(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6862070
(24)【登録日】2021年4月2日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】導光装置及びその導光装置を備えた化粧鏡
(51)【国際特許分類】
F21V 33/00 20060101AFI20210412BHJP
F21V 8/00 20060101ALI20210412BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20210412BHJP
H05B 45/10 20200101ALI20210412BHJP
H05B 45/20 20200101ALI20210412BHJP
H05B 45/32 20200101ALI20210412BHJP
H05B 45/3725 20200101ALI20210412BHJP
F21Y 103/33 20160101ALN20210412BHJP
F21Y 113/13 20160101ALN20210412BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20210412BHJP
【FI】
F21V33/00 130
F21V8/00 310
F21S2/00 435
F21S2/00 437
F21S2/00 431
F21S2/00 438
F21S2/00 439
F21V8/00 320
H05B45/10
H05B45/20
H05B45/32
H05B45/3725
F21Y103:33
F21Y113:13
F21Y115:10
【請求項の数】12
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-556403(P2019-556403)
(86)(22)【出願日】2017年11月22日
(65)【公表番号】特表2020-503659(P2020-503659A)
(43)【公表日】2020年1月30日
(86)【国際出願番号】CN2017112213
(87)【国際公開番号】WO2019000814
(87)【国際公開日】20190103
【審査請求日】2019年6月28日
(31)【優先権主張番号】201710514359.4
(32)【優先日】2017年6月29日
(33)【優先権主張国】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517384589
【氏名又は名称】深▲せん▼市宗匠科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ワン ニエンオウ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ウシ
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ シンリァン
(72)【発明者】
【氏名】リォウ シァンリン
【審査官】
野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2013/0235607(US,A1)
【文献】
特開2017−103010(JP,A)
【文献】
特開2012−089291(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 33/00
H05B 45/00、47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1発光部材と、第2発光部材と、導光本体とを備える導光装置であって、
前記導光本体は、第1の光を受光するための第1光入射端面と、第2の光を受光するための第2光入射端面と、光出射面と、前記光出射面に対向して配置された光反射面とを含み、
前記光反射面は、前記第1の光及び第2の光を反射し、かつ反射された前記第1の光及び第2の光を前記光出射面から出射するために用いられ、
前記導光装置の光出射面は、凸円弧面状又は凹円弧面状をなしており、
前記導光装置は、前記第1発光部材を制御して第1の光を発する第1制御回路をさらに備え、
前記第1制御回路は、パルス信号をフィルタリングすることにより線形制御信号を出力するためのローパスフィルタ回路と、前記線形制御信号に応じて前記第1発光部材の輝度を線形に調整する駆動チップとを備え、
前記駆動チップは、電圧出力ピンとフィードバックピンとを備え、
前記電圧出力ピンは発光ダイオードのアノードに接続されており、前記発光ダイオードのカソードは第1抵抗を介して接地されており、
