(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ブロックポリマー(A)を構成する(a)のブロックと、(b)のブロックの重量比[(a)/(b)]が、10/90〜80/20である請求項1記載の消臭用熱可塑性樹脂組成物。
前記消臭無機フィラー(B)が、無機水酸化物(B1)、無機酸化物(B2)、無機リン酸塩(B3)および無機複合酸化物(B4)からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜5のいずれか記載の消臭用熱可塑性樹脂組成物。
【発明を実施するための形態】
【0007】
<ポリマー(a)>
本発明におけるポリマー(a)は、1×10
11Ω・cmを超える体積固有抵抗値を有する。該ポリマー(a)は、具体的には、ポリアミド(a1)、ポリオレフィン(a2)及びポリアミドイミド(a3)等が挙げられ、これらは2種以上を併用してもよい。
上記(a)のうち、分散性(消臭無機フィラーの分散特性)の観点から好ましいのは、ポリアミド(a1)及びポリオレフィン(a2)、さらに好ましいのはポリオレフィン(a2)である。
なお、本発明における体積固有抵抗値は、ASTM D257(1984年)に準拠し、23℃、50%RHの雰囲気下で測定して得られた数値のことである。
【0008】
ポリアミド(a1)としては、アミド形成性モノマー(α)を開環重合又は重縮合したもの、及びジアミン(β)とジカルボン酸(γ)の重縮合物等が挙げられる。
【0009】
アミド形成性モノマー(α)としては、ラクタム(α1−1)及びアミノカルボン酸(α1−2)等が挙げられる。
ラクタム(α1−1)としては、炭素数4〜20のラクタム(カプロラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタム及びウンデカノラクタム等)等が挙げられる。
アミノカルボン酸(α1−2)としては、炭素数2〜20のアミノカルボン酸(ω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカプリル酸、ω−アミノペラルゴン酸、ω−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸及びこれらの混合物等)等が挙げられる。
ジアミン(β)としては、炭素数2〜20の脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1,18−オクタデカンジアミン及び1,20−エイコサンジアミン等)、炭素数5〜20の脂環式ジアミン[1,3−又は1,4−シクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、4,4’−ジアミノシクロヘキシルメタン及び2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン等]、炭素数6〜20の芳香族ジアミン[p−フェニレンジアミン、2,4−又は2,6−トルイレンジアミン及び2,2−ビス(4,4’−ジアミノフェニル)プロパン、p−又はm−キシリレンジアミン、ビス(アミノエチル)ベンゼン、ビス(アミノプロピル)ベンゼン及びビス(アミノブチル)ベンゼン等]等が挙げられる。
【0010】
ジカルボン酸(γ)としては、炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、マレイン酸、フマル酸及びイタコン酸等)、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、2,6−又は2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、トリレンジカルボン酸、キシリレンジカルボン酸及び5−スルホイソフタル酸アルカリ金属塩等)、炭素数5〜20の脂環式ジカルボン酸(シクロプロパンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸、ジシクロヘキシル−4,4’−ジカルボン酸及びショウノウ酸等)等が挙げられる。
【0011】
ポリアミド(a1)の具体的としては、ナイロン6,6、ナイロン6,9、ナイロン6,12、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン4,6、ナイロン6とナイロン6,6の共重合物、ナイロン6とナイロン12の共重合物、及びナイロン6とナイロン6,6とナイロン12の共重合物等が挙げられる。
【0012】
ポリオレフィン(a2)としては、カルボキシル基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a2−1)、水酸基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a2−2)、アミノ基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a2−3)及びイソシアネート基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a2−4)、カルボキシル基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a2−5)、水酸基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a2−6)、アミノ基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a2−7)、及びイソシアネート基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a2−8)等が挙げられる。
これらのうち好ましいのは、末端にカルボキシル基を有する(a2−1)及び(a2−5)である。
なお、本発明における末端とは、ポリマーを構成するモノマー単位の繰り返し構造が途切れる終端部を意味する。また、両末端とは、ポリマーの主鎖における両方の末端を意味し、片末端とは、ポリマーの主鎖におけるいずれか一方の末端を意味する。
【0013】
(a2−1)としては、両末端が変性可能なポリオレフィンを主成分(好ましくは含有率50重量%以上、更に好ましくは75重量%以上、特に好ましくは80〜100重量%)とするポリオレフィン(a2−01)の両末端にカルボキシル基を導入したもの;(a2−2)としては、(a2−01)の両末端に水酸基を導入したもの;(a2−3)としては、(a2−01)の両末端にアミノ基を導入したもの;並びに、(a2−4)としては、(a2−01)の両末端にイソシアネート基を導入したものをそれぞれ用いることができる。
【0014】
(a2−5)〜(a2−8)としては、ポリオレフィン(a2−01)に代えて、片末端が変性可能なポリオレフィンを主成分(好ましくは含有率50重量%以上、更に好ましくは75重量%以上、特に好ましくは80〜100重量%)とするポリオレフィン(a2−02)の片末端に、カルボキシル基、水酸基、アミノ基又はイソシアネート基をそれぞれ導入したものを用いることができる。
【0015】
両末端が変性可能なポリオレフィンを主成分とするポリオレフィン(a2−01)には、炭素数2〜30(好ましくは2〜12、更に好ましくは2〜10)のオレフィンの1種又は2種以上の混合物の(共)重合[(共)重合は、重合又は共重合を意味する。以下同様。]によって得られるポリオレフィン(重合法)及び減成されたポリオレフィン{高分子量[好ましくは数平均分子量(以下Mnと略記する。)50,000〜150,000]ポリオレフィンを機械的、熱的又は化学的に減成してなるもの(減成法)}が含まれる。
これらのうち、カルボキシル基、水酸基、アミノ基又はイソシアネート基を導入する際の変性のし易さ及び入手のし易さの観点から好ましいのは、減成されたポリオレフィン(減成ポリオレフィン)であり、更に好ましいのは熱減成されたポリオレフィン(熱減成ポリオレフィン)である。
前記熱減成によれば、後述のとおり1分子当たりの平均末端二重結合数が1.5〜2個の低分子量ポリオレフィンが容易に得られ、前記低分子量ポリオレフィンはカルボキシル基、水酸基、アミノ基又はイソシアネート基等を導入して変性することが容易である。
【0016】
本発明におけるポリマーのMnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件で測定することができる。
装置(一例):「HLC−8120」[東ソー(株)製]
カラム(一例):「TSKgelGMHXL」(2本)
「TSKgelMultiporeHXL−M」(1本)
試料溶液:0.3重量%のオルトジクロロベンゼン溶液
溶液注入量:100μl
流量:1ml/分
測定温度:135℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量:500、1,050、2,800、5,970、9,100、18,100、37,900、96,400、190,000、355,000、1,090,000、2,890,000)[東ソー(株)製]
【0017】
熱減成されたポリオレフィンとしては特に限定されないが、高分子量ポリオレフィンを、不活性ガス中で加熱して得られたもの(300〜450℃で0.5〜10時間、例えば特開平3−62804号公報に記載の方法で得られたもの)、及び空気中で加熱することにより熱減成されたもの等が挙げられる。
