蔽板40(第2部品)と、切替ユニット50と、を備える。以下、説明の便宜上、枠体10の長辺の方向をX方向、枠体10の短辺の方向をY方向、そして、枠体10の厚み方向をZ方向とする。
【0012】
焼き網20、火床30及び熱遮蔽板40は、それぞれ、矩形状に形成され、長辺の方向がX方向で短辺の方向がY方向である。また、火床30は、所定の位置に孔が形成される。
【0013】
切替ユニット50は、火床30や熱遮蔽板40が枠体10の外部に位置する外部位置(図1)と、火床30や熱遮蔽板40が枠体10の内部空間10Xに位置する内部位置(図2〜3)との間で、切替自在にするものである。以降、前者をコンロ2の使用状態、後者を収容状態と称する。
【0014】
切替ユニット50は、枠体10に設けられ互いに対向するように配された第1軸対51と、枠体10に設けられ互いに対向するように配された第2軸対52と、各軸対51〜52をなすそれぞれの回動軸55に対して回動自在に設けられる回動部材57と、各回動部材57に対して火床30や熱遮蔽板40を連結する連結機構58と、を備える。
【0015】
第1軸対51を成す2本の回動軸55は、X方向に延びるものであり、枠体10のうち向かい合う長辺部分にそれぞれ設けられる。第2軸対52を成す2本の回動軸55は、Y方向に延びるものであり、枠体10のうち向かい合う短辺部分にそれぞれ設けられる。なお、第1軸対51を成す回動軸55は、第2軸対52を成す回動軸55に対して交差することが好ましく、直交することがより好ましい。回動軸55は、枠体10の内部空間において、枠体10の内周面に沿って配される。
【0016】
第1軸対51を成す2本の回動軸55同士の間隔は、焼き網20の短辺方向(Y方向)の長さよりも長い方が好ましい。第2軸対52を成す2本の回動軸55同士の間隔は、焼き網20の長辺方向(X方向)の長さよりも長い方が好ましい。回動軸55は、枠体10の表面10F(図1〜2)や裏面10B(図3)よりも内部空間側に退避していることが好ましい。これにより、回動軸55と枠体10の内周面とにより、火床30等が内部位置にあるときの焼き網20の収容部が、表面10F(図1〜2)側及び裏面10B(図3)側の両側に形成される。
【0017】
図1,4〜5に示すように、回動部材57は、板状に形成される。回動部材57の一端側には、回動軸55の径と略等しい曲率半径をもつ湾曲部57Aを有する。湾曲部57Aを回動軸55に係合することにより、回動部材57は、回動軸55に対して回動自在となる。また、回動部材57には、レールとなる長孔57Rが2本形成される。長孔57Rは、自身が取り付けられている回動軸55に対して直交する方向に延びる。互いの長孔57Rは、平行に形成される。長孔57Rのうち回動軸55側の部分には、長孔57Rにくらべ幅が広い幅広孔57Qが形成される。
【0018】
なお、長孔57Rは、回動部材57が回動可能となっていればよい。このため、長孔57Rは、回動軸55から遠ざかるように延びていてもよい。
【0019】
火床30の長辺側の両端部や熱遮蔽板40の短辺側の両端部には、スライド駒31が形成される。スライド駒31は、火床30と連結する連結部31Tと、連結部31Tから延びて長孔57Rの幅よりもやや狭いスライド部31Sと、スライド部31Sよりも幅広となっている幅広部31Bと、を備える。幅広部31Bは、幅広孔57Qに対して挿抜可能となっている。幅広部31Bを幅広孔57Qに対して挿入すると、スライド部31Sは、長孔57Rよりも幅が狭いため、スライド駒31は、長孔57Rに沿ってスライド移動が可能になる。幅広部31Bは長孔57Rよりも幅が広いため、抜け止めとして機能する。スライド駒31が長孔57Rから脱落しないようにするため、幅広部31Bの形成位置は、長孔57Rのうち、回動軸55に近い位置に形成されることが好ましい。こうして、長孔57Rと、スライド駒31とが連結機構58として機能する。また、熱遮蔽板40の長側の両端部には、火床30と連結する回動部材57の開きを規制するためのストッパ40Sが設けられてもよい。
【0020】
枠体10、火床30、熱遮蔽板40や切替ユニット50は、ステンレス等、耐久性の高い材料からなる。
【0021】
次に、コンロ2の使用方法について説明する。
【0022】
収容状態のコンロ2(図3)において、切替ユニット50により、火床30や熱遮蔽板40は内部位置となっている。そして、収容状態の枠体10の裏側の内部空間には、焼き網20が収容されている。このとき、火床30や熱遮蔽板40は、回動部材57の下にあるため、回動部材57は回動しない。ここで、コンロ2の裏表を反転させると(図2)、火床30や熱遮蔽板40は、回動部材57の上に位置することとなり、回動部材57は回動可能となる。そして、火床30や熱遮蔽板40に設けられたスライド駒31が、回動部材57の長孔57Rに沿って、スライド移動する。結果、切替ユニット50により、火床30や熱遮蔽板40は内部位置から外部位置へ切り替えられる(図1、4、5)。枠体10の表裏の向きによって、切替ユニット50による切替及び切替の規制が可能となるため、収容状態及び使用状態への切替が容易となる。
【0023】
上記実施形態では、コンロ2について説明したが本発明はこれに限られず、弁当箱や梱包材等、収容状態及び使用状態における切替が可能な筐体にも適用できる。
【0024】
尚、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0025】
2 コンロ
10 枠体
10B 裏面
10F 表面
10X 内部空間
20 焼き網
30 火床
31 スライド駒
31B 幅広部
31S スライド部
31T 連結部
40 熱遮蔽板
40S ストッパ
50 切替ユニット
51 第1軸対
52 第2軸対
55 回動軸
57 回動部材
57A 湾曲部
57Q 幅広孔
57R 長孔
58 連結機構

図1
図2
図3
図4
図5