(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記活性エネルギー出口が一対の間隔を空けて配置されたプレートを備え、各プレートが、エネルギーを放出するように構成された複数のオリフィスを備える、請求項1に記載のシステム。
前記活性エネルギー出口が、前記口に前記液体が少なくとも部分的に充填されたときに沈着物を実質的に取り除くために十分な音響エネルギーを送達するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
前記流体保持器が、前記歯の側面の少なくとも一部にわたってあてがわれるサイズおよび形状であり、前記側面および隣接する歯肉組織と接触するように構成されている、請求項10に記載の装置。
前記流体保持器が、前記歯と前記歯肉組織との間の歯肉ポケットにわたってあてがわれるように構成され、前記圧力波発生器が、前記歯肉ポケットから沈着物を実質的に取り除くために十分な圧力波を発生させるように構成されている、請求項12に記載の装置。
前記流体保持器が、1つまたは複数の歯の周囲にあてがわれるように構成された締付具を備え、前記締付具が流体のプールを保持するように構成された貯蔵器に結合されている、請求項10に記載の装置。
前記圧力波発生器が、ステイン、歯石、う蝕、生体膜、歯垢および歯石の1つまたは複数を含む沈着物を取り除くために十分な音響出力を発生させるように構成されている、請求項10に記載の装置。
前記第1プレートおよび前記第2プレートを結合するコネクタをさらに具備し、前記コネクタが、前記第1プレートと前記第2プレートとの間の離隔距離を維持するように構成され、前記離隔距離が少なくとも治療される歯の同様の幅である、請求項24に記載のシステム。
前記活性エネルギー出口が、第1治療段階中に前記第1周波数範囲の1つまたは複数の周波数で第1体積の前記口内へのかつ口内からの液体の往復振動移動を生成し、第2治療段階中に前記第2周波数範囲の1つまたは複数の周波数で第2体積の前記口内へのかつ口内からの液体の往復振動移動を生成する、請求項30に記載のシステム。
前記口内に伝播する前記周波数を、前記第1周波数範囲内にある周波数と前記第2周波数範囲内にある周波数との間でランダムに変化させるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
前記活性エネルギー出口が、前記第1周波数範囲の第1周波数から前記第2周波数範囲の第2周波数まで経時的に増大する周波数で、前記口内へのかつ口内からの液体の往復振動移動をもたらすように構成されている、請求項1に記載のシステム。
前記活性エネルギー出口が、1つまたは複数のポートを含む流体運動源を具備し、前記流体運動源が前記1つまたは複数のポートを介して前記口内に液体を送達しかつ前記口内から液体を除去するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
前記第1治療段階中において、前記圧力波発生器が非作動状態にある間、前記ポンプが前記液体を前記第1周波数範囲の周波数で前記1つまたは複数のポートを介して供給するように作動させられ、前記第2治療段階中において、前記ポンプが非作動状態にされ、前記圧力波発生器が前記液体に前記第2周波数範囲の周波数を生成するように作動させられる、請求項44に記載のシステム。
前記圧力波発生器が、前記口内に伝播する前記周波数を、前記第1周波数範囲内にある周波数と前記第2周波数範囲内にある周波数との間でランダムに変化させるように構成されている、請求項10に記載の装置。
前記圧力波発生器が、前記第1周波数範囲の第1周波数から前記第2周波数範囲の第2周波数まで経時的に増大する周波数で、前記口内へのかつ口内からの液体の往復振動移動をもたらすように構成されている、請求項10に記載の装置。
前記活性エネルギー出口が、第1治療段階中に前記第1周波数範囲の1つまたは複数の周波数で第1体積の前記口内へのかつ口内からの液体の往復振動移動を生成し、第2治療
段階中に前記第2周波数範囲の1つまたは複数の周波数で第2体積の前記口内へのかつ口内からの液体の往復振動移動を生成する、請求項58に記載のシステム。
前記口内に伝播する前記周波数を、前記第1周波数範囲内にある周波数と前記第2周波数範囲内にある周波数との間でランダムに変化させるように構成されている、請求項24に記載のシステム。
前記活性エネルギー出口が、前記第1周波数範囲の第1周波数から前記第2周波数範囲の第2周波数まで経時的に増大する周波数で、前記口内へのかつ口内からの液体の往復振動移動をもたらすように構成されている、請求項24に記載のシステム。
前記活性エネルギー出口が、1つまたは複数のポートを含む流体運動源を具備し、前記流体運動源が前記1つまたは複数のポートを介して前記口内に液体を送達しかつ前記口内から液体を除去するように構成されている、請求項24に記載のシステム。
前記第1治療段階中において、前記圧力波発生器が非作動状態にある間、前記ポンプが前記液体を前記第1周波数範囲の周波数で前記1つまたは複数のポートを介して供給するように作動させられ、前記第2治療段階中において、前記ポンプが非作動状態にされ、前記圧力波発生器が前記液体に前記第2周波数範囲の周波数を生成するように作動させられる、請求項72に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図面を通して、参照する要素間の概略的な対応関係を示すために参照番号を再使用する場合がある。図面は、本明細書に記載する実施形態例を例示するために提供され、本開示の範囲を限定するようには意図されていない。
【0022】
本開示は、たとえば予防、修復、歯内、歯周および他のタイプの歯科処置を含む、歯科処置を行う装置、方法および組成物を記載する。たとえば、本明細書に開示する実施形態を使用して、歯から、または歯肉溝、歯周ポケット、歯肉、歯間の空間等から、ステイン、歯石(calculus)、う蝕、生体膜、歯垢、歯石(tartar)等のすべてまたは実質的にすべてを除去することを含む、1つもしくは複数の歯から、望ましくない沈着物および/または腐食、たとえば歯の外面に沈着物として生じる有機物および/または無機物を、効率的にかつ非侵襲的に除去する(かつ/または1つもしくは複数の歯を消毒する)ことができる。望ましくない歯の沈着物または腐食がある歯の領域は、歯の外面、歯肉の上もしくは中、および/または歯と歯肉との間の空間もしくはポケット内であり得る。いくつかの実施形態では、開示する装置および方法によって、歯および周囲の歯肉全体を洗浄することができる。
【0023】
I.開示するさまざまな実施形態の概説
本明細書に開示するさまざまな実施形態では、圧力波発生器を使用して、1つまたは複数の歯(たとえば、歯の外面)、歯肉または歯肉ポケットに生じたステイン、歯石、う蝕、生体膜、歯垢等(たとえば、望ましくない歯の沈着物)を除去することができる。
図1Aは、歯110から望ましくない歯の沈着物125を除去することができる構成要素を含む歯科用システム100の概略図を示す。有利には、システム100は、歯110または口内の健康な軟組織、たとえば歯肉組織に損傷を与えることなく非侵襲的に歯の沈着物125を除去することができる。さらに、システム110は、歯ブラシ、フロスまたは他の歯科用器具等の従来のシステムより完全に歯の沈着物125を除去することができる。たとえば、システム100は、歯間の小さい空間、不規則な歯の表面、亀裂、または歯および/もしくは歯肉の間の他のポケットさえも洗浄することができる。
【0024】
システム100は、操作卓106、ハンドピース108、活性エネルギー出口105、および治療される歯110に結合するように構成された流体プラットフォーム101を含むことができる。活性エネルギー出口105は、圧力波発生器もしくは流体運動源または両方を含むことができる。圧力波発生器を、圧力波を発生させるように構成することができ、流体運動源を、チャンバまたは空間(たとえば、流体プラットフォーム101と歯110との間のチャンバもしくは空間、および/または対象の口の口腔)内の流体の移動をもたらし、チャンバ内の流体の乱流をもたらし、チャンバ内の治療流体の循環をもたらし、かつ/またはチャンバ内の流体に他の動態をもたらすように構成することができる。た
とえば、活性エネルギー出口105を、治療部位に新たな治療液を導入するように、かつ/または治療部位から廃棄流体を除去するように構成することができる。いくつかの実施形態では、治療部位に対する治療流体の出入りは、流体プラットフォーム101の1つまたは複数のポートを介して提供される。さらに、いくつかの実施形態では、圧力波発生器は、後にさらに説明するように、チャンバ内の流体の移動をもたらすことが(すなわち、流体運動源として機能することも)できる。操作卓106は、たとえばさまざまな導管113(たとえば、流体導管、光ファイバ、光学ミラーおよび/または電線)によって、ハンドピース108と電気通信、電磁通信、光通信および/または流体連通することができ、ハンドピース108に治療流体、電力、制御信号等を供給することができる。たとえば、操作卓106は、流体貯蔵器と、治療流体から溶存気体を除去するように構成された脱気システムと、ポンプと、治療流体の特性を測定するように構成された1つまたは複数のセンサと、混合システムと、治療処置の動作を制御するように構成されたコントローラと、ユーザインタフェースとを含むことができる。臨床医は、操作卓106のユーザインタフェースと対話して、システム100を操作し、治療処置を管理することができる。たとえば、臨床医は、操作卓106を使用して、流体プラットフォーム101への治療流体の供給、歯110を洗浄する活性エネルギー出口105の起動、処置の現状および他の好適なパラメータ等、治療処置のさまざまなパラメータを制御し監視することができる。
【0025】
臨床医は、1つまたは複数の歯110の治療に対して流体プラットフォーム101をあてがうことができ、または本明細書において理解されるように、臨床医は、流体プラットフォーム101を特定の歯にあてがうことなく、口内に流体プラットフォーム101を挿入することができる。いくつかの実施形態では、流体プラットフォーム101をハンドピース108の一部とすることができ、その場合、臨床医はハンドピース108を使用して、流体プラットフォーム101を歯110に結合することができる。他の実施形態では、流体プラットフォーム101を、ハンドピース108とは別個にすることができ、ハンドピース108を用いることなく歯110にあてがうことができる。臨床医は、ハンドピース108を使用して、活性エネルギー出口105を歯110の近くにまたは歯110に接して配置し、治療中に流体プラットフォーム101および/または活性エネルギー出口105を操作することができる。いくつかの実施形態では、対象が、ハンドピース108を使用して、自身の口または口腔内に活性エネルギー出口105を配置することができ、エネルギー出口105を作動させて歯および/または歯肉を洗浄することができる。活性エネルギー出口105を作動させて、流体プラットフォーム101の中、上、またはそれを通して圧力波を発生させ、かつ/または口内の流体運動(たとえば、循環、流体の移動、乱流など)を引き起こすかもしくは促進することができる。さまざまな実施形態では、流体プラットフォーム101は、活性エネルギー出口105によって発生する圧力波の伝播用の媒体として作用するように治療流体を保持することによって、洗浄処置を容易にすることができ、かつ/または流体プラットフォームは、歯内の治療流体の循環を促進することができる。さらに、流体プラットフォーム101は、流体プラットフォーム101内の吸引、灌注、流体移動、ならびに/または治療前、治療中および/もしくは治療後の流体の混合を容易にするさまざまな構成要素を含むことができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、歯科治療処置は、歯および/または歯肉から望ましくない歯の沈着物を実質的に除去するように設計された1つまたは複数の段階を含むことができる。たとえば、後により詳細に説明するように、活性エネルギー出口(たとえば圧力波発生器)は、広帯域パワースペクトルを有する圧力波または音響エネルギーを発生させることができる。たとえば、圧力波発生器は、1つまたは数個の周波数のみとは対照的に、複数の異なる周波数で音波を発生させることができる。理論によって限定されることなく、複数の周波数での出力の発生は、さまざまな周波数で異なる材料特性もしくは物理特性、および/または異なる結合強度を有するさまざまなタイプの有機物質および/または無機物質を除去するのに役立つことができる。たとえば、いくつかの望ましくない沈着物を、相
対的に低い音響周波数で歯および/または歯肉から除去することができ、他の沈着物を、相対的に高い音響周波数で歯および/または歯肉から除去することができ、さらに他の沈着物を、相対的に低い周波数と相対的に高い周波数との間の中間周波数で除去することができる。いくつかの実施形態では、相対的に低い周波数の洗浄段階を、相対的に高い出力で始動させることができ、相対的に高い周波数の洗浄段階を、相対的に低い出力で始動させることができる。いくつかの実施形態では、低周波数洗浄段階を、相対的に低い出力で始動させることができ、高周波数洗浄段階を、相対的に高い出力で始動させることができる。いくつかの実施形態では、音響エネルギーを、広帯域周波数スペクトルにわたって発生させることができる。本明細書で使用する広帯域周波数および広帯域周波数スペクトルは、主要周波数の高調波等の二次的影響とは無関係に、かつ測定またはデータ処理(たとえばFFT)によって導入されるいかなる雑音とも無関係に定義され、すなわち、これらの用語は、圧力波発生器によって活性化されるすべての主要周波数のみを考慮する場合に理解されるべきである。
【0027】
いくつかの実施形態では、治療処置は、1つまたは複数の治療段階を含むことができる。各治療段階では、異なる周波数または周波数帯域でエネルギーを印加することができる。たとえば、一段階では、相対的に低周波数(または帯域周波数)で伝播するエネルギー(たとえば圧力波)を発生させることができる。低周波数圧力波は、対象の口内の治療流体と相互作用することができ、大規模な歯の沈着物の除去を引き起こすことができる。理論によって限定されることなく、低周波数圧力波は、口内の歯の沈着物の実質的な部分を除去することができる。たとえば、低周波数波は、歯および/または歯肉から大きい歯の沈着物を除去するのに十分低い周波数で充分高いエネルギーを有することができる。相対的に低周波数での音響出力は、圧力波発生器のパワースペクトル(たとえば
図13Aを参照)の任意の好適な低周波数帯域での音響出力を含むことができる。たとえば、いくつかの実施形態では、第1の低周波数範囲における音響出力は、約0.1Hzから約100Hzの範囲、たとえばいくつかの構成では約1Hzから約50Hzの範囲の1つまたは複数の周波数を含むことができる。
【0028】
別の段階では、音響エネルギーを、相対的に高い周波数で発生させることができる。周波数が高いほど、活性エネルギー出口を、より小さい沈着物および残がいを除去するように構成することができる。たとえば、相対的に高い周波数では、圧力波は治療流体を通って伝播することができる。高い周波数の波ほど、歯の割れ目、亀裂、空間および不規則な表面等、相対的に小さい位置からより小さい沈着物を除去することができる。いくつかの実施形態では、脱気液を使用して、これらの小さい空間からの沈着物の除去を促進することができる。低い方の周波数での洗浄の後に高い方の周波数での洗浄が行われる場合、いくつかの実施形態では、高周波数波(および/または中間周波数波)は、低周波数洗浄から残された沈着物の残りを取り除くことができる。相対的に高周波数の段階では、音響エネルギーを、約10kHzから約1000kHzの範囲で、たとえば約100kHzから約500kHzの範囲で発生させることができる。
【0029】
いくつかの実施形態では、治療処置は、相対的に低い周波数(または周波数の帯域)からより高い周波数(または周波数の帯域)に向かって進行することができる。たとえば、処置は、相対的に低い周波数の段階から中間周波数段階を通して、高周波数段階に達するまで進行することができる。したがって、いくつかの実施形態では、治療処置は、相対的に低い周波数と相対的に高い周波数との間に漸進的なかつ/または実質的に連続した遷移を提供することができる。治療が複数の周波数を通して進行するため、活性エネルギー出力によって、サイズおよびタイプの異なる歯の沈着物を除去することができる。しかしながら、他の実施形態では、治療処置は、不連続のレベルで、複数の周波数(または周波数の帯域)または複数の段階の間(たとえば、高、低および/または中間の周波数または周波数の帯域の間)で遷移するかまたは切り替わることができる。さまざまな中間周波数範
囲では、音響エネルギーを、約100Hzから約10kHzの範囲で発生させることができる。たとえば、いくつかの実施形態では、上述した治療処置のさまざまな段階を、使用者または臨床医によって始動させることができ、または活性エネルギー出口を、複数の段階の間で自動的に遷移するように構成することができる。いくつかの実施形態では、たとえば、活性エネルギー出口は、高周波数、低周波数および中間周波数の間でランダムに切り替わることができる。
【0030】
さまざまな治療処置は、さまざまな異なる周波数での任意の好適な数の治療段階を含むことができる。さらに、さまざまな低周波数段階および高周波数段階を、特定の順序で発生するものとして上述している場合があるが、他の実施形態では、低周波数段階および高周波数段階ならびに/またはあらゆる中間周波数段階を始動させる順序は、任意の好適な順序であり得る。
【0031】
本明細書に開示する実施形態の各々において、活性エネルギー出口を、往復振動(oscillatory)式に口内に治療流体を送達し、口内から治療流体を除去するように構成することができる。治療流体の口内へのかつ口内からの流体移動は、治療処置中に変化する複数の周波数で往復振動することができる。たとえば、第1治療段階では、流体は、第1周波数範囲の第1周波数で口内にかつ口内から移動することができ、第2治療段階では、流体は、第2周波数範囲の第2周波数で口内にかつ口内から移動することができる。いくつかの実施形態では、第2周波数範囲は、第1周波数範囲の周波数より高い周波数を含むことができる。たとえば、第1周波数範囲は、約0.1Hzから約20KHzの範囲の周波数を含むことができる。第2周波数範囲は、約20KHzから約1,000kHzの範囲の周波数を含むことができる。少なくとも治療の一部の間(たとえば、少なくとも第2治療段階の一部の間)、複数の周波数もしくは広帯域周波数または複数の広帯域周波数を活性化することができることがさらに理解されるべきである。第1治療段階を、第2治療段階の前に行うことができ、またはその逆も可能である。
【0032】
周波数が低いほど、より大量の流体を口内にかつ口内から移動させることができ、周波数が高いほど、より少量の流体を口内にかつ口内から移動させることができる。こうした構成では、低周波数の流体移動ほどより大量の歯の沈着物を除去することができ、高周波数の流体移動ほど、小さい空間、亀裂、割れ目、不規則な表面等に配置されたより小さい沈着物を除去することができる。いくつかの実施形態では、第1治療段階および第2治療段階は、少なくとも部分的に重なることができる。さらに、いくつかの治療処置では、流体移動の周波数をランダムに変更することができる。他の治療処置では、流体移動の周波数は、低周波数から高周波数に連続的に増大することができる。さらなる他の治療処置では、流体移動の周波数を、高周波数から低周波数に連続的に低減することができる。さらなる治療処置では、流体移動の周波数は、さまざまな周波数範囲を通しての増大および低減の両方を含むことができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、治療処置は、使用者の口に適切な量の液体が充填されている初期の始動段階を含むことができる。たとえば、いくつかの実施形態では、使用者の口を少なくとも部分的にのみ充填することができる。他の実施形態では、使用者の口を実質的に充填することができる。最初の始動段階の後、本明細書に開示する実施形態を、治療処置中に使用者の口の内部において治療液の量を均衡させるように、たとえば口の内部で実質的に一定体積の治療液を維持するように構成することができる。たとえば、使用者の口に好適な量の液体が充填される場合、最初の始動段階の終了と治療処置の洗浄段階の開始とを通知するセンサをトリガすることができる。始動段階の終了時に均衡化機構をトリガして、たとえば1つまたは複数の流体ポートを通して、液体の口内への流入および口内からの流出の等しい量を実質的に維持することにより、使用者の口の内部の液体の量を均衡させることができる。たとえば、いくつかの実施形態では、均衡化機構は、使用者の口の
内部の圧力をモニタリングするように構成されたセンサを含むことができ、フィードバックを通して、コントローラは流入および流出を調整することができる。さらに、コントローラはまた、状況によっては、たとえば使用者の口の内部に圧力の急な変化(またはあらゆる他の圧力の識別特性)がある場合に、緊急遮断をトリガするように構成することも可能である。いくつかの実施形態では、送達機構(たとえば流体導管)によって圧力をモニタリングすることができ、力または圧力の量を使用して、使用者の口内に流体を送達することができる。いくつかの実施形態では、圧力を、たとえば排気機構によって、流出においてモニタリングすることができる。いくつかの実施形態では、送達(たとえば流入)機構および排気(たとえば流出)機構は、同じであるか、または連結され、たとえば同じ駆動機構もしくはポンプによって駆動される。均衡化機構は、液体流量または動作周波数に関らず、治療液の流入および流出を均衡させることができる。したがって、特定の時点での口内の流体の量を、動作周波数または液体が口内にもしくは口外に供給される割合に関らず、実質的に一定に維持することができる。
【0034】
本明細書に開示する実施形態によって、さまざまな利点を具現化することができる。たとえば、本明細書に開示する流体プラットフォーム101を使用して、歯110から外側のステインを非侵襲的に除去することができる。従来の歯科技法は、歯110の外面の黄色いステイン等、歯のステインを除去するために、より侵襲的な機械的方法および/または化学的方法を使用し得る。本明細書に開示する実施形態はまた、歯の沈着物の有機層または無機層等、歯の表面から薄層を除去することも可能であり得る。さまざまな実施形態を、歯の外面、歯肉、および歯と歯肉との間の空間から、う蝕、歯石、生体膜および歯垢を除去するように構成することも可能である。さらに、本明細書に開示する流体プラットフォームはまた、歯肉溝を洗浄し、歯肉溝および歯と歯肉との間の他のポケットまたは空間から歯石、生体膜および歯垢を除去することも可能であり得る。深いポケット(たとえば、歯と歯肉との間の深い空間を含む歯肉溝)がある患者の場合、開示した実施形態は、これらの深いポケットを洗浄し、これらの深いポケットから歯石、生体膜、歯垢および他の沈着物を除去することも可能であり得る。さらに、本明細書に開示する流体プラットフォームを、患者の歯の消毒に役立つようにかつ/または歯および/もしくは歯肉に石灰化治療を提供するように使用することができる。
【0035】
