(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第2の材料(362)が(i)酸化抑制材料、(ii)腐食抑制材料、(iii)炭素付着抑制材料、(iv)断熱材料、(v)防湿材料、(vi)摩耗抑制材料及び(vii)第1の材料(322)よりも比較的高強度の材料のうちの少なくとも1つから選択されている、請求項6に記載の型アセンブリ(301)。
内部通路(82)の形状が部品(80)内の1以上の応力集中領域(102)を明らかにしており、1以上の応力集中領域(102)に対応する中空構造(320)の少なくとも一部分(358)が第2の材料(362)から少なくとも部分的に形成され、中空構造(320)の残りの部分が第1の材料(322)から形成されている、請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載の型アセンブリ(301)。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の詳細説明と請求の範囲において、多数の用語について言及されているが、それらは以下の意味を有するものと定義される。
【0010】
文脈上特に明記しない限り、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「この(the)」には、複数形の指示対象も含まれる。
【0011】
「任意の」又は「任意に」とは、続いて記載される事象又は状況が発生することも発生しないこともあり得ること、また、その記載には事象が発生する場合も生じない場合も含まれることを意味する。
【0012】
詳細説明と請求の範囲を通して本書で使用される概算の言葉は、それが関係する基本機能の変化をもたらさない範囲で差し支えない程度に変化し得るいかなる量の表現をも修飾するよう適用することができる。したがって、「約」、「およそ」、「ほぼ」などの用語によって修飾される値は、具体的に記述されたその値に限定されるべきではない。少なくとも一部の例では、概算の言葉は、その値を測定する計器の精度に相当してもよい。本書において、詳細説明と請求の範囲を通して、範囲の限界が同一視されてもよい。そのような範囲は、組合せ及び/又は入れ替えがなされてもよく、文脈上又は言葉で特に明示しない限り、その範囲内に含まれるすべての下位範囲を含む。
【0013】
本書に記載された例示の部品及び方法は、部品材料以外の材料が内部通路の近くに配置された状態で、内部通路が画成された部品を形成する公知のアセンブリ及び方法に関連する不利点の少なくとも一部を克服する。本書に記載された実施形態は、型に対して位置決めされた被覆芯材を提供する。被覆芯材は、中空構造と、中空構造の内部に配置された内部芯材とを備えている。内部芯材は、型キャビティの内部で延在して、型で形成されるべき部品内の内部通路の位置を確定する。中空構造は第1の材料と第2の材料から形成される。部品が型で形成されるときに第2の材料が内部通路に沿って選択的に配置されるように、第2の材料は、付加製造法などによって中空構造内に戦略的に分布される。
【0014】
図1は、本開示の実施形態が使用される部品を有する例示の回転機械10の概略図である。例示の実施形態では、回転機械10は、吸気部12と、吸気部12から下流側に連結された圧縮器部14と、圧縮器部14から下流側に連結された燃焼器部16と、燃焼器部16から下流側に連結されたタービン部18と、タービン部18から下流側に連結された排気部20とを備えたガスタービンである。概ね管状のケーシング36が、吸気部12、圧縮器部14、燃焼器部16、タービン部18及び排気部20の1つ以上を少なくとも部分的に囲んでいる。別の実施形態では、回転機械10は、本書に記載したように内部通路を備えて形成された部品が適するあらゆる回転機械である。さらに、本開示の実施形態は例示の目的で回転機械という背景において記載されているが、本書に記載された実施形態が内部に内部通路が画成された状態で適切に形成された部品に関係するあらゆる背景に当てはまることは理解されるべきである。
【0015】
例示の実施形態では、タービン部18は、ロータ軸22を介して圧縮器部14に連結されている。本書で使用される用語「連結」が部品間の直接的な機械的、電気的及び/又は連通による接続に限定されず、多数の部品間の間接的な機械的、電気的及び/又は連通による接続をも含み得ることは注意されるべきである。
【0016】
ガスタービン10の動作時、吸気部12が圧縮器部14に向かって空気を流す。圧縮器部14は空気をより高圧かつ高温に圧縮する。より具体的には、ロータ軸22が、圧縮器部14内でロータ軸22に連結された少なくとも1円周方向列の圧縮器ブレード40に回転エネルギーを付与する。例示の実施形態では、各列の圧縮器ブレード40よりも前に、気流を圧縮器ブレード40に向ける、ケーシング36から径方向内側に延在する1円周方向列の圧縮器ステータベーン42が位置している。圧縮器ブレード40の回転エネルギーは空気の圧力と温度を増大させる。圧縮器部14は燃焼器部16に向かって圧縮空気を放出する。
【0017】
燃焼器部16では、圧縮空気が燃料と混合、着火されて、タービン部18に向かって流れる燃焼ガスが生成される。より具体的には、燃焼器部16は1以上の燃焼器24を備え、燃焼器24では、燃料、例えば、天然ガス及び/又は燃料油が気流に注入され、その燃料空気混合物が着火されて、タービン部18に向かって流れる高温燃焼ガスが生成される。
【0018】
タービン部18は燃焼ガス流からの熱エネルギーを機械的回転エネルギーに変換する。より具体的には、燃焼ガスは、タービン部18内でロータ軸22に連結された少なくとも1円周方向列のロータブレード70に回転エネルギーを付与する。例示の実施形態では、各列のロータブレード70よりも前に、燃焼ガスをロータブレード70に向ける、ケーシング36から径方向内側に延在する1円周方向列のタービンステータベーン72が位置している。ロータ軸22は、以下に限定されないが、発電機及び/又は機械式駆動装置アプリケーションなどの負荷に連結されていてもよい。排出された燃焼ガスはタービン部18から下流側に流れ、排気部20に流入する。以後、回転機械10の部品を部品80と表す。燃焼ガスの経路に近い部品80は、回転機械10の動作時に高温にさらされる。それに加えて、又は、その代わりに、部品80は、内部通路が画成された状態で適切に形成されたあらゆる部品を含む。
【0019】
図2は、回転機械10(
図1に図示)で使用されるために示された、例示の部品80の概略斜視図である。部品80は、その内部に内壁100によって画成された1以上の内部通路82を備えている。例えば、部品80を高温燃焼ガスの温度より低く維持することを容易にするように、回転機械10の動作時に内部通路82に冷却液が供給される。内部通路82は1つしか図示されていないが、部品80が本書に記載されるように形成されたあらゆる適切な数の内部通路82を備えることは理解されるべきである。
【0020】
部品80は部品材料78から形成されている。例示の実施形態では、部品材料78は適切なニッケル基超合金である。別の実施形態では、部品材料78は、コバルト基超合金、鉄基合金及びチタン基合金の少なくとも1つである。さらに別の実施形態では、部品材料78は、部品80を本書に記載されるように形成可能にするあらゆる適切な材料である。
【0021】
例示の実施形態では、部品80はロータブレード70又はステータベーン72の一方である。別の実施形態では、部品80は、本書に記載されるように内部通路を備えて形成可能な回転機械10の別の適切な部品である。さらに別の実施形態では、部品80は、内部通路が画成された状態で適切に形成された、あらゆる適切な用途のあらゆる部品である。
【0022】
例示の実施形態では、ロータブレード70又はその代わりとしてのステータベーン72が、圧力側74と、その反対側の吸込み側76とを備えている。圧力側74と吸込み側76のそれぞれが前縁84から反対側の後縁86まで延在している。加えて、ロータブレード70又はその代わりとしてのステータベーン72が基端88から反対側の先端90まで延在して、ブレード長96を定めている。別の実施形態では、ロータブレード70又はその代わりとしてのステータベーン72が、本書に記載されるように内部通路を備えて形成可能なあらゆる適切な構成を有している。
【0023】
特定の実施形態では、ブレード長96は少なくとも約25.4センチメートル(cm)(10インチ)である。さらに、一部の実施形態では、ブレード長96は少なくとも約50.8cm(20インチ)である。特定の実施形態では、ブレード長96は約61cm(24インチ)から約101.6cm(40インチ)までの範囲内である。別の実施形態では、ブレード長96は約25.4cm(10インチ)未満である。例えば、一部の実施形態では、ブレード長96は約2.54cm(1インチ)から約25.4cm(10インチ)までの範囲内である。さらに別の実施形態では、ブレード長96は約101.6cm(40インチ)より長い。
【0024】
例示の実施形態では、内部通路82が基端88から先端90まで延在している。別の実施形態では、内部通路82は、内部通路82を本書に記載されるように形成可能にするあらゆる適切な様式かつあらゆる適切な程度で部品80内に延在している。特定の実施形態では、内部通路82は非線形である。例えば、部品80は、基端88と先端90との間に定められた軸89に沿って所定のねじれを伴って形成されており、内部通路82は、軸のねじれに相補的な湾曲形状を有している。一部の実施形態では、内部通路82は、内部通路82の長さに沿って圧力側74からほぼ一定の距離94のところに位置決めされている。その代わりに、又は、それに加えて、部品80の翼弦が基端88と先端90との間でテーパ状になっており、内部通路82は、内部通路82の長さに沿って後縁86からほぼ一定の距離92のところに位置決めされるように、テーパに対して非線形状に相補的に延在している。別の実施形態では、内部通路82は、部品80のあらゆる適切な輪郭に相補的な非線形の形状を有している。さらに別の実施形態では、内部通路82は非線形であるが、部品80の輪郭に対して相補的ではない。一部の実施形態では、非線形形状を有する内部通路82が、部品80の予め選択された冷却基準を満たすことを容易にする。別の実施形態では、内部通路82が直線状に延在している。
