特許第6861982号(P6861982)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 井上金物株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6861982-棚受け具 図000002
  • 特許6861982-棚受け具 図000003
  • 特許6861982-棚受け具 図000004
  • 特許6861982-棚受け具 図000005
  • 特許6861982-棚受け具 図000006
  • 特許6861982-棚受け具 図000007
  • 特許6861982-棚受け具 図000008
  • 特許6861982-棚受け具 図000009
  • 特許6861982-棚受け具 図000010
  • 特許6861982-棚受け具 図000011
  • 特許6861982-棚受け具 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6861982
(24)【登録日】2021年4月2日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】棚受け具
(51)【国際特許分類】
   A47B 57/48 20060101AFI20210412BHJP
   A47B 96/06 20060101ALI20210412BHJP
   F16B 12/12 20060101ALI20210412BHJP
   F16B 13/06 20060101ALI20210412BHJP
【FI】
   A47B57/48 D
   A47B57/48 B
   A47B96/06 B
   A47B96/06 H
   F16B12/12 B
   F16B13/06 A
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-202695(P2016-202695)
(22)【出願日】2016年10月14日
(65)【公開番号】特開2018-61765(P2018-61765A)
(43)【公開日】2018年4月19日
【審査請求日】2019年8月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】592245890
【氏名又は名称】井上金物株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076473
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100112900
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 路子
(74)【代理人】
【識別番号】100136995
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 千織
(74)【代理人】
【識別番号】100163164
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 敏之
(72)【発明者】
【氏名】中野 智樹
【審査官】 七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】 実開平03−129329(JP,U)
【文献】 特開昭53−038464(JP,A)
【文献】 特表平09−507099(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 57/48
A47B 96/06
F16B 12/12
F16B 13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納部両側の側壁に設けた差込穴に差し込まれる棚ダボと、棚板の両側底部に取り付けられ、該棚ダボの該側壁からの突出部に嵌合されるダボ受け部材と、を備えた棚受け具において、
該棚ダボは、ダボピンと該ダボピンの外周部に外嵌される拡径スリーブとからなり、該ダボピンの末端部に、末端側に向かってテーパ状に拡径する末端テーパ部が設けられ、該ダボピンの先端部に、先端側に向かって拡径する先端テーパ部が設けられ、該拡径スリーブは、該ダボピンの該末端テーパ部によって拡径され、