従来の歯科技法と比較して、本明細書に開示する方法および装置は、患者の口内のさまざまな部分から望ましくない歯の沈着物を非侵襲的に取り除くことができることが理解されるべきである。たとえば、ヤスリまたは粗いブラシを使用する等、従来の技法は、患者に対して不快であるかまたは痛みを伴うものであり得る。発生した圧力波を使用して歯の沈着物を取り除くことを、患者に対して痛みを伴わず不快でもない非侵襲的方法で行うことができる。さらに、本明細書で説明したように、従来の技法は、患者の口内のさまざまな部分からすべてのまたは実質的にすべての沈着物を取り除くことができないことがある。たとえば、深い歯肉ポケットは、歯ブラシまたは他の従来の歯科デバイスにはアクセス不可能な場所で残がいおよび望ましくない沈着物を閉じ込め得る。対照的に、本明細書に開示する圧力波発生器は、圧力波を、治療流体を通して、たとえば歯肉と歯との間のポケット内に深く位置する沈着物を含む、圧力波発生器から遠くの位置に伝播させることができる。したがって、本明細書に開示する方法および装置は、従来のデバイスにはアクセス不可能である場合があり、かつ/または従来のデバイスでは適切に洗浄されない場合がある患者の口内の部分から、望ましくない歯の沈着物を非侵襲的に有利に取り除くことができる。
【0036】
圧力波発生器および流体プラットフォームのさまざまな詳細を、「APPARATUS
AND METHODS FOR TREATING ROOT CANALS OF
TEETH」と題する、米国特許出願公開第2007/0248932号明細書として2007年10月25日に公開された、2007年4月19日に出願された米国特許出願
第11/737,710号明細書に、「LIQUID JET APPARATUS AND METHODS FOR DENTAL TREATMENTS」と題する、米国特許出願公開第2011/0117517号明細書として2011年5月19日に公開された、2010年11月12日に出願された米国特許出願第12/945,791号明細書に、「APPARATUS,METHODS,AND COMPOSITIONS FOR ENDODONTIC TREATMENTS」と題する、米国特許出願公開第2012/0237893号明細書として2012年9月20日に公開された、2011年10月21日に出願された米国特許出願第13/279,199号明細書に、「APPARATUS AND METHODS FOR SEALING TEETH」と題する、2013年2月21日に出願された米国仮特許出願第61/767,746号明細書に、「APPARATUS AND METHODS FOR CLEANING TEETH AND GINGIVAL POCKETS」と題する、2012年4月13日に出願された、米国仮特許出願第61/624,177号明細書に、かつ「APPARATUS AND METHODS FOR CLEANING TEETH AND GINGIVAL POCKETS」と題する、2013年3月15日に出願された米国仮特許出願第61/801,682号明細書に見ることができ、それらの各々は、全体としてかつすべての目的で参照により本明細書に組み込まれる。
【0037】
II.開示するシステムの特徴例
A.流体プラットフォーム例
本明細書で説明するように、さまざまな流体プラットフォーム101を使用して、歯110、歯肉109、および/または歯110と歯肉109との間の空間から歯の沈着物を取り除くことができる。こうした流体プラットフォーム101のさまざまな構成要素について本明細書に記載する。本明細書に開示する流体プラットフォーム101の構成要素は、本明細書に開示する各実施形態、たとえば
図1A〜
図12Bの実施形態に対して概して適用可能でありかつ好適であり得ることに留意されたい。この開示を、流体プラットフォーム101の特定の特徴を、好適な場合に、本明細書に開示するいかなる特定の実施形態にも限定するものとして解釈するべきではない。
【0038】
たとえば、流体プラットフォーム101を、歯110、歯肉109、ポケット等を少なくとも部分的に密閉するために使用することができ、かつ、密閉空間(volume)(またはチャンバ)を液体で少なくとも部分的に充填された(いくつかの構成では、実質的に充填された)状態で維持するために使用することができる。いくつかの実施態様では、流体プラットフォーム101は、歯110の領域の近くでの治療流体の循環を可能にすることができる。さらに、いくつかの構成では、流体プラットフォーム101は、吸引、灌注および混合を促進する構成要素を含むことができる。いくつかの実施態様では、流体プラットフォーム101は、本開示を例示するがその範囲を限定しないように意図される以下の要素または特徴(および上に開示した要素または特徴)のうちのいくつかまたはすべての実施形態を含むことができる。本明細書に開示する実施形態で使用するのに好適であり得る流体プラットフォーム101のさらなる詳細は、たとえば、すべての目的で参照により本明細書に組み込まれる、2012年9月20日に公開された、米国特許出願公開第2012/0237893号明細書の段落番号[0005]、[0041]〜[0049]、[0058]〜[0086]および他のさまざまな部分に見ることができる。
【0039】
1.流体保持器またはキャップ
本明細書に開示するいくつかの実施形態では、流体プラットフォーム101は、治療チャンバまたはポケット内に流体を保持するように構成された流体保持器を含むことができる。たとえば、流体保持器を、歯110および/または歯肉109の一部を少なくとも部分的にまたは実質的に密閉するサイズおよび形状とすることができる。いくつかの実施形態では、キャップを、ハンドピース108の先端部分に結合するかまたはその先端部分と
ともに形成することができる。キャップは、たとえばいくつかの実施形態では歯肉ポケット内の、治療部位において治療流体を保持するように構成されたチャンバを含むかまたは画定することができる。ハンドピース108に接続されるかまたはハンドピース108の中もしくは上に配置された流体入口を通して、チャンバ内に液体を導入することができる。廃棄治療液を、流体出口を介して流体保持器を通してさらにハンドピース108内に除去することができる。さまざまな構成では、流体保持器を、歯の一部、歯の表面全体および/または複数の歯にわたるように構成することができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、流体保持器は、患者の口内の1つまたは複数の歯に付着するように構成された締付具を含むことができる。締付具は、締付具を歯110に固定するために歯110に当接するように付勢される複数の閉鎖可能部材を含むことができる。締付具は、治療流体のプールを維持するように構成された不透過性材料をさらに含むことができる。
【0041】
一実施形態では、流体保持器とハンドピース108との間の(たとえば入口および/または出口を通る)通路は、液体が流れることができる透過性材料を含むことができる。流体保持器を、処置を通して使用することができ、かつ化学物質の曝露(処置中に導入される洗浄剤等)に耐えるように構成することができる。流体保持器を、いくつかの実施形態では可撓性材料から形成することができる。たとえば、流体保持器を、歯および/または歯肉を少なくとも部分的にまたは実質的に封止するように弾性材料から形成することができる。いくつかの構成では、流体保持器はスポンジを含むことができる。流体保持器は、たとえば、ポリビニルフォーム、ポリエチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、セルロースフォーム、シリコーンフォーム等を含むことができる。他の実施形態では、流体保持器は、シリコーン、エラストマー、ゴム、ラテックス等を含むことができる。一実施形態では、実質的に音響減衰がほとんどない材料が選択される。最小限の音響減衰のみまたは音響減衰がないことを可能にすることにより、流体保持器は、治療処置中に発生する圧力波を減衰させる可能性がない。さらなる他の実施形態では、流体保持器を、弾性および/または硬度が異なる1種または複数種の材料から作製することができる。いずれの歯110が治療されているか(たとえば、大臼歯、切歯、犬歯等)または歯110の治療部位の位置(たとえば、隣接面、咬合面、舌側面、頬側面等)に応じて、流体保持器は異なる形状を有することができることが理解されるべきである。一実施形態では、流体保持器を、ハンドピース108の一部とするかまたはハンドピース108に一体的に形成することができる。別の実施形態では、流体保持器は、ハンドピース108と別個の部品とすることができ、ハンドピース108の先端部分に機械的に結合することができる。
【0042】
本明細書に開示する実施形態で使用するのに好適であり得る流体保持器、流量制限器またはキャップのさらなる詳細を、たとえば、2011年5月19日に公開された米国特許出願公開第2011/0117517号明細書の段落番号[0052]〜[0053]、[0115]〜[0117]および他のさまざまな部分に、2012年9月20日に公開された米国特許出願公開第2012/0237893号明細書の段落番号[0040]〜[0043]、[0170]〜[01[0293]〜[0299]、[0316]〜「0319」に、かつ「APPARATUS AND METHODS FOR SEALING TEETH」と題する、2013年2月21日に出願された米国仮特許出願第61/767,746号明細書の
図1および付随する開示に見ることができ、それらの各々は、すべての目的で参照により本明細書に組み込まれる。
【0043】
2.吸引および灌注を促進する構成要素
いくつかの流体プラットフォーム101は、治療処置の前、治療処置中および/または治療処置の後に吸引および灌注を促進するさまざまな構成要素を含むことができる。いくつかの実施形態では、治療液は、治療液流入導管等、流体入口を介して歯110の近くの
治療領域に入ることができる。流体入口は、ハンドピース108を貫通するかまたはハンドピース108に沿うことができる。定常動作下では、少なくとも部分的に密閉された空間に入る液体の量を、流体出口を通って密閉空間から出る液体の量と実質的に同じにすることができる。いくつかの実施形態では、流体入口を、操作卓106によって制御することができるポンプによって駆動することができる。さらに、流体入口は、液体ジェット装置を採用する実施形態等、いくつかの実施形態では、活性エネルギー出口105と同じにすることができる。本明細書に開示する実施形態で使用するのに好適であり得る流体入口のさらなる詳細は、たとえば、すべての目的で参照により本明細書に組み込まれる、2012年9月20日に公開された米国特許出願公開第2012/0237893号明細書の段落番号[0075]〜[0078]および他のさまざまな部分に見ることができる。
【0044】
上で説明したように、本明細書に開示する流体プラットフォーム101は、流体出口、たとえば、処置中にチャンバの密閉空間から、または直接口から、液体を移送する流出導管も有することができる。いくつかの実施形態では、廃棄治療液を、患者の口内に直接こぼし得る。しかしながら、他の実施形態では、(除去された物質および気体副生成物とともに)廃棄治療液を、ハンドピース108を貫通するかまたはハンドピース108に沿うことができる流体出口を通して、移送することができる。本明細書で説明するように、流体出口は能動的であるかまたは受動的であり得る。受動的流体出口の場合、廃棄治療液は、毛管力、重力により、または密閉空間もしくはチャンバ内で生成されるわずかな過圧のために、流体出口を通って移動し得る。能動的にポンプのように作動する流体出口の場合、廃液を、ポンプ、吸引、または出口を通して液体を引き出す他の装置を用いて移送することができる。一例では、流体出口は、臨床医の診療所の吸引システムおよび/または真空ラインに接続されている。たとえば、いくつかの実施形態では、入口および出口を、口および/または流体プラットフォーム内で均衡化した量の流体を維持するように調整することができる。本明細書に開示する実施形態で使用されるのに好適であり得る流体出口のさらなる詳細を、たとえば、すべての目的で参照により本明細書に組み込まれる、2012年9月20日に公開された米国特許出願公開第2012/0237893号明細書の段落番号[0079]〜[0081]および他のさまざまな部分に見ることができる。
【0045】
本明細書で説明するように、流体プラットフォーム101はまた、治療流体の圧力を調節する1つまたは複数の通気孔も含むことができる。通気孔を、廃棄物ラインまたは流体出口に沿う等、いくつかの構成ではハンドピース108の一部に配置することができる。通気孔は、透過性または半透過性材料(たとえばスポンジ)、開口部、細孔または穴等の形態をとることができる。本明細書に開示する実施形態で使用するのに好適であり得る通気孔のさらなる詳細を、たとえば、すべての目的で参照により本明細書に組み込まれる、2012年9月20日に公開された米国特許出願公開第2012/0237893号明細書の段落番号[0071]〜[0073]、[0082]〜[0086]、[0177]〜[0194]および他のさまざまな部分に見ることができる。
【0046】
B.ハンドピース
本明細書に開示するシステムはまた、ハンドピース108、たとえば本明細書において
図1A乃至
図12Bを参照して開示するハンドピースを含むことも可能である。ハンドピース108を、歯110に流体プラットフォーム101(たとえば流体保持器またはキャップ)をあてがうように、かつ/または治療部位に対して活性エネルギー出口105を位置決めするように構成することができる。いくつかの実施形態では、ハンドピース108を使用して、ハンドピース108が流体プラットフォーム101を歯に係合させる際に少なくとも部分的にまたは実質的に密閉された空間またはチャンバを生成することができる。治療液を、密閉空間内にかつ密閉空間から移送することができる。他の実施形態では、ハンドピース108を使用して、圧力波発生器または活性エネルギー出口105を治療部位の近くに配置することができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、ハンドピース108は、エネルギー出口105を有する細長い部材を含むことができる。エネルギー出口105を、歯110および/または歯肉109から歯の沈着物125を取り除くように構成することができる。使用者は、ハンドピース108を使用して、自身の口内にエネルギー出口105を配置することができ、口内でエネルギー出口105の先端部分を作動させることができる。
【0048】
さらに、ハンドピース108は、操作者、使用者または臨床医に、処置中に保持するように手持ち式装置を提供することができる。たとえば、ハンドピース108は、使いやすいグリップおよび把持するのに使い易い形状を有することができる。臨床医は、ハンドピース108を操作して、流体プラットフォーム101および/または活性エネルギー出口105を歯110の上または近くの所望の位置に正確に位置決めすることができる。さらに、ハンドピース108によって、臨床医は、活性エネルギー出口105を口内の治療領域に対して望ましい位置に配置するように、処置中に流体プラットフォーム101および活性エネルギー出口105を移動または回転させることができる。別法として、ハンドピース108はまた、操作者が歯110に締め付けるかまたは取り付ける装置も提供することができ、それにより、ハンドピース108は、処置中に実質的な使用者の介入を必要としない。ハンドピース108を、使い捨て(たとえば単回使用)とすることができ、またはハンドピース108を再使用可能とすることができる。一実施形態では、ハンドピース108は使い捨てであるが、活性エネルギー出口105は再使用可能である。ハンドピース108を、任意の好適な材料から形成することができる。いくつかの実施形態では、ハンドピース108を、プラスチック材料から形成することができる。他の実施形態では、ハンドピース108を、金属から形成することができる。本明細書に開示する実施形態で使用するのに好適であり得るハンドピースのさらなる詳細は、たとえば、すべての目的で参照により本明細書に組み込まれる、2012年9月20日に公開された米国特許出願公開第2012/0237893号明細書の段落番号[0107]、[0138]〜[0142]、「0156]〜[0161]および他のさまざまな部分に見ることができる。
【0049】
C.活性エネルギー出口
活性エネルギー出口105またはエネルギー出口を、さまざまな開示する実施形態で使用して、歯110および/または歯肉109から、たとえば歯110および/または歯肉109の外側面または外面から、または歯110と歯肉109との間のポケットにおいて、望ましくない歯の沈着物125を取り除くことができる。いくつかの実施形態では、エネルギー出口105は、能動的先端部分を有する細長い部材を備えることができる。能動的先端部分を、使用者が、治療歯110および/または歯肉109にエネルギーを印加して沈着物125を除去するように作動させることができる。さまざまな実施形態では、エネルギー出口105は、1つもしくは複数の歯110および/または歯肉109にわたってあてがわれるように構成された2つの対向するプレートを備えることができる。作動持、エネルギーを対向するプレートから出力させて歯110の両面を洗浄することができる。
【0050】
エネルギー出口105の1つのタイプは圧力波発生器である。本明細書で説明するように、開示する圧力波発生器を、歯、歯肉組織、または歯と歯肉との間の空間から望ましくない歯の沈着物を取り除くために十分なエネルギーの圧力波を発生させるように構成することができる。圧力波発生器を、エネルギーの一形態を治療液内で圧力波に変換する装置とすることができる。圧力波発生器は、他の現象もあるが特に、(たとえばチャンバまたは口内の)治療液の流体動的運動、流体循環、乱流、および歯の洗浄を可能にすることができる他の状態を引き起こすことができる。本明細書に記載する図の各々に開示する圧力波発生器を、任意の好適なタイプの圧力波発生器とすることができる。
【0051】
圧力波発生器を使用して、治療液を通して、たとえば流体プラットフォーム101(たとえば流体保持器)に少なくとも部分的に保持された治療流体を通して伝播する圧力波を生成することにより歯の沈着物125を洗浄することができる。いくつかの実施態様では、圧力波発生器は、キャビテーション、音響流、乱流等を生成することも可能である。さまざまな実施形態において、圧力波発生器は、広帯域パワースペクトルを有する圧力波または音響エネルギーを発生させることができる。たとえば、圧力波発生器は、1つまたは数個の周波数のみとは対照的に、複数の異なる周波数で音波を発生させることができる。理論によって限定されることなく、複数の周波数での出力の発生は、さまざまな周波数で異なる材料特性または物理特性を有するさまざまなタイプの有機物質および/または無機物質を除去するのに役立つことができる。
【0052】
圧力波発生器(たとえば、高速液体ジェット、超音波変換器、レーザファイバ等)を、歯110および/または歯肉109に対して所望の位置に配置することができる。圧力波発生器は、実質的密閉空間の内部の液体内にかつ/または使用者の口もしくは口腔内で循環する流体内に圧力波を生成することができる。概して、圧力波発生器は、歯110および/または歯肉109から有機沈着物および/または無機沈着物125を除去するのに十分強力であり得る。いくつかの実施形態では、圧力波発生器を、本来の象牙質および/またはエナメルを実質的に破壊するかまたは傷付けるのを回避するように構成することができる。
【0053】
たとえば、いくつかの実施形態では、圧力波発生器は、液体ジェット装置を含むことができる。液体ジェットを、高圧液体をオリフィスに通すことによって生成することができる。液体ジェットは、治療液内に圧力波を生成することができる。いくつかの実施形態では、圧力波発生器は、液体のコヒーレントで平行なジェットを含む。液体のジェットは、実質的密閉空間(たとえばチャンバおよび/または使用者の口)内の液体および/または衝突部材と相互作用して圧力波を生成することができる。さらに、ジェットと治療流体との相互作用とともに衝突部材にぶつかることからもたらされるスプレーと治療流体との相互作用により、キャビテーションおよび/または音響効果をもたらして歯を洗浄することができる。
【0054】
さまざまな実施形態では、液体ジェット装置は、液体ジェットが沿ってまたは通って伝播することができるチャネルまたは内腔を有する位置決め部材(たとえばガイドチューブ)を備えることができる。位置決め部材の先端部分は、偏向された液体が位置決め部材から出て歯110内の周囲環境と相互作用するのを可能にする1つまたは複数の開口部を含むことができる。いくつかの治療方法では、位置決め部材の先端部分にまたはその近くに配置された開口部を、歯110、歯肉109およびまたは歯肉ポケットの一部に取り付けられるかまたはそれを包囲する流体プラットフォーム101に少なくとも部分的に封入することができる液体に浸漬することができる。他の実施形態では、位置決め部材の先端部分にまたはその近くに配置された開口部を、対象の口または口腔内の液体に浸漬することができる。いくつかの実施形態では、液体ジェットは、ガイドチューブを通過することができ、衝突面にぶつかることができる。衝突面にジェットがぶつかることにより、いくつかの実施態様では圧力波を発生させることができる。(たとえば実質的に充填された流体プラットフォーム内のまたは対象の口もしくは口腔内の)液体ジェットの浸漬部分の流れが、治療流体内にキャビテーションクラウドを発生させることができる。キャビテーションクラウドの生成および崩壊ならびに/または衝突面にぶつかるジェットは、場合によっては、歯、歯肉および/または歯と歯肉との間の空間内にまたはその近くに実質的な水中音場を発生させることができる。キャビテーション気泡の成長、振動および崩壊を含む、さらなるキャビテーション効果が可能であり得る。これらの(および/または他の)効果により、歯の効率的な洗浄をもたらすことができる。液体ジェット装置を含む圧力波発生器のさらなる詳細を、少なくとも、2011年5月19日に公開された米国特許出願公開
第2011/0117517号明細書の段落番号[0045]〜[0050]、[0054]〜[0077]および他のさまざまな部分に、かつ2012年9月20日に公開された米国特許出願公開第2012/0237893号明細書の段落番号[0136]〜[0142]および他のさまざまな部分に見ることができ、それらの各々は、全体としてかつすべての目的で参照により本明細書に組み込まれる。
【0055】
上述したように、圧力波発生器を、一形態のエネルギーを治療流体内で圧力波に変換するあらゆる物理的装置または現象とすることができる。本明細書に開示するシステムおよび方法の実施形態とともに、多くの異なるタイプの圧力波発生器(または圧力波発生器の組合せ)が使用可能である。
【0056】
(i)機械的エネルギー
圧力波発生器は、上で説明したように、液体ジェット装置を含むことができる。機械的エネルギー圧力波発生器はまた、回転物体、たとえば小型プロペラ、偏心的に閉じ込められた回転シリンダ、穿孔された回転ディスク等を含むことも可能である。これらのタイプの圧力波発生器はまた、圧電気、磁気ひずみ等を介して圧力波を生成するソニケーション(超音波処理)装置等、振動、発振または脈動物体を含むことも可能である。いくつかの圧力波発生器では、圧電変換器に移送される電気エネルギーは、治療流体内の波に圧力をかけることができる。場合によっては、圧電変換器を使用して、超音波周波数を有する音波を生成することができる。
【0057】
(ii)電磁エネルギー
