(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6862004
(24)【登録日】2021年4月2日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】可撓性バッグを保持する剛性ハウジング
(51)【国際特許分類】
C12M 1/00 20060101AFI20210412BHJP
【FI】
C12M1/00 D
【請求項の数】10
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2018-535332(P2018-535332)
(86)(22)【出願日】2017年1月4日
(65)【公表番号】特表2019-500883(P2019-500883A)
(43)【公表日】2019年1月17日
(86)【国際出願番号】EP2017050103
(87)【国際公開番号】WO2017118643
(87)【国際公開日】20170713
【審査請求日】2019年12月4日
(31)【優先権主張番号】1600319.6
(32)【優先日】2016年1月8日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】597064713
【氏名又は名称】サイティバ・スウェーデン・アクチボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(74)【代理人】
【識別番号】100207158
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 研二
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(74)【代理人】
【識別番号】100115462
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 猛
(74)【代理人】
【識別番号】100151286
【弁理士】
【氏名又は名称】澤木 亮一
(72)【発明者】
【氏名】ギバウアー,クラウス
(72)【発明者】
【氏名】トールハイム,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】オーケルストローム,パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン,パトリック
【審査官】
小金井 悟
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2012/0282688(US,A1)
【文献】
特表2015−509738(JP,A)
【文献】
中国実用新案第201512534(CN,U)
【文献】
特開2010−142143(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3017517(JP,U)
【文献】
国際公開第2015/039034(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0157994(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12M 1/00− 3/10
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部(3、3c、3d、3e、3f、73、83、103)と、少なくとも1つの壁部(5、5b、5c、75、85、105)とを備える剛性ハウジング(1a、1b、1c、1d、1e、70、80、101)であって、前記底部(3、3c、3d、3e、3f、73、83、103)と前記少なくとも1つの壁部(5、5b、5c、75、85、105)は共に、前記底部(3、3c、3d、3e、3f、73、83、103)が処理位置で前記少なくとも1つの壁部(5、5b、5c、75、85、105)の下に設けられたときに内部容積を画定し、前記剛性ハウジング(1a、1b、1c、1d、1e、70、80、101)は、可撓性バッグを前記内部容積内に保持するように構成され、前記底部(3、3c、3d、3e、3f、73、83、103)は、回転軸を中心に回転可能であり、前記回転軸は、前記剛性ハウジング(1a、1b、1c、1d、1e、70、80、101)の長手方向軸(A)に実質的に平行であり、前記底部(3、3c、3d、3e、3f、73、83、103)は、前記底部(3、3c、3d、3e、3f、73、83、103)が前記少なくとも1つの壁部(5、5b、5c、75、85、105)の下の位置から回転される装填位置に設けることができる、剛性ハウジング(1a、1b、1c、1d、1e、70、80、101)。
【請求項2】
前記底部(3、3c、3d、3e、3f、73、83、103)および前記少なくとも1つの壁部(5、5b、5c、75、85、105)または前記少なくとも1つの壁部(5、5b、5c、75、85、105)に接続されたスタンドに接続された継手(11、77)をさらに備え、前記継手(11、77)が、前記底部(3、3c、3d、3e、3f、73、83、103)が回転可能な前記回転軸を提供する、請求項1に記載の剛性ハウジング(1a、1b、1c、1d、1e、70、80、101)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの壁部(5、5b、5c、75、85、105)が、液体の伝達、前記可撓性バッグの内部の流体のパラメータまたは特性の測定へのアクセスおよび/または前記可撓性バッグの内部のミキサ要素の外部駆動ユニットへの結合を可能にする少なくとも1つの開口部(9a、9b、9c、88)を備える、請求項1または2に記載の剛性ハウジング(1a、1b、1c、1d、1e、70、80、101)。
