特許第6862056号(P6862056)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6862056
(24)【登録日】2021年4月2日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】杭打機
(51)【国際特許分類】
   E02D 13/00 20060101AFI20210412BHJP
【FI】
   E02D13/00 Z
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-144302(P2017-144302)
(22)【出願日】2017年7月26日
(65)【公開番号】特開2019-27040(P2019-27040A)
(43)【公開日】2019年2月21日
【審査請求日】2020年5月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004617
【氏名又は名称】日本車輌製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100128358
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 良彦
(74)【代理人】
【識別番号】100086210
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 一彦
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 一磨
【審査官】 山崎 仁之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−091945(JP,A)
【文献】 特開2016−098618(JP,A)
【文献】 実開昭56−046655(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 13/00
E02D 7/00−7/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部走行体と、該下部走行体の上に旋回可能に設けられた上部旋回体と、該上部旋回体の前部に起伏可能に設けられたリーダと、前記上部旋回体の後部に設けられたアウトリガと、上部旋回体の後部上方に設けられた機器載置用の後部架台と、上部旋回体の側部に設けられた作業用足場とを備えた杭打機において、アウトリガの先端に支持部材を設け、支持部材により、後部架台と作業用足場とを接続する連絡ステップを支持したことを特徴とする杭打機。
【請求項2】
前記アウトリガは、前記上部旋回体の後部に鉛直方向の回動軸を中心として回動可能に設けられたアウトリガアームと、該アウトリガアームの長さ方向中間部に設けられたアウトリガジャッキと、前記アウトリガアームの先端上部に設けられたバックステー装着部とを備え、前記支持部材は、前記アウトリガアームの回動端に着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項1記載の杭打機。
【請求項3】
前記連絡ステップの後端部における前記後部架台の昇降口に対応した位置に、補助ステップが着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の杭打機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、杭打機に関し、詳しくは、上部旋回体の後部に補機搭載用の後部架台を有するとともに、上部旋回体の側部に作業用足場を有する大型の杭打機に関する。
【背景技術】
【0002】
大型杭打機は、一般的に、クローラを備えた下部走行体の上部に、旋回ベアリングを介して上部旋回体を旋回可能に設け、上部旋回体の前部にリーダを起伏可能に設けるとともに、該リーダを上部旋回体の後部から左右一対のバックステーによって支持している。上部旋回体には、運転室、制御機器室、油圧ユニット室、複数のウインチなどが設けられており、リーダには、オーガなどの作業装置が昇降可能に設けられている。
【0003】
このような大型の杭打機において、前記作業装置として電動オーガを使用する際には、上部旋回体の後部に機器載置用の後部架台を設け、該後部架台にエンジン発電機を搭載して電動オーガ用の電源を確保することが行われている(例えば、特許文献1参照。)。また、上部旋回体の側面に運転室への昇降用や各種機器の操作、点検などの作業を行うための作業ステップを設けることも行われている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−91945号公報(第5図、第6図)
【特許文献2】特開2016−98618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された後部架台(発電機載置台)に搭載されたエンジン発電機の操作や点検を行う際には、後部架台に梯子を掛けて昇降する必要があり、作業性が悪く、後部架台の高さによっては、落下防止策を講じる必要もあった。特許文献2に記載された作業ステップと後部架台とを適宜なステップで接続することによって作業性を向上させることはできるが、上部旋回体の旋回操作などの支障となるので、ステップに支柱を設けることができないため、安全性を考慮すると、ステップ自体を極めて強固に製作する必要があり、製造コストが大幅に増加するだけでなく、ステップの着脱も面倒になるという問題がある。
【0006】