【0018】
前記熱減成法に用いられる高分子量ポリオレフィンとしては、炭素数2〜30(好ましくは2〜12、更に好ましくは2〜10)のオレフィンの1種又は2種以上の混合物の(共)重合体[Mnは好ましくは12,000〜100,000、更に好ましくは15,000〜70,000。メルトフローレート(以下MFRと略記する。単位はg/10min)は好ましくは0.5〜150、更に好ましくは1〜100。]等が挙げられる。
ここでMFRとは、樹脂の溶融粘度を表す数値であり、数値が大きいほど溶融粘度が低いことを表す。MFRの測定には、JIS K6760で定められた押出し形プラストメータを用い、測定方法はJIS K7210(1976年)で規定した方法に準拠する。例えばポリプロピレンの場合は、230℃、荷重2.16kgfの条件で測定される。
炭素数2〜30のオレフィンとしては、炭素数2〜30のα−オレフィン及び炭素数4〜30のジエンが挙げられる。
炭素数2〜30のα−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−イコセン及び1−テトラコセン等が挙げられる。
炭素数4〜30のジエンとしては、ブタジエン、イソプレン、シクロペンタジエン及び1,11−ドデカジエン等が挙げられる。
炭素数2〜30のオレフィンのうち、分子量制御の観点から好ましいのは、エチレン、プロピレン、炭素数4〜12のα−オレフィン、ブタジエン、イソプレン及びこれらの混合物であり、更に好ましいのは、エチレン、プロピレン、炭素数4〜10のα−オレフィン、ブタジエン及びこれらの混合物、特に好ましいのはエチレン、プロピレン、ブタジエン及びこれらの混合物である。
【0019】
ポリオレフィン(a2−01)のMnは、後述する成形品の分散性の観点から、好ましくは800〜20,000であり、更に好ましくは1,000〜10,000、特に好ましくは1,200〜6,000である。
(a2−01)中の末端二重結合の数は、成形品の分散性の観点から好ましくは炭素数1,000個当たり1〜40個であり、更に好ましくは2〜30個、特に好ましくは4〜20個である。
【0020】
(a2−01)1分子当たりの末端二重結合の平均数は、分子中の繰り返し構造のとりやすさ、成形品の分散性及び後述するブロックポリマー(A)の熱可塑性の観点から、好ましくは1.1〜5個であり、更に好ましくは1.3〜3個、特に好ましくは1.5〜2.5個、最も好ましくは1.8〜2.2個である。
【0021】
熱減成法により低分子量ポリオレフィンを得る方法を用いると、Mn800〜6,000の範囲で、1分子当たりの末端二重結合の平均数が1.5〜2個の(a2−01)が容易に得られる[村田勝英、牧野忠彦、日本化学会誌、192頁(1975)]。
【0022】
片末端が変性可能なポリオレフィンを主成分とするポリオレフィン(a2−02)は、(a2−01)と同様にして得ることができ、(a2−02)のMnは、後述する成形品の分散性の観点から、好ましくは2,000〜50,000であり、更に好ましくは2,500〜30,000、特に好ましくは3,000〜20,000である。
(a2−02)の炭素数1,000個当たりの二重結合数は、成形品の分散性及びブロックポリマー(A)の分子量制御の観点から、好ましくは0.3〜20個であり、更に好ましくは0.5〜15個、特に好ましくは0.7〜10個である。
【0023】
(a2−02)1分子当たりの二重結合の平均数は、分子中の繰り返し構造のとりやすさ、成形品の分散性及び後述するブロックポリマー(A)の熱可塑性の観点から、好ましくは0.5〜1.4であり、更に好ましくは0.6〜1.3、特に好ましくは0.7〜1.2、最も好ましくは0.8〜1.1である。
(a2−02)のうち、変性のしやすさの観点から好ましいのは、熱減成法により得られた低分子量ポリオレフィンであり、更に好ましいのは、熱減成法により得られたMnが3,000〜20,000のポリエチレン及び/又はポリプロピレンである。
熱減成法により低分子量ポリオレフィンを得る方法を用いると、Mnが6,000〜30,000の範囲で、1分子当たりの末端二重結合の平均数が1〜1.5個の(a2−02)が得られる。
熱減成法で得られた低分子量ポリオレフィンは、前記末端二重結合の平均数を有することから、カルボキシル基、水酸基、アミノ基又はイソシアネート基等を導入して変性することが容易である。
【0024】
なお、(a2−01)及び(a2−02)は、例えばこれらの混合物として得られるが、混合物をそのまま使用してもよく、精製分離してから使用してもよい。これらのうち、製造コスト等の観点から好ましいのは、混合物である。
【0025】
以下、ポリオレフィン(a2−01)の両末端にカルボキシル基、水酸基、アミノ基又はイソシアネート基を有する(a2−1)〜(a2−4)について説明するが、ポリオレフィン(a2−02)の片末端にこれらの基を有する(a2−5)〜(a2−8)については、(a2−01)を(a2−02)に置き換えたものについて、(a2−1)〜(a2−4)と同様にして得ることができる。
【0026】
カルボキシル基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a2−1)としては、(a2−01)の末端をα,β−不飽和カルボン酸(無水物)(α,β−不飽和カルボン酸、そのアルキル(炭素数1〜4)エステル又はその無水物を意味する。以下同様。)で変性した構造を有するポリオレフィン(a2−1−1)、(a2−1−1)をラクタム又はアミノカルボン酸で二次変性した構造を有するポリオレフィン(a2−1−2)、(a2−01)を酸化又はヒドロホルミル化により変性した構造を有するポリオレフィン(a2−1−3)、(a2−1−3)をラクタム又はアミノカルボン酸で二次変性した構造を有するポリオレフィン(a2−1−4)及びこれらの2種以上の混合物等が使用できる。
【0027】
(a2−1−1)は、(a2−01)をα,β−不飽和カルボン酸(無水物)で変性することにより得ることができる。
変性に用いられるα,β−不飽和カルボン酸(無水物)としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸、モノ又はジカルボン酸のアルキル(炭素数1〜4)エステル及びモノ又はジカルボン酸の無水物が挙げられ、具体的には(メタ)アクリル酸[(メタ)アクリル酸はアクリル酸又はメタアクリル酸を意味する。以下同様。]、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、マレイン酸(無水物)、マレイン酸ジメチル、フマル酸、イタコン酸(無水物)、イタコン酸ジエチル及びシトラコン酸(無水物)等が挙げられる。
これらのうち、変性の容易さの観点から好ましいのは、ジカルボン酸、モノ又はジカルボン酸のアルキルエステル及びモノ又はジカルボン酸の無水物であり、更に好ましいのは、マレイン酸(無水物)及びフマル酸、特に好ましいのはマレイン酸(無水物)である。
【0028】
変性に使用するα,β−不飽和カルボン酸(無水物)の量は、ポリオレフィン(a2−01)の重量に基づき、分子中の繰り返し構造のとりやすさ、成形品の分散性及び後述する熱可塑性樹脂組成物へのブロックポリマー(A)の分散性の観点から、好ましくは0.5〜40重量%であり、更に好ましくは1〜30重量%、特に好ましくは2〜20重量%である。
α,β−不飽和カルボン酸(無水物)による変性は、例えば、(a2−01)の末端二重結合に、溶液法又は溶融法のいずれかの方法で、α,β−不飽和カルボン酸(無水物)を付加反応(エン反応)させることにより行うことができ、反応温度は、好ましくは170〜230℃である。
【0029】
(a2−1−1)は、(a2−1)をラクタム又はアミノカルボン酸で二次変性することにより得ることができる。
二次変性に用いるラクタムとしては、炭素数6〜12(好ましくは6〜8、更に好ましくは6)のラクタム等が挙げられ、具体的には、カプロラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタム及びウンデカノラクタム等が挙げられる。
アミノカルボン酸としては、炭素数2〜12(好ましくは4〜12、更に好ましくは6〜12)のアミノカルボン酸等が挙げられ、具体的には、アミノ酸(グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン及びフェニルアラニン等)、ω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカプリル酸、ω−アミノペルゴン酸、ω−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸及び12−アミノドデカン酸等が挙げられる。
ラクタム及びアミノカルボン酸のうち好ましいのは、カプロラクタム、ラウロラクタム、グリシン、ロイシン、ω−アミノカプリル酸、11−アミノウンデカン酸及び12−アミノドデカン酸であり、更に好ましいのは、カプロラクタム、ラウロラクタム、ω−アミノカプリル酸、11−アミノウンデカン酸及び12−アミノドデカン酸、特に好ましいのはカプロラクタム及び12−アミノドデカン酸である。
【0030】