電磁放射ビーム(たとえばレーザビーム)は、チャンバ内にエネルギーを伝播させることができ、電磁ビームエネルギーを、治療流体に入る際に圧力波に変換することができる。いくつかの実施形態では、レーザビームを、光の平行かつコヒーレントビームとしてチャンバまたは空間内に向けることができる。平行レーザビームは、レーザビームが流体にエネルギーを送達する際に圧力波を発生させるのに十分であり得る。さらに、さまざまな実施形態では、レーザビームを、治療流体の位置に光エネルギーを集中させるように1つもしくは複数のレンズまたは他の集束装置を使用して集束させることができる。集中したエネルギーを、望ましくない歯の沈着物を洗浄するのに十分な圧力波に変換することができる。一実施形態では、レーザビームまたは電磁源の波長を、チャンバ内の治療流体(たとえば水)によって、かつ/または治療流体内の添加剤(たとえばナノ粒子等)によって大きく吸収可能であるように選択することができる。たとえば、電磁エネルギーのうちの少なくとも一部は、チャンバまたは口内の流体(たとえば水)によって吸収される可能性があり、それは、流体内を伝播する局所加熱および圧力波を発生させることができる。電磁ビームによって発生する圧力波は、流体内に光誘起または光音響キャビテーション効果を発生させることができる。放射線源からの電磁放射線(たとえばレーザ)を、光導波路(たとえば光ファイバ)によってチャンバに伝搬させ、導波路の先端(たとえば、ファイバの成形された先端、たとえば円錐状先端)において流体内に分散させることができる。他の実施態様では、放射線を、ビーム走査システムによってチャンバに向けることができる。
【0058】
電磁エネルギーの波長は、水分子によって強力に吸収される範囲であり得る。波長は、約300nmから約3000nmの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、波長は、約400nmから約700nm、約700nmから約1000nmの範囲(たとえば、790nm、810nm、940nmまたは980nm)、約1ミクロンから約3ミクロンの範囲(たとえば、約2.7ミクロンまたは2.9ミクロン)、または約3ミクロンから約30ミクロンの範囲(たとえば、9.4ミクロンまたは10.6ミクロン)である。電磁エネルギーは、紫外、可視、近赤外、中赤外、マイクロ波またはそれのより長い波長であり得る。
【0059】
電磁エネルギーを、たとえば約1Hzから約500kHzの範囲の繰返し率で、(たとえばパルス状レーザを介して)パルス状にするかまたは変調することができる。パルスエネルギーは、約1mJから約1000mJの範囲であり得る。パルス幅は、約1μsから約500μs、約1msから約500msの範囲、または他の何らかの範囲であり得る。場合によっては、ナノ秒パルス状レーザを、約100nsから約500nsの範囲のパルスレートで使用することができる。上述したことは、放射パラメータの限定しない例であり、他の実施形態では、他の繰返し率、パルス幅、パルスエネルギー等を使用することができる。
【0060】
レーザは、ダイオードレーザ、固体レーザ、ファイバレーザ、Er:YAGレーザ、Er:YSGGレーザ、Er,Cr:YAGレーザ、Er,Cr:YSGGレーザ、Ho:YAGレーザ、Nd:YAGレーザ、CTE:YAGレーザ、CO
2レーザまたはTi:サファイアレーザのうちの1つまたは複数を含むことができる。他の実施形態では、電磁放射線源は、1つまたは複数の発光ダイオード(LED)を含むことができる。電磁放射線を使用して、治療流体内部でナノ粒子(たとえば光吸収性金ナノロッドまたはナノシェル)を励起することができ、それによって、流体内の光誘起キャビテーションの効率が上昇する。治療流体は、電磁放射線による励起に影響を受けやすい場合があり、かつ圧力波発生の効率を(たとえば放射線の吸収の増大により)向上させることができる、励起可能な官能基(たとえば、ヒドロキシル官能基)を含むことができる。いくつかの治療中、第1波長(たとえば、液体たとえば水によって強力に吸収される波長)を有する放射線を使用した後、第1の波長とは異なるが、別の要素、たとえば象牙質または溶液に添加されたナノ粒子によって強力に吸収される第2の波長(たとえば、水によってそれほど強力に吸収されない波長)を有する放射線を使用することができる。たとえば、いくつかのこうした治療では、第1波長は、流体内に気泡を生成するのに役立つことができ、第2波長は、組織を破壊するのに役立つことができる。
【0061】
電磁エネルギーを、約1秒から数秒、最大約1分以上の範囲であり得る治療時間、チャンバに印加することができる。治療処置は、歯に対して電磁エネルギーを印加する1サイクルから10サイクル(またはそれより多く)を含むことができる。流体プラットフォーム101を使用して、治療プロセス中、チャンバ内で流体を循環させることができ、それにより、有利に、歯110の加熱(患者に不快をもたらす可能性がある)を阻止することができる。流体プラットフォーム101は、チャンバ内に流体を保持するのに役立つ流体プラットフォーム101(たとえば流体保持器またはキャップ)を含むことができる。流体プラットフォーム101は、いくつかのパルス状レーザ治療中、液圧による自動放出によって発生する可能性がある流体の跳ね返しを阻止することができる。流体プラットフォーム101による治療流体(たとえば、組織溶解剤を含む水)の循環により、新たな治療流体を組織および有機物に送ることができるとともに、治療部位から溶存物質を流し出すことができる。電磁放射線を使用するいくつかの治療では、治療流体の循環により、(流体循環がほとんどまたはまったくない治療と比較して)洗浄の有効性を向上させることができる。
【0062】
いくつかの実施態様では、電磁エネルギーを、他の圧力波発生モダリティに追加することができる。たとえば、電磁エネルギーを、音波を発生させるために機械的エネルギー圧力波発生器(たとえば液体ジェット)が使用されるチャンバに送達することができる。
【0063】
(iii)音響エネルギー
音響エネルギー(たとえば超音波周波数、音声周波数、可聴周波数、および/または低周波数)を、たとえば、治療流体内に圧力波を生成する超音波変換器もしくは他の変換器または超音波チップ(またはヤスリもしくは針)に移送される電気エネルギーから発生さ
せることができる。超音波変換器または他のタイプの音響変換器は、電気信号に応答して物理的に発振する圧電結晶、または電磁エネルギーを機械エネルギーに変換する磁歪素子を備えることができる。変換器を、治療流体内に、たとえばチャンバ内部の流体内に配置することができる。本明細書においてたとえば
図13A〜
図13Bを参照して説明するように、本明細書に開示する実施形態で使用される超音波装置または他の音響装置は、好ましくは、広帯域および/または多周波装置である。たとえば、
図13Bに示す従来の超音波変換器のパワースペクトルとは異なり、開示する実施形態で使用される超音波装置または他の音響装置は、好ましくは、
図13Aのパワースペクトルと類似する広帯域特性(液体ジェット装置の音響出力)を有している。
【0064】
(iv)いくつかの圧力波発生器のさらなる特性
圧力波発生器を、歯110に対して所望の位置に配置することができる。圧力波発生器110は、チャンバの内部の流体内に圧力波を生成する(圧力波の発生によって、キャビテーションが生成されるかまたはもたらされる場合もあればそうでない場合もある)。圧力波は、チャンバ内部の流体を通って伝播し、チャンバ内の流体は、圧力波の伝播媒体としての役割を果たす。圧力波はまた、歯材料(たとえば象牙質)を通って伝播することも可能である。必須ではないが、十分に高強度の圧力波を印加する結果、音響キャビテーションが発生する可能性があると考えられる。キャビテーション気泡の崩壊により、たとえば、ソノケミストリ(音響化学)、組織解離、組織剥離、ソノポレーションおよび/または石灰化構造の除去等、本明細書に記載する複数のプロセスを引き起こすか、もたらすか、またはそれに関与することができる。いくつかの実施形態では、圧力波発生器を、圧力波(および/またはキャビテーション)が歯110の天然の象牙質を実質的に破壊しないように構成することができる。圧力波場を、単独でまたはキャビテーションに加えて、上述したプロセスのうちの1つまたは複数に関与させることができる。
【0065】
いくつかの実施態様では、圧力波発生器は、一次キャビテーションを発生させ、それが圧力波を生成し、それによって二次キャビテーションを引き起こすことができる。二次キャビテーションは、一次キャビテーションより弱い可能性があり、非慣性キャビテーションであり得る。他の実施態様では、圧力波発生器は、圧力波を直接発生させ、それによって二次キャビテーションを引き起こすことができる。
【0066】
圧力波発生器用のエネルギーを提供するエネルギー源を、ハンドピース108の外側に配置し、ハンドピース108の内側に配置し、ハンドピース108と一体化する等が可能である。
【0067】
本明細書に開示する実施形態で使用するのに好適であり得る圧力波発生器のさらなる詳細を、すべての目的で参照により本明細書に組み込まれる、2012年9月20日に公開された米国特許出願公開第2012/0237893号明細書の段落番号[0191]〜[0217]および他のさまざまな部分に見ることができる。
【0068】
他の活性エネルギー出口が、開示する実施形態で使用するのに好適であり得る。たとえば、流体運動源を、ハンドピースの先端部分に配置することができ、かつ/またはいくつかの構成では流体プラットフォームに結合することができる。流体運動源を、チャンバまたは空間(たとえば、流体プラットフォーム101と歯110との間のチャンバまたは空間、および/もしくは対象の口の口腔)内の流体の移動をもたらし、チャンバ内の流体における乱流をもたらし、チャンバ内の治療流体の循環をもたらし、かつ/またはチャンバ内の流体における他の動態をもたらすように構成することができる。たとえば、流体運動源および/または流体プラットフォーム101は、治療される歯の近くに流体を注入するように構成された1つまたは複数の入口を含むことができる。さらに、機械的攪拌機および他の装置を使用して、流体運動および洗浄を促進することができる。流体運動源は、チ
ャンバおよび/または患者の口内の治療流体の循環を改善することができ、それにより、歯の沈着物の除去を促進することができる。たとえば、後に説明するように、「巨視的」液体循環等のより速い反応物質送達機構は、本明細書に開示する実施形態のうちのいくつかにおいて有利であり得る。
【0069】
III.歯および歯肉ポケットの洗浄
図1Bは、治療歯110と歯110の近くの歯肉109の部分とに結合された流体プラットフォーム101を有する歯科用システム100を示す概略側面図である。システム100は、ハンドピース108、圧力波発生器105Aおよび流体保持器102(たとえばキャップ)をさらに含むことができ、流体保持器102は、治療処置中に液体が少なくとも部分的に充填されたままである、流体保持器102と歯肉組織109と治療歯110との間のチャンバ127を実質的に密閉するように構成されている。いくつかの実施形態では、歯肉組織109と治療歯110との間のチャンバ127は、治療中に治療液が実質的に充填されたままである。(圧力波発生器105Aが液体ジェット装置である場合等)いくつかの実施形態では、治療液を圧力波発生器105Aによって供給することができ、または治療液を、別個の流体導入器によってチャンバ127に供給することができる。
【0070】
図1Bに示すように、チャンバ127は、歯肉ポケット126の少なくとも一部、たとえば歯肉溝を含むことができる。図示するポケット126は、概して、歯110および/または歯肉109の間の空間を含むことができる。ポケット126が歯肉109と歯110との間の一定深さまで進行する場合、臨床医は、ポケット126を歯周ポケットとして診断する場合がある。こうした深い歯肉ポケットが生じる場合、有機物および/または無機物、たとえば歯の沈着物がポケット内に配置される可能性があり、それは、歯ブラシまたは他の機械的洗浄器具を用いる等、従来の治療方法を用いて治療することが困難である場合がある。たとえば、
図1Bにおいて、歯肉歯垢または別のタイプの歯の沈着物125が、歯110および/または歯肉109の一部に、たとえばポケット126内に生じ得る。沈着物125が、歯110と歯肉109との間のポケット126または空間内に深く形成される場合、たとえば歯ブラシを用いて沈着物125に到達しそれを取り除くことは困難である可能性がある。治療しないで放置した場合、沈着物は進行する場合があり、歯の腐食および/または歯肉疾患をもたらす可能性がある。
【0071】
いくつかの実施形態では、圧力波発生器105Aを、ハンドピース108の先端部分に結合しまたはその近くに配置することができる。流体保持器102を、圧力波発生器105Aおよび/またはハンドピース108に結合することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、圧力波発生器105Aを、流体保持器102を通して配置することができ、それにより、圧力波発生器105Aの先端部分はチャンバ127内に配置される。臨床医は、ハンドピース108を使用して、圧力波発生器105Aおよび流体保持器102を治療のために患者の口腔の一部まで操作することができる。たとえば、臨床医は、ハンドピース108を操作して、流体保持器102を歯110および歯110の近くの歯肉109の部分に配置することができる。流体保持器102を、歯110および歯肉109の一部を少なくとも部分的にまたは実質的に密閉するサイズおよび形状とすることができる。
図1Bの流体保持器102は、歯110および歯肉109の両方に結合されているように示されているが、いくつかの構成では、治療処置中、流体保持器102を、歯110にのみかつ/または歯肉109にのみ結合することができる。いくつかの構成では、臨床医は、流体保持器102を歯110および/または歯肉109に対して押圧することにより、流体保持器102を歯110および/または歯肉109に結合することができる。他の構成では、接着剤またはシーラントを使用して、流体保持器102を歯110および/または歯肉109に結合することができる。
【0072】
いくつかの実施形態では、流体保持器102が、流体保持器102と歯110と歯肉1
09との間に完全な液体シールを提供しない場合があることが理解されるべきである。治療流体によってはチャンバ127から漏出することができる可能性があるが、こうした実施形態では、歯の沈着物125を実質的に除去するために十分な圧力波が発生し治療流体を通して伝播することができるように、流体保持器102を、チャンバ127内に十分な治療流体を保持するように構成することができる。実際には、さまざまな構成において、チャンバ127から漏れるかまたは排出されるあらゆる液体に取って代わるのに十分な治療流体をある割合で供給することができる。しかしながら、他の構成では、流体保持器102は、チャンバ127内に実質的にすべての提供される治療液を保持する液体シールを提供することができる。たとえば、流体保持器102に加えられる結合力を、チャンバ127を封止するのに十分高くすることができ、かつ/または歯110および/または歯肉109に流体保持器102を封止するために、シーラントまたは接着剤を塗布することができる。
【0073】
たとえば、
図1Bに示すように、流体保持器102は、歯110と歯肉109との間にポケット126を含むことができるチャンバ127を少なくとも部分的にまたは実質的に密閉することができる。流体保持器102と歯110および/または歯肉109との間のチャンバ127内に、治療流体を提供することができる。さまざまな実施形態では、歯110の治療中、チャンバ127に、少なくとも部分的に液体を充填することができる。いくつかの実施形態では、たとえば、治療中、流体保持器102と歯110および歯肉109との間のチャンバ127に、実質的に液体を充填することができる。たとえば、流体保持器102と歯110および/または歯肉109との間のチャンバ127に、チャンバ127の容積の約30%を超えて、チャンバ127の容積の約50%を超えて、チャンバ127の容積の約60%を超えて、チャンバ127の容積の約75%を超えて、チャンバ127の容積の約90%を超えて、チャンバ127の容積の約100%等、充填することができる。他の実施形態では、治療流体は、歯肉ポケット126を実質的に充填することができるが、チャンバ127の残りの実質的な部分、たとえば歯肉ポケット126の外側のチャンバ127の部分を充填しなくてもよい。
【0074】
いくつかの実施形態では、圧力波発生器105Aの先端部分を、治療流体に少なくとも部分的に浸漬することができる。他の実施形態では、圧力波発生器105Aを、治療流体の外側に配置することができる。圧力波発生器105Aの先端部分を、いくつかの構成ではポケット126の外側に配置することができ、他の構成では、圧力波発生器105Aの先端部分をポケット126の一部の中に配置することができる。圧力波発生器105Aを、たとえばステイン、歯石、う蝕、生体膜等を含む、歯、歯肉、および/または歯と歯肉との間の空間からの歯の沈着物を少なくとも部分的に取り除くように、実質的に密閉された治療領域内部で作動させることができる。たとえば、圧力波発生器105Aは、歯肉溝および/または歯周ポケット内の沈着物を取り除くことができる。圧力波発生器105Aは、歯を比較的迅速に洗浄することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、残がいおよび/または沈着物の量と治療領域の位置および広がりとに応じて、歯および/または歯肉を洗浄するために、圧力波発生器105Aを約20分間未満、作動させることができる。特に、歯、歯肉および/または歯と歯肉との間の空間に生じる沈着物を実質的に除去するために、圧力波発生器105Aを、約0.5分間から約15分間の範囲の期間、作動させることができる。
【0075】
図1Bに示すように、圧力波発生器105Aは、チャンバ127内の治療流体を通って伝播する圧力波103を発生させることができる。圧力波103は、歯110および/または歯肉109に形成された歯の沈着物125に達することができる。理論によって限定されることなく、必須ではないが、十分に高強度の圧力波103を印加することにより、音響キャビテーションが発生する可能性があると考えられる。キャビテーション気泡の崩壊が、たとえば、ソノケミストリ、組織解離、組織剥離、ソノポレーション等、複数のプ
ロセスを引き起こすか、もたらすか、またはそれに関与することができ、それにより、有効に、歯、歯肉または歯と歯肉との間の空間に形成された沈着物を有効に取り除くことができる。圧力波場を、単独で、上述したプロセスのうちの1つまたは複数に関与させることも可能である。いくつかの構成では、圧力波の発生が、キャビテーションを生成するかまたはもたらす場合もあればそうでない場合もある。いくつかの実施形態では、圧力波103は、流体保持器102のチャンバ127を少なくとも部分的にまたは実質的に充填する流体を通して伝播することができる。圧力波103は、歯110および/または歯肉109の歯の沈着物125と相互作用して、望ましくない沈着物を実質的に除去することができる。いくつかの実施形態では、チャンバ127を少なくとも部分的にまたは実質的に充填する液体は、キャビテーションを改善し治療によっては気泡の存在を低減することができる脱気液であり得る。
【0076】
図2は、治療歯210と歯の近くの歯肉209の部分とに結合された流体プラットフォーム201を有する歯科用システム200を示す概略側面図である。
図1Bと同様に、歯210および/または歯肉209に望ましくない歯の沈着物225が形成される可能性がある。
図2では、
図1Bのものと同様の参照数字が、同様の構成要素を示すために使用されており、
図1Bに対して100増大している。それらの構成要素の上述した説明を、特に断りのない限り、
図2の構成要素に適用するべきである。
【0077】
たとえば、
図1Bと同様に、システム200は、ハンドピース208、流体保持器202またはキャップおよび圧力波発生器205を含むことができる。流体保持器202を、ハンドピース208の先端部分に結合することができ、流体保持器202は、歯210および/または歯肉209にあてがわれると、歯210の治療中に液体を少なくとも部分的に充填することができるチャンバ227を画定することができる。たとえば、いくつかの構成では、治療中、チャンバ227に、(いくつかの実施形態では脱気液であり得る)液体を実質的に充填することができる。いくつかの構成では、流体保持器202を、完全な液体シールを形成することなく歯210にあてがうことができる。
図1Bと同様に、
図2の流体保持器202を、歯210および/または歯肉209の部分に結合することができる。
図2に示すように、チャンバ227は、歯210と歯肉209との間に形成されたポケット226を含むことができる。
図1Bと同様に、歯210の上に、歯肉209の上に、かつ/または歯210と歯肉209との間のポケット226内に、望ましくない歯の沈着物225が沈着する可能性がある。
【0078】
図1Bの実施形態とは異なり、流体プラットフォーム201は、治療液を実質的密閉治療領域内に、たとえばチャンバ227内に吐出するように構成された能動的入口222を含むことができる。能動的入口222は、流体貯蔵器および/またはポンプと流体連通することができ、ポンプは、治療流体を、能動的入口222の導管を通して流体保持器202によって少なくとも部分的に画定されたチャンバ227内に押し込むように構成されている。能動的入口222を、少なくとも部分的にまたは実質的にチャンバ227を充填するように構成することができる。圧力波発生器205を、望ましくない歯の沈着物、たとえばステイン、歯石、う蝕、生体膜等を取り除くように、液体充填チャンバ227内部で作動させることができる。圧力波発生器205および/または流体入口222は、治療空間内部に、たとえばチャンバ227内に、歯210および/または歯肉209に形成された歯の沈着物225を除去するように作用することができる流体運動をもたらすことができる。いくつかの構成では、チャンバ227に入る過剰な流体は、流体保持器202と歯210および/または歯肉209との間の間隙を通ってチャンバ227から流れ出ることができ、それにより、流体プラットフォーム201は開放流体システムである。他の構成では、廃棄流体が出て行くのを可能にするために出口を設けることができる。いくつかの実施形態では、
図2に示すように、流体入口222は圧力波発生器205とは別個である。他の実施形態では、圧力波発生器は流体入口として作用することも可能である。さらに
、流体保持器202と歯210または歯肉209との間の間隙を通ってチャンバ227から漏れるいかなる液体も能動的入口222によって置き換えられるように、能動的入口222を構成することができる。
【0079】
図3は、流体プラットフォーム301と液体ジェット330を備える圧力波発生器305とを有する歯科用システム300を示す概略側面図である。望ましくない歯の沈着物325が歯310および/または歯肉309に形成される可能性がある。
図3において、
図1Bおよび
図2のものと同様の参照数字が、同様の構成要素を示すために使用されており、
図2に対して100増大している。それらの構成要素の上述した説明を、特に断りのない限り、