【0025】
一部の実施形態では、内部通路82がほぼ円形断面の外周を有している。別の実施形態では、内部通路82がほぼ卵形断面の外周を有している。さらに別の実施形態では、内部通路82が、内部通路82を本書に記載されるように形成可能にするあらゆる適切な形状の断面の外周を有している。さらに、特定の実施形態では、内部通路82の断面の外周形状が内部通路82の長さに沿ってほぼ一定である。別の実施形態では、内部通路82の断面の外周形状が、内部通路82を本書に記載されるように形成可能にするあらゆる適切な様式で内部通路82の長さに沿って変化する。
【0026】
図3は、部品80(
図2に図示)を製造するための型アセンブリ301の概略斜視図である。型アセンブリ301は、型300に対して位置決めされた被覆芯材310を備えている。
図4は、被覆芯材310の実施形態の、
図3に示す線4−4に沿った概略断面図である。
図2ないし
図4を参照すると、型300の内壁302が型キャビティ304を画成している。内壁302は、溶融状態の部品材料78が型キャビティ304に導入され、冷却されて部品80を形成することができるように、部品80の外形に対応する形状を画成している。例示の実施形態の部品80はロータブレード70又はその代わりとしてのステータベーン72であるが、別の実施形態では、部品80が、本書に記載されるように内部通路が画成された状態で適切に形成可能なあらゆる部品であることは想起されるべきである。
【0027】
被覆芯材310は、その一部分315が型キャビティ304内部で延在するように、型300に対して位置決めされている。被覆芯材310は、第1の材料322と第2の材料362から形成された中空構造320を備えている。被覆芯材310は、中空構造320の内部に配置されて内部芯材材料326から形成された内部芯材324も備えている。内部芯材324は内部通路82の形状を画成するように成形されており、部品80が形成されると、型キャビティ304内に位置決めされた被覆芯材310の部分315の内部芯材324が部品80内に内部通路82を画成する。
【0028】
中空構造320は、内部芯材324の長さに沿って内部芯材324をほぼ包囲する外壁380を備えている。中空構造320の内側部分360は、内部芯材324が中空構造320の内側部分360によって相補的に成形されるように、外壁380に対して内側に位置している。特定の実施形態では、中空構造320が概ね管状を画成している。例えば、限定するつもりはないが、中空構造320は、内部芯材324、ひいては内部通路82の選択された非線形形状を画成するように必要に応じて湾曲状、角状などの非線形形状に適切に加工されるほぼまっすぐな金属管から最初は形成されている。別の実施形態では、中空構造320は、内部芯材324が本書に記載されるように内部通路82の形状を画成可能にするあらゆる適切な形状を画成している。
【0029】
例示の実施形態では、中空構造320は、内部芯材324の特性幅(characteristic width)330より小さい壁厚328を有している。特性幅330は、本書では、内部芯材324と同じ断面積を有する円の直径と定義される。別の実施形態では、中空構造320は、特性幅330以上の壁厚328を有している。内部芯材324の断面形状は、
図3ないし
図5に示す例示の実施形態では円形である。或いは、内部芯材324の断面形状は、内部通路82を本書に記載されるように機能させる内部通路82の断面のあらゆる適切な形状に相当する。
【0030】
特定の実施形態では、第1の材料322は、被覆芯材310を構造的に支持するように選択される。例示の実施形態では、中空構造320は、内部芯材324の少なくとも一部に隣接して配置された第2の材料362と、外壁380に隣接して配置された第1の材料322とを備えている。より具体的には、第2の材料362は中空構造320の内側部分360を画成し、第1の材料322は中空構造320の外壁380を画成している。別の実施形態では、第1の材料322と第2の材料362は、中空構造320を本書に記載されるように機能させる中空構造320内のあらゆる適切な配置で配置される。
【0031】
一部の実施形態では、第2の材料362は、以下に述べるように、部品80が形成された後に内部通路82の性能を高めるように選択される。例えば、限定するつもりはないが、第2の材料362は、内壁100に沿って部品材料78の酸化を抑制するように選択される。それに加えて、又は、その代わりに、限定するつもりはないが、第2の材料362は、内壁100に沿って部品材料78の腐食を抑制するように選択される。それに加えて、又は、その代わりに、限定するつもりはないが、第2の材料362は、内壁100に沿って部品材料78上への炭素の付着を抑制するように選択される。それに加えて、又は、その代わりに、限定するつもりはないが、第2の材料362は、内壁100に沿って部品材料78に対する断熱材となるように選択される。それに加えて、又は、その代わりに、限定するつもりはないが、第2の材料362は、内壁100に沿って部品材料78に対する防湿材となるように選択される。それに加えて、又は、その代わりに、限定するつもりはないが、第2の材料362は、内壁100に沿って部品材料78の、限定されないが、浸食などの摩耗を抑制するように選択される。それに加えて、又は、その代わりに、第2の材料362は、内壁100に沿って配置された際に内部通路82の他のいかなる選択された特性も付与又は促進するいかなる適切な材料でもあるように選択される。さらに、第2の材料362は単一材料とみなされているが、一部の実施形態では、第2の材料362が複数の性能向上成分からなる混合物を含むことは理解されるべきである。
【0032】
特定の実施形態では、中空構造320は、第1の材料322及び第2の材料362に加えて、あらゆる適切な数の材料から形成される。例えば、
図5は、被覆芯材310の別の実施形態の、
図3に示す線4−4に沿った概略断面図である。例示の実施形態では、被覆芯材310は、内部芯材324の少なくとも一部に隣接して配置された第2の材料362と、外壁380に隣接して配置された第1の材料322と、第2の材料362と第1の材料322との間に径方向に配置された少なくとも第3の材料372とを備えている。一部の実施形態では、第2の材料362は、この場合もまた、(i)酸化抑制材料、(ii)腐食抑制材料、(iii)炭素付着抑制材料、(iv)断熱材料、(v)防湿材料及び(vi)摩耗抑制材料の少なくとも1つから選択され、第3の材料372は、(i)酸化抑制材料、(ii)腐食抑制材料、(iii)炭素付着抑制材料、(iv)断熱材料、(v)防湿材料及び(vi)摩耗抑制材料の別の1つから選択される。別の実施形態では、第3の材料372は、第1の材料322及び部品材料78の少なくとも一方に対する第2の材料362の接着を促進させるボンディングコート材料である。さらに別の実施形態では、第3の材料372は、被覆芯材310を本書に記載されるように機能させるあらゆる適切な材料である。
【0033】
図2ないし
図5を参照すると、型300は型材料306から形成されている。例示の実施形態では、型材料306は、部品80を形成するために使用される部品材料78の溶融状態に関連する高温環境に耐えるよう選択された耐火セラミック材料である。別の実施形態では、型材料306は、部品80を本書に記載されるように形成可能にするあらゆる適切な材料である。さらに、例示の実施形態では、型300は適切なインベストメント鋳造法によって形成されている。例えば、限定するつもりはないが、蝋などの適切な原型材料が適切な原型用型(pattern die)に注入されて部品80の原型(図示せず)が形成され、原型が、硬化されて型材料306のシェルにされる型材料306のスラリーに繰り返し浸漬され、シェルが脱蝋及び焼成されて型300が形成される。別の実施形態では、型300は、型300を本書に記載されるように機能させるあらゆる適切な方法によって形成される。
【0034】
特定の実施形態では、被覆芯材310は、部品80を形成する過程の間、型300に対して固定されたままになるように、型300に対して取り付けられる。例えば、被覆芯材310は、溶融した部品材料78を被覆芯材310を取り囲む型キャビティ304内に導入している間に被覆芯材310の一部が移動しないように取り付けられる。一部の実施形態では、被覆芯材310は型300に直接連結される。例えば、例示の実施形態では、被覆芯材310の先端部分312が、型300の先端部分314に動かないように包み込まれる。それに加えて、又は、その代わりに、被覆芯材310の根元部分316が、型300の先端部分314と反対側の根元部分318に動かないように包み込まれる。例えば、限定するつもりはないが、型300が上述のインベストメント鋳造によって形成され、先端部分312と根元部分316が原型用型から延出する一方、部分315が型のキャビティ内で延在するように、被覆芯材310が適切な原型用型にしっかりと連結される。部分315が原型内で延在するように、原型材料が型の被覆芯材310周りに注入される。インベストメント鋳造によって、型300が先端部分312及び/又は根元部分316を包み込む。それに加えて、又は、その代わりに、被覆芯材310は、部品80を形成する過程の間、型300に対する被覆芯材310の位置を固定されたままにする他のあらゆる適切なやり方で型300に対して取り付けられる。
【0035】