前記フィードバックピンは、第2抵抗を介して前記発光ダイオードのカソードに接続され、さらに、直列に接続された第3抵抗及び第4抵抗を介して前記パルス信号を受信し、
前記第3抵抗と第4抵抗との間のノードは、コンデンサを介して接地されていることを特徴する導光装置。
【請求項2】
前記光反射面には、複数の散乱ドットが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の導光装置。
【請求項3】
前記複数の散乱ドットの形状は、円形及び楔形のうちの1つ以上であることを特徴とする請求項2に記載の導光装置。
【請求項4】
前記複数の光散乱ドットの密度は、発光部材からの距離と反比例の関係にあることを特徴とする請求項2に記載の導光装置。
【請求項5】
前記第1発光部材は、前記第1光入射端面に設けられており、前記第2発光部材は、前記第2光入射端面に設けられており、
前記第1発光部材は、単色温度の温光発光素子と冷光発光素子の一方又は両方を備え、前記第2発光部材は、単色温度の温光発光素子と冷光発光素子の一方又は両方を備え、或は、
前記第1発光部材は、1つ以上の二色温度の温光発光素子を備え、前記第2発光部材は、1つ以上の二色温度の温光発光素子を備えることを特徴とする請求項1に記載の導光装置。
【請求項6】
前記導光装置は、前記第2発光部材を制御して第2の光を発する第2制御回路をさらに備え、
前記第2制御回路は、パルス信号をフィルタリングすることにより線形制御信号を出力するためのローパスフィルタ回路と、前記線形制御信号に応じて前記第2発光部材の輝度を線形に調整する駆動チップとを備えることを特徴とする請求項1に記載の導光装置。
【請求項7】
前記導光本体は、前記光反射面と、前記光反射面に対向して配置された光出射面と、内側面と、前記内側面に対向して配置された外側面とを含み、
前記光反射面、光出射面、内側面、及び外側面は、楔形断面を構成していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の導光装置。
【請求項8】
前記導光装置は、前記導光装置の光反射面に接近して配置された光反射装置をされに備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の導光装置。
【請求項9】
鏡面と、前記鏡面の周方向に沿って設けられた請求項1〜8のいずれか1項に記載の導光装置とを備えることを特徴とする化粧鏡。
【請求項10】
ソフトライト装置をさらに備え、
前記ソフトライト装置は、前記鏡面を収容するための第1収容部と、第2収容部とを含み、
前記導光装置の光出射部は、前記第2収容部内に収容されていることを特徴とする請求項9に記載の化粧鏡。
【請求項11】
支持部材と、放熱装置とをさらに備え、
前記支持部材は、上方に突出した当接係合部を備え、前記第1光入射端面に隣接する当接係合部の外表面には、前記第1光入射端面に対向する第1発光部材が設けられており、前記第2光入射端面に隣接する当接係合部の外表面には、前記第2光入射端面に対向する第2発光部材が設けられており、
前記放熱装置は、発光部材と、対応する入射端面との間に設けられていることを特徴とする請求項10に記載の化粧鏡。
【請求項12】
前記支持部材はアルミニウム基板であり、前記放熱装置の材料は熱抵抗の低い材料であることを特徴とする請求項11に記載の化粧鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導光装置及びその導光装置を備えた化粧鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧鏡はすべての家庭で使用されるものである。鏡を見ながら化粧するときに、鏡を見る角度が異なるため、局所的な明るさが不十分なために見えない状況が発生する可能性がある。光の角度が一般的に固定されているので、異なる角度で見る必要がある場合、光が不均一になる現象が発生する可能性があり、それによりユーザに不便を引き起こす。
【発明の概要】
【0003】
以上のことに鑑み、発光の不均一性を低減可能な導光装置及びその導光装置を備えた化粧鏡を提供する必要がある。
【0004】
導光装置は、第1発光部材と、第2発光部材と、導光本体とを備える。前記導光本体は、第1の光を受光するための第1光入射端面と、第2の光を受光するための第2光入射端面と、光出射面と、前記光出射面に対向して配置された光反射面とを含む。前記光反射面は、前記第1の光及び第2の光を反射し、かつ反射された前記第1の光及び第2の光を前記光出射面から出射するために用いられる。
【0005】
さらに、前記導光装置において、前記光反射面には、複数の散乱ドット(scattering dot)が設けられている。
