(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、当該先行技術によれば、単一の方法で二次電池の劣化状態を分析しており、毎回詳しい分析をすると非効率であり時間がかかるのでユーザーに二次電池の劣化状態を適時に知らせることができないおそれがある。
【0005】
一方でユーザーに劣化状態を適時に知らせるために簡略化した分析を行うと、二次電池の劣化状態の詳しい分析結果を知りたいというユーザーニーズにこたえられない。
【0006】
そこで本発明は、ユーザーにとって十分な内容の二次電池の劣化状態を適時に出力することができる二次電池の状態出力システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1発明の状態出力システムは、
ユーザーが使用するユーザー装置に搭載された二次電池の劣化状態を出力するシステムにおいて、
情報を記憶する記憶部と、
前記二次電池の
電圧、電流及び温度を示す情報に基づいて該二次電池の劣化状態を
数値化し、該数値化した値を該二次電池の劣化状態の値として認識
して、該劣化状態の値を前記記憶部に時系列的に記憶させ、かつ、前記ユーザー装置の位置情報を含む、該二次電池が過去に又は現在までにどのように使用されたかを示す使用状態情報を該記憶部に時系列的に記憶させる劣化状態認識部と、
前記記憶部に記憶された、前記二次電池の
過去の複数時点の前記劣化状態
の値に基づいて、該二次電池の劣化状態の傾向を取得する傾向取得部と、
前記傾向取得部により取得された前記二次電池の劣化状態の前記傾向と、前記劣化状態認識部により認識された該二次電池の直近の劣化状態
の値とに基づいて、該直近の劣化状態が該傾向から逸脱しているか否かを判定する逸脱判定部と、
前記直近の劣化状態は前記傾向から逸脱していると前記逸脱判定部が判定した場合に、前
記使用状態情報
から、該ユーザー装置の過去及び/又は現在の位置情報に基づいて該二次電池の劣化状態に影響を及ぼす地理的な特性を示す情報である地理的特性情報を取得して、該
位置情報及び該
地理的特性情報に基づいて
、該二次電池の劣化状態に影響を及ぼした地理的な特性を示す情報及び/又は該傾向から逸脱した劣化状態となることを回避するために推奨される該地理的な特性に応じた対応の情報を含む詳細劣化状態を決定する詳細劣化状態決定部と、
前記劣化状態認識部が認識した前記直近の劣化状態
の値及び前記詳細劣化状態決定部により決定された前記詳細劣化状態を出力する出力部とを備えることを特徴とする。
また第2発明の状態出力システムは、
ユーザーが使用するユーザー装置に搭載された二次電池の劣化状態を出力するシステムにおいて、
情報を記憶する記憶部と、
前記二次電池の電圧、電流及び温度を示す情報に基づいて該二次電池の劣化状態を数値化し、該数値化した値を該二次電池の劣化状態の値として認識して、該劣化状態の値を前記記憶部に時系列的に記憶させる劣化状態認識部と、
前記記憶部に記憶された、前記二次電池の過去の複数時点の前記劣化状態の値に基づいて、該二次電池の劣化状態の傾向を取得する傾向取得部と、
前記傾向取得部により取得された前記二次電池の劣化状態の前記傾向と、前記劣化状態認識部により認識された該二次電池の直近の劣化状態の値とに基づいて、該直近の劣化状態が該傾向から逸脱しているか否かを判定する逸脱判定部と、
前記二次電池の電圧、電流及び温度を示す情報の何れか又はこれらの組み合わせと該二次電池に生じている事象とが対応付けられて記憶された情報を参照して、該二次電池の電圧、電流及び温度を示す情報の何れか又はこれらの組み合わせに基づいて該二次電池に生じている事象を推定する事象推定部と、
前記直近の劣化状態は前記傾向から逸脱していると前記逸脱判定部が判定した場合に、前記事象推定部が前記二次電池の直近の電圧、電流及び温度を示す情報の何れか又はこれらの組み合わせに基づいて推定した、該二次電池に生じている事象を示す情報を含む詳細劣化状態を決定する詳細劣化状態決定部と、
前記劣化状態認識部が認識した前記直近の劣化状態の値及び前記詳細劣化状態決定部により決定された前記詳細劣化状態を出力する出力部とを備えることを特徴とする。
そして第3発明の状態出力システムは、
ユーザーが使用するユーザー装置に搭載された二次電池の劣化状態を出力するシステムにおいて、
情報を記憶する記憶部と、
前記二次電池の電圧、電流及び温度を示す情報に基づいて該二次電池の劣化状態を数値化し、該数値化した値を該二次電池の劣化状態の値として認識して、該劣化状態の値を前記記憶部に時系列的に記憶させる劣化状態認識部と、
前記記憶部に記憶された、前記二次電池の過去の複数時点の前記劣化状態の値に基づいて、該二次電池の劣化状態の傾向を取得する傾向取得部と、
前記傾向取得部により取得された前記二次電池の劣化状態の前記傾向と、前記劣化状態認識部により認識された該二次電池の直近の劣化状態の値とに基づいて、該直近の劣化状態が該傾向から逸脱しているか否かを判定する逸脱判定部と、