前記ダボ受け部材は、平板部上に本体部及び位置決め部が突設され、該本体部には、該ダボピンの該先端テーパ部が嵌入される嵌入凹部が、該本体部の底面に開口して設けられ、該嵌入凹部の前面側にピン用溝が設けられ、該ダボピンの軸部が該ピン用溝に嵌入され、該嵌入凹部には、該ダボピンの該先端テーパ部に当接するテーパ面を有するテーパ凹部が設けられ、
該ダボ受け部材は、前記棚板の両側端部に設けた取付孔に、該本体部及び該位置決め部を嵌入して取り付けられ、
該位置決め部は、該ダボ受け部材の長手方向の中心線上に、該本体部から離れて位置するように突設され、該側壁側の該棚ダボを該ダボ受け部材に嵌入させた状態で、該中心線は該棚ダボの軸中心と一致することを特徴とする棚受け具。
【請求項2】
前記棚ダボの拡径スリーブに、スリットが円筒部の軸方向に開口して設けられたことを特徴とする請求項1記載の棚受け具。
【請求項3】
前記拡径スリーブの円筒部の先端部に、フランジ部設けられ、前記ダボ受け部材の前面にはフランジ用スペースが設けられ、該ダボ受け部材を取り付けた棚板を前記棚ダボが保持した時、該フランジ部が該フランジ用スペース内に進入し且つ該フランジ部の前面が前記ダボ受け部材の前面に設けた当接面に当接することを特徴とする請求項1記載の棚受け具。
【請求項4】
前記拡径スリーブの外周に抜け止め用の凹凸部が設けられたことを特徴とする請求項1記載の棚受け具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャビネット、本棚、食器棚などの家具類に使用される、棚板を受ける棚受け具に関し、特に簡単な取り付けで、棚板や家具の強度が増し、着脱も容易にできる棚受け具に関する。
【背景技術】
【0002】
本棚、食器棚等の棚板を収納部内に取り付ける場合、一般に、収納部の両側壁の4箇所に、棚ダボ用の差込穴を設け、それらの差込穴に、ピン状の棚ダボを差し込んで取り付け、棚ダボ上に棚板を水平に載置して、棚板の取り付けを行う。
【0003】
しかし、この種の棚受け具は、棚板がそのまま棚ダボ上に載置されるのみ、或いは棚板の当接部分に凹部を穿設し、そこに棚ダボを嵌め込むのみであるため、振動などにより、棚板が動いてずれたり、ぐらついたりする問題があった。
【0004】
そこで、従来、下記特許文献1などにおいて、棚板の両側端部の底面に、凹部を穿設し、それらの凹部に、下側から棚ダボ受け具を嵌着した構造の棚板取付装置が提案されている。
【0005】
この棚板取付装置は、棚板の両側端底部に設けた凹部内に、合成樹脂製の棚ダボ受け具を底面側から嵌め込み、収納部の両側壁に設けた差込穴には、棚ダボを嵌入し、側壁から突出した棚ダボの突出部を、棚ダボ受け具内に設けた挟持片に嵌入して挟持させ、且つロックレバーのロック片により、棚ダボを棚ダボ受け具内に係止して、棚板を棚ダボ受け具内に保持させるように構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記棚板取付装置の棚ダボ受け具は、内部に別部材のロックレバーを傾動可能に嵌入するなど、複雑な内部構造を有しているため、外形形状が大型化し、棚板の底部の4箇所に設ける凹部の形状(深さや内径)が大形となるため、製造コストが嵩み、比較的薄く小形の棚板には、適用が難しい。
【0008】
また、上記棚板取付装置は、収納部の両側壁の4箇所にダボ用の差込穴を穿設し、それらの差込穴に棚ダボが差し込まれて取り付けられる。これらの棚ダボは、従来のものと同様、単純なピン状に形成され、側壁に穿設した棚ダボ用の差込穴に、ピン状の棚ダボが差し込んで取り付けられる。
【0009】
このため、例えば上記棚板取付装置が本棚等の棚受け具に使用され、書籍などの重量物が繰り返し棚板に載置され、過大な荷重が棚ダボの曲げ方向に繰り返し印加された場合、短期間のうちに、棚ダボの取り付け状態に緩みが生じ、棚受け状態が不安定なり、或いは棚ダボが差込穴から抜けてしまう課題があった。
【0010】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、簡単に着脱でき、長期にわたり棚板をぐらつくことなく安定して保持することができる棚受け具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る棚受け具は、収納部両側の側壁に設けた差込穴に差し込まれる棚ダボと、棚板の両側底部に取り付けられ、該棚ダボの該側壁からの突出部に嵌合されるダボ受け部材と、を備えた棚受け具において、
該棚ダボは、ダボピンと該ダボピンの外周部に外嵌される拡径スリーブとからなり、該ダボピンの末端部に、末端側に向かってテーパ状に拡径する末端テーパ部が設けられ、該ダボピンの先端部に、先端側に向かって拡径する先端テーパ部が設けられ、該拡径スリーブは、該ダボピンの該末端テーパ部によって拡径され、