図3の構成要素に適用するべきである。システム300は、ハンドピース308、流体保持器302またはキャップ、および圧力波発生器305を含むことができる。流体保持器302を、ハンドピース308の先端部分に結合することができ、流体保持器302は、歯310および/または歯肉309にあてがわれると、歯310の治療中に液体を少なくとも部分的に充填することができるチャンバ327を画定することができる。流体保持器302を使用して、治療中、少なくとも部分的に液体が充填されたままである、歯肉組織309と治療歯310との間の空間を少なくとも部分的にまたは実質的に密閉することができる。たとえば、いくつかの構成では、治療中、チャンバ327に、(いくつかの実施形態では脱気液であり得る)液体を実質的に充填することができる。
図1Bおよび
図2と同様に、
図3の流体保持器302を、歯310および/または歯肉309の部分に結合することができる。
図3に示すように、チャンバ327は、歯310と歯肉309との間に形成されたポケット326を含むことができる。歯310、歯肉309および/または歯310と歯肉309との間のポケット326に、望ましくない歯の沈着物325が沈着する可能性がある。
【0080】
本明細書で説明したように、圧力波発生器305は液体ジェット330を備えることができる。液体ジェット330は、コヒーレントな平行液体ジェットであり得る。いくつかの実施形態では、たとえば、ジェット330を、高圧液体が流れるオリフィスによって形成することができる。ジェット330は、ガイドチューブ336に沿って進むことができ、衝突部材334にぶつかることができる。衝突部材334は、ガイドチューブ336の先端部分の近くに配置されたプレートまたは他の好適な衝突面であり得る。ジェット330は、衝突部材334に衝突するかまたはぶつかることができる。いくつかの構成では、ジェット330は、衝突部材334が治療流体に浸漬されているときに衝突部材334にぶつかることができる。本明細書で説明したように、ジェット330が衝突部材334にぶつかると、音波303を発生させることができ、音波303は、治療流体を通って伝播することができ、望ましくない歯の沈着物325と相互作用してそれらを実質的に除去することができる。
【0081】
さらに、いくつかの実施形態では、液体ジェット330は、(たとえば
図2の入口222に類似する)能動的液体入口として作用して、液体を実質的に密閉された治療領域内に、たとえばチャンバ327内に吐出することができる。液体ジェット330はまた、洗浄処置をさらに促進することができる流体運動源(たとえば液体運動発生器)として作用することも可能である。たとえば、圧力波発生器305は、圧力波発生器305の先端部分の近くに開口部332をさらに備えることができる。
図3に示すように、いくつかの構成では、開口部332を衝突部材334の基端側に配置することができる。ジェット330からの液体は、衝突部材334にぶつかった後に開口部332を通して霧散するかまたは進むことができる。開口部332を通して進むかまたは霧散する液体は、いくつかの実施形態ではチャンバ327に治療流体を供給するように作用することができる。さらに、開口部332からチャンバ327への液体の噴霧は、チャンバ327内に流体運動を提供するのに役立つことができ、それは、口内から望ましくない沈着物325を取り除くのに役立つことができる。
【0082】
図4は、能動的流体入口422および流体出口420を含む流体プラットフォーム401を有する歯科用システム400を示す概略側面図である。望ましくない歯の沈着物425が歯410および/または歯肉409に形成される場合がある。
図4において、
図1B〜
図3のものと同様の参照数字が、同様の構成要素を示すために使用されており、
図3に対して100増大している。それらの構成要素の上述した説明を、特に断りのない限り、
図4の構成要素に適用するべきである。
図1B〜
図3と同様に、システム400は、ハンドピース408、流体保持器402またはキャップ、および圧力波発生器405を含むことができる。流体保持器402を使用して、歯肉組織409と治療歯410との間に、治療中、液体が少なくとも部分的にまたは実質的に充填されたままであるチャンバ427を形成することができる空間を実質的に密閉することができる。液体充填チャンバ427内部で、圧力波発生器405を、歯肉溝および歯周ポケット内に配置されたステイン、歯石、う蝕、生体膜および残がい等の望ましくない歯の沈着物425を少なくとも部分的に取り除く圧力波403を発生させるように、作動させることができる。
【0083】
図2の実施形態と同様に、能動的流体入口422は、実質的密閉治療領域、たとえばチャンバ427内に治療液を吐出することができる。圧力波発生器405および/または流体入口422はまた、治療空間内部に、望ましくない沈着物425の除去に役立つことができる流体運動を引き起こすことができる。さらに、治療中に適切な量の治療液がチャンバ427内で維持されるのを確実にするように、流体入口422を、チャンバ427に治療流体を望ましい割合で供給するように構成することができる。
【0084】
流体出口420は、実質的に密閉された治療空間、たとえばチャンバ427から廃棄流体を除去するように構成された廃棄流体ラインを備えることができる。廃液が、流体保持器402を出て、収集キャニスタまたはドレインに接続することができるホース内に入るのを可能にするように、流体出口420を組み込むことができる。出口420は、受動的出口または能動的出口であり得る。受動的流体出口420では、場合によっては、廃棄治療液は、毛管力により、重力により、または実質的密閉空間内で生成されるわずかな過圧のために、導管を通って移動する。能動的にポンプのように動作する流体出口420の場合、廃液を、ポンプ、吸引、または流出導管を通って液体を引き出す他の装置を用いて移送することができる。いくつかの構成では、たとえば、流体出口420を、臨床医の診療所の吸引システムおよび/または真空ラインに接続することができる。
【0085】
図5は、治療歯510、歯肉509、および/または歯510と歯肉509との間のポケット526から歯の沈着物525を除去するように構成された液体ジェット装置505を含む流体プラットフォーム501を有する歯科用システム500を示す概略側面図である。
図5において、
図1B〜
図4のものと同様の参照数字が、同様の構成要素を示すために使用されており、
図4に対して100増大している。それらの構成要素の上述した説明を、特に断りのない限り、
図5の構成要素に適用するべきである。
図1B〜
図4と同様に、システム500は、ハンドピース508を含むことができる。液体ジェット装置505をハンドピース508の先端部分に結合することができ、それにより、臨床医は、液体ジェット装置505を、治療される患者の口内の領域まで操縦することができる。
図5の実施形態等、いくつかの実施形態では、歯510および/または歯肉509の近くのチャンバ内に流体を保持するのに役立つ流体保持器またはキャップがない場合がある。たとえば、
図5に示すように、液体ジェット装置505の先端部分を、歯510と歯肉509との間のポケット526内にまたはその近くに配置されるサイズおよび形状とすることができる。
【0086】
液体ジェット装置505は、本明細書に記載するように圧力波発生器として作用することができ、かつ/または液体ジェット装置505は流体運動源として作用することができ
る。液体ジェット装置505は、液体ジェット530が通過することができるチャネルを有するガイドチューブ536を含むことができる。たとえば、上で説明したように、高圧液体がオリフィスを通過して、ガイドチューブ536に沿って進むことができるコヒーレントな平行液体ジェットを形成することができる。ジェット530は、衝突部材534にぶつかることができ、それにより、歯510と歯肉509との間のポケット526内にまたはその近くに圧力波503を発生させることができる。液体ジェット装置505はまた、液体ジェット装置505の先端部分の近くに開口部532を含むことも可能である。開口部532を、液体ジェット530からの液体が、衝突部材534にぶつかった後に開口部532を通って霧散するかまたは進むのを可能にするサイズおよび形状とすることができる。したがって、上で説明したように、ガイドチューブ536の開口部532はまた、さまざまな構成で治療流体を治療歯510に供給する能動的入口として作用することも可能である。
【0087】
図5の実施形態では、開口部532を通過する発生した圧力波503および/または液体は、沈着物525、たとえば歯510および/または歯肉509からのステイン、歯石、う蝕および生体膜、ならびに歯肉溝および歯周ポケット内の残がいまたは沈着物を少なくとも部分的に取り除くように作用することができる。
図5に示す例としてのシステム500は流体保持器を含まないが、圧力波503は、ポケット526内またはその近くの流体を通って伝播して、沈着物525を取り除くことができる。さらに、理論によって限定されずに、いくつかの構成では、ガイドチューブ536から開口部532を通ってポケット526内に進む液体は、圧力波503が沈着物525まで通って伝播することができる媒体として作用することができる。さらに、いくつかの実施形態では、ガイドチューブ536から開口部532を通って進む液体は、沈着物525の近くの流体運動を改善するように作用することができる。発生した圧力波503および/またはポケット526内の循環する流体は、歯510および/または歯肉509から沈着物525を除去するように作用することができる。
【0088】
IV.1つまたは複数の歯に結合する流体プラットフォーム
図6Aは、治療液のプールを保持するように1つまたは複数の歯610に付着するように構成された流体保持器602(たとえば締付具640および貯蔵器604)を有する流体プラットフォーム601を含む歯科用システム600の平面図である。
図6Bは、
図6Aに示す装置600の概略側面図である。
図6Aおよび
図6Bにおいて、
図1B〜
図5のものと同様の参照数字が、同様の構成要素を示すために使用されており、
図5に対して100増大している。それらの構成要素の上述した説明を、特に断りのない限り、
図6Aおよび
図6Bの構成要素に適用するべきである。
図6Aおよび
図6Bに示すシステム600を使用して、口内の治療領域において1つもしくは複数の歯610および/または歯肉609を洗浄することができる。本明細書において説明したように、従来の歯科治療技法は、歯および/または歯肉に生じる可能性がある歯の沈着物のすべてまたは実質的にすべてを除去するように歯を有効に洗浄しない可能性がある。
図6Aおよび
図6Bのシステム600は、歯610および/または歯肉609に形成された歯の沈着物のすべてまたは実質的にすべてを除去するように、貯蔵器604内に保持された治療流体のプール内に圧力波を発生させることができる。有利には、圧力波は、圧力波発生器605から遠くの歯610および/または歯肉609の部分を洗浄することができる。たとえば、間隙、亀裂、割れ目等の中に位置する沈着物を、プール内の治療流体を通って伝播する圧力波によって取り除くことができる。
【0089】
システム600は、上で説明したように、流体保持器602と、ハンドピース608と、ハンドピース608の先端部分に結合された圧力波発生器605とを含むことができる。流体保持器602は、流体を保持するように構成された貯蔵器604を画定するかまたは形成する締付具640を含むことができる。締付具640を使用して、1つまたは複数
の治療歯610を少なくとも部分的に密閉し封止することができる。たとえば、締付具640を使用して、治療歯610にまたはその近くに配置することができる治療ハンドピース608へのアクセスを可能にしながら、貯蔵器604を、治療流体のプールで少なくとも部分的に充填された状態で維持することができる。締付具640は任意の好適な締付具であり得る。たとえば、締付具640は、第1閉鎖可能部材641Aおよび第2閉鎖可能部材641Bを含むことができる。第1閉鎖可能部材641Aおよび第2閉鎖可能部材641Bを、臨床医が、1つまたは複数の治療歯610の両側に第1閉鎖可能部材641Aおよび第2閉鎖可能部材642Bをあてがうことができるように、内側に付勢する(たとえば互いに向かって付勢する)ことができる。臨床医が締付具640を解放すると、第1閉鎖可能部材641Aおよび第2閉鎖可能部材641Bは、治療歯610に当接して、治療流体が少なくとも部分的にまたは実質的に充填されるように構成された少なくとも部分的に密閉されかつ/または封止された貯蔵器604を提供することができる。各閉鎖可能部材641A、641Bはまた、治療流体に対して不透過性である材料を含むことができ、それにより、閉鎖可能部材641Aおよび642Bが歯610および/または歯肉609に締め付けられたとき、不透過性材料が、治療流体を供給することができる貯蔵器604を画定しまたは形成することができる。
【0090】
圧力波発生器605を、ハンドピース608の先端部分に結合するかまたはそこに配置することができる。
図6Bに示すように、たとえば、圧力波発生器605の先端部分を、貯蔵器604内に保持される治療流体のプールに浸漬することができる。たとえば、圧力波発生器605の先端部分を、
図6Aおよび
図6Bにおける歯610の両側の貯蔵器604内に、たとえば、歯610の両側の第1閉鎖可能部材641Aおよび/または第2閉鎖可能部材641Bによって形成された貯蔵器604内に配置することができる。圧力波発生器605を、圧力波を発生させるように作動させることができる。圧力波は、貯蔵器604内の治療流体を通って伝播して、歯610および/または歯肉609から沈着物を取り除くことができる。
【0091】
さらに、上で説明したように、流体プラットフォーム601は、たとえば流体入口、流体出口、追加の流体運動源等を含む、
図6Aおよび
図6Bに示さない他の構成要素を含むことができる。たとえば、上で説明したように、流体入口を、プール604に治療流体を供給するように構成することができ、それにより、入口は、締付具640によって形成されたプール604から漏出するいかなる流体も補給することができる。さらに、
図6Aおよび
図6Bに関して本明細書に記載する締付具640は、2つの閉鎖可能部材641Aおよび641Bを含むが、プール604を交互に形成する流体プラットフォームを含む他のあらゆる流体プラットフォームが好適であり得ることが理解されるべきである。
【0092】
図6Cは、別の実施形態による、流体保持器602Aを有する流体プラットフォーム601Aを含む歯科用システム600Aの平面図である。流体保持器602Aは、1つまたは複数の歯610Aに付着して、治療液が少なくとも部分的にまたは実質的に充填されるように構成された貯蔵器604Aを形成するように構成された、締付具640Aを含むことができる。
図6Dは、
図6Cに示す装置600Aの概略側面図である。
図6Cおよび
図6Dにおいて、
図6Aおよび
図6Bのものと同様の参照数字が、同様の構成要素を示すために使用されており、
図6Aおよび
図6Bに対して「A」が添付されている。それらの構成要素の上述した説明を、特に断りのない限り、
図6Cおよび
図6Dの構成要素に適用するべきである。たとえば、
図6Aおよび
図6Bに対して上述したように、システム600Aは、流体保持器602Aと、ハンドピース608Aと、ハンドピース608Aに結合された圧力波発生器605Aとを含むことができる。流体保持器602Aは、治療液のプールを充填することができる貯蔵器604Aを形成するように構成された閉鎖可能部材641Aおよび641Bを有する締付具640Aを含むことができる。締付具640Aを使用して、1つまたは複数の治療歯610Aを少なくとも部分的に密閉しかつ封止し、貯蔵器
604Aを、流体で少なくとも部分的にまたは実質的に充填された状態で維持することができる。
【0093】
図6Cおよび
図6Dの締付具640Aを、ハンドピース608Aに結合するように構成することも可能であり、それにより、臨床医は、ハンドピース608Aを締付具640Aに取り付けることができる。たとえば、
図6Cおよび
図6Dにおいて、締付具640Aをハンドピース608Aの先端部分に結合することができる。いくつかの構成では、臨床医は、締付具640Aを治療歯610Aに取り付ける前に、ハンドピース608Aを締付具640Aに結合することができる。しかしながら、他の構成では、臨床医は、締付具640Aを治療歯610Aに取り付けた後にハンドピース608Aを締付具640Aに結合することができる。
図6Cおよび
図6Dに示すように、流体プラットフォーム601Aは、ハンドピース608Aを通して結合することができる穴642を含むことができる。たとえば、圧力波発生器605Aとハンドピース608Aの先端部分とを、穴642内に配置して、限定されないがスナップ式機構、ねじ切り機構、接着剤を含む任意の好適な固定機構によって固定することができる。
【0094】
したがって、圧力波発生器605Aの先端部分を、締付具640Aによって形成された貯蔵器604A内に配置することができる。
図6Dに示すように、圧力波発生器605Aを、治療される歯の上方に穴642を通して配置することができる。いくつかの実施形態では、圧力波発生器605Aの先端部分を、貯蔵器604A内の治療流体に浸漬することができる。圧力波発生器605Aを、貯蔵器604Aに保持される治療流体のプールを通って伝播することができかつ歯610Aおよび/または歯肉609Aに形成された歯の沈着物を除去することができる、圧力波を発生させるように作動させることができる。
図6Aおよび
図6Bと同様に、流体プラットフォーム601Aはまた、さまざまな実施形態では流体入口、流体出口および/または別個の流体運動源を含むことも可能である。
【0095】
V.歯および歯肉を洗浄するシステム
歯ブラシ、フロス、マウスウォッシュ等の日常の歯洗浄デバイスは、歯、歯肉、および/または歯と歯肉との間の空間に生じる望ましくない沈着物の実質的にすべてを取り除くのに有効でない場合がある。さらに、歯および歯肉を適切に洗浄するために、毎日複数回、数分間、歯磨きおよび/またはフロッシングを行うことが重要であり得る。使用者は、自身の歯を適切に磨くこともフロッシングすることもできない可能性があり、かつ/または歯および/または歯肉に生じる残がいおよび沈着物を除去するために必要なほど長くまたは必要なほど頻繁に歯磨きもフロッシングも行わない場合がある。したがって、改善された日常の歯および口内洗浄デバイスを含む、歯および歯肉を洗浄する改善された方法および装置を提供することが必要とされている。
【0096】
図7Aは、歯710および歯肉709から歯の沈着物を実質的に取り除くために使用者775の口内704に挿入されるように構成されたマウスピース701を含む歯科用システム700の概略側面図である。上述したように、システム700は、歯710および/または歯肉709からのステイン、歯石、う蝕、生体膜等、ならびに歯肉溝および歯周ポケット内の残がいおよび沈着物等の歯の沈着物を取り除くことができる。マウスピース701は、ハンドピース708、活性エネルギー出口705、流体入口ライン722および流体出口ライン720を含むことができる。ハンドピース708を、マウスピースの一部とすることができ、使用者の口内でマウスピース701を操作するために使用することができる。エネルギー出口705は、圧力波発生器(本明細書に記載する圧力波発生器等)、口内704で流体を循環させるように構成された流体運動源、および/または口内704に液体を放出するように構成された液体放出器のうちの1つまたは複数を含むことができる。さらに、装置700は、流体処置システム752を含むことができる。流体処置システム752は、1つまたは複数のポンプ、貯蔵器、混合器、センサ、および処置流体を
準備し、流体を入口ライン722に通し、出口ライン720から受け取った廃棄流体を処分するように構成された他の構成要素を含むことができる。
【0097】
システム700を使用者775の手の中に保持することができる。たとえば使用者の歯710、歯肉709および他の口内表面を含む、使用者775の口内704を洗浄するために、使用者775は、ハンドピース708を用いてエネルギー出口705の先端部分を口内704に挿入することができる。使用者は、ハンドピース708の一部、たとえばハンドピース708の、エネルギー出口705の先端部分の基端側の部分の周囲で自身の唇711を閉じることができる。ハンドピース708の周囲で唇711を閉じることにより、口内704に供給される液体が実質的に保持されるように、口704を実質的に封止することができる。治療液750を、入口ライン722を通して圧送するかまたは他の方法で供給することができ、治療液750は、少なくとも部分的にまたは実質的に口内704を充填することができる。口内に治療液750が十分に充填されると、エネルギー出口705を作動させて、歯710および/または歯肉709の表面を含む口内の表面から沈着物を除去することができる。たとえば、エネルギー出口705の圧力波発生器によって発生する圧力波703は、口内の治療液750を通って伝播することができ、歯710および歯肉709から沈着物を除去することができる。いくつかの構成では、使用者775は、自身の歯710を用いてハンドピース708を噛みしめなくてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、使用者775は、(たとえば口704に対してエネルギー出口705の先端部分を回転させるかまたは並進させることにより)エネルギー出口705を口内704で移動させることができる。口内704でエネルギー出口705を移動させることは、口内704のさまざまな部分で強度の変化する圧力波703を印加するように作用することができ、かつ/または口内704で流体750の運動を引き起こすように作用することができる。処置中、出口ライン720は、過剰な治療流体750または廃棄流体を除去することができ、入口ライン720は、口内704に治療液750が実質的に充填された状態を維持する。
【0098】
図7Aに開示するシステム700は、歯ブラシ、フロス、マウスウォッシュまたは他の従来の歯科用洗浄製品を使用することなく、歯710および/または歯肉709から沈着物を有利に取り除くことができる。エネルギー出口705を用いて治療液750を通して圧力波703を発生させることにより、システム700は、従来の歯科用装置を用いて達することが困難である口内表面に形成される沈着物を除去することができる。さらに、圧力波発生器の使用により、短時間でかつ非侵襲的に口内704を洗浄することができる。いくつかの構成では、たとえば、エネルギー出口705の圧力波発生器を、約20分間未満作動させることができる。たとえば、場合によっては、圧力波発生器を、口内704から望ましくない歯の沈着物を実質的に除去するために、約0.5分間から約15分間の範囲の期間、作動させることができる。
【0099】
図7Bは、別の実施形態による、歯710Aおよび歯肉709Aから歯の沈着物を実質的に取り除くために使用者775Aの口内704Aに挿入されるように構成されたマウスピース701Aを含む歯科用システム700Aの概略側面図である。
図7Bにおいて、
図7Aのものと同様の参照数字が、同様の構成要素を示すために使用されており、
図7Aに対して文字「A」が添付されている。それらの構成要素の上述した説明を、特に断りのない限り、
図7Bの構成要素に適用するべきである。たとえば、
図7Aと同様に、
図7Bのマウスピース701Aは、ハンドピース708A、エネルギー出口705A、流体入口ライン722Aおよび流体出口ライン720Aを含むことができる。
【0100】
しかしながら、
図7Aの実施形態とは異なり、
図7Bでは、エネルギー出口705Aを作動させる前に、使用者775Aの口内704Aに治療流体を充填させなくてもよい。たとえば、ハンドピース708Aは、エネルギー出口705Aの先端部分の近くに開口部7