前記ユーザー装置及び/又はその他のユーザー装置に搭載されていた二次電池の過去の劣化状態の値及び使用状態を示す情報と、該二次電池に該過去に生じていた事象を示す情報と、を教師データとして該二次電池の該過去の劣化状態の値及び使用状態を示す情報と該二次電池に該過去に生じていた事象との相関を機械学習させた予測モデルであって、該二次電池の劣化状態の値及び使用状態情報を入力として該二次電池に生じている事象を出力とする予測モデルを用いて、該二次電池の前記直近の劣化状態の値及び前記使用状態情報から該二次電池に生じている事象を推定する事象推定部と、
前記直近の劣化状態は前記傾向から逸脱していると前記逸脱判定部が判定した場合に、前記事象推定部が前記二次電池の前記直近の劣化状態の値及び前記使用状態情報に基づいて推定した、該二次電池に生じている事象を示す情報を含む詳細劣化状態を決定する詳細劣化状態決定部と、
前記劣化状態認識部が認識した前記直近の劣化状態の値及び前記詳細劣化状態決定部により決定された前記詳細劣化状態を出力する出力部とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の状態出力システムでは逸脱判定部により二次電池の劣化状態の傾向と該二次電池の直近の劣化状態
の値とに基づいて、該直近の劣化状態が該傾向から逸脱しているか否かが判定される。
【0009】
また、直近の劣化状態が傾向から逸脱していると逸脱判定部により判定された場合には、詳細劣化状態決定部により、
詳細な情報を含む詳細劣化状態が決定される。
具体的には、地域によって例えば大きく気温が違うなどのことが考えられる。あるいは例えばユーザー装置が自動車であれば、坂の多い地域である、道が細いのでアクセルとブレーキとを頻繁に踏みかえる必要がある地域であるなど、二次電池の劣化状態に地域の特性が与える影響は無視できない。
第1発明の状態出力システムによれば、詳細劣化状態決定部により該二次電池の劣化状態に影響を及ぼした地理的な特性を示す情報及び/又は該傾向から逸脱した劣化状態となることを回避するために推奨される該地理的な特性に応じた対応の情報を含む詳細劣化状態が決定される。
これにより、地域特性を考慮して詳細劣化状態の内容が決定されるので、ユーザーは実情に即した劣化状態の情報を得ることができる。
また第2発明の状態出力システムにおいては、事象推定部により二次電池の電圧、電流及び温度を示す情報の何れか又はこれらの組み合わせと該二次電池に生じている事象とが対応付けられて記憶された情報を参照して、該二次電池の電圧、電流及び温度を示す情報の何れか又はこれらの組み合わせに基づいて該二次電池に生じている事象が推定されて、当該事象を示す情報を含む詳細劣化状態が決定される。
あるいは第3発明の状態出力システムにおいては、事象推定部により二次電池の劣化状態の値及び使用状態情報を入力として該二次電池に生じている事象を出力とする予測モデルを用いて、該二次電池の前記直近の劣化状態の値及び前記使用状態情報から該二次電池に生じている事象が推定されて、当該事象を示す情報を含む詳細劣化状態が決定される。
これにより、ユーザーは二次電池に生じている事象を併せて知ることができるので、当該二次電池を利用する上でのユーザーの安心感が高まる。
【0010】
そして出力部により直近の劣化状態
の値及び詳細劣化状態が出力される。
【0011】
これにより、二次電池の劣化状態の傾向から逸脱していない間は通常の、劣化状態の傾向から逸脱したと判定した場合にはより詳細な
情報を出力するので、
ユーザーに向けて出力する情報の決定を効率的に行うことができる。
【0012】
またユーザーは、二次電池の異常が疑われる場合には詳細な情報を得ることができる。
【0013】
このように本発明の状態表示システムによれば、ユーザーにとって十分な内容の二次電池の劣化状態を適時に出力することができる。
【0019】
本発明の状態出力システムにおいて、
前記傾向取得部は、
前記記憶部に記憶された、前記二次電池の
過去の前記劣化状態
の値のうち、所定期間の
該劣化状態の値の移動平均値に基づいて該二次電池の劣化状態の傾向を取得し、
前記逸脱判定部は、前記二次電池の劣化状態の
値の前記所定期間の前記移動平均値と直近の前記劣化
状態の値との差が所定の閾値以上である場合に、
前記二次電池の直近の劣化状態は前記傾向から逸脱していると判定することが好ましい。
【0020】
本発明の状態出力システムにおいては、傾向取得部により、二次電池の
過去の劣化状態の値のうち、所定期間の該劣化状態の値の移動平均値に基づいて該二次電池の劣化状態の傾向が取得される。
【0021】
そして逸脱判定部により、二次電池の劣化状態の
値の所定期間の移動平均値と直近の劣化
状態の値との差が所定の閾値以上である場合に、
二次電池の直近の劣化状態は前記傾向から逸脱していると判定される。
【0022】
これによりユーザーは、
直近の劣化状態の値が、劣化状態の値の所定期間の移動平均から
