特許第6862227号(P6862227)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6862227情報処理装置及び情報処理装置用プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6862227
(24)【登録日】2021年4月2日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理装置用プログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20210412BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20210412BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20210412BHJP
【FI】
   G07G1/12 361C
   G07G1/00 301D
   H02J7/00 X
【請求項の数】5
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-45873(P2017-45873)
(22)【出願日】2017年3月10日
(65)【公開番号】特開2018-151732(P2018-151732A)
(43)【公開日】2018年9月27日
【審査請求日】2020年2月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000222624
【氏名又は名称】株式会社アルメックス
(74)【代理人】
【識別番号】100157118
【弁理士】
【氏名又は名称】南 義明
(72)【発明者】
【氏名】竹原 広機
(72)【発明者】
【氏名】横山 博一
【審査官】 中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−255967(JP,A)
【文献】 特開2015−104213(JP,A)
【文献】 特開2014−158404(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00− 5/00
H02J 7/00− 7/12,
7/34− 7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、制御部とを備え、バッテリで駆動される情報処理装置であって、
制御部は、予測処理と、判定処理と、通知処理と、を実行可能とし、
予測処理は、バッテリの持続可能時刻を算出し、
判定処理は、予測処理で算出された持続可能時刻と、予め設定されている利用終了時刻の前後関係を判定し、
通知処理は、判定処理で判定された持続可能時刻と利用終了時刻の前後関係に基づく通知を行い、
通知処理は、情報処理装置が充電状態で実行される充電時通知処理であり、判定処理において持続可能時刻が利用終了時刻よりも遅いと判定された場合、利用終了時間まで使用可能な旨を通知することを特徴とする
情報処理装置。
【請求項2】
表示部と、制御部とを備え、バッテリで駆動される情報処理装置であって、
制御部は、予測処理と、判定処理と、通知処理と、を実行可能とし、
予測処理は、バッテリの持続可能時刻を算出し、
判定処理は、予測処理で算出された持続可能時刻と、予め設定されている利用終了時刻の前後関係を判定し、
通知処理は、判定処理で判定された持続可能時刻と利用終了時刻の前後関係に基づく通知を行い、
通知処理は、判定処理において持続可能時刻が利用終了時刻よりも早いと判定された場合において、バッテリが満充電となっている場合、通知を行うことを特徴とする
情報処理装置。
【請求項3】
予測処理は、設定されている利用開始時刻を使用してバッテリの持続可能時刻を算出することを特徴とする
請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
制御部を備え、バッテリで駆動される情報処理装置で実行される情報処理装置用プログラムであって、
制御部は、予測処理と、判定処理と、通知処理と、を実行可能とし、
予測処理は、バッテリの持続可能時刻を算出し、
判定処理は、予測処理で算出された持続可能時刻と、予め設定されている利用終了時刻の前後関係を判定し、
通知処理は、判定処理で判定された持続可能時刻と利用終了時刻の前後関係に基づく通知を行い、
通知処理は、情報処理装置が充電状態で実行される充電時通知処理であり、判定処理において持続可能時刻が利用終了時刻よりも遅いと判定された場合、利用終了時間まで使用可能な旨を通知することを特徴とする
情報処理装置用プログラム。
【請求項5】
制御部を備え、バッテリで駆動される情報処理装置で実行される情報処理装置用プログラムであって、
制御部は、予測処理と、判定処理と、通知処理と、を実行可能とし、
予測処理は、バッテリの持続可能時刻を算出し、
判定処理は、予測処理で算出された持続可能時刻と、予め設定されている利用終了時刻の前後関係を判定し、
通知処理は、判定処理で判定された持続可能時刻と利用終了時刻の前後関係に基づく通知を行い、
通知処理は、判定処理において持続可能時刻が利用終了時刻よりも早いと判定された場合において、バッテリが満充電となっている場合、通知を行うことを特徴とする
情報処理装置用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリを使用して駆動される情報処理装置、並びに、情報処理装置で使用可能な情報処理装置用プログラムに関する。特に、レストランなどの飲食店において、顧客自身の操作によって飲食物(商品)を注文可能な情報処理装置及び情報処理装置用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レストラン、居酒屋などの飲食店では、商品となる飲食物を顧客に選択させるため、紙媒体によるメニューが用いられていた。顧客はメニューに記載された飲食物を従業員に口頭で伝えることで、当該商品が行われる。
【0003】
現在、タブレット端末など各種携帯情報端末の高機能化に伴い、携帯情報端末を飲食注文端末として使用し、従業員に対する業務負担の軽減、経費の削減を図られている。特に、携帯情報端末の高画像化、タッチパネル機能を活かし、従来の紙媒体のメニュー同様に容易に注文を行うことが可能となっている。飲食店に来店した顧客は、自身で飲食注文端末を操作する、所謂セルフ操作にて、従業員を介すことなく飲食物を注文することが可能である。また、飲食注文端末は、従来から飲食店で利用されているPOSなどと連携することで会計の簡易化を図ることも可能である。
【0004】
