(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、上記特許文献1のバイオエタノールの原料としての利用は、カーボンニュートラルな燃料の製造として素晴らしいものであるが、オイルパームの幹材を圧搾し、酵素処理し、更に発酵処理する必要があり、複雑な工程と大掛かりな設備を必要とする。
【0013】
また、上記特許文献2の吸水性素材は、産業資材としての利用であるが、圧搾、固形残渣の乾燥、粉砕、篩分による柔組織と維管束との分離などの複雑な工程が必要である。また、吸水性素材となる柔組織は、圧搾による固形残渣の約50〜60%であり、圧搾液や不必要な固形分である維管束の処分など、新たな産業廃棄物を生み出すことになる。
【0014】
一方、上記特許文献3のパーム合板としての利用は、オイルパームの幹材をカツラ剥きし乾燥して得られた単板をそのまま利用することができる。従って、オイルパームの幹材の殆どの部分を利用することができるので、新たな産業廃棄物を生み出すこともない。
【0015】
しかし、オイルパームの幹材から得られる単板は、合板に従来使用されているラワンなどの単板と異なり、密度が低く、そのことから強度が弱く、合板としたときにもその物性の点で問題となり用途が限定される。
【0016】
更に、パーム合板に限らず、従来の合板においても、単板を接合する接着剤の問題が、近年大きくクローズアップされている。これは、合板の接着材として広く使用される尿素樹脂やメラミン樹脂が経年劣化により、徐々に分解してホルムアルデヒドを発散するというものである。現在では、接着剤の製造に使用するホルムアルデヒドの量を抑え、また、合板の接着剤から分解で生じるホルムアルデヒドを吸収・分解するキャッチャー剤を配合するなどの対策がなされている。しかし、それでも過敏な小児においてシックハウス症候群やアトピー性皮膚炎などの原因になることが報告されている。
【0017】
このように、強度の弱いオイルパームの幹材を利用した合板を作製する場合には、多量の接着剤(或いは、内部充填樹脂)を使用しなければ強度などの実用性のあるものを得ることができなかった。また、作製した合板は、各種物性のなかでも特に剛性に優れたものを得ることができず、硬質木材にも代わりえる広い用途に使用することができなかった。
【0018】
そこで、本発明は、以上のようなことに対処して、これまで利用されることなく放置されていたオイルパームの幹材を本来の木質材料として有効に利用することにより、新たな産業廃棄物を生み出すことがなく、且つ、各種物性の中でも特に高ヤング係数を有して剛性に優れ、硬質木材にも代わりえる広い用途に使用することのできる圧密合板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記課題の解決にあたり、本発明者らは、鋭意研究の結果、オイルパームの幹材から形成した単板を積層し、所定の温度と圧力を掛けて圧密化することにより、当該単板どうしが自然に接合することを見出した。これを利用して、圧密化後の気乾密度(含水率15質量%の気乾状態における密度)の値を所定の範囲内に制御することにより、圧密合板のヤング係数が大幅に改善し剛性を有する圧密合板が形成されることを見出し本発明の完成に至った。また、各単板の境界面に接合成分(接着剤)を付加する場合であっても、非常に少ない量で更に良好な剛性を有する圧密合板が形成されることを見出した。
【0020】
即ち、本発明に係る圧密合板は、請求項1の記載によると、
オイルパーム材から形成した複数の単板からなる積層材を圧密化した圧密合板であって、
圧密化後の気乾密度の値が、0.6〜1.4(g/cm
3)の範囲内にあり、且つ、曲げヤング係数の値が、3.5〜18.0(GPa)の範囲内にあることを特徴とする。
【0021】
即ち、本発明に係る圧密合板は、請求項1の記載によると、
オイルパーム材から形成した複数の単板からなる積層材を圧密化した圧密合板であって、
前記積層材を構成する各単板の各境界面のうち少なくとも1つの境界面には、前記オイルパーム材が内部に含有する接合成分と、外部から付加した他の接合成分とが存在し、これらの接合成分の相乗作用により接合されており、
前記積層材の境界面に対する前記他の接合成分の付加量は、1つの境界面に対する総量を固形分にして、60〜112(g/m2)の範囲内にあり、
圧密化後の気乾密度の値が、
0.7〜1.1(g/cm3)の範囲内にあり、且つ、曲げヤング係数の値が、
7.2〜14.9(GPa)の範囲内にあることを特徴とする。
【0022】
また、本発明は、請求項3の記載によると、請求項1又は2に記載の圧密合板であって、
前記積層材を構成する各単板又は他の単板の各境界面には、前記オイルパーム材が内部に含有する接合成分のみが存在し、外部から付加した他の接合成分が存在することなく接合されていることを特徴とする。
【0025】
また、本発明は、
請求項3の記載によると、
請求項1又は2に記載の圧密合板であって、
前記オイルパーム材が内部に含有する接合成分と、外部から付加した他の接合成分とが存在する境界面において、
当該他の接合成分が境界面近傍に存在する量に比べ、単板の厚み方向に対して中央部に存在する量が少ない又は存在しないことを特徴とする。
【0027】
また、本発明は、
請求項4の記載によると、
請求項1〜3のいずれか1つに記載の圧密合板であって、
前記積層材を構成する各単板又は他の単板のうち最外層の単板の表面に露出した面に、前記他の接合成分が付加されていないことを特徴とする。
【0028】
また、本発明は、
請求項5の記載によると、
請求項1〜3のいずれか1つに記載の圧密合板であって、
前記積層材を構成する各単板又は他の単板のうち最外層の単板の表面に露出した面に、前記他の接合成分が付加されていることを特徴とする。
【0029】
また、本発明は、
請求項6の記載によると、
請求項1〜5のいずれか1つに記載の圧密合板であって、
前記各単板は、オイルパームの幹材をその周方向に回転させながらロータリーレースで外周から所定の厚さに剥いで形成してなることを特徴とする。
【0030】
また、本発明は、
請求項7の記載によると、
請求項1〜6のいずれか1つに記載の圧密合板であって、
合板の日本農林規格(JAS)別記3の(3)に規定する「1類浸せきはく離試験」の基準に適合することを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
また、上記構成によれば、本発明に係る圧密合板は、圧密化後の気乾密度の値が、0.6〜1.4(g/cm
3)の範囲内にあり、且つ、曲げヤング係数の値が、3.5〜18.0(GPa)の範囲内にある。このことにより、各種物性の中でも特に高ヤング係数を有して剛性に優れ、硬質木材にも代わりえる広い用途に使用することができる。
【0033】
また、上記構成によれば、本発明に係る圧密合板は、圧密化後の気乾密度の値が、
0.7〜1.1(g/cm3)の範囲内にあり、且つ、曲げヤング係数の値が、
7.2〜14.9(GPa)の範囲内にある。このことにより、各種物性の中でも特に高ヤング係数を有して剛性に優れ、硬質木材にも代わりえる広い用途に使用することができる。