逸脱しているか否かという客観的な情報に基づく、信頼性の高い劣化状態の情報を得ることができる。
【0023】
このように、本発明の状態出力システムによれば、ユーザーにとって十分で信頼性の高い内容の二次電池の劣化状態を適時に出力することができる。
【0028】
本発明の状態出力システムにおいて、
前記劣化状態認識部は、前記二次電池の初期状態の内部抵抗又は充電容量の値を示す情報と、
該二次電池の直近の電圧、電流及び温度を示す情報に基づく該二次電池の直近の内部抵抗又は充電容量の値を示す情報とを取得して、該情報に基づいて決定した該二次電池の内部抵抗増加度合又は容量残存度合
の値を該二次電池の劣化状態
の値として認識することが好ましい。
【0029】
本発明の状態出力システムでは、劣化状態認識部により、二次電池の初期状態の内部抵抗又は充電容量の値を示す情報と、該二次電池の直近の内部抵抗又は充電容量の値を示す情報とが取得されて、該情報に基づいて決定された該二次電池の内部抵抗増加度合又は容量残存度合
の値が該二次電池の劣化状態
の値として認識される。
【0030】
これによりユーザーは、二次電池の初期状態からみた劣化状態という客観的な情報に基づく信頼性の高い劣化状態の情報を得ることができる。
【0031】
このように、本発明の状態出力システムによれば、ユーザーにとって十分で信頼性の高い内容の二次電池の劣化状態を適時に出力することができる。
【0032】
本発明の状態出力システムにおいて、
前記二次電池が所定の劣化状態になるまでの期間である残存余命を推定する残存余命推定部を備え、
前記残存余命推定部は、前記二次電池の前記劣化状態の傾向から該二次電池の将来の内部抵抗又は容量残量の値を予測するとともに、該予測された該二次電池の将来の内部抵抗又は充電容量の値があらかじめ定められた該二次電池の内部抵抗の値の上限値又は充電容量の値の下限値に到達するまでの期間を該二次電池の残存余命と推定するように構成されており、
前記出力部は、前記残存余命を示す情報を出力するように構成されていることが好ましい。
【0033】
本発明の状態出力システムにおいては、
残存余命推定部により二次電池の劣化状態の傾向から該二次電池の将来の内部抵抗又は容量残量の値が予測される。
そして残存余命推定部により、該予測された該二次電池の将来の内部抵抗又は充電容量の値があらかじめ定められた該二次電池の内部抵抗の値の上限値又は容量残存の値の下限値に到達するまでの期間が該二次電池の残存余命と推定されて、出力部により残存余命を示す情報が出力される。
【0034】
これにより、二次電池の残存余命という具体的な情報が出力されるので、劣化度合を直感的にユーザーに知らせることができる。
【0039】
また、内部抵抗の増加又は充電容量の減少という具体的な情報に基づいて二次電池の残存余命が出力できるので残存余命に対するユーザーの納得感が高まる。
【0040】
このように、本発明の状態出力システムによれば、ユーザーにとって十分かつ高い納得感を得られる内容の二次電池の劣化状態を適時に出力することができる。
【0041】
本発明の状態出力システムにおいて、
前記二次電池に生じている事象と該事象の危険度とが対応付けて記録された情報を参照して、前記事象推定部により推定された事象の危険度を認識する危険度認識部とを備え、
前記詳細劣化状態決定部は、前記事象推定部により推定された事象の内容と前記危険度とに基づいて前記詳細劣化状態を決定することが好ましい。
【0042】
本発明の状態出力システムにおいては、事象推定部に
よって推定された事象の危険度が、危険度認識部によ
り認識される。
【0043】
そして詳細劣化状態決定部により、当該推定された事象の内容と事象の危険度とに基づいて詳細劣化状態が決定される。
【0044】
これにより、ユーザーは二次電池に生じている事象と、二次電池が危険な状態にあるかどうかを知ることができるので、当該二次電池を利用する上でのユーザーの安心感が高まる。
【0045】
このように、本発明の状態出力システムによれば、ユーザーの安心感を高めつつ、ユーザーにとって十分な内容の二次電池の劣化状態を適時に出力することができる。
【0050】
本発明の状態出力システムにおいて、
前記二次電池のメンテナンスを行うメンテナンス者が使用するメンテナンス者装置を備え、
前記メンテナンス者装置は、前記危険度認識部が認識した前記危険度が所定の条件を満たす場合に、該危険度を示す情報と前記事象推定部により推定された事象の内容とを出力することが好ましい。
【0051】
本発明の状態出力システムにおいては、二次電池のメンテナンスを行うメンテナンス者が使用するメンテナンス者装置により、危険度認識部が認識した危険度が所定の条件を満たす場合に、該危険度を示す情報と事象推定部により推定された事象の内容とが出力される。
【0052】
これにより、メンテナンス者は二次電池が危険な状態にあることを迅速に知ることができ、適切なタイミングで必要なメンテナンスを行うことができるので、当該二次電池を利用する上でのユーザーの安心感が高まる。
