特許第6862251号(P6862251)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6862251二酸化炭素回収システムおよび二酸化炭素回収システムの運転方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6862251
(24)【登録日】2021年4月2日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】二酸化炭素回収システムおよび二酸化炭素回収システムの運転方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/62 20060101AFI20210412BHJP
   B01D 53/14 20060101ALI20210412BHJP
   B01D 53/78 20060101ALI20210412BHJP
【FI】
   B01D53/62ZAB
   B01D53/14 200
   B01D53/14 220
   B01D53/78
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-75454(P2017-75454)
(22)【出願日】2017年4月5日
(65)【公開番号】特開2018-176027(P2018-176027A)
(43)【公開日】2018年11月15日
【審査請求日】2020年1月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】宇田津 満
(72)【発明者】
【氏名】大橋 幸夫
(72)【発明者】
【氏名】程塚 正敏
(72)【発明者】
【氏名】北村 英夫
【審査官】 長谷部 智寿
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/192381(WO,A1)
【文献】 特開平05−192511(JP,A)
【文献】 実開昭59−127708(JP,U)
【文献】 特開2016−023897(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0231525(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/14−53/18
B01D 53/34−53/85
B01D 53/92
B01D 53/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理対象排ガスに含有される二酸化炭素を吸収液に吸収させる吸収装置と、
前記吸収装置から供給される前記吸収液から前記二酸化炭素を放出させる再生装置と、を備え、
前記再生装置は、前記吸収液を貯留する再生貯留部と、前記再生貯留部に前記吸収液を導入する導入口と、前記再生貯留部から前記吸収液を導出する導出口と、区画部材と、を有し、
前記区画部材は、前記再生貯留部を、前記導入口の側に形成された上流側空間と、前記導出口の側に形成された下流側空間と、に区画し、
前記区画部材は、前記上流側空間から前記下流側空間に向かう前記吸収液が通過する開口部を含み、
前記上流側空間に、前記吸収液を加熱する加熱部が設けられている、二酸化炭素回収システム。
【請求項2】
前記区画部材は、上下方向に延びている、請求項1に記載の二酸化炭素回収システム。
【請求項3】
前記下流側空間は、前記区画部材の周囲に形成されている、請求項1または2に記載の二酸化炭素回収システム。
【請求項4】
前記再生貯留部および前記区画部材は、円筒状に形成され、
前記区画部材は、前記再生貯留部に同心状に形成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の二酸化炭素回収システム。
【請求項5】
前記導入口は、前記上流側空間内で前記吸収液が旋回流となって流れるように前記吸収液を前記上流側空間内に導入するように構成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の二酸化炭素回収システム。
【請求項6】
前記上流側空間に、前記上流側空間内で前記吸収液が旋回流となって流れるように前記吸収液の流れ方向を変更させる整流部材が設けられている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の二酸化炭素回収システム。
【請求項7】
前記区画部材に、前記下流側空間内の前記吸収液を前記上流側空間に吸引する吸引口が設けられ、
前記吸引口は、前記導入口に対して前記開口部の側とは反対側に配置されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の二酸化炭素回収システム。
【請求項8】
前記上流側空間に、前記上流側空間を前記開口部に向かって流れる前記吸収液の流れ方向を変更させるバッフルが設けられている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の二酸化炭素回収システム。