特許文献1には、飲食店で使用される飲食注文端末が開示されている。この飲食注文端末は、充電台に設置されることで、内部のバッテリに対して充電が行われる。飲食注文端末に対する充電は、顧客が飲食を行うテーブルで行うことも可能であるが、バックヤード等で充電してテーブルに設置することも可能である。このようにバッテリを使用した韻書注文端末は、給電用のケーブルが必要ないため、取り回しの自由度が高く、顧客が注文を行い易い形態となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014−153976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、このような飲食店舗で使用される飲食注文端末は、バッテリで駆動されるため、バッテリが無くなると駆動できない状態となってしまう。そのため、ユーザーが飲食を行うテーブルに充電台を設置することで、テーブル利用時におけるバッテリ切れを解消することも考えられる。しかしながら、テーブルで充電を行う場合、ユーザーである顧客は、利用する際に充電台から取り外し、利用終了時に充電台に戻す作業が必要となる。したがって、ケーブルが無い自由度はあるものの、充電台からの取り外し、設置といった煩雑な作業を顧客に強いることになる。また、充電台に適切に設置しないと充電が行われないことになり、必ずしも閉店までバッテリが持続するとは限らない。
【0007】
一方、飲食注文端末に対してバックヤードで充電を行う場合、閉店までの営業時間中、バッテリが持続するか否かを判断することはできない。そのため、バッテリを十分な期間持続させるためには、バッテリを満充電の状態にしてテーブルに設置することが、テーブルでの飲食注文端末利用時においてバッテリ切れを起こさないようにするための有効な手段となっていた。
【0008】
本発明は、このような状況を鑑みたものであり、飲食店舗で使用される飲食注文端末(情報処理装置)について、閉店時間など、利用終了時刻を設定し、利用終了時刻までバッテリが持続するか否かを通知可能とすることを主な目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そのため、本発明に係る情報処理装置は、
表示部と、制御部とを備え、バッテリで駆動される情報処理装置であって、
制御部は、予測処理と、判定処理と、通知処理と、を実行可能とし、
予測処理は、バッテリの持続可能時刻を算出し、
判定処理は、予測処理で算出された持続可能時刻と、予め設定されている利用終了時刻の前後関係を判定し、
通知処理は、判定処理で判定された持続可能時刻と利用終了時刻の前後関係に基づく通知を行い、
通知処理は、情報処理装置が充電状態で実行される充電時通知処理であり、判定処理において持続可能時刻が利用終了時刻よりも遅いと判定された場合、利用終了時間まで使用可能な旨を通知することを特徴とする。
また、本発明に係る情報処理装置は、
表示部と、制御部とを備え、バッテリで駆動される情報処理装置であって、
制御部は、予測処理と、判定処理と、通知処理と、を実行可能とし、
予測処理は、バッテリの持続可能時刻を算出し、
判定処理は、予測処理で算出された持続可能時刻と、予め設定されている利用終了時刻の前後関係を判定し、
通知処理は、判定処理で判定された持続可能時刻と利用終了時刻の前後関係に基づく通知を行い、
通知処理は、判定処理において持続可能時刻が利用終了時刻よりも早いと判定された場合において、バッテリが満充電となっている場合、通知を行うことを特徴とする。
なお、本明細書では、利用終了時刻として、飲食店等の店舗の営業に関する時刻、具体的には閉店時刻、あるいは、注文終了時刻(オーダーストップ時刻)を使用した実施形態を説明する。
【0010】
さらに本発明に係る情報処理装置において、
通知処理は、情報処理装置が非充電状態で実行される非充電時通知処理であり、判定処理において持続可能時刻が利用終了時刻よりも早いと判定された場合において、表示部の輝度が最低となっている場合には、利用終了時間まで使用不可能な旨を通知することを特徴とする。
【0012】
さらに本発明に係る情報処理装置において、
予測処理は、設定されている利用開始時刻を使用してバッテリの持続可能時刻を算出することを特徴とする。
【0013】
さらに本発明に係る情報処理装置において、
制御部は、予め設定されている利用開始時刻となったことを条件として、情報処理装置を使用可能状態に遷移させる自動起動処理を実行可能とすることを特徴とする。
【0015】
さらに本発明に係る情報処理装置は、
判定処理において持続可能時刻が利用終了時刻よりも早いと判定された場合、表示部の輝度を下げる輝度制御処理を実行することを特徴とする。
【0016】
さらに本発明に係る情報処理装置において、
輝度制御処理は、判定処理において持続可能時刻が利用終了時刻よりも遅いと判定された場合、表示部の輝度を上げることを特徴とする。
【0017】
また本発明に係る情報処理装置は、
表示部と、制御部とを備え、バッテリで駆動される情報処理装置であって、
制御部は、予測処理と、判定処理と、輝度制御処理と、を実行可能とし、
予測処理は、バッテリの持続可能時刻を算出し、
判定処理は、予測処理で算出された持続可能時刻と、予め設定されている利用終了時刻の前後関係を判定し、
輝度制御処理は、判定処理において持続可能時刻が利用終了時刻よりも早いと判定された場合、表示部の輝度を下げることを特徴とする。
【0018】
また本発明に係る情報処理装置用プログラムは、
制御部を備え、バッテリで駆動される情報処理装置で実行される情報処理装置用プログラムであって、
制御部は、予測処理と、判定処理と、通知処理と、を実行可能とし、
予測処理は、バッテリの持続可能時刻を算出し、
判定処理は、予測処理で算出された持続可能時刻と、予め設定されている利用終了時刻の前後関係を判定し、
通知処理は、判定処理で判定された持続可能時刻と利用終了時刻の前後関係に基づく通知を行い、
通知処理は、情報処理装置が充電状態で実行される充電時通知処理であり、判定処理において持続可能時刻が利用終了時刻よりも遅いと判定された場合、利用終了時間まで使用可能な旨を通知することを特徴とする。
また本発明に係る情報処理装置用プログラムは、
制御部を備え、バッテリで駆動される情報処理装置で実行される情報処理装置用プログラムであって、
制御部は、予測処理と、判定処理と、通知処理と、を実行可能とし、
予測処理は、バッテリの持続可能時刻を算出し、
判定処理は、予測処理で算出された持続可能時刻と、予め設定されている利用終了時刻の前後関係を判定し、
通知処理は、判定処理で判定された持続可能時刻と利用終了時刻の前後関係に基づく通知を行い、
通知処理は、判定処理において持続可能時刻が利用終了時刻よりも早いと判定された場合において、バッテリが満充電となっている場合、通知を行うことを特徴とする。