【0053】
このように、本発明の状態出力システムによれば、ユーザーの安心感を高めつつ、ユーザーにとって十分な内容の二次電池の劣化状態を適時に出力することができる。
【発明を実施するための形態】
【0055】
図を用いて、本実施形態の状態出力システムについて説明する。なお同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略することがある。
【0056】
本実施形態の状態出力システムは、例えば一つ以上のユーザー装置10とサーバー30と、あるいはさらにメンテナンス者装置50とを備えている。
【0057】
ユーザー装置10とサーバー30との間及びメンテナンス者装置50とサーバー30との間は、通信ネットワーク90により相互に通信可能に接続されている。
【0058】
ユーザー装置10は、ユーザー装置制御部110と、ユーザー装置記憶部130と、ユーザー装置出力部150と、二次電池170とを備える。ユーザー装置10は、例えば電気自動車、ハイブリッド車等の自動車その他の移動体、あるいは定置用電源システム等の二次電池を用いるシステム全般である。なお、
図1においてユーザー装置10は一つのみ記載されているが、同一時期に稼働しているユーザー装置10は複数であっても一つであってもよい。
【0059】
ユーザー装置制御部110は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置、メモリ、及びI/O(Input/Output)デバイスなどにより構成されている。ユーザー装置制御部110は、所定のプログラムを読み込んで実行することにより例えば劣化状態認識部111、傾向取得部113、逸脱判定部115、残存余命推定部117、使用状態取得部119として機能する。
【0060】
劣化状態認識部111は、随時に又は所定の周期にて二次電池170の劣化状態を認識する。また劣化状態認識部111は、定期的に又は任意のタイミングで二次電池170の劣化状態をサーバー30に送信して使用状態情報DB331に記憶させる。
【0061】
傾向取得部113は、二次電池170の劣化状態の傾向を取得する。
【0062】
逸脱判定部115は、傾向取得部113により取得された二次電池170の劣化状態の傾向と、劣化状態認識部111により認識された該二次電池170の直近の劣化状態とに基づいて、該直近の劣化状態が該傾向から逸脱しているか否かを判定する。
【0063】
残存余命推定部117は、二次電池170が所定の劣化状態になるまでの期間である残存余命を推定する。
【0064】
使用状態取得部119は、随時に又は所定の周期にてユーザー装置10の使用状態を認識する。使用状態とは、ユーザー装置10が自動車などの移動体であれば例えばブレーキ、アクセルの踏み具合、ギアが何速に入っているか、速度、XYZ方向の向き、位置、高度、エアコンの動作有無及び設定温度などであり、ユーザー装置10が定置用電源システムであれば例えば環境温度、湿度、気象情報、位置、振動などである。これらの情報は、周知のセンサー等を用いて取得される。また使用状態取得部119は、定期的に又は任意のタイミングで二次電池170の使用状態をサーバー30に送信して使用状態情報DB331に記憶させる。
【0065】
ユーザー装置記憶部130は、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置により構成されている。ユーザー装置記憶部130は、例えば当該ユーザー装置10のユーザーUsを特定する情報を含むユーザー情報DB131、劣化状態認識部111により認識された当該ユーザー装置10の劣化状態を示す情報を含む劣化情報DB133及び、傾向取得部113により取得された二次電池170の劣化状態の傾向を示す情報を含む傾向情報DB135を記憶している。
【0066】
劣化情報DB133には、例えば
図2Aに示すように、劣化状態が認識された日時である認識日時1331、劣化状態を示す情報としての劣化評価値1333、当該劣化評価値の根拠となった二次電池170の電流値1335、電圧値1337、温度1339、当該劣化状態が認識された位置を示す位置情報1341が記憶されている。データを記憶する頻度は、例えば1日に数回、数分に1回など、任意のタイミングで認識された劣化状態が記憶されていてよい。
【0067】
ユーザー装置出力部150は、劣化状態認識部111が認識した二次電池170の直近の劣化状態及び詳細劣化状態決定部311により決定された詳細劣化状態を出力する、例えばディスプレイである。ユーザー装置出力部150が、本実施形態において出力部として機能する。
【0068】
二次電池170は、例えばリチウムイオン電池であるが、ニッケルニカド電池、鉛電池、燃料電池などの、充放電を繰り返すことにより電源として反復的に利用できるあらゆる電池であってよい。
【0069】