【請求項4】
前記底部(3c、3e、73、83)が、
a)前記底部(3c、3e、73、83)が前記処理位置で前記壁部(5c、75、85)の下に設けられたときに前記壁部(5c、75、85)の少なくとも1つの開口部(9c、88)を閉じているドア部(31、61、79、87)を備える、および/または
b)底板(13)と、前記底板(13)から延びて前記底板(13)と共にコンテナを形成する周囲壁(15)とを備える、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の剛性ハウジング(1a、1b、1c、1d、1e、70、80、101)。
【請求項5】
前記底部(3、3c、3d、3e、3f、73、83、103)が、液体の伝達、前記可撓性バッグの内部の流体のパラメータまたは特性の測定へのアクセスおよび/または前記可撓性バッグに設けられたミキサ要素の外部駆動ユニットへの結合を可能にする1つまたは複数の開口部(17、33、81)を備える、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の剛性ハウジング(1a、1b、1c、1d、1e、70、80、101)。
【請求項6】
第1の継手(11d)によって前記少なくとも1つの壁部(5、85)または前記少なくとも1つの壁部(5、85)に接続されたスタンドおよび第2の継手(53)によって前記底部(3、83)に接続された延長ロッド(51)をさらに備え、これにより、前記剛性ハウジング(1a、1b、1c、1d、1e、70、80、101)の長手方向軸(
A)に両方が実質的に平行な2つの回転軸を提供する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の剛性ハウジング(1a、1b、1c、1d、1e、70、80、101)。
【請求項7】
前記底部(3、83)が、供給および/または制御システムに接続された少なくとも1つの流体導管または電気ケーブルを備え、その流体導管または電気ケーブルが、供給および/または制御システムと底部(3、83)との間に送られ、前記底部(3、83)が前記装填位置と前記処理位置との間で移動するときに前記導管またはケーブルの方向に沿って軸方向に実質的に変位しないようになっている、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の剛性ハウジング(1a、1b、1c、1d、1e、70、80、101)。
【請求項8】
可撓性バッグを請求項1乃至7のいずれか1項に記載の剛性ハウジング(1a、1b、1c、1d、1e、70、80、101)に設ける方法であって、
−前記剛性ハウジング(1a、1b、1c、1d、1e、1f、70、80、101)の前記底部(3、3c、3d、3e、3f、73、83、103)を装填位置に回転させるステップと、
−前記可撓性バッグを前記底部(3、3c、3d、3e、3f、73、83、103)に装填するステップと、
−前記底部(3、3c、3d、3e、3f、73、83、103)および前記少なくとも1つの壁部(5、5b、5c、75、85、105)が内部容積を有する剛性ハウジング(1a、1b、1c、1d、1e、1f、70、80、101)を形成する処理位置に戻るように前記底部(3、3c、3d、3e、3f、73、83、103)を回転させるステップとを含む、方法。
【請求項9】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の剛性ハウジング(1a、1b、1c、1d、1e、70、80、101)に装着された可撓性バッグを備える、バイオリアクタ。
【請求項10】
前記バイオリアクタに前記剛性ハウジング(1a、1b、1c、1d、1e、70、80、101)に装填された前記可撓性バッグを設けるステップと、培養培地および細胞を前記バッグに添加するステップと、攪拌下で細胞を培養するステップとを含む、請求項9に記載の可撓性バッグの細胞を培養する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可撓性バッグを保持する剛性ハウジング、および可撓性バッグを剛性ハウジングに装填する方法に関する。可撓性バッグは、使い捨てバイオリアクタとすることができる。
【背景技術】
【0002】
可撓性バイオリアクタバッグは、剛性ハウジングの内側に設けることができる。可撓性バッグを剛性ハウジングに装填するための様々な解決策が、記載されている。
【0003】
可撓性バッグを剛性ハウジングに装填するための標準的な解決策は、リアクタ壁の開口部を利用して、この開口部を通して折り畳まれたバッグを挿入することである(XDR Bioreactor、GE Healthcare)。次いで補強板を使用して、処理中および液体で充填されたときに開口部の表面を横切ってバッグを支持する。この装填方法は、小さなサイズに折り畳むことができるバッグに適用可能である。可撓性バッグを装填する別の方法は、1つまたは複数のドアセグメントをバイオリアクタの剛性ハウジングに利用することである。バッグ装填後にドアを閉じることにより、剛性ハウジングは、処理中および液体で充填されたときにバッグを支持する。可撓性バッグはまた、剛性ハウジングの上部の開口部を通して装填されてもよい。しかし、この方法は、典型的には、剛性ハウジングの高さが約50cmを超えないより小さなバイオリアクタにのみ適用可能である。