【請求項9】
前記バッフルに、前記吸収液から放出された前記二酸化炭素を通過させる貫通孔が設けられている、請求項8に記載の二酸化炭素回収システム。
【請求項10】
処理対象排ガスに含有される二酸化炭素を吸収液に吸収させる吸収装置と、前記吸収装置から供給される前記吸収液から前記二酸化炭素を放出させる再生装置と、を備えた二酸化炭素回収システムの運転方法であって、
前記吸収装置から供給された前記吸収液を、前記再生装置の導入口から、前記再生装置の再生貯留部のうち区画部材により区画された上流側空間に導入する工程と、
前記上流側空間に導入された前記吸収液を加熱する工程と、
加熱された前記吸収液を、前記区画部材の開口部を通過させて、前記再生貯留部のうち前記区画部材により区画された下流側空間に流入させる工程と、
前記下流側空間に流入した前記吸収液を、導出口から導出する工程と、を備えた、二酸化炭素回収システムの運転方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、二酸化炭素回収システムおよび二酸化炭素回収システムの運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化問題に対する有効な対策として、二酸化炭素(CO)を回収して貯留する二酸化炭素回収貯留技術(CCS:Carbon Dioxide Capture and Storage)が注目されている。具体的には、火力発電所や製鉄所、清掃工場等で排出されるプロセス排ガス(処理対象排ガス)中の二酸化炭素を、吸収液により回収する二酸化炭素回収システムが検討されている。
【0003】
二酸化炭素回収貯留技術の一つとして、化学吸収法による二酸化炭素回収システムが知られている。このような二酸化炭素回収システムは、吸収装置と、再生装置と、を備えている。このうち吸収装置において、プロセス排ガスに含有されている二酸化炭素が、例えばアミン等の吸収液成分および水分を含有する吸収液に吸収される。この際、吸収装置からは、二酸化炭素を放出したプロセス排ガスが排出される。二酸化炭素を吸収した吸収液は再生装置に供給されて、再生装置において吸収液から二酸化炭素が放出される。この際、再生装置からは、放出された二酸化炭素が蒸気とともに排出されて、二酸化炭素が分離回収される。再生装置において二酸化炭素を放出した吸収液は、吸収装置に戻されて、吸収装置において再び二酸化炭素を吸収する。このようにして、吸収液が吸収装置と再生装置とを循環し、プロセス排ガスに含有されている二酸化炭素が連続的に回収されるようになっている。
【0004】
上述したように、再生装置では、二酸化炭素を吸収した吸収液から二酸化炭素を放出するために、吸収液が加熱される。吸収液の加熱方法としては、要求される熱量に応じて、蒸気を用いて吸収液を加熱する方法や、ヒータを用いて吸収液を電気で加熱する方法などが挙げられる。加熱する吸収液の量が少ない場合や、加熱するために多量の熱量が必要とされない場合、設置スペースが制限されている場合には、二酸化炭素回収システムの構成の簡素化のために、ヒータを用いる方法が採用され得る。この場合、ヒータは、吸収液を貯留した容器内に設けられる。
【0005】
しかしながら、ヒータから出力される熱量は一般的に小さい。このことにより、容器内の吸収液に生じる対流が弱くなり、吸収液を効果的に加熱することが困難になっている。このため、容器内の吸収液に熱の偏在化が生じ、十分に加熱されることなく吸収液が再生装置から排出される場合がある。加熱が不十分な吸収液には二酸化炭素が比較的多く残存し、再生装置から排出される吸収液の二酸化炭素含有量が増大するという問題がある。この場合、二酸化炭素の回収性能が低下し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−323339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、再生装置から排出される吸収液の二酸化炭素含有量を低減することができ、二酸化炭素の回収性能を向上させることができる二酸化炭素回収システムおよび二酸化炭素回収システムの運転方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施の形態による二酸化炭素回収システムは、処理対象排ガスに含有される二酸化炭素を吸収液に吸収させる吸収装置と、吸収装置から供給される吸収液から二酸化炭素を放出させる再生装置と、を備えている。再生装置は、吸収液を貯留する再生貯留部と、再生貯留部に吸収液を導入する導入口と、再生貯留部から吸収液を導出する導出口と、区画部材と、を有している。区画部材は、再生貯留部を、導入口の側に形成された上流側空間と、導出口の側に形成された下流側空間と、に区画している。区画部材は、上流側空間から下流側空間に向かう吸収液が通過する開口部を含んでいる。上流側空間に、吸収液を加熱する加熱部が設けられている。
【0009】