サーバー30は、サーバー制御部310と、サーバー記憶部330とを備える、例えばコンピュータである。
【0070】
サーバー制御部310は、CPU等の演算処理装置、メモリ、及びI/Oデバイスなどにより構成されている。サーバー制御部310は、所定のプログラムを読み込んで実行することにより例えば詳細劣化状態決定部311として、あるいはさらに事象推定部313及び危険度認識部315として機能する。
【0071】
詳細劣化状態決定部311は、二次電池170の直近の劣化状態は傾向から逸脱していると逸脱判定部115が判定した場合に、二次電池が該直近の時点までにどのように使用されたかを示す情報である使用状態情報をサーバー記憶部330から取得して、該直近の劣化状態及び該使用状態情報に基づいて該直近の劣化状態よりも詳細な該二次電池170の劣化状態を示す情報を含む詳細劣化状態を決定する。
【0072】
事象推定部313は、二次電池170の直近の劣化状態及び使用状態情報に基づいて該二次電池170に生じている事象を推定する。
【0073】
危険度認識部315は、事象推定部313により推定された二次電池170に生じている事象の危険度を認識する。
【0074】
サーバー記憶部330は、例えばROM、RAM、HDD等の記憶装置により構成されている。サーバー記憶部330は、二次電池170が該直近の時点までにどのように使用されたかを示す情報である使用状態情報を含む使用状態情報DB331、あるいはさらに二次電池170の劣化状態に影響を及ぼす地理的な特性を示す情報である地理的特性情報を含む地理的特性情報DB333、二次電池170の初期状態の内部抵抗又は充電容量の値を示す情報を含む初期状態情報DB335、事象推定部313が事象の推定に用いる予測モデルが格納されている予測モデルDB337、二次電池に生じうる事象に関する情報が格納されている事象DB339を記憶している。
【0075】
地理的特性情報DB333には、例えば
図2Bに示すように、地理的特性の対象となる位置情報の範囲を示す対象位置情報3331、当該範囲における地理的特性3333が格納されている。
【0076】
事象DB339には、例えば
図2C示すように、事象を識別する事象ID3391、事象の内容を示す事象内容3393、事象の危険度3395が格納されている。
【0077】
メンテナンス者装置50は、二次電池のメンテナンスを行うメンテナンス者が使用する例えばコンピュータ、タブレット端末、スマートフォンなどの機器である。
【0078】
メンテナンス者装置50は、危険度認識部315が認識した危険度が所定の条件を満たす場合に、該危険度を示す情報と事象推定部313により推定された事象の内容とを出力する。
【0079】
次に、
図3A、
図3Bを用いて本実施形態の状態出力システムの処理内容について説明する。
【0080】
<処理の概要>
本実施形態の状態出力システムによる一連の処理は、所定の頻度により繰り返し実行される。処理を開始するとまずユーザー装置10の劣化状態認識部111は、二次電池170の劣化状態を認識する(
図3A/S10)。劣化状態認識部111は、当該認識した劣化状態を劣化情報DB133に時系列的に記憶する。
【0081】
劣化状態認識部111は、例えば二次電池170の電圧、電流及び温度を示す情報を二次電池170から取得して該取得された情報に基づいて該二次電池170の劣化状態を認識する。
【0082】
より具体的には、例えば劣化状態認識部111は、二次電池170の初期状態の内部抵抗又は充電容量の値を示す情報をユーザー装置記憶部130から取得して、また二次電池170から取得した二次電池170の電圧、電流及び温度を示す情報に基づいて所定の演算をすることにより該二次電池170の直近の内部抵抗又は充電容量の値を示す情報を取得する。そして劣化状態認識部111は、例えば二次電池170の初期状態の内部抵抗又は充電容量と直近の内部抵抗又は充電容量との比率を算出することにより該二次電池170の内部抵抗増加率又は容量残存率を決定して、当該決定した内部抵抗増加率又は容量残存率に基づいて該二次電池170の劣化状態を認識する。
【0083】
続いて傾向取得部113は、二次電池170の劣化状態の傾向を取得する(
図3A/S30)。傾向取得部113は、例えば二次電池170の劣化状態を数値化した劣化評価値を用いて算出した該二次電池170の劣化状態の所定期間の移動平均値に基づいて該二次電池170の劣化状態の傾向を取得する。傾向取得部113は、当該取得した劣化状態の傾向を傾向情報DB135に時系列的に記憶する。
【0084】
より具体的には、例えば傾向取得部113は、劣化状態認識部111がS10にて決定した、該二次電池170の内部抵抗増加度合又は容量残存度合を劣化評価値として用いて該二次電池170の劣化状態の所定期間の移動平均値を算出する。所定期間は例えば1か月、半年などであるが、それよりも短い又は長い任意の期間であってよく、また二次電池170の電圧、電流及び温度を示す情報の値、劣化評価値の値に応じて当該期間が随時に変化されることとしてもよい。