【0004】
上述したバッグ装填方法はすべて、オペレータがバイオリアクタおよび剛性ハウジングの内部にアクセスし、例えば、バッグの磁気インペラを剛性ハウジングの底の磁気駆動板にドッキングさせることによってバッグをその必要な位置に配置する必要があるという欠点を有する。使い勝手の悪さや人間工学的なこの問題は、リアクタのサイズに比例している。
【0005】
剛性ハウジングの底へのより良好なアクセスを可能にする別の装填方法は、Milliporeの製品Mobius(登録商標)2000 Liter Single−Use Bioreactorに記載されている。ここでは、底の装填引き出しが使用される。引き出しは、軌道上を導かれ、剛性ハウジングの下に引き出すことができる。引き出しの内側に使い捨てバイオリアクタを設け、この引き出しを剛性ハウジングの残りの部分の下の位置に押し戻すことができる。別の例は、ABEC CSR−Bioreactor(商標)で見ることができる。ここでは、剛性ハウジングの底部として小さなキャリッジが設けられる。キャリッジは、剛性ハウジングの外側の装填位置に移動することができる。使い捨てバイオリアクタは、その後剛性ハウジング内に戻されるキャリッジに設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第2015/157994号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
Millipore装置の可動底部の欠点は、バイオリアクタの底およびシステムのケーブルおよび/または配管接続点の間の距離の変化にそれぞれ対応するためにケーブルおよび/または配管キャリアを用いなければならないことである。可動底の直線運動および変位のために、これらのケーブルキャリアは静的ではなく、可動性および可撓性である必要があり、剛性ハウジングおよびバイオリアクタの下方に追加のスペースを必要とする。
【0008】
上述のABEC装置は、配管および/または電気ケーブルの変位に対応するために可撓性ケーブルキャリアを必ずしも必要とするわけではないが、最初にキャリッジを取り外すために、キャリッジとシステムとの間で配管およびケーブルを物理的に接続および切断する必要がある。
【0009】
本発明の目的の一つは、可撓性バッグをオペレータにとって人間工学的に優れた簡単な方法で剛性ハウジングに装填することができるように可撓性バッグを保持するための剛性ハウジングを提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、可撓性バッグを剛性ハウジングに容易に装填する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
これは、底部と、少なくとも1つの壁部とを備える剛性ハウジングで達成され、前記底部と前記少なくとも1つの壁部は共に、前記底部が処理位置で前記少なくとも1つの壁部の下に設けられたときに内部容積を画定し、前記剛性ハウジングは、可撓性バッグを前記内部容積内に保持するように構成され、前記底部は、回転軸を中心に回転可能であり、前記回転軸は、前記剛性ハウジングの長手方向軸に実質的に平行であり、前記底部は、前記底部が前記少なくとも1つの壁部の下の位置から回転される装填位置に設けることができる。
【0012】
これは、上述したような可撓性バッグを剛性ハウジングに設ける方法でも達成され、前記方法は、
−前記剛性ハウジングの前記底部を装填位置に回転させるステップと、
−前記可撓性バッグを前記底部に装填するステップと、
−前記底部および前記少なくとも1つの壁部が内部容積を有する剛性ハウジングを形成する処理位置に戻るように前記底部を回転させるステップとを含む。
【0013】
これは、底部と、前部を備える少なくとも1つの壁部とを備える剛性ハウジングでも達成され、前記底部と前記少なくとも1つの壁部は共に、前記前部が処理位置に設けられたときに内部容積を画定し、前記剛性ハウジングは、可撓性バッグを前記内部容積内に保持するように構成され、前記前部は、前記剛性ハウジングの別の部分にも取り付けられる多関節構造に取り付けられ、前記前部は、処理位置とも呼ばれる、前記前部が残りの側壁と共に前記内部容積を囲む閉鎖位置と、装填位置とも呼ばれる、前記前部が前記残りの側壁の後ろに折り畳まれ、可撓性バッグを前記底部に装填するためのアクセスが前記底部に与えられる折り畳み位置の両方に設けることができる。
【0014】
これにより、底部または壁部は、他の部分から回転され、オペレータは、可撓性バッグを内部に装填するために底部に良好なアクセスを得ることができる。可撓性バッグの装填および対応する装填位置については後述するが、本発明の技術的および人間工学的利点は、バッグ装填中のその改善された装填位置と同等に、バッグの取り外し中に適用されることが理解される。さらに、本発明では、バイオリアクタの底の下方での配管および/または電気ケーブルの移動および変位ならびに接続部に対応するための、可撓性キャリアのような特別に設計された構成は必要ない。その代わりに、例えば回転するアームおよびホルダのような部品および/またはガイド手段の角度アラインメントの変化に追従するために、回転点に沿って十分に曲げることができる限り、配管および/または電気ケーブルを回転部品に沿って送ることができる。さらに、底部の下のスペースは、装填および処理位置の両方で空いている(前に使用された方法のいくつかの場合のように車輪または軌道がない)ので、サービスおよびメンテナンスのための良好なアクセスが可能になる。