また、実施の形態による二酸化炭素回収システムの運転方法は、処理対象排ガスに含有される二酸化炭素を吸収液に吸収させる吸収装置と、吸収装置から供給される吸収液から二酸化炭素を放出させる再生装置と、を備えた二酸化炭素回収システムの運転方法である。この二酸化炭素回収システムの運転方法は、吸収装置から供給された吸収液を、再生装置の導入口から、再生装置の再生貯留部のうち区画部材により区画された上流側空間に導入する。上流側空間に導入された吸収液は、加熱される。加熱された吸収液は、区画部材の開口部を通過して、再生貯留部のうち区画部材により区画された下流側空間に流入する。下流側空間に流入した吸収液は、導出口から導出する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、再生装置から排出される吸収液の二酸化炭素含有量を低減することができ、二酸化炭素の回収性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、第1の実施の形態における二酸化炭素回収システムの全体構成を示す図である。
図2図2は、第2の実施の形態における二酸化炭素回収システムにおいて、再生装置を示す図である。
図3図3は、図2の再生装置において、吸収液の導入方向を説明するための図である。
図4図4は、図2の再生装置において、吸収液の導入方向を説明するための図である。
図5図5は、第3の実施の形態における二酸化炭素回収システムにおいて、再生装置を示す図である。
図6図6は、第4の実施の形態における二酸化炭素回収システムにおいて、再生装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態における二酸化炭素回収システムおよび二酸化炭素回収システムの運転方法について説明する。
【0013】
(第1の実施の形態)
まず、図1を用いて、第1の実施の形態における二酸化炭素回収システムおよび二酸化炭素回収システムの運転方法について説明する。
【0014】
図1に示すように、二酸化炭素回収システム1は、プロセス排ガス2(処理対象排ガス)に含有される二酸化炭素を、水分を含有する吸収液(リーン液5)に吸収させる吸収装置20(吸収塔)と、吸収装置20から供給される二酸化炭素を吸収した吸収液(リッチ液4)から二酸化炭素を放出させて、リッチ液4を再生する再生装置30と、を備えている。このうち吸収装置20において二酸化炭素をリーン液5に吸収させたプロセス排ガス2は、吸収装置排ガス3として吸収装置20から排出される。また、再生装置30から二酸化炭素が蒸気と共に再生装置排ガス8として排出される。なお、吸収装置20に供給されるプロセス排ガス2は、特に限定されるものではないが、例えば火力発電所や、製鉄所、清掃工場等で排出される排ガスとすることができる。このような排ガスは、図示しない送風機によって吸収装置20に供給される。
【0015】
吸収装置20と再生装置30とは、リッチ液ラインL1およびリーン液ラインL2によって連結されている。このうちリッチ液ラインL1は、吸収装置20から排出されたリッチ液4を再生装置30に供給する。リーン液ラインL2は、再生装置30から排出されたリーン液5を吸収装置20に供給する。吸収液4、5は、リッチ液ラインL1およびリーン液ラインL2によって吸収装置20と再生装置30とを循環し、吸収装置20において二酸化炭素を吸収してリッチ液4となり、再生装置30において二酸化炭素を放出してリーン液5となる。なお、吸収液には、例えば、モノエタノールアミン(monoethanolamin)、ジエタノールアミン(diethanolamin)などのアミン系水溶液を好適に用いることができるが、このようなアミンの種類に限定されるものではない。また、1種類以上のアミンを含有する水溶液で構成されていてもよい。
【0016】
吸収装置20は、吸収装置20に収容された吸収部20a(充填層またはトレイ)を有している。この吸収部20aは、向流型気液接触装置として構成されており、プロセス排ガス2とリーン液5とを接触させて、プロセス排ガス2に含有される二酸化炭素をリーン液5に吸収させる。より具体的には、吸収装置20の下部に供給されたプロセス排ガス2は、吸収部20a内を上昇する。一方、再生装置30からのリーン液5が、吸収部20a内を分散落下する。吸収部20aにおいて、プロセス排ガス2とリーン液5とが気液接触して、プロセス排ガス2に含有される二酸化炭素がリーン液5に吸収されてリッチ液4が生成される。
【0017】
生成されたリッチ液4は、吸収装置20の底部からリッチ液ラインL1に排出される。リーン液5と気液接触したプロセス排ガス2は、二酸化炭素が除去されて、吸収装置排ガス3として吸収部20aから排出されて吸収装置20内を上昇し、吸収装置20の上部から排出される。
【0018】
吸収装置20と再生装置30との間には再生熱交換器31が設けられている。この再生熱交換器31は、リッチ液ラインL1を通るリッチ液4と、リーン液ラインL2を通るリーン液5とを熱交換させるように構成されている。このことにより、リーン液5が熱源となって、リッチ液4が所望の温度まで加熱される。言い換えると、リッチ液4が冷熱源となって、リーン液5が所望の温度まで冷却される。