【0006】
さらに、前記導光装置において、前記複数の散乱ドットの形状は、円形及び楔形のうちの1つ以上である。
【0007】
さらに、前記導光装置において、前記複数の光散乱ドットの密度は、発光部材からの距離と反比例の関係にある。
【0008】
さらに、前記導光装置において、前記第1発光部材は、前記第1光入射端面に設けられており、前記第2発光部材は、前記第2光入射端面に設けられている。前記第1発光部材は、単色温度(monochromatic temperature)の温光発光素子と冷光発光素子の一方又は両方を備え、前記第2発光部材は、単色温度の温光発光素子と冷光発光素子の一方又は両方を備える。或は、前記第1発光部材は、1つ以上の二色温度(bicolor temperature)の温光発光素子を備え、前記第2発光部材は、1つ以上の二色温度の温光発光素子を備える。
【0009】
さらに、前記導光装置は、前記第1発光部材を制御して第1の光を発する第1制御回路をさらに備える。前記第1制御回路は、ローパスフィルタ回路と、駆動チップとを備える。前記ローパスフィルタ回路は、パルス信号をフィルタリングして線形制御信号を出力するために用いられる。前記駆動チップは、前記線形制御信号に応じて前記第1発光部材の輝度を線形に調整する。
【0010】
さらに、前記導光装置は、前記第2発光部材を制御して第2の光を発する第2制御回路をさらに備える。前記第2制御回路は、ローパスフィルタ回路と、駆動チップとを備える。前記ローパスフィルタ回路は、パルス信号をフィルタリングして線形制御信号を出力するために用いられる。前記駆動チップは、前記線形制御信号に応じて前記第2発光部材の輝度を線形に調整する。
【0011】
さらに、前記導光装置において、前記駆動チップは、電圧出力ピンとフィードバックピンとを備える。前記電圧出力ピンは発光ダイオードのアノードに接続されており、前記発光ダイオードのカソードは第1抵抗を介して接地されている。前記フィードバックピンは、第2抵抗を介して前記発光ダイオードのカソードに接続され、さらに、直列に接続された第3抵抗及び第4抵抗を介して前記パルス信号を受信する。前記第3抵抗と第4抵抗との間ノードは、コンデンサを介して接地されている。
【0012】
さらに、前記導光装置において、前記導光本体は、前記光反射面と、前記光反射面に対向して配置された光出射面と、内側面と、前記内側面に対向して配置された外側面とを含む。前記光反射面、光出射面、内側面、及び外側面は、楔形断面を構成している。
【0013】
さらに、前記導光装置において、前記導光装置は、前記導光装置の光反射面に接近して配置された光反射装置を備える。
【0014】
さらに、前記導光装置において、前記導光装置の光出射面は、凸円弧面状又は凹円弧面状をなしている。
【0015】
化粧鏡は、鏡面と、前記鏡面の周方向に沿って設けられた導光装置とを備える。ここで、前記導光装置は、第1発光部材と、第2発光部材と、導光本体とを備える。前記導光本体は、第1の光を受光するための第1光入射端面と、第2の光を受光するための第2光入射端面と、光出射面と、前記光出射面に対向して配置された光反射面とを含む。前記光反射面は、前記第1の光及び第2の光を反射し、かつ反射された前記第1の光及び第2の光を前記光出射面から出射するために用いられる。
【0016】
さらに、前記化粧鏡は、ソフトライト装置(soft light device)をさらに備える。前記ソフトライト装置は、前記鏡面を収容するための第1収容部と、第2収容部とを含む。前記導光装置の光出射部は、前記第2収容部内に収容されている。
【0017】
さらに、前記化粧鏡は、支持部材と、放熱装置とをさらに備える。前記支持部材は、上方に突出した当接係合部を備える。前記第1入射端面に隣接する当接係合部の外表面には、前記第1入射端面に対向する第1発光部材が設けられており、前記第2入射端面に隣接する当接係合部の外表面には、前記第2入射端面に対向する第2発光部材が設けられている。前記放熱装置は、発光部材と、対応する入射端面との間に設けられている。
【0018】
さらに、前記化装鏡において、前記支持部材はアルミニウム基板であり、前記放熱装置の材料は熱抵抗の低い材料である。
【0019】
上述導光装置及びその導光装置を備えた化粧鏡は、導光本体の両端に発光部材をそれぞれ設けることにより、発光部材から発せられた光が導光本体の異なる端部から互いに向かって伝送され、出射光の均一性を向上させるようになっている。また、導光本体の光反射面に接近して光反射装置を配置するとともに光出射面にソフトライト装置を設けることにより、出射光の均一性をさらに向上させるのに有利である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、本発明の好適な実施形態に係る導光装置を示す概略図である。