【0034】
また、上記構成によれば、本発明に係る圧密合板の積層材を構成する各単板又は他の単板の各境界面には、オイルパーム材が内部に含有する接合成分のみが存在し、外部から付加した他の接合成分が存在することなく接合されていてもよい。即ち、単板どうしの接合に従来のように多量の接着剤などの接合成分を付加することなく、単板どうしが接合(自己接着)して圧密合板を構成している。このことにより、上記各効果に加え従来の合板で問題となる接着剤からのホルムアルデヒドの発散がなく、且つ、天然素材そのものからなり、他の合成成分を付加することのない圧密合板を構成することができる。
【0036】
また、上記構成によれば、本発明に係る圧密合板は、オイルパーム材が内部に含有する接合成分と、外部から付加した他の接合成分とが存在する境界面において、当該他の接合成分が境界面近傍に存在する量に比べ、単板の厚み方向に対して中央部に存在する量が少ない又は存在しない。このことにより、上記各効果に加え従来の合板で問題となる接着剤からのホルムアルデヒドの発散が非常に少ない圧密合板をより具体的に構成することができる。
【0037】
また、上記構成によれば、本発明に係る圧密合板の積層材の境界面に対する他の接合成分の付加量は、1つの境界面に対する総量を固形分にして、50〜500(g/m
2)の範囲内、好ましくは、60〜300(g/m
2)の範囲内にあってもよい。このことにより、上記各効果に加え接合成分の使用量が多くコストが高くなるということがなく、更に、ホルムアルデヒドの発散が非常に少ない圧密合板をより具体的に構成することができる。
【0038】
また、上記構成によれば、本発明に係る圧密合板の積層材の境界面に対する他の接合成分の付加量は、1つの境界面に対する総量を固形分にして
、60〜112(g/m2)の範囲内にあってもよい。このことにより、上記各効果に加え接合成分の使用量が多くコストが高くなるということがなく、更に、ホルムアルデヒドの発散が非常に少ない圧密合板をより具体的に構成することができる。
【0039】
また、上記構成によれば、本発明に係る圧密合板の積層材を構成する各単板又は他の単板のうち最外層の単板の表面に露出した面に、他の接合成分が付加されているようにしてもよい。このことにより、上記各効果に加え表面が接合成分で覆われ、単板の木目、艶などが強調されると共に、表面硬度などの物性を更に向上させることができる。
【0040】
また、上記構成によれば、本発明に係る圧密合板を構成する各単板は、オイルパームの幹材をその周方向に回転させながらロータリーレースで外周から所定の厚さに剥いで形成したものであってもよい。このように、ロータリーレースにより単板を形成することにより、所定の厚さの単板を安定して大量に形成することができる。また、オイルパームの幹材を辺材から芯材まで完全に利用することができる。
【0041】
また、上記構成によれば、本発明に係る圧密合板は、合板の日本農林規格(JAS)別記3の(3)に規定する「1類浸せきはく離試験」の基準に適合する。このことにより、上記各効果に加え接合部分の接合強度が特に強く要求される用途に使用することができる。
【0042】
また、上記構成によれば、本発明に係る圧密合板は、合板の日本農林規格(JAS)別記3の(3)に規定する「2類浸せきはく離試験」に準拠して測定することにより、試験片の側面に現れている接合部分において、はく離していない部分の長さが、当該接合部分の長さの67%以上である。このことにより、上記各効果に加え接合部分の接合強度に優れ広い用途に使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本発明において、オイルパームとは、アブラヤシ(油椰子)ともいわれ、西アフリカ原産のヤシ科アブラヤシ属に分類される単子葉植物の総称であって、油脂の採取を目的とする商業作物としてマレーシア、インドネシアを中心に大規模に栽培されている。成木は単一の幹からなり、高さ20mに達する。葉は羽状で長さ3〜5mほどのものが、毎年20〜30枚新しく生える。
【0046】
また、上述のように、オイルパームは、植え付け後25〜30年で果実の収穫量が減少して経済寿命を終え、約25年毎に再植林されている。オイルパームの栽培は油脂の採取を目的として果肉と種子だけが利用されるので、その幹材はこれまで有効に利用されることなく、産業廃棄物として廃棄処分或いは農場に放置されている。
【0047】
オイルパームの幹材の成分は産地によって若干の差があるとされるが、一般に、セルロース30.6%、ヘミセルロース33.2%、リグニン(総リグニン28.5%=クラーソンリグニン24.7%+酸可溶性リグニン3.8%)、抽出成分3.6%、灰分4.1%といわれている(Characterization in Chemical Composition of the Oil Palm; Journal of the Japan Institute of Energy,87(2008)383-388)。
【0048】
また、オイルパームの幹材の断面には、視認できる直径0.4〜1.2mm程度の維管束とその周りにデンプンなどを貯蔵する柔細胞などが存在する。これらの細胞壁は、セルロース、ヘミセルロース、及び、リグニン等の樹脂成分で形成され、その他、幹材には約10%の遊離糖(主にショ糖、グルコース、フルクトースなど)や約25%のデンプンが含有されている(上記非特許文献1)。
【0049】
以下、本発明に係る圧密合板の各実施形態を図面に従って説明する。なお、本発明は、下記に示す各実施形態にのみ限定されるものではない。
【0050】
第1実施形態:
本第1実施形態は、オイルパーム単板のみからなる圧密合板に関するものであり、単板の各境界面には、オイルパーム材が内部に含有する接合成分(後述する)のみが存在し、外部から付加した他の接合成分(接着剤)が存在することなく接合されている。また、圧密合板の積層材を構成する各単板のうち最外層の単板の表面に露出した面には、外部から付加した他の接合成分(接着剤)が付加されていない。ここでは、その製造工程に沿って図面を用いて説明する。圧密合板の製造工程においては、まず、オイルパームの幹材から単板を形成する。本発明においては、単板の形成方法については特に限定するものではなく、挽板による製材法、或いは、連続したロータリーレースなどによる剥き板法を使用することができる。なお、本第1実施形態においては、生産性に優れ、且つ、連続して均一な単板を形成することのできるロータリーレースによる方法を採用する。
【0051】
そこで、本第1実施形態においては、ロータリーレースにより単板を形成する方法について説明する。
図1は、オイルパームの幹材をロータリーレースにより単板化する工程を示す概略図である。まず、伐採されたオイルパームの幹から所定の長さのオイルパーム幹材WDを切断する。このオイルパーム幹材WDをロータリーレース(装置)にセットする(
図1において装置詳細は省略)。
【0052】