【0019】
リッチ液ラインL1には、リッチ液用ポンプ32が設けられている。このリッチ液用ポンプ32によって、吸収装置20から排出されたリッチ液4は、再生熱交換器31を介して再生装置30に供給される。
【0020】
リーン液ラインL2には、リーン液用ポンプ34が設けられている。このリーン液用ポンプ34によって、再生装置30から排出されたリーン液5は、再生熱交換器31を介して吸収装置20に供給される。再生熱交換器31は、上述したように、リーン液ラインL2を通るリーン液5を、リッチ液ラインL1を通るリッチ液4と熱交換させて冷却する。また、リーン液ラインL2には、再生装置30(より具体的には再生熱交換器31)から吸収装置20に供給されるリーン液5を冷却するリーン液用冷却器35が設けられている。このリーン液用冷却器35には、外部から冷却水等の冷却媒体が供給され、リーン液用冷却器35は、再生熱交換器31において冷却されたリーン液5を所望の温度まで更に冷却する。
【0021】
リーン液用冷却器35において冷却されたリーン液5は、吸収装置20の吸収部20aに供給される。吸収部20aにおいて、リーン液5はプロセス排ガス2と気液接触してプロセス排ガス2に含有される二酸化炭素がリーン液5に吸収されてリッチ液4となる。このようにして、二酸化炭素回収システム1では、吸収液が、二酸化炭素濃度が比較的低いリーン液5となる状態と、二酸化炭素濃度が比較的高いリッチ液4となる状態とを繰り返しながら循環するようになっている。
【0022】
本実施の形態における二酸化炭素回収システム1は、再生装置排ガス8を冷却する排ガス用冷却器36を更に備えている。この排ガス用冷却器36には、外部から冷却水等の冷却媒体が供給され、排ガス用冷却器36は、再生装置30から排出された再生装置排ガス8を冷却する。冷却された再生装置排ガス8は、図示しない回収設備に回収される。
【0023】
上述したように、再生装置30は、吸収装置20から供給されるリッチ液4から二酸化炭素を放出させて、リッチ液4をリーン液5にして吸収液を再生するための装置である。本実施の形態では、再生装置30に供給されるリッチ液4を加熱するためのリボイラーは設けられていない。リボイラーとは、再生装置30から排出されるリーン液5の一部を、外部から供給される加熱媒体によって加熱してリーン液5から蒸気を発生させ、発生した蒸気を再生装置30に供給するためのものである。これに対して本実施の形態では、再生装置30は、貯留されたリッチ液4を後述するヒータ48によって加熱するように構成されている。このような再生装置30は、例えば、加熱するリッチ液4の量が少ない場合や、加熱するために必要とされる熱量がそれほど多くない場合、二酸化炭素回収システム1の設置スペースが制限されている場合などに、好適に用いられる。以下に、再生装置30についてより詳細に説明する。
【0024】
再生装置30は、リッチ液4を貯留する再生タンク40(再生貯留部)と、再生タンク40にリッチ液4を導入する導入口41と、再生タンク40からリーン液5を導出する導出口42と、を有している。本実施の形態による再生装置30は、吸収装置20から供給されたリッチ液4から二酸化炭素を放出させるため、フラッシュドラム若しくはフラッシュタンクと言う場合もある。
【0025】
再生タンク40は、筒状の区画部材43によって、上流側空間44と下流側空間45とに区画されている。このうち上流側空間44は、再生タンク40のうち導入口41の側(上流側)に形成された空間となっている。下流側空間45は、再生タンク40のうち導出口42の側(下流側)に形成された空間であり、上流側空間44よりも下流側に形成されている。
【0026】
本実施の形態では、区画部材43は、上下方向に延びている、区画部材43の下部は、再生タンク40の底部から下方に突出し、突出部46をなしている。
【0027】
上流側空間44は、区画部材43の内側に形成された空間であって、導入口41が配置された空間である。導入口41は、区画部材43の下部(より詳細には、突出部46)に配置されている。導入口41には、リッチ液ラインL1が連結されており、再生熱交換器31から排出されたリッチ液4が供給されるようになっている。導入口41は、リッチ液4の吐出方向が、区画部材43の軸方向(上下方向)に直交する方向(水平方向)になるように構成されている。また、上方から見たときには、導入口41は、上流側空間44の中心44O(図3図4参照)付近に向かってリッチ液4を吐出するようになっていてもよい。例えば、導入口41は、リッチ液4を所定の方向に吐出させるために、所定の流路長を有する部材として形成することができる。
【0028】
上流側空間44においては、導入口41から導入されたリッチ液4が上昇し、このリッチ液4が、後述するヒータ48によって加熱されて、リッチ液4の温度が高められる。このことにより、上流側空間44において、リッチ液4から二酸化炭素が放出され、リッチ液4はリーン液5となる。なお、本実施の形態では、便宜上、この上流側空間44において、リッチ液4が二酸化炭素を放出してリーン液5になるものとして説明する。放出された二酸化炭素は、蒸気と共に再生装置排ガス8として再生タンク40の上部から排出される。