そこで本発明は、上部旋回体の後部に設けられる後部架台と上部旋回体の側面に設けられる作業ステップとを接続する連絡ステップの製造コストの低減や、安全性、着脱作業性の向上を図れる構造を備えた杭打機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の杭打機は、下部走行体と、該下部走行体の上に旋回可能に設けられた上部旋回体と、該上部旋回体の前部に起伏可能に設けられたリーダと、前記上部旋回体の後部に設けられたアウトリガと、前記上部旋回体の後部上方に設けられた機器載置用の後部架台と、前記上部旋回体の側部に設けられた作業用足場とを備えた杭打機において、前記アウトリガの先端に支持部材を設け、該支持部材により、前記後部架台と前記作業用足場とを接続する連絡ステップを支持したことを特徴としている。
【0008】
さらに、本発明の杭打機は、アウトリガが、前記上部旋回体の後部に鉛直方向の回動軸を中心として回動可能に設けられたアウトリガアームと、該アウトリガアームの長さ方向中間部に設けられたアウトリガジャッキと、前記アウトリガアームの先端上部に設けられたバックステー装着部とを備え、前記支持部材は、前記アウトリガアームの回動端に着脱可能に設けられていることを特徴とし、また、前記連絡ステップの後端部における前記後部架台の昇降口に対応した位置に、補助ステップが着脱可能に設けられていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の杭打機によれば、連絡ステップに加わる作業員などの荷重を、アウトリガの先端に設けた支持部材によって支持できるので、安全性の向上を図りながら、連絡ステップの構成を簡略化することができ、製造コストの低減を図ることができる。また、連絡ステップの軽量化によって着脱作業性の向上も図れる。また、補助ステップを着脱可能に設けることにより、高位置に配置された後部架台と連絡ステップとの段差を小さくすることができ、後部架台の大きさに応じて配置された昇降口への対応も容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の杭打機の一形態例を示す側面図である。
図2】同じく杭打機の要部を示す側面図である。
図3】同じく杭打機の要部を示す平面図である。
図4】連絡ステップの平面図である。
図5】連絡ステップを支持する支持部材の周辺を示す側面図である。
図6図5のVI−VI断面図である。
図7】本発明の杭打機の他の形態例を示す要部の平面図である。
図8】補助ステップの第1取付例を示す平面図である。
図9】同じく後部側から見た側面図である。
図10】補助ステップの第2取付例を示す平面図である。
図11】同じく後部側から見た側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1乃至図6は、本発明の杭打機の一形態例を示している。本形態例に示す杭打機11は、クローラ12aを備えた下部走行体12と、該下部走行体12の上部に旋回ベアリングを介して旋回可能に設けられた上部旋回体13と、該上部旋回体13の前部に起伏可能に設けられたリーダ14と、該リーダ14を後方から支持するバックステー15とを備えている。さらに、上部旋回体13の幅方向中央には、複数のウインチ16が前後方向に並んで配置され、右側には、運転室17、制御機器室18が前後に並んで設けられるとともに、左側には、油圧ユニット室19が設けられ、上面後部には、ガントリ(Aフレーム)20が起伏可能に設けられている。
【0012】
さらに、上部旋回体13の後部には、エンジン発電機21などの機器を搭載するための後部架台22が着脱可能に設けられており、上部旋回体13の両側部には、制御機器室18や油圧ユニット室19に収納された機器を点検したりする際に使用する作業用足場23がそれぞれ着脱可能に設けられている。また、運転室17のドア部分には、昇降用ステップ17aが折り畳み可能に設けられている。
【0013】
また、上部旋回体13のフレーム後端部にはアウトリガ24が設けられている。このアウトリガ24は、鉛直方向の回動軸25aを中心として回動可能に形成されたアウトリガアーム25が設けられている。該アウトリガアーム25の長さ方向中間部には伸縮可能なアウトリガジャッキ26が設けられ、前記アウトリガアーム25の先端上部にはバックステー装着部27が設けられている。
【0014】
前記後部架台22の前部両側部分にそれぞれ設けられた昇降口28と、前記作業用足場23の後端部との間には、後部架台22と作業用足場23とを接続する平面視L字状の連絡ステップ29が設けられている。この連絡ステップ29の中央部は、前記アウトリガアーム25の先端(回動端)に着脱可能に取り付けられた支持部材30によって下方から支持されている。
【0015】
支持部材30は、アウトリガアーム25の先端面に設けられている端板25bにボルト31で締結される取付板32と、該取付板32から直角に突出する状態で固着された支持枠33及び該支持枠33の両側に設けられた補強板34と、支持枠33及び補強板34の上に固着された支持板35とを備えており、連絡ステップ29の下面に設けられている下部取付板36と支持板35とをボルト37で締結することにより、連絡ステップ29が支持部材30の上に支持された状態になる。
【0016】
連絡ステップ29は、所定形状に枠組みされた複数の外枠部材38と、該外枠部材38の上に固着されたエキスパンドメタルからなる床板39とで形成されており、前記支持部材30に対応する位置には、外枠部材38の下に前記下部取付板36が固着されている。さらに、後部架台22の昇降口28に対応する連絡ステップ29の後端部には、連絡ステップ29の後端部と後部架台22の昇降口28との位置合わせや高さ調整を行うための補助ステップ40が着脱可能に設けられている。
【0017】