二次変性に用いるラクタム又はアミノカルボン酸の使用量は、被変性物(a2−1)の重量に基づいて、分子中の繰り返し構造のとりやすさ、成形品の分散性及びブロックポリマー(A)の熱可塑性の観点から、好ましくは0.5〜200重量%であり、更に好ましくは1〜150重量%、特に好ましくは2〜100重量%である。
【0031】
(a2−3)は、(a2−01)を酸素及び/又はオゾンにより酸化する方法(酸化法)、又はオキソ法によるヒドロホルミル化によりカルボキシル基を導入することにより得ることができる。
酸化法によるカルボニル基の導入は、公知の方法、例えば米国特許第3,692,877号明細書記載の方法で行うことができる。ヒドロホルミル化によるカルボニル基の導入は、公知を含む種々の方法、例えば、Macromolecules、VOl.31、5943頁記載の方法で行うことができる。
(a2−4)は、(a2−3)をラクタム又はアミノカルボン酸で二次変性することにより得ることができる。
ラクタム及びアミノカルボン酸としては、前記(a2−1)の二次変性に用いられるラクタム及びアミノカルボン酸として例示されたものと同様のものが挙げられ、好ましい範囲、使用量も同様である。
【0032】
(a2−1)のMnは、耐熱性及び後述するポリマー(b)との反応性の観点から、好ましくは800〜25,000であり、更に好ましくは1,000〜20,000、特に好ましくは2,500〜10,000である。
また、(a2−1)の酸価は、(b)との反応性及びブロックポリマー(A)の熱可塑性の観点から、好ましくは4〜280mgKOH/g、更に好ましくは4〜100mgKOH/g、特に好ましくは5〜50mgKOH/gである。
【0033】
水酸基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a2−2)としては、前記カルボキシル基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a2−1)を水酸基を有するアミンで変性したヒドロキシル基を有するポリオレフィン及びこれらの2種以上の混合物が使用できる。
変性に使用できる水酸基を有するアミンとしては、炭素数2〜10の水酸基を有するアミンが挙げられ、具体的には2−アミノエタノール、3−アミノプロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、4−アミノブタノール、5−アミノペンタノール、6−アミノヘキサノール及び3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノールが挙げられる。
これらのうち、変性の容易さの観点から好ましいのは、炭素数2〜6の水酸基を有するアミン(2−アミノエタノール、3−アミノプロパノール、4−アミノブタノール、5−アミノペンタノール及び6−アミノヘキサノール等)であり、更に好ましいのは2−アミノエタノール及び4−アミノブタノール、特に好ましいのは2−アミノエタノールである。
【0034】
変性に用いる水酸基を有するアミンの量は、被変性物(a2−1)の重量に基づいて、分子中の繰り返し構造のとりやすさ、成形品の分散性及び後述する熱可塑性樹脂組成物へのブロックポリマー(A)の分散性、成形品の機械物性の観点から、好ましくは、0.5〜50重量%であり、更に好ましくは1〜40重量%、特に好ましくは2〜30重量%である。
(a2−2)のMnは、耐熱性及び後述するポリマー(b)との反応性の観点から、好ましくは800〜25,000であり、更に好ましくは1,000〜20,000、特に好ましくは2,500〜10,000である。
(a2−2)の水酸基価は、(b)との反応性及びブロックポリマー(A)の熱可塑性の観点から、好ましくは4〜280mgKOH/gであり、更に好ましくは4〜100mgKOH/g、特に好ましくは5〜50mgKOH/gである。
【0035】
アミノ基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a2−3)としては、前記カルボキシル基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a2−1)を、ジアミン(Q1)で変性したアミノ基を有するポリオレフィン及びこれらの2種以上の混合物が使用できる。
ジアミン(Q1)としては、炭素数2〜12のジアミン等が使用でき、具体的には、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン及びデカメチレンジアミン等が挙げられる。
これらのうち、変性の容易さの観点から好ましいのは、炭素数2〜8のジアミン(エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン及びオクタメチレンジアミン等)であり、更に好ましいのはエチレンジアミン及びヘキサメチレンジアミン、特に好ましいのはエチレンジアミンである。
【0036】
(a2−1)の変性に用いる(Q1)の量は、分子中の繰り返し構造のとりやすさ、成形品の分散性及び熱可塑性樹脂組成物へのブロックポリマー(A)の分散性、成形品の機械物性の観点から、(a2−1)の重量に基づいて、好ましくは0.5〜50重量%であり、更に好ましくは1〜40重量%、特に好ましくは2〜30重量%である。
なお、(Q1)による(a2−1)の変性は、ポリアミド(イミド)化を防止する観点から、(a2−1)の重量に基づいて、好ましくは0.5〜1,000重量%、更に好ましくは1〜500重量%、特に好ましくは2〜300重量%の(Q1)を使用した後、未反応の(Q1)を減圧下、120〜230℃で除去する方法が好ましい。
【0037】
(a2−3)のMnは、耐熱性及び後述するポリマー(b)との反応性の観点から、好ましくは800〜25,000であり、更に好ましくは1,000〜20,000、特に好ましくは2,500〜10,000である。
(a2−3)のアミン価は、(b)との反応性及びブロックポリマー(A)の熱可塑性の観点から、好ましくは4〜280mgKOH/gであり、更に好ましくは4〜100mgKOH/g、特に好ましくは5〜50mgKOH/gである。
【0038】
イソシアネート基を両末端に有するポリオレフィン(a2−4)としては、(a2−2)をポリ(2〜3又はそれ以上)イソシアネート(以下PIと略記する。)で変性したイソシアネート基を有するポリオレフィン及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
PIとしては、炭素数(NCO基中の炭素原子を除く、以下同様。)6〜20の芳香族PI、炭素数2〜18の脂肪族PI、炭素数4〜15の脂環式PI、炭素数8〜15の芳香脂肪族PI、これらのPIの変性体及びこれらの2種以上の混合物が含まれる。
【0039】
芳香族PIとしては、1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン及び1,5−ナフチレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0040】
脂肪族PIとしては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート及び2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等が挙げられる。
【0041】
脂環式PIとしては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート及び2,5−又は2,6−ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
【0042】
芳香脂肪族PIとしては、m−又はp−キシリレンジイソシアネート(XDI)及びα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等が挙げられる。
【0043】
PIの変性体としては、ウレタン変性体、ウレア変性体、カルボジイミド変性体及びウレトジオン変性体等が挙げられる。
PIのうち好ましいのは、TDI、MDI及びHDIであり、更に好ましいのはHDIである。
【0044】
PIと(a2−2)との反応は、例えばウレタン化反応と同様の方法で行うことができる。
PIと(a2−2)とのモル当量比(NCO/OH)は、好ましくは1.8/1〜3/1であり、更に好ましくは2/1である。
ウレタン化反応を促進するために、必要によりウレタン化反応に用いられる公知の触媒を使用してもよい。触媒としては、金属触媒{錫触媒[ジブチルチンジラウレート及びスタナスオクトエート等]、鉛触媒[2−エチルヘキサン酸鉛及びオクテン酸鉛等]、その他の金属触媒[ナフテン酸金属塩(ナフテン酸コバルト等)及びフェニル水銀プロピオン酸塩等]};アミン触媒{トリエチレンジアミン、ジアザビシクロアルケン〔1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7等〕、ジアルキルアミノアルキルアミン(ジメチルアミノエチルアミン及びジメチルアミノオクチルアミン等)、複素環式アミノアルキルアミン[2−(1−アジリジニル)エチルアミン及び4−(1−ピペリジニル)−2−ヘキシルアミン等]の炭酸塩又は有機酸(ギ酸等)塩、N−メチル又はエチルモルホリン、トリエチルアミン及びジエチル−又はジメチルエタノールアミン等};及びこれらの2種以上の併用系が挙げられる。