第1の材料322は、溶融した部品材料78によって少なくとも部分的に吸収可能であるように選択されている。特定の実施形態では、部品材料78は合金であり、第1の材料322はその合金の少なくとも一構成材料である。例えば、例示の実施形態では、部品材料78はニッケル基超合金であり、第1の材料322は、溶融状態の部品材料78が型キャビティ304に導入される際に第1の材料322が部品材料78によってほぼ吸収可能であるように、実質的にニッケルである。別の実施形態では、部品材料78はあらゆる適切な合金であり、第1の材料322は、溶融した合金によって少なくとも部分的に吸収可能な少なくとも1種類の材料である。例えば、部品材料78はコバルト基超合金であり、第1の材料322は実質的にコバルトである。また、例えば、部品材料78は鉄基合金であり、第1の材料322は実質的に鉄である。また、例えば、部品材料78はチタン基合金であり、第1の材料322は実質的にチタンである。
【0036】
特定の実施形態では、第2の材料362も、第1の材料322に関して上述したように、溶融した部品材料78によって少なくとも部分的に吸収可能であるように選択される。例えば、部品材料78は主要成分金属の第1の合金であり、第2の材料362は同じ主要成分金属の第2の合金である。一部のそのような実施形態では、第2の材料362は、以下に限定されないが、部品材料78と比較して、向上した構造強度特性など、向上した物理的特性を有するように選択される。さらに、中空構造320が第1の材料322及び第2の材料362に加えてさらに材料を含む一部の実施形態では、以下に限定されないが、第3の材料372などの追加の材料も、第1の材料322及び第2の材料362に関して上述したように、溶融した部品材料78によって少なくとも部分的に吸収可能であるように選択される。
【0037】
特定の実施形態では、溶融状態の部品材料78が型キャビティ304に導入される際に被覆芯材310の部分315、すなわち、型キャビティ304内で延在する部分の第1の材料322と第2の材料362が部品材料78によってほぼ吸収されるように、壁厚328が十分に薄い。例えば、一部のそのような実施形態では、部品材料78が冷却された後に部品材料78から不連続の境界が中空構造320の輪郭として描出されることがないように、第1の材料322と第2の材料362が部品材料78によってほぼ吸収される。さらに、一部のそのような実施形態では、部品材料78が冷却された後に第1の材料322と第2の材料362が部品材料78内にほぼ一様に分布されるように、第1の材料322と第2の材料362がほぼ吸収される。例えば、内部芯材324に近い第1の材料322の濃度と第2の材料362の濃度のそれぞれは、部品80内の他の場所における第1の材料322の濃度と第2の材料362の濃度よりも検出可能なほど高くはない。
【0038】
別の実施形態では、第1の材料322及び第2の材料362の少なくとも一方が部品材料78によってほぼ吸収されることがないように、壁厚328が選択される。例えば、一部の実施形態では、部品材料78が冷却された後、第1の材料322及び第2の材料362の少なくとも一方は部品材料78内にほぼ一様に分布されることはない。例えば、内部芯材324に近い第1の材料322の濃度及び第2の材料362の濃度の少なくとも一方は、部品80内の他の場所における第1の材料322又は第2の材料362の各濃度よりも検出可能なほど高い。一部のそのような実施形態では、部品材料78が冷却された後に部品材料78から不連続の境界が中空構造320の輪郭として描出されるように、第1の材料322及び第2の材料362の少なくとも一方が部品材料78によって部分的に吸収される。さらに、一部のそのような実施形態では、部品材料78が冷却された後に内部芯材324に近い中空構造320の少なくとも一部がもとのまま残るように、第1の材料322及び第2の材料362の少なくとも一方が部品材料78によって部分的に吸収される。
【0039】
一部のそのような実施形態では、部品80が形成された後、内部芯材324に近い第2の材料362の濃度は、部品80内の他の場所における第2の材料362の濃度よりも検出可能なほど高い。したがって、内部芯材324が部品80から除去されて内部通路82が形成された後、内壁100に近い第2の材料362の濃度は、部品80内の他の場所における第2の材料362の濃度よりも検出可能なほど高い。さらに、一部のそのような実施形態では、第2の材料362は内部通路82を画成する内壁100の少なくとも一部を覆う。
【0040】
例えば、
図6は、部品80の
図2に示す線6−6に沿った断面であり、内壁100に近い第2の材料362の勾配分布を概略的に示している。部品80内の第1の材料322の分布は、分かりやすくするために
図6から省略されている。一部の実施形態では、内壁100に近い第2の材料362の濃度は、内壁100の少なくとも一部に沿って第2の材料362に関連する1以上の材料特性を証明するのに十分な濃度である。さらに、一部の実施形態では、内壁100に近い第2の材料362の濃度は、第2の材料362の少なくとも一部が内部通路82を画成する内壁100の少なくとも一部を覆うのに十分な濃度である。
【0041】
さらに、中空構造320が第1の材料322及び第2の材料362に加えてさらに材料を含む特定の実施形態では、以下に限定されないが、第3の材料372など追加の材料が、部品80が形成された後には、同様に内壁100の近くに分布されている。例えば、内壁100に近い第3の材料372の濃度は、第3の材料372が内部通路82を画成する内壁100の少なくとも一部を覆うのに十分な濃度である。また、例えば、第3の材料372はボンディングコート材料であって、内壁100に近い第3の材料372の濃度は、内壁100に近い部品材料78及び/又は第1の材料322に対する第2の材料362の接着を促進させるのに十分な濃度である。
【0042】
例示の実施形態では、内部芯材材料326は、部品80を形成するために使用される部品材料78の溶融状態に関連する高温環境に耐えるよう選択された耐火セラミック材料である。例えば、以下に限定されないが、内部芯材材料326はシリカ、アルミナ及びムライトのうちの少なくとも1つを含む。さらに、例示の実施形態では、内部芯材材料326は、内部通路82を形成するために部品80から選択的に除去可能である。例えば、限定するつもりはないが、内部芯材材料326は、以下に限定されないが、適切な化学浸出処理など、部品材料78の質を実質的に低下させない適切な処理によって部品80から除去可能である。特定の実施形態では、内部芯材材料326は、部品材料78、第1の材料322及び/又は第2の材料362に対する適合性及び/又は除去性に基づいて選択される。別の実施形態では、内部芯材材料326は、部品80を本書に記載されるように形成可能にするあらゆる適切な材料である。
【0043】
一部の実施形態では、中空構造320に内部芯材材料326を充填することによって、被覆芯材310が形成される。例えば、限定するつもりはないが、内部芯材材料326がスラリーの形で中空構造320に注入され、内部芯材材料326が中空構造320内で乾燥されて被覆芯材310が形成される。さらに、特定の実施形態では、中空構造320が内部芯材324をほぼ構造的に強化し、それにより、一部の実施形態では未強化の内部芯材324を製造、取り扱い及び使用して部品80を形成する場合に関連する潜在的な問題を軽減する。例えば、特定の実施形態では、内部芯材324は、破断、亀裂及び/又はその他損傷のリスクに比較的高くさらされる比較的脆性のセラミック材料である。したがって、一部のそのような実施形態では、被覆芯材310を形成及び輸送することは、未被覆の内部芯材324を使用することに比べて、内部芯材324の損傷リスクがはるかに低い。同様に、一部のそのような実施形態では、原型用型の被覆芯材310の周りに蝋の原型材料を注入することなどによって、型300のインベストメント鋳造に使用される被覆芯材310の周りに適切な原型を形成することは、未被覆の内部芯材324を使用することに比べて、内部芯材324の損傷リスクがはるかに低い。したがって、特定の実施形態では、被覆芯材310を使用すれば、被覆芯材310ではなく未被覆の内部芯材324を使用して行なわれる同じ工程と比較して、内部通路82が画成された許容可能な部品80を製造し損なうリスクがはるかに低い。したがって、被覆芯材310は、内部芯材324に関連する脆性の問題を軽減又は解消しつつ、内部通路82を画成するために型300に対して内部芯材324を位置決めすることに関連する利点を得ることを容易にする。別の実施形態では、中空構造320は内部芯材324をほぼ構造的に強化しない。
【0044】
例えば、以下に限定されないが、部品80がロータブレード70である実施形態など、特定の実施形態では、内部芯材324の特性幅330は約0.050cm(0.020インチ)から約1.016cm(0.400インチ)の範囲内であり、中空構造320の壁厚328は約0.013cm(0.005インチ)から約0.254cm(0.100インチ)の範囲内であるように選択される。より具体的には、一部のそのような実施形態では、特性幅330は約0.102cm(0.040インチ)から約0.508cm(0.200インチ)の範囲内であり、壁厚328は約0.013cm(0.005インチ)から約0.038cm(0.015インチ)の範囲内であるように選択される。また、例えば、以下に限定されないが、部品80が以下に限定されないステータベーン72などの固定部品である実施形態など、一部の実施形態では、内部芯材324の特性幅330は約1.016cm(0.400インチ)より大きく、及び/又は壁厚328は約0.254cm(0.100インチ)より大きくなるように選択される。別の実施形態では、特性幅330は、結果として得られる内部通路82がその意図した機能を果たすことを可能にするあらゆる適切な値であり、壁厚328は、被覆芯材310を本書に記載されるように機能させるあらゆる適切な値であるように選択される。