この補助ステップ40は、図3に示すように、大型のエンジン発電機21に対応する幅広の後部架台22を上部旋回体13の後部に取り付けた場合には、左側の連絡ステップ29の後端部外側に補助ステップ40を設け、図7に示すように、小型のエンジン発電機21aに対応する幅狭の後部架台22aの場合には、左側の連絡ステップ29の後端部内側に補助ステップ40を設けるようにする。このように、後部架台の幅寸法や後部架台の昇降口に対応した位置に補助ステップを適宜に配置することにより、連絡ステップと後部架台との間の通路部の通行を安全かつ容易に行うことができる。さらに、後部架台の形状によっては、右側の連絡ステップ29に設ける補助ステップ40の位置を変えることもできる。
【0018】
また、後部架台22の外縁部、作業用足場23の外縁部及び連絡ステップ29の外縁部には、安全柵41を取り付けるための有底円筒状の柵取付部材41aが所定間隔で所定位置に設けられており、各柵取付部材41aには、通路部を除いて安全柵41が連続的に設けられている。また、昇降用梯子23aを設けた作業用足場23の昇降口部分には、安全柵41を設けずに、昇降時に容易に取り外せる保護チェーン42が設けられている。さらに、作業用足場23の後端縁と該連絡ステップ29の後端縁に連続する連絡ステップ29の一側部との間にも、連絡ステップ29の着脱やその他の作業を行う際に容易に取り外せるように、保護チェーン43を着脱可能に設けている。このような安全柵41や保護チェーン42,43を設けることにより、連絡ステップ29などの高所からの転落事故の発生を防止するようにしている。
【0019】
このように、上部旋回体13の側部に設けた作業用足場23と、上部旋回体13の後部に設けた後部架台22とを接続する連絡ステップ29を、アウトリガアーム25の先端面に設けた支持部材30で支持することにより、連絡ステップ29を確実に支持することができ、運転室17から右側の作業用足場23及び連絡ステップ29を介して後部架台22に行き来することができ、従来のように梯子を掛けて昇降する必要がなくなる。これにより、エンジン発電機21などの機器の操作や点検を容易かつ安全に行うことができる。さらに、左側にも作業用足場23及び連絡ステップ29を設けておくことにより、油圧ユニット室19内のエンジンなどの操作や点検も容易かつ安全に行うことができる。
【0020】
また、連絡ステップ29の中央部を支持部材30によって支持しているので、連絡ステップ29の剛性を必要以上に高める必要がなくなり、連絡ステップ29の製造コストの低減や、連絡ステップ29の運搬や上部旋回体13に対する着脱作業性の向上を図ることができる。また、支持部材30を含めた連絡ステップ29を、アウトリガアーム25より上方に配置しているので、クローラ12aの上方に位置することになり、上部旋回体13の旋回操作や杭打機11の走行操作を通常通り行うことができる。
【0021】
前記連絡ステップ29と前記作業用足場23との間、前記連絡ステップ29と後部架台22との間は、通常は連結する必要はないが、適宜な連結部材を用いて連結するようにしてもよく、上面に踏み板を設置して隙間を無くすようにしてもよい。
【0022】
図8乃至図11は補助ステップの取付例を示すもので、図8及び図9は前記図3に示した状態で補助ステップを設ける際の取付状態、図10及び図11は前記図7に示した状態で補助ステップを設ける際の取付状態を示している。補助ステップ40は、前記連絡ステップ29と同様に、外枠部材38と床板39とで形成され、外枠部材38の外面には、複数の柵取付部材41aが所定位置に設けられている。そして、補助ステップ40の一側縁下部には、基部に補強部材44aを有する2本の取付パイプ44が下方に向かって突設されている。
【0023】
図3図8及び図9に示すように、左側の連絡ステップ29の後端外側に補助ステップ40を設ける場合は、後端外側に位置する柵取付部材41aに前記取付パイプ44の下端部を挿入してネジで固定し、後端内側に位置する柵取付部材41aには安全柵41の下端部を挿入してネジで固定する。また、補助ステップ40の外側部分及び前方部分にも、所定形状の安全柵41を取り付ける。
【0024】
一方、図7図10及び図11に示すように、左側の連絡ステップ29の後端内側に補助ステップ40を設ける場合は、後端内側に位置する柵取付部材41aに前記取付パイプ44の下端部を挿入してネジで固定し、後端外側に位置する柵取付部材41aには安全柵41の下端部を挿入してネジで固定する。また、補助ステップ40の外側部分及び前方部分にも、所定形状の安全柵41を取り付け、連絡ステップ29の後端が後部架台22aより外方に突出する場合は、連絡ステップ29の後方位置にも、所定形状の安全柵41を取り付ける。
【0025】
このように、安全柵41を取り付ける柵取付部材41aを利用して補助ステップ40を取り付けることにより、補助ステップ40の取付方向の変更や、これに伴う安全柵41の取付位置の変更を容易かつ確実に行うことができる。
【符号の説明】
【0026】
11…杭打機、12…下部走行体、12a…クローラ、13…上部旋回体、14…リーダ、15…バックステー、16…ウインチ、17…運転室、17a…昇降用ステップ、18…制御機器室、19…油圧ユニット室、20…ガントリ、21,21a…エンジン発電機、22,22a…後部架台、23…作業用足場、23a…昇降用梯子、24…アウトリガ、25…アウトリガアーム、25a…回動軸、25b…端板、26…アウトリガジャッキ、27…バックステー装着部、28…昇降口、29…連絡ステップ、30…支持部材、31…ボルト、32…取付板、33…支持枠、34…補強板、35…支持板、36…下部取付板、37…ボルト、38…外枠部材、39…床板、40…補助ステップ、41…安全柵、41a…柵取付部材、42,43…保護チェーン、44…取付パイプ、44a…補強部材
図1
図2
図3
図4
図5
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図11