バイオリアクタの底に送られた前記配管は、バイオリアクタの底が熱交換機構を収容し、可撓性バッグおよびバイオリアクタの流体容積への、またはからの熱をジャケット付き容器に伝達する(またはその逆)ための二重ジャケットを有して設計される場合、加熱または冷却のために用いられる熱交換流体用の配管を含んでもよい。バイオリアクタの底に送られた前記電気接続部およびケーブルは、バイオリアクタの底から可撓性バッグおよびバイオリアクタ流体に熱を伝達するための熱交換機構に対応するバイオリアクタ底部の一部を覆う熱ブランケットへの配線を含んでもよい。上述した熱交換機構用の配線の配管は、好ましくは、それらが再使用され、使い捨てバッグとは対照的に、処理作業の間に交換および再接続する必要なく、バイオリアクタの底に固定して永久的に取り付けられる。バイオリアクタの底に送られた配管の別の例は、バイオリアクタバッグへのガス伝達のための配管である。バイオリアクタには、典型的には、滅菌等級の入口フィルタおよび入口ガス用の接続部が装備されているので、ガス入口配管を使い捨てバイオリアクタに接続するための配管およびコネクタ手段は、バイオリアクタの底に、かつ使い捨てバイオリアクタバッグへの接続点に恒久的に送ることができる。
【0015】
本発明の実施形態は、従属請求項および以下の詳細な説明において説明される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1a】本発明の一実施形態による剛性ハウジングを概略的に示す図である。
【
図1b】本発明の別の実施形態による剛性ハウジングを概略的に示す図である。
【
図1c】本発明の別の実施形態による剛性ハウジングを概略的に示す図である。
【
図1d】本発明の別の実施形態による剛性ハウジングを概略的に示す図である。
【
図1e】本発明の別の実施形態による剛性ハウジングを概略的に示す図である。
【
図2a】本発明の一実施形態による剛性ハウジングを概略的に示す図である。
【
図2b】上面図で
図2aの剛性ハウジングを概略的に示す図である。
【
図3a】本発明の一実施形態による剛性ハウジングを概略的に示す図である。
【
図3b】上面図で
図3aの剛性ハウジングを概略的に示す図である。
【
図4a】斜視図と上面図の両方で本発明の別の実施形態による剛性ハウジングを第1の位置に概略的に示す図である。
【
図4b】
図4aの実施形態を第2の位置に示す図である。
【
図4c】
図4aの実施形態を第3の位置に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1a〜
図1eは、本発明による剛性ハウジングの異なる実施形態を概略的に示す。本発明の一実施形態によれば、底部と、少なくとも1つの壁部とを備える剛性ハウジングが提供される。底部と少なくとも1つの壁部は共に、底部が処理位置で少なくとも1つの壁部の下に設けられたときに内部容積を画定する。剛性ハウジングは、可撓性バッグを内部容積内に保持するように構成される。さらに、本発明によれば、底部は、回転軸を中心に回転可能であり、前記回転軸は、前記剛性ハウジングの長手方向軸に実質的に平行である。これにより、底部は、底部が少なくとも1つの壁部の下の位置から回転される装填位置に設けることができる。可撓性バッグは、使い捨てバイオリアクタとすることができる。底部が回転可能な回転軸は、壁部または壁部の外側に配置することができる。
【0018】
図1a〜
図1eに示すすべての実施形態では、壁部は、管状壁であるように示されているが、幾何学的設計は変更可能であり、依然として本発明によってカバーされ得る。例えば、剛性ハウジングおよび可撓性バッグの箱形部分が実現可能であり、バッグおよび剛性ハウジングの構築のために矩形の壁を用いることができる。可撓性バッグおよび剛性ハウジングの周囲壁セグメントおよび内部容積の他の形状および幾何学的形状ならびにそれらの組み合わせ、例えば矩形、三角形、六角形などが実現可能である。
【0019】
図1a〜
図1eに示す実施形態の各々のより詳細な説明は、以下に続く。
【0020】
図1aは、本発明の一実施形態による剛性ハウジング1aを概略的に示す。剛性ハウジング1aは、底部3と、壁部5とを備える。壁部5は、この実施形態では、管状壁5として形成される。管状壁5の第1の端部7には、開口部9aが設けられる。この開口部9aは、例えば剛性ハウジングに設けられた可撓性バッグのポートへのアクセスを容易にすることができる。これは、プローブおよびセンサ用のポートまたはサンプリングポートとすることができる。このような開口部9aを壁5に2つ以上設けることができ、開口部のサイズは変えることができる。底部3は、その第1の端部7で壁部5に接続される。底部3は、継手11を介して壁部5に接続される。本発明によれば、この継手11は、底部3が前記剛性ハウジング1aの長手方向軸Aに実質的に平行な回転軸を中心に回転することができるように設けられる。底部3は、この実施形態では、コンテナが形成されており、すなわち底板13と、底板から延びて底板13と共にコンテナを形成する周囲壁15とを備える。可撓性バッグを剛性ハウジング1aに装填するとき、可撓性バッグは、剛性ハウジングの底部3が壁部から回転して分離されたときにコンテナが形成された底部3に設けられる。これは、装填位置と呼ばれる。底部3はさらに、本発明の一実施形態では、開口部17を備える。この開口部17は、例えば、可撓性バッグのインペラを底板の中または下方に配置された磁気駆動ユニットの駆動ヘッドに接続するために設けることができる。バイオリアクタの構造に応じて、このインペラ接続点を具現化する底部の開口部の代わりに、インサート、閉鎖表面または他の解決策が見出され得る。開口部17は、従来技術で見られる直線移行に対する底部の回転移行に関して本発明の利点を例示するために選択されている。開口部17はまた、液体の伝達および/またはバイオリアクタの内部の流体のパラメータまたは特性の測定へのアクセスを可能にするために使用することができる。もちろん、2つ以上の開口部17を底部3に設けることができる。