触媒の使用量は、PI及び(a2−2)の合計重量に基づいて、好ましくは3重量%以下であり、好ましくは0.001〜2重量%である。
【0045】
(a2−4)のMnは、耐熱性及び後述するポリマー(b)との反応性の観点から、好ましくは800〜25,000であり、更に好ましくは1,000〜20,000、特に好ましくは2,500〜10,000である。
【0046】
ポリアミドイミド(a3)としては、前記アミド形成性モノマー(α)と、(α)と少なくとも1個のイミド環を形成し得る3価又は4価の芳香族ポリカルボン酸若しくはその無水物(δ)を構成単量体とする重合体、及びこれらの混合物が含まれる。
【0047】
(δ)としては、3価カルボン酸[単環3価カルボン酸(トリメリット酸等)、多環3価カルボン酸(1,2,5−又は2,6,7−ナフタレントリカルボン酸、3,3’,4−ビフェニルトリカルボン酸、ベンゾフェノン−3,3’,4−トリカルボン酸、ジフェニルスルホン−3,3’,4−トリカルボン酸及びジフェニルエーテル−3,3’,4−トリカルボン酸等)及びこれらの無水物]及び4価カルボン酸[単環4価カルボン酸(ピロメリット酸等)、多環4価カルボン酸(ビフェニル−2,2’,3,3’−テトラカルボン酸、ベンゾフェノン−2,2’,3,3’−テトラカルボン酸、ジフェニルスルホン−2,2’,3,3’−テトラカルボン酸及びジフェニルエーテル−2,2’,3,3’−テトラカルボン酸等)、及びこれらの無水物]が挙げられる。
【0048】
ポリアミドイミド(a3)の製造法としては、ポリアミド(a1)の場合と同様に、前記ジアミン(β)及び前記ジカルボン酸(γ)のうちから選ばれる1種又は2種以上を分子量調整剤として使用し、その存在下に前記アミドイミド形成性モノマーを開環重合又は重縮合させる方法が挙げられる。
分子量調整剤の使用量は、アミドイミド形成性モノマー及び分子量調整剤の合計重量に基づいて、分散性及び成形品の耐熱性の観点から、好ましくは2〜80重量%であり、更に好ましくは4〜75重量%である。
【0049】
(a3)のMnは、成形性及び分散剤の製造上の観点から、好ましくは200〜5,000であり、更に好ましくは500〜4,000である。
【0050】
ポリマー(a)のMnは、ブロックポリマー(A)の分散性、成形品の機械物性の観点から、好ましくは200〜25,000であり、更に好ましくは500〜25,000、特に好ましくは2,000〜25,000である。
【0051】
<ポリマー(b)>
本発明におけるポリマー(b)は、1×10
5〜1×10
11Ω・cmの体積固有抵抗値を有し、さらに好ましくは1×10
6〜1×10
9Ω・cmであり、とくに好ましくは1×10
6〜1×10
8Ω・cmである。
体積固有抵抗値が1×10
5Ω・cm未満のものは実質的に入手が困難であり、1×10
11Ω・cmを超えると後述する成形品の分散性が低下する。
ポリマー(b)は、具体的には、ポリエーテル(b1)、ポリエーテル含有ポリマー(b2)、カチオン性ポリマー(b3)及びアニオン性ポリマー(b4)等が挙げられる。
【0052】
ポリエーテル(b1)としては、ポリエーテルジオール(b1−1)、ポリエーテルジアミン(b1−2)及びこれらの変性物(b1−3)が挙げられる。
ポリエーテルジオール(b1−1)としては、ジオール(b0)にアルキレンオキサイド(以下AOと略記する。)を付加反応させることにより得られるものが挙げられ、具体的には一般式(1)で表されるものが挙げられる。
H−(OR
1)
m−O−E
1−O−(R
2O)
n−H (1)
一般式(1)におけるE
1は、ジオール(b0)からすべての水酸基を除いた残基である。
【0053】
ジオール(b0)としては、炭素数2〜12の脂肪族2価アルコール、炭素数5〜12の脂環式2価アルコール、炭素数6〜18の芳香族2価アルコール及び3級アミノ基含有ジオール等が挙げられる。
炭素数2〜12の脂肪族2価アルコールとしては、エチレングリコール(以下EGと略記する。)、1,2−プロピレングリコール(以下PGと略記する。)、1,4−ブタンジオール(以下1,4−BDと略記する。)、1,6−ヘキサンジオール(以下1,6−HDと略記する。)、ネオペンチルグリコール(以下NPGと略記する。)及び1,12−ドデカンジオールが挙げられる。
炭素数5〜12の脂環式2価アルコールとしては、1,4−ジ(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン及び1,5−ジ(ヒドロキシメチル)シクロヘプタン等が挙げられる。
炭素数6〜18の芳香族2価アルコールとしては、単環芳香族2価アルコール(キシリレンジオール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、ウルシオール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタン及びジヒドロキシビフェニル等)及び多環芳香族2価アルコール(ジヒドロキシナフタレン及びビナフトール等)等が挙げられる。
【0054】
3級アミノ基含有ジオールとしては、炭素数1〜12の脂肪族又は脂環式1級アミン(メチルアミン、エチルアミン、シクロプロピルアミン、1−プロピルアミン、2−プロピルアミン、ペンチルアミン、イソペンチルアミン、シクロペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン及びドデシルアミン等)のビスヒドロキシアルキル化物及び炭素数6〜12の芳香族1級アミン(アニリン及びベンジルアミン等)のビスヒドロキシアルキル化物が挙げられる。
これらのうち、ビスヒドロキシアルキル化物との反応性の観点から好ましいのは、炭素数2〜12の脂肪族2価アルコール及び炭素数6〜18の芳香族2価アルコールであり、更に好ましいのはEG及びビスフェノールAである。
【0055】
一般式(1)におけるR
1及びR
2は、それぞれ独立に炭素数2〜4のアルキレン基である。炭素数2〜4のアルキレン基としては、エチレン基、1,2−又は1,3−プロピレン基及び1,2−、1,3−、1,4−又は2,3−ブチレン基等が挙げられる。
一般式(1)におけるm及びnは、それぞれ独立に1〜300の数であり、好ましくは2〜250、更に好ましくは10〜100である。
一般式(1)におけるm、nがそれぞれ2以上の場合のR
1、R
2は、同一でも異なっていてもよく、(OR
1)
m、(R
2O)
n部分はランダム結合でもブロック結合でもよい。
【0056】
ポリエーテルジオール(b1−1)は、ジオール(b0)にAOを付加反応させることにより製造することができる。
AOとしては、炭素数2〜4のAO[エチレンオキサイド(以下EOと略記する。)、1,2−又は1,3−プロピレンオキサイド(以下POと略記する。)、1,2−、1,3−、1,4−、2,3−又はブチレンオキサイド(以下BOと略記する。)、及びこれらの2種以上の併用系が用いられるが、必要により他のAO[炭素数5〜12のα−オレフィンオキサイド、スチレンオキサイド及びエピハロヒドリン(エピクロルヒドリン等)等]を少しの割合(AOの全重量に基づいて30重量%以下)で併用することもできる。
2種以上のAOを併用するときの結合形式は、ランダム結合、ブロック結合のいずれでもよい。AOとして好ましいのは、EO単独及びEOと他のAOとの併用である。
【0057】
AOの付加反応は、公知の方法、例えばアルカリ触媒の存在下、100〜200℃の温度で行なうことができる。
一般式(1)で表されるポリエーテルジオール(b1−1)の重量に基づく、(OR
1)
m及び(R
2O)
nの含有率は、好ましくは5〜99.8重量%であり、更に好ましくは8〜99.6重量%、特に好ましくは10〜98重量%である。
一般式(1)における(OR
1)
m及び(R
2O)
nの重量に基づくオキシエチレン基の含有率は、好ましくは5〜100重量%であり、更に好ましくは10〜100重量%、特に好ましくは50〜100重量%、最も好ましくは60〜100重量%である。
【0058】
ポリエーテルジアミン(b1−2)としては、一般式(2)で表されるものが挙げられる。
H
2N−R
3−(OR
4)
p−O−E
2−O−(R
5O)
q−R
6−NH
2 (2)
【0059】
一般式(2)におけるE
2は、ジオール(b0)からすべての水酸基を除いた残基である。ジオール(b0)としては、前記のものと同様のものが挙げられ、好ましい範囲も同様である。
一般式(2)におけるR
3、R
4、R
5及びR
6は、それぞれ独立に炭素数2〜4のアルキレン基である。炭素数2〜4のアルキレン基としては、一般式(1)におけるR
1及びR
2として例示したものと同様のものが挙げられ、好ましい範囲も同様である。
一般式(2)におけるp及びqは、それぞれ独立に1〜300の数であり、好ましくは2〜250、更に好ましくは10〜100である。
一般式(2)におけるp、qがそれぞれ2以上の場合のR
4、R
5は、同一でも異なっていてもよく、(OR
4)
p、(R
5O)
n部分はランダム結合でもブロック結合でもよい。
【0060】
ポリエーテルジアミン(b1−2)は、ポリエーテルジオール(b1−1)が有するすべての水酸基を、アミノ基に変換することにより得ることができる。例えば(b1−1)とアクリロニトリルとを反応させ、得られたシアノエチル化物を水素添加することにより製造することができる。
【0061】