【0045】
特定の実施形態では、中空構造320は適切な付加製造法を用いて形成される。例えば、
図7は、第1の材料322と第2の材料362から形成された中空構造320の実施形態の概略断面図である。例示の実施形態では、中空構造320が第1の端部350から反対側の第2の端部352まで延在しており、中空構造320は、第2の材料362が中空構造320の内側部分360を画成し、第1の材料322が中空構造320の外壁380を画成するように、第1の端部350から第2の端部352までそれぞれ延在する第2の材料362の径方向内側層と、第1の材料322の径方向外側層とを備えている。
【0046】
中空構造320を形成するために、中空構造320のコンピュータ設計モデルが第1の端部350と第2の端部352との間で一連の薄い平行の面にスライスされ、各面内における第1の材料322と第2の材料362のそれぞれの分布が定められている。コンピュータ数値制御(CNC)機械が、中空構造320を形成するモデルスライスに従って、第1の端部350から第2の端部352まで第1の材料322と第2の材料362の連続層を積層する。例えば、付加製造法は、複数の金属材料及び/又は複数の金属及びセラミック材料のそれぞれを交互に積層するために適切に設定され、交互の積層は、各層において第1の材料322と第2の材料362の定められた分布を生じるようにコンピュータ設計モデルに従って適切に制御される。その代表的な3層が、層366、368、370として図示されている。一部の実施形態では、それぞれ第1の材料322と第2の材料362を含む連続層が、直接金属レーザー溶融(DMLM)法、直接金属レーザー焼結(DMLS)法、選択的レーザー焼結(SLS)法、電子ビーム溶融(EBM)法、選択的レーザー溶融(SLM)法及びロボキャスティング押出し式付加法の少なくとも1つを用いて積層される。それに加えて、又は、その代わりに、第1の材料322と第2の材料362の連続層は、中空構造320を本書に記載されるように形成可能にするあらゆる適切な方法を用いて積層される。
【0047】
一部の実施形態では、付加製造法による中空構造320の形成により、中空構造320を形成する他の方法では製造することが困難及び/又は比較的高価になる第2の材料362の分布を備えて中空構造320を形成することが可能になる。したがって、付加製造法による中空構造320の形成により、(i)部品80を形成する他の方法によって製造すること、及び/又は(ii)型300で部品80を最初に形成した後に別の工程で部品80に付加することが困難及び/又は比較的高価であるような、内壁100近くの第2の材料362の一体的分布(例えば、
図6に図示)を備えて部品80を形成することが可能になる。
【0048】
また、例えば、
図8は、第1の材料322と第2の材料362から形成された中空構造320の別の実施形態の概略断面図である。例示の実施形態では、中空構造320が、この場合もまた、第1の端部350から第2の端部352まで延在する第1の材料322の層を備えている。中空構造320は、第1の材料322の径方向内側に、中空構造320の内側部分360の1以上の所定の第1の長手方向部分354上に広がる第2の材料362の層も備えている。例示の実施形態では、上記1以上の所定の第1の長手方向部分354は、間隔を置いて配された複数の第1の長手方向部分354である。
【0049】
中空構造320を形成するために、この場合もまた、中空構造320のコンピュータ設計モデルが第1の端部350と第2の端部352との間で一連の薄い平行の面にスライスされ、各面内における第1の材料322と、第1の長手方向部分354用の第2の材料362とのそれぞれの分布が定められている。コンピュータ数値制御(CNC)機械が、中空構造320を形成するモデルスライスに従って、第1の端部350から第2の端部352まで、第1の材料322と第1の長手方向部分354用の第2の材料362の連続層を積層する。例えば、付加製造法は、複数の金属材料及び/又は複数の金属及びセラミック材料のそれぞれを交互に積層するために適切に設定され、交互の積層は、各層において第1の材料322と第1の長手方向部分354用の第2の材料362の定められた分布を生じるようにコンピュータ設計モデルに従って適切に制御される。その代表的な3層が、層366、368、370として図示されている。一部の実施形態では、それぞれ第1の材料322と第1の長手方向部分354用の第2の材料362を含む連続層が、直接金属レーザー溶融(DMLM)法、直接金属レーザー焼結(DMLS)法、選択的レーザー焼結(SLS)法、電子ビーム溶融(EBM)法、選択的レーザー溶融(SLM)法及びロボキャスティング押出し式付加法の少なくとも1つを用いて積層される。それに加えて、又は、その代わりに、第1の材料322と第2の材料362の連続層は、中空構造320を本書に記載されるように形成可能にするあらゆる適切な方法を用いて積層される。
【0050】
一部の実施形態では、この場合もまた、付加製造法による中空構造320の形成により、中空構造320を形成する他の方法では製造することが困難及び/又は比較的高価になる第2の材料362の分布を備えて中空構造320を形成することが可能になる。したがって、この場合もまた、付加製造法による中空構造320の形成により、(i)部品80を形成する他の方法によって製造すること、及び/又は(ii)型300で部品80を最初に形成した後に別の工程で部品80に付加することが困難及び/又は比較的高価であるような、内壁100近くの第2の材料362の一体的分布(
図6に図示)を備えて部品80を形成することが可能になる。特に、付加製造法による中空構造320の形成により、第2の材料362を内壁100に沿って長手方向の選択された場所にのみ分布させて部品80を形成することが可能になる。例えば、特定の実施形態では、第2の材料362は比較的高価であり、付加製造法による中空構造320の形成によって、第2の材料362の使用が指定の設計基準を達成するのに必要な内部通路82に沿う場所に対応する中空構造320の第1の長手方向部分354にのみ第2の材料362を位置させることで、内部通路82の全長を通して第2の材料362を分布させることに伴うコストを削減させることが可能になる。
【0051】
また、例えば、
図9は、第1の材料322、第2の材料362及び第3の材料372から形成された中空構造320の別の実施形態の概略断面図である。例示の実施形態では、中空構造320が、この場合もまた、第1の端部350から第2の端部352まで延在する第1の材料322の層を備えている。中空構造320は、第1の材料322の径方向内側に、中空構造320の内側部分360の1以上の所定の第1の長手方向部分354上に広がる第2の材料362の層と、第1の材料322の径方向内側に、中空構造320の内側部分360が1以上の所定の第2の長手方向部分356上に広がる第3の材料372の層も備えている。例示の実施形態では、上記1以上の所定の第1の長手方向部分354は、複数の第1の長手方向部分354であり、上記少なくとも1つ所定の第2の長手方向部分356は、内側部分360に沿って複数の第1の長手方向部分354と交互に位置する複数の第2の長手方向部分356である。
【0052】
中空構造320を形成するために、この場合もまた、中空構造320のコンピュータ設計モデルが第1の端部350と第2の端部352との間で一連の薄い平行の面にスライスされ、第1の材料322、第1の長手方向部分354用の第2の材料362及び第2の長手方向部分356用の第3の材料372のそれぞれの各面内における分布が定められている。コンピュータ数値制御(CNC)機械が、中空構造320を形成するモデルスライスに従って、第1の端部350から第2の端部352まで、第1の材料322、第2の材料362及び/又は第3の材料372の連続層を積層する。例えば、付加製造法は、複数の金属材料及び/又は複数の金属及びセラミック材料のそれぞれを交互に積層するために適切に設定され、交互の積層は、各層において第1の材料322、第1の長手方向部分354用の第2の材料362及び第2の長手方向部分356用の第3の材料372の定められた分布を生じるようにコンピュータ設計モデルに従って適切に制御される。その代表的な3層が、層366、368、370として図示されている。一部の実施形態では、それぞれ第1の材料322と、第1の長手方向部分354用の第2の材料362と、第2の長手方向部分356用の第3の材料372を含む連続層が、直接金属レーザー溶融(DMLM)法、直接金属レーザー焼結(DMLS)法、選択的レーザー焼結(SLS)法、電子ビーム溶融(EBM)法、選択的レーザー溶融(SLM)法及びロボキャスティング押出し式付加法の少なくとも1つを用いて積層される。それに加えて、又は、その代わりに、第1の材料322、第2の材料362及び/又は第3の材料372の連続層は、中空構造320を本書に記載されるように形成可能にするあらゆる適切な方法を用いて積層される。
【0053】
一部の実施形態では、付加製造法による中空構造320の形成により、中空構造320を形成する他の方法では製造することが困難及び/又は比較的高価になる第2の材料362及び第3の材料372の分布を備えて中空構造320を形成することが可能になる。したがって、付加製造法による中空構造320の形成により、(i)部品80を形成する他の方法によって製造すること、及び/又は(ii)型300で部品80を最初に形成した後に別の工程で部品80に付加することが困難及び/又は比較的高価であるような、内壁100の選択された部分に近い第2の材料362の一体的分布(