【0019】
また本発明に係る情報処理装置用プログラムは、
制御部を備え、バッテリで駆動される情報処理装置で実行される情報処理装置用プログラムであって、
制御部は、予測処理と、判定処理と、輝度制御処理と、を実行可能とし、
予測処理は、バッテリの持続可能時刻を算出し、
判定処理は、予測処理で算出された持続可能時刻と、予め設定されている利用終了時刻の前後関係を判定し、
輝度制御処理は、判定処理において持続可能時刻が利用終了時刻よりも早いと判定された場合、表示部の輝度を下げることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る情報処理装置、情報処理装置用プログラムによれば、設定された利用終了時刻とバッテリの持続可能時刻の前後関係を通知可能としたことで、特に、情報処理装置の利用中においては、バッテリの持続可能時刻が利用終了時刻よりも早いこと、すなわち、バッテリが利用終了時刻まで持続しないことを通知することが可能となる。また、情報処理装置の充電中においては、バッテリの持続可能時刻が利用時刻に達した、あるいは、遅くなったこと、すなわち、バッテリが利用終了時刻まで持続可能となったことを通知することが可能となる。
【0021】
さらに、本発明に係る情報処理装置、情報処理装置用プログラムによれば、バッテリの充電時、持続可能時刻が利用終了時刻よりも遅いと判定された場合、利用終了時間まで使用可能な旨を通知することとしている。飲食店舗で利用される注文端末等の情報処理装置は、利用終了時刻までバッテリが持続することが重要である。このような構成では、充電中、利用終了時刻まで使用可能となったことが通知されるため、従業者等、情報処理装置を管理する者は、充電中のどの情報処理装置が利用終了時刻まで使用可能となったかを知ることが可能となる。また、必ずしも満充電となるまで待つ必要が無く、利用終了時刻まで利用可能となる適切な充電時間で使用することが可能となる。
【0022】
さらに、本発明に係る情報処理装置、情報処理装置用プログラムによれば、予め設定された利用開始時刻を使用して、バッテリの持続可能時刻を算出することとしている。利用開始時刻前と後では、バッテリの減衰率が異なることが考えられる。このように情報処理装置の利用開始時刻を設定しておくことで、より正確なバッテリの持続可能時刻を算出することが可能となる。
【0023】
さらに、本発明に係る情報処理装置、情報処理装置用プログラムによれば、利用開始時刻となったことを条件として、情報処理装置を使用可能状態に遷移させることで、店舗等の利用に即した適切な省電を行うことが可能となる。
【0024】
さらに、本発明に係る情報処理装置、情報処理装置用プログラムによれば、持続可能時刻が利用終了時刻よりも早いと判定された場合において、バッテリが満充電となっている場合、通知を行うこととしている。このような構成によれば、満充電の状態であっても利用終了時刻までバッテリが持続しないことを事前に通知し、バッテリ交換を行う等、適切な処置を施すことが可能となる。
【0025】
また、本発明に係る情報処理装置、情報処理装置用プログラムによれば、バッテリの持続可能時刻が利用終了時刻よりも早いと判定された場合、表示部の輝度を下げることで、バッテリの減衰度合いを落とし、なるべく利用終了時刻までバッテリを持続可能とすることが可能となる。
【0026】
さらに、本発明に係る情報処理装置、情報処理装置用プログラムによれば、バッテリの持続可能時刻が利用終了時刻よりも遅いと判定された場合、表示部の輝度を上げることで、なるべく利用終了時刻までバッテリを持続可能とするとともに、表示部の表示を適切な輝度で行うことが可能となる。
【0027】
さらに、本発明に係る情報処理装置、情報処理装置用プログラムによれば、バッテリの持続可能時刻が利用終了時刻よりも早いと判定された場合において、表示部の輝度が最低となっている場合には、利用終了時間まで使用不可能な旨を通知することとしている。このような構成では、情報処理装置の利用中、たとえ輝度制御処理によるバッテリの減衰度合いを落としても利用終了時刻まで持続しない場合、使用不可能な通知を行うことで、従業者等は、通知が行われた情報処理装置を回収する等、バッテリ切れが発生する前に対応することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の実施形態に係る飲食注文システムの構成を示す図
図2】注文端末、充電台の外観を示す斜視図
図3】本発明の実施形態に係る注文端末、充電台の構成を示すブロック図
図4】本発明の実施形態に係る管理サーバ装置の構成を示すブロック図
図5】本発明の実施形態に係る飲食注文システムのメイン処理を示すフロー図
図6】本発明の実施形態に係るバッテリ状態監視処理を示すフロー図
図7】本発明の実施形態に係る使用中監視処理を示すフロー図
図8】使用中監視処理時のバッテリの状態を説明するための図
図9】本発明の実施形態に係る充電中監視処理を示すフロー図
図10】充電中監視処理時のバッテリの状態を説明するための図
図11】注文端末の通知形態を説明するための表
図12】他の実施形態について充電中監視処理時のバッテリの状態を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、本発明の実施形態に係る飲食注文システムの構成を示す図である。この図は、ある飲食店の店内の様子を模式的に示した図である。飲食店は大きく分けて顧客に飲食物を提供する場となるフロアと、飲食物を調理する場となるキッチン(厨房)に分けられている。
【0030】
フロアには、飲食注文システムを統括して管理する管理サーバ装置1、各テーブルにおいて顧客が操作する注文端末3a〜3d、従業員が携帯することで、受注処理、あるいは、注文状況などの各種情報を確認するためのハンディターミナル9a、9bが設置される。この他、入店した顧客に対して予約、あるいは、入店待ち時間などを知らせるためのウェイティング端末6が設置されている。
【0031】
注文端末3a〜3dは、充電台4で充電され、各テーブルa〜dに配置される。充電台4は従業員が管理するエリアに設けられ、注文端末3a〜3dは、充電台4で充電された状態でテーブルa〜dに配置される。テーブルa〜dに充電台4を設け、注文端末3a〜3dに充電を行いつつ使用することも可能であるが、来店した客が充電台4に設置する必要があるため、注文端末3a〜3dが利用しづらくなる、あるいは、充電台4に適切に設置されない場合、バッテリ切れで利用できなくなることが考えられる。本実施形態のように、適切に充電された注文端末3a〜3dを各テーブルa〜dに配置することで、上述する不自由、不便を解消することが可能となっている。
【0032】