次に、オイルパーム幹材WDに対して、その幹の中心を回転軸として回転させ、刃物CTによって大根のカツラ剥きと同様にして周方向の剥きを行う。このようにして、オイルパーム幹材WDの周囲(辺材)から中心(芯材)に向かって、所定の厚さのオイルパーム連続剥離板UWDを得る。なお、オイルパーム幹材WDは、その断面に年輪がなく、均質なオイルパーム連続剥離板UWDを得ることができる。また、年輪がないことから、オイルパーム連続剥離板UWDの表面には柾目が現れる。
【0053】
このオイルパーム幹材WDにおいては、周囲(辺材)から中心(芯材)に向かって密度が徐々に小さくなる。即ち、辺材の密度が約0.6(g/cm
3)程度であるのに対して、芯材の密度は約0.2(g/cm
3)程度と小さくなる。その結果、オイルパーム連続剥離板UWDの密度が、徐々に小さく変化していく。
【0054】
このオイルパーム連続剥離板UWDを所定の長さに切断して、オイルパーム単板Wを得る。通常、オイルパーム単板Wの切断は、連続的に行われる。このオイルパーム単板Wは、上述のように、その密度が徐々に変化している。しかし、1枚のオイルパーム単板W内においては、限定された長さとカツラ剥き工程によって、ほぼ均質の密度が得られている。
【0055】
また、本第1実施形態においては、逆にこのことを利用して、任意の密度のオイルパーム単板Wを選択的に調達することができる。即ち、目的とする圧密合板の厚さ(圧密後の厚さ)と密度(圧密後の密度)を考慮して、必要な厚さ(圧密前の厚さ)と密度(圧密前の密度)のオイルパーム単板Wを必要枚数、調達することができる。なお、得られたオイルパーム単板Wは、切断後に乾燥される。乾燥は、木材の単板を乾燥する通常の装置、工程によって行うことができる。
【0056】
このようにして形成されたオイルパーム単板Wは、複数枚(通常の合板では奇数枚であるが、本発明においては奇数枚に限るものではない)を積層して積層材NW(
図3参照)を構成する。これらのオイルパーム単板Wを積層する際の組合せにおいては、各単板の繊維方向(木目の方向)を任意の方向で組み合わせることができる。
【0057】
例えば、各オイルパーム単板Wの繊維方向が互いに交差(略直交)するように交互に積層するようにしてもよい。また、各オイルパーム単板Wの繊維方向が互いに平行になるように積層するようにしてもよい。また、各オイルパーム単板Wの繊維方向が直交方向ではない任意の角度に交差するように積層するようにしてもよい。更に、複数枚のオイルパーム単板Wのうち、表層付近のものだけが交差するように積層するようにしてもよく、或いは、内層付近のものだけが交差するように積層するようにしてもよい。
【0058】
なお、本第1実施形態においては、各オイルパーム単板Wの繊維方向が交差(略直交)するように交互に積層する。このことにより、各オイルパーム単板Wが強度を補完し合って、完成した圧密合板の物性が大きく向上する。
【0059】
図2は、複数枚(本第1実施形態においては5枚)のオイルパーム単板Wを積層する際の組合せを示す概略図である。
図2(a)において、まず、繊維方向を長辺として同一方向を向く3枚のオイルパーム単板W1、W3、W5を準備する。次に、
図2(b)において、先の3枚のオイルパーム単板W1、W3、W5とは、繊維方向が直交するように繊維方向を短辺とする2枚のオイルパーム単板W2、W4を準備する。
【0060】
そして、繊維方向を長辺とする3枚のオイルパーム単板W1、W3、W5の間に、繊維方向を短辺とする2枚のオイルパーム単板W2、W4を挿入する。これら5枚のオイルパーム単板W1、W2、W3、W4、W5は、互いに繊維方向を交差するように積層されて、5層からなる積層材NW(
図3参照)を構成する。
【0061】
次に、このようにして構成した積層材NWを圧密化(後述する)することにより、圧密合板を得る。
図4は、圧密化前後の積層材NWの状態を示す概略図である。
図4(a)は、圧密化する前の積層材NWの状態を示している。一方、
図4(b)は、積層材NWに所定の条件(後述する)による圧密化を行った後の圧密合板PWを示している。
【0062】
図4において、圧密化する前の積層材NWと圧密化した後の圧密合板PWとは、長さ方向及び幅方向の寸法に大きな変化は現れていない。これに対して、厚さ方向、即ち積層方向の変化は大きく、圧密化によって圧縮されて高密度の圧密合板PWとなっていることが分かる。
【0063】
ここで、圧密化(圧密固定化)について説明する。本発明者らは、これまで、木材の圧密固定化及び木材の塑性加工について検討してきた。その経緯から、本出願人は、木材の圧密固定化方法(特許第4787432号)及び塑性加工木材(特許第5138080号)など複数の特許を有している。そこで、本発明者らは、これらの技術的知見及び装置を活用して更に進化させることにより、従来にない新技術として、接着剤を必要としないオイルパーム単板の積層接合技術を開発した。
【0064】
本第1実施形態においては、複数枚のオイルパーム単板Wを積層した積層材NWを加温し、この加温された積層材NWに対して、積層方向、即ち各単板の境界面に垂直の方向から所定の圧縮力を加えて圧縮する。更に、この圧縮力を維持した状態で、更に昇温して所定温度下で所定時間維持した後、温度を降下させて冷却し圧密固定化を完了する。
【0065】
なお、本第1実施形態における圧密固定化条件として、まず、所定温度とは、150〜210℃の温度範囲内であり、好ましくは、170〜200℃の温度範囲内である。また、この温度範囲を維持する時間は、圧密固定化する対象により適宜選定するものであるが、例えば、10分〜120分の範囲内であり、好ましくは、20分〜60分の範囲内である。
【0066】
一方、各単板の境界面に垂直の方向から加える圧縮力は、圧密固定化する対象により適宜選定するものであるが、例えば、5〜70kg/cm
2の範囲内であることが好ましい。なお、本第1実施形態において使用する圧密化装置及び圧密化工程については後述する。
【0067】
ここで、本第1実施形態においては、この圧密化(圧密固定化)によって、各オイルパーム単板Wの境界面が接着剤(オイルパーム単板の外部から付加した他の接合成分)を必要とすることなく強固に接合(自己接着)する。オイルパーム単板Wが自己接着する理由については定かではないが、オイルパームの幹材に含まれる、セルロース、ヘミセルロース、リグニン、遊離糖(主にショ糖、グルコース、フルクトースなど)、及び、デンプンの各成分が複合作用することにより強固に接着すると共に、圧密合板PW自体の物性の向上に寄与しているものと考えられる。
【0068】
上記各成分のうち、セルロースは細胞壁の骨格を構成し、これにヘミセルロースを介在としてリグニンが接着成分として作用する。また、オイルパームに特に多く含まれる遊離糖及びデンプンが、リグニンと共に複合的に作用して固有の作用効果を発揮するものと思われる。これらの成分が、上述のオイルパーム材が内部に含有する接合成分と考えられる。
【0069】
ここで、本第1実施形態において使用する圧密合板PWを製造する圧密化装置MCについて説明する。
図5は、本第1実施形態において使用する圧密化装置MCの概要を示す断面図である。
図5において、圧密化装置MCは、上下に2分割されるプレス盤10(上プレス盤10A及び下プレス盤10B)から構成される。
【0070】