変性物(b1−3)としては、(b1−1)又は(b1−2)のアミノカルボン酸変性物(末端アミノ基)、イソシアネート変性物(末端イソシアネート基)及びエポキシ変性物(末端エポキシ基)等が挙げられる。
アミノカルボン酸変性物は、(b1−1)又は(b1−2)と、アミノカルボン酸又はラクタムとを反応させることにより得ることができる。
イソシアネート変性物は、(b1−1)又は(b1−2)と、ポリイソシアネートとを反応させるか、(b1−2)とホスゲンとを反応させることにより得ることができる。
エポキシ変性物は、(b1−1)又は(b1−2)と、ジエポキシド(ジグリシジルエーテル、ジグリシジルエステル及び脂環式ジエポキシド等のエポキシ樹脂:エポキシ当量85〜600)とを反応させるか、(b1−1)とエピハロヒドリン(エピクロロヒドリン等)とを反応させることにより得ることができる。
【0062】
ポリエーテル(b1)のMnは、耐熱性及び前記ポリマー(a)との反応性の観点から、好ましくは500〜20,000であり、更に好ましくは700〜18,000、特に好ましくは1,000〜15,000、最も好ましくは1,200〜8,000である。
【0063】
ポリエーテル含有ポリマー(b2)としては、ポリエーテルジオール(b1−1)のセグメントを有するポリエーテルエステルアミド(b2−1)、(b1−1)のセグメントを有するポリエーテルアミドイミド(b2−2)、(b1−1)のセグメントを有するポリエーテルエステル(b2−3)、ポリエーテルジアミン(b1−2)のセグメントを有するポリエーテルアミド(b2−4)及び(b1−1)又は(b1−2)のセグメントを有するポリエーテルウレタン(b2−5)が挙げられる。
【0064】
ポリエーテルエステルアミド(b2−1)は、ポリアミド(a1)のうち、両末端にカルボキシル基を有するポリアミド(a1’)とポリエーテルジオール(b1−1)とから構成される。
(a1’)としては、前記ラクタム(α1−1)の開環重合体、前記アミノカルボン酸(α1−2)の重縮合体、及び前記ジアミン(β)とジカルボン酸(γ)とのポリアミド等が挙げられる。
(a1’)のうち、分散性の観点から好ましいのは、カプロラクタムの開環重合体、12−アミノドデカン酸の重縮合体、及びアジピン酸とヘキサメチレンジアミンとのポリアミドであり、更に好ましいのはカプロラクタムの開環重合体である。
【0065】
ポリエーテルアミドイミド(b2−2)としては、少なくとも1個のイミド環を有するポリアミドイミド(a3)とポリエーテルジオール(b1−1)とから構成される。
(a3)としては、ラクタム(α1−1)と、前記の少なくとも1個のイミド環を形成し得る3価又は4価の芳香族ポリカルボン酸(δ)とからなる重合体、アミノカルボン酸(α1−2)と(δ)とからなる重合体、ポリアミド(a1’)と(δ)とからなる重合体、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0066】
ポリエーテルエステル(b2−3)としては、ポリエステル(Q)とポリエーテルジオール(b1−1)とから構成されるものが挙げられる。
(Q)としては、ジカルボン酸(γ)とジオール(b0)とのポリエステルが挙げられる。
ポリエーテルアミド(b2−4)としては、ポリアミド(a1)とポリエーテルジアミン(a212)とから構成されるものが挙げられる。
ポリエーテルウレタン(b2−5)としては、前記PIのうちのジイソシアネートと、ポリエーテルジオール(b1−1)又はポリエーテルジアミン(b1−2)及び必要により鎖伸長剤[前記ジオール(b0)及びジアミン(β)等]とから構成される。
【0067】
ポリエーテル含有ポリマー(b2)におけるポリエーテル(b1)セグメントの含有率は、成形性の観点から、(b2)の重量に基づいて好ましくは30〜80重量%であり、更に好ましくは40〜70重量%である。
(b2)におけるオキシエチレン基の含有率は、分散性及び成形性の観点から、(b2)の重量に基づいて好ましくは30〜80重量%であり、更に好ましくは40〜70重量%である。
(b2)のMnの下限は、耐熱性の観点から好ましくは500であり、更に好ましくは1,000である。(b2)のMnの上限は、前記ポリマー(a)との反応性の観点から、好ましくは50,000であり、更に好ましくは30,000、とくに好ましくは20,000である。
【0068】
カチオン性ポリマー(b3)としては、分子内に非イオン性分子鎖で隔てられたカチオン性基を有するポリマーが挙げられる。
非イオン性分子鎖としては、2価の炭化水素基、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、エステル結合、イミノ結合、アミド結合、イミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、カーボネート結合及びシロキシ結合からなる群から選ばれる1種以上の基を有する2価の炭化水素基、並びに窒素原子又は酸素原子を有する複素環構造を有する炭化水素基等が挙げられる。
【0069】
非イオン性分子鎖のうち好ましいのは、2価の炭化水素基及びエーテル結合を有する2価の炭化水素基である。
カチオン性基としては、4級アンモニウム塩又はホスホニウム塩を有する基が挙げられる。4級アンモニウム塩又はホスホニウム塩を形成する対アニオンとしては、超強酸アニオン及びその他のアニオン等が挙げられる。
超強酸アニオンとしては、プロトン酸とルイス酸との組み合わせから誘導される超強酸(四フッ化ホウ酸及び六フッ化リン酸等)のアニオン及びトリフルオロメタンスルホン酸等のアニオンが挙げられる。
その他のアニオンとしては、ハロゲンイオン(F
-、Cl
-、Br
-及びI
-等)、OH
-、PO
4-、CH
3OSO
4-、C
2H
5OSO
4-、及びClO
4-等が挙げられる。
超強酸を誘導する上記プロトン酸としては、フッ化水素、塩化水素、臭化水素及びヨウ化水素等が挙げられる。
ルイス酸としては、三フッ化ホウ素、五フッ化リン、五フッ化アンチモン、五フッ化ヒ素及び五フッ化タンタル等が挙げられる。
(b3)1分子中のカチオン性基の数は、好ましくは2〜80個であり、更に好ましくは3〜60個である。
【0070】
(b3)の具体例としては、特開2001−278985号公報記載のカチオン性ポリマーが挙げられる。
【0071】
(b3)のMnは、分散性及び前記ポリマー(a)との反応性の観点から、好ましくは500〜20,000であり、更に好ましくは1,000〜15,000、特に好ましくは1,200〜8,000である。
【0072】
アニオン性ポリマー(b4)は、スルホニル基を有するジカルボン酸(γ’)と、ジオール(b0)又はポリエーテル(b1)とを必須構成単位とし、かつ分子内に2〜80個、好ましくは3〜60個のスルホニル基を有するポリマーである。
(γ’)としては、前記ジカルボン酸(γ)にスルホニル基を導入したものが挙げられ、スルホニル基を有する芳香族ジカルボン酸、スルホニル基を有する脂肪族ジカルボン酸、及びスルホニル基のみが塩となったスルホニル基を有する芳香族ジカルボン酸又は脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。
【0073】
スルホニル基を有する芳香族ジカルボン酸としては、5−スルホイソフタル酸、2−スルホイソフタル酸、4−スルホイソフタル酸、4−スルホ−2,6−ナフタレンジカルボン酸、及びこれらのエステル形成性誘導体[アルキル(炭素数1〜4)エステル(メチルエステル及びエチルエステル等)及び酸無水物等]が挙げられる。
スルホニル基を有する脂肪族ジカルボン酸としては、スルホコハク酸、及びそのエステル形成性誘導体[アルキル(炭素数1〜4)エステル(メチルエステル及びエチルエステル等)及び酸無水物等]が挙げられる。
【0074】
スルホニル基のみが塩となったスルホニル基を有する芳香族ジカルボン酸又は脂肪族ジカルボン酸を形成する塩としては、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム及びカリウム等)塩、アルカリ土類金属(マグネシウム及びカルシウム等)塩、アンモニウム塩、ヒドロキシアルキル(炭素数2〜4)基を有するモノ、ジ又はトリアミン(モノ、ジ又はトリエチルアミン、モノ、ジ又はトリエタノールアミン及びジエチルエタノールアミン等)等のアミン塩及び前記アミンの4級アンモニウム塩等が挙げられる。
これらのうち好ましいのは、スルホニル基を有する芳香族ジカルボン酸であり、更に好ましいのは5−スルホイソフタル酸塩、特に好ましいのは5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩及び5−スルホイソフタル酸カリウム塩である。
【0075】
(b4)を構成する(b0)又は(b1)のうち好ましいのは、炭素数2〜10のアルカンジオール、EG、ポリエチレングリコール(以下PEGと略記する。)(重合度2〜20)、ビスフェノール(ビスフェノールA等)のEO付加物(付加モル数:2〜60モル)及びこれらの2種以上の混合物である。
(b4)の製法としては、公知のポリエステルの製法がそのまま適用できる。ポリエステル化反応は、減圧下150〜240℃の温度範囲で行われ、反応時間は好ましくは0.5〜20時間である。また、必要により公知のエステル化反応に用いられる触媒を用いてもよい。エステル化触媒としては、アンチモン触媒(三酸化アンチモン等)、錫触媒(モノブチル錫オキサイド及びジブチル錫オキサイド等)、チタン触媒(テトラブチルチタネート等)、ジルコニウム触媒(テトラブチルジルコネート等)及び酢酸金属塩触媒(酢酸亜鉛等)等が挙げられる。