図2は、注文端末3、充電台4の外観を示す斜視図である。この図は、充電台4に載置された注文端末3であって、充電中の注文端末3を示している。注文端末3は、前面にユーザインタフェイスとしてのタッチパネルモニタ32を有している。また、本実施形態では、各種注文端末3の状態を表示するためのLED36aが設けられている。なお、本実施形態の充電台4は、1の注文端末3を載置して充電する構成としているが、充電台4は、複数の注文端末3を載置して充電できる構成としてもよい。また、注文端末3に対する充電は、このように充電台4に載置して充電する形態のみならず、注文端末3にACアダプタのケーブルを接続して充電する等、各種形態を採用することが可能である。
【0033】
キッチン(厨房)には、料理人に対して注文状況などを知らせるキッチン端末装置5、キッチンプリンタ51が設置されている。注文端末3にて受けた注文情報は、このキッチン端末装置5、キッチンプリンタ51に出力され、料理人は受注した商品を確認することが可能となっている。
【0034】
これら店内に設置された各種端末、装置は、LAN2、あるいは、アクセスポイント22にて有線、無線を使用してネットワーク接続されている。この例では、管理サーバ装置1、キッチン端末装置5、キッチンプリンタ51は、有線でネットワークに接続されている。また、注文端末3、ハンディターミナル9、ウェイティング端末6は、アクセスポイント22を介して無線でネットワークに接続されている。
【0035】
さらに店舗内のネットワークはルータ21を介してインターネットに接続されており、インターネット上の各種サーバ装置と通信を行うことを可能としている。店舗内に設置された各種装置、端末は、このルータ21を介してインターネット上の各種サーバ装置と通信し、各種情報をやりとりすることが可能となっている。
【0036】
図2は、本発明の実施形態に係る注文端末3、充電台4の構成を示すブロック図である。注文端末3は、制御部として機能するCPU34a、ROM34b、RAM34c、画像処理部34d、音声処理部34eを有している。CPU34aは、ROM34bあるはSSD35(Solid State Drive)などの記憶手段に記憶されたプログラムに基づいて、注文端末3の処理全体を統括制御する。その際、一時的に生成されたデータなどはRAM34cに記憶される。
【0037】
画像処理部34dは、CPU34aで生成されたデータを画像に変換し、表示部32aに表示出力する。音声処理部34eは、CPU34aで生成されたデータを音声に変換し、スピーカに音声出力する。
【0038】
本実施形態では、表示部32aとタッチパネル32bとでタッチパネルモニタ32が構成されている。このタッチパネル32bは、表示部32aに表示されるアイコンやスイッチなどの各種オブジェクトに対応して、ユーザーからの入力を受け付ける入力手段として機能する。注文端末3には、このタッチパネル32b以外にも機械的なスイッチなどの入力手段を設けることとしてもよい。タッチパネル32bからの入力情報は、インターフェイス37bを介してCPU34aに伝達される。
【0039】
SSD35は、注文端末3の記憶手段として機能する。SSD35には、注文端末3を動作させるために必要な各種プログラム情報、あるいは、画像(静止画、動画)、音声などの各種コンテンツなどを記憶する。記憶手段としては、SSD(Solid State Drive)以外に、ハードディスク等を使用することも可能である。
【0040】
注文端末3は、外部に状態を伝える手段として、LED36aを備えている。LED36aは、色、点滅状態、あるいは色及び点滅状態で注文端末3の状態を外部に伝えることが可能である。本実施形態では1のLED36aを使用しているが、複数のLED36aを設けることとしてもよい。照度センサ36bは、表示部32aの輝度調整に使用されるセンサである。この照度センサ36bで読み取った周囲の輝度に基づいて、表示部32aの輝度を調整することで、周囲環境に応じた見やすい画面を表示することが可能となる。
【0041】
本実施形態の注文端末3は、さらに無線通信部38を有している。この無線通信部38はアンテナ38aを備え、無線LAN規格による無線通信を可能としている。注文端末3は、図1に示されるアクセスポイント22と無線接続することで、LAN2にて構成されたネットワークに参加可能し、管理サーバ装置1、キッチン端末装置5などの各種装置、端末との接続、あるいは、ルータ21を介したインターネット接続を可能としている。
【0042】
この注文端末3は、バッテリ39を備え、外部電源に接続することなく単独での使用が可能となっている。このバッテリ39は、充電端子33と電源線Lpで接続されており、外部から供給される電源にて充電することが可能である。CPU34aは、バッテリ39の残量や、充電状況などを監視することが可能となっている。充電端子33は、充電台4(クレードル)側の給電端子42と電気的に接続することで、バッテリ19に対する充電が可能となっている。
【0043】
注文端末3を充電する充電台4は、DC変換部41を有している。このDC変換部41は、電源ライン43から供給される交流電源を、設定された電圧の直流電源に変換し、電源線Lpを介して充電端子33に供給する。
【0044】
図3は本発明の実施形態に係る管理サーバ装置1の構成を示すブロック図である。管理サーバ装置1は、飲食店内に設置され、管理者によって使用される装置である。本実施形態では、飲食注文システムを統括して管理する他、販売実績を集計するPOS端末、そして、会計やレシート(領収書)の発行などを行う会計端末としても機能する。この管理サーバ装置1は、通常のパーソナルコンピュータにて構成することが可能である。管理サーバ装置1は、制御部として、CPU11a、ROM11b、RAM11c、画像処理部11d、音声処理部11eを有する。画像処理部11dは、CPU11aで処理したデータを表示部17aに表示出力する。また、音声処理部51eは、CPU11aで処理したデータをスピーカに音声出力する。
【0045】
また、管理サーバ装置1は、記憶手段としてHDD12(ハードディスク)を有している。記憶手段としてはHDD12以外に、SSD(Solid State Drive)など各種形態を採用することが可能である。HDD12には管理サーバ装置1の各種処理を実行するために必要なプログラムやデータを記憶する。
【0046】
通信部13は、管理サーバ装置1をLAN2に有線接続することで、管理サーバ装置1をネットワークに参加可能としている。管理サーバ装置1は、通信部13を介して、システム内の注文端末3、キッチン端末装置5、キッチンプリンタ51、ウェイティング端末6、ハンディターミナル9と通信可能としている。また、ルータ21を介してインターネットと各種通信を行うことも可能となっている。