【
図2】
図2は、
図1における発光部材と導光本体との接続関係を示す概略図である。
【
図3】
図3は、
図1における導光装置及びその第1断面を示す構造図である。
【
図4】
図4は、
図1における導光装置及びその第2断面を示す概略図である。
【
図5】
図5は、
図1における導光装置のIES曲線を示す概略図である。
【
図6】
図6は、
図1における制御回路基板の制御回路を示す回路図である。
【
図7】
図7は、本発明の好適な実施形態に係る化粧鏡を示す構造図である。
【
図8】
図8は、
図7における組み立てられた化粧鏡の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の上述した目的、特徴及び優位点をより明確に理解するために、添付図面及び具体的な実施例を参照して本発明を詳細に説明する。なお、矛盾がない限り、本願の実施例及び実施例における特徴は互いに組み合わせることができる。
【0022】
以下、本発明を十分に理解するために、多くの具体的な詳細が以下の説明に記載されている。下記の説明に係る実施例は、本発明のいくつかの実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。当業者が本発明における実施例に基づいて創造的な努力なしに得られたすべての実施例は、本発明の保護範囲内に含まれるものである。
【0023】
本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、別段の明記がない限り、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で使用される用語は、具体的な実施例を説明するためのものに過ぎず、本発明を限定するものではない。
【0024】
図1を参照すると、本発明の好適な実施形態に係る導光装置10は、導光本体110と、上記導光本体110の第1端に位置する第1発光部材130と、上記導光本体110の第2端に位置する第2発光部材140とを備える。ここで、上記第1導光本体110の上記第1端と上記第2端とは対向して配置されている。上記第1発光部材130は、1つ以上の第1の光を発するために用いられ、上記第2発光部材140は、1つ以上の第2の光を発するために用いられる。上記第1発光部材130及び第2発光部材140から発せられた光は、上記導光本体110において伝送することができる。
【0025】
本実施形態では、上記導光本体110は、第1端に位置する第1光入射端面100と、第2端に位置する第2光入射端面102と、光出射面104と、上記光出射面104に対向して配置された光反射面106とを含んでもよい。
【0026】
上記光反射面106は、上記第1の光及び/又は第2の光を反射するために用いられる。本実施形態では、上記第1の光及び/又は第2の光のうち一部分は、上記光反射面106で反射された後、上記光出射面104から出射することができ、上記第1の光及び/又は第2の光のうち別の部分は、上記導光本体110が存在する伝播経路に沿って伝送することができる。本実施形態では、上記導光本体110が存在する伝播経路のスイッチは、直線であっても非直線であってもよい。例えば、上記第1の光は、第1方向から上記導光本体110が存在する伝播経路に沿って第2方向に向かって伝送することができ、上記第2の光は、上記第2方向から上記導光本体110が存在する伝播経路に沿って上記第1方向に向かって伝送することができる。
【0027】
本実施形態では、上記第1光入射端面100と上記第2光入射端面102とは、対向して配置されてもよい。このように、上記導光本体110の第1端100に位置する第1発光部材130によって発生した第1の光と上記導光本体110の第2端102に位置する第2発光部材140によって発生した第2の光とは、上記導光本体110が存在する伝播経路において混合、重畳(superposition)することができ、このように、上記第1の光及び第2の光が上記導光本体110内及び上記光出射面104で出射して均一に発光可能な光源を形成することができる。
【0028】
上記第1発光部材130は、単色温度の温光発光素子と冷光発光素子の一方又は両方を備えてもよく、上記第2発光部材140は、単色温度の温光発光素子と冷光発光素子の一方又は両方を備えてもよいことが理解されよう。
【0029】