図6に図示)と内壁100の別の選択された部分に近い第3の材料372の同様の一体的分布を備えて部品80を形成することが可能になる。特に、付加製造法による中空構造320の形成により、第2の材料362及び第3の材料372を内壁100に沿って長手方向のそれぞれ選択された場所にのみ分布させて部品80を形成することが可能になる。例えば、特定の実施形態では、第2の材料362は第1の有効性をもつ断熱材を提供し、第3の材料372は第2の、より高い有効性をもつ断熱材を提供し、それに応じてより高価であり、付加製造法による中空構造320の形成によって、第3の材料372の使用が指定の設計熱基準を達成するのに必要な内部通路82に沿う場所に対応する中空構造320の第2の長手方向部分356にのみ第3の材料372を位置させることで、内部通路82の全長を通して第3の材料372を分布させることに伴うコストを削減させることが可能になる。
【0054】
また、例えば、
図10は、第1の材料322、第2の材料362及び第3の材料372から形成された中空構造320の別の実施形態の概略断面図である。例示の実施形態は、複数の第2の長手方向部分356と複数の第1の長手方向部分354の少なくとも一方が複数の第2の長手方向部分356と複数の第1の長手方向部分354の他方から内側部分360に沿って間隔を置いて配されていること以外は、
図9に示す実施形態と同様である。
【0055】
中空構造320を形成するために、この場合もまた、中空構造320のコンピュータ設計モデルが第1の端部350と第2の端部352との間で一連の薄い平行の面にスライスされ、第1の材料322、第1の長手方向部分354用の第2の材料362及び第2の長手方向部分356用の第3の材料372のそれぞれの各面内における分布が定められている。コンピュータ数値制御(CNC)機械が、中空構造320を形成するモデルスライスに従って、第1の端部350から第2の端部352まで、第1の材料322、第2の材料362及び/又は第3の材料372の連続層を積層する。例えば、付加製造法は、複数の金属材料及び/又は複数の金属及びセラミック材料のそれぞれを交互に積層するために適切に設定され、交互の積層は、各層において第1の材料322、第1の長手方向部分354用の第2の材料362及び第2の長手方向部分356用の第3の材料372の定められた分布を生じるようにコンピュータ設計モデルに従って適切に制御される。その代表的な3層が、層366、368、370として図示されている。一部の実施形態では、それぞれ第1の材料322と、第1の長手方向部分354用の第2の材料362と、第2の長手方向部分356用の第3の材料372を含む連続層が、直接金属レーザー溶融(DMLM)法、直接金属レーザー焼結(DMLS)法、選択的レーザー焼結(SLS)法、電子ビーム溶融(EBM)法、選択的レーザー溶融(SLM)法及びロボキャスティング押出し式付加法の少なくとも1つを用いて積層される。それに加えて、又は、その代わりに、第1の材料322、第2の材料362及び/又は第3の材料372の連続層は、中空構造320を本書に記載されるように形成可能にするあらゆる適切な方法を用いて積層される。
【0056】
一部の実施形態では、この場合もまた、付加製造法による中空構造320の形成により、中空構造320を形成する他の方法では製造することが困難及び/又は比較的高価になる第2の材料362及び第3の材料372の分布を備えて中空構造320を形成することが可能になる。したがって、付加製造法による中空構造320の形成により、(i)部品80を形成する他の方法によって製造すること、及び/又は(ii)型300で部品80を最初に形成した後に別の工程で部品80に付加することが困難及び/又は比較的高価であるような、内壁100の選択された部分に近い第2の材料362の一体的分布(
図6に図示)と内壁100の別の選択された部分に近い第3の材料372の同様の一体的分布を備えて部品80を形成することが可能になる。特に、付加製造法による中空構造320の形成により、第2の材料362及び第3の材料372を内壁100に沿って長手方向のそれぞれ選択された場所にのみ分布させて部品80を形成することが可能になる。例えば、特定の実施形態では、第2の材料362が第1の有効性をもつ断熱材を提供して第1の材料322よりも高価であり、第3の材料372が第2の、より高い有効性をもつ断熱材を提供して第2の材料362よりも高価である。付加製造法による中空構造320の形成によって、第2の材料362の使用が第1の指定の設計熱基準を達成するのに必要な内部通路82に沿う場所に対応する中空構造320の第1の長手方向部分354にのみ第2の材料362を位置させ、第3の材料372の使用が第2の、より厳格な、指定の設計熱基準を達成するのに必要な内部通路82に沿う場所に対応する中空構造320の第2の長手方向部分356にのみ第3の材料372を位置させることで、内部通路82の全長を通して第2の材料362及び第3の材料372の少なくとも一方を分布させることに伴うコストを削減させることが可能になる。
【0057】
図11は、複数の内部通路特徴98を有する内部通路82を備えた別の例示の部品80の一部の概略断面図である。
図12は、
図11に示すように内部通路特徴98を有する部品80を形成するために型アセンブリ301で使用される別の例示の被覆芯材310の概略切欠き斜視図である。特に、
図12の図では、内部芯材324の特徴を説明するため、中空構造320の一部が切り欠かれている。
図13は、被覆芯材310を形成する際に使用される別の中空構造320の一部の概略断面図である。この場合もまた、中空構造320は第1の材料322と第2の材料362から形成されている。
【0058】
図11ないし
図13を参照すると、内部通路82が、この場合もまた、部品80の内壁100によって概ね画成されており、内部通路特徴98が内部通路82によって画成された流路の局所的な変化を定めるように成形されている。例えば、限定するつもりはないが、内部通路特徴98は、内壁100から径方向内方に概ね内部通路82の中心に向かって延在し、内壁100に沿う温度境界層流れを乱して回転機械10(
図1に図示)の動作中に内部通路82に供給される冷却液の伝熱能力を向上させるように成形されたタービュレータである。或いは、内部通路特徴98は、内部通路82によって画成された流路の局所的な変化を定めるように成形されたあらゆる構造である。例示の実施形態では、部品80の各内部通路特徴98に近い部分が、後述するように第2の材料362によって少なくとも部分的に形成される。部品80内の第1の材料322の分布は、分かりやすくするために
図11から省略されている。
【0059】
特定の実施形態では、中空構造320の内側部分360が、1以上の内部通路特徴98を画成するように成形されている。一部のそのような実施形態では、内部芯材324が、1以上の内部通路特徴98が画成された内部通路82を画成するように、中空構造320の内側部分360によって相補形に成形される。例えば、内部芯材324は、1以上の相補形特徴331を備えるように内側部分360によって相補形に成形され、該1以上の相補形特徴331は、1以上の内部通路特徴98の形状に対して相補形状を有する。
【0060】
例えば、例示の実施形態では、上記1以上の相補形特徴331は、内部芯材324の外表面に画成された複数の凹状特徴334である。各凹状特徴334は、対応する内部通路特徴98の形状に対して相補形状を有する。より具体的には、例示の実施形態では、中空構造320の内側部分360は、中空構造320の内側部分360上に径方向内側に延出する複数の鋲形状として形成された突出部341を備え、内部芯材材料326が中空構造320に加えられると、突出部341が凹状特徴334を画成する。それにより、溶融した部品材料78が型キャビティ304に導入され、中空構造320が溶融した部品材料78中に少なくとも部分的に吸収されると、溶融した部品材料78が上記1以上の相補形特徴331を埋め、該1以上の相補形特徴331内で冷却された部品材料78が上記1以上の内部通路特徴98を形成する。それに加えて、又は、その代わりに、溶融した部品材料78が型キャビティ304に導入されて冷却された後に、内部芯材324に隣接する中空構造320の内側部分360の一部がもとのまま残る程度まで、上記1以上の相補形特徴331に対して連結された内側部分360のもとのままの部分が上記1以上の内部通路特徴98を画成する。
【0061】
例示の実施形態では、中空構造320の内側部分360が、第2の材料362から少なくとも部分的に形成された突出部341と、第1の材料322から形成された中空構造320の残りの部分とを少なくとも備えている。別の実施形態では、中空構造320は、第1の材料322と第2の材料362のあらゆる適切な分布を備えている。一部の実施形態では、被覆芯材310が型300(
図3に図示)に対して位置決めされ、溶融した部品材料78が型キャビティ304に添加、冷却されて部品80が形成された後、内部通路特徴98に近い第2の材料362の濃度が、部品80内の他の場所における第2の材料362の濃度よりも検出可能なほど高い。さらに、一部のそのような実施形態では、第2の材料362は内部通路特徴98の少なくとも一部を形成する。
【0062】
中空構造320を形成するために、この場合もまた、中空構造320のコンピュータ設計モデルが第1の端部350と第2の端部352との間で一連の薄い平行の面にスライスされ、各面内における第1の材料322と第2の材料362のそれぞれの分布が定められている。コンピュータ数値制御(CNC)機械が、中空構造320を形成するモデルスライスに従って、第1の端部350から第2の端部352まで、第1の材料322と、1以上の突出部341が部分的に画成された層のための第2の材料362との連続層を積層する。例えば、この場合もまた、付加製造法は、複数の金属材料及び/又は複数の金属及びセラミック材料のそれぞれを交互に積層するために適切に設定され、交互の積層は、各層において第1の材料322と第2の材料362の定められた分布を生じるようにコンピュータ設計モデルに従って適切に制御される。その代表的な1つの層が層366として図示されている。一部の実施形態では、それぞれ第1の材料322と、1以上の突出部341が部分的に画成された層のための第2の材料362とを含む連続層が、直接金属レーザー溶融(DMLM)法、直接金属レーザー焼結(DMLS)法、選択的レーザー焼結(SLS)法、電子ビーム溶融(EBM)法、選択的レーザー溶融(SLM)法及びロボキャスティング押出し式付加法の少なくとも1つを用いて積層される。それに加えて、又は、その代わりに、第1の材料322と第2の材料362の連続層は、中空構造320を本書に記載されるように形成可能にするあらゆる適切な方法を用いて積層される。