【0047】
インターフェイス14には、キーボードやマウスなどの入力手段が接続可能となっている。管理者はこの入力手段を介して、管理サーバ装置1の操作を行う。また、本実施形態のインターフェイス14には、入力手段としてタッチパネル17bが接続されており、表示部17aとともにタッチパネルモニタ17を構成している。管理者はこのタッチパネルモニタ17によって、注文端末3と同様、タッチ入力を行うことが可能である。
【0048】
さらにインターフェイス14には、レシートプリンタ16が接続されており、管理サーバ装置1にて処理した情報を印字出力することが可能となっている。管理サーバ装置1にて会計機能を行う場合には、このレシートプリンタ16にてレシート(領収書)を印字することで顧客に手渡すことが可能となる。
【0049】
では、このような飲食注文システムにおいて実行される各種処理について説明する。図5は、飲食注文システムにて実行されるメイン処理を示したフロー図である。このメイン処理は一人の顧客、あるいは、1つの顧客グループ(テーブル)に対して行われる一連の処理を示したものである。まず、空席のテーブルに対して顧客、あるいは、顧客グループが案内されると、従業員はハンディターミナル9、あるいは、管理サーバ装置1に対して顧客に関する情報を入力する。S101の着席判定は、この顧客に関する情報入力に基づいて実行され、案内されたテーブルに設置された注文端末3は、S200以降の処理を開始する。
【0050】
本実施形態では、入店した顧客の着席が判定された後(S101:Yes)、顧客から注文端末3において商品の注文を受け付けるオーダ処理(S200)が開始される。なお、このオーダ処理(S200)は、注文端末3の記憶手段(SSD35など)に記憶されるプログラムで実行されるものであってもよいし、管理サーバ装置1の記憶手段(HDD12など)に記憶されるプログラムで実行であってもよい。あるいは、注文端末3側で記憶するプログラムと、管理サーバ装置1側で記憶するプログラムが連携して実行されるものであってもよい。テーブルa〜dに着座したユーザ(顧客)は、オーダ処理(S200)で注文端末3に表示される商品のメニューを参照して、飲食したい商品を注文することが可能である。
【0051】
顧客が退店を指示した場合、会計処理S102が実行される。退店の指示は顧客自身が注文端末3に対して入力することとしても、あるいは、従業員に退店する旨を伝え、従業員がハンディターミナル9、あるいは、管理サーバ装置1に入力して行うこととしてもよい。この会計処理では、オーダ処理S200で注文した商品の合計金額が算出され、顧客による支払い、並びに、レシートプリンタ16によるレシート(領収書)の印刷が実行される。この会計処理S102の後、顧客によって使用されたテーブルは、バッシング待ち(清掃待ち)に入る(S103)。従業員によるテーブルの清掃が完了し、当該テーブルが次の顧客を受け入れ可能となった場合、ハンディターミナル9、あるいは、管理サーバ装置1に対してバッシング終了の旨が入力され、次の顧客(顧客グループ)に対する処理が再度開始される。
【0052】
以上、説明した飲食注文システムでは、前述したように各テーブルa〜dに設置された注文端末3a〜3dは、営業時間中、充電されない状態で使用されることになる。したがって、店舗の営業時間中は、注文端末3a〜3dのバッテリ切れが生じないことが望ましい。本発明は、このような事情を鑑みたものであり、注文端末3a〜3dを少なくとも営業時間中、持続させることを目的としたものである。なお、以下の説明では、注文端末3a〜3dの構成は同じため、符号のアルファベットは省略して説明する。
【0053】
図6は、本発明の実施形態に係るバッテリ状態監視処理を示すフロー図である。本実施形態では、注文端末3のバッテリ状態を監視することで、営業時間中の持続可能性を判断する。バッテリの監視処理は2つの状態、すなわち、注文端末3が充電中であるか、否かで異なっている。バッテリ監視処理は、注文端末3が起動中に実行される処理であって、注文端末3が充電中であるか否かを判断する(S301)。注文端末3が充電中でないと判断した場合(S301:No)には、使用中監視処理(S310)が実行される。一方、注文端末3が充電中でないと判断した場合(S301:Yes)には、充電中監視処理(S330)が実行される。
【0054】
これら使用中監視処理(S310)、充電中監視処理(S330)は、注文端末3のバッテリ39が利用終了時刻、例えば、店舗の閉店時刻まで持続可能か否かを判定する処理である。なお、利用終了時刻は、飲食店等の店舗の営業に関する時刻であって、閉店時刻意外に、注文終了時刻(オーダーストップ時刻)を使用することとしてもよい。また、利用終了時刻には、実際の閉店時刻、注文終了時刻に対してマージン(余裕)を設けて設定することも可能である。
【0055】
注文端末3に対しては、各店舗に応じた利用終了時刻を設定する設定処理が必要となる。この設定処理は、利用終了時刻を各注文端末3毎に行うこととしてもよいが、設定の煩雑さ、設定ミスを少なくするため、複数の注文端末3を一括して設定可能とすることが好ましい。例えば、1台の注文端末3に対し、タッチパネルモニタ32等のユーザインタフェイスを使用して設定された利用終了時刻は、同じネットワーク内の他の注文端末3に自動設定されることが考えられる。あるいは、管理サーバ装置1等、外部の情報処理装置を使用して、複数の注文端末3の利用終了時刻を一括設定することとしてもよい。例えば、管理サーバ装置1の入力手段15、あるいは、タッチパネルモニタ17を使用して、利用終了時刻を入力し、ネットワークを介して、各注文端末3に送信、設定することが考えられる。
【0056】
また、店舗では営業日、非営業日、営業時間帯が曜日で異なることが考えられる。このような事情を鑑みて、利用終了時刻は、各日毎に設定する、あるいは、曜日毎に設定できるようにしてもよい。このような形態では、設定された各日、あるいは、曜日に応じた利用終了時刻を使用することで、各日、あるいは、曜日に応じた適切な処理を実行することが可能となる。
【0057】
図7は、本発明の実施形態に係る使用中監視処理(S310)を示すフロー図である。使用中監視処理は、注文端末3が充電されていないとき、すなわち、テーブルa〜dで使用されている状態で行われる処理である。使用中監視処理(S310)では、まず、バッテリ持続時間の予測が行われる(S311)。バッテリ持続時間の予測は、現在のバッテリ39の充電状態、例えば、充電率と、現時点における単位時間あたりのバッテリ39の減衰率を使用して行われる。充電率を減衰率で除することで、バッテリ持続時間を算出(予測)することが可能である。本実施形態では、このように線形の予測としているが、バッテリ39の充電率に応じて減衰率が異なる非線形の予測を使用してもよい。また、予測に使用する減衰率は、経年劣化、あるいは、店舗での利用状況(例えば、注文頻度が高い店舗、注文頻度が低い店舗など)で異なることが考えられる。そのため、注文端末3の使用中、バッテリ39の減衰率を計測しておき、使用中監視処理(S310)に使用することとしてもよい。