前記ダボ受け部材は、平板部上に本体部及び位置決め部が突設され、該本体部には、該ダボピンの該先端テーパ部が嵌入される嵌入凹部が、該本体部の底面に開口して設けられ、該嵌入凹部の前面側にピン用溝が設けられ、該ダボピンの軸部が該ピン用溝に嵌入され、該嵌入凹部には、該ダボピンの該先端テーパ部に当接するテーパ面を有するテーパ凹部が設けられ、
該ダボ受け部材は、前記棚板の両側端部に設けた取付孔に、該本体部及び該位置決め部を嵌入して取り付けられ、
該位置決め部は、該ダボ受け部材の長手方向の中心線上に、該本体部から離れて位置するように突設され、該側壁側の該棚ダボを該ダボ受け部材に嵌入させた状態で、該中心線は該棚ダボの軸中心と一致することを特徴とする。
【0012】
この発明の棚受け具によれば、ダボ受け部材は本体部に嵌入凹部を設けた簡単な構造であり、棚ダボはダボピンに拡径スリーブを外嵌させるだけでよいため、棚受け具は極めて簡単に構成することができる。また、棚ダボをキャビネット等の収納部両側の側壁に取り付ける場合、ダボピンの外周に拡径スリーブが外嵌されているので、側壁に設けた差込穴に棚ダボを差し込むのみで、棚ダボを側壁に、簡単に着脱することができる。さらに、ダボ受け部材は、棚板の底部に設けた取付孔に、本体部及び位置決め部を下側から嵌め込むのみで、工具等を使わずに簡単に取り付けることができる。
また、位置決め部が平板部上の本体部から離れた位置に突設されるため、ダボ受け部材の棚板に対する角度位置を常に一定にした状態で、ダボ受け部材を棚板に簡単に取り付けることができる。しかも、その位置決め部が、ダボ受け部材の長手方向の中心線上に突設されるので、ダボ受け部材の棚板への取り付け時、取付孔に本体部と位置決め部を嵌入するのみで、適正な位置と角度位置をもって、ダボ受け部材を簡単に取り付けることができる。
さらに、側壁側の棚ダボに棚板側のダボ受け部材を嵌合させたとき、ダボ受け部材の中心線が棚ダボの軸中心と一致して嵌め込まれるので、側壁面に対し棚板及びダボ受け部材が確実に直角状態となり、棚板を簡単に且つ強固に取り付けることができる。
【0013】
使用時、棚板の両側底部にダボ受け部材を取り付けた状態で、棚板を棚ダボの突出部上に載置すると、棚ダボのダボピンの先端テーパ部がダボ受け部材の嵌入凹部内に嵌入し、テーパ凹部のテーパ面に当接する。このとき、ダボピンの先端テーパ部はテーパ凹部から突出方向に引出力を受け、これに伴いダボピンの末端テーパ部が拡径スリーブを拡径させるように作用する。
【0014】
この拡径作用により、棚ダボの拡径スリーブは差込穴内で強固に固定され、また同時に、棚ダボのダボピンは、その先端テーパ部が嵌入凹部内のテーパ凹部から引出方向に引出力を受け、その位置でテーパ凹部と先端テーパ部を介して、ダボピンはダボ受け部材に対し強固に固定される。このとき、棚板と側板が、棚ダボとダボ受け部材を介して、強く引き付けられるため、棚板及び家具全体の強度を高めることができる。よって、棚受け具の棚ダボとダボ受け部材は、長期にわたり棚板をぐらつくことなく安定して保持することができる。
【0015】
さらに、棚板の位置を変えたい場合、取り付けた状態の棚板を、持ち上げるだけで、拡径スリーブが元の状態に戻るため、棚ダボを差込穴(ダボ穴)から工具なしで容易に外し、別の差込穴に繰り返し簡単に差し込むことができる。このため、従来のねじ込み式の棚ダボなどに比べ、差込穴を傷めずに繰り返し簡便に使用することができる。
【0016】
ここで、上記棚ダボの拡径スリーブには、円筒部の軸方向にスリットを開口して形成することが好ましい。これによれば、拡径スリーブをダボピンの外周部に嵌める際、開口するスリットを通して、ダボピンを拡径スリーブ内に簡単に嵌め込むことができる。
【0017】
またここで、拡径スリーブの円筒部の先端部に、フランジ部を設け、ダボ受け部材の前面にはフランジ用スペースを設け、ダボ受け部材を取り付けた棚板を棚ダボが保持した時、フランジ部がフランジ用スペース内に進入し且つフランジ部の前面がダボ受け部材の前面に設けた当接面に当接するように構成することが好ましい。これによれば、棚板の取付時、拡径スリーブのフランジ部がフランジ用スペース内に進入し且つダボ受け部材の当接面に当接するため、がたつきなく安定して棚ダボをダボ受け部材に保持させることができる。
【0018】