図1a〜
図1eに示されている底板13、または底部3の周囲壁15のいずれかに設けられる。さらに、液体の伝達および/またはバイオリアクタの内部の流体のパラメータまたは特性の測定へのアクセスおよび/またはバッグの内部のミキサ要素の外部駆動ユニットへの結合を可能にするためのこのような開口部は、代わりに、または相補的に壁部5に設けることができる。
図1aの開口部9aは、このような開口部の一例である。開口部は、壁部5の別の位置または壁部のドアに設けることができる。
【0021】
図1a〜
図1eは、底部3の回転が開口部17への容易なアクセスを提供することを示している。開口部17は、底部3の底板13の中心に設ける必要はなく、(
図1a〜
図1eに示すように)底部3が装填位置にあるときに最適なアクセスをオペレータに与える位置で中心からずれて適切に設けることができる。これは、オペレータが典型的にはバッグのインペラを磁気駆動ユニット上に配置する必要があるので、従来の解決策(Millipore、Abec)と比較して重要な利点である。したがって、回転移動は、典型的には、例えばインペラ結合部および流体排出ポートのような底部に複数の接続部およびインターフェース要素があるので、利点をもたらす。可撓性バッグの設置および取り外しの間にインペラ結合部のみがアクセス可能である必要がある一方、流体排出ポートは処理中にアクセス可能でなければならず、したがって、人間工学的アクセスのためにバイオリアクタの底の前部に配置する必要がある。ここに提示された本発明では、磁気インペラ結合部は、底部の装填位置のバッグ設置位置に前端位置を想定して、処理中に底板の後部に向かって配置することができる。これにより、処理中に底部に、例えば流体排出のための流体接続部を底板の前側に向かって配置することが可能になる。
【0022】
図1b〜
図1eに関連して説明された実施形態では、一部の部品は、
図1aに記載された実施形態の部品と同一であり、それらの部品は同じ参照番号を有し、再度詳細には説明しない。
【0023】
図1bは、本発明の別の実施形態による剛性ハウジング1bを概略的に示す。この実施形態では、壁部5bの開口部9bは、
図1aに示す実施形態よりも壁部5bのより大きな部分にわたって延びている。さらにドア21をヒンジ23に設け、開口部9bをドア21で閉じることができ、ドアを開いて底部3および壁部5bによって画定された内部容積にアクセスすることができる。このようなより大きな開口部9bは、剛性ハウジング内に設けられるべき可撓性バッグに、インペラのような細長い混合装置が設けられる場合に適切となり得る。インペラのようないくつかの混合装置は、この実施形態に示すように、より大きな開口部での設置が容易である。
【0024】
図1cは、本発明の別の実施形態による剛性ハウジング1cを概略的に示す。この実施形態では、壁部5cの開口部9cは、剛性ハウジング1cの高さ全体にわたって延びている。さらに、底部3cは、底部3cに接続され、回転時に底部3cに続くドア部31を備える。ドア部31は、底部3cが処理位置で壁部5cの下方に設けられるとき、すなわち、底部3cが装填位置まで回転していないときには、開口部9cを覆う。ドア部31は、本発明のこの実施形態では、可撓性バッグに接続されるセンサおよびケーブルを通して設けることができる開口部33を備える。本発明のこの実施形態の利点は、既に可撓性バッグが装填中に底部に設けられているときに、剛性ハウジングの内側に設けられる可撓性バッグに接続された管をドア31上に折り畳むことができることである。これにより、可撓性バッグを剛性ハウジング内に設置するプロセスが容易になる。これらの管は、例えば接続されて液体または空気の追加または除去に使用される管とすることができる。
【0025】
図1dは、本発明の別の実施形態による剛性ハウジング1dを概略的に示す。この実施形態は、
図1aに示す実施形態に対応する。壁部5および開口部9aは同一であり、底部3は同一である。しかし、この実施形態では、延長ロッド51が設けられる。底部3は、第2の継手53を介して延長ロッド51の一端に接続され、底部3は、剛性ハウジングの長手方向軸Aと同じく実質的に平行な第2の回転軸を中心に回転することができる。延長ロッド51は、第1の継手11dを介して壁部5に接続され、延長ロッド51は、上述のように回転軸を中心に回転することができる。これにより、底部3を2つの回転軸を中心に回転させることができ、バッグの装填のために最適な、または異なるおよび/または複数の位置を得る際の柔軟性を高めることができる。これにより、装填位置はまた、単一の回転継手と比較して壁部5からさらに離れることができる。
【0026】
図1eは、本発明の別の実施形態による剛性ハウジング1eを概略的に示す。この実施形態では、第1の継手11d、第2の継手53および延長ロッド51は、
図1dに関連して説明したのと全く同様に設けられる。この実施形態の唯一の相違点は、底部3eがドア部61も備えることである。この実施形態では、ドア部61は、管壁の高さ全体を覆うのではなく、高さの一部のみを覆う。そうでない場合、この実施形態は、
図1cに示す実施形態と同様であるが、2つの継手、延長ロッドおよび2つの回転軸を中心に底部3eを回転させる能力が設けられる。
【0027】
図1dおよび