【0058】
なお、本実施形態ではS311で取得した現時点におけるバッテリ39の減衰率は、後で説明する充電中監視処理のために減衰率履歴の更新に使用される(S311’)。減衰率履歴は、今回の使用時における減衰率の平均の他、今回の使用時における減衰率の経時的変化など、各種形態を採用することができる。
【0059】
次に、利用終了時刻を取得する。本実施形態では、注文端末3に予め設定(記憶)されている利用終了時刻が取得される(S312)。なお、バッテリ持続時間の予測(S311)と利用終了時刻の取得(S312)の前後関係はどちらであってもよい。また、利用終了時刻の取得(S312)は、注文端末3に記憶しておくのみならず、管理サーバ装置1に記憶している利用終了時刻を、ネットワークを介して取得してもよい。次に、注文端末3は、予測したバッテリ持続時間と現在時刻に基づいて、利用終了時刻まで注文端末3の電力が足りるか否かを判定する(S313)。
【0060】
図8は、使用中監視処理時のバッテリの状態を説明するための図である。横軸は時間を示しており、横軸に表記する数字は、使用中監視処理におけるS313の判定時の回数である。例えば、1回目の判定では、現在時刻から利用終了時刻までが、注文端末3を利用終了時刻(例えば23:00)まで駆動するのに必要なバッテリ必要時間T1となる。一方、バッテリ持続可能時間は、1回目の判定までの減衰率を使用して判定される。本実施形態では、1回目の判定までの減衰率で、減衰させた場合の充電率0%と交差するまでの時間がバッテリ持続可能時間としている。図からも分かるように1回目の判定結果は、バッテリ持続時間は、バッテリ必要時間T1に満たないことになる。このように利用終了時刻まで注文端末3の電力が足りない場合(S313:No)、本実施形態では注文端末3の輝度を下げることで、利用終了時刻までの電力不足を補うこととしている。注文端末3では、表示部32aの表示に使用される電力が大きな割合を占めている。本実施形態では、表示部32aの輝度を節約することで、注文端末3を利用終了時刻まで稼働可能となるようにしている。なお、本実施形態では、現在の時刻から利用終了時刻までの時間をバッテリ必要時間として使用しているが、現在の時刻から利用終了時刻までの時間に所定の予備時間を加算した時間を、バッテリ必要時間としてもよい。バッテリ39の電力量に余裕を待たせ、注文端末3の駆動状況が変化した場合においても、注文端末を利用終了時刻まで稼働させることが可能となる。
【0061】
なお、上述した形態では、バッテリの管理に、バッテリの蓄電に関する相対的値(充電率、減衰率など)を使用しているが、mAh(ミリアンペアアワー)等、バッテリの蓄電に関する絶対的値(充電量、減衰量など)を使用してもよい。
【0062】
注文端末3の電力が不足すると判定された場合(S313:No)、まず、現在の表示部32aの輝度が、最低か否かが判定される(S317)。輝度が最低でない場合(S317:No)、表示部32aの輝度が所定レベルだけ下げられる(S318)。使用中監視処理(S310)を繰り返し実行することで、バッテリ持続可能時間が利用終了時刻まで持続するように制御することが可能となる。なお、本実施形態では、所定レベルだけ下げているが、利用終了時刻までに不足する電力量に応じて、下げる輝度レベルの量を変更することとしてもよい。具体的には、利用終了時刻までに不足する電力量が大きい場合には下げる輝度レベルの量を大きくし、バッテリ持続可能時間が利用終了時刻まで持続するように制御する。
【0063】
一方、表示部32aの輝度が既に最低となっている場合(S317:Yes)、これ以上、節電のため輝度を下げることもできず、また、利用終了時間までバッテリ39の電力も持続できないため、注文端末3は、バッテリ39の電力が利用終了時刻まで持続できない旨を従業員に通知することを目的として電力不足通知を実行する(S318)。本実施形態では、注文端末3のLED36aを使用して通知を行うこととしている。
【0064】
図11には、注文端末3の通知形態を説明するための表が記載されている。使用中監視処理における電力不足通知(S318)におけるLED36aの通知形態は、図11の表中、非充電時であって、バッテリ不足時がこれに相当する。非充電時においてバッテリ39の電力が足りている場合(バッテリ充足時)、LED36aはオフとなっているのに対し、バッテリ不足時は、LED36aを低速(点滅間隔3秒)で点滅させることで行われる。なお、LED36aの表示色は、バッテリ充電率によって変化させている。なお、バッテリ充電率10%以下の場合にはLED36aの点滅に加え、表示部32aにバッテリの電力が不足している旨のメッセージを表示することとしている。なお、LED36aを低速で点滅させるのは、注文端末3を使用している顧客になるべく違和感を持たせることなく、従業員にバッテリ不足を通知することを目的とするためである。
【0065】
注文端末3の電力が足りると判定された場合(S313:Yes)、バッテリ39の電力が閾値以上足りているか否かが判定される(S314)。この判定は、例えば、バッテリ持続時間がバッテリ必要時間T1に対して閾値以上長いことを条件として判定することが可能である。
【0066】
例えば、図8に示す2回目の判定では、現在時刻から利用終了時刻までが、注文端末3を利用終了時刻(例えば23:00)まで駆動するのに必要なバッテリ必要時間T2となる。一方、バッテリ持続可能時間は、1回目から2回目の判定までの減衰率を使用して判定される。本実施形態では、1回目から2回目の判定までの減衰率で、減衰させた場合の充電率0%と交差するまでの時間がバッテリ持続可能時間としている。図からも分かるように2回目の判定結果は、バッテリ持続時間は、バッテリ必要時間T2よりも十分に大きいことになる。
【0067】
このように、バッテリ39の電力が閾値以上足りていると判定された場合(S314:Yes)、次に、現在の表示部32aの輝度が最高となっているか否かが判定される(S315)。表示部32aの輝度が最高となっていない場合(S315:No)、すなわち、まだ表示部32aの輝度を上げる余地がある場合、表示部32aの輝度を所定レベルだけ上げる(S316)。このように、本実施形態では、バッテリ39の電力状況によって、利用終了時刻まで十分に持続可能な場合には、表示部32aの輝度を上げることで、顧客に対し、認識しやすい表示映像を提供することとしている。
【0068】