さらに、拡径スリーブの外周に抜け止め用の凹凸部を設けることが好ましい。これにより、棚ダボを側壁の差込穴に軽く差し込むだけで、拡径スリーブの凹凸部が差込穴内で保持されて仮固定することができる。また、棚板を取り付けて拡径スリーブを拡径させた状態では、より強固に棚ダボを差込穴に固定することができる。外周に凹凸部を有した拡径スリーブは、合成樹脂の型成形により、簡単に形成することができ、使用時の抜け止め固定機能も向上させることができる。
【発明の効果】
【0021】
この発明の棚受け具によれば、簡単な構成で、長期にわたり棚板をぐらつくことなく、安定して保持することができる
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態を示す棚受け具の断面図である。
図2】ダボ受け部材の正面図である。
図3】ダボ受け部材の右側面図である。
図4】ダボ受け部材の平面図である。
図5】ダボ受け部材の底面図である。
図6】(a)はダボ受け部材の斜視図、(b)はダボ受け部材を底面側から見た斜視図である。
図7】(a)は棚ダボの斜視図、(b)は反対側から見た棚ダボの斜視図である。
図8】(a)は棚ダボのダボピンと拡径スリーブの左側面図、(b)はその平面図である。
図9】(a)は棚ダボのダボピンと拡径スリーブの斜視図、(b)は反対側から見た斜視図である。
図10】棚板にダボ受け部材を取り付ける際の拡大断面図である。
図11】棚受け具を取り付けて、棚板を取り付ける際の断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。本発明の棚受け具1は、図1に示すように、キャビネット6の収納部両側の側壁7に設けた差込穴8に差し込まれる棚ダボ2と、棚板9の両側底部に取り付けられ、棚ダボ2の側壁からの突出部に嵌合されるダボ受け部材3と、から構成される。
【0024】
図7図9に示すように、棚ダボ2は、ダボピン21とダボピン21の外周部に外嵌される拡径スリーブ25とから構成される。ダボピン21は、図8に示す如く、頭部と末部に大径部を設けたピン状に、鉄、アルミニウム合金などの非鉄金属等により形成され、ダボピン21の中間部つまり頭部と末部の間は、円柱状の軸部24となっている。ダボピン21の末端部には、末端側(図8の左側)に向かってテーパ状(円錐状)に拡径する末端テーパ部22が設けられる。一方、ダボピンの先端部(図8の右側の頭部)に、先端側に向かってテーパ状(円錐状)に拡径する先端テーパ部23が設けられる。図8のように、ダボピン21の軸部24には、拡径スリーブ25が外嵌される。
【0025】
拡径スリーブ25は、合成樹脂により一体成形され、図7図9に示すように、円筒部26の先端部に、大径のフランジ部28が形成される。拡径スリーブ25は、ダボピン21の軸部24に外嵌されるが、そのために、円筒部26とフランジ部28に、スリット27(切り込み)が軸方向と平行に、開口して形成される。一方の側のスリット27は、先端部から末端部まで連続して形成され、他方の側のスリット27は、円筒部26にのみ形成される。
【0026】
さらに、円筒部26とフランジ部28の外周部に、抜け止め防止用の凹凸部29が形成される。これにより、図1のように、棚ダボ2を差込穴8に差し込んだとき、定位置で容易に止まるとともに、棚板9の底部のダボ受け部材3を棚ダボ2に嵌め込み、拡径スリーブ25を拡径させたとき、凹凸部29が穴の内周面に圧接され、がたつくことなく、良好に嵌着されるようになっている。
【0027】
スリット27を開口形成した拡径スリーブ25は、拡径方向に弾性変形可能であり、且つ図9に示すように、スリット27を通して、ダボピン21の外周部に外嵌可能となっている。したがって、図7のように、ダボピン21の軸部24に拡径スリーブ25が外嵌された状態で、拡径スリーブ25の位置を静止させ、図1のように、ダボピン21を、先端テーパ部23側軸方向に沿って荷重を印加したとき、末端テーパ部22の作用により、拡径スリーブ25が拡径して拡径力(外周方向への押圧力)を発生するようになっている。このダボピン21に対する軸方向への荷重は、棚板9のダボ受け部材3を棚ダボ2の先端側に嵌め込むことにより、発生する。なお、図1に示すように、末端テーパ部22のテーパ面に対応するテーパ面を、拡径スリーブ25の末端内側に設けることが好ましいが、設けなくてもかまわない。
【0028】
ダボ受け部材3は、図2図6に示すように、平板部35上に、本体部31を突設し、本体部31の底面に開口して嵌入凹部32を形成し、平板部35上の離れた位置に、位置決め部37を突設して形成される。このようなダボ受け部材3は合成樹脂により一体成形することができる。なお、嵌入凹部32は図に示す如く、上方を開口して形成することもできる。ダボ受け部材3の本体部31の平面形状は、図4図6に示す如く、略円形に形成され、棚板9の両側底部に穿設される円形の取付孔9aに、本体部31を嵌入できるようにしている。