【0085】
図4は、内部抵抗増加度合の移動平均値に基づいて該二次電池170の劣化状態の傾向を取得する際の例を示している。
図4においては、劣化情報DB133に記録されている過去のM個の劣化状態RValから所定期間中の劣化状態であるN個の劣化状態OValが抽出されて、当該抽出されたN個の劣化状態OValの移動平均値が最新N個の移動平均値LAveとなっている。
【0086】
また、同様にして計算された過去の各時点の移動平均値をつなぎ合わせた線TLinが該二次電池170の劣化状態の傾向を表している。なお、各時点の劣化状態を示す値は該二次電池170の初期状態の内部抵抗の値IValを100%とした場合の各時点の内部抵抗の値(すなわち内部抵抗の値が30%増加していれば130%)である。
【0087】
図5は、容量残存度合の移動平均値に基づいて該二次電池170の劣化状態の傾向を取得する際の例を示している。
図5においては、劣化情報DB133に記録されている過去のM個の劣化状態RVal2から所定期間中の劣化状態であるN個の劣化状態OVal2が抽出されて、当該抽出されたN個の劣化状態OVal2の移動平均値が最新N個の移動平均値LAve2となっている。
【0088】
また、同様にして計算された過去の各時点の移動平均値をつなぎ合わせた線TLin2が該二次電池170の劣化状態の傾向を表している。なお、各時点の劣化状態を示す値は該二次電池170の初期状態の充電容量の値IVal2を100%とした場合の各時点の残存容量の値(すなわち充電容量の値が30%低下していれば70%)である。
【0089】
次に逸脱判定部115は、直近の劣化状態LValが該二次電池170の劣化状態の傾向から逸脱しているか否かを判定する(
図3A/S50)。
【0090】
例えば逸脱判定部115は、二次電池170の劣化状態の直近の移動平均値LAveと直近の劣化評価値LValとの差Devが所定の閾値以上である場合に、該直近の劣化状態は傾向から逸脱していると判定する。例えば
図4においては、二次電池170の劣化状態の最新の移動平均値LAveの上方の破線ULinが差Devの上限の閾値を、下方の破線LLinが下限の閾値をそれぞれ表している。
【0091】
すなわち移動平均値をつなぎ合わせた線TLinから、上方の破線ULinまでの距離と、下方の破線LLinまでの距離とが、上下方向それぞれの許容偏差ADevとなる。
【0092】
図4においては、直近の劣化評価値LValが上方の破線ULinを上回る値となっているため、逸脱判定部115は、直近の劣化状態LValが該二次電池170の劣化状態の傾向から逸脱していると判定する。また逸脱判定部115は、直近の劣化状態LValが上方の破線ULin以下であり下方の破線LLin以上であれば直近の劣化状態LValが該二次電池170の劣化状態の傾向から逸脱していないと判定する。
【0093】
当該判定が否定的である場合(
図3A/S50:No)は二次電池170の劣化状態はその傾向から逸脱していない。この場合例えば残存余命推定部117は二次電池170が所定の劣化状態になるまでの期間である残存余命を推定する(
図3B/S90)。
【0094】
より具体的には残存余命推定部117は、二次電池170の劣化状態の傾向を傾向情報DB135から取得して、該取得した二次電池170の劣化状態の傾向から該二次電池170の将来の内部抵抗又は容量残量の値を予測する。そして残存余命推定部117は、該予測された該二次電池170の将来の内部抵抗又は充電容量の値があらかじめ定められた該二次電池170の内部抵抗の値の上限値又は充電容量の値の下限値に到達するまでの期間を算出して、当該算出された期間を該二次電池が残存余命であると推定する。
【0095】
図6は、残存余命推定部117が二次電池170の内部抵抗増加度合の傾向から該二次電池170の将来の内部抵抗の値を予測する際の例を示している。
図6においては、残存余命推定部117は、例えば二次電池170の劣化状態の傾向を表している線TLinの近似曲線を得ることにより該二次電池170の将来の内部抵抗の変化を表す線FLinを導出する。
【0096】
そして残存余命推定部117は、あらかじめ定められた内部抵抗の値の上限値(本実施例においては内部抵抗の値が130%)を示す破線MValと線FLinとの交点Pが対応する時点t2を求めて、当該時点t2と直近の劣化評価値LValが取得された時点t1との間の期間の長さLenが当該二次電池170の残存余命であると推定する。
【0097】
図7は、残存余命推定部117が二次電池170の内部抵抗増加度合の傾向から該二次電池170の将来の内部抵抗の値を予測する際の例を示している。
図7においては、残存余命推定部117は、例えば二次電池170の劣化状態の傾向を表している線TLin2の近似曲線を得ることにより該二次電池170の将来の充電容量の変化を表す線FLin2を導出する。
【0098】