なお、本実施形態では、S315の判定に、最高輝度を使用しており、バッテリ39の電力が十分な場合、最高輝度で表示することとしているが、最高輝度で表示することは、外部の明るさにそぐわず、不必要に表示画面を明るくすることが考えられる。例えば、注文端末3に搭載されている照度センサ36bを使用した自動輝度調整を使用する場合には、S315の判定において、最高輝度を使用することに代え、自動輝度調整による輝度を使用することとしてもよい。この場合、バッテリ39の電力が十分な場合、自動輝度調整にて調整された外部の明るさに適した輝度で表示映像が表示されることになる。
【0069】
一方、バッテリ39の電力が閾値以上足りていないと判定された場合(S314:No)、あるいは、表示部32aの輝度が最高となっていない場合(S315:No)には、表示部32aの輝度は変更せず、現状の輝度を維持したまま処理を終了する。
【0070】
以上、説明したように、注文端末3が充電中で無い場合、すなわち、使用中の場合には、使用中監視処理(S310)を繰り返し実行することで、利用終了時刻までバッテリ39を持続可能なように表示部32aの輝度が適切に制御される。なお、本実施形態では、利用終了時刻まで電力が十分に足りる場合(S314:Yes)には、輝度を上げる処理(S316)を実行することとしているが、バッテリ39を利用終了時刻まで持続させるという点からすると、この輝度を上げる処理は必ずしも必須ではない。
【0071】
次に、注文端末3が充電中の場合に実行される充電中監視処理について説明する。図9は、本発明の実施形態に係る充電中監視処理を示すフロー図である。注文端末3が充電中の場合、注文端末3は、パワーセーブ機能を有効化して電力使用量の抑制を図る(S331)。このパワーセーブ機能は、表示部32aを最低輝度に落とす、CPU34aの使用率を落とす等、注文端末3の使用電力を抑制することで、バッテリ39がより早く充電されることを促す処理である。
【0072】
次に、使用中監視処理(S310)の場合と同様、バッテリ持続時間の予測が行われる(S332)。このバッテリ持続時間の予測は、現在のバッテリ39の充電率、前回の使用時に記録したバッテリ39の減衰率履歴等を使用することで予測することが可能である。本実施形態では、減衰率履歴として前回の使用時における減衰率の平均、あるいは、減衰率の経時的変化を使用しているが、減衰率履歴には、過去数回分の使用時における情報を使用してもよい。過去数回分の使用時における情報を使用することで、使用状態の変化に伴う誤差を緩和することが可能となる。なお、本実施形態では、バッテリの蓄電に関する相対的値(充電率、減衰率など)を使用しているが、mAh(ミリアンペアアワー)等、バッテリの蓄電に関する絶対的値(充電量、減衰量など)を使用してもよい。相対的な値を使用する場合には、バッテリの劣化に伴い、充電量、減衰率が変化することになるため、図7で説明したように、注文端末3の使用中に減衰率履歴を更新する(S311’)必要があるが、絶対的値を使用する場合には、バッテリの劣化は充電量に反映されるため、必ずしも減衰率履歴を取得する必要は無い。
【0073】
次に、利用終了時刻を取得する(S333)。利用終了時刻は、注文端末3に予め設定(記憶)されている値の他、管理サーバ装置1等、外部の端末に記憶された値を、ネットワークを介して取得することとしてもよい。
【0074】
次に、注文端末3は、予測したバッテリ持続時間と現在時刻に基づいて、利用終了時刻まで注文端末3の電力が足りるか否かを判定する(S334)。図10は、充電中監視処理時のバッテリの状態を説明するための図である。縦軸はバッテリ39の充電率を示し、横軸は、時間を示している。充電中監視処理中、注文端末3は充電中、すなわち、充電率は増加している状況にあるが、バッテリ持続時間は、注文端末3が現在の充電率で使用状況となった場合、すなわち、注文端末3が充電台4から取り外され、テーブルa〜d等で使用状態となったことを想定して予測される。なお、本実施形態では、使用時の減衰率を前回の使用時における減衰率履歴であって、前回の使用時において複数回取得した減衰率の平均(一定の値)を使用している。
【0075】
例えば、充電率Bの場合、所定の減衰率の元、現在からのバッテリ持続時間を予測した場合、利用終了時刻(例えば、23:00)まで持続しないことが分かる。一方、充電率Aの場合、利用終了時刻を超えて持続することが分かる。このような予測手法を使用した場合、利用終了時刻まで持続するには、充電率Xが必要となることが分かる。したがって、充電中、バッテリ39の充電率が充電率Xを超えた場合、注文端末3の充電を中止して使用状態とても利用終了時刻までバッテリ39は持続することとなる。本実施形態では、注文端末3の充電中、この充電率Xを超えたこと、すなわち、利用終了時刻までバッテリ39が持続可能となったことを通知することとしている。なお、利用終了時刻には、予定の予備時間を加算する、あるいは、充電率Xには予備充電率を加算することで、利用終了時刻まで余裕を持って利用できるようにしてもよい。
【0076】
充電中監視処理(S330)では、利用終了時刻までバッテリ39が足りると判断された場合(S334:Yes)、電力充足通知を実行する(S336)。この電力充足通知が通知された状態では、注文端末3を利用開始した場合、利用終了時刻まで充電を行う必要なく、バッテリ39が持続した状態で注文端末3を使用できることになる。したがって、充電中にこの電力充足通知を確認した従業員は、テーブルa〜dに注文端末3を配置することが可能となる。利用終了時刻までバッテリ39を持続させるには、必ずしもバッテリ39を満充電とする必要は無い。このように利用終了時刻までバッテリ39が持続することを条件としたことで、バッテリ39不足となる不安を解消するとともに、できるだけ短い充電時間で利用可能とすることが可能となる。
【0077】
一方、利用終了時刻までバッテリ39が足りると判断された場合(S334:Yes)には、バッテリ39が満充電であるか否かが判定される(S335)。バッテリ39が満充電で無いと判定された場合(S335:No)、電力不足通知(S335)が実行される。この電力不足通知が通知された状態では、注文端末3を利用開始した場合、利用終了時刻までバッテリ39が持続しない可能性があることとなる。したがって、充電中にこの電力不足通知を確認した従業員は、電力不足通知が電力充足通知に変更されるまで待ってから利用開始することになる。
【0078】