好ましくは、上記第1発光部材130と第2発光部材140の両方が単色温度の温光発光素子を備える場合、上記導光装置10は、二重温光(double warm light)の光源を形成することができる。上記第1発光部材130と第2発光部材140の両方が単色温度の冷光発光素子を備える場合、上記導光装置10は、二重冷光(double cold light)の光源を形成することができる。また、他の実施形態では、上記第1発光部材130と第2発光部材140の両方が2つの温光発光部材を備えてもよい。上記第1発光部材130及び第2発光部材140に含まれる発光素子の数は、異なる条件及びシナリオにおける光源のニーズを満たすように、実際の必要に応じて増減することができる。
【0030】
他の実施形態では、上記第1発光部材130は、1つ以上の二色温度の温光発光素子を備えてもよく、上記第2発光部材140は、1つ以上の二色温度の温光発光素子を備えてもよく、異なる条件やシナリオにおける光源で組み合わせ又は調製を行う。
【0031】
図2を併せて参照すると、上記第1発光部材130と第2発光部材140の両方が、ライトビーズ(light bead)及び反射カップ(reflecting cup)を備えてもよい。一例として、上記第1発光部材130は、ライトビーズ131及び反射カップ133を備えてもよい。上記ライトビーズ131は、1つ以上の上記第1の光を出射するために用いられる。上記反射カップ133は、開口及び底部を有する略逆テーパ状をなしている。上記ライトビーズ131は、上記反射カップ133の底部に設けられている。上記反射カップ133は、上記ライトビーズ131によって発生した1つ以上の上記第1の光を反射するために用いられ、このように、上記ライトビーズ131によって発生した第1の光を上記開口及び上記第1入射端面100を通って上記導光本体110内に可能な限り多く入射させることにより、光源の利用率を向上させる。好ましくは、上記ライトビーズ131によって発生した1つ以上の上記第1の光は、いずれも上記反射カップ133内で全反射を起こし、ひいては上記ライトビーズ131によって発生したすべての第1の光が上記導光本体110に入射することができる。
【0032】
他の実施形態では、上記第1発光部材130と上記第1入射端面100との間には第1レンズ(図示せず)が設けられてもよく、上記第2発光部材140と上記第2入射端面102との間には第2レンズ(図示せず)が設けられてもよい。上記第1レンズ及び第2レンズは、入射光を拡散させて入射光の角度を拡大し、ひいては上記導光本体110内に入射した光の分布をより均一にするために使用され得る。好ましくは、上記第1発光部材130によって発生した第1の光は、上記第1レンズによって拡散されて入射角の大きな光を発生し、同様に、上記第2発光部材140によって発生した第2の光は、上記第2レンズによって拡散されて入射角の大きな光を発生することができる。
【0033】
上記第1発光部材130及び第2発光部材140は、LED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)パッケージ(単色温度/二色温度チップ)により、発光チップから出力した単位面積当たりの光束が比較的多く、駆動電流密度が比較的大きくなり、高演色性と高輝度の効果を兼備することができる。当然ながら、上記第1発光部材130及び第2発光部材140の演色性及び輝度は、制御回路基板40(
図7に示す)によって調整することもできる。
【0034】
図1を再び参照すると、好ましくは、上記光反射面106には、複数の散乱ドット108も設けられている。上記散乱ドット108の形状は、円形及び楔形のうちの1つ以上であってもよい。円形の散乱ドットは等方散乱を有し、楔形の散乱ドットは分散を適切に補償できることが理解されよう。したがって、実際の必要に応じて、上記光反射面106に異なる数の円形の散乱ドット又は楔形の散乱ドットを設けることができる。他の実施形態では、上記散乱ドット108の形状は、円形、楔形に限定されず、実際の必要に応じて、楕円形などの他の形状に設定されてもよい。
【0035】
本実施形態では、対称な2つの光源(第1発光部材130及び第2発光部材140を含む)を使用するので、2つの光源の減衰曲線は、2つの光源の重畳効果によって均一な出力光が得られるように、対称的な減衰の特性を満たすべきである。
【0036】
単一光源の減衰曲線は、以下の通りであることが理解されよう。
【数1】
【0037】
ここで、Cは散乱ドットの密度である。プロセス及び加工などの要因を考慮して、均一な密度を使用することができる。
【0038】
散乱ドットの最大密度は、以下の通りである。
【数2】
【0039】
ここで、P
Cは材料に関する材料伝送光損失である。x
maxは導光板の長さである。
【0040】
原則として、散乱ドットのサイズは小さければ小さいほど良い。しかしながら、ブロセス上の困難性を考慮すると、通常、0.01〜0.007mm程度であればよい。
【0041】