【0029】
区画部材43は、上流側空間44から下流側空間45に向かうリーン液5が通過する開口部47を含んでいる。この開口部47は、区画部材43の下流側端部(上側端部)に配置されている。このことにより、上流側空間44を上昇したリーン液5は、この開口部47を通過して、下流側空間45に流入する。
【0030】
下流側空間45は、区画部材43の外側に形成された空間であって、導出口42が配置された空間である。導出口42は、再生タンク40の底部のうち区画部材43の外側に配置されている。このことにより、下流側空間45においては、上流側空間44から流入したリーン液5が導出口42に向かって下降し、導出口42から導出される。導出口42には、リーン液ラインL2が連結されており、導出されたリーン液5は、再生熱交換器31に供給されるようになっている。
【0031】
本実施の形態では、下流側空間45は、上流側空間44(あるいは区画部材43)の周囲に全周にわたって形成されている。すなわち、再生タンク40および区画部材43は、円筒状に形成されており、区画部材43は、再生タンク40と同心状に配置されている。このことにより、下流側空間45は、上流側空間44の周囲に均等に形成されている。
【0032】
図1に示すように、上流側空間44には、リッチ液4を加熱するヒータ48(加熱部)が設けられている。ヒータ48は、リッチ液4に接してリッチ液4を加熱するヒータ本体49と、ヒータ本体49を支持し、再生タンク40に取り付けるヒータ取付部50と、を有している。本実施の形態では、ヒータ本体49が、上流側空間44内に挿入されており、ヒータ取付部50は、区画部材43の突出部46開口部47に取り付けられている。なお、ヒータ48は、電気ヒータであることが好適であり、リッチ液4を直接的に加熱してもよく、若しくは、油などの媒体を介してリッチ液4を間接的に加熱してもよい。あるいは、ヒータ48は、電気ヒータではなく、高温蒸気を用いてリッチ液4を加熱するようなヒータであってもよい。また、ヒータ48は、ヒータ本体49が筒状に形成された筒型ヒータ、コイル状に形成されたコイル型ヒータ、ヒータ取付部50がフランジ式になっているフランジヒータ、または、ヒータ取付部50がねじ込み式になっているねじ込みヒータであってもよい。さらには、ヒータ48は、再生タンク40の上方から上流側空間に挿入された投げ込み式ヒータであってもよい。
【0033】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用、すなわち、二酸化炭素回収システムの運転方法について説明する。
【0034】
二酸化炭素回収システム1を運転している間、図1に示すように、吸収装置20からリッチ液ラインL1に排出されたリッチ液4は、リッチ液用ポンプ32の吐出力によって、再生熱交換器31を通過して再生装置30に供給される。
【0035】
再生装置30に供給されたリッチ液4は、再生装置30の導入口41から再生タンク40の上流側空間44に導入される。リッチ液4は、上流側空間44に導入されると、リッチ液用ポンプ32の吐出力によって、上流側空間44内を上昇する。
【0036】
リッチ液4は、上流側空間44内を上昇している間、上流側空間44に設けられたヒータ48のヒータ本体49によって加熱され、リッチ液4の温度が高められる。すると、リッチ液4に吸収されていた二酸化炭素が気体となってリッチ液4から放出され、リッチ液4はリーン液5となる。一方、放出された二酸化炭素は、吸収液4、5内を気泡となって上昇し、吸収液4、5の液面を抜けて吸収液4、5から分離される。分離された二酸化炭素は、吸収液4、5の水分から蒸発した蒸気とともに、再生装置排ガス8として再生タンク40の上部から排出される。
【0037】
再生タンク40の上流側空間44において加熱されたリーン液5は、区画部材43の開口部47を通過して下流側空間45に流入する。下流側空間45では、リーン液5は下降し、再生タンク40の底部に設けられた導出口42から導出される。このようにして、リーン液5が、再生装置30からリーン液ラインL2に排出される。
【0038】
リーン液ラインL2に排出されたリーン液5は、リーン液用ポンプ34の吐出力によって、再生熱交換器31およびリーン液用冷却器35を通過して、吸収装置20に供給される。
【0039】
このように本実施の形態によれば、再生装置30の再生タンク40が、区画部材43によって上流側空間44と下流側空間45とによって区画され、上流側空間44に、リッチ液4を加熱するヒータ48が設けられている。このことにより、上流側空間44に導入されたリッチ液4が、ヒータ48の近傍を流れることができ、リッチ液4をヒータ48によって効果的に加熱して、二酸化炭素を効率良く放出させることができる。このため、再生タンク40に導入されたリッチ液4が、加熱が不十分なままで導出口42から導出されることを防止でき、再生装置30から排出されるリーン液5の二酸化炭素含有量を低減することができる。この結果、二酸化炭素の回収性能を向上させることができる。