図1eに関連して説明した延長ロッド51は、異なる方法で設計することができる。示されているように曲げるか、またはまっすぐとすることができる。また、伸張可能なように調整可能とすることもできる。
【0028】
図2aは、剛性ハウジングに脚部が設けられる本発明の一実施形態による剛性ハウジング70を概略的に示す。この実施形態では、剛性ハウジングの壁部75に接続された4つの脚部71a、b、c、dが示されている。しかし、別の数の脚部を設けることもできる。脚部の形態および位置は、剛性ハウジングの底部73を壁部75から、可撓性バッグを底部73に容易に設けることができる装填位置に回転させるのに適している。回転を可能にするために、剛性ハウジングは、床から持ち上げる必要がある。これは、脚部によって達成される。脚部71a、b、c、dもまた、底部73が壁部75から回転するのに十分なスペースを有するように設計され、配置される必要がある。底部73は、この実施形態では、継手77を介して壁部75に接続され、底部73は、上述したように剛性ハウジングの長手方向軸Aと実質的に平行な回転軸を中心に壁部から回転することができる。別の実施形態では、代わりに、底部を脚部の1つまたは剛性ハウジングの壁部に設けられたスタンドの別の部分に接続することができる。接続部はまた、その実施形態では、底部が壁部の直下の処理位置および壁部から分離された装填位置に回転することができるように継手を介している。
図2aに示す実施形態では、底部73は、開口部81を有する小さなドア部79を備える。これに対応して、壁部75は、底部73が壁部75の下方に設けられるとき、すなわち装填位置にないときに、底部73の小さなドア部79によって閉じられる小さな開口部81を備える。この小さなドア部79は、可撓性バッグをその接続点で支持するために設けられる。これにより、可撓性バッグは、可撓性バッグの底部への装填中にそのポートを正しい位置に既に設けておくことができる。
【0029】
図2bは、上面図で
図2aの剛性ハウジング70を概略的に示す。ここで、底部73と壁部75との間の継手77を見ることができる。
【0030】
図3aは、本発明の一実施形態による剛性ハウジング80を概略的に示す。この実施形態においても、4つの脚部71a、71b、71c、71dが壁部85に設けられる。この実施形態では、
図1dおよび
図1eに関連して説明したように、延長ロッド51が設けられる。第1の継手11dが、延長ロッド51の一端と壁部85との間に接続部として設けられ、第2の継手53が、底部83と延長ロッド51の他端との間に接続部として設けられる。これらの第1および第2の継手11d、53は、
図3aに示す剛性ハウジング80の上面図である
図3bで見ることができる。底部83は、
図1cに関連して先に説明したように、底部83が壁部の下で回転するとき、すなわち底部が装填位置にないときに壁部の高さ全体にわたって開口部88を覆うドア部87を備える。
【0031】
本発明の一実施形態では、剛性ハウジングの底部は、供給および/または制御システムに接続された少なくとも1つの流体導管または電気ケーブルを備え、その流体導管または電気ケーブルは、供給および/または制御システムと底部との間に送られ、底部が装填位置と処理位置との間で移動するときに前記導管またはケーブルの方向に沿って軸方向に実質的に変位しないようになっている。
【0032】
図4aは、本発明の別の実施形態による剛性ハウジング101を概略的に示す。本発明のこの実施形態では、剛性ハウジング101の底部103は、固定される、すなわち前の実施形態のように回転することができない。本発明によれば、可撓性バッグをその中に装填するために底部103へのアクセスが必要である。この実施形態では、アクセスは、剛性ハウジング101の側壁105の一部を開いて回転させることによって達成される。側壁105のその部分は、ここでは前部106と呼ばれる。側壁105の前部106を開き、次いで剛性ハウジングの後ろに折り畳むことを可能にするために多関節構造が設けられる。これにより、スペースが空間に保たれる。前部106は、前部が装填位置とも呼ばれる開放位置にあるときに底部103への良好なアクセスを与えるのに十分な大きさの側壁の一部である。前部106は、
図4a〜
図4cに示すように、側壁の高さ全体にわたって延びることができるが、側壁の高さの一部であってもよい。前部106はまた、側壁の周囲の一部にわたって延びており、脚部が剛性ハウジングに設けられ、剛性ハウジングを床から持ち上げる。ここでは、4つの脚部107a、b、c、dが底部に取り付けられて示されている。ここでは、多関節構造は、脚部の1つに旋回可能に取り付けられた第1のバー108と、第1のバー108および前部106に旋回可能に取り付けられた第2のバー109とで具現化されている。これにより、3つの回転軸があり、それらはすべて剛性ハウジングの長手方向軸に実質的に平行である。
図4aにおいて、前部106は、第1の位置または装填位置と呼ばれる全開放位置に設けられる。前部106は、残りの側壁の後ろに折り畳まれる。第1および第2のバーは、
図4aの上面図に示すように旋回されているので、前部は残りの側壁の後ろに配置することができる。前部が大きくて重い場合は、追加の旋回バーを前部の他の高さに設ける必要がある場合もある。
【0033】
図4bは、
図4aの実施形態を第2の位置に示す。第2の位置では、前部は開かれているが、剛性ハウジング101の後ろにまだ折り畳まれていない。
【0034】
図4cは、
図4aの実施形態を処理位置とも呼ばれる第3の位置に示す。第3の位置では、前部106が閉じられ、剛性ハウジングは動作の準備が整っている。
【0035】