一実施形態では、上記光反射面106における上記散乱ドット108の分布密度は、光源からの距離と共に変化してもよい。好ましくは、上記光反射面106における上記散乱ドット108の分布密度は、光源からの距離と反比例の関係にあり得る。例えば、発光部材に近づくと光束が比較的多くなるため、上記散乱ドット108の分布密度は小さくてよい一方、発光部材から離れると光束が比較的少なくなるため、上記散乱ドット108の分布密度は適当に増加してもよく、このように、上記導光装置10から出力される光が比較的均一になり、発光部材からの距離による影響を減少することができる。
【0042】
図3を併せて参照すると、上記導光本体110は、内側面112及び外側面114をさらに含む。上記導光本体110の内側面112と、外側面114と、光反射面106と、光出射面104とは協同して上記伝播経路を構成している。上記導光本体110は略環形をなしており、上記第1発光部材130及び第2発光部材140から出射した光は、上記環形の伝播経路において伝送することができる。別の実施形態では、上記内側面112及び外側面114には、反射材料をコーティングしてもよい。このように、上記第1の光及び/又は第2の光が上記伝播経路で比較的良好に出射することができ、上記内側面112及び外側面114から出射した上記第1の光及び/又は第2の光を減少させることにより、上記第1の光及び/又は第2の光が上記光出射端104から可能な限り多く出射することができる。
【0043】
別の実施形態では、上記導光本体110の光反射面106の近くには光反射装置70(
図7に示す)が設けられてもよい。上記光反射装置70は、上記第1の光及び第2の光に対する反射強度を増加させることのより、光損失を減少させ、光の利用率を向上させるのに有利である。
【0044】
本実施形態では、上記導光本体110は断面略楔形をなしている。ここで、上記内側面112が存在する上記断面の縁部の長さは上記外側面114が存在する上記断面の縁部の長さよりも大きく、このように、光が目に眩しいことを避けるように外側に広がることができる。
【0045】
本実施形態では、上記ライトビーズ131は、上記導光装置10の光反射面106に接近して配置されてもよい。他の実施形態では、上記ライトビーズ131は、上記導光本体110の断面の中心軸線又は楔形断面の狭い縁に接近して配置されてもよい。例えば、上記内側面112が存在する上記断面の縁部の長さは上記外側面114が存在する上記断面の縁部の長さよりも大きい場合、上記導光本体110の内側面における上記伝播経路の伝送経路と上記導光本体110の外側面における上記伝播経路の伝送経路とは異なる(外側面における伝播経路の距離が内側面における伝播経路の距離よりも大きい)ので、上記ライトビーズ131を楔形断面の狭い縁に接近して配置することにより、伝播経路の比較的長い側の光束が伝播経路の比較的短い側の光束よりも多くなり、均一な出力光を得るのに有利である。
【0046】
図4は、好適な実施形態に係る上記導光本体110の別の断面を示す概略図である。
図4を併せて参考すると、上記導光本体110は断面略楔形をなしている。ここで、上記内側面112が存在する上記断面の縁部の長さは上記外側面114が存在する上記断面の縁部の長さよりも小さく、このように、上記外側面114における導光経路が長くなるので、より多くの光を出射するように上記外側面114をより厚くする必要がある一方、上記内側面112における導光経路が短いので、出射面104から比較的均一な光を出射するように上記内側面112をより薄くする必要がある。
【0047】
また、上記導光本体110における光出射面104は、凸円弧面状又は凹円弧面状をなしてもよい。このように、出射光がバットウィング状のIES曲線(
図5に示す)などの特定の配光曲線に従って空間的に分布することができ、ひいては光が鏡面から10〜50cmの範囲内(化粧をするための一般的な範囲)で使用者の顔に比較的均一に分布するとともにグレア値を低下させるのに有利である。
【0048】
図6、
図7及び
図8を併せて参照すると、本発明の好適な実施形態に係る化粧鏡は、鏡面30と、上記鏡面30及び上記導光装置10を収容するためのソフトライト装置20と、上記導光装置10の色温度及び輝度を制御するための制御回路基板40と、上記制御回路基板40を支持するための支持装置60と、上記制御回路基板40から放熱するための放熱装置50と、上記光反射装置70とを備える。
【0049】
上記ソフトライト装置20は、上記鏡面30を収容するための第1収容空間202と、上記導光装置10を収容するための第2収容空間204を備える。本実施形態では、上記ソフトライト装置20は、係合部によって上記鏡面30を上記第1収容空間202に係合することができ、このように、上記鏡面30が上記第1収容空間202内に固定される。