【0040】
また、本実施の形態によれば、区画部材43は、上下方向に延びている。このことにより、上流側空間44を、上下方向に延びる空間とすることができ、リッチ液4から放出された二酸化炭素の気泡を、スムースに上昇させることができ、吸収液4、5から二酸化炭素を効率良く分離することができる。
【0041】
また、本実施の形態によれば、再生タンク40の下流側空間45は、区画部材43の周囲に形成されている。このことにより、上流側空間44を上昇して区画部材43の開口部47を通過したリーン液5は、上流側空間44の周囲に設けられた下流側空間45にスムースに流入することができる。このため、上流側空間44内のリッチ液4の流れが、区画部材43の軸方向に直交する方向(水平方向)で偏ることを防止でき、リッチ液4の加熱効率を向上させることができる。この結果、リッチ液4からの二酸化炭素をより一層効率良く放出させることができる。とりわけ、本実施の形態によれば、再生タンク40および区画部材43が、円筒状に形成され、区画部材43が、再生タンク40と同心状に配置されている。このことにより、下流側空間45を、上流側空間44の周囲に均等に形成することができる。このため、上流側空間44内のリッチ液4の流れが偏ることをより一層防止できる。
【0042】
なお、上述した本実施の形態においては、導出口42が、再生タンク40の底部のうち区画部材43の外側に配置されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、下流側空間45からリーン液5を導出することができれば、導出口42の位置は任意である。
【0043】
また、上述した本実施の形態においては、区画部材43が、上下方向に延びる例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、区画部材43は、リッチ液4から放出された二酸化炭素の気泡を上昇させて吸収液4、5から分離させることができれば、区画部材43の延びる方向は任意である。
【0044】
また、上述した本実施の形態においては、再生タンク40および区画部材43が、円筒状に形成されて、区画部材43が、再生タンク40に同心状に配置されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、再生タンク40および区画部材43の形状は任意である。また、区画部材43は、再生タンク40に対して偏心していてもよい。
【0045】
さらに、上述した本実施の形態においては、再生タンク40の下流側空間45が、区画部材43の周囲に形成されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、下流側空間45は、区画部材43の周囲の一部に形成されるようにしてもよい。
【0046】
(第2の実施の形態)
次に、図2図4を用いて、本発明の第2の実施の形態における二酸化炭素回収システムおよび二酸化炭素回収システムの運転方法について説明する。
【0047】
図2図4に示す第2の実施の形態においては、再生タンクの上流側空間内で吸収液が旋回流となって流れる点が主に異なり、他の構成は、図1に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図2図4において、図1に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0048】
本実施の形態においては、図2に示すように、再生タンク40の上流側空間44内で、リッチ液4が旋回流となって流れている。より具体的には、図2に示すように、再生タンク40の導入口41が、上流側空間44内でリッチ液4が旋回流となって流れるようにリッチ液4を上流側空間44内に導入するように構成されている。例えば、図3に示すように、導入口41は、上方から見たときに上流側空間44の中心44Oから偏心した位置に向かってリッチ液4を吐出するようになっている。図3では、導入口41が、上流側空間44の半径方向に対して斜めの方向にリッチ液4を導入するように構成されている例が示されている。
【0049】
本実施の形態では、導入口41からのリッチ液4は、上方から見たときの上流側空間44の中心44Oから偏心した位置に向かって吐出される。すると、リッチ液4は、上流側空間44の中心44Oの周りを、区画部材43の内面に沿って旋回しながら上昇する。この間、リッチ液4は、ヒータ48のヒータ本体49によって加熱され、リッチ液4から二酸化炭素が放出され、リーン液5となる。リーン液5は、上流側空間44内を旋回しながら上昇し、開口部47を通過して下流側空間45に流入する。
【0050】