【0029】
本体部31の嵌入凹部32内には、図1図5図6(b)に示すように、テーパ凹部33が、棚ダボ2のダボピン21の先端テーパ部23に対応したテーパ形状をもって形成される。このテーパ凹部33は、嵌入凹部32内にダボピン21の先端テーパ部23が嵌入されたとき、先端テーパ部23のテーパ面がテーパ凹部33のテーパ面33aに当接し、ダボピン21の軸方向先端側に向けて移動力が印加されように形成される。テーパ面33aは、図5,6に示す如く、テーパ凹部33内の両側面に、略半円周状の傾斜曲面として形成される。
【0030】
つまり、嵌入凹部32内のテーパ凹部33は、図11に示すように、棚ダボ2を側壁7の差込穴8に差し込み、差込穴8から突き出した突出部の上に、棚板9の底部のダボ受け部材3を、上方から嵌め込んだとき、テーパ凹部33のテーパ面33aが先端テーパ部23を上方から押し、ダボピン21に対し、テーパ面を介してその軸方向先端側に移動力を生じさせるようになっている。
【0031】
さらに、図6に示すように、本体部31の前面に当接面36が平坦な垂直面として形成され、その当接面36の中央にピン用溝34が、底面から開口しテーパ凹部33と連通して形成される。このピン用溝34には、棚ダボ2の突出部の上にダボ受け部材3を上方から嵌め込むとき、ダボピン21の軸部24が進入する。
【0032】
上記本体部31の前面の当接面36には、図1に示すように、棚ダボ2とダボ受け部材3との嵌合時、棚ダボ2の拡径スリーブ25のフランジ部28の正面が当接する。このために、本体部31の当接面36の前には、フランジ用スペース39が生じるように、ダボ受け部材3の平板部35の前部両側に、突出部35a(図6)が設けられている。これにより、棚板9の底部に設けた取付孔9aにダボ受け部材3の本体部31が嵌入された状態で、図11に示す如く、本体部31の当接面36の前には、フランジ用スペース39が生じる。
【0033】
また、図4図6に示すように、本体部31の外周部の当接面側に、抜止め用の凹凸部38が形成され、本体部31の外周部高さ方向に多数の凸条38aが形成される。多数の凸条38aは高さ方向に沿って形成されるため、ダボ受け部材3の本体部31を、棚板9の底部の取付孔9aに容易に嵌入することができる。また、抜け止め用の凹凸部38は、ダボ受け部材3を嵌入するのみで、ダボ受け部材3の棚板9への取付を、確実且つ容易にできるようになっている。
【0034】
さらに、平板部35上には、本体部31から離れた位置に、位置決め部37が突設される。この位置決め部37は、棚板9の底部に設けた位置決め用の取付孔9bに嵌入され、ダボ受け部材3を棚板9の取付孔に嵌入したとき、ダボ受け部材3を適正な位置と角度で取り付けることができる。
【0035】
図4に示す如く、位置決め部37は、ダボ受け部材3の長手方向の中心線S上に、本体部31から離れて位置するように突設される。これにより、棚板9の底部両側端部に、本体部31用の取付孔9a及び位置決め部37用の取付孔9bを定位置に穿設すれば、ダボ受け部材3をそこに嵌入して取り付けたとき、ダボ受け部材3の中心線Sが側壁7側の棚ダボ2の軸中心と一致するようになっている。位置決め部37の外周部には、位置決め部37用の取付孔9bに差し込みやすく、且つその差込状態が保持されるように、多数の凸条37aが設けられる。
【0036】
次に、上記構成の棚受け具1の使用態様を、図を参照して説明する。家具等のキャビネット6の収納部内に棚板9を取り付ける場合、棚板9の両側端部の底部には、図10に示すように、予め取付孔9aと取付孔9bが、所定位置に底面から穿設され、収納部の側壁7には、棚ダボ用の差込穴8が穿設される。
【0037】
棚板9の底部に穿設する取付孔9aと取付孔9bの直径は、ダボ受け部材3の本体部31及び位置決め部37が取付孔9aと取付孔9bに、容易に圧入可能(または差し込み可能)な寸法に形成される。また、側壁7の差込穴8の直径も、ダボピン21に拡径スリーブ25を外嵌した棚ダボ2を、容易に差し込むことができる寸法に形成される。
【0038】