上プレス盤10Aと下プレス盤10Bとは、上下に分割されることにより、内部空間IS及び位置決め孔18を形成する。位置決め孔18は、加圧前の積層材NWの位置を定め規制するものであって、その周縁部10bを上プレス盤10Aの周縁部10aに対向するようにして下プレス盤10Bに形成されている。上プレス盤10Aの周縁部10aには、プレス盤10の上下動の範囲で内部空間IS及び位置決め孔18を密閉状態とするためのシール部材11が形成されている。
【0071】
また、上プレス盤10Aには、その上面側から内部空間IS内に連通され、内部空間IS及び位置決め孔18内に蒸気を供給するための配管口12aを有する配管12が設けられている。この配管12には、その下流側にバルブV4が設けられている。一方、下プレス盤10Bには、その側面側から内部空間IS及び位置決め孔18内に連通され、内部空間IS内から水蒸気を排出するための配管口13aを有する配管13が設けられている。この配管13には、その内部の蒸気圧を検出する圧力計P2と、その下流側のバルブV5と、バルブV5に接続されたドレン配管14が設けられている。
【0072】
また、上プレス盤10A及び下プレス盤10Bには、その内部に高温の水蒸気を通すことにより所定の温度に昇温するための配管路15、16が形成されており、これら配管路15、16には蒸気供給側の配管ST1から分岐された配管ST2、ST3、蒸気排出側の配管ET1、ET2がそれぞれ接続されている。これらの蒸気供給側の配管ST1,ST2、ST3の途中にはバルブV1、V2、V3、配管ST1内の蒸気圧を検出する圧力計P1が配設されており、蒸気排出側の配管ET1、ET2は、バルブV6を介してドレン配管14に接続されている。
【0073】
なお、
図5においては、配管ST1に水蒸気を供給するボイラ装置、また、プレス盤10の固定側の下プレス盤10Bに対して上プレス盤10Aを上昇/下降させ加圧するための油圧機構を含むプレス昇降装置は省略する。
【0074】
更に、上プレス盤10A及び下プレス盤10B内に形成された配管路15、16に水蒸気に換えて低温の冷却水を通すことによって所望の温度に冷却する冷却水供給側の配管ST11から分岐された配管ST12、ST13が、上記配管ST2、ST3にそれぞれ接続されている。また、冷却水供給側の配管ST11、ST12、ST13の途中にはバルブV11、V12、V13が配設されている。なお、
図5においては、配管ST11に冷却水を供給する冷却水供給装置は省略する。
【0075】
次に、このように構成された圧密化装置MCを用いて、積層材NWから圧密合板PWを製造する製造工程について
図6の各工程に沿って説明する。まず、
図6(a)において、圧密化装置MCにおける固定側の下プレス盤10Bに対して上プレス盤10Aが上昇し、予め所定の条件に乾燥させた積層材NWを、上プレス盤10A及び下プレス盤10Bで形成される内部空間IS及び位置決め孔18内に載置する。
【0076】
ここで、本第1実施形態において、圧密合板PWの材料となる積層材NWは、所定の寸法(厚さ・幅・長さ)に形成されたものであり、5枚のオイルパーム単板W1、W2、W3、W4、W5の積層面(各単板の境界面に平行)を上プレス盤10A及び下プレス盤10Bの各プレス面に対向させ、下プレス盤10Bの位置決め孔18に載置する。
【0077】
次に、
図6(b)において、固定側の下プレス盤10Bの位置決め孔18上に載置した積層材NWに対して上プレス盤10Aを下降させて積層材NWの上面、即ち、積層面(各単板の境界面に平行)に対して垂直方向に当接させる。この状態において、上プレス盤10Aの配管路15及び下プレス盤10Bの配管路16に所定温度(例えば、110℃〜180℃)の水蒸気を通して、内部空間IS及び位置決め孔18内を所定温度(例えば、110℃〜180℃)に昇温する。この状態においては、内部空間IS及び位置決め孔18で構成される空間は、未だ密閉されていない。
【0078】
次に、固定側の下プレス盤10Bに対して上プレス盤10Aの圧縮力を所定圧力(例えば、5〜70kg/cm
2)に設定し、積層材NWを上プレス盤10A及び下プレス盤10Bにて所定時間(例えば、5分〜40分)加熱圧縮する。なお、このときの圧縮力は、割れを防止するために、積層材NWの温度上昇、即ち、積層材NWの熱伝導(内部の温度上昇)の状態に応じて徐々に昇温することが望ましく、加熱圧縮の時間も熱伝導に要する時間を考慮して設定することが好ましい。この状態においては、内部空間IS及び位置決め孔18で構成される空間は、未だ密閉されていない。
【0079】
次に、
図6(c)において、上プレス盤10Aの周縁部10aが下プレス盤10Bの周縁部10bに当接すると上プレス盤10Aの周縁部10aに配設されたシール部材11によって、上プレス盤10A及び下プレス盤10Bにて形成される内部空間IS及び位置決め孔18が密閉状態となる。この状態において、内部空間IS及び位置決め孔18の密閉状態が維持されると共に、上プレス盤10A及び下プレス盤10Bによる圧縮力が維持された状態で、所定温度(例えば、150〜210℃)まで昇温する。
【0080】
なお、本第1実施形態において、上プレス盤10A及び下プレス盤10Bによって形成される内部空間IS及び位置決め孔18がシール部材11を介して密閉状態となったときにおける内部空間IS及び位置決め孔18の上下方向の寸法間隔は、圧密化後の気乾密度の値が予め設定された値になるように厚さ方向の仕上がり寸法(圧縮率)に設定しておく。このため、積層材NWの厚さ全体の圧縮率、即ち、積層材NWの圧縮による板厚の変化は、上プレス盤10Aの周縁部10aが下プレス盤10Bの周縁部10bに当接することで決まる
こととなる。
【0081】
この状態において、
図6(c)に示す内部空間IS及び位置決め孔18の密閉状態で、上プレス盤10A及び下プレス盤10Bの圧縮力が維持され、且つ、内部空間IS及び位置決め孔18が所定温度(例えば、150〜210℃)に維持されたまま、所定時間(例えば、30分〜120分)保持され、この後の冷却圧縮を解除したときに、戻り(膨張)のない圧密合板PWを形成するための加熱処理が行われる。このとき、上プレス盤10A及び下プレス盤10Bで密閉状態とされている内部空間IS及び位置決め孔18を介して、積層材NWの周囲面とその内部とでは高温高圧の蒸気圧が出入り自在となっている。
【0082】
なお、このように、本第1実施形態においては、積層材NWの表裏面に上プレス盤10A及び下プレス盤10Bが面接触し、密閉状態の内部空間IS及び位置決め孔18に保持されるため、積層材NWは、厚さ全体が十分に加熱され、効率よく圧縮変形されることになる。
【0083】
次に、
図6(d)において、内部空間IS及び位置決め孔18の密閉状態で加熱圧縮処理が行われているときに、蒸気圧制御処理として圧力計P2で内部空間IS及び位置決め孔18の蒸気圧が検出され、バルブV5が適宜、開閉される。これにより、配管口13a、配管13を通って内部空間IS及び位置決め孔18からドレン配管14側に高温高圧の水蒸気が排出されることで、特に、積層材NWの外層部分の含水率に基づく余分な内部空間IS及び位置決め孔18内の水分が除去され、内部空間IS及び位置決め孔18内が所定の蒸気圧となるように調節される。
【0084】