このように本実施の形態によれば、上流側空間44内で、リッチ液4が旋回流となって流れるように上流側空間44内に導入される。このことにより、上流側空間44内のリッチ液4は、旋回しながら上昇することができ、リッチ液4を均一に加熱することができるとともに、リッチ液4とヒータ48のヒータ本体49による加熱時間を長くすることができる。このため、リッチ液4から二酸化炭素を、より一層効率良く放出させることができる。この結果、再生装置30から排出されるリーン液5の二酸化炭素含有量をより一層低減することができる。
【0051】
なお、上述した本実施の形態においては、導入口41が、上流側空間44内でリッチ液4が旋回流となって流れるようにリッチ液4を上流側空間44内に導入している例について説明した。しかしながら、このことに限られることはない。例えば、図4に示すように、上流側空間44に、上流側空間44内でリッチ液4が旋回流となって流れるようにリッチ液4の流れ方向を変更させる整流板60(整流部材)が設けられていてもよい。より具体的には、図4に示すように、導入口41は、上方から見たときに上流側空間44の中心44O付近に向かってリッチ液4を吐出するようになっているが、この導入口41と上流側空間44の中心44Oとの間に、整流板60が配置されている。整流板60は、上流側空間44の半径方向に対して斜めの方向に延びており、導入口41から吐出されたリッチ液4の流れ方向を、半径方向に対して斜めの方向に変更させる。このようにして、上流側空間44に導入されたリッチ液4を、上方から見たときの上流側空間44の中心44Oの周りで、区画部材43の内面に沿って旋回するように流すことができる。
【0052】
(第3の実施の形態)
次に、図5を用いて、本発明の第3の実施の形態における二酸化炭素回収システムおよび二酸化炭素回収システムの運転方法について説明する。
【0053】
図5に示す第3の実施の形態においては、区画部材に、導入口に対して開口部の側とは反対側に、下流側空間内の吸収液を上流側空間に吸引する吸引口が設けられている点が主に異なり、他の構成は、図1に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図5において、図1に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0054】
本実施の形態においては、図5に示すように、区画部材43に、下流側空間45内のリーン液5を上流側空間44に吸引する吸引口61が設けられている。この吸引口61は、導入口41に対して開口部47の側とは反対側に配置されている。図5に示す形態では、導入口41の下方に吸引口61が配置されており、吸引口61は、区画部材43に形成された開口として構成されている。吸引口61の形状や開口面積、個数は、リーン液5の吸引量や、再生タンク40の上流側空間44の容量、下流側空間45の容量などに応じて任意に設定することができる。
【0055】
なお、図5においては、図1等に示すような突出部46は形成されておらず、区画部材43は、再生タンク40の内部に配置されている。そして、下流側空間45には、リッチ液ラインL1と導入口41とを連結したリッチ液配管62が挿入されている。
【0056】
本実施の形態では、導入口41から上流側空間44に導入されたリッチ液4は、上流側空間44を上昇する。この際、リッチ液4の上昇流に巻き込まれるように、導入口41よりも下方に設けられた吸引口61から、下流側空間45内のリーン液5が上流側空間44に吸引される。吸引されたリーン液5は、導入口41から導入されたリッチ液4とともに、上流側空間44内を上昇する。この間、リッチ液4およびリーン液5は、ヒータ48のヒータ本体49によって加熱され、リッチ液4は二酸化炭素を放出してリーン液5となる。吸引口61から吸引されたリーン液5も加熱されることによって二酸化炭素を放出する。リーン液5は、開口部47を通過して下流側空間45に流入する。
【0057】
このように本実施の形態によれば、区画部材43に設けられた吸引口61によって、下流側空間45内のリーン液5を上流側空間44に吸引することができる。このことにより、下流側空間45内のリーン液5を、ヒータ48のヒータ本体49によって再度加熱することができ、リーン液5から更に二酸化炭素を放出させることができる。このため、再生装置30から排出されるリーン液5の二酸化炭素含有量をより一層低減することができる。
【0058】
なお、上述した本実施の形態においては、導入口41は、上方に向けてリッチ液4を吐出するように構成されていてもよい。この場合には、上流側空間44内におけるリッチ液4の上昇流れを強めることができ、吸引口61からのリーン液5の吸引量を増大させることができる。
【0059】
(第4の実施の形態)
次に、図6を用いて、本発明の第4の実施の形態における二酸化炭素回収システムおよび二酸化炭素回収システムの運転方法について説明する。
【0060】
図6に示す第4の実施の形態においては、上流側空間に、上流側空間を開口部に向かって流れる吸収液の流れ方向を変更させるバッフルが設けられている点が主に異なり、他の構成は、図1に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図6において、図1に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0061】