このような棚板9底部の取付孔9aと取付孔9bに、図10に示す如く、ダボ受け部材3の本体部31と位置決め部37が嵌入される。このとき、図1に示すように、平板部35の上面が棚板9の底面に接する位置までダボ受け部材3は圧入され、または差し込まれる。一方、側壁7の差込穴8には、図11に示すように、ダボピン21に拡径スリーブ25を外嵌した棚ダボ2が差し込まれる。このとき、ダボピン21の先端テーパ部23及び拡径スリーブ25のフランジ部28は、差込穴8から突出した状態となる。
【0039】
上記のように、棚ダボ2とダボ受け部材3は、簡単に差込穴8または取付孔9a,9bに差し込むことができるように形成されるため、棚ダボ2とダボ受け部材3の差し込み作業は、工具を用いずに行うことができる。このため、例えばキャビネット6を使用する一般の使用者が、自力で作業する場合でも、簡単に棚ダボ2とダボ受け部材3と取り付けることができる。また、使用者が、棚板9の高さ位置を変更したい場合、予め側壁7の差込穴8及び棚板9底部の取付孔9aと取付孔9bが穿設されておれば、使用者は簡便に棚板9の高さ変更を行うことができる。
【0040】
棚板9をキャビネット6内にセットする場合、棚板9底部のダボ受け部材3を、図11に示すように、差込穴8から突出した棚ダボ2の突出部に対し、真上から真下に向けて押し下げて、ダボピン21の先端テーパ部23を嵌入凹部32のテーパ凹部33内に嵌入させる。
【0041】
このとき、棚ダボ2の拡径スリーブ25のフランジ部28は、フランジ用スペース39内に進入し、フランジ部28の前面がダボ受け部材3の当接面36に当接しながら、相対的に上方に移動し、ダボ受け部材3が下側に移動する。このとき、ダボピン21の軸部24はピン用溝34に嵌入する。また、ダボ受け部材3のテーパ凹部33のテーパ面33aがダボピン21の先端テーパ部23を押圧することにより、ダボピン21が突き出す方向(図11の右側)に移動し、フランジ部28の前面がダボ受け部材3の当接面36に当接しているため、ダボピン21の末端テーパ部22が棚ダボ2の拡径スリーブ25を拡径方向に押圧する。
【0042】
このため、棚板9を押し下げると、その底部のダボ受け部材3の嵌入凹部32が棚ダボ2の突出部に嵌合し、テーパ凹部33のテーパ面33aがダボピン21の先端テーパ部23を突き出し方向に移動させ、これに伴い、棚ダボ2の拡径スリーブ25が拡径し、棚ダボ2は差込穴8内で拡径状態となり、棚ダボ2の拡径スリーブ25の外周部が差込穴8の内周面に密着する。
【0043】
これにより、棚ダボ2は、側壁7の差込穴8内でがたつくことなく固定され、ダボ受け部材3は、ダボピン21の先端テーパ部23により、テーパ面33aを介して側壁7側に押圧力を受け、これにより、ダボ受け部材3とともに棚板9が側壁7側に押圧され、固定される。
【0044】
また、棚板9を押し下げてダボ受け部材3を棚ダボ2の適正位置に嵌め込んだとき、緊密に嵌合され、ダボ受け部材3と棚ダボ2の嵌合状態に生じやすいがたつきを防止することができる。
【0045】
このように、棚ダボ2は、側壁7の差込穴8に差し込み、ダボ受け部材3は、棚板9の底部に設けた取付孔9a,9bに、本体部31と位置決め部37を、押し込むのみの簡単な操作で、棚受け具1を簡単に取り付けることができ、一般の使用者が自力で工具などを用いずに簡便に取り付けることができる。また、棚板9は、所定位置で押し下げれば、ダボ受け部材3の嵌入凹部32が棚ダボ2の突出部に嵌合し、拡径スリーブ25が拡径して棚ダボ2が固定され、ダボ受け部材3が棚ダボ2に押圧固定されるので、使用者は簡単な操作で、棚板9を適正位置に取り付けることができる。さらに、取付状態の棚受け具1は、棚ダボ2の拡径スリーブ25が差込穴8内で拡径された固定され、ダボ受け部材3は、ダボピン21の先端テーパ部23により、テーパ面33aを介して側壁7側に押圧された状態を保持するため、棚板9に大重量の書籍などを載置した場合でも、棚板9をがたつかせずに安定して長期間にわたり保持することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 棚受け具
2 棚ダボ
3 ダボ受け部材
6 キャビネット
7 側壁
8 差込穴
9 棚板
9a 取付孔
9b 取付孔
21 ダボピン
22 末端テーパ部
23 先端テーパ部
24 軸部
25 拡径スリーブ
26 円筒部
27 スリット
27 拡径スリーブ
28 フランジ部
29 凹凸部
31 本体部
32 嵌入凹部
33 テーパ凹部
33a テーパ面
34 ピン用溝
35 平板部
35a 突出部
36 当接面
37 位置決め部
37a 凸条
38 凹凸部
38a 凸条
39 フランジ用スペース

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11