【0050】
本実施形態では、上記ソフトライト装置20はソフトライト部(図示せず)を備える。上記ソフトライト部は、上記第1収容空間202の周方向に沿って設けられ、上記第2収容空間204を形成する。上記導光装置10が上記第2収容空間204内に収容される場合、上記導光装置10の光出射面104から出射した光は、上記ソフトライト部を通過して上記導光装置10からの出射光に対してソフトライト化処理を行うことにより、上記導光装置10からの出射光を均一に、かつ柔らかくするとともに、グレア値を低下させるのに有利である。本実施形態では、上記ソフトライト装置20は、防霧性及び防食性を有する透明なアクリルであってもよい。他の実施形態では、上記ソフトライト装置20と上記導光装置10との間に演色性に影響を及ぼさないトナーが追加されてもよく、導光装置10とソフトライト装置20との間に光散乱紙(scattering paper)が追加されてもよい。
【0051】
上記光反射装置70は、上記導光本体110の光反射面106に隣接して配置されており、このように、上記第1の光及び第2の光に対する反射強度を高める。
【0052】
上記導光装置10は、略環形をなし、開口200を有する。上記開口200は、上記第1入射端面100及び第2入射端面102を形成する。
【0053】
上記支持部材60は、上記制御回路基板40及び光反射装置70を上記導光装置10及びソフトライト装置20に固定するために用いられる。本実施形態では、上記支持部材60の数は2つであってもよい。上記支持部材60は、上方に突出した当接係合部600を備える。上記第1入射端面100に隣接する当接係合部600の外表面には、上記第1入射端面100に対向する2つの第1発光部材130が設けられており、上記第2入射端面102に隣接する当接係合部600の外表面には、上記第2入射端面102に対向する2つの第2発光部材140が設けられている。このように、上記第1発光部材130及び第2発光部材140から発せられた光は、それぞれ上記第1入射端面100及び第2入射端面102を通って上記導光本体110に入射することができる。
【0054】
本実施形態では、上記制御回路基板40は、上記第1発光部材130及び第2発光部材140の輝度及び色温度などの情報を調整するための制御回路を備えてもよい。
【0055】
本実施形態では、上記第1発光部材130から発せられた第1の光は、第1制御回路によって調整することができ、上記第2発光部材140から発せられた第2の光は、第2制御回路によって調整することができる。上記第1制御回路及び第2制御回路は同一であってもよく、本実施形態では上記第1制御回路を例として説明する。
【0056】
上記第1制御回路は、駆動チップU1と、フィルタ回路と、周辺回路と、上記第1発光部材130とを備えてもよい。本実施形態では、上記第1発光部材130は、2つの発光ダイオードD2、D3を備える。
【0057】
上記駆動チップU1は、上記第1発光部材130に出力された電圧及び/又は電流を調整することにより上記第1発光部材130の輝度を調節する。
【0058】
上記駆動チップU1は、電圧入力ピンVINと、電圧出力ピンSWと、検出ピンOVと、接地ピンGNDと、フィードバックピンFBと、制御ピンCTRLとを備えてもよい。
【0059】
上記電圧入力ピンVINは、コンデンサC1を介して接地した電源5Vに接続されている。
【0060】
上記制御ピンCTRLは、抵抗R1を介してスイッチ信号を受信することにより、第1方式で上記第1発光部材の輝度を制御する。上記制御ピンCTRLは、さらに、プルダウン抵抗R2を介して接地されている。上記駆動チップU1は、上記制御ピンCTRLが受信したスイッチ信号に応じて上記第1発光部材130の輝度を調整することができる。本実施形態では、上記スイッチ信号はハイレベル又はローレベルの信号であってもよい。上記スイッチ信号がハイレベルの信号である場合、上記駆動チップU1は上記電源出力ピンSWの電圧又は電流を高めることにより上記第1発光部材130の輝度を増加させることができる。上記スイッチ信号がローレベルの信号である場合、上記駆動チップU1は上記電源出力ピンSWの
電圧又は電流を減少させることにより上記第2発光部材130の輝度を減少させることができる。
【0061】
上記電圧出力ピンSWは、インダクタL1を介して上記電圧入力ピンVINに接続され、さらに、ダイオードD1のアノードに接続されている。上記ダイオードD1のカソードは、直列に接続された発光ダイオードD2、D3及び抵抗R6を介して接地されている。上記ダイオードD1のカソードは上記検出ピンOVに接続され、さらに、コンデンサC2を介して接地されている。上記接地ピンGNDは接地されている。