また、必要に応じて、バルブV4に接続された配管12、配管口12a(
図5)を介して内部空間ISに所定の蒸気圧を供給することができる。これらにより、木材の加熱圧縮処理の定着、所謂、木材の固定化がより促進されることとなる。
【0085】
更に、上プレス盤10A及び下プレス盤10Bによる加熱圧縮から冷却圧縮へと移行する直前に、蒸気圧制御処理としてバルブV5が開状態とされることで配管口13a、配管13を通って内部空間IS及び位置決め孔18からドレン配管14側に高温高圧の水蒸気が排出される。
【0086】
次に、
図6(e)において、上プレス盤10Aの配管路15及び下プレス盤10Bの配管路16に常温の冷却水が通されることによって、上プレス盤10A及び下プレス盤10Bが常温前後まで冷却され、材料によって異なる所定時間(例えば、10分〜120分)保持される。なお、このときの固定側の下プレス盤10Bに対する上プレス盤10Aの圧縮力は、加熱圧縮の際の圧力と同じ所定圧力(例えば、5〜70kg/cm
2)に保持されたまま、上プレス盤10A及び下プレス盤10Bが冷却される。
【0087】
最後に、
図6(f)において、固定側の下プレス盤10Bに対して上プレス盤10Aを上昇させ、内部空間IS及び位置決め孔18から仕上がり品である積層合板PWが取出されることで一連の処理工程が終了する。
【0088】
次に、本発明者らは、このようにして製造した圧密合板PWの物性、特に剛性について確認した。具体的には、圧密合板PWの曲げヤング係数を測定し曲げ剛性に優れていることを確認した。更に、本発明者らは、圧密合板PWの接合強度について確認した。本第1実施形態における接合強度の評価には、合板の日本農林規格(JAS)別記3の(3)に規定する「2類浸せきはく離試験」に準拠した方法を採用した(試験法の詳細は後述する)。
【0089】
その結果、圧密化後の圧密合板PWの剛性は、気乾密度を所定の範囲内に制御することにより大きく向上することを確認した。具体的には、圧密化後の気乾密度の値を0.6〜1.4(g/cm
3)の範囲内、好ましくは0.7〜1.1(g/cm
3)の範囲内に制御することにより、曲げヤング係数の値は、3.5〜18.0(GPa)の範囲内となり優れた曲げ剛性を示した。
【0090】
一方、2類浸せきはく離試験は、浸漬による接合部分のはく離の有無を目視で確認するものである。この試験法においても、圧密化後の気乾密度の値を0.6〜1.4(g/cm
3)の範囲内、好ましくは0.7〜1.1(g/cm
3)の範囲内に制御することにより、試験片の側面に現れている接合部分において、はく離していない部分の長さが、当該接合部分の長さの67%以上(詳細は後述する)であることを確認した。はく離していない部分の長さが、接合部分の長さの67%以上であることにより、接合強度が強く優れた圧密合板として用途が広がるものと考えられる。この試験法は、一般の接着剤を使用した合板を対象とするものであるが、本発明において外部から付加した他の接合成分が存在することなく接合された圧密合板PWの各単板の境界面の接合強度を評価する方法としても有効である。
【実施例1】
【0091】
以下、本第1実施形態に係る圧密合板を実施例1により説明する。本実施例1においては、圧密合板PWの圧密化後の気乾密度の値を0.7〜1.1(g/cm
3)の範囲内の3水準に変化させ、圧密合板PWの気乾密度の値と曲げヤング係数及び2類浸せきはく離試験の性能について確認した。
【0092】
A.オイルパーム単板Wの準備
同一のオイルパーム幹材WDからロータリーレースを用いてカツラ剥きに剥いで乾燥した複数のオイルパーム単板Wを準備した。これらのオイルパーム単板Wの寸法は、厚さ約3〜4mm、長さ約300mm、幅約200mmであり、繊維方向(木目方向)を長さ方向とするものと、幅方向とするものの両方を準備した。なお、圧密化前の各オイルパーム単板Wの気乾密度の値は、約0.35(g/cm
3)のものを使用した。
【0093】
B.積層材NWの準備
本実施例1においては、いずれも、上記オイルパーム単板Wを5枚組み合わせて複数の積層材NW(No.1〜3)を準備した。これらの積層材NWは、上述のように、互いに繊維方向を交差(略直交)するように積層して5層からなるものとした。なお、積層材NWを形成するにあたり、各単板の境界面及び最外層表面には接着剤など他の成分を付与することがなかった。
【0094】
C.圧密化
このようにして準備した各積層材NWに対して、上述の圧密化装置MCを使用して圧密化を行った。なお、本実施例1においては同一の材料から気乾密度の値が異なる複数の圧密合板PWを得ることとした。このときの圧密化温度(設定温度)は、180℃とした。
【0095】
本実施例1においては、設定温度に昇温後に同温度の水蒸気を併用し、その処理時間(維持時間)は、全て30分として統一した。また、設定温度に昇温後のプレス圧力は、全て50kg/cm
2として統一した。30分の圧密化処理後、温度を常温まで冷却した後、プレス圧力を解除して圧密化を終了した。なお、圧密化後の気乾密度の値は、予め計算した圧縮厚さにより制御した。このようにして、圧密化された一連の圧密合板PW(No.1〜3)を得た。各圧密合板PW(No.1〜3)の厚さと気乾密度の値を表1に示す。
【0096】
D.物性評価
次に、本実施例1において製造した各圧密合板PWの各種物性を測定し、圧密合板PWの気乾密度の値に対して、これらの物性がどのように影響されるかを評価した。評価項目としては、圧密合板PWの「曲げヤング係数など」、及び、「浸漬による接合部分のはく離」の2項目とした。以下、各評価項目及び評価結果について説明する。
【0097】
a.曲げヤング係数など:
上記各圧密合板PW(No.1〜3)に対して曲げ強度を測定し曲げヤング係数などの強度物性を測定した。具体的には、各圧密合板PWから長さ方向300mm×幅方向40mmの試験片を作製し、この試験片を用いて3点曲げ試験を行った。測定装置としてオートグラフ(島津製作所製)を使用し、スパン長260mm、ヘッドスピード20mm/分で測定した。測定環境は、室温20℃、相対湿度65%の恒温恒湿室内とした。各測定値から曲げヤング係数(GPa)、曲げ強度(MPa)、及び、歪エネルギー(J)を計算した。各圧密合板PWに対して求めた曲げヤング係数などの値を表1に示す。
【0098】
b.浸漬による接合部分のはく離:
上記各圧密合板PW(No.1〜3)に対して、合板の日本農林規格(JAS)別記3の(3)に規定する「2類浸せきはく離試験」に準拠して測定した。具体的には、各圧密合板PWから長さ方向75mm×幅方向75mmの試験片を作製し、この試験片を70℃の温水中に2時間浸漬した。その後、温水中から取り出した試験片を60℃の雰囲気下で3時間乾燥した。
【0099】
この浸漬・乾燥後の試験片において、試験片の側面に現れている接合部分に、はく離が生じているか否かを目視により判断した。判断基準は、はく離していない部分の長さが、50mm以上(接合部分の長さの67%以上)であるものを合格(はく離なし)とした。各圧密合板PWに対する、はく離の有(×)無(○)を表1に示す。
【0100】
【表1】
【0101】
表1から分かるように、気乾密度の値が0.7〜1.1(g/cm