【0063】
一部の実施形態では、付加製造法による中空構造320の形成により、中空構造320を形成する他の方法では製造することが困難及び/又は比較的高価になる、第2の材料362から少なくとも部分的に形成された突出部341を備えて中空構造320を形成することが可能になる。したがって、付加製造法による中空構造320の形成により、(i)部品80を形成する他の方法によって製造すること、及び/又は(ii)型300で部品80を最初に形成した後に別の工程で部品80に付加することが困難及び/又は比較的高価であるような、第2の材料362から少なくとも部分的に形成された内部通路特徴98を備えて部品80を形成することが可能になる。例えば、特定の実施形態では、第2の材料362は、第1の材料322よりも耐食性が比較的高いが、費用も比較的高く、第2の材料362の使用は腐食に対する内部通路特徴98の形状維持を容易にする用途で選択され、第1の材料322及び/又は部品材料78は内壁100の他の部分に関する指定の腐食防止設計基準を達成して部品80に関連するコストを削減させるのに十分である。
【0064】
図14は、複数の内部通路特徴98を有する内部通路82を備えた別の例示の部品80の一部の概略断面図である。
図15は、
図14に示すように内部通路特徴98を有する部品80を形成するために型アセンブリ301で使用される別の例示の被覆芯材310の概略切欠き斜視図である。特に、
図15の図では、内部芯材324の特徴を説明するため、中空構造320の一部が切り欠かれている。
図16は、被覆芯材310を形成する際に使用される別の中空構造320の一部の概略断面図である。この場合もまた、中空構造320は第1の材料322と第2の材料362から形成されている。
【0065】
図14ないし
図16を参照すると、内部通路82が、この場合もまた、部品80の内壁100によって概ね画成されており、内部通路特徴98が、この場合もまた、内部通路82によって画成された流路の局所的な変化を定めるように成形されている。例示の実施形態では、部品80の各内部通路特徴98に近い部分が、この場合もまた、後述するように第2の材料362によって少なくとも部分的に形成される。部品80内の第1の材料322の分布は、分かりやすくするために
図14から省略されている。
【0066】
特定の実施形態では、中空構造320の内側部分360が、この場合もまた、1以上の内部通路特徴98を画成するように成形されている。一部のそのような実施形態では、この場合もまた、内部芯材324が、1以上の内部通路特徴98が画成された内部通路82を画成するように、内部芯材324が中空構造320の内側部分360によって相補形に成形される。より具体的には、例示の実施形態では、中空構造320の内側部分360が、上記1以上の内部通路特徴98を内部通路82の内壁100に沿う旋条溝として画成するように成形されている。したがって、内側部分360は、内部芯材材料326が中空構造320に添加されたときに、内部芯材324の上記1以上の相補形特徴331を旋条溝構造339として画成するように成形された旋条突出部341を備えている。それにより、この場合もまた、溶融した部品材料78が型キャビティ304に導入され、中空構造320が溶融した部品材料78中に少なくとも部分的に吸収されると、溶融した部品材料78が上記1以上の相補形特徴331を埋め、該1以上の相補形特徴331内で冷却された部品材料78が上記1以上の内部通路特徴98を形成する。それに加えて、又は、その代わりに、この場合もまた、溶融した部品材料78が型キャビティ304に導入されて冷却された後に、内部芯材324に隣接する中空構造320の内側部分360の一部がもとのまま残る程度まで、上記1以上の相補形特徴331に対して連結された内側部分360のもとのままの部分が上記1以上の内部通路特徴98を画成する。
【0067】
例示の実施形態では、中空構造320が、第2の材料362から少なくとも部分的に形成された突出部341と、第1の材料322から形成された中空構造320の残りの部分とを少なくとも備えている。別の実施形態では、中空構造320は、第1の材料322と第2の材料362のあらゆる適切な分布を備えている。一部の実施形態では、被覆芯材310が型300(
図3に図示)に対して位置決めされ、溶融した部品材料78が型キャビティ304に添加、冷却されて部品80が形成された後、内部通路特徴98に近い第2の材料362の濃度は、部品80内の他の場所における第2の材料362の濃度よりも検出可能なほど高い。さらに、一部のそのような実施形態では、第2の材料362は内部通路特徴98の少なくとも一部を形成する。
【0068】
中空構造320を形成するために、この場合もまた、中空構造320のコンピュータ設計モデルが第1の端部350と第2の端部352との間で一連の薄い平行の面にスライスされ、各面内における第1の材料322と第2の材料362のそれぞれの分布が定められている。コンピュータ数値制御(CNC)機械が、中空構造320を形成するモデルスライスに従って、第1の端部350から第2の端部352まで、第1の材料322と、突出部341が部分的に画成された層のための第2の材料362との連続層を積層する。例えば、この場合もまた、付加製造法は、複数の金属材料及び/又は複数の金属及びセラミック材料のそれぞれを交互に積層するために適切に設定され、交互の積層は、各層において第1の材料322と第2の材料362の定められた分布を生じるようにコンピュータ設計モデルに従って適切に制御される。その代表的な1つの層が層366として図示されている。一部の実施形態では、それぞれ第1の材料322と、突出部341が部分的に画成された層のための第2の材料362とを含む連続層が、直接金属レーザー溶融(DMLM)法、直接金属レーザー焼結(DMLS)法、選択的レーザー焼結(SLS)法、電子ビーム溶融(EBM)法、選択的レーザー溶融(SLM)法及びロボキャスティング押出し式付加法の少なくとも1つを用いて積層される。それに加えて、又は、その代わりに、第1の材料322と第2の材料362の連続層は、中空構造320を本書に記載されるように形成可能にするあらゆる適切な方法を用いて積層される。
【0069】
一部の実施形態では、付加製造法による中空構造320の形成により、この場合もまた、上述したように、(i)部品80を形成する他の方法によって製造すること、及び/又は(ii)型300で部品80を最初に形成した後に別の工程で部品80に付加することが困難及び/又は比較的高価であるような、第2の材料362から少なくとも部分的に形成された内部通路特徴98を備えて部品80を形成することが可能になる。
【0070】
図11ないし
図16を参照すると、内部通路特徴98が鋲及び/又は旋条溝として例示されているが、本開示が内部通路82をその意図した目的で機能させるあらゆる適切な追加又は代替の形状を有する内部通路特徴98と、内部通路特徴98を本書に記載されるように形成可能にするあらゆる適切な対応する形状を有する中空構造320の内側部分360及び内部芯材324の相補形特徴331を考えていることは理解されるべきである。さらに、例示の実施形態は内部通路特徴98の各実施形態をほぼ同一の繰返し形状をもつものとして示しているが、本開示が内部通路82をその意図した目的で機能させる様々な形状のあらゆる適切な組合せを有する内部通路特徴98と、内部通路特徴98を本書に記載された通りに形成可能にする様々な形状のあらゆる適切な対応する組合せを有する中空構造320の内側部分360及び内部芯材324の相補形特徴331を考えていることは理解されるべきである。
【0071】
図17は、内部通路82が画成された別の例示の部品80の一部の概略断面図である。
図18は、
図17に示す部品80を形成するために型アセンブリ301で使用される別の中空構造320の一部の概略断面図である。この場合もまた、中空構造320は第1の材料322と第2の材料362から形成されている。例示の実施形態では、第2の材料362は、第1の材料322よりも比較的高強度の材料である。或いは、第2の材料362は、部品材料78及び第1の材料322の少なくとも一方と相乗的に接合して部品材料78及び第1の材料322の少なくとも一方の構造強度特性を向上させる能力を有する材料である。
【0072】
図17及び
図18を参照すると、この場合もまた、内部通路82が部品80の内壁100によって画成されている。例示の実施形態では、内部通路82の形状によって、内壁100に近い部品80内の1以上の応力集中領域102が明らかにされている。該1以上の応力集中領域102の近くに第2の材料362を集中させることにより、該1以上の応力集中領域102における部品80の耐応力性の向上が促進される。部品80内の第1の材料322の分布は、分かりやすくするために
図17から省略されている。
【0073】
特定の実施形態では、内部芯材324(図示せず)が上記1以上の応力集中領域102を備えた内部通路82を画成するように、この場合もまた、内部芯材324が中空構造320の内側部分360によって相補形に成形される。上記1以上の応力集中領域102に対応する中空構造320の少なくとも一部分358が第2の材料362から少なくとも部分的に形成され、中空構造320の残りの部分が第1の材料322から形成されている。別の実施形態では、中空構造320は、第1の材料322と第2の材料362のあらゆる適切な分布を備えている。さらに、中空構造320は、内部芯材材料326が充填されて、