【0062】
上記フィードバックピンFBは、コンデンサC3を介して接地され、さらに、抵抗R5を介して上記発光ダイオードD3と上記抵抗R6との間のノードに接続されている。上記フィードバックピンFBは、さらに、直列に接続された抵抗R4及び抵抗R3を介して制御信号を受信する。上記抵抗R4と抵抗R3との間のノードは、さらに、コンデンサC4を介して接地されている。
【0063】
本実施形態では、上記駆動チップU1は、パルス信号を第2方式として上記第1発光部材の輝度を制御することができる。
【0064】
上記制御信号はパルス信号であってもよく、上記抵抗R4及びコンデンサC4はローパスフィルタ回路を構成してもよいことが理解されよう。上記ローパスフィルタ回路は、上記駆動チップU1のフィードバックピンFBが線形制御信号を受信するように、上記制御信号をローパスフィルタリングするために用いられる。線形制御信号を受信すると、上記駆動チップU1は、上記第1発光部材130から発せられた第1の光を線形に制御することができ、このように、出力をより安定させ、エネルギー効率利用(energy efficiency utilization)を確保する前提で、光のストロボスコピックをより少なくすることができる。
【0065】
本実施形態では、上記支持部材60は、アルミニウム基板であってもよい。上記支持部材60は、発光部材で発生した熱を放熱するために使用され得る。
【0066】
上記放熱装置50は、2つの放熱フィン503を備える。2つの上記放熱フィン503は、2つの支持部材60の側面にそれぞれ設けられている。具体的には、上記放熱フィン503は、下方に延びる接触面505を含んでもよい。上記放熱フィン503の接触面505は、上記支持部材60の側面と接触してもよい。上記放熱フィン503が上記支持部材60と接触している場合、上記放熱フィン503は上記発光部材に接近して配置され、かつ対応する導光装置の下方に位置しており、このように、発光部材で発生した熱を放熱する。上記放熱フィン503の接触面505は、放熱面積を拡大するために使用され得る。本実施形態では、上記放熱装置50は、2つの熱伝導性シリコーン505をさらに備える。各熱伝導性シリコーン505は、対応する放熱フィン503と支持部材60との間に設けられており、このように、上記発光部材の熱を伝導して放熱する。他の実施形態では、上記放熱装置50は、上記放熱フィン503のみを備えてもよく、このように、上記放熱フィン503が、対応する支持部材60と直接接触して放熱を達成することができる。本実施形態では、アルミニウム基板と放熱フィンと熱伝導性シリコーンとを組み合わせる放熱方式を採用することにより、発光部材で発生した熱をできるだけ速やかに放出し、上述の構造で加工難易度と放熱面積を両立させる。放熱フィンの材料は熱抵抗の低い材料であり、アルミニウムであってもよく、銅であってもよい。
【0067】
上述した導光装置及びその導光装置を備えた化粧鏡は、導光本体の両端に発光部材をそれぞれ設けることにより、発光部材から発せられた光が導光本体の異なる端部から互いに向かって伝送され、出射光の均一性を向上させるようになっている。また、導光本体の光反射面に接近して光反射装置を配置するとともに光出射面にソフトライト装置を設けることにより、出射光の均一性をさらに向上させるのに有利である。
【0068】
本発明が上述した例示的な実施例の詳細に限定されず、本発明の思想又は基本的特徴を逸脱しない限り、他の具体的な形態で本発明を実現できることは当業者にとって明らかであろう。したがって、あらゆる観点から見ても、実施例は例示的かつ非限定的なものであると見なされるべきである。本発明の範囲は上述した説明ではなく添付の特許請求の範囲によって限定されるため、特許請求の範囲に含まれる均等要件の意味及びその範囲内にあるすべての変更は本発明に包含されることが意図されている。特許請求の範囲におけるいかなる参照番号は、それに係る請求項を限定するものとして見なされるべきではない。また、用語「含む」又は「備える」は他のユニット又はステップを除外せず、単数は複数を除外しないことは明らかであろう。システムの請求項に記載された複数のユニット又はシステムは、ソフトウェア又はハードウェアによって同一のユニット又はシステムで実現されてもよい。
【0069】
なお、上述した実施例は、本発明の技術的構成を説明するものであり、本発明を限定するものではない。以上、好適な実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、本発明の技術的構成の思想及び範囲を逸脱しない限り、当業者が、本発明の技術的構成に対して修正及び均等交換をしても、本発明の保護範囲に属するものであると理解されるべきである。