図5は、上述のような可撓性バッグを剛性ハウジングに設ける方法のフローチャートである。方法のステップを、以下に説明する。
【0036】
S1:剛性ハウジング1a、1b、1c、1d、1e、1f、70、80、101の底部3、3c、3d、3f、73、83および/または壁部106のいずれかを装填位置に回転させるステップ。回転は、剛性ハウジングの長手方向軸Aと実質的に平行な回転軸を中心とする。
【0037】
S3:可撓性バッグを底部3、3c、3d、3f、73、83に装填するステップ。可撓性バッグは、可撓性バッグをその内側に保持するように形成された適切にはコンテナである底部に設けられる。
【0038】
S5:底部および壁部が内部容積を有する剛性ハウジングを形成する処理位置に戻るように底部および/または壁部のいずれかを回転させるステップ。
【0039】
本発明の一実施形態では、方法は、インペラが可撓性バッグと共に剛性ハウジングの内部容積に設けられることを可能にするために、少なくとも1つの壁部のドアを開くステップをさらに含む。
【0040】
本発明の一実施形態では、方法は、例えばケーブル、センサ、管および/または混合装置接続部を可撓性バッグのポートまたはアクセス点に接続するステップをさらに含む。接続部を確立するためのこのようなステップの接続部または部分を確立するこのステップは、ステップ5の前に実行することができる。
【0041】
本発明はまた、上述のような剛性ハウジングに装着された可撓性バッグを備えるバイオリアクタを開示する。可撓性バッグは、上述の方法に従って剛性ハウジングに適切に装填することができる。適切には、可撓性バッグは、攪拌を行うために磁気インペラを含むことができる。バッグは、ガスを追加するためのスパージャをさらに備えてもよい。
【0042】
さらに、本発明は、バイオリアクタの可撓性バッグの細胞の培養のためのバイオリアクタの使用、ならびにバイオリアクタの可撓性バッグの細胞を培養する方法を開示し、バイオリアクタに剛性ハウジングに装填された可撓性バッグを設けるステップと、培養培地および細胞をバッグに添加するステップと、攪拌下で細胞を培養するステップとを含む。
[実施態様1]
底部(3、3c、3d、3e、3f、73、83、103)と、少なくとも1つの壁部(5、5b、5c、75、85、105)とを備える剛性ハウジング(1a、1b、1c、1d、1e、70、80、101)であって、前記底部(3、3c、3d、3e、3f、73、83、103)と前記少なくとも1つの壁部(5、5b、5c、75、85、105)は共に、前記底部(3、3c、3d、3e、3f、73、83、103)が処理位置で前記少なくとも1つの壁部(5、5b、5c、75、85、105)の下に設けられたときに内部容積を画定し、前記剛性ハウジング(1a、1b、1c、1d、1e、70、80、101)は、可撓性バッグを前記内部容積内に保持するように構成され、前記底部(3、3c、3d、3e、3f、73、83、103)は、回転軸を中心に回転可能であり、前記回転軸は、前記剛性ハウジング(1a、1b、1c、1d、1e、70、80、101)の長手方向軸(A)に実質的に平行であり、前記底部(3、3c、3d、3e、3f、73、83、103)は、前記底部(3、3c、3d、3e、3f、73、83、103)が前記少なくとも1つの壁部(5、5b、5c、75、85、105)の下の位置から回転される装填位置に設けることができる、剛性ハウジング(1a、1b、1c、1d、1e、70、80、101)。
[実施態様2]
前記可撓性バッグが、使い捨てバイオリアクタである、実施態様1に記載の剛性ハウジング(1a、1b、1c、1d、1e、70、80、101)。
[実施態様3]
前記底部(3、3c、3d、3e、3f、73、83、103)および前記少なくとも1つの壁部(5、5b、5c、75、85、105)または前記少なくとも1つの壁部(5、5b、5c、75、85、105)に接続されたスタンドに接続された継手(11、77)をさらに備え、前記継手(11、77)が、前記底部(3、3c、3d、3e、3f、73、83、103)が回転可能な前記回転軸を提供する、実施態様1または2に記載の剛性ハウジング(1a、1b、1c、1d、1e、70、80、101)。
[実施態様4]
前記少なくとも1つの壁部(5、5b、5c、75、85、105)が、液体の伝達、前記バイオリアクタの内部の流体のパラメータまたは特性の測定へのアクセスおよび/または前記バッグの内部のミキサ要素の外部駆動ユニットへの結合を可能にする少なくとも1つの開口部(9a、9b、9c、88)を備える、実施態様1乃至3のいずれか1項に記載の剛性ハウジング(1a、1b、1c、1d、1e、70、80、101)。
[実施態様5]
前記底部(3c、3e、73、83)が、前記底部(3c、3e、73、83)が前記処理位置で前記壁部(5c、75、85)の下に設けられたときに前記壁部(5c、75、85)の少なくとも1つの開口部(9c、88)を閉じているドア部(31、61、79、87)を備える、実施態様1乃至4のいずれか1項に記載の剛性ハウジング(1a、1b、1c、1d、1e、70、80、101)。
[実施態様6]
前記底部(3、3c、3d、3e、3f、73、83、103)が、底板(13)と、前記底板(13)から延びて前記底板(13)と共にコンテナを形成する周囲壁(15)とを備える、実施態様1乃至5のいずれか1項に記載の剛性ハウジング(1a、1b、1c、1d、1e、70、80、101)。
[実施態様7]