60を含むことができる。
図7Bのシステム700Aでは、使用者775Aは、ハンドピース708Aの一部の周囲で自身の唇711Aを閉じて、ハンドピース708Aの周囲で口704Aを封止することができる。エネルギー出口705Aを作動させることができ、それにより、圧力波発生器が作動し、治療流体762が開口部760から口内704Aに放出される。エネルギー出口705Aは圧力波703Aを発生させることができ、ハンドピース708Aの開口部760を通過する流体762が、口内704Aの流体運動を増大させることができる。いくつかの実施形態では、圧力波703Aは、ハンドピース708A内の開口部760を通って放出される液体762を通って伝播することができる。
【0101】
たとえば、いくつかの実施形態では、使用者775Aは、エネルギー出口705Aの先端部分を、口内704Aの内部でかつ歯710Aの表面に沿って移動させることができる。開口部760Aから放出される流体762を、歯710Aおよび口内704Aの表面にわたって噴霧するかまたは他の方法で流すことができ、流体762は、口内704Aの流体の運動を増大させることができる。いくつかの実施形態では、エネルギー出口705Aが口内704Aで移動する際、発生した圧力波703Aがエネルギー出口705Aから歯710Aおよび/または歯肉709Aの表面まで伝播することができる。いくつかの構成では、圧力波703Aは、口内704Aを通して循環する治療液762(たとえば、ハンドピース708Aの開口部760を通過する際に循環する液体762)を通って伝播することができ、歯710Aおよび/または歯肉709Aに結合して望ましくない歯の沈着物を除去することができる。いくつかの実施形態では、システム700Aを作動させる前に、口内704Aに少なくとも幾分かの治療流体を供給することができる。
【0102】
図8は、使用者の歯810、歯肉809、および/または使用者875の口804内の他の表面から歯の沈着物を取り除くために口804内に挿入されるように構成されたエネルギー出口805を有するマウスピース801を備えた歯科用システム800の概略側面図である。
図8において、
図7Aおよび
図7Bのものと同様の参照数字が、同様の構成要素を示すために使用されており、
図7Aおよび
図7Bに対して100増大している。それらの構成要素の上述した説明を、特に断りのない限り、
図8の構成要素に適用するべきである。たとえば、
図7Aおよび
図7Bと同様に、
図8のマウスピース801は、ハンドピース808と、圧力波発生器および/または流体運動源として作用することができるエネルギー出口805と、流体入口ライン822と、流体出口ライン820とを含むことができる。
図8の実施形態では、たとえば、エネルギー出口805は液体ジェット装置を備えている。
【0103】
図7Aおよび
図7Bと同様に、エネルギー出口805の先端部分を使用者の口804内に挿入することができ、使用者875は、ハンドピース808の一部の周囲で自身の唇811を閉じてハンドピース808の周囲で口804を封止することができる。いくつかの実施形態では、エネルギー出口805を作動させる前に口804内に少なくとも幾分かの治療流体を供給して、口804内を少なくとも部分的に充填することができる。他の実施形態では、エネルギー出口805を作動させる前に治療流体を供給することができない。
【0104】
使用者は、システム800を作動させることができ、治療液862が入口ライン822を通過することができる。上で説明したように、ハンドピース808のオリフィスに高圧液体を通過させることにより、液体ジェット830を形成することができる。ジェット830は、(ガイドチューブのチャネルに沿って進むことができる)入口ライン822を通過することができ、エネルギー出口805の先端部分の近くに配置された衝突面834にぶつかることができる。ジェット830が衝突面834にぶつかるとき、圧力波803を発生させることができる。さらに、上で説明したように、治療液862を、エネルギー出口805の先端部分の近くの開口部860を通して放出するかまたは噴霧することができる。たとえば
図7Bに関して上で説明したように、開口部860を通して噴霧されるかま
たは放出される流体862は、口804内の流体運動を改善することができる。上述したように、廃棄流体を、流体出口ライン820を通して口804から引き出すことができる。
【0105】
いくつかの実施形態では、使用者875は、エネルギー出口805の先端部分を、口804内で、たとえば歯810の表面に沿って移動させることができる。他の実施形態では、使用者875は、エネルギー出口805を口804内に静止して保持することができる。上で説明したように、圧力波803は、エネルギー出口805から伝播して、歯810および/または歯肉809に結合して歯の沈着物を除去することができる。さらに、いくつかの構成では、圧力波803は、開口部860から放出される治療流体862を通って伝播することができ、歯810および/または歯肉809に結合して望ましくない歯の沈着物を除去することができる。治療流体862は、治療処置中、口804内の流体運動の程度を増大させることにより洗浄を促進することができる。したがって、本明細書において
図8に関して説明したように、液体ジェット装置(たとえばエネルギー出口805)は、圧力波発生器、流体運動源、および治療流体が口804に入るのを可能にする入口として有利に作用することができる。
【0106】
図8Aは、使用者の歯810A、歯肉809A、および/または使用者875Aの口804A内の他の表面から歯の沈着物を取り除くために口804A内に挿入されるように構成されたエネルギー出口805Aを有するマウスピース801Aを備えた歯科用システム800Aの概略側面図である。
図8Aにおいて、
図8のものと同様の参照数字が、同様の構成要素を示すために使用されており、
図8に対して文字「A」が添付されている。それらの構成要素の上述した説明を、特に断りのない限り、
図8Aの構成要素に適用するべきである。たとえば、
図8と同様に、
図8Aのマウスピース801Aは、ハンドピース808Aと、圧力波発生器および/または流体運動源として作用することができるエネルギー出口805Aと、流体入口ライン822Aと、流体出口ライン820Aとを含むことができる。流体入口ライン822Aは、1つまたは複数の流体ポート844Aで終端することができる。
図8Aの実施形態では、たとえば、エネルギー出口805Aは液体ジェット装置を備えている。
図8と同様に、使用者875Aは、エネルギー出口805Aの先端部分の周囲で自身の唇を閉じることができ、口804A内で出口805Aを作動させて、歯810Aおよび歯肉809Aから歯の沈着物を実質的に除去することができる。
【0107】
さらに、
図8Aは、口804Aおよび活性エネルギー出口805Aの先端部分にかつ/またはそこから(たとえば低体積移動で)流体を搬送することができる、導管813Aおよびポート844Aを介して活性エネルギー出口805Aと流体連通するポンプ825Aを示す。ポンプ825Aは、ポンプ825Aの動作を制御するように構成され得る制御機構826Aと通信することができる。ポート844Aを、相対的に大量の治療流体を口804A内に供給するように十分大きくすることができる。いくつかの実施形態では、ポンプ825Aは、可変容積式ポンプ、たとえばベローズ、または他の任意の好適な圧送装置を備えることができる。ポンプ825Aは、1つまたは複数の流体源、たとえば流体貯蔵器と流体連通することができる。別法として、口804A内に流体を圧送するために複数のポンプを設けることができる。制御機構826Aがポンプ825Aを動作させることができる。低周波数段階では、ポンプ826Aは、低周波数、高押しのけ容積モードで動作する。高周波数段階では、ポンプ826Aは、高周波数、低押しのけ容積モードで動作する。たとえば、制御機構826Aは、往復振動式にポート844Aにかつポート844Aから流体を移動させるようにポンプ825A(たとえばベローズ機構)を動作させることができる。往復振動の周波数は、治療を通して変化することができる。有利には、ポート844Aは、流体の口内への流入および口内からの流出を可能にすることができる。いくつかの構成では、流体は、同じポートに流れ込みかつそこから流れ出ることができるが、他の構成では、特定のポートを、流入用にのみまたは流出用にのみ構成することができる
。本明細書で説明するように、制御機構826Aを、ポート844Aに流れ込みかつそこから流れ出る治療液の量を均衡させるように構成することができる。
【0108】
図8Aのシステム800Aでは、たとえば、活性エネルギー出口805Aは、圧力波発生器(たとえば液体ジェット830Aおよび衝突部材834A)と流体運動源とを含むことができる。流体運動源は、たとえばポート844Aを備えることができ、ポート844はさらに、導管813Aを介してポンプ825Aに流体連通することができる。たとえば、治療流体を、1つまたは複数の貯蔵器から供給することができ、ポンプ825Aによって導管813Aおよび入口ライン822Aを通して活性エネルギー出口805Aの先端部分に圧送することができる。治療流体862Aは、ポート844Aから出て口804Aに入ることができる。ポート844Aを、相対的に大量の流体が口804Aに入るのを可能にするサイズとすることができ、それにより大規模流体移送をもたらすことができる。ポンプ825Aの動作は、押しのけ容積とともにポンプが動作する周波数に関して変化することができる。
【0109】
上で説明したように、さまざまな治療処置は1つまたは複数の治療段階を含むことができる。各治療段階では、エネルギーを異なる周波数または周波数の帯域で印加することができる。上で説明したように、異なる周波数が治療流体と相互作用してサイズが異なる歯の沈着物を取り除くことができる。たとえば、いくつかの構成では、低周波数の波または低周波数帯域の波ほど、相対的に大きい歯の沈着物を除去することができ、高周波数の波または高周波数帯域の波ほど、相対的に小さい沈着物、たとえば小さい空間、亀裂、割れ目、不規則な歯の表面等に形成され得る小さい沈着物を除去することができる。
【0110】
図8Aの実施形態では、たとえば、圧力波発生器(たとえば液体ジェット装置)および流体運動源(たとえば、ポンプ825Aと流体連通しているポート844A)の両方を、さまざまな周波数範囲で動作させることができる。第1治療処置例では、第1の低周波数段階を始動させることができ、第2の高周波数段階を始動させることができる。他の実施形態では、これらの段階を実質的に同時に行うか、またはそれらは重なることができる。この例では、低周波数段階では、圧力波発生器を非作動状態にすることができ、ポンプ825Aを低周波数で作動させることができる。たとえば、ポンプ825Aは、圧力波発生器(たとえばジェット装置)のスイッチが切られている間に、入口ライン822Aを通して、ポート844Aを介して口804A内に低周波数で流体を供給して、流体を口内にかつ口内から繰返し移動させて、低周波数および大容量流体運動をもたらすことができる。ポンプ825Aの低周波数作用は、治療流体内に流体力学的運動を引き起こすように作用することができ、口804A内に流体の大きい体積移動を発生させることができる。こうした低周波数、大きい体積流体移動は、口804Aから相対的に大きい歯の沈着物を除去するように作用することができる。第2の高周波数段階では、ポンプ825Aのスイッチを切ることができ、圧力波発生器(たとえばジェットまたは他のタイプの圧力波発生器)を作動させて、相対的に高い周波数を生成することができる。たとえば、圧力波発生器によって発生する高周波数圧力波は、小さい空間、亀裂、不規則な表面等から相対的に小さい沈着物を除去するように作用することができる。高周波数圧力波はまた、流体の小規模な体積移動を引き起こして洗浄処置に役立つことも可能である。
【0111】
第2治療処置例では、第1の低周波数段階を始動させることができ、第2の高周波数段階を始動させることができる。いくつかの実施形態では、これらの段階を逐次行うことができる。他の実施形態では、これらの段階を実質的に同時に行うか、またはそれらは重なることができる。この例では、第1処置例と同様に、低周波数段階では、圧力波発生器が非作動状態にある間、(ポート844A等の流体運動源と流体連通することができる)ポンプ825Aを作動させることができる。第1例と同様に、低周波数流体運動が、大量流体移動を引き起こして口804Aから大きい沈着物を取り除くことができる。しかしなが
ら、第1例とは異なり、第2例では、ポンプ825Aおよび圧力波発生器(たとえば液体ジェット装置)の両方を作動させることにより、高周波数段階を始動させることができる。たとえば、第2例の高周波数段階では、ポンプ825Aは口内にかつ口内から流体を供給することができ、圧力波発生器は、治療流体内に相対的に高周波数の圧力波を発生させることができる。高周波数圧力波および低体積流体移動は、口804Aから相対的に小さい沈着物、たとえば小さい空間、亀裂、不規則な表面等からの小さい沈着物および残がいを除去するように作用することができる。低周波数段階とは異なり、第2例の周波数段階では、口804A内の流体移送の量は、第1例の低周波数段階より小さい可能性がある。さらに、高周波数段階中の流体移動は、口804Aから望ましくない歯の沈着物を除去するのに役立つことができる。
【0112】
第3治療処置例では、第1の低周波数段階を始動させることができ、第2の高周波数段階を始動させることができる。しかしながら、第1例および第2例とは異なり、第3例の低周波数段階では、ポンプ825A(たとえば流体運動源)および圧力波発生器をともに低周波数で作動させることができる。ポンプ825Aによって発生する大規模流体移送は、大きい体積流体運動を引き起こして大きい沈着物を除去するように作用することができる。第3例の高周波数段階では、第2例の高周波数段階と同様に、(ポート844A等の流体運動源と流体連通することができる)ポンプ825Aおよび液体ジェット830A(たとえば圧力波発生器)を、高周波数で作動させて小さい沈着物を除去することができる。
【0113】
第4治療処置例では、第1の低周波数段階を始動させることができ、第2の高周波数段階を始動させることができる。しかしながら、第1治療例、第2治療例および第3治療例とは異なり、ポンプ825Aのみを使用して治療液内の流体移動を発生させることができ、たとえば、別個の圧力波発生器は不要である。たとえば、(ベローズ型装置であり得る)ポンプ825Aは、往復振動式に流体の口内へのかつ口内からの移動を提供する1つまたは複数の可動要素を含むことができる。低周波数段階では、たとえば、ポンプ825Aは、入口ライン822Aを通して、ポート844Aを介して口804A内に低周波数で流体を供給して、口内にかつ口内から流体を繰返し移動させることにより、低周波数かつ大量流体運動をもたらすことができる。ポンプ825Aの低周波数作用は、治療流体内に流体力学的運動を引き起こすように作用することができ、口804A内に流体の大きい体積移動を発生させることができる。こうした低周波数の大きい体積流体移動は、口804Aから相対的に大きい歯の沈着物を除去するように作用することができる。高周波数段階では、ポンプ825Aを高周波数で作動させて、対応して高い周波数で治療流体内に圧力波を生成することができ、こうした圧力波は、入口ライン822Aを通って口804A内に伝播する。高周波数圧力波は、口804Aから相対的に小さい沈着物、たとえば小さい空間、亀裂、不規則な表面等からの小さい沈着物および残がいを除去することができる。コントローラ826Aがポンプ825Aを動作させることができる。低周波数段階では、ポンプ826Aは低周波数、高押しのけ容積モードで動作する。高周波数段階では、ポンプ826Aは、高周波数、低押しのけ容積モードで動作する。上で説明したように、治療処置中(たとえば、任意の好適な周波数範囲および流量での洗浄段階中)使用者の口内の治療液の量を均衡させることができ、たとえば、流入および流出の量をおよそ等しく維持することができる。
【0114】
さらに、
図8Aの圧力波発生器は液体ジェット装置を含むが、
図8Aに関して開示した治療処置および装置はまた、他のタイプの圧力波発生器でも好適であり得ることが理解されるべきである。さらに、上述した例は2つの段階(たとえば高周波数段階および低周波数段階)を記載しているが、上で説明したように、治療処置は、歯からの沈着物の洗浄に役立つようにあらゆる数の中間周波数段階を含むことができる。さらに、治療処置は、複数の連続した高周波数段階および低周波数段階を含むことができる。たとえば、1つの処
置が、低周波数段階、高周波数段階、低周波数段階、高周波数段階および低周波数段階を始動させることができる。
【0115】
たとえば、
図8Bは、
図8Aの実施形態と同様のシステム800Aの別の実施形態を示す。
図8Bでは、
図8Aのものと同様の参照数字が、同様の構成要素を示すために使用されている。それらの構成要素の上述した説明を、特に断りのない限り、
図8Bの構成要素に適用するべきである。たとえば、活性エネルギー出口805Aは、圧力波発生器805Bと、流体運動源、たとえばポンプ825Aと流体連通することができる流体ポート844Aとを含むことができる。
図8Bに示すように、圧力波発生器805Bは、本明細書に記載の任意の適切な圧力波発生器とすることができる。ポンプ825Aは、ポンプ825Aの動作を制御するように構成され得る制御機構826Aと通信することができる。ポンプ825Aの動作は、押しのけ容積とポンプが動作する周波数との両方に関して変化することができる。
図8Aと同様に、圧力波発生器805Bおよび流体運動源(たとえば、ポンプ825Aと流体連通することができるポート844A)の両方を、さまざまな周波数範囲で動作させることができる。圧力波発生器805Bおよびポンプ825Aは、高周波数、低周波数および中間周波数で動作することができる。上で説明したように、さまざまな治療処置は、さまざまな周波数で動作する1つまたは複数の治療段階を含むことができる。さらに、本明細書で説明するように、治療処置中(たとえば、任意の好適な周波数範囲および流量での洗浄段階中)の使用者の口内の治療液の量を均衡させることができ、たとえば、流入および流出の量をおよそ等しいように維持することができる。有利には、ポート844Aは流体の口内への流入および口内からの流出を可能にすることができる。いくつかの構成では、流体は同じポートに流れ込みかつそこから流れ出ることができるが、他の構成では、特定のポートを、流入用にのみまたは流出用にのみ構成することができる。本明細書で説明するように、制御機構826Aを、ポート844Aに流れ込みかつポート844Aから流れ出る治療液の量を均衡させるように構成することができる。
【0116】
図8Cを参照すると、歯科用システム800Cの別の実施形態が示されている。
図8Cにおいて、
図8Aおよび
図8Bのものと同様の参照数字が、同様の構成要素を示すために使用されており、
図8Aおよび
図8Bに対して文字「C」が添付されている。それらの構成要素の上述した説明を、特に断りのない限り、
図8Cの構成要素に適用するべきである。歯科用システム800Cは、活性エネルギー出口805Cと、対象の口内に挿入されるサイズおよび形状であるマウスピース801Cとを含むことができる。
図8Cに示すように、たとえば、マウスピース801Cは、哺乳動物の上顎弓または下顎弓に実質的に沿う形状である。特に、マウスピース801Cを、歯の下列および/または歯の上列に沿う形状とすることができる。
【0117】
図8Cの実施形態において、活性エネルギー出口805Cをマウスピース801Cに組み込むことができる。たとえば、
図8Aおよび
図8Bの実施形態と同様に、活性エネルギー出口805Cは、1つまたは複数の流体ポート844Cを含む流体運動源を備えることができる。
図8Cにおいて、口内に相対的に大量の流体、たとえば治療液を供給するために単一ポート844Cが設けられているが、他の実施形態では、任意の好適な数のポートを設けることができる。ポート844Cは、マウスピース801Cの上に、中にまたは近くに配置された流体送達ライン822Cと流体連通することができる。流体送達ライン822Cは、さらに、1つまたは複数の導管813Cを介してポンプ825Cと流体連通することができる。制御機構826Cを、ポンプ825Cの動作を制御するように構成することができる。
図8Aおよび
図8Bの実施形態と同様に、たとえば、ポンプ825Cは、さまざまな構成でベローズ型ポンプであり得る。
【0118】
治療処置中、制御機構826Cは、ポンプ825Cが、1つまたは複数の導管813Cを介して流体をマウスピース801Cにまたはマウスピース801Cから送達するのを可
能にする。たとえば、流体送達ライン822Cを、マウスピース801Cの内部に形成することができ、流体送達ライン822Cは、1つまたは複数の導管813Cと流体連通することができる。流体送達ライン822Cは、導管813Cからポート844Cを介して口内にかつ/または口内から流体を送達することができる。
図8Cに示すように、たとえば、マウスピース801Cは、マウスピース801Cの中心部分の近くに配置された単一ポート844Cを含むことができる。
図8Cでは、たとえば、マウスピース801Cを、中心軸を中心に実質的に対称とすることができ、ポート844Cをその中心軸に沿ってまたはその近くに配置することができる。したがって、
図8Cの実施形態では、制御機構826Cおよびポンプ825Cは、導管813Cを介してマウスピース801Cに流体を送達することができる。マウスピース801Cの流体送達ライン822Cは、ポート844Cを介して口内にかつ/または口内から治療流体を送達することができる。
【0119】
図8Cでは、ポート844Cはマウスピース801Cの湾曲した凹状部分を越えて延在するものとして示されているが、ポート844Cを、代りにマウスピース801Cのあらゆる他の好適な表面を通してまたはその近くに形成することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、ポート844Cを、マウスピース801Cの上面または底面に配置することができる。さまざまな実施形態では、マウスピース801Cは、たとえば、後により詳細に説明する、
図11A〜
図11Dに示すマウスピース1101および/または
図12Aおよび
図12Bに示すマウスピース1201と同様に、中心面から延在する1つまたは複数の壁を含むことができる。例として、2つの壁が中心面から上方に延在することができ、2つの上方に延在する壁の間により多くの歯のうちの1つを受け入れるために(たとえば、歯の上列の歯を受け入れるために)十分な離隔距離で間隔を空けて配置され得る。2つの壁はまた、中心面から下方に延在することも可能であり、2つの下方に延在する壁の間に1つまたは複数の歯を受け入れるために(たとえば、歯の下列の歯を受け入れるために)十分な離隔距離で間隔を空けて配置され得る。こうした実施形態では、ポート844Aを、壁を通してかつ/または中心面を通して形成することができる。マウスピース801Cを、いくつかの実施形態では、口内にゆるく適合する形状とすることができ、たとえば、それにより、ポート844Cと口内表面との間に空間を維持することができる。たとえば、マウスピース801Cを、歯および/または歯肉がポート844Cを閉塞させないように、ポート844Cと歯および/または歯肉との間に離隔を提供する形状とすることができる。
【0120】