図3に示す被覆芯材310と同様の被覆芯材310を形成する。一部の実施形態では、被覆芯材310が型300(
図3に図示)に対して位置決めされ、溶融した部品材料78が型キャビティ304に添加、冷却されて部品80が形成された後、第2の材料362が上記1以上の応力集中領域102の少なくとも一部を形成する。
【0074】
中空構造320を形成するために、この場合もまた、中空構造320のコンピュータ設計モデルが第1の端部350と第2の端部352との間で一連の薄い平行の面にスライスされ、各面内における第1の材料322と第2の材料362のそれぞれの分布が定められている。コンピュータ数値制御(CNC)機械が、中空構造320を形成するモデルスライスに従って、第1の端部350から第2の端部352まで第1の材料322及び/又は第2の材料362の連続層を積層する。例えば、この場合もまた、付加製造法は、複数の金属材料及び/又は複数の金属及びセラミック材料のそれぞれを交互に積層するために適切に設定され、交互の積層は、各層において第1の材料322と第2の材料362の定められた分布を生じるようにコンピュータ設計モデルに従って適切に制御される。その代表的な3層が、層366、368、370として図示されている。一部の実施形態では、それぞれ第1の材料322及び/又は第2の材料362を含む連続層が、直接金属レーザー溶融(DMLM)法、直接金属レーザー焼結(DMLS)法、選択的レーザー焼結(SLS)法、電子ビーム溶融(EBM)法、選択的レーザー溶融(SLM)法及びロボキャスティング押出し式付加法の少なくとも1つを用いて積層される。それに加えて、又は、その代わりに、第1の材料322と第2の材料362の連続層は、中空構造320を本書に記載されるように形成可能にするあらゆる適切な方法を用いて積層される。
【0075】
一部の実施形態では、この場合もまた、付加製造法による中空構造320の形成により、中空構造320を形成する他の方法では製造することが困難及び/又は比較的高価になる第2の材料362の分布を備えて中空構造320を形成することが可能になる。したがって、付加製造法による中空構造320の形成により、(i)部品80を形成する他の方法によって製造すること、及び/又は(ii)型300で部品80を最初に形成した後に別の工程で部品80に付加することが困難及び/又は比較的高価であるような、1以上の応力集中領域102近くの第2の材料362の一体的分布を備えて部品80を形成することが可能になる。
【0076】
図7ないし
図18をさらに参照すると、例示の実施形態は内部通路82を概ね円形の断面を有するものとして示しているが、内部通路82が内部通路82をその意図した目的で機能させるあらゆる適切な追加又は代替の断面を有することは理解されるべきである。さらに、例示の実施形態は内部通路82の各実施形態をその長さに沿って概ね一定の断面を有するものとして示しているが、内部通路82が、内部通路82をその意図した目的で機能させる、長さに沿った断面のあらゆる適切な変化を有することは理解されるべきである。さらに、中空構造320を本書に記載されるように形成可能にするあらゆる適切な様式で内部通路82のあらゆる適切な対応する形状を画成するように中空構造320が成形されることは理解されるべきである。
【0077】
内部通路82などの内部通路が画成された部品80などの部品を形成する例示の方法1900を、
図19及び
図20にフロー図で示す。
図1ないし
図18も参照すると、例示の方法1900は、型300などの型に対して被覆芯材310などの被覆芯材を位置決めする工程1902を含む。被覆芯材は、第1の材料322などの第1の材料と第2の材料362などの第2の材料から少なくとも形成された、中空構造320などの、中空構造を備えている。被覆芯材は、中空構造内に配置された、内部芯材324などの、内部芯材も備えている。方法1900は、部品を形成するために、型キャビティ304など、型のキャビティに溶融状態の、部品材料78などの、部品材料を導入する工程1904と、部品を形成するためにキャビティ内の部品材料を冷却する工程1906をさらに含む。内部芯材は部品内に内部通路を画成する。
【0078】
一部の実施形態では、部品材料をキャビティに導入する工程1904は、部品が形成された後に、内部芯材に近い第2の材料の濃度が部品内に内部通路を画成する、内壁100などの、内壁の少なくとも一部に沿った第2の材料に関連する1以上の材料特性を証明するのに十分な濃度になるように部品材料を導入する工程1908を含む。
【0079】
特定の実施形態では、部品材料をキャビティに導入する工程1904は、部品が形成された後に、第2の材料が部品内に内部通路を画成する、内壁100などの、内壁の少なくとも一部を覆うように部品材料を導入する工程1910を含む。
【0080】
一部の実施形態では、被覆芯材を位置決めする工程1902は、第2の材料が(i)酸化抑制材料、(ii)腐食抑制材料、(iii)炭素付着抑制材料、(iv)断熱材料、(v)防湿材料、(vi)摩耗抑制材料及び(vii)部品が形成されたときに内部通路に沿う部品の構造強度を増大させる材料のうちの少なくとも1つから選択された被覆芯材を位置決めする工程1912を含む。
【0081】
特定の実施形態では、被覆芯材を位置決めする工程1902は、第2の材料が第1の材料の径方向内側で、内側部分360などの、中空構造の内側部分の、第1の長手方向部分354などの、1以上の所定の第1の長手方向部分上に広がる被覆芯材を位置決めする工程1914を含む。一部のそのような実施形態では、被覆芯材を位置決めする工程1914は、第1の材料と、第2の材料と、第3の材料372などの第3の材料とから形成された中空構造を備えた被覆芯材を位置決めする工程1916を含む。第3の材料は、第1の材料の径方向内側で、第2の長手方向部分356などの、中空構造の内側部分の1以上の所定の第2の長手方向部分上に広がる。
【0082】
特定の実施形態では、内側部分360などの、中空構造の内側部分は第2の材料から少なくとも部分的に形成され、内側部分は、内部通路特徴98などの、内部通路の1以上の内部通路特徴を画成するように成形され、部品材料をキャビティに導入する工程1904は、部品が形成された後に、第2の材料が上記1以上の内部通路特徴の少なくとも一部を形成するように部品材料を導入する工程1918を含む。
【0083】
一部の実施形態では、内部通路の形状によって、応力集中領域102など、部品内の1以上の応力集中領域が明らかにされている。さらに、上記1以上の応力集中領域に対応する、部分358などの、中空構造の少なくとも一部分が第2の材料から少なくとも部分的に形成される。部品材料をキャビティに導入する工程1904は、部品が形成された後に、第2の材料が上記1以上の応力集中領域の少なくとも一部を形成するように部品材料を導入する工程1920を含む。
【0084】
特定の実施形態では、被覆芯材を位置決めする工程1902は、付加製造法を用いてそれぞれ形成された、代表的な層366、368、370などの、複数の層を備えた中空構造を備える被覆芯材を位置決めする工程1922を含む。
【0085】
一部の実施形態では、方法1900は、付加製造法を使用して(1926)中空構造を形成する工程1924をさらに含む。さらに、一部のそのような実施形態では、付加製造法を使用する工程1926は、第1の材料及び第2の材料のそれぞれを交互に積層して、代表的な層366、368、370などの、中空構造の複数の層のそれぞれに第1の材料と第2の材料の定められた分布を生じさせる工程1928を含む。それに加えて、又は、その代わりに、一部のそのような実施形態では、付加製造法を使用する工程1926は、直接金属レーザー溶融(DMLM)法、直接金属レーザー焼結(DMLS)法、選択的レーザー焼結(SLS)法、電子ビーム溶融(EBM)法、選択的レーザー溶融(SLM)法及びロボキャスティング押出し式付加法の少なくとも1つを使用する工程1930を含む。
【0086】
上述した被覆芯材は、部品材料以外の材料が内部通路に沿って選択的に配置された状態で内部通路が画成された部品を形成する、費用効果の高い方法を提供する。特に、被覆芯材は、部品内の内部通路の位置を確定するように型キャビティ内に位置決めされる内部芯材を備えるとともに、少なくとも第1の材料と第2の材料から形成され、内部に内部芯材が配置される中空構造も備える。部品が型で形成されるときに第2の材料が内部通路に沿って選択的に配置されるように、第2の材料は、付加製造法などによって中空構造内に戦略的に分布される。例えば、限定するつもりはないが、第2の材料は、内部通路に沿って配置されたタービュレータ用に腐食防止コーティングを提供するか、又は内部通路の形状に関連する応力集中を構造的に補強するように選択的に配置される。ほんの一例として、比較的低強度の部品材料は、部品の大部分に対する強度要件を満たし、部品にとってより優れた全体的な熱性能を提供するように選択され、また、内部通路に近い場所に第2の材料を選択的に付加することによって、熱性能が比較的重要ではない領域において必要に応じて局所強度を向上させることができる。
【0087】
また、特に、第1の材料と第2の材料は、部品を形成するために型キャビティに導入される溶融した部品材料によってそれぞれ少なくとも部分的に吸収可能である。したがって、中空構造の使用が、部品の構造特性又は性能特性を阻害することはなく、内部通路を形成するべく、後に部品から内部芯材材料を除去することを妨げることはない。
【0088】