本実施の形態においては、図6に示すように、上流側空間44に、上流側空間44を開口部47に向かって流れるリッチ液4の流れ方向を変更させる板状のバッフル63が設けられている。図6では、上流側空間44に、区画部材43の軸方向に直交する方向(水平方向)に延びる複数のバッフル63が設けられている例が示されている。バッフル63は、基端において区画部材43に支持され、自由端において、リッチ液4が通過する流路を画定している。バッフル63は、入れ子式に配置されている。すなわち、基端が、区画部材43の一方の側の部分(図6における左側部分)に支持されているバッフル63と、基端が、区画部材43の他方の側の部分(図6における右側の部分)に支持されているバッフル63とが、区画部材43の軸方向において交互に配置されている。
【0062】
各バッフル63には、リッチ液4から放出された二酸化炭素の気泡が通過可能な貫通孔64が設けられていることが好適である。貫通孔64の形状、大きさ、個数は、二酸化炭素の気泡が通過可能であれば任意であり、またリッチ液4の流れを変更させるというバッフル63の目的が喪失されることを防止できれば任意である。図6においては、図面を明瞭にするために、最上段のバッフル63に貫通孔64が設けられている例を示しているが、各段のバッフル63に、複数の貫通孔64が設けられていることが好適である。
【0063】
なお、図6においては、図1等に示すような突出部46は形成されておらず、区画部材43は、再生タンク40の内部に配置されている。そして、下流側空間45には、リッチ液ラインL1と導入口41とを連結したリッチ液配管62が挿入されている。
【0064】
本実施の形態では、導入口41から導入されたリッチ液4の流れは、バッフル63によって制限されて、リッチ液4の流れ方向が変更される。上述したように、複数のバッフル63が入れ子式に配置されていることにより、上流側空間44内のリッチ液4は、上流側空間44内を、水平方向に蛇行しながら上昇する。この間、リッチ液4は、ヒータ48のヒータ本体49によって加熱され、リッチ液4から二酸化炭素が放出され、リーン液5となる。リーン液5は、上流側空間44内を蛇行しながら上昇し、開口部47を通過して下流側空間45に流入する。
【0065】
このように本実施の形態によれば、上流側空間44内に設けられたバッフル63によって、上流側空間44内のリッチ液4の流れ方向を変更させることができる。このことにより、上流側空間44内のリッチ液4を均一に加熱することができるとともに、リッチ液4とヒータ48のヒータ本体49による加熱時間を長くすることができる。このため、リッチ液4から二酸化炭素を、より一層効率良く放出させることができる。この結果、再生装置30から排出されるリーン液5の二酸化炭素含有量をより一層低減することができる。
【0066】
また、本実施の形態によれば、バッフル63に貫通孔64が設けられていることにより、リッチ液4から放出された二酸化炭素の気泡は、貫通孔64を通過して上昇することができる。このことにより、二酸化炭素の気泡を、スムースに上昇させることができ、二酸化炭素を吸収液4、5からスムースに分離させることができる。このため、再生装置30から排出されるリーン液5の二酸化炭素含有量をより一層低減することができる。
【0067】
なお、上述した本実施の形態においては、バッフル63が、区画部材43の軸方向に直交する方向(水平方向)に延びている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはない。例えば、バッフル63は、水平方向(あるいは、区画部材43の軸方向)に対して斜めの方向に延びるように形成してもよい。この場合には、バッフル63の基端よりも自由端が、高い位置に配置されることが好適である。このことにより、図6に示すような貫通孔64が設けられていなくても、リッチ液4から放出された二酸化炭素の気泡を、吸収液4、5の液面に向けて上昇させることができる。
【0068】
以上述べた実施の形態によれば、再生装置から排出される吸収液の二酸化炭素含有量を低減することができ、二酸化炭素の回収性能を向上させることができる。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、当然のことながら、本発明の要旨の範囲内で、これらの実施の形態を、部分的に適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0070】
1:二酸化炭素回収システム、20:吸収装置、30:再生装置、40:再生タンク、41:導入口、42:導出口、43:区画部材、44:上流側空間、45:下流側空間、47:開口部、48:ヒータ、60:整流板、61:吸引口、63:バッフル、64:貫通孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6