前記底部(3、3c、3d、3e、3f、73、83、103)が、前記液体の伝達、前記可撓性バッグの内部の流体のパラメータまたは特性の測定へのアクセスおよび/または前記可撓性バッグに設けられたミキサ要素の外部駆動ユニットへの結合を可能にする1つまたは複数の開口部(17、33、81)を備える、実施態様1乃至6のいずれか1項に記載の剛性ハウジング(1a、1b、1c、1d、1e、70、80、101)。
[実施態様8]
第1の継手(11d)によって前記少なくとも1つの壁部(5、85)または前記少なくとも1つの壁部(5、85)に接続されたスタンドおよび第2の継手(53)によって前記底部(3、83)に接続された延長ロッド(51)をさらに備え、これにより、前記剛性ハウジング(1a、1b、1c、1d、1e、70、80、101)の長手方向軸(A)に両方が実質的に平行な2つの回転軸を提供する、実施態様1乃至7のいずれか1項に記載の剛性ハウジング(1a、1b、1c、1d、1e、70、80、101)。
[実施態様9]
前記底部(3、83)が、供給および/または制御システムに接続された少なくとも1つの流体導管または電気ケーブルを備え、その流体導管または電気ケーブルが、供給および/または制御システムと底部(3、83)との間に送られ、前記底部(3、83)が前記装填位置と前記処理位置との間で移動するときに前記導管またはケーブルの方向に沿って軸方向に実質的に変位しないようになっている、実施態様1乃至8のいずれか1項に記載の剛性ハウジング(1a、1b、1c、1d、1e、70、80、101)。
[実施態様10]
可撓性バッグを実施態様1乃至9のいずれか1項に記載の剛性ハウジング(1a、1b、1c、1d、1e、70、80、101)に設ける方法であって、
−前記剛性ハウジング(1a、1b、1c、1d、1e、1f、70、80、101)の前記底部(3、3c、3d、3e、3f、73、83、103)を装填位置に回転させるステップと、
−前記可撓性バッグを前記底部(3、3c、3d、3e、3f、73、83、103)に装填するステップと、
−前記底部(3、3c、3d、3e、3f、73、83、103)および前記少なくとも1つの壁部(5、5b、5c、75、85、105)が内部容積を有する剛性ハウジング(1a、1b、1c、1d、1e、1f、70、80、101)を形成する処理位置に戻るように前記底部(3、3c、3d、3e、3f、73、83、103)を回転させるステップとを含む、方法。
[実施態様11]
インペラが前記可撓性バッグと共に前記剛性ハウジング(1a、1b、1c、1d、1e、1f、70、80、101)の前記内部容積に設けられることを可能にするために、前記少なくとも1つの壁部(5、5b、5c、75、85、105)のドア(21、31、61、87)を開くステップをさらに含む、実施態様10に記載の方法。
[実施態様12]
ケーブルおよび/またはセンサおよび/または管を前記可撓性バッグに設けられたポートに接続するステップをさらに含む、実施態様10または11に記載の方法。
[実施態様13]
底部(103)と、前部(106)を備える少なくとも1つの壁部(105)とを備える剛性ハウジング(101)であって、前記底部(103)と前記少なくとも1つの壁部(105)は共に、前記前部(106)が処理位置に設けられたときに内部容積を画定し、前記剛性ハウジング(101)は、可撓性バッグを前記内部容積内に保持するように構成され、前記前部(106)は、前記剛性ハウジング(101)の別の部分にも取り付けられる多関節構造(108、109)に取り付けられ、前記前部(106)は、処理位置とも呼ばれる、前記前部(106)が残りの側壁(105)と共に前記内部容積を囲む閉鎖位置と、装填位置とも呼ばれる、前記前部(106)が前記残りの側壁(105)の後ろに折り畳まれ、可撓性バッグを前記底部(103)に装填するためのアクセスが前記底部(103)に与えられる折り畳み位置の両方に設けることができる、剛性ハウジング(101)。
[実施態様14]
実施態様1乃至9または13のいずれか1項に記載の剛性ハウジング(1a、1b、1c、1d、1e、70、80、101)に装着された可撓性バッグを備える、バイオリアクタ。
[実施態様15]
前記可撓性バッグが、実施態様10乃至12のいずれか1項に記載の方法に従って装填されている、実施態様14に記載のバイオリアクタ。
[実施態様16]
前記可撓性バッグの細胞の培養のための、実施態様14または15に記載のバイオリアクタの使用。
[実施態様17]
前記バイオリアクタに前記剛性ハウジング(1a、1b、1c、1d、1e、70、80、101)に装填された前記可撓性バッグを設けるステップと、培養培地および細胞を前記バッグに添加するステップと、攪拌下で細胞を培養するステップとを含む、実施態様14または15に記載の可撓性バッグの細胞を培養する方法。
【符号の説明】
【0043】
1a 剛性ハウジング
1b 剛性ハウジング
1c 剛性ハウジング
1d 剛性ハウジング
1e 剛性ハウジング
1f 剛性ハウジング
3 底部
3c 底部
3d 底部
3e 底部
3f 底部
5 壁部、管状壁、壁
5b 壁部
5c 壁部
7 第1の端部
9a 開口部
9b 開口部
9c 開口部
11 継手
11d 第1の継手
13 底板
15 周囲壁
17 開口部
21 ドア
23 ヒンジ
31 ドア、ドア部
33 開口部
51 延長ロッド
53 第2の継手
61 ドア部
70 剛性ハウジング
71a 脚部
71b 脚部
71c 脚部
71d 脚部
73 底部
75 壁部
77 継手
79 ドア部
80 剛性ハウジング
81 開口部
83 底部
85 壁部
87 ドア部
88 開口部
101 剛性ハウジング
103 底部
105 側壁
106 前部
107a 脚部
107b 脚部
107c 脚部
107d 脚部
108 第1のバー
109 第2のバー