本書に記載の方法、システム及び装置の例示の技術的効果には、(a)内部通路が画成された部品を形成する際に使用される芯材の形成、取り扱い、輸送及び/又は貯蔵に関連する脆性の問題を軽減又は解消すること、及び(b)非線形及び/又は複雑な形状を有し、及び/又は高いL/d比率を特徴とする内部通路の場合でさえ、部品が型で形成されるときに第2の材料を内部通路に沿って確実かつ繰り返し可能に選択的に配置可能であることの少なくとも一方が含まれる。
【0089】
被覆芯材の例示の実施形態を詳細に上述した。被覆芯材並びにそのような被覆芯材を使用する方法及びシステムは、本書に記載の特定の実施形態に限定されず、より正確に言えば、システムの構成要素及び/又は方法の工程が本書に記載の他の構成要素及び/又は工程から独立して別に利用されてもよい。例えば、例示の実施形態は、型アセンブリ内で芯材を使用するように現在構成されている多数の他の用途に関して実行及び利用可能である。
【0090】
本開示の様々な実施形態の具体的な特徴を一部の図面では示し、他の図面では示していないが、便宜上の理由に過ぎない。本開示の原理に従って、一図面のいかなる特徴も他のあらゆる図面のあらゆる特徴と組合せて参照及び/又は権利主張することができる。
【0091】
本書面の記述は、最良の形態を含む実施形態を開示するとともに、当業者が、あらゆる装置又はシステムを製造及び使用し、あらゆる組み込まれた方法を実行することも含め、実施形態を実施できるようにするために実施例を用いている。本開示の特許性のある範囲は、特許請求の範囲に規定されているが、当業者が想到する他の実施例も包含し得る。そのような他の実施例が特許請求の範囲の文字通りの文言と相違しない構造的要素を有する場合、又は特許請求の範囲の文字通りの文言とごくわずかに相違する構造的要素を備えている場合には、特許請求の範囲に包含されるものとする。
[実施態様1]
内部通路(82)が画成された部品(80)を形成する方法(1900)であって、
少なくとも第1の材料(322)と第2の材料(362)から形成された中空構造(320)と、中空構造(320)の内部に配置された内部芯材(324)とを備えた被覆芯材(310)を型(300)に対して位置決めする工程(1902)と、
溶融状態の部品材料(78)を型(300)のキャビティ(304)に導入する工程(1904)と、
キャビティ(304)内の部品材料(78)を冷却して部品(80)を形成する工程(1906)を含み、
内部芯材(324)が部品(80)内に内部通路(82)を画成する方法(1900)。
[実施態様2]
部品材料(78)をキャビティ(304)に導入する工程(1904)は、部品(80)が形成された後に、内部芯材(324)に近い第2の材料(362)の濃度が部品(80)内に内部通路(82)を画成する内壁(100)の少なくとも一部に沿った第2の材料(362)に関連する1以上の材料特性を証明するのに十分な濃度になるように部品材料(78)を導入する工程(1908)を含む、実施態様1に記載の方法(1900)。
[実施態様3]
部品材料(78)をキャビティ(304)に導入する工程(1904)は、部品(80)が形成された後に、第2の材料(362)が部品(80)内に内部通路(82)を画成する内壁(100)の少なくとも一部を覆うように部品材料(78)を導入する工程(1910)を含む、実施態様1に記載の方法(1900)。
[実施態様4]
被覆芯材(310)を位置決めする工程(1902)は、第2の材料(362)が(i)酸化抑制材料、(ii)腐食抑制材料、(iii)炭素付着抑制材料、(iv)断熱材料、(v)防湿材料、(vi)摩耗抑制材料及び(vii)部品(80)が形成されたときに内部通路(82)に沿う部品(80)の構造強度を増大させる材料のうちの少なくとも1つから選択された、被覆芯材(310)を位置決めする工程(1912)を含む、実施態様1に記載の方法(1900)。
[実施態様5]
被覆芯材(310)を位置決めする工程(1902)は、第2の材料(362)が第1の材料(322)の径方向内側で中空構造(320)の内側部分(360)の1以上の所定の第1の長手方向部分(354)上に広がる、被覆芯材(310)を位置決めする工程(1914)を含む、実施態様1に記載の方法(1900)。
[実施態様6]
被覆芯材(310)を位置決めする工程(1914)は、第1の材料(322)と、第2の材料(362)と、第3の材料(372)とから形成された中空構造(320)を備えた被覆芯材(310)を位置決めする工程(1916)を含み、第3の材料(372)は、第1の材料(322)の径方向内側で中空構造(320)の内側部分(360)の1以上の所定の第2の長手方向部分(356)上に広がる、実施態様5に記載の方法(1900)。
[実施態様7]
中空構造(320)の内側部分(360)が第2の材料(362)から少なくとも部分的に形成され、内側部分(360)は内部通路(82)の1以上の内部通路特徴(98)を画成するように成形され、部品材料(78)をキャビティ(304)に導入する工程(1904)は、部品(80)が形成された後に、第2の材料(362)が1以上の内部通路特徴(98)の少なくとも一部を形成するように部品材料(78)を導入する工程(1918)を含む、実施態様1に記載の方法(1900)。
[実施態様8]
内部通路(82)の形状が部品(80)内の1以上の応力集中領域(102)を明らかにしており、1以上の応力集中領域(102)に対応する中空構造(320)の少なくとも一部分(358)が第2の材料(362)から少なくとも部分的に形成され、部品材料(78)をキャビティ(304)に導入する工程(1904)は、部品(80)が形成された後に、第2の材料(362)が1以上の応力集中領域(102)の少なくとも一部を形成するように部品材料(78)を導入する工程(1920)を含む、実施態様1に記載の方法(1900)。
[実施態様9]
被覆芯材(310)を位置決めする工程(1902)は、付加製造法を用いてそれぞれ形成された複数の層(366、368、370)を備えた中空構造(320)を備える被覆芯材(310)を位置決めする工程(1922)を含む、実施態様1に記載の方法(1900)。
[実施態様10]
付加製造法を使用して(1926)中空構造(320)を形成する工程(1924)をさらに含む、実施態様1に記載の方法(1900)。
[実施態様11]
付加製造法を使用する工程(1926)は、第1の材料(322)及び第2の材料(362)のそれぞれを交互に積層して中空構造(320)の複数の層(366、368、370)のそれぞれに第1の材料(322)と第2の材料(362)の定められた分布を生じさせる工程(1928)を含む、実施態様10に記載の方法(1900)。
[実施態様12]
付加製造法を使用する工程(1926)は、直接金属レーザー溶融(DMLM)法、直接金属レーザー焼結(DMLS)法、選択的レーザー焼結(SLS)法、電子ビーム溶融(EBM)法、選択的レーザー溶融(SLM)法及びロボキャスティング押出し式付加法の少なくとも1つを使用する工程(1930)を含む、実施態様10に記載の方法(1900)。
[実施態様13]
内部通路(82)が画成された部品(80)を形成する際に使用される型アセンブリ(301)であって、
内部に型キャビティ(304)を画成している型(300)と、
少なくとも第1の材料(322)と第2の材料(362)から形成された中空構造(320)と、溶融状態の部品材料(78)が型キャビティ(304)に導入され、冷却されて部品(80)が形成されるときに部品(80)内に内部通路(82)を画成するように中空構造(320)内に配置された内部芯材(324)とを備え、型(300)に対して位置決めされた被覆芯材(310)とを備えた型アセンブリ(301)。
[実施態様14]
第2の材料(362)が(i)酸化抑制材料、(ii)腐食抑制材料、(iii)炭素付着抑制材料、(iv)断熱材料、(v)防湿材料、(vi)摩耗抑制材料及び(vii)部品(80)が形成されたときに内部通路(82)に沿う部品(80)の構造強度を増大させる材料のうちの少なくとも1つから選択されている、実施態様13に記載の型アセンブリ(301)。
[実施態様15]
第2の材料(362)が第1の材料(322)の径方向内側で中空構造(320)の内側部分(360)の1以上の所定の第1の長手方向部分(354)上に広がる、実施態様13に記載の型アセンブリ(301)。
[実施態様16]
中空構造(320)が第1の材料(322)と、第2の材料(362)と、第3の材料(372)とから形成され、第3の材料(372)が、第1の材料(322)の径方向内側で中空構造(320)の内側部分(360)の1以上の所定の第2の長手方向部分(356)上に広がる、実施態様13に記載の型アセンブリ(301)。
[実施態様17]
中空構造(320)が第2の材料(362)から少なくとも部分的に形成された内側部分(360)を備え、該内側部分(360)は、部品(80)が形成されたときに内部通路(82)の1以上の内部通路特徴(98)を画成するように成形されている、実施態様13に記載の型アセンブリ(301)。
[実施態様18]
内部通路(82)の形状が部品(80)内の1以上の応力集中領域(102)を明らかにしており、1以上の応力集中領域(102)に対応する中空構造(320)の少なくとも一部分(358)が第2の材料(362)から少なくとも部分的に形成されている、実施態様13に記載の型アセンブリ(301)。
[実施態様19]
第2の材料(362)が、
第1の材料(322)よりも比較的高強度の材料と、
部品材料(78)及び第1の材料(322)の少なくとも一方と相乗的に接合して部品材料(78)及び第1の材料(322)の少なくとも一方の構造強度特性を向上させる能力を有する材料のうちの少なくとも一方である、実施態様13に記載の型アセンブリ(301)。
[実施態様20]
中空構造(320)は、付加製造法を用いてそれぞれ形成された複数の層(366、368、370)を備えている、実施態様13に記載の型アセンブリ(301)。