いくつかの実施形態では、第1壁は、マウスピース801Cの正面部分から上方に延在することができ、第2壁は、マウスピース801Cの前方部分から下方に延在することができる。口内にかつ内から流体を送達するために、第1壁および第2壁に1つまたは複数のポートを形成することができる。使用者は、マウスピース801Cの後方部分にまたはそれに隣接して自身の歯を噛むかまたは載せて、ポートと使用者の歯および/または歯肉の表面との間に離隔を提供することができる。壁のポートは、口内にかつ口内から流体を送達して、使用者の歯および/または歯肉の前面、および/または隣接する歯の間の表面を洗浄することができる。
【0121】
いくつかの実施形態では、第1壁は、マウスピース801Cの後方部分から上方に延在することができ、第2壁は、マウスピース801Cの後方部分から下方に延在することができる。口内にかつ口内から流体を送達するために、第1壁および第2壁に1つまたは複数のポートを形成することができる。使用者は、マウスピース801Cの前方部分にまたはそれに隣接して自身の歯を噛むかまたは載せて、ポートと使用者の歯および/または歯肉の背面との間に離隔を提供することができる。壁のポートは、口内にかつ口内から流体を送達して、使用者の歯および/または歯肉の背面、および/または隣接する歯の間の表面を洗浄することができる。本明細書に記載するいくつかの実施形態では、マウスピースから上方に延在する壁と下方に延在する壁とを企図しているが、他の実施形態では、単一
の壁がマウスピースから延在することができ、単一の壁を、歯の上列または歯の下列のいずれかに使用することができる。
【0122】
ポート844Cを、マウスピース801Cまたはその近くの任意の好適な位置に配置することができることが理解されるべきである。たとえば、ポート844Cを、歯および/または歯肉の表面に対して直接液体を向けるように配置することができる。他の構成では、ポート844Cを、口腔の他の部分、たとえば歯の後方に液体を向けるように配置することができ、流体運動および/または圧力波は、歯を洗浄するように作用することができる。いくつかの構成では、マウスピース801Cを、一体構造として形成することができる。たとえば、マウスピース801Cを、任意の好適な生体適合性ポリマー等の弾性材料またはプラスチック材料から形成することができる。
【0123】
活性エネルギー出口805Cを、システム800Cの使用者が作動させることができる。いくつかの実施形態では、使用者は、マウスピース801Cを噛んでマウスピース801Cに形成されるかまたは結合されたスイッチを入れることにより、洗浄処置を開始するように活性エネルギー出口805Cを作動させることができる。他の実施形態では、使用者は、口の外側、たとえば、外部使用者操作卓または制御機構826Cのスイッチを手動で入れることにより洗浄を開始するように、流体運動源を作動させることができる。いくつかの実施形態では、使用者は、治療段階を切り替えることができ、たとえば、使用者は、往復振動流体移動の周波数を変更することができる。他の実施形態では、制御機構826Cは、往復振動流体移動の周波数を自動的に変更することができる。
【0124】
いくつかの実施形態では、制御機構826Cを、流体のポート844Cを通る口内へのかつ口内からの往復振動圧力および往復振動移動を可変周波数で発生させるように構成することができる。したがって、治療処置中に変化することができる周波数でのサイクルで、流体を、ポート844Cを介して口内に送達することができ、ポート844Cを介して口内から除去することができる。
図8Aおよび
図8Bの実施形態に関して上で説明したように、
図8Cのシステム800Cを使用して、1つまたは複数の治療段階で歯および/または歯肉を洗浄することができる。たとえば、
図8Cのシステム800Cを、
図8Aに関して上述した第4治療処置例、たとえば、低周波数段階および高周波数段階を提供するためにポンプ825Aのみが使用される処置例を行うように構成することができる。したがって、
図8Cでは、ポンプ825Cから分離した圧力波発生器は不要である。治療処置中、活性エネルギー出口805C(たとえばポート844C等の流体運動源)を、第1治療段階中は第1周波数範囲で、第2治療段階中は第2周波数範囲で、流体の口内へのかつ口内からの往復振動移動をもたらすように構成することができる。いくつかの実施形態では、第2周波数波範囲には、第1周波数範囲の周波数より高い周波数を含むことができる。たとえば、第1周波数範囲は、約0.1Hzから約20KHzの範囲の周波数を含むことができる。第2周波数範囲は、約20KHzから約1,000KHzの範囲の周波数を含むことができる。
【0125】
上で説明したように、さまざまな実施形態では、治療段階を逐次行うことができる。たとえば、第1周波数範囲での第1治療段階を行うことができ、第1治療段階の後に、第2周波数範囲での第2治療段階を行うことができ、その逆も可能である。低い方の周波数では(たとえばこの例では第1治療段階では)、より大量の流体が口内にかつ口内から移動することができ、往復振動の高い方の周波数では(たとえばこの例では、第2治療段階では)より少量の流体が口内にかつ口内から移動することができる。低い方の周波数での大規模体積流体移動は、より大きい歯の沈着物および残がいを取り除くように作用することができ、高い方の周波数でのより小規模体積流体移動は、小さい空間、亀裂、割れ目、不規則な表面等の中からの沈着物等、より小さい歯の沈着物および残がいを取り除くように作用することができる。
図8Cの実施形態では、さらに、治療流体として脱気液を使用し
て、歯および/歯肉の洗浄を促進することができる。
【0126】
いくつかの実施形態では、制御機構826Cを、第1周波数範囲の第1周波数から第2周波数範囲の第2周波数まで経時的に増大する周波数で、口内へのかつ口内からの流体の往復振動移動をもたらすように構成することができる。したがって、いくつかの構成では、体積流体移動の往復振動の周波数は、処置が進むに従い連続的に増大することができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、治療段階は少なくとも部分的に重なることができる。さらに、いくつかの実施形態では、制御機構826Cを、口内へのかつ口内からの流体の往復振動移動の周波数をランダムに変化させて洗浄を促進するように構成することができる。治療処置中(たとえば、任意の好適な周波数範囲および流量での洗浄段階中)の使用者の口内の治療液の量を均衡させることができ、たとえば、流入および流出の量をおよそ等しいように維持することができる。有利には、ポート844Cは、流体の口内への流入および/または口内からの流出を可能にすることができる。いくつかの構成では、流体は同じポートに流れ込みかつそこから流れ出ることができるが、他の構成では、特定のポートを、流入用にのみまたは流出用にのみ構成することができる。本明細書で説明するように、制御機構826Cを、ポート844Cに流れ込みかつポート844Cから流れ出る治療液の量を均衡させるように構成することができる。
【0127】
図8Dは、
図8Cのシステム800Cと同様の歯科用システム800Dを示す。
図8Dでは、
図8Cのものと同様の参照数字が、同様の構成要素を示すために使用されており、
図8Cに対して文字「D」が添付されている。それらの構成要素の上述した説明を、特に断りのない限り、
図8Dの構成要素に適用するべきである。たとえば、
図8Cと同様に、
図8Dのシステム800Dは、マウスピース801Dおよび活性エネルギー出口805Dを含むことができる。活性エネルギー出口805Dは、複数の流体送達ライン822Dおよび1つまたは複数の流体導管813Dを介してポンプ825Dと流体連通している複数のポート844Dを含む流体運動源を備えることができる。制御機構826Dを、ポンプ825Dの動作を制御するように構成することができる。1つまたは複数の導管813Dは、ポンプ825Dとマウスピース801Dとの間に流体連通を提供することができ、流体送達ライン822Dは、導管813Dとポート844Dとの間に流体連通を提供することができる。
【0128】
図8Cのシステム800Cとは異なり、
図8Cに示す単一送達ライン822Cとは対照的に、
図8Dではマウスピース801Dの上に、中にまたは近くに、複数の流体送達ライン822Dが配置されている。特に、3つの流体送達ライン822Dが、導管813Dと3つの対応する流体ポート844Dとの間に流体連通を提供する。
図8Dに示すように、たとえば、マウスピース801Dの中心部分の近くに中心送達ラインを配置することができ、マウスピース801Dのそれぞれの側方部分の近くに2つの補助送達ラインを配置することができる。したがって、
図8Dに示すように、3つの流体ポート844Dは、互いから間隔を空けて配置されかつ角度が付けられている。こうした構成では、歯および/または歯肉の洗浄を促進するために、流体を異なる向きで口内にかつ口内から送達することが有利であり得る。他の実施形態では、他の任意の好適な数のポート844Dを使用することができる。たとえば、2つのポート844Dを使用することができ、または4つ以上のポート844Dを使用することができる。
【0129】
図8Cと同様に、制御機構826Dを、可変周波数でポート844Dを介する口内へのかつ口内からの流体の往復振動移動をもたらすように構成することができる。したがって、治療処置中に変化することができる周波数でのサイクルで、流体を、ポート844Dを介して口内に送達することができ、ポート844Dを介して口内から除去することができる。上述したように、往復振動流体移動の周波数を変化させることにより、1つまたは複数の治療段階を行うことができる。たとえば、低周波数、高容量流体移動は、相対的に大
きい歯の沈着物および残がいを取り除くのに有効である可能性があり、高周波数、小容量流体移動は、相対的に小さい歯の沈着物および残がいを取り除くのに有効であり得る。上述したように、治療処置中(たとえば、任意の好適な周波数範囲および流量での洗浄段階中)の使用者の口内の治療液の量を均衡させることができ、たとえば、流入および流出の量をおよそ等しいように維持することができる。有利には、ポート844Dは、口内への流体の流入および口内からの流体の流出を可能にすることができる。いくつかの構成では、流体は同じポートに流れ込みかつそこから流れ出ることができるが、他の構成では、特定のポートを流入用にのみまたは流出用にのみ構成することができる。本明細書で説明したように、制御機構826Dを、ポート844Dに流れ込みかつポート844Dから流れ出る治療液の量を均衡させるように構成することができる。
【0130】
図9は、歯、歯肉、および使用者の口内の他の表面から沈着物を取り除くために口内に挿入されるように構成されたマウスピース901の概略側面図である。特に、
図9に示すマウスピース901を、
図7A、
図7Bおよび
図8〜
図8Dにおいて上で開示した実施形態に従って使用することができる。特に、マウスピース901は、ハンドピース908と、流体入口ライン922と、流体出口ライン920と、エネルギー出口905と、エネルギー出口905にエネルギーを搬送するように構成されたエネルギー導管963とを含むことができる。
図7A〜
図8Dに関して上で説明したように、使用者は、ハンドピース908の周囲で自身の唇を閉じることができる。エネルギー出口905を作動させて、歯、歯肉、および口内の他の表面から歯の沈着物を取り除くことができる。エネルギー出口905は、圧力波発生器、流体運動源、能動的流体入口等、任意の好適なエネルギー出口を備えることができる。たとえば、さまざまな実施形態では、エネルギー出口905は、液体ジェット装置、レーザ、液体流、圧電変換器等を備えることができる。
【0131】
図10A〜
図10Dは、
図9に示す実施形態に従って使用することができるさまざまなタイプの流体プラットフォームの概略側面図である。たとえば、
図10Aは、ハンドピース1008、エネルギー出口1005、エネルギー導管1063、流体入口ライン1022および流体出口ライン1020を含むマウスピース1001を示す。
図10Aに示すように、入口ライン1022に沿って進む治療液は、入口開口部1023を介して使用者の口に入ることができる。廃棄流体は、出口開口部1021を介して出口ライン1020に入ることができる。口に入る治療流体は、いくつかの実施形態では、少なくとも部分的に口を充填することができる。さらに、口に入る液体はまた、エネルギー出口1005の先端部分の近くに配置された開口部1060を通過することも可能である。
【0132】
図10Aの実施形態では、エネルギー出口1005を、レーザビーム1031を形成するように構成することができる。たとえば、エネルギー導管1063は、ハンドピース1008にエネルギーを供給することができ、ハンドピース1008は、当業者には既知である任意の好適な方法を使用してレーザビーム1031を発生させることができる。レーザビーム1031は、エネルギー出口1005の先端部分に衝突することができ、エネルギー出口1005の開口部1060を通過する治療液と相互作用することができる。それにより、レーザビーム1031は、圧力波発生器として作用することができ、口内から歯の沈着物を除去するために、治療される歯および/または歯肉の近くに流体キャビテーションを引き起こすために十分な圧力波を発生させることができる。マウスピース1001はまた、入口ライン1022および出口ライン1020に加えて流体運動源(図示せず)を含むことも可能である。
【0133】
図10Aと同様に、
図10Bは、ハンドピース1008A、エネルギー出口1005A、流体入口ライン1022A、流体出口ライン1020Aおよび出口開口部1021Aを含むマウスピース1001Aを示す。しかしながら、
図10Aの実施形態とは異なり、エネルギー出口1005Aを、1つまたは複数の液体入口開口部1023Aを通過すること
ができる複数の液体流1062を形成するように構成することができる。液体流1062を、高流体圧下で形成することができ、口内に圧力波を発生させ、口内に流体運動を引き起こし、かつ/または口内に治療流体を注入するように使用することができる。
図10Aと同様に、出口開口部1021Aは、流体出口ライン1020Aに沿って進むことができる廃棄流体を受け入れることができる。
【0134】
図10Cを参照すると、マウスピース1001Bは、ハンドピース1008B、エネルギー出口1005B、流体入口ライン1022B、流体出口ライン1020Bおよび出口開口部1021Bを含むことができる。しかしながら、
図10Aおよび
図10Bとは異なり、
図10Cのエネルギー出口1005Bを、液体ジェット1030を形成するように構成することができる。たとえば、上で説明したように、高圧液体がハンドピース1008Bのオリフィスを通過して、コヒーレントな平行液体ジェットを形成することができる。ジェット1030は、ガイドチューブまたはハンドピース1008Bのチャネルに沿って進むことができ、エネルギー出口1005Bの先端部分の近くで衝突面1034にぶつかることができる。本明細書で説明したように、ジェット1030が衝突面1034にぶつかるとき、圧力波を発生させることができる。さらに、エネルギー出口1005Bの先端部分の近くに開口部1060Bを配置することができる。衝突面1034にぶつかる治療液1062Bは、開口部1060Bを介してハンドピース1008Bから出ることができる。上述したように、治療液1062Bが開口部1060Bを通って口内に放出されるかまたは噴霧されるとき、口内の流体移動を促進することができ、それにより、いくつかの構成では洗浄プロセスを改善することができる。したがって、エネルギー出口1005B(たとえば液体ジェット装置)は、圧力波発生器、流体運動源および/または能動的流体入口として作用することができる。
【0135】
図10Dは、ハンドピース1008C、エネルギー出口1005C、流体入口ライン1022C、流体出口ライン1020C、出口開口部1021Cおよび入口開口部1023Cを含むマウスピース1001Cを示す。さらに、エネルギー出口1005Cの先端部分の近くに、開口部1060Cを設けることができる。しかしながら、
図10A〜
図10Cの実施形態とは異なり、
図10Dのエネルギー出口1005Cは、エネルギー出口1005Cの先端部分の近くに配置された振動物体1064を含む。たとえば、いくつかの実施形態では、振動物体1064は、超音波チップ、圧電変換器、機械的攪拌機等であり得る。振動物体1064は、使用者の歯および/または歯肉から歯の沈着物を除去するのに十分な圧力波を発生させるように構成された圧力波発生器として作用することができる。さらに、本明細書で説明したように、マウスピース1001Cは、入口ライン1022Cおよび出口ライン1020Cに加えて、流体運動源もまた含むことができる。
【0136】
図11A〜
図11Dは、歯および/または歯肉からステイン、歯石、う蝕、生体膜等を取り除くことと、歯肉溝および歯周ポケットから沈着物を除去することとを含む、使用者の口内から望ましくない歯の沈着物を除去するように構成された歯科用システム1100を示す。特に、
図11Aは、歯科用システム1100の立体斜視図である。
図11Bは、
図11Aに示すシステム1100の拡大斜視図である。
図11Cは、装置1100と使用されるように構成されたマウスピース1101の概略正面図であり、
図11Dは、
図11Cのマウスピース1101の平面図である。
【0137】
図11A〜
図11Dのシステム1100は、マウスピース1101と、流体入口ライン1122とおよび流体出口ライン1120と、ハンドピース1108と、ハンドピース1108の先端部分の近くに配置された活性エネルギー出口1105(たとえば圧力波発生器)とを含むことができる。活性エネルギー出口1105は、第1プレート1142Aと、第1プレート1142Aから間隔を空けて配置された第2プレート1142Bとを含むことができる。
図11A〜
図11Dの第1プレート1142Aおよび第2プレート114
2Bは、実質的に平面であるものとして示されているが、プレート1142A、1142Bを、任意の好適な形状とすることができ、治療される口の部分に適合するように湾曲させることができることが理解されるべきである。第1プレート1142Aおよび第2プレート1142Bを、コネクタ1144によって結合することができる。コネクタ1144は、第1プレート1142Aおよび第2プレート1142Bを機械的に結合することができ、プレート1142A、1142Bを離隔距離、物理的に離隔することができる。離隔距離を、少なくとも治療される歯の幅より大きくすることができる。プレート1142A、1142Bの各々は、液体を放出するサイズおよび形状である複数のオリフィス1123を含むことができる。たとえば、入口ライン1122を通過する液体は、高圧下で活性エネルギー出口1105まで流れることができ、液体ジェットとしてオリフィス1123から放出され得る。したがって、各オリフィス1123を、いくつかの実施態様では液体ジェットを形成するように構成することができる。
【0138】
図7A〜
図8Dに関して上で説明したように、活性エネルギー出口1105を、口内に挿入することができ、使用者の唇で封止することができる。いくつかの実施形態では、システム1100は、治療液で使用者の口を少なくとも部分的にまたは実質的に充填することができる。使用者は、第1プレート1142Aと第2プレート1142Bとの間に1つまたは複数の歯1110および/または歯肉1109の部分を配置することができる。たとえば、使用者は、ハンドピース1108を使用して、活性エネルギー出口1105を1つまたは複数の歯1110および歯肉1109にわたって操作することができる。たとえば、
図11Cに示すように、第1プレート1142Aおよび第2プレート1142Bを、それぞれ歯の舌側面および頬側面の近くにあてがうことができる。活性エネルギー出口1105を作動させてオリフィス1123からエネルギーを放出することができる。たとえば、
図11A〜
図11Dにおいて、各オリフィス1123において液体ジェットを形成することができる。液体ジェットは、いくつかの構成では歯1110および/または歯肉1109と直接相互作用して、歯1110および/または歯肉1109から沈着物を取り除くことができる。たとえば、ジェットは、沈着物の除去に役立つことができる流体運動(たとえば循環、乱流等)を引き起こすことができる。さらに、オリフィス1123から放出されるジェットは、歯1110、歯肉1109、および/または別の介在する衝突面(
図11A〜
図11Dには示さず)とぶつかるときに圧力波を発生させることができる。
【0139】
処置中、いくつかの実施形態では、出口開口部1121は、口内を治療液が実質的に充填された状態で維持しながら、口内から過剰な流体を除去し、過剰な流体または廃棄流体を出口ライン1120に搬送することができる。したがって、
図11A〜
図11Dのシステム1100は、ステイン、歯石、う蝕および生体膜を取り除くことと、歯肉溝および歯周ポケットから沈着物を除去することとを含む、使用者の口内から歯の沈着物を少なくとも部分的にまたは実質的に除去するために、十分な圧力波を発生させかつ/または十分な流体運動を引き起こすことができる。さらに、
図11の活性エネルギー出口1105は複数の液体ジェットを含むが、他の圧力波発生器が好適であり得る。たとえば、圧力波を、複数の振動物体、レーザビーム等を用いてオリフィス1123において放出されるエネルギーによって発生させることができる。
図11A〜
図11Dのマウスピース1101を、たとえば
図8および
図8A〜
図8Dに関して上述した処置を含む、本明細書に開示した任意の好適な治療処置で使用することができる。たとえば、
図8Cおよび
図8Dとともに記載した処置で使用するために、オリフィス1123を、口内にかつ口内から流体を送達するための上述したポート844C/844Dのように使用することができる。上述したように、流体を、処置中に変化することができる往復振動パターンで、オリフィス1123を介して口内にかつ口内から送達することができる。任意の好適な数のオリフィス1123を使用することができる。たとえば、
図11A〜
図11Dには多数のオリフィス1123が示されているが、さまざまな実施形態では、1つ、2つまたは3つのオリフィス1123のみを使用することができる。
【0140】
図12Aは、使用者の口内から望ましくない歯の沈着物を除去するように構成された歯科用システム1200の平面図である。
図12Bは、線12B−12Bに沿って取り出された、
図12Aのシステム1200の側断面図である。装置1200は、活性エネルギー出口1205を備えるマウスピース1201を含むことができる。
図11A〜
図11Dに開示した活性エネルギー出口1105と同様に、
図12Aおよび
図12Bの圧力波発生器1205は、第1プレート1242Aと第1プレート1242Aから間隔を空けて配置された第2プレート1242Bとを含むことができる。コネクタ1244が、第1プレート1242Aおよび第2プレート1242Bを結合することができ、第1プレート1242Aおよび第2プレート1242Bを離隔距離、離隔することができる。コネクタ1244に、複数の出口開口部1221を設けることができる。出口開口部1221を介して口内から廃棄流体を引き出すことができ、出口開口部1221は、流体出口ライン1220に廃棄流体を搬送することができる。
【0141】
図11A〜
図11Dと同様に、各プレート1242A、1242Bは、複数のオリフィス1223を含むことができる。治療流体は、流体入口ライン1222を高圧で通過することができる。液体がオリフィス1223を通過するとき、各オリフィス1223において液体ジェットを形成することができる。
図11A〜