そして残存余命推定部117は、あらかじめ定められた充電容量の値の下限値(本実施例においては充電容量の値が70%)を示す破線MVal2と線FLin2との交点P2が対応する時点t4を求めて、当該時点t4と直近の劣化評価値LVal2が取得された時点t3との間の期間の長さLen2が当該二次電池170の残存余命であると推定する。
【0099】
そしてユーザー装置出力部150は、劣化状態認識部111が認識した二次電池170の直近の劣化状態と残存余命推定部117が推定した残存余命とを出力して(
図3B/S110)一連の処理を終了する。
【0100】
一方、上記判定が肯定的である場合(
図3A/S50:Yes)は二次電池170の劣化状態はその傾向から逸脱しているので、逸脱判定部115は、直近の劣化状態LValを含む情報をサーバー30に送信する(
図3A/S70)。このとき逸脱判定部115は、ユーザー情報DB131から当該ユーザー装置10を特定する情報を取得して直近の劣化状態LValとともにサーバー30に送信する。
【0101】
そして当該情報を受信したサーバー30は、直近の劣化状態よりも詳細な該二次電池の劣化状態を示す情報を含む詳細劣化状態を決定する一連の処理である詳細劣化状態決定処理(
図3B/S110)を実行する。当該処理の内容については後述する。
【0102】
その後に詳細劣化状態決定部311は、詳細劣化状態をユーザー装置10に送信して処理を終了する。
【0103】
そして詳細劣化状態を受信したユーザー装置10のユーザー装置出力部150は、当該受信した詳細劣化状態を出力して(
図3B/S200)本実施形態の状態出力システムによる一連の処理が終了する。
【0104】
<詳細劣化状態決定処理>
処理を開始すると事象推定部313は、二次電池170の直近の劣化状態及び使用状態情報に基づいて該二次電池170に生じている事象を推定する(
図3B/S211)。
【0105】
より具体的には事象推定部313は、当該ユーザー装置10及び/又はその他のユーザー装置10に搭載されていた二次電池170の過去の劣化状態及び使用状態を示す情報と、該二次電池170に過去に生じていた事象を示す情報とを教師データとして機械学習された予測モデルを予測モデルDB335から取得して、当該予測モデルを用いて、二次電池170の直近の劣化状態及び使用状態情報とから該二次電池170に生じている事象を推定する。
【0106】
その後、危険度認識部315は、事象推定部313により推定された二次電池170に生じている事象の危険度を認識する(
図3B/S213)。
【0107】
危険度認識部315は、例えば事象DBを参照して、二次電池170に生じている事象に対応する危険度を認識する。そして危険度認識部315は、認識した危険度が所定の条件が満たすか否かを判定する(
図3B/S215)。所定の条件とは、例えば特定の事象であるかどうかであり、あるいは例えば危険度が
図2Bに示すように数値で示されている場合には所定の数値以上であるか否かであってもよい。
【0108】
当該判定が肯定的である場合に(
図3B/S215:Yes)危険度認識部315は、危険度を示す情報と推定された事象の内容とユーザーUsを特定する情報を含む情報をメンテナンス者装置50に送信する(
図3B/S217)。
【0109】
危険度を示す情報と推定された事象の内容とを含む情報を受信したメンテナンス者装置50は、危険度を示す情報と推定された事象の内容とをユーザーUsを特定する情報(たとえば電話番号、住所など)とともに出力する(
図3B/S400)。
【0110】
メンテナンス者装置50はさらに、例えば即時にバッテリーの交換をするなどのメンテナンスを促す情報など、推定された事象の内容に合わせた対処の内容を出力するように構成されていてもよい。
【0111】
その後又は当該判定が否定的である場合に(
図3B/S215:No)危険度認識部315は、詳細劣化状態を決定する。
【0112】
より具体的には詳細劣化状態決定部311は、事象推定部313により推定された事象の内容と危険度認識部315により認識された危険度とに基づいて詳細劣化状態を決定する。
【0113】
図8は、このようにして決定された詳細劣化状態がユーザー装置出力部150により出力されている状態を示している。
【0114】
図8に示す実施例においては、劣化度が所定以上で上昇したため逸脱判定部115は、二次電池170の劣化状態はその傾向から逸脱していると判定している。
【0115】
そして事象推定部313は、二次電池170の直近の劣化状態及び使用状態情報に基づいて、「バッテリーコントロールユニット内部の基板のショートの疑いがある」と推定するとともに、危険度認識部315は当該事象の危険度は5であると認識している。
【0116】
これを受けて詳細劣化状態決定部311は、推定された事象の内容の情報と認識された危険度と推奨される対応とを決定する。
【0117】
このような処理を経て、