3)にある3つの圧密合板PW(No.1〜3)について、曲げヤング係数の値から良好な剛性を有していることが分かる。特に気乾密度の値が0.9〜1.1(g/cm
3)にある2つの圧密合板PW(No.2、3)は、優れた剛性を有している。これらの値は、通常のラワン材の合板に比べても優位性のある値である。また、3つの圧密合板PW(No.1〜3)は、いずれも2類浸せきはく離試験に合格しており、積層強度が良好であることを示している。
【0102】
以上のことから、本第1実施形態発明によれば、これまで利用されることなく放置されていたオイルパームの幹材を本来の木質材料として有効に利用することにより、新たな産業廃棄物を生み出すことがなく、且つ、各種物性の中でも特に高ヤング係数を有して剛性に優れ、硬質木材にも代わりえる広い用途に使用することのできる圧密合板を提供することができる。
【0103】
第2実施形態:
本第2実施形態は、オイルパーム単板のみからなる圧密合板に関するものであり、単板の各境界面には、オイルパーム材が内部に含有する接合成分と、外部から付加した他の接合成分(接着剤)とが存在し、これらの接合成分の相乗作用により接合されている。また、圧密合板の積層材を構成する各単板のうち最外層の単板の表面に露出した面には、外部から付加した他の接合成分(接着剤)が付加されていない。本第2実施形態に係る圧密合板の製造工程は、上記第1実施形態の製造工程に対して圧密化前に接合する2枚のオイルパーム単板の境界面(以下「境界面」という)に接着剤を塗布する工程が加わる。また、圧密化の際に上記第1実施形態で使用する特殊な圧密化装置を使用することを要しない。その他の工程については、基本的に上記第1実施形態と同様である。
【0104】
以下、各工程に沿って本第2実施形態に係る圧密合板を説明する。本第2実施形態においても、オイルパームの幹材から単板を形成する方法としてロータリーレースによる方法を採用する。その内容については、上述したので省略する。
【0105】
次に、乾燥されたオイルパーム単板Wを組み合わせて積層材NW1を構成する際の境界面に接着剤を塗布する。ここで、接着剤とは、木材の接合、接着に使用することのできる全ての材料をいうものである。特に、本発明においては、接着剤として各種樹脂化合物を使用することが好ましい。これらの樹脂化合物としては、例えば、尿素、メラミン、フェノール、フラン或いはこれらの組合せとホルムアルデヒドとの縮合反応によって得られる化合物或いはその予備縮合物が挙げられる。これらの樹脂化合物は、一般にユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フラン樹脂などと呼ばれており。更に、近年使用されるようになった樹脂化合物としては、ホルムアルデヒドを含まないウレタン樹脂、エポキシ樹脂などを挙げることができる。また、これらの合成樹脂系接着剤を使用する代わりに、天然樹脂系接着剤を使用するようにしてもよい。天然樹脂系接着剤としては、例えば、ラックカイガラ虫が分泌する樹脂状物質であるシェラックなどを挙げることができる。なお、本第2実施形態においては、接着剤として合成樹脂系のフェノール樹脂を使用した。
【0106】
また、これらの接着剤を反応させるために、接着剤に触媒を併用するようにしてもよい。この触媒は、使用する接着剤の種類と反応温度とにより適宜選定すればよい。ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フラン樹脂などのホルムアルデヒド縮合型樹脂の場合には、一般に酸触媒を使用する。本第2実施形態において使用するフェノール樹脂の場合には、酸触媒を併用することにより熱処理温度を低くして処理することができる。一方、フェノール樹脂の場合にも、酸触媒を併用することなく熱処理温度を高くして処理するようにしてもよい。なお、本第2実施形態においては、フェノール樹脂に酸触媒を併用することなく、高温で熱処理する方法を採用した。
【0107】
オイルパーム単板Wの表面へのフェノール樹脂の塗布は、どのような方法で行ってもよいが、オイルパーム単板Wの表面に塗布するフェノール樹脂の量は、従来の木質材料同士を接合するときよりも少なくする。更に、オイルパーム単板Wの表面のみにフェノール樹脂を塗布し、内部にできるだけ浸透させないことを必要とする。従来から使用されている一般の樹種から合板を製造する際には、接合する2枚の単板の両方の表面に十分な量、例えば、固形分にして、500(g/m
2)〜600(g/m
2)の範囲内、或いは、それ以上のフェノール樹脂を塗布している。
【0108】
これに対して、オイルパーム材は密度が小さく組織が粗いため、他の樹種に比べフェノール樹脂の内部への浸透が非常に大きくなる。従って、従来と同程度の量のフェノール樹脂を塗布したのでは、浸透する量が多量となり製造コストが大きくなるだけでなく、各単板の境界面のフェノール樹脂の量が少なくなり接合強度が低くなる。一方、境界面の接合に関与するのは、主に表面近傍の樹脂化合物であり、内部に浸透した樹脂化合物は接合強度に効果を及ぼさない。更に、オイルパーム材の場合には、その内部に含有する接合成分(上述した)と、フェノール樹脂など外部から付加した接着剤との相乗作用により接合されるので接着剤の塗布量が少なくてよい。
【0109】
そこで、本第2実施形態においては、オイルパーム単板Wの表面のみにフェノール樹脂を塗布するという方法を採用する。オイルパーム単板Wの表面へのフェノール樹脂の塗布は、例えば、刷毛塗り、ローラー、スプレー、印捺などの方法で行うことが好ましい。また、塗布するフェノール樹脂の粘度を高くして、オイルパーム単板Wの表面から内部に浸透しにくくするようにしてもよい。
【0110】
このように、本第2実施形態においては、接合後の積層材NW1において、オイルパーム単板Wの厚み方向に対して、境界面近傍にのみフェノール樹脂が存在し中央部には浸透していない状態、或いは、浸透した場合であってもその量が境界面近傍よりもかなり少量である。このことにより、少ないフェノール樹脂の量で強い接合強度を得ることができ、接着剤からのホルムアルデヒドの発散が非常に少ない圧密合板を構成することができる。また、圧密化による圧密合板の製造コストが低減できる。
【0111】
ここで、実用的な接合強度を得ることのできる接着剤(本第2実施形態においてはフェノール樹脂)の塗布量は、1つの境界面に対して、接着剤の固形分にして、50〜500(g/m
2)の範囲内にあることが好ましく、また、60〜300(g/m
2)の範囲内にあることがより好ましい。また、接着剤の塗布は、互いに接合されるオイルパーム単板Wの一方の表面のみに塗布するようにしてもよく、或いは、両方の表面に塗布するようにしてもよい。いずれにしても、1つの境界面に対して、接着剤の総量で、固形分にして、50〜500(g/m
2)の範囲内にあることが好ましい。
【0112】
次に、境界面にフェノール樹脂を塗布したオイルパーム単板Wを複数枚積層して上記第1実施形態と同様にして積層材NW1(
図4のNWを参照)を構成する。オイルパーム単板Wを積層する際の組合せについても、上記第1実施形態と同様である(
図3参照)。
【0113】