図11Dに関して上で説明したように、液体ジェットおよび/または促進された流体運動によって発生する圧力波が、1つもしくは複数の歯1210および/または歯肉1209から歯の沈着物を取り除くことができる。
【0142】
しかしながら、
図11A〜
図11Dのシステム1100とは異なり、
図12Aおよび
図12Bの活性エネルギー出口1205を、上顎弓または下顎弓のすべてまたは一部に沿う形状とすることができる。したがって、使用者または臨床医は、上顎弓または下顎弓に沿って1つまたは複数の歯にわたってマウスピース1201を配置することができる。いくつかの実施形態では、たとえば、マウスピース1201を、使用者の口の上部または下部に沿った歯のすべてにわたってあてがうことができる。活性エネルギー出口1205を作動させると、プレート1242Aとプレート1242Bとの間に配置される歯のすべてを、
図12Aおよび
図12Bの装置1200を用いて実質的に洗浄することができる。有利には、
図12Aおよび
図12Bのシステム1200は、歯ブラシを必要とすることなく歯の上列または下列のすべての歯を実質的に同時に洗浄することができる。
図12Aおよび
図12Bのマウスピース1201を、たとえば
図8および
図8A〜
図8Dに関して上述した処置を含む、本明細書に開示した任意の好適な治療処置で使用することができる。たとえば、
図8Cおよび
図8Dとともに記載した処置で使用するために、オリフィス1223を、口内にかつ口内から流体を送達するために上述したポート844C/844Dとして使用することができる。上述したように、流体を、処置中に変化することができる往復振動パターンで、オリフィス1223を介して口内にかつ口内から送達することができる。任意の好適な数のオリフィス1223を使用することができる。たとえば、
図12Aおよび
図12Bに多数のオリフィス1223が示されているが、さまざまな実施形態では1つ、2つまたは3つのオリフィス1223のみを使用することができる。
【0143】
VI.治療溶液
本明細書に開示する治療溶液は、たとえば水、生理食塩水等を含む任意の好適な流体であり得る。いくつかの実施形態では、治療溶液を脱気することができ、それにより、治療によってはキャビテーションを改善しかつ/または気泡の存在を低減することができる。いくつかの実施形態では、溶存気体含有量は、約1体積%未満であり得る。たとえば、組織溶解剤(たとえばNaOCl)、消毒剤(たとえばクロルヘキシジン)、麻酔、フッ素療法剤、EDTA、クエン酸および他の任意の好適な化学物質を含むさまざまな化学物質を、治療溶液に添加することができる。たとえば、抗菌溶液、脱灰溶液、消毒溶液、石灰
化溶液または漂白溶液を同様に使用することができる。さまざまな溶液を、好適な濃度で同時にまたは逐次組み合わせて使用することができる。いくつかの実施形態では、化学物質および化学物質の濃度を、臨床医によってかつ/またはシステムによって患者の転帰を改善するために処置を通して変更することができる。
【0144】
治療溶液の一例としては、0.3%から6%のNaOClを含む水または生理食塩水が含まれる。方法によっては、NaOClの存在下で、NaOCl濃度が1%未満である場合、組織溶解および歯の沈着物の除去が発生しない場合がある。本明細書に開示するいくつかの治療方法では、組織溶解および歯の沈着物の除去は、より小さい(またははるかに小さい)濃度で発生することができる。
【0145】
VII.歯および/または歯肉の洗浄の促進
上で説明したように、圧力波発生器は、1つもしくは複数の歯および/または歯肉を含むことができる、治療領域に、伝播媒体を介して圧力波を伝播させることにより、歯の沈着物を除去することができる。理論によって限定されることなく、圧力波が望ましくない歯の沈着物を取り除くいくつかのあり得る方法を以下に提示する。これらの原理および上述した原理は、本明細書に開示する各実施形態、たとえば
図1〜
図12Bの実施形態の各々に対して概して適用可能であり得ることに留意されたい。
【0146】
圧力波発生器によって発生する圧力波は、罹患したまたは損傷した硬組織とともに、口の内部の軟組織、食べ物の残がい、歯石、歯垢、生体膜、う蝕および細菌等、望ましくない歯の沈着物と相互作用することができる。発生した圧力波を、健康な象牙質およびエナメルに対する影響がまったくないかまたは最小限(わずか)であるように調整することができる。圧力波が、歯の沈着物を除去し健康な象牙質またはエナメルに達すると、健康な歯質が維持されるように、組織除去作用が停止するかまたは減速する。したがって、従来の機械的治療と比較して、開示する圧力波発生器は、非侵襲的にかつ健康な歯質に損傷を与えることなく、歯の沈着物を有利に除去することができる。
【0147】
いくつかの構成では、発生した圧力波によってキャビテーションを引き起こすことができる。高強度圧力波(たとえば音波または超音波)で液体(たとえば水)を照射したとき、音響キャビテーションが発生する可能性がある。小さいキャビテーション気泡の振動または爆縮的崩壊が局所効果をもたらすことができ、それにより、たとえば強力な小規模の局所熱、衝撃波ならびに/またはマイクロジェットおよびせん断流を生成することにより、洗浄プロセスをさらに強化することができる。したがって、治療方法によっては、音響キャビテーションは、化学反応、ソノケミストリ、ソノポレーション、軟組織/細胞/細菌解離、生体膜の剥離および崩壊を促進することを担うかまたはそれに関与することができる。
【0148】
たとえば、治療液が、標的である歯の沈着物(たとえば、ステイン、う蝕、歯石、歯垢、細菌、生体膜等)に作用する化学物質を含む場合、圧力波(音場)および/または後続する音響キャビテーションが、撹拌および/またはソノケミストリを介して化学反応を促進することができる。さらに、圧力波(たとえば音場、超音波周波数)および/または後続する音響キャビテーションを使用して細菌細胞原形質膜の透過性を変更するプロセスであるソノポレーションは、歯から微生物を除去する化学反応を促進することも可能である。発生した圧力波および/または後続するいくつかの周波数の音響キャビテーションが、細胞および細菌の破壊および死(たとえば溶解)とともに、腐食し脆弱化した象牙質およびエナメルの除去をもたらすことができることも理解されるべきである。細胞および細菌の破壊現象は、本来は歯肉ポケットおよび/または口腔に再感染する可能性がある細菌を殺すことができる。
【0149】
発生した圧力波および/または後続する音響キャビテーションはまた、沈着物の構造(たとえば歯石、生体膜、う蝕など)の間の結合を緩めることも可能であり、かつ/または圧力波は沈着物を解離することができる。場合によっては、圧力波および/または音響キャビテーションは、細胞と象牙質との間の結合を緩めることができ、かつ/または歯から組織を剥離することができる。さらに、圧力波および/または後続する音響キャビテーションは、振動および/もしくは衝撃波、ならびに/またはキャビテーション気泡の爆縮の結果として発生するマイクロジェットを介して、(比較的弱く結合が緩い可能性がある)腐食した硬組織に作用して、腐食した硬組織を歯の他の健康な部分から除去することができる。
【0150】
さまざまな実施形態で、洗浄プロセスを強化するようにいくつかの特性を調整または選択することができる。たとえば、たとえば表面張力、沸騰もしくは蒸気温度、または飽和圧力等の液体特性を、臨床医が、洗浄プロセスを改善するように調整または選択することができる。さらに、治療液の溶存気体含有量を、流体力学的キャビテーションまたは他の原因によって生成される圧力波のエネルギー損失を低減するように調整または選択することができる。本明細書で説明するように、たとえば、治療液を脱気することができ、それは、圧力波のエネルギーを保存するのに役立つことができ、システムの効率を向上させることができる。
【0151】
いくつかの構成では、液体循環(たとえば対流)は、罹患歯から歯の沈着物を取り除くことを促進することができる。拡散機構と比較して反応プロセスの時間尺度が比較的短いため、本明細書に開示する実施形態のうちのいくつかでは、「巨視的」液体循環等の反応物質送達のより高速な機構が有利な可能性がある。たとえば、化学反応と同等の(好ましくはより高速な)時間尺度を有する液体循環は、化学反応フロントにおいて反応物質を補充するのに役立つことができ、かつ/または反応部位から反応副生成物を除去するのに役立つことができる。対流プロセスの有効性に関連する可能性がある対流時間尺度を、たとえば循環源の位置および特性に応じて、調整および/または最適化することができる。さらに、液体循環の導入により、概して拡散プロセスがなくなることはなく、拡散プロセスは、化学反応フロントの薄い微視的層内に依然として有効であり続けることができることが理解されるべきである。液体循環はまた、治療領域(たとえば深いポケット内の歯垢)において強力な灌注をもたらすこともでき、したがって、治療領域から相対的に大きい残がい片(たとえば歯肉プラーク)を緩めかつ/または除去するようにすることができる。
【0152】
いくつかの構成では、さまざまな特性を、たとえばキャップのチャンバ内の液体循環を促進するように調整することができる。たとえば、治療部位の位置に対する循環源を調整することができる。循環源および治療部位を包囲する空間の形状もまた(たとえば歯肉の深いポケットを洗浄するため等)変更することができる。循環が、治療液の粘度および/または循環源の作用の機構によって影響を受ける可能性があることもまた理解されるべきである。たとえば、入口開口部を通って放出される液体のジェット、プロペラまたは振動物体等の攪拌機等の循環源を、治療流体の循環を促進するように選択することができる。態様によっては、いくつかの実施形態では液体ジェットを駆動するポンプ源等、液体循環源の入力を調整することも可能である。
【0153】
さまざまな反応化学を、歯の沈着物を取り除くプロセスを改善するように調整または設計することができる。たとえば、有機組織の溶解を促進するために、治療液に組織溶解剤(たとえば、石灰化治療剤、EDTA、次亜鉛素酸ナトリウム−NaOCl)を、添加することができる。組織溶解剤は、治療部位においてさまざまな成分と反応する可能性がある。場合によっては、組織溶解は多段プロセスであり得る。組織溶解剤は、有機物および/または無機物を溶解し、脆弱にし、剥離しまたは解離する可能性があり、それにより、よりより患者の転帰をもたらすことができる。化学反応は、治療溶液の物理特性を局所的
に変更する(たとえば、けん化を介して局所表面張力を低減する)ことができ、それは、治療部位における間隙および小さい空間内に治療液が浸透するのに役立つか、または化学反応中に形成された気泡を除去するのに役立つことができる。
【0154】
いくつかの実施形態では、次亜鉛素酸ナトリウムを、治療流体に使用することができる。治療溶液に次亜塩素酸ナトリウムを含む実施形態では、次亜鉛素酸ナトリウムが次亜塩素酸と水酸化ナトリウムに分解することが理解されるべきである。次亜塩素酸は、組織内の遊離アミノ酸と反応してN−クロロアミノ酸を形成することができる。N−クロロアミノ酸は、次亜塩素酸ナトリウムより強力な防腐作用を有することができる強酸化剤である。
【0155】
いくつかの実施形態では、発生した圧力波からもたらされるキャビテーション動態を、治療流体で使用される化学物質を調整することによって変更することができる。たとえば、流体内の化学物質は、溶液の表面張力に影響を与える可能性があり、それによりキャビテーション現象を変化させる可能性がある。たとえば、たとえば次亜塩素酸ナトリウムの水溶液等、無機化学物質の溶液は、溶液の表面張力を増大させる可能性がある溶液内のイオン濃度を上昇させる可能性がある。表面張力が増大することにより、場合によっては、有利にはより強力なキャビテーションをもたらすことができ、それにより処置の洗浄作用を促進することができる。場合によっては、キャビテーション初生閾値の大きさは、表面張力の増大によって増大する可能性があり、キャビテーション誘発機構(たとえば圧力波発生器)は、キャビテーション気泡の初生を有するために、閾値を越えるために十分強力である波を発生させる必要がある場合がある。しかしながら、理論によって限定されることなく、キャビテーション閾値を越えると、表面張力の増大により、通常、キャビテーションがより強力になる可能性がある。たとえば、次亜塩素酸ナトリウムの水溶液は、以下の平衡反応をもたらすことができ、それにより、液体のイオン濃度を増大させることができ、したがっていくつかの構成においてキャビテーションを改善することができる。
NaOCl+H
2O⇔NaOH+HOCl⇔Na
++OH
−+H
++OCl
−
【0156】
いくつかの実施形態では、治療部位からの加速された気泡除去を構成することができる。たとえば、方法によっては、NaOCl等の化学物質はけん化をもたらすことができる。治療部位内部で生成されるかまたは閉じ込められた気泡の除去を、局所けん化の結果として化学反応フロントに表面張力の局所低減により加速することができる。方法によっては、圧力波源(たとえば圧力波発生器)において表面張力が比較的高いことが望ましい場合があるが、治療部位内部では、気泡除去を加速するために局所的に表面張力が低減することが有益である場合がある。加速された気泡除去現象は、組織溶解剤が組織と反応する際に発生する可能性がある。たとえば、次亜塩素酸ナトリウムは、脂肪酸を分解し、それらを、化学反応フロントにおいて残りの溶液の表面張力を低減することができる脂肪酸塩(石鹸)およびグリセロール(アルコール)に変換する溶媒として、作用することができる。
【0157】
洗浄処置を促進するように、他の特性または変量を調整または選択することができる。たとえば、化学反応速度を、各化学反応に対して調整することができ、それにより反応の全体的な速度を決めることができる。場合によっては、たとえば、温度を調整して反応速度を調整することができる。さらに、反応物質の濃度は、反応が完了する時間、たとえば、う蝕領域の洗浄を完了する時間に影響を与える可能性がある重要な要素であり得る。たとえば、5%NaOCl溶液は、一般に、0.5%NaOCl溶液より強力である可能性があり、組織をより高速に溶解する傾向があり得る。場合によっては、反応物質再生速度を調整することができる。たとえば、化学反応フロントに(たとえば表面張力のために)気泡が発生し留まる可能性があり、化学反応フロントにおいて、新たな反応物質が反応フロントに達するのを妨げるかまたは阻止するバリアとして作用する可能性がある。治療液
の循環は、気泡および反応副生成物の除去に役立つことができ、それらを新たな治療液に置き換えることができる。
【0158】
いくつかの実施形態では、熱の導入により、化学反応速度を上昇させることができる。熱を、種々の熱源を介してシステムに導入することができる。たとえば、治療流体を、任意の好適な加熱技法を用いて予熱することができる。さらに、熱を、キャビテーションから、または他の内部もしくは外部放散源から発生させることができる。いくつかの構成では、熱を発熱化学反応から生成することができ、それにより反応速度をさらに促進または上昇させることができ、洗浄プロセスの速度を上昇させることができる。
【0159】
いくつかの構成では、ソニケーション(超音波破砕)が発生する可能性がある。たとえば、液体(たとえば水)に高強度圧力波(たとえば音波または超音波を含む)を放射すると、音響キャビテーションが発生する可能性がある。キャビテーション気泡の振動および/または爆縮的崩壊により、寿命の短い強力な局所加熱および高圧が発生する可能性がある。実験結果が、気泡崩壊の部位で、温度および圧力が、それぞれ約5000Kおよび1000atmに達する可能性があることを示した。ソノケミストリとして知られるこの現象が、本来は低温の液体に、極限の物理的状態および化学的状態をもたらすことができる。ソノケミストリは、場合によっては、100万倍ほど化学反応度を促進することが報告されている。こうした高温および高圧は、歯から歯の沈着物を除去するのに役立つことができる。しかしながら、さらなる他の態様では、音響キャビテーションが発生しない(または比較的低振幅で発生する)場合、圧力波による反応物質の振動および撹拌が、副生成物を新たな反応物質に置き換えるのに役立つため、化学反応を促進することができる。したがって、圧力波発生器によって発生する圧力波は、治療される歯から歯の沈着物を有効にかつ迅速に除去することができる。
【0160】
VIII.圧力波発生器によって発生する音響出力の例
図13Aおよび
図13Bは、圧力波発生器の異なる実施形態によって発生させることができる音響出力のあり得る例を概略的に示すグラフである。これらのグラフは、水平軸の音響周波数(kHz)の関数として垂直軸に音響出力(任意の単位)を概略的に示す。歯における音響出力は、歯の中または上の有機物質を解離し有機物質および/または無機物質ならびに歯の沈着物を有効に取り除くように作用することができる、たとえば音響キャビテーション(たとえばキャビテーション気泡形成および崩壊、マイクロジェット形成)、音響流、微細侵食(microerosion)、流体撹拌、流体循環、ソノポレーション、ソノケミストリ等を含む効果に影響を与え、そうした効果をもたらし、またはそうした効果の強度を増大させることができる。さまざまな実施形態において、圧力波発生器は、(少なくとも)約1Hz、約0.5kHz、約1kHz、約10kHz、約20kHz、約50kHz、約100kHzまたはそれより大きい周波数を超える周波数での音響出力を含む音波を生成することができる。音波は、同様に他の周波数(たとえば、上に列挙した周波数未満の周波数)の音響出力を有することができる。
【0161】
図13Aのグラフは、液体ジェットが、実質的に液体が充填されている歯の上または周囲のチャンバ内に配置された面にぶつかることにより、かつ液体ジェットのチャンバ内の流体との相互作用により発生する、音響出力の概略例を表す。この概略例は、たとえば、約1kHzから約1000kHzの範囲の著しい出力(たとえば、帯域幅は約1000kHzであり得る)を含む、約1Hzから約1000kHzまでの範囲の著しい出力の音響出力の広帯域スペクトル190を示す。音響エネルギースペクトルの帯域幅を、場合によっては、3デシベル(3−dB)帯域幅(音響出力スペクトルの半値全福すなわちFWHM)に関して測定することができる。さまざまな例では、広帯域音響出力スペクトルは、約1Hzから約500kHzの範囲、約1kHzから約500kHzの範囲、約10kHzから約100kHzの範囲、または他の何らかの範囲の周波数の帯域幅の著しい出力を
含むことができる。いくつかの実施態様では、広帯域スペクトルは、約1MHzを越える音響出力を含むことができる。いくつかの実施形態では、圧力波発生器は、約10kHzのピーク出力および約100kHzの帯域幅の広帯域音響出力を生成することができる。さまざまな実施形態では、広帯域音響出力スペクトルの帯域幅は、約10kHzを超えるか、約50kHzを超えるか、約100kHzを超えるか、約250kHzを超えるか、約500kHzを超えるか、約1MHzを超えるか、または他の何らかの値である。洗浄方法によっては、約1Hzと約200kHzとの間、たとえば、約20kHzから約200kHzの範囲の音響出力が、歯の洗浄に特に有効であり得る。音響出力は、約1kHzを超えるか、約10kHzを超えるか、約100kHzを超えるか、または約500kHzを超える周波数の実質的な出力を有することができる。実質的な出力は、たとえば、総音響出力(たとえば、全周波数にわたって積分された音響出力)の10%を超えるか、25%を超えるか、35%を超えるかまたは50%を超える量の出力を含むことができる。いくつかの構成では、広帯域スペクトル190は、1つまたは複数のピーク、たとえば、可聴周波数範囲、超音波周波数範囲および/またはメガソニック周波数範囲のピークを含むことができる。
【0162】
図13Bのグラフは、実質的に液体が充填される、歯の上または周囲のチャンバ内に配置された、超音波変換器によって発生する音響出力の概略例を表す。この概略例は、約30kHzの基本周波数の近くに最高ピーク192aがある音響出力の比較的狭帯域スペクトル192を示し、最初の数個の高調波周波数の近くのピーク192bもまた示す。ピークの近くの音響出力の帯域幅は約5kHzから10kHzである可能性があり、
図13Aに概略的に示す音響出力の帯域幅よりはるかに狭いことを見ることができる。他の実施形態では、音響出力の帯域幅は、約1kHz、約5kHz、約10kHz、約20kHz、約50kHz、約100kHzまたは他の何らかの値であり得る。例としてのスペクトル192の音響出力は、基本周波数および最初の数個の高調波にその出力の大部分を有し、したがって、この例の超音波変換器は、比較的狭い範囲の周波数(たとえば、基本周波数および高調波周波数の近く)で音響出力を提供することができる。例としてのスペクトル190の音響出力は、比較的広帯域出力(スペクトル192に比較して比較的高い帯域幅を有する)を示し、例としての液体ジェットは、例としての超音波変換器より大幅に多くの周波数で音響出力を提供することができる。たとえば、例としてのスペクトル190の比較的広帯域出力は、例としてのジェット装置が、う蝕領域から腐食物質を実質的に除去するように腐食物質と健康な物質との間の結合を破壊するのに十分なエネルギーで、これらの多数の周波数で音響出力を提供することを示す。
【0163】
必須ではないが、広帯域音響出力を有する音波(たとえば、
図13Aに示す例を参照)は、狭帯域音響出力スペクトルを有する音波(たとえば
図13Bに示す例を参照)によって発生するキャビテーションより、歯の洗浄(たとえば歯の中もしくは上の望ましくない虫の沈着物の洗浄を含む)に有効な洗浄および消毒の音響キャビテーションまたは他の手段を発生させることができると考えられる。たとえば、音響出力の広帯域スペクトルは、キャビテーションクラウド内にかつ歯の表面上に比較的広範囲の気泡サイズを生成することができ、これらの気泡の爆縮は、狭いサイズ範囲である気泡より組織を崩壊するのに有効であり得る。比較的広帯域の音響出力は、音響エネルギーが、ある範囲の長さスケール、たとえば細胞スケールから組織スケールまで作用することも可能にすることができる。したがって、広帯域音響出力スペクトルを生成する圧力波発生器(たとえば、液体ジェットのいくつかの実施形態)は、狭帯域音響出力スペクトルを生成する圧力波発生器より、いくつかの治療では、歯の洗浄においてより有効であり得る。いくつかの実施形態では、複数の狭帯域圧力波発生器を使用して、比較的広範囲の音響出力を生成することができる。たとえば、各々が異なるピーク周波数で音響出力を生成するように調整された複数の超音波チップを使用することができる。本明細書で使用する広帯域周波数および帯域周波数スペクトルは、主要周波数の高調波等の二次的影響とは無関係に、かつ測定またはデータ
処理(たとえばFFT)によって導入されるいかなる雑音とも無関係に定義され、すなわち、これらの用語は、圧力波発生器によって活性化されるすべての主要周波数のみを考慮する場合に理解されるべきである。
【0164】
図14は、本明細書に開示した圧力波発生器により複数の周波数で発生した音響出力スペクトル1445のグラフである。たとえば、
図14のスペクトル1445は、実質的に液体が充填されている歯の上、中または周囲のチャンバ内に配置された面にぶつかる液体ジェットによって、かつチャンバ内の流体との液体ジェットの相互作用によって発生した音響出力の例である。
図14のスペクトル1445は、音響エネルギー源、たとえば圧力波発生器から間隔を空けて配置されたセンサによって検出された音響出力を表している。データは、出力波発生器と水中聴音器との間の距離が約8インチであるときに、絶縁された水タンクデータ内部で取得した。プロットの垂直軸は、本明細書では「出力単位」と呼ぶ音響出力Log(P