【0076】
(b4)のMnは、分散性及び前記ポリマー(a)との反応性の観点から、好ましくは500〜20,000であり、更に好ましくは1,000〜15,000、特に好ましくは1,200〜8,000である。
【0077】
また、前記(b1)〜(b4)のうち、分散性および(A)の分散性の観点から、好ましいのは(b1)、(b2)、さらに好ましいのは(b1)である。
該(b)の数平均分子量(Mn)は、分散性および機械物性の観点から、好ましくは500〜20,000である。
【0078】
<ブロックポリマー(A)>
本発明におけるブロックポリマー(A)は、前記ポリマー(a)のブロックと、ポリマー(b)のブロックとを構成単位として含む。
【0079】
(A)のうち、機械物性および分散性の観点から好ましいのは、下記の(A1)、(A2)、さらに好ましいのは(A2)である。
(A1):(a)がポリアミド(a1)であり、(b)がポリエーテル(b1)又はポリエーテル含有ポリマー(b2)であって、(a1)と、(b1)及び/又は(b2)を反応させて得られるポリエーテルエステルアミド。
(A2):(a)がポリオレフィン(a2)であって、(a2)のブロックと、ポリマー(b)のブロックとが、エステル結合、アミド結合、エーテル結合、イミド結合、ウレタン結合及びウレア結合からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合を介して結合した構造を有するブロックポリマー。
【0080】
(A)を構成する(a)のブロックと、(b)のブロックの重量比[(a)/(b)]は、機械物性および分散性の観点から、好ましくは10/90〜80/20であり、更に好ましくは20/80〜75/25である。
【0081】
(A)を構成する(a)のブロックと、(b)のブロックとが結合した構造には、(a)−(b)型、(a)−(b)−(a)型、(b)−(a)−(b)型及び[(a)−(b)]n型(nは平均繰り返し数を表す。)が含まれる。
ブロックポリマー(A)の構造としては、分散性および機械物性の観点から(a)と(b)とが繰り返し交互に結合した[(a)−(b)]n型のものが好ましい。
[(a)−(b)]n型の構造におけるnは、分散性及び成形品の機械特性、樹脂へのアンカー効果の観点から、好ましくは2〜50であり、更に好ましくは2.3〜30、特に好ましくは2.7〜20、最も好ましくは3〜10である。nは、ブロックポリマー(A)のMn及び(a)、(b)のMn、
1H−NMR分析により求めることができる。
【0082】
(A)のMnは、後述する成形品の機械物性及び分散性の観点から、好ましくは2,000〜1,000,000であり、更に好ましくは4,000〜500,000、特に好ましくは10,000〜100,000である。
【0083】
(A)が、(a)のブロックと(b)のブロックとが、エステル結合、アミド結合、エーテル結合又はイミド結合を介して結合した構造を有するものである場合、下記の方法で製造することができる。
(a)と(b)を反応容器に投入し、撹拌下、反応温度100〜250℃、圧力0.003〜0.1MPaで、アミド化反応、エステル化反応又はイミド化反応で生成する水(以下生成水と略記する。)を反応系外に除去しながら、1〜50時間反応させる方法が挙げられる。(a)と(b)の重量比は、分散性及び耐水性の観点から、10/90〜80/20であり、更に好ましくは20/80〜75/25である。
【0084】
エステル化反応の場合、反応を促進させるために、(a)及び(b)の重量に基づいて、0.05〜0.5重量%の触媒を使用することが好ましい。触媒としては、無機酸(硫酸及び塩酸等)、有機スルホン酸(メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸及びナフタレンスルホン酸等)及び有機金属化合物(ジブチルチンオキサイド、テトライソプロポキシチタネート、ビストリエタノールアミンチタネート及びシュウ酸チタン酸カリウム等)等が挙げられる。触媒を使用した場合は、エステル化反応終了後必要により触媒を中和し、吸着剤で処理して触媒を除去・精製することができる。生成水を反応系外に除去する方法としては、以下の方法が挙げられる。
(1)水と相溶しない有機溶媒(例えばトルエン、キシレン及びシクロヘキサン等)を使用して、還流下、有機溶媒と生成水とを共沸させて、生成水のみを反応系外に除去する方法。
(2)反応系内にキャリアガス(例えば空気、窒素、ヘリウム、アルゴン及び二酸化炭素等)を吹き込み、キャリアガスと共に生成水を反応系外に除去する方法。
(3)反応系内を減圧にして生成水を反応系外に除去する方法。
【0085】
(A)が、(a)のブロックと(b)のブロックとが、ウレタン結合又はウレア結合を介して結合した構造を有するものである場合、下記の方法で製造することができる。
(a)を反応容器に投入し、撹拌下30〜100℃に加温した後(b)を投入し、同温度で1〜20時間反応させる方法が挙げられる。(a)と(b)の重量比は、分散性及び耐水性の観点から、10/90〜80/20であり、更に好ましくは20/80〜75/25である。
【0086】
反応を促進させるために、(a)及び(b)の重量に基づいて、0.001〜5重量%の触媒を使用することが好ましい。触媒としては、有機金属化合物(ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、オクタン酸鉛及びオクタン酸ビスマス等)、3級アミン{トリエチレンジアミン、炭素数1〜8のアルキル基を有するトリアルキルアミン(トリメチルアミン、トリブチルアミン、及びトリオクチルアミン等)、ジアザビシクロアルケン類〔1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7 〕等};及びこれらの2種以上の併用が挙げられる。
【0087】
<消臭無機フィラー用分散剤>
本発明の消臭無機フィラー用分散剤(Z)は、前記ブロックポリマー(A)を含有してなる。
該(Z)は、後述の熱可塑性樹脂(Y)用の消臭無機フィラー分散剤、とりわけポリオレフィン樹脂用の消臭無機フィラー用分散剤として好適に使用できる。
【0088】
<消臭用熱可塑性樹脂組成物(X)>
本発明の消臭用熱可塑性樹脂組成物(X)は、前記消臭無機フィラー用分散剤(Z)と、後述の消臭無機フィラー(B)と、後述の熱可塑性樹脂(Y)とを含有してなる。
【0089】
<消臭無機フィラー(B)>
本発明における消臭無機フィラー(B)は、後述の無機水酸化物(B1)、無機酸化物(B2)、無機リン酸塩(B3)、無機複合酸化物(B4)等が挙げられる。
【0090】
無機水酸化物(B1):水酸化マグネシウム、水酸化ジルコニウム、水酸化アルミニウム、水酸化第一鉄、水酸化銅等;
無機酸化物(B2):酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化マンガン、酸化銅、酸化ジルコニウム等;
無機リン酸塩(B3):トリポリリン酸アルミニウム、リン酸ジルコニウム、リン酸チタン、リン酸スズ、リン酸セリウム、リン酸ハフニウム等;
無機複合酸化物(B4):ゼオライト(アルミノケイ酸塩等)等;なお(B4)は、銀、銅、亜鉛およびマンガン等を構成元素としてもよく、アミノ化合物を担持したものであってもよい。
【0091】
上記(B)のうち、分散性、消臭性の観点から、好ましいのは(B1)、(B2)、(B4)、さらに好ましいのは(B1)、(B4)、とくに好ましいのは(B4)である。
該(B)の体積平均粒子径は、分散性および消臭性の観点から、好ましくは0.01μm〜30μm、さらに好ましくは0.5μm〜15μm、とくに好ましくは1μm〜10μmである。
【0092】
<熱可塑性樹脂(Y)>
本発明における熱可塑性樹脂(Y)としては、ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE)(Y1);ビニル樹脂{ポリオレフィン樹脂(Y2)[例えばポリプロピレン(PP)、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)及びエチレン−エチルアクリレート共重合樹脂等]、ポリアクリル樹脂(Y3)[例えばポリメタクリル酸メチル等]、ポリスチレン樹脂(Y4)[ビニル基含有芳香族炭化水素単独、及びビニル基含有芳香族炭化水素と、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル及びブタジエンからなる群から選ばれる少なくとも1種とを構成単位とする共重合体;例えばポリスチレン(PS)、スチレン/アクリロニトリル共重合体(AN樹脂)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS樹脂)、メタクリル酸メチル/ブタジエン/スチレン共重合体(MBS樹脂)及びスチレン/メタクリル酸メチル共重合体(MS樹脂)等]等};ポリエステル樹脂(Y5)[例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリブチレンアジペート及びポリエチレンアジペート等];ポリアミド樹脂(Y6)(例えばナイロン66、ナイロン69、ナイロン612、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン6/66及びナイロン6/12等);ポリカーボネート樹脂(Y7)(例えばポリカーボネート及びポリカーボネート/ABSアロイ樹脂等);ポリアセタール樹脂(Y8);生分解性樹脂(Y9)、及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