図8に示すように二次電池170の劣化状態を示す表示Degと、推定された事象の内容Incと、危険度DLvとともに、推奨される対応を示す表示Recとが出力されている。
【0118】
あるいは詳細劣化状態決定部311は、ユーザー装置10の過去及び/又は現在の位置情報を使用状態情報DB331から取得して当該取得した情報に基づいて二次電池170の劣化状態に影響を及ぼす地理的な特性を示す情報である地理的特性情報をサーバー記憶部330から取得して、該位置情報及び該地理的特性情報に基づいて詳細劣化状態を決定する。
【0119】
図9は、このようにして決定された詳細劣化状態がユーザー装置出力部150により出力されている状態を示している。
【0120】
図9に示す実施例においては、急激に劣化度が上昇したため逸脱判定部115は、二次電池170の劣化状態はその傾向から逸脱していると判定している。
【0121】
そして事象推定部313は、二次電池170の直近の劣化状態及び使用状態情報に基づいて、まず1週間前の劣化度に比して急激に劣化度が上昇したことを認識し、それを受けて直近1週間の使用状況とそれ以前の使用状況とを比べて、何らかの変化がないかを判定する。
【0122】
本実施例において事象推定部313は、位置情報から直近の数日間はある特定の地理的範囲での運転が増えていることを認識したので、さらに地理的特性情報DB333を参照して、当該範囲においては「坂道が多い」という地理的特性があることを認識する。あるいはさらに事象推定部313は、使用状態情報DB331を参照して当該ユーザー装置10以外のユーザー装置10に搭載されていた二次電池170の過去の劣化状態及び使用状態を示す情報を解析して、該二次電池170に生じている今回の事象が「坂の多い地域で数日間連続して運転をしたことによる劣化状態の悪化」であることの確からしさを算出し、当該確からしさが所定値以上であれば、今回の事象が「坂の多い地域で数日間連続して運転をしたことによる劣化状態の悪化」であると推定する。
【0123】
そして詳細劣化状態決定部311は、地理的特性情報を考慮したうえで推定された事象の内容と、推奨される対応とを決定する。
【0124】
本実施例においては、例えば詳細劣化状態決定部311は、当該ユーザー装置10以外のユーザー装置10に搭載されていた二次電池170の過去の劣化状態及び使用状態を示す情報をさらに解析して、坂での運転を回避することにより、劣化度の上昇を抑えられることを認識したので、別の道を通るようにすることを推奨する情報を含む詳細劣化状態を決定している。
【0125】
このような処理を経て、
図9に示すように二次電池170の劣化状態を示す表示Degと、地理的特性情報を考慮したうえで推定された事象の内容Geo及び推奨される対応を示す表示Recとが出力されている。
【0126】
このように、直近又は過去の劣化状態と詳細劣化状態とがユーザー装置出力部150に同時に表示されてもよいし、表示を切り替えるなどして何れか一方が表示されてもよい。
【0127】
以上述べてきたように、本発明の状態出力システムによれば、ユーザーにとって十分な内容の二次電池の劣化状態を適時に出力することができる二次電池の状態出力システムを提供することができる。
【0128】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【0129】
例えばユーザー装置出力部150は、ディスプレイに替えて又は加えて、劣化状態及び詳細劣化状態を音声により出力するスピーカーであってもよい。
【0130】
例えばユーザー装置10は複数の機器により構成されていてもよい。すなわち例えば二次電池170が搭載された自動車と、当該自動車と通信可能に接続されたスマートフォンなどの汎用的な機器あるいは専用の機器との組み合わせにより構成されていてもよい。
【0131】
例えば上記においてはユーザー装置10とサーバー30との処理内容の分担を具体的に記載したがこれに限定されない。すなわち例えば一部の処理がユーザー装置10ではなくサーバー30において、またはサーバー30ではなくユーザー装置10において実行されてもよい。あるいは例えばサーバー30が省略されて、すべての処理がユーザー装置10で実行されてもよい。
【0132】
例えば事象推定部313は、サーバー記憶部330にあらかじめ記憶されている、二次電池170の電流、電圧及び温度の何れか又はこれらの組み合わせその他のパラメータと二次電池170に生じていると推定される事象とを対応付けたテーブルを参照してこれらのパラメータに基づいて二次電池170に生じている事象を推定するように構成されていてもよい。
【解決手段】本発明の状態出力システムはユーザーが使用するユーザー装置に搭載された二次電池の劣化状態を出力するシステムであり、二次電池の直近の劣化状態が傾向から逸脱していると判定した場合に、二次電池が直近の時点までにどのように使用されたかを示す情報に基づいて詳細な二次電池の劣化状態を示す詳細劣化状態を決定して、直近の劣化状態及び詳細劣化状態を出力する出力部を備える。