次に、積層材NW1の各境界面を接合(圧密化)する。ここで、積層材NW1の圧密化について説明する。本第2実施形態においては、積層材NW1の圧密化には、上記第1実施形態と同じ特殊な圧密化装置を必要する。但し、本第2実施形態においては、接着剤を使用するので通常の合板の製造の際に使用されるホットプレス機などを活用することができる。
【0114】
本第2実施形態においては、境界面にフェノール樹脂を塗布した複数枚のオイルパーム単板Wを積層した積層材NW1を所定の温度で熱処理し、この加温された積層材NW1に対して、積層方向、即ち接合する境界面に垂直の方向から所定の押圧力を加えて押圧処理を行う。この熱処理温度と押圧処理圧力とを所定時間維持することにより、積層材NW1の各オイルパーム単板Wの境界面が接合して圧密合板PW1(
図4のPWを参照)となる。
【0115】
なお、上述のように、加温された積層材NW1に対して押圧処理することに代えて、まず、加温前の押圧処理(冷圧処理)を行ってから、この冷圧された積層材NW1を所定温度に加温して熱処理するようにしてもよい。
【0116】
本第2実施形態における接合条件として、まず、熱処理の所定温度とは、特に限定するものではないが、上述の圧密化装置MCを使用する場合には、上記第1実施形態と同様にしてもよい。但し、本第2実施形態においては、使用する接着剤の反応温度より高温であることが好ましい。一般に、熱処理の所定温度としては、例えば、80〜180℃の温度範囲内であり、好ましくは、130〜180℃の温度範囲内である。なお、本第2実施形態においては、上述のように、フェノール樹脂に酸触媒を併用することなく使用したので、熱処理温度としては、140〜180℃の温度範囲内で熱処理することが好ましい。
【0117】
一方、この温度範囲を維持する時間は、接合する単板の枚数や厚みなどにより適宜選定するものであり、特に限定するものではないが、例えば、1分〜60分の範囲内であり、好ましくは、5分〜30分の範囲内である。
【0118】
また、接合する境界面に垂直の方向から加える所定の圧力とは、接合する単板の枚数や厚みなどにより適宜選定するものであり、特に限定するものではないが、上述の圧密化装置MCを使用する場合には、上記第1実施形態と同様にしてもよい。なお、接合後の気乾密度の値は、予め計算した圧縮厚さにより制御するようにしてもよい。
【0119】
次に、積層材NW1の各境界面が接合された後に、押圧処理圧力を解圧して圧密合板PW1を得る。ここで、押圧処理圧力の解圧は、接合後の圧密合板PW1に対して押圧処理圧力を維持した状態で温度を降下させて冷却し、その後押圧処理圧力を解圧(冷却解圧)するようにしてもよい。また、接合後の圧密合板PW1対して熱処理温度を維持した状態で押圧処理圧力を解圧(高温解圧)し、その後冷却するようにしてもよい。これらの場合において、熱処理温度を維持した状態で押圧処理圧力を解圧(高温解圧)する方が冷却解圧に比べ、処理時間が短縮され圧密合板PW1の製造コストが削減されるので好ましい。
【0120】
ここで、本第2実施形態においては、各オイルパーム単板Wの境界面がフェノール樹脂の反応により強固に接合する。オイルパーム単板Wが上述のように少量のフェノール樹脂で接合する理由については定かではないが、オイルパームの幹材に含まれる樹脂成分や糖類など、即ち、セルロース、ヘミセルロース、リグニン、遊離糖(主にショ糖、グルコース、フルクトースなど)、及び、デンプンの各成分がフェノール樹脂のメチロール基(ホルムアルデヒド基)と反応することにより強固に接合すると共に、圧密合板PW1自体の物性の向上に寄与しているものと考えられる。
【実施例2】
【0121】
以下、本第2実施形態に係る圧密合板を実施例2により説明する。本実施例2においては、圧密合板PWの圧密化後の気乾密度の値を0.7〜1.1(g/cm
3)の範囲内の3水準に変化させ、圧密合板PWの気乾密度の値と曲げヤング係数及び1類浸せきはく離試験(上記第1実施形態より厳しい試験法)の性能について確認した。
【0122】
A.オイルパーム単板Wの準備
上記実施例1と同様にして、同一のオイルパーム幹材WDからロータリーレースを用いてカツラ剥きに剥いで乾燥した複数のオイルパーム単板Wを準備した。これらのオイルパーム単板Wの寸法は、厚さ約5mm、長さ約300mm、幅約200mmであり、繊維方向(木目方向)を長さ方向とするものと、幅方向とするものの両方を準備した。なお、圧密化前の各オイルパーム単板Wの気乾密度の値は、約0.35(g/cm
3)のものを使用した。
【0123】
B.オイルパーム単板Wの表面へのフェノール樹脂の塗布
本実施例2においては、接合成分(接着剤)として、フェノール樹脂HP3000A(旭有機材工業株式会社製)を使用した。このフェノール樹脂HP3000Aの固形分(樹脂成分)は、約70(重量%)であり、その粘度は115(mPa・s/25℃)であった。
【0124】
本実施例2においては、このフェノール樹脂HP3000Aに触媒を併用せず、また、希釈することなく初期粘度を維持したまま、刷毛塗りによりオイルパーム単板Wの一方の表面のみに塗布した。フェノール樹脂HP3000Aの塗布量は、160(g/m
2)であり、固形分(樹脂成分)に換算すると、112(g/m
2)であった。なお、塗布後の各オイルパーム単板Wは、十分に養生した。
【0125】
C.積層材NW1の準備
本実施例2においては、フェノール樹脂HP3000Aを塗布した後のオイルパーム単板Wを5枚組み合わせて、複数の積層材NW1を準備した。これらの積層材NW1は、互いに繊維方向を交差(略直交)するように積層して5層(厚み約25mm)からなるものとした。
【0126】
D.圧密化
このようにして準備した各積層材NW1に対して、上記実施例1と同様に上述の圧密化装置MCを使用して圧密化を行った。なお、本実施例2においては同一の材料から気乾密度の値が異なる複数の圧密合板PWを得ることとした。このときの圧密化温度(設定温度)は、上記実施例1と同様に180℃とした。ここで、熱処理温度を180℃としたのは、フェノール樹脂HP3000Aに触媒を併用していないことから高温処理を必要とするからである。
【0127】
本実施例2においては、上記実施例1と同様に設定温度に昇温後に同温度の水蒸気を併用し、その処理時間(維持時間)は、全て30分として統一した。また、設定温度に昇温後のプレス圧力は、全て50kg/cm
2として統一した。30分の圧密化処理後、温度を常温まで冷却した後、プレス圧力を解除して圧密化を終了した。なお、圧密化後の気乾密度の値は、予め計算した圧縮厚さにより制御した。このようにして、圧密化された一連の圧密合板PW(No.4〜6)を得た。各圧密合板PW(No.4〜6)の厚さと気乾密度の値を表1に示す。なお、得られた圧密合板PW1の各境界面においては、いずれも、フェノール樹脂がオイルパーム単板Wの厚み方向に対して、境界面近傍にのみ多く存在し、中央部にはほとんど浸透していないことを確認した。
【0128】
E.物性評価
次に、本実施例2において製造した各圧密合板PW1の各種物性を測定し、圧密合板PW1の気乾密度の値に対して、これらの物性がどのように影響されるかを評価した。評価項目としては、圧密合板PW1の「曲げヤング係数など」、及び、「浸漬による接合部分のはく離」の2項目とした。以下、各評価項目及び評価結果について説明する。