これらのうち、後述する成形品の機械特性及びへの無機フィラー分散性の観点から好ましいのは(Y1)、(Y2)、(Y3)、(Y4)、(Y5)及び(Y7)であり、更に好ましいのは(Y2)、(Y4)及び(Y7)、とくに好ましいのは(Y2)である。
【0093】
消臭用熱可塑性樹脂組成物(X)における(Z)と(B)と(Y)と合計重量に基づく割合は、機械物性、分散性の観点から、好ましくは(Z)が0.09〜15重量%、(B)が0.01〜10重量%、(Y)が75〜99.9重量%、さらに好ましくは(Z)が0.5〜10重量%、(B)が0.1〜5重量%、(Y)が85〜99重量%である。
【0094】
消臭用熱可塑性樹脂組成物(X)における(Z)と(B)と(Y)の重量に基づく割合は、機械物性、分散性の観点から、好ましくは(Z)/(Y)が0.0009〜0.2、(B)/(Y)が0.0001〜0.14、(B)/(Z)が0.05〜0.67、さらに好ましくは(Z)/(Y)が0.02〜0.1、(B)/(Y)が0.001〜0.05、(B)/(Z)が0.1〜0.5である。
【0095】
本発明の消臭用熱可塑性樹脂組成物(X)には、本発明の効果を阻害しない範囲で、その他の公知の添加剤(E)[酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、離型剤等]を含有させることができる。
【0096】
本発明の消臭用熱可塑性樹脂組成物(X)は、前記分散剤(Z)、前記(B)、熱可塑性樹脂(Y)、必要により、(E)を溶融混合することにより得ることができる。溶融混合する方法としては、一般的にはペレット状又は粉体状にした各成分を、適切な混合機(ヘンシェルミキサー等)で混合した後、押出機で溶融混合してペレット化する方法が適用できる。
溶融混合時の各成分の添加順序には特に制限はないが、例えば、
[1](Z)を溶融混合した後、(B)、(Y)、必要により、(E)を一括投入して溶融混合する方法。
[2](Z)を溶融混合した後、(B)と、(Y)の一部をあらかじめ溶融混合して(Z)の高濃度組成物(マスターバッチ樹脂組成物)を作製した後、残りの(Y)並びに必要に応じて、(E)を溶融混合する方法(マスターバッチ法又はマスターペレット法)。
等が挙げられる。
[2]の方法におけるマスターバッチ樹脂組成物中の(Z)の濃度は、好ましくは40〜80重量%であり、更に好ましくは50〜70重量%である。
[1]及び[2]の方法のうち、(B)、(Z)を(Y)に効率的に分散しやすいという観点から、[2]の方法が好ましい。
【0097】
<消臭用成形品>
本発明の消臭用成形品は、前記消臭用熱可塑性樹脂組成物(X)を成形したものである。成形方法としては、射出成形、圧縮成形、カレンダ成形、スラッシュ成形、回転成形、押出成形、ブロー成形、フィルム成形(キャスト法、テンター法及びインフレーション法等)等が挙げられ、目的に応じて単層成形、多層成形又は発泡成形等の手段も取り入れた任意の方法で成形できる。
【0098】
本発明の成形品は、優れた機械物性及び優れた外観を有する。これは本発明の消臭無機フィラー分散剤が、熱可塑性樹脂組成物の成形品での消臭無機フィラーの分散特性に優れるためと推定される。また、成形品の表面のフィラー濃度が大となり、均一に分散するため、消臭性に優れると推定できる。
【実施例】
【0099】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下において部は重量部を示す。
なお、以下において、実施例1、2、9、10は、それぞれ参考例1〜4とする。
【0100】
<製造例1>
[ポリアミド(a1−1)の製造]
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、窒素導入管及び減圧装置を備えたステンレス製耐圧反応容器に、ε−カプロラクタム173部、テレフタル酸33.2部、酸化防止剤[「イルガノックス1010」、チバスペシャリティーケミカルズ(株)製]0.4部及び水10部を投入し、窒素置換後、密閉下、撹拌しながら220℃まで昇温し、同温度(圧力:0.2〜0.3MPa)で4時間撹拌し、両末端にカルボキシル基を有するポリアミド(a1−1)得た。(a1−1)の酸価は111、Mnは1,000であった。
【0101】
<製造例2>
[カルボキシル基を両末端に有するポリオレフィン(a2−1−1α)の製造]
製造例1と同様の耐圧反応容器に、熱減成法で得られた低分子量ポリプロピレン[ポリプロピレン(MFR:10g/10min)を410±0.1℃、窒素通気下(80mL/分)に16分間熱減成して得られたもの。Mn:3,400、炭素数1,000個当たりの二重結合数:7.0、1分子当たりの二重結合の平均数:1.8、両末端変性可能なポリオレフィンの含有率:90重量%)90部、無水マレイン酸10部及びキシレン30部を投入し、均一に混合した後、窒素置換し、密閉下、撹拌しながら200℃まで昇温して溶融させ、同温度で10時間反応させた。次いで、過剰の無水マレイン酸とキシレンを、減圧下(0.013MPa以下)、200℃で3時間かけて留去して、カルボキシル基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a2−1−1α)95部を得た。(a2−1−1α)の酸価は27.5、Mnは3,600であった。
【0102】
<製造例3>
[(a2−1−1α)を二次変性して得られたポリオレフィン(a2−1−2)の製造]
製造例1と同様の耐圧反応容器に、(a2−1−1α)88部及び12−アミノドデカン酸12部を投入し、均一に混合後、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながら200℃まで昇温し、同温度で減圧下(0.013MPa以下)3時間反応させ、(a2−1−1α)を二次変性して得られたポリオレフィン(a2−1−2)96部を得た。(a2−1−2)の酸価は24.8、Mnは4,000であった。
【0103】
<製造例4>
[水酸基を両末端に有するポリオレフィン(a2−2)の製造]
製造例2において、熱減成法で得られた低分子量ポリプロピレン90部及び無水マレイン酸10部を、熱減成法で得られた低分子量エチレン/プロピレンランダム共重合体94部及び無水マレイン酸6部に変更した以外は製造例2と同様にして、カルボキシル基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a2−1−1β)98部を得た。(a2−1−1β)の酸価は9.9、Mnは10,200であった。なお、前記の熱減成法で得られた低分子量エチレン/プロピレンランダム共重合体(Mn:10,000、炭素数1,000個当たりの二重結合数:2.5、1分子当たりの二重結合の平均数:1.8、両末端変性可能なポリオレフィンの含有率:90重量%)は、エチレン/プロピレンランダム共重合体(エチレン含有率:2重量%、MFR:10g/10min)を410±0.1℃、窒素通気下(80mL/分)、14分間熱減成して得られたものである。
次いで、製造例1と同様の耐圧反応容器に、(a2−1−1β)97部及びエタノールアミン5部を投入し、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながら180℃に昇温し、同温度で2時間反応させた。過剰のエタノールアミンを減圧下(0.013MPa以下)、180℃で2時間かけて留去し、水酸基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a2−2)を得た。(a2−2)の水酸基価は9.9、アミン価は0.01、Mnは10,200であった。
【0104】
<製造例5>
[アミノ基を両末端に有する変性ポリオレフィン(a2−4)の製造]
製造例2において、熱減成法で得られた低分子量ポリプロピレン90部及び無水マレイン酸10部を、熱減成法で得られた低分子量ポリプロピレン80部及び無水マレイン酸20部に変更した以外は製造例2と同様にして、カルボキシル基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a2−1−1γ)92部を得た。(a2−1−1γ)の酸価は64.0、Mnは1,700であった。なお、前記の熱減成法で得られた低分子量ポリプロピレン(Mn:1,500、炭素数1,000個当たりの二重結合数:17.8、1分子当たりの二重結合の平均数:1.94、両末端変性可能なポリオレフィンの含有率:98重量%)は、エチレン/プロピレンランダム共重合体(エチレン含有率:3重量%、MFR:7g/10min)を410±0.1℃、18分間熱減成して得られたものである。