acoustic2)の測定値を表す。測定におけるP
acousticの単位はμPz(マイクロパスカル)であった。したがって、センサは音響出力発生器から間隔を空けて配置されているため、出力源における実際の出力は異なる大きさである可能性があることが理解されるべきである。しかしながら、出力源におけるパワースペクトルの全体的なプロファイルは、センサにおいて検出されかつ
図14においてプロットされたスペクトル1445と同じであるはずである。プロットは100KHzまでの周波数しか示していないが、100KHzを超える出力がゼロより大きく、データは単にプロットされていないことも理解されるべきである。当業者には理解されるように、プロットおよび値はまた、たとえば、データが取得されたタンクのサイズおよび形状、タンクの内面の絶縁材、出力源(たとえば出力波発生器)とタンクの自由水面との間の相対的な距離等、他のパラメータによっても決まることもさらに留意されるべきである。
図14に示すように、スペクトル1445は、複数の周波数1447、たとえば複数の離散周波数での音響出力を含むことができる。特に、
図14に示すスペクトル1445は、約1Hzから約100KHzの範囲の周波数の音響出力を含む。音響出力は、これらの周波数で約10出力単位から約80出力単位の範囲であり得る。いくつかの構成では、音響出力は、約1Hzから約10kHzの範囲の周波数で約30出力単位から約75出力単位の範囲であり得る。いくつかの構成では、音響出力は、約1KHzから約100kHzの範囲の周波数で約10出力単位から約30出力単位の範囲であり得る。
【0165】
図14のスペクトル1445に関連する音響出力を発生させる圧力波発生器は、歯の外面から望ましくない沈着物および腐食物を有利にかつ意外なほどに取り除くことができる。上で説明したように、複数の周波数での出力の発生は、異なる物質特性または物理特性、および/またはさまざまな周波数で異なる結合強度を有するさまざまなタイプの有機物質および/または無機物質を除去するのに役立つことができる。たとえば、いくつかの望ましくない沈着物を、相対的に低い音響周波数で歯および/または歯肉から除去することができ、他の沈着物を、相対的に高い音響周波数で歯および/または歯肉から除去することができ、さらに他の沈着物を、相対的に高い周波数と相対的に低い周波数との間の中間周波数で除去することができる。
図14に示すように低い方の周波数での洗浄段階を高い方の出力で始動させることができ、高い方の周波数での洗浄段階を低い方の出力で始動させることができる。他の実施形態では、低周波数洗浄段階を相対的に低い出力で始動させることができ、高周波数洗浄段階を、相対的に高い出力で始動させることができる。複数の周波数(たとえば複数の離散した周波数)で音響出力を発生させる圧力波発生器は、歯の外面から望ましくない歯の沈着物および腐食物を取り除くことができる。
【0166】
本明細書に開示した実施形態では、治療処置を、さまざまな周波数範囲で音響出力を発生させるように始動させることができる。たとえば、上で説明したように、いくつかの治療段階を低い方の周波数で始動させることができ、他の治療段階を、高い方の周波数で始動させることができる。本明細書に開示する圧力波発生器を、スペクトル1445の任意
の好適な周波数1447で音響出力を制御可能に発生させるように適合させることができる。たとえば、本明細書に開示した圧力波発生器を、複数の周波数1447で出力を同時に発生させるように適合させることができ、たとえば、それにより、特定の治療処置における送達された音響出力が、個々の周波数の所望の組合せを含むことができる。たとえば、処置によっては、出力を、周波数スペクトル1445全体にわたって発生させることができる。本明細書で説明したように、いくつかの治療段階では、圧力波発生器は、相対的に低低周波数でのみ音響出力を送達することができ、他の治療段階では、圧力波発生器は、相対的に高周波数でのみ出力を送達することができる。さらに、所望の治療処置に応じて、圧力波発生器は、所望のパターンに従って周波数1447間で自動的にまたは手動で遷移することができ、または周波数1447間でランダムに遷移することができる。
【0167】
IX.脱気された治療流体
後述するように、治療流体(および/または治療流体に添加された溶液のいずれか)を、歯科診療所で使用される通常の液体に比較して脱気することができる。たとえば、脱気された蒸留水を(化学剤または溶質を添加するかまたは添加せずに)使用することができる。
【0168】
(1)治療流体における溶存気体のあり得る影響の例
処置によっては、治療流体は、溶存気体(たとえば空気)を含み得る。たとえば、歯科診療所で使用される流体は、一般に、(たとえば、ヘンリーの法則に基づいて流体の温度および圧力から求められる)通常の溶存気体含有量を有している。圧力波発生器を用いる洗浄処置中、圧力波発生器の音場および/またはチャンバ内の流体の流れもしくは循環により、溶存気体のうちの幾分かが溶液から出て気泡を形成する可能性がある。
【0169】
気泡は、歯の小さい通路もしくは亀裂または表面の凹凸を閉塞する可能性があり、こうした閉塞は、小さい通路に「ベーパロック」があるかのように作用する可能性がある。いくつかのこうした処置では、気泡の存在が、気泡を通過する音波の伝播を少なくとも部分的に閉塞し、妨げ、または方向を変える場合があり、洗浄作用がたとえば、歯から、または歯肉溝、歯周ポケット、歯肉などもしくは他の有機材料および/もしくは無機材料から、歯の沈着物、たとえばステイン、歯石、う蝕、生体膜、歯垢、歯石などに達するのを少なくとも部分的に阻止するかまたは妨げる場合もある。気泡は、流体の流れまたは循環が、これらの届き難い領域かまたは他の小さい領域に達するのを阻止する場合があり、それにより、治療溶液が歯のこれらの領域に達するのが阻止されるかまたは妨げられる場合がある。
【0170】
特定の処置においては、キャビテーションは、歯を洗浄する役割を果たすと考えられる。いかなる特定の理論によっても束縛されることを望まずに、キャビテーション初生の物理的プロセスは、ある意味、沸騰に類似している可能性がある。キャビテーションと沸騰との1つのあり得る相違は、流体内の蒸気の形成に先立つ熱力学的経路である。沸騰は、液体の局所蒸気圧が液体における局所周囲圧力を越えて上昇し、液体から気体への相変化をもたらすのに十分なエネルギーが存在する場合に発生することができる。液体における局所周囲圧力が、部分的には局所温度での液体の引張強度によって与えられる値を有する飽和蒸気圧より著しく低下する場合に、キャビテーション初生が発生することができると考えられる。したがって、必須ではないが、キャビテーション初生は、蒸気圧によってではなく、代りに最大核の圧力によって、または蒸気圧と最大核の圧力との差によって決まると考えられる。したがって、蒸気圧よりわずかに低い圧力に流体をさらすことにより、概してキャビテーション初生はもたらされないと考えられる。しかしながら、液体における気体の溶解度は、圧力に比例し、したがって、圧力を低下させることは、流体内部の溶存気体のうちの幾分かが、キャビテーション初生で形成される気泡のサイズに比較して相対的に大きい気泡の形態で放出されるようにする傾向があり得る。これらの相対的に大き
い気泡は、蒸気キャビテーション気泡であるものとして間違って解釈される可能性があり、流体内にそれらが存在することは、文献のいくつかの報告では、キャビテーションが存在しなかった可能性がある場合に、キャビテーションによってもたらされているものとして間違って記載されていた可能性がある。
【0171】
蒸気キャビテーション気泡の崩壊の最後の段階では、気泡壁の速度が、音速さえも超え、流体内部に強力な衝撃波を生成することがある。蒸気キャビテーション気泡は幾分かの量の気体を含む場合もあり、それは、緩衝材として作用し崩壊の速度を低下させ、衝撃波の強度を低減することがある。したがって、歯の洗浄用にキャビテーション気泡を利用するいくつかの処置では、こうした損失を防止するために流体内の溶存空気の量を低減することが有利であり得る。
【0172】
治療流体からの溶液から出てきた気泡の存在により、いくつかの処置中に他の不都合がもたらされることがある。たとえば、圧力波発生器がキャビテーションを生成する場合、キャビテーションを引き起こすために使用される撹拌(たとえば圧力降下)により、水分子がキャビテーション気泡を形成する可能性がある前に含有溶存空気の放出がもたらされることがある。すでに形成された気泡は、(キャビテーション気泡を形成するように意図された)相変化中に水分子に対する核生成部位として作用することがある。撹拌が終了すると、キャビテーション気泡は、崩壊して圧力波を生成するように期待される。しかしながら、キャビテーション気泡崩壊は、効率の低下をともなって発生することがあり、それは、気体充填気泡は崩壊しないことがあり、代りに気泡として残り得るためである。したがって、治療流体内に気体が存在することにより、キャビテーション気泡の多くが気体充填気泡に溶け込むことによって無駄になる可能性があるため、キャビテーションプロセスの有効性が低減し得る。さらに、流体内の気泡は、気泡を含む流体の領域内を伝播する圧力波を減衰させる緩衝物として作用する場合があり、それにより、気泡を通過する圧力波の有効な伝播が阻害されることがある。幾分かの気泡は、歯の表面の上または間に発生するか、歯内の流体の流れまたは循環によってそこに移送されてもよい。気泡は、表面張力が比較的高いため、除去することが困難である可能性がある。これにより、化学物質および/または圧力波が歯の中および間の不規則な表面および小さい空間内に移送されることが阻止されることになり得、したがって、治療の効力が阻害されるかまたは低減し得る。
【0173】
(2)脱気された治療流体の例
したがって、いくつかのシステムおよび方法では、脱気流体を使用することが有利である場合があり、脱気流体は、通常の(たとえば非脱気)流体を使用するシステムおよび方法に比較して、治療中に溶液から気泡が出て来るのを阻止し、低減しまたは防止することができる。(通常の流体に比較して)治療流体の気体含有量が低減した歯科処置では、歯の表面または歯の間の小さい空間には、溶液から出てきた気泡はない可能性がある。圧力波発生器によって発生する音波は、脱気流体内を伝播して、表面、亀裂ならびに歯の空間および空洞に達してそれを洗浄することができる。いくつかの処置では、脱気流体は、約500ミクロン、200ミクロン、100ミクロン、10ミクロン、5ミクロン、1ミクロン以下の程度の空間に浸透することができる可能性があり、それは、(通常の溶存気体分を含む流体の使用に比較して)気泡が溶液から出てこれらの空間を閉塞するのが阻止されるほど、脱気流体に十分に気体がないためである。
【0174】
たとえば、システムおよび方法によっては、脱気流体は、水の「通常の」気体含有量に比較して低減する溶存気体含有量を有することができる。たとえば、ヘンリーの法則に従って、水(25℃および1気圧)における溶存空気の「通常の」量は約23mg/Lであり、それは、約9mg/Lの溶存酸素と約14mg/Lの溶存窒素とを含む。いくつかの実施形態では、脱気流体は、溶存気体含有量が、流体源から送達される際に(たとえば脱気する前に)その「通常の」量のおよそ10%〜40%まで低減している。他の実施形態
では、脱気流体の溶存気体含有量を、流体の通常の気体含有量のおよそ5%〜50%または1%〜70%まで低減することができる。治療によっては、溶存気体含有量は、通常の気体量の約70%未満、約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約5%未満または約1%未満であり得る。
【0175】
いくつかの実施形態では、脱気流体における溶存気体の量を、(溶存空気の量ではなく)溶存酸素の量に関して測定することができ、それは、溶存酸素の量を、流体内の溶存空気の量より(たとえば滴定または光学センサもしくは電磁センサを介して)容易に測定することができるためである。したがって、流体内の溶存酸素の測定は、流体内の溶存空気の量に対する代用物としての役割を果たすことができる。いくつかのこうした実施形態では、脱気流体における溶存酸素の量を、約1mg/Lから約3mg/Lの範囲、約0.5mg/Lから約7mg/Lの範囲、または他の何らかの範囲とすることができる。脱気流体における溶存酸素の量を、約7mg/L未満、約6mg/L未満、約5mg/L未満、約4mg/L未満、約3mg/L未満、約2mg/L未満または約1mg/L未満とすることができる。
【0176】
いくつかの実施形態では、脱気流体における溶存気体の量を、約2mg/Lから約20mg/Lの範囲、約1mg/Lから約12mg/Lの範囲、または他の何らかの範囲とすることができる。脱気流体における溶存気体の量を、約20mg/L未満、約18mg/L未満、約15mg/L未満、約12mg/L未満、約10mg/L未満、約8mg/L未満、約6gm/L未満、約4mg/L未満または約2mg/L未満とすることができる。
【0177】
他の実施形態では、溶存気体の量を、単位体積当りの空気または酸素の割合に関して測定することができる。たとえば、溶存酸素(または溶存空気)の量を、約5体積%未満、約1体積%未満、約0.5体積%未満または約0.1体積%未満とすることができる。
【0178】
液体内の溶存気体の量を、たとえば流体粘度または表面張力等の物理特性に関して測定することができる。たとえば、水の脱気は、その表面張力を増大させる傾向がある。非脱気水の表面張力は、20℃で約72m/mである。いくつかの実施形態では、脱気水の表面張力は、非脱気水より約1%、5%または10%大きくなり得る。
【0179】
治療方法によっては、1種または複数種の二次流体を一次脱気流体に追加することができる(たとえば、脱気した蒸留水に消毒溶液を追加することができる)。いくつかのこうした方法では、二次溶液を、一次脱気流体に追加する前に脱気することができる。他の用途では、(通常の溶存気体含有量を有する可能性がある)二次流体を含むことにより、結合した流体の気体含有量を、特定の歯科治療に対して望ましい量を越えて増大させないように、一次脱気流体を十分に脱気することができる。
【0180】
さまざまな実施態様では、治療流体を、封止したバッグまたは容器内部の脱気液として提供することができる。流体を、流体貯蔵器に追加する前に治療室における別個の装備で脱気することができる。「インライン」実施態様の例では、流体を、たとえば流体ラインに沿って取り付けられた脱気ユニット(たとえば流体入口)を通過させることによって、システムを通して流れる際に脱気することができる。さまざまな実施形態で使用することができる脱気ユニットの例としては、Membrana−Charlotte(Charlotte、North Carolina)から入手可能なLiqui−Cel(登録商標)MiniModule(登録商標)Membrane Contactor(たとえばモデル1.7×5.5または1.7×8.75)、MedArray,Inc.(Ann Arbor、Michigan)から入手可能なPermSelect(登録商標)シリコーン膜モジュール(たとえばモデルPDMSXA−2500)、およびMar
Cor Purification(Skippack、Pennsylvania)から入手可能なFiberFlo(登録商標)中空ファイバカートリッジフィルタ(0.03ミクロン絶対値)が挙げられる。脱気を、以下の脱気技法またはその組合せのうちのいずれかを用いて行うことができる。すなわち、加熱、ヘリウム散布、真空脱気、ろ過、凍結−ポンプ−解凍およびソニケーションである。
【0181】
いくつかの実施形態では、流体の脱気は、流体を脱泡して、流体内で生じるかまたは存在する可能性があるあらゆる小さい気泡を除去することを含むことができる。脱泡を、流体をろ過することによって提供することができる。いくつかの実施形態では、流体を、(たとえば、分子レベルで溶存した気体を除去して)脱気しない場合があるが、脱泡機を通過させて流体から小さい気泡を除去することができる。
【0182】
いくつかの実施形態では、脱気システムは、特定の治療に対して治療流体が十分に脱気されているか否かを判断する溶存気体センサを含むことができる。溶存気体センサを、混合システムの下流に配置して、溶質の混合によって、ある場合に溶質の添加の後に治療流体の溶存気体含有量を増大させたか否かを判断するために使用することができる。溶質源は、溶存気体センサを含むことができる。たとえば、溶存気体センサは、流体における溶存気体の総量に対する代用物として、流体における溶存酸素の量を測定することができ、それは、溶存酸素を溶存気体(たとえば窒素またはヘリウム)より容易に測定することができるためである。溶存気体含有量を、少なくとも部分的に空気内の全気体に対する酸素の比に基づいて(たとえば、酸素は空気の約21体積%である)、溶存酸素含有量から推測することができる。溶存気体センサは、電気化学センサ、光センサ、または溶存気体解析を行うセンサを含むことができる。本明細書に開示するさまざまなシステムの実施形態で使用することができる溶存気体センサの例としては、Pro−Oceanus Systems Inc.(Nova Scotia、Canada)から入手可能なPro−Oceanus GTD−ProまたはHGTD溶存気体センサと、Zebra−Tech Ltd.(Nelson、New Zealand)から入手可能なD−Opto溶存酸素センサとを挙げることができる。いくつかの実施態様では、治療のサンプルを得ることができ、サンプルにおける気体を、真空ユニットを用いて抽出することができる。抽出された気体を、ガスクロマトグラフィを用いて解析して、流体の溶存気体含有量(および場合によっては気体の組成)を求めることができる。
【0183】
したがって、流体入口から歯に送達される流体および/または液体ジェット装置においてジェットを発生させるために使用される流体は、通常の流体より溶存気体含有量が少ない脱気流体を含むことができる。脱気流体を使用して、たとえば、圧力波を発生させる高速液体ビームを発生させ、チャンバ(たとえば、流体保持器と歯との間のチャンバ)を実質的に充填するかまたは灌注し、音波用の伝播媒体を提供し、チャンバにおける(たとえば歯の中または歯の間の小さい空間または亀裂における)空気(または気体)の気泡の形成を阻止し、かつ/または歯の中の小さい空間(たとえば、亀裂、不規則な表面、小管等)に脱気流体の流れを提供することができる。液体ジェットを利用する実施形態では、脱気流体の使用により、液体ジェットが形成されるノズルオリフィスにおいて圧力が降下するため、気泡がジェット内で生じるのを阻止することができる。
【0184】
したがって、歯内治療方法の例は、歯もしくは歯の表面上にまたはチャンバ内に脱気流体を流すことを含む。脱気流体は、組織溶解剤および/または脱灰剤を含むことができる。脱気流体は、約9mg/L未満、約7mg/L未満、約5mg/L未満、約3mg/L未満、約1mg/L未満または他の何らかの値の溶存酸素含有量を有することができる。治療用の流体は、脱気酸素含有量が約9mg/L未満、約7mg/L未満、約5mg/L未満、約3mg/L未満、約1mg/L未満または他の何らかの値である脱気流体を含むことができる。流体は、組織溶解剤および/または脱灰剤を含むことができる。たとえば
、脱気流体は、組織溶解剤が約6体積%未満でありかつ/または脱灰剤が約20体積%未満である水溶液を含むことができる。
【0185】
図のうちのいくつかに概略的に示す歯は大臼歯であるが、本処置を、切歯、犬歯、小臼歯、前臼歯、大臼歯等、あらゆるタイプの歯に対して行うことができる。さらに、図では、歯を下側(下顎)歯として示している可能性があるが、これは、例示のためであって限定するものではない。本システム、方法および組成物を、下方(下顎)歯または上側(上顎)歯に適用することができる。また、開示した装置および方法は、歯のいかなる部分も可能である。さらに、開示した装置、方法および組成物を、ヒトの歯(子どもの歯を含む)にかつ/または動物の歯に適用することができる。
【0186】
本明細書を通して「いくつかの実施形態」または「実施形態」と言及する場合、それは、その実施形態に関連して記載する特定の特徴、構造、要素、行為または特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通してさまざまな場所で「いくつかの実施形態では」または「実施形態では」という句が現れる場合、それは、必ずしも同じ実施形態を指しているとは限らず、同じかまたは異なる実施形態のうちの1つまたは複数を指している可能性がある。さらに、他の実施形態では、特定の特徴、構造、要素、行為または特性を、(図示するかまたは記載するものとは異なるものを含む)任意の好適な方法で組み合わせることができる。さらに、さまざまな実施形態において、特徴、構造、要素、行為または特性を、組み合せ、併合し、配置を変え、順序を変え、または完全に除外することができる。したがって、各実施形態に対して、いかなる単一の特徴、構造、要素、行為もしくは特性または特徴、構造、要素、行為もしくは特性群も、必要であるとも必須であるとも限らない。すべてのあり得るコンビネーションおよびサブコンビネーションは、本開示の範囲内にあるように意図されている。
【0187】
本明細書で使用する「備える」、「含む」、「有する」等の用語は、同義であり、包括的に、非限定的に(open−ended)使用され、追加の要素、特徴、行為、動作等を排除しない。また、「または」という用語は、その包括的な意味で(その排他的な意味ではなく)使用され、そのため、たとえば要素のリストを接続するために使用される場合、「または」と言う用語は、リストにおける要素の1つ、いくつかまたはすべてを意味する。
【0188】
同様に、実施形態の上記説明において、さまざまな特徴が、本開示を効率化しさまざまな発明の態様のうちの1つまたは複数の理解に役立つ目的で、単一の実施形態、図またはその説明において合わせてグループ化されている場合があることが理解されるべきである。しかしながら、この開示方法は、いかなる請求項もその請求項において明示的に列挙されているもの以外の特徴を必要とするという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。むしろ、発明の態様は、あらゆる単一の上に開示した実施形態のすべての特徴よりは少ない特徴の組合せにある。
【0189】
上述した説明は、本明細書に開示した発明のさまざまな実施形態例と他の例示的なただし限定しない実施形態とを示す。本説明は、開示した発明の組合せ、態様および使用に関する詳細を提供する。本明細書を読んだときに当業者に明らかとなるものを含む、実施形態の開示した特徴および態様の他の変形形態、組合せ、変更形態、均等物、態様、使用、実施態様および/または適用もまた、本開示の範囲内にある。さらに、本発明のいくつかの目的および利点が本明細書に記載されている。こうした目的または利点の必ずしもすべてが、いかなる特定の実施形態においても達成され得るとは限らないことが理解されるべきである。したがって、たとえば、当業者は、本明細書において教示されるかまたは示唆され得る他の目的または利点を必ずしも達成することなく、本明細書に教示されるような1つの利点または利点群を達成するかまたは最適化する方法で、本発明を具体化するかま
たは実行することができることを理解するであろう。また、本明細書に開示するいかなる方法またはプロセスにおいても、その方法またはプロセスを構成する行為または動作を、任意の好適な順序で行うことができ、必ずしも任意の特定の開示した順序に限定されるものではない。