また、バッテリ39が満充電と判定された場合(S335)には、バッテリ消耗通知(S337)が実行される。例えば、充電率100[%]から引いた一点鎖線の形態がこれに相当する。バッテリ39の劣化により、減衰率が上昇した場合、一点鎖線で示されるように、充電率100[%]であっても利用終了時刻までバッテリ39が持続しなくなる場合がある。このように満充電の状態であっても利用終了時刻までバッテリ39が持続しない場合、バッテリ39の消耗により、バッテリ容量が減っているため、利用可能時刻まで利用できない状態となっていることが考えられる。このような場合、注文端末3のバッテリ39を交換する等の処置が必要となる。本実施形態では、バッテリ消耗通知(S337)を行うことで、従業員等にその旨を伝達することとしている。
【0079】
図11には、注文端末3の各種通知形態を説明するための表が記載されている。充電中監視処理における電力不足通知(S336)におけるLED36aの通知形態は、図11の表中、充電時であって、バッテリ不足時がこれに相当する。充電時においてバッテリ39の電力が足りている場合(バッテリ充足時)、電力充足通知(S338)として、LED36aを点灯状態としている。一方、バッテリ不足時は、LED36aを高速(点滅間隔1秒)で点滅させることで電力不足通知(S336)が行われる。注文端末3の充電は、店舗のバックヤード等、顧客の目が届きにくい場所で行われるため、このようにLED36aを高速で点滅させることで、従業員等、注文端末3の充電を管理する者に対してバッテリ39の充電状況を目に付き易くしている。
【0080】
なお、バッテリ39が満充電(100%)であって、バッテリ不足時(利用終了時刻までバッテリ39が持続しない場合)には、バッテリ消耗通知(S337)が実行されることになるが、本実施形態では、バッテリを管理する者が分かり易いように、LED36aの点滅に加え、バッテリ39が消耗している旨、あるいは、バッテリ39の交換時期が到来している旨、あるいは、利用終了時刻までバッテリ39が持続しない旨などの各種メッセージを表示部32aに表示することとしている。
【0081】
また、本実施形態では、バッテリ充電率が10%以下となった場合、LED36aによる通知に加え、バッテリ充電率が極めて低いことを通知するメッセージを表示部32aに表示することとしている。
【0082】
以上、注文端末3の使用中監視処理(S310)、充電中監視処理(S330)について説明したが、本実施形態では、店舗にて設定された利用終了時刻までバッテリ39が持続可能か否かを従業員等、注文端末3を管理する者に対して通知することで、利用終了時刻までバッテリ39切れとならないように安心して使用可能としている。図11で説明したように、本実施形態では、バッテリ39の状態はLED36a、表示部32aを使用した各種通知(電力不足通知(S318)、電力充足通知(S338)、電力不足通知(S336))を行うこととしているが、このような通知は、各種形態を採用することが可能である。
【0083】
例えば、LED36aによる通知を使用せずに、表示部32aを使用した通知形態、あるいは、表示ではなく注文端末3のスピーカから音声を使用して通知する通知形態等、各種形態を採用することができる。また、各種通知は、注文端末3で行う形態のみならず、注文端末3とネットワーク接続された各種装置、例えば、管理サーバ装置1で通知する形態であってもよい。このような場合、店舗内の複数の注文端末3を識別可能なように、注文端末3を示す識別情報と当該注文端末3に対する通知が対応付けられて実行されることになる。
【0084】
また、前述の実施形態では、利用終了時刻のみを使用してバッテリ持続時間を予測し、通知を行うこととしているが、バッテリ持続時間の予測には、利用開始時刻を使用してもよい。利用開始時刻とは、例えば、店舗が営業を開始する時刻である。利用開始時刻前と利用開始時刻後では、注文端末3の利用状況が変化するため、バッテリ39の減衰率が大きく異なることが考えられる。図12は、このような利用開始時刻を使用した充電中監視処理時のバッテリ39の状態を説明する図である。図10では、所定の減衰率を使用していたのに対し、本実施形態では、利用開始時刻前と、利用開始時刻後でバッテリ39の減衰率を異ならせている。図10では、利用開始時刻前は、注文端末3に対する顧客の操作は無く、また、スリープ状態で表示部32aの輝度も最低となっているため、バッテリ39の減衰率を略0としている。一方、利用開始時刻以降は、所定の減衰率を使用してバッテリ39の持続可能時間を算出している。
【0085】
図12中、充電率Bの場合、現在からのバッテリ持続時間を予測した場合、利用終了時刻(例えば、23:00)まで持続しないことが分かる。一方、充電率Aの場合、利用終了時刻を超えて持続することが分かる。このような予測手法を使用した場合、利用終了時刻まで持続するには、充電率Xが必要となることが分かる。このように、利用開始時刻前と利用終了時刻後で異なる減衰率を考慮することで、より正確に利用終了時刻まで持続するか否かを判断することが可能となる。
【0086】
なお、注文端末3は、利用開始時刻を使用して自動起動処理を実行することとしてもよい。注文端末3は、利用開始時刻となるまで利用しないことが予め分かっているため、利用開始時刻が到来したことを条件として、注文端末3を省電力状態から使用可能状態に遷移させることとしてもよい。このように自動起動処理を行うことで、店舗の利用に即した適切な省電力を行うことが可能となる。
【0087】
以上、本発明の情報処理装置について、飲食注文システムで使用される注文端末3を例に取って説明を行ったが、本発明は注文端末3に限られるものではなく、例えば、飲食注文システム内のハンディターミナル9、あるいは、利用開始時刻が決まっている業種で使用される各種情報処理装置に適用することが可能である。また、情報処理装置で実行され、本発明の機能を実現する情報処理装置用プログラムについても本発明の範疇に属するものである。
【符号の説明】
【0088】
1:管理サーバ装置 32:タッチパネルモニタ
3(3a〜3d):注文端末 32a:表示部
4:充電台 32b:タッチパネル
5:キッチン端末装置 33:充電端子
6:ウェイティング端末 34a:CPU
9(9a、9b):ハンディターミナル 34b:ROM
11a:CPU 34c:RAM
11b:ROM 34d:画像処理部
11c:RAM 34e:音声処理部
11d:画像処理部 36a:LED
11e:音声処理部 36b:照度センサ
12:HDD 37b:インターフェイス
13:通信部 38:無線通信部
14:インターフェイス 38a:アンテナ
15:入力手段 39:バッテリ
16:レシートプリンタ 41:DC変換部
17:タッチパネルモニタ 42:給電端子
17a:表示部 43:電源ライン
17b:タッチパネル 51:キッチンプリンタ
19:バッテリ 51e:音声処理部
21:ルータ Lp:電源線
22:アクセスポイント
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12