次いで、製造例1と同様の耐圧反応容器に、(a2−1−1γ)90部及びビス(2−アミノエチル)エーテル10部を投入し、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながら200℃に昇温し、同温度で2時間反応させた。過剰のビス(2−アミノエチル)エーテルを減圧下(0.013MPa以下)、200℃で2時間かけて留去し、アミノ基を両末端に有する変性ポリオレフィン(a2−4)を得た。(a2−4)のアミン価は64.0、Mnは1,700であった。
【0105】
<製造例6>
[カチオン性ポリマー(b3)の製造]
製造例1と同様の耐圧反応容器に、N−メチルジエタノールアミン41部、アジピン酸49部及び酢酸ジルコニル0.3部を投入し、窒素置換後、2時間かけて220℃まで昇温し、1時間かけて0.013MPaまで減圧してポリエステル化反応させた。反応終了後、50℃まで冷却し、メタノール100部を加えて溶解した。撹拌しながら反応容器中の温度を120℃に保ち、炭酸ジメチル31部を3時間かけて滴下し、同温度で6時間熟成させた。室温まで冷却後、60重量%ヘキサフルオロリン酸水溶液100部を加え、室温で1時間撹拌した。次いでメタノールを減圧留去し、4級アンモニウム基を平均12個有するカチオン性ポリマー(b3)(水酸基価:30.1、酸価:0.5、体積固有抵抗値:1×10
5Ω・cm)を得た。
【0106】
<製造例7>
[アニオン性ポリマー(b4α)の製造]
製造例1と同様の耐圧反応容器に、ジエチレングリコール114部、5−スルホイソフタル酸ジメチルエステルのナトリウム塩268部及びジブチル錫オキサイド0.2部を投入し、0.067MPaの減圧下で190℃まで昇温し、メタノールを留去しながら同温度で6時間エステル交換反応させ、1分子内にスルホン酸ナトリウム塩基を平均6個有するアニオン性ポリマー(b4α)(水酸基価は49、酸価は0.6、体積固有抵抗値は3×10
8Ω・cm)を得た。
【0107】
<製造例8>[アニオン性ポリマー(b4β)の製造]
製造例1と同様の耐圧反応容器に、PEG (Mn:300)67部、5−スルホイソフタル酸ジメチルエステルのナトリウム塩49部及びジブチルスズオキシド0.2部を投入し、0.067MPaの減圧下で190℃まで昇温し、メタノールを留去しながら同温度で6時間エステル交換反応させ、1分子内にスルホン酸ナトリウム塩基を平均5個有するアニオン性ポリマー(b4β)(水酸基価:29.6、酸価:0.4、体積固有抵抗値:2×10
6Ω・cm)を得た。
【0108】
<実施例1>
撹拌機、温度計及び加熱冷却装置を備えた反応容器に、(a1−1)199部及びビスフェノールAのEO付加物(Mn:4,000、体積固有抵抗値:2×10
7Ω・cm)780部及び酢酸ジルコニル0.6部を投入し、撹拌しながら240℃に昇温し、減圧下(0.013MPa以下)同温度で6時間重合させて、ブロックポリマー(A1−1)を含有してなる消臭無機フィラー用分散剤(Z―1)を得た。
なお、(A1−1)のMnは24,000であった。
【0109】
<実施例2>
実施例1と同様の耐圧反応容器に、(a1−1)143部、(b4α)320部及び酸化防止剤「イルガノックス1010」0.3部を投入し、撹拌しながら240℃に昇温し、減圧下(0.013MPa以下)同温度で5時間重合させて、ブロックポリマー(A1−2)を含有してなる消臭無機フィラー用分散剤(Z−2)を得た。
なお、(A1−2)のMnは21,000であった。
【0110】
<実施例3>
実施例1と同様の耐圧反応容器に、(a2−1−1α)67.1部、ポリエーテルジアミン(b1−2)[α,ω−ジアミノPEG(Mn:2,000、体積固有抵抗値:1×10
7Ω・cm)]32.9部、酸化防止剤「イルガノックス1010」0.3部及び酢酸ジルコニル0.5部を投入し、撹拌しながら220℃に昇温し、減圧下(0.013MPa以下)同温度で3時間重合させて、ブロックポリマー(A2−1)を含有してなる消臭無機フィラー用分散剤(Z−3)を得た。
なお、(A2−1)のMnは50,000であった。
【0111】
<実施例4>
実施例3において、(a2−1−1α)67.1部及び(b1−2)32.9部を、(a2−1−2)60.1部及びポリエーテルジオール(b1−1α)[PEG(Mn:3,000、体積固有抵抗値:1×10
7Ω・cm)]39.9部に変更した以外は、実施例3と同様にして、ブロックポリマー(A2−2)を含有してなる消臭無機フィラー用分散剤(Z−4)を得た。
なお、(A2−2)のMnは30,000であった。
【0112】
<実施例5>
実施例3において、(a2−1−1α)67.1部及び(b1−2)32.9部を、(a2−2)48.0部、(b3)48.0部及びドデカン二酸4部に変更した以外は実施例3と同様にして、ブロックポリマー(A2−3)を含有してなる消臭無機フィラー用分散剤(Z−5)を得た。
なお、(A2−3)のMnは100,000であった。
【0113】
<実施例6>
実施例3において、(a2−1−1α)67.1部及び(b1−2)32.9部を、(a2−4)31.6部、(b4β)68.4部及びドデカン二酸8部に変更した以外は実施例3と同様にして、ブロックポリマー(A2−4)を含有してなる消臭無機フィラー用分散剤(Z−6)を得た。
なお、(A2−4)のMnは10,000であった。
【0114】
<実施例7>
実施例3において、(a2−1−1α)67.1部及び(b1−2)32.9部を、(a2−1−2)71.5部及びポリエーテルジオール(b1−1β)[ポリテトラメチレングリコール(Mn:1,800、体積固有抵抗値:1×10
11Ω・cm)28.5部に変更した以外は実施例3と同様にして、ブロックポリマー(A2−5)を含有してなる消臭無機フィラー用分散剤(Z−7)を得た。
なお、(A2−5)のMnは40,000であった。
【0115】
<実施例8>
実施例3において、(a2−1−1α)67.1部及び(b1−2)32.9部を、(a2−2)48.0部、(b3)48.0部及びヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)3部に変更した以外は実施例3と同様にして、ブロックポリマー(A2−6)を含有してなる消臭無機フィラー用分散剤(Z−8)を得た。
なお、(A2−6)のMnは100,000であった。
【0116】
<比較例1>
製造例1で得られたポリアミド(a1−1)をそのまま用いて、比較のための消臭無機フィラー用分散剤(比Z−1)とした。
【0117】
<実施例9〜22、比較例2>
表1に示す配合組成(部)に従って、配合成分をヘンシェルミキサーで3分間ブレンドした後、ベント付き2軸押出機にて、100rpm、220℃、滞留時間5分の条件で溶融混練して、各消臭用熱可塑性樹脂組成物(X)を得た。得られた消臭用熱可塑性樹脂組成物(X)について、後述の<性能試験>を行った。結果を表1に示す。
【0118】
<性能試験>
(1)表面外観<外観、分散性>
T型ダイを備えた押出機[ラボプラストミル2D20C、(株)東洋精機製作所製]を用い、シリンダー温度230℃条件で溶融押出し、20℃の冷却ロールで急冷することにより厚さ0.2mmの押出成形シートを得た。表面外観について、得られた押出し成形シート(厚さ0.2mm)の表面の外観を目視で観察して、以下の基準で評価した。
<評価基準>
◎:消臭無機フィラーが、均一に分散している。
○:消臭無機フィラーが、ほぼ均一に分散している。
△:消臭無機フィラーが、少し不均一に分散している。
×:消臭無機フィラーが、不均一な部分がある。
【0119】
(2)分散性<(B)の分散性>
射出成形機「PS40E5ASE」[日精樹脂工業(株)製]を用い、シリンダー温度220℃金型温度50℃で成形して試験片(80mm×80mm×2mm)を得た。得られた試験片について、試験片表面の消臭無機フィラー(B)の量をSEM−EDX[JSM−7000、日本電子(株)製]により測定、算出した[(α)、単位:%]。
次に、その試験片を卓上試験研磨機「IM−P2」[アイエムティー(株)製]を用いて試験片表面を1mm研磨した後、同様にして、試験片内部の消臭無機フィラー(B)の量をSEM−EDX[JSM−7000、日本電子(株)製]により測定、算出した[(β)、単位:%]。
下記式(1)により、分散性(%)を評価した。
[分散性(%)]=(α)×100/(β) (1)
【0120】
(3)アイゾット衝撃強度(単位:J/m)<機械物性>
射出成形機[「PS40E5ASE」、日精樹脂工業(株)製]を用い、シリンダー温度230℃、金型温度50℃で成形試験片を作製して、ASTM D256 Method A(ノッチ付き)に準拠して測定した。
【0121】
表1中の記号の内容は以下の通りである。
(B−1):水酸化マグネシウム
[和光純薬(株)製、体積平均粒径0.8μm]
(B−2): 酸化カルシウム
[和光純薬(株)製、体積平均粒径2μm]
(B−3):アミン含有ゼオライト
[「ケスモンNS−103」、東亞合成(株)製、体積平均粒径4μm]
(Y−1):PP樹脂[「PM771M」、サンアロマー(株)製]
(Y−2):PE樹脂[低密度ポリエチレン「NUC8321」、
ダウ・ケミカル(株)製]
(Y−3):変性PPE樹脂[「ノリル V−095」、
SABICイノベーティブプラスチックスジャパン合同会社製]
【0122】
【表1】
【0123】
表1から、本発明の消臭無機フィラー用分散剤は、比較のものと比べて、熱可塑性樹脂に対して、消臭無機フィラーの分散特性(分散性)に優れる。また、消臭用熱可塑性樹脂組成物の成形品に、優れた機械物性、優れた外観を付与することが分かる。