【0129】
a.曲げヤング係数など:
上記各圧密合板PW1(No.4〜6)に対して曲げ強度を測定し曲げヤング係数などの強度物性を測定した。具体的には、上記実施例1と同様にして、曲げヤング係数(GPa)、曲げ強度(MPa)、及び、歪エネルギー(J)を計算した。各圧密合板PW1に対して求めた曲げヤング係数などの値を表2に示す。
【0130】
b.浸漬による接合部分のはく離:
上記各圧密合板PW1(No.4〜6)に対して、合板の日本農林規格(JAS)別記3の(3)に規定する「1類浸せきはく離試験」による評価を行った。まず、各圧密合板PW1から長さ方向75mm×幅方向75mmの試験片を作製し、この試験片を沸騰水中に4時間浸漬した後、60℃±3℃の雰囲気下で20時間乾燥した。更に、試験片を再度沸騰水中に4時間浸漬した後、60℃±3℃の雰囲気下で3時間乾燥した。その結果、いずれの圧密合板PW1も本規格に適合(はく離なし)するものであり、はく離の有(×)無(○)を表2に示す。
【0131】
【表2】
【0132】
表2から分かるように、気乾密度の値が0.7〜1.1(g/cm
3)にある3つの圧密合板PW(No.4〜6)について、曲げヤング係数の値から優れた剛性を有していることが分かる。これらの値は、通常のラワン材の合板に比べても優位性のある値である。また、3つの圧密合板PW(No.4〜6)は、いずれも厳しい1類浸せきはく離試験に合格しており、積層強度が良好であることを示している。
【0133】
以上のことから、本第1実施形態発明によれば、これまで利用されることなく放置されていたオイルパームの幹材を本来の木質材料として有効に利用することにより、新たな産業廃棄物を生み出すことがなく、且つ、各種物性の中でも特に高ヤング係数を有して剛性に優れ、硬質木材にも代わりえる広い用途に使用することのできる圧密合板を提供することができる。
【0134】
第3実施形態:
本第3実施形態は、オイルパーム単板と他樹種の単板とからなる圧密合板に関するものであり、圧密合板の積層材を構成する各単板のうち最外層の単板(表裏両面の単板)としてオイルパーム単板に替えて、他樹種(本第3実施形態においては、アカシアマンギウムを使用した)の幹材からロータリーレースにより形成した単板を使用した。その他の製造工程、接着剤の種類及び塗布量、気乾密度、物性評価などの条件は、上記第2実施形態と同様にして行った。本第3実施形態に係る圧密合板は、表裏両面にアカシアマンギウムの木目と艶が表現されており、審美性に優れた圧密合板となった。また、圧密合板を構成する単板の各境界面には、オイルパーム材が内部に含有する接合成分(上述した)と、外部から付加した他の接合成分(接着剤)とが存在し、これらの相乗作用により接合されている。ここでは、具体的な実施例とその評価結果の詳細は省略するが、上記第2実施形態と同様に良好な剛性及び他の物性結果を得た。
【0135】
第4実施形態:
本第4実施形態は、オイルパーム単板のみからなる圧密合板に関するものであり、圧密合板の積層材を構成する各単板のうち最外層の単板の表面に露出した面(表裏両面)にも接着剤(本第4実施形態においてはフェノール樹脂)が塗布されている。その他の製造工程、接着剤の種類及び塗布量、気乾密度、物性評価などの条件は、上記第2実施形態と同様にして行った。従って、本第4実施形態に係る圧密合板においては、積層材を構成する各単板の境界面及び積層材の表面(境界面を構成しない面)の全てに亘り、フェノール樹脂が塗布された状態で圧密化が行われている。また、積層材の表面に塗布されたフェノール樹脂による表面効果が表れる。また、製造工程において上述の圧密化装置MCのプレス盤の盤面にオイルパーム材が内部に含有する接合成分が固着することがなく、製造容易性に優れている。ここでは、具体的な実施例とその評価結果の詳細は省略するが、上記第2実施形態と同様に良好な結果を得た。
【0136】
なお、本発明の実施にあたり、上記各実施形態に限らず次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)上記各実施形態においては、オイルパーム幹材からオイルパーム単板を形成する際にロータリーレースを使用するが、これに限るものではなく、例えば、挽板により製材するようにしてもよい。
(2)上記各実施形態においては、5枚のオイルパーム単板を積層するものであるが、これに限るものではなく、2枚〜4枚、或いは、6枚以上のオイルパーム単板を積層して圧密化するようにしてもよい。
(3)上記各実施形態においては、オイルパーム単板の繊維方向を互いに交差(略直交)するように積層して積層材を構成したが、これに限るものではなく、オイルパーム単板の繊維方向を互いに平行にして積層するようにしてもよい。また、オイルパーム単板の繊維方向を直交方向ではない任意の角度に交差させて積層するようにしてもよい。
(4)上記各実施形態においては、オイルパーム単板の繊維方向を互いに交差(略直交)するように積層して積層材を構成したが、これに限るものではなく、多層からなる積層材の表層付近だけを積層するようにしてもよい。例えば、7層からなる積層材を構成する場合に、表裏両面から2層のみの繊維方向を交差させ、内部の3層は平行にして積層するようにしてもよい。
(5)上記第1実施形態においては、積層材を所定温度で処理する際に、高温の水蒸気を併用するものであるが、これに限るものではなく、処理空間(内部空間IS)内に液体の水を供給しておき、この水から発生する水蒸気により圧密化するようにしてもよく、或いは、熱圧処理においてオイルパーム単板が含有する水分によって圧密化するようにしてもよい。
(6)上記第2実施形態においては、各単板の接着剤としてフェノール樹脂を使用するが、これに限るものではなく、オイルパーム単板同士、或いは、オイルパーム単板と他樹種単板とを接合することのできる材料を使用すればよい。フェノール樹脂以外の接着剤としては、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などの合成樹脂、又は、シェラックなどの天然樹脂を挙げることができる。
(7)上記第2実施形態においては、各単板の境界面の全てに接着剤を塗布するが、これに限るものではなく、一部の境界面のみに接着剤を塗布するようにしてもよい。
(8)上記第2実施形態においては、圧密化に特殊な圧密化装置を使用するが、これに限るものではなく、第2実施形態においては通常のホットプレス機を使用するようにしてもよい。
(9)上記第3実施形態においては、積層材の表裏両面に2枚のアカシアマンギウム単板を使用して積層するものであるが、これに限るものではなく、他の樹種の単板を使用して圧密合板を製造するようにしてもよい。
(10)上記第3実施形態においては、積層材を構成する各単板の境界面及び積層材の表面(境界面を構成しない面)の全てに亘り、接着剤(この場合にはフェノール樹脂)が塗布されたものであるが、これに限るものではなく、積層材の表面(境界面を構成しない面)のみに接着剤を塗布し、各単板の境界面には接着剤を塗布しないようにしてもよい。